特表2015-531981(P2015-531981A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッドの特許一覧 ▶ サムスン エスディアイ カンパニー,リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-531981(P2015-531981A)
(43)【公表日】2015年11月5日
(54)【発明の名称】可撓性二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0585 20100101AFI20151009BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20151009BHJP
   H01M 2/02 20060101ALI20151009BHJP
   H01M 2/26 20060101ALI20151009BHJP
【FI】
   H01M10/0585
   H01M10/04 Z
   H01M2/02 K
   H01M2/26 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-531856(P2015-531856)
(86)(22)【出願日】2013年9月13日
(85)【翻訳文提出日】2015年3月16日
(86)【国際出願番号】KR2013008287
(87)【国際公開番号】WO2014042454
(87)【国際公開日】20140320
(31)【優先権主張番号】10-2012-0102264
(32)【優先日】2012年9月14日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】514278061
【氏名又は名称】サムスン エスディアイ カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ムンソク・クォン
(72)【発明者】
【氏名】ジェマン・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ソクグワン・ドゥ
(72)【発明者】
【氏名】ジョングク・ション
(72)【発明者】
【氏名】ミンサン・ソン
(72)【発明者】
【氏名】スンシク・ファン
【テーマコード(参考)】
5H011
5H028
5H029
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA01
5H011CC02
5H011CC06
5H011CC10
5H028AA05
5H028CC02
5H029AJ11
5H029AJ14
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL02
5H029AL03
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL11
5H029AL12
5H029BJ04
5H029BJ12
5H029DJ02
5H029DJ05
5H029EJ01
5H029EJ12
5H029HJ00
5H029HJ04
5H029HJ12
5H043AA01
5H043AA19
5H043BA19
5H043CA09
5H043CA13
5H043EA07
5H043EA32
5H043JA02E
5H043LA21E
(57)【要約】
可撓性二次電池は、電極積層構造体を含む。該電極積層構造体は、第1金属集電体を含む第1電極層;第2金属集電体を含む第2電極層;第1電極層及び第2電極層間の分離膜;並びに第1電極層の第1端部の第1金属集電体の端部、及び第2電極層の第1端部の第2金属集電体の端部からそれぞれ延長された連結タブ;を含み、さらに固定部材であって、電極積層構造体の第1端部の第1金属集電体及び第2金属集電体の端部を固定する固定部材を含む。それにより、第1電極層及び第2電極層の第1端部の反対側の第1電極層及び第2電極層の第2端部は、移動可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極積層構造体及び固定部材を含む可撓性二次電池であって、
前記電極積層構造体は、
第1金属集電体を含む第1電極層と、
第2金属集電体を含む第2電極層と、
前記第1電極層及び前記第2電極層間の分離膜と、
前記第1電極層の第1端部の前記第1金属集電体の端部、及び前記第2電極層の第1端部の前記第2金属集電体の端部からそれぞれ延長された連結タブと、を含み、
前記固定部材は、前記電極積層構造体の第1端部の前記第1金属集電体及び前記第2金属集電体の端部を固定し、
前記第1電極層及び第2電極層の第1端部の反対側の前記第1電極層及び第2電極層の第2端部が移動可能な可撓性二次電池。
【請求項2】
前記電極積層構造体の外部面に形成された保護層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の可撓性二次電池。
【請求項3】
前記保護層の反り剛性は、前記電極積層構造体内部の各個別層の平均反り剛性より大きいことを特徴とする請求項2に記載の可撓性二次電池。
【請求項4】
前記保護層の反り剛性は、前記電極積層構造体内部の個別層の平均反り剛性より、少なくとも1.5倍であることを特徴とする請求項3に記載の可撓性二次電池。
【請求項5】
前記保護層の厚みは15μmないし1mmであることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の可撓性二次電池。
【請求項6】
