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特表2015-532297二重GLP1/グルカゴンアゴニストとしてのエキセンディン−4誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-532297(P2015-532297A)
(43)【公表日】2015年11月9日
(54)【発明の名称】二重GLP1/グルカゴンアゴニストとしてのエキセンディン−4誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/46 20060101AFI20151013BHJP
   A61K 38/26 20060101ALI20151013BHJP
   A61K 38/28 20060101ALI20151013BHJP
   A61K 38/00 20060101ALI20151013BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20151013BHJP
   A61K 47/48 20060101ALI20151013BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20151013BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20151013BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20151013BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20151013BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20151013BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20151013BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20151013BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20151013BHJP
   A61P 25/36 20060101ALI20151013BHJP
   C07K 14/47 20060101ALN20151013BHJP
【FI】
   C07K14/46ZNA
   A61K37/28
   A61K37/26
   A61K37/02
   A61K45/00
   A61K47/48
   A61P3/10
   A61P3/04
   A61P9/10
   A61P9/12
   A61P3/06
   A61P9/00
   A61P1/16
   A61P1/04
   A61P25/36
   C07K14/47
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】114
(21)【出願番号】特願2015-535054(P2015-535054)
(86)(22)【出願日】2013年10月8日
(85)【翻訳文提出日】2015年5月20日
(86)【国際出願番号】EP2013070882
(87)【国際公開番号】WO2014056872
(87)【国際公開日】20140417
(31)【優先権主張番号】12306232.5
(32)【優先日】2012年10月9日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】13305222.5
(32)【優先日】2013年2月27日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】504456798
【氏名又は名称】サノフイ
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】トールステン・ハーク
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・ワーグナー
(72)【発明者】
【氏名】ベルント・ヘンケル
(72)【発明者】
【氏名】ジークフリート・シュテンゲリン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・エバース
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・ボスアルト
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C076CC11
4C076CC16
4C076CC21
4C076EE59
4C076FF31
4C076FF63
4C084AA02
4C084BA08
4C084BA19
4C084BA23
4C084DB34
4C084DB35
4C084DB36
4C084MA02
4C084ZA361
4C084ZA362
4C084ZA421
4C084ZA422
4C084ZA451
4C084ZA452
4C084ZA681
4C084ZA682
4C084ZA751
4C084ZA752
4C084ZC331
4C084ZC332
4C084ZC351
4C084ZC352
4C084ZC391
4C084ZC392
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA40
4H045CA53
4H045DA50
4H045EA20
4H045FA10
4H045FA33
(57)【要約】
本発明は、エキセンディン−4誘導体、ならびに例えば、糖尿病および肥満を含むメタボリックシンドロームの障害の処置ならびに過剰な食物摂取の低減におけるその医学的使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
−Z−R (I)
を有するペプチド性化合物またはその塩もしくは溶媒和物であって、
式中、
Zは、式(II)
His−X2−X3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−X14−X15−X16−X17−X18−Ala−X20−X21−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−X28−X29−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−X35−Pro−Pro−Pro−X39−X40
(II)
を有するペプチド部分であり、
X2は、Ser、D−SerおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X3は、Gln、Hisおよびα−アミノ官能化Glnから選択されるアミノ酸残基を表し、ここで、Glnは、α−NH基のHが(C〜C)−アルキルによって置換されているという点で官能化されていてもよく、
X14は、−NH基を有する側鎖を有するアミノ酸残基を表し、ここで、−NH側鎖基は、−C(O)−R、−C(O)O−R、−C(O)NH−R、−S(O)−RまたはR、好ましくは−C(O)−Rによって官能化されており、ここで、Rは、最大50または最大100の炭素原子ならびに場合によりハロゲン、N、O、Sおよび/またはPから選択されるヘテロ原子を含む部分であってもよく、
X15は、GluおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16は、Ser、GluおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17は、Arg、Glu、Gln、Leu、AibおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18は、Arg、AlaおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X20は、Gln、Arg、Lys、His、GluおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、Asp、LeuおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28は、Asn、Arg、Lys、Aib、Ser、Glu、AlaおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29は、Gly、Ala、D−AlaおよびThrから選択されるアミノ酸残基を表し、
X35は、Ala、Glu、ArgおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X39は、Serを表すかまたは存在せず、
X40は、存在しないかまたは−NH基を有する側鎖を有するアミノ酸残基を表し、ここで、−NH側鎖基は、−C(O)−R、−C(O)O−R、−C(O)NH−R、−S(O)−RまたはR、好ましくは−C(O)−Rによって場合により官能化され、ここで、Rは、最大50または最大100の炭素原子ならびに場合によりハロゲン、N、O、Sおよび/またはPから選択されるヘテロ原子を含む部分であってもよく、
は、該ペプチド性化合物のN末端基を表し、NHおよびモノ官能化NHまたはビス官能化NHから選択され、
は、該ペプチド性化合物のC末端基を表し、
(i)OHまたは官能化OH、および
(ii)NHまたはモノ官能化NHもしくはビス官能化NH
から選択される、前記ペプチド性化合物またはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項2】
X14は、Lys、Orn、DabおよびDapから選択されるアミノ酸残基を表し、
ここで、−NH側鎖基は、−C(O)−Rによって官能化されており、
X40は、Lys、Orn、DabおよびDapから選択されるアミノ酸残基を表し、ここで、−NH側鎖基は、−C(O)−Rによって官能化され得、
は、非環状の直鎖もしくは分枝鎖の(C〜C30)飽和もしくは不飽和炭化水素基、および/または環状の飽和、不飽和もしくは芳香族の基から選択される親油性部分であり、ここで、該親油性部分は、全ての立体異性形態の(β−Ala)1〜4、(γ−Glu)1〜4、(ε−Ahx)1〜4もしくは(GABA)1〜4から選択されるリンカーによって−NH側鎖基に結合されていてもよい、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
X14は、Lys、Orn、DabおよびDapから選択されるアミノ酸残基を表し、ここで、−NH側鎖基は、−C(O)−Rによって官能化されており、
X40は、Lys、Orn、DabおよびDapから選択されるアミノ酸残基を表し、ここで、−NH側鎖基は、−C(O)−Rによって官能化されていてもよく、
−C(O)−Rは、
(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−、4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、4−((Z)−オクタデカ−9−エノイルアミノ)−ブチリル−、6−[(4,4−ジフェニル−シクロヘキシルオキシ)−ヒドロキシ−ホスホリルオキシ]−ヘキサノイル−、ヘキサデカノイル−、(S)−4−カルボキシ−4−(15−カルボキシ−ペンタデカノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−{3−[3−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−プロピオニルアミノ]−プロピオニルアミノ}−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−[6−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−ヘキサノイルアミノ]−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−テトラデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−(11−ベンジルオキシカルボニル−ウンデカノイルアミノ)−4−カルボキシ−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−[11−((2S,3R,4R,5R)−2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシ−ヘキシルカルバモイル)−ウンデカノイルアミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((Z)−オクタデカ−9−エノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−(4−ドデシルオキシ−ベンゾイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−ヘンイコサノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−ドコサノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((Z)−ノナデカ−10−エノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−(4−デシルオキシ−ベンゾイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−(12−フェニル−ドデカノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−イコサノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、3−(3−オクタデカノイルアミノ−プロピオニルアミノ)−プロピオニル−、3−(3−ヘキサデカノイルアミノ−プロピオニルアミノ)−プロピオニル−、3−ヘキサデカノイルアミノ−プロピオニル−、(S)−4−カルボキシ−4−[(R)−4−((3R,5S,7R,8R,9R,10S,12S,13R,14R,17R)−3,7,12−トリヒドロキシ−8,10,13−トリメチル−ヘキサデカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル)−ペンタノイルアミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−[(R)−4−((3R,5R,8R,9S,10S,13R,14S,17R)−3−ヒドロキシ−10,13−ジメチル−ヘキサデカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル)−ペンタノイルアミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((9S,10R)−9,10,16−トリヒドロキシ−ヘキサデカノイルアミノ)−ブチリル−、テトラデカノイル−、11−カルボキシ−ウンデカノイル−、11−ベンジルオキシカルボニル−ウンデカノイル、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−テトラデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、6−[ヒドロキシ−(ナフタレン−2−イルオキシ)−ホスホリルオキシ]−ヘキサノイル−、6−[ヒドロキシ−(5−フェニル−ペンチルオキシ)−ホスホリルオキシ]−ヘキサノイル−、4−(ナフタレン−2−スルホニルアミノ)−4−オキソ−ブチリル−、4−(ビフェニル−4−スルホニルアミノ)−4−オキソ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−2−{(S)−4−カルボキシ−2−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−2−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−2−{(S)−4−カルボキシ−2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリル、2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル−、2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[(S)−4−カルボキシ−4−(19−カルボキシ−ノナデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリルアミノ)−ブチリル、2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(16−1H−テトラゾール−5−イル−ヘキサデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル、2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(16−カルボキシ−ヘキサデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{(S)−4−カルボキシ−4−[10−(4−カルボキシ−フェノキシ)−デカノイルアミノ]−ブチリルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(7−カルボキシ−ヘプタノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(11−カルボキシ−ウンデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(13−カルボキシ−トリデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(15−カルボキシ−ペンタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル、および(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(19−カルボキシ−ノナデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル
から選択される、
請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
はNHであり、
はNHであり、または
およびRはNHである、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
X14は、基−C(O)Rで官能化されているLysであり、ここで、Rは、請求項1〜3のいずれか1項に記載されるとおりである、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
X14は、基−C(O)Rで官能化されているLysであり、ここで、Rは、−NH側鎖基に直接結合された、または全ての立体異性形態のβ−Ala、γ−Glu、β−Ala−β−Alaおよびγ−Glu−γ−Gluの群から選択されるリンカーによって−NH側鎖基に結合された親油性部分、非環状の直鎖または分枝鎖の(C12〜C22)飽和炭化水素基を含む、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
X2は、Ser、D−SerおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X3は、Gln、Hisおよびα−アミノ官能化Glnから選択されるアミノ酸残基を表し、ここで、Glnは、α−NH基のHが(C〜C)−アルキルによって置換されているという点で官能化されていてもよく、
X14は、Lys、Orn、DabおよびDapから選択されるアミノ酸残基を表し、ここで、−NH側鎖基は、−C(O)−Rによって官能化されており、
