特表-19151225IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マクセルホールディングス株式会社の特許一覧
<>
  • 再表WO2019151225-ワイヤレス給電装置 図000003
  • 再表WO2019151225-ワイヤレス給電装置 図000004
  • 再表WO2019151225-ワイヤレス給電装置 図000005
  • 再表WO2019151225-ワイヤレス給電装置 図000006
  • 再表WO2019151225-ワイヤレス給電装置 図000007
  • 再表WO2019151225-ワイヤレス給電装置 図000008
  • 再表WO2019151225-ワイヤレス給電装置 図000009
  • 再表WO2019151225-ワイヤレス給電装置 図000010
  • 再表WO2019151225-ワイヤレス給電装置 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年8月8日
【発行日】2020年11月19日
(54)【発明の名称】ワイヤレス給電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/90 20160101AFI20201023BHJP
   H02J 50/12 20160101ALI20201023BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20201023BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20201023BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20201023BHJP
   A63B 69/00 20060101ALN20201023BHJP
   A63B 43/00 20060101ALN20201023BHJP
【FI】
   H02J50/90
   H02J50/12
   H02J50/80
   H02J7/02 U
   H02J7/00 301D
   A63B69/00 505J
   A63B43/00 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
【出願番号】特願2019-569114(P2019-569114)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2019年1月29日
(31)【優先権主張番号】特願2018-17591(P2018-17591)
(32)【優先日】2018年2月2日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセルホールディングス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005935
【氏名又は名称】美津濃株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000116655
【氏名又は名称】愛知製鋼株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】508376638
【氏名又は名称】株式会社サン・ワイズ
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(74)【代理人】
【識別番号】100107593
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 太郎
(72)【発明者】
【氏名】谷井 恵一
(72)【発明者】
【氏名】鳴尾 丈司
(72)【発明者】
【氏名】柴田 翔平
(72)【発明者】
【氏名】森 正樹
(72)【発明者】
【氏名】山本 道治
(72)【発明者】
【氏名】千田 泰史
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB02
5G503CA03
5G503CA11
5G503CB11
5G503EA05
5G503GB08
(57)【要約】
本開示は、球状の受電装置の中心部に埋め込まれた受電コイルに対して効率的にワイヤレス給電を行い得るワイヤレス給電装置を提供する。
受電装置2を保持する保持部10aと、送電コイル11と、受電コイル24に対してワイヤレス給電するための磁束を生じさせるように送電コイル11に高周波電流を供給するドライバ回路13と、無線データ送信手段から定期的に送信されるデータを受信する無線データ受信手段とを備え、受電装置2の表面に付されたマークMが所定方向を向くように受電装置2を保持部10aに保持させたとき、受電コイル24及び送電コイル11のそれぞれの軸心が平行となるように、保持部10aに対して送電コイル11を位置付ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池、受電コイル、充電回路及び無線データ送信手段が内蔵され、表面には前記受電コイルに対して所定の位置に所定のマークが付された球状の受電装置へ電力を供給するワイヤレス給電装置であって、
前記受電装置を保持する保持部と、送電コイルと、前記受電コイルに対してワイヤレス給電するための磁束を生じさせるように前記送電コイルに高周波電流を供給するドライバ回路と、前記無線データ送信手段から定期的に送信されるデータを受信する無線データ受信手段とを備え、
前記受電装置の表面に付された前記マークが所定方向を向くように前記受電装置を前記保持部に保持させたとき、前記受電コイル及び前記送電コイルのそれぞれの軸心が平行となるように、前記保持部に対して前記送電コイルが位置付けられている、
ワイヤレス給電装置。