前記保護層の引っ張り弾性率は、0.5GPaないし300GPaであることを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の可撓性二次電池。
【請求項7】
前記保護層は、高分子フィルム、ラミネートされた高分子フィルム層を含むフィルム、金属ホイルまたは炭素を含む複合材フィルムであることを特徴とする請求項2から6のいずれか一項に記載の可撓性二次電池。
【請求項8】
前記固定部材は、接着剤、または接着剤が塗布されたテープであることを特徴とする請求項1に記載の可撓性二次電池。
【請求項9】
前記電極積層構造体は、前記電極積層構造体の第1端部の前記第1金属集電体、前記第2金属集電体、及び前記分離膜の一端部のホールをさらに含み、前記固定部材は、前記ホール内にあることを特徴とする請求項1に記載の可撓性二次電池。
【請求項10】
前記電極積層構造体は、前記電極積層構造体の第1端部の前記第1金属集電体、前記第2金属集電体、及び前記分離膜の一端部の溝をさらに含み、前記固定部材は、前記溝内にあることを特徴とする請求項1に記載の可撓性二次電池。
【請求項11】
前記固定部材は、前記電極積層構造体の前記第1端部の外部面を取り囲むことを特徴とする請求項1又は8に記載の可撓性二次電池。
【請求項12】
前記連結タブ周辺の補強部材をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の可撓性二次電池。
【請求項13】
前記連結タブは、外部のリードタブと連結され、前記外部のリードタブは、前記電極積層構造体の長手方向に延長され、前記連結タブと重なることを特徴とする請求項1又は12に記載の可撓性二次電池。
【請求項14】
前記電極積層構造体の全長は、第1方向であり、及び前記第1方向に垂直である第2方向の前記電極積層構造体の第1端部での前記固定部材の長さは、2mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の可撓性二次電池。
【請求項15】
前記固定部材の長さに対する電極積層構造体の全長の比の値は、20以下であることを特徴とする請求項1又は14に記載の可撓性二次電池。
【請求項16】
可撓性二次電池の製造方法において、
第1端部だけ固定された電極積層構造体を提供し、前記電極積層構造体を提供する方法は、
第1金属集電体を含む第1電極層を提供し、
第2金属集電体を含む第2電極層を提供し、
前記第1電極層と前記第2電極層との間の分離膜を提供し、
前記第1電極層の第1端部の前記第1金属集電体の端部、及び前記第2電極層の第1端部の前記第2金属集電体の端部からそれぞれ延長された連結タブを提供し、
前記電極積層構造体の第1端部の前記第1金属集電体及び前記第2金属集電体の端部を固定する固定部材を提供することを含み、
前記第1電極層及び第2電極層の第1端部の反対側の前記第1電極層及び第2電極層の第2端部は、移動可能である可撓性二次電池の製造方法。
【請求項17】
前記固定部材を提供することは、前記固定部材を、前記第1及び第2金属集電体と接触させることを特徴とする請求項16に記載の可撓性二次電池の製造方法。
【請求項18】
前記固定部材を提供することは、前記固定部材を、前記第1金属集電体及び第2金属集電体の外部表面にだけ接触させることを特徴とする請求項16又は17に記載の可撓性二次電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池に係り、さらに詳細には、可撓性二次電池(flexible secondary battery)に関する。
【背景技術】
【0002】
電子分野の技術発達により、携帯電話、ゲーム機、PMP(portable multimedia player)、MP3(MPEG(moving picture experts group) audio layer−3)プレーヤだけではなく、スマートフォン、スマートパッド、電子書籍端末機、可撓性タブレットコンピュータ、身体に付着させる移動用医療機器のような各種移動用電子機器に係わる市場が大きく成長している。
【0003】
そのような移動用電子機器関連市場が成長するにつれ、移動用電子機器の駆動に適するバッテリに対する要求も高まっている。それに加え、それら移動用電子機器の使用、移動、保管、及び衝撃に対する耐久性と係わり、機器自体の柔軟性に対する要求が大きくなっている。結果として、そのようなモバイル電子機器の柔軟性を実現するために、バッテリの柔軟さに対する要求も増大している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、一端部に固定部材を形成し、他端部の反復的な反り運動または曲がり運動にも安定性を維持することができる可撓性二次電池を提供することである。
【0005】
追加的な様相は、詳細な説明に部分的に記載され、一部は、詳細な説明から明確になり、または提示された実施形態の実施によって理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために本発明は、電極積層構造体及び固定部材を含む可撓性二次電池であって、前記電極積層構造体は、第1金属集電体を含む第1電極層と、第2金属集電体を含む第2電極層と、前記第1電極層及び前記第2電極層の間の分離膜と、前記第1電極層の第1端部の前記第1金属集電体の端部、及び前記第2電極層の第1端部の前記第2金属集電体の端部からそれぞれ延長された連結タブと、を含み、前記固定部材は、前記電極積層構造体の第1端部の前記第1金属集電体及び前記第2金属集電体の端部を固定し、前記第1電極層及び第2電極層の第1端部の反対側の前記第1電極層及び第2電極層の第2端部が移動可能な可撓性二次電池を提供する。
