再表2020-26935IP Force 特許公報全文掲載

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2020年2月6日
【発行日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】粘着剤組成物及び表面保護フィルム
(51)【国際特許分類】
   C09J 175/04 20060101AFI20201120BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20201120BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20201120BHJP
【FI】
   C09J175/04
   C09J11/06
   C09J7/38
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
【出願番号】特願2020-533466(P2020-533466)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2019年7月25日
(31)【優先権主張番号】特願2018-145070(P2018-145070)
(32)【優先日】2018年8月1日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177471
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞治
(74)【代理人】
【識別番号】100163290
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 明洋
(74)【代理人】
【識別番号】100149445
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 孝幸
(74)【代理人】
【識別番号】100124143
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 嘉久
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩司
(72)【発明者】
【氏名】髭白 朋和
(72)【発明者】
【氏名】小松崎 優紀
【テーマコード(参考)】
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
4J004AA14
4J004AB01
4J004CA06
4J004CB03
4J004CC02
4J004CE01
4J004DB04
4J004FA04
4J040EF021
4J040EF051
4J040EF081
4J040GA07
4J040HB10
4J040HC03
4J040JA02
4J040JA09
4J040JB09
4J040KA16
4J040LA10
4J040MA10
4J040MB03
4J040MB09
4J040NA06
(57)【要約】
高温高湿下においても、表面保護フィルムの透明性を維持することが可能な粘着剤組成物を提供することを課題とする。本願発明は、ウレタン樹脂(A)及び硬化剤(B)を含み、前記ウレタン樹脂(A)が、ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)との反応物であり、前記ポリオール(a1)が、ポリマーポリオール(a1−1)と、カルボキシル基を有するポリオール(a1−2)とを含み、前記硬化剤(B)が、カルボキシル基と反応しうる官能基を有する硬化剤を含むものである粘着剤組成物を用いる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウレタン樹脂(A)及び硬化剤(B)を含み、
前記ウレタン樹脂(A)が、ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)との反応物であり、
前記ポリオール(a1)が、ポリマーポリオール(a1−1)と、カルボキシル基を有するポリオール(a1−2)とを含み、
前記硬化剤(B)が、カルボキシル基と反応しうる官能基を有する硬化剤を含むものである粘着剤組成物。
【請求項2】
前記ウレタン樹脂(A)の酸価が、5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下である請求項1記載の粘着剤組成物。
【請求項3】
前記硬化剤(B)が、さらに、イソシアネート硬化剤を含む請求項1又は2記載の粘着剤組成物。
【請求項4】
前記硬化剤(B)の含有量が、前記ウレタン樹脂(A)100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下である請求項1〜3のいずれか1項記載の粘着剤組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項記載の粘着剤組成物から形成される粘着シート。
【請求項6】
請求項5記載の粘着シートを含む表面保護フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着剤組成物及び表面保護フィルム
【背景技術】
【0002】
各種基材の表面の汚れや傷付きを防止することを目的として、表面保護フィルムが用いられている。前記表面保護フィルムは、例えば、表示装置の製造工程において、光学部材等に貼り付けられ、表面の保護が不要になった段階で光学部材等から剥離される。
【0003】
こうした表面保護フィルムに用いられる粘着剤としては、エステル結合を有するウレタンポリマーと、脂肪酸エステルと硬化剤を含む粘着剤が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、水酸基を有するウレタン樹脂と、硬化剤と、有機酸のジエステル又はトリエステルを含む粘着剤が知られている(例えば、特許文献2、3参照)。さらに、2つ以上の水酸基を有するポリウレタン、架橋剤、カルボジイミド化合物及び有機溶剤を含む粘着剤が知られている(例えば、特許文献4参照)。また、ポリイソシアネート、ポリオール及びジオキシカルボン酸等を反応させて得られるポリウレタンと、ポリイソシアネート硬化剤とを含む粘着剤が知られている(例えば、特許文献5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5861794号公報
