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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2020年1月2日
【発行日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】光ファイバケーブル
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/44 20060101AFI20201120BHJP
【FI】
   G02B6/44 366
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
【出願番号】特願2020-527461(P2020-527461)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2019年6月20日
(31)【優先権主張番号】特願2018-120005(P2018-120005)
(32)【優先日】2018年6月25日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(72)【発明者】
【氏名】山田 裕介
(72)【発明者】
【氏名】菊池 雅
(72)【発明者】
【氏名】泉田 史
(72)【発明者】
【氏名】川高 順一
(72)【発明者】
【氏名】片山 和典
【テーマコード(参考)】
2H001
【Fターム(参考)】
2H001BB04
2H001BB15
2H001BB22
2H001DD06
2H001KK02
(57)【要約】
光ファイバケーブル100は、1本の光ファイバ心線140と、光ファイバ心線140を収容する外被160とから構成されている。光ファイバ心線140は、複数本の光ファイバ130を含んでいる。光ファイバ心線140の全長は、外被160の全長よりも長く、光ファイバ心線140は、光ファイバ130に曲げが生じるように外被160に収容されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の光ファイバを含む少なくとも1本の光ファイバ心線と、
前記光ファイバ心線を収容する外被とを具備し、
前記光ファイバ心線の全長は、前記外被の全長よりも長く、前記光ファイバ心線は、前記光ファイバに曲げが生じるように前記外被に収容されている、光ファイバケーブル。
【請求項2】
前記光ファイバの曲げ半径の最小値は15mm以上の値であり、前記光ファイバの曲げ半径の最大値は200mm以下の値である、請求項1に記載の光ファイバケーブル。
【請求項3】
前記光ファイバ心線の外周にらせん状に巻き付けられたバンドル材をさらに具備し、
前記光ファイバ心線は、ケーブル軸に直交する断面において概ね円形に束ねられており、
前記バンドル材のらせん半径は、前記光ファイバ心線の概ね外接円の半径よりも小さい、請求項1または2に記載の光ファイバケーブル。
【請求項4】
前記光ファイバ心線および前記バンドル材の外周にらせん状に巻き付けられた結束用バンドル材を、さらに具備し、
前記結束用バンドル材のらせん半径は、前記光ファイバ心線の概ね外接円の半径よりも大きい、請求項3に記載の光ファイバケーブル。
【請求項5】
前記バンドル材は、前記光ファイバ心線の曲げ剛性よりも高い曲げ剛性を有している、請求項3または4に記載の光ファイバケーブル。
【請求項6】
それぞれが、少なくとも前記光ファイバ心線および前記バンドル材により構成される複数本の心線ユニットを具備し、前記複数本の心線ユニットのうちの少なくとも2本の心線ユニットは、互いに異なる色のバンドル材を有している、請求項3〜5のいずれかひとつに記載の光ファイバケーブル。
【請求項7】
前記バンドル材は、前記心線ユニットの長さに沿って100mm以下のピッチで前記心線ユニットの外周を一周するように巻き付けられている、請求項6に記載の光ファイバケーブル。
【請求項8】
前記光ファイバ心線は、複数のコアを有するマルチコア光ファイバを含んでいる、請求項1〜7のいずれかに記載の光ファイバケーブル。
【請求項9】
前記光ファイバ心線は、複数のモードで光を伝搬するマルチモード光ファイバを含んでいる、請求項1〜8のいずれかに記載の光ファイバケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、屋外および屋内における光ファイバを利用した情報配線の構成物品である光ファイバケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
