特表-18179062IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日立化成株式会社の特許一覧
再表2018-179062研磨液、研磨液セット、添加液及び研磨方法
<>
  • 再表WO2018179062-研磨液、研磨液セット、添加液及び研磨方法 図000006
  • 再表WO2018179062-研磨液、研磨液セット、添加液及び研磨方法 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年10月4日
【発行日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】研磨液、研磨液セット、添加液及び研磨方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20191129BHJP
   B24B 37/00 20120101ALI20191129BHJP
   C09K 3/14 20060101ALI20191129BHJP
   C09G 1/02 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   H01L21/304 622D
   B24B37/00 H
   C09K3/14 550D
   C09K3/14 550Z
   C09G1/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】29
【出願番号】特願2019-508361(P2019-508361)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年3月27日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】日立化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100169454
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 裕之
(74)【代理人】
【識別番号】100160897
【弁理士】
【氏名又は名称】古下 智也
(72)【発明者】
【氏名】岩野 友洋
【テーマコード(参考)】
3C158
5F057
【Fターム(参考)】
3C158CB03
3C158CB10
3C158DA12
3C158DA17
3C158ED01
3C158ED11
3C158ED22
3C158ED26
3C158ED28
5F057AA28
5F057BB16
5F057CA12
5F057DA03
5F057EA01
5F057EA09
5F057EA21
5F057EA29
5F057EA31
(57)【要約】
砥粒と、3価希土類元素を含む水溶性化合物と、液状媒体と、を含有し、前記水溶性化合物の含有量が0質量%を超え0.05質量%未満である、研磨液。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
砥粒と、3価希土類元素を含む水溶性化合物と、液状媒体と、を含有し、
前記水溶性化合物の含有量が0質量%を超え0.05質量%未満である、研磨液。
【請求項2】
前記砥粒の含有量が0質量%を超え1.5質量%以下である、請求項1に記載の研磨液。
【請求項3】
前記砥粒がセリウム化合物を含む、請求項1又は2に記載の研磨液。
【請求項4】
前記セリウム化合物がセリウム水酸化物を含む、請求項3に記載の研磨液。
【請求項5】
前記セリウム化合物がセリウム酸化物を含む、請求項3又は4に記載の研磨液。
【請求項6】
前記砥粒が4価金属元素の水酸化物を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の研磨液。
【請求項7】
前記砥粒のゼータ電位が正である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の研磨液。
【請求項8】
前記砥粒のゼータ電位が負である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の研磨液。
【請求項9】
前記砥粒のゼータ電位の絶対値が10mV以上である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の研磨液。
【請求項10】
前記水溶性化合物の前記3価希土類元素がセリウムを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の研磨液。
【請求項11】
前記水溶性化合物が、硝酸セリウム、硝酸セリウムアンモニウム、塩化セリウム、リン酸セリウム、硫酸セリウム及び酢酸セリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の研磨液。
【請求項12】
有効成分として4価希土類元素(前記砥粒に含まれる成分を除く)を含有しない、請求項1〜11のいずれか一項に記載の研磨液。
【請求項13】
酸化剤の含有量が0.05質量%未満である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の研磨液。
【請求項14】
pHが2.0〜10.0である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の研磨液。
【請求項15】
酸化珪素を含む被研磨面を研磨するために使用される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の研磨液。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の研磨液の構成成分が第1の液と第2の液とに分けて保存され、
前記第1の液が、前記砥粒と、液状媒体と、を含み、
前記第2の液が、前記水溶性化合物と、液状媒体と、を含む、研磨液セット。
【請求項17】
前記砥粒を含む液と混合することにより、請求項1〜15のいずれか一項に記載の研磨液を得るために用いられる添加液であって、
前記水溶性化合物と、液状媒体と、を含有する、添加液。
【請求項18】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の研磨液、又は、請求項16に記載の研磨液セットにおける前記第1の液と前記第2の液とを混合して得られる研磨液を用いて被研磨面を研磨する工程を備える、研磨方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨液、研磨液セット、添加液及び研磨方法に関する。特に、本発明は、半導体素子の製造技術である基体表面の平坦化工程において用いることが可能な研磨液、研磨液セット、添加液及び研磨方法に関する。更に詳しくは、本発明は、シャロートレンチ分離(シャロー・トレンチ・アイソレーション。以下「STI」という。)絶縁材料、プリメタル絶縁材料、層間絶縁材料等の平坦化工程において用いることが可能な研磨液、研磨液セット、添加液及び研磨方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体素子の製造工程では、高密度化及び微細化のための加工技術の重要性がますます高まっている。加工技術の一つであるCMP(ケミカル・メカニカル・ポリッシング:化学機械研磨)技術は、半導体素子の製造工程において、STIの形成、プリメタル絶縁材料又は層間絶縁材料の平坦化、プラグ又は埋め込み金属配線の形成等に必須の技術となっている。
【0003】
最も多用されている研磨液としては、例えば、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ等のシリカ(酸化珪素)粒子を砥粒として含むシリカ系研磨液が挙げられる。シリカ系研磨液は、汎用性が高いことが特徴であり、砥粒含有量、pH、添加剤等を適切に選択することで、絶縁材料及び導電材料を問わず幅広い種類の材料を研磨できる。
【0004】
一方で、主に酸化珪素等の絶縁材料を対象とした研磨液として、セリウム化合物粒子を砥粒として含む研磨液の需要も拡大している。例えば、酸化セリウム(セリア)粒子を砥粒として含む酸化セリウム系研磨液は、シリカ系研磨液よりも低い砥粒含有量でも高速に酸化珪素を研磨できる(例えば、下記特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−106994号公報
【特許文献2】特開平08−022970号公報
【特許文献3】特表2001−507739号公報
【特許文献4】国際公開第2002/067309号
【特許文献5】国際公開第2012/070541号
【特許文献6】国際公開第2012/070542号
【特許文献7】特開2006−249129号公報
【特許文献8】国際公開第2012/070544号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、デバイスのセル部を縦方向に積層させる3D−NANDデバイスが台頭してきている。本技術では、セル形成時の絶縁材料の段差が従来のプレーナ型と比べて数倍高くなっている。それに伴い、デバイス製造のスループットを維持するためには、前記のとおりの高い段差をCMP工程等において素早く解消する必要があり、絶縁材料の研磨速度を向上させる必要がある。そして、研磨液において添加剤を用いることにより絶縁材料の研磨速度を向上させることが求められている。
【0007】
