特表-18163702IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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再表2018-163702積層体、光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置、赤外線センサおよびキット
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  • 再表WO2018163702-積層体、光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置、赤外線センサおよびキット 図000050
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年9月13日
【発行日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】積層体、光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置、赤外線センサおよびキット
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/22 20060101AFI20191129BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20191129BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20191129BHJP
   H01L 27/144 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   G02B5/22
   G02B5/20 101
   G02B5/20
   H01L27/146 D
   H01L27/144 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】66
【出願番号】特願2019-504405(P2019-504405)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年2月8日
(31)【優先権主張番号】特願2017-42621(P2017-42621)
(32)【優先日】2017年3月7日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】特許業務法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】北島 峻輔
【テーマコード(参考)】
2H148
4M118
【Fターム(参考)】
2H148AA05
2H148AA16
2H148AA18
2H148AA24
2H148BE13
2H148BF16
2H148BG02
2H148BG06
2H148BG11
2H148BH13
2H148CA04
2H148CA12
2H148CA19
2H148CA23
4M118AA10
4M118AB01
4M118BA10
4M118BA14
4M118CA02
4M118GA10
4M118GB03
4M118GB07
4M118GB11
4M118GC07
4M118GC11
4M118GC14
4M118GC20
4M118GD04
(57)【要約】
耐熱性に優れた積層体を提供する。また、積層体を含む光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置、赤外線センサを提供する。また、耐熱性に優れた積層体を製造できるキットを提供する。積層体は、近赤外線吸収色素を含む近赤外線吸収層と、近赤外線吸収層と厚み方向で隣接して配置された有彩色色素を含むカラーフィルタ層とを有し、近赤外線吸収層およびカラーフィルタ層の少なくとも一方は、色素骨格を有する化合物の全質量中における、色素骨格にスルホ基、リン酸基、カルボキシル基から選ばれる酸基が結合した化合物の含有量が0.1〜99.9質量%である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近赤外線吸収色素を含む近赤外線吸収層と、
前記近赤外線吸収層と厚み方向で隣接して配置された有彩色色素を含むカラーフィルタ層とを有する積層体であって、
前記近赤外線吸収層および前記カラーフィルタ層の少なくとも一方は、色素骨格を有する化合物の全質量中における、色素骨格にスルホ基、リン酸基およびカルボキシル基から選ばれる酸基が結合した化合物の含有量が0.1〜99.9質量%である、積層体。
【請求項2】
前記カラーフィルタ層は複数色の着色画素を有し、前記着色画素の各々は、色素骨格を有する化合物の全質量中における、前記酸基が結合した化合物の含有量が0.1〜99.9質量%である、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記近赤外線吸収層および前記カラーフィルタ層は、色素骨格を有する化合物の全質量中における、前記酸基が結合した化合物の含有量が0.1〜99.9質量%である、請求項1または2に記載の積層体。
【請求項4】
前記近赤外線吸収色素は、ピロロピロール化合物、シアニン化合物およびスクアリリウム化合物から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
【請求項5】
さらに、酸素遮蔽膜を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
【請求項6】
前記近赤外線吸収層と前記カラーフィルタ層との積層体上に、さらに、酸素遮蔽膜を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
【請求項7】
前記酸素遮蔽膜の酸素透過率が200ml/m2・day・atm以下である、請求項5または6に記載の積層体。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層体を含む光学フィルタ。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層体を含む固体撮像素子。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層体を含む画像表示装置。
【請求項11】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層体を含む赤外線センサ。
【請求項12】
近赤外線吸収色素を含む近赤外線吸収層と、
前記近赤外線吸収層と厚み方向で隣接して配置された有彩色色素を含むカラーフィルタ層とを有する積層体であって、前記近赤外線吸収層および前記カラーフィルタ層の少なくとも一方は、色素骨格を有する化合物の全質量中における、色素骨格にスルホ基、リン酸基およびカルボキシル基から選ばれる酸基が結合した化合物の含有量が0.1〜99.9質量%である、積層体の製造に用いられるキットであって、
近赤外線吸収色素を含む近赤外線吸収層形成用組成物と、
有彩色色素を含むカラーフィルタ層形成用組成物とを含み、
前記近赤外線吸収層形成用組成物および前記カラーフィルタ層形成用組成物の少なくとも一方は、色素骨格を有する化合物の全質量中における、色素骨格にスルホ基、リン酸基およびカルボキシル基から選ばれる酸基が結合した化合物の含有量が0.1〜99.9質量%である、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近赤外線吸収色素を含む近赤外線吸収層と有彩色色素を含むカラーフィルタ層とを有する積層体に関する。また、積層体を含む光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置および赤外線センサに関する。また、積層体の製造に用いられるキットに関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、カメラ機能付き携帯電話などには、カラー画像の固体撮像素子である、CCD(電荷結合素子)や、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)が用いられている。これら固体撮像素子は、その受光部において赤外線に感度を有するシリコンフォトダイオードを使用している。このために、近赤外線カットフィルタなどの近赤外線吸収層を設けて視感度補正を行うことがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開WO2015/166873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近赤外線吸収層は、近赤外線吸収層上にカラーフィルタ層を積層して用いられることがある。本発明者の検討によれば、近赤外線吸収色素を含む近赤外線吸収層上にカラーフィルタ層を積層させた場合においては、近赤外線吸収色素を含む近赤外線吸収層を単独で加熱した場合よりも、近赤外線吸収層における分光特性が変動し易い傾向にあることが分かった。特に、近赤外線吸収層とカラーフィルタ層との積層体上に更に酸素遮蔽膜を形成した場合においては、加熱後の近赤外線吸収層の分光特性がより変動し易いことが分かった。
【0005】
よって、本発明の目的は耐熱性に優れた積層体を提供することにある。また、本発明の目的は、積層体を含む光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置、赤外線センサを提供することにある。また、本発明の目的は、耐熱性に優れた積層体を製造できるキットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者の検討によれば、近赤外線吸収層およびカラーフィルタ層の少なくとも一方について、色素骨格を有する化合物の全質量中における、色素骨格にスルホ基、リン酸基およびカルボキシル基から選ばれる酸基が結合した化合物の含有量が0.1〜99.9質量%である積層体は、耐熱性に優れ、加熱しても分光特性が変動し難いことを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は以下を提供する。
<1> 近赤外線吸収色素を含む近赤外線吸収層と、
近赤外線吸収層と厚み方向で隣接して配置された有彩色色素を含むカラーフィルタ層とを有する積層体であって、
近赤外線吸収層およびカラーフィルタ層の少なくとも一方は、色素骨格を有する化合物の全質量中における、色素骨格にスルホ基、リン酸基およびカルボキシル基から選ばれる酸基が結合した化合物の含有量が0.1〜99.9質量%である、積層体。
<2> カラーフィルタ層は複数色の着色画素を有し、各着色画素は、色素骨格を有する化合物の全質量中における色素骨格にスルホ基、リン酸基およびカルボキシル基から選ばれる酸基が結合した化合物の含有量が0.1〜99.9質量%である、<1>に記載の積層体。
<3> 近赤外線吸収層およびカラーフィルタ層は、色素骨格を有する化合物の全質量中における、色素骨格にスルホ基、リン酸基およびカルボキシル基から選ばれる酸基が結合した化合物の含有量が0.1〜99.9質量%である、<1>または<2>に記載の積層体。
<4> 近赤外線吸収色素は、ピロロピロール化合物、シアニン化合物およびスクアリリウム化合物から選ばれる少なくとも1種である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の積層体。
<5> さらに、酸素遮蔽膜を有する、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の積層体。
<6> 近赤外線吸収層とカラーフィルタ層との積層体上に、さらに、酸素遮蔽膜を有する、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の積層体。
<7> 酸素遮蔽膜の酸素透過率が200ml/m2・day・atm以下である、<5>または<6>に記載の積層体。
<8> <1>〜<7>のいずれか1つに記載の積層体を含む光学フィルタ。
<9> <1>〜<7>のいずれか1つに記載の積層体を含む固体撮像素子。
<10> <1>〜<7>のいずれか1つに記載の積層体を含む画像表示装置。
<11> <1>〜<7>のいずれか1つに記載の積層体を含む赤外線センサ。
<12> 近赤外線吸収色素を含む近赤外線吸収層と、
近赤外線吸収層と厚み方向で隣接して配置された有彩色色素を含むカラーフィルタ層とを有する積層体であって、近赤外線吸収層およびカラーフィルタ層の少なくとも一方は、色素骨格を有する化合物の全質量中における、色素骨格にスルホ基、リン酸基およびカルボキシル基から選ばれる酸基が結合した化合物の含有量が0.1〜99.9質量%である、積層体の製造に用いられるキットであって、
近赤外線吸収色素を含む近赤外線吸収層形成用組成物と、
有彩色色素を含むカラーフィルタ層形成用組成物とを含み、
近赤外線吸収層形成用組成物およびカラーフィルタ層形成用組成物の少なくとも一方は、色素骨格を有する化合物の全質量中における、色素骨格にスルホ基、リン酸基およびカルボキシル基から選ばれる酸基が結合した化合物の含有量が0.1〜99.9質量%である、キット。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、耐熱性に優れた積層体を提供することができる。また、積層体を含む光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置、赤外線センサを提供することができる。また、耐熱性に優れた積層体を製造できるキットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】赤外線センサの一実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さない基(原子団)と共に置換基を有する基(原子団)をも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。
本明細書において、「露光」とは、特に断らない限り、光を用いた露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線を用いた描画も含む。また、露光に用いられる光としては、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等の活性光線または放射線が挙げられる。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルの双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アリル」は、アリルおよびメタリルの双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタクリロイルの双方、または、いずれかを表す。
本明細書において、重量平均分子量および数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定でのポリスチレン換算値として定義される。本明細書において、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、例えば、HLC−8220(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel Super AWM―H(東ソー(株)製、6.0mmID(内径)×15.0cm)を用い、溶離液として10mmol/L リチウムブロミドNMP(N−メチルピロリジノン)溶液を用いることによって求めることができる。
本明細書において、近赤外線とは波長700〜2,500nmの光(電磁波)をいう。
本明細書において、全固形分とは、組成物の全成分から溶剤を除いた成分の総質量をいう。
本明細書において、「工程」との語は、独立した工程を表すだけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
【0010】
<積層体>
本発明の積層体は、近赤外線吸収色素を含む近赤外線吸収層と、
近赤外線吸収層と厚み方向で隣接して配置された有彩色色素を含むカラーフィルタ層とを有する積層体であって、
近赤外線吸収層およびカラーフィルタ層の少なくとも一方は、色素骨格を有する化合物の全質量中における、色素骨格にスルホ基、リン酸基およびカルボキシル基から選ばれる酸基が結合した化合物(以下、「特定の酸基が結合した色素化合物」ともいう。)の含有量が0.1〜99.9質量%であることを特徴とする。
【0011】
本発明の積層体によれば、後述する実施例に示されるように、高温(例えば、240℃以上)での加熱処理を行っても、近赤外線吸収層の分光特性の変動を抑制でき、そのため、この積層体は優れた耐熱性を有している。このような効果が得られる理由は不明であるが、近赤外線吸収層およびカラーフィルタ層の少なくとも一方において、色素骨格を有する化合物の全質量中における、特定の酸基が結合した色素化合物の含有量が0.1〜99.9質量%であることにより、加熱に伴う近赤外線吸収色素の分解や変性などを抑制でき、その結果、近赤外線吸収層の分光特性の変動を抑制できたと推測される。
【0012】
また、近赤外線吸収層とカラーフィルタ層との積層体上に更に酸素遮蔽膜を形成した場合において、従来は、加熱後の近赤外線吸収層の分光特性がより変動し易い傾向にあったが、本発明によれば、更に酸素遮蔽膜を設けた場合であっても、近赤外線吸収層の分光特性の変動を十分に抑制することができる。このため、本発明の積層体は、近赤外線吸収層とカラーフィルタ層との他に、更に酸素遮蔽膜を有する場合において特に顕著な効果が得られる。
【0013】
本発明の積層体において、近赤外線吸収層およびカラーフィルタ層の少なくとも一方は、色素骨格を有する化合物の全質量中における、特定の酸基が結合した色素化合物の含有量が1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが更に好ましい。上限は、99質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが更に好ましい。また、上記の酸基としては、スルホ基およびカルボキシル基が好ましく、スルホ基がより好ましい。本発明の積層体に含まれる色素骨格を有する化合物としては、近赤外線吸収色素、有彩色色素、色素誘導体などが挙げられる。また、特定の酸基が結合した色素化合物としては、色素誘導体などが挙げられる。色素誘導体は、式(B1)で表される化合物であることが好ましい。
【0014】
【化1】