【請求項2】
請求項1に記載のワイヤレス給電装置であって、
前記送電コイルは前記受電装置の外径よりも大径で且つ所定の軸長を有するソレノイドコイルにより構成されている、ワイヤレス給電装置。
【請求項3】
前記受電コイルが所定の軸長を有するソレノイドコイルにより構成された前記受電装置へ電力を供給する請求項2に記載のワイヤレス給電装置であって、
前記受電コイル及び前記送電コイルのそれぞれの軸心が平行となるように前記受電装置が前記保持部に保持されると、径方向から見て前記受電コイル及び前記送電コイルが少なくとも部分的にオーバーラップするように、前記保持部に対して前記送電コイルが位置付けられている、ワイヤレス給電装置。
【請求項4】
請求項1,2又は3に記載のワイヤレス給電装置において、
該無線データ受信手段により受信した前記データに応じて所定の報知を行う報知手段をさらに備え、
前記無線データ受信手段が受信する前記データには前記受電コイルへの給電状況に関する情報が含まれ、前記報知手段は、前記給電状況の変化に応じて報知内容を変更するよう構成されている、ワイヤレス給電装置。
【請求項5】
請求項4に記載のワイヤレス給電装置において、
前記ドライバ回路の電源電圧を調整する電源電圧調整制御手段をさらに備え、該電源電圧調整制御手段は、前記報知手段により所定の報知を行う際の第1の制御モードと、前記受電装置の前記二次電池を満充電するための第2の制御モードとを選択的に実行可能に構成されるとともに、第2の制御モード実行時には前記二次電池の充電状態に応じて前記電源電圧の値を所定範囲内で変更し、第1の制御モード実行時には前記所定範囲の最大電圧よりも小さな定電圧に前記電源電圧を保持するよう構成されている、ワイヤレス給電装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のワイヤレス給電装置と、前記受電装置とを備えるワイヤレス給電システムであって、
前記受電装置は、硬式野球ボール、軟式野球ボール、革製ソフトボール又はゴム製ソフトボールとして用いられるものであり、前記マークは、前記硬式野球ボール又は前記革製ソフトボールの表皮の縫い目であるか、或いは、前記軟式野球ボール又は前記ゴム製ソフトボールの表面の縫い目模様である、ワイヤレス給電システム。
【請求項7】
二次電池、受電コイル、充電回路及び無線データ送信手段が内蔵された球状の受電装置へ電力を供給するワイヤレス給電装置であって、
送電コイルと、前記受電コイルに対してワイヤレス給電するための磁束を生じさせるように前記送電コイルに高周波電流を供給するドライバ回路と、前記無線データ送信手段から送信されるデータを受信する無線データ受信手段と、該無線データ受信手段により受信した前記データに応じて所定の報知を行う報知手段とを備え、前記データには前記受電コイルへの給電状況に関する情報が含まれ、前記報知手段は、前記給電状況の変化に応じて報知内容を変更するよう構成されている、ワイヤレス給電装置。
【請求項8】
請求項7に記載のワイヤレス給電装置において、
前記ドライバ回路の電源電圧を調整する電源電圧調整制御手段をさらに備え、該電源電圧調整制御手段は、前記報知手段により所定の報知を行う際の第1の制御モードと、前記受電装置の前記二次電池を満充電するための第2の制御モードとを選択的に実行可能に構成されるとともに、第2の制御モード実行時には前記二次電池の充電状態に応じて前記電源電圧の値を所定範囲内で変更し、第1の制御モード実行時には前記所定範囲の最大電圧よりも小さな定電圧に前記電源電圧を保持するよう構成されている、ワイヤレス給電装置。
【請求項9】
請求項7又は8に記載のワイヤレス給電装置において、
前記受電装置を保持する保持部をさらに備えている、ワイヤレス給電装置。
【請求項10】
表面には前記受電コイルに対して所定の位置に所定のマークが付された前記受電装置へ電力を供給する請求項9に記載のワイヤレス給電装置であって、
前記受電装置の表面に付された前記マークが所定方向を向くように前記受電装置を前記保持部に保持させたとき、前記受電コイル及び前記送電コイルのそれぞれの軸心が平行となるように、前記保持部に対して前記送電コイルが位置付けられている、ワイヤレス給電装置。
【請求項11】
請求項7〜10のいずれかに記載のワイヤレス給電装置において、
前記送電コイルは前記受電装置の外径よりも大径で且つ所定の軸長を有するソレノイドコイルである、ワイヤレス給電装置。
【請求項12】
前記受電コイルが所定の軸長を有するソレノイドコイルにより構成された前記受電装置へ電力を供給する請求項11に記載のワイヤレス給電装置であって、
前記受電コイル及び前記送電コイルのそれぞれの軸心が平行となるように前記受電装置前記保持部に保持されると、径方向から見て前記受電コイル及び前記送電コイルが少なくとも部分的にオーバーラップするように、前記保持部に対して前記送電コイルが位置付けられている、ワイヤレス給電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば野球用ボールの形態などの球状の受電装置へ電力を供給するためのワイヤレス給電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本願出願人らは、中心部に専用センサーを内蔵した野球用ボールの形態の計測装置(受電装置)の開発を行っている。このボール状の計測装置は、ボールを投げることで、投げたボールの回転数や回転軸、球速などを計測することができるものであり、計測されたデータの分析によって、「ストレートの伸び」や「変化球の切れ」と言われるような投手の球質を可視化し、精度を高めた練習をサポートすることができる。
【0003】
投げたボールの挙動や投球感を本物の硬式用野球ボールと同等のものとするために、硬式用野球ボールの芯部に埋め込まれるカプセル内に計測装置構成部品のすべてを内蔵し、芯部以外の部分は本物の硬式用野球ボールと同じ構造とすることが好ましい。
