特表-18163570IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年9月13日
【発行日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】内視鏡システム及びその作動方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/045 20060101AFI20191129BHJP
   A61B 1/015 20060101ALI20191129BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20191129BHJP
   A61B 1/12 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   A61B1/045 618
   A61B1/045 622
   A61B1/015 512
   A61B1/00 513
   A61B1/045 617
   A61B1/12 521
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】35
【出願番号】特願2019-504342(P2019-504342)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年12月25日
(31)【優先権主張番号】特願2017-41221(P2017-41221)
(32)【優先日】2017年3月6日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001988
【氏名又は名称】特許業務法人小林国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 麻依子
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161BB02
4C161CC06
4C161DD03
4C161FF38
4C161FF39
4C161HH05
4C161HH08
4C161HH51
4C161JJ17
4C161LL02
4C161MM05
4C161NN01
4C161NN05
4C161QQ02
4C161QQ07
4C161QQ09
4C161RR04
4C161RR14
4C161RR18
4C161RR26
4C161SS22
4C161WW02
4C161WW04
4C161WW07
4C161WW08
4C161WW15
4C161WW18
(57)【要約】
残液に関する情報を取得して、残液の除去を効率的に行う内視鏡システム及びその作動方法を提供する。複数の波長帯域の画像信号に基づいて、観察対象の光散乱特性もしくは光吸収特性に関する情報であって、特定の生体情報に依存しないベースライン情報を算出する。ベースライン情報を評価する基準である基準ベースライン情報に、ベースライン情報を合わせるためのベースライン補正値を算出する。ベースライン補正値から観察対象に含まれる残液に関する残液情報を算出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、光源から出射された照明光が照射された観察対象を撮像する内視鏡と、システム制御及び画像処理を行うプロセッサ装置と、を備える内視鏡システムであって、
前記観察対象を撮像して得られる複数の波長帯域の画像信号を取得する画像信号取得部と、
前記複数の波長帯域の画像信号に基づいて、前記観察対象の光散乱特性もしくは光吸収特性に関する情報であって、特定の生体情報に依存しないベースライン情報を算出するベースライン情報算出部と、
前記ベースライン情報を評価する基準である基準ベースライン情報を予め記憶する基準ベースライン情報記憶部と、
前記ベースライン情報を前記基準ベースライン情報に合わせるためのベースライン補正値を算出するベースライン補正値算出部と、
前記ベースライン補正値から前記観察対象に含まれる残液に関する残液情報を算出する残液情報算出部と、を備える内視鏡システム。
【請求項2】
前記残液情報の分布を示す第1残液画像を生成する第1残液画像生成部を備える請求項1記載の内視鏡システム。
【請求項3】
前記残液情報を数値又はインジケータによって示す第2残液画像を生成する第2残液画像生成部を備える請求項1または2記載の内視鏡システム。
【請求項4】
前記特定の生体情報を算出する生体情報算出部と、
前記残液情報を前記特定の生体情報の算出精度に変換する生体情報算出精度変換部とを備える請求項1ないし3いずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項5】
前記残液情報に応じて、前記残液の除去を促す残液除去ガイダンス画像を生成する残液除去ガイダンス画像生成部を備える請求項1ないし4いずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項6】
前記残液情報に応じて、前記残液を除去するための残液除去部に対して、前記残液の除去を指示する残液除去指示部を備える請求項1ないし5いずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項7】
前記残液除去指示部は、前記残液情報に応じて、残液除去条件を設定する請求項6記載の内視鏡システム。
【請求項8】
前記残液情報算出部は、前記残液情報として、前記残液の残液量を算出する残液量算出部を含む請求項1ないし7いずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項9】
前記残液量算出部は、前記ベースライン補正値が大きいほど、前記残液量を大きくして算出する請求項8記載の内視鏡システム。
【請求項10】
前記残液を除去するための残液除去部を備え、
前記残液情報算出部は、前記残液を除去する前の残液除去前残液量と前記残液を除去した後の残液除去後残液量を算出し、前記残液除去前残液量と前記残液除去後残液量から、前記残液情報として、前記残液の除去率及び/又は前記残液の残存率を算出する残液除去率残存率算出部を含む請求項1ないし9いずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項11】
前記残液除去部は、送水、送気、又は吸引の少なくともいずれかにより前記残液を除去する請求項6または10記載の内視鏡システム。
【請求項12】
前記複数の波長帯域の画像信号は、前記特定の生体情報の変化に応じて吸光量が変化する第1波長帯域に対応する第1画像信号と、前記第1波長帯域と異なる波長帯域であって、前記特定の生体情報の変化以外の要因に応じて吸光量が変化する第2波長帯域に対応する第2画像信号と、前記第1波長帯域及び前記第2波長帯域よりも長波長であり、且つ血液量に応じて吸光量が変化する第3波長帯域に対応する第3画像信号と、前記第3波長帯域よりも長波長の第4波長帯域に対応する第4画像信号を含む請求項1ないし11いずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項13】
前記第1画像信号、前記第2画像信号、前記第3画像信号、前記第4画像信号は、前記観察対象をマルチフレームによって撮像して得られる請求項12記載の内視鏡システム。
【請求項14】
前記特定の生体情報とは、前記観察対象に含まれるヘモグロビン色素の濃度に応じて変化する請求項1ないし13いずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項15】
前記特定の生体情報とは、酸素飽和度、血管密度、血管深さ、血管太さ、血液濃度のいずれかである請求項14記載の内視鏡システム。
【請求項16】
前記ベースライン情報は、前記観察対象に含まれるヘモグロビン以外の色素の濃度に応じて変化する情報である請求項1ないし15いずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項17】
前記ヘモグロビン以外の色素は、生体内に含まれ、又は内視鏡観察時に使用される色素である請求項16記載の内視鏡システム。
【請求項18】
前記ヘモグロビン以外の色素とは、黄色色素、青紫系統の色素、褐色系色素、又は白色色素の少なくともいずれかを含む請求項17記載の内視鏡システム。
【請求項19】
前記黄色色素はビリルビン又はステルコビリンであり、前記青紫系統の色素はインジゴカルミン又はクリスタルバイオレットであり、前記褐色系色素はルゴールであり、前記白色色素は酢酸である請求項18記載の内視鏡システム。
【請求項20】
前記基準ベースライン情報は、前記ヘモグロビン以外の色素の影響が無い場合に取得したベースライン情報である請求項1ないし19いずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項21】
光源と、光源から出射された照明光が照射された観察対象を撮像する内視鏡と、システム制御及び画像処理を行うプロセッサ装置と、を備える内視鏡システムの作動方法であって、
画像信号取得部は、前記観察対象を撮像して得られる複数の波長帯域の画像信号を取得するステップと、
ベースライン情報算出部は、前記複数の波長帯域の画像信号に基づいて、前記観察対象の光散乱特性もしくは光吸収特性に関する情報であって、特定の生体情報に依存しないベースライン情報を算出するステップと、
ベースライン補正値算出部が、前記ベースライン情報を評価する基準である基準ベースライン情報に、前記ベースライン情報を合わせるためのベースライン補正値を算出するステップと、
残液情報算出部は、前記ベースライン補正値から前記観察対象に含まれる残液に関する残液情報を算出するステップとを有する内視鏡システムの作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素飽和度などの生体機能情報を使用する内視鏡システム及びその作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野においては、光源装置、内視鏡、及びプロセッサ装置を備える内視鏡システムを用いて診断することが一般的になっている。特に、単に観察対象を撮像するだけでなく、観察対象に照射する照明光の波長を工夫したり、観察対象を撮像して得た画像信号に分光推定処理等の信号処理を施したりすることによって、血管または腺管構造等の特定の組織または構造を強調した観察画像を得る内視鏡システムが普及している。