本発明は、前記課題を解決しようとするものであり、3価希土類元素を含む水溶性化合物を含有する研磨液であって、3価希土類元素を含む水溶性化合物を用いない場合と比較して絶縁材料の研磨速度を向上させることが可能な研磨液を提供することを目的とする。また、本発明は、前記研磨液を得ることが可能な研磨液セット及び添加液を提供することを目的とする。さらに、本発明は、前記研磨液を用いた研磨方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、砥粒と、3価希土類元素を含む所定量の水溶性化合物と、液状媒体と、を用いた場合に、3価希土類元素を含む水溶性化合物を用いない場合に対して絶縁材料の研磨速度の向上効果が発現することを見出した。
【0009】
本発明に係る研磨液は、砥粒と、3価希土類元素を含む水溶性化合物と、液状媒体と、を含有し、前記水溶性化合物の含有量が0質量%を超え0.05質量%未満である。
【0010】
本発明に係る研磨液によれば、3価希土類元素を含む水溶性化合物を用いない場合と比較して、絶縁材料の研磨速度を向上させることが可能であり、絶縁材料を高い研磨速度で研磨できる。
【0011】
ところで、前記特許文献3では、可溶性セリウム化合物を含有する研磨組成物が用いられており、可溶性セリウム化合物の含有量が0.05〜10重量%であることが記載されている。一方、本発明に係る研磨液によれば、3価希土類元素を含む水溶性化合物の含有量が0.05質量%未満である場合において研磨速度の向上効果を得ることが可能であり、前記水溶性化合物の含有量が0.05質量%以上である場合と比較して添加剤の使用量を抑制しつつ、研磨速度の向上効果を得ることができる。
【0012】
また、本発明に係る研磨液によれば、STI絶縁材料、プリメタル絶縁材料、層間絶縁材料等を平坦化するCMP技術において、これらの絶縁材料を高度に平坦化することができる。
【0013】
ところで、一般的に、砥粒含有量が増加するに伴い研磨傷が発生しやすい傾向がある。一方、本発明に係る研磨液によれば、砥粒が少量であっても充分な研磨速度を得ることができるため、少量の砥粒を用いることにより、充分な研磨速度を達成しつつ絶縁材料を低研磨傷で研磨することもできる。
【0014】
前記砥粒の含有量は、0質量%を超え1.5質量%以下であることが好ましい。ここで、前記特許文献3では、砥粒(金属酸化物研磨剤)の含有量として2〜25重量%が記載されている。一方、本発明に係る研磨液では、前記特許文献3と比較して少ない砥粒の含有量であっても研磨速度の向上効果を得ることが可能であり、研磨傷の発生を更に抑制しつつ研磨速度の向上効果を得ることができる。
【0015】
前記砥粒は、セリウム化合物を含むことが好ましい。前記セリウム化合物は、セリウム水酸化物を含むことが好ましい。また、前記セリウム化合物は、セリウム酸化物を含むことが好ましい。
【0016】
ところで、近年、半導体素子の製造工程では、更なる配線の微細化を達成することが求められており、研磨時に発生する研磨傷が問題となっている。すなわち、従来の酸化セリウム系研磨液を用いて研磨を行った際に微小な研磨傷が発生しても、この研磨傷の大きさが従来の配線幅より小さいものであれば問題にならなかったが、更なる配線の微細化を達成しようとする場合には、研磨傷が微小であっても問題となってしまう。この問題に対し、4価金属元素の水酸化物の粒子を用いた研磨液が検討されている(例えば、前記特許文献4〜6参照)。また、4価金属元素の水酸化物の粒子の製造方法についても検討されている(例えば、前記特許文献7及び8参照)。これらの技術は、4価金属元素の水酸化物の粒子が有する化学的作用を活かしつつ機械的作用を極力小さくすることによって、粒子による研磨傷を低減しようとするものである。本発明に係る研磨液においても、研磨傷の発生を更に抑制する観点から、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒を用いることが好ましい。
【0017】
前記砥粒のゼータ電位は、正であってもよく、負であってもよい。前記砥粒のゼータ電位の絶対値は、10mV以上であることが好ましい。
【0018】
前記水溶性化合物の前記3価希土類元素は、セリウムを含むことが好ましい。前記水溶性化合物は、硝酸セリウム、硝酸セリウムアンモニウム、塩化セリウム、リン酸セリウム、硫酸セリウム及び酢酸セリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
【0019】
本発明に係る研磨液は、有効成分として4価希土類元素(前記砥粒に含まれる成分を除く)を含有しないことが好ましい。
【0020】
酸化剤の含有量は、0.05質量%未満であることが好ましい。
【0021】
本発明に係る研磨液のpHは、2.0〜10.0であることが好ましい。
【0022】
本発明の一側面は、酸化珪素を含む被研磨面の研磨への前記研磨液の使用に関する。すなわち、本発明に係る研磨液は、酸化珪素を含む被研磨面を研磨するために使用されることが好ましい。
【0023】
本発明に係る研磨液セットは、前記研磨液の構成成分が第1の液と第2の液とに分けて保存され、前記第1の液が、前記砥粒と、液状媒体と、を含み、前記第2の液が、前記水溶性化合物と、液状媒体と、を含む。本発明に係る研磨液セットによれば、本発明に係る研磨液と同様の前記効果を得ることができる。
【0024】
本発明に係る添加液は、前記砥粒を含む液と混合することにより、前記研磨液を得るために用いられる添加液であって、前記水溶性化合物と、液状媒体と、を含有する。本発明に係る添加液によれば、本発明に係る研磨液と同様の前記効果を得ることができる。
【0025】
本発明に係る研磨方法は、前記研磨液を用いて被研磨面を研磨する工程を備えていてもよく、前記研磨液セットにおける前記第1の液と前記第2の液とを混合して得られる研磨液を用いて被研磨面を研磨する工程を備えていてもよい。これらの研磨方法によれば、前記研磨液又は前記研磨液セットを用いることにより、本発明に係る研磨液と同様の前記効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、3価希土類元素を含む水溶性化合物を用いない場合と比較して絶縁材料(例えば酸化珪素)の研磨速度を向上させることが可能な研磨液を提供することができる。3価希土類元素を含む水溶性化合物の添加効果は、3価希土類元素を含む水溶性化合物を用いる場合の研磨速度と、3価希土類元素を含む水溶性化合物を用いない場合の研磨速度とを対比することにより確認することができる。また、本発明によれば、前記研磨液を得ることが可能な研磨液セット及び添加液を提供することができる。さらに、本発明によれば、前記研磨液を用いた研磨方法を提供することができる。
【0027】
本発明によれば、STI絶縁材料、プリメタル絶縁材料、層間絶縁材料等を平坦化するCMP技術において、これらの絶縁材料を高度に平坦化することもできる。また、本発明によれば、充分な研磨速度を達成しつつ絶縁材料を低研磨傷で研磨することもできる。
【0028】
本発明によれば、基体表面の平坦化工程への研磨液、研磨液セット又は添加液の使用を提供することができる。本発明によれば、STI絶縁材料、プリメタル絶縁材料又は層間絶縁材料の平坦化工程への研磨液、研磨液セット又は添加液の使用を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】添加剤を添加した際に砥粒が凝集する様子を示す模式図である。
図2】添加剤を添加した際に砥粒が凝集する様子を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0031】
<定義>
本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。本明細書に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。「A又はB」とは、A及びBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。本明細書に例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本明細書において、組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
【0032】
本明細書において、「研磨液」(polishing liquid、abrasive)とは、研磨時に被研磨面に触れる組成物として定義される。「研磨液」という語句自体は、研磨液に含有される成分を何ら限定しない。後述するように、本実施形態に係る研磨液は砥粒(abrasive grain)を含有する。砥粒は、「研磨粒子」(abrasive particle)ともいわれるが、本明細書では「砥粒」という。砥粒は、一般的には固体粒子であって、研磨時に、砥粒が有する機械的作用、及び、砥粒(主に砥粒の表面)の化学的作用によって、除去対象物が除去(remove)されると考えられるが、これに限定されない。
【0033】
<研磨液>
本実施形態に係る研磨液は、例えばCMP用研磨液である。本実施形態に係る研磨液は、砥粒と、3価希土類元素を含む水溶性化合物と、液状媒体と、を含有し、前記水溶性化合物の含有量が0質量%を超え0.05質量%未満である。以下、必須成分及び任意成分について説明する。
【0034】
(砥粒)
砥粒を構成する金属元素としては、希土類元素、珪素、アルミニウム、ジルコニウム等が挙げられる。希土類元素としては、セリウム等のランタノイド;イットリウムなどが挙げられる。砥粒は、前記金属元素の酸化物、前記金属元素の水酸化物等を含むことができる。
