特表-19059179IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社クラレの特許一覧
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年3月28日
【発行日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】車両用表示装置の導光板
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20201120BHJP
   C08L 33/12 20060101ALI20201120BHJP
   C08F 6/10 20060101ALI20201120BHJP
   C08F 20/14 20060101ALI20201120BHJP
【FI】
   B60R11/02 C
   C08L33/12
   C08F6/10
   C08F20/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
【出願番号】特願2019-543640(P2019-543640)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年9月18日
(31)【優先権主張番号】特願2017-180229(P2017-180229)
(32)【優先日】2017年9月20日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000001085
【氏名又は名称】株式会社クラレ
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 達
(72)【発明者】
【氏名】中原 淳裕
【テーマコード(参考)】
3D020
4J002
4J100
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BB01
3D020BC01
4J002AE042
4J002AE052
4J002BG061
4J002EC020
4J002EF050
4J002EP010
4J002EP020
4J002EP030
4J002FD170
4J002FD172
4J002GN00
4J100AL03P
4J100AL03Q
4J100CA01
4J100CA04
4J100DA25
4J100DA42
4J100DA62
4J100GB07
4J100GB09
4J100JA00
(57)【要約】
本発明は、99質量%〜100質量%のメタクリル酸メチルに由来する構造単位と、0質量%〜1質量%のアクリル酸エステルに由来する構造単位を含むメタクリル樹脂(A)を含み、光路長を180mm換算した場合の450nmの波長の透過率が65%以上であり、DSCで10℃/minの昇温測定で評価した中点のガラス転移温度が118〜124℃であり、残存するメタクリル酸メチルの量が1.0質量%以下である車両用表示装置の導光板を提供するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
99質量%〜100質量%のメタクリル酸メチルに由来する構造単位と、0質量%〜1質量%のアクリル酸エステルに由来する構造単位を含むメタクリル樹脂(A)を含み、
光路長を180mm換算した場合の450nmの波長の透過率が65%以上であり、
DSCで10℃/minの昇温測定で評価した中点のガラス転移温度が118〜124℃であり、
残存するメタクリル酸メチルの量が1.0質量%以下である車両用表示装置の導光板。
【請求項2】
導光板を粉砕し測定したメルトフローレートが5g/10分以上、40g/10分以下である、請求項1に記載の車両用表示装置の導光板。
【請求項3】
滑剤をメタクリル樹脂(A)の100質量部に対して0.01〜1質量部含有する請求項1または2に記載の車両用表示装置の導光板。
【請求項4】
98.6質量%〜100質量%のメタクリル酸メチルと0質量%〜1.4質量%のアクリル酸エステルを含むモノマー混合物をラジカル重合により重合させて99質量%〜100質量%のメタクリル酸メチルに由来する構造単位と、0質量%〜1質量%のアクリル酸エステルに由来する構造単位を含むメタクリル樹脂(A)を得る工程、不活性ガス雰囲気下の加熱脱揮により得られたメタクリル樹脂(A)を含む反応混合物から未反応単量体を除去して、残存するメタクリル酸メチルの量を1.0質量%以下にする工程を含む、メタクリル樹脂(A)の製造方法。
【請求項5】
不活性雰囲気が窒素雰囲気である、請求項4に記載のメタクリル樹脂(A)の製造方法。
【請求項6】
加熱脱揮を二軸押出機を用いて行い、二軸押出機のシリンダ加熱温度が200〜230℃である、請求項4又は5に記載のメタクリル樹脂(A)の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用表示装置の導光板に関する。より詳細に、本発明は、耐熱性が高く、透過率が高く、賦形率の高い導光板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両に搭載される液晶表示装置が大型化し、導光板に求められる物性も高度化してきた。特に大型化することで、光路が長くなり、より高い透明性が求められる一方、車両用に本来必要な耐熱性も要求される。
導光板の原料として使用されるメタクリル樹脂は、透明性が高く、成形性も良好であることから車両用導光板に用いられてきた。共重合や環化反応させることで耐熱性を向上させた樹脂が提案されているが、透明性が不十分であり、耐熱性と透明性の両方を満足する材料が求められていた。
特許文献1,2は、偏光子などの光学部材に使用するメタクリル樹脂組成物を記載しているが、その透光性は車両用表示装置に用いる導光板としては改良の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2014/002505号公報
【特許文献2】特開2017−048344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記背景に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、耐熱性が高く、透過率が高く、賦形率の高い導光板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記の目的を達成すべく検討を重ねた結果、以下の態様を包含する本発明を完成するに至った。
【0006】
[1]
99質量%〜100質量%のメタクリル酸メチルに由来する構造単位と、0質量%〜1質量%のアクリル酸エステルに由来する構造単位を含むメタクリル樹脂(A)を含み、
光路長を180mm換算した場合の450nmの波長の透過率が65%以上であり、
DSCで10℃/minの昇温測定で評価した中点のガラス転移温度が118〜124℃であり、
