特表-19065518IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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再表2019-65518難燃剤組成物、該難燃剤組成物を含む難燃性樹脂組成物及び該難燃性樹脂組成物の成形体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年4月4日
【発行日】2020年11月19日
(54)【発明の名称】難燃剤組成物、該難燃剤組成物を含む難燃性樹脂組成物及び該難燃性樹脂組成物の成形体
(51)【国際特許分類】
   C09K 21/12 20060101AFI20201023BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20201023BHJP
   C08L 69/00 20060101ALI20201023BHJP
   C08L 71/12 20060101ALI20201023BHJP
   C08L 25/06 20060101ALI20201023BHJP
   C08K 5/523 20060101ALI20201023BHJP
【FI】
   C09K21/12
   C08L101/00
   C08L69/00
   C08L71/12
   C08L25/06
   C08K5/523
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】34
【出願番号】特願2019-545069(P2019-545069)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年9月21日
(31)【優先権主張番号】特願2017-188992(P2017-188992)
(32)【優先日】2017年9月28日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000000387
【氏名又は名称】株式会社ADEKA
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】特許業務法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 文彦
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 久史
(72)【発明者】
【氏名】小倉 弦太
(72)【発明者】
【氏名】丹治 直子
【テーマコード(参考)】
4H028
4J002
【Fターム(参考)】
4H028AA35
4H028BA06
4J002AA001
4J002BC031
4J002CG001
4J002CH071
4J002EW046
4J002FD206
4J002GL00
4J002GN00
4J002GQ00
(57)【要約】
下記一般式(1)で表されるリン酸エステルの1種以上を含有し、前記リン酸エステルにおける、n=1、2、3、4及び5のリン酸エステルの合計の含有量が99質量%以上100質量%以下であり、前記リン酸エステルの総量における、n=1の下記一般式(1)で表されるリン酸エステルの含有量が、60質量%以上70質量%未満である難燃剤組成物。

(式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、
nは1、2、3、4、5、6又は7の数を表す。)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるリン酸エステルの1種以上を含有し、
前記リン酸エステルにおける、n=1、2、3、4及び5のリン酸エステルの合計の含有量が99質量%以上100質量%以下であり、
前記リン酸エステルの総量における、n=1の下記一般式(1)で表されるリン酸エステルの含有量が、60質量%以上70質量%未満である難燃剤組成物。
【化1】
(式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、
nは1、2、3、4、5、6又は7の数を表す。)
【請求項2】
前記一般式(1)におけるR1及びR2が水素原子である請求項1記載の難燃剤組成物。
【請求項3】
25℃で液体状である請求項1又は2記載の難燃剤組成物。
【請求項4】
25℃での粘度が17,500〜40,000mPa・sである請求項1〜3の何れか1項記載の難燃剤組成物。
【請求項5】
合成樹脂と、請求項1〜4の何れか1項記載の難燃剤組成物とを含有する難燃性樹脂組成物。
【請求項6】
合成樹脂が、ポリカーボネート樹脂及びその共重合体からなる群から選ばれる1種以上である、請求項5記載の難燃性樹脂組成物。
【請求項7】
合成樹脂が、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリスチレン樹脂及びそれらの共重合体からなる群から選ばれる1種以上である請求項5記載の難燃性樹脂組成物。
【請求項8】
請求項5〜7の何れか1項に記載の難燃性樹脂組成物から得られる成形体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、難燃剤組成物、該難燃剤組成物を含む難燃性樹脂組成物及び該難燃性樹脂組成物の成形体に関する。詳しくは、流動性、保存安定性及びハンドリング性に優れた難燃剤組成物、該難燃剤組成物を含む難燃性樹脂組成物及び該難燃性樹脂組成物の成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂は、一般に、軽く、耐水性、耐薬品性、電気絶縁性、機械的諸物性などに優れ、かつ成形加工が容易であるため、建築材料、電気・電子・家電用材料、自動車用材料、繊維材料などとして幅広く用いられている。一方で、合成樹脂は一般に可燃性である。そのため、合成樹脂に難燃性を付与するために、有機ハロゲン化合物、無機水和物、リン化合物などの難燃剤を、樹脂成形品の調製時に配合する方法がとられている。
【0003】
上記難燃剤のうち、有機ハロゲン化合物は、多くの合成樹脂に対して優れた難燃効果を示すため、最も広く使用されている。しかし、ハロゲンを含有する化合物は、樹脂成形時に熱分解してハロゲン化水素を発生して作業環境を汚染し、また金型を腐食したり、樹脂の着色やゲル化を引き起こす問題がある。更に、火災などによる燃焼に際して、腐食性で、人体に有害なハロゲン化水素ガスと共に、多量の煙を発生するという問題もある。
【0004】
水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの無機水和物は、ハロゲンを含まない難燃剤である。これらは難燃性付与効果が小さく、充分な難燃性を得るためには多量に添加する必要があり、このため、樹脂本来の物性が損なわれる欠点があった。
【0005】
これに対し、リン化合物の中でも、特に有機リン酸エステル化合物は、ハロゲンを含まず、良好な難燃効果が得られる難燃剤として汎用されている。代表的な有機リン酸エステルとしては、トリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシリルホスフェート(TXP)等のトリアリールリン酸エステルが挙げられる。
【0006】
これらリン酸エステルの中でも、特許文献1には、難燃性と樹脂物性の低下が少ない固体難燃剤として、構造中にビフェニル骨格を有する固体難燃剤が提案されている。
しかし、固体難燃剤の場合、樹脂への配合・充填時に粉体が飛散するなど、加工性やハンドリング性の問題、作業環境を悪化させる等の問題があった。
【0007】
これら固体難燃剤に対し、紛体の飛散の恐れのない、液状の難燃剤が使用されており、特許文献2には、リン酸エステルの組成を限定した難燃剤を使用した樹脂組成物が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−202009号公報
【特許文献2】US2016068663A1
【発明の概要】
【0009】
しかしながら、これら従来の液状難燃剤は、その保存安定性に難があり、長期保存時に、濁ったり、結晶が析出したり、固体化してしまうなどの問題があった。結晶の析出や固体化すると、加工性やハンドリング性が劣ることになるため、その解決が望まれていた。
【0010】
従って、本発明の課題は、保存安定性に優れ、且つ加工性及びハンドリング性に優れた難燃剤組成物を提供することである。また本発明の課題は、加工性とハンドリング性とに優れた難燃性樹脂組成物を提供することである。更に、本発明の課題は、加工性とハンドリング性とに優れた難燃性樹脂組成物から得られた、優れた難燃性を有する成形体を提供することである。
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表されるリン酸エステルの1種以上を含有し、
前記リン酸エステルにおける、n=1、2、3、4及び5のリン酸エステルの合計の含有量が99質量%以上100質量%以下であり、前記リン酸エステルの総量における、n=1の下記一般式(1)で表されるリン酸エステルの含有量が、60質量%以上70質量%未満である難燃剤組成物を提供するものである。
【0012】
【化1】
【0013】
(式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、
nは1、2、3、4、5、6又は7の数を表す。)
【0014】
また本発明は、前記一般式(1)におけるR1及びR2が水素原子である前記難燃剤組成物を提供するものである。
【0015】
また本発明は、25℃で液体状である前記難燃剤組成物を提供するものである。
【0016】
また本発明は、25℃での粘度が17,500〜40,000mPa・sである前記難燃剤組成物を提供するものである。
【0017】
また本発明は、合成樹脂と、前記難燃剤組成物とを含有する難燃性樹脂組成物を提供するものである。
【0018】
また本発明は、合成樹脂が、ポリカーボネート樹脂及びその共重合体からなる群から選ばれる1種以上である前記難燃性樹脂組成物を提供するものである。
【0019】
また本発明は、合成樹脂が、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリスチレン樹脂及びそれらの共重合体からなる群から選ばれる1種以上である前記難燃性樹脂組成物を提供するものである。
【0020】
更に、本発明は、前記難燃性樹脂組成物から得られる成形体を提供するものである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下本発明の実施形態について詳細に説明する。
まず本発明の難燃剤組成物について説明する。