【0003】
また、近年においては、観察対象を撮像して得られる画像信号に基づいて、生体機能情報を計測し、この生体機能情報を診断時に利用することが行われている。例えば、ガンなどの病変部は低酸素状態となることが知られているため、生体機能情報の中でも酸素飽和度を計測して診断に用いることによって、病変部の検出が容易になる(特許文献1、2参照)。しかしながら、観察対象においてビリルビンやステルコビリン等の黄色色素を含む残液が存在する場合には、それら残液が生体機能情報の計測精度に影響を及ぼすことが知られている。これに対して、特許文献1では、黄色色素が観察対象に付着している状況下においても、酸素飽和度を正確に算出できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−177961号公報
【特許文献2】特開2011−194028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、観察対象において黄色色素などの残液がある場合には、ユーザーが送水して残液を除去するようにしている。しかしながら、酸素飽和度などの生体機能情報の計測精度を十分に得るために、どの程度まで残液の除去を行えばよいかが分からないと、残液の除去に必要以上の時間をかけてしまうことが起り得る。この場合には、内視鏡の検査時間の増加につながり、患者に負担をかけてしまうことになる。
【0006】
本発明は、残液に関する情報を取得して、残液の除去を効率的に行う内視鏡システム及びその作動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の内視鏡システムは、光源と、光源から出射された照明光が照射された観察対象を撮像する内視鏡と、システム制御及び画像処理を行うプロセッサ装置と、を備える内視鏡システムであって、観察対象を撮像して得られる複数の波長帯域の画像信号を取得する画像信号取得部と、複数の波長帯域の画像信号に基づいて、観察対象の光散乱特性もしくは光吸収特性に関する情報であって、特定の生体情報に依存しないベースライン情報を算出するベースライン情報算出部と、ベースライン情報を評価する基準である基準ベースライン情報を予め記憶する基準ベースライン情報記憶部と、ベースライン情報を基準ベースライン情報に合わせるためのベースライン補正値を算出するベースライン補正値算出部と、ベースライン補正値から観察対象に含まれる残液に関する残液情報を算出する残液情報算出部とを備える。
【0008】
残液情報の分布を示す第1残液画像を生成する第1残液画像生成部を備えることが好ましい。残液情報を数値又はインジケータによって示す第2残液画像を生成する第2残液画像生成部を備えることが好ましい。特定の生体情報を算出する生体情報算出部と、残液情報を特定の生体情報の算出精度に変換する生体情報算出精度変換部とを備えることが好ましい。残液情報に応じて、残液の除去を促す残液除去ガイダンス画像を生成する残液除去ガイダンス画像生成部を備えることが好ましい。残液情報に応じて、残液を除去するための残液除去部に対して、残液の除去を指示する残液除去指示部を備えることが好ましい。残液除去指示部は、残液情報に応じて、残液除去条件を設定することが好ましい。
【0009】
残液情報算出部は、残液情報として、残液の残液量を算出する残液量算出部を含むことが好ましい。残液量算出部は、ベースライン補正値が大きいほど、残液量を大きくして算出することが好ましい。残液を除去するための残液除去部を備え、残液情報算出部は、残液を除去する前の残液除去前残液量と残液を除去した後の残液除去後残液量を算出し、残液除去前残液量と残液除去後残液量から、残液情報として、残液の除去率及び/又は残液の残存率の少なくとも一方を算出する残液除去率残存率算出部を含むことが好ましい。残液除去部は、送水、送気、又は吸引の少なくともいずれかにより残液を除去することが好ましい。
【0010】
複数の波長帯域の画像信号は、特定の生体情報の変化に応じて吸光量が変化する第1波長帯域に対応する第1画像信号と、第1波長帯域と異なる波長帯域であって、特定の生体情報の変化以外の要因に応じて吸光量が変化する第2波長帯域に対応する第2画像信号と、第1波長帯域及び第2波長帯域よりも長波長であり、且つ血液量に応じて吸光量が変化する第3波長帯域に対応する第3画像信号と、第3波長帯域よりも長波長の第4波長帯域に対応する第4画像信号を含むことが好ましい。第1画像信号、第2画像信号、第3画像信号、第4画像信号は、観察対象をマルチフレームによって撮像して得られることが好ましい。
【0011】
特定の生体情報とは、観察対象に含まれるヘモグロビン色素の濃度に応じて変化することが好ましい。特定の生体情報とは、酸素飽和度、血管密度、血管深さ、血管太さ、血液濃度のいずれかであることが好ましい。ベースライン情報は、観察対象に含まれるヘモグロビン以外の色素の濃度に応じて変化する情報であることが好ましい。ヘモグロビン以外の色素は、生体内に含まれ、又は内視鏡観察時に使用される色素であることが好ましい。ヘモグロビン以外の色素とは、黄色色素、青紫系統の色素、褐色系色素、又は白色色素の少なくともいずれかを含むことが好ましい。黄色色素はビリルビン又はステルコビリンであり、青紫系統の色素はインジゴカルミン又はクリスタルバイオレットであり、褐色系色素はルゴールであり、白色色素は酢酸であることが好ましい。基準ベースライン情報は、ヘモグロビン以外の色素の影響が無い場合に取得したベースライン情報であることが好ましい。
【0012】
本発明の内視鏡システムの作動方法は、光源と、光源から出射された照明光が照射された観察対象を撮像する内視鏡と、システム制御及び画像処理を行うプロセッサ装置と、を備える内視鏡システムの作動方法であって、画像信号取得部は、観察対象を撮像して得られる複数の波長帯域の画像信号を取得するステップと、ベースライン情報算出部は、複数の波長帯域の画像信号に基づいて、観察対象の光散乱特性もしくは光吸収特性に関する情報であって、特定の生体情報に依存しないベースライン情報を算出するステップと、ベースライン補正値算出部が、ベースライン情報を評価する基準である基準ベースライン情報に、ベースライン情報を合わせるためのベースライン補正値を算出するステップと、残液情報算出部は、ベースライン補正値から観察対象に含まれる残液に関する残液情報を算出するステップとを有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、残液に関する情報を取得して、残液の除去を効率的に行う。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】内視鏡システムの外観図である。
図2】内視鏡の先端部における先端面を示す平面図である。
図3】第1実施形態の内視鏡システムの機能を示すブロック図である。
図4】撮像センサの分光感度を示すグラフである。
図5】通常モードにおける照明光の発光及び観察対象の撮像を示す説明図である。
図6】酸素飽和度モードにおける照明光の発光及び観察対象の撮像を示す説明図である。
図7】キャリブレーションモードにおける照明光の発光及び観察対象の撮像を示す説明図である。
図8】酸素飽和度画像生成部の機能を示すブロック図である。
図9】縦軸がLog(B1/G2)、横軸がLog(R2/G2)である第1特徴空間における酸素飽和度の等値線の位置を示すグラフである。
図10】酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの吸光係数を示すグラフである。
図11】酸素飽和度の算出方法を示す説明図である。
図12】キャリブレーション用処理部の機能を示すブロック図である。
図13】黄色色素の吸光係数を示すグラフである。
図14】縦軸が第2演算値、横軸がLog(Rs/Gr)である第2特徴空間における基準線と実測線の位置を示すグラフである。
図15】ベースライン補正値と残液量との関係を示すグラフである。
図16】観察対象における残液領域Raを示す画像図である。
図17】残液除去前残液量と残液除去後残液量を示す棒グラフである。
図18】第1残液画像を示す画像図である。
図19】第2残液画像を示す画像図である。
図20】酸素飽和度の算出精度を示す画像図である。
図21】残液除去ガイダンス画像を示す画像図である。
図22】自動除去中である旨のメッセージが表示された画像図である。
図23】残液除去率残存率算出モードの一連の流れを示すフローチャートである。
図24】第2実施形態の内視鏡システムの機能を示すブロック図である。
図25】回転フィルタの平面図である。
図26】第3実施形態の内視鏡システムの機能を示すブロック図である。
図27】広帯域光のスペクトルを示すグラフである。
図28】青緑色レーザ光のスペクトルを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1実施形態]
図1において、内視鏡システム10は、内視鏡12と、光源装置14と、プロセッサ装置16と、モニタ18と、コンソール19とを有する。内視鏡12は、光源装置14と光学的に接続されるとともに、プロセッサ装置16と電気的に接続される。内視鏡12は、観察対象の体内に挿入可能な挿入部12aと、挿入部12aの基端部分に設けられた操作部12bと、挿入部12aの先端側に設けられた湾曲部12c及び先端部12dとを有している。湾曲部12cは、操作部12bのアングルノブ12eを操作することにより湾曲動作する。先端部12dは、湾曲部12cの湾曲動作によって所望の方向に向けられる。
【0016】
また、操作部12bには、アングルノブ12eの他、観察モードの切り替え操作に用いるモード切替SW(モード切替スイッチ)12fと、観察対象の静止画の取得指示に用いられる静止画取得指示部12gと、先端部12dからエアまたは水を噴出するための送気送水ボタン12hと、観察対象上の残液などを吸引するための吸引ボタン12iが設けられている。
【0017】