通信信号の伝送媒体として光ファイバケーブルが用いられる。光ファイバケーブルは、布設するスペースの有効利用のため、光ファイバを究極的に高密度に束ねて細径高密度化した光ファイバケーブルが提案、実用化されている(例えば非特許文献1)。このように、光ファイバケーブルは、空間的に多重度を高めて効率的な媒体網の構築を実現している。
【0003】
近年では、更に空間多重度を高めるため、光ファイバ1本当たりの伝送容量を可能な限り高めるために、1本の光ファイバの中に複数の光信号を伝搬させることが可能な、複数のコアを有するマルチコア光ファイバや、複数のモードで光信号を伝送する数モード光ファイバが提案されている(例えば非特許文献2)。数モード光ファイバでは、各モードで伝搬する光信号が結合することになる。また、マルチコア光ファイバでは、空間多重度を高めると複数のコアそれぞれを伝搬する光信号(それぞれのコアを伝搬する光信号は、それぞれのモードとみなす)が結合することになる。このような光信号のモード間の結合は、伝送時に受信端で信号処理を行うことによって結合の影響を補償することが可能である。しかし、各モード間の群速度(単位時間当たりの伝搬時間)の差(Differential Mode Delay:以下、DMD)が大きくなると、受信端での信号処理負荷が大きくなることが知られている(例えば非特許文献2)。
【0004】
このDMDを低減する一つの手段として、モード間で十分に結合させることが提案されており、光ファイバの屈折率分布の設計や光ファイバへのねじり付与によって実現している(例えば、特許文献1、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】日本国特開2016−218375号公報
【特許文献2】日本国特開2017−009629号公報
【特許文献3】日本国特開2017−151343号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】山田ほか、「間欠接着型光ファイバテープを実装した超細径高密度光ファイバケーブルの開発」、信学技報OFT2013-6(2013-5)
【非特許文献2】坂本ほか、「世界最高密度の光ファイバを実用に耐え得る信頼性で実現」、NTT技術ジャーナル、2013.11
【非特許文献3】T.Sakamoto et.al., "Fibre Twisting and Bending Induced Mode Conversion Characteristics in Coupled Multi-core Finbre" Ecoc 2015-ID:0087
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、モード間の結合特性は、光ファイバの曲がりの影響を受けることが知られている(非特許文献3)。また、光ファイバを光ファイバケーブルに実装する際には、光ファイバに曲げが加わることになる(例えば非特許文献1)。このため、伝送路に用いることを想定する場合には、光ファイバケーブルの状態で加わる曲げを考慮して結合特性を制御することが重要である。特許文献3では、光ファイバ心線を収納するスロットを具備したスロットロッド型の光ファイバケーブルにおいて、スロットの形状を適切に設計することで結合特性を制御する方法が提案されている。しかし、このようなスロットロッドを用いると、光ファイバケーブルとしての空間多重度が下がることになる。
【0008】
本発明は、空間多重度の向上と結合特性の確保とを両立する光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る光ファイバケーブルは、複数本の光ファイバを含む少なくとも1本の光ファイバ心線と、前記光ファイバ心線を収容する外被とを備えている。前記光ファイバ心線の全長は、前記外被の全長よりも長く、前記光ファイバ心線は、前記光ファイバに曲げが生じるように前記外被に収容されている。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、外被よりも長い光ファイバ心線が外被に収容されることにより、光ファイバ心線は、外被の内部空間内を蛇行する。これにより、光ファイバ心線の光ファイバに曲げが生じる。光ファイバに生じる曲げは、光ファイバ心線の全長と外被の全長との兼ね合いに応じて変わる。これにより、空間多重度の向上と結合特性の確保とを両立できるように、光ファイバ心線の光ファイバに曲げを加えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の第1の実施形態を説明するための光ファイバケーブルの概略図である。