本発明の難燃剤組成物は、下記一般式(1)で表されるリン酸エステルを含有する。このリン酸エステルは、下記一般式(1)において、nが1、2、3、4、5、6又は7の化合物の混合物(以下、リン酸エステルの混合物ともいう)である。このリン酸エステルの混合物は少なくともnが1である化合物を含む。前記リン酸エステルの混合物における、n=1、2、3、4及び5の合計の含有量は99質量%以上100質量%以下であり、保存安定性とハンドリング性の点から、好ましくは100質量%である。また、前記混合物は、n=2、3、4及び5のリン酸エステルを必ずしもすべて含まなくてもよい。前記混合物におけるn=1、2、3、4及び5の下記一般式(1)で表されるリン酸エステルの合計の含有量が99質量%以上100質量%未満の場合は、下記一般式(1)で表されるリン酸エステルは、下記一般式(1)においてn=6のリン酸エステル及び/又はn=7のリン酸エステルを含有する。リン酸エステルの混合物におけるn=1、2、3、4、5、6又は7のリン酸エステルの含有量は、液体クロマトグラフによって測定することができる。
【0022】
【化2】
【0023】
(式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、nは1、2、3、4、5、6又は7の数を表す。)
【0024】
本発明の難燃剤組成物は、前記一般式(1)中、R1及びR2が水素原子であることが、保存安定性とハンドリング性の点から好ましい。
【0025】
本発明の難燃剤組成物は、その総量における、n=1の一般式(1)で表されるリン酸エステルの含有量が、60質量%以上70質量%未満である。
n=1で表されるリン酸エステルの含有量が70質量%以上になると、保存時に、濁ったり、固体化したり、結晶が析出したりするなど、保存安定性が悪化する。また、60質量%未満だと、粘度が高く、流動性に劣り、ハンドリング性に劣ることになる。
本発明の難燃剤組成物におけるn=1のリン酸エステルの含有量は、保存安定性とハンドリング性の点から、61.0質量%以上69.0質量%以下が好ましく、62.0質量%以上68.0質量%以下が最も好ましい。
【0026】
本発明の難燃剤組成物は前記リン酸エステルの混合物のみからなることが好ましい。本発明のリン酸エステルの混合物の含有量は、例えば、液体クロマトグラフによって測定することができる。
【0027】
本発明の難燃剤組成物は、ハンドリング性の点から、室温(25℃)で液体状であることが好ましい。液体状であるとは、流動することが目視で容易に確認できる粘度であることを指す。また、濁りや、結晶、固体の析出がないことが好ましい。
【0028】
本発明の難燃剤組成物は、保存安定性とハンドリング性の点から、25℃での粘度が17,500〜40,000mPa・sであることが好ましく、18,500〜37,000mPa・sがより好ましく、19,500〜32,000mPa・sがさらにより好ましく、19,500〜28,000mPa・sが最も好ましい。
本発明での粘度は、JIS K 7117−1規格に準拠してB型粘度計を用いて測定する。
【0029】
前記一般式(1)で表されるリン酸エステルの具体例としては、例えば、以下のリン酸エステルNo.1及びNo.2が挙げられる。保存安定性及びハンドリング性の点から、本発明の難燃剤組成物はリン酸エステルNo.1を含有することが好ましい。尚、リン酸エステルNo.1及びNo.2におけるnは1、2、3、4、5、6又は7の数である。
【0030】
【化3】
【0031】
【化4】
【0032】
本発明の難燃剤組成物は、リン酸エステルの混合物に加え、本発明の効果を損なわない範囲で、他の成分を含有する場合がある。前記他の成分としては、後述する、本発明の難燃性樹脂組成物に配合できる成分として例示したものを用いることができる。
【0033】
前記一般式(1)で表されるリン酸エステルの組成物の製造方法は特に制限されないが、例えば、R1及びR2が水素原子の場合、4,4’−ジヒドロキシビフェニルとフェノールとオキシ塩化リンとを塩化マグネシウムなどの触媒の存在下に反応させ脱塩酸することで製造することができる。オキシ塩化リンの4,4’−ジヒドロキシビフェニルに対する使用量を調節することで、n=1のリン酸エステル化合物の含有割合を60質量%以上70質量%未満に調節できる。オキシ塩化リンの好ましい使用量は4,4’−ジヒドロキシビフェニル1.00molに対して、2.02mol〜2.26molが好ましく、2.04mol〜2.24molがより好ましく、2.06mol〜2.19molがより好ましい。
【0034】
本発明の難燃剤組成物は、合成樹脂に配合することで、難燃性を付与することができる。
本発明の難燃剤組成物の配合方法は特に限定されないが、本発明の難燃剤組成物は、好ましくは室温(25℃)で液状であり、流動性に優れた取扱いやすい粘度のため、容易に配合・調整でき、難燃性樹脂組成物を容易に得ることができる。もちろん、配合・調整時に加温して、流動性を上げて使用してもよい。
また、本発明の難燃剤組成物は、長期保存した場合も、濁りや、結晶、固体の析出、固体化などがないため、均一化するための撹拌や加温などの作業が必要なく、容易に使用することできる。
【0035】
次に本発明の難燃性樹脂組成物について説明する。
本発明の難燃性樹脂組成物は、合成樹脂と本発明の難燃剤組成物を含有する。
本発明の難燃性樹脂組成物は、合成樹脂100質量部に対して、前記難燃剤組成物を0.5〜30質量部含有するのが、難燃性と力学特性の点から好ましく、1〜25質量部含有するのがより好ましく、2〜20質量部含有するがより好ましい。前記難燃剤組成物の含有量が0.5質量部未満では難燃性が充分ではない場合がある。30質量部を超えると樹脂本来の有する力学特性を損なう場合がある。
【0036】
次に本発明で使用される合成樹脂について説明する。
本発明で使用される合成樹脂の具体例としては、熱可塑性樹脂が挙げられ、例えば、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、架橋ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリブテン−1、ポリ−3−メチルペンテン、ポリ−4−メチルペンテン等のα−オレフィン重合体又はエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂及びこれらの共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、塩化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−シクロヘキシルマレイミド共重合体等の含ハロゲン樹脂;石油樹脂、クマロン樹脂、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、スチレン及び/又はα−メチルスチレンと他の単量体(例えば、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、メタクリル酸メチル、ブタジエン、アクリロニトリル等)との共重合体(例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ACS樹脂、SBS樹脂、MBS樹脂、耐熱ABS樹脂等);ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリアルキレンナフタレート等の芳香族ポリエステル樹脂及びポリテトラメチレンテレフタレート等の直鎖ポリエステル樹脂;ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリ乳酸、ポリリンゴ酸、ポリグリコール酸、ポリジオキサン、ポリ(2−オキセタノン)等の分解性脂肪族ポリエステル;ポリフェニレンオキサイド、ポリカプロラクタム及びポリヘキサメチレンアジパミド等のポリアミド樹脂;セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等のセルロースエステル系樹脂;ポリカーボネート、ポリカーボネート/ABS樹脂、分岐ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタン、繊維素系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリサルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂及びこれらのブレンド物を挙げることができる。
また、本発明の合成樹脂は、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ニトリル系熱可塑性エラストマー、ナイロン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー等のエラストマーであってもよい。
更に、本発明で使用できる合成樹脂の例を挙げると、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂が挙げられる。
これら本発明で使用される合成樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を併せて使用してもよい。また、アロイ化されていてもよい。
【0037】
またこれらの合成樹脂は、分子量、重合度、密度、軟化点、溶媒への不溶分の割合、立体規則性の程度、触媒残渣の有無、原料となるモノマーの種類や配合比率、重合触媒の種類(例えば、チーグラー触媒、メタロセン触媒等)等に関わらず使用することができる。
【0038】
これらの合成樹脂の中でも、難燃性、加工性と取扱い性の点から、ポリカーボネート、ポリスチレン、ABS樹脂、耐衝撃性ポリスチレン、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル、セルロースエステル系樹脂及びそれらの共重合体からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、スチレン系樹脂の群から選ばれる1種以上がより好ましい。これらの樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を併せて使用してもよい。また、アロイ化されていてもよい。特に、ポリカーボネート樹脂及びその共重合体からなる群から選ばれる1種以上、又は、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン樹脂のポリマーアロイが好ましい。
【0039】
