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再表2018-42783導電部材、導電性成形体、電気・電子関連部材、導電性組成物、および導電部材の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年3月8日
【発行日】2019年7月11日
(54)【発明の名称】導電部材、導電性成形体、電気・電子関連部材、導電性組成物、および導電部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01B 1/24 20060101AFI20190621BHJP
   H01B 13/00 20060101ALI20190621BHJP
   C01B 32/168 20170101ALI20190621BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20190621BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20190621BHJP
   C08K 3/01 20180101ALI20190621BHJP
【FI】
   H01B1/24 B
   H01B13/00 Z
   C01B32/168
   C08L101/00
   C08K3/04
   C08K3/01
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】30
【出願番号】特願2018-536942(P2018-536942)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年5月29日
(31)【優先権主張番号】特願2016-169065(P2016-169065)
(32)【優先日】2016年8月31日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】304023318
【氏名又は名称】国立大学法人静岡大学
(71)【出願人】
【識別番号】311002067
【氏名又は名称】JNC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(72)【発明者】
【氏名】井上 翼
(72)【発明者】
【氏名】三輪 鉄春
(72)【発明者】
【氏名】長岡 宏一
(72)【発明者】
【氏名】松本 俊寛
【テーマコード(参考)】
4G146
4J002
5G301
【Fターム(参考)】
4G146AA11
4G146AB06
4G146AB07
4G146AC20A
4G146AC20B
4G146AC26A
4G146AC26B
4G146AD05
4G146AD17
4G146CB03
4G146CB11
4G146CB19
4G146CB35
4J002AA001
4J002BB021
4J002BB031
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4J002BB121
4J002BD031
4J002BD041
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4J002BG041
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4J002CD001
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5G301AE10
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5G301DA47
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5G301DA55
5G301DA57
5G301DA59
5G301DD08
5G301DE01
(57)【要約】
カーボンナノチューブ配列体(CNT配列体)11を含む導電材と、絶縁性材料12とを備え、前記CNT配列体11の少なくとも一部が絶縁性材料12により覆われた構造を有する導電部材(導電性シート10)が提供される。導電部材(導電性シート10)は、CNT配列体11の配列方向D1に沿った方向の直流導電率が1Scm−1以上である部分を有することが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボンナノチューブ配列体を含む導電材と、絶縁性材料とを備え、
前記カーボンナノチューブ配列体の少なくとも一部が前記絶縁性材料により覆われた構造を有すること
を特徴とする導電部材。
【請求項2】
前記カーボンナノチューブ配列体の配列方向に沿った方向の直流導電率が1Scm−1以上である部分を有する、請求項1に記載の導電部材。
【請求項3】
前記カーボンナノチューブ配列体は、カーボンナノチューブバンドルを含む、請求項1または2に記載の導電部材。
【請求項4】
前記カーボンナノチューブ配列体は、複数のカーボンナノチューブが互いに端部またはその近傍で接する構造を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の導電部材。
【請求項5】
前記カーボンナノチューブ配列体の体積含有量は、4体積%以上である、請求項1から4のいずれか一項に記載の導電部材。
【請求項6】
前記カーボンナノチューブ配列体の体積含有量は、30体積%未満である、請求項1から5のいずれか一項に記載の導電部材。
【請求項7】
少なくとも一部の表面は前記絶縁性材料から構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載の導電部材。
【請求項8】
少なくとも一部の表面は、表面抵抗が100MΩ/□以上である、請求項1から7のいずれか一項に記載の導電部材。
【請求項9】
少なくとも一部の表面は、JIS B0601−1994に規定される算術平均粗さRaが1μm以下である、請求項1から8のいずれか一項に記載の導電部材。
【請求項10】
前記カーボンナノチューブ配列体の配列方向に直交する方向について表面側から内部側に向けて前記絶縁性材料の含有量が変化する傾斜領域を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の導電部材。
【請求項11】
前記傾斜領域では、前記表面側から前記内部側へと前記絶縁性材料の含有量が低減する部分を有する、請求項10に記載の導電部材。
【請求項12】
シート状の形状を有し、前記カーボンナノチューブ配列体の配列方向は、前記シート状の形状の主面内方向に沿った方向である、請求項1から9のいずれか一項に記載の導電部材。
【請求項13】
前記シート状の形状における前記カーボンナノチューブ配列体の配列方向に沿った方向の2つの端部は、前記カーボンナノチューブ配列体が露出する第1露出端部および第2露出端部であり、
前記第1露出端部と前記第2露出端部との間の直流導電率が1Scm−1以上である、請求項12に記載の導電部材。
【請求項14】