図2図2は、本発明の第2の実施形態を説明するための心線ユニットの概略図である。
図3図3は、光ファイバの曲げ半径と結合特性の関係の測定結果を示したグラフである。
図4A図4Aは、本発明の第3の実施形態を説明するための光ファイバケーブルの断面の概略図である。
図4B図4Bは、本発明の第3の実施形態を説明するための別の光ファイバケーブルの断面の概略図である。
図5図5は、本発明の第4の実施形態を説明するためのユニットの概略図である。
図6図6は、バンドル材が切断されて光ファイバ心線が直線状になった第2の実施形態のユニットの概略図である。
図7図7は、バンドル材が切断されて光ファイバ心線が直線状になった第4の実施形態のユニットの概略図である。
図8図8は、本発明の第5の実施形態を説明するためのユニットの概略図である。
図9図9は、バンドル材が外被内に引き込まれた光ファイバケーブルの概略図である。
図10図10は、本発明の第8の実施形態を説明するための光ファイバの断面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0013】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態を説明するための光ファイバケーブルの概略図である。
【0014】
光ファイバケーブル100は、1本の光ファイバ心線140と、光ファイバ心線140を覆う外被160とから構成されている。外被160は、光ファイバ心線140を保護する働きをする。図1では、光ファイバ心線140の見やすさのために、外被160の一部の図示が省略されている。
【0015】
光ファイバ心線140は、複数本の単心の光ファイバまたは少なくとも1本の複数心の光ファイバから構成されている。単心の光ファイバは、例えば、光ファイバの外周に被覆を施した1本の被覆光ファイバであってよい。また、複数心の光ファイバは、例えば、複数本の被覆光ファイバを一体化した光ファイバテープ心線や、複数本の被覆光ファイバを長手方向に対して間欠的に接着した間欠接着型光ファイバテープ心線であってよい。光ファイバ心線140は、複数本の単心の光ファイバまたは少なくとも1本の複数心の光ファイバのいずれから構成されるにせよ、複数本の光ファイバ130を含んでいる。
【0016】
光ファイバ心線140の全長は、外被160の全長よりも長く、光ファイバ心線140は、光ファイバ130に曲げが生じるように外被160の内部空間に収容されている。例えば、光ファイバ心線140には、光ファイバケーブル100の全長の各部において、曲げが生じている。言い換えれば、光ファイバ心線140には、連続的に曲げが生じている。
【0017】
外被160よりも長い光ファイバ心線140が外被160に収容されることにより、光ファイバ心線140は、外被160の内部空間内を蛇行し、例えばらせん状に変形する。これにより、光ファイバ心線140の各光ファイバ130に曲げが生じる。光ファイバ130に生じる曲げは、光ファイバ心線140の全長と外被160の全長との兼ね合いに応じて変わる。
【0018】
したがって、本実施形態によれば、空間多重度の向上と結合特性の確保とを両立できるように、光ファイバ心線140の各光ファイバ130に曲げを加えることが可能となる。
【0019】
[第2の実施形態]
図2は、本発明の第2の実施形態を説明するための概略図である。本実施形態は、図1の光ファイバ心線140に代替可能な心線ユニット150に関する。図2は、左側に心線ユニット150の外観構造を示し、右側に心線ユニット150の断面構造を示している。図2において、図1に示した部材と同一の参照符号を付した部材は同様の部材であり、その詳しい説明は省略する。
【0020】
心線ユニット150は、図2の左側の外観構造をから分かるように、光ファイバ心線140と、光ファイバ心線140の外周にらせん状に巻き付けられたバンドル材152とから構成されている。心線ユニット150は、図2には、1本のバンドル材152を有しているように描かれているが、これに限らず、複数本のバンドル材152を有していてもよい。