ここでスチレン系樹脂とは、例えば具体的には、ポリスチレン、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS樹脂)、水添スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(水添SBS)、水添スチレン・イソプレン・スチレン共重合体(SEPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS樹脂)、メチルメタクリレート・アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(MABS樹脂)、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリル・エチレンプロピレン系ゴム・スチレン共重合体(AES樹脂)、スチレン・IPN型ゴム共重合体等の樹脂、又は、これらの混合物が挙げられる。更にシンジオタクティクポリスチレン等のように立体規則性を有するものであってもよい。これらスチレン系樹脂の中でも、ポリスチレン(PS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)が好ましい。
【0040】
次に、本発明の難燃性樹脂組成物に配合できる成分について説明する。
本発明の難燃性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、燃焼時のドリップを防止するために、ドリップ防止剤を含有することが好ましい。
ドリップ防止剤としては、フッ素系ドリップ防止剤やシリコーンゴム類、層状ケイ酸塩等が挙げられる。中でも、フッ素系ドリップ防止剤が好ましい。
【0041】
前記フッ素系のドリップ防止剤の具体例としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレン等のフッ素系樹脂やパーフルオロメタンスルホン酸ナトリウム塩、パーフルオロ−n−ブタンスルホン酸カリウム塩、パーフルオロ−t−ブタンスルホン酸カリウム塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ナトリウム塩、パーフルオロ−2−エチルヘキサンスルホン酸カルシウム塩等のパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩化合物又はパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ土類金属塩等が挙げられる。
フッ素系ドリップ防止剤の中でも、ドリップ防止性の点から、ポリテトラフルオロエチレンが最も好ましい。
【0042】
前記層状ケイ酸塩としては、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト等のスメクタイト系粘土鉱物、バーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ、タルク等が挙げられ、その層間に、有機カチオン、第4級アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオンがインターカレートされているものでもよい。
【0043】
前記ドリップ防止剤の含有量は、合成樹脂100質量部に対して、0.005〜3質量部が好ましく、より好ましくは0.01〜2質量部、更に好ましくは0.05〜1.0質量部、最も好ましくは0.1〜0.5質量部である。0.005質量部未満だとドリップ防止効果が十分でない場合があり、3質量部を超えると樹脂の特性を低下させる場合がある。
【0044】
本発明の難燃性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて更に、ハロゲンを含有しない、有機若しくは無機系の難燃剤又は難燃助剤を1種以上含有する場合がある。前記難燃剤・難燃助剤としては、トリアジン環含有化合物、金属水酸化物、リン酸エステル系難燃剤、縮合リン酸エステル系難燃剤、ホスフェート系難燃剤、無機リン系難燃剤、(ポリ)リン酸塩系難燃剤、ジアルキルホスフィン酸塩、シリコーン系難燃剤、金属酸化物、ホウ酸化合物、膨張性黒鉛、その他の無機系難燃助剤、その他の有機系難燃助剤等が挙げられる。
【0045】
前記トリアジン環含有化合物としては、例えば、メラミン、アンメリン、ベンズグアナミン、アセトグアナミン、フタロジグアナミン、メラミンシアヌレート、ブチレンジグアナミン、ノルボルネンジグアナミン、メチレンジグアナミン、エチレンジメラミン、トリメチレンジメラミン、テトラメチレンジメラミン、ヘキサメチレンジメラミン、1,3−ヘキシレンジメラミン等が挙げられる。
【0046】
前記金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化亜鉛、キスマー5A(協和化学工業(株)製水酸化マグネシウムの商標)等が挙げられる。
【0047】
前記リン酸エステル系難燃剤の例としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリスクロロエチルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリスイソプロピルフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、t−ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(t−ブチルフェニル)フェニルホスフェート、トリス−(t−ブチルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(イソプロピルフェニル)ジフェニルホスフェート、トリス−(イソプロピルフェニル)ホスフェート等が挙げられる。
【0048】
前記縮合リン酸エステル系難燃剤の例としては、1,3−フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、1,3−フェニレンビス(ジキシレニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)等が挙げられる。
【0049】
前記無機リン系難燃剤としては、赤リンが挙げられる。
【0050】
前記(ポリ)リン酸塩系難燃剤としては、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸ピペラジン、ピロリン酸メラミン、ピロリン酸ピペラジン等の(ポリ)リン酸のアンモニウム塩やアミン塩が挙げられる。
前記ジアルキルホスフィン酸塩としては、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛等が挙げられる。
【0051】
前記その他の無機系難燃助剤としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト等の無機化合物及びその表面処理品、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
その具体例としては、例えば、TIPAQUE R−680(石原産業(株)製酸化チタンの商標)、キョーワマグ150(協和化学工業(株)製酸化マグネシウムの商標)、DHT−4A(ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製)、アルカマイザー4(亜鉛変性ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製)等の種々の市販品を用いることができる。
【0052】
前記その他の有機系難燃助剤としては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトールが挙げられる。
【0053】
本発明の難燃性樹脂組成物は、更に必要に応じて、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、老化防止剤等を含有する場合がある。これらを配合することにより合成樹脂を安定化することが好ましい。
【0054】
前記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ジステアリル(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−s−ブチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、2−t−ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−t−ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、ステアリル(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル〕メタン、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブタン酸〕グリコールエステル、ビス〔2−t−ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。
これらのフェノール系酸化防止剤の使用量は、合成樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部であることが好ましく、0.05〜5質量部であることがより好ましい。
【0055】
前記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス〔2−t−ブチル−4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,2’−メチレンビス(4,6−t−ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−t−ブチルフェニル)−オクタデシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス−t−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、2−エチル−2−ブチルプロピレングリコールと2,4,6−トリ−t−ブチルフェノールのホスファイト等が挙げられる。
これらのリン系酸化防止剤の使用量は、合成樹脂100質量部に対して0.001〜10質量部であることが好ましく、0.05〜5質量部であることがより好ましい。
【0056】
前記チオエーテル系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、チオジプロピオン酸ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類、及びペンタエリスリトールテトラキス(β−ドデシルチオプロピオネート)等のペンタエリスリトールテトラキス(β−アルキルチオプロピオネート)類が挙げられる。
これらのチオエーテル系酸化防止剤の使用量は、合成樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部であることが好ましく、0.05〜5質量部であることがより好ましい。
