【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明は、式(I):
R
1−Z−R
2 (I)
を有するペプチド性化合物またはその塩もしくは溶媒和物を提供し、
式中、
Zは、式(II)
His−X2−X3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−X14−X15−X16−X17−X18−Ala−X20−X21−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−X28−X29−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−X35−Pro−Pro−Pro−X39−X40
(II)
を有するペプチド部分であり、
X2は、Ser、D−SerおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X3は、Gln、Hisおよびα−アミノ官能化Glnから選択されるアミノ酸残基を表し、ここで、Glnは、α−NH
2基のHが(C
1〜C
4)−アルキルによって置換されているという点で官能化されていてもよく、
X14は、−NH
2基を有する側鎖を有するアミノ酸残基を表し、ここで、−NH
2側鎖基は、−C(O)−R
5、−C(O)O−R
5、−C(O)NH−R
5、−S(O)
2−R
5またはR
5、好ましくは−C(O)−R
5によって官能化されており、ここで、R
5は、最大50または最大100の炭素原子ならびに場合によりハロゲン、N、O、Sおよび/またはPから選択されるヘテロ原子を含む部分であってもよく、
X15は、GluおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16は、Ser、GluおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17は、Arg、Glu、Gln、Leu、AibおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18は、Arg、AlaおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X20は、Gln、Arg、Lys、His、GluおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、Asp、LeuおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28は、Asn、Arg、Lys、Aib、Ser、Glu、AlaおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29は、Gly、Ala、D−AlaおよびThrから選択されるアミノ酸残基を表し、
X35は、Ala、Glu、ArgおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X39は、Serを表すかまたは存在せず、
X40は、存在しないかまたは−NH
2基を有する側鎖を有するアミノ酸残基を表し、ここで、−NH
2側鎖基は、−C(O)−R
5、−C(O)O−R
5、−C(O)NH−R
5、−S(O)
2−R
5またはR
5、好ましくは−C(O)−R
5によって場合により官能化され、ここで、R
5は、最大50または最大100の炭素原子ならびに場合によりハロゲン、N、O、Sおよび/またはPから選択されるヘテロ原子を含む部分であってもよく、
R
1は、該ペプチド性化合物のN末端基を表し、NH
2およびモノ官能化NH
2またはビス官能化NH
2から選択され、
R
2は、ペプチド性化合物のC末端基を表し、
(i)OHまたは官能化OH、および
(ii)NH
2またはモノ官能化NH
2もしくはビス官能化NH
2
から選択される。
【0027】
本発明の化合物は、細胞内cAMP形成を刺激することが可能であるという観察によって決定されるように、GLP−1およびグルカゴン受容体アゴニストである。
【0028】
別の一実施形態によれば、特に親油性残基でさらに置換される14位におけるリジンを有する本発明の化合物は、GLP−1受容体において、GLP−1(7〜36)の相対的活性と比較して、少なくとも0.1%の、より好ましくは0.2%の、より好ましくは0.3%の、なおより好ましくは0.4%の相対的活性を示す。さらに、これらの化合物は、グルカゴン受容体において、天然グルカゴンの相対的活性と比較して、少なくとも0.1%の、より好ましくは0.2%の、または0.3%の、または0.4%の、なおより好ましくは0.5%の相対的活性を示す。
【0029】
用語「活性」とは、本明細書で使用する場合、好ましくは、ヒトGLP−1受容体およびヒトグルカゴン受容体を活性化する化合物の能力を指す。より好ましくは、用語「活性」とは、本明細書で使用する場合、細胞内cAMP形成を刺激する化合物の能力を指す。用語「相対的活性」とは、本明細書で使用する場合、別の受容体アゴニストと比較して、または別の受容体と比較して特定の比率で、受容体を活性化する化合物の能力を指すと理解される。アゴニストによる受容体の活性化(例えば、cAMPレベルを測定することによる)は、本明細書に記載されるように、例えば実施例に記載されるように、決定される。
【0030】
一実施形態によれば、本発明の化合物は、450pmol以下の、好ましくは200pmol以下の;より好ましくは150pmol以下の、より好ましくは100pmol以下の、より好ましくは90pmol以下の、より好ましくは80pmol以下の、より好ましくは70pmol以下の、より好ましくは60pmol以下の、より好ましくは50pmol以下の、より好ましくは40pmol以下の、より好ましくは30pmol以下の、より好ましくは25pmol以下の、より好ましくは20pmol以下の、より好ましくは15pmol以下の、より好ましくは10pmol以下の、より好ましくは9pmol以下の、より好ましくは8pmol以下の、より好ましくは7pmol以下の、より好ましくは6pmol以下の、より好ましくは5pmol以下の、hGLP−1受容体に対するEC
50を有する。
【0031】
別の一実施形態によれば、本発明の化合物は、500pmol以下の、好ましくは200pmol以下の;より好ましくは150pmol以下の、より好ましくは100pmol以下の、より好ましくは90pmol以下の、より好ましくは80pmol以下の、より好ましくは70pmol以下の、より好ましくは60pmol以下の、より好ましくは50pmol以下の、より好ましくは40pmol以下の、より好ましくは30pmol以下の、より好ましくは25pmol以下の、より好ましくは20pmol以下の、より好ましくは15pmol以下の、より好ましくは10pmol以下の、hGlucagon受容体に対するEC
50を有する。
【0032】
別の一実施形態によれば、本発明の化合物は、450pmol以下の、好ましくは200pmol以下の;より好ましくは150pmol以下の、より好ましくは100pmol以下の、より好ましくは90pmol以下の、より好ましくは80pmol以下の、より好ましくは70pmol以下の、より好ましくは60pmol以下の、より好ましくは50pmol以下の、より好ましくは40pmol以下の、より好ましくは30pmol以下の、より好ましくは25pmol以下の、より好ましくは20pmol以下の、より好ましくは15pmol以下の、より好ましくは10pmol以下の、より好ましくは9pmol以下の、より好ましくは8pmol以下の、より好ましくは7pmol以下の、より好ましくは6pmol以下の、より好ましくは5pmol以下の、hGLP−1受容体に対するEC
50、および/または500pmol以下の、好ましくは200pmol以下の;より好ましくは150pmol以下の、より好ましくは100pmol以下の、より好ましくは90pmol以下の、より好ましくは80pmol以下の、より好ましくは70pmol以下の、より好ましくは60pmol以下の、より好ましくは50pmol以下の、より好ましくは40pmol以下の、より好ましくは30pmol以下の、より好ましくは25pmol以下の、より好ましくは20pmol以下の、より好ましくは15pmol以下の、より好ましくは10pmol以下の、hGlucagon受容体に対するEC
50を有する。
【0033】
なお別の一実施形態では、両方の受容体、即ち、hGLP−1受容体およびhGlucagon受容体に対するEC
50は、100pmol以下、より好ましくは90pmol以下、より好ましくは80pmol以下、より好ましくは70pmol以下、より好ましくは60pmol以下、より好ましくは50pmol以下、より好ましくは40pmol以下、より好ましくは30pmol以下、より好ましくは25pmol以下、より好ましくは20pmol以下、より好ましくは15pmol以下、より好ましくは10pmol以下である。hGLP−1受容体およびhGlucagon受容体に対するEC
50は、実施例9に記載される結果を生成するために、本明細書の方法に記載されるように決定され得、使用され得る。
