特表-18139407IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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再表2018-139407半導体装置の製造方法、モールドアンダーフィル用感光性樹脂組成物及び半導体装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年8月2日
【発行日】2019年11月14日
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法、モールドアンダーフィル用感光性樹脂組成物及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/56 20060101AFI20191018BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20191018BHJP
   H01L 23/31 20060101ALI20191018BHJP
   G03F 7/027 20060101ALI20191018BHJP
   G03F 7/031 20060101ALI20191018BHJP
【FI】
   H01L21/56 R
   H01L23/30 R
   G03F7/027 502
   G03F7/031
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
【出願番号】特願2018-564558(P2018-564558)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年1月22日
(31)【優先権主張番号】特願2017-10432(P2017-10432)
(32)【優先日】2017年1月24日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2017-10429(P2017-10429)
(32)【優先日】2017年1月24日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】日立化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100169454
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 裕之
(72)【発明者】
【氏名】福原 紀一
(72)【発明者】
【氏名】満倉 一行
(72)【発明者】
【氏名】鳥羽 正也
(72)【発明者】
【氏名】吉野 利純
(72)【発明者】
【氏名】布施 好章
【テーマコード(参考)】
2H225
4M109
5F061
【Fターム(参考)】
2H225AC36
2H225AC38
2H225AC54
2H225AC55
2H225AC63
2H225AD07
2H225AD15
2H225AD26
2H225AE05P
2H225AE06P
2H225AE12P
2H225AE15P
2H225AM49P
2H225AM77P
2H225AM90P
2H225AM99P
2H225AN23P
2H225AN84P
2H225AN86P
2H225AP09P
2H225AP11P
2H225BA09P
2H225BA20P
2H225BA22P
2H225CA11
2H225CB02
2H225CC01
2H225CC13
4M109AA01
4M109CA04
4M109CA22
4M109EA02
4M109EA07
4M109EA15
5F061AA01
5F061BA04
5F061CA04
5F061CA22
5F061CB03
(57)【要約】
本発明は、基材上に配置されている1個又は複数の半導体素子を覆うと共に、前記半導体素子及び前記基材の間、若しくは前記半導体素子同士の間のいずれか、又はその両方を埋め込むように、感光性樹脂組成物からなる封止用樹脂部を形成する工程と、前記封止用樹脂部の露光及びアルカリ現像により、開口部を有するパターンを形成しており、前記感光性樹脂組成物の硬化物を含む、封止部を形成させる工程と、前記開口部内に導体部を形成する工程と、を備える、半導体装置の製造方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に配置されている1個又は複数の半導体素子を覆うと共に、前記半導体素子及び前記基材の間、若しくは前記半導体素子同士の間のいずれか、又はその両方を埋め込むように、感光性樹脂組成物からなる封止用樹脂部を形成する工程と、
前記封止用樹脂部の露光及びアルカリ現像により、開口部を有するパターンを形成しており、前記感光性樹脂組成物の硬化物を含む、封止部を形成させる工程と、
前記開口部内に導体部を形成する工程と、を備える、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
露光前における前記感光性樹脂組成物の、昇温速度10℃/分及び周波数1Hzで25〜200℃の条件で測定される最低溶融粘度が、10〜500Pa・sである、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
基材と、
前記基材上に配置されている半導体素子と、
前記半導体素子を覆うと共に、前記半導体素子及び前記基材の間を埋め込むように配置され、かつ、開口部を有するパターンを形成している封止部と、を備え、
前記封止部が、感光性樹脂組成物の硬化物を含む、半導体装置。
【請求項4】
露光及び現像によりパターン形成が可能であり、
昇温速度10℃/分及び周波数1Hzで25〜200℃の条件で測定される最低溶融粘度が、10〜500Pa・sである、モールドアンダーフィル用感光性樹脂組成物。
【請求項5】
ポリイミド及びエポキシ樹脂の少なくとも一方を含む、請求項4に記載のモールドアンダーフィル用感光性樹脂組成物。
【請求項6】
アクリルモノマーを含む、請求項4又は5に記載のモールドアンダーフィル用感光性樹脂組成物。
【請求項7】
光開始剤を含む、請求項4〜6のいずれか一項に記載のモールドアンダーフィル用感光性樹脂組成物。
【請求項8】
前記光開始剤が、フォスフィンオキサイド化合物である、請求項7に記載のモールドアンダーフィル用感光性樹脂組成物。
【請求項9】
基材と、
前記基材上に配置されている半導体素子と、
前記半導体素子を覆うと共に、前記半導体素子及び前記基材の間を埋め込むように配置された封止部と、を備え、
前記封止部が、請求項4〜8のいずれか一項に記載のモールドアンダーフィル用感光性樹脂組成物の硬化物を含む、半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法、モールドアンダーフィル用感光性樹脂組成物及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体パッケージの高密度化及び高性能化を目的に、異なる性能のチップを一つのパッケージに混載する実装形態が提案されている。これに伴い、コスト面に優れた実装技術が求められている。例えば、チップ間の高密度インターコネクト及びパッケージ上に異なるパッケージをフリップチップ実装によって積層するパッケージ・オン・パッケージを低コストで実現する技術が重要になっている(例えば、非特許文献1及び非特許文献2を参照)。
【0003】
特にパッケージ・オン・パッケージのように半導体装置上に半導体装置を積む場合、下段の半導体装置上に、上段の半導体装置を実装するための、外部接続用端子を設ける必要がある。したがって、下段の半導体装置と、上段の半導体装置を接続するために、下段の半導体装置の封止材に開口部を設け、これに金属を充填する、いわゆるTMV(Through Mold Via)構造の半導体装置が台頭してきた。このTMVを有する半導体パッケージの製造過程では、開口部を設けるために、熱硬化性樹脂からなる封止材層に、装置間の接続用ビアがレーザーで設けられる(例えば特許文献1〜7を参照)。
【0004】
またフリップチップ実装をする際、基材へ一次実装された半導体素子は外力及び応力に対して脆弱であり、耐吸湿性、温度も弱く、そのままでは腐食などを起こしてしまうため、アンダーフィルと呼ばれる液状の熱硬化性樹脂を基材と半導体素子との間に満たす方法が用いられている(例えば、非特許文献3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/0329249号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2015/0091182号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2015/0145138号明細書
【特許文献4】米国特許第7671457号明細書
