特表-18147448IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年8月16日
【発行日】2019年12月12日
(54)【発明の名称】回転コネクタ装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 35/04 20060101AFI20191115BHJP
   B60R 16/027 20060101ALI20191115BHJP
   B62D 1/04 20060101ALI20191115BHJP
【FI】
   H01R35/04 T
   B60R16/027 Z
   B62D1/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】50
【出願番号】特願2018-567531(P2018-567531)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年2月9日
(31)【優先権主張番号】特願2017-23584(P2017-23584)
(32)【優先日】2017年2月10日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2017-23600(P2017-23600)
(32)【優先日】2017年2月10日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】廣木 健二
【テーマコード(参考)】
3D030
【Fターム(参考)】
3D030DB23
(57)【要約】
部品数を低減して組立作業性を向上することができる回転コネクタ装置を提供することを課題とする。
回転コネクタ装置(1)は、固定部材(30)と、固定部材(30)に相対回転可能に取り付けられ、ステアリングホイールの挿入凸部(700)が挿入される挿入孔(21a)を有する回転部材(20,40)と、回転部材(20,40)に対してロック位置とロック解除位置との間で移動可能に設けられ、ロック位置では、固定部材(30)に係止することで回転部材(20,40)の相対回転を規制し、ロック解除位置では、前記規制を解除し、挿入孔(21a)に挿入された挿入凸部(700)に押圧されることでロック位置からロック解除位置に移動する中立固定部材(50)とを備え、中立固定部材(50)には係合部(52)が設けられ、回転部材(20,40)には被係合部(72)が設けられ、被係合部(72)が、周方向(W)から係合部(52)に係合することで、中立固定部材(50)がロック位置に仮固定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部材と、
前記固定部材に相対回転可能に取り付けられ、ステアリングホイールの挿入凸部が挿入されるステアリングホイール用挿入孔を有する回転部材と、
前記回転部材に対してロック位置とロック解除位置との間で移動可能に設けられた中立固定部材とが備えられ、
前記中立固定部材は、
前記ロック位置において、前記固定部材に係止することで前記回転部材の相対回転を規制するとともに、前記ロック解除位置において、前記回転部材と前記固定部材との規制を解除する規制部が設けられ、
前記ステアリングホイール用挿入孔に挿入された前記挿入凸部に押圧されることで前記ロック位置から前記ロック解除位置に移動し、
前記中立固定部材及び前記回転部材のうちの一方には、係合部が設けられ、
前記中立固定部材及び前記回転部材のうちの他方には、被係合部が設けられ、
前記係合部及び前記被係合部のうち、一方が、前記回転部材の軸線方向に直交する方向から他方に係合することで、前記中立固定部材が前記ロック位置に仮固定される
回転コネクタ装置。
【請求項2】
前記中立固定部材は、環状に形成され、前記回転部材の前記ステアリングホイール用挿入孔の内部に、前記回転部材の軸線方向に移動可能に嵌合された
請求項1に記載の回転コネクタ装置。
【請求項3】
前記係合部として、前記回転部材の径方向に突出した第1係合部が設けられ、
前記被係合部として、前記第1係合部に係合する第1被係合部が設けられた
請求項1又は請求項2に記載の回転コネクタ装置。
【請求項4】
前記回転部材の前記ステアリングホイール用挿入孔の内周面には、径方向内側に張り出したフランジ部が設けられ、
前記第1被係合部は、前記フランジ部において前記回転部材の軸線方向に立設された
請求項3に記載の回転コネクタ装置。
【請求項5】
前記中立固定部材及び前記回転部材のうちの前記一方には、前記第1係合部のロック位置側に間隔を空けて壁部が設けられ、
前記中立固定部材が前記ロック解除位置に位置する状態で、前記第1被係合部が前記第1係合部と前記壁部との間に嵌合する
請求項3又は請求項4に記載の回転コネクタ装置。
【請求項6】
前記被係合部は、前記係合部の両側から係合する
請求項1から請求項5のうちのいずれか一項に記載の回転コネクタ装置。
【請求項7】
前記回転部材は、筒状の内周面を有し、
前記被係合部として、前記回転部材の内周面に凸部が設けられ、
前記係合部として、前記中立固定部材に、前記凸部の突出方向反対側に突出した第2係合部が設けられた
請求項1から請求項6のうちのいずれか一項に記載の回転コネクタ装置。
【請求項8】
前記規制部は、
前記中立固定部材において、前記第2係合部のロック位置側に間隔を空けて、前記固定部材の側に突出して設けられ、
前記中立固定部材が前記ロック位置に位置する状態で、前記規制部が前記固定部材に係止することで前記回転部材の相対回転が規制され、前記中立固定部材が前記ロック解除位置に位置する状態で、前記凸部が前記第2係合部と前記規制部との間に嵌合することで、前記中立固定部材が前記ロック解除位置に固定される
請求項7に記載の回転コネクタ装置。
【請求項9】
前記被係合部として、前記凸部のロック解除位置側に間隔を空けて他の凸部が設けられ、
前記第2係合部は、前記凸部と前記他の凸部との間に嵌合することで、前記中立固定部材が前記ロック解除位置に仮固定される
請求項8に記載の回転コネクタ装置。
【請求項10】
前記回転部材には、前記凸部のロック解除位置側に隣接した箇所に、外部に貫通した露出窓が設けられた
請求項8又は請求項9に記載の回転コネクタ装置。
【請求項11】
前記中立固定部材には、前記軸線方向に突出した状態で挿入部が設けられ、
前記回転部材の前記ステアリングホイール用挿入孔の内周面には、取付部が設けられ、
前記取付部に、前記軸線方向に沿って延在した中立固定部材用挿入孔が設けられ、
前記挿入部は、前記中立固定部材用挿入孔に挿入方向に移動可能に挿入された
請求項1から請求項6のうちのいずれか一項に記載の回転コネクタ装置。
【請求項12】
前記挿入部は、正面視で互いに間隔を空けて対向配置した一対の弾性片を有し、
前記係合部として、前記一対の弾性片の各々の対向方向外側の面に、第3係合部が設けられ、
前記被係合部として、前記中立固定部材用挿入孔の内周面に、第3被係合部が設けられた
請求項11に記載の回転コネクタ装置。
【請求項13】
前記挿入部には、両側の前記第3係合部の間に、押圧部が設けられ、
前記押圧部は、前記中立固定部材用挿入孔の内周面のうち、前記押圧部の正面に対向する部位を押圧する
請求項12に記載の回転コネクタ装置。
【請求項14】
前記規制部は、前記中立固定部材において、前記係合部から前記固定部材の側に突出して設けられ、
前記中立固定部材が前記ロック位置に仮固定された状態で、前記規制部が前記固定部材に係止することで前記回転部材の相対回転が規制される
請求項1から請求項7のうちのいずれか一項に記載の回転コネクタ装置。
【請求項15】
前記中立固定部材は、前記ステアリングホイール用挿入孔の内部に配置され、
前記ステアリングホイール用挿入孔の内周面には、嵌合凸部及び前記軸線方向に延びた嵌合凹溝部のうちの一方が設けられ、
前記中立固定部材の外周面には、前記嵌合凸部及び前記嵌合凹溝部のうちの他方が設けられ、
前記中立固定部材が前記ロック解除位置に位置する状態で、前記嵌合凸部が前記嵌合凹溝部に嵌合する
請求項1から請求項14のうちのいずれか一項に記載の回転コネクタ装置。
【請求項16】
前記中立固定部材は、前記回転部材の前記軸線方向に延びた縦長状に形成され、下部が挿入部を構成し、
前記回転部材には、前記回転部材の前記軸線方向に延在した中立固定部材用挿入孔が設けられ、
前記挿入部は、前記中立固定部材用挿入孔に前記軸線方向に移動可能に挿入された
請求項1に記載の回転コネクタ装置。
【請求項17】
前記係合部として、前記回転部材の径方向に突出した第4係合部が設けられ、
前記被係合部として、前記第4係合部に係合する第4被係合部が設けられた
請求項16に記載の回転コネクタ装置。
【請求項18】
前記回転部材の前記ステアリングホイール用挿入孔の内周面には、径方向内側に張り出したフランジ部が設けられ、
前記第4被係合部は、前記フランジ部において前記回転部材の前記軸線方向に立設された
請求項17に記載の回転コネクタ装置。
【請求項19】
前記挿入部は、正面視環状に形成され、
前記係合部として、前記挿入部の正面視両側の部位の各々の正面視外側の面に、第5係合部が設けられ、
前記被係合部として、前記中立固定部材用挿入孔の内周面に、前記第5係合部に係合する第5被係合部が設けられた
請求項16から請求項18のうちのいずれか一項に記載の回転コネクタ装置。
【請求項20】
前記挿入部は、正面視で互いに間隔を空けて対向配置した一対の弾性片を有し、
前記係合部として、前記一対の弾性片の各々の対向方向外側の面に、第6係合部が設けられ、
前記被係合部として、前記中立固定部材用挿入孔の内周面に、前記第6係合部が係合する第6被係合部が設けられた
請求項16から請求項18のうちのいずれか一項に記載の回転コネクタ装置。
【請求項21】
前記挿入部には、両側の前記係合部の間に、押圧部が設けられ、
前記押圧部は、前記中立固定部材用挿入孔の内周面のうち、前記押圧部の正面に対向する部位を押圧する
請求項19又は請求項20に記載の回転コネクタ装置。
【請求項22】
前記規制部は、前記中立固定部材において、前記係合部から前記固定部材の側に突出して設けられ、
前記中立固定部材が前記ロック位置に仮固定された状態で、前記規制部が前記固定部材に係止することで前記回転部材の相対回転が規制される
請求項16から請求項18のうちのいずれか一項に記載の回転コネクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車等のステアリングホイール側の配線と車体側の配線とを電気的に接続する回転コネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の回転コネクタ装置は、車体側に取り付けられる固定部材と、固定部材に相対回転可能に取り付けられると共にステアリングホイールが取り付けられる回転部材と、回転部材の回転位置を中立位置に仮固定する中立固定機構とを備えている(特許文献1)。
【0003】
中立固定機構は、ロック位置とロック解除位置との間を移動可能な中立固定部材と、中立固定部材をロック位置に付勢する巻きバネとを備えている。中立固定部材は、ロック位置では、回転部材の相対回転をロック(即ち仮固定)し、ロック解除位置では、そのロックを解除する。
【0004】
この中立固定機構では、巻きバネによって中立固定部材がロック位置に付勢されることで、回転部材の回転位置が中立位置に仮固定される。そして、ステアリングホイールの挿入凸部が回転部材の挿入孔に挿入されることで、中立固定部材がロック位置からロック解除位置に移動される。この結果、回転部材が、回転中立位置にロック(即ち仮固定)された状態から相対回転可能な状態になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−129187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の回転コネクタ装置では、中立固定部材をロック位置に仮固定するために巻きバネを用いるため、部品数や組立工数が増え、組立作業性が低下するという問題があった。
【0007】
そこで、この発明は、部品数を低減して組立作業性を向上することができる回転コネクタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、固定部材と、前記固定部材に相対回転可能に取り付けられ、ステアリングホイールの挿入凸部が挿入されるステアリングホイール用挿入孔を有する回転部材と、前記回転部材に対してロック位置とロック解除位置との間で移動可能に設けられた中立固定部材とが備えられ、前記中立固定部材は、前記ロック位置において、前記固定部材に係止することで前記回転部材の相対回転を規制するとともに、前記ロック解除位置において、前記回転部材と固定部材との規制を解除する規制部が設けられ、前記ステアリングホイール用挿入孔に挿入された前記挿入凸部に押圧されることで前記ロック位置から前記ロック解除位置に移動し、前記中立固定部材及び前記回転部材のうちの一方には、係合部が設けられ、前記中立固定部材及び前記回転部材のうちの他方には、被係合部が設けられ、前記係合部及び前記被係合部のうち、一方が、前記回転部材の軸線方向に直交する方向から他方に係合することで、前記中立固定部材が前記ロック位置に仮固定される回転コネクタ装置である。
【0009】
なお、上記の「回転部材の軸線方向」とは、ステアリングホイールの挿入凸部がステアリングホイール用挿入孔に挿入される挿入方向に平行な方向である。「回転部材の軸線方向に直交する方向」とは、例えば、回転部材の周方向又は径方向である。
【0010】
この発明により、中立固定部材及び回転部材のうちの一方には係合部が設けられ、中立固定部材及び回転部材の他方には被係合部が設けられ、係合部及び被係合部のうち、一方が、回転部材の軸線方向に直交する方向から他方に係合することで、中立固定部材がロック位置に仮固定されるため、中立固定部材をロック位置に仮固定するために中立固定部材をロック位置側に付勢するための巻きバネを省略することができる。この結果、部品点数を削減できて組立作業性を向上させることができる。
【0011】
