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  • 再表WO2019116931-活性エネルギー線硬化型組成物 図000020
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年6月20日
【発行日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】活性エネルギー線硬化型組成物
(51)【国際特許分類】
   C08F 20/26 20060101AFI20201120BHJP
   C08F 2/50 20060101ALI20201120BHJP
   C09D 4/00 20060101ALI20201120BHJP
   C09D 7/63 20180101ALI20201120BHJP
   C09J 4/00 20060101ALI20201120BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20201120BHJP
   C09D 11/101 20140101ALI20201120BHJP
   C09D 11/03 20140101ALI20201120BHJP
【FI】
   C08F20/26
   C08F2/50
   C09D4/00
   C09D7/63
   C09J4/00
   C09J11/06
   C09D11/101
   C09D11/03
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
【出願番号】特願2019-559551(P2019-559551)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年11月30日
(31)【優先権主張番号】特願2017-237839(P2017-237839)
(32)【優先日】2017年12月12日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2018-86861(P2018-86861)
(32)【優先日】2018年4月27日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000125370
【氏名又は名称】学校法人東京理科大学
(71)【出願人】
【識別番号】000003034
【氏名又は名称】東亞合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】有光 晃二
(72)【発明者】
【氏名】大村 健人
【テーマコード(参考)】
4J011
4J038
4J039
4J040
4J100
【Fターム(参考)】
4J011AA01
4J011QA03
4J011QA08
4J011QA33
4J011SA78
4J011SA87
4J011UA01
4J011VA01
4J011WA01
4J011WA02
4J011WA05
4J011WA06
4J038FA111
4J038JB03
4J038JB06
4J038KA02
4J038NA01
4J038NA11
4J038NA18
4J038PA17
4J038PB09
4J038PC01
4J038PC03
4J039AD21
4J039BC33
4J039BE27
4J039EA05
4J039EA06
4J039FA01
4J039FA04
4J040FA131
4J040HC03
4J040HC06
4J040JA01
4J040JB07
4J040JB08
4J040KA13
4J040LA06
4J040MA01
4J040NA20
4J040PA32
4J100AL44P
4J100AM05P
4J100CA01
4J100DA01
4J100DA04
4J100FA03
4J100JA01
4J100JA03
4J100JA07
4J100JA38
4J100JA43
(57)【要約】
本発明は、反応性の高いアニオン重合性化合物及び光塩基発生剤を含む活性エネルギー線硬化型組成物であって、活性エネルギー線照射前の保存安定性に優れ、かつ、活性エネルギー線照射により高い光重合反応性を有する活性エネルギー線硬化型組成物を提供する。
本発明は、一般式(1)

(式中、EWGは電子吸引性基を示し、Xは単結合、又は酸素原子(−O−)を示し、Rはn価の有機基を示し、nは1〜6の整数を示す。nが2〜6の整数のとき、EWG及びXはそれぞれ同一又は異なっていてもよい。nが1のとき、EWG及びRは結合していてもよい。)で表されるアニオン重合性化合物、及び一般式(2):

(式中、環Aは、置換基を有していてもよい芳香環又はヘテロ芳香環を示し、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又はアルキル基を示し、R及びRは互いに結合して隣接する窒素原子と共に環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。)で表される化合物(光塩基発生剤)を含む活性エネルギー線硬化型組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】
(式中、EWGは電子吸引性基を示し、Xは単結合、又は酸素原子(−O−)を示し、Rはn価の有機基を示し、nは1〜6の整数を示す。nが2〜6の整数のとき、EWG及びXはそれぞれ同一又は異なっていてもよい。nが1のとき、EWG及びRは結合していてもよい。)
で表されるアニオン重合性化合物、及び一般式(2):
【化2】
(式中、環Aは、置換基を有していてもよい芳香環又は置換基を有していてもよいヘテロ芳香環を示し、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又はアルキル基を示し、R及びRは互いに結合して隣接する窒素原子と共に環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。)
で表される化合物(光塩基発生剤)を含む活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項2】
一般式(1)において、EWGで示される電子吸引性基が、シアノ基、エステル基又はアシル基である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項3】
一般式(1)において、EWGで示される電子吸引性基が、式:RO−C(=O)−(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。)で表される基、或いは、式:R−C(=O)−(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。)で表される基である、請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項4】
一般式(1)において、EWGで示される電子吸引性基が、式:RO−C(=O)−(式中、Rはアルキル基を示す。)で表される基である、請求項1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項5】
一般式(1)において、Xが酸素原子である、請求項1〜4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項6】