【0034】
本発明の化合物は、腸通過を低減させる能力、胃内容物を増加させる能力、および/または患者の食物摂取を低減させる能力を有する。本発明の化合物のこれらの活性は、当業者に公知の、方法において本明細書にも記載される、動物モデルにおいて評価され得る。かかる実験の結果は、実施例11および12に記載される。本発明の好ましい化合物は、単一用量、好ましくは0.02mg/kg体重の皮下用量として投与された場合、マウス、好ましくは雌性NMRIマウスの胃内容物を、少なくとも25%、より好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%増加させ得る。
【0035】
好ましくは、この結果は、それぞれの化合物の投与の1時間後かつボーラスの投与の30分後に測定され、および/または単一用量、好ましくは0.02mg/kg体重の皮下用量として投与された場合、マウス、好ましくは雌性NMRIマウスの腸通過を、少なくとも45%;より好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも55%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも65%低減させ;および/または単一用量、好ましくは0.01mg/kg体重の皮下用量として投与された場合、22時間の期間にわたり、マウス、好ましくは雌性NMRIマウスの食物摂取を、少なくとも10%、より好ましくは15%、より好ましくは20%低減させる。
【0036】
本発明の化合物は、患者の血中グルコースレベルを低減させる能力および/またはHbA1cレベルを低減させる能力を有する。本発明の化合物のこれらの活性は、当業者に公知の、方法において本明細書にも記載される、動物モデルにおいて評価され得る。かかる実験の結果は、実施例14および17に記載される。
【0037】
本発明の好ましい化合物は、単一用量、好ましくは0.01mg/kg体重の皮下用量として投与された場合、24時間の期間にわたり、マウス、好ましくは雌性レプチン受容体欠損糖尿病db/dbマウスの血中グルコースレベルを、少なくとも4mmol/L;より好ましくは少なくとも6mmol/L、より好ましくは少なくとも8mmol/L低減させ得る。用量が0.1mg/kg体重まで増加すると、単一用量、好ましくは皮下用量として投与された場合、血中グルコースレベルのより顕著な低減が、24時間の期間にわたって、マウスにおいて観察され得る。好ましくは、本発明の化合物は、少なくとも7mmol/L;より好ましくは少なくとも9mmol/L、より好ましくは少なくとも11mmol/Lの低減をもたらす。本発明の化合物は、好ましくは、0.01mg/kgの一日用量から約点火値までで投与された場合、4週間の期間にわたり、マウスのHbA1cレベルの増加を低減させる。
【0038】
本発明の化合物は、患者の体重を低減させる能力もまた有する。本発明の化合物のこれらの活性は、当業者に公知の、方法ならびに実施例13および16において本明細書にも記載される、動物モデルにおいて評価され得る。
【0039】
式(I)のペプチド性化合物、特に親油性残基でさらに置換される14位におけるリジンを有するものは、14位において元のメチオニン(エキセンディン−4由来)を有する誘導体と比較して、増加したグルカゴン受容体活性化を示すことが見出された。さらに、メチオニンの酸化(in vitroまたはin vivo)は、もはや可能でない。
【0040】
一実施形態では、本発明の化合物は、酸性および/または生理学的pH値、例えば、25℃でpH4.5および/またはpH7.4における高い溶解度、別の一実施形態では少なくとも0.5mg/ml、ならびに特定の一実施形態では少なくとも1.0mg/ml、を有する。
【0041】
さらに、一実施形態によれば、本発明の化合物は、好ましくは、溶液中で貯蔵した場合に高い安定性を有する。安定性を決定するための好ましいアッセイ条件は、pH4.5またはpH7の溶液中で25℃で7日間にわたる貯蔵である。ペプチドの残留量は、実施例に記載されたようなクロマトグラフィー分析によって決定される。好ましくは、pH4.5またはpH7の溶液中で25℃で7日間の後、残留ペプチド量は、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、なおより好ましくは少なくとも90%、なおより好ましくは少なくとも95%である。
【0042】
好ましくは、本発明の化合物は、ペプチド結合、即ちカルボキサミド結合によって連結された39〜40のアミノカルボン酸、特にα−アミノカルボン酸の直鎖配列であるペプチド部分Z(II)を含む。
【0043】
一実施形態では、R
1は、−NH
2、−NH[(C
1〜C
5)アルキル]、−N[(C
1〜C
5)アルキル]
2、−NH[(C
0〜C
4)アルキレン−(C
3〜C
8)シクロアルキル]、NH−C(O)−H、NH−C(O)−(C
1〜C
5)−アルキル、NH−C(O)−(C
0〜C
3)アルキレン−(C
3〜C
8)シクロアルキルから選択され、式中、アルキルまたはシクロアルキルは、未置換であるか、または−OHもしくはF、Cl、BrおよびI、好ましくはFから選択されるハロゲンによって最大5重置換されている。
【0044】
一実施形態では、R
2は、−OH、−O−(C
1〜C
20)アルキル、−O(C
0〜C
8)アルキレン−(C
3〜C
8)シクロアルキル、−NH
2、−NH[(C
1〜C
30)アルキル]、−N[(C
1〜C
30)アルキル]
2、−NH[(C
0〜C
8)アルキレン−(C
3〜C
8)シクロアルキル]、−N[(C
0〜C
8)アルキレン−(C
3〜C
8)シクロアルキル]
2、−NH[(CH
2−CH
2−O)
1〜40−(C
1〜C
4)アルキル]、−NH−(C
3〜C
8)ヘテロシクリルもしくは−NH−(C
0〜C
8)アルキレン−アリール(式中、アリールは、フェニルおよびナフチル、好ましくはフェニルから選択される)、または特にアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルおよびホモピペリジニルから選択される、1つのN原子および場合によりO、NもしくはSから選択される2つのさらなるヘテロ原子を含む(C
3〜C
8)−ヘテロシクリルから選択される。さらに、上記アルキルまたはシクロアルキルは、未置換であるか、または−OHもしくはF、Cl、BrおよびI、好ましくはFから選択されるハロゲンによって最大5重置換されている。
【0045】
一実施形態では、そのN末端基R
1はNH
2である。さらなる一実施形態では、そのC末端基R
2はNH
2である。なおさらなる一実施形態では、N末端基R
1およびC末端基R
2はNH
2である。
【0046】
一実施形態では、X14位は、官能化−NH
2側鎖基を有するアミノ酸残基、例えば、官能化Lys、Orn、DabまたはDap、より好ましくは官能化Lysを表し、X40は、官能化−NH
2側鎖基を有するアミノ酸残基、例えば、官能化Lys、Orn、DabまたはDap、より好ましくは官能化Lysを表す。
【0047】
−NH
2側鎖基を有するアミノ酸残基、例えば、Lys、Orn、DabまたはDapは、−NH
2側鎖基の少なくとも1つのH原子が、−C(O)−R
5、−C(O)O−R
5、−C(O)NH−R
5、−S(O)
2−R
5またはR
5、好ましくは−C(O)−R
5によって置き換えられているという点で官能化されていてもよく、ここで、R
5は、最
大50または最大100の炭素原子ならびに場合によりハロゲン、N、O、Sおよび/またはPから選択されるヘテロ原子を含む部分であってもよい。
【0048】
特定の実施形態では、R
5は、親油性部分、例えば、非環状の直鎖もしくは分枝鎖の飽和炭化水素基を含み得、ここで、R
5は特に、非環状の直鎖もしくは分枝鎖の(C
4〜C
30)飽和もしくは不飽和炭化水素基、および/または環状の飽和、不飽和もしくは芳香族の基、特に、4〜14個の炭素原子ならびにN、OおよびSから選択される0、1もしくは2つのヘテロ原子を含む、単環式、二環式または三環式の基、例えば、シクロヘキシル、フェニル、ビフェニル、クロマニル、フェナントレニルまたはナフチルを含み、ここで、非環状または環状の基は、未置換であっても、例えばハロゲン、−OHおよび/またはCO
2Hによって置換されていてもよい。
【0049】
より好ましい基R
5は、親油性部分、例えば、非環状の直鎖もしくは分枝鎖の(C
12〜C
22)飽和もしくは不飽和炭化水素基を含み得る。この親油性部分は、全ての立体異性形態のリンカー、例えば、1つまたはそれ以上のアミノ酸を含むリンカー、例えば、2アミノ酸のリンカー基、例えば、γ−アミノ酪酸(GABA)、ε−アミノヘキサン酸(ε−Ahx)、γ−Gluおよび/またはβ−Alaによって、−NH
2側鎖基に結合され得る。一実施形態では、この親油性部分は、リンカーによって−NH
2側鎖基に結合される。別の一実施形態では、この親油性部分は、−NH
2側鎖基に直接結合される。アミノ酸リンカー基の具体的な例は、(β−Ala)
1〜4、(γ−Glu)
1〜4、(ε−Ahx)