【特許文献2】特許第5974311号公報
【特許文献3】特許第5974313号公報
【特許文献4】特許第6032388号公報
【特許文献5】特開2010−180290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来から知られる特許文献1〜5に記載の粘着剤を表面保護フィルムに使用すると、高温高湿下に放置した場合、表面保護フィルムが白く濁る(白霧)場合があった。本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、高温高湿下においても、表面保護フィルムの透明性を維持することが可能な粘着剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の粘着剤組成物は、ウレタン樹脂(A)及び硬化剤(B)を含み、前記ウレタン樹脂(A)が、ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)との反応物であり、前記ポリオール(a1)が、ポリマーポリオール(a1−1)と、カルボキシル基を有するポリオール(a1−2)とを含み、前記硬化剤(B)が、カルボキシル基と反応しうる官能基を有する硬化剤を含むものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の粘着剤組成物は、得られる表面保護フィルムにおいて、高温高湿下におかれた後でも、透明性を維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の粘着剤組成物は、ウレタン樹脂(A)及び硬化剤(B)を含む。
【0009】
前記ウレタン樹脂(A)は、ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)との反応物である。
【0010】
前記ポリオール(a1)は、1分子中にヒドロキシル基を2個以上有する化合物であり、ポリマーポリオール(a1−1)と、カルボキシル基を有するポリオール(a1−2)とを含む。
【0011】
前記ポリマーポリオール(a1−1)の数平均分子量は、好ましくは500以上、より好ましくは700以上、さらに好ましくは900以上であり、好ましくは10,000以下、より好ましくは5,000以下、さらに好ましくは3,000以下、特に好ましくは1,200以下である。
本発明において、数平均分子量及び重量平均分子量は、ポリスチレン換算によるゲル・パーミエーション・クロマトグラフィにより測定した値を表す。
【0012】
前記ポリマーポリオール(a1−1)としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
【0013】
前記ポリエーテルポリオールは、活性水素原子を2個以上有する化合物(例えば、分子量50以上500未満)の1種又は2種以上を開始剤として、アルキレンオキサイドを付加重合させたもの、或いは、前記活性水素原子を2個以上有する化合物(例えば、分子量50以上500未満)の1種又は2種以上を必要に応じて開始剤として用い、環状エーテルを開環重合させたものが挙げられる。
【0014】
前記活性水素原子を2個以上有する化合物としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
【0015】
前記アルキレンオキサイドとしては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エピクロロヒドリン等が挙げられる。前記環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、アルキル置換テトラヒドロフラン等が挙げられる。
【0016】
前記ポリエーテルポリオールとしては、特に、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、テトラヒドロフランとアルキル置換テトラヒドロフランとを反応させて得られるポリテトラメチレングリコール誘導体、ネオペンチルグリコールとテトラヒドロフランとを共重合させたポリテトラメチレングリコール誘導体等を使用することができる。なかでも、前記ポリエーテルポリオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリテトラメチレングリコール誘導体(PTXG)が好ましい。
【0017】
前記ポリエーテルポリオールとしては、少なくとも、炭素原子数が4以上であるオキシアルキレン単位を10質量%以上の割合で有するポリエーテルポリオールを含む。炭素原子数が4以上であるオキシアルキレン単位を含むことで、表面特性の変化を抑制しやすくなる。
【0018】
前記ポリマーポリオール(a1−1)中、ポリエーテルポリオールの含有率は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、好ましくは100質量%以下である。
【0019】
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば低分子ポリオールとポリカルボン酸とのエステル化反応物;ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合物;前記エステル化反応物や開環重合物の共重合ポリエステルなどを使用することができる。
【0020】
前記ポリカルボン酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸や、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、及びそれらの無水物またはエステル化物等が挙げられる。
【0021】
前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば炭酸エステル及び/又はホスゲンと、低分子ポリオールとの反応が挙げられる。前記炭酸エステルとしては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、アルキルカーボネート(例えば、メチルカーボネート、エチルカーボネート等)、ジアルキルカーボネート(例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等)等の脂肪族カーボネート;シクロカーボネート等の脂環式構造を含むカーボネート(以下、「脂環式構造を含む」ことを単に「脂環式」という場合がある。);ジフェニルカーボネート等の芳香族カーボネートが挙げられる。中でも、脂肪族カーボネート、脂環式カーボネートが好ましく、脂肪族カーボネートがより好ましく、ジアルキルカーボネートがより好ましい。