なお、内視鏡システム10は、通常モード、酸素飽和度モード、キャリブレーションモードの3つの観察モードを有している。通常モードは、照明光に白色光を用いて観察対象を撮像して得た自然な色合いの画像(以下、通常画像という)をモニタ18に表示する。酸素飽和度モードは、観察対象を撮像して得られる画像信号と酸素飽和度との相関関係を用いて、観察対象の酸素飽和度を測定するとともに、測定した酸素飽和度を擬似カラーなどで画像化した画像(以下、酸素飽和度画像という)をモニタ18に表示する。
【0018】
キャリブレーションモードは、観察対象に含まれる残液の残液量を算出して、算出した残液の残液量から残液の除去率残存率などを求める残液除去率残存率モードと、酸素飽和度の算出に用いる相関関係を補正する相関関係補正モードとを備えており、これら2つのモードもモード切替SW(モード切替スイッチ)12fによって切り替えられる。
【0019】
プロセッサ装置16は、モニタ18及びコンソール19と電気的に接続される。モニタ18は、観察対象の画像や、観察対象の画像に付帯する情報などを出力表示する。コンソール19は、機能設定などの入力操作を受け付けるユーザインタフェースとして機能する。なお、プロセッサ装置16には、画像や画像情報などを記録する外付けの記録部(図示省略)を接続してもよい。
【0020】
図2に示すように、内視鏡の先端部12dの先端面においては、観察窓2、照明窓3、送気送水ノズル4、及び鉗子出口5が設けられている。観察窓2は先端部の先端面の片側中央に配置されており、先端部における観察窓2の奥側に、観察対象を撮像する撮像センサ44(図3参照)を有している。照明窓3は観察窓2に対して対称な位置に2つ設けられており、この照明窓3から観察対象に対して照明光を照明する。送気送水ノズル4は、観察窓2の洗浄のために、観察窓2に対してエアまたは水を吹き付けるとともに、病変部の除去後などに観察対象に対してエアまたは水を吹き付ける。鉗子出口5は、処置具などを露出させるとともに、観察対象上にある残液などを吸引する。なお、送気送水ノズル4又は鉗子出口5は、観察対象上にある残液の除去に用いられることから、残液除去部6を構成する。
【0021】
図3において、光源装置14は、光源20と、光源20を制御する光源制御部21とを備えている。光源20は、例えば、複数の半導体光源を有し、これらをそれぞれ点灯または消灯し、点灯する場合には各半導体光源の発光量を制御することにより、観察対象を照明する照明光を発する。本実施形態では、光源20は、BS−LED(Blue Short -wavelength Light Emitting Diode)20a、BL−LED(Blue Long-wavelength Light Emitting Diode)20b、G−LED(Green Light Emitting Diode)20c、及びR−LED(Red Light Emitting Diode)20dの4色のLEDを有する。
【0022】
BS−LED20aは、波長帯域450±10nmの第1青色光BSを発する。BL−LED20bは、波長帯域470±10nmの第2青色光BLを発する。G−LED20cは、波長帯域540±10nmの緑色光Gを発する。R−LED20dは、波長帯域640±20nmの赤色光Rを発する。なお、各LED20a〜20dにおける中心波長とピーク波長は、同じであってもよく、異なっても良い。なお、nmはナノメートルを表す。
【0023】
光源制御部21は、各LED20a〜20dに対して独立に制御信号を入力することによって、各LED20a〜20dの点灯または消灯、点灯時の発光量などを独立に制御する。光源制御部21における点灯又は消灯制御は、各モードによって異なっている。通常モードでは、BS−LED20a、G−LED20c、R−LED20dを同時に点灯することによって、第1青色光BS、緑色光G、赤色光Rを同時に発光する。酸素飽和度モードでは、 BL−LED20bを点灯して、第2青色光BLを発光する第1測定用発光モードと、BS−LED20a、G−LED20c、R−LED20dを同時に点灯することによって、第1青色光BS、緑色光G、赤色光Rを同時に発光する第2測定用発光モードを交互に繰り返す。
【0024】
キャリブレーションモードでは、BS−LED20a、BL−LED20b、G−LED20c、R−LED20dを順次点灯することによって、第1青色光BS、第2青色光BL、緑色光G、赤色光Rを順次発光する。このキャリブレーションモードで、第1青色光BSを発光するモードを第1校正用発光モードとし、第2青色光BLを発光するモードを第2校正用発光モードとし、緑色光Gを発光するモードを第3校正用発光モードとし、赤色光Rを発光するモードを第4校正用発光モードとする。
【0025】
各LED20a〜20dが発する光は、ミラー及びレンズなどによって構成される光路結合部23を介して、ライトガイド25に入射される。ライトガイド25は、内視鏡12及びユニバーサルコード(内視鏡12と、光源装置14及びプロセッサ装置16を接続するコード)に内蔵されている。ライトガイド25は、光路結合部23からの光を、内視鏡12の先端部12dまで伝搬する。
【0026】
内視鏡12の先端部12dには、照明光学系30aと撮像光学系30bが設けられている。照明光学系30aは照明レンズ32を有しており、ライトガイド25によって伝搬した照明光は照明レンズ32を介して観察対象に照射される。撮像光学系30bは、対物レンズ42、撮像センサ44を有している。照明光を照射したことによる観察対象からの光は、対物レンズ42を介して撮像センサ44に入射する。これにより、撮像センサ44に観察対象の像が結像される。
【0027】
撮像センサ44は、照明光によって照明中の観察対象を撮像するカラー撮像センサである。撮像センサ44の各画素には、B(青色)カラーフィルタを有するB画素(青色画素)、G(緑色)カラーフィルタを有するG画素(緑色画素)、R(赤色)カラーフィルタを有するR画素(赤色画素)のいずれかが設けられている。図4に示すように、Bカラーフィルタは、主として青色帯域の光、具体的には、波長帯域が380〜560nmの光を透過させる。透過率が最大となるピーク波長は460〜470nm付近に存在する。Gカラーフィルタは、主として緑色帯域の光、具体的には、波長帯域が450〜630nmの光を透過させる。Rカラーフィルタは、主として赤色帯域の光、具体的には580〜760nmの光を透過させる。
【0028】
撮像センサ44としては、CCD(Charge Coupled Device)撮像センサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)撮像センサを利用可能である。また、原色の撮像センサ44の代わりに、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)及びG(グリーン)の補色フィルタを備えた補色撮像センサを用いても良い。補色撮像センサを用いる場合には、CMYGの4色の画像信号が出力されるので、補色−原色色変換によって、CMYGの4色の画像信号をRGBの3色の画像信号に変換することにより、撮像センサ44と同様のRGB各色の画像信号を得ることができる。
【0029】
撮像センサ44は、撮像制御部45によって駆動制御される。撮像制御部45における制御は、各モードによって異なっている。図5に示すように、通常モードでは、撮像制御部45は、第1青色光BS、緑色光G、赤色光Rで照明中の観察対象を1フレーム毎に撮像するように、撮像センサ44を制御する。これにより、撮像センサ44のB画素からBc画像信号が出力され、G画素からGc画像信号が出力され、R画素からRc画像信号が出力される。
【0030】
図6に示すように、酸素飽和度モードでは、撮像制御部45は撮像センサ44を制御して、第1測定用発光モードにおいて第2青色光BLで照明中の観察対象を1フレーム分撮像する第1測定用撮像モードと、第2測定用発光モードにおいて第1青色光BS、緑色光G、赤色光Rで照明中の観察対象を1フレーム分撮像する第2測定用撮像モードとを交互に繰り返すようにする。これにより、第1測定用撮像モード時には、撮像センサ44のB画素からB1画像信号が出力され、G画素からG1画像信号が出力され、R画素からR1画像信号が出力される。また、第2測定用撮像モード時には、撮像センサ44のB画素からB2画像信号が出力され、G画素からG2画像信号が出力され、R画素からR2画像信号が出力される。
【0031】
図7に示すように、キャリブレーションモードでは、4フレームのマルチフレームによる観察対象の撮像を行う。このキャリブレーションモードでは、撮像制御部45は撮像センサ44を制御して、第1校正用発光モードにおいて第1青色光BSで照明中の観察対象を1フレーム分撮像する第1校正用撮像モードと、第2校正用発光モードにおいて第2青色光BLで照明中の観察対象を1フレーム分撮像する第2校正用撮像モードと、第3校正用発光モードにおいて緑色光Gで照明中の観察対象を1フレーム分撮像する第3校正用撮像モードと、第4校正用発光モードにおいて赤色光Rで照明中の観察対象を1フレーム分撮像する第4校正用撮像モードを順次行うようにする。
【0032】
これにより、第1校正用撮像モード時には、撮像センサ44のB画素からBp画像信号が出力され、G画素からGp画像信号が出力され、R画素からRp画像信号が出力される。また、第2校正用撮像モード時には、撮像センサ44のB画素からBq画像信号が出力され、G画素からGq画像信号が出力され、R画素からRq画像信号が出力される。また、第3校正用撮像モード時には、撮像センサ44のB画素からBr画像信号が出力され、G画素からGr画像信号が出力され、R画素からRr画像信号が出力される。また、第4校正用撮像モード時には、撮像センサ44のB画素からBs画像信号が出力され、G画素からGs画像信号が出力され、R画素からRs画像信号が出力される。
【0033】
CDS/AGC(Correlated Double Sampling/Automatic Gain Control)回路46は、撮像センサ44から得られるアナログの画像信号に相関二重サンプリング(CDS)または自動利得制御(AGC)を行う。CDS/AGC回路46を経た画像信号は、A/D(Analog/Digital)コンバータ48により、デジタルの画像信号に変換される。A/D変換後のデジタル画像信号がプロセッサ装置16に入力される。
【0034】