特に、係合部及び被係合部のうち、一方が、回転部材の軸線方向に直交する方向から他方に係合するため、ステアリングホイールの挿入凸部が回転部材のステアリングホイール用挿入孔に挿入されたときに、係合部及び被係合部が邪魔になって、中立固定部材のロック位置からロック解除位置への移動が阻害されることを防止することができる。また、中立固定部材における軸線方向に直交する方向のガタつきを抑制することができる。
【0012】
また、この発明の態様として、前記中立固定部材は、環状に形成され、前記回転部材の前記ステアリングホイール用挿入孔の内部に、前記回転部材の軸線方向に移動可能に嵌合されてもよい。
この発明により、簡単な構造で、中立固定部材を、回転部材のステアリングホイール用挿入孔の内部に、回転部材の軸線方向に移動可能に配置させることができる。
【0013】
また、この発明の態様として、前記係合部として、前記回転部材の径方向に突出した第1係合部が設けられ、前記被係合部として、前記第1係合部に係合する第1被係合部が設けられるため、係合部を簡単な構造で設けることができる。
【0014】
また、この発明の態様として、前記中立固定部材及び前記回転部材のうちの前記一方には、前記第1係合部のロック位置側に間隔を空けて壁部が設けられ、前記中立固定部材が前記ロック解除位置に位置する状態で、前記第1被係合部が前記第1係合部と前記壁部との間に嵌合してもよい。
これにより、中立固定部材がロック解除位置に位置する状態で、中立固定部材における軸線方向のガタつきを抑制することができる。
【0015】
また、この発明の態様として、前記被係合部は、前記係合部の両側から係合してもよい。
この発明により、中立固定部材における軸線方向に直交する方向のガタつきをより一層抑制することができる。
【0016】
また、この発明の態様として、前記回転部材の前記ステアリングホイール用挿入孔の内周面には、径方向内側に張り出したフランジ部が設けられ、前記第1被係合部は、前記フランジ部において前記回転部材の軸線方向に立設されてもよい。
なお、第1被係合部は、フランジ部に立設されて第1係合部の両側に配置する一対の弾性片を有し、それら各弾性片の対向面に、第1係合部に係合する凸部が設けられてもよい。
この発明により、簡素な構造で、第1被係合部を、回転部材の軸線方向に向けて立設させることができる。
【0017】
また、この発明の態様として、前記回転部材は、筒状の内周面を有し、前記被係合部として、前記回転部材の内周面に凸部が設けられ、前記係合部として、前記中立固定部材に、前記凸部の突出方向反対側に突出した第2係合部が設けられてもよい。
【0018】
この発明により、係合部としての第2係合部及び被係合部としての凸部は、回転部材の径方向に並ぶため、係合部及び被係合部を回転部材の周方向に関してコンパクトに配置することができる。また、係合部としての第2係合部は、被係合部としての凸部を介して回転部材の内周面の正面に配置するため、係合部から被係合部への係合力が回転部材の内周面で受け止められ、係合力を被係合部に確実に作用させることができる。この結果、係合部と被係合部とを確実に係合させることができる。
【0019】
また、この発明の態様として、前記中立固定部材には、前記第2係合部のロック位置側に間隔を空けて、前記固定部材の側に突出した規制部が設けられ、前記中立固定部材が前記ロック位置に位置する状態で、前記規制部が前記固定部材に係止することで前記回転部材の相対回転が規制され、前記中立固定部材が前記ロック解除位置に位置する状態で、前記凸部が前記第2係合部と前記規制部との間に嵌合することで、前記中立固定部材が前記ロック解除位置に固定されてもよい。
【0020】
この発明により、規制部と係合部との間に凸部を嵌合させる簡単な構造で、中立固定部材をロック解除位置に固定することができる。また、規制部は、係合部のロック位置側に間隔を空けて設けられている。即ち、規制部及び係合部は、回転部材の軸線方向に並んでいる。このため、中立固定部材がロック解除位置に固定された状態で、中立固定部材における軸線方向のガタつきを抑制することができる。
【0021】
また、この発明の態様として、前記被係合部として、前記凸部のロック解除位置側に間隔を空けて他の凸部が設けられ、前記第2係合部は、前記凸部と前記他の凸部との間に嵌合することで、前記中立固定部材が前記ロック解除位置に仮固定されてもよい。
【0022】
この発明により、凸部と他の凸部との間に係合部としての第2係合部を嵌合させる簡単な構造で、中立固定部材をロック解除位置に仮固定することができる。また、他の凸部は、凸部のロック解除位置側に間隔を空けて設けられている。即ち、凸部及び他の凸部は、回転部材の軸線方向に並んでいる。このため、中立固定部材がロック解除位置に仮固定された状態で、中立固定部材における軸線方向のガタつきを抑制することができる。
【0023】
また、この発明の態様として、前記回転部材には、前記凸部のロック解除位置側に隣接した箇所に、外部に貫通した露出窓が設けられてもよい。
この発明では、中立固定部材がロック解除位置に位置する状態では、係合部が凸部のロック解除位置側の面に係合する。
【0024】
この発明により、中立固定部材がロック解除位置に位置する状態で、外部から露出窓に棒を挿入し、その棒で、係合部を、径方向内側に押圧して凸部よりも径方向内側に移動させることで、係合部と凸部との係合を解除することができる。この解除状態で、中立固定部材をロック解除位置からロック位置に移動させることで、中立固定部材をロック位置に戻すことができる。
【0025】
また、この発明の態様として、前記中立固定部材には、前記軸線方向に突出した状態で挿入部が設けられ、前記回転部材の前記ステアリングホイール用挿入孔の内周面には、取付部が設けられ、前記取付部に、前記軸線方向に沿って延在した中立固定部材用挿入孔が設けられ、前記挿入部は、前記中立固定部材用挿入孔に挿入方向に移動可能に挿入されてもよい。
この発明により、挿入部が中立固定部材用挿入孔に挿入されることで、中立固定部材が回転部材に取り付けられるため、中立固定部材のガタつきを抑制することができる。
【0026】
また、この発明の態様として、前記挿入部は、正面視で互いに間隔を空けて対向配置した一対の弾性片を有し、前記係合部として、前記一対の弾性片の各々の対向方向外側の面に、第3係合部が設けられ、前記被係合部として、前記中立固定部材用挿入孔の内周面に、第3被係合部が設けられてもよい。
【0027】
この発明により、係合部としての第3係合部及び被係合部としての第3被係合部は、挿入部と中立固定部材用挿入孔の間の隙間を利用して配置されるため、係合部及び被係合部の配置場所を別に確保する必要がなくなる。
また、係合部としての第3係合部は、挿入部の一対の弾性片の各々の対向方向外側の面に設けられるため、係合部と被係合部とが弾性的に係合できると共に、中立固定部材と回転部材との間のガタつき(特に一対の弾性片の対向方向のガタつき)を抑制することができる。
【0028】
また、この発明の態様として、前記挿入部には、両側の前記第3係合部の間に、押圧部が設けられ、前記押圧部は、前記中立固定部材用挿入孔の内周面のうち、前記押圧部の正面に対向する部位を押圧してもよい。
この発明により、中立固定部材における押圧部の正面方向のガタつき(例えば中立固定部材の径方向のガタつき)を抑制することができる。
【0029】
また、この発明の態様として、前記中立固定部材には、前記係合部から前記固定部材の側に突出した規制部が設けられ、前記中立固定部材が前記ロック位置に仮固定された状態で、前記規制部が前記固定部材に係止することで前記回転部材の相対回転が規制されてもよい。
この発明により、規制部及び係合部を一箇所にまとめて配置できるため、中立固定部材の構造を簡素化することができる。
【0030】
また、この発明の態様として、前記中立固定部材は、前記ステアリングホイール用挿入孔の内部に配置され、前記ステアリングホイール用挿入孔の内周面には、嵌合凸部及び前記軸線方向に延びた嵌合凹溝部のうちの一方が設けられ、前記中立固定部材の外周面には、前記嵌合凸部及び前記嵌合凹溝部のうちの他方が設けられ、前記中立固定部材が前記ロック解除位置に位置する状態で、前記嵌合凸部が前記嵌合凹溝部に嵌合してもよい。
【0031】
この発明により、中立固定部材がロック解除位置に位置する状態で、嵌合凸部が嵌合凹溝部に嵌合するため、中立固定部材と回転部材との周方向の相対移動を規制でき、これにより、中立固定部材における周方向(即ち、軸線方向に直交する方向)のガタつきを抑制することができる。
【0032】
またこの発明の態様として、前記中立固定部材は、前記回転部材の軸線方向に延びた縦長状に形成され、下部が挿入部を構成し、前記回転部材には、前記回転部材の前記軸線方向に延在した中立固定部材用挿入孔が設けられ、前記挿入部は、前記中立固定部材用挿入孔に前記軸線方向に移動可能に挿入されてもよい。
【0033】
この発明により、中立固定部材及び回転部材のうちの一方には係合部が設けられ、中立固定部材及び回転部材の他方には被係合部が設けられ、係合部及び被係合部のうち、一方が、回転部材の軸線方向に直交する方向から他方に係合することで、中立固定部材がロック位置に仮固定されるため、中立固定部材をロック位置に仮固定するために中立固定部材をロック位置側に付勢するための巻きバネを省略することができる。この結果、部品点数を削減できて組立作業性を向上させることができる。
【0034】
特に、係合部及び被係合部のうち、一方が、回転部材の軸線方向に直交する方向の両側から他方に係合するため、ステアリングホイールの挿入凸部が回転部材のステアリングホイール用挿入孔に挿入されたときに、係合部及び被係合部が邪魔になって、中立固定部材のロック位置からロック解除位置への移動が阻害されることを抑制することができる。また、中立固定部材における軸線方向に直交する方向のガタつきを抑制することができる。
【0035】
また、中立固定部材は、縦長に形成され、下部が挿入部を構成し、回転部材には、回転部材の軸線方向に延在した中立固定部材用挿入孔が設けられ、挿入部が中立固定部材用挿入孔に軸線方向に移動可能に挿入されることで、中立固定部材が回転部材に取り付けられるため、中立固定部材のガタつきを更に抑制することができる。
【0036】
この発明の態様として、前記係合部として、前記回転部材の径方向に突出した第4係合部が設けられ、前記被係合部として、前記第4係合部に係合する第4被係合部が設けられてもよい。この発明により、係合部を簡単な構造で設けることができる。
【0037】
また、この発明の態様として、前記回転部材の前記ステアリングホイール用挿入孔の内周面には、径方向内側に張り出したフランジ部が設けられ、前記第4被係合部は、前記フランジ部において前記回転部材の軸線方向に立設されてもよい。
なお、第4被係合部は、フランジ部に立設されて第4係合部の両側に配置する一対の弾性片を有し、それら各弾性片の対向面に、第4係合部に係合する凸部が設けられてもよい。
この発明により、簡素な構造で、第4被係合部を、回転部材の軸線方向に向けて立設させることができる。
【0038】
また、この発明の態様として、前記挿入部は、正面視環状に形成され、前記係合部として、前記挿入部の正面視両側の部位の各々の正面視外側の面に、第5係合部が設けられ、前記被係合部として、前記中立固定部材用挿入孔の内周面に、前記第5係合部に係合する第5被係合部が設けられてもよい。
【0039】
この発明により、係合部としての第5係合部及び被係合部としての第5被係合部は、挿入部と中立固定部材用挿入孔の間の隙間を利用して配置されるため、係合部及び被係合部の配置場所を別に確保する必要がなくなる。
また、挿入部は環状に形成されるため、直径方向に弾性的に変形可能であり、係合部としての第5係合部は、環状の挿入部の正面視両側の部位の各々の正面視外側に設けられるため、係合部と被係合部とが弾性的に係合できると共に、中立固定部材のガタつき(特に挿入部の正面視幅方向のガタつき)を抑制することができる。
【0040】
また、この発明の態様として、前記挿入部は、正面視で互いに間隔を空けて対向配置した一対の弾性片を有し、前記係合部として、前記一対の弾性片の各々の対向方向外側の面に、第6係合部が設けられ、前記被係合部として、前記中立固定部材用挿入孔の内周面に、前記第6係合部が係合する第6被係合部が設けられてもよい。
【0041】
この発明により、係合部としての第6係合部及び被係合部としての第6被係合部は、挿入部と中立固定部材用挿入孔の間の隙間を利用して配置されるため、係合部及び被係合部の配置場所を別に確保する必要がなくなる。
また、係合部としての第6係合部は、挿入部の一対の弾性片の各々の対向方向外側の面に設けられるため、係合部と被係合部とが弾性的に係合できると共に、中立固定部材と回転部材との間のガタつき(特に一対の弾性片の対向方向のガタつき)を抑制することができる。
【0042】
また、この発明の態様として、前記挿入部には、両側の前記係合部の間に、押圧部が設けられ、前記押圧部は、前記中立固定部材用挿入孔の内周面のうち、前記押圧部の正面に対向する部位を押圧してもよい。
この発明により、中立固定部材における押圧部の正面方向のガタつき(例えば中立固定部材の径方向のガタつき)を抑制することができる。
【0043】
また、この発明の態様として、前記中立固定部材には、前記係合部から前記固定部材の側に突出した規制部が設けられ、前記中立固定部材が前記ロック位置に仮固定された状態で、前記規制部が前記固定部材に係止することで前記回転部材の相対回転が規制されてもよい。
この発明により、規制部及び係合部を一箇所にまとめて配置できるため、中立固定部材の構造を簡素化することができる。
【発明の効果】
【0044】
この発明によれば、部品数を低減して組立作業性を向上することができる回転コネクタ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明の実施形態に係る回転コネクタ装置を示す斜視図。
図2】本発明の実施形態に係る回転コネクタ装置を示す平面図。
図3】本発明の実施形態に係る回転コネクタ装置を示す分解斜視図。
図4】スリーブを下側から見た斜視図。
図5】中立固定部材を示す斜視図。
図6図1における回転部材のロック状態でのA−A断面図。
図7図6の部分拡大図。