【0022】
前記炭酸エステルやホスゲンと反応しうる低分子ポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等の脂肪族ポリオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ポリオール;ハイドロキノン、レゾルシン;ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’−ビフェノール等の芳香族ポリオールなどが挙げられる。
【0023】
前記低分子ポリオールとしては、脂肪族ポリオール、脂環式ポリオールが好ましく、脂肪族ポリオールがより好ましく、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールがさらに好ましい。
【0024】
前記ポリカーボネートポリオールとしては、脂肪族カーボネートと脂肪族ポリオールとの反応物である脂肪族ポリカーボネートポリオール;脂肪族カーボネート及び/又は脂環式カーボネートと脂肪族ポリオール及び/又は脂環式ポリオールとの反応物である脂環式ポリカーボネートポリオールなどが好ましい。
【0025】
前記ポリオール(a1)中、ポリマーポリオール(a1−1)の含有率は、好ましく50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上であり、好ましくは100質量%以下である。
【0026】
前記カルボキシル基を有するポリオール(a1−2)としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸等のヒドロキシ酸;及び前記カルボキシ基を有するポリオールと前記ポリカルボン酸との反応物などが挙げられる。前記カルボキシル基を有するポリオール(a1−2)としては、ヒドロキシ酸が好ましく、2,2−ジメチロールプロピオン酸がより好ましい。
【0027】
前記カルボキシル基を有するポリオール(a1−2)の含有量は、前記ポリマーポリオール(a1−1)100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは3質量部以上であり、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、さらに好ましくは20質量部以下である。
【0028】
前記ポリオール(a1)中、前記ポリマーポリオール(a1−1)及び前記カルボキシル基を有するポリオール(a1−2)の合計の含有率は、好ましく50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、好ましくは100質量%以下である。
【0029】
前記ポリオール(a1)は、前記ポリマーポリオール(a1−1)及び前記カルボキシル基を有するポリオール(a1−2)以外の他のポリオール(a1−3)を含んでいてもよい。
【0030】
前記ポリイソシアネート(a2)としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、クルードジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリエンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−メチルシクロヘキサンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレート及び2,5−及び/又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート等が挙げられる。なかでも、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネートが好ましい。
【0031】
前記ポリイソシアネート(a2)に含まれるイソシアネート基と、前記ポリオール(a1)に含まれるヒドロキシル基とのモル比(イソシアネート基/ヒドロキシル基)は、0.5以上であり、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上、さらに好ましくは0.85以上であり、1未満、好ましくは1以下、より好ましくは0.95以下である。
【0032】
前記ウレタン樹脂は、ポリオール(a1)及びポリイソシアネート(a2)とともにさらに鎖伸長剤を反応させたものであってもよい。また前記ポリイソシアネート(a2)に含まれるイソシアネート基と、前記ポリオール(a1)に含まれるヒドロキシル基とのモル比(イソシアネート基/ヒドロキシル基)を1.0以上のイソシアネート基過剰の割合で反応させてイソシアネート末端のプレポリマーを得た後に、鎖伸長剤を反応させたものであってもよい。イソシアネート末端のプレポリマーを作成する場合の前記ポリイソシアネート(a2)に含まれるイソシアネート基と、前記ポリオール(a1)に含まれるヒドロキシル基とのモル比(イソシアネート基/ヒドロキシル基)は、1.0以上であり、好ましくは1.05以上、より好ましくは1.1以上、好ましくは3.0未満、より好ましくは2.5以下、さらに好ましくは2.0以下である。
【0033】