プロセッサ装置16は、画像信号取得部50と、DSP(Digital Signal Processor)52と、ノイズ低減部54と、画像処理切替部56と、通常画像生成部58と、酸素飽和度画像生成部60と、キャリブレーション用処理部62と、映像信号生成部64とを備えている。画像信号取得部50は、内視鏡12により入力される画像信号を受信し、受信した画像信号をDSP52に送信する。
【0035】
DSP52は、受信した画像信号に対して、欠陥補正処理、オフセット処理、ゲイン補正処理、リニアマトリクス処理、ガンマ変換処理、デモザイク処理、及びYC変換処理等の各種信号処理を行う。欠陥補正処理では、撮像センサ44の欠陥画素の信号が補正される。オフセット処理では、欠陥補正処理を施した画像信号から暗電流成分を除かれ、正確な零レベルを設定される。ゲイン補正処理は、オフセット処理後の各色の画像信号に特定のゲインを乗じることにより各画像信号の信号レベルを整える。ゲイン補正処理後の各色の画像信号には、色再現性を高めるリニアマトリクス処理が施される。
【0036】
その後、ガンマ変換処理によって、各画像信号の明るさ及び彩度が整えられる。リニアマトリクス処理後の画像信号には、デモザイク処理(等方化処理、同時化処理とも言う)が施され、補間により各画素の欠落した色の信号を生成される。デモザイク処理によって、全画素がRGB各色の信号を有するようになる。DSP52は、デモザイク処理後の各画像信号にYC変換処理を施し、輝度信号Yと色差信号Cb及び色差信号Crをノイズ低減部54に出力する。
【0037】
ノイズ低減部54は、DSP52においてデモザイク処理等を施した画像信号に対して、例えば移動平均法やメディアンフィルタ法等によるノイズ低減処理を施す。ノイズを低減した画像信号は、画像処理切替部56に入力される。
【0038】
画像処理切替部56は、設定されているモードによって、ノイズ低減部54からの画像信号の送信先を、通常画像生成部58、酸素飽和度画像生成部60、キャリブレーション用処理部62のいずれかに切り替える。具体的には、通常モードにセットされている場合には、ノイズ低減部54からの画像信号を通常画像生成部58に入力する。また、酸素飽和度モードに設定されている場合、ノイズ低減部54からの画像信号を酸素飽和度画像生成部60に入力する。また、キャリブレーションモードに設定されている場合、ノイズ低減部54からの画像信号をキャリブレーション用処理部62に入力する。
【0039】
通常画像生成部58は、入力した1フレーム分のRc画像信号、Gc画像信号、Bc画像信号に対して、さらに3×3のマトリクス処理、階調変換処理、3次元LUT(Look Up Table)処理等の色変換処理を施す。そして、色変換処理済みのRGB画像データに対して、各種色彩強調処理を施す。この色彩強調処理済みのRGB画像データに対して、空間周波数強調等の構造強調処理を施す。構造強調処理を施したRGB画像データは、通常画像として映像信号生成部64に入力される。
【0040】
酸素飽和度画像生成部60は、酸素飽和度モード時に得られる画像信号のうちB1画像信号、G2画像信号、R2画像信号と酸素飽和度との相関関係を用いて、酸素飽和度を算出する。酸素飽和度の算出方法については後述する。算出した酸素飽和度を疑似カラーなどで画像化した酸素飽和度画像を生成する。この酸素飽和度画像は、映像信号生成部64に入力される。
【0041】
キャリブレーション用処理部62は、残液除去率残存率算出モードに設定されている場合に、キャリブレーションモード時に得られる画像信号のうちBp画像信号(本発明の「第1画像信号」に対応する)、Bq画像信号(本発明の「第2画像信号」に対応する)、Gr画像信号(本発明の「第3画像信号」に対応する)、Rs画像信号(本発明の「第4画像信号」に対応する)からベースライン補正値を算出し、この算出したベースライン補正値に基づいて、黄色色素などの残液の残液量を算出し、残液の除去率、残存率を算出する。また、キャリブレーション用処理部62は、相関関係補正モードに設定されている場合、残液の影響を無くすために、酸素飽和度の算出の際に用いる相関関係を補正する相関関係補正値を算出する。なお、第1画像信号は、ヘモグロビン色素の濃度に応じて変化する特定の生体情報に応じて吸光量が変化する第1波長帯域に対応する画像信号であり、第2画像信号は、ヘモグロビン色素以外の濃度に応じて変化する特定の生体情報以外の要因に応じて吸光量が変化する第2波長帯域に対応する画像信号となっている。
【0042】
映像信号生成部64は、通常画像生成部58からの通常画像の画像データ、又は酸素飽和度画像生成部60からの酸素飽和度画像の画像データを、モニタ18上においてフルカラーによって表示可能にする映像信号に変換する。変換済みの映像信号はモニタ18に入力される。これにより、モニタ18には通常画像または酸素飽和度画像が表示される。また、映像信号生成部64は、必要に応じて、キャリブレーション用処理部62からの画像データを、モニタ18においてフルカラーによって表示可能にする映像信号に変換する。
【0043】
図8に示すように、酸素飽和度画像生成部60は、信号比算出部70と、相関関係記憶部72と、酸素飽和度算出部74と、画像生成部76と、を備えている。信号比算出部70は、酸素飽和度算出部74で酸素飽和度の算出のために用いる信号比を算出する。具体的には、信号比算出部70は、B1画像信号とG2画像信号の信号比B1/G2と、R2画像信号とG2画像信号の信号比R2/G2と、G2画像信号とB2画像信号の信号比G2/B2とをそれぞれ画素毎に算出する。
【0044】
相関関係記憶部72は、信号比算出部70が算出する各信号比と、酸素飽和度との相関関係を、LUT(Look Up Table)などの記憶手段に記憶している。この相関関係を、縦軸Log(B1/G2)、横軸Log(R2/G2)により形成される第1特徴空間上において表した場合、図9に示すように、第1特徴空間上において、酸素飽和度が同じ部分を繋ぎあわせた等値線が、ほぼ横軸方向に沿って、形成されている。また、等値線は、酸素飽和度が大きくなるほど、縦軸方向に対して、より下方側に位置している。例えば、酸素飽和度が100%の等値線83は、酸素飽和度が0%の等値線82よりも下方に位置している。
【0045】
なお、第1特徴空間における等値線の位置及び形状は、光散乱の物理的なシミュレーションによって予め得られる。また、相関関係記憶部72では、信号比B1/G2、R2/G2と酸素飽和度との相関関係を記憶しているが、信号比B1/G2、R2/G2との相関関係に限らず、B1画像信号、G2画像信号、R2画像信号に基づく特定の演算(例えば、差分処理)を行って得られる第1演算値と酸素飽和度との相関関係を記憶するようにしてもよい。
【0046】
上記相関関係は、図10に示す酸化ヘモグロビン(グラフ80)または還元ヘモグロビン(グラフ81)の吸光特性及び光散乱特性と密接に関連し合っている。例えば、第2青色光BLの波長帯域470±10nmのように、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの吸光係数の差が大きい波長帯域では、ヘモグロビンの酸素飽和度によって吸光量が変化するため、酸素飽和度の情報を取り扱いやすい。したがって、中心波長470nm第2青色光BLの光に対応するB1画像信号を含む信号比B1/G2を用いることによって、酸素飽和度の算出が可能となる。しかしながら、信号比B1/G2は酸素飽和度だけでなく、血液量にも依存度が高い。そこで、信号比B1/G2に加えて、主として血液量に依存して変化する信号比R2/G2を用いることで、血液量に影響されることなく、酸素飽和度を正確に求めることができる。なお、G2画像信号に含まれる緑色光の波長帯域540±20nmは、ヘモグロビンの吸光係数が比較的高いため、血液量によって吸光量が変化しやすい波長帯域である。
【0047】
酸素飽和度算出部74は、相関関係記憶部72に記憶した相関関係を参照し、信号比B1/G2、R2/G2に対応する酸素飽和度を画素毎に算出する。例えば、図11に示すように、相関関係記憶部72に記憶した相関関係を参照した場合、特定画素の信号比B1*/G2*、R2*/G2*に対応する酸素飽和度は「40%」である。したがって、酸素飽和度算出部74は、酸素飽和度を「40%」と算出する。
【0048】
なお、信号比B1/G2、R2/G2が極めて大きくなったり、極めて小さくなったりすることはほとんどない。すなわち、信号比B1/G2、R2/G2の各値の組み合わせが、酸素飽和度100%の上限の等値線83(図9参照)よりも下方に分布したり、反対に、酸素飽和度0%の下限の等値線82(図9参照)よりも上方に分布したりすることはほとんどない。但し、上限の等値線83より下方に分布する場合には酸素飽和度を100%とし、下限の等値線82より上方に分布する場合には酸素飽和度算出部74は酸素飽和度を0%とする。また、信号比B1/G2、R2/G2に対応する点が上限の等値線83と下限の等値線82との間に分布しない場合には、その画素における酸素飽和度の信頼度が低いことが分かるように表示をしたり、酸素飽和度を算出しないようにしたりしても良い。
【0049】
画像生成部76は、酸素飽和度算出部74において算出した酸素飽和度を用いて、酸素飽和度を画像化した酸素飽和度画像を生成する。具体的には、画像生成部76は、B2画像信号、G2画像信号、及びR2画像信号を取得し、これらの画像信号に対して酸素飽和度に応じたゲインを画素毎に施す。そして、ゲインを施したB2画像信号、G2画像信号、及びR2画像信号を用いてRGB画像データを生成する。例えば、画像生成部76は、酸素飽和度が60%以上の画素ではB2画像信号、G2画像信号、及びR2画像信号のいずれにも同じゲイン「1」を乗じる。これに対して、酸素飽和度が60%未満の画素では、B2画像信号に対して「1」未満のゲインを乗じ、G2画像信号及びR2画像信号に対しては「1」以上のゲインを乗じる。このゲイン処理後のB2画像信号、G2画像信号、及びR2画像信号を用いて生成したRGB画像データが酸素飽和度画像である。
【0050】
画像生成部76が生成した酸素飽和度画像では、高酸素の領域(酸素飽和度が60〜100%の領域)では、通常観察画像と同様の色により表される。一方、酸素飽和度が特定値を下回る低酸素の領域(酸素飽和度が0〜60%の領域)は、通常観察画像とは異なる色(疑似カラー)で表される。
【0051】