図8図1における回転部材のロック状態でのB−B断面図。
図9図1における回転部材のロック状態でのB−B断面斜視図。
図10図1における回転部材のロック解除状態でのA−A断面図。
図11図1における回転部材のロック解除状態でのB−B断面図。
図12図1における回転部材のロック解除状態でのB−B断面斜視図。
図13】変形例1に係る中立固定部材の係合部を示す正面図であり、(a)は回転部材のロック状態を示す図、(b)は回転部材のロック解除状態を示す図。
図14】変形例2に係る中立固定部材の係合部及び固定部材の被係合部を示す断面図であり、(a)は回転部材のロック状態を示す図、(b)は回転部材のロック解除状態を示す図。
図15】変形例3に係る中立固定部材の係合部及び固定部材の被係合部を示す断面図であり、(a)は回転部材のロック状態を示す図、(b)は回転部材のロック解除状態を示す図。
図16】変形例4の中立固定部材を示す斜視図。
図17】変形例4のスリーブを示す斜視図。
図18】(a)はロック状態の回転コネクタ装置の部分拡大図、(b)はロック解除状態の回転コネクタ装置の部分拡大図。
図19】変形例5の中立固定部材を示す斜視図。
図20】(a)はロック状態の回転コネクタ装置の部分拡大図、(b)はロック解除状態の回転コネクタ装置の部分拡大図。
図21】変形例6のスリーブを示す斜視図。
図22】変形例7のスリーブを示す斜視図。
図23】他の実施形態に係る回転コネクタ装置を示す斜視図。
図24】他の実施形態に係る回転コネクタ装置を示す分解斜視図。
図25】スリーブを下側から見た斜視図。
図26】(a)は中立固定部材を外側主面の側から見た斜視図、(b)は中立固定部材を内側主面の側から見た斜視図。
図27】スリーブを示す斜視図。
図28図23のA−A断面図。
図29図23のB−B断面図。
図30】(a)は図28におけるロック状態での部分拡大図、(b)は図28におけるロック解除状態での部分拡大図。
図31】(a)は図29におけるロック状態での部分拡大図、(b)は図29におけるロック解除状態での部分拡大図。
図32】変形例7での係合部及び被係合部を示す正面図であり、(a)はロック状態での正面図、(b)はロック解除状態での正面図。
図33】変形例8の中立固定部材を示す斜視図であり、(a)は中立固定部材の外側主面の側から見た斜視図、(b)は中立固定部材の内側主面の側から見た斜視図。
図34】変形例8の係合部及び被係合部を示す正面図であり、(a)はロック状態での正面図、(b)はロック解除状態での斜視図。
図35】変形例9の中立固定部材を示す斜視図であり、(a)は中立固定部材の外側主面の側から見た斜視図、(b)は中立固定部材の内側主面の側から見た斜視図。
図36】変形例9での係合部及び被係合部を示す正面図であり、(a)はロック状態での正面図、(b)はロック解除状態での斜視図。
図37】変形例10の中立固定部材を示す斜視図であり、(a)は中立固定部材の外側主面の側から見た斜視図、(b)は中立固定部材の内側主面の側から見た斜視図。
図38】(a)から(c)は変形例11に係る中立固定部材のバリエーションを示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0046】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
<実施形態>
図1図12を参照して、この実施形態に係る回転コネクタ装置1について説明する。

回転コネクタ装置1は、車両(例えば自動車)に搭載されたステアリングホイール側の配線と車体側の配線とを電気的に接続する装置である。図1図3に示すように、回転コネクタ装置1は、ステアリングホイール(図示省略)が取り付けられる回転部材10を構成するロテータ20及びスリーブ40と、車体側に取り付けられる固定部材30としてのステータと、ステアリングホイール側の配線と車体側の配線とを電気的に接続するフラットケーブル(図示省略)と、固定部材30に対する回転部材10の相対回転を仮固定する中立固定部材50とを備えている。以下、ステータ30とも記載する。ロテータ20、ステータ30、スリーブ40及び中立固定部材50は、例えば樹脂で形成されている。
【0047】
中立固定部材50は、固定部材30に対する回転部材10の相対回転をロックするロック位置と、そのロックを解除するロック解除位置との間を移動可能に、回転部材10に取り付けられている。ステアリングホイールの挿入凸部700(図6)が回転部材10の挿入孔H(ステアリングホイール用挿入孔)に挿入されると、中立固定部材50がロック位置からロック解除位置に移動され、回転部材10の相対回転のロックが解除される。
【0048】
なお、挿入孔Hは、ロテータ20の後述の内周筒部22の内周面と、スリーブ40の後述の筒部41の内周面とで構成されている。なお、図1等の符号Yは、挿入孔Hの軸線方向(即ち回転部材10及び中立固定部材50の軸線方向)を示し、符号Wは、挿入孔Hの周方向(即ち回転部材10及び中立固定部材50の周方向)を示す。
【0049】
図3及び図4に示すように、ロテータ20は、中央に略円形(例えば平面視略D字形)の貫通孔21aを有する略環状の回転側リング板21と、回転側リング板21の内周縁部から下方に延在した円筒状の内周筒部22とを備えている。
【0050】
回転側リング板21の上面には、回転側コネクタ24が設けられている。回転側コネクタ24は、例えば、ステアリングホイールに設けられた電気回路(例えばホーンスイッチ及びエアバッグユニット)に接続された電気接続コネクタが接続される電気接続コネクタである。
【0051】
内周筒部22は、例えば段付き筒状に形成されており、回転側リング板21の内周縁部から下方に延在した円筒状の大径筒部61と、大径筒部61の下端周縁部から径方向内側に張り出した円環状の上側段差部63と、上側段差部63の内周縁部から下方に延在した円筒状の中径筒部64と、中径筒部64の下端周縁部から径方向内側に張り出した下側段差部65と、下側段差部65の内周縁部から下方に延在した円筒状の小径筒部66とを備えている。従って、内周筒部22の外周面及び内周面はそれぞれ、上端から下端に向かって、上側段差部63の所で段差状に縮径し、下側段差部65の所で段差状に更に縮径している。
【0052】
なお、大径筒部61の内径は、ステアリングホイールの挿入凸部700が嵌合可能なように、ステアリングホイールの挿入凸部700の直径と略同じ大きさに形成されている。中径筒部64の直径は、大径筒部61の直径よりも小さく形成されており、小径筒部66の直径は、中径筒部64の直径よりも小さく形成されている。中径筒部64の軸線方向Yの長さは、ステータ30の後述の固定側リング板31の厚さと略同じ大きさに形成されており、小径筒部66の軸線方向Yの長さは、スリーブ40の後述の筒部41の軸線方向Yの長さと略同じ大きさに形成されている。
【0053】
内周筒部22の外周面のうち、上側段差部63及び中径筒部64で形成される凹角部によって、ステータ30の後述の固定側リング板31が係合するステータ係合部が形成され、下側段差部65及び小径筒部66で形成される凹角部によって、スリーブ40の後述の筒部41が係合するスリーブ係合部が構成されている。
【0054】
内周筒部22には、中立固定部材50における周方向Wの位置を位置決めする嵌合凸部22aと、スリーブ40の後述の被係止部71に係止する係止部22bと、中立固定部材50の後述の規制部53の移動を案内する案内用切欠部22cとが設けられている。
【0055】
嵌合凸部22aは、例えば正面視略矩形の段差状に形成され、内周筒部22の内周面の周方向Wに亘って、互いに間隔を空けて、複数(例えば4つ)設けられている。係止部22bは、例えば突起状に形成され、嵌合凸部22aの内側主面の例えば略中央に設けられている。
【0056】
案内用切欠部22cは、内周筒部22の周方向Wに互いに間隔を空けて、複数(例えば対称的な位置に2つ)設けられている。各案内用切欠部22cは、内周筒部22の厚さ方向に貫通しており、内周筒部22の軸線方向Yに沿って例えば略帯状に形成され、中径筒部64の上端まで形成され、内周筒部22の下端で開放されている。各案内用切欠部22cの上端22uは、中立固定部材50の移動範囲の上限位置(即ちロック位置)を規定している。なお、中立固定部材50の移動範囲は、軸線方向Yに沿って延びている。
【0057】
図3及び図6に示すように、ステータ30は、略環状の固定側リング板31と、固定側リング板31の外周縁部から上方に延在した円筒状の外周筒部32と、外周筒部32の外周面に設けられた固定側コネクタ35と、ステータ30を車体に固定するための固定部36とを備えている。
【0058】
固定側リング板31の中央には、ロテータ20の中径筒部64の外周が嵌挿する円形の貫通孔31aが設けられている。固定側リング板31の内周縁部には、中立固定部材50の後述の規制部53が係止する係止部31bが1つ以上(例えば対称的な位置に2つ)設けられている。各係止部31bは、固定側リング板31の内周縁部から径方向外側に凹状に形成されると共に、固定側リング板31の厚さ方向に貫通している。
【0059】
外周筒部32の直径は、ロテータ20の回転側リング板21の直径と略同じ大きさに形成されている。外周筒部32の軸線方向Yの長さは、ロテータ20の内周筒部22の軸線方向Yの長さと略同じ大きさに形成されている。外周筒部32の内周面には、回転側リング板21の外周縁部が係合するフランジ部32aが設けられている。フランジ部32aは、外周筒部32の内周面の上端周縁部付近において、周方向W全体に亘って、外周筒部32の径方向内側に張り出すように設けられている。
【0060】
固定側コネクタ35は、車体に設けられた電気回路に接続された電気接続コネクタが接続される電気接続コネクタである。固定部36は、外周筒部32の外周面に、径方向外側に張り出すように設けられている。
【0061】
図6に示すように、ステータ30にロテータ20が組み付けられた状態では、ロテータ20がステータ30の外周筒部32の内部に嵌合して、ロテータ20の回転側リング板21の外周縁部の下面がステータ30のフランジ部32aの上面に係合する。また、上記の状態で、ロテータ20の中径筒部64がステータ30の固定側リング板31の中央の貫通孔31aに嵌合して、ロテータ20の上側段差部63がステータ30の固定側リング板31の上面の内周縁部に係合する。これにより、ロテータ20がステータ30に対して相対回転可能に取り付けられている。
【0062】
このように組み付けられたステータ30とロテータ20との間には、上述のフラットケーブルが収容される環状の収容空間Sが形成されている。収容空間Sは、内周筒部22、外周筒部32、回転側リング板21及び固定側リング板31で囲まれた空間である。
【0063】
上記のフラットケーブルは、複数枚が積層された状態で内周筒部22の外周面と外周筒部32の内周面とに沿って時計回り及び反時計回りに同数回ずつ巻回された状態で、収容空間Sに収容されている。上記のフラットケーブルの一端部は、回転側コネクタ24に電気接続され、上記のフラットケーブルの他端は、固定側コネクタ35に電気接続されている。なお、回転部材10を固定部材30に対して相対回転させたとき、フラットケーブルの時計回りの巻回数と反時計回りの巻回数とが同じになる回転部材10の回転位置を回転部材10の中立位置とする。
【0064】
図5に示すように、中立固定部材50は、ステータ30に対してロテータ20を中立位置に仮固定する部材であり、例えば、ロテータ20の小径筒部66の内径と略同じ大きさの外径を有する円環状の中立固定部材本体50hを有する。中立固定部材本体50hには、スリーブ40の後述の被係合部72が収容される収容凹部51と、スリーブ40の後述の被係合部72に係合する係合部52(第1係合部)と、ステータ30の係止部31bに係止して、固定部材30に対する回転部材10の相対回転を規制する規制部53とが設けられている。
【0065】
収容凹部51は、中立固定部材本体50hの内周面に、周方向Wに沿って1つ以上(例えば対称的な位置に2つ)設けられている。収容凹部51の下端は、中立固定部材本体50hの下端で開放している。係合部52は、例えば、直方体形の柱状に形成され、各収容凹部51の下端における周方向Wの中央から、中立固定部材本体50hの径方向内側(即ち回転部材10の径方向)に向かって突出するように設けられている。規制部53は、例えば、直方体状の棒状に形成され、各係合部52の径方向外側の端部から、径方向外側に突出するように延設されている。即ち、係合部52及び規制部53は、一カ所に集められて、互いに一体的に形成されている。
【0066】
また、中立固定部材本体50hには、ロテータ20の嵌合凸部22aが嵌合する嵌合凹溝部54と、ロテータ20の係止部22bが通過する通過用凹溝部55と、スリーブ40の後述の被係止部71の上部が嵌合する嵌合凹部56とが設けられている。
【0067】
嵌合凹溝部54は、中立固定部材本体50hの外周面において、ロテータ20の各嵌合凸部22aに対応する位置に、中立固定部材本体50hの軸線方向Yに沿って設けられており、中立固定部材本体50hの上端及び下端で開放している。通過用凹溝部55は、各嵌合凹溝部54の底部に設けられ、嵌合凹溝部54の横幅よりも小さい横幅に形成され、中立固定部材本体50hの上端及び下端で開放している。嵌合凹部56は、中立固定部材本体50hの内周面における各嵌合凹溝部54の裏側に設けられ、中立固定部材本体50hの下端で開放している。なお、嵌合凹部56の底部(即ち径方向外側の面)は、例えば、嵌合凹溝部54の底部に連通している。
【0068】
図6図8に示すように、中立固定部材50は、ロテータ20の内周筒部22の内部に嵌挿されている。この嵌挿状態では、中立固定部材50の各規制部53は、ロテータ20の各案内用切欠部22cからロテータ20の外側に突出している。また、ロテータ20の嵌合凸部22a及び係止部22bがそれぞれ中立固定部材50の嵌合凹溝部54及び通過用凹溝部55を通過して、中立固定部材50は、嵌合凸部22a及び係止部22bよりも上側に配置している。
【0069】