【0004】
すなわち、本物の硬式用野球ボールのゴム芯を上記カプセルで置換し、このカプセルの外周に本物の硬式用野球ボールと同様に毛糸や木綿糸を巻き付けて、これを白色の馬皮または牛皮からなる表皮2片で包み、2つの表皮の接合部を頑丈に縫い合わせることが好ましい。
【0005】
このように本物の硬式用野球ボールと同様の外周部構造とした場合、内蔵電池の充電端子を外周面に設けることができないため、本願出願人らは、ボール状計測装置の電源として小型のコイン形乃至ボタン型の二次電池を上記カプセルに内蔵するとともに、カプセル内にワイヤレス給電用の受電コイル及び充電回路をも内蔵して、ワイヤレス給電により二次電池を繰り返し充電可能にすることを検討している。
【0006】
このようなワイヤレス給電可能なボール状機器として、例えば、下記の特許文献1に開示されたゴルフボールが知られている。この従来の受電装置としてのゴルフボールは、メモリー、マイクロプロセッサ及びアンテナコイル(受電コイル)からなる電子タグ(2)と、蓄電用素子(3)とを内蔵しており、非接触式充電器(17)を用いて蓄電用素子に充電可能に構成されている。すなわち、非接触式充電器には、ゴルフボールを置くお椀型ゴルフボール保持器(18)が設けられるとともに、この保持器の底の部分に一次コイルが内蔵され、一次コイルから発生した磁束をゴルフボール内蔵のアンテナコイルが受けてトランス作用により二次出力を発生させ、その出力により蓄電用素子に充電するよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−81128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来のゴルフボールに内蔵される電子タグは消費電力が極めて小さいものであり、蓄電用素子も、ゴルフボールをマグネットティーペグ上においてティーショットしたときにアンテナコイルに発生する電流によって充電可能なほど蓄電量が小さいものであるため、一次コイルをお椀型ゴルフボール保持器の底部に設けた構成でも十分に充電可能である。
【0009】
電磁誘導式のワイヤレス給電においては、一次コイルと二次コイルとの間に軸方向のギャップがあると給電効率が大きく悪化することが知られており、ギャップは概ね1cm未満とすることが技術常識となっている。ボールの中心部にアンテナコイルを内蔵させた場合、保持器の底部に設けた一次コイルと、ボールの中心部に設けたアンテナコイルとの間には、ボールの半径に相当するギャップが生じてしまう。ゴルフボールの直径は4cm以上あるため、上記従来技術では、一次コイルとアンテナコイルとの間に2cm程度のギャップが存在することになるが、蓄電用素子を充電する程度の微弱電力の給電は可能であると考えられる。
【0010】
一方、本願出願人らが開発中の野球用ボール状の計測装置では、投げたボールの回転数や回転軸、球速などを計測可能とするためにより比較的高度な情報処理を行うマイクロプロセッサを内蔵するとともに、スマートフォンとの通信により計測したデータを無線通信するための通信回路をも内蔵しており、これらマイクロプロセッサや通信回路の駆動用電源としてリチウム二次電池を内蔵させてこれを充電するには、上記従来技術の場合に比してかなり大きな電力をワイヤレス給電により送電する必要がある。
【0011】
また、受電コイルはその巻き方向に由来する方向性があり、ワイヤレス給電効率を高めるには充電器(ワイヤレス給電装置)側の送電コイル(一次コイル)の軸心方向と受電コイルの軸心方向を一致させることが好ましい。しかし、外層構造を本物の硬式用野球ボールと同様とするために、製造工程において芯部のカプセル外周に毛糸及び木綿糸を巻き付ける工程を経ると、内部に埋め込まれた受電コイルがどの方向を向いているのかを外部から判別することができず、表皮2片の縫合時に受電コイルとの位置関係を知ることができなければ、ボールの外表面に現われる縫合ラインと受電コイルとの関係が不定となり、外観から受電コールの方向性を判別できなくなって、ボールをどのように充電器に設置すれば給電効率が良くなるかが分からなくなる。
【0012】
これらの課題に鑑み、本発明は、球状の受電装置の中心部に埋め込まれた受電コイルに対して効率的にワイヤレス給電を行い得るワイヤレス給電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示によるワイヤレス給電装置は、球状の受電装置へ電力を供給する。受電装置は、二次電池、受電コイル、充電回路及び無線データ送信手段が内蔵されている。好ましくは、受電装置の表面には、前記受電コイルに対して所定の位置に所定のマークを付すことができる。
【0014】
ワイヤレス給電装置は、送電コイルと、前記受電コイルに対してワイヤレス給電するための磁束を生じさせるように前記送電コイルに高周波電流を供給するドライバ回路と、前記無線データ送信手段から定期的に送信されるデータを受信する無線データ受信手段とを備える。さらに、ワイヤレス給電装置は、前記受電装置を保持する保持部を備えることができる。また、ワイヤレス給電装置は、無線データ受信手段により受信した前記データに応じて所定の報知を行う報知手段をさらに備えることができる。
【0015】
好ましくは、前記受電装置の表面に付された前記マークが所定方向を向くように前記受電装置を前記保持部に保持させたとき、前記受電コイル及び前記送電コイルのそれぞれの軸心が平行となるように、前記保持部に対して前記送電コイルが位置付けられている。
【0016】
好ましくは、無線データ受信手段により受信する前記データには前記受電コイルへの給電状況に関する情報が含まれ、前記報知手段は、前記給電状況の変化に応じて報知内容を変更するよう構成できる。
【0017】