前記鎖伸長剤としては、1種又は2種以上を用いることができ、活性水素原子を2個以上有する化合物やポリアミン等が挙げられる。前記活性水素原子を2個以上有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3,3’−ジメチロールへプタン、ネオペンチルグリコール、3,3−ビス(ヒドロキシメチル)へプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の脂肪族鎖伸長剤;1,2−シクロブタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘプタンジオール、シクロオクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキシプロピルシクロヘキサノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−ジメタノール、ビシクロ[4.3.0]−ノナンジオール、ジシクロヘキサンジオール、ビシクロ[4.3.0]ノナンジメタノール、スピロ[3.4]オクタンジオール、ブチルシクロヘキサンジオール、1,1’−ビシクロヘキシリデンジオール、シクロヘキサントリオール、水素添加ビスフェノ−ルA、1,3−アダマンタンジオール等の脂環式鎖伸長剤などが挙げられ、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール等の脂肪族アルキレングリコール;シクロヘキサンジメタノール等の脂環式グリコールなどが好ましい。また、前記ポリアミンとしては、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4‘−ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4‘−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、N−ヒドロキシメチルアミノエチルアミン、N−エチルアミノエチルアミン、N−メチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヒドラジン、N,N’−ジメチルヒドラジン、1,6−ヘキサメチレンビスヒドラジン、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、β−セミカルバジドプロピオン酸ヒドラジド、3−セミカルバジド−プロピル−カルバジン酸エステル、セミカルバジド−3−セミカルバジドメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン等のポリアミン伸長剤などが挙げられる。
【0034】
前記鎖伸長剤を含む場合、その含有率は、前記ポリオール(a1)に対して、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。
【0035】
前記ウレタン樹脂(A)は、前記ポリオール(a1)、ポリイソシアネート(a2)及び必要に応じて用いる鎖伸長剤との反応物に、さらに末端停止剤を反応させたものであってもよい。末端停止剤を用いることで、イソシアネート基を失活させることができる。
【0036】
前記末端停止剤としては、アルコールが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の1官能アルコール;1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の2官能アルコール;多官能ポリオール;アルカノールアミン(例えば、エタノールアミン等)、アルカノールジアミン(例えば、ジエタノールアミン等)などのアルカノールアミン化合物などが挙げられる。
【0037】
前記末端停止剤を用いる場合、末端停止剤に含まれる活性水素原子を有する基と、前記ポリイソシアネート(a2)に含まれるイソシアネート基とのモル比は、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.2以上、さらに好ましくは1.5以上であり、好ましくは10.0以下、より好ましくは5.0以下、さらに好ましくは3.0以下である。
【0038】
前記ウレタン樹脂(A)の酸価は、好ましくは5mgKOH/g以上、より好ましくは7mgKOH/g以上、好ましくは50mgKOH/g以下、より好ましくは45mgKOH/g以下、さらに好ましくは35mgKOH/g以下である。
【0039】
前記ウレタン樹脂(A)の数平均分子量は、好ましくは7,000以上、よりより好ましくは9,000以上、さらに好ましくは10,000以上であり、好ましくは80,000以下、より好ましくは60,000以下、さらに好ましくは40,000以下である。
【0040】
前記ウレタン樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは10,000以上、より好ましくは20,000以上、さらに好ましくは30,000以上であり、好ましくは100,000以下、より好ましくは70,000以下、さらに好ましくは50,000以下である。
【0041】
前記ウレタン樹脂(A)の分子量分散度は、好ましくは1.8以上、より好ましくは2以上、さらに好ましくは2.3以上であり、好ましくは7以下、より好ましくは5以下である。
【0042】
本明細書において、数平均分子量、重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ法を用い、ポリスチレンを標準試料とした換算値として測定することができる。
【0043】
前記ウレタン樹脂(A)は、ポリオール(a1)及びポリイソシアネート(a2)を反応させ、必要に応じてさらに鎖伸長剤及び/又は末端停止剤を反応させることで製造することができる。前記反応は、有機溶剤の存在下で行ってもよく、前記反応の際は、ウレタン化触媒を共存させてもよい。
【0044】
前記有機溶剤としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、トルエン等の芳香族炭化水素溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、3−ペンタノン等のケトン溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチルカルビトール等のエーテル溶剤;アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル等のニトリル溶剤;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド溶剤;メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド溶剤などが挙げられる。
【0045】