前記絶縁性材料の含有量が厚さ方向に沿って変化する傾斜領域を備える、請求項11から13のいずれか一項に記載の導電部材。
【請求項15】
前記傾斜領域では、前記絶縁性材料の含有量が、前記シート状の形状における一方の主面側から中心側へと低減する部分を有する、請求項14に記載の導電部材。
【請求項16】
前記シート状の形状における少なくとも一方の主面は前記絶縁性材料から構成される、請求項12から15のいずれか一項に記載の導電部材。
【請求項17】
前記シート状の形状における主面側において前記カーボンナノチューブ配列体は前記導電性シート内に埋設される、請求項11から16のいずれか一項に記載の導電部材。
【請求項18】
成形加工可能である、請求項1から17のいずれか一項に記載の導電部材。
【請求項19】
熱可塑性を有する、請求項18に記載の導電部材。
【請求項20】
請求項18または19に記載される導電部材の成形体からなる導電性成形体。
【請求項21】
請求項1から19のいずれか一項に記載される導電部材または請求項20に記載される導電性成形体を備える電気・電子関連部材。
【請求項22】
請求項1から19のいずれか一項に記載される導電部材を形成可能な導電性組成物であって、
前記絶縁性材料を与える原料組成物および前記カーボンナノチューブ配列体を備えることを特徴とする導電性組成物。
【請求項23】
請求項14から17のいずれか一項に記載される導電部材の製造方法であって、
前記カーボンナノチューブ配列体を含む第1原料シートと、前記絶縁性材料を与える原料組成物からなる第2原料シートとを厚さ方向に重ねて、
前記第1原料シートと前記第2原料シートとを厚さ方向に加熱しながら加圧接触させ、前記第2原料シートに含まれる前記原料組成物の一部を、前記第1原料シートが含む前記カーボンナノチューブ配列体におけるカーボンナノチューブ同士の隙間に移動させることを含んで、前記シート状の形状を有するとともに前記傾斜領域を形成すること
を特徴とする、導電部材の製造方法。
【請求項24】
前記原料組成物は加熱により粘度が低下する材料からなる、請求項23に記載の導電部材の製造方法。
【請求項25】
前記原料組成物は硬化性物質を含有し、前記硬化性物質の硬化反応により粘度が増加する材料からなる、請求項23または24に記載の導電部材の製造方法。
【請求項26】
前記カーボンナノチューブ配列体の体積含有量が5体積%以上であって、前記カーボンナノチューブ配列体の配列方向に離間した2点間の熱伝導率が10W/mK以上である、請求項1から19のいずれか一項に記載の導電部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブ配列体(CNT配列体)を含む導電部材、導電性成形体、上記の導電部材または導電性成形体を備える電気・電子関連部材、導電性組成物、および上記の導電部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブ(CNT)は、グラフェンからなる外側面を有するという特異的な構造を有するため、機能材料としても構造材料としても様々な分野での応用が期待されている。具体的には、CNTは、機械的強度が高く、軽く、電気伝導特性が良く、熱特性が良く、化学的耐腐食性が高く、且つ電界電子放出特性が良いといった優れた特性を有する。したがって、CNTの用途として、軽量高強度ワイヤ、走査プローブ顕微鏡(SPM)の探針、電界放出ディスプレイ(FED)の冷陰極、導電部材、高強度樹脂、耐腐食性樹脂、耐摩耗性樹脂、高度潤滑性樹脂、二次電池や燃料電池の電極、LSIの層間配線材料、バイオセンサーなどが考えられている。
【0003】
これらの用途の中の一つである導電部材は、CNTを含む導電材と絶縁性材料とを備える導電性組成物から得られる。非特許文献1には、そのような導電部材の例として、CNTとエポキシ樹脂との複合部材が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Yoon Jin Kim et.al., "Electrical conductivity of chemically modified multiwalled carbon nanotube/epoxy composites", Carbon 43 (2005) pp23-30
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1に記載される複合部材の直流電圧印加相当時の導電率は、10−2Scm−1程度が上限であり、その際のCNTの体積含有率は3体積%が上限である。しかしながら、この程度の導電率では、良好な導電性を有しているとはいえない。
【0006】
本発明は、CNTを導電材として備え、良好な導電性を有する導電部材を提供することを目的とする。また、本発明は、上記の導電部材または上記の導電部材の成形体を備える電気・電子関連部材を提供することを目的とする。さらに、本発明は、上記の導電部材を形成可能な導電性組成物および上記の導電部材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために提供される本発明は次のとおりである。
[1]カーボンナノチューブ配列体を含む導電材と、絶縁性材料とを備え、前記カーボンナノチューブ配列体の少なくとも一部が前記絶縁性材料により覆われた構造を有することを特徴とする導電部材。
【0008】
[2]前記カーボンナノチューブ配列体の配列方向に沿った方向の直流導電率が1Scm−1以上である部分を有する、上記[1]に記載の導電部材。
【0009】
[3]前記カーボンナノチューブ配列体は、カーボンナノチューブバンドルを含む、上記[1]または[2]に記載の導電部材。
【0010】
[4]前記カーボンナノチューブ配列体は、複数のカーボンナノチューブが互いに端部またはその近傍で接する構造を有する、上記[1]から[3]のいずれかに記載の導電部材。
【0011】
[5]前記カーボンナノチューブ配列体の体積含有量は、4体積%以上である、上記[1]から[4]のいずれかに記載の導電部材。
【0012】
[6]前記カーボンナノチューブ配列体の体積含有量は、30体積%未満である、上記[1]から[5]のいずれかに記載の導電部材。
【0013】
[7]少なくとも一部の表面は前記絶縁性材料から構成される、上記[1]から[6]のいずれかに記載の導電部材。
【0014】
[8]少なくとも一部の表面は、表面抵抗が100MΩ/□以上である、上記[1]から[7]のいずれかに記載の導電部材。
【0015】
[9]少なくとも一部の表面は、JIS B0601−1994に規定される算術平均粗さRaが1μm以下である、上記[1]から[8]のいずれかに記載の導電部材。
【0016】
[10]前記カーボンナノチューブ配列体の配列方向に直交する方向について表面側から内部側に向けて前記絶縁性材料の含有量が変化する傾斜領域を備える、上記[1]から[9]のいずれかに記載の導電部材。
【0017】
[11]前記傾斜領域では、前記表面側から前記内部側へと前記絶縁性材料の含有量が低減する部分を有する、上記[10]に記載の導電部材。
【0018】
