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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年8月16日
【発行日】2019年12月12日
(54)【発明の名称】自動分析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/10 20060101AFI20191115BHJP
   G01N 35/00 20060101ALI20191115BHJP
【FI】
   G01N35/10 A
   G01N35/00 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】22
【出願番号】特願2018-566806(P2018-566806)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年1月16日
(31)【優先権主張番号】特願2017-20340(P2017-20340)
(32)【優先日】2017年2月7日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島田 賢史
(72)【発明者】
【氏名】山崎 功夫
(72)【発明者】
【氏名】西田 正治
(72)【発明者】
【氏名】井上 陽子
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058EA02
2G058EA04
2G058EA14
2G058EB22
2G058ED21
2G058ED33
2G058GB06
2G058GB10
2G058GD01
2G058GD05
2G058GD06
2G058GE06
2G058GE09
(57)【要約】
本発明は、空吸引が発生したか否かを簡易な処理によって判別することができる自動分析装置を提供することを目的とする。本発明に係る自動分析装置は、分注プローブの内部において試料が通過する経路のうち実際に試料が充填されている部分の長さが、正常吸引時におけるものよりも短いか否かを特定するパラメータを算出することにより、空吸引が発生したか否かを判定する(図4参照)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を分析する自動分析装置であって、
前記試料を吸引または吐出する分注プローブ、
前記分注プローブの内部の圧力を計測する圧力センサ、
前記分注プローブの動作を制御する制御部、
前記分注プローブが前記試料を正常に吸引し終えた後に前記圧力センサが計測する前記圧力の波形を表す正常波形パラメータを記憶する記憶部、
を備え、
前記分注プローブは、前記試料が充填される流路を有し、
前記制御部は、前記分注プローブが前記試料を吸引し終えた後の前記圧力センサによる計測結果を取得するとともに、前記計測結果に基づき前記圧力の波形を表す計測結果パラメータを特定し、
前記制御部は、前記正常波形パラメータと前記計測結果パラメータを比較することにより、前記分注プローブの内部に充填されている前記試料の前記流路に沿った第1長さが、前記試料を正常に吸引したとき前記分注プローブの内部に充填される前記試料の前記流路に沿った第2長さよりも短いか否かを判定し、
前記制御部は、前記第1長さが前記第2長さよりも短いと判定した場合は、前記分注プローブが前記試料を正常に吸引しなかった旨を示す信号を出力する
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記分注プローブは、前記流路に充填されている前記試料に対して圧力を加えることにより前記試料を吸引または吐出するプランジャを有し、
前記制御部は、前記流路のなかに前記試料が満たされて後から前記分注プローブが前記試料から引き上げられる前までの間に、前記流路のなかの前記試料が全て吐出しない程度の距離だけ、前記試料を吐出する方向へ向かって前記プランジャを移動させ、
前記制御部は、前記プランジャを前記距離だけ移動させた後、前記分注プローブが前記試料から引き上げられる間における前記圧力の極大値と極小値をそれぞれ1以上取得し、 前記制御部は、前記極大値と前記極小値がともに所定閾値の範囲内にある場合は前記分注プローブが前記試料を正常に吸引したと判定し、前記極大値と前記極小値の少なくともいずれかが前記所定閾値の範囲外である場合は前記分注プローブが前記試料を正常に吸引しなかった旨を示す信号を出力する
ことを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記分注プローブは、前記流路に対して圧力を加えることにより前記試料を吸引または吐出するプランジャを有し、
前記圧力センサは、前記分注プローブの先端と前記プランジャの間に配置されており、 前記制御部は、前記プランジャが吸引動作を停止してから前記圧力が2回目の極大値に達するまでの第1時間を前記計測結果パラメータとして取得するとともに、前記分注プローブが前記試料を正常に吸引したとき前記プランジャが吸引動作を停止してから前記圧力が2回目の極大値に達するまでの第2時間を前記正常波形パラメータとして取得し、
前記制御部は、前記第1時間が前記第2時間よりも短い場合は、前記分注プローブが前記試料を正常に吸引しなかった旨を示す信号を出力する