X15は、GluおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16は、Ser、LysおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17は、Arg、Glu、Gln、LeuおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18は、ArgおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X20は、Gln、Arg、LysおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、Asp、LeuおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28は、Asn、Arg、Lys、Aib、Ser、Glu、AspおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29は、Gly、Ala、D−AlaおよびThrから選択されるアミノ酸残基を表し、
X35は、AlaまたはGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X39は、Serであるかまたは存在せず、
X40は、存在しないかまたはLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、−C(O)−Rによって官能化され得、
−C(O)−Rは、請求項2に規定されるとおりである、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
X2は、D−SerおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X3はGlnを表し、
X14は、LysおよびOrnから選択されるアミノ酸残基を表し、ここで、−NH側鎖基は、−C(O)−Rによって官能化されており、
X15は、GluおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16は、SerおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17は、Arg、GlnおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18は、ArgおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X20は、Gln、Arg、LysおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、Asp、LeuおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28は、Asn、Arg、Lys、Aib、SerおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29は、Gly、AlaまたはThrから選択されるアミノ酸残基を表し、
X35はAlaを表し、
X39は、Serであるかまたは存在せず、
X40は、存在しないかまたはLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、−C(O)−Rによって官能化され得、
−C(O)−Rは、請求項2に規定されるとおりである、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
X20は、Gln、LysおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表す、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
X2は、D−SerおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X3はGlnを表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、3−(3−オクタデカノイルアミノ−プロピオニル−アミノ)−プロピオニル−、4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−、4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、4−((Z)−オクタデカ−9−エノイルアミノ)−ブチリル−、ヘキサデカノイル−、(S)−4−カルボキシ−4−((Z)−オクタデカ−9−エノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−(4−ドデシルオキシ−ベンゾイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−ヘンイコサノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−ドコサノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((Z)−ノナデカ−10−エノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−(4−デシルオキシ−ベンゾイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−(12−フェニル−ドデカノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−および(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−から選択される基のうち1つによって官能化されており、
X15はGluを表し、
X16はSerを表し、
X17は、Arg、GlnおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18はAlaを表し、
X20はGlnを表し、
X21はAspを表し、
X28はAlaを表し、
X29はGlyを表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
X2はAibを表し、
X3はGlnを表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−および(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化されており;
X15は、AspおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16は、SerおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17は、GlnおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18はAlaを表し、
X20は、GlnおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、AspおよびLeuから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28はAlaを表し、
X29は、GlyおよびD−Alaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
X2はD−Serを表し、
X3はGlnを表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−またはヘキサデカノイル−によって官能化されており;
X15は、GluおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16は、SerおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17は、Arg、Gln、LysおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18は、Arg、LysおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X20は、Gln、LysおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、AspおよびLeuから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28は、AlaおよびAsnから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29はGlyを表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない、
請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
X2は、AibおよびD−Serから選択されるアミノ酸残基を表し;
X3は、GlnおよびHisから選択されるアミノ酸残基を表し;
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、3−(3−オクタデカノイルアミノ−プロピオニルアミノ)−プロピオニル−、3−(3−ヘキサデカノイルアミノ−プロピオニルアミノ)−プロピオニル−、(S)−4−カルボキシ−4−ヘンイコサノイルアミノ−ブチリル−、4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−および4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−から選択される基のうち1つによって官能化されており、
X15は、AspおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し;
X16は、SerおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し;
X17は、Arg、Gln、Lys、AibおよびLeuから選択されるアミノ酸残基を表し;
X18は、ArgおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し;
X20は、Gln、AibおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し;
X21は、Asp、GluおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し;
X28は、Asn、Ser、Aib、AlaおよびArgから選択されるアミノ酸残基を表し;
X29は、Gly、Thr、AlaおよびD−Alaから選択されるアミノ酸残基を表し;
X35はAlaを表し;
X39はSerを表し、
X40は存在しない、
請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
14位における官能化Lysは、そのε−アミノ基において−C(O)−Rで官能化されており、−C(O)−Rは、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイル−アミノ−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル、ヘキサデカノイルまたはオクタデカノイルである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
X2は、AibおよびD−Serから選択されるアミノ酸残基を表し;
X3はGlnを表し;
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイル−アミノ−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル、ヘキサデカノイルまたはオクタデカノイルから選択される基のうち1つによって官能化されており;
X15はGluを表し;
X16はSerを表し;
X17は、Arg、GlnおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し;
X18はAlaを表し;
X20はGlnを表し;
X21はAspを表し;
X28はAlaを表し;
X29はGlyを表し;
X35はAlaを表し;
X39はSerを表し、
X40は存在しない、
請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
X2はAibを表し、
X3はGlnを表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘニコサノイルアミノ−ブチリル−および(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化されており;
X15はAspを表し、
X16は、LysおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17は、ArgおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18は、AlaおよびArgから選択されるアミノ酸残基を表し、
X20は、GlnおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、AspおよびLeuから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28はAlaを表し、
X29は、GlyおよびD−Alaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない、
請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
配列番号4〜181の化合物またはその塩もしくは溶媒和物から選択される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
配列番号4〜181、196〜223、226〜229の化合物またはその塩もしくは溶媒和物から選択される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
酸性pH値、例えば25℃でpH4.5および/または生理学的pH値、例えば25℃でpH7.4における高い溶解度を有し、前記pH値(単数および/または複数)における溶解度は、特に少なくとも0.5mg/mlまたは少なくとも1.0mg/mlである、請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
医薬、特にヒト医薬における使用のための、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項21】
少なくとも1種の医薬的に許容される担体と一緒になって、医薬組成物中に活性薬剤として存在する、請求項20に記載の使用のための化合物。
【請求項22】
インスリンおよびインスリン誘導体、GLP−1、GLP−1アナログおよびGLP−1受容体アゴニスト、ポリマー結合型GLP−1およびGLP−1アナログ、二重GLP1/GIPアゴニスト、PYY3−36もしくはそのアナログ、膵臓ポリペプチドもしくはそのアナログ、グルカゴン受容体アゴニスト、GIP受容体アゴニストもしくはアンタゴニスト、グレリンアンタゴニストもしくはインバースアゴニスト、ゼニン(Xenin)およびそのアナログ、DDP−IV阻害剤、SGLT2阻害剤、二重SGLT2/SGLT1阻害剤、ビグアナイド チアゾリジンジオン、二重PPARアゴニスト、スルホニルウレア、メグリチニド、アルファ−グルコシダーゼ阻害剤、アミリンおよびアミリンアナログ、GPR119アゴニスト、GPR40アゴニスト、GPR120アゴニスト、GPR142アゴニスト、全身性もしくは低吸収性TGR5アゴニスト、サイクロセット(Cycloset)、11−ベータ−HSDの阻害剤、グルコキナーゼのアクチベータ、DGATの阻害剤、タンパク質チロシンホスファターゼ1の阻害剤、グルコース−6−ホスファターゼの阻害剤、フルクトース−1,6−ビスホスファターゼの阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼの阻害剤、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼの阻害剤、グリコーゲンシンターゼキナーゼの阻害剤、ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼの阻害剤、アルファ2−アンタゴニスト、CCR−2アンタゴニスト、グルコーストランスポーター−4のモジュレータ、ソマトスタチン受容体3アゴニスト、HMG−CoA−レダクターゼ阻害剤、フィブラート、ニコチン酸およびその誘導体、ニコチン酸受容体1アゴニスト、PPAR−アルファ、ガンマもしくはアルファ/ガンマ)アゴニストもしくはモジュレータ、PPAR−デルタアゴニスト、ACAT阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、胆汁酸結合物質、IBAT阻害剤、MTP阻害剤、PCSK9のモジュレータ、肝臓選択的甲状腺ホルモン受容体βアゴニストによるLDL受容体上方調節剤、HDL上昇化合物、脂質代謝モジュレータ、PLA2阻害剤、ApoA−Iエンハンサー、甲状腺ホルモン受容体アゴニスト、コレステロール合成阻害剤、オメガ−3脂肪酸およびその誘導体、シブトラミン、テソフェンシン、オルリスタット、CB−1受容体アンタゴニスト、MCH−1アンタゴニスト、MC4受容体アゴニストおよび部分アゴニスト、NPY5もしくはNPY2アンタゴニスト、NPY4アゴニスト、ベータ−3−アゴニスト、レプチンもしくはレプチン模倣物、5HT2c受容体のアゴニスト、またはブプロピオン/ナルトレキソン(CONTRAVE)、ブプロピオン/ゾニサミド(EMPATIC)、ブプロピオン/フェンテルミンもしくはプラムリンチド/メトレレプチンの組合せ、QNEXA(フェンテルミン+トピラマート)、リパーゼ阻害剤、血管新生阻害剤、H3アンタゴニスト、AgRP阻害剤、三重モノアミン取り込み阻害剤(ノルエピネフリンおよびアセチルコリン)、MetAP2阻害剤のような肥満の処置のための活性物質、カルシウムチャネルブロッカージルチアゼムの経鼻製剤、線維芽細胞増殖因子受容体4の産生に対するアンチセンス、プロヒビチン標的化ペプチド−1、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、ACE阻害剤、ECE阻害剤、利尿剤、ベータ−ブロッカー、カルシウムアンタゴニスト、中枢作用昇圧剤、アルファ−2−アドレナリン受容体のアンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼの阻害剤、血小板凝集阻害剤のような高血圧、慢性心不全もしくはアテローム動脈硬化症に影響を与えるための薬物のシリーズから選択される少なくとも1種のさらなる治療的に活性な薬剤と一緒になった、請求項20または21に記載の使用のための化合物。
【請求項23】
特にGLP−1化合物および/またはインスリン性化合物および/または胃腸ペプチドである少なくとも1種のさらなる治療的に活性な薬剤と一緒になった、請求項20または21に記載の使用のための化合物。
【請求項24】
特にインスリンまたはインスリン誘導体である少なくとも1種のさらなる治療的に活性な薬剤と一緒になった、請求項20または21に記載の使用のための化合物。
【請求項25】
医薬組成物が、非経口投与のためのものであり、好ましくは単一用量の注射可能な形態、特にペンの形態である、請求項20または21に記載の使用のための化合物。
【請求項26】
高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満、メタボリックシンドロームおよび神経変性障害の処置もしくは予防のため、特に2型糖尿病における疾患進行を遅延もしくは予防するため、メタボリックシンドロームを処置するため、肥満を処置するためもしくは体重過多を予防するため、食物摂取を減少させるため、エネルギー消費を増加させるため、体重を低減させるため、耐糖能障害(IGT)から2型糖尿病への進行を遅延させるため;2型糖尿病からインスリン依存型糖尿病への進行を遅延させるため;食欲を調節するため;満腹を誘導するため;体重減少の成功後の体重再増加を予防するため;体重過多もしくは肥満に関連する疾患もしくは状態を処置するため;過食症を処置するため;気晴らし食いを処置するため;アテローム動脈硬化症、高血圧症、IGT、脂質異常症、冠動脈性心疾患、脂肪肝を処置するため、ベータ−ブロッカー中毒の処置のため、X線、CTスキャニングおよびNMRスキャニングなどの技術を使用した胃腸管の調査と関連して有用な、胃腸管の運動性を阻害するための使用のための、