好ましくは、前記送電コイルは前記受電装置の外径よりも大径で且つ所定の軸長を有するソレノイドコイルにより構成される。
【発明の効果】
【0018】
本発明のワイヤレス給電装置によれば、送電コイルと受電コイルとの位置関係が適切になるように受電装置を保持させる作業を容易に行うことができ、これにより一層の給電効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施形態に係るワイヤレス給電装置としての充電器に、受電装置としてのボール状計測装置を保持させた状態の斜視図である。
図2図1に示す充電器の正面断面図である。
図3図1に示す充電器の側面断面図である。
図3A】充電器のハウジングの変形例を示す簡略縦断面図である。
図4図1に示す野球ボール状計測装置の側面断面図である。
図5図1に示す充電器及び野球ボール状計測装置の簡略回路図である。
図6】本発明の第2の実施形態に係るワイヤレス給電装置としての検査器の簡略回路図である。
図7】本発明の第3の実施形態に係るワイヤレス給電装置の全体斜視図である。
図8】同ワイヤレス給電装置の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示によるワイヤレス給電装置は球状の受電装置へ電力を供給するものであり、球状の受電装置は、二次電池、受電コイル、充電回路及び無線データ送信手段が内蔵されていてよい。受電装置は種々の用途乃至構造のものであってよいが、例えば、中心部に専用センサーを内蔵した野球用ボールの形態の計測装置であってよい。このボール状計測装置は、野球の硬式用野球ボールの芯部にカプセルを埋め込み、このカプセル内に計測装置構成部品を内蔵した構成とすることができる。計測装置構成部品として、好適には、所定の軸長を有するソレノイドコイルからなる受電コイルと、該受電コイルの内周側に配置されるコイン形乃至ボタン型の二次電池と、受電コイルに受電した電力を用いて二次電池を充電する充電回路と、受電コイルへの給電状況や二次電池の充電状態などに関する各種情報を含むデータを送信するための無線データ送信手段と、ボールの回転数や回転軸や球速などを検出するためのセンサーと、該センサーによって検出されたデータを記録・計測及び/又は分析するための各種演算を行う演算部と、演算部による演算結果をスマートフォンなどの外部機器にbluetooth(登録商標)やWi−Fi(登録商標)などの適宜のプロトコルで無線送信するための無線通信回路とを含むことができる。好ましくは、ボールを投げたときに本物の硬式用野球ボールと同様の挙動を示し、同様の投球感が得られるよう、ボールの芯部以外の部分は本物の硬式用野球ボールと同じ構造とすることができる。
【0021】
好ましくは、球状の受電装置の表面には、受電コイルに対して所定の位置、例えば受電コイルの軸心と表面との交差部分に、所定のマークを付しておくことができる。野球用ボール状の計測装置の場合、このマークは、表皮の表面に印刷や刺繍などの適宜の方法によって付されたロゴマークなどであってよい。また、マークは表面との交差部分を推定できる位置にあっても良い。また、上記マークはワイヤレス給電装置に付けられたマークと合わせるようにしても良い。また、上記マークはボールの表皮の縫い目或いはボール表面の縫い目模様で代用しても良い。硬式野球ボール又は革製ソフトボールとして用いられる受電装置と、上記ワイヤレス給電装置とによってワイヤレス給電システムを構成する場合、上記マークは硬式野球ボール又は革製ソフトボールの表皮の縫い目であってよい。一方、軟式野球ボール又はゴム製ソフトボールとして用いられる受電装置と、上記ワイヤレス給電装置とによってワイヤレス給電システムを構成する場合、上記マークは、軟式野球ボール又はゴム製ソフトボールの表面の縫い目模様であってよい。
【0022】
また、受電装置の無線データ送信手段は、受電コイルから電気的に切り離された別個の通信回路により構成することもできるが、回路構成の簡素化及び小型化のため、受電コイルを含む共振回路のインピーダンスを変動させることによる2値ASK変調により、受電装置側からワイヤレス給電装置側への単方向通信を行う回路構成とすることが好ましい。無線データ送信手段は、受電コイルが受電する電力によって動作するものであってよく、受電コイルが電力を受電している間、所定の情報を含むパケットを定期的に送信するよう構成できる。送信する情報は適宜設計できるが、例えば、受電中の電力(給電状況に関する情報)、必要電力乃至現在の受電電力に対する必要電力の差分、送電停止要求、二次電池の充電率(充電状態に関する情報)などを含むことができ、また、受電装置の種別情報や機器固有の情報などを含むこともできる。
【0023】
本開示によるワイヤレス給電装置は、球状の受電装置を保持する保持部を備えることができる。また、比較的小径(例えば硬式用野球ボールの大きさ)の第1の受電装置を保持する第1の保持部と、比較的大径(例えばソフトボールの大きさ)の第2の受電装置を保持する第2の保持部とを備えていてもよい。これにより、球状の受電装置を、転がることなくワイヤレス給電装置に保持させておくことができる。
【0024】
また、本開示によるワイヤレス給電装置は、送電コイルと、前記受電コイルに対してワイヤレス給電するための磁束を生じさせるように前記送電コイルに高周波電流を供給するドライバ回路と、前記無線データ送信手段から送信されるデータを受信する無線データ受信手段と、該無線データ受信手段により受信した前記データに応じて所定の報知を行う報知手段とを備えることができる。
【0025】
送電コイルは、渦巻き状の平面コイルであってもよいが、所定の軸長を有するソレノイドコイルにより構成することが好ましい。いずれにしても、送電コイルの内径は、受電装置の外径よりも大径として、送電コイル内に受電装置を配置可能とすることが好ましい。
【0026】