【0021】
また、図2の右側の断面構造をから分かるように、光ファイバ心線140は、光ファイバケーブル100のケーブル軸に直交する断面において概ね円形となるように束ねられている。バンドル材152のらせん半径Rbは、光ファイバ心線140の概ね外接円の半径Rfよりも小さい。
【0022】
バンドル材152が、光ファイバ心線140の概ね外接円の半径Rfよりも小さいらせん半径Rbで、光ファイバ心線140の外周に巻き付けられることによって、光ファイバ心線140はらせん状に変形される。すなわち、バンドル材152は、光ファイバ心線140をらせん状に変形させる働きをする。このような構造にすることによって、光ファイバ心線140の各光ファイバ130に曲げを加えることができる。
【0023】
光ファイバ心線140に加わる曲げRは、次式によってあらわされる。
R=Ru/{Ru+(P/2π)
【0024】
ここで、Pは、バンドル材152の巻き付けピッチである。Ruは、バンドル材152を巻き付けることによって生じる光ファイバ心線140のらせん半径である。Ruは、次式であらわされる。
Ru=(Rf−Rb)/2
【0025】
したがって、バンドル材152の巻き付けピッチと、光ファイバ心線140のらせん半径を設定することによって、光ファイバ心線140の各光ファイバ130に加わる曲げを制御できる。
【0026】
本実施形態によれば、空間多重度の向上と結合特性の確保とを両立できるように、光ファイバ心線140の各光ファイバ130に曲げを加えることが可能となる。さらに、バンドル材152の巻き付けピッチと光ファイバ心線140のらせん半径を設定することによって、光ファイバ130の結合特性に応じた曲げを光ファイバ130に加えることが可能となる。
【0027】
光ファイバ130に加える曲げ半径Rが小さすぎると、曲げひずみによる破断が光ファイバ130に生じる可能性がある。このため、曲げ半径Rの下限は、曲げひずみによる破断が光ファイバ130に生じない値に設定されることが望ましい。一般に、曲げ半径Rの下限は、例えば15mm以上の値に設定されることが望ましい。
【0028】
一方で結合特性は、曲げ半径Rに依存する。そこで、本発明者らは、バンドル材152の巻き付けピッチを60mmとし、バンドル材152に加える張力を変えることによって光ファイバ130の曲げ半径Rを変えながら結合特性を測定した。光ファイバ130の曲げ半径Rと結合特性の関係の測定結果のグラフを図3に示す。
【0029】
ここで、ファイバAは、二つのコアを有する結合型光ファイバであり、二つのコアが近接するように配置したファイバの例である。また、ファイバBは、二つのコアを伝搬する光が結合を生じる範囲で最も離れるように配置したファイバの例である。
【0030】
図3の測定結果から以下のことが予想される。ファイバAでは、結合特性は、曲げ半径Rの減少に伴って減少し、曲げ半径R=84mmにおいて最小値となる。また、それよりも小さい曲げ半径Rの範囲においても、結合特性は、曲げ半径Rの減少に伴って減少する。一方、ファイバBでは、結合特性は、曲げ半径R=200mmにおいて最小値となる。200mmよりも小さい曲げ半径Rの範囲においては、結合特性は、曲げ半径Rの減少に伴って増加する。200mmよりも大きい曲げ半径Rの範囲においては、結合特性は、曲げ半径Rの増加に伴って増加する。つまり、R=200mm以上の曲げ半径Rにおいては、有意な効果が得られない。
【0031】
以上の結果から、光ファイバケーブル100内における光ファイバ130の曲げ半径Rの値は、曲げ歪みによる破断を光ファイバ130に引き起こさせない値以上であり、かつ、結合特性の促進効果が得られる範囲内にあることが望ましい。例えば、曲げ半径Rの最小値は、15mm以上の値であることが望ましく、曲げ半径Rの最大値は、200mm以下の値であることが望ましい。
【0032】
[第3の実施形態]
図4A図4Bは、本発明の第3の実施形態を説明するための概略図である。本実施形態は、光ファイバケーブル100の構造に関する。図4Aは、本実施形態に係る光ファイバケーブル100Aの断面の概略図である。図4Bは、本実施形態に係る別の光ファイバケーブル100Bの断面の概略図である。図4A図4Bにおいて、図1図2に示した部材と同一の参照符号を付した部材は同様の部材であり、その詳しい説明は省略する。
【0033】