【0007】
前記電極積層構造体の外部面の保護層をさらに含んでもよい。
【0008】
前記保護層の反り剛性は、前記電極積層構造体内部の各個別層の平均反り剛性より大きい値を有することができる。
【0009】
前記保護層の反り剛性は、前記電極積層構造体内部の個別層の平均反り剛性より、少なくとも1.5倍でもある。
【0010】
前記保護層の厚さは15μmないし1mmでもある。
【0011】
前記保護層の引っ張り弾性率(tensile modulus of elasticity)は、0.5GPaないし300GPaでもある。
【0012】
前記保護層は、高分子フィルム、ラミネートされた高分子フィルム層を含むフィルム、金属ホイルまたは炭素を含む複合材フィルムを含んでもよい。
【0013】
前記固定部材は、接着剤、または接着剤が塗布されたテープでもある。
【0014】
前記電極積層構造体は、前記電極積層構造体の第1端部の前記第1金属集電体、前記第2金属集電体、及び前記分離膜の一端部のホールをさらに含み、前記固定部材は、前記ホール内に位置されてもよい。
【0015】
前記電極積層構造体は、前記電極積層構造体の第1端部の前記第1金属集電体、前記第2金属集電体、及び前記分離膜の一端部の溝をさらに含み、前記固定部材は、前記溝内に位置されてもよい。
【0016】
前記固定部材は、前記電極積層構造体の前記第1端部の外部面を取り囲むことができる。
【0017】
前記連結タブ周辺の補強部材をさらに含んでもよい。
【0018】
前記連結タブは、外部のリードタブと連結され、前記外部のリードタブは、前記電極積層構造体の長手方向に延長され、前記連結タブと重なることができる。
【0019】
前記電極積層構造体の全長は、第1方向であり、前記第1方向に垂直である第2方向の前記電極積層構造体の第1端部での前記固定部材の長さは、2mm以上でもある。
【0020】
前記固定部材の長さに対する電極積層構造体の全長の比の値は、20以下でもある。
【発明の効果】
【0021】
本発明の実施形態によれば、可撓性二次電池の電極積層構造体は、電極積層構造体の層を、第1端部だけ固定させる固定部材を含み、電極積層構造体の対向する第2端部は、遊動可能である。従って、可撓性二次電池内の電極積層構造体は、第2端部の反復的な反り運動または曲がり運動にも安定性を維持することができる。そして、電極積層構造体の層及び固定部材から延長される連結タブ周囲に補強材を配置し、電極積層構造体の層の安定した動作特性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A】本発明による可撓性二次電池の実施形態の電極積層構造体を示した断面図である。
図1B】本発明による可撓性二次電池の実施形態の電極積層構造体を示した断面図である。
図1C】本発明による可撓性二次電池の実施形態の電極積層構造体を示した断面図である。
図2A】本発明による電極積層構造体の上下部の保護層を含む可撓性二次電池の他の実施形態を示した図面である。
図2B】本発明による電極積層構造体の上下部の保護層を含む可撓性二次電池の他の実施形態を示した図面である。
図3A】本発明による電極積層構造体の固定部材を含む可撓性二次電池の他の実施形態を示した図面である。
図3B】本発明による電極積層構造体の固定部材を含む可撓性二次電池の他の実施形態を示した図面である。
図4A】本発明による電極積層構造体において画成されたホール内の固定部材を含む可撓性二次電池の他の実施形態を示した図面である。
図4B】本発明による電極積層構造体において画成されたホール内の固定部材を含む可撓性二次電池の他の実施形態を示した図面である。
図5A】本発明による電極積層構造体及び固定部材の一端部の溝を含む可撓性二次電池の他の実施形態を示した図面である。
図5B】本発明による電極積層構造体及び固定部材の一端部の溝を含む可撓性二次電池の他の実施形態を示した図面である。
図6A】本発明による電極積層構造体を取り囲む固定部材を含む可撓性二次電池の他の実施形態を示した図面である。
図6B】本発明による電極積層構造体を取り囲む固定部材を含む可撓性二次電池の他の実施形態を示した図面である。
図7A】本発明による電極積層構造体連結タブがリードタブと連結されたところを含む可撓性二次電池の実施形態を示した図面である。
図7B】本発明による電極積層構造体連結タブがリードタブと連結されたところを含む可撓性二次電池の実施形態を示した図面である。
図7C】本発明による電極積層構造体連結タブがリードタブと連結されたところを含む可撓性二次電池の実施形態を示した図面である。
図8】本発明の実施形態による可撓性二次電池の電極積層構造体の固定部材が形成された長さと電極積層構造体全体の長さとの関係を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
同一要素を指す参照番号を付した図面を参照し、実施形態について詳細に説明する。それと係わり、本実施形態は、異なる形態を有することができ、ここで説明された説明に限定されるものではない。従って、該実施形態は、単に本説明の様態を説明するために図面を参照するものである。要素のリストに先行する「少なくとも1つの」のような表現は、全ての要素を修飾し、リストの個別要素を修飾するものではない。
【0024】