【0057】
前記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス(4−t−オクチル−6−(ベンゾトリアゾリル)フェノール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ−t−アミルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β、β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−s−トリアジン等のトリアリールトリアジン類が挙げられる。
これらの紫外線吸収剤の使用量は、合成樹脂100質量部に対して0.001〜10質量部であることが好ましく、0.05〜5質量部であることがより好ましい。
【0058】
前記ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,4,4−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノ−ル/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−t−オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8−12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン等のヒンダードアミン化合物が挙げられる。
これらのヒンダードアミン系光安定剤の使用量は、合成樹脂100質量部に対して0.001〜10質量部であることが好ましく、0.05〜5質量部であることがより好ましい。
【0059】
前記の老化防止剤としては、ナフチルアミン系、ジフェニルアミン系、p−フェニルジアミン系、キノリン系、ヒドロキノン誘導体、モノフェノール系、チオビスフェノール系、ヒンダートフェノール系、亜リン酸エステル系等が挙げられる。
これらの老化防止剤の使用量は、合成樹脂100質量部に対して0.001〜10質量部であることが好ましく、0.05〜5質量部であることがより好ましい。
【0060】
本発明の難燃性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分として強化材を含有する場合がある。強化材としては、通常合成樹脂の強化に用いられる繊維状、板状、粒状、粉末状のものを用いることができる。具体的には、ガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、マグネシウム系ウイスカー、珪素系ウイスカー、ワラステナイト、セピオライト、アスベスト、スラグ繊維、ゾノライト、エレスタダイト、石膏繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維及び硼素繊維等の無機繊維状強化材、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、再生セルロース繊維、アセテート繊維、ケナフ、ラミー、木綿、ジュート、麻、サイザル、亜麻、リネン、絹、マニラ麻、さとうきび、木材パルプ、紙屑、古紙及びウール等の有機繊維状強化材、ガラスフレーク、非膨潤性雲母、グラファイト、金属箔、セラミックビーズ、クレー、マイカ、セリサイト、ゼオライト、ベントナイト、ドロマイト、カオリン、微粉ケイ酸、長石粉、チタン酸カリウム、シラスバルーン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、酸化ケイ素、石膏、ノバキュライト、ドーソナイト及び白土等の板状や粒状の強化材が挙げられる。
これらの強化材は、エチレン/酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂で被覆又は集束処理されていてもよく、アミノシランやエポキシシラン等のカップリング剤等で処理されていても良い。
【0061】
本発明の難燃性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分として、更に結晶核剤を含有する場合がある。前記結晶核剤としては一般にポリマーの結晶核剤として用いられるものを適宜用いることができ、本発明においては無機系結晶核剤及び有機系結晶核剤の何れをも使用することができる。
【0062】
前記無機系結晶核剤の具体例としては、カオリナイト、合成マイカ、クレー、ゼオライト、シリカ、グラファイト、カーボンブラック、酸化マグネシウム、酸化チタン、硫化カルシウム、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウム及びフェニルホスホネート等の金属塩を挙げることができる。これらの無機系結晶核剤は、組成物中での分散性を高めるために、有機物で修飾されている場合がある。
【0063】
有機系結晶核剤の具体例としては、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸カルシウム、安息香酸マグネシウム、安息香酸バリウム、テレフタル酸リチウム、テレフタル酸ナトリウム、テレフタル酸カリウム、シュウ酸カルシウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸カルシウム、オクタコサン酸ナトリウム、オクタコサン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、トルイル酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム、サリチル酸亜鉛、アルミニウムジベンゾエート、カリウムジベンゾエート、リチウムジベンゾエート、ナトリウムβ−ナフタレート、ナトリウムシクロヘキサンカルボキシレート等の有機カルボン酸金属塩、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、スルホイソフタル酸ナトリウム等の有機スルホン酸塩、ステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、パルチミン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、トリメシン酸トリス(t−ブチルアミド)等のカルボン酸アミド、ベンジリデンソルビトール及びその誘導体、ナトリウム−2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート等のリン化合物金属塩、及び2,2−メチルビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム等を挙げることができる。
【0064】
本発明の難燃性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分として、可塑剤を含有する場合がある。該可塑剤としては、一般にポリマーの可塑剤として用いられるものを適宜用いることができ、例えばポリエステル系可塑剤、グリセリン系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤及びエポキシ系可塑剤等を挙げることができる。
【0065】
ポリエステル系可塑剤の具体例としては、アジピン酸、セバチン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ロジン等の酸成分と、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のジオール成分とからなるポリエステルや、ポリカプロラクトン等のヒドロキシカルボン酸からなるポリエステル等を挙げることができる。これらのポリエステルは、単官能カルボン酸若しくは単官能アルコールで末端が封鎖されていてもよく、またエポキシ化合物等で末端が封鎖されていてもよい。
【0066】
グリセリン系可塑剤の具体例としては、グリセリンモノアセトモノラウレート、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリンモノアセトモノステアレート、グリセリンジアセトモノオレート及びグリセリンモノアセトモノモンタネート等を挙げることができる。多価カルボン酸エステル系可塑剤の具体例としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリヘキシル等のトリメリット酸エステル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸n−オクチル−n−デシル、アジピン酸メチルジグリコールブチルジグリコール、アジピン酸ベンジルメチルジグリコール、アジピン酸ベンジルブチルジグリコール等のアジピン酸エステル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル等のクエン酸エステル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル等のアゼライン酸エステル、セバシン酸ジブチル、及びセバシン酸ジ−2−エチルヘキシル等のセバシン酸エステル等を挙げることができる。
【0067】
ポリアルキレングリコール系可塑剤の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド)ブロック及び/又はランダム共重合体、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノール類のエチレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のプロピレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のテトラヒドロフラン付加重合体等のポリアルキレングリコール、或いはその末端エポキシ変性化合物、末端エステル変性化合物、及び末端エーテル変性化合物等の、末端封鎖化合物等を挙げることができる。
【0068】
エポキシ系可塑剤とは、一般にはエポキシステアリン酸アルキルと大豆油とからなるエポキシトリグリセリド等を指すが、その他にも、主にビスフェノールAとエピクロロヒドリンを原料とするような、いわゆるエポキシ樹脂も使用することができる。
【0069】
その他の可塑剤の具体例としては、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート等の脂肪族ポリオールの安息香酸エステル、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル等のオキシ酸エステル、ペンタエリスリトール、各種ソルビトール、ポリアクリル酸エステル及びパラフィン類等を挙げることができる。