図4Aに示すように、本実施形態に係る光ファイバケーブル100Aは、1本の心線ユニット150と、心線ユニット150を収容する外被160とから構成されている。すなわち、光ファイバケーブル100Aは、1本の光ファイバ心線140を有している。
【0034】
また、図4Bに示すように、本実施形態に係る光ファイバケーブル100Bは、複数本の心線ユニット150と、これらの心線ユニット150を収容する外被160とから構成されている。すなわち、光ファイバケーブル100Bは、複数本の光ファイバ心線140を有している。光ファイバケーブル100Bは、例えば4つの心線ユニット150を有している。心線ユニット150の数は、4つに限定されるものでなく、適宜選択してよい。
【0035】
このように、光ファイバケーブル100は、1本の光ファイバ心線140を有する光ファイバケーブル100Aであっても、複数本の光ファイバ心線140を有する光ファイバケーブル100Bであってもよい。すなわち、光ファイバケーブル100は、少なくとも1本の光ファイバ心線140を有していればよい。
【0036】
光ファイバケーブル100A,100Bにおいて、外被160の内部空間に収容する心線ユニット150の本数等は、外被160の内部空間の径に応じて決められるとよい。例えば、心線ユニット150の本数は、光ファイバ心線140が外被160の内部空間を占める割合が可能な限り多くなるように選択されるとよい。心線ユニット150は、光ファイバ心線140以外の部材が外被160の内部空間を占める割合が可能な限り少なくなるように構成されるとよい。このような調整によって、空間多重度をより高めることができる。
【0037】
また、図4A図4Bに示すように、外被160の内部に抗張力体162を配置することによって、光ファイバケーブル100の張力による伸びや温度変化による伸縮の影響を小さくすることが可能である。心線ユニット150の外側には、押え巻きを施すことによって、心線ユニット150内の光ファイバ130の曲げにより外被160の内側の凹凸を減らして成形性を高めることも可能である。外被160の内側には、外被160の内部空間内への水の浸入を防ぐために吸水材や止水材を配置してもよい。その他の光ファイバケーブル100の外被160構造において、光ファイバケーブル100に求められる要求条件に応じて強度を高めたり、難燃性の高い材料や燃焼時に有毒ガスや煙の発生が少ない材料を用いたりすることが可能である。
【0038】
[第4の実施形態]
図5は、本発明の第4の実施形態を説明するための心線ユニットの概略図である。本実施形態は、図2の心線ユニット150に代替可能な別の心線ユニット150Aに関する。図5は、左側に心線ユニット150Aの外観構造を示し、右側に心線ユニット150Aの断面構造を示している。図5において、図2に示した部材と同一の参照符号を付した部材は同様の部材であり、その詳しい説明は省略する。
【0039】
心線ユニット150Aは、図5の左側の外観構造をから分かるように、光ファイバ心線140と、光ファイバ心線140の外周にらせん状に巻き付けられたバンドル材152と、光ファイバ心線140とバンドル材152の外周にらせん状に巻き付けられた結束用バンドル材154とから構成されている。心線ユニット150Aは、図5には、1本の結束用バンドル材154を有しているように描かれているが、これに限らず、複数本の結束用バンドル材154を有していてもよい。
【0040】
すなわち、本実施形態に係る心線ユニット150Aは、第2の実施形態に係る心線ユニット150の外周に、さらに結束用バンドル材154が巻き付けられた構成となっている。
【0041】
また、図5の右側の断面構造をから分かるように、バンドル材152のらせん半径Rbは、光ファイバ心線140の概ね外接円の半径Rfよりも小さい。結束用バンドル材154のらせん半径Rkは、光ファイバ心線140の概ね外接円の半径Rfよりも大きい。
【0042】
第2の実施形態に係る心線ユニット150を有する光ファイバケーブル100においては、例えば、光ファイバケーブル100を接続する際に、光ファイバケーブル100の端末部や光ファイバケーブル100の中間部において、バンドル材152を切断すると、光ファイバ心線140自体の剛性によって光ファイバ心線140が直線状になった場合、図6に示すように、光ファイバ心線140の長さに対してバンドル材152の長さが短くなり、バンドル材152が外れてしまうことが懸念される。この場合、束ねられている光ファイバ心線140がばらけてしまう恐れがある。