要素または層が、他の要素または層の「上」にあるか、あるいは「連結」されていると言及されるとき、該要素または該層は、直接他の要素または層の上にあるか、連結されるか、あるいは介在要素または介在層の上に連結されるということを理解するであろう。一方、要素が、他の要素または層の上に直接あるか、あるいは直接連結されるとするとき、介在要素または介在層は存在しない。本明細書で使用されているように、連結されるということは、他のものと物理的または/及び電気的に接続されてもよい。本明細書で使用された「及び/または」は、記載された関連項目中の一つ、またはそれ以上の全ての組み合わせを含んでもよい。
【0025】
第1、第2、第3のような用語が、多様な要素、成分、領域、層及び/またはセクションの説明に使用されたとしても、そのような要素、成分、領域、層及び/またはセクションは、それら用語によって限定されるものではないということを理解するであろう。そのような用語は、単に他の領域、層またはセクションから、1つの要素、成分、領域、層またはセクションを区別するために使用される。従って、後述するさまざまな要素、成分、領域、層またはセクションは、本発明の教示から外れずに、第2の要素、成分、領域、層またはセクションを指すことができる。
【0026】
空間的に相対的な用語である「下部」、「上部」などは、図面に図示された他の要素または特徴について、1つの要素または特徴の関係を説明するために便宜的に使用される。空間的に相対的な用語は、図面に描写された方向だけではなく、使用装置または作動装置の他の方向を含むように意図されたものであるということを理解するであろう。例えば、もし図面の装置を逆さにする場合、他の要素または特徴に対して、相対的に「下部」と描写された要素は、他の要素または特徴に対して「上部」になる。従って、「下部」という用語は上部及び下部の方向をいずれも含んでもよい。装置は、異なって配向(90°または他の方向に回転)されてもよく、ここで使用された空間的に相対的な説明は、それに従って解釈されてもよい。
【0027】
本明細書で使用された用語は、単に特定の実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。本明細書で使用された単数形である「a」、「an」、「the」は、内容上明確に異なって記載しない限り、複数形を含むものであると意図される。本明細書において、「含む」、「含むところの」、「有する」または/及び「有するところの」のような用語が使用されるとき、明示された特徴、整数、動作、構成要素及び/または成分の存在を明確にし、一つまたはそれ以上の他の特徴、整数、段階、動作、構成要素、成分及び/またはグループの存在または付加を排除するものではないということを理解することができるであろう。
【0028】
本発明の実施形態は、本発明の理想的な実施形態(及び中間構造体)の概略的な図面の断面を参照して敍述する。そのように、結果として図示された形態からの変形、例えば、製造技術及び/または許容の誤差が予想される。従って、本発明の実施形態は、図面に図示された領域の特定形状に限定されると解釈されてはならず、例えば、製造するところから生じる結果としての形状の偏差を含む。
【0029】
取り立てて定義されない限り、本明細書で使用された全ての用語(技術的であったり、科学的であったりする用語を含む)は、一般的に本発明が属する技術分野で当業者によって理解されるところと同一の意味を有している。一般的に使用される辞書で定義されるような用語は、関連分野の文脈において、それらの意味と一致すると解釈されなければならず、ここで明示的に定義されない限り、理想的であったり、過度に形式的であったりする意味に解釈されるものではない。
【0030】
モバイル電子装置の柔軟性は、モバイル電子装置の使用、移動、保管及び加えられたショックや外部衝撃に対する耐久性に関して望ましい。結果として、可撓性モバイル電子装置に適する電池も要求される。
【0031】
柔軟性が十分に確保されていない電池を曲げれば、例えば、2電極間の、分離膜と電極活物質との界面、電極活物質内部の界面、または電極活物質と集電体との界面に応力が集中することで、剥離が生じてしまうために、電池の性能及び寿命に致命的な影響を与えることになる。
【0032】
通常の電池は、反ったり曲がったりする場合、機能が低下したり、あるいは危険な反応が発生したりすることにもなり、可撓性電子機器用において使用され難かった。一部のシート型電池では、電池を薄くし、反ることを可能にしていたが、電池を薄くする場合、保存することができるエネルギーが少なく、使用用途が制限された。従って、可撓性電子装置に適するように、十分に可撓性を有した電池に対する必要性がある。
【0033】
以下、本発明について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0034】
図1Aないし図1Cは、本発明による可撓性二次電池(flexible secondary battery)の実施形態の電極積層構造体を示した断面図である。図1Aないし図1Cを参照すれば、本発明による可撓性二次電池の実施形態は、第1電極層10,100、第2電極層11,101、及び第1電極層10,100と、第2電極層11,101との間に形成された分離膜12が積層された電極積層構造体を含んでもよい。
【0035】
本実施形態による可撓性二次電池の電極積層構造体は、多数の第1電極層10,100、第2電極層11,101及び分離膜12が積層された構造を含んでもよい。第1電極層10,100の第1金属集電体10の端部、及び第2電極層11,101の第2金属集電体11の端部には、それぞれ突出した連結タブ10a,11aが形成されてもよい。それぞれの連結タブ11a,10aの延長部14,15は、外部のリードタブと連結される。
【0036】