請求項20〜25のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
【請求項27】
高血糖症、2型糖尿病、肥満およびメタボリックシンドロームの処置もしくは予防のため、または体重を低減させるための、請求項20〜26のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
【請求項28】
肥満および糖尿病の同時処置のための、請求項20〜26のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、−純粋なGLP−1アゴニストエキセンディン−4とは対照的に−、GLP1およびグルカゴン受容体の両方を活性化するエキセンディン−4ペプチドアナログ、ならびに例えば、糖尿病および肥満を含むメタボリックシンドロームの障害の処置における、ならびに過剰な食物摂取の低減のためのその医学的使用に関する。
【背景技術】
【0002】
エキセンディン−4は、アメリカドクトカゲ(Heloderma suspectum)の唾液腺によって産生される39アミノ酸のペプチドである(非特許文献1)。エキセンディン−4は、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)受容体のアクチベータであるが、グルカゴン受容体を顕著に活性化することはない。
【0003】
エキセンディン−4は、観察される糖調節作用の多くをGLP−1と共有する。臨床研究および非臨床研究により、エキセンディン−4が、インスリンの合成および分泌におけるグルコース依存的増強、グルカゴン分泌のグルコース依存的抑制、胃排出の減速、食物摂取および体重の低減、ならびにベータ細胞塊およびベータ細胞機能のマーカーにおける増加を含む、いくつかの有益な抗糖尿病特性を有することが示されている(非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4)。
【0004】
これらの効果は、糖尿病に対してだけでなく、肥満に罹患した患者に対しても有益である。肥満を有する患者は、糖尿病、高血圧、高脂血症、心血管疾患および筋骨格疾患を得る、より高いリスクを有する。
【0005】
GLP−1と比較して、エキセンディン−4は、ジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP4)による切断に対して抵抗性であり、in vivoでのより長い半減期および作用の持続時間を生じる(非特許文献5)。
【0006】
それにもかかわらず、エキセンディン−4は、14位におけるメチオニン酸化(非特許文献6)ならびに28位におけるアスパラギンの脱アミドおよび異性化(特許文献1)に起因して、化学的に不安定である。
【0007】
エキセンディン−4のアミノ酸配列は、配列番号1
HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS−NH
として示される。
【0008】
GLP−1(7〜36)−アミドのアミノ酸配列は、配列番号2
HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGR−NH
として示される。
【0009】
リラグルチドは、他の改変の中でも、脂肪酸が20位におけるリジンに連結された、市販の化学的に改変されたGLP−1アナログであり、作用の延長された持続時間をもたらす(非特許文献7;非特許文献8)。
【0010】
リラグルチドのアミノ酸配列は、配列番号195
HAEGTFTSDVSSYLEGQAAK((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−)EFIAWLVRGRG−OH
として示される。
【0011】
グルカゴンは、循環グルコースが低い場合に血流中に放出される29アミノ酸のペプチドである。グルカゴンのアミノ酸配列は、配列番号3
HSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFVQWLMNT−OH
中に示される。
【0012】
低血糖症の間、血中グルコースレベルが正常より下に低下した場合、グルカゴンは、肝臓にシグナルを送ってグリコーゲンを分解してグルコースを放出させ、血中グルコースレベルの増加を引き起こして、正常レベルに到達させる。低血糖症は、糖尿病に起因する高血糖症(上昇した血中グルコースレベル)を有するインスリン処置された患者の一般的な副作用である。従って、グルコース調節におけるグルカゴンの最も優勢な役割は、インスリンの作用と対抗し、血中グルコースレベルを維持することである。
【0013】
Holst(非特許文献9)およびMeier(非特許文献10)は、GLP−1受容体アゴニスト、例えばGLP−1、リラグルチドおよびエキセンディン−4が、空腹時および食後グルコース(FPGおよびPPG)を低減させることによって、T2DMを有する患者における血糖管理を改善するための、3つの主要な薬理学的活性を有することを記載している:(i)増加したグルコース依存的インスリン分泌(改善された第一相および第二相)、(ii)高血糖性条件下でのグルカゴン抑制活性、(iii)食事由来グルコースの遅延された吸収を生じる、胃排出速度の遅延。
【0014】
Pocaiら(非特許文献11;非特許文献12)およびDayら(非特許文献13)は、GLP−1およびグルカゴン受容体の二重活性化が、例えば、1分子中でGLP−1およびグルカゴンの作用を組み合わせることによって、抗糖尿病作用による治療原理および顕著な体重低下効果をもたらすことを記載している。
【0015】
グルカゴンおよびGLP−1受容体の両方を結合してそれらを活性化し(非特許文献14;非特許文献13)、体重増加を抑制し、食物摂取を低減するペプチドは、その内容が参照によって本明細書に組み入れられる、特許出願である特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16、特許文献17、特許文献18および特許文献19中に記載されている。
【0016】
さらに、GLP−1およびグルカゴン受容体だけでなくGIP受容体もまた活性化する三重コアゴニストペプチドは、特許文献20中およびVA Gaultら(非特許文献15;非特許文献16)によって記載されている。
【0017】
Bloomら(特許文献19)は、グルカゴンおよびGLP−1受容体の両方を結合してそれらを活性化するペプチドが、グルカゴンおよびエキセンディン−4由来のハイブリッド分子として構築され得ることを開示しており、そのN末端部分(例えば、残基1〜14または1〜24)はグルカゴン起源であり、C末端部分(例えば、残基15〜39または25〜39)はエキセンディン−4起源である。
【0018】
DE Otzenら(非特許文献17)は、N末端およびC末端の疎水性パッチが、根底にある残基の疎水性および/または高いβ−シート傾向に起因して、グルカゴンの細線維化に関与することを開示している。
【0019】
Krstenanskyら(非特許文献18)は、その受容体相互作用およびアデニル酸シクラーゼの活性化にとっての、グルカゴンの残基10〜13の重要性を示している。本発明に記載されるエキセンディン−4誘導体では、根底にある残基のいくつかは、グルカゴンとは異なっている。特に、グルカゴンの細線維化に寄与することが公知の残基Tyr10およびTyr13(非特許文献17)は、10位におけるLeuおよび13位における非芳香族極性アミノ酸Glnによって置き換えられて、潜在的に改善された生物物理学的特性を有するエキセンディン−4誘導体をもたらす。
【0020】
さらに、本発明の化合物は、14位において脂肪酸アシル化残基を有するエキセンディン−4誘導体である。14位におけるこの脂肪酸官能化は、対応する非アセチル化エキセンディン−4誘導体と比較した場合、GLP−1受容体だけでなくグルカゴン受容体においても、高い活性を有するエキセンディン−4誘導体を生じる。さらに、この改変は、改善された薬物動態プロファイルを生じる。
【0021】
本発明の化合物は、中性エンドペプチダーゼ(NEP)およびジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP4)による切断に対してより抵抗性であり、GLP−1およびグルカゴンと比較して、in vivoでのより長い半減期および作用の持続時間を生じる。さらに、これらの化合物は、カテプシンDの中で、他のプロテアーゼに対して安定化される。
【0022】
本発明の化合物は、好ましくは、中性pHだけでなくpH4.5においても可溶性である。この特性は、潜在的に、インスリンまたはインスリン誘導体との、好ましくは基礎インスリン様インスリングラルギン/Lantus(登録商標)との組合せ治療のための同時製剤化を可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】WO2004/035623
【特許文献2】WO2008/071972
【特許文献3】WO2008/101017
【特許文献4】WO2009/155258
【特許文献5】WO2010/096052
【特許文献6】WO2010/096142
【特許文献7】WO2011/075393
【特許文献8】WO2008/152403
【特許文献9】WO2010/070251
【特許文献10】WO2010/070252
【特許文献11】WO2010/070253
【特許文献12】WO2010/070255
【特許文献13】WO2011/160630
【特許文献14】WO2011/006497
【特許文献15】WO2011/152181
【特許文献16】WO2011/152182
【特許文献17】WO2011/117415
【特許文献18】WO2011/117416
【特許文献19】WO2006/134340
【特許文献20】WO2012/088116
【非特許文献】
【0024】
【非特許文献1】Eng,J.ら、J.Biol.Chem.、267:7402〜05、1992
【非特許文献2】Gentilella Rら、Diabetes Obes Metab.、11:544〜56、2009
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【非特許文献4】Bunck MCら、Diabetes Care.、34:2041〜7、2011
【非特許文献5】Eng J.、Diabetes、45(補遺2):152A(要約554)、1996
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【非特許文献10】Meier,J.J.Nat.Rev.Endocrinol.2012、8、728
【非特許文献11】Obesity 2012;20:1566〜1571
【非特許文献12】Diabetes 2009、58、2258
【非特許文献13】Nat Chem Biol 2009;5:749
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【非特許文献16】Diabetologia、56、1417〜1424、2013
【非特許文献17】Biochemistry、45、14503〜14512、2006
【非特許文献18】Biochemistry、25、3833〜3839、1986
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
GLP1およびグルカゴン受容体を強力に活性化するエキセンディン−4誘導体が、本明細書で提供される。これらのエキセンディン−4誘導体では−他の置換のうちでも−14位におけるメチオニンが、側鎖中に−NH基を保有するアミノ酸によって置き換えられ、これはさらに、非極性残基(例えば、場合によりリンカーと組み合わせた脂肪酸)で置換される。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明は、式(I):
−Z−R (I)
を有するペプチド性化合物またはその塩もしくは溶媒和物を提供し、
式中、
Zは、式(II)
His−X2−X3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−X14−X15−X16−X17−X18−Ala−X20−X21−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−X28−X29−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−X35−Pro−Pro−Pro−X39−X40
(II)
を有するペプチド部分であり、
X2は、Ser、D−SerおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X3は、Gln、Hisおよびα−アミノ官能化Glnから選択されるアミノ酸残基を表し、ここで、Glnは、α−NH基のHが(C〜C)−アルキルによって置換されているという点で官能化されていてもよく、
X14は、−NH基を有する側鎖を有するアミノ酸残基を表し、ここで、−NH側鎖基は、−C(O)−R、−C(O)O−R、−C(O)NH−R、−S(O)−RまたはR、好ましくは−C(O)−Rによって官能化されており、ここで、Rは、最大50または最大100の炭素原子ならびに場合によりハロゲン、N、O、Sおよび/またはPから選択されるヘテロ原子を含む部分であってもよく、
X15は、GluおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16は、Ser、GluおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17は、Arg、Glu、Gln、Leu、AibおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18は、Arg、AlaおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X20は、Gln、Arg、Lys、His、GluおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、Asp、LeuおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28は、Asn、Arg、Lys、Aib、Ser、Glu、AlaおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29は、Gly、Ala、D−AlaおよびThrから選択されるアミノ酸残基を表し、
X35は、Ala、Glu、ArgおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X39は、Serを表すかまたは存在せず、
X40は、存在しないかまたは−NH基を有する側鎖を有するアミノ酸残基を表し、ここで、−NH側鎖基は、−C(O)−R、−C(O)O−R、−C(O)NH−R、−S(O)−RまたはR、好ましくは−C(O)−Rによって場合により官能化され、ここで、Rは、最大50または最大100の炭素原子ならびに場合によりハロゲン、N、O、Sおよび/またはPから選択されるヘテロ原子を含む部分であってもよく、
は、該ペプチド性化合物のN末端基を表し、NHおよびモノ官能化NHまたはビス官能化NHから選択され、
は、ペプチド性化合物のC末端基を表し、
(i)OHまたは官能化OH、および
(ii)NHまたはモノ官能化NHもしくはビス官能化NH
から選択される。
【0027】
本発明の化合物は、細胞内cAMP形成を刺激することが可能であるという観察によって決定されるように、GLP−1およびグルカゴン受容体アゴニストである。
【0028】
別の一実施形態によれば、特に親油性残基でさらに置換される14位におけるリジンを有する本発明の化合物は、GLP−1受容体において、GLP−1(7〜36)の相対的活性と比較して、少なくとも0.1%の、より好ましくは0.2%の、より好ましくは0.3%の、なおより好ましくは0.4%の相対的活性を示す。さらに、これらの化合物は、グルカゴン受容体において、天然グルカゴンの相対的活性と比較して、少なくとも0.1%の、より好ましくは0.2%の、または0.3%の、または0.4%の、なおより好ましくは0.5%の相対的活性を示す。
【0029】
用語「活性」とは、本明細書で使用する場合、好ましくは、ヒトGLP−1受容体およびヒトグルカゴン受容体を活性化する化合物の能力を指す。より好ましくは、用語「活性」とは、本明細書で使用する場合、細胞内cAMP形成を刺激する化合物の能力を指す。用語「相対的活性」とは、本明細書で使用する場合、別の受容体アゴニストと比較して、または別の受容体と比較して特定の比率で、受容体を活性化する化合物の能力を指すと理解される。アゴニストによる受容体の活性化(例えば、cAMPレベルを測定することによる)は、本明細書に記載されるように、例えば実施例に記載されるように、決定される。
【0030】
一実施形態によれば、本発明の化合物は、450pmol以下の、好ましくは200pmol以下の;より好ましくは150pmol以下の、より好ましくは100pmol以下の、より好ましくは90pmol以下の、より好ましくは80pmol以下の、より好ましくは70pmol以下の、より好ましくは60pmol以下の、より好ましくは50pmol以下の、より好ましくは40pmol以下の、より好ましくは30pmol以下の、より好ましくは25pmol以下の、より好ましくは20pmol以下の、より好ましくは15pmol以下の、より好ましくは10pmol以下の、より好ましくは9pmol以下の、より好ましくは8pmol以下の、より好ましくは7pmol以下の、より好ましくは6pmol以下の、より好ましくは5pmol以下の、hGLP−1受容体に対するEC50を有する。
【0031】
別の一実施形態によれば、本発明の化合物は、500pmol以下の、好ましくは200pmol以下の;より好ましくは150pmol以下の、より好ましくは100pmol以下の、より好ましくは90pmol以下の、より好ましくは80pmol以下の、より好ましくは70pmol以下の、より好ましくは60pmol以下の、より好ましくは50pmol以下の、より好ましくは40pmol以下の、より好ましくは30pmol以下の、より好ましくは25pmol以下の、より好ましくは20pmol以下の、より好ましくは15pmol以下の、より好ましくは10pmol以下の、hGlucagon受容体に対するEC50を有する。
【0032】
別の一実施形態によれば、本発明の化合物は、450pmol以下の、好ましくは200pmol以下の;より好ましくは150pmol以下の、より好ましくは100pmol以下の、より好ましくは90pmol以下の、より好ましくは80pmol以下の、より好ましくは70pmol以下の、より好ましくは60pmol以下の、より好ましくは50pmol以下の、より好ましくは40pmol以下の、より好ましくは30pmol以下の、より好ましくは25pmol以下の、より好ましくは20pmol以下の、より好ましくは15pmol以下の、より好ましくは10pmol以下の、より好ましくは9pmol以下の、より好ましくは8pmol以下の、より好ましくは7pmol以下の、より好ましくは6pmol以下の、より好ましくは5pmol以下の、hGLP−1受容体に対するEC50、および/または500pmol以下の、好ましくは200pmol以下の;より好ましくは150pmol以下の、より好ましくは100pmol以下の、より好ましくは90pmol以下の、より好ましくは80pmol以下の、より好ましくは70pmol以下の、より好ましくは60pmol以下の、より好ましくは50pmol以下の、より好ましくは40pmol以下の、より好ましくは30pmol以下の、より好ましくは25pmol以下の、より好ましくは20pmol以下の、より好ましくは15pmol以下の、より好ましくは10pmol以下の、hGlucagon受容体に対するEC50を有する。
【0033】
なお別の一実施形態では、両方の受容体、即ち、hGLP−1受容体およびhGlucagon受容体に対するEC50は、100pmol以下、より好ましくは90pmol以下、より好ましくは80pmol以下、より好ましくは70pmol以下、より好ましくは60pmol以下、より好ましくは50pmol以下、より好ましくは40pmol以下、より好ましくは30pmol以下、より好ましくは25pmol以下、より好ましくは20pmol以下、より好ましくは15pmol以下、より好ましくは10pmol以下である。hGLP−1受容体およびhGlucagon受容体に対するEC50は、実施例9に記載される結果を生成するために、本明細書の方法に記載されるように決定され得、使用され得る。