残存するメタクリル酸メチルの量が1.0質量%以下である車両用表示装置の導光板。
[2]
導光板を粉砕し測定したメルトフローレートが5g/10分以上、40g/10分以下である、[1]に記載の車両用表示装置の導光板。
[3]
滑剤をメタクリル樹脂(A)の100質量部に対して0.01〜1質量部含有する[1]または[2]に記載の車両用表示装置の導光板。
[4]
98.6質量%〜100質量%のメタクリル酸メチルと0質量%〜1.4質量%のアクリル酸エステルを含むモノマー混合物をラジカル重合により重合させて99質量%〜100質量%のメタクリル酸メチルに由来する構造単位と、0質量%〜1質量%のアクリル酸エステルに由来する構造単位を含むメタクリル樹脂(A)を得る工程、不活性ガス雰囲気下の加熱脱揮により得られたメタクリル樹脂(A)を含む反応混合物から未反応単量体を除去して、残存するメタクリル酸メチルの量を1.0質量%以下にする工程を含む、メタクリル樹脂(A)の製造方法。
[5]
不活性雰囲気が窒素雰囲気である、[4]に記載のメタクリル樹脂(A)の製造方法。
[6]
加熱脱揮を二軸押出機を用いて行い、二軸押出機のシリンダ加熱温度が200〜230℃である、[4]又は[5]に記載のメタクリル樹脂(A)の製造方法。
【0007】
以下、本発明の導光板および導光板の原料であるメタアクリル樹脂(A)について説明する。本発明において、メタアクリル樹脂(A)に関する種々の物性は、本発明の導光板を分析することでわかる。導光板の状態では分析できない項目は、導光板を粉砕し分析することができる。
【0008】
本発明の導光板および導光板に用いられるメタクリル樹脂(A)は、メタクリル酸メチルに由来する構造単位を99質量%以上含有するものである。メタクリル樹脂(A)において、メタクリル酸メチルに由来する構造単位の含有量は、好ましくは99.1質量%以上、より好ましくは99.2質量%以上、さらに好ましくは99.3質量%以上である。
【0009】
メタクリル酸メチルに由来する構造単位以外の構造単位としては、例えば、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル(メタクリル酸メチルを除く);アクリル酸フェニルなどのアクリル酸アリールエステル;アクリル酸シクロへキシル、アクリル酸ノルボルネニルなどのアクリル酸シクロアルキルエステル;スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;アクリルアミド;メタクリルアミド;アクリロニトリル;メタクリロニトリル;などの一分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を一つだけ有するビニル系単量体に由来する構造単位が挙げられる。これらの中で、共重合し易く、高い透明性を有する樹脂が得られるという点から、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位が好ましい。
【0010】
メタクリル酸メチルに由来する構造単位以外の構造単位の含有量は1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が最も好ましい。
特に、アクリル酸エステルに由来する構造単位の含有量は、0質量%〜1質量%であり、好ましくは、0.9質量%以下、さらに好ましくは0.8質量%以下、よりさらに好ましくは0.7質量%以下である。アクリル酸エステルに由来する構造単位の含有量が1質量%超となると、メタクリル樹脂(A)のガラス転移温度が低下する。
【0011】
本発明の導光板および導光板に用いられるメタクリル樹脂(A)は、三連子表示のシンジオタクティシティ(rr)が、好ましくは53%〜58%であり、より好ましくは54%〜57%である。シンジオタクティシティが大きすぎると、メタクリル樹脂のガラス転移温度が124℃よりも高くなる一方、成形加工温度が高くなり発泡し易くなる。一方、シンジオタクティシティが小さすぎると、ガラス転移温度が118℃よりも低く、耐熱性の低い樹脂になってしまう。
【0012】
ここで、三連子表示のシンジオタクティシティ(rr)について説明する。ポリマー分子中の構造単位の連鎖(2連子、diad)において立体配置が同じものをメソ(meso)、逆のものをラセモ(racemo)と称し、それぞれm、rと表記する。連続する3つの構造単位の連鎖(3連子、triad)が有する2つの連鎖(2連子、diad)が、ともにラセモ(rrと表記する)である割合が、三連子表示のシンジオタクティシティ(rr)(以下、単に「シンジオタクティシティ(rr)」と称する)である。
【0013】
三連子表示のシンジオタクティシティ(rr)(%)は、重水素化クロロホルム中、30℃で、1H-NMRスペクトルを測定し、そのスペクトルからTMSを0ppmとした際の、0.6〜0.95ppmの領域の面積(X)と0.6〜1.35ppmの領域の面積(Y)とを計測し、式:(X/Y)×100にて算出した値である。
【0014】
本発明の導光板および導光板に用いられるメタクリル樹脂(A)は、重量平均分子量(以下、「Mw」と称する)が好ましくは40000〜80000、より好ましくは50000〜70000、である。かかるMwが40000以上であることで得られる導光板は耐衝撃性および靭性に優れる傾向となる。80000以下であることでメタクリル樹脂の成形加工性が高まるので、得られる導光板の厚さが均一で且つ表面平滑性に優れる傾向となる。
【0015】
本発明の導光板および導光板に用いられるメタクリル樹脂(A)は、Mwと数平均分子量(以下、「Mn」と称する)の比(Mw/Mn:以下、この値を「分子量分布」と称する)が、好ましくは1.2〜2.5、より好ましくは1.5〜2.0である。分子量分布が1.2以上であることでメタクリル樹脂の流動性が向上し、得られる導光板は表面平滑性に優れる傾向となり、2.5以下であることで得られる導光板は表面硬度に優れる傾向となる。なお、MwおよびMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定したクロマトグラムを標準ポリスチレンの分子量に換算した値である。
【0016】
本発明の導光板および導光板に用いられるメタクリル樹脂(A)は、JIS K7210に準拠して、230℃、3.8kg荷重の条件において測定される、メルトフローレートが、好ましくは1g/10分以上、より好ましくは5〜40g/10分、さらに好ましくは8〜30g/10分である。
【0017】
本発明の導光板および導光板に用いられるメタクリル樹脂(A)のDSCで10℃/minの昇温測定で評価した中点のガラス転移温度は、好ましくは118℃以上、より好ましくは119℃以上、さらに好ましくは120℃以上である。該メタクリル樹脂のガラス転移温度の上限は通常124℃以下であり、好ましくは123℃以下、より好ましくは122℃以下である。ガラス転移温度は、単量体組成、分子量、シンジオタクティシティ(rr)等を調節することによって制御することができる。ガラス転移温度がこの範囲にあると、得られる導光板の熱収縮などの変形が起こり難く、導光板の成形時における樹脂の熱分解を抑制しやすい。本発明の導光板のガラス転移温度は導光板を粉砕し、粉にした試料を用いて、実施例に記載の方法にて測定することができる。