本発明の実施形態による可撓性二次電池の電極積層構造体の連結タブ10a,11aが形成された第1金属集電体10及び第2金属集電体11の一端部には、電極集電体の第1金属集電体10、第2金属集電体11及び分離膜12をそれぞれ固定させる固定部材13が形成されてもよい。固定部材13は、電極積層構造体の第1金属集電体10及び第2金属集電体11の連結タブ10a,11aが形成された一端部Aに形成され、電極積層構造体の反対側の第2端部には、固定部材を形成しない。別途の固定部材が形成されていない、電極積層構造体の反対側の第2端部は、固定部材13が形成された電極積層構造体の第1端部に比べ、相対的な位置変化が大きくなる。
【0037】
図1Bに図示されているように、固定部材13が、電極積層構造体の第1端部Aにのみ形成されることにより、固定部材13が形成されていない領域Bは、反復的に曲がり運動が可能である。すなわち、前記固定部材13は、電極積層構造体の第1端部Aにおいて、所定の位置に、電極積層構造の層を固定させて維持する。固定部材13が、第2端部に配置されていないために、固定部材13は、電極積層構造体の反対側の第2端部を露出させる。電極積層構造体が、図1Bの本来の位置から曲がれば、電極積層構造体の層の反対側の第2端部は、固定部材13によって、制限されたり固定されたりしていないために、互いに移動可能である。
【0038】
本発明の例示された実施形態において、B領域は、図1Bに図示されている本来の位置から、図1Aに図示されている第1曲がり位置、あるいは図1Cに図示されている第2曲がり位置に曲がることができる。さらには、固定部材13が、第1金属集電体10、第2金属集電体11及び分離膜12を互いに固定させることにより、分離膜12両側の第1電極層10,100及び第2電極層11,101は、可逆的な電気化学的反応を可能にする整列を維持することができる。そして、該電極積層構造体が、反復的に曲がり運動を行う場合、該電極積層構造体を構成する各層の相対的位置を維持させ、反復的な曲がり運動後にも、充放電などの電気化学的反応が可能である。
【0039】
もし該可撓性二次電池の固定部材13が形成されていない場合には、該電極積層構造体が反復的に曲がり運動を行う過程において、電極積層構造体を構成する層間の相対的な位置が変わり、整列が乱れてしまう。従って、層間の整列が乱れれば、電極層間の可逆的電気化学反応量が低減し、深刻な場合、電極層間に短絡現象が発生する。また、固定部材13を、該積層構造体の一端部と他端部とにいずれも形成する場合、電極層の内部的な反り現象が発生する場合、曲がりによる応力により、該電極積層構造体内部の構成層間の剥離、脱落、密着性低下の現象が発生したり、あるいは固定部材13の一部が破壊されたりしてしまう。固定部材13が、該電極積層構造体の両端部に形成されれば、電極層間の整列を正しく維持することができなくなる。従って、そのような現象を減少させたり、あるいは効果的に防止したりするために、本発明による可撓性二次電池の実施形態においては、該電極積層構造体の連結タブが形成された一端部にのみ固定部材13を形成する。
【0040】
もし連結タブが位置した第1端部Aに、固定部材13が位置せず、第2端部に位置した場合、曲がり運動を行うとき、第1端部A側の電極層において、相対的位置変化が生ずる。第1端部Aには、連結タブ10a,11aが位置し、ここで、多数の集電体が接合されている。従って、第1端部Aでの電極層の相対的位置が変われば、連結タブ10a,11aが折れ曲がったり、切れたりしてしまい、もしそのような結果として、相対的な位置変化が反復される場合、電池の性能が低下してしまう。従って、本発明による可撓性二次電池の実施形態においては、そのような現象を低減させたり、あるいは効果的に防止したりするために、固定部材13は、連結タブ10a,11a、及び多数の集電体が接合された第1端部Aにのみ配置する。
【0041】
以下、本発明による可撓性二次電池の実施形態の電極積層構造体について説明する。
【0042】
第1電極層10,100は、正極フィルムまたは負極フィルムのうちいずれか一つである。第1電極層10,100が正極フィルムである場合、第2電極層11,101は、負極フィルムである。第1電極層10,100が負極フィルムである場合、第2電極層11,101は、正極フィルムである。
【0043】
第1電極層は、第1金属集電体10を含み、第1活物質層100は、第1金属集電体10の表面に位置する。第1電極層は、一つ、またはそれ以上の第1金属集電体10、及び一つ、またはそれ以上の第1活物質層100を含んでもよい。一実施形態において、第1電極層は、2つの第1金属活物質層100間に形成された1つの第1金属集電体10を含んでもよい。
【0044】
第2電極層は、第2金属集電体11を含み、第2活物質層101は、第2金属集電体11の表面に位置する。第2電極層は、一つ、またはそれ以上の第2金属集電体10、及び一つ、またはそれ以上の第2活物質層101を含んでもよい。一実施形態において、第2電極層は、2つの第2金属活物質層101間に形成された1つの第2金属集電体11を含んでもよい。
【0045】
もし第1電極層10,100が正極フィルムである場合、第1金属集電体10は、正極集電体であり、第1活物質層100は、正極活物質層である。そして、第2電極層11,101が負極フィルムである場合、第2金属集電体11は、負極集電体であり、第2活物質層101は、負極活物質層である。
【0046】
正極集電体は、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、銅、銀、またはそれらから選択された物質の組み合わせを含んでもよい。正極活物質層は、正極活物質、バインダ及び/または導電材を含んでもよい。