前記ウレタン化触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等の含窒素化合物、酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸錫等の金属塩、ジブチル錫ラウレート、ジオクチル錫ジネオデカネート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート等の有機金属化合物などを用いることができる。
【0046】
前記硬化剤(B)は、カルボキシル基と反応しうる官能基を有する硬化剤(b1)を含む。前記カルボキシル基と反応しうる官能基としては、エポキシ基、カルボジイミド結合基(−N=C=N−)、アジリジニル基、オキサゾリル基等が挙げられる。前記カルボキシル基と反応しうる官能基を有する硬化剤(b1)としては、カルボキシル基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物などが挙げられる。前記カルボキシル基と反応しうる官能基を有する硬化剤(b1)としては、例えば、エポキシ硬化剤、カルボジイミド硬化剤、アジリジン硬化剤、オキサゾリン硬化剤等が挙げられ、これらを組み合わせて用いてもよい。中でも、エポキシ硬化剤及びカルボジイミド硬化剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0047】
前記エポキシ硬化剤としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、フェノール(EO)5グリシジルエーテル、ビス−(p−ヒドロキシフェニル)メタンジグリシジルエーテル、2,2−ビス−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジグリシジルエーテル、トリス−(p−ヒドロキシフェニル)メタンポリグリシジルエーテル、1,1,2,2−テトラキス(p−ヒドロキシフェニル)エタンポリグリシジルエーテル、ラウリルアルコール(EO)15グリシジルエーテル等の脂肪族、脂環式又は芳香族ポリオール化合物のジグリシジルエーテル;グリセリントリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエリスリトール、ジグリセロールポリグリシジルエーテル等の脂肪族、脂環式又は芳香族ポリオール化合物のポリグリシジルエーテル;N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−ビス−(p−アミノフェニル)メタン等のアミン化合物のポリグリシジルエーテル;テレフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、トリメリット酸ポリグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル等の脂肪酸又は芳香族酸のジグリシジルエステルまたはポリグリシジルエステル;トリグリシジルアミノフェノール;トリグリシジルトリス(2−−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレート;、オルソクレゾール型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシなどが挙げられる。
【0048】
前記エポキシ硬化剤を用いる場合、エポキシ硬化触媒を共存させてもよい。前記エポキシ硬化触媒としては、例えば、イミダゾール、ジメチルアミノピリジン等の3級アミン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物;3フッ化ホウ素、3フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体等の3フッ化ホウ素アミン錯体;チオジプロピオン酸等の有機酸化合物;チオジフェノールベンズオキサジン、スルホニルベンズオキサジン等のベンズオキサジン化合物;スルホニル化合物等が挙げられる。
【0049】
前記カルボジイミド硬化剤としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、N,N’−ジ−o−トルイルカルボジイミド、N,N’−ジフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド、N,N’−ジオクチルデシルカルボジイミド、N−トリイル−N’−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,2−ジ−tert.−ブチルフェニルカルボジイミド、N−トリイル−N’−フェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、およびN,N’−ジ−p−トルイルカルボジイミド等が挙げられる。
【0050】
前記アジリジン硬化剤としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4’−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等が挙げられる。
【0051】
前記オキサゾリン硬化剤としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、2’−メチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−プロピレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4−フェニレンビス−2−オキサゾリン)、2,2’−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−o−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−エチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)等のオキサゾリン化合物;、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンや2−イソプロペニル−4,4−ジメチル−2−オキサゾリン等のビニル単量体を共重合したオキサzロン基を有する共重合体等が挙げられる。
【0052】