式(B1)中、Pは色素骨格を表し、Lは単結合または連結基を表し、Xはスルホ基、リン酸基およびカルボキシル基から選ばれる酸基を表し、mは1以上の整数を表し、nは1以上の整数を表し、mが2以上の場合は複数のLおよびXは互いに異なっていてもよく、nが2以上の場合は複数のXは互いに異なっていてもよい。
【0015】
式(B1)中、Pが表す色素骨格としては、ピロロピロール色素骨格、ジケトピロロピロール色素骨格、キナクリドン色素骨格、アントラキノン色素骨格、ジアントラキノン色素骨格、ベンゾイソインドール色素骨格、チアジンインジゴ色素骨格、アゾ色素骨格、キノフタロン色素骨格、フタロシアニン色素骨格、ナフタロシアニン色素骨格、ジオキサジン色素骨格、ペリレン色素骨格、ペリノン色素骨格、ベンゾイミダゾロン色素骨格、ベンゾチアゾール色素骨格、ベンゾイミダゾール色素骨格およびベンゾオキサゾール色素骨格が挙げられ、ピロロピロール色素骨格、ジケトピロロピロール色素骨格、フタロシアニン色素骨格、キナクリドン色素骨格、ベンゾイミダゾロン色素骨格から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0016】
式(B1)中、Lが表す連結基としては、1〜100個の炭素原子、0〜10個の窒素原子、0〜50個の酸素原子、1〜200個の水素原子、および0〜20個の硫黄原子から成り立つ基が挙げられる。例えば、−CH2−、>CH−、>C<、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−、−N<、−CONH−、−CON<、脂肪族環基、芳香族炭化水素環基、ヘテロ環基およびこれらの組み合わせからなる基が挙げられる。ヘテロ環基は、5員環または6員環が好ましい。また、ヘテロ環基は、単環であってもよく、縮合環であってもよい。ヘテロ環基は、単環または縮合数が2〜8の縮合環であることが好ましく、単環または縮合数が2〜4の縮合環であることがより好ましい。ヘテロ環基の環を構成するヘテロ原子の種類としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などが挙げられる。ヘテロ環基の環を構成するヘテロ原子の数は、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましい。
【0017】
色素誘導体の具体例としては、例えば下記構造の化合物が挙げられる。また、特開昭56−118462号公報、特開昭63−264674号公報、特開平1−217077号公報、特開平3−9961号公報、特開平3−26767号公報、特開平3−153780号公報、特開平3−45662号公報、特開平4−285669号公報、特開平6−145546号公報、特開平6−212088号公報、特開平6−240158号公報、特開平10−30063号公報、特開平10−195326号公報、国際公開WO2011/024896号公報の段落番号0086〜0098、国際公開WO2012/102399号公報の段落番号0063〜0094等に記載の化合物を用いることもでき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。なお、以下の化合物3、6、9は、4個のイソインドール環に、スルホ基、リン酸基またはカルボキシル基が合計で2個または3個結合した化合物の混合物であって、4個のイソインドール環に、スルホ基、リン酸基またはカルボキシル基が平均で2.2個結合している。
【化2】
【0018】
本発明の積層体において、カラーフィルタ層は、色素骨格を有する化合物の全質量中における、特定の酸基が結合した色素化合物の含有量が0.1〜99.9質量%であることが好ましい。下限は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが更に好ましい。上限は、99質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが更に好ましい。なかでも、カラーフィルタ層に含まれる有彩色色素が顔料であり、顔料の他に、特定の酸基が結合した色素化合物を更に含む態様であることがより好ましい。この態様において、近赤外線吸収層は、特定の酸基が結合した色素化合物を含有していてもよく、含有していなくてもよい。また、近赤外線吸収層が、特定の酸基が結合した色素化合物を含有しない場合においては、近赤外線吸収層に含まれる近赤外線吸収色素は、染料であることが好ましい。また、近赤外線吸収層に含まれる近赤外線吸収色素が顔料を含む場合においては、近赤外線吸収層は、特定の酸基が結合した色素化合物を含有することが好ましい。
【0019】
本発明の積層体のより好ましい態様としては、カラーフィルタ層および近赤外線吸収層のいずれにおいても、これらに含まれる色素骨格を有する化合物の全質量中における、特定の酸基が結合した色素化合物の含有量が0.1〜99.9質量%であることが好ましい。下限は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが更に好ましい。上限は、99質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが更に好ましい。
【0020】
本発明の積層体において、近赤外線吸収層に含まれる近赤外線吸収色素は、波長700〜1,300nmの範囲に吸収を有する化合物であることが好ましく、波長700〜1,300nmの範囲に極大吸収波長を有する化合物であることがより好ましく、波長700〜1,000nmの範囲に極大吸収波長を有する化合物であることが更に好ましい。なお、近赤外線吸収色素は色素骨格を有する化合物である。
【0021】
近赤外線吸収色素としては、顔料および染料のいずれでもよいが、染料であることが好ましい。染料は、色素に比べて、耐熱性が劣る傾向にあるが、本発明によれば、近赤外線吸収色素として染料を用いた場合であっても、耐熱性に優れた積層体とすることができる。このため、近赤外線吸収色素として染料を用いた場合において、本発明の効果が特に顕著に得られる。また、本発明においては、近赤外線吸収色素として染料と顔料とを併用することも好ましい。染料と顔料とを併用する場合、染料と顔料との質量比は、染料:顔料=99.9:0.1〜0.1:99.9であることが好ましく、99.9:0.1〜10:90であることがより好ましく、99.9:0.1〜20:80であることがさらに好ましい。
なお、本明細書において、染料とは、溶剤に溶解しやすい色素化合物を意味し、顔料は、溶剤に溶解しにくい色素化合物を意味する。染料は、23℃のシクロペンタノン、シクロヘキサノン、および、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルから選ばれる少なくとも1種の溶剤100gに対する溶解度が、1g以上であることが好ましく、2g以上であることがより好ましく、5g以上であることがさらに好ましい。また、顔料は、23℃のシクロペンタノン、シクロヘキサノン、および、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルのそれぞれの溶剤100gに対する溶解度が、1g未満であることが好ましく、0.1g以下であることがより好ましく、0.01g以下であることがさらに好ましい。
【0022】
近赤外線吸収色素は、単環または縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物であることが好ましい。近赤外線吸収色素は、色素骨格とは別に前述のπ共役平面を有していてもよいが、前述のπ共役平面中に色素骨格が含まれていることが好ましい。
【0023】
上記π共役平面を構成する水素以外の原子数は、6個以上であることが好ましく、14個以上であることがより好ましく、20個以上であることがさらに好ましく、25個以上であることが一層好ましく、30個以上であることが特に好ましい。上限は、例えば、80個以下であることが好ましく、50個以下であることがより好ましい。
【0024】
上記π共役平面は、単環または縮合環の芳香族環を2個以上含むことが好ましく、3個以上含むことがより好ましく、4個以上含むことがさらに好ましく、5個以上含むことが特に好ましい。上限は、100個以下が好ましく、50個以下がより好ましく、30個以下がさらに好ましい。前述の芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ペンタレン環、インデン環、アズレン環、ヘプタレン環、インダセン環、ペリレン環、ペンタセン環、クアテリレン環、アセナフテン環、フェナントレン環、アントラセン環、ナフタセン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオレン環、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾリン環、ピラジン環、キノキサリン環、ピリミジン環、キナゾリン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、インドール環、イソインドール環、カルバゾール環、および、これらの環を有する縮合環が挙げられる。
【0025】
近赤外線吸収色素は、波長700〜1,000nmの範囲に極大吸収波長を有し、かつ、波長500nmにおける吸光度A1と極大吸収波長における吸光度A2との比率A1/A2が、0.08以下であることが好ましく、0.04以下であることがより好ましい。この態様によれば、可視透明性と赤外線遮蔽性に優れた近赤外線吸収層とすることができる。
【0026】
近赤外線吸収層は、近赤外線吸収色素として、極大吸収波長の異なる少なくとも2種の化合物を含むことが好ましい。この態様によれば、近赤外線吸収層の吸収スペクトルの波形が、1種類のみの近赤外線吸収色素を含む場合に比べて広がり、幅広い波長範囲の近赤外線を遮蔽することができる。
【0027】
本発明において、近赤外線吸収色素は、ピロロピロール化合物、シアニン化合物、スクアリリウム化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、クアテリレン化合物、メロシアニン化合物、クロコニウム化合物、オキソノール化合物、ジイモニウム化合物、ジチオール化合物、トリアリールメタン化合物、ピロメテン化合物、アゾメチン化合物、アントラキノン化合物およびジベンゾフラノン化合物から選ばれる少なくとも1種が好ましく、ピロロピロール化合物、シアニン化合物、スクアリリウム化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物およびクアテリレン化合物から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、ピロロピロール化合物、シアニン化合物およびスクアリリウム化合物から選ばれる少なくとも1種がさらに好ましく、ピロロピロール化合物が特に好ましい。ジイモニウム化合物としては、例えば、特表2008−528706号公報に記載の化合物が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。フタロシアニン化合物としては、例えば、特開2012−77153号公報の段落番号0093に記載の化合物、特開2006−343631号公報に記載のオキシチタニウムフタロシアニン、特開2013−195480号公報の段落番号0013〜0029に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。ナフタロシアニン化合物としては、例えば、特開2012−77153号公報の段落番号0093に記載の化合物が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。また、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、ジイモニウム化合物およびスクアリリウム化合物は、特開2010−111750号公報の段落番号0010〜0081に記載の化合物を使用してもよく、この内容は本明細書に組み込まれる。また、シアニン化合物は、例えば、「機能性色素、大河原信/松岡賢/北尾悌次郎/平嶋恒亮・著、講談社サイエンティフィック」を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。また、近赤外線吸収色素としては、特開2016−146619号公報に記載された化合物を用いることもでき、この内容は本明細書に組み込まれる。
【0028】
ピロロピロール化合物としては、式(PP)で表される化合物であることが好ましい。この態様によれば、耐熱性や耐光性に優れた近赤外線吸収層を形成し易い。
【化3】

式中、R1aおよびR1bは、各々独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R2およびR3は、各々独立に水素原子または置換基を表し、R2およびR3は、互いに結合して環を形成してもよく、R4は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−BR4A4B、または金属原子を表し、R4は、R1a、R1bおよびR3から選ばれる少なくとも一つと共有結合もしくは配位結合していてもよく、R4AおよびR4Bは、各々独立に置換基を表す。式(PP)の詳細については、特開2009−263614号公報の段落番号0017〜0047、特開2011−68731号公報の段落番号0011〜0036、国際公開WO2015/166873号公報の段落番号0010〜0024の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
【0029】
1aおよびR1bは、各々独立に、アリール基またはヘテロアリール基が好ましく、アリール基がより好ましい。また、R1aおよびR1bが表すアルキル基、アリール基およびヘテロアリール基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。置換基としては、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−OCOR11、−SOR12、−SO213などが挙げられる。R11〜R13は、それぞれ独立に、炭化水素基または複素環基を表す。また、置換基としては、特開2009−263614号公報の段落番号0020〜0022に記載された置換基、および、後述する式(SQ)で説明する置換基などが挙げられる。例えば、置換基としては、アルコキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、−OCOR11、−SOR12、−SO213が好ましい。R1a、R1bで表される基としては、分岐アルキル基を有するアルコキシ基を置換基として有するアリール基、ヒドロキシ基を置換基として有するアリール基、または、−OCOR11で表される基を置換基として有するアリール基であることが好ましい。分岐アルキル基の炭素数は、3〜30が好ましく、3〜20がより好ましい。
【0030】
2およびR3の少なくとも一方は電子求引性基が好ましく、R2は電子求引性基(好ましくはシアノ基)を表し、R3はヘテロアリール基を表すことがより好ましい。ヘテロアリール基は、5員環または6員環が好ましい。また、ヘテロアリール基は、単環または縮合環が好ましく、単環または縮合数が2〜8の縮合環が好ましく、単環または縮合数が2〜4の縮合環がより好ましい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子の数は、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましい。ヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が例示される。ヘテロアリール基は、窒素原子を1個以上有することが好ましい。
【0031】
4は、水素原子または−BR4A4Bで表される基であることが好ましい。R4AおよびR4Bが表す置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、または、ヘテロアリール基が好ましく、アルキル基、アリール基、または、ヘテロアリール基がより好ましく、アリール基が特に好ましい。−BR4A4Bで表される基の具体例としては、ジフルオロホウ素基、ジフェニルホウ素基、ジブチルホウ素基、ジナフチルホウ素基、カテコールホウ素基が挙げられる。中でもジフェニルホウ素基が特に好ましい。
【0032】
式(PP)で表される化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。以下の構造式中、Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表す。また、ピロロピロール化合物としては、特開2009−263614号公報の段落番号0016〜0058に記載の化合物、特開2011−68731号公報の段落番号0037〜0052に記載の化合物、国際公開WO2015/166873号公報の段落番号0010〜0033に記載の化合物などが挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
【化4】
【0033】
スクアリリウム化合物としては、下記式(SQ)で表される化合物が好ましい。
【化5】

式(SQ)中、A1およびA2は、それぞれ独立に、アリール基、ヘテロアリール基または式(A−1)で表される基を表す;
【化6】

式(A−1)中、Z1は、含窒素複素環を形成する非金属原子団を表し、R2は、アルキル基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、dは、0または1を表し、波線は連結手を表す。
【0034】
1およびA2が表すアリール基の炭素数は、6〜48が好ましく、6〜24がより好ましく、6〜12が特に好ましい。
1およびA2が表すヘテロアリール基としては、5員環または6員環が好ましい。また、ヘテロアリール基は、単環または縮合数が2〜8の縮合環が好ましく、単環または縮合数が2〜4の縮合環がより好ましく、単環または縮合数が2または3の縮合環が更に好ましい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が例示され、窒素原子、硫黄原子が好ましい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子の数は、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましい。
【0035】
アリール基およびヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい。アリール基およびヘテロアリール基が、置換基を2個以上有する場合、複数の置換基は同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0036】
置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、−OR10、−COR11、−COOR12、−OCOR13、−NR1415、−NHCOR16、−CONR1718、−NHCONR1920、−NHCOOR21、−SR22、−SO223、−SO2OR24、−NHSO225または−SO2NR2627が挙げられる。R10〜R27は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、またはアラルキル基を表す。なお、−COOR12のR12が水素原子の場合は、水素原子が解離してもよく、塩の状態であってもよい。また、−SO2OR24のR24が水素原子の場合は、水素原子が解離してもよく、塩の状態であってもよい。
【0037】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0038】
アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜8が更に好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。
アルケニル基の炭素数は、2〜20が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜8が特に好ましい。アルケニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。
アルキニル基の炭素数は、2〜40が好ましく、2〜30がより好ましく、2〜25が特に好ましい。アルキニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。
アリール基の炭素数は、6〜30が好ましく、6〜20がより好ましく、6〜12が更に好ましい。
アラルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アラルキル基のアリール部分は、上記アリール基と同様である。アラルキル基の炭素数は、7〜40が好ましく、7〜30がより好ましく、7〜25が更に好ましい。
ヘテロアリール基は、単環または縮合数が2〜8の縮合環が好ましく、単環または縮合数が2〜4の縮合環がより好ましい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子の数は1〜3が好ましい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましい。ヘテロアリール基は、5員環または6員環が好ましい。ヘテロアリール基の環を構成する炭素原子の数は3〜30が好ましく、3〜18がより好ましく、3〜12がより好ましい。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基およびヘテロアリール基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。置換基としては、上述した置換基が挙げられる。
【0039】
次に、A1およびA2が表す式(A−1)で表される基について説明する。
【0040】
式(A−1)において、R2は、アルキル基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、アルキル基が好ましい。
アルキル基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜12が更に好ましく、2〜8が特に好ましい。
アルケニル基の炭素数は、2〜30が好ましく、2〜20がより好ましく、2〜12が更に好ましい。
アルキル基およびアルケニル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。
アラルキル基の炭素数は7〜30が好ましく、7〜20がより好ましい。
【0041】
式(A−1)において、Z1により形成される含窒素複素環としては、5員環または6員環が好ましい。また、含窒素複素環は、単環または縮合数が2〜8の縮合環が好ましく、単環または縮合数が2〜4の縮合環がより好ましく、縮合数が2または3の縮合環がより好ましい。含窒素複素環は、窒素原子の他に、硫黄原子を含んでいてもよい。また、含窒素複素環は置換基を有していてもよい。置換基としては、上述した置換基が挙げられる。
【0042】
式(SQ)の詳細については、特開2011−208101号公報の段落番号0020〜0049の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
【0043】
なお、式(SQ)においてカチオンは、以下のように非局在化して存在している。
【化7】
【0044】
スクアリリウム化合物は、下記式(SQ−1)で表される化合物が好ましい。
【化8】