【0035】
砥粒は、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、セリウム化合物を含むことが好ましい。セリウム化合物は、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、セリウム酸化物及びセリウム水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。セリウム酸化物としては、セリア等が挙げられる。
【0036】
砥粒は、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、セリア、シリカ、アルミナ、ジルコニア、イットリア及び金属元素の水酸化物からなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、金属元素(4価金属元素等)の水酸化物を含むことがより好ましい。
【0037】
本明細書において、「4価金属元素の水酸化物」とは、4価の金属(M4+)と、少なくとも1つの水酸化物イオン(OH)とを含む化合物である。4価金属元素の水酸化物は、水酸化物イオン以外の陰イオン(例えば、硝酸イオンNO及び硫酸イオンSO2−)を含んでいてもよい。例えば、4価金属元素の水酸化物は、4価金属元素に結合した陰イオン(例えば、硝酸イオンNO及び硫酸イオンSO2−)を含んでいてもよい。
【0038】
4価金属元素の水酸化物を含む砥粒は、シリカ、セリア等からなる砥粒と比較して、絶縁材料(例えば酸化珪素)との反応性が高く、絶縁材料を更に高い研磨速度で研磨することができる。4価金属元素の水酸化物を含む砥粒として、4価金属元素の水酸化物を含む粒子と、セリウム酸化物を含む粒子との複合粒子;4価金属元素の水酸化物とシリカとを含む複合粒子等を用いることもできる。
【0039】
金属元素(4価金属元素等)の水酸化物は、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、希土類元素の水酸化物及びジルコニウムの水酸化物からなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、希土類元素の水酸化物を含むことがより好ましい。4価をとり得る希土類元素としては、セリウム、プラセオジム、テルビウム等のランタノイドなどが挙げられ、中でも、絶縁材料の研磨速度に更に優れる観点から、ランタノイドが好ましく、セリウムがより好ましい。希土類元素の水酸化物とジルコニウムの水酸化物とを併用してもよく、希土類元素の水酸化物から二種以上を選択して使用することもできる。
【0040】
砥粒における金属元素(4価金属元素等)の水酸化物の含有量が0質量%を超え50質量%以下である場合、金属元素(4価金属元素等)の水酸化物の含有量は、砥粒全体(研磨液に含まれる砥粒全体)を基準として下記の範囲が好ましい。金属元素の水酸化物の含有量の下限は、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、5質量%以上が好ましく、6質量%以上がより好ましく、7質量%以上が更に好ましく、8質量%以上が特に好ましく、9質量%以上が極めて好ましい。金属元素の水酸化物の含有量の上限は、研磨液の調製が容易であると共に研磨特性(絶縁材料の研磨速度等)に更に優れる観点から、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましく、20質量%以下が特に好ましく、15質量%以下が極めて好ましく、10質量%以下が非常に好ましい。前記観点から、金属元素の水酸化物の含有量は、5〜50質量%であることがより好ましい。
【0041】
砥粒における金属元素(4価金属元素等)の水酸化物の含有量が50質量%を超える場合、金属元素(4価金属元素等)の水酸化物の含有量は、砥粒全体(研磨液に含まれる砥粒全体)を基準として下記の範囲が好ましい。金属元素の水酸化物の含有量の下限は、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、50質量%を超えることが好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましく、95質量%以上が特に好ましく、98質量%以上が極めて好ましく、99質量%以上が非常に好ましい。砥粒は、研磨液の調製が容易であると共に研磨特性(絶縁材料の研磨速度等)に更に優れる観点から、砥粒が実質的に金属元素(4価金属元素等)の水酸化物からなる(実質的に砥粒の100質量%が金属元素(4価金属元素等)の水酸化物である)ことが好ましい。
【0042】
砥粒は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
【0043】
研磨液、又は、後述する研磨液セットにおけるスラリ中の砥粒の平均粒径は、下記の範囲が好ましい。砥粒の平均粒径の下限は、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、10nm以上が好ましく、15nm以上がより好ましく、20nm以上が更に好ましく、25nm以上が特に好ましい。砥粒の平均粒径の上限は、砥粒の分散性、及び、被研磨面に傷がつくことを更に抑制する観点から、1000nm以下が好ましく、800nm以下がより好ましく、700nm以下が更に好ましく、600nm以下が特に好ましく、500nm以下が極めて好ましく、400nm以下が非常に好ましい。前記観点から、砥粒の平均粒径は、10〜1000nmであることがより好ましい。
【0044】
砥粒が金属元素(4価金属元素等)の水酸化物を含む場合、砥粒の平均粒径の上限は、砥粒の分散性、及び、被研磨面に傷がつくことを更に抑制する観点から、200nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましく、50nm以下が更に好ましく、30nm以下が特に好ましい。
【0045】
砥粒が金属元素の酸化物を含む場合、砥粒の平均粒径の下限は、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、50nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましく、200nm以上が更に好ましく、300nm以上が特に好ましく、330nm以上が極めて好ましい。
【0046】
砥粒の「平均粒径」とは、砥粒の平均二次粒径を意味する。砥粒の平均粒径は、例えば、研磨液、又は、後述する研磨液セットにおけるスラリについて、光回折散乱式粒度分布計(例えば、ベックマンコールター株式会社製、商品名:N5、又は、マイクロトラック・ベル社製、商品名:マイクロトラックMT3300EXII)を用いて測定することができる。
【0047】
3価希土類元素を含む水溶性化合物を用いることにより、研磨液中における砥粒のゼータ電位(表面電位)の正負によらず、絶縁材料の研磨速度を向上させることができる。研磨液中における砥粒のゼータ電位は、正であってもよく、負であってもよい。研磨液中における砥粒のゼータ電位の絶対値の下限は、砥粒の分散性に優れる観点から、10mV以上が好ましく、20mV以上がより好ましく、25mV以上が更に好ましく、30mV以上が特に好ましく、40mV以上が極めて好ましく、50mV以上が非常に好ましい。砥粒のゼータ電位の絶対値の上限は、特に限定されないが、例えば200mV以下であってもよい。前記観点から、砥粒のゼータ電位の絶対値は、10〜200mVであることがより好ましい。
【0048】
砥粒のゼータ電位とは、分散している砥粒の表面電位を表す。例えば、研磨液、又は、後述する研磨液セットのスラリにおける砥粒のゼータ電位は、動的光散乱式ゼータ電位測定装置(例えば、ベックマンコールター株式会社製、商品名:DelsaNano C)を用いて測定することができる。砥粒のゼータ電位は、添加剤を用いて調整できる。例えば、セリアを含有する砥粒に水溶性高分子(ポリアクリル酸等)を接触させることにより、負のゼータ電位を有する砥粒を得ることができる。
【0049】
砥粒が4価金属元素の水酸化物を含む場合、4価金属元素の水酸化物の含有量を調整することにより、砥粒と被研磨面との化学的な相互作用が向上し、絶縁材料の研磨速度を更に向上させることができる。このことから、4価金属元素の水酸化物の含有量の下限は、研磨液の全質量を基準として、0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.03質量%以上が更に好ましく、0.05質量%以上が特に好ましい。4価金属元素の水酸化物の含有量の上限は、砥粒の凝集を避けることが容易になると共に、砥粒と被研磨面との化学的な相互作用が良好となり、砥粒の特性を有効に活用できる観点から、研磨液の全質量を基準として、5質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましく、2質量%以下が特に好ましく、1質量%以下が極めて好ましく、0.5質量%以下が非常に好ましく、0.3質量%以下がより一層好ましく、0.1質量%以下が更に好ましい。前記観点から、4価金属元素の水酸化物の含有量は、研磨液の全質量を基準として0.005〜5質量%であることがより好ましい。
【0050】