ことを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記分注プローブは、前記試料以外の液体を充填する第2流路を有し、
前記制御部は、データ取得開始時刻以後の期間についてのみ前記圧力センサによる計測結果を取得し、
前記データ取得開始時刻は、前記分注プローブが前記試料を吸引し終えてから、前記圧力による振動波が前記第2流路の長さを伝搬するために要する第1経過時間が経過した時点である
ことを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記分注プローブは、前記流路に対して圧力を加えることにより前記試料を吸引または吐出するプランジャを有し、
前記制御部は、データ取得終了時刻以前の期間についてのみ前記圧力センサによる計測結果を取得し、
前記データ取得終了時刻は、前記分注プローブが前記試料を吸引し終えた後、前記圧力による振動波が前記プランジャから前記分注プローブの先端まで到達し、さらに前記分注プローブの先端から反射して前記圧力センサに到達するまでに要する第2経過時間が経過した時点、または前記第2経過時間の整数倍が経過した時点である
ことを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記正常波形パラメータとして、減衰振動を記述するパラメータを記述しており、
前記制御部は、前記計測結果パラメータとして、前記圧力の波形が減衰振動であると仮定した場合におけるその減衰振動を記述するパラメータを特定し、前記特定したパラメータを用いて前記判定を実施する
ことを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項7】
前記記憶部は、前記正常波形パラメータとして、減衰振動の周期を記述しており、
前記制御部は、前記計測結果パラメータとして、前記圧力の波形が減衰振動であると仮定した場合におけるその減衰振動の周期を特定し、前記特定した周期と前記正常波形パラメータが記述している周期との間の差分が所定閾値以内であるか否かに基づき、前記判定を実施する
ことを特徴とする請求項6記載の自動分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料を分析する自動分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置は、被検査者から採取した尿や血液などのサンプルを、試薬と混合して反応させることにより色調の変化を生じさせ、その変化を分光光度計によって測定する装置である。
【0003】
自動分析装置は、分注プローブを試料の液面よりも下方に移動させて試料を吸引するようにあらかじめ調整される。したがって液面高さが誤って認識されていると、正しい分量の試料を吸引できない(あるいは試料を全く吸引しない)可能性がある。このような誤動作を空吸引と呼ぶ。例えば試料の液面に泡が発生している場合、その泡の表面を試料の液面として誤って認識し、以後はその高さにおいて吸引を実施することにより、空吸引が生じる可能性がある。
【0004】
下記特許文献1は、自動分析装置に関して、『膨大な量の基準データを必要とせずに様々な原因による分注の異常を高精度に検出して信頼性の高い分析ができる自動分析装置を実現する。』ことを課題として、『サンプルプローブ15の先端が試料内に浸かった状態でプランジャ66を所定量下降して試料をプローブ内に吸引する。吸引動作中の圧力変動を圧力センサ26で検出し、AD変換器621でデジタル変換して信号処理器76に送る。信号処理器76は吸引波形の特徴変数の値を抽出し、正常群データからの統計距離Dを計算する。統計距離Dと閾値thとが比較され、統計距離Dが閾値th以上の場合は、吸引に異常ありと判定する。統計距離Dが閾値thより小さい場合は、吐出動作に移行する。吐出動作後、吐出波形の特徴変数の値を抽出し、正常群データからの統計距離Dを計算する。統計距離Dが定められた閾値th以上の場合は吐出に異常ありと判定する。』という技術を記載している(要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−53868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1記載の技術は、試料を吸引する際の圧力波形の特徴変数を算出し、正常波形の特徴変数と比較することにより、空吸引であるか否かを判別するものである。しかし同文献記載の技術は、必ずしも空吸引であるか否かを判別するために必須ではない特徴変数も求めているので、判別のための演算負荷や所要時間が多くなる傾向があると考えられる。
【0007】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、空吸引が発生したか否かを簡易な処理によって判別することができる自動分析装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る自動分析装置は、分注プローブの内部において試料が通過する経路のうち実際に試料が充填されている部分の長さが、正常吸引時におけるものよりも短いか否かを特定するパラメータを算出することにより、空吸引が発生したか否かを判定する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る自動分析装置は、分注プローブの内部における経路の長さに関するパラメータを用いて空吸引を判別するので、判別のために算出するパラメータを絞り込むことができる。これにより、空吸引をより簡易な処理によって判別できるので、装置のコスト効率や演算時間などを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態1に係る自動分析装置100の概略構成図である。