環Aおよび環Bは、それぞれ独立に芳香族環を表し、
AおよびXBはそれぞれ独立に置換基を表し、
AおよびGBはそれぞれ独立に置換基を表し、
kAは0〜nAの整数を表し、kBは0〜nBの整数を表し、
AおよびnBはそれぞれ環Aまたは環Bに置換可能な最大の整数を表し、
AとGA、XBとGBは互いに結合して環を形成しても良く、GAおよびGBがそれぞれ複数存在する場合は、互いに結合して環構造を形成していても良い。
【0045】
AおよびGBが表す置換基としては、上述した式(SQ)で説明した置換基が挙げられる。
【0046】
AおよびXBが表す置換基としては、上述した式(SQ)で説明した置換基が挙げられ、活性水素を有する基が好ましく、−OH、−SH、−COOH、−SO3H、−NRX1X2、−NHCORX1、−CONRX1X2、−NHCONRX1X2、−NHCOORX1、−NHSO2X1、−B(OH)2および−PO(OH)2がより好ましく、−OH、−SHおよび−NRX1X2が更に好ましい。
X1およびRX1は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。置換基としてはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、または、ヘテロアリール基が挙げられ、アルキル基が好ましい。アルキル基は直鎖または分岐が好ましい。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、および、ヘテロアリール基の詳細については、上述した置換基の欄で説明した範囲と同義である。
【0047】
環Aおよび環Bは、それぞれ独立に、芳香族環を表す。芳香族環は単環であってもよく、縮合環であってもよい。芳香族環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ペンタレン環、インデン環、アズレン環、ヘプタレン環、インダセン環、ペリレン環、ペンタセン環、アセナフテン環、フェナントレン環、アントラセン環、ナフタセン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオレン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、および、フェナジン環が挙げられ、ベンゼン環またはナフタレン環が好ましい。
芳香族環は、無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、上述した式(SQ)で説明した置換基が挙げられる。
【0048】
AとGA、XBとGBは互いに結合して環を形成しても良く、GAおよびGBがそれぞれ複数存在する場合は、互いに結合して環を形成していても良い。環としては、5員環または6員環が好ましい。環は単環であってもよく、縮合環であってもよい。XAとGA、XBとGB、GA同士またはGB同士が結合して環を形成する場合、これらが直接結合して環を形成してもよく、アルキレン基、−CO−、−O−、−NH−、−BR−およびそれらの組み合わせからなる2価の連結基を介して結合して環を形成してもよい。XAとGA、XBとGB、GA同士またはGB同士が、−BR−を介して結合して環を形成することが好ましい。Rは、水素原子または置換基を表す。置換基としては、上述した式(SQ)で説明した置換基が挙げられ、アルキル基またはアリール基が好ましい。
【0049】
kAは0〜nの整数を表し、kBは0〜nの整数を表し、nAは、環Aに置換可能な最大の整数を表し、nBは、環Bに置換可能な最大の整数を表す。kAおよびkBは、それぞれ独立に0〜4が好ましく、0〜2がより好ましく、0〜1が特に好ましい。
【0050】
スクアリリウム化合物の具体例としては、以下に示す化合物が挙げられる。また、スクアリリウム化合物としては、特開2011−208101号公報の段落番号0044〜0049に記載の化合物が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。
【化9】
【0051】
シアニン化合物は、式(C)で表される化合物が好ましい。
式(C)
【化10】

式中、Z1およびZ2は、それぞれ独立に、縮環してもよい5員または6員の含窒素複素環を形成する非金属原子団であり、
101およびR102は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基またはアリール基を表し、
1は、奇数個のメチン基を有するメチン鎖を表し、
aおよびbは、それぞれ独立に、0または1であり、
aが0の場合は、炭素原子と窒素原子とが二重結合で結合し、bが0の場合は、炭素原子と窒素原子とが単結合で結合し、
式中のCyで表される部位がカチオン部である場合、X1はアニオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表し、式中のCyで表される部位がアニオン部である場合、X1はカチオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表し、式中のCyで表される部位の電荷が分子内で中和されている場合、cは0である。
【0052】
式(C)において、Z1およびZ2は、それぞれ独立に、縮環してもよい5員又は6員の含窒素複素環を形成する非金属原子団を表す。含窒素複素環には、他の複素環、芳香族環または脂肪族環が縮合してもよい。含窒素複素環は、5員環が好ましい。5員の含窒素複素環に、ベンゼン環又はナフタレン環が縮合している構造がさらに好ましい。含窒素複素環の具体例としては、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、オキサゾロカルバゾール環、オキサゾロジベンゾフラン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ナフトイミダゾール環、キノリン環、ピリジン環、ピロロピリジン環、フロピロール環、インドリジン環、イミダゾキノキサリン環、キノキサリン環等が挙げられ、キノリン環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環が好ましく、インドレニン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環が特に好ましい。含窒素複素環及びそれに縮合している環は、置換基を有していてもよい。置換基としては、式(SQ)で説明した置換基が挙げられる。
【0053】
式(C)において、R101およびR102は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基またはアリール基を表す。これらの好ましい範囲については、式(SQ)で説明した範囲と同様である。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基およびアリール基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。置換基としては、式(SQ)で説明した置換基が挙げられる。
【0054】
式(C)において、L1は、奇数個のメチン基を有するメチン鎖を表す。L1は、3個、5個または7個のメチン基を有するメチン鎖が好ましい。
メチン基は置換基を有していてもよい。置換基を有するメチン基は、中央の(メソ位の)メチン基であることが好ましい。置換基の具体例としては、式(SQ)で説明した置換基、および、式(a)で表される基などが挙げられる。また、メチン鎖の二つの置換基が結合して5または6員環を形成しても良い。
【化11】

式(a)中、*は、メチン鎖との連結部を表し、A1は、−O−を表す。
【0055】
式(C)において、aおよびbは、それぞれ独立に、0または1である。aが0の場合は、炭素原子と窒素原子とが二重結合で結合し、bが0の場合は、炭素原子と窒素原子とが単結合で結合する。aおよびbはともに0であることが好ましい。なお、aおよびbがともに0の場合は、式(C)は以下のように表される。
【化12】
【0056】
式(C)において、式中のCyで表される部位がカチオン部である場合、X1はアニオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表す。アニオンの例としては、ハライドイオン(Cl-、Br-、I-)、パラトルエンスルホン酸イオン、エチル硫酸イオン、PF6-、BF4-、ClO4-、トリス(ハロゲノアルキルスルホニル)メチドアニオン(例えば、(CF3SO23-)、ジ(ハロゲノアルキルスルホニル)イミドアニオン(例えば(CF3SO22-)、テトラシアノボレートアニオンなどが挙げられる。
式(C)において、式中のCyで表される部位がアニオン部である場合、X1はカチオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表す。カチオンとしては、アルカリ金属イオン(Li+、Na+、K+など)、アルカリ土類金属イオン(Mg2+、Ca2+、Ba2+、Sr2+など)、遷移金属イオン(Ag+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+など)、その他の金属イオン(Al3+など)、アンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、トリブチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、グアニジニウムイオン、テトラメチルグアニジニウムイオン、ジアザビシクロウンデセニウムイオンなどが挙げられる。カチオンとしては、Na+、K+、Mg2+、Ca2+、Zn2+、ジアザビシクロウンデセニウムイオンが好ましい。
式(C)において、式中のCyで表される部位の電荷が分子内で中和されている場合、X1は存在しない。すなわち、cは0である。
【0057】
シアニン化合物は、下記式(C−1)〜(C−3)で表される化合物であることも好ましい。
【化13】