砥粒の含有量の下限は、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、研磨液の全質量を基準として、0質量%を超えており、0.01質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が更に好ましい。砥粒の含有量の上限は、研磨液の保存安定性を高くする観点から、研磨液の全質量を基準として、10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、6質量%以下が更に好ましい。前記観点から、砥粒の含有量は、研磨液の全質量を基準として0.01〜10質量%であることがより好ましい。
【0051】
また、砥粒の含有量を更に少なくすることにより、コスト及び研磨傷を更に低減できる点で好ましい。このような観点から、砥粒の含有量の上限は、5質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましく、2質量%以下が特に好ましく、2質量%未満が極めて好ましく、1.5質量%以下が非常に好ましく、1質量%以下がより一層好ましく、0.7質量%以下が更に好ましく、0.5質量%以下が特に好ましい。前記観点から、砥粒の含有量は、研磨液の全質量を基準として、0質量%を超え4質量%以下であることがより好ましく、0質量%を超え1.5質量%以下であることが更に好ましい。
【0052】
[吸光度]
砥粒は、4価金属元素の水酸化物を含み、且つ、下記条件(a)及び(b)の少なくとも一方の条件を満たすことが好ましい。なお、砥粒の含有量を所定量に調整した「水分散液」とは、所定量の砥粒と水とを含む液を意味する。
(a)砥粒が、当該砥粒の含有量を1.0質量%に調整した水分散液において波長400nmの光に対して吸光度1.00以上を与える。
(b)砥粒が、当該砥粒の含有量を0.0065質量%に調整した水分散液において波長290nmの光に対して吸光度1.000以上を与える。
【0053】
前記条件(a)に関して、砥粒の含有量を1.0質量%に調整した水分散液において波長400nmの光に対する吸光度1.00以上を与える砥粒を用いることにより、研磨速度を更に向上させることができる。この理由は必ずしも明らかではないが、本発明者は次のように考えている。すなわち、4価金属元素の水酸化物の製造条件等に応じて、4価の金属(M4+)、1〜3個の水酸化物イオン(OH)及び1〜3個の陰イオン(Xc−)からなるM(OH)(式中、a+b×c=4である)を含む粒子が砥粒の一部として生成するものと考えられる(なお、このような粒子も「4価金属元素の水酸化物を含む砥粒」である)。M(OH)では、電子吸引性の陰イオン(Xc−)が作用して水酸化物イオンの反応性が向上しており、M(OH)の存在量が増加するに伴い研磨速度が向上するものと考えられる。そして、M(OH)を含む粒子が波長400nmの光を吸光するため、M(OH)の存在量が増加して波長400nmの光に対する吸光度が高くなるに伴い、研磨速度が向上するものと考えられる。
【0054】
4価金属元素の水酸化物を含む砥粒は、M(OH)だけでなく、M(OH)、MO等も含み得ると考えられる。陰イオン(Xc−)としては、例えば、NO及びSO2−が挙げられる。
【0055】
なお、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒がM(OH)を含むことは、砥粒を純水でよく洗浄した後に、FT−IR ATR法(Fourier transform Infra Red Spectrometer Attenuated Total Reflection法、フーリエ変換赤外分光光度計全反射測定法)で、陰イオン(Xc−)に該当するピークを検出する方法により確認できる。XPS法(X-ray Photoelectron Spectroscopy、X線光電子分光法)により、陰イオン(Xc−)の存在を確認することもできる。
【0056】
ここで、M(OH)(例えばM(OH)X)の波長400nmの吸収ピークは、後述する波長290nmの吸収ピークよりもはるかに小さいことが確認されている。これに対し、本発明者は、砥粒含有量が比較的多く、吸光度が大きく検出されやすい砥粒含有量1.0質量%の水分散液を用いて吸光度の大きさを検討した結果、当該水分散液において波長400nmの光に対する吸光度1.00以上を与える砥粒を用いる場合に、研磨速度の向上効果に優れることを見出した。
【0057】
波長400nmの光に対する吸光度の下限は、更に優れた研磨速度で絶縁材料を研磨しやすくなる観点から、1.50以上が好ましく、1.55以上がより好ましく、1.60以上が更に好ましい。
【0058】
前記条件(b)に関して、砥粒の含有量を0.0065質量%に調整した水分散液において波長290nmの光に対する吸光度1.000以上を与える砥粒を用いることにより、研磨速度を更に向上させることができる。この理由は必ずしも明らかではないが、本発明者は次のように考えている。すなわち、4価金属元素の水酸化物の製造条件等に応じて生成するM(OH)(例えばM(OH)X)を含む粒子は、計算上、波長290nm付近に吸収のピークを有し、例えばCe4+(OHNOからなる粒子は波長290nmに吸収のピークを有する。そのため、M(OH)の存在量が増加して波長290nmの光に対する吸光度が高くなるに伴い、研磨速度が向上するものと考えられる。
【0059】
ここで、波長290nm付近の光に対する吸光度は、測定限界を超えるほど大きく検出される傾向がある。これに対し、本発明者は、砥粒の含有量が比較的少なく、吸光度が小さく検出されやすい砥粒含有量0.0065質量%の水分散液を用いて吸光度の大きさを検討した結果、当該水分散液において波長290nmの光に対する吸光度1.000以上を与える砥粒を用いる場合に、研磨速度の向上効果に優れることを見出した。
【0060】
波長290nmの光に対する吸光度の下限は、更に優れた研磨速度で絶縁材料を研磨する観点から、1.050以上がより好ましく、1.100以上が更に好ましく、1.130以上が特に好ましく、1.150以上が極めて好ましい。波長290nmの光に対する吸光度の上限は、特に制限はないが、例えば10.00以下が好ましい。
【0061】
波長400nmの光に対する吸光度1.00以上を与える砥粒が、砥粒の含有量を0.0065質量%に調整した水分散液において波長290nmの光に対して吸光度1.000以上を与える場合には、更に優れた研磨速度で絶縁材料を研磨することができる。
【0062】
また、4価金属元素の水酸化物(例えばM(OH))は、波長450nm以上(特に波長450〜600nm)の光を吸光しない傾向がある。したがって、不純物を含むことにより研磨に対して悪影響が生じることを抑制して更に優れた研磨速度で絶縁材料を研磨する観点から、砥粒は、当該砥粒の含有量を0.0065質量%(65ppm)に調整した水分散液において波長450〜600nmの光に対して吸光度0.010以下を与えるものであることが好ましい。すなわち、砥粒の含有量を0.0065質量%に調整した水分散液において波長450〜600nmの範囲における全ての光に対する吸光度が0.010を超えないことが好ましい。波長450〜600nmの光に対する吸光度の上限は、0.010未満がより好ましい。波長450〜600nmの光に対する吸光度の下限は、0が好ましい。
【0063】
水分散液における吸光度は、例えば、株式会社日立製作所製の分光光度計(装置名:U3310)を用いて測定できる。具体的には例えば、砥粒の含有量を1.0質量%又は0.0065質量%に調整した水分散液を測定サンプルとして調製する。この測定サンプルを1cm角のセルに約4mL入れ、装置内にセルを設置する。次に、波長200〜600nmの範囲で吸光度測定を行い、得られたチャートから吸光度を判断する。
【0064】
[光透過率]
本実施形態に係る研磨液は、可視光に対する透明度が高い(目視で透明又は透明に近い)ことが好ましい。具体的には、本実施形態に係る研磨液に含まれる砥粒は、当該砥粒の含有量を1.0質量%に調整した水分散液において波長500nmの光に対して光透過率50%/cm以上を与えるものであることが好ましい。これにより、添加剤の添加に起因する研磨速度の低下を更に抑制することができるため、研磨速度を維持しつつ他の特性を得ることが容易になる。この観点から、前記光透過率の下限は、60%/cm以上がより好ましく、70%/cm以上が更に好ましく、80%/cm以上が特に好ましく、90%/cm以上が極めて好ましく、92%/cm以上が非常に好ましい。光透過率の上限は100%/cmである。
【0065】
このように砥粒の光透過率を調整することで研磨速度の低下を抑制することが可能な理由は詳しくはわかっていないが、本発明者は以下のように考えている。4価金属元素(セリウム等)の水酸化物を含む砥粒では、機械的作用よりも化学的作用の方が支配的になると考えられる。そのため、砥粒の大きさよりも砥粒の数の方が、より研磨速度に寄与すると考えられる。
【0066】
砥粒の含有量が1.0質量%である水分散液において光透過率が低い場合、その水分散液に存在する砥粒は、粒径の大きい粒子(以下「粗大粒子」という。)が相対的に多く存在すると考えられる。このような砥粒を含む研磨液に添加剤(例えばポリビニルアルコール(PVA))を添加すると、図1に示すように、粗大粒子を核として他の粒子が凝集する。その結果として、単位面積当たりの被研磨面に作用する砥粒数(有効砥粒数)が減少し、被研磨面に接する砥粒の比表面積が減少するため、研磨速度の低下が引き起こされると考えられる。
【0067】