【0047】
正極活物質層の正極活物質は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出(例えば、アロイ化(alloy)及びデアロイ化(dealloy)、あるいは挿入(intercalate)及び離脱(deintercalate))することができる物質を含んでもよい。一実施形態において、例えば、正極活物質は、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム、マンガン酸リチウム及びリン酸鉄リチウムのようなリチウム遷移金属酸化物;硫化ニッケル;硫化銅;硫酸塩;酸化鉄;及び酸化バナジウム;から選択された少なくとも1つの物質を含んでもよい。
【0048】
バインダは、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレンコポリマーなどのポリフッ化ビニリデン系バインダ;ナトリウム−カルボキシメチルセルロース、リチウム−カルボキシメチルセルロースなどのカルボキシメチルセルロース系バインダ;ポリアクリル酸、リチウム−ポリアクリル酸、アクリル、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレートなどのアクリレート系バインダ;ポリアミドイミド;ポリテトラフルオロエチレン;酸化ポリエチレン;ポリピロール;リチウム−ナフィオン;及びスチレンブタジエンゴム系ポリマー;から選択された少なくとも1つの物質を含んでもよい。
【0049】
導電材は、カーボンブラック、炭素ファイバ及び黒鉛のような炭素系導電材;金属ファイバのような導電性ファイバ;フッ化カーボン粉末、アルミニウム粉末及びニッケル粉末のような金属粉末;フッ化炭素粉末、酸化亜鉛及びチタン酸カリウムのような導電性ウィスカ;酸化チタンのような導電性金属酸化物;及びポリフェニレン誘導体などの伝導性高分子;から選択された少なくとも1つの物質を含んでもよい。
【0050】
負極集電体は、銅、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム及びチタンから選択された少なくとも1つの金属を含んでもよい。負極活物質層は、負極活物質、バインダ及び導電材を含んでもよい。
【0051】
負極活物質層は、リチウムとの合金化、またはリチウムの可逆的な吸蔵及び放出が可能な物質から形成されてもよい。一実施形態において、例えば、該負極活物質は、金属、炭素系材料、金属酸化物及びリチウム金属チッ化物から選択された少なくとも1つの物質を含んでもよい。
【0052】
負極活物質層の金属は、リチウム、ケイ素、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、ヒ素、アンチモン、ビスマス、銀、金、亜鉛、カドミウム、水銀、銅、鉄、ニッケル、コバルト及びインジウムから選択された少なくとも1つの物質を含んでもよい。負極活物質の炭素系材料は、黒鉛、黒鉛炭素ファイバ、コークス、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、ポリアセン、ピッチ系炭素ファイバ及び難黒鉛化性炭素(hardcarbon)から選択された少なくとも1つの物質を含んでもよい。負極活物質の金属酸化物は、リチウムチタン酸化物、酸化チタン、酸化モリブデン、酸化ニオブ、酸化鉄、酸化タングステン、酸化スズ、非晶質スズ複合酸化物、シリコンモノオキサイド、酸化コバルト及び酸化ニッケルから選択された少なくとも一つを含んでもよい。
【0053】
負極活物質層に含まれたバインダ及び導電材は、それぞれ正極活物質層に含まれたバインダ及び導電材と同一のものを使用することができる。
【0054】
可撓性二次電池の製造方法の実施形態において、正極フィルムまたは負極フィルムは、金属集電体上に、活物質層を多様な方法によって塗布することによって形成され、電極活物質層の塗布方法には制限がない。
【0055】
分離膜12は、ポリエチレン膜、ポリプロピレン膜のような多孔性高分子膜でもあり、高分子ファイバを含む織布形態または不織布形態でもあり、セラミックス粒子を含み、高分子固体電解質からもなる。分離膜12は、独立したフィルムから形成するか、あるいは第1電極層10,100上、または第2電極層11,101上に非伝導性の多孔性層を形成して使用される。分離膜12は、第1電極層10,100及び第2電極層11,101を電気的に分離させるためのものである。分離膜12は、第1電極層10,100や第2電極層11,101の形状と同一であってもよく、同一でなくともよい。
【0056】
図2A及び図2Bは、本発明による電極積層構造体の上下部の保護層を含む可撓性二次電池の他の実施形態を示した図面である。図2Bは,平面図を示したものであり、図2Aは、図2Bのm1−m1’を基準に切り取った断面図を示したものである。
【0057】
図2A及び図2Bを参照すれば、第1電極層10,100、第2電極層11,101、及び第1電極層10,100と、第2電極層11,101との間に形成された分離膜12を含む電極積層構造体の上下部を含む外部面には、保護層16a,16bが位置することができる。
【0058】
保護層16a,16bは、内部の電極積層構造体の反りまたは曲がりに大きい影響を与えないように、ある程度の柔軟性及び剛性を有した物質を含んでもよい。そして、保護層16a,16bは、電極積層構造体の外部からの物理的な衝撃及び/または化学的な影響から、内部の電極積層構造体を保護することができる。
【0059】