【特許文献5】米国特許第7633765号明細書
【特許文献6】米国特許第8026587号明細書
【特許文献7】米国特許第8018068号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】本多進、「半導体素子の2D〜3D実装技術動向と狙うべき方向」、エレクトロニクス実装学会誌、Vol.18、No.3、(2015)、pp.130
【非特許文献2】SeungJae Lee,et al., Electrical Characerization of Wafer Level Fan−Out (WLFO) Using Film Substrate for Low Cost Millimeter Wave Application, IEEE Electronic Components and Technology Conference,2010,p.1461
【非特許文献3】久保山俊史、「アンダーフィル材 概論」、日本ゴム協会誌、Vol.84、No.10(2011)、pp.313
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えば、図9(h)に示す従来の半導体装置(半導体パッケージ)100Aは、一般的に、以下の方法により製造されている。先ず、コア基材111、配線パターン112、層間絶縁層113、ビア開口114等が設けられたパッケージ用配線基板110を準備する(図9(a)〜(c)を参照)。次いで、パッケージ用配線基板110上に、バンプ付き半導体素子120を設け(図9(d)を参照)、パッケージ用配線基板110及びバンプ付き半導体素子120の間にアンダーフィル材130を流し込む(図9(e)を参照)。そして、アンダーフィル材130を加熱して硬化させた後、封止材140で半導体素子120を覆い(図9(f)を参照)、さらに、封止開口141を設け(図9(g)を参照)、当該封止開口141内に接続材料142を付与する(図9(h)を参照)。
【0008】
このようなフリップチップボールグリッドアレイ(FC−BGA)構造を有する従来の半導体パッケージ100Aでは、バンプ付半導体素子120にアンダーフィル材130を流し込み、加熱をして硬化することで、バンプ付半導体素子120とパッケージ用配線基板110との間の密着を保ち、機械的強度を得ている。
【0009】
したがって、上記従来の方法においては、半導体素子そのものを保護するための封止材により半導体素子を覆う工程とは別に、アンダーフィル材を流し込む工程が必要である。
【0010】
また、このような半導体パッケージ100Aは、対応する箇所に封止開口141が形成されているため、本パッケージの上部にさらにパッケージに載せてこれらの電気的な接続を確保することができる。ここで、封止材の接続を確保するための開口形成には、通常、炭酸ガスレーザーが用いられる。
【0011】
しかしながら、炭酸ガスレーザーにより封止開口を形成する場合、開口操作が一括ではできないことから、開口部の数が多くなるほど時間がかかること、100μmの厚みに対して開口可能な開口部の直径は100μm程度が限界であり、これより小さい径の開口部を形成し難いこと、レーザーに起因して開口操作後に残渣が生じ易いこと、封止材の取り扱いのためのコンプレッション装置及びビア開口のためのレーザー装置を導入する必要があり、製造コストが抑え難いこと等の問題があった。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、微細化及び高密度化の要求が高い半導体装置を効率良く、低コストで製造する方法を提供することを目的とする。本発明はまた、効率良く、低コストで製造できる半導体装置を提供することを目的とする。本発明はまた、微細化及び高密度化の要求が高い半導体装置を効率良く、低コストで製造できる感光性樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、基材上に配置されている1個又は複数の半導体素子を覆うと共に、上記半導体素子及び上記基材の間、若しくは前記半導体素子同士の間のいずれか、又はその両方を埋め込むように、感光性樹脂組成物からなる封止用樹脂部を形成する工程と、上記封止用樹脂部の露光及びアルカリ現像により、開口部を有するパターンを形成しており、上記感光性樹脂組成物の硬化物を含む、封止部を形成させる工程と、上記開口部内に導体部を形成する工程と、を備える、半導体装置の製造方法に関する。
【0014】
本発明はまた、基材と、上記基材上に配置されている半導体素子と、上記半導体素子を覆うと共に、上記半導体素子及び上記基材の間を埋め込むように配置され、かつ、開口部を有するパターンを形成している封止部と、を備え、上記封止部が、感光性樹脂組成物の硬化物を含む、半導体装置に関する。
【0015】
上記感光性樹脂組成物の、昇温速度10℃/分及び周波数1Hzで25〜200℃の条件で測定される最低溶融粘度は、10〜500Pa・sであってもよい。
【0016】
本発明は、露光及び現像によりパターン形成が可能であり、昇温速度10℃/分及び周波数1Hzで25〜200℃の条件で測定される最低溶融粘度が、10〜500Pa・sである、モールドアンダーフィル用感光性樹脂組成物に関する。
【0017】
上記モールドアンダーフィル用感光性樹脂組成物は、ポリイミド及びエポキシ樹脂の少なくとも一方を含んでいてもよい。
【0018】
上記モールドアンダーフィル用感光性樹脂組成物は、アクリルモノマーを含んでいてもよい。
【0019】
上記モールドアンダーフィル用感光性樹脂組成物は、光開始剤を含んでいてもよい。上記光開始剤は、フォスフィンオキサイド化合物であってもよい。
【0020】
本発明はまた、基材と、上記基材上に配置されている半導体素子と、上記半導体素子を覆うと共に、上記半導体素子及び上記基材の間を埋め込むように配置された封止部と、を備え、上記封止部が、上記モールドアンダーフィル用感光性樹脂組成物の硬化物を含む、半導体装置に関する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、微細化及び高密度化の要求が高い半導体装置を効率良く、低コストで製造する方法を提供できる。また、本発明によれば、効率良く、低コストで製造できる半導体装置を提供することができる。また、本発明によれば、微細化及び高密度化の要求が高い半導体装置を効率良く、低コストで製造できる感光性樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する図である。
図2】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する図である。
図3】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する図である。
図4】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する図である。
図5】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する図である。
図6】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する図である。
図7】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する図である。
図8】本発明の一実施形態に係る半導体装置を模式的に示す断面図である。
図9】従来の半導体装置の製造方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0024】
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また、本明細書において「封止」とは、半導体素子を覆うように配置されていればよく、凹板状でも平板状でもよく、凹板状の樹脂組成物と平板状の固定部材(又は、再配線絶縁層)の間に半導体素子を挟んで覆ってもよい。また、透明性、電気絶縁性は特に問わない。また、樹脂組成物と、再配線絶縁層と、必要に応じて、導体パターン(配線パターン)等と、半導体素子が覆われていてもよい。また、「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。
【0025】
本実施形態の半導体装置の製造方法は、基材上に配置されている1個又は複数の半導体素子を覆うと共に、上記半導体素子及び前記基材の間、若しくは前記半導体素子同士の間のいずれか、又はその両方を埋め込むように、感光性樹脂組成物からなる封止用樹脂部を形成する工程(封止用樹脂部形成工程)と、上記封止用樹脂部の露光及びアルカリ現像により、開口部を有するパターンを形成しており、上記感光性樹脂組成物の硬化物を含む、封止部を形成させる工程(パターン形成工程)と、上記開口部内に導体部を形成する工程(導体部形成工程)と、を備える。このような方法によれば、微細化及び高密度化の要求が高い半導体装置(例えば、三次元対応の半導体パッケージ)を効率良く、低コストで製造できる。