一方、砥粒の含有量が1.0質量%である水分散液において光透過率が高い場合、その水分散液に存在する砥粒は、「粗大粒子」が少ない状態であると考えられる。このように粗大粒子の存在量が少ない場合は、図2に示すように、研磨液に添加剤(例えばポリビニルアルコール)を添加しても、凝集の核になるような粗大粒子が少ないため、砥粒同士の凝集が抑えられるか、又は、凝集粒子の大きさが図1に示す凝集粒子と比べて小さくなる。その結果として、単位面積当たりの被研磨面に作用する砥粒数(有効砥粒数)が維持され、被研磨面に接する砥粒の比表面積が維持されるため、研磨速度の低下が生じ難くなると考えられる。
【0068】
本発明者の検討では、一般的な粒径測定装置において測定される粒径が同じ研磨液であっても、目視で透明である(光透過率の高い)もの、及び、目視で濁っている(光透過率の低い)ものがありえることがわかっている。このことから、前記のような作用を起こしうる粗大粒子は、一般的な粒径測定装置で検知できないほどのごくわずかの量でも、研磨速度の低下に寄与すると考えられる。
【0069】
また、粗大粒子を減らすためにろ過を複数回繰り返しても、添加剤により研磨速度が低下する現象はさほど改善せず、吸光度に起因する研磨速度の前記向上効果が充分に発揮されない場合があることがわかっている。そこで、本発明者は、砥粒の製造方法を工夫する等して、水分散液において光透過率の高い砥粒を使用することによって前記問題を解決できることを見出した。
【0070】
前記光透過率は、波長500nmの光に対する透過率である。前記光透過率は、分光光度計で測定することができる。具体的には例えば、株式会社日立製作所製の分光光度計U3310(装置名)で測定することができる。
【0071】
より具体的な測定方法としては、砥粒の含有量を1.0質量%に調整した水分散液を測定サンプルとして調製する。この測定サンプルを1cm角のセルに約4mL入れ、装置内にセルをセットした後に測定を行う。
【0072】
研磨液に含まれる砥粒が水分散液において与える吸光度及び光透過率は、砥粒以外の固体成分、及び、水以外の液体成分を除去した後、所定の砥粒含有量の水分散液を調製し、当該水分散液を用いて測定することができる。研磨液に含まれる成分によっても異なるが、固体成分又は液体成分の除去には、例えば、数千G以下の重力加速度をかけられる遠心機を用いた遠心分離、数万G以上の重力加速度をかけられる超遠心機を用いた超遠心分離等の遠心分離法;分配クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、ゲル浸透クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー等のクロマトグラフィー法;自然ろ過、減圧ろ過、加圧ろ過、限外ろ過等のろ過法;減圧蒸留、常圧蒸留等の蒸留法を用いることができ、これらを適宜組み合わせてもよい。
【0073】
例えば、重量平均分子量が数万以上(例えば5万以上)の化合物を含む場合、砥粒の分離方法としては、クロマトグラフィー法、ろ過法等が挙げられ、中でも、ゲル浸透クロマトグラフィー及び限外ろ過からなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。ろ過法を用いる場合、研磨液に含まれる砥粒は、適切な条件の設定により、フィルタを通過させることができる。重量平均分子量が数万以下(例えば5万未満)の化合物を含む場合、砥粒の分離方法としては、クロマトグラフィー法、ろ過法、蒸留法等が挙げられ、ゲル浸透クロマトグラフィー、限外ろ過及び減圧蒸留からなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。複数種類の砥粒が含まれる場合、砥粒の分離方法としては、ろ過法、遠心分離法等が挙げられ、ろ過の場合はろ液に、遠心分離の場合は液相に、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒がより多く含まれる。
【0074】
クロマトグラフィー法で砥粒を分離する方法として、例えば、下記条件によって、砥粒成分を分取する、及び/又は、他成分を分取することができる。
試料溶液:研磨液100μL
検出器:株式会社日立製作所製、UV−VISディテクター、商品名「L−4200」
波長:400nm
インテグレータ:株式会社日立製作所製、GPCインテグレータ、商品名「D−2500」
ポンプ:株式会社日立製作所製、商品名「L−7100」
カラム:日立化成株式会社製、水系HPLC用充填カラム、商品名「GL−W550S」
溶離液:脱イオン水
測定温度:23℃
流速:1mL/分(圧力は40〜50kg/cm程度)
測定時間:60分
【0075】
研磨液に含まれる成分によっては、前記条件でも砥粒成分を分取できない可能性があるが、その場合、試料溶液量、カラム種類、溶離液種類、測定温度、流速等を最適化することで分離することができる。また、研磨液のpHを調整することで、研磨液に含まれる成分の留出時間を調整し、砥粒と分離できる可能性がある。研磨液に不溶成分がある場合、必要に応じ、ろ過、遠心分離等で不溶成分を除去することが好ましい。
【0076】
[4価金属元素の水酸化物の作製方法]
4価金属元素の水酸化物は、4価金属元素の塩(金属塩)と、アルカリ源(塩基)とを反応させることにより作製できる。4価金属元素の水酸化物は、4価金属元素の塩とアルカリ液(例えばアルカリ水溶液)とを混合することにより作製されることが好ましい。これにより、粒径が極めて細かい粒子を得ることができ、研磨傷の低減効果に更に優れた研磨液を得ることができる。このような手法は、例えば、特許文献7及び8に開示されている。4価金属元素の水酸化物は、4価金属元素の塩の金属塩溶液(例えば金属塩水溶液)とアルカリ液とを混合することにより得ることができる。4価金属元素の塩としては、従来公知のものを特に制限なく使用でき、M(NO、M(SO、M(NH(NO、M(NH(SO(Mは希土類元素を示す。)、Zr(SO・4HO等が挙げられる。Mとしては、化学的に活性なセリウム(Ce)が好ましい。
【0077】
(添加剤)
本実施形態に係る研磨液は、添加剤を含有する。ここで、「添加剤」とは、研磨速度、研磨選択性等の研磨特性;砥粒の分散性、保存安定性等の研磨液特性などを調整するために、砥粒及び液状媒体以外に研磨液が含有する物質を指す。
【0078】
[3価希土類元素を含む水溶性化合物]
本実施形態に係る研磨液は、3価希土類元素を含む水溶性化合物を用いない場合と比較して絶縁材料の研磨速度を向上させる観点から、3価希土類元素を含む水溶性化合物を0質量%を超え0.05質量%未満(研磨液の全質量基準)含有する。当該水溶性化合物を用いることで研磨速度が向上する理由は必ずしも明らかではないが、本発明者は次のように推測している。すなわち、3価希土類元素を含む前記所定量の水溶性化合物が砥粒の表面の価数を変化させることにより、砥粒の表面と絶縁材料の表面との間で容易に結合が形成される(例えば、研磨により除去されやすい反応層が形成される)ため、絶縁材料の研磨が促進されると推測される。例えば、セリウム化合物を含む砥粒を用いて酸化珪素膜が研磨される際、3価希土類元素を含む前記所定量の水溶性化合物が砥粒の表面のセリウムの価数を変化させることにより、砥粒の表面と酸化珪素膜の表面の珪素(Si)との間で容易に結合が形成される(例えば、研磨により除去されやすい反応層が形成される)ため、酸化珪素膜の研磨が促進されると推測される。
【0079】
前記水溶性化合物における「水溶性」とは、水100gに対して0.1g以上溶解する化合物を指すものとする。
【0080】
前記水溶性化合物における3価希土類元素としては、ランタノイド、イットリウム等が挙げられる。3価希土類元素であるランタノイドとしては、セリウム、ランタン等が挙げられる。3価希土類元素は、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、セリウムを含むことが好ましい。
【0081】
前記水溶性化合物としては、硝酸塩、アンモニウム塩、塩化物、リン酸塩、硫酸塩、酢酸塩等が挙げられ、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、酢酸塩が好ましい。
【0082】
3価希土類元素を含む水溶性化合物は、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、硝酸セリウム、硝酸セリウムアンモニウム、塩化セリウム、リン酸セリウム、硫酸セリウム及び酢酸セリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
【0083】
3価希土類元素を含む水溶性化合物の含有量は、研磨液の全質量を基準として0質量%を超え0.05質量%未満である。3価希土類元素を含む水溶性化合物の含有量の下限は、3価希土類元素を含む水溶性化合物と、砥粒(例えば、4価セリウムを含む砥粒)との相互作用を効率よく発揮させることにより絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、研磨液の全質量を基準として、0.001質量%以上が好ましく、0.002質量%以上がより好ましく、0.003質量%以上が更に好ましく、0.004質量%以上が特に好ましく、0.005質量%以上が極めて好ましい。3価希土類元素を含む水溶性化合物の含有量の上限は、研磨液のコスト削減の観点、及び、凹凸を有するパターンウエハの研磨において凹部の過研磨を防ぐ観点から、研磨液の全質量を基準として、0.04質量%以下が好ましく、0.03質量%以下がより好ましく、0.02質量%以下が更に好ましく、0.01質量%以下が特に好ましい。
【0084】
[任意の添加剤]