図2】サンプルプローブ15の周辺構成を示す図である。
図3】正常吸引の圧力波形と空吸引の圧力波形が異なるメカニズムを説明する図である。
図4】圧力センサが検出する衝撃波の波形を示すグラフである。
図5】バックラッシュ動作の前後において圧力センサ26が検出する圧力波形を示すグラフである。
図6】実施形態3に係る自動分析装置100が備えるサンプルプローブ15の側面図である。
図7】圧力波形とピーク検出の例を示すグラフである。
図8】吸引長さxと圧力波形の極大値間隔との間の関係を測定した結果を示すグラフである。
図9】近似式の1例を示すグラフである。
図10】式1のω0について正常吸引時と空吸引時の違いを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係る自動分析装置100の概略構成図である。自動分析装置100は、サンプルディスク12、第1試薬ディスク41、第2試薬ディスク42、反応ディスク36を備える。サンプルディスク12は、試料を保持するサンプル容器10を搭載することができる。第1試薬ディスク41と第2試薬ディスク42は、試薬を保持する試薬容器40を搭載することができる。反応ディスク36の周上には、反応容器35が配置されている。
【0012】
自動分析装置100はさらに、サンプルプローブ15、第1試薬プローブ20、第2試薬プローブ21、攪拌装置30、容器洗浄機構45、光源50、分光検出器51、コンピュータ62、コントローラ60、タイミング検出部61、を備える。
【0013】
サンプルプローブ15は、サンプル容器10から吸引した試料を反応容器35に分注する。第1試薬プローブ20は、第1試薬ディスク41内の試薬容器40から吸引した試薬を反応容器35に分注する。第2試薬プローブ21は、第2試薬ディスク42内の試薬容器40から吸引した試薬を反応容器35に分注する。攪拌装置30は、反応容器35内の液体を撹拌する。容器洗浄機構45は、反応容器35を洗浄する。光源50は、反応ディスク36の内周付近に設置されており、反応容器35に対して光を照射する。分光検出器51は、反応容器35を挟んで対面に設置されており、光源50が試料に対して照射した光を検出する。コンピュータ62は、分光検出器51に接続されており、分光検出器51による検出結果を用いて試料を分析する。コントローラ60は、自動分析装置100の全体動作を制御する。タイミング検出部61は、各駆動機構の動作開始/停止タイミングの検出し、動作開始/停止からの時間経過を監視する。
【0014】
サンプルプローブ15は、分注流路24により定量ポンプ25と接続されている。分注流路24の途中には圧力センサ26が設けられている。図1には示していないが、第1試薬プローブ20と第2試薬プローブ21も、サンプルプローブ15と同様に、分注流路、定量ポンプ、圧力センサが接続されている。
【0015】
サンプル容器10には血液などの検査対象の試料が入れられ、サンプルディスク12にセットされる。それぞれの試料に対して実施する分析の種類は、コントローラ60に入力される。サンプルプローブ15によってサンプル容器10から採取された試料は、反応ディスク36に並べられている反応容器35に対して一定量分注される。一定量の試薬が第1試薬ディスク41または第2試薬ディスク42に設置された試薬容器40から第1試薬プローブ20または第2試薬プローブ21により反応容器35に分注され、攪拌装置30によって攪拌される。この試料および試薬の分注量は、分析の種類毎にあらかじめコントローラ60に対して設定されている。
【0016】
反応ディスク36は、周期的に回転停止を繰り返す。反応容器35が光源50の前を通過するタイミングで分光検出器51が光を測定する。10分間の反応時間の間に測光を繰り返す。その後、容器洗浄機構45は反応容器35内の反応液を排出して洗浄する。それらの間に別の反応容器35は、別の試料と試薬を用いて並行動作する。コンピュータ62は、分光検出器51が計測したデータを用いて分析の種類に応じた成分の濃度を算出し、その結果をディスプレイに表示する。
【0017】
図2は、サンプルプローブ15の周辺構成を示す図である。第1試薬プローブ20と第2試薬プローブ21も同様の構成を備えるので、以下ではサンプルプローブ15の周辺構成について説明する。
【0018】
定量ポンプ25は、駆動機構67とプランジャ66を有し、バルブ68を通してポンプ69に接続されている。定量ポンプ25はコントローラ60によって制御され、試料を吸引吐出する。定量ポンプ25とサンプルプローブ15は、分注流路24を介して接続されている。圧力センサ26は、プランジャ66とサンプルプローブ15の間に配置されている。
【0019】
タイミング検出部61は、コントローラ60に接続されており、定量ポンプ25の動作終了タイミングと動作開始からの経過時間を監視する機能を有している。
【0020】
圧力センサ26は、AD変換器621に接続されている。タイミング検出部61は、定量ポンプ25が停止した後、後述する時間が経過した時点で、AD変換器621に対してデジタル変換を実施するよう指示する(併せてクロック信号を出力する)。AD変換器621は、その指示に応じて、圧力センサ26から出力されるアナログ電圧データをデジタル変換する。