ドライバ回路は適宜の回路構成であってよく、市販のドライバICを用いて実現することも可能であり、典型的には、ハーフブリッジ又はフルブリッジ構成のインバータにより構成される。高周波電流の周波数は、受電装置側の受電コイルを含む共振回路の共振周波数に合わせることが好ましい。共振回路の特性として、インピーダンスが極大となる並列共振周波数と、インピーダンスが極小となる直列共振周波数が存在することが判明しているが、より好ましくは直列共振周波数に高周波電流の周波数を合わせることができる。さらに、送電コイルと受電コイルとの間の距離や角度の変化等によって共振周波数が変化する場合には、この受電装置側の共振周波数の変化に追従して高周波電流の周波数も自動的に変動するよう構成することもできる。
【0027】
無線データ受信手段は、受電装置の無線データ送信手段の構成に適合する適宜のものであってよく、無線データ送信手段が上述したような受電側の負荷変動による2値ASK変調を行う構成の場合には、送電コイルに流れる高周波電流に重畳する受信信号波形を検波する検波回路によって構成でき、検波により得られるシリアルデータが報知手段に入力されるよう構成できる。
【0028】
報知手段は、受信したデータに含まれる情報に応じて所定の報知を行うものであり、報知処理プログラムが実装されたマイクロプロセッサなどからなる報知処理部と、報知処理部によって駆動制御されるLEDやブザーなどからなる報知部とを備えることができる。受電装置の無線データ送信手段が送信するデータには、受電中の電力などの受電コイルへの給電状況に関する情報を含ませることができ、報知手段は、給電状況の変化に応じて報知内容を変更するよう構成できる。例えば、送電中の電力に対する受電中の電力の割合に応じてLEDの点滅速度を増減するよう報知処理部を構成することで、受電装置がワイヤレス給電装置の送電コイルに対して適切に位置付けられているか否かをユーザに知らせることができる。
【0029】
本開示によるワイヤレス給電装置は、前記ドライバ回路の電源電圧(送電コイルに供給する高周波電流の電源電圧)を調整する電源電圧調整制御手段をさらに備えることができ、これにより受電装置からの要求(例えば、受電装置の無線データ送信手段が送信するデータに含まれる必要電力に関する情報)に応じて送電電力を調整可能となる。電源電圧調整制御手段は適宜の構成であってよいが、例えば、マイクロプロセッサなどからなる電圧制御部と、ワイヤレス給電装置の主電源回路が出力する主電源電圧を電圧制御部が指令する電圧に変換して高周波電流の電源電圧としてドライバ回路に出力する電圧変換回路とにより構成できる。電圧変換回路は、DC/DCコンバータ又は可変型定電圧レギュレータであってよい。DC/DCコンバータは、主電源電圧より低い最低電圧から主電源電圧より高い最高電圧まで出力可能なアップ/ダウンコンバータであってよい。なお、電圧制御部及び報知処理部は、共通のマイクロプロセッサにより構成することが好ましいが、別のマイクロプロセッサにより構成することもできる。
【0030】
電源電圧調整制御手段、より好ましくは電圧制御部は、前記報知手段により所定の報知を行う際の第1の制御モードと、前記受電装置の前記二次電池を満充電するための第2の制御モードとを選択的に実行可能に構成することができる。かかる制御モードの選択は、ワイヤレス給電装置に設けた操作部の所定の操作によって行われるよう構成することもできるし、また、充電開始時の所定時間は第1の制御モードが実行され、その後第2の制御モードが自動的に実行されるよう構成することもできる。
【0031】
第1の制御モード実行時は、比較的低い定電圧がドライバ回路に供給されるよう電圧制御部が電圧変換回路を制御するよう構成でき、報知手段は、第1の制御モード実行時に給電状況の変化に応じた報知動作を行うよう構成できる。これにより、送電コイルに対する受電コイルの位置関係の変化、特に両コイルの軸心方向の相対角度の変化による受電電力の変動が比較的顕著に表れるようになり、球状の受電装置に埋め込まれた受電コイルが送電コイルに対してより適切な位置関係となるよう報知手段の報知内容に基づいて容易に受電装置を回転操作しつつ調整することができる。
【0032】
一方、第2の制御モード実行時には、二次電池の充電状態に応じて電圧変換回路の出力電圧(高周波電流の電源電圧)を所定範囲内で変更することで、二次電池を適切な充電プロファイルで充電できる。充電プロファイルは適宜のものであってよいが、充電時間の短縮と電池セルの劣化防止の観点からCCCV方式とすることができる。
【0033】
第1の制御モード実行時の電圧変換回路の出力電圧は、第2の制御モード実行時の電圧変換回路の出力電圧の調整範囲の最大電圧よりも小さな定電圧とすることが好ましく、より好ましくは上記調整範囲の中間電圧よりも小さな定電圧とすることが好ましい。例えば、第2の制御モード実行時の上記調整範囲が1〜7Vの場合、第1の制御モード実行時には3Vの定電圧がドライバ回路に電源電圧として供給されるよう構成できる。
【0034】
さらに、本開示によるワイヤレス給電装置は、受電装置の表面に付された前記マークが所定方向、例えば手前、を向くように受電装置を保持部に保持させたとき、受電コイル及び送電コイルのそれぞれの軸心が平行となるように、保持部に対して送電コイルを位置付けることができる。これにより、ユーザが受電装置の表面に付されたマークを見ながら予め定められた方向を向くようにしてワイヤレス給電装置の保持部に置くことで、受電コイルと送電コイルとを適切な位置関係に簡単に配置させることができる。なお、受電コイル及び送電コイルのそれぞれの軸心が平行とは、それぞれの軸心が一致する場合を含む。また、実使用時は、前記マークが所定方向から若干ずれた方向(例えば斜め上方、斜め下方、斜め左右方向など)を向くように受電装置が保持部に保持され、これにより受電コイル及び送電コイルのそれぞれの軸心の間に角度が生じることもあるが、そのような場合でも給電可能であれば給電動作を行うよう構成できる。例えば、受電コイル及び送電コイルのそれぞれの軸心の間の相対角度として−30°〜+30°程度は許容しつつワイヤレス給電動作を行わせることができる。