一般式(1)において、nが1であり、Rで示される1価の有機基が、アルキル基、アルコキシアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基であり、或いは、nが2であり、Rで示される2価の有機基が、アルキレン基、アルキレン−オキシアルキレン基、アルキレン−ポリ(オキシアルキレン)基、シクロアルキレン基、アリーレン基、又はこれらの基からなる群より選ばれる2以上の基が結合した2価の基である、請求項1〜5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項7】
一般式(1)において、nが1であり、Rで示される1価の有機基がアルキル基である、請求項1〜6のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項8】
一般式(1)において、nが1のとき、EWG及びRが結合する化合物が、一般式(1a):
【化3】
(式中、mは1〜10の整数を示し、Xは前記に同じ。)
で表される化合物である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項9】
一般式(1)で表される化合物が、2−メチレンマロン酸ジアルキル、2−アシルアクリル酸アルキル、2−シアノアクリル酸アルキル、及び5−メチレン−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項10】
一般式(2)において、環Aが、置換基を有していてもよいベンゼン環である、請求項1〜9のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項11】
一般式(2)において、R及びRが同一又は異なって、アルキル基である、或いは、R及びRが互いに結合して隣接する窒素原子と共に、アジリジン環、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、イミダゾール環、ピラゾール環、及び1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン環からなる群より選ばれる1種の環を形成しており、該環は置換基を有していてもよい、請求項1〜10のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項12】
コーティング剤、印刷インキ、フォトレジスト、接着剤、又は封止剤の用途に用いられる、請求項1〜11のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項13】
前記請求項1に記載された活性エネルギー線硬化型組成物の製造方法であって、一般式(1)で表されるアニオン重合性化合物、及び一般式(2)で表される化合物(光塩基発生剤)を混合することを含む、製造方法。
【請求項14】
一般式(1)
【化4】
(式中、EWGは電子吸引性基を示し、Xは単結合、又は酸素原子(−O−)を示し、Rはn価の有機基を示し、nは1〜6の整数を示す。nが2〜6の整数のとき、EWG及びXはそれぞれ同一又は異なっていてもよい。nが1のとき、EWG及びRは結合していてもよい。)
で表されるアニオン重合性化合物、及び一般式(2):
【化5】
(式中、環Aは、置換基を有していてもよい芳香環又は置換基を有していてもよいヘテロ芳香環を示し、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又はアルキル基を示し、R及びRは互いに結合して隣接する窒素原子と共に環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。)
で表される化合物(光塩基発生剤)を含む活性エネルギー線硬化型組成物に、活性エネルギー線を照射することを特徴とする、硬化物の製造方法。
【請求項15】
前記請求項14に記載の製法で得られる硬化物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
活性エネルギー線硬化型組成物は、接着剤、コーティング剤、封止剤、賦形剤等の用途に広く用いられている。活性エネルギー線硬化型組成物を用いた光重合反応は、重合時に発生する活性種により、ラジカル重合、カチオン重合、及びアニオン重合の3種類に分類される。
【0003】
ラジカル重合は、光ラジカル開始剤に光照射して得られるラジカル活性種を用いてラジカル重合性化合物を重合させるものであるが、酸素によりラジカルが失活するため重合が阻害されてしまい、空気に触れている箇所が硬化不十分になるという問題がある。また、カチオン重合は、光酸発生剤に光照射して得られる強酸を触媒としてカチオン重合性化合物を重合させるものであるが、酸素による重合阻害はないものの、発生する強酸による金属基板等の腐食が問題となる。一方、アニオン重合は、光塩基発生剤に光照射して得られる塩基を触媒としてアニオン重合性化合物を重合反応させるものであり、ラジカル重合のような酸素による重合阻害、及びカチオン重合のような腐食の問題がないため注目されている。
【0004】
特許文献1には、アニオン重合に用いる光塩基発生剤として、カルボン酸と、アルカリ金属、アルカリ土類金属、イミダゾール類、グアニジン類等とからなるカルボン酸塩を用いることが記載されている。また、該光塩基発生剤とエポキシ型化合物とを含む感光性樹脂組成物の膜に光照射及び加熱処理することで硬化反応(架橋反応)が進行することが記載されている。しかし、該光塩基発生剤は、光の作用により塩基を生成すると同時に炭酸ガスも発生するため、感光性樹脂組成物の製膜後に光照射により気泡が生じ硬化膜に凹凸が生じる等の問題があった。
【0005】
特許文献2には、光塩基発生剤として、所定のカルボン酸と塩基類とからなるカルボン酸塩を用いることにより、光の作用により炭酸ガスの発生を伴わずに塩基を生成できることが記載されている。
【0006】
特許文献3には、カルボン酸と塩基性化合物との塩からなる光塩基発生剤、及びアニオン重合性化合物を含有する活性光線硬化組成物において、光照射前の該組成物の保存安定性を向上させるために、光又は熱により酸の機能を失う酸を添加することが記載されている。
【0007】
特許文献4には、フェロセン系の光塩基発生剤を用いてメチレンマロネートとシアノアクリレートとの混合物を光重合する方法が記載されている。この方法は、メチレンマロネートの割合が増加するに従い硬化性が悪くなるという問題がある。
【0008】
特許文献5には、カチオン化したアミジン骨格を有する置換基を持つ化合物と、陰イオンとからなるイオン対型の光塩基発生剤が記載されている。また、該光塩基発生剤及びジアルキルメチレンマロネート化合物を含む光硬化性組成物にUV照射して、硬化膜を作製できることが記載されている。
【0009】
特許文献6には、2−シアノアクリレートとカルバメート基を有する光潜在性塩基(photolatent base)とを含む組成物が記載されており、UV照射によりシアノアクリレートの硬化が促進されることが記載されている。しかし、該光潜在性塩基は、UV照射により炭酸ガスが発生するため、硬化膜の品質が低下するという問題がある。
【0010】
非特許文献1には、光塩基発生剤として、光環化反応により第3級アミン化合物を生成するフタルアルデヒド酸アミド化合物を用いることが記載されており、該光塩基発生剤は、ポリ(グリシジルメタクリレート)(PGMA)のようなエポキシ基を側鎖に持つ化合物のアニオン重合に適用できることが記載されている。