1〜4または(GABA)
1〜4である。好ましいアミノ酸リンカー基は、β−Ala、γ−Glu、β−Ala−β−Alaおよびγ−Glu−γ−Gluである。
【0050】
−C(O)−R
5基についての具体的な好ましい例は、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−、4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、4−((Z)−オクタデカ−9−エノイルアミノ)−ブチリル−、6−[(4,4−ジフェニル−シクロヘキシルオキシ)−ヒドロキシ−ホスホリルオキシ]−ヘキサノイル−、ヘキサデカノイル−、(S)−4−カルボキシ−4−(15−カルボキシ−ペンタデカノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−{3−[3−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−プロピオニルアミノ]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−[6−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−ヘキサノイルアミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−テトラデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−(11−ベンジルオキシカルボニル−ウンデカノイルアミノ)−4−カルボキシ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−[11−((2S,3R,4R,5R)−2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシ−ヘキシルカルバモイル)−ウンデカノイルアミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((Z)−オクタデカ−9−エノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−(4−ドデシルオキシ−ベンゾイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−ヘンイコサノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−ドコサノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((Z)−ノナデカ−10−エノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−(4−デシルオキシ−ベンゾイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−(12−フェニル−ドデカノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−イコサノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、3−(3−オクタデカノイルアミノ−プロピオニルアミノ)−プロピオニル−、3−(3−ヘキサデカノイルアミノ−プロピオニルアミノ)−プロピオニル−、3−ヘキサデカノイルアミノ−プロピオニル−、(S)−4−カルボキシ−4−[(R)−4−((3R,5S,7R,8R,9R,10S,12S,13R,14R,17R)−3,7,12−トリヒドロキシ−8,10,13−トリメチル−ヘキサデカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル)−ペンタノイルアミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−[(R)−4−((3R,5R,8R,9S,10S,13R,14S,17R)−3−ヒドロキシ−10,13−ジメチル−ヘキサデカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル)−ペンタノイルアミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((9S,10R)−9,10,16−トリヒドロキシ−ヘキサデカノイルアミノ)−ブチリル−、テトラデカノイル−、11−カルボキシ−ウンデカノイル−、11−ベンジルオキシカルボニル−ウンデカノイル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−テトラデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、6−[ヒドロキシ−(ナフタレン−2−イルオキシ)−ホスホリルオキシ]−ヘキサノイル−、6−[ヒドロキシ−(5−フェニル−ペンチルオキシ)−ホスホリルオキシ]−ヘキサノイル−、4−(ナフタレン−2−スルホニルアミノ)−4−オキソ−ブチリル−、4−(ビフェニル−4−スルホニルアミノ)−4−オキソ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−2−{(S)−4−カルボキシ−2−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−2−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−2−{(S)−4−カルボキシ−2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリル−、2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル−、2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[(S)−4−カルボキシ−4−(19−カルボキシ−ノナデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリルアミノ)−ブチリル、2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(16−1H−テトラゾール−5−イル−ヘキサデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル−、2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(16−カルボキシ−ヘキサデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル−、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{(S)−4−カルボキシ−4−[10−(4−カルボキシ−フェノキシ)−デカノイルアミノ]−ブチリルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(7−カルボキシ−ヘプタノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(11−カルボキシ−ウンデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(13−カルボキシ−トリデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(15−カルボキシ−ペンタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル−、および(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(19−カルボキシ−ノナデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル−からなる群から選択され、以下の表1に列挙されている。
【0051】
さらに好ましいものは、立体異性体、特に、S−エナンチオマーまたはR−エナンチオマーのいずれかの、これらの基のエナンチオマーである。表1中の用語「R」は、ペプチド骨格における−C(O)−R
5の結合部位、即ち、特にLysのε−アミノ基を意味する意図である。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】
【表7】
【0059】
【表8】
【0060】
【表9】
【0061】
【表10】
【0062】
【表11】
【0063】
【表12】
【0064】
【表13】
【0065】
【表14】
【0066】
一実施形態によれば、R