【0026】
本実施形態において、感光性樹脂組成物は、バンプ付半導体素子をプリント配線版に搭載する、いわゆるFC−BGA(Flip Chip Ball Grid Array)構造においてアンダーフィル材と封止材とを兼ね備えることができる。これにより、アンダーフィル材を塗布する工程を省略し得ることから、製造工程を簡略化できる。すなわち、本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、例えば、モールドアンダーフィル用感光性樹脂組成物であってもよい。ここで、モールドアンダーフィル用の感光性樹脂組成物は、基材上に配置されている半導体素子を覆うと共に、上記半導体素子及び前記基材の間を埋め込むように、感光性樹脂組成物からなる封止用樹脂部を形成するための感光性樹脂組成物である。また、上記感光性樹脂組成物は、半導体装置の封止材に開口部を設けて導体を形成する、いわゆるTMV(Through Mold Via)構造を形成する際に、既存の封止材を封止するためのコンプレッション装置等の高価な設備がなくとも、ラミネータ等のより安価な装置で封止できると考えられる。また、上記感光性樹脂組成物は、穴あけのレーザー装置等を用いなくとも、微細配線形成に有利なフォトリソグラフィの技術により、開口部を形成し得る。したがって、本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、接続部の高密度化を実現できると共に、高密度伝送が可能な半導体装置を効率よく、低コストで製造できる。また、当該方法により製造された半導体装置は、高密度な伝送が可能であり、コストパフォーマンスにも優れると考えられる。
【0027】
本実施形態の半導体装置は、基材と、上記基材上に配置されている半導体素子と、上記半導体素子を覆うと共に、上記半導体素子及び上記基材の間を埋め込むように配置され、かつ、開口部を有するパターンを形成している封止部と、を備え、上記封止部が、感光性樹脂組成物の硬化物を含むものである。このような半導体装置は、効率良く、低コストで製造できる。このような半導体装置は、例えば、本実施形態の半導体装置の製造方法により製造できる。
【0028】
以下、図1〜8を参照しつつ、本実施形態の半導体装置の製造方法及び半導体装置の具体例について、更に詳細に説明する。図1〜7は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する図である。図8は、本発明の一実施形態に係る半導体装置を模式的に示す断面図である。図8に示す半導体装置100は、図1〜7に示す半導体装置の製造方法により製造される半導体装置の一例である。
【0029】
本実施形態の半導体装置の製造方法の一例として、半導体素子及びパッケージ用配線基板(基材)の準備工程と、半導体素子の実装工程と、封止用樹脂部形成工程と、パターン形成工程と、導体部形成工程と、はんだボール搭載及び個別化工程と、を含む方法について説明する。
【0030】
(半導体素子及びパッケージ用配線基板(基材)の準備工程)
図1に示すように、はんだバンプ2の搭載された半導体素子1及びパッド4を備えるパッケージ用配線基板3を準備する。パッケージ用配線基板3を構成する材料は特に限定されるものではないが、ガラスクロスに樹脂を含浸させたガラスクロス入り基板、シリコンウェハ、ガラス、SUS(ステンレス)板等が挙げられる。パッケージ用配線基板3を構成する材料は、高剛性材料であることが好ましく、25℃での貯蔵弾性率が1GPa以上の材料であることがより好ましい。
【0031】
パッケージ用配線基板3の厚みは0.2〜0.8mmであることが好ましい。上記厚みが0.2mm以上であると、組立てプロセス中の反りを抑制し易く、ハンドリングが容易になる傾向がある。上記厚みが、0.8mm以下であると、材料費を抑えられる傾向にある。パッケージ用配線基板3の室温(25℃)から150℃までの平均熱膨張係数は、1×10−6〜15×10−6/Kであることが好ましい。上記平均熱膨張係数が、1×10−6/K以上であると、材料費を抑えられる傾向がある。上記平均熱膨張係数が、15×10−6/K以下であると、半導体素子実装後の反りを抑制し易い傾向にある。
【0032】
(半導体素子の実装工程)
次いで、図2に示すように、半導体素子1をパッケージ用配線基板3上に固定(搭載)する。その際、はんだバンプ2がパッケージ用配線基板3上に露出しているパッド4上に乗るように半導体素子1を配置する。パッド4は導体からなる部位である。導体の種類としては特に限定されるものではないが、コストの観点から、例えば、Cuであってもよい。パッド4は、はんだバンプ2と共に半導体素子1とパッケージ用配線基板3を電気的に接続するものである。半導体素子1の搭載には、例えば、ダイボンダ等の搭載機を用いることができる。半導体素子1を搭載する前に、密着性を向上する目的等で、はんだバンプ2及び/又はパッド4上に形成された酸化皮膜を除去してもよい。酸化皮膜を除去する方法に特に制限はないが、例えば、フラックス剤を塗布する方法等が挙げられる。
【0033】
次いで、半導体素子1の搭載されたパッケージ用配線基板3を高温に曝すことではんだバンプ2を溶融させて、半導体素子1をパッド4上に実装する。高温に曝す際には、酸化皮膜の形成を防止し易い観点から、窒素リフロー装置を用いることが好ましい。この際の温度は、例えば、はんだが溶融する温度以上である。当該温度は、例えば、180℃以上であってもよく、260℃以上であってもよい。酸化皮膜の除去のためにフラックス剤を使用した場合には、溶融実装後に、フラックス剤を除去する洗浄工程を有することが好ましい。洗浄方法に特に制限はないが、例えば、温水(例えば、90℃の水)による洗浄が挙げられる。
【0034】
(封止用樹脂部形成工程)
次いで、図3に示すように、例えば、パッケージ用配線基板(基材)3上に配置されている半導体素子1を覆うと共に、半導体素子1及びパッケージ用配線基板(基材)3の間並びに半導体素子1同士の間を埋め込むように、感光性樹脂組成物からなる封止用樹脂部5aを形成する。
【0035】
上記感光性樹脂組成物の、昇温速度10℃/分及び周波数1Hzで25〜200℃の条件で測定される最低溶融粘度は、例えば、10〜500Pa・sであってもよい。
【0036】
上記感光性樹脂組成物は、例えば、露光及び現像によってパターン形成可能な樹脂組成物である。上記感光性樹脂組成物は、例えば、半導体装置製造用の感光性樹脂組成物である。上述のとおり、上記感光性樹脂組成物は、例えば、モールドアンダーフィル用の感光性樹脂組成物である。
【0037】
一実施形態のモールドアンダーフィル用感光性樹脂組成物は、例えば、露光及び現像によりパターン形成が可能であり、昇温速度10℃/分及び周波数1Hzで25〜200℃の条件で測定される最低溶融粘度が、10〜500Pa・sである感光性樹脂組成物である。このような感光性樹脂組成物によれば、微細化及び高密度化の要求が高い半導体装置を効率良く、低コストで製造できる。また、本実施形態の感光性樹脂組成物によれば、接続部の高密度化を実現できると共に、高密度伝送が可能な半導体装置を効率よく、低コストで製造できる。
【0038】
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、例えば、(A)樹脂成分(「(A)成分」ともいう)、(B)重合性化合物(「(B)成分」ともいう)及び(C)光開始剤(光重合開始剤)(「(C)成分」ともいう)を含んでいてもよい。
【0039】
(A)成分としては、例えば、(A1)アルカリ可溶性樹脂(「(A1)成分」ともいう)、及び(A2)熱硬化性樹脂(「(A2)成分」ともいう)が挙げられる。
【0040】
(A1)アルカリ可溶性樹脂としては、アルカリ可溶性基を有するポリマーが好ましく、アルカリ可溶性基を末端又は側鎖に有するポリマーがより好ましい。アルカリ可溶性基としては、エチレングリコール基、カルボキシル基、水酸基、スルホニル基、フェノール性水酸基等が挙げられる。アルカリ可溶性基を有するポリマーは、アルカリ可溶性基を1種単独で有していてもよく、2種以上有していてもよい。
【0041】
(A1)アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリウレタン、ポリウレタンイミド、ポリウレタンアミドイミド、シロキサンポリイミド、ポリエステルイミド、ポリベンゾオキサゾール、フェノキシ樹脂、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリエーテルケトン、重量平均分子量が10000〜1000000の(メタ)アクリル共重合体、ノボラック樹脂、及びフェノール樹脂が挙げられる。(A1)アルカリ可溶性樹脂は、例えば上述の樹脂を構成する単量体成分に由来する構造単位を含む共重合体であってもよく、上述の樹脂の前駆体(ポリアミド酸等)であってもよい。また、(A1)アルカリ可溶性樹脂は、上述の樹脂の主鎖及び/又は側鎖に、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール基、カルボキシル基及び/又は水酸基が付与されたものであってもよい。(A1)成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0042】