【0034】
本発明の化合物は、腸通過を低減させる能力、胃内容物を増加させる能力、および/または患者の食物摂取を低減させる能力を有する。本発明の化合物のこれらの活性は、当業者に公知の、方法において本明細書にも記載される、動物モデルにおいて評価され得る。かかる実験の結果は、実施例11および12に記載される。本発明の好ましい化合物は、単一用量、好ましくは0.02mg/kg体重の皮下用量として投与された場合、マウス、好ましくは雌性NMRIマウスの胃内容物を、少なくとも25%、より好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%増加させ得る。
【0035】
好ましくは、この結果は、それぞれの化合物の投与の1時間後かつボーラスの投与の30分後に測定され、および/または単一用量、好ましくは0.02mg/kg体重の皮下用量として投与された場合、マウス、好ましくは雌性NMRIマウスの腸通過を、少なくとも45%;より好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも55%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも65%低減させ;および/または単一用量、好ましくは0.01mg/kg体重の皮下用量として投与された場合、22時間の期間にわたり、マウス、好ましくは雌性NMRIマウスの食物摂取を、少なくとも10%、より好ましくは15%、より好ましくは20%低減させる。
【0036】
本発明の化合物は、患者の血中グルコースレベルを低減させる能力および/またはHbA1cレベルを低減させる能力を有する。本発明の化合物のこれらの活性は、当業者に公知の、方法において本明細書にも記載される、動物モデルにおいて評価され得る。かかる実験の結果は、実施例14および17に記載される。
【0037】
本発明の好ましい化合物は、単一用量、好ましくは0.01mg/kg体重の皮下用量として投与された場合、24時間の期間にわたり、マウス、好ましくは雌性レプチン受容体欠損糖尿病db/dbマウスの血中グルコースレベルを、少なくとも4mmol/L;より好ましくは少なくとも6mmol/L、より好ましくは少なくとも8mmol/L低減させ得る。用量が0.1mg/kg体重まで増加すると、単一用量、好ましくは皮下用量として投与された場合、血中グルコースレベルのより顕著な低減が、24時間の期間にわたって、マウスにおいて観察され得る。好ましくは、本発明の化合物は、少なくとも7mmol/L;より好ましくは少なくとも9mmol/L、より好ましくは少なくとも11mmol/Lの低減をもたらす。本発明の化合物は、好ましくは、0.01mg/kgの一日用量から約点火値までで投与された場合、4週間の期間にわたり、マウスのHbA1cレベルの増加を低減させる。
【0038】
本発明の化合物は、患者の体重を低減させる能力もまた有する。本発明の化合物のこれらの活性は、当業者に公知の、方法ならびに実施例13および16において本明細書にも記載される、動物モデルにおいて評価され得る。
【0039】
式(I)のペプチド性化合物、特に親油性残基でさらに置換される14位におけるリジンを有するものは、14位において元のメチオニン(エキセンディン−4由来)を有する誘導体と比較して、増加したグルカゴン受容体活性化を示すことが見出された。さらに、メチオニンの酸化(in vitroまたはin vivo)は、もはや可能でない。
【0040】
一実施形態では、本発明の化合物は、酸性および/または生理学的pH値、例えば、25℃でpH4.5および/またはpH7.4における高い溶解度、別の一実施形態では少なくとも0.5mg/ml、ならびに特定の一実施形態では少なくとも1.0mg/ml、を有する。
【0041】
さらに、一実施形態によれば、本発明の化合物は、好ましくは、溶液中で貯蔵した場合に高い安定性を有する。安定性を決定するための好ましいアッセイ条件は、pH4.5またはpH7の溶液中で25℃で7日間にわたる貯蔵である。ペプチドの残留量は、実施例に記載されたようなクロマトグラフィー分析によって決定される。好ましくは、pH4.5またはpH7の溶液中で25℃で7日間の後、残留ペプチド量は、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、なおより好ましくは少なくとも90%、なおより好ましくは少なくとも95%である。
【0042】
好ましくは、本発明の化合物は、ペプチド結合、即ちカルボキサミド結合によって連結された39〜40のアミノカルボン酸、特にα−アミノカルボン酸の直鎖配列であるペプチド部分Z(II)を含む。
【0043】
一実施形態では、Rは、−NH、−NH[(C〜C)アルキル]、−N[(C〜C)アルキル]、−NH[(C〜C)アルキレン−(C〜C)シクロアルキル]、NH−C(O)−H、NH−C(O)−(C〜C)−アルキル、NH−C(O)−(C〜C)アルキレン−(C〜C)シクロアルキルから選択され、式中、アルキルまたはシクロアルキルは、未置換であるか、または−OHもしくはF、Cl、BrおよびI、好ましくはFから選択されるハロゲンによって最大5重置換されている。
【0044】
一実施形態では、Rは、−OH、−O−(C〜C20)アルキル、−O(C〜C)アルキレン−(C〜C)シクロアルキル、−NH、−NH[(C〜C30)アルキル]、−N[(C〜C30)アルキル]、−NH[(C〜C)アルキレン−(C〜C)シクロアルキル]、−N[(C〜C)アルキレン−(C〜C)シクロアルキル]、−NH[(CH−CH−O)1〜40−(C〜C)アルキル]、−NH−(C〜C)ヘテロシクリルもしくは−NH−(C〜C)アルキレン−アリール(式中、アリールは、フェニルおよびナフチル、好ましくはフェニルから選択される)、または特にアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルおよびホモピペリジニルから選択される、1つのN原子および場合によりO、NもしくはSから選択される2つのさらなるヘテロ原子を含む(C〜C)−ヘテロシクリルから選択される。さらに、上記アルキルまたはシクロアルキルは、未置換であるか、または−OHもしくはF、Cl、BrおよびI、好ましくはFから選択されるハロゲンによって最大5重置換されている。
【0045】
一実施形態では、そのN末端基RはNHである。さらなる一実施形態では、そのC末端基RはNHである。なおさらなる一実施形態では、N末端基RおよびC末端基RはNHである。
【0046】
一実施形態では、X14位は、官能化−NH側鎖基を有するアミノ酸残基、例えば、官能化Lys、Orn、DabまたはDap、より好ましくは官能化Lysを表し、X40は、官能化−NH側鎖基を有するアミノ酸残基、例えば、官能化Lys、Orn、DabまたはDap、より好ましくは官能化Lysを表す。
【0047】
−NH側鎖基を有するアミノ酸残基、例えば、Lys、Orn、DabまたはDapは、−NH側鎖基の少なくとも1つのH原子が、−C(O)−R、−C(O)O−R、−C(O)NH−R、−S(O)−RまたはR、好ましくは−C(O)−Rによって置き換えられているという点で官能化されていてもよく、ここで、Rは、最
大50または最大100の炭素原子ならびに場合によりハロゲン、N、O、Sおよび/またはPから選択されるヘテロ原子を含む部分であってもよい。
【0048】
特定の実施形態では、Rは、親油性部分、例えば、非環状の直鎖もしくは分枝鎖の飽和炭化水素基を含み得、ここで、Rは特に、非環状の直鎖もしくは分枝鎖の(C〜C30)飽和もしくは不飽和炭化水素基、および/または環状の飽和、不飽和もしくは芳香族の基、特に、4〜14個の炭素原子ならびにN、OおよびSから選択される0、1もしくは2つのヘテロ原子を含む、単環式、二環式または三環式の基、例えば、シクロヘキシル、フェニル、ビフェニル、クロマニル、フェナントレニルまたはナフチルを含み、ここで、非環状または環状の基は、未置換であっても、例えばハロゲン、−OHおよび/またはCOHによって置換されていてもよい。
【0049】
より好ましい基Rは、親油性部分、例えば、非環状の直鎖もしくは分枝鎖の(C12〜C22)飽和もしくは不飽和炭化水素基を含み得る。この親油性部分は、全ての立体異性形態のリンカー、例えば、1つまたはそれ以上のアミノ酸を含むリンカー、例えば、2アミノ酸のリンカー基、例えば、γ−アミノ酪酸(GABA)、ε−アミノヘキサン酸(ε−Ahx)、γ−Gluおよび/またはβ−Alaによって、−NH側鎖基に結合され得る。一実施形態では、この親油性部分は、リンカーによって−NH側鎖基に結合される。別の一実施形態では、この親油性部分は、−NH側鎖基に直接結合される。アミノ酸リンカー基の具体的な例は、(β−Ala)1〜4、(γ−Glu)1〜4、(ε−Ahx)1〜4または(GABA)1〜4である。好ましいアミノ酸リンカー基は、β−Ala、γ−Glu、β−Ala−β−Alaおよびγ−Glu−γ−Gluである。
【0050】
−C(O)−R基についての具体的な好ましい例は、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−、4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、4−((Z)−オクタデカ−9−エノイルアミノ)−ブチリル−、6−[(4,4−ジフェニル−シクロヘキシルオキシ)−ヒドロキシ−ホスホリルオキシ]−ヘキサノイル−、ヘキサデカノイル−、(S)−4−カルボキシ−4−(15−カルボキシ−ペンタデカノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−{3−[3−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−プロピオニルアミノ]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−[6−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−ヘキサノイルアミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−テトラデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−(11−ベンジルオキシカルボニル−ウンデカノイルアミノ)−4−カルボキシ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−[11−((2S,3R,4R,5R)−2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシ−ヘキシルカルバモイル)−ウンデカノイルアミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((Z)−オクタデカ−9−エノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−(4−ドデシルオキシ−ベンゾイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−ヘンイコサノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−ドコサノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((Z)−ノナデカ−10−エノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−(4−デシルオキシ−ベンゾイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−(12−フェニル−ドデカノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−イコサノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、3−(3−オクタデカノイルアミノ−プロピオニルアミノ)−プロピオニル−、3−(3−ヘキサデカノイルアミノ−プロピオニルアミノ)−プロピオニル−、3−ヘキサデカノイルアミノ−プロピオニル−、(S)−4−カルボキシ−4−[(R)−4−((3R,5S,7R,8R,9R,10S,12S,13R,14R,17R)−3,7,12−トリヒドロキシ−8,10,13−トリメチル−ヘキサデカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル)−ペンタノイルアミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−[(R)−4−((3R,5R,8R,9S,10S,13R,14S,17R)−3−ヒドロキシ−10,13−ジメチル−ヘキサデカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル)−ペンタノイルアミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((9S,10R)−9,10,16−トリヒドロキシ−ヘキサデカノイルアミノ)−ブチリル−、テトラデカノイル−、11−カルボキシ−ウンデカノイル−、11−ベンジルオキシカルボニル−ウンデカノイル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−テトラデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、6−[ヒドロキシ−(ナフタレン−2−イルオキシ)−ホスホリルオキシ]−ヘキサノイル−、6−[ヒドロキシ−(5−フェニル−ペンチルオキシ)−ホスホリルオキシ]−ヘキサノイル−、4−(ナフタレン−2−スルホニルアミノ)−4−オキソ−ブチリル−、4−(ビフェニル−4−スルホニルアミノ)−4−オキソ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−2−{(S)−4−カルボキシ−2−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−2−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−2−{(S)−4−カルボキシ−2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリル−、2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル−、2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[(S)−4−カルボキシ−4−(19−カルボキシ−ノナデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリルアミノ)−ブチリル、2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(16−1H−テトラゾール−5−イル−ヘキサデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル−、2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(16−カルボキシ−ヘキサデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル−、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{(S)−4−カルボキシ−4−[10−(4−カルボキシ−フェノキシ)−デカノイルアミノ]−ブチリルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(7−カルボキシ−ヘプタノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(11−カルボキシ−ウンデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(13−カルボキシ−トリデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(15−カルボキシ−ペンタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル−、および(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(19−カルボキシ−ノナデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル−からなる群から選択され、以下の表1に列挙されている。
【0051】
さらに好ましいものは、立体異性体、特に、S−エナンチオマーまたはR−エナンチオマーのいずれかの、これらの基のエナンチオマーである。表1中の用語「R」は、ペプチド骨格における−C(O)−Rの結合部位、即ち、特にLysのε−アミノ基を意味する意図である。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】
【表7】
【0059】
【表8】
【0060】
【表9】
【0061】
【表10】
【0062】
【表11】
【0063】
【表12】
【0064】
【表13】
【0065】
【表14】
【0066】
一実施形態によれば、Rは、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル(γE−x53)、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル(γE−x70)、4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル(GABA−x53)、4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−(GABA−x60)、4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル(GABA−x70)、4−((Z)−オクタデカ−9−エノイルアミノ)−ブチリル(GABA−x74)、6−[(4,4−ジフェニル−シクロヘキシルオキシ)−ヒドロキシ−ホスホリルオキシ]−ヘキサノイル(Phospho1)、ヘキサデカノイル(x53)、(S)−4−カルボキシ−4−(15−カルボキシ−ペンタデカノイルアミノ)−ブチリル(x52)、(S)−4−カルボキシ−4−{3−[3−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−プロピオニルアミノ]−プロピオニルアミノ}−ブチリル(γE−x59)、(S)−4−カルボキシ−4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル(γE−x60)、(S)−4−カルボキシ−4−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエノイルアミノ)−ブチリル(γE−x61)、(S)−4−カルボキシ−4−[6−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−ヘキサノイルアミノ]−ブチリル(γE−x64)、(S)−4−カルボキシ−4−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−ブチリル(γE−x65)、(S)−4−カルボキシ−4−テトラデカノイルアミノ−ブチリル(γE−x69)、(S)−4−(11−ベンジルオキシカルボニル−ウンデカノイルアミノ)−4−カルボキシ−ブチリル(γE−x72)、(S)−4−カルボキシ−4−[11−((2S,3R,4R,5R)−2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシ−ヘキシルカルバモイル)−ウンデカノイルアミノ]−ブチリル(γE−x73)、(S)−4−カルボキシ−4−((Z)−オクタデカ−9−エノイルアミノ)−ブチリル(γE−x74)、(S)−4−カルボキシ−4−(4−ドデシルオキシ−ベンゾイルアミノ)−ブチリル(γE−x75)、(S)−4−カルボキシ−4−ヘンイコサノイルアミノ−ブチリル(γE−x76)、(S)−4−カルボキシ−4−ドコサノイルアミノ−ブチリル(γE−x77)、(S)−4−カルボキシ−4−((Z)−ノナデカ−10−エノイルアミノ)−ブチリル(γE−x79)、(S)−4−カルボキシ−4−(4−デシルオキシ−ベンゾイルアミノ)−ブチリル(γE−x80)、(S)−4−カルボキシ−4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル(γE−x81)、(S)−4−カルボキシ−4−(12−フェニル−ドデカノイルアミノ)−ブチリル(γE−x82)、(S)−4−カルボキシ−4−イコサノイルアミノ−ブチリル(γE−x95)、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル(γE−γE−x53)、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル(γE−γE−x70)、および3−(3−オクタデカノイルアミノ−プロピオニルアミノ)−プロピオニル(β−Ala−β−Ala−x70)からなる群から選択される。
