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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年6月7日
【発行日】2018年11月29日
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/475 20060101AFI20181102BHJP
   A61F 13/533 20060101ALI20181102BHJP
   A61F 13/532 20060101ALI20181102BHJP
   A61F 13/47 20060101ALI20181102BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20181102BHJP
   A61F 13/511 20060101ALI20181102BHJP
【FI】
   A61F13/475 100
   A61F13/533 100
   A61F13/532 100
   A61F13/47 300
   A61F13/15 220
   A61F13/511 300
   A61F13/475 120
   A61F13/47 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】25
【出願番号】特願2017-562785(P2017-562785)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2016年11月30日
(11)【特許番号】特許第6316521号(P6316521)
(45)【特許公報発行日】2018年4月25日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100139022
【弁理士】
【氏名又は名称】小野田 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100192463
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 剛規
(74)【代理人】
【識別番号】100169328
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 健治
(74)【代理人】
【識別番号】100201112
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 美紀
(72)【発明者】
【氏名】北川 雅史
(72)【発明者】
【氏名】橋野 央
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA03
3B200BA14
3B200BB03
3B200CA14
3B200CA15
3B200DA02
3B200DA03
3B200DA13
3B200DA14
3B200DB05
3B200DB15
3B200DF08
3B200EA24
(57)【要約】
本開示は、着用時における違和感を抑制しつつ横漏れを改善し、装着性を向上し易い吸収性物品を提供することを目的とする。
吸収性物品(1)は、液透過性の表面シート(3)と、一対のサイドシート(5、5’)と、吸収体(7)と、液不透過性の裏面シート(9)と、着衣固定用の粘着部(11)と、を備え、吸収体7の側縁(13、13’)から厚さ方向Tに延びる一対の仮想面(VS、VS’)を有し、サイドシート(5、5’)は、仮想面(VS、VS’)において厚さ方向(T)に表面シート(3)と吸収体(7)との間に位置し、長手方向(L)の排泄口対応領域(R3)において、表面シート(3)が、仮想面(VS、VS’)を基端(P1、P1’)として、外側端部(31、31’)を経由し且つ接合部(33、33’)を終端(P2、P2’)としてサイドシート(5、5’)に接合された、一対のループ部(35、35’)を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向、幅方向、及び厚さ方向を有すると共に、肌対向面及び非肌対向面を有する吸収性物品であって、
前記吸収性物品は、液透過性の表面シートと、一対のサイドシートと、吸収体と、液不透過性の裏面シートと、着衣固定用の粘着部と、を備え、
前記吸収性物品は、前記吸収体の一対の側縁から前記厚さ方向に延びる一対の仮想面を有し、
前記一対のサイドシートは、前記一対の仮想面において前記厚さ方向に前記表面シートと前記吸収体との間に位置し、
前記吸収性物品は、前記長手方向において排泄口に対応する排泄口対応領域において、前記表面シートが、前記一対の仮想面を一対の基端として、前記一対の仮想面よりも前記幅方向の外側に存在する一対の外側端部を経由し且つ前記一対の外側端部の前記幅方向の内側において一対の接合部を一対の終端として前記一対のサイドシートに接合されている、一対のループ部を有することを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
前記一対の接合部のそれぞれが、前記一対の仮想面よりも前記幅方向の内側に存在する、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記一対のループ部において、前記一対の基端は、前記一対の終端と直接又は間接的に接合されていない、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記一対のループ部のそれぞれは、弾性部材を含まない、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記吸収性物品は、少なくとも前記排泄口対応領域内且つ前記一対の接合部よりも前記幅方向の内側において、前記表面シートから前記吸収体までを圧搾した、前記長手方向に延在する一対の圧搾部をさらに備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記吸収体は、吸収性ポリマーを有し、
前記吸収性物品は、前記一対の圧搾部よりも前記幅方向の外側において、前記吸収体の前記吸収性ポリマーの坪量が、前記一対の圧搾部よりも前記幅方向の内側よりも高い高坪量領域を有する、請求項5に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記吸収性物品は、平面視にて、前記長手方向において、前記排泄口対応領域に隣接する一対の長手方向端部領域を有し、
前記吸収性物品は、前記一対の長手方向端部領域において、前記表面シートと前記一対のサイドシートとを接合する一対の端部領域接合部を有し、
前記一対の端部領域接合部は、前記一対の接合部よりも前記幅方向における外側に存在する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記一対の端部領域接合部は、前記長手方向に連続的又は間欠的に延在するエンボス部である、請求項7に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記吸収性物品は、前記幅方向に延在する少なくとも一の個包装折線で肌対向面側に折られて、包装シートにより個包装されており、
前記個包装折線が、前記一対の接合部よりも、前記吸収性物品の前記長手方向の端部側に位置する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記一対のループ部のそれぞれは、内面における一方の部分が他方の部分と接合されていない、請求項1〜9のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記表面シートは、エアスルー不織布からなり、前記一対のループ部のそれぞれの外面がエア面となるように配置されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項12】