【0018】
本発明の導光板および導光板に用いられるメタクリル樹脂(A)の酢酸換算の酸価は、耐熱分解性が良好であるという観点から40ppm以下が好ましく、より好ましくは30ppm以下、さらに好ましくは20ppm以下である。酢酸換算の酸価が高い場合、耐熱分解性に劣るだけでなく、成形時に他の化合物と反応してゲルなどを発生させ、成形体のブツ欠点になる恐れがあり、好ましくない。
酸価の評価は、JIS K0070:1992の酸価をKOH換算ではなく酢酸量に換算した後、メタクリル樹脂(A)の重量に対して含有している酢酸量として算出した値である。具体的には実施例に記載の方法で測定すればよい。
【0019】
本発明の導光板および導光板に用いられるメタクリル樹脂(A)の空気雰囲気、温度290℃一定、時間20分で測定した熱重量保持率は、耐熱分解性の観点から、75%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、85%以上が最も好ましい。
熱重量保持率の測定は、熱重量測定装置(島津製作所製、TGA)を用いて、空気雰囲気下、メタクリル樹脂(A)を、乾燥空気の流速50ml/分にて、50℃から290℃まで20℃/分で昇温させた後、空気雰囲気下のまま290℃にて20分間保持する条件にて熱重量減少を測定すればよい。50℃の重量(X1)を基準(保持率100%)にして、290℃にて20分間保持した時の重量(X2)をもとに、下記式で耐熱分解性を評価できる。重量保持率が高いほど耐熱分解性が高いと言える。
重量保持率(%)=(X2/X1)×100(%)
【0020】
本発明の導光板および導光板に用いられるメタクリル樹脂(A)は、クロロホルムに溶解させた際の不溶分が1質量%以下であるのが好ましい。クロロホルムに溶解させた際の不溶分は、導光板を粉砕し、粉にした試料を用いて実施例に記載の方法にて測定することができる。該不溶分は、メタクリル樹脂(A)の製造に多官能単量体を共重合しないことにより1質量%以下とすることができる。
【0021】
本発明の導光板に用いられるメタクリル樹脂(A)の製造方法は、限定されないが、着色が少なく、酢酸換算の酸価が小さく、耐熱分解性が良好で、また生産性が良好であるという観点から、ラジカル重合法が好ましい。
該ラジカル重合法は、低不純物濃度のメタクリル樹脂(A)が得られるという観点から無溶媒で行う塊状重合が好ましい。特に生産性の観点から、連続塊状重合が好ましい。成形体にシルバーストリークや着色が発生するのを抑制する観点から、重合反応は溶存酸素量を低くして行うことが好ましい。また、重合反応は、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
【0022】
メタクリル樹脂(A)の製造のためのラジカル重合法において用いられる重合開始剤は、反応性ラジカルを発生するものであれば特に限定されない。例えば、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエ−ト、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエ−ト、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、ベンゾイルパーオキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。これらのうち、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)が好ましい。
【0023】
かかる重合開始剤の1時間半減期温度は好ましくは60〜140℃、より好ましくは80〜120℃である。また、メタクリル樹脂(A)の製造のために用いられる重合開始剤は、水素引抜き能が、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。このような重合開始剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。重合開始剤の使用量は、重合反応に供される単量体100質量部に対して好ましくは0.0001〜0.02質量部、より好ましくは0.001〜0.01質量部、さらに好ましくは0.005〜0.007質量部である。
【0024】
なお、水素引抜き能は重合開始剤製造業者の技術資料(例えば日本油脂株式会社技術資料「有機過酸化物の水素引抜き能と開始剤効率」(2003年4月作成))などによって知ることができる。また、α−メチルスチレンダイマーを使用したラジカルトラッピング法、即ちα−メチルスチレンダイマートラッピング法によって水素引抜き能を測定することができる。当該測定は、一般に、次のようにして行われる。まず、ラジカルトラッピング剤としてのα−メチルスチレンダイマーの共存下で重合開始剤を開裂させてラジカル断片を生成させる。生成したラジカル断片のうち、水素引抜き能が低いラジカル断片はα−メチルスチレンダイマーの二重結合に付加して捕捉される。一方、水素引抜き能が高いラジカル断片はシクロヘキサンから水素を引き抜き、シクロヘキシルラジカルを発生させ、該シクロヘキシルラジカルがα−メチルスチレンダイマーの二重結合に付加して捕捉され、シクロヘキサン捕捉生成物を生成する。そこで、シクロヘキサン、またはシクロヘキサン捕捉生成物を定量することで求められる、理論的なラジカル断片発生量に対する水素引抜き能が高いラジカル断片の割合(モル分率)を水素引抜き能とする。
【0025】
メタクリル樹脂(A)の製造のためのラジカル重合法において用いられる連鎖移動剤としては、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、エチレングリコールビスチオプロピオネート、ブタンジオールビスチオグリコレート、ブタンジオールビスチオプロピオネート、ヘキサンジオールビスチオグリコレート、ヘキサンジオールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス−(β−チオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネートなどのアルキルメルカプタン類などが挙げられる。これらのうちn−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタンなどの単官能アルキルメルカプタンが好ましい。これら連鎖移動剤は1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0026】