これらの中でも、高温接着性、耐熱性、及びフィルム形成性の観点から、(A1)成分はポリイミドであることが好ましい。ポリイミドは、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを公知の方法で縮合反応させて得ることができる。
【0043】
上記縮合反応における、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの混合モル比は、テトラカルボン酸二無水物の合計1.0molに対して、ジアミンの合計が0.5〜2.0molであることが好ましく、0.65〜1.5molであることがより好ましく、0.8〜1.0molであることが更に好ましい。なお、テトラカルボン酸無水物、及びジアミンの添加順序は任意でよい。
【0044】
(A2)成分としては、例えば、エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、高温接着性及び耐リフロー性の観点から、分子内に少なくとも2個以上のエポキシ基を含むものが好ましい。エポキシ樹脂としては、樹脂流動性及びパターン形成性の観点から、室温(25℃)で液状又は半固形のものが好ましく、軟化温度が50℃以下であるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂がより好ましい。
【0045】
(B)成分は、例えば、放射線重合性化合物である。(B)成分としては、例えば、エチレン性不飽和基を有する化合物が挙げられる。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、プロパギル基、ブテニル基、エチニル基、フェニルエチニル基、マレイミド基、ナジイミド基、(メタ)アクリル基などが挙げられる。(B)成分は、反応性の観点から、例えば、アクリルモノマーであってもよい。アクリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリロイルオキシ化合物及びアクリルアミド化合物が挙げられる。アクリルモノマーの具体例は、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1,3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、1,2−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、トリス(β−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリアクリレート、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、及び尿素アクリレートを含む。(B)成分のその他の具体例は、スチレン、ジビニルベンゼン、4−ビニルトルエン、4−ビニルピリジン及びN−ビニルピロリドンを含む。反応性の観点から、エチレン性不飽和基は、例えば、(メタ)アクリル基であってもよく、(B)成分は、2官能以上の(メタ)アクリレートであってもよい。
【0046】
(C)成分としては、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]エチルエステル、フェニルグリオキシリック アシッド メチル エステル、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパノン−1、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等の芳香族ケトン、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビスアシルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド化合物、及びマレイミド骨格を有する化合物が挙げられる。ビスアシルフォスフィンオキサイドの具体例は、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、及びビス(2,4,6,−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドを含む。(C)成分は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0047】
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、パターン形成性、保存安定性、高温接着性、及び耐リフロー性向上の観点から、ポリイミド及びエポキシ樹脂の少なくとも一方を含むことが好ましい。ポリイミド及びエポキシ樹脂の具体例及び好ましい形態は上記と同様である。
【0048】
本実施形態に係る感光性樹脂組成物が、ポリイミド及びエポキシ樹脂の少なくとも一方を含む場合、ポリイミド及びエポキシ樹脂の合計の含有量は、感光性樹脂組成物の総質量を基準として、例えば、30〜65質量%であってもよく、40〜60質量%であってもよく、50〜60質量%であってもよい。
【0049】
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、反応性の観点から、アクリルモノマーを含むことが好ましい。アクリルモノマーの具体例及び好ましい形態は上記と同様である。
【0050】
本実施形態に係る感光性樹脂組成物が、アクリルモノマーを含む場合、アクリルモノマーの含有量は、感光性樹脂組成物の総質量を基準として、例えば、20〜60質量%であってもよく、20〜40質量%であってもよく、25〜35質量%であってもよく、25〜30質量%であってもよい。
【0051】
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、放射線の照射によりアクリルモノマーの重合及び/又は付加反応を促進する観点から、光開始剤を含むことが好ましい。光開始剤の具体例及び好ましい形態は上記と同様である。
【0052】
本実施形態に係る感光性樹脂組成物が、光開始剤を含む場合、光開始剤の含有量は、感光性樹脂組成物の総質量を基準として、例えば、0.5〜5.0質量%であってもよく、0.5〜3.0質量%であってもよく、1.0〜2.0質量%であってもよい。
【0053】
上記光開始剤は、吸収波長が長波長側(例えば、405nm以上)にある観点、及び光照射によってブリーチングをすることで内部硬化性を向上し易い観点から、フォスフィンオキサイド化合物であることが好ましい。
【0054】
感光性樹脂組成物は、例えば、フィラー、硬化促進剤、過酸化物(例えば、有機過酸化物)等の熱ラジカル発生剤などの上記以外の成分を含んでいてもよい。
【0055】
封止用樹脂部5aの形成方法に特に制限はなく、感光性樹脂組成物の形態等により適宜決定し得る。例えば、感光性樹脂組成物がフィルム状である場合には、ラミネート方式による方法、コンプレッション方式による方法等が挙げられる。また、感光性樹脂組成物が液状である場合には、液体用の塗布装置(スピンコーター、バーコーター等)を使用する方法、コンプレッション方式による方法等が挙げられる。
【0056】
(パターン形成工程)
続いて、上記封止用樹脂部5aの露光及びアルカリ現像により、開口部6を有するパターンを形成しており、上記感光性樹脂組成物の硬化物を含む、封止部5bを形成させる(図4を参照)。
【0057】
露光処理においては、マスクパターンを通して活性光線を照射することにより、感光性樹脂組成物からなる封止用樹脂部5aの所定部分を露光し、露光部を光硬化させる。活性光線の光源としては、公知の光源を用いることができるが、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものを使用できる。また、直接描画方式のダイレクトレーザ露光を用いてもよい。露光量は、使用する装置及び感光性樹脂組成物の組成によって異なるが、例えば、100〜5000mJ/cmであってもよく、100〜4000mJ/cmであってもよく、100〜1000mJ/cmであってもよく、600〜800mJ/cmであってもよい。露光量が100mJ/cm以上であると、光硬化が進み易く成型し易い傾向にある。露光量が5000mJ/cm以下であると、パッケージ用配線基板3上まで貫通した状態の開口部6を形成し易い傾向にある。
【0058】