【0035】
より好ましくは、前記受電コイル及び前記送電コイルのそれぞれの軸心が平行となるように前記受電装置の前記保持部に保持されると、径方向から見て前記受電コイル及び前記送電コイルが少なくとも部分的にオーバーラップするように、前記保持部に対して前記送電コイルが位置付けられていてよい。これによれば、上記マークが所定方向を向くように受電装置を保持部に保持させると、それぞれ所定の軸長を有する受電コイル及び送電コイルがオーバーラップするため、これら両コイルの磁気的結合がより密になり、一層の給電効率の向上が図られる。
【0036】
以下、本開示による実施形態を図面に基づいて説明する。
図1図5は、本発明の第1実施形態に係る電磁誘導方式のワイヤレス給電装置としての充電器1と、受電装置としてのボール状計測装置2とを示している。これら充電器1と計測装置2とによって、ワイヤレス給電システムが構成される。
【0037】
〔計測装置の構成〕
まず、計測装置2の構成について図4を参照しつつ説明すると、本実施形態のボール状計測装置2は、野球の硬式用野球ボールの芯部に替えて、計測装置を構成する電子部品を内蔵する球状のカプセル20が埋め込まれ、このカプセル20の外周に、本物の硬式用野球ボールと同様に毛糸21(ウール)及び木綿糸22を巻き付け、外表面を白色の馬皮または牛皮からなる2つの表皮23で包み、2つの表皮23の接合部を頑丈に縫い合わせることで製造されている。
【0038】
カプセル20内には、受電コイル24、コイン形リチウム二次電池25、制御基板26、及び、受電コイル24の内周側に貼り付けられた磁気シート27が内蔵されている。受電コイル24は二次電池25の厚みと同等若しくは若干大きな軸長を有するソレノイドコイルであり、軸方向から見て円形に巻回されている。受電コイル24は所定の軸長を有することから、二次電池25の外周を覆うように筒状とした磁気シート27を安定的に貼り付けることができる。受電コイル24及び磁気シート27の直径は、カプセル20の内径よりも小さく、二次電池25の外径よりも大きい。制御基板26は、軸方向からみて円形状であってよく、二次電池25の直径と同等の直径を有する。なお、カプセル20内にはシリコーンゲルなどの充填剤が充填され、これにより受電コイル24、二次電池25及び制御基板26をカプセル20内で動かないように固定している。
【0039】
制御基板26上には、図5に示すように、受電コイル24で受電した電力を用いて二次電池25を充電するための充電IC261(充電回路)と、受電コイル24とともに並列共振回路を構成するコンデンサ262と、当該共振回路のインピーダンスを変化させるための負荷回路263(無線データ送信手段)と、二次電池25から供給される電力により動作するマイクロプロセッサなどからなる制御部264と、外部のスマートフォンなどの携帯電子機器との間で双方向無線通信を行うための無線IC265(無線通信回路)と、ボール状計測装置2を投げたときのボールの回転数や回転軸や球速などを検出するためのセンサー266とが実装されている。なお、コンデンサ262を受電コイル24に直列に接続して直列共振回路を構成してもよい。
【0040】
充電IC261は、受電コイル24で受電した電力で動作し、電力供給が開始されると予め定められた充電プロファイルに従って二次電池25の充電動作制御を開始する。充電プロファイルとしてCCCV方式を採用することが好ましく、充電初期は定電流充電を行い、その後定電圧充電を行うことで、二次電池25の劣化を抑えつつ充電速度を速くすることができる。
【0041】
また、充電動作制御中、充電IC261は、所定の情報を含むパケットデータを定期的に充電器1へ送信すべく、負荷回路263に2値信号を出力する。送信するパケットデータには、受電コイル24への給電状況(受電中の電力など)、二次電池25の充電状態(充電率など)、充電プロファイルに従う二次電池25の充電に現時点で必要な必要電力(若しくは現在の受電電力に対する必要電力の差分)、二次電池25の温度、充電IC261が検出するエラー情報、並びに、送電停止要求などの各種情報乃至指令を含むことができる。このパケットデータは、例えば80〜100ビット程度であってよい。充電IC261が負荷回路263に2値信号を出力すると受電コイル24を流れる電流波形に2値ASK変調信号が重畳され、当該変調信号が電磁的相互作用によって送電コイル11に送信される。而して、充電IC261及び負荷回路263によって、充電器1に対し単方向無線データ通信を行う。
【0042】
なお、送電コイル11及び受電コイル24とは別のアンテナコイルを充電器1及び計測装置2に内蔵させて、該アンテナコイルを介して上記パケットデータを送受信するよう構成することも可能ではあるが、装置構成の簡素化のためには図5に示す回路構成が好ましい。
【0043】
制御部264は、センサー26の検出信号に基づいて、ボール状計測装置2が投げられたときの回転数、回転軸及び球速を計測乃至分析し、その結果をメモリに記憶する。また、外部機器から無線IC265を介して通信要求があると、該要求にしたがって記憶した計測結果乃至分析結果を外部機器に対して無線IC265を介して送信する。
【0044】
また、ボール状計測装置2の表皮23の外表面には、内部に埋め込まれた受電コイル24の軸心との交差部分にマークMが付されており、このマークMが手前を向くようにボール状計測装置2を充電器1に設置することで、受電コイル24の軸心が充電器1の送電コイル11の軸心と平行になる。このようなマークMを付す方法として、ボール状計測装置2の製造工程における木綿糸22の巻き付け後であって表皮23の縫合前に、本実施形態の充電器1若しくは後述する第2実施形態の検査器1’を用いて内部に埋め込まれた受電コイル24の軸心方向を検査し、判明した軸心位置にマークMが位置するようにマークMが付された表皮23を縫い付けることができる。