【0021】
データ抽出部622は、AD変換器621から圧力波形のデジタルデータを受け取り、異常判定部623に引き渡す。異常判定部623は、そのデータを用いて空吸引が発生しているか否かを判定する。AD変換器621、データ抽出部622、異常判定部623は例えばコンピュータ62の一部として構成することができる。
【0022】
サンプルプローブ15は、図示していない移動機構を有している。移動機構がサンプルプローブ15を上下移動および回転させることにより、サンプルプローブ15はサンプル容器10から試料を吸引する位置に移動し、反応容器35に対して試料を吐出する位置に移動することができる。
【0023】
試料を吸引する前に、コントローラ60は、バルブ68を開いて分注流路24とサンプルプローブ15の内部をポンプ69から供給されるシステム液79で満たす。次にコントローラ60は、サンプルプローブ15の先端が空中にある状態で、駆動機構67によりプランジャ66を下降動作させ、分節空気80を吸引する。
【0024】
次にコントローラ60は、サンプルプローブ15をサンプル容器10の中に下降させ、その先端が試料内に浸かった状態でプランジャ66を所定量下降して試料をプローブ内に吸引する。これにより、吸引液81として当該試料がサンプルプローブ15内に吸引される。第1試薬プローブ20と第2試薬プローブ21も同様の動作を実施するが、これらの場合における吸引液81は試薬である。
【0025】
図3は、正常吸引の圧力波形と空吸引の圧力波形が異なるメカニズムを説明する図である。定量ポンプ25が停止した後に発生する衝撃波は、流路内に満たされているシステム液79、および吸引液81を媒体として伝搬する。定量ポンプ25から発生した衝撃波は流路内の液体が満たされている領域を伝搬し、空気層(液体の終端部)で反射し、再び圧力センサ26を通過して、バルブ68で反射する。衝撃波はエネルギーを減衰しながらこの流路内の往復を繰り返す。分節空気80は非常に体積が小さいので、圧力伝搬には影響しないものとする。
【0026】
流路内のバルブ68とシリンジを繋ぐ流路の長さをL1、定量ポンプ25から圧力センサ26までの距離をL2、圧力センサ26からサンプルプローブ15までの流路の長さをL3、サンプルプローブの長さをL4、吸引終了時に保持される液体のノズル内における長さをL5とする。吸引動作が正常になされた場合、L5=L4となり、バルブ68から液体先端までの距離は(L1+L2+L3+L4)となる。空吸引の場合、試料が吸引される量が正常吸引よりも少ない(または全く吸引されていない)ので、サンプルプローブ15内において液体が満たされている部分の長さL5はL4よりも短い。したがって、衝撃波の伝搬距離が正常吸引時よりも短くなる。このことを利用して、空吸引が発生したか否かを判定することができる。以下具体的に説明する。
【0027】
図4は、圧力センサが検出する衝撃波の波形を示すグラフである。実線は正常吸引時の圧力波形を示し、点線は空吸引時の圧力波形を示す。圧力センサ26は、検出した圧力を例えば電圧値として出力する。図4はその電圧値を圧力値に変換したものを示す。正常吸引時の圧力波形を記述するデータは、例えばコンピュータ62が備える記憶部624にあらかじめ格納しておくことができる。
【0028】
定量ポンプ25が吸引動作をしている期間においては、プランジャ66が下降し、サンプルプローブ15の先端から試料を吸引する。吸引期間においては、サンプルプローブ15内の圧力が低下する。
【0029】
試料を吸引し終えると、定量ポンプ25は吸引動作を停止する。定量ポンプ25が動作を停止すると、最初に急峻な正の圧力変動が現れる。この正の圧力変動は、プランジャ66が下降する動作が停止したとき発生する衝撃波が圧力センサ26を通過する際に検出されるものである。したがって、定量ポンプ25が吸引動作を停止してからこの正の圧力変動が検出されるまでの時間は、衝撃波の伝搬速度をCとすると、正常吸引時/空吸引時ともにおおよそL2/Cとなる。したがってこの期間における圧力波形は、正常吸引と空吸引を判別するのに適していない。
【0030】
空気層(液体の先端)まで伝搬した衝撃波が反射して再び圧力センサ26を通過するとき、圧力波形は2回目のピークとなる。定量ポンプ25が吸引動作を停止してからこの2回目のピークに達するまでの時間は、正常吸引時は(L2+2×(L3+L4))/Cとなるのに対し、空吸引時は(L2+2×(L3+L5))/Cとなる。3回目以降のピークの到達時刻も同様に、正常吸引時と空吸引時との間で差異が生じる。すなわち正常吸引時と空吸引時は圧力波形が明確に異なるので、異常判定部623は、これを利用して空吸引を判別することができる。
【0031】
定量ポンプ25から生じた衝撃波が、定量ポンプ25から分注流路24とサンプルプローブ15との間の境界へ到達するまでの距離は、正常吸引時と空吸引時いずれにおいてもL2+L3であるので、この期間における圧力波形は、空吸引を判別するために必ずしも必要ない。したがって異常判定部623は、定量ポンプ25が吸引動作を停止してから(L2+L3)/Cが経過した以降の圧力値のみを用いて、空吸引を判別してもよい。
【0032】