【0070】
本発明において可塑剤を使用する場合は、1種のみを使用することができ、2種以上を併用することができる。
【0071】
本発明の難燃性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分として、滑剤を含有する場合がある。滑剤としては、通常合成樹脂に使用されるものであればよく、炭化水素系、脂肪酸系、脂肪族アルコール系、脂肪族エステル系、エチレンビスステアリルアミド等の脂肪族アミド化合物、ステアリン酸カルシウム等の脂肪族カルボン酸金属塩、又は其の他の金属石鹸系等の滑剤、シリコーンオイル等が挙げられる。
【0072】
本発明の難燃性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分として、加水分解抑制剤(耐加水分解剤)を含有する場合がある。加水分解抑制剤としては、通常合成樹脂に使用されるものであればよく、例えば、カルボジイミド化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン化合物等が挙げられる。
【0073】
前記カルボジイミド化合物は、分子中に一個以上のカルボジイミド基を有する化合物であり、2官能以上のポリカルボジイミド化合物をも含む。モノカルボジイミド化合物の例としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ナフチルカルボジイミド等を例示することができる。
【0074】
前記ポリカルボジイミド化合物の例としては、ポリ(ジシクロヘキシルカルボジイミド)、ポリ(イソプロピルカルボジイミド)、ポリ(ジメチルカルボジイミド)、ポリ(ジイソブチルカルボジイミド)、ポリ(ジオクチルカルボジイミド)、ポリ(4,4'−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(1,3−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(1−メチル−3,5−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(1,3,5−トリエチルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(ナフチルカルボジイミド)等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用することができ、2種以上を併用することもできる。
【0075】
また、前記イソシアネート化合物としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、3,3'−ジクロロ−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート又は3,3'−ジメチル−4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
【0076】
また、前記オキサゾリン化合物としては、例えば、2,2'−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2'−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2'−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2'−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2'−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2'−p−フェニレンビス(4,4'−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2'−m−フェニレンビス(4,4'−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2'−エチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2'−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2'−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2'−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2'−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、又は2,2'−ジフェニレンビス(2−オキサゾリン)等が挙げられる。これら加水分解抑制剤(耐加水分解剤)は、1種単独で、又は2種以上を併用して用いてもよい。
【0077】
その他、本発明の難燃性樹脂組成物は、必要に応じて通常合成樹脂に使用される添加剤、例えば、架橋剤、帯電防止剤、金属石鹸、充填剤、防曇剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤、発泡剤、金属不活性剤、離型剤、顔料、加工助剤、流動性改善剤、増粘剤、チキソトロピー付与剤、フュームドシリカ等を、本発明の効果を損なわない範囲で、含有する場合がある。
【0078】
前記、本発明の難燃性樹脂組成物に配合することができる前記の各成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明の前記難燃剤組成物に配合して難燃剤組成物としてから、合成樹脂に配合することができ、難燃剤組成物とは別に合成樹脂に配合することができ、難燃剤組成物と同時に合成樹脂に配合することができる。
【0079】
本発明の難燃性樹脂組成物は、成形することにより、難燃性に優れた成形品を得ることができる。成形方法は、特に限定されるものではなく、押し出し加工、カレンダー加工、射出成形、ロール、圧縮成形、ブロー成形等が挙げられ、樹脂板、シート、フィルム、異形品等の種々の形状の成形品が製造できる。
【0080】
本発明の難燃性樹脂組成物は、電気自動車、機械、電気・電子機器、OA機器等のハウジング(枠、筐体、カバー、外装)や部品、自動車内外装材等に使用できる。
【0081】
本発明の難燃性樹脂組成物及びその成形体は、電気・電子・通信、農林水産、鉱業、建設、食品、繊維、衣類、医療、石炭、石油、ゴム、皮革、自動車、精密機器、木材、建材、土木、家具、印刷、楽器等の幅広い産業分野に使用することができる。より具体的には、プリンター、パソコン、ワープロ、キーボード、PDA(小型情報端末機)、電話機、複写機、ファクシミリ、ECR(電子式金銭登録機)、電卓、電子手帳、カード、ホルダー、文具等の事務、OA機器、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、電子レンジ、照明器具、ゲーム機、アイロン、コタツ等の家電機器、TV、VTR、ビデオカメラ、ラジカセ、テープレコーダー、ミニディスク、CDプレーヤー、スピーカー、液晶ディスプレー等のAV機器、コネクター、リレー、コンデンサー、スイッチ、プリント基板、コイルボビン、半導体封止材料、LED封止材料、電線、ケーブル、トランス、偏向ヨーク、分電盤、時計等の電気・電子部品及び通信機器、OA機器等のハウジング(枠、筐体、カバー、外装)や部品、自動車内外装材の用途に用いられる。
【0082】
更に、本発明の難燃性樹脂組成物及びその成形体は、座席(詰物、表地等)、ベルト、天井張り、コンパーチブルトップ、アームレスト、ドアトリム、リアパッケージトレイ、カーペット、マット、サンバイザー、ホイルカバー、マットレスカバー、エアバック、絶縁材、吊り手、吊り手帯、電線被覆材、電気絶縁材、塗料、コーティング材、上張り材、床材、隅壁、カーペット、壁紙、壁装材、外装材、内装材、屋根材、デッキ材、壁材、柱材、敷板、塀の材料、骨組及び繰形、窓及びドア形材、こけら板、羽目、テラス、バルコニー、防音板、断熱板、窓材等の、自動車、ハイブリッドカー、電気自動車、車両、船舶、航空機、建物、住宅及び建築用材料や、土木材料、衣料、カーテン、シーツ、合板、合繊板、絨毯、玄関マット、シート、バケツ、ホース、容器、眼鏡、鞄、ケース、ゴーグル、スキー板、ラケット、テント、楽器等の生活用品、スポーツ用品、等の各種用途に使用される。
【実施例】
【0083】
以下本発明を実施例により、具体的に説明する。
【0084】
〔実施例1〕難燃剤組成物−1(リン酸エステル組成物−1)
4,4’−ジヒドロキシビフェニル186.2g(1.00mol)に、触媒として塩化マグネシウム1.05g(0.011mol)を加え、オキシ塩化リンを309.7g(2.02mol)添加して、80〜100℃で3時間反応させた。余剰のオキシ塩化リンを減圧留去したのち、フェノール329.4g(3.50mol)を添加し、120〜140℃で7時間反応させた。得られた粗生成物をキシレンに溶かし、酸を含む水溶液で洗浄した後、脱水・脱溶媒することでリン酸エステル組成物−1を得た。得られたリン酸エステル組成物−1は、IR分析及びNMR分析により前記式(1)で表されるリン酸エステルであることを確認した。
また、下記測定条件による液体クロマトグラフ測定により、このリン酸エステル組成物−1中の、式(1)においてn=1〜5に該当するそれぞれの化合物の総量に対する、n=1に該当する化合物の含有量を求めた結果、60.3質量%であった(n=2〜5に該当する化合物の合計の含有量は39.7質量%)。また、n=6及び7に該当する化合物の含有量は、リン酸エステル組成物−1中、1質量%未満であった。
得られたリン酸エステル組成物−1は25℃で液体状であった。
得られたリン酸エステル組成物−1の粘度を下記測定方法で測定した。結果を表1に示す。
得られたリン酸エステル組成物−1の保存安定性の評価を下記保存安定性試験方法で行った。結果を表1に示す。
【0085】
〔実施例2〕難燃剤組成物−2(リン酸エステル組成物−2)
4,4’−ジヒドロキシビフェニル186.2g(1.00mol)に、触媒として塩化マグネシウム1.05g(0.011mol)を加え、オキシ塩化リンを312.8g(2.04mol)添加して、80〜100℃で3時間反応させた。余剰のオキシ塩化リンを減圧留去したのち、フェノール329.4g(3.50mol)を添加し、120〜140℃で7時間反応させた。得られた粗生成物をキシレンに溶かし、酸を含む水溶液で洗浄した後、脱水・脱溶媒することでリン酸エステル組成物−2を得た。得られたリン酸エステル組成物−2は、IR分析及びNMR分析により前記式(1)で表されるリン酸エステルであることを確認した。