図3図6図8に示すように、スリーブ40は、ロテータ20の小径筒部66の外周に嵌合する例えば円筒状の筒部41と、筒部41の外周面の上端から径方向外側に張り出した円環状の上端フランジ部42と、筒部41の内周面の下端から径方向内側に張り出した円環状の下端フランジ部43と、筒部41の下端から下方に延設された円弧状の延設部44とを備えている。延設部44は、例えば、筒部41の周方向Wに互いに間隔を空けて、対称的な位置に2つ設けられている。
【0070】
筒部41の内径は、ロテータ20の小径筒部66の外径と略同じ大きさであり、筒部41の軸線方向Yの長さは、小径筒部66の軸線方向Yの長さと略同じである。筒部41の内周面の上側には、中立固定部材50の各規制部53の移動を案内する案内用凹部41aが設けられている。
【0071】
案内用凹部41aは、筒部41の周方向Wに沿って対称的な位置に複数(即ち各規制部53に対応する位置)に設けられている。案内用凹部41aは、筒部41の軸線方向Yに沿って形成され、筒部41の上端で開放している。案内用凹部41aの下端41b(図8)は、中立固定部材50の移動範囲の下限位置(即ちロック解除位置)を規定している。
【0072】
図7に示すように、下端フランジ部43には、ロテータ20の係止部22bが係止する被係止部71と、中立固定部材50の係合部52が係合する被係合部72(第1被係合部)と、係合部52の下側(即ちロック解除位置側)の端部を露出するための露出窓73が設けられている。
【0073】
被係止部71は、下端フランジ部43の上面の内周縁部において、ロテータ20の各係止部22bに対応する各位置に、軸線方向Yに立設されている。各被係止部71は、例えば正面視矩形の板状に形成されており、その横幅の中央には、係止部22bが係止可能な係止孔が、被係止部71の厚さ方向に貫通して設けられている。上記の係止孔の下端は、下端フランジ部43で開放している。
【0074】
被係合部72は、下端フランジ部43の上面の内周縁部において、中立固定部材50の各係合部52に対応する各位置に、軸線方向Yに立設されている。各被係合部72は、一対の弾性片72aと、一対の弾性片72aの各々に設けられ、係合部52に係合する凸部72bとを備えている。
【0075】
一対の弾性片72aは、下端フランジ部43の上面において、軸線方向Yに立設されている。また、一対の弾性片72aは、中立固定部材50の係合部52における周方向Wの両側に配置するように、周方向Wに沿って互いに間隔を空けて対向して配置している。
【0076】
各凸部72bは、各弾性片72aの対向面の先端側において、対向方向に突出するように設けられている。各凸部72bの上側(即ちロック位置側)及び下側(即ちロック解除位置側)の各角部にはそれぞれ、例えば平坦面状に面取りされた面取部72c,72dが設けられている。なお、各面取部72c,72dは、例えば円弧状に湾曲した湾曲面であってもよい。
【0077】
上記のように、一対の弾性片72aが係合部52の周方向Wの両側に配置され、凸部72bが弾性片72aの対向面において対向方向に突出するように設けられることで、被係合部72は、周方向W(即ち軸線方向Yに直交する方向)の両側から係合部52に係合する。
【0078】
露出窓73は、下端フランジ部43における一対の弾性片72aの間の部分(即ち係合部52における下側(即ちロック解除位置側)の端部の前方を遮る部分)に設けられており、下端フランジ部43の厚さ方向に貫通している。
【0079】
図6図8に示すように、スリーブ40は、筒部41の上端がロテータ20の下側段差部65に当接するまで、筒部41の内部にロテータ20の小径筒部66が嵌挿された状態で、ロテータ20に取り付けられている。この取付状態では、ロテータ20の係止部22bは、スリーブ40の被係止部71に係止しており、これにより、スリーブ40がロテータ20に対して一体回転可能に固定されている。
【0080】
また、上記の取付状態では、スリーブ40の上端フランジ部42が、ステータ30の固定側リング板31の内周縁部を挟んでロテータ20の上側段差部63に対向配置している。換言すれば、上側段差部63、中径筒部64及び上端フランジ部42によって断面凹状の溝部が構成され、その溝部内に固定側リング板31の内周縁部が嵌合している。これにより、上端フランジ部42によって、ステータ30がスリーブ40側に抜けることが禁止されている。
【0081】
また、図8及び図9に示すように、上記の取付状態では、スリーブ40の案内用凹部41aが、ロテータ20の案内用切欠部22cの外側に重なって配置しており、これにより、案内用切欠部22cの上側と案内用凹部41aとで、中立固定部材50の規制部53の移動範囲(即ち中立固定部材50の移動範囲)をロック位置とロック解除位置との間に制限するガイド部が形成されている。規制部53の移動範囲は、軸線方向Yに延びている。
【0082】
また、図6図9に示すように、上記の取付状態では、係合部52の下部が、被係合部72の各凸部72bの上側の面取部72cに係合している(図6及び図7)。換言すれば、係合部52の下部が被係合部72の各凸部72bの上側の面取部72cによって周方向Wの両側から狭持されている。これにより、被係合部72によって、中立固定部材50がロック位置(即ち案内用切欠部22cの上端22u)に位置するように支持されている(図8及び図9)。換言すれば、中立固定部材50がロック位置に仮固定されている。
【0083】
なお、中立固定部材50がロック位置に仮固定された状態では、中立固定部材50がロテータ20の上側段差部63よりも上側に突出している。また、図8に示すように、中立固定部材50の規制部53がステータ30の係止部31bに係止しており、これにより、回転部材10の回転位置が中立位置に位置した状態で、固定部材30に対する回転部材10の相対回転がロックされている。
【0084】
次に、図10図12を参照して、ロテータ20の内周筒部22(即ち回転部材10の挿入孔H)にステアリングホイールの挿入凸部700が挿入されたときの中立固定部材50の動作を説明する。
ロテータ20の内周筒部22にステアリングホイールの挿入凸部700が挿入されていない状態では、上述のように、中立固定部材50がロック位置に仮固定されている。この仮固定状態では、中立固定部材50がロテータ20の上側段差部63よりも上側に突出すると共に、回転部材10の回転位置が中立位置に位置した状態で、固定部材30に対する回転部材10の相対回転がロックされている。
【0085】
図10図12に示すように、上記のロック状態で、ロテータ20の内周筒部22にステアリングホイールの挿入凸部700(図6)が挿入されると、その挿入凸部700によって、中立固定部材50が上側段差部63の上面の高さまで押し込まれる。この結果、中立固定部材50がロック位置からロック解除位置に移動する。
【0086】
この移動に伴って、係合部52の下部が被係合部72の各凸部72bの上側の面取部72cに係合する状態から、係合部52が被係合部72の各弾性片72aを周方向Wの両側に弾性的に押し倒しながら被係合部72の各凸部72bの間を通過して、係合部52の上部が被係合部72の各凸部72bの下側の面取部72dに係合する状態(即ち係合部52の上部が被係合部72の各凸部72bの下側の面取部72dによって狭持された状態)に移行する。このように、係合部52の上部が被係合部72の各凸部72bの下側の面取部72dに係合することで、中立固定部材50がロック解除位置に仮固定される。
【0087】
この仮固定状態では、中立固定部材50の係合部52と収容凹部51の上壁部51a(壁部)との間に、スリーブ40の被係合部72の各凸部72bが嵌合している。これにより、中立固定部材50の軸線方向Yのガタつきが抑制されている。また、ロテータ20の嵌合凸部22aが中立固定部材50の嵌合凹溝部54に嵌合すると共に、スリーブ40の被係止部71の上部が中立固定部材50の嵌合凹部56に嵌合している。これにより、中立固定部材50の周方向のガタつきが抑制されている。
【0088】
図10に示すように、中立固定部材50をロック解除位置からロック位置に戻す場合は、先ず、ステアリングホイールを回転操作して回転部材10を中立位置に合わせた後、ステアリンホイールの挿入凸部700をロテータ20の内周筒部22から取り外す。そして、この取外状態で、細長の棒800を、スリーブ40の下端開口側(即ちロック解除位置側)から露出窓73に差し込んで、係合部52を上側(即ちロック位置側)に押圧する。
【0089】
これにより、係合部52の上部が被係合部72の各凸部72bの下側の面取部72dに係合する状態から、係合部52が被係合部72の各凸部72bの間を通って、係合部52の下部が被係合部72の各凸部72bの上側の面取部72cに係合する状態(図6)に移行する。この結果、中立固定部材50がロック解除位置からロック位置に戻されてロック位置に仮固定される。
【0090】
以上、この実施形態に係る回転コネクタ装置1によれば、固定部材(即ちステータ)30と、固定部材30に相対回転可能に取り付けられ、ステアリングホイールの挿入凸部700が挿入される挿入孔H(ステアリングホイール用挿入孔)を有する回転部材10(即ちロテータ20及びスリーブ40)と、回転部材10に対してロック位置とロック解除位置との間で移動可能に設けられ、ロック位置では、固定部材30に係止することで回転部材10の相対回転を規制し、ロック解除位置では、前記規制を解除し、挿入孔Hに挿入された挿入凸部700に押圧されることでロック位置からロック解除位置に移動する中立固定部材50とが備えられ、中立固定部材50には、係合部52が設けられ、回転部材10(例えばスリーブ40)には、被係合部72が設けられ、被係合部72が、軸線方向Yに直交する方向(即ち周方向W)から係合部52に係合することで、中立固定部材50がロック位置に仮固定される。
【0091】
この構成により、中立固定部材50には係合部52が設けられ、回転部材10には被係合部72が設けられ、被係合部72が、軸線方向Yに直交する方向から係合部52に係合することで、中立固定部材50がロック位置に仮固定されるため、中立固定部材50をロック位置に仮固定するために中立固定部材50をロック位置側に付勢するための巻きバネを省略することができる。この結果、部品点数を削減できて組立作業性を向上させることができる。
【0092】
特に、被係合部72が、軸線方向Yに直交する方向(即ち周方向W)から係合部52に係合するため、ステアリングホイールの挿入凸部700が回転部材10の挿入孔Hに挿入されたときに、係合部52及び被係合部72が邪魔になって、中立固定部材50のロック位置からロック解除位置への移動が阻害されることを防止することができる。また、中立固定部材50における軸線方向Yに直交する方向のガタつきを抑制することができる。
【0093】
また、中立固定部材50は、環状に形成され、回転部材10の挿入孔H(ステアリングホイール用挿入孔)の内部に、軸線方向Yに移動可能に嵌合されているため、簡単な構造で、中立固定部材50を、回転部材10の挿入孔の内部に、軸線方向Yに移動可能に配置させることができる。
【0094】
また、この発明の態様として、係合部52(第1係合部)は、中立固定部材50において径方向に突出した状態で設けられるため、係合部52を簡単な構造で設けることができる。
【0095】
また、被係合部72は、対向方向に突出する凸部72bを有し、凸部72bが係合部52に係合することで、中立固定部材50がロック位置に仮固定される。即ち、係合部52及び被係合部72は、凸部72bを介して係合する。このため、十分な係合力を確保することができる。十分な係合力とは、所定の大きさの外力未満の外力では係合が保持され、所定の大きさの外力以上の外力では係合が外れる係合力である。この結果、挿入孔Hに挿入された挿入凸部700が中立固定部材50を押圧したときだけ、係合部52と被係合部72との係合が外れ、それ以外のときは、係合部52と被係合部72との係合を保持することができる。
【0096】
また、凸部72bの上側(即ちロック位置側)の角部に面取部72cが設けられているため、ステアリングホイールの挿入凸部700が回転部材10の挿入孔Hに挿入されたとき、中立固定部材50を、凸部72bの上側(即ちロック位置側)の角部に引っ掛かることなく、ロック位置からロック解除位置に円滑に移動させることができる。また、面取部72cによって弾性片72aが周方向Wに弾性的に押し倒されるため、これによっても、中立固定部材50を、凸部72bの上側の角部に引っ掛かることなく、ロック位置からロック解除位置に円滑に移動させることができる。
【0097】
また、凸部72bの上側(即ちロック位置側)の面取部72cに係合部52が係合することで、中立固定部材50がロック位置に仮固定されるため、面取部72cと係合部52との間の係合力は、回転部材10の軸線方向Yに直交する方向(即ち周方向W)の成分だけでなく軸線方向Yの成分も有する。この結果、中立固定部材50がロック位置に仮固定された状態で、中立固定部材50における軸線方向Yに直交する方向のガタつきだけでなく、中立固定部材50における軸線方向Yのガタつきも抑制することができる。
【0098】
また、凸部72bの下側(即ちロック解除位置側)の角部に面取部72dが設けられ、面取部72dに係合部52が係合することで、中立固定部材50がロック解除位置に仮固定されるため、面取部72dと係合部52との間の係合力は、軸線方向Yに直交する方向(即ち周方向W)の成分と、軸線方向Yの成分とを有する。この結果、中立固定部材50がロック解除位置に仮固定された状態で、中立固定部材50における軸線方向Yに直交する方向のガタつきと軸線方向Yのガタつきとを抑制することができる。
【0099】
また、凸部72bの下側(即ちロック解除位置側)の角部に面取部72dが設けられているため、所定の大きさの外力で中立固定部材50をロック位置側に押圧することで、中立固定部材50をロック解除位置からロック位置に戻すことができる。
【0100】
また、中立固定部材50には、係合部52(第1係合部)の上側(即ちロック位置側)に間隔を空けて上壁部51a(壁部)が設けられ、中立固定部材50がロック解除位置に位置する状態で、被係合部72(第1被係合部)の凸部72bが係合部52と上壁部51aとの間に嵌合する。即ち、凸部72bの上面が上壁部51aに当接し、且つ、凸部72bの下側の面取部72dが係合部52の上部に当接する。このため、中立固定部材50がロック解除位置に位置する状態で、中立固定部材50における軸線方向Yのガタつきを抑制することができる。