本実施形態に係る研磨液は、研磨特性を調整する等の目的で、3価希土類元素を含む水溶性化合物の他に、任意の添加剤(3価希土類元素を含む水溶性化合物に該当する化合物を除く)を更に含有していてもよい。任意の添加剤としては、ポリオキシアルキレン化合物、水溶性高分子、酸成分(酢酸等)、酸化剤(例えば過酸化水素)、3価希土類元素を含む不溶性化合物(例えば炭酸セリウム)、4価希土類元素を含む化合物(砥粒に含まれる成分を除く)等が挙げられる。これらの添加剤のそれぞれは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
【0085】
ポリオキシアルキレン化合物、水溶性高分子、酸成分等の添加剤は、研磨液の分散安定性を高めることが可能であり、絶縁材料(例えば酸化珪素)の研磨速度を更に高速に研磨できる効果がある。また、絶縁材料(例えば酸化珪素)を更に高速に研磨できることによって段差解消性が向上し、更に高い平坦性を得ることができる。これは、凸部の研磨速度が凹部の研磨速度と比較して大幅に向上するためであると推測される。
【0086】
水溶性高分子は、砥粒の分散安定性、平坦性、面内均一性、窒化珪素に対する酸化珪素の研磨選択性(酸化珪素の研磨速度/窒化珪素の研磨速度)、ポリシリコンに対する酸化珪素の研磨選択性(酸化珪素の研磨速度/ポリシリコンの研磨速度)等の研磨特性を調整する効果がある。ここで、「水溶性高分子」とは、水100gに対して0.1g以上溶解する高分子として定義する。なお、ポリオキシアルキレン化合物に該当する高分子は「水溶性高分子」に含まれないものとする。
【0087】
水溶性高分子としては、特に制限はなく、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸共重合体、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸共重合体塩等のポリアクリル酸系ポリマ;ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸塩等のポリメタクリル酸系ポリマ;ポリアクリルアミド;ポリジメチルアクリルアミド;カルボキシメチルセルロース、寒天、カードラン、デキストリン、シクロデキストリン、プルラン等の多糖類;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクロレイン等のビニル系ポリマ;ポリグリセリン、ポリグリセリン誘導体等のグリセリン系ポリマ;ポリエチレングリコールなどが挙げられる。水溶性高分子は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
【0088】
水溶性高分子を使用する場合、水溶性高分子の含有量の下限は、砥粒の沈降を抑制しつつ水溶性高分子の添加効果が得られる観点から、研磨液の全質量を基準として、0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、0.1質量%以上が特に好ましい。水溶性高分子の含有量の上限は、砥粒の沈降を抑制しつつ水溶性高分子の添加効果が得られる観点から、研磨液の全質量を基準として、10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、6質量%以下が更に好ましく、5質量%以下が特に好ましい。水溶性高分子として複数の化合物を用いる場合、各化合物の含有量の合計が前記範囲を満たしていることが好ましい。
【0089】
酸化剤の含有量の上限は、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、研磨液の全質量を基準として、0.05質量%未満が好ましく、0.04質量%以下がより好ましく、0.01質量%以下が更に好ましく、0.005質量%以下が特に好ましく、0.001質量%以下が極めて好ましい。本実施形態に係る研磨液は、実質的に酸化剤を含有していない態様(酸化剤の含有量が、研磨液の全質量を基準として実質的に0質量%である態様)であってもよい。
【0090】
本実施形態に係る研磨液は、有効成分として4価希土類元素(砥粒に含まれる成分を除く)を含有しないことが好ましい。例えば、本実施形態に係る研磨液は、有効成分として4価希土類元素(砥粒に含まれる成分を除く)を実質的に含有していない態様(4価希土類元素(砥粒に含まれる成分を除く)の含有量が、研磨液の全質量を基準として実質的に0質量%である態様)であってもよい。
【0091】
(液状媒体)
本実施形態に係る研磨液における液状媒体としては、特に制限はないが、脱イオン水、超純水等の水が好ましい。液状媒体の含有量は、他の構成成分の含有量を除いた研磨液の残部でよく、特に限定されない。
【0092】
(研磨液の特性)
本実施形態に係る研磨液のpHは、主に研磨速度に影響する。pHの下限は、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、2.0以上が好ましく、2.5以上がより好ましく、2.8以上が更に好ましく、3.0以上が特に好ましく、3.2以上が極めて好ましい。pHの上限は、絶縁材料(例えば酸化珪素)の研磨速度に更に優れる観点から、10.0以下が好ましく、8.0以下がより好ましく、7.5以下が更に好ましく、7.0以下が特に好ましく、6.5以下が極めて好ましく、6.0以下が非常に好ましく、5.0以下がより一層好ましい。研磨液のpHは、研磨液の保存安定性に優れる観点から、2.0〜10.0がより好ましく、2.0〜7.0が更に好ましい。研磨液のpHは、液温25℃におけるpHと定義する。
【0093】
研磨液のpHは、無機酸、有機酸等の酸成分;アンモニア、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、イミダゾール、アルカノールアミン等のアルカリ成分などによって調整できる。pHを安定化させるため、緩衝剤を添加してもよい。緩衝液(緩衝剤を含む液)として緩衝剤を添加してもよい。このような緩衝液としては、酢酸塩緩衝液、フタル酸塩緩衝液等が挙げられる。
【0094】
本実施形態に係る研磨液のpHは、pHメータ(例えば、電気化学計器株式会社製の型番PHL−40)で測定することができる。具体的には例えば、フタル酸塩pH緩衝液(pH:4.01)及び中性リン酸塩pH緩衝液(pH:6.86)を標準緩衝液として用いてpHメータを2点校正した後、pHメータの電極を研磨液に入れて、2分以上経過して安定した後の値を測定する。標準緩衝液及び研磨液の液温は、共に25℃とする。
【0095】
<研磨液セット及び添加液>
本実施形態に係る研磨液は、砥粒と、3価希土類元素を含む水溶性化合物と、液状媒体とを少なくとも含む一液式研磨液として保存してもよく、スラリ(第1の液)と添加液(第2の液)とを混合して前記研磨液となるように前記研磨液の構成成分をスラリと添加液とに分けた複数液式(例えば二液式)の研磨液セットとして保存してもよい。スラリは、例えば、砥粒と、液状媒体とを少なくとも含む。添加液は、例えば、3価希土類元素を含む水溶性化合物と、液状媒体とを少なくとも含む。3価希土類元素を含む水溶性化合物、任意の添加剤、及び、緩衝剤は、スラリ及び添加液のうち添加液に含まれることが好ましい。なお、前記研磨液の構成成分は、三液以上に分けた研磨液セットとして保存してもよい。
【0096】
前記研磨液セットにおいては、研磨直前又は研磨時に、スラリ及び添加液が混合されて研磨液が作製される。また、一液式研磨液は、液状媒体の含有量を減じた研磨液用貯蔵液として保存されると共に、研磨時に液状媒体で希釈して用いられてもよい。複数液式の研磨液セットは、液状媒体の含有量を減じたスラリ用貯蔵液及び添加液用貯蔵液として保存されると共に、研磨時に液状媒体で希釈して用いられてもよい。
【0097】
一液式研磨液の場合、研磨定盤上への研磨液の供給方法としては、研磨液を直接送液して供給する方法;研磨液用貯蔵液及び液状媒体を別々の配管で送液し、これらを合流及び混合させて供給する方法;あらかじめ研磨液用貯蔵液及び液状媒体を混合しておき供給する方法等を用いることができる。
【0098】
スラリと添加液とに分けた複数液式の研磨液セットとして保存する場合、これらの液の配合を任意に変えることにより研磨速度を調整することができる。研磨液セットを用いて研磨する場合、研磨定盤上への研磨液の供給方法としては、下記に示す方法がある。例えば、スラリと添加液とを別々の配管で送液し、これらの配管を合流及び混合させて供給する方法;スラリ用貯蔵液、添加液用貯蔵液及び液状媒体を別々の配管で送液し、これらを合流及び混合させて供給する方法;あらかじめスラリ及び添加液を混合しておき供給する方法;あらかじめスラリ用貯蔵液、添加液用貯蔵液及び液状媒体を混合しておき供給する方法等を用いることができる。また、前記研磨液セットにおけるスラリと添加液とをそれぞれ研磨定盤上へ供給する方法を用いることもできる。この場合、研磨定盤上においてスラリ及び添加液が混合されて得られる研磨液を用いて被研磨面が研磨される。
【0099】
なお、本実施形態に係る研磨液セットは、前記必須成分を少なくとも含有する研磨液と、酸化剤(例えば過酸化水素)等の任意成分を少なくとも含む添加液とに分けた態様であってもよい。この場合、研磨液及び添加液が混合されて得られた混合液(当該混合液も「研磨液」に相当する)を用いて研磨が行われる。また、本実施形態に係る研磨液セットは、三液以上に分けた研磨液セットとして、前記必須成分の一部を少なくとも含有する液と、前記必須成分の残部を少なくとも含有する液と、任意成分を少なくとも含む添加液とに分けた態様であってもよい。研磨液セットを構成する各液は、液状媒体の含有量を減じた貯蔵液として保存されてもよい。