かかる連鎖移動剤の使用量は重合反応に供される単量体100質量部に対して好ましくは0.1〜1質量部、より好ましくは0.15〜0.8質量部、さらに好ましくは0.2〜0.6質量部、最も好ましくは0.2〜0.5質量部である。また、該連鎖移動剤の使用量は、重合開始剤100質量部に対して好ましくは2500〜10000質量部、より好ましくは3000〜9000質量部、さらに好ましくは3500〜6000質量部である。連鎖移動剤の使用量を上記範囲にすると、得られるメタクリル樹脂(A)は良好な成形加工性と高い力学強度を有する傾向となる。
【0027】
重合反応時の温度は好ましくは90〜120℃、より好ましくは95〜115℃、さらに好ましくは98〜110℃である。重合温度が120℃以下であることで、重合速度の向上、重合液の低粘度化などに起因して生産性が向上する傾向となる。また重合温度が120℃以下であることで、重合速度の制御が容易になり、さらに副生成物の生成が抑制され、また所望のガラス転移温度を有するメタクリル樹脂が得られる。重合反応時の温度は反応器のジャケットの温度や、重合転化率によって制御することができる。
重合反応の時間は好ましくは0.5〜4時間、より好ましくは1.5〜3.5時間、さらに好ましくは1.5〜3時間である。なお、連続流通式反応装置の場合は、かかる重合反応の時間は反応器における平均滞留時間である。重合反応時の温度および重合反応の時間が上記範囲にあると、透明性に優れたメタクリル樹脂(A)を高効率で生産できる。
【0028】
メタクリル樹脂(A)の製造のためのラジカル重合法における重合転化率は、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは30〜70質量%、さらに好ましくは35〜65質量%である。重合転化率が20質量%以上であることで、残存する未反応単量体の除去が容易となり、得られるメタクリル樹脂が発泡し難く、得られる成形体の外観が良好となる傾向がある。重合転化率が80質量%以下であることで、重合液の粘度が低くなり生産性が向上する傾向がある。
【0029】
ラジカル重合は回分式反応装置を用いて行ってもよいが、生産性の観点から連続流通式反応装置を用いて行うことが好ましい。連続流通式反応では、例えば窒素雰囲気下などで重合反応原料(単量体、重合開始剤、連鎖移動剤などを含む混合液)を調製し、それを反応器に一定流量で供給し、該供給量に相当する流量で反応器内の液を抜き出す。反応器として、栓流に近い状態にすることができる管型反応器および/または完全混合に近い状態にすることができる槽型反応器を用いることができる。また、1基の反応器で連続流通式の重合を行ってもよいし、2基以上の反応器を繋いで連続流通式の重合を行ってもよい。本発明においては少なくとも1基は連続流通式の槽型反応器を採用することが好ましい。重合反応時における槽型反応器内の液量は、槽型反応器の容積に対して好ましくは1/4〜3/4、より好ましくは1/3〜2/3である。反応器には通常、撹拌装置が取り付けられている。撹拌装置としては静的撹拌装置、動的撹拌装置が挙げられる。動的撹拌装置としては、マックスブレンド式撹拌装置、中央に配した縦型回転軸の回りを回転する格子状の翼を有する撹拌装置、プロペラ式撹拌装置、スクリュー式撹拌装置などが挙げられる。これらのうちでマックスブレンド式撹拌装置が均一混合性の点から好ましく用いられる。
【0030】
重合終了後、必要に応じて、未反応単量体等の揮発分を除去する。除去方法は特に制限されないが、加熱脱揮が好ましい。脱揮法としては、平衡フラッシュ方式や断熱フラッシュ方式が挙げられる。断熱フラッシュ方式または平衡フラッシュ方式による脱揮温度は、好ましくは200〜270℃、より好ましくは220〜260℃である。断熱フラッシュ方式で樹脂を加熱する時間は、好ましくは0.3〜5分間、より好ましくは0.4〜3分間、さらに好ましくは0.5〜2分間である。このような温度範囲および加熱時間で脱揮させると、着色の少なく、酢酸換算の酸価の少ないメタクリル樹脂(A)を得やすい。除去した未反応単量体は、回収して、再び重合反応に使用することができる。回収された単量体のイエロインデックスは回収操作時などに加えられる熱によって高くなっていることがある。回収された単量体は、蒸留やカラムによる吸着精製など適切な方法で精製して、酢酸換算の酸価およびイエロインデックスを小さくすることが好ましい。
【0031】
また、前記重合後に得られた重合体と未反応単量体の樹脂混合物を、前記反応器から、ベントを備えた二軸押出機に連続的に移送することができる。続いて、二軸押出機入り口により平衡フラッシュまたは断熱フラッシュさせ、さらにそれに続いて二軸押出機ベントにより脱揮を行うことができる。断熱フラッシュさせる雰囲気は不活性ガス雰囲気であることが好ましい。不活性ガスとしては、窒素、二酸化炭素、アルゴンなどが挙げられる。より好ましくは、窒素ガス雰囲気である。酸素が含まれる雰囲気であると、押出機中で酸化劣化が進行し、高い透明性の導光板を得ることが困難となる。不活性ガスは、ベント付押出装置の軸シール部近傍より導入することができる。
【0032】
前記の断熱フラッシュにおける、フラッシュ直前の樹脂溶融体の圧力は、好ましくは1.5〜3.0MPa、より好ましくは2.0〜2.5MPaである。1.5MPa未満ではフラッシュが不十分となり、残存単量体が多くなる傾向がある。逆に3.0MPaを超えると安定生産を得難くなる傾向がある。
【0033】
本発明に用いられる二軸押出機はベントを備えるものであることが好ましい。ベントは真空ベントまたはオープンベントであることが好ましい。ベントは重合体流入部より下流側に少なくとも1個設ける。なお、真空ベントにおける圧力は、30Torr以下が好ましく、15Torr以下がより好ましく、9Torr以下がさらに好ましく、6Torr以下が最も好ましい。該真空ベントにおける圧力が上記範囲内であれば、脱揮効率がよく、メタクリル樹脂(A)中に残存する未反応単量体、二量体、三量体等を少なくすることができる。
【0034】
前記二軸押出機のスクリューは、同方向二軸スクリューであることが好ましい。単軸の場合に比べ、樹脂に与えるせん断エネルギーが大きく、表面更新の程度が大きいことから脱揮を効率良く行えるため、残存する未反応単量体、二量体、三量体等を少なくできる。またそのスクリュー構成はスクリュー全長に対して5%以上の混練セグメント部位を有していることが好ましい。混練セグメントとしては、ロータセグメント、正送りニーディングディスク、逆送りニーディングディスク、ミキシングギアなどが挙げられる。
【0035】
前記二軸押出機のスクリューをメタアクリル樹脂(A)が通過する際の平均滞留時間は、180秒以下が好ましい。平均滞留時間が長いと、樹脂が劣化し熱分解し易くなり得られる導光板の耐熱性が低下したり、発泡したりしてしまう。
【0036】
前記二軸押出機のシリンダ加熱温度は、200〜225℃が好ましく、210〜225℃がより好ましい。200℃未満では脱揮に時間を要し、脱揮不十分になりやすい。脱揮が不十分なときには成形品成形体にシルバーストリークなどの外観不良を起こすことがある。逆に225℃を超えると、メタクリル樹脂(A)において末端二重結合量が多くなり、また酢酸換算の酸価を増大させ、耐熱分解性を確保する事が困難となる。また、前述の二量体および三量体の生成が多くなることもある。さらに、450nmの波長の透過率が低下する。