5は、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル(γE−x53)、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル(γE−x70)、4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル(GABA−x53)、4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−(GABA−x60)、4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル(GABA−x70)、4−((Z)−オクタデカ−9−エノイルアミノ)−ブチリル(GABA−x74)、6−[(4,4−ジフェニル−シクロヘキシルオキシ)−ヒドロキシ−ホスホリルオキシ]−ヘキサノイル(Phospho1)、ヘキサデカノイル(x53)、(S)−4−カルボキシ−4−(15−カルボキシ−ペンタデカノイルアミノ)−ブチリル(x52)、(S)−4−カルボキシ−4−{3−[3−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−プロピオニルアミノ]−プロピオニルアミノ}−ブチリル(γE−x59)、(S)−4−カルボキシ−4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル(γE−x60)、(S)−4−カルボキシ−4−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエノイルアミノ)−ブチリル(γE−x61)、(S)−4−カルボキシ−4−[6−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−ヘキサノイルアミノ]−ブチリル(γE−x64)、(S)−4−カルボキシ−4−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−ブチリル(γE−x65)、(S)−4−カルボキシ−4−テトラデカノイルアミノ−ブチリル(γE−x69)、(S)−4−(11−ベンジルオキシカルボニル−ウンデカノイルアミノ)−4−カルボキシ−ブチリル(γE−x72)、(S)−4−カルボキシ−4−[11−((2S,3R,4R,5R)−2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシ−ヘキシルカルバモイル)−ウンデカノイルアミノ]−ブチリル(γE−x73)、(S)−4−カルボキシ−4−((Z)−オクタデカ−9−エノイルアミノ)−ブチリル(γE−x74)、(S)−4−カルボキシ−4−(4−ドデシルオキシ−ベンゾイルアミノ)−ブチリル(γE−x75)、(S)−4−カルボキシ−4−ヘンイコサノイルアミノ−ブチリル(γE−x76)、(S)−4−カルボキシ−4−ドコサノイルアミノ−ブチリル(γE−x77)、(S)−4−カルボキシ−4−((Z)−ノナデカ−10−エノイルアミノ)−ブチリル(γE−x79)、(S)−4−カルボキシ−4−(4−デシルオキシ−ベンゾイルアミノ)−ブチリル(γE−x80)、(S)−4−カルボキシ−4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル(γE−x81)、(S)−4−カルボキシ−4−(12−フェニル−ドデカノイルアミノ)−ブチリル(γE−x82)、(S)−4−カルボキシ−4−イコサノイルアミノ−ブチリル(γE−x95)、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル(γE−γE−x53)、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル(γE−γE−x70)、および3−(3−オクタデカノイルアミノ−プロピオニルアミノ)−プロピオニル(β−Ala−β−Ala−x70)からなる群から選択される。
【0067】
別の一実施形態によれば、R
5は、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル(γE−x70)、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル(γE−x53)およびヘキサデカノイル(x53)からなる群から選択される。
【0068】
なお別の一実施形態によれば、R
5は、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル(γE−x53)である。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態では、X14位および/またはX40位は、リジン(Lys)を表す。いくつかの実施形態によれば、14位および場合により40位におけるLysは、例えば、上記基−C(O)R
5で官能化される。他の実施形態では、X40は存在せず、X14は、−C(O)−R
5、−C(O)O−R
5、−C(O)NH−R
5、−S(O)
2−R
5またはR
5、好ましくは−C(O)−R
5で官能化されているLysであり、ここで、R
5は上記のとおりである。特に、X14は、C(O)−R
5で官能化されているLysであり、ここで、R
5は、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル(γE−x53)、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル(γE−x70)、4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル(GABA−x53)、4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−(GABA−x60)、4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル(GABA−x70)、4−((Z)−オクタデカ−9−エノイルアミノ)−ブチリル(GABA−x74)、6−[(4,4−ジフェニル−シクロヘキシルオキシ)−ヒドロキシ−ホスホリルオキシ]−ヘキサノイル(Phospho1)、ヘキサデカノイル(x53)、(S)−4−カルボキシ−4−(15−カルボキシ−ペンタデカノイルアミノ)−ブチリル(x52)、(S)−4−カルボキシ−4−{3−[3−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−プロピオニルアミノ]−プロピオニルアミノ}−ブチリル(γE−x59)、(S)−4−カルボキシ−4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル(γE−x60)、(S)−4−カルボキシ−4−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエノイルアミノ)−ブチリル(γE−x61)、(S)−4−カルボキシ−4−[6−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−ヘキサノイルアミノ]−ブチリル(γE−x64)、(S)−4−カルボキシ−4−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−ブチリル(γE−x65)、(S)−4−カルボキシ−4−テトラデカノイルアミノ−ブチリル(γE−x69)、(S)−4−(11−ベンジルオキシカルボニル−ウンデカノイルアミノ)−4−カルボキシ−ブチリル(γE−x72)、(S)−4−カルボキシ−4−[11−((2S,3R,4R,5R)−2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシ−ヘキシルカルバモイル)−ウンデカノイルアミノ]−ブチリル(γE−x73)、(S)−4−カルボキシ−4−((Z)−オクタデカ−9−エノイルアミノ)−ブチリル(γE−x74)、(S)−4−カルボキシ−4−(4−ドデシルオキシ−ベンゾイルアミノ)−ブチリル(γE−x75)、(S)−4−カルボキシ−4−ヘンイコサノイルアミノ−ブチリル(γE−x76)、(S)−4−カルボキシ−4−ドコサノイルアミノ−ブチリル(γE−x77)、(S)−4−カルボキシ−4−((Z)−ノナデカ−10−エノイルアミノ)−ブチリル(γE−x79)、(S)−4−カルボキシ−4−(4−デシルオキシ−ベンゾイルアミノ)−ブチリル(γE−x80)、(S)−4−カルボキシ−4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル(γE−x81)、(S)−4−カルボキシ−4−(12−フェニル−ドデカノイルアミノ)−ブチリル(γE−x82)、(S)−4−カルボキシ−4−イコサノイルアミノ−ブチリル(γE−x95)、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル(γE−γE−x53)、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル(γE−γE−x70)、および3−(3−オクタデカノイルアミノ−プロピオニルアミノ)−プロピオニル(β−Ala−β−Ala−x70)からなる群から選択される。
【0070】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