式中、R1A、R2A、R1BおよびR2Bは、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基またはアリール基を表し、
1AおよびL1Bは、それぞれ独立に奇数個のメチン基を有するメチン鎖を表し、
1およびY2は、各々独立に−S−、−O−、−NRX1−または−CRX2X3−を表し、
X1、RX2およびRX3は、各々独立に水素原子またはアルキル基を表し、
1A、V2A、V1BおよびV2Bは、それぞれ独立に、置換基を表し、
m1およびm2は、それぞれ独立に0〜4を表し、
式中のCyで表される部位がカチオン部である場合、X1はアニオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表し、式中のCyで表される部位がアニオン部である場合、X1はカチオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表し、式中のCyで表される部位の電荷が分子内で中和されている場合、X1は存在しない。
【0058】
1A、R2A、R1BおよびR2Bが表す基は、式(C)のR101およびR102で説明したアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基およびアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0059】
1およびY2は、各々独立に−S−、−O−、−NRX1−または−CRX2X3−を表し、−NRX1−が好ましい。RX1、RX2およびRX3は、各々独立に水素原子またはアルキル基を表し、アルキル基が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。アルキル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、直鎖または分岐が好ましく、直鎖が特に好ましい。アルキル基は、メチル基またはエチル基が特に好ましい。
【0060】
1AおよびL1Bは、式(C)のL1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
1A、V2A、V1BおよびV2Bが表す置換基は、式(SQ)で説明した置換基が挙げられる。
m1およびm2は、それぞれ独立に0〜4を表し、0〜2が好ましい。
1が表すアニオンおよびカチオンは、式(C)のX1で説明した範囲と同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0061】
シアニン化合物の具体例としては、以下に示す化合物が挙げられる。また、シアニン化合物としては、特開2009−108267号公報の段落番号0044〜0045に記載の化合物、特開2002−194040号公報の段落番号0026〜0030に記載の化合物、特開2015−172004号公報に記載の化合物および、特開2015−172102号公報に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
【化14】
【0062】
本発明において、近赤外線吸収色素としては、市販品を用いることもできる。例えば、SDO−C33(有本化学工業(株)製)、イーエクスカラーIR−14、イーエクスカラーIR−10A、イーエクスカラーTX−EX−801B、イーエクスカラーTX−EX−805K((株)日本触媒製)、ShigenoxNIA−8041、ShigenoxNIA−8042、ShigenoxNIA−814、ShigenoxNIA−820、ShigenoxNIA−839(ハッコーケミカル社製)、EpoliteV−63、Epolight3801、Epolight3036(EPOLIN社製)、PRO−JET825LDI(富士フイルム(株)製)、NK−3027、NK−5060((株)林原製)、YKR−3070(三井化学(株)製)などが挙げられる。
【0063】
本発明の積層体において、近赤外線吸収層は波長700〜1300nmの範囲に極大吸収波長を有することがより好ましく、700〜1000nmの範囲に極大吸収波長を有することがさらに好ましい。また、波長500nmにおける吸光度A1と極大吸収波長における吸光度A2との比率A1/A2は、0.08以下であることが好ましく、0.04以下であることがより好ましい。また、近赤外線吸収層は、以下の(1)〜(4)のうちの少なくとも1つの条件を満たすことが好ましく、(1)〜(4)のすべての条件を満たすことがさらに好ましい。
(1)波長400nmの光の透過率は70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、85%以上がさらに好ましく、90%以上が特に好ましい。
(2)波長500nmの光の透過率は70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましく、95%以上が特に好ましい。
(3)波長600nmの光の透過率は70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましく、95%以上が特に好ましい。
(4)波長650nmの光の透過率は70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましく、95%以上が特に好ましい。
【0064】
本発明の積層体において、近赤外線吸収層は、波長400〜650nmの全ての範囲での透過率が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。また、波長700〜1000nmの範囲の少なくとも1点での透過率が20%以下であることが好ましい。
【0065】
本発明の積層体において、近赤外線吸収層の厚さは、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下がさらに好ましい。下限は、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましく、0.3μm以上が更に好ましい。
【0066】
本発明の積層体において、カラーフィルタ層に含まれる有彩色色素は、顔料であってもよく、染料であってもよい。耐熱性の観点から顔料であることが好ましい。顔料は、有機顔料であることが好ましい。有機顔料としては、以下を挙げることができる。
カラーインデックス(C.I.)Pigment Yellow 1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214等(以上、黄色顔料)、
C.I.Pigment Orange 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73等(以上、オレンジ色顔料)、
C.I.Pigment Red 1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279等(以上、赤色顔料)、
C.I.Pigment Green 7,10,36,37,58,59等(以上、緑色顔料)、
C.I.Pigment Violet 1,19,23,27,32,37,42等(以上、紫色顔料)、
C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,80等(以上、青色顔料)、
これら有機顔料は、単独若しくは種々組合せて用いることができる。
【0067】
染料としては特に制限はなく、公知の染料が使用できる。化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリアリールメタン系、アントラキノン系、アントラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、ピロメテン系等の染料が使用できる。また、これらの染料の多量体を用いてもよい。また、特開2015−028144号公報、特開2015−34966号公報に記載の染料を用いることもできる。
【0068】
本発明の積層体において、カラーフィルタ層は、複数色の着色画素を有することが好ましい。着色画素としては、赤、緑、青、黄色、シアン、マゼンタ、白色などの色を呈する画素が挙げられる。また、カラーフィルタ層が複数色の着色画素を有する場合において、各着色画素は、色素骨格を有する化合物の全質量中における特定の酸基が結合した色素化合物の含有量が0.1〜99.9質量%であることが好ましい。下限は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが更に好ましい。上限は、99質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが更に好ましい。また、カラーフィルタ層の各着色画素は、色素骨格を有する化合物の全質量中における、色素骨格にアミノ基が結合した化合物の含有量が3質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが更に好ましく、含有しないことが一層好ましい。
【0069】
本発明の積層体において、カラーフィルタ層の厚さは、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下がさらに好ましい。下限は、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましく、0.3μm以上が更に好ましい。
【0070】
本発明の積層体は、近赤外線吸収層とカラーフィルタ層との積層体上に、更に、酸素遮蔽膜を有していてもよい。上述したように、本発明によれば、近赤外線吸収層とカラーフィルタ層との積層体上に、更に酸素遮蔽膜を設けた場合であっても、近赤外線吸収層の分光特性の変動を十分に抑制することができる。また、酸素遮蔽膜を有することにより、カラーフィルタにおける耐光試験後の分光変動を抑制することもできる。
【0071】
本発明の積層体が更に酸素遮蔽膜を有する場合、酸素遮蔽膜は、近赤外線吸収層とカラーフィルタ層との積層体と接していてもよく、酸素遮蔽膜と前述の積層体との間に他の層が介在していてもよい。他の層としては、平坦化層、レンズ剤などが挙げられる。酸素遮蔽膜は空気層とレンズ剤間の反射防止を抑制するという理由から積層体の最外層に配置されていることが好ましい。
【0072】
酸素遮蔽膜は、SiO2、SiN、Al23、CaO、Fe23、MgO、Ga2O、ZrO2、TiO2、CaF2などの無機材料や、テトラエトキシシラン、オルトチタン酸テトラエチル、テトラメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシランなどのアルコキシ基含有化合物や、有機ポリマーなどを用いて形成することができる。有機ポリマーとしては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド類、水溶性ポリアミド、ポリアクリル酸の水溶性塩、ポリビニルエーテルと無水マレイン酸との重合体、エチレンオキサイド重合体、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロースの水溶性塩等のセルロース類、アラビアゴム、含アルコキシシラン基ポリマー等やこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0073】
酸素遮蔽膜の膜厚は、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、1μm以下であることがより好ましい。酸素遮蔽膜の膜厚の下限値は、特に定めるものではないが、例えば0.05μm以上とすることができる。
【0074】
酸素遮蔽膜の酸素透過率は、200ml/m2・day・atm以下であることが好ましく、150ml/m2・day・atm以下であることがより好ましく、100ml/m2・day・atm以下であることが特に好ましい。下限は特に限定されないが、0ml/m2・day・atmが好ましい。酸素遮蔽膜の酸素透過率は、例えば、以下のようにして測定することができる。酸素電極としてオービスフェアラボラトリーズジャパンインク製model3600を使用する。電極隔膜としては、ポリフルオロアルコキシ(PFA)2956Aを使用する。電極隔膜にシリコーングリス(SH111、東レダウコーニング(株)製)を薄く塗布し、その上に測定する薄膜材料を貼付し、酸素濃度値を測定する。なお、シリコーングリスの塗布膜は、酸素透過速度に影響を与えないことが確認されている。次に、酸素濃度値に対する酸素透過速度(ml/m2・day・atm)を換算する。
【0075】
酸素遮蔽膜については、特開2014−089408号公報の段落番号0153〜0162の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
【0076】
本発明の積層体は、さらに、銅を含有する層、誘電体多層膜、紫外線吸収層などを有していてもよい。本発明の積層体が、さらに、銅を含有する層および/または誘電体多層膜を有することで、視野角が広く、赤外線遮蔽性に優れた光学フィルタが得られやすい。また、本発明の積層体が、さらに、紫外線吸収層を有することで、紫外線遮蔽性に優れた光学フィルタとすることができる。紫外線吸収層としては、例えば、国際公開WO2015/099060号公報の段落番号0040〜0070、0119〜0145に記載の吸収層を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。誘電体多層膜としては、特開2014−41318号公報の段落番号0255〜0259の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。銅を含有する層としては、銅を含有するガラスで構成されたガラス基板(銅含有ガラス基板)や、銅錯体を含む層(銅錯体含有層)を用いることもできる。銅含有ガラス基板としては、銅を含有する燐酸塩ガラス、銅を含有する弗燐酸塩ガラスなどが挙げられる。銅含有ガラスの市販品としては、NF−50(AGCテクノグラス(株)製)、BG−60、BG−61(以上、ショット社製)、CD5000(HOYA(株)製)等が挙げられる。
【0077】
<キット>
次に、本発明のキットを説明する。
本発明のキットは、上述した本発明の積層体の製造に用いられるキットであって、
近赤外線吸収色素を含む近赤外線吸収層形成用組成物と、
有彩色色素を含むカラーフィルタ層形成用組成物とを含み、
近赤外線吸収層形成用組成物およびカラーフィルタ層形成用組成物の少なくとも一方は、色素骨格を有する化合物の全質量中における、色素骨格にスルホ基、リン酸基およびカルボキシル基から選ばれる酸基が結合した化合物の含有量が0.1〜99.9質量%である。
【0078】
本発明のキットにおいて、カラーフィルタ層形成用組成物については、色素骨格を有する化合物の全質量中における、特定の酸基が結合した色素化合物の含有量が0.1〜99.9質量%であることが好ましい。下限は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが更に好ましい。上限は、99質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが更に好ましい。なかでも、カラーフィルタ層形成用組成物に含まれる有彩色色素が顔料であり、顔料の他に、特定の酸基が結合した色素化合物を更に含む態様であることがより好ましい。この態様において、近赤外線吸収層形成用組成物に含まれる近赤外線吸収色素は、顔料であってもよく、染料であってもよいが、染料である場合において本発明の効果がより顕著に得られる傾向にある。また、近赤外線吸収色素が染料である場合、近赤外線吸収層形成用組成物は、特定の酸基が結合した色素化合物を含有していなくてもよいが、前述の化合物を含有していることが好ましい。また、近赤外線吸収色素が顔料である場合においては、近赤外線吸収層形成用組成物は、特定の酸基が結合した色素化合物を含有していることが好ましい。また、近赤外線吸収層形成用組成物が、特定の酸基が結合した色素化合物を含有している場合においては、色素骨格を有する化合物の全質量中における、特定の酸基が結合した色素化合物の含有量が0.1〜99.9質量%であることが好ましい。下限は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが更に好ましい。上限は、99質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが更に好ましい。
【0079】
以下、近赤外線吸収層形成用組成物およびカラーフィルタ層形成用組成物について説明する。
【0080】
<<近赤外線吸収層形成用組成物>>
近赤外線吸収層形成用組成物は、近赤外線吸収色素を含有する。近赤外線吸収色素としては、上述した近赤外線吸収層で説明したものが挙げられる。
近赤外線吸収層形成用組成物において、近赤外線吸収色素の含有量は、近赤外線吸収層形成用組成物の全固形分に対して、3質量%以上であることが好ましく、3〜40質量%であることが好ましい。上限は、35質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。下限は、4質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。近赤外線吸収色素は1種のみでもよく、2種以上でもよい。2種以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
【0081】
また、近赤外線吸収層形成用組成物において、色素骨格を有する化合物の全質量中における、特定の酸基が結合した色素化合物の含有量は、0.1〜99.9質量%であることが好ましい。下限は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが更に好ましい。上限は、99質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが更に好ましい。ここで、近赤外線吸収層形成用組成物における色素骨格を有する化合物としては、近赤外線吸収色素および色素誘導体などが挙げられる。
【0082】
(色素誘導体)
近赤外線吸収層形成用組成物は、さらに色素誘導体を含有することができる。色素誘導体としては、色素の一部を、酸基、塩基性基、塩構造を有する基またはフタルイミドメチル基で置換した化合物が挙げられ、色素の一部を、酸基で置換した化合物(以下、酸性色素誘導体ともいう)であることが好ましい。酸性色素誘導体としては、上述した式(B1)で表される化合物が好ましい。酸基としては、スルホ基、リン酸基およびカルボキシル基が挙げられ、スルホ基およびカルボキシル基が好ましく、スルホ基がより好ましい。また、近赤外線吸収層形成用組成物に用いられる色素誘導体は、近赤外線吸収色素と共通の色素骨格を有する化合物であることも好ましい。この態様によれば、色素誘導体が近赤外線吸収色素に吸着しやすく、組成物中における近赤外線吸収色素の分散性を高めることができる。例えば、近赤外線吸収色素としてピロロピロール化合物を用いた場合においては、色素誘導体は、ピロロピロール色素骨格を有する化合物であることが好ましい。
【0083】
近赤外線吸収層形成用組成物が色素誘導体を含有する場合、色素誘導体の含有量は近赤外線吸収色素100質量部に対し1〜50質量部であることが好ましい。下限値は、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。上限値は、40質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましい。色素誘導体の含有量が上記範囲であれば、近赤外線吸収色素の分散性を高めて、近赤外線吸収色素の凝集を効率よく抑制できる。また、酸性色素誘導体の含有量は近赤外線吸収色素100質量部に対し1〜50質量部であることが好ましい。下限値は、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。上限値は、40質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましい。また、近赤外線吸収層形成用組成物に含まれる色素誘導体は、実質的に酸性色素誘導体のみであることが好ましい。近赤外線吸収層形成用組成物に含まれる色素誘導体が、実質的に酸性色素誘導体のみである場合とは、色素誘導体の全質量中における色素誘導体の含有量が99質量%以上であることが好ましく、99.9質量%以上であることがより好ましく、酸性色素誘導体のみで構成されていることが更に好ましい。
【0084】
近赤外線吸収層形成用組成物が酸性色素誘導体を含有する場合、色素骨格を有する化合物の全質量中における、酸性色素誘導体の含有量が0.1〜99.9質量%であることが好ましい。下限は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが更に好ましい。上限は、99質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが更に好ましい。近赤外線吸収層形成用組成物は、色素誘導体は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
【0085】
(他の近赤外線吸収剤)
近赤外線吸収層形成用組成物は、上述した近赤外線吸収色素以外の近赤外線吸収剤(他の近赤外線吸収剤ともいう)をさらに含んでもよい。他の近赤外線吸収剤としては、無機顔料(無機粒子)が挙げられる。無機顔料の形状は特に制限されず、球状、非球状を問わず、シート状、ワイヤー状、チューブ状であってもよい。無機顔料としては、金属酸化物粒子または金属粒子が好ましい。金属酸化物粒子としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)粒子、酸化アンチモンスズ(ATO)粒子、酸化亜鉛(ZnO)粒子、Alドープ酸化亜鉛(AlドープZnO)粒子、フッ素ドープ二酸化スズ(FドープSnO2
粒子、ニオブドープ二酸化チタン(NbドープTiO2)粒子などが挙げられる。金属粒子としては、例えば、銀(Ag)粒子、金(Au)粒子、銅(Cu)粒子、ニッケル(Ni)粒子など挙げられる。また、無機顔料としては酸化タングステン系化合物を用いることもできる。酸化タングステン系化合物は、セシウム酸化タングステンであることが好ましい。酸化タングステン系化合物の詳細については、特開2016−006476号公報の段落番号0080を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
【0086】
近赤外線吸収層形成用組成物が他の近赤外線吸収剤を含有する場合、他の近赤外線吸収剤の含有量は、近赤外線吸収層形成用組成物の全固形分に対して、0.01〜50質量%が好ましい。下限は、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。上限は、30質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。
また、上述した近赤外線吸収色素と他の近赤外線吸収剤との合計質量中における他の近赤外線吸収剤の含有量は、1〜99質量%が好ましい。上限は、80質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。
また、近赤外線吸収層形成用組成物は他の近赤外線吸収剤を実質的に含有しないことも好ましい。他の近赤外線吸収剤を実質的に含有しないとは、上述した近赤外線吸収色素と他の近赤外線吸収剤との合計質量中における他の近赤外線吸収剤の含有量が0.5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましく、他の近赤外線吸収剤を含有しないことがさらに好ましい。
【0087】
(重合性化合物)
近赤外線吸収層形成用組成物は、重合性化合物を含有することが好ましい。重合性化合物としては、ラジカルの作用により重合可能な化合物が好ましい。すなわち、重合性化合物は、ラジカル重合性化合物であることが好ましい。重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を有する基を1個以上有する化合物であることが好ましく、エチレン性不飽和結合を有する基を2個以上有する化合物であることがより好ましく、エチレン性不飽和結合を有する基を3個以上有する化合物であることがさらに好ましい。エチレン性不飽和結合を有する基の個数の上限は、たとえば、15個以下が好ましく、6個以下がより好ましい。エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基、スチリル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基などが挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。重合性化合物は、3〜15官能の(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、3〜6官能の(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。
【0088】
重合性化合物は、モノマー、ポリマーのいずれの形態であってもよいがモノマーが好ましい。モノマータイプの重合性化合物は、分子量が100〜3,000であることが好ましい。上限は、2,000以下がより好ましく、1,500以下がさらに好ましい。下限は、150以上がより好ましく、250以上がさらに好ましい。また、重合性化合物は、分子量分布を実質的に有さない化合物であることも好ましい。ここで、分子量分布を実質的に有さない化合物としては、化合物の分散度(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))が、1.0〜1.5である化合物が好ましく、1.0〜1.3がより好ましい。
【0089】
重合性化合物の例としては、特開2013−253224号公報の段落番号0033〜0034の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。重合性化合物としては、エチレンオキシ変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては、NKエステルATM−35E;新中村化学工業(株)製)、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としては、KAYARAD D−330;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては、KAYARAD D−320;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としては、KAYARAD D−310;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としては、KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製、A−DPH−12E;新中村化学工業(株)製)、およびこれらの(メタ)アクリロイル基が、エチレングリコール残基および/またはプロピレングリコール残基を介して結合している構造の化合物が好ましい。またこれらのオリゴマータイプも使用できる。また、特開2013−253224号公報の段落番号0034〜0038の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。また、特開2012−208494号公報の段落番号0477(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の段落番号0585)に記載の重合性モノマー等が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。また、ジグリセリンEO(エチレンオキシド)変性(メタ)アクリレート(市販品としては、M−460;東亞合成製)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業(株)製、A−TMMT)、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(日本化薬(株)製、KAYARAD HDDA)も好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。例えば、RP−1040(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
【0090】
重合性化合物は、カルボキシル基、スルホ基、リン酸基等の酸基を有していてもよい。酸基を有する重合性化合物の市販品としては、例えば、アロニックスM−305、M−510、M−520(以上、東亞合成(株)製)などが挙げられる。酸基を有する重合性化合物の酸価は、0.1〜40mgKOH/gが好ましい。下限は5mgKOH/g以上がより好ましい。上限は、30mgKOH/g以下がより好ましい。
【0091】
重合性化合物は、カプロラクトン構造を有する化合物であることも好ましい。カプロラクトン構造を有する重合性化合物としては、分子内にカプロラクトン構造を有する限り特に限定されるものではないが、例えば、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、トリメチロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸およびε−カプロラクトンをエステル化することにより得られる、ε−カプロラクトン変性多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。カプロラクトン構造を有する重合性化合物については、特開2013−253224号公報の段落番号0042〜0045の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。カプロラクトン構造を有する重合性化合物としては、例えば、日本化薬(株)からKAYARAD DPCAシリーズとして市販されている、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120等、サートマー社製のエチレンオキシ鎖を4個有する4官能アクリレートであるSR−494、イソブチレンオキシ鎖を3個有する3官能アクリレートであるTPA−330などが挙げられる。
【0092】
重合性化合物としては、特公昭48−41708号公報、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報に記載されているエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。また、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平1−105238号公報に記載されている、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることができる。市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ(株)製)、UA−7200(新中村化学工業(株)製)、DPHA−40H(日本化薬(株)製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社化学(株)製)、8UH−1006、8UH−1012(大成ファインケミカル(株)製)などが挙げられる。
【0093】
重合性化合物の含有量は、近赤外線吸収層形成用組成物は、の全固形分に対して、0.1〜40質量%が好ましい。下限は、例えば0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。上限は、例えば、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。重合性化合物は1種単独であってもよいし、2種以上を併用してもよい。重合性化合物を2種以上併用する場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
【0094】
(エポキシ化合物)
近赤外線吸収層形成用組成物は、エポキシ基を有する化合物(以下、エポキシ化合物ともいう)を含有することができる。エポキシ化合物としては、単官能または多官能グリシジルエーテル化合物、多官能脂肪族グリシジルエーテル化合物、脂環式エポキシ基を有する化合物などが挙げられる。
【0095】
エポキシ化合物は、エポキシ基を1分子に1〜100個有する化合物であることが好ましい。エポキシ基の上限は、例えば、10個以下とすることもでき、5個以下とすることもできる。下限は、2個以上が好ましい。
【0096】
エポキシ化合物は、低分子化合物(例えば、分子量1000未満)でもよいし、高分子化合物(macromolecule)(例えば、分子量1000以上、ポリマーの場合は、重量平均分子量が1000以上)でもよい。エポキシ化合物の重量平均分子量は、2000〜100000が好ましい。重量平均分子量の上限は、10000以下が好ましく、5000以下がより好ましく、3000以下が更に好ましい。
【0097】
エポキシ化合物の市販品としては、EHPE3150((株)ダイセル製)、EPICLON N−695(DIC(株)製)、アデカグリシロール ED−505((株)ADEKA製)などが挙げられる。また、エポキシ化合物としては、特開2013−011869号公報の段落番号0034〜0036、特開2014−043556号公報の段落番号0147〜0156、特開2014−089408号公報の段落番号0085〜0092に記載された化合物を用いることもできる。これらの内容は、本明細書に組み込まれる。
【0098】
エポキシ化合物の含有量は、近赤外線吸収層形成用組成物の全固形分に対して、0.1〜40質量%が好ましい。下限は、例えば0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましい。上限は、例えば、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。近赤外線吸収層形成用組成物は1種単独であってもよいし、2種以上を併用してもよい。近赤外線吸収層形成用組成物を2種以上併用する場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
また、近赤外線吸収層形成用組成物が、重合性化合物とエポキシ化合物とを含む場合、両者の質量比は、ラジカル重合性化合物:エポキシ化合物=100:1〜100:400が好ましく、100:1〜100:100がより好ましい。
【0099】
(光重合開始剤)
近赤外線吸収層形成用組成物が重合性化合物を含む場合、更に光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤としては、紫外線領域から可視領域の光線に対して感光性を有する化合物が好ましい。光重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。
【0100】
光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有する化合物、オキサジアゾール骨格を有する化合物など)、アシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物などが挙げられる。光ラジカル重合開始剤は、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、ホスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシム化合物、トリアリールイミダゾールダイマー、オニウム化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体、ハロメチルオキサジアゾール化合物および3−アリール置換クマリン化合物が好ましく、オキシム化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、および、アシルホスフィン化合物から選ばれる化合物がより好ましく、オキシム化合物が更に好ましい。光重合開始剤としては、特開2014−130173号公報の段落0065〜0111の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
【0101】
α−ヒドロキシケトン化合物の市販品としては、IRGACURE−184、DAROCUR−1173、IRGACURE−500、IRGACURE−2959、IRGACURE−127(以上、BASF社製)などが挙げられる。α−アミノケトン化合物の市販品としては、IRGACURE−907、IRGACURE−369、IRGACURE−379、及び、IRGACURE−379EG(以上、BASF社製)などが挙げられる。アシルホスフィン化合物の市販品としては、IRGACURE−819、DAROCUR−TPO(以上、BASF社製)などが挙げられる。
【0102】
オキシム化合物としては、特開2001−233842号公報に記載の化合物、特開2000−80068号公報に記載の化合物、特開2006−342166号公報に記載の化合物、特開2016−21012号公報に記載の化合物などを用いることができる。本発明において好適に用いることができるオキシム化合物としては、例えば、3−ベンゾイルオキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、及び2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。また、J.C.S.Perkin II(1979年、pp.1653−1660)、J.C.S.Perkin II(1979年、pp.156−162)、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995年、pp.202−232)、特開2000−66385号公報、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報、特開2006−342166号公報に記載の化合物等も挙げられる。市販品としては、IRGACURE−OXE01、IRGACURE−OXE02、IRGACURE−OXE03、IRGACURE−OXE04(以上、BASF社製)も好適に用いられる。また、TR−PBG−304(常州強力電子新材料有限公司製)、アデカオプトマーN−1919((株)ADEKA製、特開2012−14052号公報に記載の光重合開始剤2)も用いることができる。また、オキシム化合物としては、着色性が無い化合物や、透明性が高く、その他成分を変色させにくい化合物を用いることも好ましい。市販品としては、アデカアークルズNCI−730、NCI−831、NCI−930(以上、(株)ADEKA製)などが挙げられる。
【0103】
本発明において、光重合開始剤として、フルオレン環を有するオキシム化合物を用いることもできる。フルオレン環を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2014−137466号公報に記載の化合物が挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれる。
【0104】
本発明において、光重合開始剤として、フッ素原子を有するオキシム化合物を用いることもできる。フッ素原子を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2010−262028号公報に記載の化合物、特表2014−500852号公報に記載の化合物24、36〜40、特開2013−164471号公報に記載の化合物(C−3)などが挙げられる。これらの内容は本明細書に組み込まれる。
【0105】
本発明において、光重合開始剤として、ニトロ基を有するオキシム化合物を用いることができる。ニトロ基を有するオキシム化合物は、二量体とすることも好ましい。ニトロ基を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2013−114249号公報の段落番号0031〜0047、特開2014−137466号公報の段落番号0008〜0012、0070〜0079に記載されている化合物、特許4223071号公報の段落番号0007〜0025に記載されている化合物、アデカアークルズNCI−831((株)ADEKA製)が挙げられる。
【0106】
本発明において好ましく使用されるオキシム化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0107】
【化15】