【0037】
前記二軸押出機を通過しダイから出た直後の樹脂温度は、200〜230℃が好ましく、210〜230℃がより好ましい。低すぎるとストランドが不安定になり、高すぎると得られるメタクリル樹脂(A)において末端二重結合量が多くなり、また酢酸換算の酸価を増大させ、耐熱分解性を確保する事が困難となる。
【0038】
メタクリル樹脂(A)は、貯蔵、移送、成形などの便を良くするためにペレット、顆粒、粉末などにすることができる。ペレットは、例えば、前記の押出機においてメタクリル樹脂(A)をストランド状に押し出し、ストランド状に押し出されたメタクリル樹脂(A)をペレタイザーでカットすることによって得ることができる。
【0039】
本発明の導光板に用いられるメタクリル樹脂(A)は、メタクリル樹脂のみからなることが好ましいが、実際にはメタクリル樹脂(A)として得た場合に、製造条件に起因する他の任意成分が微量存在していることがある。この製造条件に起因する他の任意成分としては、未反応単量体、二量体、三量体、連鎖移動剤などが挙げられる。本明細書では、これら他の任意成分を含有したものも含めて、便宜上、メタクリル樹脂(A)と称する。
【0040】
本発明の導光板に用いられるメタクリル樹脂(A)は、上記他の任意成分の含有量が、メタクリル樹脂(A)中に、1質量%以下であることが好ましい。
本発明の導光板に用いられるメタクリル樹脂(A)は、残存する未反応単量体のうち、残存するメタクリル酸メチルの量がメタクリル樹脂(A)中に1質量%以下、好ましくは0.8質量%以下、さらに好ましくは0.6質量%以下である。
残存する単量体は、実施例に記載の方法で測定することができる。
【0041】
本発明の導光板に用いられるメタクリル樹脂(A)に、滑剤および/または酸化防止剤を加えてメタクリル樹脂組成物(B)として用いることができる。すなわち、メタクリル樹脂組成物(B)は、メタクリル樹脂(A)と、滑剤および/または酸化防止剤を含有するものとすることができる。
本発明に用いられる滑剤や酸化防止剤の量は、メタクリル樹脂(A)の100質量部に対して、0.01〜1質量部が好ましく、0.05〜0.5質量部より好ましい。
【0042】
滑剤としては、例えば、ステアリン酸、ベヘニン酸、ステアリン酸アミド、メチレンビスステアロアミド、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、パラフィンワックス、ケトンワックス、オクチルアルコール、硬化油などを挙げることができる。
【0043】
酸化防止剤は、酸素存在下においてそれ単体で樹脂の酸化劣化防止に効果を有するものである。例えば、リン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤などを挙げることができる。これらの酸化防止剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。中でも、着色による光学特性の劣化防止効果の観点から、リン系酸化防止剤やヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく、リン系酸化防止剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤との併用がより好ましい。
リン系酸化防止剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤とを併用する場合、リン系酸化防止剤の使用量:ヒンダードフェノール系酸化防止剤の使用量は、質量比で、1:5〜2:1が好ましく、1:2〜1:1がより好ましい。
【0044】
リン系酸化防止剤としては、2,2−メチレンビス(4,6−ジt−ブチルフェニル)オクチルホスファイト(ADEKA社製;商品名:アデカスタブHP−10)、トリス(2,4−ジt−ブチルフェニル)ホスファイト(BASF社製;商品名:IRGAFOS168)、3,9−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサー3,9−ジホスファスピロ〔5.5〕ウンデカン(ADEKA社製;商品名:アデカスタブPEP−36)などが好ましい。
【0045】
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(BASF社製;商品名IRGANOX1010)、オクタデシル−3−(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(BASF社製;商品名IRGANOX1076)などが好ましい。
【0046】
本発明に係るメタクリル樹脂組成物(B)には、滑剤や酸化防止剤のほかに、フィラー、熱劣化防止剤、光安定剤、離型剤、高分子加工助剤、帯電防止剤、難燃剤、染顔料、光拡散剤、有機色素、艶消し剤、蛍光体、紫外線吸収剤などの通常の樹脂に配合されることがある添加剤が含まれていてもよい。
【0047】
フィラーとしては、炭酸カルシウム、タルク、カーボンブラック、酸化チタン、シリカ、クレー、硫酸バリウム、炭酸マグネシウムなどを挙げることができる。本発明のメタクリル樹脂組成物に含有し得るフィラーの量は、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、さらに好ましくは0質量%である。
【0048】
熱劣化防止剤は、実質上無酸素の状態下で高熱にさらされたときに生じるポリマーラジカルを捕捉することによって樹脂の熱劣化を防止できるものである。
該熱劣化防止剤としては、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学社製;商品名スミライザーGM)、2,4−ジt−アミル−6−(3’,5’−ジt−アミル−2’−ヒドロキシ−α−メチルベンジル)フェニルアクリレート(住友化学社製;商品名スミライザーGS)などが好ましい。
【0049】
光安定剤は、主に光による酸化で生成するラジカルを捕捉する機能を有すると言われる化合物である。好適な光安定剤としては、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン骨格を持つ化合物などのヒンダードアミン類を挙げることができる。
【0050】
離型剤としては、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ステアリン酸モノグリセライド、ステアリン酸ジグリセライドなどのグリセリン高級脂肪酸エステルなどを挙げることができる。本発明においては、離型剤として、高級アルコール類とグリセリン脂肪酸モノエステルとを併用することが好ましい。高級アルコール類とグリセリン脂肪酸モノエステルとを併用する場合、その割合は特に制限されないが、高級アルコール類の使用量:グリセリン脂肪酸モノエステルの使用量は、質量比で、2.5:1〜3.5:1が好ましく、2.8:1〜3.2:1がより好ましい。