下記測定条件による液体クロマトグラフ測定により、このリン酸エステル組成物−2中の、式(1)においてn=1〜5に該当するそれぞれの化合物の総量に対する、n=1に該当する化合物の含有量を求めた結果、61.2質量%であった(n=2〜5に該当する化合物の合計の含有量は38.8質量%)。また、n=6及び7に該当する化合物の含有量は、リン酸エステル組成物−2中、1質量%未満であった。
得られたリン酸エステル組成物−2は25℃で液体状であった。
得られたリン酸エステル組成物−2の粘度を下記測定方法で測定した。結果を表1に示す。
得られたリン酸エステル組成物−2保存安定性の評価を下記保存安定性試験方法で行った。結果を表1に示す。
【0086】
〔実施例3〕難燃剤組成物−3(リン酸エステル組成物−3)
4,4’−ジヒドロキシビフェニル186.2g(1.00mol)に、触媒として塩化マグネシウム1.05g(0.011mol)を加え、オキシ塩化リンを315.8g(2.06mol)添加して、80〜100℃で3時間反応させた。余剰のオキシ塩化リンを減圧留去したのち、フェノール329.4g(3.50mol)を添加し、120〜140℃で7時間反応させた。得られた粗生成物をキシレンに溶かし、酸を含む水溶液で洗浄した後、脱水・脱溶媒することでリン酸エステル組成物−3を得た。得られたリン酸エステル組成物−3は、IR分析及びNMR分析により前記式(1)で表されるリン酸エステルであることを確認した。
下記測定条件による液体クロマトグラフ測定により、このリン酸エステル組成物−3中の、式(1)においてn=1〜5に該当するそれぞれの化合物の総量に対する、n=1に該当する化合物の含有量を求めた結果、62.1質量%であった(n=2〜5に該当する化合物の合計の含有量は37.9質量%)。また、n=6及び7に該当する化合物の含有量は、リン酸エステル組成物−3中、1質量%未満であった。
得られたリン酸エステル組成物−3は25℃で液体状であった。
得られたリン酸エステル組成物−3の粘度を下記測定方法で測定した。結果を表1に示す。
得られたリン酸エステル組成物−3の保存安定性の評価を下記保存安定性試験方法で行った。結果を表1に示す。
【0087】
〔実施例4〕難燃剤組成物−4(リン酸エステル組成物−4)
4,4’−ジヒドロキシビフェニル186.2g(1.00mol)に、触媒として塩化マグネシウム1.05g(0.011mol)を加え、オキシ塩化リンを318.9g(2.08mol)添加して、80〜100℃で3時間反応させた。余剰のオキシ塩化リンを減圧留去したのち、フェノール329.4g(3.50mol)を添加し、120〜140℃で7時間反応させた。得られた粗生成物をキシレンに溶かし、酸を含む水溶液で洗浄した後、脱水・脱溶媒することでリン酸エステル組成物−4を得た。得られたリン酸エステル組成物−4は、IR分析及びNMR分析により前記式(1)で表されるリン酸エステルであることを確認した。
下記測定条件による液体クロマトグラフ測定により、このリン酸エステル組成物−4中の、式(1)においてn=1〜5に該当するそれぞれの化合物の総量に対する、n=1に該当する化合物の含有量を求めた結果、63.0質量%であった(n=2〜5に該当する化合物の合計の含有量は37.0質量%)。また、n=6及び7に該当する化合物の含有量は、リン酸エステル組成物−4中、1質量%未満であった。
得られたリン酸エステル組成物−4は25℃で液体状であった。
得られたリン酸エステル組成物−4の粘度を下記測定方法で測定した。結果を表1に示す。
得られたリン酸エステル組成物−4の保存安定性の評価を下記保存安定性試験方法で行った。結果を表1に示す。
【0088】
〔実施例5〕難燃剤組成物−5(リン酸エステル組成物−5)
4,4’−ジヒドロキシビフェニル186.2g(1.00mol)に、触媒として塩化マグネシウム1.05g(0.011mol)を加え、オキシ塩化リンを335.8g(2.19mol)添加して、80〜100℃で3時間反応させた。余剰のオキシ塩化リンを減圧留去したのち、フェノール329.4g(3.50mol)を添加し、120〜140℃で7時間反応させた。得られた粗生成物をキシレンに溶かし、酸を含む水溶液で洗浄した後、脱水・脱溶媒することでリン酸エステル組成物−5を得た。得られたリン酸エステル組成物−5は、IR分析及びNMR分析により前記式(1)で表されるリン酸エステルであることを確認した。
下記測定条件による液体クロマトグラフ測定により、このリン酸エステル組成物−5中の、式(1)においてn=1〜5に該当するそれぞれの化合物の総量に対する、n=1に該当する化合物の含有量を求めた結果、67.9質量%であった(n=2〜5に該当する化合物の合計の含有量は32.1質量%)。また、n=6及び7に該当する化合物の含有量は、リン酸エステル組成物−5中、1質量%未満であった。
得られたリン酸エステル組成物−5は25℃で液体状であった。
得られたリン酸エステル組成物−5の粘度を下記測定方法で測定した。結果を表1に示す。
得られたリン酸エステル組成物−5の保存安定性の評価を下記保存安定性試験方法で行った。結果を表1に示す。
【0089】
〔実施例6〕難燃剤組成物−6(リン酸エステル組成物−6)
4,4’−ジヒドロキシビフェニル186.2g(1.00mol)に、触媒として塩化マグネシウム1.05g(0.011mol)を加え、オキシ塩化リンを341.9g(2.23mol)添加して、80〜100℃で3時間反応させた。余剰のオキシ塩化リンを減圧留去したのち、フェノール329.4g(3.50mol)を添加し、120〜140℃で7時間反応させた。得られた粗生成物をキシレンに溶かし、酸を含む水溶液で洗浄した後、脱水・脱溶媒することでリン酸エステル組成物−6を得た。得られたリン酸エステル組成物−6は、IR分析及びNMR分析により前記式(1)で表されるリン酸エステルであることを確認した。
下記測定条件による液体クロマトグラフ測定により、このリン酸エステル組成物−6中の、式(1)においてn=1〜5に該当するそれぞれの化合物の総量に対する、n=1に該当する化合物の含有量を求めた結果、68.8質量%であった(n=2〜5に該当する化合物の合計の含有量は31.2質量%)。また、n=6及び7に該当する化合物の含有量は、リン酸エステル組成物−6中、1質量%未満であった。
得られたリン酸エステル組成物−6は25℃で液体状であった。
得られたリン酸エステル組成物−6の粘度を下記測定方法で測定した。結果を表1に示す。
得られたリン酸エステル組成物−6の保存安定性の評価を下記保存安定性試験方法で行った。結果を表1に示す。
【0090】
〔実施例7〕難燃剤組成物−7(リン酸エステル組成物−7)
4,4’−ジヒドロキシビフェニル186.2g(1.00mol)に、触媒として塩化マグネシウム1.05g(0.011mol)を加え、オキシ塩化リンを346.5g(2.26mol)添加して、80〜100℃で3時間反応させた。余剰のオキシ塩化リンを減圧留去したのち、フェノール329.4g(3.50mol)を添加し、120〜140℃で7時間反応させた。得られた粗生成物をキシレンに溶かし、酸を含む水溶液で洗浄した後、脱水・脱溶媒することでリン酸エステル組成物−7を得た。得られたリン酸エステル組成物−7は、IR分析及びNMR分析により前記式(1)で表されるリン酸エステルであることを確認した。
下記測定条件による液体クロマトグラフ測定により、このリン酸エステル組成物−7中の、式(1)においてn=1〜5に該当するそれぞれの化合物の総量に対する、n=1に該当する化合物の含有量を求めた結果、69.5質量%であった(n=2〜5に該当する化合物の合計の含有量は30.5質量%)。また、n=6及び7に該当する化合物の含有量は、リン酸エステル組成物−7中、1質量%未満であった。
得られたリン酸エステル組成物−7は25℃で液体状であった。
得られたリン酸エステル組成物−7の粘度を下記測定方法で測定した。結果を表1に示す。
得られたリン酸エステル組成物−7の保存安定性の評価を下記保存安定性試験方法で行った。結果を表1に示す。
【0091】
〔比較例1〕比較難燃剤組成物−1(比較リン酸エステル組成物−1)
4,4’−ジヒドロキシビフェニル186.2g(1.00mol)に、触媒として塩化マグネシウム1.05g(0.011mol)を加え、オキシ塩化リンを306.6g(2.00mol)添加して、80〜100℃で3時間反応させた。余剰のオキシ塩化リンを減圧留去したのち、フェノール329.4g(3.50mol)を添加し、120〜140℃で7時間反応させた。得られた粗生成物をキシレンに溶かし、酸を含む水溶液で洗浄した後、脱水・脱溶媒することで比較リン酸エステル組成物−1を得た。得られたリン酸エステル組成物−1は、IR分析及びNMR分析により前記式(1)で表されるリン酸エステルであることを確認した。
下記測定条件による液体クロマトグラフ測定により、この比較リン酸エステル組成物−1中の、式(1)においてn=1〜5に該当するそれぞれの化合物の総量に対する、n=1に該当する化合物の含有量を求めた結果、59.0質量%であった(n=2〜5に該当する化合物の合計の含有量は41.0質量%)。また、n=6及び7に該当する化合物の含有量は、比較リン酸エステル組成物−1中、1質量%未満であった。
得られた比較リン酸エステル組成物−1は25℃で液体状であった。
得られた比較リン酸エステル組成物−1の粘度を下記測定方法で測定した。結果を表1に示す。
得られた比較リン酸エステル組成物−1の保存安定性の評価を下記保存安定性試験方法で行った。結果を表1に示す。
【0092】
〔比較例2〕比較難燃剤組成物−2(比較リン酸エステル組成物−2)
4,4’−ジヒドロキシビフェニル186.2g(1.00mol)に、触媒として塩化マグネシウム1.05g(0.011mol)を加え、オキシ塩化リンを349.6g(2.28mol)添加して、80〜100℃で3時間反応させた。余剰のオキシ塩化リンを減圧留去したのち、フェノール329.4g(3.50mol)を添加し、120〜140℃で7時間反応させた。得られた粗生成物をキシレンに溶かし、酸を含む水溶液で洗浄した後、脱水・脱溶媒することで比較リン酸エステル組成物−2を得た。得られたリン酸エステル組成物−2は、IR分析及びNMR分析により前記式(1)で表されるリン酸エステルであることを確認した。
下記測定条件による液体クロマトグラフ測定により、この比較リン酸エステル組成物−2中の、式(1)においてn=1〜5に該当するそれぞれの化合物の総量に対する、n=1に該当する化合物の含有量を求めた結果、70.2質量%であった(n=2〜5に該当する化合物の合計の含有量は29.8質量%)。また、n=6及び7に該当する化合物の含有量は、比較リン酸エステル組成物−2中、1質量%未満であった。
得られた比較リン酸エステル組成物−2は25℃で液体状であった。
得られた比較リン酸エステル組成物−2の粘度を下記測定方法で測定した。結果を表1に示す。
得られた比較リン酸エステル組成物−2の保存安定性の評価を下記保存安定性試験方法で行った。結果を表1に示す。
【0093】
〔比較例3〕比較難燃剤組成物−3(比較リン酸エステル組成物−3)