【0011】
非特許文献2には、フタルアルデヒド酸アミド化合物を光照射することにより、光環化反応してアミノラクトン化合物が生成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2011-080032号公報(特許第5561693号明細書)
【特許文献2】特開2012-250969号公報(特許第5765851号明細書)
【特許文献3】特開2013-216728(特許第6008166号明細書)
【特許文献4】特表2015-512460号公報
【特許文献5】特開2017-036361号公報
【特許文献6】国際公開第2017/151711号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Polymer Preprints, Japan Vol. 65, No. 2 (2016)
【非特許文献2】Journal of the Chemical Society, Chemical Communications, (7), 598-599; 1993
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
特許文献1及び6に記載の光塩基発生剤は、活性光線照射により炭酸ガスが発生するため、硬化膜の凹凸や強度低下が発生するという問題がある。
【0015】
特許文献2〜4に記載の光塩基発生剤は、活性光線照射により炭酸ガスは発生しないが、メチレンマロネート、シアノアクリレート等の反応性が高いアニオン重合性化合物、及び該光塩基発生剤を含む活性光線硬化組成物では、活性光線照射前における組成物の保存安定性が極めて低いことが明らかとなった。この原因の1つとして、該光塩基発生剤はイオン対を持つため、活性光線が関与しない条件で反応性が高いアニオン重合性化合物が重合反応(暗反応)を引き起こしているためと考えられた。
【0016】
同様に、特許文献5に記載される光塩基発生剤もイオン対(アミジン骨格由来のカチオンと陰イオン)を有するため、活性光線照射前の組成物の保存安定性が低いと考えられる。
【0017】
また、非特許文献1には、光塩基発生剤としてフタルアルデヒド酸アミド化合物を用いて、ポリ(グリシジルメタクリレート)のような比較的反応性が低いアニオン重合性化合物を硬化することが記載されているが、反応性が高いアニオン重合性化合物に適用することは記載されていない。
【0018】
以上の点に鑑み、本発明は、反応性の高いアニオン重合性化合物及び光塩基発生剤を含む活性エネルギー線硬化型組成物であって、活性エネルギー線照射前の保存安定性に優れ、かつ、活性エネルギー線照射により炭酸ガスの発生がなく高い光重合反応性を有する活性エネルギー線硬化型組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討を行ったところ、反応性が高いアニオン重合性化合物と、光塩基発生剤として下記一般式(2)で表される化合物とを含む活性エネルギー線硬化型組成物が、上記の課題を解決できることを見出した。さらに、検討を加えることにより本発明を完成するに至った。
【0020】
即ち、本発明は、下記に示す活性エネルギー線硬化型組成物及びその製造方法を提供する。
[1]一般式(1)
【0021】
【化1】
【0022】
(式中、EWGは電子吸引性基を示し、Xは単結合、又は酸素原子(−O−)を示し、Rはn価の有機基を示し、nは1〜6の整数を示す。nが2〜6の整数のとき、EWG及びXはそれぞれ同一又は異なっていてもよい。nが1のとき、EWG及びRは結合していてもよい。)
で表されるアニオン重合性化合物、及び一般式(2):
【0023】
【化2】
【0024】
(式中、環Aは、置換基を有していてもよい芳香環又は置換基を有していてもよいヘテロ芳香環を示し、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又はアルキル基を示し、R及びRは互いに結合して隣接する窒素原子と共に環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。)
で表される化合物(光塩基発生剤)を含む活性エネルギー線硬化型組成物。
[2]一般式(1)において、EWGで示される電子吸引性基が、シアノ基、エステル基又はアシル基である、[1]に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[3]一般式(1)において、EWGで示される電子吸引性基が、式:RO−C(=O)−(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。)で表される基、或いは、式:R−C(=O)−(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。)で表される基である、[1]又は[2]に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[4]一般式(1)において、EWGで示される電子吸引性基が、式:RO−C(=O)−(式中、Rはアルキル基を示す。)で表される基である、[1]〜[3]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[5]一般式(1)において、Xが酸素原子である、[1]〜[4]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[6]一般式(1)において、nが1であり、Rで示される1価の有機基が、アルキル基、アルコキシアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基であり、或いは、nが2であり、Rで示される2価の有機基が、アルキレン基、アルキレン−オキシアルキレン基、アルキレン−ポリ(オキシアルキレン)基、シクロアルキレン基、アリーレン基、又はこれらの基からなる群より選ばれる2以上の基が結合した2価の基である、[1]〜[5]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[7]一般式(1)において、nが1であり、Rで示される1価の有機基がアルキル基である、[1]〜[6]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[8]一般式(1)において、nが1のとき、EWG及びRが結合する化合物が、一般式(1a):
【0025】
【化3】
【0026】
(式中、mは1〜10の整数を示し、Xは前記に同じ。)