前記一対のサイドシートのそれぞれは、疎水性のシートからなる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド等の吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド等の吸収性物品は、着用者の体液の漏れを防止することのほかに、着用者の股間部に接触しながら長時間着用されるものであるため、身体に良好に且つ快適にフィットすることが求められている。そこで、従来の吸収性物品において、例えば、吸収性物品における着用者の股間部に対応する位置に、弾性サイドフラップを設け、吸収性物品と着用者との密着性を高めることによりフィット性を向上させた吸収性物品が検討されている。
【0003】
そのような吸収性物品として、例えば、特許文献1には、液体透過性のトップシート、液体不透過性のバックシート、及び人体から滲出された液体を吸収するため、前記トップシートと前記バックシートとの間に位置された、一対の側縁部を有する液体吸収体パッドを有する吸収体物品において、i)前記吸収体パッドの各側縁部に沿って弾性サイドフラップを有し、このサイドフラップは、前記吸収体パッドの前記側縁部から延び且つこの側縁部に向かってループをなして戻るループ部材であって、前記吸収体パッドの前記側縁部の近くに開口部を備えたベース端、先端、衣料に面する部分、及び着用者に面する部分を有するループ部材と、前記ベース端開口部を通って前記ループ部材内に延びる挿入部材であって、先端及び前記ベース端開口部と隣接したベース端を有する挿入部材と、前記挿入部材の前記ベース端の外側で前記挿人部材の長さの一部に沿って取り付けられており、前記ループ部材には取り付けられていない弾性材料と、前記挿入部材を前記ループ部材の前記衣料に面する部分及び前記着用者に面する部分に前記ベース端のところで取り付けるシールとを有し、ii)前記吸収体パッドの各側縁部に沿って配置された接合線と隣接しており且つこの接合線から横方向に延びるウイングを有する、吸収体物品が提案されている。この特許文献1に開示された吸収性物品によれば、吸収性物品のフィット性を改善することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表平8−503638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
文献1に記載された従来の吸収性物品では、使用時の身体に対する装着性を高め、横漏れを抑制する目的で、吸収体パッドの各側縁部に沿って、一対の弾性サイドフラップを備えている。しかし、前記一対の弾性サイドフラップは、前記吸収性物品の幅方向において、吸収体パッドから隔てられた位置に配置されている。したがって、着用者が前記吸収性物品を着用し、前記吸収性物品ないし吸収体パッドが着用者の股部の形状に沿って変形すると、前記一対の弾性サイドフラップが、前記吸収体パッドの変形に追従しきれず、着用者との密着性が低減し、横漏れを十分に抑制できない場合があった。また、前記一対の弾性サイドフラップが、前記吸収性物品の幅方向において、前記吸収体パッドと隣接して配置されており、前記一対の弾性サイドフラップが、前記吸収体パッドの各側縁部と着用者の股部との緩衝役として機能しないので、前記吸収体パッドの各側縁部が液体透過性のトップシートを介して着用者の股部に当接し、着用者に違和感を与える虞があった。
そこで、本開示は、着用時における違和感を抑制しつつ横漏れが少なく、装着性に優れる吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る吸収性物品は、
長手方向、幅方向、及び厚さ方向を有すると共に、肌対向面及び非肌対向面を有する吸収性物品であって、
前記吸収性物品は、液透過性の表面シートと、一対のサイドシートと、吸収体と、液不透過性の裏面シートと、着衣固定用の粘着部と、を備え、
前記吸収性物品は、前記吸収体の一対の側縁から前記厚さ方向に延びる一対の仮想面を有し、
前記一対のサイドシートは、前記一対の仮想面において前記厚さ方向に前記表面シートと前記吸収体との間に位置し、
前記吸収性物品は、前記長手方向において排泄口に対応する排泄口対応領域において、前記表面シートが、前記一対の仮想面を一対の基端として、前記一対の仮想面よりも前記幅方向の外側に存在する一対の外側端部を経由し且つ前記一対の外側端部の前記幅方向の内側において一対の接合部を一対の終端として前記一対のサイドシートに接合されている、一対のループ部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
着用時における違和感を抑制しつつ横漏れを改善し、装着性を向上し易い吸収性物品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示の実施形態に係る生理用ナプキン1を展開した状態で表面シート側から厚さ方向に見た平面図である。
図2図2は、本開示の実施形態に係る生理用ナプキン1の展開した状態における斜視図である。
図3図3は、本開示の実施形態に係る生理用ナプキン1における、長手方向に延びる幅方向中央軸線Cに沿った長手方向端面の端面図である。
図4図4は、本開示の実施形態に係る生理用ナプキン1について、図1のIV−IV端面における拡大端面図である。
図5図5は、図4における領域Xの拡大図である。
図6図6は、本開示の実施形態に係る生理用ナプキン1を着用している状態の模式図である。
図7図7は、本開示の実施形態に係る生理用ナプキン1における、接合部と端部領域接合部との位置関係を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[態様1]
長手方向、幅方向、及び厚さ方向を有すると共に、肌対向面及び非肌対向面を有する吸収性物品であって、
前記吸収性物品は、液透過性の表面シートと、一対のサイドシートと、吸収体と、液不透過性の裏面シートと、着衣固定用の粘着部と、を備え、
前記吸収性物品は、前記吸収体の一対の側縁から前記厚さ方向に延びる一対の仮想面を有し、
前記一対のサイドシートは、前記一対の仮想面において前記厚さ方向に前記表面シートと前記吸収体との間に位置し、
前記吸収性物品は、前記長手方向において排泄口に対応する排泄口対応領域において、前記表面シートが、前記一対の仮想面を一対の基端として、前記一対の仮想面よりも前記幅方向の外側に存在する一対の外側端部を経由し且つ前記一対の外側端部の前記幅方向の内側において一対の接合部を一対の終端として前記一対のサイドシートに接合されている、一対のループ部を有することを特徴とする吸収性物品。
本態様に係る吸収性物品は、排泄口対応領域において所定の構成を有する一対のループ部を有し、前記一対のループ部が、前記一対の仮想面において前記吸収体よりも肌対向面側に位置する一対のサイドシートに接合されているので、前記一対のループ部は、前記吸収体の一対の側縁部を覆うように配置されている。したがって、着用者が前記吸収性物品を着用し、前記吸収性物品ないし吸収体が着用者の股部の形状に沿って変形しても、前記一対のループ部が、前記吸収体の変形に追従し易く、着用者との密着性を維持し易く、横漏れを抑制し易い。また、吸収体よりも肌対向面側に位置する前記一対のループ部の緩衝作用により、着用者が吸収体の硬さを感取し難い。その結果、本態様に係る吸収性物品は、着用時における違和感を抑制して装着性を向上し易い。
【0010】
[態様2]
前記一対の接合部のそれぞれが、前記一対の仮想面よりも前記幅方向の内側に存在する、態様1に記載の吸収性物品。
本態様に係る吸収性物品において、前記一対のループ部は、前記一対の外側端部で折り返された表面シートと一対のサイドシートとが、前記一対の仮想面の前記幅方向の内側において接合されてなるので、着用者が前記吸収性物品を着用し、前記吸収性物品ないし吸収体が着用者の股部の形状に沿って変形しても、前記一対のループ部が、前記吸収体の変形により一層追従し易く、着用者との密着性を維持し易く、横漏れを抑制し易い。さらに、前記構成を有する一対のループ部は、表面シートと一対のサイドシートとが、前記一対の仮想面の前記幅方向の外側において接合されてなる場合に比べて、幅方向の外周長さが長くなり、肌対向面側に起立する余地が増える。したがって、前記一対のループ部による前述の作用効果をより効果的に奏することができる結果、着用時における違和感を抑制して装着性を向上し易い。