正常吸引時の圧力波形と空吸引時の圧力波形の違いが顕著に現れるのは、2回目以降のピークであるから、少なくとも2回目のピークが現れるまでの圧力値を用いて空吸引を判別する必要がある。したがって異常判定部623は、定量ポンプ25が吸引動作を停止してから(L2+2×(L3+L4))/Cが経過するまでの圧力値を用いて、空吸引を判別する必要がある。余裕をもたせるため、(L2+2×(L3+L4))/Cの整数倍が経過するまでの圧力値を用いてもよい。
【0033】
異常判定部623が空吸引を判別するために用いるデータを取得するタイミングは、タイミング検出部61によって制御することができる。タイミング検出部61は、上記期間において圧力センサ26から圧力値をサンプリングするように、所定のクロック周期ごとにAD変換器621に対して指示する。データ抽出部622は、取得したデジタルデータを必要に応じて圧力値に変換し、異常判定部623へ渡す。
【0034】
異常判定部623は、衝撃波が下記式によって表される減衰振動であると仮定して、取得した圧力波形を用いて下記式1のパラメータを推定する。式1中、ω0は減衰周期である。
【0035】
【数1】
【0036】
記憶部624は、正常吸引時における圧力波形について上記式の各パラメータを記述したデータをあらかじめ記憶している。異常判定部623は、推定した各パラメータを、正常吸引時における同パラメータと比較し、両者の間の差分が所定閾値以内におさまっていれば正常吸引、おさまっていなければ空吸引と判定することができる。いずれか1つのパラメータについてのみ比較してもよいし、2以上のパラメータを例えば適当な評価式にあてはめることにより両者の間の差分を評価してもよい。
【0037】
異常判定部623は、判定結果をコントローラ60に対して通知する。正常吸引であると判定した場合、コントローラ60はサンプルプローブ15から反応容器35に対して試料を吐出させ、次の試料を分注する。空吸引であると判定した場合、コントローラ60は試料を吐出する動作を中止させ、コンピュータ62の画面上にアラームを表示する。さらにバルブ68の開閉によってサンプルプローブ15の内部を洗浄する。
【0038】
<実施の形態2>
自動分析装置100は、サンプルプローブ15内に保持する試料量の誤差を抑制するため、吸引動作を完了した後、サンプルプローブ15を試料から引き上げる前に、プランジャ66を吐出側へわずかに動作させる。この動作をバックラッシュ補正と呼ぶ。本発明の実施形態2では、このバックラッシュ補正時における圧力波形を用いて空吸引を判別する手法について説明する。
【0039】
図5は、バックラッシュ動作の前後において圧力センサ26が検出する圧力波形を示すグラフである。図5に示す圧力波形は、図4に示す吸引動作における圧力波形に続くものである。定量ポンプ25は、吸引動作を完了した後、バックラッシュ補正を実施する。バックラッシュ補正が完了すると、プランジャ66を停止させたうえでサンプルプローブ15を試料から引き上げる。
【0040】
この間、流路内にはプランジャ66が停止することによる衝撃波とサンプルプローブ15が上昇することにともない発生する慣性により、圧力変動が起こる。この圧力変動は、実施形態1と異なり複数の振動要因が重なっているので、減衰振動にはならない。しかしながら、正常吸引時と空吸引時は、流路内を満たす溶液量が異なっているので、これに起因する差異が生じる。具体的には、流路が液体で満たされている正常吸引においては圧力波形の振幅が小さく、液体で満たされている領域が少ない空吸引においては振幅が大きくなる。異常判定部623は、このことを利用して空吸引を判別する。
【0041】
定量ポンプ25がバックラッシュ補正を完了してからL2/Cが経過すると、1回目の圧力ピークが現れる。タイミング検出部61は、それ以後の圧力波形のみを取得するようにAD変換器621に対して指示してもよい。タイミング検出部61は、サンプルプローブ15が上昇完了するまで、圧力波形を取得する。
【0042】
異常判定部623は、圧力波形の最大値と最小値との間の差分Pmaxを算出する。異常判定部623は、Pmaxがあらかじめ定めた閾値以内におさまっている場合は正常吸引であると判定し、おさまっていない場合は空吸引であると判定する。
【0043】
<実施の形態3>
図6は、本発明の実施形態3に係る自動分析装置100が備えるサンプルプローブ15の側面図である。図4で説明した圧力波形の違いのうち、特に2回目のピークに達する時刻に着目して空吸引を判別する場合、L4とL5の違いが顕著であることが望ましい。そこで本実施形態3においては、細管部16を細長くした。1例として、細管部16はステンレス製のパイプであり、内径0.8ミリメートル、長さ50ミリメートルである。xは吸引液81を吸引した長さである。
【0044】
図7は、圧力波形とピーク検出の例を示すグラフである。定量ポンプ25が吸引動作を停止した時刻をt0、1回目の圧力極大値の時刻をt1、1回目の圧力極小値の時刻をt2、2回目の圧力極大値の時刻をt3、2回目の圧力極小値の時刻をt4とする。自動分析装置100は、正常吸引時におけるこれら時刻を記述したデータを、あらかじめ記憶部624に保持しておく。異常判定部623は、t1〜t4を正常吸引時におけるものと比較することにより、空吸引を判別することができる。
【0045】