【0051】
高分子加工助剤は、平均重合度が3,000〜40,000の高分子化合物であり、好ましくはメタクリル酸メチル単位60質量%以上およびこれと共重合可能なビニル系単量体単位40質量%以下からなるものである。具体的には、三菱レイヨン社製メタブレン−Pシリーズやダウ・ケミカル社製パラロイドシリーズを挙げることができる。
難燃剤としては、例えば、テトラブロモビスフェノールA、デカブロモジフェニルオキシド、臭素化ポリカーボネート等の有機ハロゲン系難燃剤;酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、ホウ酸亜鉛、トリクレジルホスフェート等の非ハロゲン系難燃剤などが挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、ステアロアミドプロピルジメチル−β−ヒドロキシエチルアンモニウムニトレートなどが挙げられる。染顔料としては、酸化チタン、ベンガラなどが挙げられる。
【0052】
有機色素としては、紫外線を可視光線に変換する機能を有する化合物が好ましく用いられる。
【0053】
光拡散剤や艶消し剤としては、ガラス微粒子、ポリシロキサン系架橋微粒子、架橋ポリマー微粒子、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどを挙げることができる。
【0054】
蛍光体としては、蛍光顔料、蛍光染料、蛍光白色染料、蛍光増白剤、蛍光漂白剤などを挙げることができる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、トリアジン類、ベンゾエート類、サリシレート類、シアノアクリレート類、蓚酸アニリド類、マロン酸エステル類、ホルムアミジン類などが挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ベンゾトリアゾール類、蓚酸アニリド類が好ましい。
【0055】
本発明の導光板に用いられるメタクリル樹脂組成物(B)に含有し得る、熱劣化防止剤、光安定剤、滑剤、離型剤、高分子加工助剤、帯電防止剤、難燃剤、染顔料、光拡散剤、有機色素、艶消し剤、蛍光体および紫外線吸収剤の合計量は、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以下、最も好ましくは0.1質量%以下である。
【0056】
本発明の導光板に用いられるメタクリル樹脂組成物(B)は、本発明のメタクリル樹脂(A)を97質量%以上含むことが好ましく、98質量%以上含むことがより好ましく、99質量%以上含むことがさらに好ましい。
【0057】
本発明の導光板は、前記メタクリル樹脂(A)を射出成形、および射出圧縮成形などの方法で加熱溶融成形することによって得ることができる。加熱溶融成形においては、メタクリル樹脂(A)はペレット状のものが好ましく用いられる。
【0058】
本発明の導光板を射出成形にて成形する場合の金型は、ガス抜き機構を有していることが好ましい。導光板に残存するメタクリル酸メチル単量体の含有量を低減させることができ、導光板の耐熱性を向上させることができる。
【0059】
メタクリル樹脂(A)は成形の前に乾燥させることが好ましい。乾燥方法としては、熱風乾燥法、除湿乾燥法、減圧乾燥法または低酸素乾燥法などが挙げられる。成形前の乾燥によって含有水分量を減らすと、シルバーストリークなどの成形不良を減らすことができる。
【0060】
また、成形の前に、メタクリル樹脂ペレットからカット不良品および樹脂粉を取り除くことが好ましい。カット不良品は、ストランドをカットし損ねた結果として得られる長い樹脂片などである。樹脂粉は、ストランドをカットする際に発生する切り屑やペレットどうしが擦れてできる粉末などである。カット不良品および樹脂粉を取り除く方法は特に限定されない。例えば、遠心分離法、篩い分け法などが挙げられる。
【0061】
さらに、メタクリル樹脂(A)を成形機のホッパーへ移送する場合は、メタクリル樹脂組成物またはメタクリル樹脂ペレットの温度を、例えば、70℃以上に維持することが好ましい。温度を高くして移送すると、移送している間の吸湿やペレットどうしの擦れによる樹脂粉の生成を抑制できることがある。
【0062】
本発明の導光板は、光路長180mm換算の波長435nmにおける透過率が、65%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは75%以上である。光路長180mmに換算する場合は、ランベルトベールの法則を用いて換算する。また導光板に凹凸がある場合は、正しい透過率が測定できないため、表面の凹凸を研磨して平滑にして測定する。
【0063】
本発明の導光板は、車両に設置される車載用表示装置に用いられる。表示装置としては、スピード表示、バックモニターやナビゲーション用の液晶表示装置、スイッチ、ボタンやエンブレムなど装飾用の表示装置が挙げられる。
【0064】
本発明の導光板は、透明性が高いことから、どのようなサイズでも導光板としての高い性能を発現することが可能である。一方、最大の光路長が150mm以上ある導光板が、透明性の高さを優位に活かせる観点から好ましい。
【0065】
本発明の導光板を用いる場合、融着、接着、コーティング、印刷、射出成形、レーザー光による加工などの公知の手法によって、導光のための凹凸形状を板背面に形成してもよい。板端面から入射した光を、前記凹凸形状において反射、屈折などさせて、板正面に出射させることができる。凹凸形状としては、真円や楕円状のドットパターン、矩形やV溝のようなライン状パターン、半球レンズ状の凹凸、シボパターン等が挙げられる。これら凹凸形状は導光板の大きさや厚みにより最適な構造が異なるため一概には規定できないが、幅が1〜600μm、長さが2〜1200μm、高さまたは深さが1〜500μm、隣接する凹凸形状の間隔は2〜10000μmが好ましい。凹凸形状が大きすぎると目視により視認され、ディスプレイの品位が低下する、また小さすぎると加工が困難であり、生産性が低下してしまう。また隣接する凹凸形状の間隔が2μmより狭いと隣接する凹凸を独立して成形することが困難となり、成形不良が生じやすくなる。10000μmより広いと凹凸部の個数を増やすことが出来ない。凹凸部が光を出射させる機能を有しているため、凹凸部の個数制限は、導光板端面から入射した光のうち有効に出射する光の割合である、利用率の制限を生じてしまう。これら凹凸形状は一枚の導光板内で同一形状でもよいし、異なる形状を組み合わせて形成してもよいし、同一形状でサイズの異なるパターンを配置してもよい。さらに導光板の端面に隣接して配置される光源との距離に応じて、凹凸の間隔、大きさを変調してもよい。
【0066】