で表される化合物である、[1]に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[9]一般式(1)で表される化合物が、2−メチレンマロン酸ジアルキル、2−アシルアクリル酸アルキル、2−シアノアクリル酸アルキル、及び5−メチレン−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である、[1]に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[10]一般式(2)において、環Aが、置換基を有していてもよいベンゼン環である、[1]〜[9]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[11]一般式(2)において、R及びRが同一又は異なって、アルキル基である、或いは、R及びRが互いに結合して隣接する窒素原子と共に、アジリジン環、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、イミダゾール環、ピラゾール環、及び1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン環からなる群より選ばれる1種の環を形成しており、該環は置換基を有していてもよい、[1]〜[10]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[12]コーティング剤、印刷インキ、フォトレジスト、接着剤、又は封止剤の用途に用いられる、[1]〜[11]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[13]前記[1]に記載された活性エネルギー線硬化型組成物の製造方法であって、一般式(1)で表されるアニオン重合性化合物、及び一般式(2)で表される化合物(光塩基発生剤)を混合することを含む、製造方法。
[14]前記[1]に記載された、一般式(1)で表されるアニオン重合性化合物、及び一般式(2)で表される化合物(光塩基発生剤)を含む活性エネルギー線硬化型組成物に、活性エネルギー線を照射することを特徴とする、硬化物の製造方法。
[15]前記[14]の製法で得られる硬化物。
【発明の効果】
【0027】
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、一般式(1)で表される反応性の高いアニオン重合性化合物及び一般式(2)で表される光塩基発生剤を含み、活性エネルギー線照射前の該組成物の保存安定性に優れ、かつ、活性エネルギー線照射により炭酸ガスの発生がなく速やかに光重合反応が進行する。
【0028】
具体的には、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物では、特許文献1〜5に記載されたイオン対型の光塩基発生剤と異なり、非イオン対型の一般式(2)で表される光塩基発生剤を用いているため、活性エネルギー線照射前において該組成物の安定性が顕著に向上する。そのため、該組成物は、ゲル化等による粘度の上昇などがなく長期間一定の品質を保持できるため、その品質管理が容易となるとともに、ポットライフ及びオープンタイムの調節が極めて容易になる。
【0029】
また、一般式(2)で表される光塩基発生剤は、活性エネルギー線照射により、速やかに強塩基のアミン化合物を生成するため、共存する一般式(1)で表されるアニオン重合性化合物の光重合反応性を促進することができる。
【0030】
さらに、一般式(2)で表される光塩基発生剤は、活性エネルギー線照射により炭酸ガスの発生を伴わずに強塩基を発生させることができるため、高品質の硬化膜、成形体等を製造することができる。
【0031】
活性エネルギー線照射後に、一般式(2)で表される化合物(光塩基発生剤)から生成する第3級アミンが、一般式(1)で表されるアニオン重合性化合物のアニオン重合反応を効果的に開始し、光が直接当たらない部分(遮蔽部)の硬化や、顔料やフィラーを高濃度に含み光が均一に当りにくい組成物の硬化が効率よく進行する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】実施例1〜3で調製した活性エネルギー線硬化型組成物、並びに、比較例2のモノマーのみに対して光照射した時の、紫外光の露光量と組成物中に残存するモノマー量との関係を表すグラフである。横軸は、露光量であり、縦軸は、露光量0mJ/cmにおける原料モノマーのIRピーク(C=Cの吸収1638cm−1)面積を基準とした、各露光量における原料モノマーのIRピーク(C=Cの吸収1638cm−1)面積の比率(ピーク面積比)である。
図2】実施例4及び5で調製した活性エネルギー線硬化型組成物、並びに、比較例4のモノマーのみ対して光照射した時の、紫外光の露光量と組成物中に残存するモノマー量との関係を表すグラフである。横軸は、露光量であり、縦軸は、露光量0mJ/cmにおける原料モノマーのIRピーク(C=Cの吸収1616cm−1)面積を基準とした、各露光量における原料モノマーのIRピーク(C=Cの吸収1616cm−1)面積の比率(ピーク面積比)である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0034】
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、一般式(1)で表されるアニオン重合性化合物、及び一般式(2)で表される化合物からなる光塩基発生剤を含むことを特徴とする。
1.アニオン重合性化合物
一般式(1)で表されるアニオン重合性化合物は、1,1−二置換型の二重活性化ビニル化合物であり、高い反応性を有している。一般式(1)において、EWGで示される電子吸引性基としては、例えば、シアノ基(−C≡N)、エステル基、アシル基等が挙げられる。
【0035】
エステル基としては、例えば、式:RO−C(=O)−(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。)で表される基が挙げられる。
【0036】
で示されるアルキル基としては、鎖状又は分岐のアルキル基が挙げられ、通常、C1〜C20のアルキル基が挙げられる。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等が挙げられる。好ましくは、C1〜C10のアルキル基であり、より好ましくC1〜C6のアルキル基であり、更に好ましくはC1〜C3のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基又はエチル基である。
【0037】
で示されるシクロアルキル基としては、通常、C3〜C10のシクロアルキル基が挙げられる。具体的には、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。好ましくは、C3〜C8のシクロアルキル基であり、より好ましくはC3〜C6のシクロアルキル基である。
【0038】
で示されるアリール基としては、単環又は2環以上が縮合したC6〜C20アリール基が挙げられる。具体的には、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントラニル基等が挙げられる。
【0039】
で示されるアラルキル基としては、上記アルキル基上の1個の水素原子が上記アリール基で置換されてなる基が挙げられる。具体的には、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
【0040】
アシル基としては、例えば、式:R−C(=O)−(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。)で表される基が挙げられる。
【0041】
で示されるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基は、上記のRで示されるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基で挙げたものから選択することができる。
【0042】
Xは、単結合又は酸素原子(−O−)であり、好ましくは酸素原子(−O−)である。
【0043】
Rはn価の炭化水素基を示し、nは1〜6の整数を示す。nは1又は2が好ましい。
【0044】