なお、本実施形態では、画像生成部76は、低酸素の領域のみ疑似カラー化するゲインを乗じているが、高酸素領域でも酸素飽和度に応じたゲインを施し、酸素飽和度画像の全体を疑似カラー化しても良い。また、低酸素領域と高酸素領域を酸素飽和度60%で分けているがこの境界も任意である。
【0052】
図12に示すように、キャリブレーション用処理部62は、ベースライン情報算出部84と、ベースライン補正値算出部85と、残液量算出部86と、残液除去率残存率算出部87と、第1残液画像生成部88と、第2残液画像生成部89と、酸素飽和度算出精度変換部90と、残液除去ガイダンス画像生成部91と、残液除去指示部92と、相関関係補正値算出部93と、相関関係補正部94とを備えている。
【0053】
ベースライン情報算出部84は、入力したBp画像信号、Bq画像信号、Gr画像信号、Rs画像信号から、生体内における黄色色素に関する情報を持ち、且つ酸素飽和度によって影響を受けないベースライン情報を算出する。具体的には、ベースライン情報算出部84では、Bp画像信号とGr画像信号の信号比Bp/Grを画素毎に算出し、Bq画像信号とGr画像信号の信号比Bq/Grを画素毎に算出し、Rs画像信号とGr画像信号との信号比Rs画像信号とGr画像信号の信号比Rs/Grを画素毎に算出する。
【0054】
なお、ベースライン情報は、黄色色素の他、観察対象の光散乱特性もしくは光吸収特性に関する情報を有することが好ましい。また、ベースライン情報は、黄色色素の濃度に応じて変化するが、黄色色素の他、観察対象に含まれるヘモグロビン以外の色素の濃度に応じて変化することが好ましい。ヘモグロビン以外の色素としては、生体に含まれる色素成分、又は内視鏡観察時に使用される色素であることが好ましい。また、ヘモグロビン以外の色素には、ビリルビン又はステルコビリンなどの黄色色素、インジゴカルミン又はクリスタルバイオレットなどの青紫系統の色素、ルゴールなどの褐色系色素、又は酢酸などの白色色素の少なくともいずれかを含むことが好ましい。
【0055】
ここで、信号比Bp/GrのうちBpについては第1青色光BSに対応する画像信号である。この第1青色光BSの波長帯域450±10nmは、図10に示すように、ヘモグロビンの吸光係数が比較的高い青色帯域に属し、且つ酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの吸光係数が同じ等吸収波長である。また、第1青色光BSの波長帯域450±10nmは、図13に示すように、黄色色素の吸光係数が最も高くなる吸収ピーク波長を有していることから、黄色色素の濃度に応じて吸光量が変化しやすい波長帯域である。したがって、信号比Bp/Grは、酸素飽和度に依存しないものの、黄色色素の濃度や血液量によって信号値が変化する。なお、Gr画像信号に含まれる緑色光の波長帯域540±20nmは、上記したように、血液量に応じて吸光量が変化しやすい波長帯域である。
【0056】
信号比Bq/GrのうちBqについては第2青色光BLに対応する画像信号である。この第2青色光BLの波長帯域470±10nmは、上記したように、ヘモグロビンの吸光係数が比較的高い青色帯域に属し、且つ酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの吸光係数が異なる異吸収波長である(図10参照)ことから、ヘモグロビンの酸素飽和度によって吸光量が変化しやすい波長帯域である。また、第2青色光BLの中心波長470nmは、黄色色素の吸収ピーク波長からはやや吸収係数が低くなるものの、他の波長帯域と比較すると大きな吸収係数を有している(図13参照)。したがって、信号比Bq/Grは、酸素飽和度、黄色色素の濃度、血液量によって信号値が変化する。これに対して、信号比Rs/Grについては、酸素飽和度及び黄色色素の濃度によって信号値はほとんど変化せず、血液量によって信号値が変化する。
【0057】
ベースライン情報算出部84は、下記(式A)に基づく補正用演算により得られる第2演算値が、酸素飽和度が変化しても一定になるように、φを調整する。このφ調整後の第2演算値と信号比Rs/Grからなる情報を、ベースライン情報とする。このベースライン情報は、黄色色素の濃度に応じて変化する情報であり、且つ酸素飽和度に依存しない情報である。ここでいう「依存しない」とは、少なくともベースライン情報の変化が、酸素飽和度の高低から生ずる変化よりも、黄色色素の濃度から生ずる変化に対して、大きくなることをいう。
(式A)第2演算値=信号比Bp/Gr×cosφ−信号比Bq/Gr×sinφ
なお、(式A)の位相φは、酸素飽和度に依存しないように定めているが、同様に、血管密度や血管深さ、血管太さ、血液濃度など、観察対象に含まれるヘモグロビン色素の濃度に応じて変化する特定の生体情報に依存しないように位相φを定めることで、こうした特定の生体情報に対して依存しない「ベースライン情報」を定めることができる。
【0058】
ベースライン補正値算出部85は、予め定められた基準ベースライン情報と、ベースライン情報算出部84で算出したベースライン情報とにより、ベースライン補正値ΔZを算出する。基準ベースライン情報は基準ベースライン情報記憶部85aに記憶されており、この基準ベースライン情報はベースライン情報を評価する基準であり、黄色色素が無い状態で得られ、且つ酸素飽和度に依存しない情報として定められている。具体的には、基準ベースライン情報は、黄色色素による影響を排除した状態(即ち、黄色色素が無い状態)で、上記(式A)に基づく第2演算値(=信号比Bp/Gr×cosφ−信号比Bq/Gr×sinφ)が、酸素飽和度が変化しても一定になるように、φを調整したものである。このφ調整後の第2演算値と信号比Rs/Grからなる情報を、基準ベースライン情報とする。
【0059】
ベースライン補正値算出部85におけるベースライン補正値ΔZの算出方法について、図14に示す第2特徴空間を用いて、以下説明する。この第2特徴空間は、縦軸が(式A)に基づく第2演算値(=信号比Bp/Gr×cosφ−信号比Bq/Gr×sinφ)で、横軸がLog(Rs/Gr)で形成される。第2特徴空間上で基準ベースライン情報とベースライン情報を表した場合、図14に示すように、黄色色素の影響が無い基準ベースライン情報の分布を示す基準線95と、黄色色素の影響を受けたベースライン情報が分布する実測線96とは、それぞれ、ほぼ横軸方向にそって形成されている。また、実測線96においては、黄色色素の濃度は同じである等濃度線となっている。また、第2特徴空間において、基準線95は実測線96よりも上方に位置している。また、第2特徴空間において、黄色色素の影響が大きくなるほど、実測線96は下方に位置するようになって、基準線95と実測線96との差が大きくなる。
【0060】
ベースライン補正値算出部85では、基準線95と実測線96との差分を、ベースライン補正値ΔZとして算出する。ベースライン補正値ΔZについては、実測線96によって示すベースライン情報を、基準線95によって示す基準ベースライン情報に合わせるための補正値である。このベースライン補正値ΔZは、残液量の算出に用いられる他、酸素飽和度の算出に用いる相関関係の補正にも用いられる。なお、ベースライン補正値ΔZについては、Bp画像信号、Bq画像信号、Gr画像信号、Rs画像信号に対してマトリクス処理と1D−LUT(1 dimensional Look UP Table)とを組み合わせた変換処理によって算出してもよい。
【0061】
残液量算出部86は、観察対象に含まれる残液の残液量を算出する。黄色色素を含む残液の残液量は、図15に示すように、ベースライン補正値ΔZが大きくなる程、大きくなることによって、ベースライン補正値ΔZにより残液量を推定することが可能である。この残液量とベースライン補正値ΔZとの関係性は、残液量記憶部86aに記憶されている。残液量算出部86は、残液量記憶部86a(例えば、LUT(Look UP Table))を参照して、ベースライン補正値ΔZから残液量を算出する。また、ベースライン補正値ΔZは、画素毎に算出されることによって、画素毎に残液量を算出することができる。例えば、残液量算出部86では、残液量が特定の範囲に含まれる画素領域を残液が存在する残液領域であると判定し、この残液領域Raを、図16に示すように、特定色などで強調表示するようにしてもよい。
【0062】
残液除去率残存率算出部87は、残液除去部6により残液を除去する前の残液除去前残液量と、残液を除去した後の残液除去後残液量を算出するとともに、残液除去前残液量と残液除去後残液量から残液の除去率を算出する。また、残液除去率残存率算出部87は、残液除去前残液量と残液除去後残液量から残液の残存率を算出する。この残液除去率残存率算出部87は、残液の除去率、残存率を算出するために、残液除去部6による残液の除去が開始されたときに、その残液の除去直前に残液量算出部86で算出した残液の残液量を、残液除去前残液量として算出する。そして、残液除去部6による残液の除去が完了したときに、その時点において残液量算出部86によって算出した残液の残液量を、残液除去後残液量として算出する。
【0063】
ここで、残液の除去開始は、送気送水ボタン12h又は吸引ボタン12iのいずれかが操作されたタイミングとすることが好ましい。また、残液の除去完了については、送気送水ボタン12h又は吸引ボタン12iの操作が行われた後、一定時間行われないなど特定の残液除去完了条件を満たした時点で残液の除去完了とする他、コンソール19などにより残液除去完了指示が行われた場合に残液の除去完了とすることが好ましい。
【0064】
残液除去率残存率算出部87では、具体的には、残液除去前残液量に対する残液除去後残液量の比率を、残液残存率として算出される。また、残液除去率残存率算出部87は、残液除去前残液量から残液除去後残液量を減算することによって残液の減少量を算出するとともに、残液除去前残液量に対する残液の減少量の比率を、残液除去率として算出する。例えば、残液除去前残液量を100%とし、残液除去後残液量が30%である場合には、残液除去率は70%となる((100−30)/100×100%)(図17参照)。なお、残液残存率と残液除去率については、残液除去前残液量と残液除去後残液量から求める他、残液除去開始時に得られたベースライン補正値と残液除去完了時に得られたベースライン補正値とから求めるようにしてもよい。
【0065】