また、凹凸形状の形成に替えて白色反射材を導光板背面に印刷してもよい。白色反射材の大きさは、500μm〜5000μmであることが好ましい。500μmより小さいと既存のスクリーン印刷等での白色反射材の印刷が困難になる。5000μmより大きいと拡散シート等を通してみた場合でも白色反射材が視認され、ディスプレイの品位が低下してしまう。また反射材の間隔は1000〜5000μmが好ましい。間隔が1000μmより狭いとスクリーン印刷等で隣接する白色反射材が重なり合い不良を発生する。5000μより広いと拡散シート等を通してみた場合でも白色反射材間の暗部が視認され、ディスプレイの品位が低下してしまう。さらに導光板の端面に隣接して配置される光源との距離に応じて、白色反射材の間隔、大きさを変調してもよい。また導光板の光が出射する面(板正面)にもプリズムや円弧状のライン状凸部を同様の手段により形成してもよい。バックライトとして使用する場合には、導光板の背面側に反射シート、導光板の正面側に拡散シートおよび/またはプリズムシートを適宜配置してもよい。
【実施例】
【0067】
以下、実施例および比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されない。なお、物性値等の測定は以下の方法によって実施した。
【0068】
(重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)にて下記の条件でクロマトグラムを測定し、標準ポリスチレンの分子量に換算した値を算出した。ベースラインはGPCチャートの高分子量側のピークの傾きが保持時間の早い方から見てゼロからプラスに変化する点と、低分子量側のピークの傾きが保持時間の早い方から見てマイナスからゼロに変化する点を結んだ線とした。
GPC装置:東ソー株式会社製、HLC−8320
検出器:示差屈折率検出器
カラム:東ソー株式会社製のTSKgel SuperMultipore HZM−Mの2本とSuperHZ4000を直列に繋いだものを用いた。
溶離液: テトラヒドロフラン
溶離液流量: 0.35ml/分
カラム温度: 40℃
検量線:標準ポリスチレン10点のデータを用いて作成
【0069】
(三連子表示のシンジオタクティシティ(rr))
メタクリル樹脂の1H−NMRスペクトルを、核磁気共鳴装置(Bruker社製 ULTRA SHIELD 400 PLUS)を用いて、溶媒として重水素化クロロホルムを用い、室温、積算回数64回の条件にて、測定した。そのスペクトルからTMSを0ppmとした際の0.6〜0.95ppmの領域の面積(X)と、0.6〜1.35ppmの領域の面積(Y)とを計測し、次いで、三連子表示のシンジオタクティシティ(rr)を式:(X/Y)×100にて算出した。
【0070】
(重合転化率)、(残存メタクリル酸メチル単量体の量)
ガスクロマトグラフに、カラムとしてGL Sciences Inc.製 INERT CAP 1(df=0.4μm、0.25mmI.D.×60m)を繋ぎ、下記分析条件にて分析を行い、それに基づいて算出した。含有揮発分については、リテンションタイムに基づき種類ごとに測定可能である。
<分析条件>
injection温度:250℃
detector温度:250℃
カラム温度条件:
初期温度 :60℃
初期温度保持時間:5分間
昇温速度 :10℃/分
最高温度 :250℃
最高温度保持時間:10分間
【0071】
(ガラス転移温度Tg)
導光板を粉砕した試料について、JIS K7121に準拠して、示差走査熱量測定装置(島津製作所製、DSC−50(品番))を用いて、230℃まで1回目の昇温をし、次いで室温まで冷却し、その後、室温から230℃までを10℃/分で2回目の昇温をさせる条件にてDSC曲線を測定した。2回目の昇温時に測定されるDSC曲線から求められる中間点ガラス転移温度を本発明におけるガラス転移温度とした。
【0072】
(MFR)
メタアクリル樹脂および、導光板を粉砕した試料について、JIS K7210に準拠して、230℃、3.8kg荷重でメルトフローレート(MFR)を測定した。
【0073】
(熱重量保持率による耐熱分解性評価)
メタアクリル樹脂および導光板を粉砕した試料について、熱重量測定装置(島津製作所製、TGA−50(品番))を用いて、空気雰囲気下、乾燥空気の流速50ml/分にて、50℃から290℃まで20℃/分で昇温させた後、空気雰囲気下のまま290℃にて20分間保持する条件にて熱重量減少を測定した。50℃の重量(X1)を基準(保持率100%)にして、290℃にて20分間保持した時の重量(X2)をもとに、下記式で耐熱分解性を評価した。
重量保持率(%)=(X2/X1)×100(%)
【0074】
(酢酸換算の酸価)
樹脂試料をクロロホルムに溶解させ、JIS−K0070−1992に記載の方法に準じて、水酸化カリウム水溶液で滴定することにより酸価を測定し、クロロホルムのみの酸価を引いた数字を酸価とした。
下記式(I)を用いて、得られた酸価を酢酸に換算した値を用いた。
酢酸換算の酸価(ppm)=(酸価/1000)×(60/56)×1000000 (I)
なお、式(I)における数値の意味は以下の通りである。
1000 :ミリグラムをグラムに変換
60 :酢酸の分子量
56 :水酸化カリウムの分子量
1000000:ppm単位に換算
【0075】
(射出成型時の充填評価)
射出成形された導光板の4つある角の厚みを測定し、4点すべて0.4mm±0.05であればA評価、それ以外は、B評価とした。
【0076】
(クロロホルムに溶解させた際の不溶分)
導光板を粉砕機で粉砕した後、1gをクロロホルム50mLに加え、室温にて12時間撹拌した。得られた溶液を0.45μmのメンブレンフィルターでろ過し、フィルターを60℃で1時間以上真空乾燥させた後、フィルターに残った残渣の重量を測定することで、不溶分を測定した。
【0077】
(450nmの透過率)
得られた導光板の端面を研磨した後、表面にパターンのない表裏鏡面加工部分の長辺方向(光路長180mm)を用い、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光(株)製 品番:V−670)にて、波長450nm、光路長180mmの透過率を測定した。
【0078】
(製造例1−1)(メタクリル樹脂〔A−1〕の製造)
攪拌機および採取管が取り付けられたオートクレーブ内を窒素で置換した。これに、精製されたメタクリル酸メチル100質量部、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル(水素引抜能:1%、1時間半減期温度:83℃)0.0115質量部、およびn−オクチルメルカプタン0.504質量部を入れ、撹拌して、原料液を得た。かかる原料液中に窒素を送り込み、原料液中の溶存酸素を除去した。
オートクレーブと配管で接続された槽型反応器に容量の2/3まで原料液を入れた。温度を100℃に維持して先ずバッチ方式で重合反応を開始させた。重合転化率が45質量%になったところで、平均滞留時間120分となる流量で、原料液をオートクレーブから槽型反応器に供給し、且つ原料液の供給流量に相当する流量で、反応液を槽型反応器から抜き出して、温度100℃に維持し、連続流通方式の重合反応に切り替えた。切り替え後、定常状態における重合転化率は45質量%であった。