[12]シート状の形状を有し、前記カーボンナノチューブ配列体の配列方向は、前記シート状の形状の主面内方向に沿った方向である、上記[1]から[9]のいずれかに記載の導電部材。
【0019】
[13]前記シート状の形状における前記カーボンナノチューブ配列体の配列方向に沿った方向の2つの端部は、前記カーボンナノチューブ配列体が露出する第1露出端部および第2露出端部であり、前記第1露出端部と前記第2露出端部との間の直流導電率が1Scm−1以上である、上記[12]に記載の導電部材。
【0020】
[14]前記絶縁性材料の含有量が厚さ方向に沿って変化する傾斜領域を備える、上記[12]から[13]のいずれかに記載の導電部材。
【0021】
[15]前記傾斜領域では、前記絶縁性材料の含有量が、前記シート状の形状における一方の主面側から中心側へと低減する部分を有する、上記[14]に記載の導電部材。
【0022】
[16]前記シート状の形状における少なくとも一方の主面は前記絶縁性材料から構成される、上記[12]から[15]のいずれかに記載の導電部材。
【0023】
[17]前記シート状の形状における主面側において前記カーボンナノチューブ配列体は前記導電性シート内に埋設される、上記[11]から[16]のいずれかに記載の導電部材。
【0024】
[18]成形加工可能である、上記[1]から[17]のいずれかに記載の導電部材。
【0025】
[19]熱可塑性を有する、上記[18]に記載の導電部材。
【0026】
[20]上記[18]または上記[19]に記載される導電部材の成形体からなる導電性成形体。
【0027】
[21]上記[1]から[19]のいずれかに記載される導電部材または上記[20]に記載される導電性成形体を備える電気・電子関連部材。
【0028】
[22]上記[1]から[19]のいずれかに記載される導電部材を形成可能な導電性組成物であって、前記絶縁性材料を与える原料組成物および前記カーボンナノチューブ配列体を備えることを特徴とする導電性組成物。
【0029】
[23]上記[14]から[17]のいずれかに記載される導電部材の製造方法であって、前記カーボンナノチューブ配列体を含む第1原料シートと、前記絶縁性材料を与える原料組成物からなる第2原料シートとを厚さ方向に重ねて、前記第1原料シートと前記第2原料シートとを厚さ方向に加熱しながら加圧接触させ、前記第2原料シートに含まれる前記原料組成物の一部を、前記第1原料シートが含む前記カーボンナノチューブ配列体におけるカーボンナノチューブ同士の隙間に移動させることを含んで、前記シート状の形状を有するとともに前記傾斜領域を形成することを特徴とする、導電部材の製造方法。
【0030】
[24]前記原料組成物は加熱により粘度が低下する材料からなる、上記[23]に記載の導電部材の製造方法。
【0031】
[25]前記原料組成物は硬化性物質を含有し、前記硬化性物質の硬化反応により粘度が増加する材料からなる、上記[23]または[24]に記載の導電部材の製造方法。
【0032】
[26]前記カーボンナノチューブ配列体の体積含有量が5体積%以上であって、前記カーボンナノチューブ配列体の配列方向に離間した2点間の熱伝導率が10W/mK以上である、上記[1]から[19]のいずれかに記載の導電部材。
【0033】
本発明は、他の一態様として、カーボンナノチューブ配列体を含む導電材と、遮熱性材料とを備える伝熱部材であって、前記カーボンナノチューブ配列体の少なくとも一部が前記遮熱性材料により覆われた構造を有し、前記伝熱部材におけるカーボンナノチューブ配列体の体積含有量は5体積%である伝熱部材を提供する。上記の伝熱部材が備える遮熱性材料は、上記の導電部材の絶縁性材料であってもよいし、樹脂を含有していてもよいし、前記カーボンナノチューブ配列体を支持するマトリックス材料であってもよい。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、CNTを導電材として備え、良好な導電性を有する導電部材が提供される。また、本発明によれば、上記の導電部材または上記の導電部材の成形体を備える電気・電子関連部材も提供される。さらに、本発明によれば、上記の導電部材を形成可能な導電性組成物および上記の導電部材の製造方法も提供される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】CNTフォレストからCNT交絡体を形成することが行われている状態の一例を示す画像である。
図2】CNT交絡体の構造を示す部分拡大図である。
図3】本発明の一実施形態に係る導電性シートの一例について、CNT配列体の配列方向を含む面を切断面とする概念的な断面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る導電性シートの製造方法を示すフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態に係る導電性シートの製造方法の説明するための図である。
図6】本発明の一実施形態に係る導電性シートの製造方法の説明するための図である。
図7】CNTフォレストからCNT交絡体を引き出し、これをロールに巻き付けてCNT配列体を得ている様子を示す図である。
図8】実施例2−1に係る導電部材についての、導電部材の厚さ方向およびCNT配列体の面内配列方向を含む面を断面とする観察画像である。
図9】実施例2−2に係る導電部材についての、導電部材の厚さ方向およびCNT配列体の面内配列方向を含む面を断面とする観察画像である。
図10】面内配向方向の直流導電率σ//の、CNT配列体の体積含有量Vfに対する依存性を示すグラフである。
図11】面内配向方向の熱伝導率λ//の、CNT配列体の体積含有量Vfに対する依存性を示すグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0037】
本発明の一実施形態に係る導電部材は、カーボンナノチューブ配列体(CNT配列体)を含む導電材と、絶縁性材料とを備え、CNT配列体の少なくとも一部が絶縁性材料により覆われた構造を有する。
【0038】
本明細書において「カーボンナノチューブ配列体(CNT配列体)」とは、CNTの集合体であって、これを構成する一群のCNTが、それらCNTの長軸に沿った方向に並んでいる構造を有する。CNT配列体はCNTの長軸方向の沿った方向(本明細書において、この方向を「配列方向」ともいう。)に配列しているため、このCNT配列体を含む導電材を備える本発明の一実施形態に係る導電部材は、上記の配列方向に沿った方向の導電率が高い。具体的には、本発明の一実施形態に係る導電部材は、配列方向に沿った方向の直流導電率が1Scm−1以上である部分を有する。好ましい一例において、本発明の一実施形態に係る導電部材は、10Scm−1以上である部分を有する。より好ましい一例において、本発明の一実施形態に係る導電部材は、50Scm−1以上である部分を有する。さらに好ましい一例において、本発明の一実施形態に係る導電部材は、100Scm−1以上である部分を有する。
【0039】