nが1の場合、Rで示される有機基としては、例えば、アルキル基、アルコキシアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基等の1価の基が挙げられる。これらの基は、本発明の効果を発揮できる範囲において置換基を有していてもよい。
【0045】
アルキル基としては、鎖状又は分岐のアルキル基が挙げられ、通常、C1〜C20のアルキル基が挙げられる。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等が挙げられる。好ましくは、C1〜C10のアルキル基であり、より好ましくC1〜C6のアルキル基であり、更に好ましくはC1〜C3のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基又はエチル基である。
【0046】
アルコキシアルキル基としては、通常、C1〜C10アルコキシC2〜C10アルキル基が挙げられる。具体的には、例えば、メトキシエチル基、2−(2−エトキシ)エトキシエチル基等が挙げられる。
【0047】
シクロアルキル基としては、通常、C3〜C10のシクロアルキル基が挙げられる。具体的には、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。好ましくは、C3〜C8のシクロアルキル基であり、より好ましくはC3〜C6のシクロアルキル基である。
【0048】
アリール基としては、単環又は2環以上が縮合したC6〜C20アリール基が挙げられる。具体的には、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントラニル基等が挙げられる。
【0049】
アラルキル基としては、上記アルキル基上の1個の水素原子が上記アリール基で置換されてなる基が挙げられる。具体的には、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
【0050】
上記のアルキル基、アルコキシアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基等の1価の基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、アルコキシ基、エステル基、アシル基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
【0051】
nが2の場合、Rで示される有機基としては、例えば、アルキレン基、アルキレン−オキシアルキレン基、アルキレン−ポリ(オキシアルキレン)基、シクロアルキレン基、又はアリーレン基等の2価の基が挙げられる。また、これらの基からなる群より選ばれる2以上の基が結合した2価の基であってもよい。これらの基は、本発明の効果を発揮できる範囲において置換基を有していてもよい。
【0052】
アルキレン基としては、鎖状又は分岐のアルキレン基が挙げられ、通常、C1〜C20のアルキレン基が挙げられる。好ましくは、C1〜C10のアルキレン基である。
【0053】
アルキレン−オキシアルキレン基としては、通常、C2〜C10アルキレン−オキシC2〜C10アルキレン基が挙げられる。具体的には、例えば、エチレン−オキシエチレン基(−CHCH−O−CHCH−)、プロピレン−オキシプロピレン基(−CHCH(CH)−O−CHCH(CH)−等)が挙げられる。
【0054】
アルキレン−ポリ(オキシアルキレン)基としては、通常、C2〜C10アルキレン−ポリ(オキシC2〜C10アルキレン)基が挙げられ、C2〜C3アルキレン−ポリ(オキシC2〜C3アルキレン)基が好ましい。また、オキシアルキレン単位の繰り返し数は、2〜10が好ましく、2〜6がより好ましい。具体的には、例えば、エチレン−ジ(オキシエチレン)基、エチレン−トリ(オキシエチレン)基、エチレン−テトラ(オキシエチレン)基等のエチレン−ポリ(オキシエチレン)基;プロピレン−ジ(オキシプロピレン)基、プロピレン−トリ(オキシプロピレン)基、プロピレン−テトラ(オキシプロピレン)基等のプロピレン−ポリ(オキシプロピレン)基等が挙げられる。
【0055】
シクロアルキレン基としては、通常、C3〜C10のシクロアルキレン基が挙げられる。
【0056】
アリーレン基としては、単環又は2環以上が縮合した芳香環から2個の水素原子を除いた2価の基が挙げられる。具体的には、フェニレン基等が挙げられる。
【0057】
上記のアルキレン基、アルキレン−オキシアルキレン基、アルキレン−ポリ(オキシアルキレン)基、シクロアルキレン基、又はアリーレン基等の2価の基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、アルコキシ基、エステル基、アシル基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
【0058】
一般式(1)において、nが1のとき、EWG及びRが結合した化合物として、例えば、一般式(1a):
【0059】
【化4】
【0060】
(式中、mは1〜10の整数を示し、Xは前記に同じ。)
で表される化合物が挙げられる。
【0061】
Xは、好ましくは酸素原子(−O−)である。
【0062】
mは、好ましくは1〜6の整数であり、より好ましくは1〜4の整数であり、特に好ましくは1である。式:−(C2m)−で表される基として、例えば、メチレン基(−CH−)、ジメチレン基(−CHCH−)、1,1−ジメチルメチレン基(−C(CH−)等が挙げられる。
【0063】
一般式(1)で表される化合物の好ましい具体例としては、例えば、nが1の場合、2−メチレンマロン酸ジメチル、2−メチレンマロン酸ジエチル、2−メチレンマロン酸ジブチル、2−メチレンマロン酸1−メチル−3−ヘキシル、2−メチレンマロン酸ジシクロヘキシル等の2−メチレンマロン酸ジアルキル;2−アセチルアクリル酸メチル、2−アセチルアクリル酸エチル、2−プロピオニルアクリル酸メチル、2−プロピオニルアクリル酸エチル等の2−アシルアクリル酸アルキル;2−シアノアクリル酸メチル、2−シアノアクリル酸エチル、2−シアノアクリル酸オクチル等の2−シアノアクリル酸アルキル;5−メチレン−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、2,2−ジメチル−5−メチレン−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン等の5−メチレン−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン化合物等が挙げられる。好適には、2−メチレンマロン酸ジエチル、5−メチレン−1,3−ジオキサン−4,6−ジオンである。
【0064】
また、nが2の場合、例えば、2−メチレンマロン酸ジアルキルとアルキレンジオールとのエステル交換(例えば、2−メチレンマロン酸ジメチルと1,6−ヘキサンジオールとのエステル交換)によって得られる化合物、2−メチレンマロン酸ジアルキルとポリアルキレングリコールとのエステル交換によって得られる化合物等が挙げられる。
【0065】
一般式(1)で表される化合物は、市販されているか、或いは、公知の方法により製造することができる。例えば、2−メチレンマロン酸ジアルキル化合物の場合には、日本化学会誌No.3, p596-598 (1972)、工業化学雑誌、第56巻、第11冊、p81-83 (1953)等の記載に従い又は準じて製造することができる。