R
1はNH
2であり、
R
2はNH
2であり、または
R
1およびR
2はNH
2である。
【0071】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2は、Ser、D−SerおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X3は、Gln、Hisおよびα−アミノ官能化Glnから選択されるアミノ酸残基を表し、ここで、Glnは、α−NH
2基のHが(C
1〜C
4)−アルキルによって置換されているという点で官能化されていてもよく、
X14は、Lys、Orn、DabおよびDapから選択されるアミノ酸残基を表し、ここで、−NH
2側鎖基は、−C(O)−R
5によって官能化されており、
X15は、GluおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16は、Ser、LysおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17は、Arg、Glu、Gln、LeuおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18は、ArgおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X20は、Gln、Arg、LysおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、Asp、LeuおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28は、Asn、Arg、Lys、Aib、Ser、Glu、AspおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29は、Gly、Ala、D−AlaおよびThrから選択されるアミノ酸残基を表し、
X35は、AlaまたはGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X39は、Serであるかまたは存在せず、
X40は、存在しないかまたはLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、−C(O)−R
5によって官能化され得、
−C(O)−R
5は上に規定されるとおりである。
【0072】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2は、D−SerおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X3はGlnを表し、
X14は、LysおよびOrnから選択されるアミノ酸残基を表し、ここで、−NH
2側鎖基は、−C(O)−R
5によって官能化されており、
X15は、GluおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16は、SerおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17は、Arg、GlnおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18は、ArgおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X20は、Gln、Arg、LysおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、Asp、LeuおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28は、Asn、Arg、Lys、Aib、SerおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29は、Gly、AlaまたはThrから選択されるアミノ酸残基を表し、
X35はAlaを表し、
X39は、Serであるかまたは存在せず、
X40は、存在しないかまたはLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、−C(O)−R
5によって官能化され得、
−C(O)−R
5は、上に規定されるとおりである。
【0073】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X20は、Gln、LysおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表す。
【0074】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2は、D−SerおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X3はGlnを表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、3−(3−オクタデカノイルアミノ−プロピオニル−アミノ)−プロピオニル−、4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−、4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、4−((Z)−オクタデカ−9−エノイルアミノ)−ブチリル−、ヘキサデカノイル−、(S)−4−カルボキシ−4−((Z)−オクタデカ−9−エノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−(4−ドデシルオキシ−ベンゾイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−ヘンイコサノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−ドコサノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((Z)−ノナデカ−10−エノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−(4−デシルオキシ−ベンゾイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−(12−フェニル−ドデカノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−および(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−から選択される基のうち1つによって官能化されており、
X15はGluを表し、
X16はSerを表し、
X17はArg、GlnおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18はAlaを表し、
X20はGlnを表し、
X21はAspを表し、
X28はAlaを表し、
X29はGlyを表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない。
【0075】
さらなる一実施形態は式(I)の一群の化合物に関し、ここで、
X2はAibを表し、
X3はGlnを表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−および(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化されており;
X15は、AspおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16は、SerおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17は、GlnおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18はAlaを表し、
X20は、GlnおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、AspおよびLeuから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28はAlaを表し、
X29は、GlyおよびD−Alaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない。
【0076】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2は、D−SerおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X3はGlnを表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、特に、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化され;
X15はAspを表し、
X16はSerを表し、
X17はArgを表し、