【0011】
[態様3]
前記一対のループ部において、前記一対の基端は、前記一対の終端と直接又は間接的に接合されていない、態様1又は2に記載の吸収性物品。
前記一対のループ部において、前記一対の基端と前記一対の終端とが接合されておらず、或いは前記一対の基端が他のシート部材を介して前記一対の終端と接合されていないので、本態様に係る吸収性物品は、前記一対の基端と前記一対の終端との接合部を有さず、着用者の股部に刺激や圧迫感を生じ難い。したがって、本態様に係る吸収性物品は、着用時における違和感を抑制して装着性を向上し易い。
【0012】
[態様4]
前記一対のループ部のそれぞれは、弾性部材を含まない、態様1〜3のいずれか一つに記載の吸収性物品。
前記一対のループ部が、弾性部材を含まないので、前記弾性材料の収縮力により着用者の股部に生じる刺激や圧迫感を低減し易い。したがって、本態様に係る吸収性物品は、着用時における違和感を抑制して装着性を向上し易い。
【0013】
[態様5]
前記吸収性物品は、少なくとも前記排泄口対応領域内且つ前記一対の接合部よりも前記幅方向の内側において、前記表面シートから前記吸収体までを圧搾した、前記長手方向に延在する一対の圧搾部をさらに備える、態様1〜4のいずれか一つに記載の吸収性物品。
本態様に係る吸収性物品は、所定の一対の圧搾部を有するので、前記一対の圧搾部よりも幅方向の外側に位置する吸収体が肌対向面側に隆起し易く、当該隆起した部分における吸収体よりも肌対向面側に位置する前記一対のループ部も肌対向面側に起立し易い。したがって、前記一対のループ部が着用者の股部に密着し、体液を吸収し易いので、横漏れを防止し易い。したがって、前記一対のループ部による前述の作用効果をより効果的に奏することができる結果、着用時における違和感を抑制して装着性を向上し易い。
【0014】
[態様6]
前記吸収体は、吸収性ポリマーを有し、
前記吸収性物品は、前記一対の圧搾部よりも前記幅方向の外側において、前記吸収体の前記吸収性ポリマーの坪量が、前記一対の圧搾部よりも前記幅方向の内側よりも高い高坪量領域を有する、態様5に記載の吸収性物品。
本態様に係る吸収性物品において、前記一対の圧搾部よりも前記幅方向の外側の位置に存在する、吸収体の高坪量領域では、吸収性ポリマーの坪量が高く、吸収性ポリマーが多く存在する。かかる領域では、他の領域と比べてより多くの吸収容量を有するので、前記吸収性物品は、横漏れを抑制し易い。また、前記吸収性物品においては、前記位置に高坪量領域が設けられていても、前記一対のループ部の緩衝作用により、着用者が吸収体、ひいては吸収性ポリマーの硬さを感取し難い。その結果、本態様に係る吸収性物品は、着用時における違和感を抑制して装着性を向上し易い。
【0015】
[態様7]
前記吸収性物品は、平面視にて、前記長手方向において、前記排泄口対応領域に隣接する一対の長手方向端部領域を有し、
前記吸収性物品は、前記一対の長手方向端部領域において、前記表面シートと前記一対のサイドシートとを接合する一対の端部領域接合部を有し、
前記一対の端部領域接合部は、前記一対の接合部よりも前記幅方向における外側に存在する、態様1〜6のいずれか一つに記載の吸収性物品。
本態様に係る吸収性物品は、一対の接合部と一対の端部領域接合部とが所定の位置関係にあるので、前記一対のループ部が、前記一対の接合部と前記一対の外側端部との幅方向の距離を確保し易く、肌対向面側に起立し易い。さらに、前記端部領域接合部により前記一対の長手方向端部領域における表面シートと一対のサイドシートとを幅方向における外方側において接合し易いので、前記一対の長手方向端部領域における両シートが幅方向中心側にめくれ難く、前記一対のループ部が、前記一対の長手方向端部領域における両シートと連動して幅方向中心側にめくれてしまうことを抑制し易い。したがって、前記一対のループ部による前述の作用効果をより効果的に奏することができる結果、着用時における違和感を抑制して装着性を向上し易い。
【0016】
[態様8]
前記一対の端部領域接合部は、前記長手方向に連続的又は間欠的に延在するエンボス部である、態様7に記載の吸収性物品。
本態様に係る吸収性物品は、前記一対の長手方向端部領域に存在する一対の端部領域接合部が所定のエンボス部からなるので、前記一対の長手方向端部領域における吸収性物品が、着用者の体形に沿って変形し易い。したがって、前記一対のループ部による前述の作用効果をより効果的に奏することができる結果、着用時における違和感を抑制して装着性を向上し易い。
【0017】
[態様9]
前記吸収性物品は、前記幅方向に延在する少なくとも一の個包装折線で肌対向面側に折られて、包装シートにより個包装されており、
前記個包装折線が、前記一対の接合部よりも、前記吸収性物品の前記長手方向の端部側に位置する、態様1〜8のいずれか一つに記載の吸収性物品。
本態様に係る吸収性物品は、個包装折線と前記一対の接合部とが所定の位置関係にあるので、個包装折線と前記一対のループ部とが長手方向において重複し難く、前記一対のループ部の、肌対向面側への起立し易さを阻害し難い。したがって、前記一対のループ部による前述の作用効果をより効果的に奏することができる結果、着用時における違和感を抑制して装着性を向上し易い。
【0018】
[態様10]
前記一対のループ部のそれぞれは、内面における一方の部分が他方の部分と接合されていない、態様1〜9のいずれか一つに記載の吸収性物品。
本態様に係る吸収性物品は、一対のループ部のそれぞれが特定の構造を有するので、ループ部における柔軟性が損なわれ難く、前記一対のループ部による前述の作用効果をより効果的に奏することができる結果、着用時における違和感を抑制して装着性を向上し易い。
【0019】
[態様11]
前記表面シートは、エアスルー不織布からなり、前記一対のループ部のそれぞれの外面がエア面となるように配置されている、態様1〜10のいずれか一つに記載の吸収性物品。
本態様に係る吸収性物品は、表面シートが特定の形態により配置されたエアスルー不織布からなるので、一対のループ部の外面が滑らかな肌触りを有し、ループ部に着用者の股部が当接しても肌への刺激が少なく、着用時における違和感を抑制して装着性を向上し易い。
【0020】
[態様12]
前記一対のサイドシートのそれぞれは、疎水性のシートからなる、態様1〜11のいずれか一つに記載の吸収性物品。
本態様に係る吸収性物品は、一対のサイドシートが疎水性材料からなるので、側部領域での液戻りを抑制し易く、着用時における違和感を抑制して装着性を向上し易い。
【0021】
以下、本開示の吸収性物品の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本明細書においては、特に断りのない限り、「展開した状態で水平面上に置いた対象物(例えば、吸収性物品、吸収体等)を、それらの厚さ方向の上方側から対象物を見ること」を「平面視」という。
本明細書において用いる各種方向等については、特に断りのない限り、以下のとおりである。
本明細書において、「長手方向」は「平面視における縦長の対象物の長さの長い方向」を指し、「幅方向」は「平面視における縦長の対象物の長さの短い方向(短手方向)」を指し、「厚さ方向」は「展開した状態で水平面上に置いた対象物に対して垂直方向」を指す。これらの長手方向、幅方向及び厚さ方向は、それぞれ互いに直交する関係にある。
【0022】
また、本明細書では、「縦長の対象物(例えば、吸収性物品、吸収体等)の幅方向において、長手方向に延びる幅方向中央軸線Cに対して相対的に近位側」を「幅方向の内側」といい、「前記縦長の対象物の幅方向において、前記幅方向中央軸線Cに対して相対的に遠位側」を「幅方向の外側」という。
【0023】
さらに、本明細書では、「吸収性物品の長手方向において、着用者が吸収性物品を着用した際に着用者の腹部に対して相対的に近位側となる一方側」を「吸収性物品の前方側」といい、「吸収性物品の長手方向において、着用者が吸収性物品を着用した際に着用者の腹部に対して相対的に遠位側(すなわち、着用者の背部に対して相対的に近位側)となる他方側」を「吸収性物品の後方側」という。