【0043】
これに対して、本実施形態に係る心線ユニット150Aは、図5に示すように、バンドル材152の他に、結束用バンドル材154を有している。この結束用バンドル材154は光ファイバ心線140と同等以上の長さを有している。このため、心線ユニット150Aを有する光ファイバケーブル100においては、接続のためにバンドル材152を切断したために、光ファイバ心線140が直線状になった場合であっても、図7に示すように、結束用バンドル材154が光ファイバ心線140の外周に巻き付いたまま残る。これにより、心線ユニット150Aがまとった状態に維持される。つまり、結束用バンドル材154は、光ファイバ心線140を束ねられた状態に維持する働きをする。これにより、光ファイバケーブル100の取り扱い性が向上する。
【0044】
[第5の実施形態]
図8は、本発明の第5の実施形態を説明するための心線ユニットの概略図である。本実施形態は、図2の心線ユニット150に代替可能な別の心線ユニット150Bに関する。図8において、図2に示した部材と同一の参照符号を付した部材は同様の部材であり、その詳しい説明は省略する。
【0045】
一般的な通信用光ファイバ130Aは、外径125μmのガラス材料製の光ファイバと、その外周に同心円状に外径250μmとなるように施された樹脂製の被覆とから構成されている。複数本の通信用光ファイバ130Aを含む光ファイバ心線140に、第2の実施形態のように、バンドル材152を巻き付けて心線ユニット150Bを形成するためには、例えばバンドル材152に張力を加えて巻き付ける必要がある。バンドル材152に張力を加えると、バンドル材152が直線状になろうとする力が、バンドル材152に生じる。このため、バンドル材152が巻き付けられた光ファイバ心線140に曲げが生じる。また、バンドル材152は、その材質によっては、張力によって弾性変形し、バンドル材152に伸びが生じる。
【0046】
このような心線ユニット150Bを有する光ファイバケーブル100においては、例えば、光ファイバケーブル100を接続する際に、光ファイバケーブル100の端末部や光ファイバケーブル100の中間部において、バンドル材152を切断すると、バンドル材152に加わっている張力が解放されるため弾性変形によって伸びを生じていたバンドル材152が元の状態に縮み、図9に示すように、外被160内に引き込まれてしまう恐れがある。
【0047】
本実施形態に係る心線ユニット150Bでは、バンドル材152が、心線ユニット150内の光ファイバ心線140の曲げ剛性よりも高い曲げ剛性を有するように設計されている。このため、バンドル材152を光ファイバ心線140の外周に巻き付けたときに、バンドル材152がそれ自体の曲げ剛性によって直線状になろうとするため、光ファイバ心線140に曲げが加わる。したがって、バンドル材152に張力を加えることなく、バンドル材152を光ファイバ心線140に巻き付けることが可能となる。これにより、前述したようなバンドル材152が外被160内に引き込まれることがなくなる。
【0048】
なお、第2の実施形態においても、張力を加えた際に弾性変形を生じないか弾性変形が微小である伸び剛性の高い材料をバンドル材152に用いてもよい。また、バンドル材152あるいは、バンドル材152と接する光ファイバ心線140の表面や外被160の内面などの摩擦係数を高めることによって、バンドル材152が外被160内に引き込まれることを抑止することも可能である。
【0049】
[第6の実施形態]
本発明の第6の実施形態は、複数本の心線ユニット150を有する光ファイバケーブル100に関する。本実施形態では、複数本の心線ユニット150のうちの少なくとも2本の心線ユニット150は、互いに異なる色のバンドル材152を有している。例えば、3本以上の心線ユニット150が、それぞれ、異なる色のバンドル材152を有していてもよい。また、複数本の心線ユニット150のすべてが、それぞれ、異なる色のバンドル材152を有していてもよい。このような構成にするによって、バンドル材の色に基づいて、心線ユニット150を識別することが可能となる。
【0050】
このような構造にすることによって、光ファイバ心線140に曲げを加えること、心線ユニット150を束ねることに加えて、心線ユニット150の識別が可能となる。これにより、識別のための構造物を光ファイバケーブル100内に別途用いることなく、光ファイバケーブル100内に光ファイバをより高密度に実装できる。