X18はArgを表し、
X20はGlnを表し、
X21はAspを表し、
X28はAlaを表し、
X29は、GlyおよびD−Alaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない。
【0077】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2はD−Serを表し、
X3はGlnを表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、特に、(S)−4−カルボキシ−4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−テトラデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、2−((S)−4−カルボキシ−4−{3−[3−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−プロピオニルアミノ]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−、2−{(S)−4−カルボキシ−4−[6−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−ヘキサノイルアミノ]−ブチリル−、2−[(S)−4−カルボキシ−4−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−ブチリル−、2−[(S)−4−(11−ベンジルオキシカルボニル−ウンデカノイルアミノ)−4−カルボキシ−ブチリル−、2−{(S)−4−カルボキシ−4−[11−((2S,3R,4R,5R)−2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシ−ヘキシルカルバモイル)−ウンデカノイルアミノ]−ブチリル−によって官能化され得、
X15はAspを表し、
X16はSerを表し、
X17はArgを表し、
X18はArgを表し、
X20はGlnを表し、
X21はAspを表し、
X28はAsnを表し、
X29はGlyを表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない。
【0078】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2はD−Serを表し、
X3はGlnを表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−またはヘキサデカノイル−によって官能化されており;
X15は、GluまたはAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16はSerを表し、
X17はArgを表し、
X18はArgを表し、
X20はGlnを表し、
X21はAspを表し、
X28は、Asn、Arg、Lys、Aib、Ser、GluおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29は、Gly、Ala、D−AlaおよびThrから選択されるアミノ酸残基を表し、
X35は、Ala、Glu、ArgおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない。
【0079】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2はD−Serを表し、
X3はGlnを表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−またはヘキサデカノイル−によって官能化されており;
X15は、GluおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16は、SerおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17は、Arg、Glu、LysおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18は、Arg、LysおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X20は、Gln、LysおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、AspおよびLeuから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28は、AlaおよびAsnから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29はGlyを表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない。
【0080】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2はD−Serを表し、
X3はGlnを表し、
X14はOrnまたはDabを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化されており;
X15はGluを表し、
X16はSerを表し、
X17はArgを表し、
X18はArgを表し、
X20はGlnを表し、
X21はAspを表し、
X28はAlaを表し、
X29はGlyを表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない。
【0081】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2はD−Serを表し、
X3はGlnを表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−またはヘキサデカノイル−によって官能化されており;
X15は、GluおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16はSerを表し、
X17は、ArgおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18は、ArgおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X20はGlnを表し、
X21は、AspおよびLeuから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28は、AlaおよびAsnから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29はGlyを表し、
X35はAlaを表し、
X39は、Serを表すかまたは存在せず、
X40は、存在しないかまたはLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−によって場合により官能化されており、
R
2は、NH
2、非置換であるか、またはOHによって一置換されているか、またはF、N[(C
1〜C
6)アルキル]
2、NH(CH
2−CH
2−O)
1〜24−(C
1〜C
4)アルキル−COOH、NH−ピロリジン(N−ピロリジン−1−イル−アミド)、NH−ベンジル(N−ベンジル−アミド)もしくはN−モルホリン(1−モルホリン−4−イル)によって、特にNH
2、NH−CH
2−CH
3、NH−(CH
2)
2−CH
3、NH−C(CH
3)
3、NH−CH
2−CF
3、NH−(CH
2)
12−OH、NH−(CH
2)
13−CH
3、NH−(CH
2)
14−CH
3、NH−(CH
2)
15−CH
3、NH−(CH
2)
17−CH
3、NH(CH
2−CH
2−O)
4−CH
2−CH
2−COOH、NH(CH
2−CH
2−O)
24−CH
2−CH
2−COOH、NH−N(CH
2)
4、NH−CH
2−C
6H
5、N(CH
2−CH
2)
2Oによって3重置換された、NH(C
1〜C
18)アルキルである。
【0082】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2は、Ser、D−SerおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X3は、Gln、His、AsnおよびN
α−メチル化Gln[Gln(α−NHCH
3)]から選択されるアミノ酸残基を表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−またはヘキサデカノイル−によって官能化されており;