2.光塩基発生剤
一般式(2)で表される化合物は光塩基発生剤として作用する。つまり、該化合物は、活性エネルギー線を照射することにより励起され、下記式に示す環化反応が進行して、一般式(3)で表されるアミン化合物(塩基)を生成し、一般式(1)で表されるアニオン重合性化合物の重合を開始させる。
【0066】
【化5】
【0067】
(式中、全ての記号は前記に同じ。)
環Aは、置換基を有していてもよい芳香環、又は置換基を有していてもよいヘテロ芳香環である。
【0068】
芳香環としては、単環又は2環以上が縮合した芳香環が挙げられる。具体的には、例えは、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、アントラセン環等が挙げられる。好ましくは、ベンゼン環である。
【0069】
ヘテロ芳香環としては、酸素、窒素及び硫黄原子からなる群より選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む単環又は2環以上が縮合したヘテロ芳香環が挙げられる。具体的には、例えば、チオフェン環、フラン環、ピロール環、ピリジン環、ピラジン環等が挙げられる。
【0070】
環Aで示される芳香環又はヘテロ芳香環は、置換基を有していてもよく、当該置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、C1〜C6アルキル基等)等が挙げられる。芳香環又はヘテロ芳香環は、この置換基からなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい。
【0071】
及びRが同一又は異なって、水素原子又はアルキル基であり、好ましくはアルキル基である。該アルキル基としては、鎖状又は分岐のアルキル基が挙げられ、通常、C1〜C20のアルキル基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等が挙げられる。好ましくは、C1〜C10のアルキル基であり、より好ましくC1〜C6のアルキル基であり、更に好ましくはC1〜C3のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基又はエチル基である。
【0072】
及びRは互いに結合して隣接する窒素原子と共に環を形成していてもよく、該環としては、単環又は2以上の環が縮合した環が挙げられる。例えば、アジリジン環、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、イミダゾール環、ピラゾール環、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン環等が挙げられる。好ましくは、ピペリジン環である。
【0073】
及びRが互いに結合して隣接する窒素原子と共に形成する環は置換基を有していてもよく、当該置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、C1〜C6アルキル基等)等が挙げられる。該環は、この置換基からなる群より選ばれる1〜6個の基で置換されていてもよい。
【0074】
一般式(2)で表される化合物において、R及びRが同一又は異なってアルキル基であるか、R及びRが互いに結合して隣接する窒素原子と共に環を形成していることが好ましい。これは、活性エネルギー線照射後に生成する一般式(3)で表される塩基性化合物は、第1級及び第2級アミンであるよりも、第3級アミンである方が、アニオン重合反応を効果的に開始できるからである。
【0075】
一般式(2)で表される化合物の好ましい具体例としては、環Aがベンゼン環であり、R及びRがそれぞれC1〜C6のアルキル基(さらにC1〜C3のアルキル基、特にメチル基又はエチル基)であるか、又はR及びRが互いに結合して隣接する窒素原子と共にピペリジン環又はピロリジン環を形成しているものが挙げられる。
【0076】
一般式(2)で表される化合物は、市販されているか、或いは公知の方法により製造することができる。例えば、J. Chem. Soc., Perkin Trans. I, p344-348等の記載に従い又は準じて製造することができる。
3.活性エネルギー線硬化型組成物
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、一般式(1)で表されるアニオン重合性化合物、及び一般式(2)で表される化合物(光塩基発生剤)を含むものである。
【0077】
活性エネルギー線硬化型組成物中における一般式(1)で表されるアニオン重合性化合物、及び一般式(2)で表される化合物の含有量は、本発明の効果が発揮できる範囲で適宜選択することができる。一般式(2)で表される化合物の含有量は、一般式(1)で表されるアニオン重合性化合物100モルに対し、通常、0.1〜60モル、好ましくは0.5〜15モル、より好ましくは1〜10モルである。
【0078】
活性エネルギー線硬化型組成物中には、その用途に応じて、さらに他の成分を含んでいてもよい。例えば、一般式(1)で表されるアニオン重合性化合物以外の他のアニオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物、溶媒、増感剤、重合禁止剤、密着性付与剤(シランカップリング剤等)等を含有することができる。さらに、その他の添加剤として、例えば、充填剤、顔料、染料、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、分散剤、分散助剤、表面改質剤、可塑剤、可塑促進剤、タレ防止剤、硬化促進剤、増粘剤、粘弾性調整剤、抗菌剤、蛍光増白剤、酸化防止剤等が挙げられる。これらのうち、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0079】
一般式(1)で表されるアニオン重合性化合物以外の他のアニオン重合性化合物としては、本発明の効果を発揮できる範囲であれば特に限定はない。例えば、重合性エポキシ系化合物(例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等の2以上のグリシジル基を有する化合物等)等が挙げられる。
【0080】
ラジカル重合性化合物としては、本発明の効果を発揮できる範囲であれば特に限定はない。例えば、重合性(メタ)アクリル系化合物、重合性(メタ)アクリルアミド系化合物等が挙げられる。
【0081】
溶媒としては、本発明の効果が発揮できるものであれば特に限定はない。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の飽和炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルのエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒;クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。これらのうち、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0082】
活性エネルギー線硬化型組成物中に溶媒を含む場合、溶媒の含有量は、一般式(1)で表されるアニオン重合性化合物100質量部に対し、通常、1〜1000質量部、好ましくは1〜500質量部、より好ましくは1〜300質量部である。
【0083】