前記ウレタン樹脂(A)中のカルボキシル基と、硬化剤(B)に含まれるカルボキシル基と反応しうる基とのモル比(カルボキシル基/カルボキシル基と反応しうる官能基)は、好ましくは1以上、より好ましくは1.2以上、さらに好ましくは1.5以上であり、好ましくは5以下、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下である。
【0053】
前記硬化剤(B)中、前記カルボキシル基と反応しうる官能基を有する硬化剤(b1)の含有率は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上であり、好ましくは100質量%以下である。
【0054】
前記硬化剤(B)は、前記カルボキシル基と反応しうる官能基を有する硬化剤(b1)に加えて、さらに、他の硬化剤(b2)を含んでいてもよい。前記他の硬化剤(b2)としては、イソシアネート硬化剤等が挙げられる。
【0055】
前記イソシアネート硬化剤としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えばトリレンジイソシアネート、クロロフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等のポリイソシアネート;これらのトリメチロールプロパン付加物;これらのイソシアヌレート体;これらのビュレット体などが挙げられる。これらの中でも、ポリイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、ポリイソシアネートのイソシアヌレート体を用いることが好ましい。
【0056】
前記他の硬化剤(b2)を含む場合、該他の硬化剤(b2)の含有量は、前記カルボキシル基と反応しうる官能基を有する硬化剤(b1)100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは20質量部以上、さらに好ましくは30質量部以上であり、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、さらに好ましくは130質量部以下である。
【0057】
前記硬化剤(B)の含有量は、前記ウレタン樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上であり、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。
【0058】
前記ウレタン樹脂(A)と前記硬化剤(B)の合計の含有率は、前記粘着剤組成物の固形分中、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であり、好ましくは100質量%以下である。
なお本明細書において、粘着剤組成物の固形分とは、粘着剤組成物に含まれる溶剤を除いた部分をいうものとする。
【0059】
前記粘着剤組成物は、さらに硬化触媒を含んでいてもよい。前記硬化触媒としては、前記ウレタン化触媒、エポキシ硬化触媒として例示した化合物と同様の化合物が挙げられる。前記硬化触媒を含む場合、その含有量は、前記ウレタン樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.005質量部以上、さらに好ましくは0.01質量部以上であり、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下、さらに好ましくは0.05質量部以下である。
【0060】
前記粘着剤組成物は、さらに、可塑剤を含んでいてもよい。前記可塑剤としては、アジピン酸エステル、クエン酸エステル、セバシン酸エステル、アゼライン酸エステル、マレイン酸エステル等の脂肪族ポリカルボン酸エステル;テレフタル酸エステル、イソフタル酸エステル、フタル酸エステル、トリメリット酸エステル、安息香酸エステル等の芳香族ポリカルボン酸エステル;エーテル変性ポリエステル;エポキシ変性ポリエステル;ポリカルボン酸とポリオールから形成されるポリエステルなどが挙げられる。
【0061】
前記可塑剤を含む場合、該可塑剤の含有量は、前記ウレタン樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下である。
【0062】
前記粘着剤組成物は、さらに溶剤を含んでいてもよい。前記溶剤としては、前記有機溶媒として例示した化合物と同様の化合物が挙げられる。前記有機溶剤を含む場合、その含有率は、前記粘着剤組成物中、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上であり、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。本発明の粘着剤組成物は、前記溶剤中、水の含有率が好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下であり、下限は0質量%である。
【0063】
前記粘着剤組成物は、さらに、他の添加剤として、シランカップリング剤、酸化防止剤、光安定剤、防錆剤、チキソ性付与剤、増感剤、重合禁止剤、レベリング剤、粘着付与剤、帯電防止剤、難燃剤等を含んでいてもよい。前記他の添加剤の含有率は、前記粘着剤組成物中、好ましくは10質量以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下であり、下限は0質量%である。
【0064】
前記粘着剤組成物を基材に塗工し、必要に応じて溶剤を除去し、さらに必要に応じてエージングすることで、前記粘着剤組成物の硬化物である粘着層を形成することができる。前記粘着層の厚みは、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、さらに好ましくは30μm以上であり、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下、さらに好ましくは80μm以下である。
【0065】
前記粘着剤組成物によりシートを形成する方法としては、例えば、前記粘着剤成物をプラスチック基材上に塗工し、乾燥・硬化させる方法が挙げられる。
【0066】