X15は、GluおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16は、SerおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17は、ArgおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18は、ArgおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X20は、Gln、ArgおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、AspおよびLeuから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28は、AlaおよびAsnから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29はGlyを表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない。
【0083】
さらなる一実施形態は式(I)の一群の化合物に関し、ここで、
X2はSer、D−SerおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X3はGln、HisおよびN
α−メチル化Gln[Gln(α−NHCH
3)]から選択されるアミノ酸残基を表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−またはヘキサデカノイル−によって官能化されており;
X15は、GluおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16は、SerおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17はArgを表し、
X18は、ArgおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X20は、GlnおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、AspおよびLeuから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28は、AlaおよびAsnから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29はGlyを表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない。
【0084】
さらなる一実施形態は式(I)の一群の化合物に関し、ここで、
X2は、D−SerおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X3は、GlnおよびHisから選択されるアミノ酸残基を表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリルまたは(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化されており;
X15は、GluおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16はGluを表し、
X17はGluを表し、
X18はAlaを表し、
X20は、ArgおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21はLeuを表し、
X28はAlaを表し、
X29はGlyを表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない。
【0085】
なおさらなる好ましい一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、X40は存在しない。
【0086】
なおさらなる好ましい一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、14位における官能化Lysは、そのε−アミノ基において−C(O)−R
5で官能化されており、−C(O)−R
5は、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイル−アミノ−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル、ヘキサデカノイルまたはオクタデカノイルである。
【0087】
なおさらなる好ましい一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2は、AibおよびD−Serから選択されるアミノ酸残基を表し;
X3は、GlnおよびHisから選択されるアミノ酸残基を表し;
X14はLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、3−(3−オクタデカノイルアミノ−プロピオニルアミノ)−プロピオニル−、3−(3−ヘキサデカノイルアミノ−プロピオニルアミノ)−プロピオニル−、(S)−4−カルボキシ−4−ヘンイコサノイルアミノ−ブチリル−、4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−および4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−から選択される基のうち1つによって官能化されており、
X15は、AspおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し;
X16は、SerおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し;
X17は、Arg、Glu、Lys、AibおよびLeuから選択されるアミノ酸残基を表し;、
X18は、ArgおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し;
X20は、Gln、AibおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し;
X21は、Asp、GluおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し;
X28は、Asn、Ser、Aib、AlaおよびArgから選択されるアミノ酸残基を表し;
X29は、Gly、Thr、AlaおよびD−Alaから選択されるアミノ酸残基を表し;
X35はAlaを表し;
X39はSerを表し、
X40は存在しない。
【0088】
なおさらなる好ましい一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2は、AibおよびD−Serから選択されるアミノ酸残基を表し;
X3はGlnを表し;
X14はLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイル−アミノ−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル、ヘキサデカノイルまたはオクタデカノイルから選択される基のうち1つによって官能化されており;
X15はGluを表し;
X16はSerを表し;
X17は、Arg、GlnおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し;
X18はAlaを表し;
X20はGlnを表し;
X21はAspを表し;
X28はAlaを表し;
X29はGlyを表し;
X35はAlaを表し;
X39はSerを表し、
X40は存在しない。
【0089】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2はAibを表し、
X3はGlnを表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘニコサノイルアミノ−ブチリル−および(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化されており;
X15はAspを表し、
X16は、LysおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17は、ArgおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18は、AlaおよびArgから選択されるアミノ酸残基を表し、
X20は、GlnおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、AspおよびLeuから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28はAlaを表し、
X29は、GlyおよびD−Alaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない。
【0090】
一実施形態では、本発明は、式(I):
R
1−Z−R
2 (I)
を有するペプチド性化合物を提供し、式中、
Zは、式(IIa)
H−dSer−Q−G−T−F−T−S−D−L−S−K−Q−K(γE−x53)−D−S−K−A−Aib−Q−D−F−I−E−W−L−K−A−G−G−P−S−S−G−A−P−P−P−S−NH
2 (IIa)