【0101】
また、回転部材10における、係合部52のロック解除位置側の端部の前方を遮る部分(例えば下端フランジ部43における一対の弾性片72aの間の部分)に、露出窓73が設けられているため、中立固定部材50がロック解除位置に仮固定された状態で、外部から露出窓73に棒800を挿入し、その棒800で係合部52をロック位置側に押圧することで、中立固定部材50をロック解除位置からロック位置に戻すことができる。
【0102】
また、係合部52と被係合部72との組が、中立固定部材50の周方向Wに沿って対称的に2つ以上配置されているため、中立固定部材50を、バランス良く、ロック位置に仮固定できると共にロック解除位置に仮固定できる。
【0103】
また、被係合部72は、回転部材10を構成するスリーブ40から延設された弾性片72aを有し、弾性片72aに凸部72bが設けられているため、係合部52と被係合部72とを弾性的に係合させることができる。この結果、中立固定部材50のガタつきをより一層抑制することができる。
【0104】
また、被係合部72は、係合部52の両側(即ち軸線方向Yに直交する方向、即ち周方向W)から係合する。換言すれば、被係合部72は、係合部52を両側から挟む。このため、中立固定部材50における軸線方向Yに直交する方向(即ち周方向W)のガタつきをより一層抑制することができる。
【0105】
また、回転部材10の挿入孔H(ステアリングホイール用挿入孔)の内周面(例えば筒部41の内周面)には、径方向内側に張り出した下端フランジ部43(フランジ部)が設けられ、被係合部72(第1被係合部)は、下端フランジ部43において軸線方向Yに立設されているため、簡素な構造で、被係合部72を、軸線方向Yに向けて立設させることができる。
【0106】
なお、この実施形態では、中立固定部材50に係合部52が設けられ、回転部材10(例えばスリーブ40)に被係合部72が設けられたが、中立固定部材50に被係合部72が設けられ、回転部材10に係合部52が設けられてもよい。下記の変形例1〜7においても同様である。
【0107】
また、この実施形態では、回転部材10(例えばロテータ20)に嵌合凸部22a及び係止部22bが設けられ、中立固定部材50に嵌合凹溝部54及び通過用凹溝部55が設けられたが、回転部材10に嵌合凹溝及び通過用凹溝部が設けられ、中立固定部材50に嵌合凸部及び係止部が設けられてもよい。下記の変形例1〜7においても同様である。
【0108】
また、中立固定部材50には、係合部52から固定部材(即ちステータ)30の側に突出した規制部53が延設されているため、規制部53及び係合部52を一箇所にまとめて配置でき、中立固定部材50の構造を簡素化することができる。
【0109】
また、中立固定部材50は、回転部材10の挿入孔Hの内部に配置され、挿入孔Hの内周面には、嵌合凸部22aが設けられ、中立固定部材50の外周面には、軸線方向Yに延びた嵌合凹溝部54が設けられ、中立固定部材50がロック解除位置に位置する状態で、嵌合凸部22aが嵌合凹溝部54に嵌合するため、中立固定部材50と回転部材10との周方向の相対移動を規制でき、これにより、中立固定部材50における周方向W(即ち軸線方向Yに直交する方向)のガタつきを抑制することができる。
【0110】
<変形例1>
上記の実施形態では、係合部52は、周方向Wの両側の側面が平坦に形成されたが、例えば、図13(a)(b)に示すように、係合部52は、軸線方向Yに沿った縦長の例えば略直方体形に形成され、その周方向Wの両側の側面に、被係合部72の各凸部72bが嵌合可能な凹部52aが設けられてもよい。
【0111】
この場合、中立固定部材50がロック位置に位置する場合は、上記の実施形態と同様に、係合部52の下部が被係合部72の各凸部72bの上側の面取部72cと係合する(図13(a))。また、中立固定部材50がロック解除位置に位置する場合は、係合部52の両側の凹部52aに被係合部72の各凸部72bが嵌合する(図13(b))。
【0112】
この変形例によれば、中立固定部材50がロック解除位置に位置する状態で、凸部72bが凹部52aに嵌合するため、中立固定部材50における周方向W(即ち軸線方向Yに直交する方向)のガタつきだけでなく、軸線方向Yのガタつきも抑制することができる。
【0113】
<変形例2>
上記の実施形態では、係合部52及び被係合部72は、それらの係合状態で回転部材10の周方向Wに並ぶように配置したが、この変形例では、例えば図14(a)(b)に示すように、係合部52及び被係合部72は、それらの係合状態で回転部材10の径方向Rに並ぶように配置する。以下、この変形例について詳しく説明する。以下の説明では、上記の実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略し、上記の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0114】
図14(a)に示すように、この変形例では、被係合部72は、スリーブ40の筒部41の内周面に突設された凸部72bを有している。凸部72bは、筒部41の内周面における案内用凹部41aの下端41bの下側に隣接すると共に、案内用凹部41aの下端41bに対して平坦になるように配置されている。筒部41の内周面には、凸部72bの下側に隣接した箇所に、露出窓45が設けられている。露出窓45は、例えば径方向Rに沿って、筒部41の厚さ方向に貫通することで、外部に貫通している。なお、凸部72bの上側及び下側の角部には、例えば、面取部72c,72dが設けられている。
【0115】
この変形例では、係合部52は、例えば直方体形に形成され、中立固定部材本体50hの外周面において、径方向Rの外側(即ち凸部72bの突出方向反対側)に向かって突設されている。規制部53は、中立固定部材本体50hの外周面において、係合部52の上側に間隔を空けて設けられ、径方向外側(即ちステータ30側)に突出している。係合部52と規制部53との間隔は、凸部72bの上下方向の幅と略同じ大きさである。即ち、係合部52と規制部53との間に、凸部72bが嵌合可能になっている。
【0116】
この変形例では、図14(a)に示すように、中立固定部材50がロック位置に位置する状態では、係合部52の下部が凸部72bの上側の面取部72cに係合しており、これにより、中立固定部材50がロック位置に仮固定されている。
【0117】
そして、ロテータ20の内周筒部22の内部(即ち回転部材10の挿入孔H)にステアリングホイール(図示省略)の挿入凸部700が挿入されると、図14(b)に示すように、中立固定部材50がロック位置からロック解除位置に移動される。これに伴って、係合部52が凸部72bを乗り越えて、凸部72bが係合部52と規制部53との間に嵌合する。この嵌合により、中立固定部材50がロック解除位置に固定される。
【0118】
そして、中立固定部材50をロック解除位置からロック位置に戻す場合は、細長の棒801を、スリーブ40の側方から露出窓45に差し込んで、係合部52を径方向内側に押圧して、係合部52の先端を凸部72bの先端よりも径方向内側に移動させる。この状態で、中立固定部材50をロック解除位置からロック位置に移動させる。これにより、中立固定部材50が、ロック解除位置からロック位置に戻される。
【0119】
この変形例によれば、回転部材10(例えばスリーブ40)の内周面に凸部72b(即ち被係合部72)が設けられ、係合部52(第2係合部)は、凸部72bの突出方向反対側に突出している。即ち係合部52及び凸部72bは、回転部材10の径方向Rに並ぶため、係合部52及び凸部72bを回転部材10の周方向Wに関してコンパクトに配置することができる。
【0120】
また、係合部52(第2係合部)は、凸部72bを介して回転部材10の内周面の正面側に配置するため、係合部52から凸部72bへの係合力が回転部材10の内周面で受け止められ、係合力を凸部72bに確実に作用させることができる。この結果、係合部52と凸部72bとを確実に係合させることができる。
【0121】
また、中立固定部材50には、係合部52(第2係合部)の上側(即ちロック位置側)に間隔を空けて、ステータ(固定部材)30側に突出した規制部53が設けられ、中立固定部材50がロック解除位置に位置する状態で、凸部72bが係合部52と規制部53との間に嵌合することで、中立固定部材50がロック解除位置に固定されるため、係合部52と規制部53との間に凸部72bを嵌合させる簡単な構造で、中立固定部材50をロック解除位置に固定することができる。
【0122】
また、規制部53は、係合部52の上側(即ちロック位置側)に間隔を空けて設けられている。即ち、規制部53及び係合部52は、回転部材10の軸線方向Yに並んでいる。このため、中立固定部材50がロック解除位置に固定された状態で、中立固定部材50における軸線方向Yのガタつきを抑制することができる。
【0123】
また、回転部材10(例えばスリーブ40)には、凸部72bの下側(即ちロック解除位置側)に隣接した箇所に、外部に貫通した露出窓45が設けられている。このため、外部から露出窓45に棒801を挿入し、その棒801で、凸部72bに係合した係合部52を、径方向内側に押圧して凸部72bよりも径方向内側に移動させることで、係合部52と凸部72bとの係合を解除させることができる。この解除状態で、中立固定部材50をロック解除位置からロック位置に移動させることで、中立固定部材50をロック位置に戻すことができる。
【0124】
<変形例3>
上述の変形例2では、凸部72b(即ち被係合部72)が係合部52と規制部53との間に嵌合することで、中立固定部材50がロック解除位置に固定されたが、この変形例では、図15(a)に示すように、被係合部72は、スリーブ40の筒部41の外周面において、凸部72bの下側(即ちロック解除位置側)に間隔を空けて設けられた他の凸部72eを更に有している。
【0125】
そして、図15(b)に示すように、係合部52が凸部72bと他の凸部72eとの間に嵌合することで、中立固定部材50がロック解除位置に固定される。この場合、凸部72bと他の凸部72eとの間隔は、係合部52の軸線方向Yの幅と略同じ大きさであり、係合部52と規制部53との間隔は、凸部72bの軸線方向Yの幅よりも大きてもよい。
【0126】
この変形例によれば、凸部72bと他の凸部72eとの間に係合部52(第2係合部)を嵌合させる(換言すれば、凸部72bと他の凸部72eとによって軸線方向Yの両側から係合部52を挟み込む)簡単な構造で、中立固定部材50をロック解除位置に固定することができる。また、他の凸部72eは、凸部72bの下側(即ちロック解除位置側)に間隔を空けて設けられている。即ち、凸部72b及び他の凸部72eは、回転部材10の軸線方向Yに並んでいる。このため、中立固定部材50がロック解除位置に固定された状態で、中立固定部材50における軸線方向Yのガタつきを抑制することができる。
【0127】
<変形例4>
この変形例は、上記の実施形態において、中立固定部材50を回転部材10に対して軸線方向Yに相対移動可能に取り付けるために、中立固定部材50に挿入部58(図16)が設けられると共に、回転部材10に、上記の挿入部58が挿入される挿入孔46a(中立固定部材用挿入孔)(図17)を有する取付部46が設けられたものである。以下、図16図18を参照して、この変形例について詳しく説明する。以下の説明では、上記の実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略し、上記の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0128】
図16に示すように、この変形例の中立固定部材50は、筒状(例えば円筒状)に形成されている。また、この変形例の中立固定部材50は、上記の実施形態の中立固定部材50と比べて、挿入部58が設けられている。
【0129】
挿入部58は、例えば正面視矩形の板状に形成されている。挿入部58は、中立固定部材本体50hの下側周端部において、周方向Wに沿って対称な位置に複数(例えば2つ)設けられている。なお、挿入部58は、1つだけ設けられてもよい。この実施形態では、各挿入部58は、中立固定部材本体50hの下側周端部において、例えば各係合部52の下側に設けられている。
【0130】
各挿入部58は、中立固定部材本体50hの下側周端部において、各挿入部58の横幅方向が周方向Wに沿い、且つ軸線方向Yの下方に突出し、且つ中立固定部材本体50hの径方向外側にずれた状態で、設けられている。
【0131】
この変形例では、係合部52は、中立固定部材本体50hにおいて、挿入部58の基端部(即ち上端部)から収容凹部51の底面の下端中央を介して、径方向内側に突出した状態で設けられている。また、規制部53は、挿入部58の基端部の中央から径方向外側に突出した状態で設けられている。
【0132】
図17に示すように、この実施形態のスリーブ40は、上記の実施形態のスリーブ40において、中立固定部材50の挿入部58が挿入される挿入孔46aを有する取付部46が設けられたものである。
【0133】
取付部46は、スリーブ40の筒部41の内周面において、中立固定部材50の各挿入部58に対応する各箇所に、スリーブ40の内側に張り出した状態で設けられている。各取付部46は、スリーブ40の筒部41の内周面において、案内用凹部41aの下側に設けられている。取付部46の上面は、案内用凹部41aの下端41bに対して平坦になっている。
【0134】
各取付部46の上面には、中立固定部材50の挿入部58が挿入される挿入孔46aが設けられている。挿入孔46aは、挿入部58が嵌挿可能な形状に形成されると共に周方向Wに沿った横長の開口を有している。挿入孔46aは、取付部46の上面から下端フランジ部43の下面まで、軸線方向Yに沿って貫通している。
【0135】
中立固定部材50の挿入部58は、スリーブ40の挿入孔46aの上側から挿入孔46aに挿入方向(即ち軸線方向Y)に移動可能に挿入されている。これにより、中立固定部材50は、スリーブ40(即ち回転部材10)に対して軸線方向Yに沿って相対移動可能に取り付けられている。