CNT配列体を構成するCNTは、単層CNT(SWCNT)、二層CNT(DWCNT)および多層CNT(MWCNT)のいずれかであってもよいし、これらの2種以上の混合体であってもよい。CNT配列体を構成するCNTの表面は絶縁性材料との相互作用を向上させるための処理が施されていてもよい。CNT配列体を構成する各CNTの導電性は高いことが好ましい。
【0040】
CNT配列体の全体形状は限定されない。布のように、一方向(厚さ方向)に特に薄い場合には、布との外形的類似性に基づき、CNTウェブとも称されることもある。
【0041】
CNT配列体は、カーボンナノチューブバンドル(CNTバンドル)を含んでいてもよい。本明細書において、「カーボンナノチューブバンドル」とは、CNTの集合体であって、複数のCNTが、それらの長軸方向がほぼ揃うように位置し、短軸方向に近接して、CNTの束状となっている構造を有する。
【0042】
このような構造は、次に説明するCNTフォレストから得られるCNT配列体では、部分的にCNTバンドルが形成されている。本明細書においてCNTフォレストとは、複数のCNTの合成構造(以下、かかる合成構造を与えるCNTの個々の形状を「一次構造」といい、上記の合成構造を「二次構造」ともいう。)の一種であって、複数のCNTが長軸方向の少なくとも一部について一定の方向(具体的な一例として、基板が備える面の1つの法線にほぼ平行な方向が挙げられる。)に配向するように成長してなるCNTの集合体を意味する。なお、基板から成長させたCNTフォレストの、基板に付着した状態における基板の法線に平行な方向の長さ(高さ)を、「成長高さ」という。
【0043】
CNTフォレストの一部のCNTをつまみ、そのCNTをCNTアレイから離間するように引っ張ることによって、即ちCNTフォレストから複数のCNTを連続的に引き出すことによって、CNT交絡体を形成することができる。図1は、このようなCNTフォレストからCNT交絡体を引き出して形成することが行われている状態の一例を示す画像である。図1の右側の塊状の部材がCNTフォレストであり、図1では、左方向にCNTが引き出されて、薄布状のCNT交絡体が形成されている。図2は、こうして得られたCNT交絡体の構造を示す部分拡大図である。CNT交絡体を構成する複数のCNTはほぼ一方向(図2では横方向に)揃って配置されている。
【0044】
このCNT交絡体がそのままCNT配列体を構成してもよいし、複数のCNT交絡体を積層することによってCNT配列体を構成してもよい。上記の薄布状のCNT交絡体の複数を積層することによってCNT配列体を構成する場合には、CNT交絡体の積層数が増えるほど得られたCNT配列体の厚さは増加し、このCNT配列体からなるCNT配列体の配列方向の導電性は高くなる。したがって、このCNT配列体を備える導電部材の導電性もまた高くなる。
【0045】
こうして得られたCNT配列体に対してエタノール、アセトンなど揮発性溶媒を吹き付けたり、揮発性溶媒に浸漬させたりすることにより、長軸方向がほぼ揃うように位置し、短軸方向に隣り合って位置する複数のCNTがCNTバンドルを形成する割合を高めることができる。
【0046】
CNT配列体は、複数のCNTが互いに端部またはその近傍で接する構造を有していてもよい。このような構造を有している場合には、長軸方向に接するCNT同士での電気伝導が容易となり、結果的に、CNT配列体の配列方向での電気伝導度が高くなる。このような構造は、前述のCNTフォレストから形成されたCNT配列体において容易にみられる。
【0047】
本発明の一実施形態に係る導電部材におけるCNT配列体の体積含有量は限定されない。上記のように、導電部材における配列方向に沿った方向の直流導電率が1Scm−1以上である部分を有するような体積含有量であることが好ましい。そのような条件をより安定的に満たす観点から、導電部材におけるCNT配列体の体積含有量は、4体積%以上であることが好ましい場合がある。導電部材における配列方向に沿った方向の直流導電率が100Scm−1以上である部分を有することをより安定的に実現する観点から、導電部材におけるCNT配列体の体積含有量は、10体積%以上であることが好ましい場合がある。基本的な傾向として、CNT配列体の体積含有量が高くなるほど配列方向に沿った方向の直流導電率も高くなるが、これに応じて導電部材の機械特性も変化し、脆くなる、可撓性が低下するなどの傾向がみられやすくなる。導電部材が柔軟な機械特性を維持することを容易にする観点から、導電部材におけるCNT配列体の体積含有量は、30体積%未満であることが好ましい場合があり、25体積%以下であることがより好ましい場合がある。
【0048】
絶縁性材料は、適度な絶縁性、例えば、10−9Scm−1以下の直流導電率を有する材料である限り任意の材料を用いることができる。絶縁性材料として、有機樹脂、シリコーン樹脂などの有機系材料;酸化物、炭化物、水酸化物などの無機系材料;およびこれらの複合材料が例示される。有機系材料の具体例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィンを含む共重合体等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ナイロン66等のポリアミド;ポリ塩化ビニル;ポリカーボネート;ポリ(メタ)アクリル酸メチル等のアクリル系樹脂;ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;ポリイミド;ポリウレタン;シリコーン樹脂;フェノール系樹脂;エポキシ樹脂などが挙げられる。無機系材料の具体例として、水ガラス、アルミナなどが挙げられる。
【0049】
絶縁性材料は、導電材を覆ってこれを保持するマトリックス材としての機能を果たすことから、粘度が低い状態から高い状態に変化できる性質を有していることが好ましい。この観点から、絶縁性材料は、熱可塑性材料または硬化性材料の硬化物であることが好ましい。
【0050】
本発明の一実施形態に係る導電部材は、上記のCNT配列体および絶縁性材料以外の材料を含有していてもよい。そのような材料として、シリカフィラー、タルク等の無機系絶縁性材料;銀ワイヤ、銅粉末、炭素粉末等の無機系導電性材料;メラミン樹脂粉末などの有機系絶縁性材料;ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)/ポリスチレンスルホン酸(PSS)等の有機導電性材料などが例示される。難燃材、着色材、潤滑材、界面活性剤、カップリング剤などを含有してもよい。こうした添加材料の含有量は、本発明の一実施形態に係る導電部材がCNT配列体および絶縁性材料を含有することによって得られる導電性に大きく影響を与えない範囲で適宜設定される。
【0051】
本発明の一実施形態に係る導電部材におけるCNT配列体の配置は限定されない。導電部材の内部にCNT配列体の全体が配置されて(埋設されて)いてもよいし、導電部材の表面にCNT配列体の一部が露出していてもよい。CNTが露出しない構造を導電部材が備えることにより、導電性部材からCNT配列体を構成するCNTが脱落する不具合が生じる可能性を低くすることができる。