【0079】
定常状態になった槽型反応器から抜き出される反応液を、平均滞留時間2分間となる流量で内温230℃になるように多管式熱交換器に供給して加温した。次いでバックベント部より窒素ガスが導入され、脱揮二軸押出機に、先ほどの加温された反応液を導入し、230℃にて断熱フラッシュさせ大部分の未反応単量体を主成分とする揮発分を除去し、そのままシリンダ加熱温度210℃の設定にて、フロントベント3ヵ所を通過させて残りの未反応単量体を主成分とする揮発分を除去した。さらにその後、二軸押出機の先端から滑剤としてステアリルアルコールとステアリルモノグリセリド混合物(重量比3:1)をメタクリル樹脂100質量部に対して、0.1phrになるように添加し、二軸押出機のダイからストランド状に押し出した。ダイから出た直後のストランドの温度は、220℃であった。二軸押出機からストランド状に吐出後、水冷した後、ペレタイザーでカットして、ペレット状の、Mwが55000で、分子量分布が1.79で、シンジオタクティシティ(rr)が55.4%で、MFRが10g/10min、ガラス転移温度が120℃で、且つメタクリル酸メチルに由来する構造単位の含有量が100質量%であるメタクリル樹脂〔A−1〕を得た。メタクリル樹脂〔A−1〕の酸価は21ppm、重量保持率は81%であった。
【0080】
(製造例1−2)(メタクリル樹脂〔A−2〕の製造)
製造例1−1のメタクリル酸メチル100質量部に変えて、メタクリル酸メチル99質量部とアクリル酸メチル1質量部の混合物を用い、n−オクチルメルカプタン0.504質量部から0.490質量部に変更した以外は、製造例1−1と同様にしてペレット状のメタクリル樹脂〔A−2〕を得た。メタクリル樹脂〔A−2〕の、Mwが56500で、分子量分布が1.78で、シンジオタクティシティ(rr)が54.9%で、MFRが10g/10minガラス転移温度が119℃で、且つメタクリル酸メチルに由来する構造単位の含有量が99.3質量%、アクリル酸メチルに由来する構造単位の含有量が0.7質量%、酸価は23ppm、重量保持率は82%であった。
【0081】
(製造例1−3)(メタクリル樹脂〔A−3〕の製造)
製造例1−1のメタクリル酸メチル100質量部に変えて、メタクリル酸メチル94質量部とアクリル酸メチル6質量部の混合物を用い、n−オクチルメルカプタン0.504質量部から0.390質量部に変更した以外は、製造例1−1と同様にしてペレット状のメタクリル樹脂〔A−3〕を得た。メタクリル樹脂〔A−3〕の、Mwが70000で、分子量分布が1.83で、シンジオタクティシティ(rr)が52.9%で、MFRが9.4g/10minガラス転移温度が111℃で、且つメタクリル酸メチルに由来する構造単位の含有量が95.5質量%、アクリル酸メチルに由来する構造単位の含有量が4.5質量%、酸価は20ppm、重量保持率は69%であった。
【0082】
(製造例1−4)(メタクリル樹脂〔A−4〕の製造)
脱揮二軸押出機のシリンダ加熱温度210℃から250℃に設定した以外は、製造例1−1と同様にしてメタアクリル樹脂〔A−4〕を得た。メタクリル樹脂〔A−4〕の、Mwが55000で、分子量分布が1.79で、シンジオタクティシティ(rr)が55.4%で、MFRが11g/10minガラス転移温度が119℃で、且つメタクリル酸メチルに由来する構造単位の含有量が100質量%、酸価は40ppm、重量保持率は74%であった。
【0083】
(製造例1−5)(メタクリル樹脂〔A−5〕の製造)
脱揮二軸押出機のバックベントに窒素ガスを導入する代わりに空気を導入した以外は、製造例1−1と同様にしてメタアクリル樹脂〔A−5〕を得た。メタクリル樹脂〔A−5〕の、Mwが55000で、分子量分布が1.79で、シンジオタクティシティ(rr)が55.4%で、MFRが11g/10minガラス転移温度が119℃で、且つメタクリル酸メチルに由来する構造単位の含有量が100質量%、酸価は49ppm、重量保持率は71%であった。
【0084】
(製造例1−6)(メタクリル樹脂〔A−6〕の製造)
重合時の温度を100℃から140℃へ変更し、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル0.0115質量部から0.072質量部に、およびn−オクチルメルカプタン0.490質量部から0.480質量部に変更した以外は、製造例1−2と同様にしてメタアクリル樹脂〔A−6〕を得た。メタクリル樹脂〔A−6〕の、Mwが57000で、分子量分布が1.81で、シンジオタクティシティ(rr)が50.5%で、MFRが10g/10minガラス転移温度が116℃で、且つメタクリル酸メチルに由来する構造単位の含有量が99.3質量%、アクリル酸メチルに由来する構造単位の含有量が0.7質量%、酸価は22ppm、重量保持率は82%であった。
【0085】
(製造例1−7)(メタクリル樹脂〔A−7〕の製造)
n−オクチルメルカプタン0.480質量部から0.220質量部に変更した以外は、製造例1−6と同様にしてメタアクリル樹脂〔A−7〕を得た。メタクリル樹脂〔A−7〕の、Mwが84000で、分子量分布が1.81で、シンジオタクティシティ(rr)が50.5%で、MFRが2.7g/10minガラス転移温度が117℃で、且つメタクリル酸メチルに由来する構造単位の含有量が99.3質量%、アクリル酸メチルに由来する構造単位の含有量が0.7質量%、酸価は24ppm、重量保持率は80%であった。
【0086】
(実施例1および2、比較例1〜5)
メタアクリル樹脂〔A−1〕〜〔A−7〕を用いて、超高速射出成形機(SE-180LGP、住友重機製、サーボ15G)および、9.7インチ(180mm×160mm)、厚み0.4mm、180mm×25mmが表裏鏡面加工で、その他の領域にパターンが付いた導光体金型(クラレ製)により、導光板を射出成形した。成形条件は、シリンダ温度300℃、金型温度85℃、射出速度800mm/secとした。
得られた導光板の評価結果を表1に示す。メタアクリル樹脂〔A−7〕を用いた場合は、充填が不十分であり、450nmの透過率を測定することはできなかった。
【0087】
【表1】
【0088】
比較例1より、118℃以上のガラス転移温度を実現するために、メタクリル酸メチルに由来する構造単位が99質量%以上であることの重要性が明らかになった。
比較例2より、波長450nmの十分な透過率を得るために、シリンダ加熱温度(200〜230℃)が重要であることが明らかになった。
比較例3より、波長450nmの十分な透過率を得るために、脱揮を窒素などの不活性ガス雰囲気で行うことが重要であることが明らかになった。
比較例4より、波長450nmの透過率が実施例2と同等であるもののガラス転移温度が低く、118℃以上のガラス転移温度を実現するため重合時の温度を90〜120℃にすることが好ましいことが明らかになった。
【国際調査報告】