【0136】
この実施形態での中立固定部材50の動作は、図18(a)に示すように、中立固定部材50がロック位置に位置する状態では、係合部52が被係合部72の各凸部72bの上側(即ちロック位置側)の面取部72cに係合しており、これにより、中立固定部材50がロック位置に仮固定されている。そして、図18(b)に示すように、中立固定部材50がロック位置からロック解除位置に移動されると、係合部52が、被係合部72の各凸部72bの間を下方に通過して、被係合部72の各凸部72bの下側の面取部72dに係合する。これにより、中立固定部材50がロック解除位置に仮固定される。
【0137】
以上、この変形例によれば、中立固定部材50には、軸線方向Yに突出した状態で挿入部58が設けられ、回転部材10の挿入孔Hの内周面には、取付部46が設けられ、取付部46に、軸線方向Yに沿って延在した挿入孔46a(中立固定部材用挿入孔)が設けられ、挿入部58は、挿入孔46aに挿入方向(即ち軸線方向Y)に移動可能に挿入されるため、挿入部58が挿入孔46aに挿入されることで、中立固定部材50を、回転部材10に対して軸線方向Yに相対移動可能に取り付けることでき、中立固定部材50を回転部材10にガタつきを抑制して取り付けることができる。
【0138】
以下、図19図22を参照して、変形例4の挿入部58の変形例を示す。
【0139】
<変形例5>
図19に示す変形例では、挿入部58は、略逆さU字状に形成されている。即ち挿入部58は、中立固定部材本体50hの下側周端部において、周方向Wに沿って延在すると共に径方向にずれた状態で設けられた例えば横長な直方体の連結部81と、連結部81の長手方向の両端から軸線方向Yの下方に向かって延設され、周方向Wに沿って互いに間隔を空けて対向配置した一対の弾性片82とを備えている。一対の弾性片82の各々の対向方向外側の面には、例えば弾性片82の長手方向の中央付近に、凸状(例えば正面視三角形状)の他の係合部83が設けられている。
【0140】
この変形例の取付部46の挿入孔46aの内周面には、周方向Wの両側面の上端側に、他の係合部83が係合する凸状(例えば正面視三角形状)の他の被係合部47が設けられている。挿入部58は、一対の弾性片82が挿入孔4aの中で周方向Wに並ぶように、挿入孔46aに挿入される。
【0141】
この変形例では、上記の実施形態と同様に、係合部52と被係合部72との係合により、中立固定部材50がロック位置及びロック解除位置に仮固定されると共に、後述するように、挿入部58の他の係合部83と挿入孔46aの他の被係合部47の係合によっても、中立固定部材50がロック位置及びロック解除位置に仮固定される。
【0142】
即ち、図20(a)に示すように、中立固定部材50がロック位置に位置する状態では、挿入部58の一対の弾性片82が挿入孔46aの両側の他の被係合部47の間に挟まり、他の係合部83の下側の斜面83bが他の被係合部47の上側の斜面47bに係合し、これによっても、中立固定部材50がロック位置に仮固定されている。そして、中立固定部材50がロック位置からロック解除位置に移動すると、各他の被係合部47によって一対の弾性片82が互いの対向方向に弾性的に傾倒され、図20(b)に示すように、他の係合部83の上側の斜面83aが他の被係合部47の下側の斜面47cに係合し、これによっても、中立固定部材50がロック解除位置に仮固定されている。
【0143】
以上、この変形例によれば、他の係合部83(第3係合部)及び他の被係合部47(第3被係合部)は、挿入部58と挿入孔46a(中立固定部材側挿入孔)の間の隙間を利用して配置されるため、他の係合部83及び他の被係合部47の配置場所を別に確保する必要がなくなる。
【0144】
また、他の係合部83(第3係合部)は、挿入部58の一対の弾性片82の各々の対向方向外側の面に設けられるため、他の係合部83と他の被係合部47(第3被係合部)とが弾性的に係合できると共に、中立固定部材50と回転部材10との間のガタつき(特に一対の弾性片82の対向方向(即ち周方向W)のガタつき)を抑制することができる。
【0145】
<変形例6>
図21に示す変形例は、変形例5において、中立固定部材50から係合部52及び収容凹部51を省略すると共に(図21の点線の丸Qで囲んだ部分)、スリーブ40から被係合部72を省略したものである。この変形例によっても、変形例5と同様の効果を得ることができる。
【0146】
<変形例7>
図22に示す変形例は、変形例5において、挿入部58において、両側の係合部83(第3被係合部)の間に押圧部84が設けられたものである。押圧部84は、挿入部58の連結部81において、例えば一対の弾性片82の間に、軸線方向Yの下側に向かって立設されている。押圧部84は、連結部81に立設された弾性片84aと、弾性片84aの先端における径方向の一方側(即ち側面46bと同側)に設けられた凸部84bとを備えている。
【0147】
この変形例では、挿入部58が挿入孔46aに挿入された状態で、押圧部84の凸部84bが、挿入孔46aの内周面のうち押圧部84の正面に対向する部位を押圧する。これにより、中立固定部材50における押圧部84の正面方向のガタつき(即ち中立固定部材50の径方向のガタつき)を抑制することができる。
【0148】
この発明の他の実施形態を以下図面と共に説明する。
<他の実施形態>
図23図31を参照して、この実施形態に係る回転コネクタ装置100について説明する。
回転コネクタ装置100は、車両(例えば自動車)に搭載されたステアリングホイール側の配線と車体側の配線とを電気的に接続する装置である。図23及び図24に示すように、回転コネクタ装置100は、ステアリングホイール(図示省略)が取り付けられる回転部材110を構成するロテータ120及びスリーブ140と、車体側に取り付けられる固定部材130としてのステータと、ステアリングホイール側の配線と車体側の配線とを電気的に接続するフラットケーブル(図示省略)と、固定部材130に対する回転部材110の相対回転を仮固定する中立固定部材150とを備えている。以下、ステータ130とも記載する。ロテータ120、ステータ130、スリーブ140及び中立固定部材150は、例えば樹脂で形成されている。
【0149】
中立固定部材150は、固定部材130に対する回転部材110の相対回転をロックするロック位置と、そのロックを解除するロック解除位置との間を移動可能に、回転部材110に取り付けられている。ステアリングホイールの挿入凸部710(図28)が回転部材110の挿入孔H(ステアリングホイール用挿入孔)に挿入されると、中立固定部材150がロック位置からロック解除位置に移動され、回転部材110の相対回転のロックが解除される。
【0150】
なお、挿入孔Hは、ロテータ120の後述の内周筒部122の内周面と、スリーブ140の後述の筒部141の内周面とで構成されている。なお、図23等の符号Yは、挿入孔Hの軸線方向(即ち回転部材110の軸線方向)を示し、符号Wは、挿入孔Hの周方向(即ち回転部材110の周方向)を示す。
【0151】
図24及び図25に示すように、ロテータ120は、中央に略円形(例えば平面視略D字形)の貫通孔121aを有する略環状の回転側リング板121と、回転側リング板121の内周縁部から下方に延在した円筒状の内周筒部122とを備えている。
【0152】
回転側リング板121の上面には、回転側コネクタ124が設けられている。回転側コネクタ124は、例えば、ステアリングホイールに設けられた電気回路(例えばホーンスイッチ及びエアバッグユニット)に接続された電気接続コネクタが接続される電気接続コネクタである。
【0153】
内周筒部122は、例えば段付き筒状に形成されており、回転側リング板121の内周縁部から下方に延在した円筒状の大径筒部161と、大径筒部161の下端周縁部から径方向内側に張り出した円環状の上側段差部163と、上側段差部163の内周縁部から下方に延在した円筒状の中径筒部164と、中径筒部164の下端周縁部から径方向内側に張り出した下側段差部165と、下側段差部165の内周縁部から下方に延在した円筒状の小径筒部166とを備えている。従って、内周筒部122の外周面及び内周面はそれぞれ、上端から下端に向かって、上側段差部163の所で段差状に縮径し、下側段差部165の所で段差状に更に縮径している。
【0154】
なお、大径筒部161の内径は、ステアリングホイールの挿入凸部710が嵌合可能なように、ステアリングホイールの挿入凸部710の直径と略同じ大きさに形成されている。中径筒部164の直径は、大径筒部161の直径よりも小さく形成されており、小径筒部166の直径は、中径筒部164の直径よりも小さく形成されている。中径筒部164の軸線方向Yの長さは、ステータ130の後述の固定側リング板131の厚さと略同じ大きさに形成されており、小径筒部166の軸線方向Yの長さは、スリーブ140の後述の筒部141の軸線方向Yの長さと略同じ大きさに形成されている。
【0155】
内周筒部122の外周面のうち、上側段差部163及び中径筒部164で形成される凹角部によって、ステータ130の後述の固定側リング板131が係合するステータ係合部が形成され、下側段差部165及び小径筒部166で形成される凹角部によって、スリーブ140の後述の筒部141が係合するスリーブ係合部が構成されている。
【0156】
内周筒部122には、スリーブ140の後述の被係止部171に係止する係止部122bと、中立固定部材150の後述の規制部153の移動を案内する案内用切欠部122cとが設けられている。
【0157】
案内用切欠部122cは、内周筒部122の厚さ方向に貫通しており、内周筒部122の軸線方向Yに沿って例えば略帯状に形成され、中径筒部164の上端まで形成され、内周筒部122の下端で開放されている。各案内用切欠部122cの上端122uは、中立固定部材150の移動範囲の上限位置(即ちロック位置)を規定している。なお、中立固定部材150の移動範囲は、軸線方向Yに沿って延びている。
【0158】
図24に示すように、ステータ130は、略環状の固定側リング板131と、固定側リング板131の外周縁部から上方に延在した円筒状の外周筒部132と、外周筒部132の外周面に設けられた固定側コネクタ135と、ステータ130を車体に固定するための固定部136とを備えている。
【0159】
固定側リング板131の中央には、ロテータ120の中径筒部164の外周が嵌挿する円形の貫通孔131aが設けられている。固定側リング板131の内周縁部には、中立固定部材150の後述の規制部153が係止する係止部131bが1つ以上(例えば1つ)設けられている。係止部131bは、固定側リング板131の内周縁部から径方向外側に凹状に形成されると共に、固定側リング板131の厚さ方向に貫通している。
【0160】
外周筒部132の直径は、ロテータ120の回転側リング板121の直径と略同じ大きさに形成されている。外周筒部132の軸線方向Yの長さは、ロテータ120の内周筒部122の軸線方向Yの長さと略同じ大きさに形成されている。外周筒部132の内周面には、回転側リング板121の外周縁部が係合するフランジ部132aが設けられている。フランジ部132aは、外周筒部132の内周面の上端周縁部付近において、周方向W全体に亘って、外周筒部132の径方向内側に張り出すように設けられている。
【0161】
固定側コネクタ135は、車体に設けられた電気回路に接続された電気接続コネクタが接続される電気接続コネクタである。固定部136は、外周筒部132の外周面に、径方向外側に張り出すように設けられている。
【0162】
図28に示すように、ステータ130にロテータ120が組み付けられた状態では、ロテータ120がステータ130の外周筒部132の内部に嵌合して、ロテータ120の回転側リング板121の外周縁部の下面がステータ130のフランジ部132aの上面に係合する。また、上記の状態で、ロテータ120の中径筒部164がステータ130の固定側リング板131の中央の貫通孔131aに嵌合して、ロテータ120の上側段差部163がステータ130の固定側リング板131の上面の内周縁部に係合する。これにより、ロテータ120がステータ130に対して相対回転可能に取り付けられている。
【0163】
このように組み付けられたステータ130とロテータ120との間には、上述のフラットケーブルが収容される環状の収容空間Sが形成されている。収容空間Sは、内周筒部122、外周筒部132、回転側リング板121及び固定側リング板131で囲まれた空間である。
【0164】
上記のフラットケーブルは、複数枚が積層された状態で内周筒部122の外周面と外周筒部132の内周面とに沿って時計回り及び反時計回りに同数回ずつ巻回された状態で、収容空間Sに収容されている。上記のフラットケーブルの一端部は、回転側コネクタ124に電気接続され、上記のフラットケーブルの他端は、固定側コネクタ135に電気接続されている。なお、回転部材110を固定部材130に対して相対回転させたとき、フラットケーブルの時計回りの巻回数と反時計回りの巻回数とが同じになる回転部材110の回転位置を回転部材110の中立位置とする。
【0165】
図23及び図26に示すように、中立固定部材150は、ステータ130に対してロテータ120を中立位置に仮固定する部材であり、挿入孔Hの内周面において1つ以上(例えば1つ)配置される。中立固定部材150は、例えば軸線方向Yに沿った縦長形状に形成されている。中立固定部材150は、中立固定部材150の上部を構成する中立固定部材150hと、中立固定部材150の下部を構成してスリーブ140の後述の挿入孔146aに挿入される挿入部158と、スリーブ140の後述の被係合部172に係合する係合部152(第4係合部)と、ステータ130の係止部131bに係止して、固定部材130に対する回転部材110の相対回転を規制する規制部153とを備えている。
【0166】
中立固定部材150hは、例えば正面視矩形の略板状に形成されている。中立固定部材150hの上端部は、内側主面の側に屈曲して、ステアリンホイールの挿入凸部710が当接する当接部150aを構成している。中立固定部材150hの外側主面は、周方向に沿って外側に湾曲し、内側主面は平坦に形成されている。