【0067】
別の一実施形態によれば、Rは、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル(γE−x70)、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル(γE−x53)およびヘキサデカノイル(x53)からなる群から選択される。
【0068】
なお別の一実施形態によれば、Rは、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル(γE−x53)である。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態では、X14位および/またはX40位は、リジン(Lys)を表す。いくつかの実施形態によれば、14位および場合により40位におけるLysは、例えば、上記基−C(O)Rで官能化される。他の実施形態では、X40は存在せず、X14は、−C(O)−R、−C(O)O−R、−C(O)NH−R、−S(O)−RまたはR、好ましくは−C(O)−Rで官能化されているLysであり、ここで、Rは上記のとおりである。特に、X14は、C(O)−Rで官能化されているLysであり、ここで、Rは、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル(γE−x53)、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル(γE−x70)、4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル(GABA−x53)、4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−(GABA−x60)、4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル(GABA−x70)、4−((Z)−オクタデカ−9−エノイルアミノ)−ブチリル(GABA−x74)、6−[(4,4−ジフェニル−シクロヘキシルオキシ)−ヒドロキシ−ホスホリルオキシ]−ヘキサノイル(Phospho1)、ヘキサデカノイル(x53)、(S)−4−カルボキシ−4−(15−カルボキシ−ペンタデカノイルアミノ)−ブチリル(x52)、(S)−4−カルボキシ−4−{3−[3−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−プロピオニルアミノ]−プロピオニルアミノ}−ブチリル(γE−x59)、(S)−4−カルボキシ−4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル(γE−x60)、(S)−4−カルボキシ−4−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエノイルアミノ)−ブチリル(γE−x61)、(S)−4−カルボキシ−4−[6−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−ヘキサノイルアミノ]−ブチリル(γE−x64)、(S)−4−カルボキシ−4−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−ブチリル(γE−x65)、(S)−4−カルボキシ−4−テトラデカノイルアミノ−ブチリル(γE−x69)、(S)−4−(11−ベンジルオキシカルボニル−ウンデカノイルアミノ)−4−カルボキシ−ブチリル(γE−x72)、(S)−4−カルボキシ−4−[11−((2S,3R,4R,5R)−2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシ−ヘキシルカルバモイル)−ウンデカノイルアミノ]−ブチリル(γE−x73)、(S)−4−カルボキシ−4−((Z)−オクタデカ−9−エノイルアミノ)−ブチリル(γE−x74)、(S)−4−カルボキシ−4−(4−ドデシルオキシ−ベンゾイルアミノ)−ブチリル(γE−x75)、(S)−4−カルボキシ−4−ヘンイコサノイルアミノ−ブチリル(γE−x76)、(S)−4−カルボキシ−4−ドコサノイルアミノ−ブチリル(γE−x77)、(S)−4−カルボキシ−4−((Z)−ノナデカ−10−エノイルアミノ)−ブチリル(γE−x79)、(S)−4−カルボキシ−4−(4−デシルオキシ−ベンゾイルアミノ)−ブチリル(γE−x80)、(S)−4−カルボキシ−4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル(γE−x81)、(S)−4−カルボキシ−4−(12−フェニル−ドデカノイルアミノ)−ブチリル(γE−x82)、(S)−4−カルボキシ−4−イコサノイルアミノ−ブチリル(γE−x95)、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル(γE−γE−x53)、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル(γE−γE−x70)、および3−(3−オクタデカノイルアミノ−プロピオニルアミノ)−プロピオニル(β−Ala−β−Ala−x70)からなる群から選択される。
【0070】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
はNHであり、
はNHであり、または
およびRはNHである。
【0071】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2は、Ser、D−SerおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X3は、Gln、Hisおよびα−アミノ官能化Glnから選択されるアミノ酸残基を表し、ここで、Glnは、α−NH基のHが(C〜C)−アルキルによって置換されているという点で官能化されていてもよく、
X14は、Lys、Orn、DabおよびDapから選択されるアミノ酸残基を表し、ここで、−NH側鎖基は、−C(O)−Rによって官能化されており、
X15は、GluおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16は、Ser、LysおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17は、Arg、Glu、Gln、LeuおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18は、ArgおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X20は、Gln、Arg、LysおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、Asp、LeuおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28は、Asn、Arg、Lys、Aib、Ser、Glu、AspおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29は、Gly、Ala、D−AlaおよびThrから選択されるアミノ酸残基を表し、
X35は、AlaまたはGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X39は、Serであるかまたは存在せず、
X40は、存在しないかまたはLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、−C(O)−Rによって官能化され得、
−C(O)−Rは上に規定されるとおりである。
【0072】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2は、D−SerおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X3はGlnを表し、
X14は、LysおよびOrnから選択されるアミノ酸残基を表し、ここで、−NH側鎖基は、−C(O)−Rによって官能化されており、
X15は、GluおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16は、SerおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17は、Arg、GlnおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18は、ArgおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X20は、Gln、Arg、LysおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、Asp、LeuおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28は、Asn、Arg、Lys、Aib、SerおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29は、Gly、AlaまたはThrから選択されるアミノ酸残基を表し、
X35はAlaを表し、
X39は、Serであるかまたは存在せず、
X40は、存在しないかまたはLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、−C(O)−Rによって官能化され得、
−C(O)−Rは、上に規定されるとおりである。
【0073】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X20は、Gln、LysおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表す。
【0074】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2は、D−SerおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X3はGlnを表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、3−(3−オクタデカノイルアミノ−プロピオニル−アミノ)−プロピオニル−、4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−、4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、4−((Z)−オクタデカ−9−エノイルアミノ)−ブチリル−、ヘキサデカノイル−、(S)−4−カルボキシ−4−((Z)−オクタデカ−9−エノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−(4−ドデシルオキシ−ベンゾイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−ヘンイコサノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−ドコサノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((Z)−ノナデカ−10−エノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−(4−デシルオキシ−ベンゾイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−(12−フェニル−ドデカノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−および(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−から選択される基のうち1つによって官能化されており、
X15はGluを表し、
X16はSerを表し、
X17はArg、GlnおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18はAlaを表し、
X20はGlnを表し、
X21はAspを表し、
X28はAlaを表し、
X29はGlyを表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない。
【0075】
さらなる一実施形態は式(I)の一群の化合物に関し、ここで、
X2はAibを表し、
X3はGlnを表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−および(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化されており;
X15は、AspおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16は、SerおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17は、GlnおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18はAlaを表し、
X20は、GlnおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、AspおよびLeuから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28はAlaを表し、
X29は、GlyおよびD−Alaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない。
【0076】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2は、D−SerおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X3はGlnを表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、特に、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化され;
X15はAspを表し、
X16はSerを表し、
X17はArgを表し、
X18はArgを表し、
X20はGlnを表し、
X21はAspを表し、
X28はAlaを表し、
X29は、GlyおよびD−Alaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない。
【0077】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2はD−Serを表し、
X3はGlnを表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、特に、(S)−4−カルボキシ−4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−テトラデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、2−((S)−4−カルボキシ−4−{3−[3−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−プロピオニルアミノ]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−、2−{(S)−4−カルボキシ−4−[6−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−ヘキサノイルアミノ]−ブチリル−、2−[(S)−4−カルボキシ−4−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−ブチリル−、2−[(S)−4−(11−ベンジルオキシカルボニル−ウンデカノイルアミノ)−4−カルボキシ−ブチリル−、2−{(S)−4−カルボキシ−4−[11−((2S,3R,4R,5R)−2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシ−ヘキシルカルバモイル)−ウンデカノイルアミノ]−ブチリル−によって官能化され得、
X15はAspを表し、
X16はSerを表し、
X17はArgを表し、
X18はArgを表し、
X20はGlnを表し、
X21はAspを表し、
X28はAsnを表し、
X29はGlyを表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない。
【0078】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2はD−Serを表し、
X3はGlnを表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−またはヘキサデカノイル−によって官能化されており;
X15は、GluまたはAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16はSerを表し、
X17はArgを表し、
X18はArgを表し、
X20はGlnを表し、
X21はAspを表し、
X28は、Asn、Arg、Lys、Aib、Ser、GluおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29は、Gly、Ala、D−AlaおよびThrから選択されるアミノ酸残基を表し、
X35は、Ala、Glu、ArgおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない。
【0079】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2はD−Serを表し、
X3はGlnを表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−またはヘキサデカノイル−によって官能化されており;
X15は、GluおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16は、SerおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17は、Arg、Glu、LysおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18は、Arg、LysおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X20は、Gln、LysおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、AspおよびLeuから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28は、AlaおよびAsnから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29はGlyを表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない。
【0080】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2はD−Serを表し、