さらに、本明細書では、特に断りのない限り、吸収性物品の厚さ方向において、「吸収性物品の着用時に、着用者の肌対向面に対して相対的に近位側」を「肌対向面側」といい、「吸収性物品の着用時に、着用者の肌対向面に対して相対的に遠位側」を「非肌対向面側」という。なお、本明細書においては、吸収性物品を構成する各種部材(例えば、表面シート、吸収体、裏面シート等)の「肌対向面側の表面」及び「非肌対向面側の表面」を、それぞれ単に「肌対向面」及び「非肌対向面」という。
【0024】
[実施形態]
[吸収性物品の基本構成]
図1は、本開示の実施形態に係る生理用ナプキン1を展開した状態で表面シート側から厚さ方向に見た平面図である。図2は、本開示の実施形態に係る生理用ナプキン1の展開した状態における斜視図である。図3は、本開示の実施形態に係る生理用ナプキン1における、長手方向に延びる幅方向中央軸線Cに沿った長手方向端面の端面図である。図4は、本開示の実施形態に係る生理用ナプキン1について、図1のIV−IV端面における拡大端面図である。図5は、図4における領域Xの拡大図である。なお、図1において、図面の上方側が吸収性物品の前方側に相当し、図面の下方側が吸収性物品の後方側に相当する。
【0025】
本実施形態に係る生理用ナプキン1は、図1図5に示すように、平面視にて、長手方向L及び幅方向Wを有する縦長の外形形状を有している。
生理用ナプキン1は、図1図5に示すように、厚さ方向Tにおいて、生理用ナプキン1の最も肌対向面側に位置する液透過性の表面シート3と、表面シート3よりも非肌対向面側に位置する疎水性のサイドシート5、5’と、サイドシート5、5’よりも非肌対向面側に位置する吸収体7と、吸収体7よりも非肌対向面側に位置する裏面シート9と、裏面シート9の非肌対向面に配置された、幅方向Wに連続的又は断続的に延びる複数の着衣固定用の粘着部11と、を備えている。
生理用ナプキン1は、着用者から排出された経血や尿等の液状排泄物を、厚さ方向Tに浸透させながら吸収体7にて吸収及び保持することができるように構成されている。
【0026】
本実施形態に係る生理用ナプキン1は、長手方向Lに延びる吸収体7の一対の側縁13、13’から厚さ方向Tに延びる一対の仮想面VS、VS’を有する。
また、生理用ナプキン1は、幅方向Wにおいて、一対の仮想面VS、VS’の内側に位置する本体部領域R1と、一対の仮想面VS、VS’の外側にそれぞれ位置する側部領域R2、R2’とに区画される。さらに、生理用ナプキン1は、長手方向Lにおいて、後述する個包装折線L1、L2の内側に位置する排泄口対応領域R3と、個包装折線L1、L2の外側に位置する長手方向端部領域R4、R4’とに区画される。つまり、平面視にて、一対の長手方向端部領域R4、R4’は、長手方向Lにおいて、排泄口対応領域R3に隣接している。
【0027】
本実施形態に係る生理用ナプキン1は、図示されない剥離シートを介して個包装シート15に粘着剤等により接合されている。また、生理用ナプキン1は、幅方向Wに延在する個包装折線L1、L2のそれぞれにおいて、個包装シート15及び剥離シートと共に、肌対向面側に折り畳まれ、個包装シート15が止着部17と止着されて個包装体を形成する。
なお、本実施形態における個包装折線は2本であるが、本開示の吸収性物品の個包装折線の本数はこれに限定されず、3本以上あってもよい。
【0028】
ここで、本明細書において、「排泄口対応領域」とは、吸収性物品の着用時に、着用者の排泄口に対向する或いは当接する領域を含む領域を指し、吸収性物品の種類や用途(具体的には、尿や便、経血などの液状排泄物の種類、対象とする着用者の年齢や性別等)に応じて、吸収性物品の種類毎に適宜設定される領域である。
吸収性物品が、個包装折線で折り畳まれて個包装される生理用ナプキンである場合には、「排泄口対応領域」とは、長手方向において、生理用ナプキンの前方より1つ目及び2つ目の個包装折線の間に位置する領域を指す。
【0029】
なお、排泄口対応領域は、通常、吸収性物品の長手方向の略中央部或いは前方側寄りの位置(例えば、吸収性物品が吸収本体部及びフラップ部を有する場合は、平面視にて、吸収本体部における、フラップ部と長手方向において重複する前方側寄りの位置であり、吸収性物品が長手方向の略中央部において幅方向の内側に括れた括れ部を有する吸収本体部からなる場合は、平面視にて、吸収本体部における前記括れ部に対応する位置であり、また、吸収性物品が長円状の吸収本体部から構成される場合は、吸収本体部の幅方向に延びる長手方向中央軸線を跨ぐ略中央部の位置である。)において、吸収性物品の長手方向全長の約1/3以上の長手方向長さと、吸収性物品の幅方向全長の約1/3以上の幅方向長さを有するように設定されるが、例えば、吸収性物品が夜用ナプキン等の場合は、排泄口対応領域の長手方向長さが、吸収性物品の長手方向全長の1/3未満となるように設定されることもある。
また、本実施形態に係る生理用ナプキン1は、幅方向Wにおける側部領域R2、R2’のそれぞれ、且つ長手方向Lにおける排泄口対応領域R3の前方寄りの位置において、幅方向Wの外側へ延出する略台形状のフラップ部19、19’を含んでいる。
【0030】
一対のフラップ部19、19’のそれぞれは、図1図5に示すように、厚さ方向Tにおいて、生理用ナプキン1の肌対向面側に位置するサイドシート5、5’と、サイドシート5、5’の非肌対向面側に位置する裏面シート9と、裏面シート9の非肌対向面に配置された長手方向Lに延びる着衣固定用の粘着部21、21’と、を備えている。
なお、生理用ナプキン1は、着用する際に、少なくとも、長手方向Lにおける全域且つ幅方向Wにおける本体部領域R1に相当する部分の非肌対向面を、粘着部11を介して着用者の下着の肌対向面に貼り付けた後、一対のフラップ部19、19’を、それぞれ下着の非肌対向面側に折り返しつつ粘着部21、21’を介して下着の非肌対向面に貼り付けることにより、下着に固定されるものである。したがって、一対のフラップ部19、19’の非肌対向面は、生理用ナプキン1の着用時には、着用者の肌に対向する面となる。
【0031】
ここで、生理用ナプキン1を着用者の下着に固定するための、長手方向Lにおける全域且つ幅方向Wにおける本体部領域R1に相当する部分における粘着部11及び各フラップ部19、19’における粘着部21、21’に用いられる粘着剤は、それぞれ生理用ナプキン1を着用者の下着に固定し得るものであれば特に制限されず、例えば、スチレン系ポリマー等の任意の粘着剤を用いることができる。なお、上記の一対のフラップ部は、本開示においては必須の構成要素ではないため、本開示の吸収性物品は、当該一対のフラップ部を有していなくてもよい。
また、生理用ナプキン1において、排泄口対応領域R3には、後述するように、表面シート3及び吸収体7を厚さ方向Tに圧搾すると共に、一対の仮想面VS、VS’に沿って延在する一対の圧搾部23、23’が設けられている。
【0032】
以下、本開示の吸収性物品を構成する各種部材について、上記の実施形態に係る生理用ナプキン1を用いて更に詳細に説明する。
【0033】
[表面シート]
本実施形態に係る生理用ナプキン1において、表面シート3は、図1図3及び図4に示すように、長手方向Lの全域且つ幅方向Wの本体部領域R1と側部領域R2、R2’の一部とを含む領域において厚さ方向Tの肌対向面側に配置され、着用者の肌対向面に直に接触し得る液透過性シート部材によって構成されている。また、本実施形態において、表面シート3は、肌対向面側に位置する第1シート3aと非肌対向面側に位置する第2シート3bとの2層構造により構成されている。
表面シート3を構成する上記液透過性シート部材は、吸収性物品の表面シートとして用い得る諸特性(例えば、液透過性や柔軟性、肌触り等)を有するものであれば特に制限されず、例えば、セルロース系繊維や親水化処理を施した熱可塑性樹脂繊維等の親水性繊維を用いて形成された、スパンレース不織布やエアスルー不織布等の不織布などを用いることができる。中でも、本開示の吸収性物品に用いる表面シートの第1シート3aは、後述するように、肌触りの観点からエアスルー不織布からなるのが好ましく、本実施形態における表面シート3の第1シート3aもエアスルー不織布により形成されている。