【化16】
【0108】
オキシム化合物は、350nm〜500nmの波長領域に極大吸収を有する化合物が好ましく、360nm〜480nmの波長領域に極大吸収を有する化合物がより好ましい。また、オキシム化合物は、365nm及び405nmの波長の光に対する吸光度が高い化合物が好ましい。
オキシム化合物の365nm又は405nmにおけるモル吸光係数は、感度の観点から、1,000〜300,000であることが好ましく、2,000〜300,000であることがより好ましく、5,000〜200,000であることが特に好ましい。
化合物のモル吸光係数は、公知の方法を用いて測定することができる。例えば、分光光度計(Varian社製Cary−5 spectrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
【0109】
光重合開始剤は、オキシム化合物とα−アミノケトン化合物とを含むことも好ましい。両者を併用することで、現像性が向上し、矩形性に優れたパターンを形成しやすい。オキシム化合物とα−アミノケトン化合物とを併用する場合、オキシム化合物100質量部に対して、α−アミノケトン化合物が50〜600質量部が好ましく、150〜400質量部がより好ましい。
【0110】
光重合開始剤の含有量は、近赤外線吸収層形成用組成物の全固形分に対し0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜30質量%がより好ましく、1〜20質量%が更に好ましい。光重合開始剤の含有量が上記範囲であれば、感度およびパターン形成性に優れる。近赤外線吸収層形成用組成物は、光重合開始剤を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。光重合開始剤を2種類以上含む場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
【0111】
(樹脂)
近赤外線吸収層形成用組成物は、樹脂を含有することが好ましい。樹脂は、例えば、顔料などの粒子を組成物中で分散させる用途やバインダーの用途で配合される。なお、主に顔料などの粒子を分散させるために用いられる樹脂を分散剤ともいう。ただし、樹脂のこのような用途は一例であって、このような用途以外の目的で樹脂を使用することもできる。
【0112】
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、2,000〜2,000,000が好ましい。上限は、1,000,000以下が好ましく、500,000以下がより好ましい。下限は、3,000以上が好ましく、5,000以上がより好ましい。
【0113】
樹脂としては、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、エン・チオール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリアリーレンエーテルホスフィンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂から1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。環状オレフィン樹脂としては、耐熱性向上の観点からノルボルネン樹脂が好ましく用いることができる。ノルボルネン樹脂の市販品としては、例えば、JSR(株)製のARTONシリーズ(例えば、ARTON F4520)などが挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えばフェノール化合物のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂、各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂、エポキシ基をもつケイ素化合物とそれ以外のケイ素化合物との縮合物、エポキシ基を持つ重合性不飽和化合物とそれ以外の他の重合性不飽和化合物との共重合体等が挙げられる。また、エポキシ樹脂は、マープルーフG−0150M、G−0105SA、G−0130SP、G−0250SP、G−1005S、G−1005SA、G−1010S、G−2050M、G−01100、G−01758(日油(株)製、エポキシ基含有ポリマー)などを用いることもできる。また、樹脂は、国際公開WO2016/088645号公報の実施例に記載の樹脂を用いることもできる。また、樹脂が側鎖にエチレン性不飽和基、特に(メタ)アクリロイル基を有する場合、主鎖とエチレン性不飽和基とが脂環構造を有する2価の連結基を介して結合していることも好ましい。
【0114】
本発明で用いる樹脂は、酸基を有していてもよい。酸基としては、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、フェノール性ヒドロキシ基などが挙げられ、カルボキシル基が好ましい。これら酸基は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。酸基を有する樹脂はアルカリ可溶性樹脂として用いることもできる。
【0115】
酸基を有する樹脂としては、側鎖にカルボキシル基を有するポリマーが好ましい。具体例としては、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、ノボラック樹脂などのアルカリ可溶性フェノール樹脂、側鎖にカルボキシル基を有する酸性セルロース誘導体、ヒドロキシ基を有するポリマーに酸無水物を付加させた樹脂が挙げられる。特に、(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他のモノマーとの共重合体が、アルカリ可溶性樹脂として好適である。(メタ)アクリル酸と共重合可能な他のモノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートおよびアリール(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等、ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー等が挙げられる。また他のモノマーは、特開平10−300922号公報に記載のN位置換マレイミドモノマー、例えば、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等を用いることもできる。なお、これらの(メタ)アクリル酸と共重合可能な他のモノマーは1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0116】
酸基を有する樹脂は、さらに重合性基を有していてもよい。重合性基としては、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。市販品としては、ダイヤナールNRシリーズ(三菱レイヨン(株)製)、Photomer6173(カルボキシル基含有ポリウレタンアクリレートオリゴマー、Diamond Shamrock Co.,Ltd.製)、ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業株式会社製)、サイクロマーPシリーズ(例えば、ACA230AA)、プラクセル CF200シリーズ(いずれも(株)ダイセル製)、Ebecryl3800(ダイセルユーシービー(株)製)、アクリキュアーRD−F8((株)日本触媒製)などが挙げられる。
【0117】
酸基を有する樹脂は、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好ましく用いることができる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを共重合したもの、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体なども好ましく用いることができる。
【0118】
酸基を有する樹脂は、下記式(ED1)で示される化合物および/または下記式(ED2)で表される化合物(以下、これらの化合物を「エーテルダイマー」と称することもある。)を含むモノマー成分に由来する繰り返し単位を含むポリマーであることも好ましい。
【0119】
【化17】
【0120】
式(ED1)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。
【化18】

式(ED2)中、Rは、水素原子または炭素数1〜30の有機基を表す。式(ED2)の具体例としては、特開2010−168539号公報の記載を参酌できる。
【0121】
エーテルダイマーの具体例としては、例えば、特開2013−29760号公報の段落番号0317を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。エーテルダイマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0122】
酸基を有する樹脂は、下記式(X)で示される化合物に由来する繰り返し単位を含んでいてもよい。
【化19】