第1残液画像生成部88は、残液除去率残存率算出部87において算出した残液の除去率の分布を示す第1残液画像を生成する。生成された第1残液画像は、モニタ18に表示される。第1残液画像生成部88では、残液の除去率に応じて異なる色で表した第1残液画像を生成する。例えば、第1残液画像においては、図18に示すように、除去率が低い低除去率の領域Rxを第1色(例えば赤色)によって表示し、除去率が中程度の中除去率の領域Ryを第2色(例えば緑色)によって表示し、除去率が高い高除去率の領域Rzを第3色(例えば、ほぼ透明に近い白色)によって表示することが好ましい。
【0066】
このように、残液の除去率に応じて異なる色で表示することによって、残液の除去が不十分な部分の視認性を高めることができる。これにより、どの部分の残液の除去を更に行えばよいかが明確になるため、残液除去不足や不要な除去を防止して、効率的に残液除去を行うことができる。また、画素毎に残液の除去率に応じた色表示を行っているため、観察画像では確認しづらい残液の存在を認識し、除去することができるようになる。なお、第1残液画像生成部88では、残液の除去率の分布の他、残液の残存率、残液量など、観察対象に含まれる残液に関する残液情報の分布を表す第1残液画像を生成するようにしてもよい。
【0067】
第2残液画像生成部89は、観察対象の画像とともに、残液除去率残存率算出部87において算出した残液の除去率を数値又はインジケータによって示す第2残液画像を生成する。生成された第2残液画像はモニタ18に表示される。第2残液画像については、図19に示すように、観察対象の画像とともに、残液の除去率(80%)を数値によって表示するとともに、残液の残存率を赤色Rd、残液の除去率をGyで示したインジケータによって表示する。なお、第2残液画像生成部89では、残液の除去率の他、残液の残存率、残液量などの残液情報を数値又はインジケータによって表示する第2残液画像を生成するようにしてもよい。また、第1残液画像と第2残液画像のいずれをモニタ18に表示するかは、コンソール19の設定により行われる。
【0068】
酸素飽和度算出精度変換部90(生体情報算出精度変換部)は、残液の残存率を、酸素飽和度算出部74(生体情報算出部)において算出する酸素飽和度の算出精度に変換する。残液の残存率が高くなればなる程、酸素飽和度の算出精度は低下することから、残液の残存率から酸素飽和度の算出精度への変換が可能である。例えば、残液の残存率が「0%」の場合には、酸素飽和度の算出精度を「100%」とし、残液の残存率が高くなればなる程、酸素飽和度の算出精度が低くなるように変換する。変換後の酸素飽和度の算出精度については、図20に示すように、モニタ18上に表示される(図20では酸素飽和度の算出精度を「60%」と表示)。
【0069】
なお、残液の除去率から酸素飽和度の算出精度を変換するようにしてもよい。この場合には、残液の除去率が高くなればなる程、酸素飽和度の算出精度が向上することになる。また、残液量から酸素飽和度の算出精度を変換するようにしてもよい。この場合は、残存率の場合と同様、残液量が高くなればなる程、酸素飽和度の算出精度が低下することになる。更には、残存率などを、酸素飽和度の算出精度に変換することの他、酸素飽和度の他、血管密度など特定の生体情報を生体情報算出部で算出する場合には、残液の残存率、除去率、残液量などの残液情報を、特定の生体情報の算出精度に変換するようにしてもよい。
【0070】
残液除去ガイダンス画像生成部91は、残液の除去率又は残存率が特定の条件を満たしたときに、ユーザーに対して、残液除去部6によって観察対象上の残液を除去するように促す残液除去ガイダンス画像を生成する。この生成された残液除去ガイダンス画像は、モニタ18に表示される。残液除去ガイダンス画像では、例えば、図21に示すように、残液の除去率が低い低除去率の領域を第1色(例えば赤色)によって表示するともに、その低除去率の領域に対して、エア、水の吹き付けや吸引などによって残液を除去するように促すガイダンス97を表示する。その際、目標の除去率も合わせて表示することが好ましい。なお、残液除去ガイダンス画像生成部91では、残液の除去率又は残存率の他、残液量などその他の残液情報が特定の条件を満たしたときにも、残液除去ガイダンス画像を生成して、モニタ18に表示するようにしてもよい。
【0071】
残液除去指示部92は、残液の除去率又は残存率が特定の条件を満たしたときに、残液除去部6に対して、自動で、観察対象上の残液を除去するように指示を行う。例えば、残液除去指示部92では、目標の除去率を予め定めておき、この目標の除去率を下回る領域が存在する否かを自動的に検出する。そして、目標の除去率を下回る領域が検出された場合には、その検出された領域に対して、自動的に、エア、水の吹き付けまたは吸引などを行って、残液の除去を行う。なお、残液の除去率又は残存率の他、残液量などその他の残液情報が特定の条件を満たしたときにも、残液除去部6に対して、自動で、残液の除去を行うように指示してもよい。
【0072】
この場合には、残液除去中に、検出された領域における残液の除去率をモニタリングしておき、目標の除去率に達した時に、エア、水の吹き付けまたは吸引を自動的に停止するようにすることが好ましい。また、エアの送気量、送水量、吸引量などの残液除去条件については、残液の除去率、残存率、又は残液量などの残液情報に応じて設定することが好ましい。例えば、残液の除去率が低く目標の除去率からかけ離れている場合には、残液除去条件のうちエアの送気量、送水量、吸引量を大きく設定することが好ましい。なお、自動的に残液除去を行う場合には、図22に示すように、自動除去中である旨のメッセージ98を表示することが好ましい。
【0073】
相関関係補正値算出部93は、ベースライン補正値ΔZに係数αを掛け合わせることによって、相関関係記憶部72に記憶された相関関係を補正するための相関関係補正値ΔDを算出する(ベースライン補正値ΔZ×係数α)。相関関係補正部94は、相関関係補正値算出部93において算出した相関関係補正値ΔDに基づいて、相関関係記憶部72に記憶した相関関係を補正する。具体的には、第1特徴空間(図9参照)において、縦軸のLog(B1/G2)の値に対して、相関関係補正値ΔDを加える。これにより、第1特徴空間において、酸素飽和度が同じ部分を繋ぎあわせた等値線が、縦軸Log(B1/G2)方向に沿って、移動する。この補正後の相関関係を用いて酸素飽和度を算出することによって、各種部位や患者が異なる場合の他、観察対象上で黄色色素の影響がある状況においても、酸素飽和度を正確に算出することができる
【0074】
次に、キャリブレーションモードの残液除去率残存率算出モードにおける一連の流れについて、図23に示すフローチャートに沿って説明を行う。モード切替SW12fにより、残液除去率残存率算出モードに切り替えられると、各LED20a〜20dが順次点灯して、第1青色光BS、第2青色光BL、緑色光G、赤色光Rが順次発光される。これら4色の光は観察対象に照射され、撮像センサ44によって撮像される。この撮像センサ44から出力される画像信号に基づいて、観察対象の画像がモニタ18に表示される。
【0075】
そして、ユーザーにより、送気送水ボタン12h又は吸引ボタン12iが操作されることを契機に、残液除去部6により残液の除去が開始される。その際、残液の除去開始直前に得られたベースライン情報と予め定められた基準ベースライン情報から、ベースライン補正値を算出する。この算出したベースライン補正値から、残液除去前残液量を算出する。この算出した残液除去前残液量は、プロセッサ装置16内の所定の記憶部(図示しない)に記憶される。
【0076】
そして、残液の除去が完了したら、残液の除去完了時点で得られたベースライン情報と予め定められた基準ベースライン情報から、ベースライン補正値を算出する。この算出したベースライン補正値から、残液除去後残液量を算出する。そして、残液除去前残液量と残液除去後残液量から、残液の除去率又は残存率を算出する。この算出した残液の除去率又は残存率に基づいて、残液の除去率又は残存率の分布を示した第1残液画像がモニタ18に表示される。又は、残液の除去率又は残存率を数値又はインジケータで示した第2残液画像を表示する。
【0077】
本実施形態においては、各種の処理を実行する処理部(Processing Unit)のハードウェア的な構造は、次に示すような各種のプロセッサ(Processor)である。各種のプロセッサには、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。
【0078】
1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されていてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサ(例えば、複数のFPGA、あるいはCPUとFPGAの組み合わせ)によって構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0079】
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(Circuitry)である。
【0080】
[第2実施形態]
第2実施形態では、上記第1実施形態において示した4色のLED20a〜20dの代わりに、キセノンランプなどの広帯域光源と回転フィルタを用いて観察対象の照明を行う。また、カラーの撮像センサ44に代えて、モノクロの撮像センサで観察対象の撮像を行う。それ以外については、第1実施形態と同様である。
【0081】
図24に示すように、第2実施形態の内視鏡システム100では、光源装置14において、4色のLED20a〜20dに代えて、広帯域光源102、回転フィルタ104、フィルタ切替部105が設けられている。また、撮像光学系30bには、カラーの撮像センサ44の代わりに、カラーフィルタが設けられていないモノクロの撮像センサ106が設けられている。
【0082】
広帯域光源102はキセノンランプ、白色LEDなどであり、波長域が青色から赤色に及ぶ白色光を発する。回転フィルタ104は、内側に設けられた内側フィルタ108と、外側に設けられた外側フィルタ109とを備えている(図25参照)。フィルタ切替部105は、回転フィルタ104を径方向に移動させるものであり、モード切替SW12fにより通常モードにセットしたときに、回転フィルタ104の内側フィルタ108を白色光の光路に挿入し、酸素飽和度モード又はキャリブレーションモードにセットしたときに、回転フィルタ104の外側フィルタ109を白色光の光路に挿入する。