【0052】
導電部材の表面にCNT配列体の一部が露出する場合において、CNT配列体の配列方向の端部が露出していてもよいし、配列方向に直交する方向の端部が露出していてもよい。CNT配列体の配列方向の双方の端部が露出している場合には、それらの端部に接するように2つ以上の電気接点を設ければ、これらの間の導電性を特に高めることができる。
【0053】
上記のように、本発明の一実施形態に係る導電部材において、CNT配列体は導電部材に導電性を付与する部材要素として機能する一方、絶縁性材料は導電性部材に絶縁性を付与する部材要素として機能する。したがって、導電部材における少なくとも一部の表面は絶縁性材料から構成されるようにしてもよい。このようにすることで、導電部材に絶縁性の面を有させることができる。別の観点から説明すれば、導電部材における少なくとも一部の表面は表面抵抗が100MΩ/□以上であってもよい。この程度の表面抵抗であれば、実質的に絶縁性を有する面となる。このような構成を備えることにより、CNT配列体の配列方向に沿って高い導電性を有するとともに、この配列方向とは異なる方向、具体的には配列方向に直交する方向に沿った方向を法線とする面については高い絶縁性を有する部材を得ることができる。
【0054】
本発明の一実施形態に係る導電部材の少なくとも一部の表面は、JIS B0601−1994に規定される算術平均粗さRaが1μm以下であってもよい。このような面を有することにより、その面を被着体に対して貼付したときに、導電部材の被着体に対する付着性を向上させることができる。このような面は、CNT配列体を構成するCNTが露出していない面とすることによって比較的容易に得ることができる。
【0055】
本発明の一実施形態に係る導電部材の内部におけるCNT配列体と絶縁性材料との関係は限定されない。導電部材におけるCNT配列体の配列方向に直交する方向について表面側から内部側に向けて絶縁性材料の含有量が変化する傾斜領域を備えることが好ましい場合がある。このような傾斜領域を備えることにより、CNT配列体が主に存在する導電性領域と、絶縁性材料が主に存在する絶縁性領域とが連続的に導電性部材内に存在することができる。導電性領域と絶縁性領域とは機械特性が異なる場合もあるため、これらの領域が傾斜領域なく接している場合には、領域間で剥離が生じやすくなるなどの問題の発生が懸念される。傾斜領域が存在することにより、こうした剥離の問題が生じる可能性を低減させることが可能となる。
【0056】
傾斜領域の具体的な構造は限定されない。傾斜領域の具体的な一例として、導電部材の表面側から内部側へと絶縁性材料の含有量が低減する部分を有する領域が挙げられる。この場合には、導電部材の表面側には絶縁性領域が存在し、導電部材の内部側には導電性領域が存在することになる。このような構造の場合には、導電部材のCNT配列体に電気を通しても、導電部材の表面の絶縁性は維持され、導電部材を被覆配線または被覆配線基板として用いることができる。
【0057】
本発明の一実施形態に係る導電部材の具体的な形状は限定されない。シート状の形状を有していてもよいし、塊状の形状を有していてもよいし、例えばリング状、筒状の形状を有していてもよい。
【0058】
以下、導電部材がシート状の形状を有している場合、すなわち、導電部材が導電性シートである場合を例として説明を行う。本明細書において「シート」とは、他の面よりも十分に大きい2つの主面を対向する2面として有する部材をいう。主面は平面である場合を含む。例えば、曲面を構成していてもよいし、局所的な凹凸や屈曲部を有していてもよい。また、シートの概念は、フィルムの概念およびテープの概念も含むものとする。導電性シートの主面内方向とCNT配列体の配列方向との関係は限定されない。導電性シートは主面内方向に導電性を有していてもよいし、厚さ方向に導電性を有していてもよいし、双方の方向に導電性を有していてもよい。
【0059】
図3は、本発明の一実施形態に係る導電性シートの一例について、CNT配列体の配列方向を含む面を切断面とする概念的な断面図である。
【0060】
図3に示されるように、導電性シート10はCNT配列体11および絶縁性材料12からなる。CNT配列体11は、CNTフォレストから引き出して得られた布状のCNT交絡体を複数積層することによって得られたCNT配列体からなる。絶縁性材料12は、樹脂からなる。
【0061】
CNT配列体11の配列方向D1は、導電性シート10の主面内方向に沿った方向である。換言すれば、CNT配列体11の配列方向D1に直交する方向に沿った方向に、導電性シート10の主面10A,10Bの法線10a,10bは位置する。導電性シート10のCNT配列体11の配列方向D1に沿った方向の2つの端部は、CNT配列体11が露出する第1露出端部131および第2露出端部132である。そして、第1露出端部131と第2露出端部132との間の直流導電率は1Scm−1以上である。
【0062】
図3に示されるように、導電性シート10の一方の主面10Aおよび他方の主面10Bは、いずれも、絶縁性材料12からなる。すなわち、導電性シート10の双方の主面10A,10B側には、絶縁性領域R1A,R1Bが位置している。一方、導電性シート10の厚さ方向中央部には、ほぼCNT配列体11のみからなる領域である導電性領域R2が存在している。この点を換言すれば、CNT配列体11は、双方の主面10A,10B側において導電性シート10内に埋設されている。したがって、導電性シート10は、CNT配列体の配列方向D1には導電性を有するが、厚さ方向には絶縁性を有する、異方導電性部材である。また、主面10A,10B側からCNTが脱落しにくい。
【0063】
絶縁性領域R1A,R1Bと導電性領域R2との間には、主面10A,10B側ほど絶縁性材料12の含有量が高くなる傾斜領域R3A,R3Bが位置している。したがって、導電性シート10は、電気的性質が大きく異なる2つの領域(絶縁性領域R1A,R1Bおよび導電性領域R2)を有するが、これらの領域は連続的に接続されている。それゆえ、導電性シート10は、これらの2つの領域(絶縁性領域R1A,R1Bおよび導電性領域R2)間での剥離は生じにくい。尚、絶縁性領域R1A,R1Bの厚さは異なっていても良い。
【0064】
本発明の一実施形態に係る導電部材は、成形加工可能であってもよい。本明細書において「成形加工」とは、加圧、加熱、電離放射線の照射などにより行われる形状創成加工を意味する。成形加工の具体例として、圧延加工、プレス成形、押出成形などが挙げられる。導電部材が成形加工可能である場合には、導電部材に成形加工を施すことにより、所定の形状を付与することが容易である。本明細書において、成形加工が施された後の導電部材を「導電性成形体」ともいう。
【0065】