図8は、吸引長さxと圧力波形の極大値間隔との間の関係を測定した結果を示すグラフである。横軸は吸引長さx、縦軸は図7におけるt3−t1を表す。図8に示すように、吸引長さxが概ね20mm以上であれば、正常吸引時におけるt3−t1と空吸引時におけるt3−t1が顕著に異なるので、これを比較することにより空吸引を判別することができる。正常吸引時におけるt3−t1は、記憶部624にあらかじめ格納しておくことができる。両者の差分があらかじめ定めた閾値を超えている場合、空吸引と判別することができる。
【0046】
本実施形態3においては、細管部16を細長くしたので、同じ吸引量であっても吸引長さxを大きくすることができる。したがって図8に示すように、正常吸引時におけるt3−t1と空吸引時におけるt3−t1との間の差分が顕著に現れるので、空吸引を精度よく判別することができる。
【0047】
本実施形態3においては、定量ポンプ25が吸引動作を停止した後の圧力ピークを用いるので、定量ポンプ25の駆動パターンによらず、正常吸引時の圧力波形と空吸引時の圧力波形との間の違いを正確に識別することができる。また圧力ピーク間隔のみを用いて空吸引を判別するので、演算量を抑制することができる。
【0048】
本実施形態3においては、図7におけるt3とt1を用いるので、同図におけるその他の時刻については必ずしも厳密に特定する必要はない。例えば定量ポンプ25に対して吸引動作を停止するよう指示した時刻から圧力値を取得し始め、その後に2回目の極大値に達した時点をt3とすることができる。
【0049】
<実施の形態4>
実施形態1において、異常判定部623は、圧力センサ26による計測結果を正常吸引時の圧力波形と比較する際に、計測結果を近似式によって近似した上で比較することもできる。例えばタイミング検出部61は、圧力波形の変動周期の間に少なくとも5回以上のサンプリング信号を出力する。異常判定部623は、各サンプル点と式1との間の差分が最小になるように、例えば最小2乗法を用いたカーブフィッティングを用いて、式1の各パラメータ(C、ζ、ω0、α、A)を求める。
【0050】
図9は、近似式の1例を示すグラフである。定量ポンプ25が吸引動作を停止する時刻t0以後のサンプリング点を用いて算出した近似式は、同じ期間における実際の圧力波形とよく一致する。
【0051】
図10は、式1のω0について正常吸引時と空吸引時の違いを示すグラフである。横軸は吸引長さx、縦軸はω0を表す。図10に示すように、吸引長さxが概ね20mm以上であれば、正常吸引時におけるω0と空吸引時におけるω0が顕著に異なるので、これを比較することにより空吸引を判別することができる。正常吸引時におけるω0は、記憶部624にあらかじめ格納しておくことができる。両者の差分があらかじめ定めた閾値を超えている場合、空吸引と判別することができる。
【0052】
本実施形態4においては、近似式のパラメータが5個であるのに対して、圧力波形のサンプリング点を5点以上取得するので、近似パラメータをカーブフィッティングで正しく推定することができる。サンプリング点をさらに増やすことにより、ノイズの影響を抑制することもできる。
【0053】
本実施形態4においては、正常吸引時と空吸引時との間で違いが最も顕著なω0のみを用いて空吸引を判別するので、空吸引を精度よく判別することができる。式1におけるその他のパラメータは、正常吸引時と空吸引時の違い以外の要因による影響も大きいからである。
【0054】
<本発明の変形例について>
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0055】
実施形態3において、試料を分析するために必要な分注量が小さい場合は、必要量よりも多くの吸引液81を吸引することにより、吸引長さxを充分大きく確保することができる。
【0056】
実施形態1において、式1のパラメータを算出し、求めたパラメータを評価することにより空吸引を判別することを説明した。これと併用して、例えば特許文献1が記載しているように、サンプリング点から特徴変数を算出し、その特徴変数を正常吸引時のものと比較することにより、空吸引を判別することもできる。本発明の手法による判別結果といずれを優先するかについては、例えば重み付けによって定めることができる。
【0057】
以上の実施形態において、AD変換器621、データ抽出部622、異常判定部623はコンピュータ62の一部として説明したが、自動分析装置100本体がこれら機能部を備えてもよい。
【0058】
AD変換器621、データ抽出部622、異常判定部623は、それらの一部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に格納することができる。
【符号の説明】
【0059】
10:サンプル容器
12:サンプルディスク
15:サンプルプローブ
20:第1試薬プローブ
21:第2試薬プローブ
24:分注流路
25:定量ポンプ
26:圧力センサ
30:攪拌装置
35:反応容器
36:反応ディスク
40:試薬容器
41:第1試薬ディスク
42:第2試薬ディスク
45:容器洗浄機構
50:光源
51:分光検出器
60:コントローラ
61:タイミング検出部
62:コンピュータ
621:AD変換器
622:データ抽出部
623:異常判定部
66:プランジャ
67:駆動機構
68:バルブ
69:ポンプ
79:システム液
80:分節空気
81:吸引液
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10

【手続補正書】