【0034】
一方、表面シートの第2シートは、所謂セカンドシートともいわれるシート部材であり、当該第2シートは、その構成繊維が合成繊維である液透過性の繊維シートであることが好ましい。第2シートとしては、交差した合成繊維同士の互いの交点がエアスルー方式の熱融着によって接合されているエアスルー不織布であることが好ましい。なお、エアスルー不織布以外にも、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布等であっても良い。第2シートがエアスルー不織布である場合には、その坪量は、15g/m〜40g/mの範囲内であることが好ましい。
なお、本実施形態における表面シート3は、第1シート3a及び第2シート3bの2層構造により構成されていたが、本開示の吸収性物品では第2シートは必須の構成要素ではなく、本開示の吸収性物品においては、表面シートは、第1シートのみで形成されてもよい。また、本開示の吸収性物品において、第2シート(セカンドシート)は、当該吸収性物品が表面シートとは別の構成部材として備えるシート部材であってもよい。
【0035】
本実施形態に係る生理用ナプキン1において、表面シート3は、図1図5に示すように、本体部領域R1の幅方向W全域に亘り且つ生理用ナプキン1の長手方向Lにおける全域に亘って、長手方向Lに平行な畝溝構造を有する。ただし、表面シート3は、一対の仮想面VS、VS’のそれぞれの外側に延出する部分には畝溝構造を有しない。より具体的には、表面シート3には、複数の畝部27及び複数の溝部29が、長手方向Lにそれぞれ延在していると共に、複数の畝部27のうちの1つの畝部27と複数の溝部29のうちの1つの溝部29とが幅方向Wに交互に並ぶように配置されている。つまり、表面シート3の畝溝構造は、長手方向Lに延在し且つ幅方向Wに並設された複数の溝部29と、幅方向Wにおいて複数の溝部29の内、隣接する2つの溝部29の間に延在する畝部27とからなる。
【0036】
さらに、本実施形態に係る生理用ナプキン1において、複数の溝部29は、ヒートエンボス処理により形成されたエンボス部である。ヒートエンボス処理では、表面シート3の肌対向面側に位置する面のうち、互いに離間する多数の部位が、厚さ方向Tに圧縮されると同時に、加熱される。これにより、表面シート3には、第1シート3a及び第2シート3bを一体化し、所定の深さを有する溝部29が形成される。
本開示の吸収性物品における凹凸構造は、例えば、特開2009−279098号公報、特開2010−1154749号公報等に記載の方法により形成できる。また、エンボス部のピッチ(すなわち溝部の間隔)は、長手方向に関しては通常0〜10mm、好ましくは0.5〜2mmであり、幅方向に関しては通常0.1〜10mm、好ましくは1〜4mmである。さらに、エンボス部の深さは、0.1〜5mm、好ましくは0.1〜1mmである。
【0037】
なお、本明細書において、対象物(畝部、ループ部等)の高さ又は厚みの測定は、以下の通りとする。当該測定は、レーザー変位計(例えば、キーエンス株式会社製 高精度2次元レーザー変位計LJ−Gシリーズ(型式:LJ−G030))を使用して、次のように非接触方式で実施される。対象物を含む吸収性物品を水平の測定台の上に置き、対象物の異なる5つの部位について、測定台からの変位をレーザー変位計で測定し、5つの測定値の平均値を当該対象物の高さ又は厚さ(mm)とする。
【0038】
表面シートが上記のような畝溝構造を有することにより、着用者から排出された液体が、吸収性物品の長手方向に拡散し易い一方、幅方向には長手方向と比して拡散し難くなり、横漏れし難い。さらに、表面シートが上記畝溝構造を有することにより、各畝部と各溝部との境界に剛性差が生じるので、着用者の体形に応じた、吸収性物品の幅方向の変形を誘導し易い。
【0039】
なお、本開示における吸収性物品における表面シートには、上記作用効果を得られる観点から凹凸構造が設けられている方が好ましいが、上記凹凸構造は必ずしも設けられていなくてもよい。
また、表面シートの寸法は、吸収体の肌対向面を被覆することができ且つ後述の一対のループ部を形成し得るものであれば特に制限されず、吸収性物品の着用対象者の大きさや性別、用途などに応じた任意の寸法形状を採用することができる。また、表面シートの坪量は、本開示の効果を阻害しない限り特に制限されず、例えば、5g/m2〜100g/m2の範囲内の坪量を採用することができるが、液透過性や柔軟性などの点から20g/m2〜50g/m2の範囲内の坪量が好ましい。なお、本明細書において、坪量は、JIS L 1906の5.2に従って測定することができる。
【0040】
[吸収体]
次に、本開示の吸収性物品に用い得る吸収体について説明する。本実施形態に係る生理用ナプキン1において、図1、3、4、5に示すように、吸収体7は、厚さ方向Tにおいて、表面シート3と裏面シート9との間に配置されて、表面シート3を透過してきた着用者の液状排泄物を吸収及び保持する機能を有する吸収性部材である。吸収体7は、図1に示すように、平面視にて、長手方向Lにおける前方側及び後方側の各端縁がそれぞれ前方側及び後方側に円弧状に突出した縦長の外形形状を有し、生理用ナプキン1の長手方向Lにおいて、排泄口対応領域R3から長手方向端部領域R4、R4’に亘って延在するように配置されている。
【0041】
本開示の吸収性物品において、吸収体は、特に制限されず、当分野において公知の任意の吸収体を用いることができる。そのような吸収体としては、例えば、パルプ等の吸水性繊維及び/又は吸収性ポリマー(SAP)を含む吸収性材料を含んでいてもよい。なお、吸収体の坪量は、例えば20〜1000g/mであり、好ましくは50〜800g/mが挙げられる。また、吸収体が吸収性ポリマーを含む場合、吸収性ポリマーの坪量は、吸収体全体としては例えば50〜500g/mであり、好ましくは100〜400g/mが挙げられる。
さらに、本開示の吸収性物品における吸収体は、少なくとも1枚のティッシュ等の液透過性被覆シート(いわゆる、コアラップ)を含んでいてもよい。
本開示の吸収性物品において、吸収体の厚みは、本開示の効果を阻害しない限り特に制限されず、例えば、0.1mm〜10mmの範囲内の厚みを採用することができるが、吸収性、柔軟性などの点から0.3mm〜3mmの範囲内の厚みが好ましい。
【0042】
なお、本開示において、吸収体は上記の態様のものに制限されず、吸収体は、例えば、長方形、長円形、砂時計形等の任意の外形形状を有していてもよく、また、吸収性物品の長手方向の前方寄り或いは後方寄りに偏って配置されていてもよい。ただし、パルプ等の吸水性繊維及び/又は高吸収性ポリマーを含む吸収性材料からなる吸収コアが、砂時計形を有している場合、すなわち、長手方向における排泄口対応領域において幅方向に括れた形状を有している場合であっても、吸収体の生産性(より具体的には液透過性被覆シートの切断工程における効率性)の観点から、吸収体全体としては長方形又は長円形の外形形状を有していてもよい。
【0043】
また、本実施形態に係る生理用ナプキン1の変形例において、吸収体は砂時計形の外形形状を有している。本変形例では、吸収体が長手方向Lにおける排泄口対応領域R3の少なくとも一部において、幅方向Wに括れた一対の括れ部を有する。より具体的には、当該一対の括れ部は、平面視にて、吸収体の長手方向Lに延びる両側縁のそれぞれが、排泄口対応領域において、幅方向Wの長さが他の部分よりも狭く形成されている。
本変形例において、吸収体が上記の括れ部を有していることにより、排泄口対応領域における吸収体と着用者の股部との接触機会を抑制し易いと共に、吸収体が着用者の股部との接触機会の多い部分(すなわち、後述する一対のループ部)を介して当接し易く、吸収体の硬さが着用者の股部に伝わり難いので、着用時における違和感を抑制し易い。
【0044】
[サイドシート]