成形加工が施される前の導電部材と導電性成形体とは、組成が共通であってもよいし、相違していてもよい。例えば、圧延加工により成形加工を行う場合には、成形加工前後で導電部材に組成的な変化は生じにくい。絶縁性材料が熱可塑性樹脂からなる導電部材に対して熱プレス加工からなる成形加工を施した場合には、得られた導電性成形体は、成形加工前の導電部材と組成は共通である。一方、絶縁性材料が半硬化した状態にある熱硬化性樹脂からなる導電部材に対して熱プレス加工からなる成形加工を施し、熱プレス加工の際に熱硬化性樹脂の硬化反応を進行させた場合には、得られた導電性成形体は、成形加工前の導電部材と組成が相違している。導電部材が架橋反応可能な重合体からなる絶縁性材料および架橋剤を含有し軟質である場合には、成形しつつ、または成形後に、熱付与や紫外線照射などを行って架橋剤を反応させることにより、導電部材を所定の形状のまま硬化させて導電性成形体とすることができる。
【0066】
本発明の一実施形態に係る導電部材の製造方法は限定されない。通常、絶縁性材料を与える原料組成物およびCNT配列体を用いて、導電部材は製造される。原料組成物は、絶縁性材料と組成が共通であってもよいし異なっていてもよい。導電部材の製造過程において重合反応などを伴う場合には、原料組成物は絶縁性材料と組成が異なる。
【0067】
導電部材の製造方法の具体的な一例は、絶縁性材料を与える原料組成物およびCNT配列体を備える導電性組成物を調製し、この導電性組成物に対して成形加工を行って、導電部材を形成する方法である。このように、本発明の一実施形態に係る導電性組成物は、絶縁性材料を与える原料組成物およびCNT配列体を備え、この導電性組成物から導電部材を形成することができる。
【0068】
導電部材の製造方法の具体的な他の一例は、次に説明するように、絶縁性材料を与える原料組成物およびCNT配列体を重ねて加圧することを含む製造方法である。この製造方法によれば、傾斜領域を有する導電性シートを比較的容易に製造することが可能である。図4は、本発明の一実施形態に係る導電性シートの製造方法を示すフローチャートである。図5および図6は、本発明の一実施形態に係る導電性シートの製造方法を説明するための図である。
【0069】
本発明の一実施形態に係る導電性シートの製造方法では、まず、CNT配列体を含む第1原料シート21と、絶縁性材料を与える原料組成物からなる第2原料シート22とを用意し、これらのシートを厚さ方向に重ねる(第一のステップ)。この重積体は、その後の作業性を向上させる観点から、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)板31,32など剥離性に優れる板で挟んでおくことが好ましい。図5に示される重積体40は、PTFE板31/第1原料シート21/第2原料シート22/PTFE板32からなる。
【0070】
次に、重積体40をプレス装置にセットして、第1原料シート21と第2原料シート22とを厚さ方向に接触させ、第2原料シート22に含まれる原料組成物の一部を、第1原料シート21が含むCNT配列体におけるCNT同士の隙間に移動させる(第二のステップ)。この際、原料組成物が絶縁性材料と相違する場合には、原料組成物に必要な反応を進行させて、絶縁性材料にしてもよい。図6では、熱および圧力を加えている。上記の重積体の厚さ方向の接触圧(プレス機により印加するプレス圧)を制御して、絶縁性材料からなる領域(絶縁性領域)およびCNT配列体からなる領域(導電性領域)が厚さ方向に形成されるようにし、さらに、これらの領域の間に、第1原料シート21側から第2原料シート22側にかけて、絶縁性材料の含有量が低下していくように絶縁性材料とCNT配列体とが存在する傾斜領域が形成されるようにする。
【0071】
原料組成物は、加熱により粘度が低下する材料からなるものであってもよい。この場合には、粘度が低下することにより原料組成物はCNT配列体を構成する一群のCNTの隙間に移動しやすくなり、傾斜領域が容易に形成される。このような場合の具体例として、原料組成物が熱可塑性を有している場合が挙げられる。
【0072】
原料組成物は硬化性物質を含有し、硬化性物質の硬化反応により粘度が増加する材料からなるものであってもよい。この場合には、硬化反応の進行とともにCNT配列体を構成する一群のCNTの隙間への移動しやすさが低下し、傾斜領域が容易に形成される。このような場合の具体例として、硬化性物質がエポキシ基やイソシアネート基を単数または複数有する化合物からなる場合が挙げられる。この場合において、硬化性物質と反応する硬化剤(例えば水酸基やアミノ基を単数または複数有する化合物が挙げられる。)が原料組成物にさらに含有されていてもよい。硬化性物質の他の例として、硬化性物質が不対電子を有する物質(例えば水酸基やアミノ基を単数または複数有する化合物が挙げられる。)であって、さらにカルシウムイオンのような多価イオンを含有する場合が挙げられる。こうして、傾斜領域を有する導電性シートが得られる。
【0073】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0074】
例えば、図3に示した導電性シート10は、双方の主面10A,10Bが絶縁性材料から成る構造を有しているが、一方の主面はCNT配列体のCNTが露出する構造であってもよい。また、図6に示した製造方法では、PTFE板31/第1原料シート21/第2原料シート22/PTFE板32からなる重積体をプレス装置にセットして製造したが、PTFE板/第2原料シート/第1原料シート/第2原料シート/PTFE板からなる重積体をセットしてもよい。この場合には、図3に示した導電性シート10を得ることができる。図6に示した製造方法では加圧の際に熱も加えているが、これに限定されない。例えば、第2原料シートが紫外光により硬化する材料から構成されている場合には、加圧の際にまたは加圧後に紫外光照射を行うことにより、絶縁性材料が形成される。
【0075】
上記の本発明の一実施形態に係る導電部材は伝熱部材としても機能しうる。すなわち、導電材であるCNT配列体は高い熱伝導率を有するため、絶縁性材料の熱伝導率が低くても、CNT配列体と絶縁性材料とからなる構造体は、全体として高い熱伝導率を有することができる。例えば、絶縁性材料が樹脂からなる場合には、その熱伝導率は1W/mK以下である場合が一般的である。このように絶縁性材料が、CNT配列体との対比で熱伝導率が低い遮熱性材料からなる場合には、伝熱部材(導電部材)はCNT配列体と伝熱部材(導電部材)とを備える。
【0076】
かかる伝熱部材(導電部材)は、CNT配列体の体積含有量が5体積%程度またはそれ以上であれば、伝熱部材(導電部材)におけるCNT配列体を配列体の配列方向に離間した2点間の熱伝導率を10W/mK以上とすることが容易に実現される。しかも、伝熱部材(導電部材)におけるCNT配列体の体積含有量を変化させることにより、ほぼ線形的に熱伝導率を調整することができる。この目的では、遮熱性材料(絶縁性材料)の熱伝導率が伝熱部材(導電部材)の熱伝導率に与える影響は軽微であるため、遮熱性材料(絶縁性材料)を構成する材料、具体例を挙げれば樹脂の種類、は任意である。伝熱部材(導電部材)について異方導電性を有することが求められていない場合には、遮熱性材料は導電性を有していてもよい。
【0077】