【0167】
挿入部158は、中立固定部材150hの下端部において、挿入部158の横幅方向が周方向Wに沿い、且つ軸線方向Yに沿って中立固定部材150hの下方に突出し、且つ中立固定部材150hの外側主面の側にずれた状態で、設けられている。
【0168】
係合部152は、例えば、直方体形の柱状に形成され、中立固定部材150hの下端における横幅方向(即ち周方向W)の中央から、中立固定部材150hの内側主面に直交する方向(即ち回転部材110の径方向内側)に向かって突出するように設けられている。
【0169】
規制部153は、例えば、直方体状の棒状に形成され、挿入部158の上端部の幅方向の中央から中立固定部材150の外側主面に直交する方向に突出するように設けられている。係合部152及び規制部153は、互いの基端部が連結されて、互いに一体的に形成されている。
【0170】
図27に示すように、スリーブ140は、ロテータ120の小径筒部166の外周に嵌合する例えば円筒状の筒部141と、筒部141の外周面の上端から径方向外側に張り出した円環状の上端フランジ部142と、筒部141の内周面の下端から径方向内側に張り出した円環状の下端フランジ部143と、筒部141の下端から下方に延設された円弧状の延設部144とを備えている。延設部144は、例えば、筒部141の周方向Wに互いに間隔を空けて、対称的な位置に2つ設けられている。
【0171】
筒部141の内径は、ロテータ120の小径筒部166の外径と略同じ大きさであり、筒部141の軸線方向Yの長さは、小径筒部166の軸線方向Yの長さと略同じである。筒部141の内周面の上側には、中立固定部材150の規制部153の移動を案内する案内用凹部141aが設けられている。
【0172】
案内用凹部141aは、中立固定部材150の規制部153に対応する位置に設けられている。案内用凹部141aは、筒部141の軸線方向Yに沿って形成され、筒部141の上端で開放している。案内用凹部141aの下端41bは、中立固定部材150の移動範囲の下限位置(即ちロック解除位置)を規定している。
【0173】
下端フランジ部143には、ロテータ120の係止部122bが係止する被係止部171と、中立固定部材150の係合部152が係合する被係合部172(第4被係合部)と、係合部152の下側(即ちロック解除位置側)の端部を露出するための露出窓173が設けられている。
【0174】
被係止部171は、下端フランジ部143の上面の内周縁部において、ロテータ120の係止部122bに対応する位置に、軸線方向Yに立設されている。被係止部171は、例えば正面視矩形の板状に形成されており、その横幅の中央には、係止部122bが係止可能な係止孔が、被係止部171の厚さ方向に貫通して設けられている。上記の係止孔の下端は、下端フランジ部143の下面で開放している。
【0175】
被係合部172は、下端フランジ部143の上面の内周縁部において、中立固定部材150の係合部152に対応する位置に、軸線方向Yに立設されている。被係合部172は、一対の弾性片172aと、一対の弾性片172aの各々に設けられ、係合部152に係合する凸部172bとを備えている。
【0176】
一対の弾性片172aは、下端フランジ部143の上面において、軸線方向Yに立設されている。また、一対の弾性片172aは、中立固定部材150の係合部152における周方向(即ち軸線方向Yに直交する方向)Wの両側に配置するように、周方向Wに沿って互いに間隔を空けて対向して配置している。
【0177】
各凸部172bは、各弾性片172aの対向面の先端側において、対向方向に突出するように設けられている。各凸部172bの上側(即ちロック位置側)及び下側(即ちロック解除位置側)の各角部にはそれぞれ、例えば平坦面状に面取りされた面取部172c,173dが設けられている。なお、各面取部172c,173dは、例えば円弧状に湾曲した湾曲面であってもよい。
【0178】
上記のように、一対の弾性片172aが係合部152の周方向Wの両側に配置され、凸部172bが弾性片172aの対向面において対向方向に突出するように設けられることで、被係合部172は、周方向W(即ち軸線方向Yに直交する方向)の両側から係合部152に係合する。
【0179】
露出窓173は、下端フランジ部143における一対の弾性片172aの間の部分(即ち係合部152における下側(即ちロック解除位置側)の端部の前方を遮る部分)に設けられており、下端フランジ部143の厚さ方向に貫通している。
【0180】
また、スリーブの内周面(例えば筒部141の内周面)には、中立固定部材150の挿入部158が挿入される挿入孔146aを有する取付部146(中立固定部材用挿入孔)が設けられている。
【0181】
取付部146は、筒部141の内周面において、中立固定部材150の挿入部158に対応する箇所に、筒部141の内側に張り出した状態で設けられている。各取付部146は、筒部141の内周面において、案内用凹部141aの下側に設けられている。取付部146の上面は、案内用凹部141aの下端41bに対して平坦になっている。
【0182】
筒部141の内周面には、各案内用凹部141aに重なるように、凹部149が設けられている。凹部149は、筒部141の内周面において、取付部146の横幅と同じ横幅で、取付部146の上面と同じ高さ位置から筒部141の上端まで軸線方向Yに沿って延設されている。案内用凹部141aは、凹部149の底面に設けられている。凹部149によって、取付部146の上面が、筒部141の径方向外側に拡幅されている。
【0183】
取付部146の上面には、中立固定部材150の挿入部158が挿入される挿入孔146aが設けられている。挿入孔146aは、挿入部158が嵌挿可能な形状に形成されると共に周方向Wに沿った横長の開口を有している。挿入孔146aは、取付部146の上面から下端フランジ部143の下面まで、軸線方向Yに沿って貫通している。
【0184】
中立固定部材150の挿入部158は、スリーブ140の挿入孔146aの上側から挿入孔146aに挿入方向(即ち軸線方向Y)に移動可能に挿入される。これにより、中立固定部材150は、スリーブ140(即ち回転部材110)に対して軸線方向Yに沿って相対移動可能に取り付けられている。
【0185】
図28及び図29に示すように、スリーブ140は、筒部141の上端がロテータ120の下側段差部165に当接するまで、筒部141の内部にロテータ120の小径筒部166が嵌挿された状態で、ロテータ120に取り付けられている。この取付状態では、ロテータ120の係止部122bは、スリーブ140の被係止部171に係止しており、これにより、スリーブ140がロテータ120に対して一体回転可能に固定されている。
【0186】
また、上記の取付状態では、スリーブ140の上端フランジ部142が、ステータ130の固定側リング板131の内周縁部を挟んでロテータ120の上側段差部163に対向配置している。換言すれば、上側段差部163、中径筒部164及び上端フランジ部142によって断面凹状の溝部が構成され、その溝部内に固定側リング板131の内周縁部が嵌合している。これにより、上端フランジ部142によって、ステータ130がスリーブ140側に抜けることが禁止されている。
【0187】
また、図29及び図31(a)に示すように、上記の取付状態では、スリーブ140の案内用凹部141aが、ロテータ120の案内用切欠部122cに重なって配置しており、これにより、案内用切欠部122cの上側と案内用凹部141aとで、中立固定部材150の規制部153の移動範囲(即ち中立固定部材150の移動範囲)をロック位置とロック解除位置との間に制限するガイド部が形成されている。規制部153の移動範囲は、軸線方向Yに延びている。
【0188】
また、図30(a)及び図31(a)に示すように、上記の取付状態では、係合部152の下部が、被係合部172の各凸部172bの上側の面取部172cに係合している。換言すれば、係合部152の下部が被係合部172の各凸部172bの上側の面取部172cによって周方向Wの両側から狭持されている。これにより、被係合部172によって、中立固定部材150がロック位置(即ち案内用切欠部122cの上端122u)に位置するように支持されている。換言すれば、中立固定部材150がロック位置に仮固定されている。
【0189】
なお、中立固定部材150がロック位置に仮固定された状態では、中立固定部材150の当接部150aがロテータ120の上側段差部163よりも上側に突出している(図28)。また、中立固定部材150の規制部153がステータ130の係止部131bに係止しており(図31(a))、これにより、回転部材110の回転位置が中立位置に位置した状態で、固定部材130に対する回転部材110の相対回転がロックされている。
【0190】
次に、図28図29図30(b)及び図31(b)を参照して、ロテータ120の内周筒部122(即ち回転部材110の挿入孔H)にステアリングホイールの挿入凸部710が挿入されたときの中立固定部材150の動作を説明する。
ロテータ120の内周筒部122にステアリングホイールの挿入凸部710が挿入されていない状態では、上述のように、中立固定部材150がロック位置に仮固定されている。この仮固定状態では、中立固定部材150の当接部150aがロテータ120の上側段差部163よりも上側に突出すると共に、回転部材110の回転位置が中立位置に位置した状態で、固定部材130に対する回転部材110の相対回転がロックされている。
【0191】
上記のロック状態で、ロテータ120の内周筒部122にステアリングホイールの挿入凸部710(図28)が挿入されると、その挿入凸部710によって、中立固定部材150の当接部150aが上側段差部163の上面の高さまで押し込まれる。この結果、挿入部158が挿入孔146a内を挿入方向に沿って下方に移動して、中立固定部材150がロック位置からロック解除位置に移動する。
【0192】
図30(b)及び図31(b)に示すように、この移動に伴って、係合部152の下部が被係合部172の各凸部172bの上側の面取部172cに係合する状態から、係合部152が被係合部172の各弾性片172aを周方向Wの両側に弾性的に押し倒しながら被係合部172の各凸部172bの間を通過して、係合部152の上部が被係合部172の各凸部172bの下側の面取部172dに係合する状態(即ち係合部152の上部が被係合部172の各凸部172bの下側の面取部172dによって狭持された状態)に移行する。このように、係合部152の上部が被係合部172の各凸部172bの下側の面取部172dに係合することで、中立固定部材150がロック解除位置に仮固定される。
【0193】
中立固定部材150をロック解除位置からロック位置に戻す場合は、先ず、ステアリングホイールを回転操作して回転部材110を中立位置に合わせた後、ステアリンホイールの挿入凸部710をロテータ120の内周筒部122から取り外す。そして、この取外状態で、図31(b)に示すように、細長の棒810を、スリーブ140の下端開口側(即ちロック解除位置側)から露出窓173に差し込んで、係合部152を上側(即ちロック位置側)に押圧する。
【0194】
これにより、係合部152の上部が被係合部172の各凸部172bの下側の面取部172dに係合する状態から、係合部152が被係合部172の各凸部172bの間を通って、係合部152の下部が被係合部172の各凸部172bの上側の面取部172cに係合する状態(図30(a))に移行する。この結果、中立固定部材150がロック解除位置からロック位置に戻されてロック位置に仮固定される。
【0195】
以上、この実施形態に係る回転コネクタ装置100によれば、固定部材(即ちステータ)30と、固定部材130に相対回転可能に取り付けられ、ステアリングホイールの挿入凸部710が挿入される挿入孔H(ステアリングホイール用挿入孔)を有する回転部材110(即ちロテータ120及びスリーブ140)と、回転部材110に対してロック位置とロック解除位置との間で移動可能に設けられ、ロック位置では、固定部材130に係止することで回転部材110の相対回転を規制し、ロック解除位置では、前記規制を解除し、挿入孔Hに挿入された挿入凸部710に押圧されることでロック位置からロック解除位置に移動する中立固定部材150とが備えられ、中立固定部材150は、前記回転部材の軸線方向に延びた縦長状に形成され、下部が挿入部158を構成し、回転部材110には、軸線方向Yに延在した挿入孔146a(中立固定部材用挿入孔)が設けられ、挿入部158は、挿入孔146aに軸線方向Yに移動可能に挿入され、中立固定部材150には、係合部152が設けられ、回転部材110(例えばスリーブ140)には、被係合部172が設けられ、被係合部172が、軸線方向Yに直交する方向(即ち周方向W)の両側から係合部152に係合することで、中立固定部材150がロック位置に仮固定される。
【0196】
この構成により、中立固定部材150には係合部152が設けられ、回転部材110には被係合部172が設けられ、被係合部172が、軸線方向Yに直交する方向の両側から係合部152に係合することで、中立固定部材150がロック位置に仮固定されるため、中立固定部材150をロック位置に仮固定するために中立固定部材150をロック位置側に付勢するための巻きバネを省略することができる。この結果、部品点数を削減できて組立作業性を向上させることができる。
【0197】
特に、被係合部172が、軸線方向Yに直交する方向(即ち周方向W)の両側から係合部152に係合するため、ステアリングホイールの挿入凸部710が回転部材110の挿入孔Hに挿入されたときに、係合部152及び被係合部172が邪魔になって、中立固定部材150のロック位置からロック解除位置への移動が阻害されることを防止することができる。また、中立固定部材150における軸線方向Yに直交する方向のガタつきを抑制することができる。
【0198】
また、係合部152(第4係合部)は、中立固定部材150において径方向に突出した状態で設けられるため、係合部152を簡単な構造で設けることができる。
【0199】