【0045】
〔充電器の構成〕
次に、本実施形態に係るワイヤレス給電装置としての充電器1の構成について詳細に説明する。
【0046】
図1図3に示すように、充電器1は、断面中空で且つ全体としてリング状のハウジング10を備えるとともに、このハウジング10内に、所定の軸長を有するソレノイドコイルからなる送電コイル11がリング形状の全体にわたって内蔵されている。また、ハウジング10は、そのリング形状が起立した状態で机上に設置可能な底面を有し、ハウジング10の底部には回路基板12や主電源装置(図示せず)などが内蔵されている。ハウジングのリング形状の内径はボール状計測装置2の外径よりも大きく、ハウジング10のリング形状の内部にボール状計測装置2を配置可能である。
【0047】
また、図2に示すように、ハウジング10のリング形状の内面底部には、野球の硬式用野球ボールの大きさのボール状計測装置2を転がることなく保持するための円弧状凹部からなる保持部10aが設けられている。さらに、本実施形態では、ハウジング10のリング形状の内面全体が、ソフトボールの大きさの第2のボール状計測装置2’を保持するための第2の保持部10bを構成している。なお、保持部10aは、図3Aの(a)に示すようにハウジング10自体の底部上面に形成した凹部であってよい。また、図3Aの(b)に示すようにハウジング10の底部上面はフラットに成形して、この底部上面に皿状部材100を取り付けて、この皿状部材100の上面に形成された凹部によって保持させることもでき、これによりハウジング10の成形金型の簡素化を図り、コスト低減を図ることができる。
【0048】
図2及び図3に示すように、マークMが手前を向くようにボール状計測装置2を保持部10aに保持させたとき、該計測装置2の受電コイル24の軸心と、充電器1の送電コイル11の軸心とが平行となるように、保持部10aに対して送電コイル11が配置されている。また、このとき、径方向から見て受電コイル24及び送電コイル11が少なくとも部分的にオーバーラップするように、保持部10aに対して送電コイル11が位置付けられている。図示実施例では、マークMが手前を向くように計測装置2を保持部10aに保持させると、受電コイル24は、完全に送電コイル11の軸方向範囲内に包含されるようになっている。
【0049】
同様に、第2のボール状計測装置2’を第2の保持部10bに保持させた場合も、計測装置2’の受電コイル24’の軸心と、充電器1の送電コイル11の軸心とが平行となるように、保持部10bに対して送電コイル11が配置されている。また、このとき、径方向から見て受電コイル24’及び送電コイル11が少なくとも部分的にオーバーラップするように、保持部10bに対して送電コイル11が位置付けられている。
【0050】
回路基板12上には、図5に示すように、受電コイル24に対してワイヤレス給電するための磁束を生じさせるように送電コイル11に高周波電流を供給するドライバ回路13と、高周波電流の電源電圧(ドライバ回路13に供給される電圧)を主電源電圧(5V)に基づいて生成出力する電圧変換回路14と、送電コイル11を流れる高周波電流に重畳する計測装置2からの変調信号を検波する検波回路15からなる無線データ受信手段と、検波回路15により受信したデータに基づいて各種制御を行うマイクロプロセッサなどからなる制御部16と、2つのLED17a,17bからなる報知部とを備えている。なお、図示していないが電源スイッチを設けておくことが好ましい。
【0051】
2つのLED17a,17bはそれぞれ別の色で発光するものとすることができ、一方のLED17aは例えば充電電力レベルの表示のために用い、他方のLED17bは例えば充電器1に対する計測装置の位置調整レベル(例えば、送電コイル11に対する受電コイル24の位置関係の適切度)の表示のために用いることができる。
【0052】
ドライバ回路13は、本実施形態では電圧形ハーフブリッジインバータにより構成されており、2つのスイッチング素子Q1,Q2により構成されるアームと、制御部16からの制御信号に基づいて各スイッチング素子Q1,Q2に駆動信号を出力するPWM回路13aとによって主構成されている。
【0053】
電圧変換回路14は、本実施形態ではアップ/ダウンレギュレータにより構成されており、主電源電圧より低い最低電圧(例えば1V)から、主電源電圧より高い最高電圧(例えば7V)まで、制御部16に実装された制御プログラム等により構成される電圧制御部からの指令に基づいて出力電圧を調整可能に構成されている。而して、制御部16の電圧制御部及びアップ/ダウンレギュレータ14により、送電コイル11に供給する高周波電流の電源電圧を調整する電源電圧調整制御手段が構成されている。なお、電圧変換回路14の出力側には電源電圧を安定化させるために、図5に示されるようにデカップリングコンデンサを設けておくことが好ましい。
【0054】
検波回路15は、計測装置2の無線データ送信手段の負荷変調動作によって送電コイル11に発生する負荷変調成分を検波して、その検出信号を制御部16に出力する。なお、制御部16のアナログ入力ポートに検波信号を入力させ、制御部16が検波信号からパケットデータを抽出するよう構成してもよいし、また、検波回路15内にA/Dコンバータを設けて、検波回路15において二値シリアルデータを生成して、制御部16のシリアル入力ポートに入力させることも可能である。而して、検波回路15及び制御部16によって、計測装置2側から送信されるパケットデータを受信する。
【0055】
制御部16には、アップ/ダウンレギュレータ14の出力電圧制御を行う電圧制御部と、LED17a,17bの駆動制御を行う報知制御部とが、制御プログラム等によって実装されている。