式(X)において、R1は、水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素数2〜10のアルキレン基を表し、R3は、水素原子またはベンゼン環を含んでもよい炭素数1〜20のアルキル基を表す。nは1〜15の整数を表す。
【0123】
酸基を有する樹脂については、特開2012−208494号公報の段落番号0558〜0571(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の段落番号0685〜0700)の記載、特開2012−198408号公報の段落番号0076〜0099の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。また、酸基を有する樹脂は市販品を用いることもできる。例えば、アクリベースFF−426(藤倉化成(株)製)などが挙げられる。
【0124】
酸基を有する樹脂の酸価は、30〜200mgKOH/gが好ましい。下限は、50mgKOH/g以上が好ましく、70mgKOH/g以上がより好ましい。上限は、150mgKOH/g以下が好ましく、120mgKOH/g以下がより好ましい。
【0125】
酸基を有する樹脂としては、例えば下記構造の樹脂などが挙げられる。以下の構造式中、Meはメチル基を表す。
【化20】
【0126】
近赤外線吸収層形成用組成物は、分散剤としての樹脂を含むこともできる。特に、顔料を用いた場合、分散剤を含むことが好ましい。分散剤は、酸性分散剤(酸性樹脂)、塩基性分散剤(塩基性樹脂)が挙げられる。ここで、酸性分散剤(酸性樹脂)とは、酸基の量が塩基性基の量よりも多い樹脂を表す。酸性分散剤(酸性樹脂)は、酸基の量と塩基性基の量の合計量を100モル%としたときに、酸基の量が70モル%以上を占める樹脂が好ましく、実質的に酸基のみからなる樹脂がより好ましい。酸性分散剤(酸性樹脂)が有する酸基は、カルボキシル基が好ましい。酸性分散剤(酸性樹脂)の酸価は、40〜105mgKOH/gが好ましく、50〜105mgKOH/gがより好ましく、60〜105mgKOH/gがさらに好ましい。また、塩基性分散剤(塩基性樹脂)とは、塩基性基の量が酸基の量よりも多い樹脂を表す。塩基性分散剤(塩基性樹脂)は、酸基の量と塩基性基の量の合計量を100モル%としたときに、塩基性基の量が50モル%を超える樹脂が好ましい。塩基性分散剤が有する塩基性基は、アミノ基であることが好ましい。
【0127】
分散剤として用いる樹脂は、酸基を有する繰り返し単位を含むことが好ましい。分散剤として用いる樹脂が酸基を有する繰り返し単位を含むことにより、フォトリソグラフィ法によりパターン形成する際、画素の下地に発生する残渣をより低減することができる。
【0128】
分散剤として用いる樹脂は、グラフト共重合体であることも好ましい。グラフト共重合体は、グラフト鎖によって溶剤との親和性を有するために、顔料の分散性、および、経時後の分散安定性に優れる。グラフト共重合体の詳細は、特開2012−255128号公報の段落番号0025〜0094の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。また、グラフト共重合体の具体例は、下記の樹脂が挙げられる。以下の樹脂は酸基を有する樹脂(アルカリ可溶性樹脂)でもある。また、グラフト共重合体としては特開2012−255128号公報の段落番号0072〜0094に記載の樹脂が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。
【化21】
【0129】
また、本発明において、樹脂(分散剤)は、主鎖および側鎖の少なくとも一方に窒素原子を含むオリゴイミン系分散剤を用いることも好ましい。オリゴイミン系分散剤としては、pKa14以下の官能基を有する部分構造Xを有する構造単位と、原子数40〜10,000の側鎖Yを含む側鎖とを有し、かつ主鎖および側鎖の少なくとも一方に塩基性窒素原子を有する樹脂が好ましい。塩基性窒素原子とは、塩基性を呈する窒素原子であれば特に制限はない。オリゴイミン系分散剤については、特開2012−255128号公報の段落番号0102〜0166の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。オリゴイミン系分散剤の具体例としては、例えば、以下が挙げられる。以下の樹脂は酸基を有する樹脂(アルカリ可溶性樹脂)でもある。また、オリゴイミン系分散剤としては、特開2012−255128号公報の段落番号0168〜0174に記載の樹脂を用いることができる。
【化22】
【0130】
分散剤は、市販品としても入手可能であり、そのような具体例としては、Disperbyk−111(BYKChemie社製)、ソルスパース76500(日本ルーブリゾール(株)製)などが挙げられる。また、特開2014−130338号公報の段落番号0041〜0130に記載された顔料分散剤を用いることもでき、この内容は本明細書に組み込まれる。また、上述した酸基を有する樹脂などを分散剤として用いることもできる。
【0131】
樹脂の含有量は、近赤外線吸収層形成用組成物の全固形分に対し、1〜80質量%が好ましい。下限は、5質量%以上が好ましく、7質量%以上がより好ましい。上限は、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
【0132】
また、樹脂として分散剤を含有する場合、分散剤の含有量は、近赤外線吸収層形成用組成物の全固形分に対して、0.1〜40質量%が好ましい。上限は、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。下限は、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。また、分散剤の含有量は、顔料100質量部に対して、1〜100質量部が好ましい。上限は、80質量部以下が好ましく、60質量部以下がより好ましい。下限は、2.5質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。
【0133】
(エポキシ硬化剤)
近赤外線吸収層形成用組成物がエポキシ化合物を含む場合、エポキシ硬化剤をさらに含むことが好ましい。エポキシ硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール系化合物、多価カルボン酸、チオール化合物などが挙げられる。エポキシ硬化剤としては耐熱性、硬化物の透明性という観点から多価カルボン酸が好ましく、分子内に二つ以上のカルボン酸無水物基を有する化合物が最も好ましい。エポキシ硬化剤の具体例としては、ブタン二酸などが挙げられる。エポキシ硬化剤は、特開2016−075720号公報の段落番号0072〜0078に記載の化合物を用いることもでき、この内容は本明細書に組み込まれる。
【0134】
エポキシ硬化剤の含有量は、エポキシ化合物の100質量部に対し、0.01〜20質量部が好ましく、0.01〜10質量部がより好ましく、0.1〜6.0質量部がさらに好ましい。
【0135】
(溶剤)
近赤外線吸収層形成用組成物は、溶剤を含有することができる。溶剤としては、有機溶剤が挙げられる。溶剤は、各成分の溶解性や組成物の塗布性を満足すれば基本的には特に制限はない。有機溶剤の例としては、例えば、エステル類、エーテル類、ケトン類、芳香族炭化水素類などが挙げられる。これらの詳細については、国際公開WO2015/166779号公報の段落番号0223を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。また、環状アルキル基が置換したエステル系溶剤、環状アルキル基が置換したケトン系溶剤を好ましく用いることもできる。有機溶剤の具体例としては、ジクロロメタン、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、酢酸シクロヘキシル、シクロペンタノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。本発明において有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ただし溶剤としての芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等)は、環境面等の理由により低減したほうがよい場合がある(例えば、有機溶剤全量に対して、50質量ppm(parts per million)以下とすることもでき、10質量ppm以下とすることもでき、1質量ppm以下とすることもできる)。
【0136】
本発明においては、金属含有量の少ない溶剤を用いることが好ましく、溶剤の金属含有量は、例えば10質量ppb(parts per billion)以下であることが好ましい。必要に応じて質量ppt(parts per trillion)レベルの溶剤を用いてもよく、そのような高純度溶剤は例えば東洋合成社が提供している(化学工業日報、2015年11月13日)。
【0137】
溶剤から金属等の不純物を除去する方法としては、例えば、蒸留(分子蒸留や薄膜蒸留等)やフィルタを用いたろ過を挙げることができる。ろ過に用いるフィルタのフィルタ孔径としては、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下がさらに好ましい。フィルタの材質は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンまたはナイロンが好ましい。
【0138】
溶剤は、異性体(原子数が同じであるが構造が異なる化合物)が含まれていてもよい。また、異性体は、1種のみが含まれていてもよいし、複数種含まれていてもよい。
【0139】
本発明において、有機溶剤は、過酸化物の含有率が0.8mmol/L以下であることが好ましく、過酸化物を実質的に含まないことがより好ましい。
【0140】
溶剤の含有量は、近赤外線吸収層形成用組成物の全量に対し、10〜97質量%であることが好ましい。下限は、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましく、60質量%以上であることがより一層好ましく、70質量%以上であることが特に好ましい。上限は、96質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましい。
【0141】
(重合禁止剤)
近赤外線吸収層形成用組成物は、重合禁止剤を含有することができる。重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、tert−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン塩(アンモニウム塩、第一セリウム塩等)が挙げられる。中でも、p−メトキシフェノールが好ましい。重合禁止剤の含有量は、近赤外線吸収層形成用組成物の全固形分に対して、0.001〜5質量%が好ましい。
【0142】
(シランカップリング剤)
近赤外線吸収層形成用組成物は、シランカップリング剤を含有することができる。本発明において、シランカップリング剤は、加水分解性基とそれ以外の官能基とを有するシラン化合物を意味する。また、加水分解性基とは、ケイ素原子に直結し、加水分解反応および縮合反応の少なくともいずれかによってシロキサン結合を生じ得る置換基をいう。加水分解性基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基などが挙げられ、アルコキシ基が好ましい。すなわち、シランカップリング剤は、アルコキシシリル基を有する化合物が好ましい。また、加水分解性基以外の官能基としては、例えば、ビニル基、スチリル基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、エポキシ基、オキセタニル基、アミノ基、ウレイド基、スルフィド基、イソシアネート基、フェニル基などが挙げられ、(メタ)アクリロイル基およびエポキシ基が好ましい。シランカップリング剤は、特開2009−288703号公報の段落番号0018〜0036に記載の化合物、特開2009−242604号公報の段落番号0056〜0066に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
【0143】
シランカップリング剤の含有量は、近赤外線吸収層形成用組成物の全固形分に対して、0.01〜15.0質量%が好ましく、0.05〜10.0質量%がより好ましい。シランカップリング剤は、1種類のみでもよく、2種類以上でもよい。2種類以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
【0144】
(界面活性剤)
近赤外線吸収層形成用組成物は、界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用することができる。界面活性剤は、国際公開WO2015/166779号公報の段落番号0238〜0245を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
【0145】
界面活性剤は、フッ素系界面活性剤であることが好ましい。近赤外線吸収層形成用組成物にフッ素系界面活性剤を含有させることで液特性(特に、流動性)がより向上し、省液性をより改善することができる。また、厚みムラの小さい膜を形成することもできる。
【0146】
フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3〜40質量%が好適であり、より好ましくは5〜30質量%であり、特に好ましくは7〜25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であるフッ素系界面活性剤は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、組成物中における溶解性も良好である。
【0147】
フッ素系界面活性剤として具体的には、特開2014−41318号公報の段落番号0060〜0064(対応する国際公開2014/17669号公報の段落番号0060〜0064)等に記載の界面活性剤、特開2011−132503号公報の段落番号0117〜0132に記載の界面活性剤が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、メガファックF171、F172、F173、F176、F177、F141、F142、F143、F144、R30、F437、F475、F479、F482、F554、F780(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、FC431、FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、SC−101、SC−103、SC−104、SC−105、SC−1068、SC−381、SC−383、S−393、KH−40(以上、旭硝子(株)製)、PolyFox PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(以上、OMNOVA社製)等が挙げられる。
【0148】
また、フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を含有する官能基を持つ分子構造で、熱を加えるとフッ素原子を含有する官能基の部分が切断されてフッ素原子が揮発するアクリル系化合物も好適に使用できる。このようなフッ素系界面活性剤としては、DIC(株)製のメガファックDSシリーズ(化学工業日報、2016年2月22日)(日経産業新聞、2016年2月23日)、例えばメガファックDS−21が挙げられる。
【0149】
フッ素系界面活性剤は、ブロックポリマーを用いることもできる。例えば特開2011−89090号公報に記載された化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、アルキレンオキシ基(好ましくはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基)を2以上(好ましくは5以上)有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、を含む含フッ素高分子化合物も好ましく用いることができる。下記化合物も本発明で用いられるフッ素系界面活性剤として例示される。
【化23】