X3はGlnを表し、
X14はOrnまたはDabを表し、ここで、−NH側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化されており;
X15はGluを表し、
X16はSerを表し、
X17はArgを表し、
X18はArgを表し、
X20はGlnを表し、
X21はAspを表し、
X28はAlaを表し、
X29はGlyを表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない。
【0081】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2はD−Serを表し、
X3はGlnを表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−またはヘキサデカノイル−によって官能化されており;
X15は、GluおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16はSerを表し、
X17は、ArgおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18は、ArgおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X20はGlnを表し、
X21は、AspおよびLeuから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28は、AlaおよびAsnから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29はGlyを表し、
X35はAlaを表し、
X39は、Serを表すかまたは存在せず、
X40は、存在しないかまたはLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−によって場合により官能化されており、
は、NH、非置換であるか、またはOHによって一置換されているか、またはF、N[(C〜C)アルキル]、NH(CH−CH−O)1〜24−(C〜C)アルキル−COOH、NH−ピロリジン(N−ピロリジン−1−イル−アミド)、NH−ベンジル(N−ベンジル−アミド)もしくはN−モルホリン(1−モルホリン−4−イル)によって、特にNH、NH−CH−CH、NH−(CH−CH、NH−C(CH、NH−CH−CF、NH−(CH12−OH、NH−(CH13−CH、NH−(CH14−CH、NH−(CH15−CH、NH−(CH17−CH、NH(CH−CH−O)−CH−CH−COOH、NH(CH−CH−O)24−CH−CH−COOH、NH−N(CH、NH−CH−C、N(CH−CHOによって3重置換された、NH(C〜C18)アルキルである。
【0082】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2は、Ser、D−SerおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X3は、Gln、His、AsnおよびNα−メチル化Gln[Gln(α−NHCH)]から選択されるアミノ酸残基を表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−またはヘキサデカノイル−によって官能化されており;
X15は、GluおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16は、SerおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17は、ArgおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18は、ArgおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X20は、Gln、ArgおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、AspおよびLeuから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28は、AlaおよびAsnから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29はGlyを表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない。
【0083】
さらなる一実施形態は式(I)の一群の化合物に関し、ここで、
X2はSer、D−SerおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X3はGln、HisおよびNα−メチル化Gln[Gln(α−NHCH)]から選択されるアミノ酸残基を表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−またはヘキサデカノイル−によって官能化されており;
X15は、GluおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16は、SerおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17はArgを表し、
X18は、ArgおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X20は、GlnおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、AspおよびLeuから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28は、AlaおよびAsnから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29はGlyを表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない。
【0084】
さらなる一実施形態は式(I)の一群の化合物に関し、ここで、
X2は、D−SerおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X3は、GlnおよびHisから選択されるアミノ酸残基を表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリルまたは(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化されており;
X15は、GluおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16はGluを表し、
X17はGluを表し、
X18はAlaを表し、
X20は、ArgおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21はLeuを表し、
X28はAlaを表し、
X29はGlyを表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない。
【0085】
なおさらなる好ましい一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、X40は存在しない。
【0086】
なおさらなる好ましい一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、14位における官能化Lysは、そのε−アミノ基において−C(O)−Rで官能化されており、−C(O)−Rは、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイル−アミノ−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル、ヘキサデカノイルまたはオクタデカノイルである。
【0087】
なおさらなる好ましい一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2は、AibおよびD−Serから選択されるアミノ酸残基を表し;
X3は、GlnおよびHisから選択されるアミノ酸残基を表し;
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、3−(3−オクタデカノイルアミノ−プロピオニルアミノ)−プロピオニル−、3−(3−ヘキサデカノイルアミノ−プロピオニルアミノ)−プロピオニル−、(S)−4−カルボキシ−4−ヘンイコサノイルアミノ−ブチリル−、4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−および4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−から選択される基のうち1つによって官能化されており、
X15は、AspおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し;
X16は、SerおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し;
X17は、Arg、Glu、Lys、AibおよびLeuから選択されるアミノ酸残基を表し;、
X18は、ArgおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し;
X20は、Gln、AibおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し;
X21は、Asp、GluおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し;
X28は、Asn、Ser、Aib、AlaおよびArgから選択されるアミノ酸残基を表し;
X29は、Gly、Thr、AlaおよびD−Alaから選択されるアミノ酸残基を表し;
X35はAlaを表し;
X39はSerを表し、
X40は存在しない。
【0088】
なおさらなる好ましい一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2は、AibおよびD−Serから選択されるアミノ酸残基を表し;
X3はGlnを表し;
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイル−アミノ−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル、ヘキサデカノイルまたはオクタデカノイルから選択される基のうち1つによって官能化されており;
X15はGluを表し;
X16はSerを表し;
X17は、Arg、GlnおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し;
X18はAlaを表し;
X20はGlnを表し;
X21はAspを表し;
X28はAlaを表し;
X29はGlyを表し;
X35はAlaを表し;
X39はSerを表し、
X40は存在しない。
【0089】
さらなる一実施形態は一群の化合物に関し、ここで、
X2はAibを表し、
X3はGlnを表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘニコサノイルアミノ−ブチリル−および(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化されており;
X15はAspを表し、
X16は、LysおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17は、ArgおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18は、AlaおよびArgから選択されるアミノ酸残基を表し、
X20は、GlnおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、AspおよびLeuから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28はAlaを表し、
X29は、GlyおよびD−Alaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない。
【0090】
一実施形態では、本発明は、式(I):
−Z−R (I)
を有するペプチド性化合物を提供し、式中、
Zは、式(IIa)
H−dSer−Q−G−T−F−T−S−D−L−S−K−Q−K(γE−x53)−D−S−K−A−Aib−Q−D−F−I−E−W−L−K−A−G−G−P−S−S−G−A−P−P−P−S−NH (IIa)
を有するペプチド部分である。
【0091】
別の一実施形態では、本発明は、式(I):
−Z−R (I)
を有するペプチド性化合物を提供し、式中、
Zは、式(IIb)
H−dSer−Q−G−T−F−T−S−D−L−S−K−Q−K(γE−x53)−D−S−K−A−S−Q−D−F−I−E−W−L−K−A−G−G−P−S−S−G−A−P−P−P−S−NH (IIb)
を有するペプチド部分である。
【0092】
別の一実施形態では、本発明は、式(I):
−Z−R (I)
を有するペプチド性化合物を提供し、式中、
Zは、式(IIc)
H−dSer−Q−G−T−F−T−S−D−L−S−K−Q−K(γE−x53)−D−S−K−A−L−Q−D−F−I−E−W−L−K−A−G−G−P−S−S−G−A−P−P−P−S−NH (IIc)
を有するペプチド部分である。
【0093】
別の一実施形態では、本発明は、式(I):
−Z−R (I)
を有するペプチド性化合物を提供し、式中、
Zは、式(IId)
H−dSer−Q−G−T−F−T−S−D−L−S−K−Q−K(γE−x53)−D−S−K−A−A−Q−D−F−I−E−W−K−K−A−G−G−P−S−S−G−A−P−P−P−S−NH (IId)
を有するペプチド部分である。
【0094】
本発明のペプチド性化合物の具体的な例は、配列番号4〜181の化合物ならびにその塩および溶媒和物である。
【0095】
本発明のペプチド性化合物のさらなる具体的な例は、配列番号4〜181、196〜223の化合物ならびにその塩および溶媒和物である。
【0096】
本発明のペプチド性化合物のさらなる具体的な例は、配列番号7、11〜13、22、24〜31、34〜39、44〜48、86、97、123〜124、130〜159、164、166、173〜176の化合物ならびにその塩および溶媒和物である。
【0097】
式(I)のペプチド性化合物のさらなる具体的な例は、配列番号7、11〜13、22、24〜31、34〜39、44〜48、86、97、123〜124、130〜159、164、166、173〜176、196〜223、226〜229の化合物ならびにその塩および溶媒和物である。
【0098】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、配列番号25、31、133、148、153、155および158からなる群から選択される。他の実施形態では、本発明の化合物は、配列番号209、210、211、212および213からなる群から選択される。
【0099】
特定の一実施形態によれば、本発明の化合物は、配列番号97によって表される(表10を参照のこと)。別の特定の一実施形態では、式(I)の化合物は、配列番号24によって表される(表10を参照のこと)。
【0100】
特定の実施形態、即ち、式(I)の化合物が、遺伝的にコードされたアミノ酸残基を含む場合、本発明はさらに、前記化合物をコードする核酸(DNAまたはRNAであり得る)、かかる核酸を含む発現ベクター、およびかかる核酸または発現ベクターを含む宿主細胞を提供する。
【0101】
さらなる態様では、本発明は、担体と混合された本発明の化合物を含む組成物を提供する。好ましい実施形態では、この組成物は、医薬的に許容される組成物であり、この担体は、医薬的に許容される担体である。本発明の化合物は、塩、例えば、医薬的に許容される塩または溶媒和物、例えば水和物の形態であり得る。なおさらなる態様では、本発明は、医学的処置の方法において、特にヒト医薬における使用のための組成物を提供する。
【0102】
特定の実施形態では、核酸または発現ベクターが、治療剤として、例えば遺伝子治療において使用され得る。
【0103】
式(I)の化合物は、さらなる治療的に有効な薬剤なしに、治療的適用に適切である。しかし、他の実施形態では、これらの化合物は、「組合せ治療」で説明されるように、少なくとも1種のさらなる治療的に活性な薬剤と一緒に使用される。
【0104】
式(I)の化合物は、炭水化物および/もしくは脂質の代謝における乱れによって引き起こされる、それらに関連する、ならびに/またはそれらに付随する疾患または障害の処置または予防のため、例えば、高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満およびメタボリックシンドロームの処置または予防のために、特に適している。さらに、本発明の化合物は、変性疾患、特に神経変性疾患の処置または予防のために、特に適している。
【0105】
記載される化合物は、とりわけ、体重増加を予防するまたは体重減少を促進することにおいて、使用を見出す。「予防する」とは、処置の非存在下と比較した場合に障害を阻害または低減させることを意味し、障害の完全な停止を必ずしも含意する意味ではない。
【0106】
本発明の化合物は、食物摂取における減少および/またはエネルギー消費における増加を引き起こして、体重に対する観察される効果を生じ得る。
【0107】
体重に対するその効果とは無関係に、本発明の化合物は、循環コレステロールレベルに対して有益な影響を有し得、脂質レベル、HDLレベルおよび特にLDLレベルを改善させることが可能である。(例えば、HDL/LDL比の増加)
【0108】
従って、本発明の化合物は、過剰な体重によって引き起こされるまたは過剰な体重を特徴とする任意の状態の直接的または間接的治療のため、例えば、肥満、病的肥満、肥満関連の炎症、肥満関連の胆嚢疾患、肥満誘発性の睡眠時無呼吸の処置および/または予防のために、使用され得る。本発明の化合物は、メタボリックシンドローム、糖尿病、高血圧症、アテローム生成的脂質異常症、アテローム動脈硬化症、動脈硬化症、冠動脈性心疾患または脳卒中の処置および予防のためにも使用され得る。これらの状態における本発明の化合物の効果は、体重に対する効果の結果としてであり得もしくは体重に対する効果に関連し得、または体重に対する効果とは無関係であり得る。
【0109】
好ましい医学的使用には、2型糖尿病における疾患進行を遅延もしくは予防すること、メタボリックシンドロームを処置すること、肥満を処置することもしくは体重過多を予防すること、食物摂取を減少させること、エネルギー消費を増加させること、体重を低減させること、耐糖能障害(IGT)から2型糖尿病への進行を遅延させること;2型糖尿病からインスリン依存型糖尿病への進行を遅延させること;食欲を調節すること;満腹を誘導すること;体重減少の成功後の体重再増加を予防すること;体重過多もしくは肥満に関連する疾患もしくは状態を処置すること;過食症を処置すること;気晴らし食いを処置すること;アテローム動脈硬化症、高血圧症、2型糖尿病、IGT、脂質異常症、冠動脈性心疾患、脂肪肝を処置すること、ベータ−ブロッカー中毒の処置、X線、CTスキャニングおよびNMRスキャニングなどの技術を使用した胃腸管の調査と関連して有用な、胃腸管の運動性を阻害するための使用が含まれる。
【0110】