現像処理においては、露光部以外の感光性樹脂組成物を除去することにより、パッケージ用配線基板3の所定部を露出させる。これにより所定のパターンが形成される。現像処理に用いる現像液としては、例えば、20〜50℃のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(1〜5質量%水溶液)等のアルカリ現像液が挙げられる。現像方法としては、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング及びスクラッピング等の公知の方法が挙げられる。感光性樹脂組成物の現像液に対する溶解速度は、露光操作によって形成したパターン形状を比較的良好に保持し易い観点から、例えば、3.0μm/秒以下であってもよく、2.5μm/秒以下であってもよい。上記溶解速度が、3.0μm/秒以下であると、露光部の溶解度が高まり難く、開口部の形成性に優れると考えられる。感光性樹脂組成物の現像液に対する溶解速度は、開口部の形成性の観点から、例えば、1.0μm/秒以上であってもよい。これらの観点から、感光性樹脂組成物の現像液に対する溶解速度は、例えば、1.0〜3.0μm/秒であってもよく、1.0〜2.5μm/秒であってもよい。
【0059】
「現像液に対する溶解速度」とは、次に示す方法によって測定した値である。上記の感光性樹脂組成物を、厚み100μmのフィルム状に成形したものを、厚み725μmの8インチシリコンウェハ(エナテック株式会社製)の鏡面上にプレス式真空ラミネータ(ニッコー・マテリアルズ株式会社製、商品名:V130)を用いて貼付した。ラミネート条件は、プレス用熱板温度100℃、真空引き時間18秒、ラミネートプレス時間60秒、気圧4kPa以下、圧着圧力0.4MPaとした。貼付後、膜厚計(株式会社ミツトヨ製、商品名:デジマチックインジケータID−H)にて膜厚を測定し、これを初期値とした。スピン現像機(ミカサ株式会社製、商品名:AD−3000、スプレー圧力0.2MPa、スキャン幅4.0cm、スキャン速度5.0cm/秒)を用いて26℃の2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(多摩化学工業株式会社製)を20秒間スプレーし、次いで20秒間純水で洗浄し、さらに10秒間、風乾した。現像後、上記膜厚計にて膜厚を計測した。以上を繰り返し、現像時間に対する残膜量をプロットし、直線近似した場合の傾きの値を「現像液に対する溶解速度」とした。
【0060】
現像処理により開口部6を設けた後、例えば、150℃前後で1時間程度の熱硬化処理を施してもよい。熱硬化処理の温度は、例えば、100〜230℃であってもよく、120〜220℃であってもよく、140〜210℃であってもよい。熱硬化処理の時間は、例えば、30〜300分であってもよく、40〜240分であってもよく、50〜200分であってもよい。
【0061】
封止部5bの厚みは、50〜200μmであることが好ましい。封止部5bの厚みは、パッケージ用配線基板3の上面に接する面からその反対面の高さをいう。封止部5bの厚みが50μm以上であると、半導体素子1を封止することが容易になる傾向がある。封止部5bの厚みが200μm以下であると、封止後の反り発生を抑制し易く、かつ、開口部6の形成性に優れる傾向がある。
【0062】
感光性樹脂組成物の上記熱硬化処理後の状態(「硬化物」ともいう)の、0〜80℃における熱膨張係数は20×10−6〜80×10−6/Kであることが好ましい。上記熱膨張係数が、20×10−6/K以上であると、感光性樹脂組成物がフィラーを含有しない場合であっても、解像性が低下し難い傾向にある。上記熱膨張係数が、80×10−6/K以下であると、パッケージの反りを抑制し易い傾向にある。
【0063】
(導体部形成工程)
次いで、図5に示すように、開口部6内に導体部7を形成する。導体部は、例えば、開口部6内に導電性の材料を付与(充填)することにより形成できる。導体部を構成する材料は、導電性を有するものであれば特に制限はないが、例えば、Al、Cu、Sn、Ni、Au、Ag、合金等の金属が挙げられる。材料の付与方法としては、スパッタリング、PVD、CVD、電解めっき、無電解めっき等が挙げられる。例えば、電解めっきを施す場合、予めスパッタリング等によって金属のシード層を形成し、次いで電解めっき等の方法で開口部に金属を付与(充填)してもよい。金属めっきを形成する前に、パッケージ用配線基板3上の残渣を除去する目的で、酸洗処理及び/又はプラズマ処理を施すこともできる。
【0064】
(はんだボールの搭載及び個別化工程)
次いで、図6に示すように、パッケージ用配線基板3にはんだボール8を搭載する。はんだボール8の搭載は市販のNリフロー装置等を用いて容易に行うことができる。はんだボール8の搭載のタイミングは特に限定されるものではない。はんだボール8の搭載は、例えば、後述の個片化の後であってもよい。はんだボールは、例えば、パッケージ搭載用バンプである。
【0065】
最後に、図7に示すように、例えばダイシングソー9を用いて個片化することで、図8に示す半導体装置(半導体パッケージ)100を得ることができる。図8に示す半導体装置100は、パッケージ用配線基板(基材)3と、パッケージ用配線基板(基材)3上に配置されている半導体素子1と、半導体素子1を覆うと共に、半導体素子1及びパッケージ用配線基板(基材)3の間を埋め込むように配置され、かつ、開口部6を有するパターンを形成している封止部5bと、開口部6内に形成され導体部7と、を備え、上記封止部5bが、感光性樹脂組成物の硬化物を含むものである。
【0066】
以上説明した本実施形態の半導体装置の製造方法、感光性樹脂組成物及び半導体装置は、微細化及び多ピン化が必要とされる形態において特に好適である。また、本実施形態の半導体装置の製造方法、感光性樹脂組成物及び半導体装置は、特に、FC−BGA(Flip Chip Ball Grid Array)の製造及びFO−WLP(Fan−out Wafer Level Package)を三次元化する形態において好適である。
【0067】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を行ってもよい。例えば、本実施形態の半導体装置の製造方法は、基材上に配置されている複数の半導体素子を覆うと共に、上記半導体素子同士の間を埋め込むように、感光性樹脂組成物からなる封止用樹脂部を形成する工程と、上記感光性樹脂組成物等の組成物で、半導体素子及び基材の間を充填する工程とを有していてもよい。一実施形態に係る半導体装置は、基材と、上記基材上に配置されている半導体素子と、上記半導体素子を覆うと共に、上記半導体素子及び上記基材の間を埋め込むように配置された封止部と、を備え、上記封止部が、本実施形態のモールドアンダーフィル用感光性樹脂組成物の硬化物を含むものであってもよい。このような半導体装置は、効率良く、低コストで製造できる。また、このような半導体装置は、高密度な伝送が可能であり、コストパフォーマンスにも優れると考えられる。このような半導体装置は、例えば、基材上に配置されている半導体素子を覆うと共に、上記半導体素子及び前記基材の間を埋め込むように、感光性樹脂組成物からなる封止用樹脂部を形成する工程(封止用樹脂部形成工程)と、上記封止用樹脂部の露光及びアルカリ現像により、開口部を有するパターンを形成しており、上記感光性樹脂組成物の硬化物を含む、封止部を形成させる工程(パターン形成工程)と、必要に応じ上記開口部内に導体部を形成する工程(導体部形成工程)と、を備える方法により製造できる。
【実施例】
【0068】
[実施例A1〜A5]
<半導体素子及びパッケージ用配線基板(実装基板)の準備>
8inchウェハの半導体素子(株式会社ウォルツ製、商品名:WALTS−TEG FC200JY(Si−Type))及びパッケージ用配線基板を準備した(図1参照)。パッケージ用配線基板としては、上記半導体素子に設置されているはんだバンプを接続するためのパッドが開口されている、厚み0.2mmのガラスクロスに樹脂を含浸させたガラスクロス入り基板を使用した。
【0069】
<半導体素子の実装>
配線基板にフラックス剤(千住金属工業株式会社製、商品名:スパークルフラックスWF−6317)を塗布した。続いて上記半導体素子を、バンプが、上記基板に形成されている銅パッドに合わさるように実装した(図2参照)。実装にはフリップチップボンダー(パナソニック株式会社製、商品名:FCB3 NM−SB50A)を用いた。ステージ上に、上記パッケージ用配線基板を、吸引によって固定した。ステージ設定温度を50℃、フリップチップボンダーのヘッド温度が50℃、圧着時間1秒間の設定で実装した。圧着時の荷重は10Nとした。
【0070】
続いて最大温度260℃、窒素雰囲気(酸素濃度100体積ppm以下)に設定したリフロー装置(株式会社タムラ製作所製、商品名:TNP25−337EM)に上記半導体素子を搭載した上記配線基板を通すことで、はんだを溶解させ、半導体素子を配線基板に実装した。
【0071】
<フラックス剤の洗浄>