電極積層構造体が撓曲された場合、該電極積層構造体の内部は、圧縮力を受けるために、各個別層は、しわを発生させ、圧縮ストレスを緩和させる傾向を有する。電極積層構造体の個別層にしわが発生すれば、個別層間の間隔が開き、個別層の整列位置が非可逆的に変わるか、あるいは個別層が折れ曲がる危険性が高くなる。そのとき、外側に、一定の柔軟性及び剛性を有した保護層16a,16bが位置すれば、しわと共に、曲率半径が小さい変形が起こる場合、それを抑え、さらに大きい変形が起きることを低減させたり、あるいはそれを効果的に防止し、内部層(個別層)が受けるストレスを緩和させることができる。
【0060】
保護層16a,16bの反り剛性(bending stiffness)は、電極積層構造体内部の各個別層の平均反り剛性より大きい値を有することができる。電極積層構造体内部の個別層のしわ発生を防止し、圧力を分散させ、個別層の間隔の開きを大きくしないようにしたり、あるいはそれを効果的に防止したりするためには、各個別層の平均反り剛性より、保護層16a,16bの反り剛性を大きく設計し、例えば、少なくとも約1.5倍の値を有するように形成することができる。
【0061】
保護層16a,16bの厚みは、15μmないし1mmほどに形成することができ、保護層16a,16bの引っ張り弾性率(tensile modulus of elasticity)は、0.5GPaないし300GPa(gigapascals)でもある。保護層16a,16bは、高分子フィルム、ラミネートされた高分子フィルム層を含むフィルム、金属ホイル、炭素を含む複合材フィルムを含んでもよい。
【0062】
本発明による可撓性二次電池の電極積層構造体の固定部材の実施形態について説明する。
【0063】
図3A及び図3Bは、本発明による電極積層構造体の固定部材を含む可撓性二次電池の他の実施形態を示した図面である。図3Bは、平面図を示したものであり、図3Aは、図3Bのm2−m2’を基準に切り取った断面図を示したものである。
【0064】
図3A及び図3Bを参照すれば、第1金属集電体10、第2金属集電体11及び分離膜12それぞれの第1端部には、第1金属集電体10及び第2金属集電体11並びに分離膜12を固定する固定部材13aが位置する。固定部材13aは、接着剤、または接着剤が塗布されたテープを含み、第1金属集電体10と第2金属集電体11との短絡を低減させたり、あるいはそれを効果的に防止するために、絶縁性接着剤を含んでもよい。図3Aに図示されているように、固定部材13aの一領域は、隣接した第1金属集電体10及び分離膜12の各対の間、及び/または隣接した第2金属集電体11及び分離膜12の各対の間に位置することができるが、それによってのみ限定されるものではない。
【0065】
可撓性二次電池の製造方法の一実施形態において、電極積層構造体の第1金属集電体10、第2金属集電体11及び分離膜12の各層に、個別的に固定部材13aの接着剤をあらかじめ形成し、電極積層構造体の各層を整列させて結合することができる。それに加え、または選択的に、電極積層構造体の第1金属集電体10、第2金属集電体11及び分離膜12などを整列させて積層した後、連結タブ10a,11a間の第1金属集電体10、第2金属集電体11及び分離膜12の端部に、接着剤が塗布されたテープを結合させ、固定部材13aを形成することができる。
【0066】
図4A及び図4Bは、本発明による電極積層構造体において定義された、ホール内の固定部材を含む可撓性二次電池の他の実施形態を示した図面である。図4Bは、平面図を示したものであり、図4Aは、図4Bのm3−m3’を基準に切り取った断面図を示したものである。
【0067】
図4A及び図4Bを参照すれば、連結タブ10a,11a間の、電極積層構造体の第1金属集電体10、第2金属集電体11及び分離膜12の第1端部には、ホールが画成され、ホール内部には、それら要素を共に固定させる固定部材13bが配置されてもよい。固定部材13bは、絶縁性物質を含むリベット及び/または紐でもある。一実施形態において、例えば、固定部材13bは、ポリマー柱でリベッティングしたものを含んでもよい。可撓性二次電池の製造方法の一実施形態において、該電極積層構造体は、あらかじめホールが形成された電極積層構造体の第1金属集電体10、第2金属集電体11及び分離膜12を整列させて積層した後、ホール部位にリベットまたは紐を挿入し、電極積層構造体の要素を固定することによって形成することができる。図4Aに図示されているように、単一固定部材13bが、それぞれ整列された全てのホールを介して挿入されてもよいが、本発明は、それによってのみ限定されるものではない。
【0068】
図5A及び図5Bは、本発明による電極積層構造体及び固定部材13cの一端部の溝を含む可撓性二次電池の他の実施形態を示した図面である。図5Bは、平面図を示したものであり、図5Aは、図5Bのm4−m4’を基準に切り取った断面図を示したものである。
【0069】
図5A及び図5Bを参照すれば、電極積層構造体の連結タブ10a,11aの外側に離隔された、第1金属集電体10、第2金属集電体11及び分離膜12の第1端部には、固定部材13cが挿入される溝が画成されてもよい。該溝は、図5Bに図示されているように第1金属集電体10、第2金属集電体11及び分離膜12それぞれの外側エッジから陥没する一方で、固定部材13cは、図5Aに図示されているように、電極積層構造体の上面及び下面から突出する。選択的に、該溝は、第2金属集電体11の最外部の外部表面と同じ電極積層構造体の上部表面及び下部表面から陥没されてもよい。すなわち、固定部材は、第1金属集電体10及び第2金属集電体11の外部表面と接触することができるが、それによってのみ限定されるものではない。固定部材13cは、バンドまたはリングのように、溝周辺を取り囲む構造を有することができるが、それによってのみ限定されるものではない。図5A及び図5Bでは、固定部材13cが、第1金属集電体10、第2金属集電体11及び分離膜12の第1端部に形成された溝周辺を取り囲む例を示したが、該溝の位置は、それに限定されるものではない。他の実施形態において、該溝は、連結タブ10a,11aの周辺に定義されてもよい。他の実施形態において、固定部材13cは、溝内に配置された接着剤を含んでもよい。