上記の化合物の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜50,000であり、例えば、14,000である。上記の化合物中、繰り返し単位の割合を示す%はモル%である。
【0150】
また、フッ素系界面活性剤は、エチレン性不飽和基を側鎖に有する含フッ素重合体を用いることもできる。具体例としては、特開2010−164965号公報の段落番号0050〜0090および段落番号0289〜0295に記載された化合物、例えばDIC(株)製のメガファックRS−101、RS−102、RS−718K、RS−72−K等が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、特開2015−117327号公報の段落番号0015〜0158に記載の化合物を用いることもできる。
【0151】
ノニオン系界面活性剤としては、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン並びにそれらのエトキシレートおよびプロポキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート、グリセロールエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル、プルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2(BASF社製)、テトロニック304、701、704、901、904、150R1(BASF社製)、ソルスパース20000(日本ルーブリゾール(株)製)、NCW−101、NCW−1001、NCW−1002(和光純薬工業(株)製)、パイオニンD−6112、D−6112−W、D−6315(竹本油脂(株)製)、オルフィンE1010、サーフィノール104、400、440(日信化学工業(株)製)などが挙げられる。
【0152】
界面活性剤の含有量は、近赤外線吸収層形成用組成物の全固形分に対して、0.001質量%〜5.0質量%が好ましく、0.005〜3.0質量%がより好ましい。界面活性剤は、1種類のみでもよく、2種類以上でもよい。2種類以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
【0153】
(紫外線吸収剤)
近赤外線吸収層形成用組成物は、紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤としては、共役ジエン化合物、アミノブタジエン化合物、メチルジベンゾイル化合物、クマリン化合物、サリシレート化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、アクリロニトリル化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物などを用いることができる。これらの詳細については、特開2012−208374号公報の段落番号0052〜0072、特開2013−68814号公報の段落番号0317〜0334の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。共役ジエン化合物の市販品としては、例えば、UV−503(大東化学(株)製)などが挙げられる。また、ベンゾトリアゾール化合物としてはミヨシ油脂製のMYUAシリーズ(化学工業日報、2016年2月1日)を用いてもよい。
紫外線吸収剤の含有量は、近赤外線吸収層形成用組成物の全固形分に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。本発明において、紫外線吸収剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
【0154】
(その他成分)
近赤外線吸収層形成用組成物は、必要に応じて、増感剤、硬化促進剤、フィラー、熱硬化促進剤、熱重合禁止剤、可塑剤、密着促進剤およびその他の助剤類(例えば、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)を含有してもよい。これらの成分は、特開2008−250074号公報の段落番号0101〜0104、0107〜0109等の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。また、酸化防止剤としては、フェノール化合物、亜リン酸エステル化合物、チオエーテル化合物などが挙げられる。酸化防止剤としては、分子量500以上のフェノール化合物、分子量500以上の亜リン酸エステル化合物または分子量500以上のチオエーテル化合物がより好ましい。これらは2種以上を混合して使用してもよい。フェノール化合物としては、フェノール系酸化防止剤として知られる任意のフェノール化合物を使用することができる。好ましいフェノール化合物としては、ヒンダードフェノール化合物が挙げられる。特に、フェノール性水酸基に隣接する部位(オルト位)に置換基を有する化合物が好ましい。また、酸化防止剤は、同一分子内にフェノール基と亜リン酸エステル基を有する化合物も好ましい。また、酸化防止剤は、リン系酸化防止剤も好適に使用することができる。リン系酸化防止剤としてはトリス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、トリス[2−[(4,6,9,11−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−2−イル)オキシ]エチル]アミン、および亜リン酸エチルビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。これらは、市販品として入手できる。例えば、アデカスタブ AO−20、アデカスタブ AO−30、アデカスタブ AO−40、アデカスタブ AO−50、アデカスタブ AO−50F、アデカスタブ AO−60、アデカスタブ AO−60G、アデカスタブ AO−80、アデカスタブ AO−330((株)ADEKA)などが挙げられる。酸化防止剤の含有量は、近赤外線吸収層形成用組成物の全固形分に対して、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.3〜15質量%であることがより好ましい。酸化防止剤は、1種類のみでもよく、2種類以上でもよい。2種類以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
【0155】
近赤外線吸収層形成用組成物の粘度(23℃)は、例えば、塗布により膜を形成する場合、1〜100mPa・sであることが好ましい。下限は、2mPa・s以上がより好ましく、3mPa・s以上がさらに好ましい。上限は、50mPa・s以下がより好ましく、30mPa・s以下がさらに好ましく、15mPa・s以下が特に好ましい。
【0156】
<<カラーフィルタ層形成用組成物>>
カラーフィルタ層形成用組成物は、有彩色色素を含有する。有彩色色素としては、上述したカラーフィルタ層で説明したものが挙げられる。有彩色色素としては顔料であることが好ましい。
カラーフィルタ層形成用組成物において、有彩色色素の含有量は、カラーフィルタ層形成用組成物の全固形分に対して、1〜70質量%が好ましい。下限は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。上限は、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。有彩色色素は1種のみでもよく、2種以上でもよい。2種以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
【0157】
また、カラーフィルタ層形成用組成物において、色素骨格を有する化合物の全質量中における、特定の酸基が結合した色素化合物の含有量は、0.1〜99.9質量%であることが好ましい。下限は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが更に好ましい。上限は、99質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが更に好ましい。ここで、カラーフィルタ層形成用組成物における色素骨格を有する化合物としては、有彩色色素および色素誘導体が挙げられる。
【0158】
(色素誘導体)
カラーフィルタ層形成用組成物は、更に色素誘導体を含有することができる。色素誘導体としては、色素の一部を、酸基、塩基性基、塩構造を有する基またはフタルイミドメチル基で置換した化合物が挙げられ、色素の一部を、酸基で置換した化合物(酸性色素誘導体)であることが好ましい。酸性色素誘導体としては、上述した式(B1)で表される化合物が好ましい。酸基としては、スルホ基、リン酸基およびカルボキシル基が挙げられ、スルホ基およびカルボキシル基が好ましく、スルホ基がより好ましい。
【0159】
カラーフィルタ層形成用組成物が色素誘導体を含有する場合、色素誘導体の含有量は有彩色色素100質量部に対し1〜50質量部であることが好ましい。下限値は、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。上限値は、40質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましい。色素誘導体の含有量が上記範囲であれば、有彩色色素の分散性を高めて、有彩色色素の凝集を効率よく抑制できる。また、酸性色素誘導体の含有量は有彩色色素100質量部に対し1〜50質量部であることが好ましい。下限値は、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。上限値は、40質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましい。また、カラーフィルタ層形成用組成物に含まれる色素誘導体は、実質的に酸性色素誘導体のみであることが好ましい。カラーフィルタ層形成用組成物に含まれる色素誘導体が、実質的に酸性色素誘導体のみである場合とは、色素誘導体の全質量中における色素誘導体の含有量が99質量%以上であることが好ましく、99.9質量%以上であることがより好ましく、酸性色素誘導体のみで構成されていることが更に好ましい。
【0160】
カラーフィルタ層形成用組成物が酸性色素誘導体を含有する場合、色素骨格を有する化合物の全質量中における、酸性色素誘導体の含有量が0.1〜99.9質量%であることが好ましい。下限は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが更に好ましい。上限は、99質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが更に好ましい。カラーフィルタ層形成用組成物は、色素誘導体は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
【0161】
カラーフィルタ層形成用組成物は、更に、重合性化合物、エポキシ化合物、光重合開始剤、樹脂、エポキシ硬化剤、溶剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを含有することができる。これらの具体例および含有量については、上述した近赤外線吸収層形成用組成物で説明した具体例および含有量と同様である。
【0162】
カラーフィルタ層形成用組成物の粘度(23℃)は、例えば、塗布により膜を形成する場合、1〜100mPa・sであることが好ましい。下限は、2mPa・s以上がより好ましく、3mPa・s以上がさらに好ましい。上限は、50mPa・s以下がより好ましく、30mPa・s以下がさらに好ましく、15mPa・s以下が特に好ましい。
【0163】
<組成物の収容容器>
上述した各組成物の収容容器としては、特に限定はなく、公知の収容容器を用いることができる。また、収容容器として、原材料や組成物中への不純物混入を抑制することを目的に、容器内壁を6種6層の樹脂で構成する多層ボトルや6種の樹脂を7層構造にしたボトルを使用することも好ましい。このような容器としては例えば特開2015−123351号公報に記載の容器が挙げられる。
【0164】
<組成物の調製方法>
上述した各組成物は、前述の成分を混合して調製できる。組成物の調製に際しては、全成分を同時に溶剤に溶解または分散して組成物を調製してもよいし、必要に応じては、各成分を適宜配合した2つ以上の溶液または分散液をあらかじめ調製し、使用時(塗布時)にこれらを混合して組成物として調製してもよい。
<積層体の製造方法>
次に、本発明の積層体の製造方法について説明する。本発明の積層体は、支持体上に、近赤外線吸収層形成用組成物を用いて近赤外線吸収層を形成し、次いで、近赤外線吸収層上にカラーフィルタ層形成用組成物を用いてカラーフィルタ層を形成するか、あるいは、支持体上に、カラーフィルタ層形成用組成物を用いてカラーフィルタ層を形成し、次いで、カラーフィルタ層上に近赤外線吸収層形成用組成物を用いて近赤外線吸収層を形成することで製造できる。また、近赤外線吸収層とカラーフィルタ層との積層体を形成した後、この積層体上に、酸素遮蔽膜を更に形成することも好ましい。このようにすることで、近赤外線吸収層とカラーフィルタ層との積層体上に、酸素遮蔽膜が形成された積層体を製造することができる。
【0165】
本発明の積層体の製造方法において、各組成物を適用する支持体としては、例えば、シリコン、無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラスなどの材質で構成された基板が挙げられる。これらの基板には、有機膜や無機膜など形成されていてもよい。有機膜の材料としては、例えば上述した樹脂が挙げられる。また、支持体としては、上述した樹脂で構成された基板を用いることもできる。また、支持体には、電荷結合素子(CCD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)、透明導電膜などが形成されていてもよい。また、支持体には、各画素を隔離するブラックマトリクスが形成されている場合もある。また、支持体には、必要により、上部の層との密着性改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。また、支持体としてガラス基板を用いる場合においては、ガラス基板上に無機膜を形成したり、ガラス基板を脱アルカリ処理して用いることが好ましい。この態様によれば、異物の発生が抑制された膜を製造しやすい。
【0166】
上記組成物の適用方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、滴下法(ドロップキャスト);スリットコート法;スプレー法;ロールコート法;回転塗布法(スピンコーティング);流延塗布法;スリットアンドスピン法;プリウェット法(たとえば、特開2009−145395号公報に記載されている方法);インクジェット(例えばオンデマンド方式、ピエゾ方式、サーマル方式)、ノズルジェット等の吐出系印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、反転オフセット印刷、メタルマスク印刷法などの各種印刷法;金型等を用いた転写法;ナノインプリント法などが挙げられる。インクジェットでの適用方法としては、特に限定されず、例えば「広がる・使えるインクジェット−特許に見る無限の可能性−、2005年2月発行、住ベテクノリサーチ」に示された方法(特に115〜133ページ)や、特開2003−262716号公報、特開2003−185831号公報、特開2003−261827号公報、特開2012−126830号公報、特開2006−169325号公報などに記載の方法が挙げられる。
【0167】
上記組成物を適用して形成した組成物層は、乾燥(プリベーク)してもよい。プリベークを行う場合、プリベーク温度は、150℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、110℃以下がさらに好ましい。下限は、例えば、50℃以上とすることができ、80℃以上とすることもできる。プリベーク時間は、10秒〜3000秒が好ましく、40〜2500秒がより好ましく、80〜220秒がさらに好ましい。乾燥は、ホットプレート、オーブン等で行うことができる。
【0168】
上記組成物を適用して形成した組成物層に対して、パターンを形成してもよい。パターン形成方法としては、フォトリソグラフィ法を用いたパターン形成方法や、ドライエッチング法を用いたパターン形成方法が挙げられる。
【0169】
(フォトリソグラフィ法でパターン形成する場合)
フォトリソグラフィ法でのパターン形成方法は、各組成物を適用して形成した組成物層に対しパターン状に露光する工程(露光工程)と、未露光部の組成物層を除去することにより現像してパターンを形成する工程(現像工程)と、を含むことが好ましい。必要に応じて、現像されたパターンをベークする工程(ポストベーク工程)を設けてもよい。以下、各工程について説明する。
【0170】
<<露光工程>>
露光工程では組成物層をパターン状に露光する。例えば、組成物層に対し、ステッパー等の露光装置を用いて、所定のマスクパターンを有するマスクを介して露光することで、組成物層をパターン露光することができる。これにより、露光部分を硬化することができる。露光に際して用いることができる放射線(光)としては、g線、i線等の紫外線が好ましく、i線がより好ましい。照射量(露光量)は、例えば、0.03〜2.5J/cm2が好ましく、0.05〜1.0J/cm2がより好ましく、0.08〜0.5J/cm2が最も好ましい。露光時における酸素濃度については適宜選択することができ、大気下で行う他に、例えば酸素濃度が19体積%以下の低酸素雰囲気下(例えば、15体積%、5体積%、実質的に無酸素)で露光してもよく、酸素濃度が21体積%を超える高酸素雰囲気下(例えば、22体積%、30体積%、50体積%)で露光してもよい。また、露光照度は適宜設定することが可能であり、通常1000W/m2〜100000W/m2(例えば、5000W/m2、15000W/m2、35000W/m2)の範囲から選択することができる。酸素濃度と露光照度は適宜条件を組み合わせてよく、例えば、酸素濃度10体積%で照度10000W/m2、酸素濃度35体積%で照度20000W/m2などとすることができる。
【0171】
<<現像工程>>
次に、露光後の組成物層における未露光部の組成物層を現像除去してパターンを形成する。未露光部の組成物層の現像除去は、現像液を用いて行うことができる。これにより、露光工程における未露光部の組成物層が現像液に溶出し、光硬化した部分だけが支持体上に残る。現像液としては、下地の固体撮像素子や回路などにダメージを与えない、アルカリ現像液が望ましい。現像液の温度は、例えば、20〜30℃が好ましい。現像時間は、20〜180秒が好ましい。また、残渣除去性を向上するため、現像液を60秒ごとに振り切り、さらに新たに現像液を供給する工程を数回繰り返してもよい。
【0172】
現像液に用いるアルカリ剤としては、例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジグリコールアミン、ジエタノールアミン、ヒドロキシアミン、エチレンジアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどの無機アルカリ性化合物が挙げられる。アルカリ剤は、分子量が大きい化合物の方が環境面および安全面で好ましい。現像液は、これらのアルカリ剤を純水で希釈したアルカリ性水溶液が好ましく使用される。アルカリ性水溶液のアルカリ剤の濃度は、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましい。また、現像液には、界面活性剤を用いてもよい。界面活性剤の例としては、上述した界面活性剤が挙げられ、ノニオン系界面活性剤が好ましい。現像液は、移送や保管の便宜などの観点より、一旦濃縮液として製造し、使用時に必要な濃度に希釈してもよい。希釈倍率は特に限定されないが、例えば1.5〜100倍の範囲に設定することができる。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、現像後純水で洗浄(リンス)することが好ましい。
【0173】
現像後、乾燥を施した後に加熱処理(ポストベーク)を行うこともできる。ポストベークは、膜の硬化を完全なものとするための現像後の加熱処理である。ポストベークを行う場合、ポストベーク温度は、例えば100〜240℃が好ましい。膜硬化の観点から、200〜230℃がより好ましい。ポストベークは、現像後の膜に対して、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行うことができる。
【0174】
(ドライエッチング法でパターン形成する場合)
ドライエッチング法でのパターン形成は、上記組成物を支持体上に適用して形成した組成物層を硬化して硬化物層を形成し、次いで、この硬化物層上にパターニングされたフォトレジスト層を形成し、次いで、パターニングされたフォトレジスト層をマスクとして硬化物層に対してエッチングガスを用いてドライエッチングするなどの方法で行うことができる。フォトレジスト層の形成においては、プリベーク処理を施すことが好ましい。ドライエッチング法でのパターン形成については、特開2013−064993号公報の段落番号0010〜0067の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
【0175】
<光学フィルタ>
次に、本発明の光学フィルタについて説明する。本発明の光学フィルタは、上述した本発明の積層体を含む。
【0176】
本発明の光学フィルタは、本発明の積層体の他に、さらに、赤外線透過フィルタを有していてもよい。なお、本明細書において、赤外線透過フィルタは、赤外線透過フィルタとは、可視光を遮光し、近赤外線の少なくとも一部を透過させるフィルタを意味する。赤外線透過フィルタとしては、特開2014−130338号公報、特開2013−77009号公報、国際公開WO2015/166779号公報などに記載された組成物を用いて形成することができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
【0177】
本発明の光学フィルタは、CCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)などの固体撮像素子や、赤外線センサ、画像表示装置などの各種装置に用いることができる。
【0178】
<固体撮像素子>
本発明の固体撮像素子は、上述した本発明の積層体を有する。本発明の固体撮像素子の構成としては、本発明の積層体を有する構成であり、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はない。例えば、以下のような構成が挙げられる。
【0179】
支持体上に、固体撮像素子の受光エリアを構成する複数のフォトダイオードおよびポリシリコン等からなる転送電極を有し、フォトダイオードおよび転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口したタングステン等からなる遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面およびフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、デバイス保護膜上に、本発明の積層体を有する構成である。さらに、デバイス保護膜上であって、本発明の積層体の下(支持体に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、本発明の積層体上に集光手段を有する構成等であってもよい。
【0180】
<画像表示装置>
本発明の画像表示装置は、本発明の積層体を含む。画像表示装置としては、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示装置などが挙げられる。画像表示装置の定義や詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木昭夫著、(株)工業調査会、1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田龍男編集、(株)工業調査会、1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。画像表示装置は、白色有機EL素子を有するものであってもよい。白色有機EL素子としては、タンデム構造であることが好ましい。有機EL素子のタンデム構造については、特開2003−45676号公報、三上明義監修、「有機EL技術開発の最前線−高輝度・高精度・長寿命化・ノウハウ集−」、技術情報協会、326〜328ページ、2008年などに記載されている。有機EL素子が発光する白色光のスペクトルは、青色領域(430〜485nm)、緑色領域(530〜580nm)および黄色領域(580〜620nm)に強い極大発光ピークを有するものが好ましい。これらの発光ピークに加えさらに赤色領域(650〜700nm)に極大発光ピークを有するものがより好ましい。
【0181】
<赤外線センサ>
本発明の赤外線センサは、上述した本発明の積層体を含む。赤外線センサの構成としては、赤外線センサとして機能する構成であれば特に限定はない。以下、本発明の赤外線センサの一実施形態について、図面を用いて説明する。
【0182】
図1において、符号110は、固体撮像素子である。固体撮像素子110上に設けられている撮像領域は、近赤外線吸収層111と、赤外線透過フィルタ層114とを有する。また、近赤外線吸収層111上には、カラーフィルタ層112が積層している。カラーフィルタ層112および赤外線透過フィルタ層114の入射光hν側には、マイクロレンズ115が配置されている。マイクロレンズ115を覆うように平坦化層116が形成されている。
【0183】
近赤外線吸収層111の分光特性は、使用する赤外発光ダイオード(赤外LED)の発光波長に応じて選択される。
【0184】
カラーフィルタ層112は、可視領域における特定波長の光を透過および吸収する着色画素が形成されている。
【0185】
赤外線透過フィルタ層114は、使用する赤外LEDの発光波長に応じてその特性が選択される。例えば、赤外LEDの発光波長が850nmである場合、赤外線透過フィルタ114は、膜の厚み方向における光透過率の、波長400〜650nmの範囲における最大値が30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましく、0.1%以下であることが特に好ましい。この透過率は、波長400〜650nmの範囲の全域で上記の条件を満たすことが好ましい。
【0186】
赤外線透過フィルタ層114は、膜の厚み方向における光透過率の、波長800nm以上(好ましくは800〜1300nm)の範囲における最小値が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。上記の透過率は、波長800nm以上の範囲の一部で上記の条件を満たすことが好ましく、赤外LEDの発光波長に対応する波長で上記の条件を満たすことが好ましい。
【0187】
また、例えば、赤外LEDの発光波長が940nmである場合、赤外線透過フィルタ層114は、膜の厚み方向における光の透過率の、波長450〜650nmの範囲における最大値が20%以下であり、膜の厚み方向における、波長835nmの光の透過率が20%以下であり、膜の厚み方向における光の透過率の、波長1000〜1300nmの範囲における最小値が70%以上であることが好ましい。
【0188】
図1に示す赤外線センサにおいて、平坦化層116上には、近赤外線吸収層111とは別の近赤外線吸収層(他の近赤外線吸収層)がさらに配置されていてもよい。他の近赤外線吸収層としては、銅を含有する層および/または誘電体多層膜を有するものなどが挙げられる。これらの詳細については、上述したものが挙げられる。また、他の近赤外線吸収層としては、デュアルバンドパスフィルタを用いてもよい。
また、図1に示す赤外線センサにおいて、近赤外線吸収層111とカラーフィルタ層112の位置が入れ替わっても良い。また、固体撮像素子110と近赤外線吸収層111との間、および/または、固体撮像素子110と赤外線透過フィルタ層114との間に他の層が配置されていてもよい。他の層としては、重合性化合物、樹脂および光重合開始剤とを含む組成物を用いて形成された有機物層などが挙げられる。また、カラーフィルタ層112上に平坦化層が形成されていてもよい。
【実施例】
【0189】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」および「%」は、質量基準である。また、構造式中におけるMeはメチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
【0190】
[試験例1]
<近赤外線吸収層形成用組成物(IR組成物)の調製>
下記の表に示す原料を、下記の表に示す割合(質量部)で混合および撹拌した後、孔径0.45μmのナイロン製フィルタ(日本ポール(株)製)でろ過して、IR組成物1〜20を調製した。
【表1】