前記プラスチック基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレー等のポリエステル樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ポリアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂;ポリプロピレンエチレンビニルアルコール;ポリビニルアルコール樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂などを用いて得られるシート又はフィルムを使用することができる。これらのプラスチック基材の表面は、離型処理、帯電防止処理、コロナ処理等が施されていてもよい。また、これらの前記プラスチック基材の厚さとしては、例えば10〜200μmの範囲である。
【0067】
前記プラスチック基材に前記粘着剤組成物を塗工する方法としては、ロールコーター、グラビアコーター、リバースコーター、スプレーコーター、エアーナイフコーター、ダイコーター等による塗工方法が挙げられる。
【0068】
前記粘着剤組成物の硬化物である粘着層は、その剥離の前後で基材の表面特性の変化を抑制することができるものであり、表面保護フィルムに用いることができ、特に、表示装置等の電子機器の情報表示部を保護するための表面保護フィルムとして有用である。
【実施例】
【0069】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0070】
(製造例1:ウレタン樹脂(I)の製造)
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコに、窒素気流下、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量:1,010.9、水酸基価:111.0)477.62質量部、ネオペンチルグリコール0.28質量部を加え、均一に混合した後、イソホロンジイソシアネート133.04質量部を加え、次いでオクタン酸スズ0.1質量部を加え、90℃で約3時間反応させることによって、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a)を得た。
【0071】
次いで、前記方法で得られたウレタンプレポリマー(a)を60℃まで冷却し、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸14.96質量部とメチルエチルケトン268.24質量部を加え、次いでオクタン酸スズ0.3質量部を加え、75℃で約5時間反応させた後、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(b)のメチルエチルケトン溶液(固形分70質量%)を得た。
【0072】
次いで、前記方法で得られたウレタンプレポリマー(b)のメチルエチルケトン溶液を50℃まで冷却し、末端停止剤であるジエタノールアミン2.39質量部を添加してイソシアネートが消失したことを確認してメチルエチルケトン359.99質量部を加え、室温まで冷却し、ウレタン樹脂(I)のメチルエチルケトン溶液(固形分50質量%)を得た。このウレタン樹脂(I)の酸価は10mgKOH/g、GPCによる分子量分布は、数平均分子量(Mn)は10,389、重量平均分子量(Mw)は56,341、分子量分散度(Mw/Mn)は5.43であった。
【0073】
(製造例2:ウレタン樹脂(II)の製造)
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコに、窒素気流下、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量1,010.9、水酸基価:111.0)405.26質量部、ネオペンチルグリコール2.02質量部を加え、均一に混合した後、イソホロンジイソシアネート170.79質量部を加え、次いでオクタン酸スズ0.2質量部を加え、90℃で約3時間反応させることによって、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(c)を得た。
次いで、前記方法で得られたウレタンプレポリマー(c)を60℃まで冷却し、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸44.65質量部とメチルエチルケトン266.88質量部を加え、次いでオクタン酸スズ0.3質量部を加え、75℃で約5時間反応させた後、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(d)のメチルエチルケトン溶液(固形分70質量%)を得た。
【0074】
次いで、前記方法で得られたウレタンプレポリマー(d)のメチルエチルケトン溶液を50℃まで冷却し、末端停止剤であるジエタノールアミン3.07質量部を添加してイソシアネートが消失したことを確認してメチルエチルケトン352.47質量部を加え、室温まで冷却し、ウレタン樹脂(II)のメチルエチルケトン溶液(固形分50質量%)を得た。このウレタン樹脂(I)の酸価は30mgKOH/g、GPCによる分子量分布は、数平均分子量(Mn)は10,063、重量平均分子量(Mw)は56,728、分子量分散度(Mw/Mn)は5.64であった。
【0075】
(製造例3:ウレタン樹脂(III)の製造)
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコに、窒素気流下、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸からなるポリエステルジオール(数平均分子量977.44、水酸基価:114.8)322.83質量部、酢酸エチル422.76質量部を加え、均一に混合した後、ヘキサメチレンジイソシアネート100.00質量部を加え、次いでジオクチル錫ジネオデカネート0.01質量部を加え、75℃で約3時間反応させることによって、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(e)の酢酸エチル溶液(固形分50質量%)を得た。
【0076】
次いで、前記方法で得られたウレタンプレポリマー(e)の酢酸エチル溶液を40℃まで冷却し、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリオール(三洋化成株式会社製「サンニックスGL−3000」、モル比[EO/PO]=25/75、数平均分子量;3,077.1、水酸基価:54.7)948.55質量部、酢酸エチル315.25質量部を加え、均一に混合した後、65℃で約6時間反応させ、NCO%が0.01%以下になった時点で60℃まで冷却し、末端停止剤であるメタノール3.43質量部を添加してNCOが消失したことを確認して酢酸エチル231.66質量部を加え、室温まで冷却し、ウレタン樹脂(III)の酢酸エチル溶液(固形分50質量%)を得た。このウレタン樹脂(III)の酸価は0mgKOH/g、GPCによる分子量分布は、数平均分子量(Mn)は23,434、重量平均分子量(Mw)は129,370、分子量分散度(Mw/Mn)は5.52であった。