本実施形態に係る生理用ナプキン1おけるサイドシート5、5’は、図1、4、5に示すように、本体部領域R1における長手方向Lに延びる両側縁付近であって且つ長手方向Lの全域に亘る領域から幅方向Wにおいて側部領域R2、R2’のそれぞれまで延出し、着用者から排出された経血や尿等の液状排泄物の漏洩を防ぐ疎水性シート部材によって構成されている。また、一対のサイドシート5、5’は、一対の仮想面VS、VS’において、厚さ方向Tに、表面シート3と吸収体7との間に位置する。本実施形態において、サイドシート5、5’の長手方向Lに延びる一方の側縁部分は、吸収体7の長手方向Lに延びる一対の側縁13、13’の肌対向面側に重なるように配置されている一方、その他方の側縁部分は、フラップ部19、19’において裏面シート9の肌対向面に接合されている。
生理用ナプキン1において、一対のサイドシート5、5’が疎水性材料からなるので、側部領域R2、R2’での液戻りを抑制し易く、着用時における違和感を抑制して装着性を向上し易い。
【0045】
なお、本開示の吸収性物品におけるサイドシートは、上記の態様に限定されず、吸収性物品のサイドシートとして用い得る諸特性(疎水性、柔軟性等)を有する限り、不織布、通気性を有するポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂フィルム、熱可塑性樹脂製シート等、公知のサイドシート部材を用いることができる。
【0046】
[ループ部]
本実施形態に係る生理用ナプキン1には、図1、2、4及び5に示すように、長手方向Lにおける排泄口対応領域R3において、表面シート3が、一対の仮想面VS、VS’を一対の基端として、一対の仮想面VS、VS’よりも幅方向Wの外側に存在する一対の外側端部31、31’を経由し且つ一対の外側端部31、31’の幅方向Wの内側において一対の接合部33、33’を一対の終端として一対のサイドシート5、5’に接合されている、一対のループ部35、35’が設けられている。
【0047】
本実施形態に係る生理用ナプキン1において、一対のループ部35、35’は、表面シート3における一対の仮想面VS、VS’をそれぞれ基端P1、P1’とし、接合部33、33’を終端P2、P2’とする、表面シート3がループ状に折り返されて形成された部分である。表面シート3が折り返される外側端部31、31’は、一対のループ部35、35’の幅方向Wにおける最も外側に位置すると共に、長手方向Lにおける排泄口対応領域R3且つ幅方向Wにおける一対の側部領域R2、R2’のそれぞれにおいて、長手方向Lに延在している。
さらに、図5に示すように、接合部33、33’は、本体部領域R1の仮想面VS、VS’の幅方向Wの内側且つ当該仮想面VS、VS’の幅方向Wの近傍において、表面シート3とサイドシート5、5’のそれぞれとの間に設けられている。本開示の吸収性物品において、接合部と吸収体の長手方向に延びる側縁との幅方向における距離は、好ましくは2〜25mm、より好ましくは5〜15mmである。下記で説明するように、一対のループ部のクッション性を確保する観点からである。
【0048】
また、本開示の吸収性物品において、一対のループ部のそれぞれの基端となる一対の仮想面のそれぞれと、外側端部との幅方向における距離は、好ましくは5〜35mm、より好ましくは8〜30mmである。下記で説明するように、一対のループ部のクッション性を確保する観点からである。
本開示の吸収性物品において、一対のループ部の長手方向における長さは、少なくとも幅方向における側部領域の一部且つ長手方向における排泄口対応領域の全域に亘って延在していることが好ましい。前記した通り、表面シートが着用者の股部との接触機会の多い一対のループ部の外側端部においては、当該一対のループ部が、表面シートが少なくとも排泄口対応領域において幅方向の外側に突出する構成となっていることにより、本開示の吸収性物品は、下記で説明するように、好適なクッション性を有すると共に、着用者の股部に対する刺激を与え難い。
【0049】
さらに、本開示の吸収性物品における一対のループ部の最大高さは、自然状態において、好ましくは5〜40mm、より好ましくは10〜35mmである。下記で説明するように、一対のループ部のクッション性を確保する観点からである。
ここで、本明細書において、対象物(ループ部、排泄口対応領域、等)の最大高さとは、吸収性物品を載置した水平な基準面からの対象物の高さの最大値をいい、前記のレーザー変位計で測定することができる。また、吸収性物品の自然状態とは、当該吸収性物品を展開した状態において、当該吸収性物品の重力以外の外力が働いていない状態をいう。
【0050】
また、生理用ナプキン1において、自然状態における一対のループ部35、35’の最大高さは、排泄口対応領域R3の最大高さ(すなわち、生理用ナプキン1を載置した水平な基準面から表面シート3の凹凸構造における畝部27において最も高い位置の高さ)よりも高い。かかる構成により、一対のループ部35、35’のそれぞれが、着用者の股部の形状に応じて変形し易いので、着用者の股部が受ける吸収体の硬さや刺激を感取し難くさせ、着用時における違和感を抑制し易い。
また、本開示の吸収性物品における一対のループ部のそれぞれは、排泄口対応領域において、クッション性を確保する観点から、厚さ方向Tにおいて、好ましくは2.0〜8.0N・m/m、より好ましくは、3.0〜6.0N・m/mさらにより好ましくは3.5〜5.5N・m/mのWC(圧縮エネルギー)を有している。
上記WC(圧縮エネルギー)は、値が大きいほど圧縮され易いことを意味し、吸収性物品のサンプルを自動化圧縮試験機「KES FB−3A」(カトーテック(株)製)による圧縮特性評価試験に供することにより取得できる。このとき、上記試験機の圧縮子は、その中心をループ部の幅方向中心部分に合わせて測定することとする。また、上記圧縮特性評価試験の測定条件は、以下の通りとする。
SENS :2
速度 :0.02mm/秒
ストローク:5mm/10V
圧縮子面積 :2cm2
取込み間隔:0.1秒
上限荷重 :50gf/cm2
繰返し回数:1回
なお、上記一対のループ部のそれぞれの厚さ方向TにおけるWC(圧縮エネルギー)が上記数値範囲にあれば、幅方向Wにおいても、上記一対のループ部のそれぞれが、本開示の吸収性物品において好適なクッション性を発揮できると考えられる。
【0051】
ここで、本実施形態に係る生理用ナプキン1において、一対のループ部35、35’を備えることによる作用効果を説明する。図6は、本開示の実施形態に係る生理用ナプキン1を着用している状態の模式図である。
図6に示すように、着用者が生理用ナプキン1をショーツSに装着して生理用ナプキン1を着用すると、着用者の股部が生理用ナプキン1を幅方向に押圧する。ここで、生理用ナプキン1は、上記のような一対のループ部35、35’を備えるので、幅方向Wにおいて、吸収体7よりも一対のループ部35、35’の方が外側にせり出し、一対のループ部35、35’が、吸収体7の一対の側縁13、13’を覆うように構成されている。したがって、着用者が生理用ナプキン1を着用し、生理用ナプキン1ないし吸収体7が着用者の股部の形状に沿って変形しても、一対のループ部35、35’が、吸収体7に追従して変形し易く、着用者との密着性を維持し易い。したがって、本実施形態に係る生理用ナプキン1は、横漏れを抑制し易い。
【0052】
また、着用者の股部が生理用ナプキン1を幅方向に押圧すると、一対のループ部35、35’は、着用者の股部に吸収体7の硬さを感取し難くする、いわばクッション材のように機能する。つまり、着用者の股部が生理用ナプキン1を幅方向に押圧すると、着用者の股部に吸収体7が当接する前に、着用者の股部は一対のループ部35、35’のクッション性(つまり、柔らかさや反発力)を感取し易い。そして、着用者の股部が生理用ナプキン1を幅方向にさらに押圧すると、着用者の股部に吸収体7が当接するまでは、着用者の股部は一対のループ部35、35’のクッション性を徐々により強く感取し易い。その結果、着用者の股部が生理用ナプキン1を幅方向にさらに一層押圧し、着用者の股部に吸収体7が当接しても、吸収体7に当接するまでの間に着用者の股部は一対のループ部35、35’のクッション性を感取しているので、一対のループ部のクッション性を感取せずに着用者の股部に吸収体の硬さが伝わる場合と比べて、生理用ナプキン1は、着用者の股部に吸収体の硬さを感取し難くさせることができる。したがって、上記構成により、吸収体7の硬さが着用者の股部に伝わり難くなる。しかも、本実施形態に係る生理用ナプキン1においては、上記一対のループ部35、35’が吸収体7のよりも肌対向面側の位置に配置され、着用者の股部が生理用ナプキン1を幅方向に押圧すると、吸収体7よりも外側にせり出している一対のループ部35、35’が着用者の股部の形状に応じて、幅方向Wに潰れるように柔軟に変形し易いと共に、当該変形が吸収体7により阻害され難いので、着用者の股部により当該一対のループ部35、35’のクッション性が感取され易い。