【0100】
<研磨方法>
本実施形態に係る研磨方法(基体の研磨方法等)は、前記一液式研磨液を用いて被研磨面(基体の被研磨面等)を研磨する研磨工程を備えていてもよく、前記研磨液セットにおけるスラリと添加液とを混合して得られる研磨液を用いて被研磨面(基体の被研磨面等)を研磨する研磨工程を備えていてもよい。
【0101】
研磨工程では、例えば、被研磨材料を有する基体の当該被研磨材料を研磨定盤の研磨パッド(研磨布)に押圧した状態で、前記研磨液を被研磨材料と研磨パッドとの間に供給し、基体と研磨定盤とを相対的に動かして被研磨材料の被研磨面を研磨する。研磨工程では、例えば、被研磨材料の少なくとも一部を研磨により除去する。
【0102】
研磨対象である基体としては、被研磨基板等が挙げられる。被研磨基板としては、例えば、半導体素子製造に係る基板(例えば、STIパターン、ゲートパターン、配線パターン等が形成された半導体基板)上に被研磨材料が形成された基体が挙げられる。被研磨材料としては、酸化珪素等の絶縁材料などが挙げられる。被研磨材料は、単一の材料であってもよく、複数の材料であってもよい。複数の材料が被研磨面に露出している場合、それらを被研磨材料と見なすことができる。被研磨材料は、膜状(被研磨膜)であってもよく、酸化珪素膜等の絶縁膜などであってもよい。
【0103】
このような基板上に形成された被研磨材料(例えば、酸化珪素等の絶縁材料)を前記研磨液で研磨し、余分な部分を除去することによって、被研磨材料の表面の凹凸を解消し、被研磨材料の表面全体にわたって平滑な面を得ることができる。本実施形態に係る研磨液は、酸化珪素を含む被研磨面を研磨するために使用されることが好ましい。
【0104】
本実施形態に係る研磨液により研磨される被研磨材料の作製方法としては、低圧CVD法、準常圧CVD法、プラズマCVD法等のCVD法;回転する基板に液体原料を塗布する回転塗布法などが挙げられる。
【0105】
以下、基体(例えば、半導体基板上に形成された絶縁材料を有する基体)の研磨方法を一例に挙げて、本実施形態に係る研磨方法を説明する。本実施形態に係る研磨方法において、研磨装置としては、被研磨面を有する基体を保持可能なホルダーと、研磨パッドを貼り付け可能な研磨定盤とを有する一般的な研磨装置を使用できる。ホルダー及び研磨定盤のそれぞれには、回転数が変更可能なモータ等が取り付けてある。研磨装置としては、例えば、株式会社荏原製作所製の研磨装置:F−REX300、又は、APPLIED MATERIALS社製の研磨装置:Reflexionを使用できる。
【0106】
研磨パッドとしては、一般的な不織布、発泡体、非発泡体等が使用できる。研磨パッドの材質としては、ポリウレタン、アクリル樹脂、ポリエステル、アクリル−エステル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ4−メチルペンテン、セルロース、セルロースエステル、ポリアミド(例えば、ナイロン(商標名)及びアラミド)、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリシロキサン共重合体、オキシラン化合物、フェノール樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂等の樹脂が使用できる。研磨パッドの材質としては、特に、研磨速度及び平坦性に更に優れる観点から、発泡ポリウレタン及び非発泡ポリウレタンからなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。研磨パッドには、研磨液がたまるような溝加工が施されていることが好ましい。
【0107】
研磨条件に制限はないが、研磨定盤の回転速度の上限は、基体が飛び出さないように200min−1(rpm)以下が好ましく、基体にかける研磨圧力(加工荷重)の上限は、研磨傷が発生することを充分に抑制する観点から、100kPa以下が好ましい。研磨している間、ポンプ等で連続的に研磨液を研磨パッドに供給することが好ましい。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。
【0108】
研磨終了後の基体は、流水中でよく洗浄して、基体に付着した粒子を除去することが好ましい。洗浄には、純水以外に希フッ酸又はアンモニア水を併用してもよく、洗浄効率を高めるためにブラシを併用してもよい。また、洗浄後は、スピンドライヤ等を用いて、基体に付着した水滴を払い落としてから基体を乾燥させることが好ましい。
【0109】
本実施形態に係る研磨液、研磨液セット、添加液及び研磨方法は、STIの形成及び層間絶縁膜の高速研磨に好適に使用できる。絶縁材料(例えば酸化珪素)の研磨速度の下限は、100nm/分以上が好ましく、150nm/分以上がより好ましく、200nm/分以上が更に好ましい。
【0110】
本実施形態に係る研磨液、研磨液セット、添加液及び研磨方法は、プリメタル絶縁材料の研磨にも使用できる。プリメタル絶縁材料としては、酸化珪素の他、例えば、リン−シリケートガラス又はボロン−リン−シリケートガラスが使用され、さらに、シリコンオキシフロリド、フッ化アモルファスカーボン等も使用できる。
【0111】
本実施形態に係る研磨液、研磨液セット、添加液及び研磨方法は、酸化珪素等の絶縁材料以外の材料にも適用できる。このような材料としては、Hf系、Ti系、Ta系酸化物等の高誘電率材料;シリコン、アモルファスシリコン、SiC、SiGe、Ge、GaN、GaP、GaAs、有機半導体等の半導体材料;GeSbTe等の相変化材料;ITO等の無機導電材料;ポリイミド系、ポリベンゾオキサゾール系、アクリル系、エポキシ系、フェノール系等のポリマ樹脂材料などが挙げられる。
【0112】
本実施形態に係る研磨液、研磨液セット、添加液及び研磨方法は、膜状の研磨対象だけでなく、ガラス、シリコン、SiC、SiGe、Ge、GaN、GaP、GaAs、サファイヤ、プラスチック等から構成される各種基板にも適用できる。
【0113】
本実施形態に係る研磨液、研磨液セット、添加液及び研磨方法は、半導体素子の製造だけでなく、TFT、有機EL等の画像表示装置;フォトマスク、レンズ、プリズム、光ファイバー、単結晶シンチレータ等の光学部品;光スイッチング素子、光導波路等の光学素子;固体レーザ、青色レーザLED等の発光素子;磁気ディスク、磁気ヘッド等の磁気記憶装置などの製造に用いることができる。
【実施例】
【0114】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0115】
<スラリの調製>
(セリウム水酸化物スラリの調製)
[4価金属元素の水酸化物の合成]
350gのCe(NH(NO50質量%水溶液(日本化学産業株式会社製、商品名:CAN50液)を7825gの純水と混合して溶液を得た。次いで、この溶液を撹拌しながら、750gのイミダゾール水溶液(10質量%水溶液、1.47mol/L)を5mL/分の混合速度で滴下して、セリウム水酸化物を含む沈殿物を得た。セリウム水酸化物の合成は、温度25℃、撹拌速度400min−1で行った。撹拌は、羽根部全長5cmの3枚羽根ピッチパドルを用いて行った。
【0116】
得られた沈殿物(セリウム水酸化物を含む沈殿物)を遠心分離(4000min−1、5分間)した後に、デカンテーションで液相を除去することによって固液分離を施した。固液分離により得られた粒子10gと、水990gと、を混合した後、超音波洗浄機を用いて粒子を水に分散させて、セリウム水酸化物を含む粒子(砥粒。以下、「セリウム水酸化物粒子」という)を含有するセリウム水酸化物スラリ(粒子の含有量:1.0質量%)を調製した。
【0117】
[平均粒径の測定]
ベックマンコールター株式会社製、商品名:N5を用いてセリウム水酸化物スラリにおけるセリウム水酸化物粒子の平均粒径(平均二次粒径)を測定したところ、25nmであった。測定法は下記のとおりである。まず、1.0質量%のセリウム水酸化物粒子を含む測定サンプル(セリウム水酸化物スラリ、水分散液)を1cm角のセルに約1mL入れ、N5内にセルを設置した。N5ソフトの測定サンプル情報の屈折率を1.333、粘度を0.887mPa・sに設定し、25℃において測定を行い、Unimodal Size Meanとして表示される値を読み取った。
【0118】
[ゼータ電位の測定]
ベックマンコールター株式会社製の商品名:DelsaNano C内に適量のセリウム水酸化物スラリを投入し、25℃において測定を2回行った。表示されたゼータ電位の平均値をゼータ電位として得た。セリウム水酸化物スラリ中におけるセリウム水酸化物粒子のゼータ電位は+50mVであった。
【0119】
[砥粒の構造分析]
セリウム水酸化物スラリを適量採取し、真空乾燥して砥粒を単離した後に、純水で充分に洗浄して試料を得た。得られた試料について、FT−IR ATR法による測定を行ったところ、水酸化物イオン(OH)に基づくピークの他に、硝酸イオン(NO)に基づくピークが観測された。また、同試料について、窒素に対するXPS(N−XPS)測定を行ったところ、NHに基づくピークは観測されず、硝酸イオンに基づくピークが観測された。これらの結果より、セリウム水酸化物スラリに含まれる砥粒は、セリウム元素に結合した硝酸イオンを有する粒子を少なくとも一部含有することが確認された。また、セリウム元素に結合した水酸化物イオンを有する粒子が砥粒の少なくとも一部に含有されることから、砥粒がセリウム水酸化物を含むことが確認された。これらの結果より、セリウムの水酸化物が、セリウム元素に結合した水酸化物イオンを含むことが確認された。