【0051】
[第7の実施形態]
本発明の第7の実施形態は、心線ユニット150の詳細構造に関する。本実施形態に係る心線ユニット150では、バンドル材152は、心線ユニット150の長さに沿って100mm以下のピッチで心線ユニット150の外周を一周するように巻き付けられている。心線ユニット150は、取り扱い性を確保するために、バンドル材152で一体化されていることが望ましい。
【0052】
そこで、本発明者らは、バンドル材152の巻き付けピッチが異なる心線ユニット150を光ファイバケーブル100から取り出した際に、バンドル材152が巻き付けられた状態を保持できるか否かについて確認する実験を行った。表1は、その実験結果を示している。評価結果は、保持できている場合が「○」、保持できておらず、心線ユニット150の一体感が損なわれる場合が「×」で示されている。この実験結果より、100mm以下のピッチとすると、心線ユニット150の取り扱い性が確保されることが分かる。
【0053】
【表1】
【0054】
したがって、本実施形態によれば、心線ユニット150の取り扱い性を確保しつつ、光ファイバ心線140の各光ファイバ130に曲げを加えることが可能である。
【0055】
[第8の実施形態]
図10は、本発明の第8の実施形態を説明するための光ファイバの断面の概略図である。本実施形態は、光ファイバ心線140の光ファイバ130に代替可能な光ファイバ130Bに関する。
【0056】
本実施形態に係る光ファイバ130Bは、マルチコア光ファイバであり、複数のコア112と、コア112の周囲を覆うクラッド114と、クラッド114の周囲を覆う被覆132とから構成されている。したがって、本実施形態に係る光ファイバ130Bを含む光ファイバ心線140は、マルチコア光ファイバを含んでいる。光ファイバ130Bは、例えば4つのコア112を有している。光ファイバ130Bのコア112の数は、4つに限定されるものでなく、適宜選択してよい。
【0057】
光ファイバ130Bでは、各コア112を伝搬する光を、それぞれ1つのモードとみなす。コア112の間の距離は、例えば40μmよりも小さくてよい。その場合、非結合型のマルチコア光ファイバよりも、断面積当たりのコア112の数を多くできる。
【0058】
したがって、本実施形態に係る光ファイバを含む光ファイバ心線140によれば、光ファイバ1本当たりの伝送容量を多くすることができる。
【0059】
[第9の実施形態]
本発明の第9の実施形態は、光ファイバ心線140の光ファイバ130に代替可能な別の光ファイバに関する。本実施形態に係る光ファイバは、複数のモードで光を伝搬するマルチモード光ファイバである。したがって、本実施形態に係る光ファイバを含む光ファイバ心線140は、マルチモード光ファイバを含んでいる。マルチモード光ファイバのモード数は、特定の数に限定されるものでなく、適宜選択してよい。
【0060】
したがって、本実施形態に係る光ファイバを含む光ファイバ心線140によれば、シングルモード光ファイバを含む光ファイバ心線140よりも、光ファイバ1本当たりの伝送容量を多くすることができる。
【0061】
なお、マルチコア光ファイバのコアそれぞれが複数のモードを伝送できるコアであってもよい。
【0062】
以上に説明した実施形態により、空間多重度の向上と結合特性の確保とを両立できるように、光ファイバの結合特性に応じた曲げを光ファイバに加えることが可能となる。さらには、光ファイバケーブルとして必要となる心線ユニットの取り扱い性や識別性などの作業性を確保することが可能となる。これにより、伝送装置の受信機における信号処理負荷が小さい伝送が可能な媒体網を効率的に構築することが可能となる。
【0063】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【符号の説明】
【0064】
100,100A,100B…光ファイバケーブル
112…コア
114…クラッド
130…光ファイバ
130A…通信用光ファイバ
130B…光ファイバ
132…被覆
140…光ファイバ心線
150,150A,150B…心線ユニット
152…バンドル材
154…結束用バンドル材
160…外被
162…抗張力体
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】