【0083】
図25に示すように、内側フィルタ108には、周方向に沿って、白色光のうち第1青色光BSを透過させるB1フィルタ108a、白色光のうち緑色光Gを透過させるGフィルタ108b、白色光のうち赤色光Rを透過させるRフィルタ108cが設けられている。したがって、通常モード時には、回転フィルタ104が回転することで、第1青色光BS、緑色光G、赤色光Rが交互に観察対象に照射される。
【0084】
外側フィルタ109には、周方向に沿って、白色光のうち第1青色光BSを透過させるB1フィルタ109aと、白色光のうち第2青色光BLを透過させるB2フィルタ109bと、白色光のうち緑色光Gを透過させるGフィルタ109cと、白色光のうち赤色光Rを透過させるRフィルタ109dとが設けられている。したがって、酸素飽和度モード又はキャリブレーションモード時には、回転フィルタ104が回転することで、第1青色光BS、第2青色光BL、緑色光G、赤色光Rが交互に観察対象に照射される。
【0085】
内視鏡システム100では、通常モード時には、第1青色光BS、緑色光G、赤色光Rで観察対象が照明される毎にモノクロの撮像センサ106で観察対象を撮像する。これにより、Bc画像信号、Gc画像信号、Rc画像信号が得られる。そして、それら3色の画像信号に基づいて、上記第1実施形態と同様の方法で、通常画像が生成される。
【0086】
一方、酸素飽和度モード時には、第1青色光BS、第2青色光BL、緑色光G、赤色光Rで観察対象が照明される毎にモノクロの撮像センサ106で観察対象を撮像する。これにより、B2画像信号と、B1画像信号、G2画像信号、R2画像信号が得られる。これら4色の画像信号に基づいて、第1実施形態と同様の方法で、酸素飽和度画像の生成が行われる。また、キャリブレーションモード時には、Bp画像信号、Bq画像信号、Gr画像信号、Rs画像信号が得られる。これら4色の画像信号に基づいて、第1実施形態と同様の方法によって、残液量の算出又は相関関係の補正が行われる。
【0087】
[第3実施形態]
第3実施形態では、上記第1実施形態で示した4色のLED20a〜20dの代わりに、レーザ光源と蛍光体を用いて観察対象の照明を行う。以下においては、第1実施形態と異なる部分のみ説明を行い、第1実施形態と略同様の部分については、説明を省略する。
【0088】
図26に示すように、第2実施形態の内視鏡システム200では、光源装置14の光源部20において、4色のLED20a〜20dの代わりに、中心波長445±10nmの青色レーザ光を発する青色レーザ光源(「445LD」と表記。LDは「Laser Diode」を表す)204と、中心波長473±10nmの青緑色レーザ光を発する青緑色レーザ光源(「473LD」と表記)206とが設けられている。これら各光源204、206の半導体発光素子からの発光は、光源制御部108により個別に制御されている。
【0089】
光源制御部208は、通常モードの場合には、青色レーザ光源204を点灯させる。これに対して、酸素飽和度モード又はキャリブレーションモードの場合には、青色レーザ光源204と青緑色レーザ光源206を交互に点灯させる
【0090】
なお、青色レーザ光又は青緑色レーザ光の半値幅は±10nm程度にすることが好ましい。また、青色レーザ光源104及び青緑色レーザ光源106は、ブロードエリア型のInGaN系レーザダイオードが利用でき、また、InGaNAs系レーザダイオードまたはGaNAs系レーザダイオードを用いることもできる。また、上記光源として、発光ダイオードなどの発光体を用いた構成としてもよい。
【0091】
照明光学系30aには、照明レンズ32の他に、ライトガイド25からの青色レーザ光又は青緑色レーザ光が入射する蛍光体210が設けられている。蛍光体210は、青色レーザ光によって励起され、蛍光を発する。また、青色レーザ光の一部は、蛍光体210を励起させることなく透過する。青緑色レーザ光は、蛍光体210を励起させることなく透過する。蛍光体210を出射した光は、照明レンズ32を介して、観察対象の体内を照明する。
【0092】
ここで、通常モードにおいては、主として青色レーザ光が蛍光体に入射するため、図27に示すような、青色レーザ光、及び青色レーザ光により蛍光体から励起発光する蛍光を合波した広帯域光が、通常光として、観察対象に照明される。この通常光で照明された観察対象を撮像センサ44で撮像することによって、Bc画像信号、Gc画像信号、Rc画像信号からなる通常画像が得られる。
【0093】
一方、酸素飽和度モード又はキャリブレーションモードにおいては、青色レーザ光が蛍光体に入射したときには、図27に示す広帯域光が観察対象に照明される。一方、青緑色レーザ光が蛍光体に入射したときには、青緑色レーザ光は蛍光体にほとんど吸収されないため、図28に示すように、青緑色レーザ光が観察対象にほぼそのまま照明される。
【0094】
酸素飽和度モードにおいては、青緑色レーザ光の照明中に撮像センサ44のB画素から出力される信号が、上記第1実施形態のB1画像信号に対応する。また、広帯域光の照明中に撮像センサ44のB画素から出力される信号が上記第1実施形態のB2画像信号に対応し、G画素から出力される信号が上記第1実施形態のG2画像信号に対応し、R画素から出力される信号が上記第1実施形態のR2画像信号に対応する。これらB1画像信号、B2画像信号、G2画像信号、R2画像信号に基づいて、第1実施形態と同様の方法で、酸素飽和度の算出が行われる。
【0095】
キャリブレーションモードにおいては、青緑色レーザ光の照明中に撮像センサ44のB画素から出力される信号が、上記第1実施形態のBq画像信号に対応する。また、広帯域光の照明中に撮像センサ44のB画素から出力される信号が上記第1実施形態のBp画像信号に対応し、G画素から出力される信号が上記第1実施形態のGr画像信号に対応し、R画素から出力される信号が上記第1実施形態のRs画像信号に対応する。これらBp画像信号、Bq画像信号、Gr画像信号、Rs画像信号に基づいて、第1実施形態と同様の方法で、残液量の算出又は相関関係の補正が行われる。
【0096】
なお、蛍光体210は、青色レーザ光の一部を吸収して、緑色〜黄色に励起発光する複数種の蛍光体(例えばYKG系蛍光体、或いはBAM(BaMgAl1017)などの蛍光体)を含んで構成されるものを使用することが好ましい。本構成例のように、半導体発光素子を蛍光体210の励起光源として用いれば、高い発光効率で高強度の白色光が得られ、白色光の強度を容易に調整できる上に、白色光の色温度、色度の変化を小さく抑えることができる。
【0097】
なお、上記実施形態では、キャリブレーションモードで相関関係の補正を行うために、波長帯域が450±10nmの第1青色光BSを用いているが、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの吸光係数が同じ波長帯域であり、且つ、黄色色素の吸光係数が他の波長帯域と比較して大きい波長帯域の光を用いてもよい。例えば、第1青色光BSの代わりに、波長帯域が500±10nmの緑色狭帯域光を用いてもよい。
【0098】
なお、上記実施形態では、黄色色素を持つ物質の残液量を算出しているが、同様の残液量算出方法により、インジゴカルミンやクリスタルバイオレットなど、青色系統の青色色素の残液量を算出してもよい。
【符号の説明】
【0099】
2 観察窓
3 照明窓
4 送気送水ノズル
5 鉗子出口
6 残液除去部
10 内視鏡システム
12 内視鏡
12a 挿入部
12b 操作部
12c 湾曲部
12d 先端部
12e アングルノブ
12f モード切替SW
12g 静止画取得指示部
12h 送気送水ボタン
12i 吸引ボタン
14 光源装置
16 プロセッサ装置
18 モニタ
19 コンソール
20 光源
20a BS−LED
20b BL−LED
20c G−LED
20d R−LED
21 光源制御部
23 光路結合部
25 ライトガイド
30a 照明光学系
30b 撮像光学系
32 照明レンズ
42 対物レンズ
44 撮像センサ
45 撮像制御部
46 CDS/AGC回路
48 A/Dコンバータ
50 画像信号取得部
52 DSP
54 ノイズ低減部
56 画像処理切替部
58 通常画像生成部
60 酸素飽和度画像生成部
60 酸素飽和度
62 キャリブレーション用処理部
64 映像信号生成部
70 信号比算出部
72 相関関係記憶部
74 酸素飽和度算出部
76 画像生成部
80、81 グラフ
82、83 等値線
84 ベースライン情報算出部
85 ベースライン補正値算出部
85a 基準ベースライン情報記憶部
86 残液量算出部
86a 残液量記憶部
87 残液除去率残存率算出部
88 第1残液画像生成部
89 第2残液画像生成部
90 酸素飽和度算出精度変換部
91 残液除去ガイダンス画像生成部
92 残液除去指示部
93 相関関係補正値算出部
94 相関関係補正部
95 基準線
96 実測線
97 ガイダンス
98 メッセージ
100 酸素飽和度
100 内視鏡システム
102 広帯域光源
104 回転フィルタ
105 フィルタ切替部
106 撮像センサ
108 内側フィルタ
108a B1フィルタ
108b Gフィルタ
108c Rフィルタ
109 外側フィルタ
109a B1フィルタ
109b B2フィルタ
109c Gフィルタ
109d Rフィルタ
200 内視鏡システム
204 青色レーザ光源(445LD)
206 青緑色レーザ光源(473LD)
208 光源制御部
210 蛍光体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28

【手続補正書】
【提出日】2019年10月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、光源から出射された照明光が照射された観察対象を撮像する内視鏡と、システム制御及び画像処理を行うプロセッサ装置と、を備える内視鏡システムであって、
前記観察対象を撮像して得られる複数の波長帯域の画像信号を取得する画像信号取得部と、