【0120】
[吸光度及び光透過率の測定]
セリウム水酸化物スラリを適量採取し、砥粒含有量が0.0065質量%(65ppm)となるように水で希釈して測定サンプル(水分散液)を得た。この測定サンプルを1cm角のセルに約4mL入れ、株式会社日立製作所製の分光光度計(装置名:U3310)内にセルを設置した。波長200〜600nmの範囲で吸光度測定を行い、波長290nmの光に対する吸光度と、波長450〜600nmの光に対する吸光度とを測定した。波長290nmの光に対する吸光度は1.192であり、波長450〜600nmの光に対する吸光度は0.010未満であった。
【0121】
セリウム水酸化物スラリ(粒子の含有量:1.0質量%)を1cm角のセルに約4mL入れ、株式会社日立製作所製の分光光度計(装置名:U3310)内にセルを設置した。波長200〜600nmの範囲で吸光度測定を行い、波長400nmの光に対する吸光度と、波長500nmの光に対する光透過率とを測定した。波長400nmの光に対する吸光度は2.25であり、波長500nmの光に対する光透過率は92%/cmであった。
【0122】
(セリウム酸化物スラリの調製)
[セリウム酸化物スラリ1]
セリア粒子100gと、和光純薬工業株式会社製の商品名:ポリアクリル酸5000(分散剤、重量平均分子量:5000)1gと、脱イオン水399gとを混合してpH8.0の混合液を得た。次に、前記混合液を撹拌しながら、前記混合液に対して超音波処理を30分間施して分散処理を行った。その後、15時間静置した後、上澄み液を分取した。得られた上澄み液の固形分含量を5.0質量%に調整して、セリウム酸化物を含む粒子(砥粒。以下、「セリウム酸化物粒子1」という)を含有するセリウム酸化物スラリ1を得た。
【0123】
[セリウム酸化物スラリ2]
セリア粒子100gと、和光純薬工業株式会社製の酢酸(分散剤)0.2gと、脱イオン水399.8gとを混合して前記混合液を得た。次に、前記混合液を撹拌しながら、混合液に対して超音波処理を30分間施して分散処理を行った。その後、15時間静置した後、上澄み液を分取した。得られた上澄み液の固形分含量を5.0質量%に調整して、セリウム酸化物を含む粒子(砥粒。以下、「セリウム酸化物粒子2」という)を含有するセリウム酸化物スラリ2を得た。
【0124】
[平均粒径の測定]
マイクロトラック・ベル社製の商品名:マイクロトラックMT3300EXII内に適量のセリウム酸化物スラリを投入し、セリウム酸化物粒子の平均粒径を測定し、表示された平均粒径値を平均粒径(平均二次粒径)として得た。セリウム酸化物スラリ1におけるセリウム酸化物粒子1の平均粒径は340nmであった。セリウム酸化物スラリ2におけるセリウム酸化物粒子2の平均粒径は350nmであった。
【0125】
[ゼータ電位の測定]
ベックマンコールター株式会社製の商品名:DelsaNano C内に適量のセリウム酸化物スラリを投入し、25℃において測定を2回行った。表示されたゼータ電位の平均値をゼータ電位として得た。セリウム酸化物スラリ1中におけるセリウム酸化物粒子1のゼータ電位は−55mVであった。セリウム酸化物スラリ2中におけるセリウム酸化物粒子2のゼータ電位は+50mVであった。
【0126】
<研磨液の作製>
(実施例1A)
50.00gのセリウム水酸化物スラリと、0.05gの酢酸セリウム(III)と、949.95gのイオン交換水とを混合して、0.05質量%のセリウム水酸化物粒子と、0.005質量%の酢酸セリウム(III)とを含有する研磨液(pH:5.0)を作製した。
【0127】
(比較例1A)
50.00gのセリウム水酸化物スラリと、950.00gのイオン交換水とを混合して、0.05質量%のセリウム水酸化物粒子を含有する研磨液(pH:5.0)を作製した。
【0128】
(実施例2A)
100.00gのセリウム酸化物スラリ1と、0.05gの酢酸セリウム(III)と、899.95gのイオン交換水とを混合して、0.5質量%のセリウム酸化物粒子1と、0.005質量%の酢酸セリウム(III)とを含有する研磨液(pH:7.5)を作製した。
【0129】
(比較例2A)
100.00gのセリウム酸化物スラリ1と、900.00gのイオン交換水とを混合して、0.5質量%のセリウム酸化物粒子1を含有する研磨液(pH:7.5)を作製した。
【0130】
(比較例2B)
100.00gのセリウム酸化物スラリ1と、0.05gの炭酸セリウム(III)と、899.95gのイオン交換水とを混合して、0.5質量%のセリウム酸化物粒子1と、0.005質量%の炭酸セリウム(III)とを含有する研磨液(pH:7.5)を作製した。
【0131】
(実施例3A)
100.00gのセリウム酸化物スラリ2と、0.05gの酢酸セリウム(III)と、899.95gのイオン交換水とを混合して、0.5質量%のセリウム酸化物粒子2と、0.005質量%の酢酸セリウム(III)とを含有する研磨液(pH:5.0)を作製した。
【0132】
(比較例3A)
100.00gのセリウム酸化物スラリ2と、900.00gのイオン交換水とを混合して、0.5質量%のセリウム酸化物粒子2を含有する研磨液(pH:5.0)を作製した。
【0133】
(実施例4A)
50.00gのセリウム水酸化物スラリと、100.00gのセリウム酸化物スラリ2と、0.05gの酢酸セリウム(III)と、849.95gのイオン交換水とを混合し、0.05質量%のセリウム水酸化物粒子と、0.5質量%のセリウム酸化物粒子2と、0.005質量%の酢酸セリウム(III)とを含有する研磨液(pH:5.0)を作製した。
【0134】
(比較例4A)
50.00gのセリウム水酸化物スラリと、100.00gのセリウム酸化物スラリ2と、850.00gのイオン交換水とを混合し、0.05質量%のセリウム水酸化物粒子と、0.5質量%のセリウム酸化物粒子2とを含有する研磨液(pH:5.0)を作製した。
【0135】
<研磨液物性の評価>
(pH)
研磨液のpHは下記の条件で測定した。
測定温度:25±5℃
測定装置:電気化学計器株式会社製、型番PHL−40
測定方法:標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液、pH:4.01(25℃);中性リン酸塩pH緩衝液、pH:6.86(25℃))を用いて2点校正した後、電極を研磨液に入れて、2分以上経過して安定した後のpHを前記測定装置により測定した。
【0136】
(砥粒の平均粒径)
ベックマンコールター株式会社製の商品名:N5を用いて実施例1A及び比較例1Aの研磨液における砥粒(セリウム水酸化物粒子)の平均粒径(平均二次粒径)を測定した。実施例1A及び比較例1Aにおける平均粒径は10nmであった。
【0137】
マイクロトラック・ベル社製の商品名:マイクロトラックMT3300EXII内に実施例2A,3A,4A及び比較例2A,2B,3A,4Aの研磨液を適量投入し、砥粒の平均粒径を測定し、表示された平均粒径値を平均粒径(平均二次粒径)として得た。実施例2A及び比較例2A,2Bの平均粒径は340nmであった、実施例3A及び比較例3Aの平均粒径は350nmであった。実施例4A及び比較例4Aの平均粒径は355nmであった。
【0138】
(砥粒のゼータ電位)
ベックマンコールター株式会社製の商品名:DelsaNano C内に適量の研磨液を投入し、25℃において測定を2回行った。表示されたゼータ電位の平均値をゼータ電位として得た。
【0139】
<CMP評価>
前記研磨液のそれぞれを用いて下記研磨条件で被研磨基板を研磨した。
【0140】
(研磨条件)
研磨装置:F−REX300(株式会社荏原製作所製)
研磨液の流量:250mL/分
被研磨基板:パターンが形成されていないブランケットウエハとして、プラズマCVD法で形成された厚さ2μmの酸化珪素膜をシリコン基板上に有する被研磨基板を用いた。
研磨パッド:独立気泡を有する発泡ポリウレタン樹脂(ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製、型番IC1010)
研磨圧力:20kPa(2.9psi)
被研磨基板及び研磨定盤の回転数:被研磨基板/研磨定盤=93/87rpm
研磨時間:0.5分(30秒)
ウエハの洗浄:CMP処理後、超音波を印加しながら水で洗浄した後、スピンドライヤで乾燥させた。
【0141】
(研磨速度の評価)
前記条件で研磨及び洗浄した被研磨基板における酸化珪素膜の研磨速度(酸化珪素膜の研磨速度:SiORR)を下記式より求めた。研磨前後での酸化珪素膜の膜厚差は、光干渉式膜厚測定装置(フィルメトリクス社製、商品名:F80)を用いて求めた。
研磨速度(RR)=(研磨前後での酸化珪素膜の膜厚差[nm])/(研磨時間:0.5[分])
【0142】
3価希土類元素を含む水溶性化合物に起因する研磨速度の向上効果を確認するため、3価希土類元素を含む水溶性化合物を用いた実施例の研磨速度Aと、3価希土類元素を含む水溶性化合物を用いていない比較例の研磨速度Bとに基づき、下記式の研磨速度の上昇率を算出した。表2では、研磨速度Bとして比較例2Aの研磨速度を用いた。
研磨速度の上昇率(%)=(研磨速度A−研磨速度B)/研磨速度B×100
【0143】
実施例及び比較例で得られた結果を表1〜4に示す。
【0144】
【表1】
【0145】
【表2】
【0146】
【表3】
【0147】
【表4】
【0148】
各表に示されるように、実施例では、3価希土類元素を含む水溶性化合物を用いていない比較例と比較して絶縁材料の研磨速度が向上することが確認される。
図1
図2
【国際調査報告】