【0077】
(実施例1)
製造例1で得られたウレタン樹脂(I)のメチルエチルケトン溶液(固形分50質量%)100質量部に、シートを製造する直前に、イソシアネート硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体(旭化成株式会社製「デュラネートTKA−100」、以下「TKA−100」と略記する。)を1.72質量部、イソシアネート硬化触媒としてジオクチル錫ジネオデカネートの1質量%メチルエチルケトン溶液を2.00質量部、アセチルアセトン0.50質量部、エポキシ硬化剤として脂肪族ポリグリシジルエーテル(DIC株式会社製「CR−5L」、以下「CR−5L」と略記する。)を1.52質量部、エポキシ硬化触媒としてトリフェニルホスフィンを0.05質量部、メチルエチルケトン29.82質量部を配合し、粘着剤組成物(1)(固形分40質量%)を得た。
【0078】
(実施例2)
製造例2で得られたウレタン樹脂(II)のメチルエチルケトン溶液(固形分50質量%)100質量部に、シートを製造する直前に、イソシアネート硬化剤として「デュラネートTKA−100」を1.72質量部、イソシアネート硬化触媒としてジオクチル錫ジネオデカネートの1質量%メチルエチルケトン溶液を2.00質量部、アセチルアセトン0.50質量部、エポキシ硬化剤として「CR−5L」を4.57質量部、エポキシ硬化触媒としてトリフェニルホスフィンを0.14質量部、N−メチルジエタノールアミンを2.87質量部、メチルエチルケトン34.51質量部を配合し、粘着剤組成物(2)(固形分40質量%)を得た。
【0079】
(実施例3)
製造例2で得られたウレタン樹脂(II)のメチルエチルケトン溶液(固形分50質量%)100質量部に、シートを製造する直前に、カルボジイミド硬化剤としてカルボジイミドのメチルエチルケトン溶液(日清紡ケミカル株式会社製「カルボジライトV−09B」、固形分70.26質量%、以下「V−09B」と略記する。)を15.91質量部、メチルエチルケトン37.03質量部を配合し、粘着剤組成物(3)(固形分40質量%)を得た。
【0080】
(比較例1)
製造例3で得られたウレタン樹脂(III)の酢酸エチル溶液(固形分50質量%)100質量部に、シートを製造する直前に、イソシアネート硬化剤として「デュラネートTKA−100」を5.00質量部、イソシアネート硬化触媒としてジオクチル錫ジネオデカネートの1質量%酢酸エチル溶液を2.00質量部、アセチルアセトン0.50質量部、酢酸エチル32.50質量部を配合し、粘着剤組成物(X1)(固形分40質量%)を得た。
【0081】
〔粘着シートの加工方法〕
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、得られた粘着剤組成物を、乾燥後の膜厚が65μmとなるように塗工し、60℃で3分間、更に120℃で3分間乾燥させた。これに表面が離型処理された厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合せ、40℃で3日間養生することで、粘着シートを得た。
【0082】
〔白霧の評価方法〕
実施例及び比較例で得られた表面保護フィルムを50mm×70mmに裁断したものを試験片とした。厚さ150μmの片面テープを40mm×60mmに裁断し、更に内側を20mm×40mmくり抜いて、厚さ150μm、幅10mmの枠を作成した。作成した枠をガラス板に貼り付け、その上に試験片を貼り付けた。この時、粘着剤の膜厚よりも枠の厚さの方が厚いので枠の両側には気泡が入っている。貼り付け後温度85℃、湿度85%の環境下に3日間静置した後、23℃環境下に取り出し、1時間放置した。表面保護フィルムをガラス板から剥がし、気泡があった場所の白霧を評価した。
【0083】
白霧は、以下のように評価した。
○;白霧なし
△;薄いが白霧有り
×;白霧有り
【0084】
【表1】
【0085】
実施例1〜3は、本発明の実施例であり、高温高湿下におかれた後でも透明性を維持できていた。比較例1は、カルボキシル基と反応しうる官能基を有する硬化剤を含まないものであり、高温高湿下におかれた後、透明性が低下した(白霧が発生した)。

【手続補正書】
【提出日】2020年8月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウレタン樹脂(A)及び硬化剤(B)を含み、前記ウレタン樹脂(A)が、ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)との反応物であり、前記ポリオール(a1)が、ポリマーポリオール(a1−1)と、カルボキシル基を有するポリオール(a1−2)とを含み、前記硬化剤(B)が、カルボキシル基と反応しうる官能基を有する硬化剤(b1)を10%質量以上含むものであり、前記ウレタン樹脂(A)中のカルボキシル基と、硬化剤(B)に含まれるカルボキシル基と反応しうる基とのモル比(カルボキシル基/カルボキシル基と反応しうる官能基)は1〜5であり、ることを特徴とする粘着剤組成物。
【請求項2】
前記ウレタン樹脂(A)の酸価が、5mgKOH/g以上50mg
KOH/g以下である請求項1記載の粘着剤組成物。
【請求項3】
前記硬化剤(B)が、さらに、イソシアネート硬化剤を含む請求項
1又は2記載の粘着剤組成物。
【請求項4】
前記硬化剤(B)の含有量が、前記ウレタン樹脂(A)100質量
部に対して、1質量部以上50質量部以下である請求項1〜3のいずれか1項記載の粘着剤組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項記載の粘着剤組成物から形成される粘
着シート。
【請求項6】
請求項5記載の粘着シートを含む表面保護フィルム。
【国際調査報告】

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