半導体素子を実装した基板を、90℃の水に浸し、超音波洗浄機(アズワン株式会社製、商品名:VS−100III)で2分間洗浄をした後、エアブローで乾燥を行った(図省略)。以上の操作を3回繰り返すことで、配線基板上に残留していたフラックスを洗浄及び除去した。
【0072】
<アルカリ可溶性樹脂(ポリイミドPI−1)の合成>
撹拌機、温度計、窒素置換装置(窒素流入管)、及び水分受容器付きの還流冷却器を備えた300mL丸底フラスコ内に、ジアミンである2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(セントラル硝子株式会社製、商品名:BIS−AP−AF、分子量:366)を39g(0.11mol)、D−400(ポリオキシアルキレンジアミン、BASF社製、商品名:D−400、分子量:433)を46g(0.11mol)、BY16−871EG(シロキサンジアミン、東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:BY16−871EG、分子量:248.5)を6.6g(0.027mol)、m−AP(メタアミノフェノール、和光純薬工業株式会社製、特級)を13.1g(0.12mol)、及び溶媒であるNMP(N−メチル−2−ピロリドン、和光純薬株式会社製、脱水)200gを仕込み、撹拌してジアミンを溶媒に溶解させた。
【0073】
上記フラスコを氷浴中で冷却しながら、ODPA(4,4’−オキシジフタル酸二無水物、東京化成工業株式会社製)を93g(0.30mol)、フラスコ内の溶液に少量ずつ添加した。添加終了後、窒素ガスを吹き込みながら溶液を180℃に昇温させて3時間保温して、アルカリ可溶性樹脂である、ポリイミドPI−1を得た。得られたポリイミドをアルミカップ上に薄く塗布し、熱風対流式乾燥機(株式会社二葉科学製、商品名:MSO−80TPS)を用いて180℃で3時間乾燥させた後の質量減少から、ポリイミドの加熱残分を測定したところ75質量%であった。
【0074】
<感光性樹脂組成物溶液(S―1)の調製>
上記で得られたアルカリ可溶性樹脂、及び、以下に示すその他の化合物を用いて、下記に示す組成比(単位:質量部)にて各成分を配合し、感光性樹脂組成物溶液(S―1)を得た。
【0075】
(I)イソシアヌル酸EO変性ジ及びトリアクリレート(東亜合成株式会社製、商品名:M−313):29.8質量%
(II)ビスフェノールF型ビスグリシジルエーテル(東都化成工業株式会社製、商品名:YDF−870GS):18.24質量%
(III)トリスフェノール化合物(α,α,α’−トリス(4−ヒドロキシフェノル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン)(本州化学工業株式会社製、商品名:TrisP−PA):4.3質量%
(IV)疎水性フュームドシリカ(平均粒径:約16nm)(日本アエロジル株式会社製、商品名:R−972)(N−メチル−2−ピロリドン(関東化学株式会社製、特級)中に20質量%分散):4.3質量%
(V)上記アルカリ可溶性樹脂(ポリイミドPI−1):42.5質量%
(VI)光開始剤(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製、商品名:I−819)):1.24質量%
(VII)ジクミルパーオキサイド(日油株式会社製、商品名:パークミルD):0.43質量%
(VIII)硬化促進剤(四国化成工業株式会社製、商品名:2P4MHZ)(N−メチル−2−ピロリドン(関東化学株式会社製、特級)中に10質量%溶解):0.43質量%
(IX)溶媒(N−メチル−2−ピロリドン)(関東化学株式会社製、特級):10mL
【0076】
<アルカリ可溶性樹脂(ポリイミドPI−2)の合成>
撹拌機、温度計、窒素置換装置(窒素流入管)、及び水分受容器付きの還流冷却器を備えた300mL丸底フラスコ内に、ジアミンである2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(セントラル硝子株式会社製、商品名:BIS−AP−AF、分子量:366)を54g(0.15mol)、D−400(ポリオキシアルキレンジアミン、BASF社製、商品名:D−400、分子量:433)を22g(0.051mol)、BY16−871EG(シロキサンジアミン、東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:BY16−871EG、分子量:248.5)を6.6g(0.027mol)、m−AP(メタアミノフェノール、和光純薬工業株式会社製、特級)を13.1g(0.12mol)、及び溶媒であるNMP(N−メチル−2−ピロリドン、和光純薬株式会社製、脱水)200gを仕込み、撹拌してジアミンを溶媒に溶解させた。
【0077】
上記フラスコを氷浴中で冷却しながら、ODPA(4,4’−オキシジフタル酸二無水物、東京化成工業株式会社製)を93g(0.30mol)、フラスコ内の溶液に少量ずつ添加した。添加終了後、窒素ガスを吹き込みながら溶液を180℃に昇温させて3時間保温して、アルカリ可溶性樹脂である、ポリイミドPI−2を得た。得られたポリイミドをアルミカップ上に薄く塗布し、熱風対流式乾燥機(株式会社二葉科学製、商品名:MSO−80TPS)を用いて180℃で3時間乾燥させた後の質量減少から、ポリイミドの加熱残分を測定したところ75質量%であった。
【0078】
<感光性樹脂組成物溶液(S―2)の調製>
アルカリ可溶性樹脂(ポリイミドPI−1)に代えてアルカリ可溶性樹脂(ポリイミドPI−2)を用いたこと以外は、感光性樹脂組成物溶液(S−1)と同様にして、感光性樹脂組成物溶液(S−2)を得た。
【0079】
<アルカリ可溶性樹脂(ポリイミドPI−3)の合成>
撹拌機、温度計、窒素置換装置(窒素流入管)、及び水分受容器付きの還流冷却器を備えた300mL丸底フラスコ内に、ジアミンである2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(セントラル硝子株式会社製、商品名:BIS−AP−AF、分子量:366)を39g(0.11mol)、D−400(ポリオキシアルキレンジアミン、BASF社製、商品名:D−400、分子量:433)を46g(0.11mol)、BY16−871EG(シロキサンジアミン、東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:BY16−871EG、分子量:248.5)を6.6g(0.027mol)、m−AP(メタアミノフェノール、和光純薬工業株式会社製、特級)を13.1g(0.12mol)、及び溶媒であるNMP(N−メチル−2−ピロリドン、和光純薬株式会社製、脱水)200gを仕込み、撹拌してジアミンを溶媒に溶解させた。
【0080】
上記フラスコを氷浴中で冷却しながら、ODPA(4,4’−オキシジフタル酸二無水物、東京化成工業株式会社製)を93g(0.30mol)、フラスコ内の溶液に少量ずつ添加した。添加終了後、窒素ガスを吹き込みながら溶液を180℃に昇温させて3時間保温して、アルカリ可溶性樹脂である、ポリイミドPI−3を得た。得られたポリイミドをアルミカップ上に薄く塗布し、熱風対流式乾燥機(株式会社二葉科学製、商品名:MSO−80TPS)を用いて180℃で3時間乾燥させた後の質量減少から、ポリイミドの加熱残分を測定したところ75質量%であった。
【0081】
<感光性樹脂組成物溶液(S−3)の調製>
上記で得られたアルカリ可溶性樹脂、及び、以下に示すその他の化合物を用いて、下記に示す組成比(単位:質量部)にて各成分を配合し、感光性樹脂組成物溶液(S−3)を得た。
【0082】
(I)イソシアヌル酸EO変性ジ及びトリアクリレート(東亜合成株式会社製、商品名:M−313):33.4質量%
(II)ビスフェノールF型ビスグリシジルエーテル(東都化成工業株式会社製、商品名:YDF−870GS):9.5質量%
(III)トリスフェノール化合物(α,α,α’−トリス(4−ヒドロキシフェノル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン)(本州化学工業株式会社製、商品名:TrisP−PA):2.39質量%
(IV)疎水性フュームドシリカ(平均粒径:約16nm)(日本アエロジル株式会社製、商品名:R−972)(N−メチル−2−ピロリドン(関東化学株式会社製、特級)中に20質量%分散):4.77質量%
(V)上記アルカリ可溶性樹脂(ポリイミドPI−3):47.7質量%
(VI)光開始剤(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製、商品名:I−819)):1.43質量%
(VII)ジクミルパーオキサイド(日油株式会社製、商品名:パークミルD):0.48質量%
(VIII)硬化促進剤(四国化成工業株式会社製、商品名:2P4MHZ)(N−メチル−2−ピロリドン(関東化学株式会社製、特級)中に10質量%溶解):0.24質量%