また、回転部材110の挿入孔H(ステアリングホイール用挿入孔)の内周面(例えば筒部141の内周面)には、径方向内側に張り出した下端フランジ部143(フランジ部)が設けられ、被係合部172(第4被係合部)は、下端フランジ部143において軸線方向Yに立設されているため、簡素な構造で、被係合部172を、軸線方向Yに向けて立設させることができる。
【0200】
また、中立固定部材150には、係合部152から固定部材(即ちステータ)30の側に突出した規制部153が延設されているため、規制部153及び係合部152を一箇所にまとめて配置でき、中立固定部材150の構造を簡素化することができる。
【0201】
なお、この実施形態では、中立固定部材150に係合部152が設けられ、回転部材110(例えばスリーブ140)に被係合部172が設けられたが、中立固定部材150に被係合部172が設けられ、回転部材110に係合部152が設けられてもよい。下記の変形例7〜11においても同様である。
【0202】
<変形例7>
上記の実施形態では、係合部152は、周方向Wの両側の側面が平坦に形成されたが、例えば、図32(a)(b)に示すように、係合部152は、軸線方向Yに沿った縦長の例えば略直方体形に形成され、その周方向Wの両側の側面に、被係合部172の各凸部172bが嵌合可能な凹部152aが設けられてもよい。
【0203】
この場合、中立固定部材150がロック位置に位置する場合は、上記の実施形態と同様に、係合部152の下部が被係合部172の各凸部172bの上側の面取部172cと係合する(図32(a))。また、中立固定部材150がロック解除位置に位置する場合は、係合部152の両側の凹部152aに被係合部172の各凸部172bが嵌合する(図32(b))。
【0204】
この変形例によれば、中立固定部材150がロック解除位置に位置する状態で、凸部172bが凹部152aに嵌合するため、中立固定部材150における周方向W(即ち軸線方向Yに直交する方向)のガタつきだけでなく、軸線方向Yのガタつきも抑制することができる。
【0205】
以下、図33図38を参照して、上記の実施形態の挿入部158の変形例を説明する。
【0206】
<変形例8>
図33(a)(b)に示す変形例では、挿入部158は、正面視環状(例えば矩形環状)に形成されている。挿入部158には、正面視両側の部位の各々の正面視外側の面に、他の係合部188(第5係合部)が設けられている。各他の係合部188は、凸状(例えば正面視三角形状)に形成されている。
【0207】
図34(a)に示すように、この変形例の取付部146の挿入孔146aの内周面には、周方向Wの両側面の上端側に、他の係合部188が係合する凸状(例えば正面視三角形状)の他の被係合部147(第5被係合部)が設けられている。挿入部158は、両側の他の係合部188が挿入孔146aの中で周方向Wに並ぶように、挿入孔146aに挿入される。
【0208】
この変形例では、上記の実施形態と同様に、係合部152と被係合部172との係合により、中立固定部材150がロック位置及びロック解除位置に仮固定されると共に、後述するように、挿入部158の他の係合部188と挿入孔146aの他の被係合部147の係合によっても、中立固定部材150がロック位置及びロック解除位置に仮固定される。
【0209】
即ち、図34(a)に示すように、中立固定部材150がロック位置に位置する状態では、挿入部158が挿入孔146aの両側の他の被係合部147の間に挟まり、他の係合部188の下側の斜面188bが他の被係合部147の上側の斜面147bに係合し、これによっても、中立固定部材150がロック位置に仮固定されている。そして、中立固定部材150がロック位置からロック解除位置に移動すると、各他の被係合部147によって環状の挿入部158が横幅方向内側に弾性変形され、図34(b)に示すように、他の係合部188の上側の斜面188aが他の被係合部147の下側の斜面147cに係合し、これによっても、中立固定部材150がロック解除位置に仮固定されている。
【0210】
以上、図33の変形例によれば、他の係合部188(第5係合部)及び他の被係合部147(第5被係合部)は、挿入部158と挿入孔146a(中立固定部材用挿入孔)の間の隙間を利用して配置されるため、他の係合部188及び他の被係合部147の配置場所を別に確保する必要がなくなる。
【0211】
また、挿入部158は環状に形成されるため、直径方向に弾性的に変形可能であり、他の係合部188(第6係合部)は、環状の挿入部158の正面視両側の部位の各々の正面視外側に設けられるため、他の係合部188と他の被係合部147とが弾性的に係合できると共に、中立固定部材150のガタつき(特に挿入部158の正面視幅方向(周方向W)のガタつき)を抑制することができる。
【0212】
<変形例9>
図35(a)(b)に示す変形例では、挿入部158は、略逆さU字状に形成されている。即ち挿入部158は、中立固定部材150hの下側端部において、横幅方向(即ち周方向W)に沿って延在すると共に外側主面の側(即ち回転部材110の径方向外側)にずれた状態で設けられた例えば横長な直方体の連結部181と、連結部181の長手方向(即ち周方向W)の両端から軸線方向Yの下方に向かって延設され、連結部181の長手方向に沿って互いに間隔を空けて対向配置した一対の弾性片182とを備えている。一対の弾性片182の各々の対向方向外側の面には、例えば弾性片182の長手方向の中央付近に、凸状(例えば正面視三角形状)の他の係合部183(第6係合部)が設けられている。
【0213】
図36(a)に示すように、この変形例でも、変形例8と同様に、取付部146の挿入孔146aの内周面には、周方向Wの両側面の上端側に、他の係合部183が係合する凸状(例えば正面視三角形状)の他の被係合部147(第6被係合部)が設けられている。挿入部158は、一対の弾性片182が挿入孔146aの中で周方向Wに並ぶように、挿入孔146aに挿入される。
【0214】
また、この変形例でも、変形例8と同様に、中立固定部材150がロック位置に位置する状態では、挿入部158の一対の弾性片182が挿入孔146aの両側の他の被係合部147の間に挟まり、他の係合部183の下側の斜面183bが他の被係合部147の上側の斜面147bに係合し、これによっても、中立固定部材150がロック位置に仮固定されている。そして、中立固定部材150がロック位置からロック解除位置に移動すると、図36(b)に示すように、他の係合部183の上側の斜面183aが他の被係合部147の下側の斜面147cに係合し、これによっても、中立固定部材150がロック解除位置に仮固定されている。
以上、この変形例によっても、変形例8と同様の効果を得る。
【0215】
<変形例10>
図37(a)(b)に示す変形例は、変形例9において、中立固定部材150から係合部152を省略すると共に(図37(b)の点線の丸Qで囲んだ部分)、スリーブ140から被係合部172を省略したものである。この変形例によっても、変形例9と同様の効果を得る。なお、この変形例を変形例8に適用してもよい。
【0216】
<変形例11>
図38(a)に示す変形例は、変形例9において、挿入部158において、両側の係合部183の間に押圧部184が設けられたものである。押圧部184は、挿入部158の連結部181において、例えば一対の弾性片182の間に、軸線方向Yの下側に向かって立設されている。押圧部184は、連結部181に立設された弾性片184aと、弾性片184aの先端における中立固定部材150hの外側主面の側に設けられた凸部184bとを備えている。
【0217】
この変形例では、挿入部158が挿入孔146aに挿入された状態で、凸部184bが、挿入孔146aの内周面のうち押圧部184の正面に対向する部位を押圧する。これにより、中立固定部材150における押圧部184の正面方向のガタつき(即ち回転部材110の径方向のガタつき)を抑制することができる。
【0218】
なお、押圧部184を変形例8の挿入部158に適用してもよい。図38(b)及び(c)は、変形例8の挿入部158に押圧部184を設けた場合のバリエーションを示す斜視図である。図38(b)では、押圧部184は、環状の挿入部158の内周面の底面に、両側の他の係合部188の間に配置するように、立設されている。図38(c)では、押圧部184の弾性片184aが、環状の挿入部158の内周面の底面と天井面との間に跨るように設けられ、その弾性片184aの長手方向の中央に凸部184bが設けられている。図38(b)及び(c)の変形例においても、変形例11と同様の効果を得る。
【0219】
この発明は、上述の実施形態及び変形例の構成のみに限定されるものではなく、上述の実施形態及び変形例の組み合わせも含み、多くの実施の形態を得ることができる。
【符号の説明】
【0220】
1、100…回転コネクタ装置
20、120…ロテータ(回転部材)
22a…嵌合凸部
30、130…ステータ(固定部材)
40、140…スリーブ
45,73、173…露出窓
46、146…取付部
46a、146a…挿入孔(中立固定部材用挿入孔)
47、147…他の被係合部(被係合部)
50、150…中立固定部材
51a…上壁部(壁部)
52、152…係合部
52a、152a…凹部
53、153…規制部
54、154…嵌合凹溝部
58、158…挿入部
72、172…被係合部
72a、172a…弾性片
72b、172b…凸部
72c,72d、172c、172d…面取部
72e、172e…他の凸部
82、182…弾性片
83、183…他の係合部(係合部)
84、184…押圧部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38

【手続補正書】
【提出日】2019年7月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0140
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0140】
この変形例の取付部46の挿入孔46aの内周面には、周方向Wの両側面の上端側に、他の係合部83が係合する凸状(例えば正面視三角形状)の他の被係合部47が設けられている。挿入部58は、一対の弾性片82が挿入孔46aの中で周方向Wに並ぶように、挿入孔46aに挿入される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0143
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0143】
以上、この変形例によれば、他の係合部83(第3係合部)及び他の被係合部47(第3被係合部)は、挿入部58と挿入孔46a(中立固定部材用挿入孔)の間の隙間を利用して配置されるため、他の係合部83及び他の被係合部47の配置場所を別に確保する必要がなくなる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0172
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0172】
案内用凹部141aは、中立固定部材150の規制部153に対応する位置に設けられている。案内用凹部141aは、筒部141の軸線方向Yに沿って形成され、筒部141の上端で開放している。案内用凹部141aの下端141bは、中立固定部材150の移動範囲の下限位置(即ちロック解除位置)を規定している。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0181
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0181】
取付部146は、筒部141の内周面において、中立固定部材150の挿入部158に対応する箇所に、筒部141の内側に張り出した状態で設けられている。各取付部146は、筒部141の内周面において、案内用凹部141aの下側に設けられている。取付部146の上面は、案内用凹部141aの下端141bに対して平坦になっている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0195
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0195】
以上、この実施形態に係る回転コネクタ装置100によれば、固定部材(即ちステータ)130と、固定部材130に相対回転可能に取り付けられ、ステアリングホイールの挿入凸部710が挿入される挿入孔H(ステアリングホイール用挿入孔)を有する回転部材110(即ちロテータ120及びスリーブ140)と、回転部材110に対してロック位置とロック解除位置との間で移動可能に設けられ、ロック位置では、固定部材130に係止することで回転部材110の相対回転を規制し、ロック解除位置では、前記規制を解除し、挿入孔Hに挿入された挿入凸部710に押圧されることでロック位置からロック解除位置に移動する中立固定部材150とが備えられ、中立固定部材150は、前記回転部材の軸線方向に延びた縦長状に形成され、下部が挿入部158を構成し、回転部材110には、軸線方向Yに延在した挿入孔146a(中立固定部材用挿入孔)が設けられ、挿入部158は、挿入孔146aに軸線方向Yに移動可能に挿入され、中立固定部材150には、係合部152が設けられ、回転部材110(例えばスリーブ140)には、被係合部172が設けられ、被係合部172が、軸線方向Yに直交する方向(即ち周方向W)の両側から係合部152に係合することで、中立固定部材150がロック位置に仮固定される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0200
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0200】
また、中立固定部材150には、係合部152から固定部材(即ちステータ)130の側に突出した規制部153が延設されているため、規制部153及び係合部152を一箇所にまとめて配置でき、中立固定部材150の構造を簡素化することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図33
【補正方法】変更
【補正の内容】
図33
【国際調査報告】