以上より本実施形態に係る生理用ナプキン1は、着用時における違和感を抑制して装着性を向上し易い。
【0053】
図5に示すように、本実施形態に係る生理用ナプキン1の一対のループ部35、35’において、一対の基端P1、P1’は、一対の終端P2、P2’と直接又は間接的に接合されていない。そして、厚さ方向Tにおいて、一対の基端P1、P1’と、一対の終端P2、P2’とは空気を介在して離間している。
このように、一対のループ部35、35’において、一対の基端P1、P1’と一対の終端P2、P2’とが接合されておらず、或いは一対の基端P1、P1’が他のシート部材を介して一対の終端P2、P2’と接合されていないので、生理用ナプキン1は、一対の基端P1、P1’と一対の終端P2、P2’との接合部を有さず、着用者の股部に刺激や圧迫感を生じ難い。したがって、生理用ナプキン1は、着用時における違和感を抑制して装着性を向上し易い。
【0054】
また、本実施形態に係る生理用ナプキン1において、一対のループ35、35’のそれぞれは、弾性部材を含んでいない。かかる構成により、生理用ナプキン1は、弾性材料の収縮力により着用者の股部に生じる刺激や圧迫感を低減し易い。
なお、本開示における吸収性物品において、一対のループ部のそれぞれが弾性部材を含まないとは、一対のループ部のそれぞれに配置された弾性部材、並びに一対のループ部のそれぞれの内部に配置された弾性部材を含まないことを意味する。
また、本実施形態に係る生理用ナプキン1において、図4及び5に示すように、一対のループ部35、35’のそれぞれは、前記基端P1、P1’となる一対の仮想面VS、VS’と前記終端P2、P2’となる接合部33、33’との間において、肌対向面に位置する上方ループ部37、37’と、非肌対向面に位置する下方ループ部39、39’とを有する。
【0055】
さらに、本実施形態に係る生理用ナプキン1において、図2、4、5に示すように、一対のループ部35、35’のそれぞれは、一対の仮想面VS、VS’から外側端部31、31’にかけて、外側端部31、31’が最も高くなるように肌対向面側に隆起している。そして、一対のループ部35、35’のそれぞれにおける非肌対向面に位置する下方ループ部39、39’は、サイドシート5、5’から離間している。
一対のループ部35、35’が、このような形状を有することにより、一対のループ部35、35’のそれぞれが、着用者の股部の形状に応じて変形し易いので、着用者の股部に吸収体7の硬さを感取し難くさせるので、生理用ナプキン1は、着用時における違和感を抑制して装着性を向上し易い。
【0056】
また、本実施形態に係る生理用ナプキン1において、一対のループ部35、35’のそれぞれは、外面ES(すなわち、上方ループ部37、37’の肌対向面及び下方ループ部39、39’の非肌対向面であって、外部に露出している表面)と、内面IS(すなわち、上方ループ部37、37’の非肌対向面及び下方ループ部39、39’の肌対向面であって、外部に露出していない表面)とを有する。そして、一対のループ部35、35’のそれぞれは、内面ISにおける一方の部分が他方の部分と接合されておらず、つまり、内面IS同士が接合されておらず、その内部空間に一定程度の空気を含んでいる。したがって、上方ループ部37、37’と下方ループ部39、39’とは、共にふんわりとした感触を有し、柔軟性が損なわれにくく、着用者が股部で生理用ナプキン1を幅方向Wに押圧しても吸収体7の硬さを感取し難くする、クッション性機能をより確実に確保できる。さらに、内面IS同士が接合されていないことにより、一対のループ部35、35’における柔軟性が損なわれ難く、着用者の股部が受ける吸収体7の硬さや刺激を感取し難くさせ、着用時における違和感を抑制し易い。
【0057】
また、本実施形態に係る生理用ナプキン1において、前述のように、表面シート3は、エアスルー不織布により形成されている。
ここで、エアスルー不織布又はスパンレース不織布は、その製造時において、気流にのせた繊維をネット上に落下堆積させることによりウェブ形成を行う工程、及びネット上のウェブに対して該ウェブのさらに上から高温空気又は高圧水流を貫通させてウェブ結合を行う工程を経る不織布、すなわち、ネットを用いて製造された不織布であり、このような製造工程上の特徴から、前記いずれの不織布も、製造時にネットを接触していた(ネット上に配置されていた)ネット面と、該ネットと接触しておらず高温空気や高圧水流が直接当てられた、ネット面とは反対側の面(エア面)とを有している。このようなネット面及びエア面を有する不織布は、エア面の方がネット面と比して繊維密度が低く、柔らかな肌触りを有する。
【0058】
そして、本実施形態において、表面シート3は、一対のループ部35、35’のそれぞれの外面ESがエア面となるように配置されている。
本実施形態に係る生理用ナプキン1において、表面シート3が上記の特定の形態により配置されたエアスルー不織布からなるので、一対のループ部35、35’の外面ESが滑らかな肌触りを有し、当該一対のループ部35、35’に着用者の股部が当接しても肌への刺激が少なく、着用時における違和感を抑制し易い。
【0059】
また、本実施形態に係る生理用ナプキン1において、図5に示すように、第2シート(セカンドシート)3bの幅方向Wにおける端部41、41’は、一対のループ部35、35’のそれぞれと厚さ方向Tにおいて重複しているが、第2シート(セカンドシート)3bの幅方向Wにおける端部41、41’のそれぞれは、一対の側部領域R2、R2’のそれぞれに存在し、当該一対のループ部35、35’の内面ISと接合されていない。
本実施形態に係る生理用ナプキン1において、第2シート(セカンドシート)3bが一対のループ部35、35’との関係で上記の特定の形態により配置されることにより、第2シート(セカンドシート)3bの存在により一対のループ部35、35’が潰れ難いと共に、その柔軟性が損なわれ難い。その結果、着用者の股部が受ける吸収体の硬さや刺激を感取し難くさせ、着用時における違和感を抑止し易い。
【0060】
図5に示すように、本実施形態に係る生理用ナプキン1において、一対の接合部33、33’のそれぞれは、一対の仮想面VS、VS’よりも幅方向Wの内側に存在している。
生理用ナプキン1において、一対のループ35、35’は、一対の外側端部31、31’で折り返された表面シート3と一対のサイドシート5、5’とが、一対の仮想面VS、VS’の幅方向Wの内側において接合されてなるので、着用者が生理用ナプキン1を着用し、生理用ナプキン1ないし吸収体7が着用者の股部の形状に沿って変形しても、一対のループ部35、35’が、吸収体7の変形により一層追従し易く、着用者との密着性を維持し易く、横漏れを抑制し易い。さらに、かかる構成を有する一対のループ部35、35’は、表面シート3と一対のサイドシート5、5’とが、一対の仮想面VS、VS’の幅方向Wの外側において接合されてなる場合に比べて、幅方向Wの外周長さが長くなり、肌対向面側に起立する余地が増える。
【0061】
図7は、本開示の実施形態に係る生理用ナプキン1における、接合部33、33’と端部領域接合部との位置関係を示す模式図である。
本実施形態において、長手方向Lにおける排泄口対応領域R3において、表面シート3と一対のサイドシート5、5’とが一対の接合部33、33’により接合されている一方、長手方向Lにおける一対の長手方向端部領域R4、R4’において、表面シート3と一対のサイドシート5、5’とが端部領域接合部43、43’により接合されている。