前記複数の波長帯域の画像信号に基づいて、前記観察対象の光散乱特性もしくは光吸収特性に関する情報であって、特定の生体情報に依存しないベースライン情報を算出するベースライン情報算出部と、
前記ベースライン情報を評価する基準である基準ベースライン情報を予め記憶する基準ベースライン情報記憶部と、
前記ベースライン情報を前記基準ベースライン情報に合わせるためのベースライン補正値を算出するベースライン補正値算出部と、
前記ベースライン補正値から前記観察対象に含まれる残液に関する残液情報を算出する残液情報算出部と、を備え
前記残液情報算出部は、前記残液情報として、前記残液の残液量を算出する残液量算出部を含む内視鏡システム。
【請求項2】
前記残液情報の分布を示す第1残液画像を生成する第1残液画像生成部を備える請求項1記載の内視鏡システム。
【請求項3】
前記残液情報を数値又はインジケータによって示す第2残液画像を生成する第2残液画像生成部を備える請求項1または2記載の内視鏡システム。
【請求項4】
前記特定の生体情報を算出する生体情報算出部と、
前記残液情報を前記特定の生体情報の算出精度に変換する生体情報算出精度変換部とを備える請求項1ないし3いずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項5】
前記残液情報に応じて、前記残液の除去を促す残液除去ガイダンス画像を生成する残液除去ガイダンス画像生成部を備える請求項1ないし4いずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項6】
前記残液情報に応じて、前記残液を除去するための残液除去部に対して、前記残液の除去を指示する残液除去指示部を備える請求項1ないし5いずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項7】
前記残液除去指示部は、前記残液情報に応じて、残液除去条件を設定する請求項6記載の内視鏡システム。
【請求項8】
前記残液量算出部は、前記ベースライン補正値が大きいほど、前記残液量を大きくして算出する請求項1ないし7いずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項9】
前記残液を除去するための残液除去部を備え、
前記残液情報算出部は、前記残液を除去する前の残液除去前残液量と前記残液を除去した後の残液除去後残液量を算出し、前記残液除去前残液量と前記残液除去後残液量から、前記残液情報として、前記残液の除去率及び/又は前記残液の残存率を算出する残液除去率残存率算出部を含む請求項1ないしいずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項10】
前記残液除去部は、送水、送気、又は吸引の少なくともいずれかにより前記残液を除去する請求項6または記載の内視鏡システム。
【請求項11】
前記複数の波長帯域の画像信号は、前記特定の生体情報の変化に応じて吸光量が変化する第1波長帯域に対応する第1画像信号と、前記第1波長帯域と異なる波長帯域であって、前記特定の生体情報の変化以外の要因に応じて吸光量が変化する第2波長帯域に対応する第2画像信号と、前記第1波長帯域及び前記第2波長帯域よりも長波長であり、且つ血液量に応じて吸光量が変化する第3波長帯域に対応する第3画像信号と、前記第3波長帯域よりも長波長の第4波長帯域に対応する第4画像信号を含む請求項1ないし10いずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項12】
前記第1画像信号、前記第2画像信号、前記第3画像信号、前記第4画像信号は、前記観察対象をマルチフレームによって撮像して得られる請求項11記載の内視鏡システム。
【請求項13】
前記特定の生体情報とは、前記観察対象に含まれるヘモグロビン色素の濃度に応じて変化する請求項1ないし12いずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項14】
前記特定の生体情報とは、酸素飽和度、血管密度、血管深さ、血管太さ、血液濃度のいずれかである請求項13記載の内視鏡システム。
【請求項15】
前記ベースライン情報は、前記観察対象に含まれるヘモグロビン以外の色素の濃度に応じて変化する情報である請求項1ないし14いずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項16】
前記ヘモグロビン以外の色素は、生体内に含まれ、又は内視鏡観察時に使用される色素である請求項15記載の内視鏡システム。
【請求項17】
前記ヘモグロビン以外の色素とは、黄色色素、青紫系統の色素、褐色系色素、又は白色色素の少なくともいずれかを含む請求項16記載の内視鏡システム。
【請求項18】
前記黄色色素はビリルビン又はステルコビリンであり、前記青紫系統の色素はインジゴカルミン又はクリスタルバイオレットであり、前記褐色系色素はルゴールであり、前記白色色素は酢酸である請求項17記載の内視鏡システム。
【請求項19】
前記基準ベースライン情報は、前記ヘモグロビン以外の色素の影響が無い場合に取得したベースライン情報である請求項1ないし18いずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項20】
光源と、光源から出射された照明光が照射された観察対象を撮像する内視鏡と、システム制御及び画像処理を行うプロセッサ装置と、を備える内視鏡システムの作動方法であって、
画像信号取得部は、前記観察対象を撮像して得られる複数の波長帯域の画像信号を取得するステップと、
ベースライン情報算出部は、前記複数の波長帯域の画像信号に基づいて、前記観察対象の光散乱特性もしくは光吸収特性に関する情報であって、特定の生体情報に依存しないベースライン情報を算出するステップと、
ベースライン補正値算出部が、前記ベースライン情報を評価する基準である基準ベースライン情報に、前記ベースライン情報を合わせるためのベースライン補正値を算出するステップと、
残液情報算出部は、前記ベースライン補正値から前記観察対象に含まれる残液に関する残液情報を算出するステップとを有し、
前記残液情報算出部に含まれる残液量算出部は、前記残液情報として、前記残液の残液量を算出する内視鏡システムの作動方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の内視鏡システムは、光源と、光源から出射された照明光が照射された観察対象を撮像する内視鏡と、システム制御及び画像処理を行うプロセッサ装置と、を備える内視鏡システムであって、観察対象を撮像して得られる複数の波長帯域の画像信号を取得する画像信号取得部と、複数の波長帯域の画像信号に基づいて、観察対象の光散乱特性もしくは光吸収特性に関する情報であって、特定の生体情報に依存しないベースライン情報を算出するベースライン情報算出部と、ベースライン情報を評価する基準である基準ベースライン情報を予め記憶する基準ベースライン情報記憶部と、ベースライン情報を基準ベースライン情報に合わせるためのベースライン補正値を算出するベースライン補正値算出部と、ベースライン補正値から観察対象に含まれる残液に関する残液情報を算出する残液情報算出部とを備える。残液情報算出部は、残液情報として、残液の残液量を算出する残液量算出部を含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
液量算出部は、ベースライン補正値が大きいほど、残液量を大きくして算出することが好ましい。残液を除去するための残液除去部を備え、残液情報算出部は、残液を除去する前の残液除去前残液量と残液を除去した後の残液除去後残液量を算出し、残液除去前残液量と残液除去後残液量から、残液情報として、残液の除去率及び/又は残液の残存率の少なくとも一方を算出する残液除去率残存率算出部を含むことが好ましい。残液除去部は、送水、送気、又は吸引の少なくともいずれかにより残液を除去することが好ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明の内視鏡システムの作動方法は、光源と、光源から出射された照明光が照射された観察対象を撮像する内視鏡と、システム制御及び画像処理を行うプロセッサ装置と、を備える内視鏡システムの作動方法であって、画像信号取得部は、観察対象を撮像して得られる複数の波長帯域の画像信号を取得するステップと、ベースライン情報算出部は、複数の波長帯域の画像信号に基づいて、観察対象の光散乱特性もしくは光吸収特性に関する情報であって、特定の生体情報に依存しないベースライン情報を算出するステップと、ベースライン補正値算出部が、ベースライン情報を評価する基準である基準ベースライン情報に、ベースライン情報を合わせるためのベースライン補正値を算出するステップと、残液情報算出部は、ベースライン補正値から観察対象に含まれる残液に関する残液情報を算出するステップとを有する。残液情報算出部に含まれる残液量算出部は、残液情報として、残液の残液量を算出する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
相関関係補正値算出部93は、ベースライン補正値ΔZに係数αを掛け合わせることによって、相関関係記憶部72に記憶された相関関係を補正するための相関関係補正値ΔDを算出する(ベースライン補正値ΔZ×係数α)。相関関係補正部94は、相関関係補正値算出部93において算出した相関関係補正値ΔDに基づいて、相関関係記憶部72に記憶した相関関係を補正する。具体的には、第1特徴空間(図9参照)において、縦軸のLog(B1/G2)の値に対して、相関関係補正値ΔDを加える。これにより、第1特徴空間において、酸素飽和度が同じ部分を繋ぎあわせた等値線が、縦軸Log(B1/G2)方向に沿って、移動する。この補正後の相関関係を用いて酸素飽和度を算出することによって、各種部位や患者が異なる場合の他、観察対象上で黄色色素の影響がある状況においても、酸素飽和度を正確に算出することができる
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0089】
光源制御部208は、通常モードの場合には、青色レーザ光源204を点灯させる。これに対して、酸素飽和度モード又はキャリブレーションモードの場合には、青色レーザ光源204と青緑色レーザ光源206を交互に点灯させる
【国際調査報告】