さらなる好ましい医学的使用には、変性障害、特に神経変性障害、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、失調症、例えば脊髄小脳失調症、ケネディ病、筋強直性ジストロフィー、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、原発性側索硬化症、脊髄性筋萎縮症、プリオン関連疾患、例えば、クロイツフェルト・ヤコブ病、多発性硬化症、毛細血管拡張症、バッテン病、大脳皮質基底核変性症、脊髄の亜急性連合性変性症、脊髄ろう、テイ・サックス病、中毒性脳症、乳児レフサム病、レフサム病、有棘赤血球舞踏病、ニーマン・ピック病、ライム病、マシャド・ジョセフ病、サンドホフ病、シャイ・ドレーガー症候群、プルプル症候群(wobbly hedgehog syndrome)、タンパク質症、脳β−アミロイド血管症、緑内障における網膜神経節細胞変性、シヌクレイン病、タウオパチー、前頭側頭葉変性症(FTLD)、認知症、カダシル症候群、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、アレキサンダー病、セイピノパチー(seipinopathy)、家族性アミロイド性ニューロパチー、老人性全身性アミロイドーシス、セルピノパチー(serpinopathy)、AL(軽鎖)アミロイドーシス(原発性全身性アミロイドーシス)、AH(重鎖)アミロイドーシス、AA(続発性)アミロイドーシス、大動脈中膜アミロイドーシス、ApoAIアミロイドーシス、ApoAIIアミロイドーシス、ApoAIVアミロイドーシス、フィンランド型の家族性アミロイドーシス(FAF)、リゾチームアミロイドーシス、フィブリノーゲンアミロイドーシス、透析アミロイドーシス、封入体筋炎/ミオパチー、白内障、ロドプシン変異を伴う網膜色素変性症、甲状腺髄様癌、心房性アミロイドーシス、下垂体プロラクチノーマ、遺伝性格子状角膜ジストロフィー、皮膚苔癬アミロイドーシス、マロリー小体、角膜ラクトフェリンアミロイドーシス、肺胞蛋白症、歯原性(ピンドボルグ(Pindborg))腫瘍アミロイド、嚢胞性線維症、鎌状赤血球症または重症疾患ミオパチー(CIM)の処置または予防が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0111】
図1-1】雌性NMRIマウスにおける胃排出および腸通過に対する、化合物配列番号97およびコンパレーターの皮下投与の効果を示す図である。データは平均+SEMである。それぞれ、「」は、ビヒクルに対する統計的有意性を示し、「#」は、コンパレーターに対する統計的有意性を示す。a)残留胃内容物(胃排出についての指標として)に対する配列番号97およびリラグルチド(全て0.02mg/kg、皮下)の効果。b)小腸運動性に対する、全て0.02mg/kg、皮下の配列番号97およびリラグルチドの効果。
図1-2】雌性NMRIマウスにおける胃排出および腸通過に対する、化合物配列番号97およびコンパレーターの皮下投与の効果を示す図である。データは平均+SEMである。それぞれ、「」は、ビヒクルに対する統計的有意性を示し、「#」は、コンパレーターに対する統計的有意性を示す。c)残留胃内容物(胃排出についての指標として)に対する、0.02mg/kgおよび0.002mg/kg、皮下の配列番号97の効果。d)小腸運動性に対する、0.02mg/kgおよび0.002mg/kg、皮下の配列番号97の効果。
図2】雌性NMRIマウスにおける22時間の食物摂取に対する、0.1mg/kgおよび0.01mg/kg、皮下の配列番号97の効果を示す図である。データは平均+SEMである。p<0.05。
図3】雌性食餌誘発性肥満C57BL/6NCrlマウス(高脂肪食で9か月間)における血中グルコースに対する、化合物配列番号97の皮下投与の急性効果を示す図である。データは平均+SEMである。p<0.05。
図4】雌性レプチン受容体欠損糖尿病db/dbマウスにおける血中グルコースに対する、化合物配列番号97の皮下投与の急性効果を示す図である。データは平均+SEMである。p<0.05。
図5】雌性レプチン受容体欠損糖尿病db/dbマウスにおける配列番号97による4週間の皮下処置の前および後のグルコースレベルを示す図である。データは平均+SEMである。
図6】雌性レプチン受容体欠損糖尿病db/dbマウスにおける配列番号97による4週間の皮下処置の前および後のHbA1cレベルを示す図である。データは平均+SEMである。
図7】雄性高脂肪飼育C57BL/6N Crlマウスにおける配列番号24による3週間の皮下処置の間の体重発達を示す図である。データは平均+SEMである。
図8】雄性高脂肪飼育C57BL/6N Crlマウスにおける配列番号24による3週間の皮下処置の間の%での相対的体重変化を示す図である。データは平均+SEMである。
図9】雄性高脂肪飼育C57BL/6N Crlマウスにおける配列番号24による3週間の処置の前および後の、Bruker minispecを使用して核磁気共鳴(NMR)によって測定した総脂肪塊の決定を示す図である。データは平均+SEMである。
図10】雌性レプチン受容体欠損糖尿病db/dbマウスにおける血中グルコースに対する、化合物配列番号24の皮下投与の急性効果を示す図である。データは平均+SEMである。
図11】雌性レプチン受容体欠損糖尿病db/dbマウスにおける配列番号24による4週間の皮下処置の前および後のグルコースレベルを示す図である。データは平均+SEMである。
図12】雌性レプチン受容体欠損糖尿病db/dbマウスにおける配列番号24による4週間の皮下処置の前および後のHbA1cレベルを示す図である。データは平均+SEMである。
【発明を実施するための形態】
【0112】
定義
本発明のアミノ酸配列は、天然に存在するアミノ酸については従来の1文字コードおよび3文字コード、ならびに他のアミノ酸については一般に受容された3文字コード、例えばAib(α−アミノイソ酪酸)、Orn(オルニチン)、Dab(2,4−ジアミノ酪酸)、Dap(2,3−ジアミノプロピオン酸)、Nle(ノルロイシン)、GABA(γ−アミノ酪酸)またはAhx(ε−アミノヘキサン酸)を含む。
【0113】
用語「ネイティブエキセンディン−4」とは、配列HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS−NH(配列番号1)を有するネイティブエキセンディン−4を指す。
【0114】
本発明は、上に定義したペプチド性化合物を提供する。
【0115】
本発明のペプチド性化合物は、ペプチド結合、即ちカルボキサミド結合によって連結された、アミノカルボン酸の直鎖骨格を含む。好ましくは、特に示さない限り、これらのアミノカルボン酸は、α−アミノカルボン酸であり、より好ましくはL−α−アミノカルボン酸である。これらのペプチド性化合物は、好ましくは、39〜40個のアミノカルボン酸の骨格配列を含む。
【0116】
これらのペプチド性化合物は、そのN末端、C末端およびは少なくとも1つの側鎖において化学部分で官能化(共有結合により連結)され得る。ペプチド性化合物のN末端は、未改変、即ち、NH基、またはモノ官能化NH基もしくはビス官能化NH2基であり得る。
【0117】
C末端では、これらのペプチド性化合物は、未改変であり得る、即ち、OH基を有し得、または例えば官能化されたOH基またはNH2基もしくはモノ官能化NH2基もしくはビス官能化NH2基で、上記のように改変され得る(Rを参照されたい)。
【0118】
用語「アルキル」とは、本明細書で使用する場合、飽和の一価炭化水素ラジカルを指す。これらのアルキル基は、直鎖、即ち、直鎖状であっても、分枝鎖であってもよい。
【0119】
用語「アルカンジイル」または「アルキレン」とは、本明細書で使用する場合、飽和の二価炭化水素ラジカルを指す。適用可能な限り、アルキル基に関する先行する説明は、対応してアルカンジイル基に適用され、従って、同様に直鎖および分枝鎖であり得る。二価アルキル基の例は、−CH−(=メチレン)、−CH−CH−、−CH−CH−CH−、−CH−CH−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−CH(CH)−CH−、−CH−CH(CH)−、−C(CH−CH−、−CH−C(CH−である。
【0120】
用語「シクロアルキル」とは、本明細書で使用する場合、特に示さない限り、単環式であり得る飽和または部分的に飽和した炭化水素環系の一価ラジカルを指す。シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルである。
【0121】
用語「ヘテロシクロアルキル」または「ヘテロシクリル」とは、本明細書で使用する場合、特に示さない限り、1、2または3の炭素原子が窒素原子、酸素原子または硫黄原子によって置き換えられた上で規定されたシクロアルキルを指すが、但し、このヘテロシクロアルキル系は、安定であり、かつ式(I)の化合物の所望の目的、例えば薬物物質としての使用のためのサブグループとして適切である。それぞれの複素環式基の定義に依存して、本発明の一実施形態では、複素環式基中に存在し得る環ヘテロ原子の数は、任意の他の複素環式基中の環ヘテロ原子の数とは独立して、1、2、3または4であり、別の一実施形態では1、2または3であり、別の一実施形態では1または2であり、別の一実施形態では2であり、別の一実施形態では1であり、ここで、これらの環ヘテロ原子は、同一であっても異なってもよい。このヘテロシクロアルキル基は、任意の環炭素原子または飽和環窒素原子によって結合され得る。
【0122】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素である。
【0123】
本発明のペプチド性化合物は、未改変の側鎖を有し得、または側鎖の1つにおいて少なくとも1つの改変を保有し得る。
【0124】
誤解を避けるために、本明細書で提供される定義では、ペプチド性部分(II)の配列は、バリエーションを可能にすると述べられる位置の少なくとも1つにおいて、ネイティブエキセンディン−4とは異なっていることが一般に意図される。ペプチド部分(II)内のアミノ酸は、従来のN末端からC末端の方向で、0から40まで連続して番号付けされるとみなされ得る。ペプチド性部分(II)内の「位置」に対する言及は、ネイティブエキセンディン−4および他の分子内の位置に対する言及と同様、しかるべく構築されるべきである。
【0125】
14位および場合により40位における、−NH基を有する側鎖を有するアミノ酸残基、例えば、Lys、Orn、DabまたはDapは、官能基、例えば、アシル基にコンジュゲート化される。従って、本発明のペプチドの1つまたはそれ以上の選択されたアミノ酸は、その側鎖において共有結合を保有し得る。いくつかの場合には、これらの結合は、親油性であり得る。これらの親油性側鎖結合は、ペプチドのin vivoクリアランスを低減させ、従って、そのin vivo半減期を増加させる可能性を有している。
【0126】
この親油性結合は、1つまたはいくつかの脂肪族または不飽和の同素環(homocycle)または複素環、芳香族の縮合または非縮合の同素環または複素環、エーテル結合、不飽和結合および置換基、例えば、ヒドロキシ基および/もしくはカルボキシ基から選択される、分枝鎖または非分枝鎖の、脂肪族または不飽和の非環状部分および/または環状部分であり得る、親油性部分からなり得る。この親油性部分は、アルキル化、還元的アミド化によって、もしくはその側鎖においてアミノ基を保有するアミノ酸の場合にはアミド結合もしくはスルホンアミド結合によって、その側鎖においてヒドロキシ基を保有するアミノ酸の場合にはエステル結合によって、もしくはその側鎖においてチオール基を保有するアミノ酸の場合にはチオエーテル結合もしくはチオエステル結合によって、ペプチドに結合され得、またはアミノ酸の改変側鎖に結合され得、従ってクリックケミストリーもしくはマイケル付加による親油性部分の導入を可能にする。
【0127】
アミノ酸側鎖に結合され得る親油性部分の非限定的な例には、脂肪酸、例えば、C8〜30脂肪酸、例えば、パルミチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸およびオレイン酸、ならびに/または上記環状基もしくはその誘導体が含まれる。
【0128】
ペプチドのアミノ酸と親油性結合との間には1つまたはいくつかのリンカーが存在し得る。これらのリンカーの非限定的な例は、β−アラニン、γ−グルタミン酸、γ−アミノ酪酸および/もしくはε−アミノヘキサン酸またはジペプチド、例えば、それらすべての立体異性体型(SエナンチオマーおよびRエナンチオマー)であるβ−Ala−β−Alaおよび/もしくはγ−Glu−γ−Gluである。
【0129】
従って、側鎖結合の1つの非限定的な例は、グルタミン酸のα−アミノ基に共有結合されてアミド結合を形成するパルミチン酸である。この置換されたグルタミン酸のγ−カルボキシ基は、ペプチド内のリジンの側鎖アミノ基と、アミド結合を形成し得る。
【0130】
さらなる態様では、本発明は、担体と混合された本明細書に記載される本発明の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を含む組成物を提供する。
【0131】
本発明は、医薬品としての使用のため、特に、以下に記載される状態の処置のための本発明の化合物の使用もまた提供する。
【0132】
本発明は、医薬的に許容される組成物であり、担体は医薬的に許容される担体である組成物もまた提供する。
【0133】
ペプチド合成
当業者は、本発明に記載されるペプチドを製造するための種々の異なる方法を知っている。これらの方法には、合成アプローチおよび組換え遺伝子発現が含まれるがこれらに限定されない。従って、これらのペプチドを製造する1つの方法は、溶液中または固体支持体上での合成、ならびに引き続く単離および精製である。ペプチドを製造する異なる方法は、このペプチドをコードするDNA配列が導入された宿主細胞における遺伝子発現である。代替的に、この遺伝子発現は、細胞系を利用することなしに達成され得る。上記の方法は、任意の方法で組み合わせることもできる。
【0134】
本発明のペプチドを製造するための好ましい方法は、適切な樹脂上での固相合成である。固相ペプチド合成は、十分に確立された方法論である(例えば:StewartおよびYoung、Solid Phase Peptide Synthesis、Pierce Chemical Co.、Rockford、Ill.、1984;E.AthertonおよびR.C.Sheppard、Solid Phase Peptide Synthesis.A Practical Approach、Oxford−IRL Press、New York、1989を参照のこと)。固相合成は、切断可能リンカーを保有する不活性固体支持体に、そのカルボキシ末端で、N末端保護されたアミノ酸を結合させることによって、開始される。この固体支持体は、カルボキシ基(またはRink樹脂についてはカルボキサミド)の樹脂への連結が酸に対して感受性である(Fmoc戦略が使用される場合)、例えば、トリチル樹脂、クロロトリチル樹脂、Wang樹脂またはRink樹脂の、開始アミノ酸のカップリングを可能にする任意のポリマーであり得る。このポリマー支持体は、ペプチド合成の間にα−アミノ基を脱保護するために使用される条件下で安定でなければならない。
【0135】
1つ目のアミノ酸を固体支持体にカップリングした後、このアミノ酸のα−アミノ保護基が除去される。次いで、残存する保護されたアミノ酸が、適切なアミドカップリング試薬、例えば、BOP(ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−tris−(ジメチルアミノ)−ホスホニウム)、HBTU(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル−ウロニウム)、HATU(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−tris−(ジメチルアミノ)−ホスホニウム)またはDIC(N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド)/HOBt(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)を使用して、ペプチド配列によって示される順で次々にカップリングされ、ここで、BOP、HBTUおよびHATUは、第三級アミン塩基と共に使用される。代替的に、遊離したN末端は、アミノ酸以外の基、例えばカルボン酸などで官能化され得る。
【0136】
通常、アミノ酸の反応性側鎖基は、適切なブロッキング基で保護される。これらの保護基は、所望のペプチドがアセンブルされた後に除去される。これらは、所望の生成物が同じ条件下で樹脂から切断されるのに伴って、除去される。保護基および保護基を導入するための手段は、Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、Greene,T.W.およびWuts,P.G.M.、Wiley & Sons(New York:1999)中に見出すことができる。
【0137】
いくつかの場合には、他の側鎖保護基をインタクトなままにしつつ、選択的に除去され得る側鎖保護基を有することが望ましい場合がある。この例では、遊離した官能基が、選択的に官能化され得る。例えば、リジンは、非常に求核性の塩基、例えばDMF(ジメチルホルムアミド)中4%のヒドラジンに対して不安定なivDde保護基(S.R.Chhabraら、Tetrahedron Lett.39、(1998)、1603)で保護され得る。従って、N末端アミノ基および全ての側鎖官能基が、酸不安定性保護基で保護される場合、ivDde([1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキシ−1−イリデン)−3−メチルブチル)基は、DMF中4%のヒドラジンを使用して選択的に除去され得、次いで、対応する遊離アミノ基が、例えばアシル化によってさらに改変され得る。このリジンは代替的に、保護されたアミノ酸にカップリングされ得、次いで、このアミノ酸のアミノ基が脱保護されて、アシル化またはさらなるアミノ酸に結合され得る別の遊離アミノ基を生じ得る。
【0138】
最後に、このペプチドは、樹脂から切断される。これは、Kingカクテル(D.S.King、C.G.Fields、G.B.Fields、Int.J.Peptide Protein Res.36、1990、255〜266)を使用して達成され得る。次いで、生材料が、必要に応じてクロマトグラフィー、例えば分取RP−HPLCによって精製され得る。
【0139】
効力
本明細書で使用する場合、用語「効力」または「in vitro効力」は、細胞ベースのアッセイにおける、GLP−1またはグルカゴンに対する受容体を活性化する化合物の能力についての測定である。数値的に、効力は、「EC50値」として表され、この「EC50値」は、用量反応実験において応答(例えば、細胞内cAMPの形成)の最大半量増加を誘導する、化合物の有効濃度である。
【0140】
治療的使用
一態様によれば、本発明の化合物は、医薬、特にヒト医薬における使用のためのものである。
【0141】
本発明の化合物は、GLP−1およびグルカゴンに対する受容体に対するアゴニスト(例えば、「二重アゴニスト」)であり、肥満および糖尿病の同時処置を可能にすることによってメタボリックシンドロームを標的化するための魅力的な選択肢を提供し得る。
【0142】
メタボリックシンドロームは、一緒に存在する場合、2型糖尿病、ならびにアテローム硬化性血管疾患、例えば、心疾患および脳卒中を発症するリスクを増加させる、医学的障害の組合せである。メタボリックシンドロームについて規定する医学的パラメータには、真性糖尿病、耐糖能障害、上昇した空腹時グルコース、インスリン抵抗性、尿中アルブミン分泌、中心性肥満、高血圧症、上昇したトリグリセリド、上昇したLDLコレステロールおよび低減したHDLコレステロールが含まれる。
【0143】
肥満は、過剰な体脂肪が、健康および平均余命に対して有害な影響を有し得る程度まで蓄積された医学的状態であり、成人および小児におけるその増加する有病率に起因して、現代世界における第一の予防可能な死亡原因の1つになっている。肥満は、心疾患、2型糖尿病、閉塞性睡眠時無呼吸、特定の型の癌および変形性関節症を含む種々の他の疾患の可能性を増加させ、過剰な食物摂取、低減したエネルギー消費および遺伝的感受性の組合せによって、最も一般には引き起こされる。
【0144】
しばしば単に糖尿病と呼ばれる真性糖尿病は、人が、十分なインスリンを身体が産生しないこと、または産生されたインスリンに細胞が応答しないことのいずれかに起因して、高い血糖値を有する、代謝疾患の一群である。糖尿病の最も一般的な型は以下である:(1)身体がインスリンを産生できない1型糖尿病;(2)インスリン欠乏における経時的な増加と組み合わさった、身体がインスリンを適切に使用できない2型糖尿病、および(3)女性が妊娠に起因して糖尿病を発症する妊娠性糖尿病。全ての形態の糖尿病が、典型的には何年も後になって発症する長期の合併症のリスクを増加させる。これらの長期合併症のほとんどは、血管に対する損傷に基づき、2つのカテゴリー、より大きい血管のアテローム動脈硬化症から生じる「大血管性」疾患、および小さい血管の損傷から生じる「微小血管性」疾患に分割され得る。大血管性疾患状態の例は、虚血性心疾患、心筋梗塞、脳卒中および末梢血管疾患である。微小血管性疾患の例は、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症および糖尿病性ニューロパチーである。