【0056】
電圧制御部は、計測装置2から受信するパケットデータに含まれる必要電力に関する情報に基づいて、計測装置2側が要求する電力の送電を行うように電圧変換回路14の出力電圧制御を行う。
【0057】
報知制御部は、計測装置2から受信するパケットデータに含まれる二次電池25の充電率に応じて、LED17aの点滅パターンを変更制御する。例えば、SOCが70%未満であれば0.5秒周期での点滅、SOCが70〜80%で0.3秒周期での点滅、80〜90%で0.1秒周期での点滅、90%以上で点灯させるよう制御することで、ユーザに計測装置2の二次電池の充電状態を分かりやすく表示できる。
【0058】
また、報知制御部は、パケットデータに含まれる給電状況に関する情報に応じて、LED17bの点滅パターンを変更制御する。例えば、電圧変換回路14の出力電圧に基づいて算出される送電電力に対する、パケットデータに含まれる受電中電力の割合が小さいほどLED17bの点滅速度を遅くし、送電電力に対する受電中電力の割合が大きいほどLED17bの点滅速度を速くすることで、送電効率の良否を分かりやすく表示できる。なお、送電電力に対する割合ではなく、受電中電力の値に応じて点滅速度を変動させることもできる。また、電力ではなく、受電コイル24に生じる電圧に基づいて同様の制御を行うこともできる。
【0059】
また、制御部16は、報知手段により給電状況を報知する際の第1の制御モード(位置調整モード)と、計測装置2の二次電池25を満充電するための第2の制御モード(充電モード)とを選択的に実行可能に構成することができる。かかる制御モードの選択は、ハウジング10に設けた操作ボタンなどからなるモード選択操作部(図示せず)の操作によって行われるように構成することもできるし、また、ボール状計測装置2が充電器1のリング形状の内部に配置されたことをパケットデータに含まれる情報に基づいて制御部16が検出すると、所定時間(例えば10秒間)、第1の制御モードが実行され、その後自動的に第2の制御モードが実行されて、充電制御を行うよう構成することもできる。
【0060】
本実施形態では、第1の制御モード実行時は、電圧変換回路の出力電圧を、比較的低い定電圧、例えば3Vに維持するよう電圧制御部が構成されている。これにより充電器1からの送電出力が一定となるため、パケットデータに含まれる給電状況に関する情報の変動は、送電コイル11に対する受電コイル24の位置関係の変化のみに基づくこととなり、受電コイル24が送電コイル11に対してどの方向を向いているのかが判別しやすくなる。したがって、計測装置2の外表面にマークMが付されていない場合や、計測装置2の製造工程途中で受電コイル24の軸心方向を検査したい場合にも、第1の制御モードの実行によって受電コイル24の軸心方向を的確に判別可能となる。
【0061】
第2の制御モード実行時は、上述したように、CCCV方式での充電プロファイルにしたがって二次電池25を満充電するよう、計測装置2の充電IC261と協働しつつ電圧変換回路14の出力電圧制御を行い、計測装置2側から充電動作停止指令を受信すると送電動作を終了するよう構成できる。
【0062】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜設計変更できる。例えば、計測装置2にマークMを付した状態で出荷されるのであれば、給電状況に関する報知を行うLED17b並びに第1の制御モードは不要であり、充電状態に関する報知のみを行うよう構成することができる。
【0063】
また、製造工程途中で計測装置2の内部に埋め込まれた受電コイル24の軸心方向の検査目的に使用する検査器1’として本発明のワイヤレス給電装置を実施することもできる。この場合、計測装置2の二次電池25を満充電する機能は不要であるため、図6に示すように、電圧変換回路14’として一定電圧を出力する三端子レギュレータを用い、満充電に必要となる電圧範囲の最大電圧よりも低い電圧、例えば3Vの定電圧をドライバ回路13に出力してワイヤレス給電を行い、そのときの給電状況に関する情報に基づいてLED17bの点滅速度を変化させるよう構成することもできる。これにより、装置構成の簡素化と低コスト化を図ることができる。
【0064】
また、本発明のワイヤレス給電装置は、上記実施形態で説明したボール状計測装置2,2’のみならず、種々の球状の受電装置に対するワイヤレス給電装置として実施可能である。
【0065】
また、図1図3に示した第1の実施形態ではワイヤレス給電装置1のリング形状が起立した状態で机上に設置可能に構成したが、図7及び図8に示す第3の実施形態のようにワイヤレス給電装置1''のハウジング10をお椀型に構成することもできる。このワイヤレス給電装置1''では、半球面状凹部からなる保持部10aが上方に開口するよう設けられたハウジング10を備えている。ハウジング10には、その上端開口縁部近傍に送電コイル11が内蔵されており、この送電コイル11の軸心は上下方向に沿っている。このワイヤレス給電装置1''の保持部10aに、マークMが上方を向くようにボール状計測装置2を保持させると、計測装置2の受電コイル24の軸心と送電コイル11の軸心とが略平行となるとともに、径方向から見て送電コイル11と受電コイル24とが少なくとも部分的に重複するようになっている。
【符号の説明】
【0066】
1,1’,1'' ワイヤレス給電装置
11 送電コイル
13 ドライバ回路
14 電圧変換回路
15 無線データ受信手段
16 制御部(報知手段及び電源電圧調整制御手段)
17 報知部
2 受電装置
20 カプセル
24 受電コイル
25 二次電池
26 制御基板
261 充電回路
263 無線データ送信手段を構成する負荷回路
図1
図2
図3
図3A
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】