を有するペプチド部分である。
【0091】
別の一実施形態では、本発明は、式(I):
R
1−Z−R
2 (I)
を有するペプチド性化合物を提供し、式中、
Zは、式(IIb)
H−dSer−Q−G−T−F−T−S−D−L−S−K−Q−K(γE−x53)−D−S−K−A−S−Q−D−F−I−E−W−L−K−A−G−G−P−S−S−G−A−P−P−P−S−NH
2 (IIb)
を有するペプチド部分である。
【0092】
別の一実施形態では、本発明は、式(I):
R
1−Z−R
2 (I)
を有するペプチド性化合物を提供し、式中、
Zは、式(IIc)
H−dSer−Q−G−T−F−T−S−D−L−S−K−Q−K(γE−x53)−D−S−K−A−L−Q−D−F−I−E−W−L−K−A−G−G−P−S−S−G−A−P−P−P−S−NH
2 (IIc)
を有するペプチド部分である。
【0093】
別の一実施形態では、本発明は、式(I):
R
1−Z−R
2 (I)
を有するペプチド性化合物を提供し、式中、
Zは、式(IId)
H−dSer−Q−G−T−F−T−S−D−L−S−K−Q−K(γE−x53)−D−S−K−A−A−Q−D−F−I−E−W−K−K−A−G−G−P−S−S−G−A−P−P−P−S−NH
2 (IId)
を有するペプチド部分である。
【0094】
本発明のペプチド性化合物の具体的な例は、配列番号4〜181の化合物ならびにその塩および溶媒和物である。
【0095】
本発明のペプチド性化合物のさらなる具体的な例は、配列番号4〜181、196〜223の化合物ならびにその塩および溶媒和物である。
【0096】
本発明のペプチド性化合物のさらなる具体的な例は、配列番号7、11〜13、22、24〜31、34〜39、44〜48、86、97、123〜124、130〜159、164、166、173〜176の化合物ならびにその塩および溶媒和物である。
【0097】
式(I)のペプチド性化合物のさらなる具体的な例は、配列番号7、11〜13、22、24〜31、34〜39、44〜48、86、97、123〜124、130〜159、164、166、173〜176、196〜223、226〜229の化合物ならびにその塩および溶媒和物である。
【0098】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、配列番号25、31、133、148、153、155および158からなる群から選択される。他の実施形態では、本発明の化合物は、配列番号209、210、211、212および213からなる群から選択される。
【0099】
特定の一実施形態によれば、本発明の化合物は、配列番号97によって表される(表10を参照のこと)。別の特定の一実施形態では、式(I)の化合物は、配列番号24によって表される(表10を参照のこと)。
【0100】
特定の実施形態、即ち、式(I)の化合物が、遺伝的にコードされたアミノ酸残基を含む場合、本発明はさらに、前記化合物をコードする核酸(DNAまたはRNAであり得る)、かかる核酸を含む発現ベクター、およびかかる核酸または発現ベクターを含む宿主細胞を提供する。
【0101】
さらなる態様では、本発明は、担体と混合された本発明の化合物を含む組成物を提供する。好ましい実施形態では、この組成物は、医薬的に許容される組成物であり、この担体は、医薬的に許容される担体である。本発明の化合物は、塩、例えば、医薬的に許容される塩または溶媒和物、例えば水和物の形態であり得る。なおさらなる態様では、本発明は、医学的処置の方法において、特にヒト医薬における使用のための組成物を提供する。
【0102】
特定の実施形態では、核酸または発現ベクターが、治療剤として、例えば遺伝子治療において使用され得る。
【0103】
式(I)の化合物は、さらなる治療的に有効な薬剤なしに、治療的適用に適切である。しかし、他の実施形態では、これらの化合物は、「組合せ治療」で説明されるように、少なくとも1種のさらなる治療的に活性な薬剤と一緒に使用される。
【0104】
式(I)の化合物は、炭水化物および/もしくは脂質の代謝における乱れによって引き起こされる、それらに関連する、ならびに/またはそれらに付随する疾患または障害の処置または予防のため、例えば、高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満およびメタボリックシンドロームの処置または予防のために、特に適している。さらに、本発明の化合物は、変性疾患、特に神経変性疾患の処置または予防のために、特に適している。
【0105】
記載される化合物は、とりわけ、体重増加を予防するまたは体重減少を促進することにおいて、使用を見出す。「予防する」とは、処置の非存在下と比較した場合に障害を阻害または低減させることを意味し、障害の完全な停止を必ずしも含意する意味ではない。
【0106】
本発明の化合物は、食物摂取における減少および/またはエネルギー消費における増加を引き起こして、体重に対する観察される効果を生じ得る。
【0107】
体重に対するその効果とは無関係に、本発明の化合物は、循環コレステロールレベルに対して有益な影響を有し得、脂質レベル、HDLレベルおよび特にLDLレベルを改善させることが可能である。(例えば、HDL/LDL比の増加)
【0108】
従って、本発明の化合物は、過剰な体重によって引き起こされるまたは過剰な体重を特徴とする任意の状態の直接的または間接的治療のため、例えば、肥満、病的肥満、肥満関連の炎症、肥満関連の胆嚢疾患、肥満誘発性の睡眠時無呼吸の処置および/または予防のために、使用され得る。本発明の化合物は、メタボリックシンドローム、糖尿病、高血圧症、アテローム生成的脂質異常症、アテローム動脈硬化症、動脈硬化症、冠動脈性心疾患または脳卒中の処置および予防のためにも使用され得る。これらの状態における本発明の化合物の効果は、体重に対する効果の結果としてであり得もしくは体重に対する効果に関連し得、または体重に対する効果とは無関係であり得る。
【0109】
好ましい医学的使用には、2型糖尿病における疾患進行を遅延もしくは予防すること、メタボリックシンドロームを処置すること、肥満を処置することもしくは体重過多を予防すること、食物摂取を減少させること、エネルギー消費を増加させること、体重を低減させること、耐糖能障害(IGT)から2型糖尿病への進行を遅延させること;2型糖尿病からインスリン依存型糖尿病への進行を遅延させること;食欲を調節すること;満腹を誘導すること;体重減少の成功後の体重再増加を予防すること;体重過多もしくは肥満に関連する疾患もしくは状態を処置すること;過食症を処置すること;気晴らし食いを処置すること;アテローム動脈硬化症、高血圧症、2型糖尿病、IGT、脂質異常症、冠動脈性心疾患、脂肪肝を処置すること、ベータ−ブロッカー中毒の処置、X線、CTスキャニングおよびNMRスキャニングなどの技術を使用した胃腸管の調査と関連して有用な、胃腸管の運動性を阻害するための使用が含まれる。
【0110】
さらなる好ましい医学的使用には、変性障害、特に神経変性障害、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、失調症、例えば脊髄小脳失調症、ケネディ病、筋強直性ジストロフィー、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、原発性側索硬化症、脊髄性筋萎縮症、プリオン関連疾患、例えば、クロイツフェルト・ヤコブ病、多発性硬化症、毛細血管拡張症、バッテン病、大脳皮質基底核変性症、脊髄の亜急性連合性変性症、脊髄ろう、テイ・サックス病、中毒性脳症、乳児レフサム病、レフサム病、有棘赤血球舞踏病、ニーマン・ピック病、ライム病、マシャド・ジョセフ病、サンドホフ病、シャイ・ドレーガー症候群、プルプル症候群(wobbly hedgehog syndrome)、タンパク質症、脳β−アミロイド血管症、緑内障における網膜神経節細胞変性、シヌクレイン病、タウオパチー、前頭側頭葉変性症(FTLD)、認知症、カダシル症候群、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、アレキサンダー病、セイピノパチー(seipinopathy)、家族性アミロイド性ニューロパチー、老人性全身性アミロイドーシス、セルピノパチー(serpinopathy)、AL(軽鎖)アミロイドーシス(原発性全身性アミロイドーシス)、AH(重鎖)アミロイドーシス、AA(続発性)アミロイドーシス、大動脈中膜アミロイドーシス、ApoAIアミロイドーシス、ApoAIIアミロイドーシス、ApoAIVアミロイドーシス、フィンランド型の家族性アミロイドーシス(FAF)、リゾチームアミロイドーシス、フィブリノーゲンアミロイドーシス、透析アミロイドーシス、封入体筋炎/ミオパチー、白内障、ロドプシン変異を伴う網膜色素変性症、甲状腺髄様癌、心房性アミロイドーシス、下垂体プロラクチノーマ、遺伝性格子状角膜ジストロフィー、皮膚苔癬アミロイドーシス、マロリー小体、角膜ラクトフェリンアミロイドーシス、肺胞蛋白症、歯原性(ピンドボルグ(Pindborg))腫瘍アミロイド、嚢胞性線維症、鎌状赤血球症または重症疾患ミオパチー(CIM)の処置または予防が含まれる。