【提出日】2018年11月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を分析する自動分析装置であって、
前記試料を吸引または吐出する分注プローブ、
前記分注プローブの内部の圧力を計測する圧力センサ、
前記分注プローブの動作を制御する制御部、
前記分注プローブが前記試料を正常に吸引し終えた後に前記圧力センサが計測する前記圧力の波形を表す正常波形パラメータを記憶する記憶部、
を備え、
前記分注プローブは、前記試料が充填される流路を有し、
前記制御部は、前記分注プローブが前記試料を吸引し終えた後の前記圧力センサによる計測結果を取得するとともに、前記計測結果に基づき前記圧力の波形を表す計測結果パラメータを特定し、
前記制御部は、前記正常波形パラメータと前記計測結果パラメータを比較することにより、前記分注プローブの内部に充填されている前記試料の前記流路に沿った長さを特定するパラメータを算出し、
前記制御部は、前記分注プローブの内部に充填されている前記試料の前記流路に沿った第1長さが、前記試料を正常に吸引したとき前記分注プローブの内部に充填される前記試料の前記流路に沿った第2長さよりも短いか否かを判定し、
前記制御部は、前記第1長さが前記第2長さよりも短いと判定した場合は、前記分注プローブが前記試料を正常に吸引しなかった旨を示す信号を出力する
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記分注プローブは、前記流路に充填されている前記試料に対して圧力を加えることにより前記試料を吸引または吐出するプランジャを有し、
前記制御部は、前記流路のなかに前記試料が満たされて後から前記分注プローブが前記試料から引き上げられる前までの間に、前記流路のなかの前記試料が全て吐出しない程度の距離だけ、前記試料を吐出する方向へ向かって前記プランジャを移動させ、
前記制御部は、前記プランジャを前記距離だけ移動させた後、前記分注プローブが前記試料から引き上げられる間における前記圧力の極大値と極小値をそれぞれ1以上取得し、前記制御部は、前記極大値と前記極小値がともに所定閾値の範囲内にある場合は前記分注プローブが前記試料を正常に吸引したと判定し、前記極大値と前記極小値の少なくともいずれかが前記所定閾値の範囲外である場合は前記分注プローブが前記試料を正常に吸引しなかった旨を示す信号を出力する
ことを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記分注プローブは、前記流路に対して圧力を加えることにより前記試料を吸引または吐出するプランジャを有し、
前記圧力センサは、前記分注プローブの先端と前記プランジャの間に配置されており、 前記制御部は、前記プランジャが吸引動作を停止してから前記圧力が2回目の極大値に達するまでの第1時間を前記計測結果パラメータとして取得するとともに、前記分注プローブが前記試料を正常に吸引したとき前記プランジャが吸引動作を停止してから前記圧力が2回目の極大値に達するまでの第2時間を前記正常波形パラメータとして取得し、
前記制御部は、前記第1時間が前記第2時間よりも短い場合は、前記分注プローブが前記試料を正常に吸引しなかった旨を示す信号を出力する
ことを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記分注プローブは、前記試料以外の液体を充填する第2流路を有し、
前記制御部は、データ取得開始時刻以後の期間についてのみ前記圧力センサによる計測結果を取得し、
前記データ取得開始時刻は、前記分注プローブが前記試料を吸引し終えてから、前記圧力による振動波が前記第2流路の長さを伝搬するために要する第1経過時間が経過した時点である
ことを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記分注プローブは、前記流路に対して圧力を加えることにより前記試料を吸引または吐出するプランジャを有し、
前記制御部は、データ取得終了時刻以前の期間についてのみ前記圧力センサによる計測結果を取得し、
前記データ取得終了時刻は、前記分注プローブが前記試料を吸引し終えた後、前記圧力による振動波が前記プランジャから前記分注プローブの先端まで到達し、さらに前記分注プローブの先端から反射して前記圧力センサに到達するまでに要する第2経過時間が経過した時点、または前記第2経過時間の整数倍が経過した時点である
ことを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記正常波形パラメータとして、減衰振動を記述するパラメータを記述しており、
前記制御部は、前記計測結果パラメータとして、前記圧力の波形が減衰振動であると仮定した場合におけるその減衰振動を記述するパラメータを特定し、前記特定したパラメータを用いて前記判定を実施する
ことを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項7】
前記記憶部は、前記正常波形パラメータとして、減衰振動の周期を記述しており、
前記制御部は、前記計測結果パラメータとして、前記圧力の波形が減衰振動であると仮定した場合におけるその減衰振動の周期を特定し、前記特定した周期と前記正常波形パラメータが記述している周期との間の差分が所定閾値以内であるか否かに基づき、前記判定を実施する
ことを特徴とする請求項6記載の自動分析装置。

【手続補正書】