また、伝熱部材の内部におけるCNT配列体と遮熱性材料との関係は、導電性部材の内部におけるCNT配列体と導電性材料との関係と同様に、限定されない。上記のように、伝熱部材におけるCNT配列体の体積含有量を高めることにより伝熱部材の熱伝導性を高めることができることから、CNT配列体を機能材、遮熱性材料を構造材と位置付け、遮熱性材料は、可撓性を有するCNT配列体を支持して伝熱部材の形状を維持するためのマトリックス材料として用いることが好ましい場合がある。
【実施例】
【0078】
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
【0079】
(実施例1)
特許第5664832号公報に記載される製造方法により、CNTフォレスト(CNTアレイ)を作製した。得られたCNTフォレストから引き出して、薄布状のCNT交絡体を得た。このCNT交絡体をロールに巻き付けることによりCNT交絡体の積層を行い、異なる積層数のCNT配列体を得た。図7は、CNTフォレストからCNT交絡体を引き出し、これをロールに巻き付けてCNT配列体を得ている様子を示す図である。
こうして得られた積層数が2から400の複数種類のCNT配列体を、エタノール中に浸漬し、その後、エタノールを揮発させることによりCNT配列体におけるCNTバンドルの存在割合を高めて、複数種類のCNT配列体を得た。このCNT配列体の配列方向は、CNT配列体の厚さ方向と直交する方向に沿った方向であった。
このCNT配列体からなる第1原料シートを用いて、傾斜領域を備える導電性シートを作製した。
【0080】
(実施例1−1)
エポキシ樹脂フィルムを用意して第2原料シートとした。第1原料シートと第2原料シートとを重ねて、これらをPTFE板で挟んで、重積体を得た。この重積体を、ホットプレス法で成形し、厚さ方向と直交する方向に沿ってCNT配列体が配列した導電部材を得た。ホットプレス法の条件は次のとおりであった。
雰囲気:大気中
加圧条件:10MPa
加熱条件:90℃で3分間、その後130℃で80分間
得られた導電部材におけるCNT配列体の体積含有量Vf(単位:体積%)は、熱重量分析より求めた。CNT配列体の配列方向に沿った端部である第1露出端部と第2露出端部との間の直流導電率σ(単位:Scm−1)を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】
(実施例1−2)
30mm×20mm×10μmの第1原料シートを用意した。30mm×20mm×30μmの形状を有する低密度ポリエチレン(LPDE)シートを用意し、第2原料シートとした。これらを重ねて、さらにPTFE板で挟んで重積体を得た。この重積体を、130℃、3MPaで10分間、重積体の重ね方向から圧縮して、傾斜領域を有する導電部材を得た。
得られた導電部材の表面抵抗を測定した。第1原料シート側で8Ω/□であって、第2原料シート側で100MΩ/□以上であった。導電部材におけるCNT配列体の配列方向に沿った両端部間の直流導電率を測定したところ、45Scm−1であった。以下のいずれの直流導電率の測定も、CNT配列体の配列方向に沿った両端部間で行われた。
得られた導電部材を切断し、5mm×30mmの大きさに成型して試験用導電部材を得た。試験用導電部材は、長軸方向(30mmの長さを有する方向)がCNT配列体の配列方向に沿った方向であり、CNT配列体の配列方向に沿った方向の端部はいずれもCNT配列体が露出していた。この成形体の直流導電率は51Scm−1であった。
試験用導電部材を、CNT配列体の配列方向に沿って初期長さの101%の大きさに延伸した。延伸して得られた導電性成形体の直流導電率は63Scm−1であった。
試験用導電部材を、CNT配列体の配列方向に直交する主面内方向に沿って、初期長さの120%の大きさに延伸した。延伸して得られた導電性成形体の直流導電率は56Scm−1であった。
【0083】
(実施例1−3)
30mm×20mm×5μmの第1原料シートを用意した。ポリスチレン(PS)のトルエン含有ゲル(ポリスチレン濃度:41質量%)を用意し、第1原料シートの上に塗布した。得られた塗膜を120℃で30分間乾燥して、導電部材を得た。
得られた導電部材の表面抵抗を測定した。第1原料シート側で9Ω/□であって、第1原料シートとは反対側(ポリスチレンゲルの塗膜側)で100MΩ/□以上であった。第1原料シートとは反対側(ポリスチレンゲルの塗膜側)の表面について、JIS B0601−1994に規定される算術平均粗さRaを測定したところ、9.4μmであった。
得られた導電部材を、220℃、3MPaで10分間、厚さ方向から圧縮して、導電性成形体を得た。
得られた導電性成形体の表面抵抗を測定した。第1原料シート側で8Ω/□であって、第1原料シートとは反対側(ポリスチレンゲルの塗膜側)で100MΩ/□以上であった。第1原料シートとは反対側(ポリスチレンゲルの塗膜側)の表面について、JIS B0601−1994に規定される算術平均粗さRaを測定したところ、0.8μmであった。得られた導電性成形体の直流導電率は24Scm−1であった。
得られた導電部材を切断し、5mm×30mmの大きさに成型して試験用導電部材を得た。試験用導電部材は、長軸方向(30mmの長さを有する方向)がCNT配列体の配列方向に沿った方向であり、CNT配列体の配列方向に沿った方向の端部はいずれもCNT配列体が露出していた。この成型体の直流導電率は26Scm−1であった。
試験用導電部材を、CNT配列体の配列方向に沿って初期長さの102%の大きさに延伸した。延伸して得られた導電性成形体の直流導電率は33Scm−1であった。
試験用導電部材を、CNT配列体の配列方向に直交する主面内方向に沿って、初期長さの110%の大きさに延伸した。延伸して得られた導電性成形体の直流導電率は36Scm−1であった。
【0084】
(実施例1−4)
30mm×20mm×5μmの第1原料シートを用意した。ゲル状で30mm×20mm×10μmのエポキシシートを第2原料シートとして用意した。第1原料シートおよび第2原料シートを重ね、さらにPTFE板で挟んで重積体を得た。この重積体を、130℃、3MPaで90分間、厚さ方向から圧縮して、厚さ方向と直交する方向に沿ってCNT配列体が配列した導電部材を得た。
得られた導電部材の表面抵抗を測定した。第1原料シート側で1kΩ/□であって、第2原料シート側で100MΩ/□以上であった。導電部材におけるCNT配列体の配列方向に沿った両端部間の直流導電率を測定したところ、26Scm−1であった。
得られた導電部材の表面粗さを測定した。第1原料シートとは反対側(エポキシシートの塗膜側)の表面について、JIS B0601−1994に規定される算術平均粗さRaを測定したところ、0.4μmであった。
得られた導電部材を切断し、5mm×30mmの大きさに成型して試験用導電部材を得た。試験用導電部材は、長軸方向(30mmの長さを有する方向)がCNT配列体の配列方向に沿った方向であり、CNT配列体の配列方向に沿った方向の端部はいずれもCNT配列体が露出していた。この成型体の直流導電率は26Scm−1であった。
試験用導電部材におけるCNT配列体の配列方向に沿った端部(第1露出端部、第2露出端部)に電極を取り付けて通電した。印可電圧を直流13Vとしたときの電流は1.3Aであった。この試験用導電部材の主面の表面温度は90℃であった。