4,4’−ジヒドロキシビフェニル186.2g(1.00mol)に、触媒として塩化マグネシウム1.05g(0.011mol)を加え、オキシ塩化リンを368.0g(2.40mol)添加して、80〜100℃で3時間反応させた。余剰のオキシ塩化リンを減圧留去したのち、フェノール329.4g(3.50mol)を添加し、120〜140℃で7時間反応させた。得られた粗生成物をキシレンに溶かし、酸を含む水溶液で洗浄した後、脱水・脱溶媒することで比較リン酸エステル組成物−3を得た。得られたリン酸エステル組成物−3は、IR分析及びNMR分析により前記式(1)で表されるリン酸エステルであることを確認した。
下記測定条件による液体クロマトグラフ測定により、この比較リン酸エステル組成物−3中の、式(1)においてn=1〜5に該当するそれぞれの化合物の総量に対する、n=1に該当する化合物の含有量を求めた結果、72.4質量%であった(n=2〜5に該当する化合物の合計の含有量は27.6質量%)。また、n=6及び7に該当する化合物の含有量は、比較リン酸エステル組成物−3中、1質量%未満であった。
得られた比較リン酸エステル組成物−3は25℃で液体状であった。
得られた比較リン酸エステル組成物−3の粘度を下記測定方法で測定した。結果を表1に示す。
得られた比較リン酸エステル組成物−3の保存安定性の評価を下記保存安定性試験方法で行った。結果を表1に示す。
【0094】
尚、難燃剤組成物−1〜7及び比較難燃剤組成物1〜3における、式(1)においてnが6及び7の化合物の含有量は1質量%未満であった。
【0095】
<液体クロマトグラフ測定条件>
装置:日本分光(株)製、Pump(PU−2089 PLUS)、Detector(MD 2018 PLUS)
カラム:(株)センシュー科学製(PEGASIL ODS φ4.6mm×L250mm)
カラム温度:40℃
検出波長:261nm
展開溶媒:MeOH/0.3%リン酸水溶液
【0096】
<粘度の測定方法>
試験装置:B型粘度計(英弘精機(株)製)
測定方法:JIS K 7117−1規格に準拠して以下のように測定した。
サンプルを1時間、25℃の恒温槽で保持後、前記B型粘度計を用い、粘度を測定した。少量サンプルアダプター、No.SC4−31のスピンドルを使用し、回転速度(0.6rpm)で、測定を行った。
【0097】
<保存安定性試験>
リン酸エステル組成物(難燃剤組成物)の30gをガラス製サンプル瓶に取り、保存安定性促進試験として種晶0.03gを加えて密栓した。(種晶は式(1)においてn=1〜5に該当するそれぞれの化合物の総量に対する、n=1に該当する化合物の含有量が、92質量%の25℃で固体のリン酸エステルを用いた。)
サンプル瓶を25℃の恒温槽に保存した。保存前と、保存後3カ月後に、ヘイズ−ガードプラス((株)東洋精機製作所製)を用いて、Haze値と全光線透過率を測定した。
Haze値が大きくなるほど、濁りが生じたり、固体が析出したり、固体状になったりしたことを示し、保存安定性が悪いことになる。また、透過率が小さくなるほど、濁りが生じたり、固体が析出したり、固体状になったりしたことを示し、保存安定性が悪いことになる。
【0098】
〔実施例8〕難燃性樹脂組成物−1
実施例1で製造した難燃剤組成物−1(リン酸エステル組成物−1)を用いて、下記表2に示す配合の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を調製した。調製した難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を下記の加工条件で押出加工し、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを作製した。難燃剤組成物−1は常温(25℃)で良好な流動性を有するため、ハンドリング性に優れ、短時間で容易に加工することができ、ハンドリング性が良好であり、且つ加工性が良好であると評価できた。
作製したペレットを用い、下記の条件の射出成形により難燃性試験片を作製した。この試験片を用いて、下記試験方法にて、難燃性試験(UL−94V試験)を行った。結果を表2に示す。
【0099】
〔実施例9〕難燃性樹脂組成物−2
実施例2で製造した難燃剤組成物−2(リン酸エステル組成物−2)を用いて、下記表2に示す配合の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を調製した。調製した難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を下記の加工条件で押出加工し、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを作製した。難燃剤組成物−2は常温(25℃)で良好な流動性を有するため、ハンドリング性に優れ、短時間で容易に加工することができ、ハンドリング性が良好であり、且つ加工性が良好であると評価できた。
作製したペレットを用い、下記の条件の射出成形により難燃性試験片を作製した。この試験片を用いて、下記試験方法にて、難燃性試験(UL−94V試験)を行った。結果を表2に示す。
【0100】
〔実施例10〕難燃性樹脂組成物−3
実施例3で製造した難燃剤組成物−3(リン酸エステル組成物−3)を用いて、下記表2に示す配合の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を調製した。調製した難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を下記の加工条件で押出加工し、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを作製した。難燃剤組成物−3は常温(25℃)で良好な流動性を有するため、ハンドリング性に優れ、短時間で容易に加工することができ、ハンドリング性が良好であり、且つ加工性が良好であると評価できた。
作製したペレットを用い、下記の条件の射出成形により難燃性試験片を作製した。この試験片を用いて、下記試験方法にて、難燃性試験(UL−94V試験)を行った。結果を表2に示す。
【0101】
〔実施例11〕難燃性樹脂組成物−4
実施例4で製造した難燃剤組成物−4(リン酸エステル組成物−4)を用いて、下記表2に示す配合の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を調製した。調製した難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を下記の加工条件で押出加工し、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを作製した。難燃剤組成物−4は常温(25℃)で良好な流動性を有するため、ハンドリング性に優れ、短時間で容易に加工することができ、ハンドリング性が良好であり、且つ加工性が良好であると評価できた。
作製したペレットを用い、下記の条件の射出成形により難燃性試験片を作製した。この試験片を用いて、下記試験方法にて、難燃性試験(UL−94V試験)を行った。結果を表2に示す。
【0102】
〔実施例12〕難燃性樹脂組成物−5
実施例5で製造した難燃剤組成物−5(リン酸エステル組成物−5)を用いて、下記表2に示す配合の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を調製した。調製した難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を下記の加工条件で押出加工し、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを作製した。難燃剤組成物−5は常温(25℃)で良好な流動性を有するため、ハンドリング性に優れ、短時間で容易に加工することができ、ハンドリング性が良好であり、且つ加工性が良好であると評価できた。
作製したペレットを用い、下記の条件の射出成形により難燃性試験片を作製した。この試験片を用いて、下記試験方法にて、難燃性試験(UL−94V試験)を行った。結果を表2に示す。
【0103】
〔実施例13〕難燃性樹脂組成物−6
実施例6で製造した難燃剤組成物−6(リン酸エステル組成物−6)を用いて、下記表2に示す配合の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を調製した。調製した難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を下記の加工条件で押出加工し、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを作製した。難燃剤組成物−6は常温(25℃)で良好な流動性を有するため、ハンドリング性に優れ、短時間で容易に加工することができ、ハンドリング性良好、加工性良好と評価できた。
作製したペレットを用い、下記の条件の射出成形により難燃性試験片を作製した。この試験片を用いて、下記試験方法にて、難燃性試験(UL−94V試験)を行った。結果を表2に示す。
【0104】
〔実施例14〕難燃性樹脂組成物−7
実施例7で製造した難燃剤組成物−7(リン酸エステル組成物−7)を用いて、下記表2に示す配合の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を調製した。調製した難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を下記の加工条件で押出加工し、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを作製した。難燃剤組成物−7は常温(25℃)で良好な流動性を有するため、ハンドリング性に優れ、短時間で容易に加工することができ、ハンドリング性が良好であり、且つ加工性が良好であると評価できた。
作製したペレットを用い、下記の条件の射出成形により難燃性試験片を作製した。この試験片を用いて、下記試験方法にて、難燃性試験(UL−94V試験)を行った。結果を表2に示す。
【0105】
〔比較例4〕比較難燃性樹脂組成物−1
比較例1で製造した比較難燃剤組成物−1(比較リン酸エステル組成物−1)を用いて、下記表2に示す配合の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を調製した。調製した難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を下記の加工条件で押出加工し、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを作製した。比較難燃剤組成物−1は、常温(25℃)での流動性が悪く、ハンドリング性に劣り、加工に手間と長時間を要した。よって、ハンドリング性が不良であり、且つ加工性が不良であると評価した。