また、本実施形態における一対の接合部33、33’は、それぞれ長手方向Lにおける排泄口対応領域R3内(すなわち、個包装折線L1とL2との間)に連続的に延在しているが、本開示における一対の接合部は、長手方向における排泄口対応領域内であれば、連続的又は間欠的に配置されていてもよい。一方、本実施形態における一対の端部領域接合部43、43’は、それぞれ長手方向Lにおける長手方向端部領域R4、R4’ に連続的に延在しているが、本開示における一対の端部領域接合部は、長手方向における長手方向端部領域内であれば、連続的又は間欠的に配置されていてもよい。
【0062】
そして、図7に示すように、一対の端部領域接合部43、43’は、一対の接合部33、33’よりも幅方向Wにおける外側に存在している。このように、生理用ナプキン1において、一対の接合部33、33’と一対の端部領域接合部43、43’とが所定の位置関係にあるので、一対のループ部35、35’が、一対の接合部33、33’と前記一対の外側端部31、31’との幅方向Wの距離を確保し易く、肌対向面側に起立し易い。さらに、端部領域接合部43、43’により一対の長手方向端部領域R4、R4’における表面シート3と一対のサイドシート5、5’とを幅方向における外方側において接合し易いので、一対の長手方向端部領域R4、R4’における両シートが幅方向中心側にめくれ難く、一対のループ部35、35’が、一対の長手方向端部領域R4、R4’における両シートと連動して幅方向中心側にめくれてしまうことを抑制し易い。
なお、本開示における吸収性物品において、端部領域接合部の幅方向における位置は、仮想面との関係で外側及び内側にいずれであってもよいが、上記のようにめくれを防止する観点からは、仮想面よりも幅方向における外側に位置する方が好ましい。
【0063】
また、本開示における一対の端部領域接合部は、長手方向に連続的又は間欠的に延在するエンボス部であるであることが好ましい。また、かかるエンボス部は、表面シートにおける溝部を形成するエンボス部と同様に、ヒートエンボス処理等により形成されることができる。
上記一対の端部領域接合部が、エンボス部からなると、一対の長手方向端部領域における吸収性物品が、着用者の体形に沿って変形し易い。
【0064】
また、本実施形態における生理用ナプキン1において、図7に示すように、個包装折線L1、L2が、一対の接合部33、33’よりも生理用ナプキン1の長手方向Lの端部側に位置している。かかる構成により、個包装折線L1、L2と一対のループ部35、35’とが長手方向Lにおいて重複し難く、一対のループ部35、35’の、肌対向面側への起立し易さを阻害し難い。
【0065】
[圧搾部]
本開示の吸収性物品においては必須の構成要素ではないものの、図1、2、4に示すように、本実施形態に係る生理用ナプキン1は、少なくとも排泄口対応領域R3内且つ一対の接合部33、33’よりも幅方向Wの内側において、表面シート3から吸収体7までを圧搾した、長手方向Lに延在する一対の圧搾部23、23’を有する。
かかる構成により、一対の圧搾部23、23’よりも幅方向Wの外側に位置する吸収体7が肌対向面側に隆起し易く、当該隆起した部分における吸収体7よりも肌対向面側に位置する一対のループ部35、35’も肌対向面側に起立し易い。したがって、一対のループ部35、35’が着用者の股部に密着し、体液を吸収し易いので、横漏れを防止し易い。また、前述の通り、生理用ナプキン1は、一対のループ部のそれぞれが弾性部材を含まないので、一対のループ部35、35’が肌対向面側に起立しても、着用者の股部に生じる刺激や圧迫感を低減し易い。
【0066】
なお、本開示の吸収性物品において、一対の圧搾部は上記の態様のものに制限されず、吸収性物品の排泄口対応領域の長手方向における一部のみに設けられていてもよい。さらに、一対の圧搾部は長手方向における長手方向端部領域の全域又は一部にも設けられていてもよい。かかる場合においても、吸収性物品において、当該一対の圧搾部を基点として吸収性物品の長手方向に延びる両側縁部付近が肌対向面側に隆起し易くなるに伴い、上記一対のループ部も肌対向面側に起立し易くなる。その結果、前記吸収性物品は、着用者の股部が受ける吸収体の硬さや刺激を感取し難くさせ、着用時における違和感を抑制し易い。
【0067】
図4に示すように、本実施形態に係る生理用ナプキン1は、長手方向Lにおける排泄口対応領域R3内且つ幅方向Wにおける本体部領域R1内において、一対の圧搾部23、23’よりも幅方向Wの内側に位置する圧搾部内側領域R5と、一対の圧搾部23、23’よりも幅方向Wの外側に位置する一対の圧搾部外側領域R6、R6’とに区画される。
また、本実施形態において吸収体7は、吸収性ポリマー(図示せず)を有しており、図4に示すように、生理用ナプキン1において、圧搾部外側領域R6、R6’は、吸収体7の吸収性ポリマーの坪量が、圧搾部内側領域R5よりも高い高坪量領域である。
生理用ナプキン1において、一対の圧搾部外側領域R6、R6’(すなわち、吸収体7の高坪量領域)では、吸収性ポリマーの坪量が高く、吸収性ポリマーが多く存在する。かかる高坪量領域では、他の領域と比べてより多くの吸収容量を有するので、生理用ナプキン1は、横漏れを抑制し易い。また、生理用ナプキン1においては、前記位置に高坪量領域R6が設けられていても、一対のループ部35、35’の緩衝作用により、着用者が吸収体7、ひいては吸収性ポリマーの硬さを感取し難い。その結果、生理用ナプキン1は、着用時における違和感を抑制して装着性を向上し易い。
【0068】
また、本開示における吸収体は、圧搾部内側領域に対応する部分よりも圧搾部外側領域に対応する部分に対して、吸収性ポリマーの坪量が高くなるように吸収性ポリマー分布を適宜調整することにより作製することができる。なお、吸収性物品の横漏れを効率的に抑制する観点から、例えば、圧搾部内側領域の吸収性ポリマーの坪量は、一対の圧搾部外側領域の各々での吸収性ポリマーの坪量の0〜80%の範囲内であり、好ましくは0〜50%の範囲内である。
【0069】
[裏面シート]
本実施形態に係る生理用ナプキン1において裏面シート9は、図1、3、4、5に示すように、生理用ナプキン1の平面視における全面に亘る領域において厚さ方向Tの非肌対向面側に配置され、着用者から排出された経血や尿等の液状排泄物の漏洩を防ぐ液不透過性シート部材によって構成されている。かかる液不透過性シート部材は、吸収性物品の裏面シートとして用い得る諸特性(液不透過性や通気性、柔軟性等)を有する限り、通気性を有するポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂フィルム、熱可塑性樹脂製シート等、公知の液不透過性シート部材を用いることができる。
【0070】
なお、本開示の吸収性物品は、上記の実施形態や例示的記載に制限されることなく、本開示の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜組み合わせや変更等が可能である。また、本開示は、上記の実施形態の生理用ナプキンのほかに、例えば、パンティライナー、(軽)失禁パッド等の様々な吸収性物品に適用することができる。なお、本明細書において、「第1」、「第2」等の序数は、当該序数が付された事項を区別するためのものであり、各事項の順序や優先度、重要度等を意味するものではない。
【符号の説明】
【0071】
1 生理用ナプキン
3 表面シート
5、5’ サイドシート
7 吸収体
9 裏面シート
11 粘着部
13、13’ 吸収体7の一対の側縁
15 個包装シート
23、23’ 圧搾部
31、31’ 外側端部
33、33’ 接合部
35、35’ ループ部
43、43’ 端部領域接合部
VS、VS’ 仮想面
L1、L2 個包装折線
P1、P1’ 基端
P2、P2’ 終端
R3 排泄口対応領域
R4、R4’ 長手方向端部領域
R5 圧搾部内側領域
R6 圧搾部外側領域(高坪量領域)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】