【0070】
図6A及び図6Bは、本発明による電極積層構造体を取り囲む固定部材を含む可撓性二次電池の他の実施形態を示した図面である。図6Bは、平面図を示し、図6Aは、図6Bのm5−m5’を基準に切り取った断面図を示している。
【0071】
図6A及び図6Bを参照すれば、該電極積層構造体の連結タブ10a,11aが配置された第1端部は、固定部材13dで取り囲まれ、従って、該電極積層構造体の層は、固定される。一実施形態において、固定部材13dは、接着剤または接着剤を含むテープでもある。図5A及び図5Bの固定部材13cは、電極積層構造体の上面及び下面から突出し、凹状溝が形成された部位では、電極積層構造体の外部表面から突出しない一方、図6A及び図6Bに図示されているように、固定部材13dは、電極積層構造体の外部表面から突出する。
【0072】
前述のように、本発明による電極積層構造体を含む、一つまたは多数の実施形態において、固定部材は多様な形態で、電極積層構造体の一端部にだけ配置される。
【0073】
図7Aないし図7Cは、本発明による電極積層構造体連結タブ10a,11aが、リードタブ20,21と連結されたところを含む可撓性二次電池の多様な実施形態を示した図面である。図7B及び図7Cは、図7AのC部分の拡大図である。
【0074】
図7Aを参照すれば、第1電極層10,100、第2電極層11,101、及び第1電極層10,100と、第2電極層11,101との間に配置された分離膜12が、電極積層構造体に積層され、第1電極層10,100の第1金属集電体10の第1端部、及び第2電極層11,101の第2金属集電体11の第1端部には、それぞれ連結タブ10a及び連結タブ11aが突設される。連結タブ11a,10aの延長部14,15は、外部のリードタブ20,21とそれぞれ連結される。
【0075】
連結タブ10a,11aが配置された電極積層構造体の第1端部Aは、固定部材13によって固定され(例えば、本質的に曲がらない)、電極積層構造体の残りの部位Bは、曲がることができる。それによって、連結タブ10a,11aが配置された領域Cが相対的に脆弱になる。
【0076】
領域Cの脆弱さを低減させるために、図7Bに図示されているように、連結タブ10a,11aが位置する部位に、補強部材17が配置されてもよい。補強部材17は、剛性フィルム及び/または外部ポーチを含んでもよい。補強部材17は、電極積層構造体の外部表面上に配置され、外部のリードタブ20,21は、補強部材17の内部から外部に、補強部材17に画成される開口を介して突出する。
【0077】
また、図7Cに図示されているように、リードタブ20,21のうち少なくとも一つに、電極積層構造体側に、それぞれのリードタブ20または21から連続される延長部18を形成させ、連結タブ10a,11aが配置された領域を補強することができる。図7Cに図示されているように、リードタブの延長部は、さらに第2金属集電体11の外部表面と重畳及び/または接触することができる。
【0078】
図8は、本発明の実施形態による可撓性二次電池の電極積層構造体の固定部材13が形成された長さと、電極積層構造体全体の長さとの関係を示した図面である。
【0079】
図8を参照すれば、固定部材13の長さwは、約2mm以上でもある。電極積層構造体の各層は、電極積層構造体の第1端部の固定部材13を中心に、反復的な曲がり運動、例えば、回転運動が可能であり、固定部材13が配置されていない電極積層構造体の対向する第2端部での電極積層構造体の各層の位置が互いにずれる。固定部材13の長さwが過度に短ければ、そのような回転による電極積層構造体の整列乱れを防ぐことができないので、整列を維持しきれない。
【0080】
該電極積層構造体の整列は、電極積層構造体の全長lと、固定部材13の長さwとの比率とも係わる。全長lは、電極積層構造体の第1方向(例えば、長手方向)で測定され、固定部材13の長さwは、第1方向に垂直な第2方向で測定される。固定部材13の長さwに比べ、電極積層構造体の全長lが過度に長ければ、電極積層構造体の反復的な曲がり運動時、固定部材13が配置されていない電極積層構造体の第2端部での回転による位置変化率が大きくなる。従って、電極積層構造体の整列を維持することができない。固定部材13の長さwに対する電極積層構造体の全長lの比の値(l/w)は、20以下でもある。
【0081】
以上の説明において、多くの事項を具体的に記載しているが、それらは、発明の範囲を限定するものとするより、実施形態の例示として理解されなければならない。各実施形態内の特徴に係わる説明は、他の実施形態の他の類似の特徴や側面において、有用なものであると一般的に考慮されなければならない。
【符号の説明】
【0082】
10,100 第1電極層、11,101 第2電極層、10a,11a 連結タブ、12 分離膜、13,13a,13b,13c,13d 固定部材、16a,16b 保護層、17 補強部材、20,21 リードタブ、A 第1端部
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8
【国際調査報告】