なお、増感剤、重合禁止剤、及び密着性付与剤(シランカップリング剤等)は公知のものを使用できる。
【0084】
活性エネルギー線硬化型組成物は、一般式(1)で表されるアニオン重合性化合物、一般式(2)で表される化合物(光塩基発生剤)、及び必要に応じ他の成分を混合することにより調製することができる。混合方法は特に限定はなく、例えば、公知の攪拌装置により実施できる。
【0085】
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、活性エネルギー線を照射する前において保存安定性に優れるという特徴を有している。一般式(2)で表される化合物(光塩基発生剤)は、従来のイオン対型(特許文献1〜5等)のカルボン酸塩ではなく、非イオン対型の中性化合物であるため、高い反応性を有するアニオン重合性化合物を含むにもかかわらず、組成物の安定性を長期に保持することができる。
【0086】
活性エネルギー線硬化型組成物は、活性エネルギー線を照射することにより一般式(2)で表される化合物から発生した塩基性化合物が触媒として働き、一般式(1)で表されるアニオン重合性化合物が重合して硬化物を与える。
【0087】
活性エネルギー線照射後に、一般式(2)で表される化合物(光塩基発生剤)から生成する一般式(3)で表されるアミン化合物が、一般式(1)で表されるアニオン重合性化合物のアニオン重合反応を効果的に開始し、光が直接当たらない部分(遮蔽部)の硬化や、顔料やフィラーを高濃度に含み光が均一に当りにくい組成物の硬化が効率よく進行する。メカニズムとしては、第3級アミンが樹脂内に拡散するため、あるいは、第3級アミンの発生が伝播しているためと推定される。特に、光塩基発生剤である一般式(2)で表される化合物のR及びRがアルキル基の場合、即ち、光照射により生成する一般式(3)で表されるアミン化合物が第3級アミンであって、R及びRが互いに結合していない場合には、光が遮蔽された部分での組成物の硬化性が大幅に向上する点で好ましい。
【0088】
活性エネルギー線としては、通常、紫外線、電子線等が挙げられる。紫外線の照射光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ又はメタルハライドランプ等が挙げられる。その他、発光ダイオードを光源とした紫外線装置(UV−LED)、紫外線領域のレーザー光線等も挙げられる。
【0089】
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、上記のような特性を有するため、その特性に応じた様々な用途に用いることができる。例えば、コーティング剤(保護コート剤等)、印刷インキ(インクジェットインキ等)、フォトレジスト、接着剤、封止剤等が挙げられ、これらに限定されない。
【0090】
活性エネルギー線硬化型組成物は、種々の基材に塗布した後、前記活性光線を照射して基材に密着した硬化物を形成することができる。
【0091】
基材としては、例えば、プラスチック、ゴム、木材、金属、無機材料、紙等が挙げられる。プラスチックの具体例として、例えば、ポリビニルアルコール、トリアセチルセルロース及びジアセチルセルロース等のセルロースアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルサルホン、ノルボルネン等の環状オレフィンをモノマーとする環状ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。ゴムの具体例としては、例えば、天然ゴム、SBR等が挙げられる。木材の具体例としては、例えば、自然の木材及び合成木材等が挙げられる。金属の具体例としては、例えば、鋼板、アルミ、クロム等の金属、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムスズ(ITO)等の金属酸化物等が挙げられる。無機材料の具体例としては、例えば、ガラス、モルタル、コンクリート、石材等が挙げられる。紙の具体例としては、例えば、上質紙、コート紙、アート紙、模造紙、薄紙、厚紙等の紙、各種合成紙等が挙げられる。
【0092】
また、活性エネルギー線硬化型組成物を用いて成形体を得ることもできる。例えば、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を凹版に充填し、充填した樹脂組成物を活性エネルギー線により硬化させ、その後得られた硬化物を凹部から取り出すことにより成形品を得ることができる。
【実施例】
【0093】
以下、本発明を実施例および比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0094】
製造例1(PBG1の合成)
2−ホルミル安息香酸2.0g(0.013mol)に、塩化チオニル7.5ml(0.13mol)を加え、室温で8時間攪拌した。減圧下で塩化チオニルを留去し、得られた残渣をテトラヒドロフラン35mlに溶解した。テトラヒドロフラン20mlにピペリジン3.4g(0.039mol)を溶解させた溶液を添加し、室温で12時間攪拌した。これに5wt%塩酸を添加し溶液を中性にしたのち、減圧下で溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、2−(1−ピペリジニルカルボニル)ベンズアルデヒド(PBG1)2.0g(9.2mmol、収率72%)を黄色粘性液体として得た。
【0095】
1H-NMR(δppm、CDCl3) 1.2-1.7 (m, 6H)、3.15 (t, 2H)、3.80 (t, 2H)、7.3-8.0 (m, 4H)、10.8 (s, 1H)
【0096】
【化6】
【0097】
製造例2(PBG2の合成)
特許文献1に記載の塩基発生剤に相当する下記化合物(PBG2)を、特開2012−237776号公報の製造例3の記載に従い合成した。
【0098】
【化7】
【0099】
製造例3(PBG3の合成)
テトラヒドロフラン20mlに3−ブロモフタリド1.5g(7.0mmol)を溶解させた溶液へ、テトラヒドロフラン30mlにジプロピルアミン2.1g(42mmol)を溶解させた溶液を滴下し、室温で8時間攪拌した。反応液を溶媒留去し、クロロホルムに溶解させた後、5wt%塩酸で1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、飽和食塩水で2回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、2−(ジプロピルアミノカルボニル)ベンズアルデヒド(PBG3)1.3g(5.6mmol、収率78%)を淡黄色粘性液体として得た。
1H-NMR(δppm、CDCl3)0.71 (t, 3H)、1.01 (t, 3H) 、1.48 (m, 2H)、1.77 (m, 2H)、3.02 (t, 2H)、3.52 (t, 2H)、7.3-7.9 (m,4H)、10.1 (s, 1H)
【0100】
【化8】
【0101】
実施例1〜3、比較例1及び2
表1に示す通り、2−メチレンマロン酸ジエチル(DEMM)に対し、光塩基発生剤PBG1又はPBG2の所定量を室温(25℃)で混合した(実施例1〜3及び比較例1)。
その結果、本発明の光塩基発生剤であるPBG1を用いた場合、活性エネルギー線硬化型組成物(実施例1〜3)を得ることができた。
一方、特許文献1に記載された光塩基発生剤であるPBG2を用いた場合、室温(25℃)で混合中に速やかに硬化し流動性がなくなり、組成物を得ることができなかった(比較例1)。