【表2】

【表3】
【0191】
上記表に記載の原料は以下の通りである。
【0192】
(近赤外線吸収色素)
A1〜A8:下記構造の化合物。
A9:NK−5060((株)林原製、シアニン化合物)
【化24】

【化25】
【0193】
(樹脂)
・樹脂1:下記構造の樹脂(重量平均分子量41,400、繰り返し単位に付記した数値はモル比である)のシクロペンタノン30質量%溶液。
【化26】

・樹脂2:ARTON F4520(JSR(株)製)のシクロヘキサノン30質量%溶液。
・樹脂3:メタクリル酸グリシジル骨格ランダムポリマー(日油(株)製、マープルーフG−0150M、重量平均分子量10,000)のシクロヘキサノン30質量%溶液。
【0194】
(溶剤)
・溶剤1:シクロペンタノン
【0195】
(重合禁止剤)
・重合禁止剤1:p−メトキシフェノール
【0196】
(重合性化合物)
重合性化合物1:下記化合物の混合物(左側化合物と右側化合物とのモル比が7:3の混合物)
【化27】
【0197】
(光重合開始剤)
・光重合開始剤1:IRGACURE−OXE01(BASF社製)
・光重合開始剤2:下記構造の化合物
【化28】

・光重合開始剤3:IRGACURE−369(BASF社製)
・光重合開始剤4:IRGACURE−651(BASF社製)
・光重合開始剤5:IRGACURE−184(BASF社製)
【0198】
(界面活性剤)
・界面活性剤1:下記式(B1−1)で表される繰り返し単位と、下記式(B3−1)で表される繰り返し単位とを有するポリマー(重量平均分子量=7,400、エチレン性不飽和基の量は3.2mmol/g、下記式(B3−1)中、Xは、パーフルオロメチレン基またはパーフルオロエチレン基を表し、rは繰り返し単位数を表す。)
【化29】
【0199】
(分散液1)
下記組成の原料を、0.3mm径のジルコニアビーズを使用して、ビーズミル(減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製))で、2時間かけて分散し、分散液1を調製した。
−分散液1の組成−・下記構造の近赤外線吸収色素(平均一次粒子径200nm)・・・11.6質量部
【化30】

・下記構造の色素誘導体(色素骨格にスルホ基が結合した化合物)・・・・3.5質量部
【化31】

・分散剤1(下記構造の樹脂、重量平均分子量22,900、主鎖の繰り返し単位に付記した数値はモル比であり、側鎖の繰り返し単位に併記される数値は、繰り返し単位の繰り返し数を示す。)・・・7.2質量部
【化32】

・シクロヘキサノン ・・・77.77質量部
【0200】
(分散液2)
分散液1において、色素誘導体として色素誘導体4を使用したこと以外は、分散液1と同様の方法で分散液2を調製した。
【0201】
<カラーフィルタ層形成用組成物の調製>
〔顔料分散液の調製〕
下記組成の混合液を、0.3mm径のジルコニアビーズを使用して、ビーズミル(減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製))で、2時間、混合して、顔料分散液1〜6を調製した。
【0202】
〔顔料分散液1の組成〕
・C.I.Pigment Green58 ・・・11.4質量部
・C.I.Pigment Yellow185 ・・・2.3質量部
・色素誘導体1 ・・・1.4質量部
・分散剤1 ・・・7.2部
・プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA) ・・・77.77質量部
【0203】
〔顔料分散液2の組成〕
・C.I.Pigment Red254 ・・・11.4質量部
・C.I.Pigment Yellow139 ・・・2.3質量部
・色素誘導体2 ・・・1.4質量部
・分散剤1 ・・・7.2質量部
・PGMEA ・・・77.77質量部
【0204】
〔顔料分散液3の組成〕
・C.I.Pigment Blue15:6 ・・・11.4質量部
・C.I.Pigment Violet23 ・・・2.3質量部
・色素誘導体3 ・・・1.4質量部
・分散剤1 ・・・7.2質量部
・PGMEA ・・・81.9質量部
【0205】
〔顔料分散液4の組成〕
・C.I.Pigment Green58 ・・・11.4質量部
・C.I.Pigment Yellow185 ・・・2.3質量部
・色素誘導体5 ・・・1.4質量部
・分散剤1 ・・・7.2質量部
・PGMEA ・・・81.9質量部
【0206】
〔顔料分散液5の組成〕
・C.I.Pigment Red254 ・・・11.4質量部
・C.I.Pigment Yellow139 ・・・2.3質量部
・色素誘導体7 ・・・1.4質量部
・分散剤1 ・・・7.2質量部
・PGMEA ・・・77.77質量部
【0207】
〔顔料分散液6の組成〕
・C.I.Pigment Blue15:6 ・・・11.4質量部
・C.I.Pigment Violet23 ・・・2.3質量部
・色素誘導体6 ・・・1.4質量部
・分散剤1 ・・・7.2質量部
・PGMEA ・・・81.9質量部
【0208】
〔顔料分散液7の組成〕
・C.I.Pigment Green58 ・・・11.4質量部
・C.I.Pigment Yellow185 ・・・2.3質量部
・色素誘導体8 ・・・1.4質量部
・分散剤1 ・・・7.2質量部
・PGMEA ・・・81.9質量部
【0209】
〔顔料分散液8の組成〕
・C.I.Pigment Red254 ・・・11.4質量部
・C.I.Pigment Yellow139 ・・・2.3質量部
・色素誘導体10 ・・・1.4質量部
・分散剤1 ・・・7.2質量部
・PGMEA ・・・77.77質量部
【0210】
〔顔料分散液9の組成〕
・C.I.Pigment Blue15:6 ・・・11.4質量部
・C.I.Pigment Violet23 ・・・2.3質量部
・色素誘導体9 ・・・1.4質量部
・分散剤1 ・・・7.2質量部
・PGMEA ・・・81.9質量部
【0211】
〔顔料分散液10の組成〕
・C.I.Pigment Green58 ・・・11.4質量部
・C.I.Pigment Yellow185 ・・・2.3質量部
・色素誘導体4 ・・・1.4質量部
・分散剤1 ・・・7.2質量部
・PGMEA ・・・81.9質量部
【0212】
〔顔料分散液11の組成〕
・C.I.Pigment Red254 ・・・11.4質量部
・C.I.Pigment Yellow139 ・・・2.3質量部
・色素誘導体4 ・・・1.4質量部
・分散剤1 ・・・7.2質量部
・PGMEA ・・・77.77質量部
【0213】
〔顔料分散液12の組成〕
・C.I.Pigment Blue15:6 ・・・11.4質量部
・C.I.Pigment Violet23 ・・・2.3質量部
・色素誘導体4 ・・・1.4質量部
・分散剤1 ・・・7.2質量部
・PGMEA ・・・81.9質量部
【0214】
色素誘導体1〜10:下記構造の化合物1〜10。
【化33】
【0215】
〔カラーフィルタ層形成用組成物(Green組成物、Red組成物、Blue組成物)の調製〕
下記の表に示す原料を、下記の表に示す割合(質量部)で混合および攪拌した後、孔径0.45μmのナイロン製フィルタ(日本ポール(株)製)でろ過して、Green組成物1、2、3、4、Red組成物1、2、3、4、Blue組成物1、2、3、4をそれぞれ調製した。
【0216】
【表4】
【0217】
上記表に記載の原料は以下の通りである。
・樹脂11:下記構造の樹脂(酸価=70mgKOH/g、Mw=11000、主鎖に付記した数値はモル比である。特開2012−173356号公報の段落0304〜0307に記載の方法で合成した。)
【化34】

・重合性化合物11:アロニックスM−350(東亞合成(株)製)
・光重合開始剤11:IRGACURE−OXE03(BASF社)
・光重合開始剤12:IRGACURE−OXE04(BASF社)
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール
・溶剤11:PGMEA
・エポキシ化合物:EHPE−3105((株)ダイセル製)
・界面活性剤11:下記混合物(Mw=14000、下記の式中、繰り返し単位の割合を示す%はモル%である。)
【化35】
【0218】
<積層体の製造>
ガラス基板上に、下記表に記載の近赤外線吸収層形成用組成物を製膜後の膜厚が1.0μmになるようにスピンコート法で塗布し、その後ホットプレートを用いて、100℃で2分間加熱した。次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を用い、1000mJ/cm2の露光量で全面露光した。次に、ホットプレートを用いて、220℃で5分間加熱し、近赤外線吸収層を形成した。
次に、近赤外線吸収層上に、下記表に記載のカラーフィルタ層形成用組成物を、製膜後の膜厚が1.5μmになるように、スピンコート法で塗布し、その後ホットプレートを用いて、100℃で2分間加熱した。次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を用い、1000mJ/cm2の露光量で全面露光した。次に、ホットプレートを用いて、220℃で5分間加熱し、カラーフィルタ層を形成した。
次に、スパッタリング装置(神港精機社製SRV−4300)を用いて、カラーフィルタ層上に、SiO2をスパッタリングして酸素透過率が200ml/m2・day・atmの酸素遮蔽膜(膜厚0.1μmのSiO2膜)を形成した。
【0219】
<耐熱性>
得られた積層体について、紫外可視近赤外分光光度計U−4100((株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、波長400〜1,300nmの範囲における透過率を測定した。
次に、この積層体を、ホットプレートを用いて260℃で、300秒間加熱した後、加熱後の波長400〜1,300nmの範囲における透過率を測定した。
加熱前後の積層体の波長400〜1,300nmの範囲における透過率の差を算出し、上記範囲における透過率の差の最大値(ΔT)を求めて、以下の基準で耐熱性を評価した。
A:ΔT<1%
B:1%≦ΔT<3%
C:3%≦ΔT<5%
D:5%≦ΔT
【0220】
【表5】
【0221】
【表6】
【0222】
【表7】
【0223】
上記表に示されるように、近赤外線吸収層およびカラーフィルタ層の少なくとも一方において、色素骨格を有する化合物の全質量中における、特定の酸基が結合した色素化合物の含有量が0.1〜99.9質量%である実施例の積層体は、いずれも耐熱性が優れていた。
各実施例において、ガラス基板上にカラーフィルタ層を形成し、カラーフィルタ層上に近赤外線吸収層を形成して積層体を製造した場合であっても、各実施例と同様の効果が得られた。
また、各実施例において、酸素遮蔽膜の膜厚を調整して酸素遮蔽膜の酸素透過率を150ml/m2・day・atm、100ml/m2・day・atm、50ml/m2・day・atmに変更した場合であっても、各実施例と同様の効果が得られた。
【0224】
[試験例2]
IR組成物5を、製膜後の膜厚が1.0μmになるように、シリコンウェハ上にスピンコート法で塗布した。次いで、ホットプレートを用いて、100℃で2分間加熱した。次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を用い、1000mJ/cm2の露光量にて2μm四方のBayerパターンのマスクを介して露光した。次いで、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)0.3質量%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後、スピンシャワーにてリンスを行い、さらに純水にて水洗した。次いで、ホットプレートを用いて、200℃で5分間加熱することで2μm四方のBayerパターン(近赤外線吸収層)を形成した。
次に、近赤外線吸収層のBayerパターン上に、Red組成物1を製膜後の膜厚が1.0μmになるようにスピンコート法で塗布した。次いで、ホットプレートを用い、100℃で2分間加熱した。次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を用い、1000mJ/cm2の露光量にて2μm四方のBayerパターンのマスクを介して露光した。次いで、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)0.3質量%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後、スピンシャワーにてリンスを行い、さらに純水にて水洗した。次いで、ホットプレートを用い、200℃で5分間加熱することで、近赤外線吸収層のBayerパターン上にRed組成物をパターニングした。同様にGreen組成物1、Blue組成物1を順次パターニングし、赤、緑および青の着色パターンを形成してカラーフィルタ層を形成した。
次に、カラーフィルタ層を形成したシリコンウェハ上に赤外線透過フィルタ形成用組成物を、製膜後の膜厚が2.0μmになるようにスピンコート法で塗布した。次いで、ホットプレートを用いて100℃で2分間加熱した。次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を用い、1000mJ/cm2の露光量にて2μm四方のBayerパターンのマスクを介して露光した。次いで、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)0.3質量%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後、スピンシャワーにてリンスを行い、さらに純水にて水洗した。次いで、ホットプレートを用いて、200℃で5分間加熱することで、近赤外線吸収層のBayerパターンの抜け部分に、赤外線透過層のパターニングを行った。得られたフィルタを公知の方法に従い固体撮像素子に組み込んだ。得られた固体撮像素子に対して低照度の環境下(0.001Lux)で940nmの赤外発光ダイオード(赤外LED)光源を照射し、画像の取り込みを行い、画像性能を評価した。画像上で被写体をはっきりと認識できた。また、入射角依存性が良好であった。また、この固体撮像素子は、赤外線センシングとカラー認識機能を有していた。
【0225】
試験例2で使用した赤外線透過フィルタ形成用組成物は以下の通りである。
【0226】
(赤外線透過フィルタ形成用組成物)
下記成分を混合し、撹拌した後、孔径0.45μmのナイロン製フィルタ(日本ポール(株)製)でろ過して、赤外線透過フィルタ形成用組成物を調製した。
顔料分散液100 ・・・95.04質量部
重合性化合物(アロニックスM−305、東亞合成(株)製) ・・・1.84質量部
樹脂(下記構造の樹脂の40質量%PGMEA溶液、酸価=70mgKOH/g、Mw=11000、主鎖に付記した数値はモル比である。) ・・・1.02質量部
【化36】

光重合開始剤(IRGACURE−OXE01、BASF社製) ・・・0.883質量部
界面活性剤(下記混合物(Mw=14000)の1質量%PGMEA溶液。下記の式中、繰り返し単位の割合を示す%は質量%である。) ・・・0.04質量部
【化37】

重合禁止剤(p−メトキシフェノール) ・・・0.001質量部
PGMEA ・・・1.18質量部
【0227】
・顔料分散液100
下記組成の混合液を、0.3mm径のジルコニアビーズを使用して、ビーズミル(減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製))で、ピロロピロール顔料の平均粒径(二次粒子)が75nm以下となるまで混合、分散して、顔料分散液を調製した。顔料分散液中の顔料の平均粒径は、日機装(株)製のMICROTRACUPA 150を用いて、体積基準で測定した。
・ピロロピロール顔料(下記化合物) ・・・2.1質量部
【化38】

・C.I.Pigment Red 254 ・・・2.1質量部
・C.I.Pigment Blue 15:6 ・・・2.1質量部
・顔料誘導体(下記構造の化合物) ・・・1.9質量部
【化39】

・下記構造の樹脂(重量平均分子量8500、主鎖に付記した数値はモル比であり、側鎖に付記した数値は繰り返し単位の数である) ・・・6.8質量部
【化40】
【符号の説明】
【0228】
110:固体撮像素子、111:近赤外線吸収層、112:カラーフィルタ層、114:赤外線透過フィルタ層、115:マイクロレンズ、116:平坦化層
図1
【国際調査報告】