【0085】
(実施例1−5)
30mm×20mm×30μmの第1原料シートを用意した。ゲル状で30mm×20mm×20μmのエポキシシートを第2原料シートとして用意した。第1原料シートおよび第2原料シートを重ね、さらにPTFE板で挟んで重積体を得た。この重積体を、130℃、3MPaで90分間、厚さ方向から圧縮して、厚さ方向と直交する方向に沿ってCNT配列体が配列した導電部材を得た。この導電部材の直流導電率は200Scm−1であった。
導電部材におけるCNT配列体の配列方向に沿った端部に電極を取り付けて通電した。印可電圧を直流1.8Vとしたときの電流は900mAであった。このときの導電部材の主面の表面温度は90℃であった。また、印可電圧を変化させたときの応答時定数は3秒間であった。
【0086】
(実施例2)
実施例1と同様の製造方法で、CNT交絡体の積層数の範囲を実施例1の場合(2から400)よりも増やして、CNT配列体からなる第1原料シートを複数種類得た。
【0087】
(実施例2−1)
エポキシ樹脂フィルム(ビスフェノールA型、130℃硬化型)を用意して第2原料シートとした。第1原料シートと第2原料シートとを重ねて、これらをPTFE板で挟んで、重積体を得た。この重積体を、ホットプレス法で成形し、厚さ方向と直交する方向に沿ってCNT配列体が配列した導電部材を得た。ホットプレス法の条件は次のとおりであった。
雰囲気:大気中
加圧条件:2MPa
加熱条件:90℃で5分間、その後130℃で90分間
【0088】
得られた導電部材は、図8に示されるように、導電部材の厚さ方向の全域にCNTが存在し、第2原料シートに由来するエポキシ樹脂は、CNT配列体の中にマトリックス材料として入り込んだ構造となっていた。
【0089】
導電部材におけるCNT配列体の体積含有量Vf(単位:体積%)は、熱重量分析より求めた。CNT配列体の配列方向に沿った端部である第1露出端部と第2露出端部との間の直流導電率σ//(単位:Scm−1)を測定した。測定結果を表2に示す。なお、この直流導電率σ//の測定方向を「面内配向方向」という。
【表2】

導電部材の厚さ方向と直交する方向(すなわち、導電部材の主面内方向)であって、かつCNT配列体の配列方向にも直交する方向の2つの端部の間の直流導電率σ(単位:Scm−1)を測定した。測定結果を表3に示す。なお、この直流導電率σの測定方向を「面内直交方向」という。
【0090】
【表3】
【0091】
導電部材について、面内配向方向の熱伝導率λ//(単位:W/mK)および面内直交方向の熱伝導率λ(単位:W/mK)を測定した。光交流法により各方向の熱拡散率を測定し、質量および寸法測定から得られた重量密度と示差走査熱量測定から得られた比熱容量とに基づき、各方向の熱伝導率を算出した。算出結果を表4(熱伝導率λ//)および表5(熱伝導率λ)に示す。
【0092】
【表4】
【0093】
【表5】
【0094】
(実施例2−2)
ポリアミド樹脂フィルム(キシリレンセバカミド系、三菱ガス化学社製「LEXTER 8500」)を用意して第2原料シートとした。第1原料シートと第2原料シートとを重ねて、これらをPTFE板で挟んで、重積体を得た。この重積体を、大気下で、ホットプレス法で成形し、厚さ方向と直交する方向に沿ってCNT配列体が配列した導電部材を得た。ホットプレス法の条件は次のとおりであった。
雰囲気:大気中
加圧条件:2MPa
加熱条件:240℃で60分間
【0095】
得られた導電部材は、図9に示されるように、導電部材の厚さ方向の全域にCNTが存在し、第2原料シートに由来するポリアミド樹脂は、CNT配列体の中にマトリックス材料として入り込んだ構造となっていた。得られた導電部材について、実施例2−1の場合と同様にして、面内配向方向の直流導電率σ//および面内直交方向の直流導電率σ、ならびに面内配向方向の熱伝導率λ//および面内直交方向の熱伝導率λを測定した。直流導電率σの測定結果を表6に示し、熱伝導率λの算出結果を表7に示す。
【0096】
【表6】
【0097】
【表7】
【0098】
図10は、表2および表6に基づいて作成した、面内配向方向の直流導電率σ//の、CNT配列体の体積含有量Vfに対する依存性を示すグラフである。基本的な傾向として、体積含有量Vfが増えるほど直流導電率σ//が増加する傾向が確認された。この傾向は第2原料シートを構成する材料が、エポキシ樹脂である場合(図10中「○」)およびポリアミド樹脂である場合(図10中「△」)の双方で確認され、しかも、図10のように双方の結果を一つのグラフにまとめると、数値的にも同等となった。したがって、体積含有量Vfが増えるほど直流導電率σ//が増加する傾向に対して樹脂の種類が与える影響は少ないといえる。なお、CNT配列体の体積含有量Vfが40体積%以上の場合には、CNT配列体の体積含有量Vfを増やしたことの直流導電率σ//に与える影響が確認しにくくなる結果が得られた。この結果は、体積含有量Vfを増やすことだけでは、CNT配列体における電気伝導パスの配向性や凝集密度を高めることに限界があることを示している可能性がある。したがって、CNT配列体を作製する際に配向方向に沿って付与される引張強度を高めること、CNT配列体を構成するCNTの直径を細くすることなどをさらに行うによってCNT配列体の嵩密度を増加できれば、面内配向方向の直流導電率σ//はさらに増加する可能性がある。
【0099】
図11は、表4および表7に基づいて作成した、面内配向方向の熱伝導率λ//の、CNT配列体の体積含有量Vfに対する依存性を示すグラフである。CNT配列体の体積含有量Vfが増えるほど面内配向方向の熱伝導率λ//はほぼ線形的に増加する傾向が認められ、体積含有量Vfが5体積%程度であっても面内配向方向の熱伝導率λ//を10W/mK程度まで高めることができた。第2原料シートを構成するエポキシ樹脂やポリアミド樹脂の単独の熱伝導率λは約0.3W/mKまたはそれ以下であることを考慮すると、この熱伝導率λはきわめて高い値であるといえる。今回試験した範囲では、体積含有量Vfを50体積%程度にすることにより導電部材の熱伝導性λを80W/mK程度まで高めうることが確認された。なお、熱伝導率λについても、第2原料シートを構成する樹脂の種類が導電部材の熱伝導性λに与える影響は軽微であった。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明に係る導電部材や導電性成形体は、異方導電性シート、配線部材、磁気シールドなどとして好適に用いられる。
【符号の説明】
【0101】
10…導電性シート
11…CNT配列体
12…絶縁性材料
D1…CNT配列体11の配列方向
10A,10B…導電性シート10の主面
10a,10b…導電性シート10の主面10A,10Bの法線
131…第1露出端部
132…第2露出端部
R1A,R1B…絶縁性領域
R2…導電性領域
R3A,R3B…傾斜領域
21…第1原料シート
22…第2原料シート
31,32…PTFE板
40…重積体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】