【提出日】2019年8月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を分析する自動分析装置であって、
前記試料を吸引または吐出する分注プローブ、
前記分注プローブの内部の圧力を計測する圧力センサ、
前記分注プローブの動作を制御する制御部、
前記分注プローブが前記試料を正常に吸引し終えた後に前記圧力センサが計測する前記圧力の波形を表す正常波形パラメータを記憶する記憶部、
を備え、
前記分注プローブは、前記試料が充填される流路を有し、
前記制御部は、前記分注プローブが前記試料を吸引し終えた後の前記圧力センサによる計測結果を取得するとともに、前記計測結果に基づき前記圧力の波形を表す計測結果パラメータを特定し、
前記制御部は、前記正常波形パラメータと前記計測結果パラメータを比較することにより、前記分注プローブの内部に充填されている前記試料の前記流路に沿った長さを特定するパラメータを算出し、
前記制御部は、前記分注プローブの内部に充填されている前記試料の前記流路に沿った第1長さが、前記試料を正常に吸引したとき前記分注プローブの内部に充填される前記試料の前記流路に沿った第2長さよりも短いか否かを判定し、
前記制御部は、前記第1長さが前記第2長さよりも短いと判定した場合は、前記分注プローブが前記試料を正常に吸引しなかった旨を示す信号を出力する
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記分注プローブは、前記流路に充填されている前記試料に対して圧力を加えることにより前記試料を吸引または吐出するプランジャを有し、
前記制御部は、前記流路のなかに前記試料が満たされて後から前記分注プローブが前記試料から引き上げられる前までの間に、前記流路のなかの前記試料が全て吐出しない程度の距離だけ、前記試料を吐出する方向へ向かって前記プランジャを移動させ、
前記制御部は、前記プランジャを前記距離だけ移動させた後、前記分注プローブが前記試料から引き上げられる間における前記圧力の極大値と極小値をそれぞれ1以上取得し、
前記制御部は、前記極大値と前記極小値がともに所定閾値の範囲内にある場合は前記分注プローブが前記試料を正常に吸引したと判定し、前記極大値と前記極小値の少なくともいずれかが前記所定閾値の範囲外である場合は前記分注プローブが前記試料を正常に吸引しなかった旨を示す信号を出力する
ことを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記分注プローブは、前記流路に対して圧力を加えることにより前記試料を吸引または吐出するプランジャを有し、
前記圧力センサは、前記分注プローブの先端と前記プランジャの間に配置されており、
前記制御部は、前記プランジャが吸引動作を停止してから前記圧力が2回目の極大値に達するまでの第1時間を前記計測結果パラメータとして取得するとともに、前記分注プローブが前記試料を正常に吸引したとき前記プランジャが吸引動作を停止してから前記圧力が2回目の極大値に達するまでの第2時間を前記正常波形パラメータとして取得し、
前記制御部は、前記第1時間が前記第2時間よりも短い場合は、前記分注プローブが前記試料を正常に吸引しなかった旨を示す信号を出力する
ことを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記分注プローブは、前記試料以外の液体を充填する第2流路を有し、
前記制御部は、データ取得開始時刻以後の期間についてのみ前記圧力センサによる計測結果を取得し、
前記データ取得開始時刻は、前記分注プローブが前記試料を吸引し終えてから、前記圧力による振動波が前記第2流路の長さを伝搬するために要する第1経過時間が経過した時点である
ことを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記分注プローブは、前記流路に対して圧力を加えることにより前記試料を吸引または吐出するプランジャを有し、
前記制御部は、データ取得終了時刻以前の期間についてのみ前記圧力センサによる計測結果を取得し、
前記データ取得終了時刻は、前記分注プローブが前記試料を吸引し終えた後、前記圧力による振動波が前記プランジャから前記分注プローブの先端まで到達し、さらに前記分注プローブの先端から反射して前記圧力センサに到達するまでに要する第2経過時間が経過した時点、または前記第2経過時間の整数倍が経過した時点である
ことを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記正常波形パラメータとして、減衰振動を記述するパラメータを格納しており、
前記制御部は、前記計測結果パラメータとして、前記圧力の波形が減衰振動であると仮定した場合におけるその減衰振動を記述するパラメータを特定し、前記特定したパラメータを用いて前記判定を実施する
ことを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項7】
前記記憶部は、前記正常波形パラメータとして、減衰振動の周期を格納しており、
前記制御部は、前記計測結果パラメータとして、前記圧力の波形が減衰振動であると仮定した場合におけるその減衰振動の周期を特定し、前記特定した周期と前記正常波形パラメータが記述している周期との間の差分が所定閾値以内であるか否かに基づき、前記判定を実施する
ことを特徴とする請求項6記載の自動分析装置。
【国際調査報告】