(IX)溶媒(N−メチル−2−ピロリドン)(関東化学株式会社製、特級):10mL
【0083】
<感光性樹脂組成物溶液(SE−1)の調製>
下記に示す組成比(単位:質量部)にて各成分を配合し、感光性樹脂組成物溶液(SE−1)を得た。
(I)酸変性クレゾールノボラック型エポキシアクリレート(DIC株式会社製、商品名:EXP−2810):48.4質量%
(II)光反応性化合物(ジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート混合物、日本化薬株式会社製、商品名:KAYARAD DPHA):8.5質量%
(III)光開始剤:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、BASF社製、商品名:DAROCURE−TPO)を1.7質量%、及び2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬株式会社製、商品名:カヤキュアDETX−S)を0.2質量%
(IV)熱硬化性樹脂:ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名:NC−3000H)を5.7質量%、及びビスフェノールF型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製、商品名:YSLV−80)を11質量%
(V)無機フィラー成分:硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製、商品名:B30)を8.5質量%、及びシリカ(株式会社アドマテックス社製、サンプル名:MEKスラリー(1))を14質量%
(VI)その他成分:ブタジエン系エラストマ(株式会社ダイセル製、商品名:エポリードPB3600)を1.7質量%、及び重合禁止剤(川口化学工業株式会社製、商品名:アンテージ500)を0.3質量%
【0084】
ここで、感光性樹脂組成物溶液中に分散した状態における、無機フィラー(無機充填材)の平均粒径及び最大粒径を、レーザー回折散乱式マイクロトラック粒度分布計(日機装株式会社製、商品名:MT−3100)を用いて測定した。B30の平均粒径が0.3μm、MEKスラリー(1)の平均粒径が0.5μmであった。また、B30及びMEKスラリーを含む無機フィラーの最大粒径は3μm以下であった。また、フィルム化後の無機フィラーの粒径はフィルムを硬化後に断面を電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、商品名:SU−1510)で観察して確認した。フィルム中に分散されている無機フィラーの最大粒径が5μm以下であることを確認した。
【0085】
<感光性樹脂組成物溶液(SE−2)の調製>
下記に示す組成比(単位:質量部)にて各成分を配合し、感光性樹脂組成物溶液(SE−2)を得た。
(I)酸変性クレゾールノボラック型エポキシアクリレート(DIC株式会社製、商品名:EXP−2810):39.2質量%
(II)光反応性化合物(ジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート混合物、日本化薬株式会社製、商品名:KAYARAD DPHA):6.9質量%
(III)光開始剤:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、BASF社製、商品名:DAROCURE−TPO)を1.4質量%、及び2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬株式会社製、商品名:カヤキュアDETX−S)を0.1質量%
(IV)熱硬化性樹脂:ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名:NC−3000H)を4.6質量%、及びビスフェノールF型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製、商品名:YSLV−80)を9.2質量%
(V)無機フィラー成分:硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製、商品名:B30)を14質量%、及びシリカ(株式会社アドマテックス社製、サンプル名:MEKスラリー(1))を23質量%
(VI)その他成分:ブタジエン系エラストマ(株式会社ダイセル製、商品名:エポリードPB3600)を1.4質量%、及び重合禁止剤(川口化学工業株式会社製、商品名:アンテージ500)を0.2質量%
【0086】
ここで、感光性樹脂組成物溶液中に分散した状態における、無機フィラー(無機充填材)の平均粒径及び最大粒径は、レーザー回折散乱式マイクロトラック粒度分布計(日機装株式会社製、商品名:MT−3100)を用いて測定した。B30の平均粒径が0.3μm、MEKスラリー(1)の平均粒径が0.5μmであった。また、B30及びMEKスラリーを含む無機フィラーの最大粒径は3μm以下であった。また、フィルム化後の無機フィラーの粒径はフィルムを硬化後に断面を電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、商品名:SU−1510)で観察して確認した。フィルム中に分散されている無機フィラーの最大粒径が5μm以下であることを確認した。
【0087】
<フィルム状感光性樹脂組成物の形成>
上記で得られた感光性樹脂組成物溶液を用いて下記に示す操作でフィルム状に成形し、実施例A1〜A5の感光性樹脂組成物(フィルム状感光性樹脂組成物)を得た。支持層である厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人株式会社製、商品名:G2−16)上に、上記で得られた感光性樹脂組成物溶液をコーター(株式会社康井精機製、商品名:βコーターSNC280)を使用して均一に塗布することにより感光性樹脂組成物層を形成した。塗布速度は3.0mm/分とした。続いて、熱風対流式乾燥機(株式会社二葉科学製、商品名:MSO−80TPS)を用いて80℃で20分間乾燥したのち、更に120℃で20分間乾燥した。塗布時の厚みについては、半導体素子を封止した後に所定の厚みが得られるよう、コーターのナイフと塗布面との間隔を設定することで調整した。
【0088】
続いて、感光性樹脂組成物層の支持層と接している側とは反対側の表面上に、ポリエチレンフィルム(タマポリ株式会社製、商品名:NF−15)を保護フィルムとしてロールラミネーター(株式会社ラミーコーポレーション製、商品名:HOTDOG 12DX、温度60℃、線圧4kgf/cm(39.2N/cm)、送り速度0.5m/分)で貼り合わせ、支持層及び保護フィルムで挟持されたフィルム状感光性樹脂組成物を得た。
【0089】
<評価試験>
上記で得られたフィルム状感光性樹脂組成物について、以下の評価試験を行った。
【0090】
<感光性樹脂組成物の溶融粘度測定>
感光性樹脂組成物の溶融粘度を低粘度粘弾性測定装置(株式会社アントンパール・ジャパン(AntonPaar社)製、商品名:MCR−301)を用いて、以下の手順で測定した。直径4cm、深さ5mmのアルミニウム製円形プレート(株式会社アントンパール・ジャパン製、商品名:ディスポーザブルプレート EMS/CTD600)の底部中央に、フィルム状感光性樹脂組成物(縦30mm、横30mm、厚み300μm)を貼付し、円形プレートを装置のステージに固定した。測定セル(株式会社アントンパール・ジャパン製、商品名:Messkorperachse D−CP/PP7)を装置に取り付けた後、セルの先端には治具(株式会社アントンパール・ジャパン製、商品名:SPPYU08−07)を装着した。治具の先端が上記円形プレートの底面から200μmの高さに配置されるように、上記測定セルを下降させ、上記治具の先端を上記感光性樹脂組成物内に埋没させた。測定は、昇温速度10℃/分及び周波数1Hzに設定し、25〜200℃の条件で行った。そして、25〜200℃の温度範囲での溶融粘度の最低値を、最低溶融粘度とした。
【0091】
<封止用樹脂部の形成>
前記半導体素子が実装された配線基板に対して、フィルム状感光性樹脂組成物を加圧加熱しながら貼付することで、半導体素子を感光性樹脂組成物で埋め込むと同時に、半導体素子と配線基板との間の空間を感光性樹脂組成物で充填させた。これにより、半導体素子を覆うと共に、半導体素子及配線基板(基材)の間並びに半導体素子同士の間を埋め込むように、感光性樹脂組成物からなる封止用樹脂部を形成した。
【0092】
具体的には、感光性樹脂組成物上の保護フィルム(ポリエチレンフィルム)をはく離しが後に、プレス式真空ラミネータ(ニッコー・マテリアルズ株式会社製、商品名:V130)を用いて貼付した(図3参照)。ラミネート条件は、真空引き時間60秒、ラミネートプレス時間60秒、到達気圧4kPa以下、圧着圧力0.4MPaとし、プレス用熱板の温度は、各感光性樹脂組成物の最低溶融粘度を示す温度とした。