作製したペレットを用い、下記の条件の射出成形により難燃性試験片を作製した。この試験片を用いて、下記試験方法にて、難燃性試験(UL−94V試験)を行った。結果を表2に示す。
【0106】
<加工条件>
押し出し機:PCM30−38−3V−ISE((株)池貝製)
温度:280℃
スクリュー:2軸
回転数:100rpm
【0107】
<射出成形条件>
横型射出成形機:NEX−80−9E(日精樹脂工業(株)製)
温度:280℃、金型温度:80℃
【0108】
<難燃性UL−94V試験方法>
長さ127mm、幅12.7mm及び厚さ1.6mmの試験片を垂直に保ち、下端にバーナーの火を10秒間接炎させた後で炎を取り除き、試験片に着火した火が消える時間を測定した。次に、火が消えると同時に2回目の接炎を10秒間行い、1回目と同様にして着火した火が消える時間を測定した。また、落下する火種により試験片の下の綿が着火するか否かについても同時に評価した。
1回目と2回目の燃焼時間、綿着火の有無等からUL−94V規格にしたがって燃焼ランクをつけた。燃焼ランクはV−0が最高のものであり、V−1、V−2となるに従って難燃性は低下する。但し、V−0〜V−2のランクの何れにも該当しないものはNRとする。
【0109】
〔実施例15〕難燃性樹脂組成物−8
実施例1で製造した難燃剤組成物−1(リン酸エステル組成物−1)を用いて、下記表3に示す配合の難燃性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を調製した。調製した難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を前記加工条件で押出加工し、難燃性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物のペレットを作製した。難燃剤組成物−1は常温(25℃)で良好な流動性を有するため、ハンドリング性に優れ、短時間で容易に加工することができ、ハンドリング性が良好であり、且つ加工性が良好であると評価できた。
作製したペレットを用い、前記の条件での射出成形により難燃性試験片を作製した。この試験片を用いて、上記試験方法にて、難燃性試験(UL−94V試験)を行った。結果を表3に示す。
【0110】
〔実施例16〕難燃性樹脂組成物−9
実施例2で製造した難燃剤組成物−2(リン酸エステル組成物−2)を用いて、下記表3に示す配合の難燃性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を調製した。調製した難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を前記加工条件で押出加工し、難燃性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物のペレットを作製した。難燃剤組成物−2は常温(25℃)で良好な流動性を有するため、ハンドリング性に優れ、短時間で容易に加工することができ、ハンドリング性が良好であり、且つ加工性が良好であると評価できた。
作製したペレットを用い、前記の条件の射出成形により難燃性試験片を作製した。この試験片を用いて、上記試験方法にて、難燃性試験(UL−94V試験)を行った。結果を表3に示す。
【0111】
〔実施例17〕難燃性樹脂組成物−10
実施例3で製造した難燃剤組成物−3(リン酸エステル組成物−3)を用いて、下記表3に示す配合の難燃性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を調製した。調製した難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を前記加工条件で押出加工し、難燃性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物のペレットを作製した。難燃剤組成物−3は常温(25℃)で良好な流動性を有するため、ハンドリング性に優れ、短時間で容易に加工することができ、ハンドリング性が良好であり、且つ加工性が良好であると評価できた。
作製したペレットを用い、前記の条件での射出成形により難燃性試験片を作製した。この試験片を用いて、前記試験方法にて、難燃性試験(UL−94V試験)を行った。結果を表3に示す。
【0112】
〔実施例18〕難燃性樹脂組成物−11
実施例4で製造した難燃剤組成物−4(リン酸エステル組成物−4)を用いて、下記表3に示す配合の難燃性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を調製した。調製した難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を前記加工条件で押出加工し、難燃性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物のペレットを作製した。難燃剤組成物−4は常温(25℃)で良好な流動性を有するため、ハンドリング性に優れ、短時間で容易に加工することができ、ハンドリング性が良好であり、且つ加工性が良好であると評価できた。
作製したペレットを用い、前記の条件での射出成形により難燃性試験片を作製した。この試験片を用いて、前記試験方法にて、難燃性試験(UL−94V試験)を行った。結果を表3に示す。
【0113】
〔実施例19〕難燃性樹脂組成物−12
実施例5で製造した難燃剤組成物−5(リン酸エステル組成物−5)を用いて、下記表3に示す配合の難燃性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を調製した。調製した難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を前記加工条件で押出加工を行い、難燃性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物のペレットを作製した。難燃剤組成物−5は常温(25℃)で良好な流動性を有するため、ハンドリング性に優れ、短時間で容易に加工することができ、ハンドリング性が良好であり、且つ加工性が良好であると評価できた。
作製したペレットを用い、前記の条件での射出成形により難燃性試験片を作製した。この試験片を用いて、下記試験方法にて、難燃性試験(UL−94V試験)を行った。結果を表3に示す。
【0114】
〔実施例20〕難燃性樹脂組成物−13
実施例6で製造した難燃剤組成物−6(リン酸エステル組成物−6)を用いて、下記表3に示す配合の難燃性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を調製した。調製した難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を前記加工条件で押出加工を行い、難燃性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物のペレットを作製した。難燃剤組成物−6は常温(25℃)で良好な流動性を有するため、ハンドリング性に優れ、短時間で容易に加工することができ、ハンドリング性が良好であり、且つ加工性が良好であると評価できた。
作製したペレットを用い、前記の条件での射出成形により難燃性試験片を作製した。この試験片を用いて、下記試験方法にて、難燃性試験(UL−94V試験)を行った。結果を表3に示す。
【0115】
〔実施例21〕難燃性樹脂組成物−14
実施例7で製造した難燃剤組成物−7(リン酸エステル組成物−7)を用いて、下記表3に示す配合の難燃性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を調製した。調製した難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を前記加工条件で押出加工を行い、難燃性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物のペレットを作製した。難燃剤組成物−7は常温(25℃)で良好な流動性を有するため、ハンドリング性に優れ、短時間で容易に加工することができ、ハンドリング性が良好であり、且つ加工性が良好であると評価できた。
作製したペレットを用い、前記の条件での射出成形により難燃性試験片を作製した。この試験片を用いて、下記試験方法にて、難燃性試験(UL−94V試験)を行った。結果を表3に示す。
【0116】
〔比較例5〕比較難燃性樹脂組成物−2
比較例1で製造した比較難燃剤組成物−1(比較リン酸エステル組成物−1)を用いて、下記表3に示す配合の難燃性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を調製した。調製した難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を前記の加工条件で押出加工を行い、難燃性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物のペレットを作製した。比較難燃剤組成物−1は常温(25℃)での流動性が悪く、ハンドリング性に劣り、加工に手間と長時間を要した。よって、ハンドリング性が不良であり、且つ加工性が不良であると評価した。
作製したペレットを用い、下記の条件での射出成形により難燃性試験片を作製した。この試験片を用いて、下記試験方法にて、難燃性試験(UL−94V試験)を行った。結果を表3に示す。
【0117】

【表1】
【0118】
【表2】
【0119】
【表3】
【0120】
表1の結果から、本発明の難燃剤組成物は、保存安定性に優れることがわかる。また表1の結果から、本発明の難燃剤組成物は流動性に優れ、ハンドリング性に優れることがわかる。また、表2及び表3の結果から本発明の難燃剤組成物は、ハンドリング性と加工性に優れることがわかり、更に充分な難燃性能を有することがわかる。これに対し、nが1である一般式(1)で表されるリン酸エステルの含有量が70質量%以上である比較リン酸エステル2及び3は、保存安定性に劣ったものであった。また、nが1である一般式(1)で表されるリン酸エステルの含有量が60質量%未満である比較リン酸エステル1は、保存安定性は良好であるが、流動性が悪く、結果、該リン酸エステルを含有する比較難燃性樹脂組成物は、ハンドリング性が不良であり、且つ加工性が不良であった。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明によれば、保存安定性に優れ、且つ加工性及びハンドリング性に優れた難燃剤組成物を提供することができる。
また本発明によれば、加工性とハンドリング性とに優れた難燃性樹脂組成物を提供することができる。
更に本発明によれば、優れた難燃性を有する成形体を提供することができる。
【国際調査報告】