また、DEMMのみを用いた場合を比較例2とした。
【0102】
実施例4及び5、比較例3及び4
表1に示す通り、2−オクチルシアノアクリレート(2−OctCA)に対し、光塩基発生剤PBG1、PBG2及びPBG3それぞれの所定量を室温(25℃)で混合した(実施例4及び5並びに比較例3)。
その結果、本発明の光塩基発生剤であるPBG1及びPBG3を用いた場合、活性エネルギー線硬化型組成物(実施例4及び5)を得ることができた。
一方、特許文献1に記載された光塩基発生剤であるPBG2を用いた場合、室温(25℃)で混合中に速やかに硬化し流動性がなくなり、組成物を得ることができなかった(比較例3)。
また、2−OctCAのみを用いた場合を比較例4とした。
【0103】
試験例1(保存安定性の評価)
実施例1〜5で得られた組成物、比較例2のDEMM、比較例4の2−OctCAを、冷蔵庫(4℃)内で放置し流動性がなくなるまでの日数を目視にて評価した。その結果を、保存可能日数として表1に示す。
【0104】
【表1】
DEMM:2−メチレンマロン酸ジエチル
2-OctCA:2−オクチルシアノアクリレート
【0105】
特許文献1に記載された光塩基発生剤であるPBG2を用いた場合(比較例1及び3)、上記の通り、保存安定性を評価する前の混合時に速やかに硬化してしまったため組成物が得られず、保存安定性を評価することができなかった。つまり、比較例1及び3では組成物が得られない程に保存安定性が低いことが分かった。
【0106】
これに対し、光塩基発生剤としてPBG1を用いた場合(実施例1〜4)及びPBG3を用いた場合(実施例5)は、冷蔵庫(4℃)で3ヶ月以上経過しても流動性を保持しており、DEMMのみの場合(比較例2)及び2−OctCAのみの場合(比較例4)と同程度の高い保存安定性を示した。
【0107】
試験例2(光重合反応の評価)
実施例1〜5、比較例2及び4で得られた活性エネルギー線硬化型組成物をCaF板にドロップキャストしてすぐCaF板で挟み、CaF板上に膜厚約0.8μmで塗工した。これに、波長254nmの紫外光(照度2mW/cm)を露光量 0、1000、2000、3000、4000、5000mJ/cmとして照射し、FT−IR測定で反応を追跡した。
【0108】
活性エネルギー線硬化型組成物のFT−IRスペクトルから、2−メチレンマロン酸ジエチル(DEMM)由来の(C=C)特性吸収帯のピークが1638cm−1に現れること、及び2−オクチルシアノアクリレート(2−OctCA)由来の(C=C)特性吸収帯のピークが1616cm−1に現れることを確認した。このDEMM由来の特性吸収帯のピーク面積、及び2−OctCA由来の特性吸収帯のピーク面積を用いて、各活性エネルギー線硬化型組成物における、紫外光の露光量と組成物中のモノマーの残存量(又は消費量)との関係を明らかにした。その結果を図1及び図2に示す。
【0109】
図1中、×はモノマー(DEMM)のみ(光塩基発生剤なし)(比較例2)、◆は光塩基発生剤(PBG1)1mol%(実施例3)、■は光塩基発生剤(PBG1)3mol%(実施例2)、及び、●は光塩基発生剤(PBG1)5mol%(実施例1)の結果を示す。
【0110】
図1において、横軸は露光量を表し、縦軸は、露光量0mJ/cmにおける1638cm−1のピーク面積を基準にした各露光量における1638cm−1のピーク面積の比率(ピーク面積比)を示す。このピーク面積比が小さくなるほど、DEMMの残存量が少なくなりアニオン重合反応が促進されていることを意味する。
【0111】
図1に示すように、露光量が大きくなるに従い、また、光塩基発生剤の割合が大きくなるに従って、ピーク面積比が小さくなることが確認できた。
【0112】
図2中、×はモノマー(2−OctCA)のみ(光塩基発生剤なし)(比較例4)、◆は光塩基発生剤(PBG1)1mol%(実施例4)、及び、■は光塩基発生剤(PBG3)1mol%(実施例5)の結果を示す。
【0113】
図2において、横軸は露光量を表し、縦軸は、露光量0mJ/cmにおける1616cm−1のピーク面積を基準にした各露光量における1616cm−1のピーク面積の比率(ピーク面積比)を示す。このピーク面積比が小さくなるほど、2−OctCAの残存量が少なくなりアニオン重合反応が促進されていることを意味する。
【0114】
図2に示すように、露光量が大きくなるに従い、また、PBG3を用いた場合の方が、PBG1を用いた場合よりも、ピーク面積比が小さくなることが確認できた。
【0115】
試験例3(重合物の分子量の測定)
(1)実施例1の組成物に対し5000mJ/cmの露光を行ったものについて、H−NMR測定及びGPC測定を行ったところ、モノマーは完全に消失し、数平均分子量(Mn)=11000、重量平均分子量(Mw)=573000の重合物が得られていることを確認した。数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)はGPCを用いて測定した。
【0116】
GPC測定条件は以下の通りである。
・装置:東ソー製 HLC−8120GPC
・検出器:RI検出器
・カラム:
分析カラム TSKgel SuperHZM−M(粒子径3&5μm、6.0mmI.D.×15cm)2本
ガードカラム TSKgel guаrdcolumn SuperHZ−L(4.6mmI.D.×3.5cm)1本
リファレンスカラム TSKgel SuperH−RC(6.0mmI.D.×15cm)1本
・カラムの温度:40℃
・溶離液組成:クロロホルム、流量0.6mL/分
・分子量標準物質:ポリスチレン
【0117】
(2)実施例5の組成物に対し3000mJ/cmの露光を行ったものについて、GPC測定を行ったところ、数平均分子量(Mn)=76000、重量平均分子量(Mw)=86000の重合物が得られていることを確認した。GPC測定条件は試験例3(1)と同じである。分子量分布(Mw/Mn)が1.13であることから、重合はリビング的に進行していると考えられる。
【0118】
試験例4(遮蔽部硬化性の評価)
実施例5で得られた活性エネルギー線硬化型組成物0.5gを石英板(1cm×2cm)にドロップキャストし、石英板上に膜厚約0.8mmで塗工した。これに、塗工膜の4分の3部分を紫外光が透過しない黒色紙で遮蔽し、波長254nmの紫外光(照度2mW/cm)を露光量 6000mJ/cmとして照射した。得られた硬化物の塗膜について、露光部分及び遮蔽部分のH−NMR測定及びGPC測定を行ったところ、モノマー消費率、Mn及びMwは、表2に示す通りの結果であった。GPC測定条件は試験例3(1)と同じである。
【0119】
【表2】
【0120】
表2記載の通り、紫外線で露光されていない部分も室温にて重合が進行し、遮蔽部の硬化が確認された。また、石英板以外のシリコンウェーハ上でも同様の結果であった。
なお、同様にドロップキャストにて塗工したサンプルへ露光せず18時間放置しても、塗膜の粘性は上昇せず、重合の進行は確認されなかった。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、一般式(1)で表される反応性の高いアニオン重合性化合物及び一般式(2)で表される光塩基発生剤を含むため、活性エネルギー線照射前において該組成物の保存安定性に優れ、かつ、活性エネルギー線照射により光重合反応が促進される。そのため、コーティング剤、印刷インキ、フォトレジスト、接着剤、封止剤等の広範な用途に用いられる。
図1
図2
【国際調査報告】