【0093】
<開口部を有するパターンの形成>
感光性樹脂組成物からなる封止用樹脂部上に、パターンを形成したフォトマスクを密着させ、平行露光機(株式会社オーク製作所製、商品名:EXM−1201)を使用して、3000mJ/cmのエネルギー量で露光した。次いで、ホットプレート(アズワン株式会社製、商品名:Triplet Hotplate TH−900)の上に置き、80℃で1分間加熱した。さらに、封止用樹脂部上のポリエチレンテレフタレートフィルム(支持層)を剥離し、現像機(ミカサ株式会社製、商品名:AD−3000、スプレー圧力0.2MPa、スキャン速度5.0cm/秒)を用いて26℃の2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(多摩化学工業株式会社製)を200秒間スプレーした後、20秒間純水で洗浄し、10秒間風乾して、開口部を有するパターンを形成させた。続いて、平行露光機(株式会社オーク製作所製、商品名:EXM−1201)を使用して2000mJ/cmのエネルギー量で紫外線を照射した後、オーブン(エスペック株式会社製、商品名:PVC−212)を用いて、175℃で2時間熱硬化した(図4参照)。
【0094】
<導体部の形成>
上記開口部に、スパッタ装置(芝浦プレシジョン株式会社製、商品名:CFS−12P−100)を用いてシード層を形成した。スパッタ操作としては、まず接着層としてTiを100nm成膜し、次いでCuを300nm積層させた。スパッタ時の圧力は10〜5Pa、電圧印加時間は、Tiで10分、Cuで30分とした。
【0095】
次いで、上記開口部に、電解銅めっき法で、金属材料(銅)をめっきし付与(充填)することにより、開口部内に導体部を形成した(図5参照)。具体的には、先ず、陽極を銅板に接続し、陰極をシード層である上記スパッタ銅に接続し、めっき液内に浸潤させた。次いで、電流密度を1.0A/dmとし、4時間処理することで上記開口部内にめっき銅を付与(充填)させた。
【0096】
電解めっき用のめっき液としては、硫酸銅(和光純薬工業株式会社製、特級)5.0gと、濃硫酸(和光純薬工業株式会社製、特級)120gと、塩酸(和光純薬工業株式会社製、特級)0.2gとを純水中に溶解させ、全体を1Lとしたものを用いた。
【0097】
<はんだボールの搭載及び個別化処理>
リフロー装置(株式会社タムラ製作所製、商品名:TNP25−337EM)を用いて、窒素雰囲気(酸素濃度100体積ppm以下)ではんだボールを搭載した(図6参照)。
【0098】
最後に、ダイサー(株式会社ディスコ製、商品名:DAD−3350)を用いて個片化することによって、パッケージサイズが縦15mm、横15mmの半導体装置を得た。ダイシングブレードには27HEFF(株式会社ディスコ製)を用い、回転数は30000回転/分、切削速度は20mm/秒とした(図7参照)。
【0099】
<半導体素子と配線基板との間の充填性評価>
得られた半導体装置について、半導体素子と配線基板との間の充填状態を、超音映像診断装置(インサイト株式会社製、商品名:Insight―300)を用いて以下の手順で観察することにより、充填性を評価した。
【0100】
得られた半導体装置を、純水で満たした水槽内に、気泡が付着しないように静かに沈め水平に固定した。その際、半導体素子側を上面、配線基板側が下面となるように設置した。超音波発信器を半導体装置の下面側に、超音波水浸探触子(35MHz)を半導体装置の上面となるように装置に設置し、超音波発信器及び超音波推進探触子を結んだ線が半導体装置面に対して垂直となるように調整した。スキャン範囲15mm角、スキャンステップ0.01mm、出力27dBに設定し、透過モードにて半導体装置全体をスキャンした。超音波探傷により得られた画像に基づき、以下の基準で充填性を評価した。充填不良(空隙)が存在する場合、画像中に黒い斑点模様となって現れることからそれを認識できる。超音波探傷によって得られた画像から、半導体素子と配線基板との間に空隙が観察されなかった場合を「A」として評価した。また、半導体素子と配線基板との間にやや空隙が観察されたものの充填可能であったものを「B」として評価した。
【0101】
フィルム状感光性樹脂組成物の形成に用いた感光性樹脂組成物溶液の種類、フィルム状感光性樹脂組成物の最低溶融粘度、及び充填性の評価結果を表1に示す。
【0102】
【表1】
【0103】
実施例A1〜A5に係る半導体装置の製造方法によれば、半導体素子を覆うと共に、半導体素子及び配線基板の間を埋め込むように配置され、かつ、開口部を有するパターンを形成している封止部を容易に形成でき、半導体素子及び配線基板の間隙の充填性にも優れることわかる。以上より、本発明によれば、微細化及び高密度化の要求が高い半導体装置を効率良く、低コストで製造する方法、並びに、効率良く、低コストで製造できる半導体装置を提供できることがわかる。
【0104】
[実施例B1〜B5、参考例B1]
<アルカリ可溶性樹脂(ポリイミドPI−4)の合成>
撹拌機、温度計、窒素置換装置(窒素流入管)、及び水分受容器付きの還流冷却器を備えた300mL丸底フラスコ内に、ジアミンである2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(セントラル硝子株式会社製、商品名:BIS−AP−AF、分子量:366)を43.8g(0.12mol)、D−400(ポリオキシアルキレンジアミン、BASF社製、商品名:D−400、分子量:433)を51.9g(0.12mol)、BY16−871EG(シロキサンジアミン、東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:BY16−871EG、分子量:248.5)を7.47g(0.030mol)、m−AP(メタアミノフェノール、和光純薬工業株式会社製、特級)を6.54g(0.060mol)、及び溶媒であるNMP(N−メチル−2−ピロリドン、和光純薬株式会社製、脱水)200gを仕込み、撹拌してジアミンを溶媒に溶解させた。
【0105】
上記フラスコを氷浴中で冷却しながら、ODPA(4,4’−オキシジフタル酸二無水物、東京化成工業株式会社製)を93g(0.30mol)、フラスコ内の溶液に少量ずつ添加した。添加終了後、窒素ガスを吹き込みながら溶液を180℃に昇温させて3時間保温して、アルカリ可溶性樹脂である、ポリイミドPI−4を得た。得られたポリイミドをアルミカップ上に薄く塗布し、熱風対流式乾燥機(株式会社二葉科学製、商品名:MSO−80TPS)を用いて180℃で3時間乾燥させた後の質量減少から、ポリイミドの加熱残分を測定したところ75質量%であった。
【0106】
<感光性樹脂組成物溶液(S−4)の調製>
アルカリ可溶性樹脂(ポリイミドPI−1)に代えてアルカリ可溶性樹脂(ポリイミドPI−4)を用いたこと以外は、感光性樹脂組成物溶液(S−1)と同様にして感光性樹脂組成物溶液(S−4)を得た。
【0107】
(実施例B1〜B5)
それぞれ、実施例A1〜A5と同様にして、半導体装置を作製し、評価試験を行った。
【0108】
(参考例B1)
感光性樹脂組成物溶液として、感光性樹脂組成物溶液(S−4)を用いたこと以外は、実施例A1と同様にして、半導体装置を作製し、評価試験を行った。
【0109】
フィルム状感光性樹脂組成物の形成に用いた感光性樹脂組成物溶液の種類、フィルム状感光性樹脂組成物の最低溶融粘度、及び充填性の評価結果を表2に示す。
【0110】
【表2】
【0111】
実施例B1〜B5の感光性樹脂組成物によれば、半導体素子を覆うと共に、半導体素子及び配線基板の間を埋め込むように配置された封止部を容易に形成でき、かつ半導体素子及び配線基板の間隙の充填性にも優れることわかる。すなわち、実施例に係る感光性樹脂組成物によれば、微細化及び高密度化の要求が高い半導体装置を効率良く、低コストで製造できることがわかる。以上より、本発明によれば、微細化及び高密度化の要求が高い半導体装置を効率良く、低コストで製造できる感光性樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置を提供できることがわかる。
【符号の説明】
【0112】
1…半導体素子、2…はんだバンプ、3…パッケージ用配線基板、4…パッド、5a…封止用樹脂部、5b…封止部、6…開口部、7…導体部、8…はんだボール、9…ダイシングソー、100…半導体装置(半導体パッケージ)、100A…従来の半導体装置(半導体パッケージ)、111…コア基材、112…配線パターン、113…層間絶縁層、114…ビア開口、110…パッケージ用配線基板、120…バンプ付き半導体素子、130…アンダーフィル材、140…封止材、141…封止開口、142…接続材料。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】