【0145】
GLP−1に対する受容体およびグルカゴンに対する受容体は、共に、ファミリーBのGタンパク質共役受容体のメンバーである。これらは、互いに高度に関連しており、顕著なレベルの配列同一性を共有するだけでなく、類似の機構のリガンド認識および細胞内シグナル伝達経路もまた有する。
【0146】
同様に、ペプチドGLP−1およびグルカゴンは、互いに相同であり、類似の長さおよび高い配列同一性の領域を有する。両方とも、組織特異的様式で示差的にプロセシングされる共通前駆体プレプログルカゴンから産生され、例えば、腸内分泌細胞においてGLP−1を生じ、膵島のアルファ細胞においてグルカゴンを生じる。
【0147】
インクレチンホルモンGLP−1は、食物に応答して腸内分泌細胞によって分泌され、食事刺激されたインスリン分泌を増強する。証拠は、GLP−1分泌は耐糖能障害または2型糖尿病を有する被験体において低減されるが、GLP−1に対する応答性は、これらの患者においてなおも保存されていることを示唆している。従って、適切なアゴニストによるGLP−1受容体の標的化は、糖尿病を含む代謝障害の処置のための魅力的なアプローチを提供する。GLP−1に対する受容体は、広く分布しており、膵島、脳、心臓、腎臓および胃腸管において主に見出される。膵臓では、GLP−1は、ベータ細胞からのインスリンの分泌を増加させることによって、厳密にグルコース依存的な様式で作用する。このグルコース依存性は、GLP−1受容体の活性化が低血糖症を引き起こす可能性が低いことを示している。
【0148】
ベータ細胞レベルでは、GLP−1は、グルコース感受性、新生、増殖、プロインスリンの転写、および肥大化、ならびに抗アポトーシスを促進することが示されている。膵臓以外のGLP−1の他の関連の効果には、遅延した胃排出、増加した満腹、減少した食物摂取、体重の低減、ならびに神経保護効果および心保護効果が含まれる。2型糖尿病を有する患者では、かかる膵外性効果は、肥満および心血管疾患などの高率の同時罹患率を考慮すると特に重要であり得る。
【0149】
グルカゴンは、膵臓アルファ細胞によって産生され、循環グルコースが低い場合に血流中に放出される29アミノ酸のペプチドホルモンである。グルカゴンの重要な生理学的役割は、in vivoのグルコース恒常性を維持することにおいて、インスリンに対する主要な対抗調節的機構を提供するプロセスである、肝臓におけるグルコース出力を刺激することである。
【0150】
しかし、グルカゴン受容体は、腎臓、心臓、脂肪細胞、リンパ芽球、脳、網膜、副腎および胃腸管などの肝臓外組織においても発現され、これは、グルコース恒常性以外のより広い生理学的役割を示唆している。従って、最近の研究は、グルカゴンが、食物摂取の低減および体重減少を伴う、エネルギー消費および熱産生の刺激を含め、エネルギー管理に対して治療的にプラスの影響を有することを報告している。合わせると、グルカゴン受容体の刺激は、肥満およびメタボリックシンドロームの処置において有用であり得る。
【0151】
オキシントモジュリンは、C末端伸長にわたる8アミノ酸を有するグルカゴンからなる、37アミノ酸のペプチドホルモンである。GLP−1およびグルカゴンと同様、オキシントモジュリンは、プレプログルカゴン中に予め形成され、小腸の内分泌細胞によって組織特異的様式で切断および分泌される。オキシントモジュリンは、GLP−1に対する受容体およびグルカゴンに対する受容体を両方刺激することが公知であり、従って、二重アゴニストの原型である。
【0152】
GLP−1がその抗糖尿病効果で知られているように、GLP−1およびグルカゴンは共に、その食物摂取抑制効果で知られており、グルカゴンは、さらなるエネルギー消費のメディエータでもあり、1つの分子における2つのホルモンの活性の組合せは、メタボリックシンドローム、ならびに特にその構成要素である糖尿病および肥満の処置のための、強力な薬物療法を提供し得ることが考えられる。
【0153】
従って、本発明の化合物は、グルコース不耐性、インスリン抵抗性、前糖尿病、増加した空腹時血糖、2型糖尿病、高血圧症、脂質異常症、アテローム動脈硬化症、冠動脈性心疾患、末梢動脈疾患、脳卒中またはこれらの個々の疾患構成要素の任意の組合せの処置に使用され得る。
【0154】
さらに、本発明の化合物は、食欲、摂食およびカロリー摂取の制御、エネルギー消費の増加、体重増加の予防、体重減少の促進、過剰な体重の低減ならびに病的肥満を含む肥満の全体的処置に使用され得る。
【0155】
本発明の化合物で処置され得るさらなる疾患状態および健康状態は、肥満関連の炎症、肥満関連の胆嚢疾患および肥満誘発性の睡眠時無呼吸である。
【0156】
全てのこれらの状態は、肥満と直接または間接的に関連している可能性があるが、本発明の化合物の効果は、体重に対する影響を介して全体的にもしくは一部、または体重に対する影響とは独立して、媒介され得る。
【0157】
さらに、処置される疾患は、神経変性疾患、例えばアルツハイマー病もしくはパーキンソン病、または上記他の変性疾患である。
【0158】
医薬組成物
用語「医薬組成物」は、混合された場合に適合性である、投与され得る成分を含む、混合物を示す。医薬組成物は、1種またはそれ以上の医薬品薬物を含み得る。さらに、この医薬組成物は、それらが活性成分とみなされようと不活性成分とみなされようと、担体、緩衝液、酸性化剤、アルカリ化剤、溶媒、アジュバント、浸透圧調整剤、軟化剤、増量剤、防腐剤、物理的および化学的安定剤、例えば、界面活性剤、抗酸化剤および他の構成要素を含み得る。医薬組成物を調製する際の当業者にとってのガイダンスは、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、(第20版)編 A.R.Gennaro A.R.、2000、Lippencott Williams & WilkinsおよびR.C.Roweら(編)、Handbook of Pharmaceutical Excipients、PhP、2013年5月の更新中に見出すことができる。
【0159】
本発明のエキセンディン−4ペプチド誘導体またはその塩は、医薬組成物の一部として、許容される医薬的担体、希釈剤または賦形剤と組み合わせて投与される。「医薬的に許容される担体」は、共に投与される物質の治療的特性を保持しつつ生理学的に許容される(例えば、生理学的に許容されるpH)担体である。標準的な許容される医薬的担体およびそれらの製剤は、当業者に公知であり、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、(第20版)編 A.R.Gennaro A.R.、2000、Lippencott Williams & WilkinsおよびR.C.Roweら(編)、Handbook of Pharmaceutical excipients、PhP、2013年5月の更新中に記載されている。1つの例示的な医薬的に許容される担体は、生理食塩水溶液である。
【0160】
一実施形態では、担体は、緩衝液(例えば、クエン酸塩/クエン酸)、酸性化剤(例えば、塩酸)、アルカリ化剤(例えば、水酸化ナトリウム)、防腐剤(例えば、フェノール)、共溶媒(例えば、ポリエチレングリコール400)、浸透圧調整剤(例えば、マンニトール)、安定剤(例えば、界面活性剤、抗酸化剤、アミノ酸)の群から選択される。
【0161】
使用される濃度は、生理学的に許容される範囲内である。
【0162】
許容される医薬的担体または希釈剤には、経口、直腸、経鼻または非経口(皮下、筋内、静脈内、皮内および経皮を含む)投与に適した製剤において使用されるものが含まれる。本発明の化合物は典型的に、非経口投与される。
【0163】
用語「医薬的に許容される塩」とは、哺乳動物における使用にとって安全かつ有効な、本発明の化合物の塩を意味する。医薬的に許容される塩には、酸付加塩および塩基性塩が含まれ得るが、これらに限定されない。酸付加塩の例には、塩化物塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸(水素)塩、酢酸塩、クエン酸塩、トシル化物塩またはメシル酸塩が含まれる。塩基性塩の例には、無機カチオンとの塩、例えば、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウム塩、およびアミン塩などの有機カチオンとの塩が含まれる。医薬的に許容される塩のさらなる例は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、(第20版)編 A.R.Gennaro A.R.、2000、Lippencott Williams & WilkinsまたはHandbook of Pharmaceutical Salts,Properties,Selection and Use、編P.H.Stahl、C.G.Wermuth、2002、Verlag Helvetica Chimica Acta、Zurich、SwitzerlandおよびWiley−VCH、Weinheim、Germanyの合同で刊行、に記載されている。
【0164】
用語「溶媒和物」とは、溶媒分子、例えば、有機溶媒分子および/または水との、本発明の化合物またはその塩の錯体を意味する。
【0165】
この医薬組成物中で、エキセンディン−4誘導体は、モノマー形態またはオリゴマー形態であり得る。
【0166】
用語「治療的有効量」の化合物とは、非毒性であるが、望ましい効果を提供するのに十分な化合物の量を指す。所望の生物学的効果を達成するのに必要な式Iの化合物の量は、いくつかの因子、例えば、選択された特定の化合物、意図された使用、投与の様式および患者の臨床的状態、に依存する。任意の個々の場合における適切な「有効」量は、慣用的な実験法を使用して当業者によって決定され得る。例えば、式(I)の化合物の「治療有効量」は、約0.01〜50mg/用量、好ましくは0.1〜10mg/用量である。
【0167】
本発明の医薬組成物は、非経口(例えば、皮下、筋内、皮内または静脈内)、経口、直腸、外用および経口(peroral)(例えば、舌下)投与に適した医薬組成物であるが、投与の最も適切な様式は、各個々の場合において、処置される状態の性質および重症度、ならびに各場合において使用される式Iの化合物の性質に依存する。
【0168】
適切な医薬組成物は、別々の単位、例えば、その各々が規定された量の化合物を含む、バイアルもしくはアンプル中のカプセル剤、錠剤および散剤の形態で;散剤もしくは顆粒として;水性液体もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液として;または水中油乳濁物もしくは油中水乳濁物として、であり得る。医薬組成物は、単一用量または複数容量の注射可能な形態で、例えば、ペンの形態で提供され得る。これらの組成物は、既に言及したように、活性成分および担体(1種またはそれ以上のさらなる成分からなり得る)が接触させられる工程を含む任意の適切な医薬的方法によって調製され得る。
【0169】
特定の実施形態では、この医薬組成物は、適用のためのデバイスと一緒に、例えばシリンジ、注射ペンまたは自動注射器と一緒に、提供され得る。かかるデバイスは、医薬組成物とは別に提供され得るか、または医薬組成物で予め充填され得る。
【0170】
組合せ治療
本発明の化合物、GLP−1受容体およびグルカゴン受容体に対する二重アゴニストは、他の薬理学的に活性な化合、例えば、Rote Liste 2012中および/またはRote Liste 2013中で言及される全ての薬物、例えば、Rote Liste 2012、第12章中および/またはRote Liste 2013、第12章中で言及される全ての抗糖尿病剤、Rote Liste 2012、第1章中および/またはRote Liste 2013、第1章中で言及される全ての体重低減剤もしくは食欲抑制剤、Rote Liste 2012、第58章中および/またはRote Liste 2013、第58章中で言及される全ての脂質低下剤、Rote Liste 2012中および/またはRote Liste 2013中で言及される全ての降圧剤および腎保護剤、またはRote Liste 2012、第36章中および/またはRote Liste 2013、第36章中で言及される全ての利尿剤と、広く組み合わされ得る。
【0171】
活性成分の組合せは、作用における相乗的改善のために特に使用され得る。これらは、患者への活性成分の別々の投与によって、または1つの医薬的調製物中に複数の活性成分が存在する組合せ製品の形態で、適用され得る。活性成分が活性成分の別々の投与によって投与される場合、これは、同時にまたは連続的に実施され得る。
【0172】
本明細書の以下で言及される活性成分のほとんどは、USP Dictionary of USAN and International Drug Names、US Pharmacopeia、Rockville 2011中に開示されている。
【0173】
かかる組合せに適した他の活性な物質には、特に、例えば、言及された適応症のうち1つに関して1種もしくはそれ以上の活性な物質の治療効果を強化する物質、および/または1種もしくはそれ以上の活性な物質の投薬量を低減させる物質が含まれる。
【0174】
組合せに適した治療剤には、例えば、抗糖尿病剤、例えば以下が含まれる:
インスリンおよびインスリン誘導体、例えば:グラルギン/Lantus(登録商標)、270〜330U/mLのインスリングラルギン(欧州特許出願公開第2387989号)、300U/mLのインスリングラルギン(欧州特許出願公開第2387989号)、グルリジン/Apidra(登録商標)、デテミル/Levemir(登録商標)、リスプロ/Humalog(登録商標)/Liprolog(登録商標)、デグルデク/デグルデクプラス、アスパルト、基礎インスリンおよびアナログ(例えば、LY−2605541、LY2963016、NN1436)、PEG化インスリンリスプロ、Humulin(登録商標)、リンジェタ(Linjeta)、SuliXen(登録商標)、NN1045、インスリンプラスシムリン、PE0139、速効性および短時間作用性インスリン(例えば、リンジェタ、PH20、NN1218、HinsBet)、(APC−002)ヒドロゲル、経口、吸入可能な、経皮および舌下インスリン(例えば、Exubera(登録商標)、Nasulin(登録商標)、アフレッザ、トレゴピル(Tregopil)、TPM 02、カプスリン(Capsulin)、Oral−lyn(登録商標)、Cobalamin(登録商標)経口インスリン、ORMD−0801、NN1953、NN1954、NN1956、VIAtab、オシャジ(Oshadi)経口インスリン)。さらに、二機能性リンカーによってアルブミンまたは別のタンパク質に結合されたインスリン誘導体もまた含まれる。
【0175】
GLP−1、GLP−1アナログおよびGLP−1受容体アゴニスト、例えば:リキシセナチド/AVE0010/ZP10/リキスミア、エキセナチド/エキセンディン−4/バイエッタ/バイデュレオン/ITCA 650/AC−2993、リラグルチド/ビクトーザ、セマグルチド(Semaglutide)、タスポグルチド、シンクリア(Syncria)/アルビグルチド、デュラグルチド(Dulaglutide)、rエキセンディン−4、CJC−1134−PC、PB−1023、TTP−054、ラングレナチド(Langlenatide)/HM−11260C、CM−3、GLP−1エリゲン(Eligen)、ORMD−0901、NN−9924、NN−9926、NN−9927、ノデキセン(Nodexen)、ビアドール(Viador)−GLP−1、CVX−096、ZYOG−1、ZYD−1、GSK−2374697、DA−3091、MAR−701、MAR709、ZP−2929、ZP−3022、TT−401、BHM−034.MOD−6030、CAM−2036、DA−15864、ARI−2651、ARI−2255、エキセナチド−XTENおよびグルカゴン−Xten。
【0176】
DPP−4阻害剤、例えば:アログリプチン/ネシーナ、トラゼンタ(Trajenta)/リナグリプチン/BI−1356/オンデロ(Ondero)/トラゼンタ(Trajenta/Tradjenta/Trayenta/Tradzenta)、サキサグリプチン/オングリザ、シタグリプチン/ジャヌビア/ゼレビア(Xelevia)/テサベ(Tesave)/ジャヌメット/ベルメティア(Velmetia)、ガルブス(Galvus)/ビルダグリプチン、アナグリプチン、ゲミグリプチン(Gemigliptin)、テネリグリプチン、メログリプチン(Melogliptin)、トレラグリプチン、DA−1229、オマリグリプチン/MK−3102、KM−223、エボグリプチン(Evogliptin)、ARI−2243、PBL−1427、ピノキサシン(Pinoxacin)。
【0177】
SGLT2阻害剤、例えば:インヴォカナ(Invokana)/カナグリフロジン、フォシーガ/ダパグリフロジン、レモグリフロジン、セルグリフロジン(Sergliflozin)、エンパグリフロジン、イプラグリフロジン、トホグリフロジン、ルセオグリフロジン、LX−4211、エルツグリフロジン(Ertuglifozin)/PF−04971729、RO−4998452、EGT−0001442、KGA−3235/DSP−3235、LIK066、SBM−TFC−039、
【0178】
ビグアナイド(例えば、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン)、チアゾリジンジオン(例えば、ピオグリタゾン、リボグリタゾン、ロシグリタゾン、トログリタゾン)、二重PPARアゴニスト(例えば、アレグリタザル、ムラグリタザル、テサグリタザル)、スルホニルウレア(例えば、トルブタミド、グリベンクラミド、グリメピリド/アマリール、グリピジド)、メグリチニド(例えば、ナテグリニド、レパグリニド、ミチグリニド)、アルファ−グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース、ミグリトール、ボグリボース)、アミリンおよびアミリンアナログ(例えば、プラムリンチド、シムリン)。
【0179】
GPR119アゴニスト(例えば、GSK−263A、PSN−821、MBX−2982、APD−597、ZYG−19、DS−8500)、GPR40アゴニスト(例えば、ファシグリファム(Fasiglifam)TAK−875、TUG−424、P−1736、JTT−851、GW9508)。
【0180】
他の適切な組合せパートナーは以下である:サイクロセット(Cycloset)、11−ベータ−HSDの阻害剤(例えば、LY2523199、BMS770767、RG−4929、BMS816336、AZD−8329、HSD−016、BI−135585)、グルコキナーゼのアクチベータ(例えば、TTP−399、AMG−151、TAK−329、GKM−001)、DGATの阻害剤(例えば、LCQ−908)、タンパク質チロシンホスファターゼ1の阻害剤(例えば、トロダスケミン(Trodusquemine))、グルコース−6−ホスファターゼの阻害剤、フルクトース−1,6−ビスホスファターゼの阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼの阻害剤、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼの阻害剤、グリコーゲンシンターゼキナーゼの阻害剤、ピルビン酸デヒドロゲナーゼの阻害剤、アルファ2−アンタゴニスト、CCR−2アンタゴニスト、SGLT−阻害剤(例えば、LX−2761)。
【0181】
1種またはそれ以上の脂質低下剤もまた、組合せパートナーとして適切である、例えば:HMG−CoA−レダクターゼ阻害剤(例えば、シンバスタチン、アトルバスタチン)、フィブラート系薬剤(例えば、ベザフィブラート、フェノフィブラート)、ニコチン酸およびその誘導体(例えば、ナイアシン)、PPAR−(アルファ、ガンマもしくはアルファ/ガンマ)アゴニストもしくはモジュレータ(例えば、アレグリタザル)、PPAR−デルタアゴニスト、ACAT阻害剤(例えば、アバシミブ(Avasimibe))、コレステロール吸収阻害剤(例えば、エゼチミブ)、胆汁酸結合物質(例えば、コレスチラミン)、回腸胆汁酸輸送阻害剤、MTP阻害剤、またはPCSK9のモジュレータ。
【0182】
HDL上昇化合物、例えば:CETP阻害剤(例えば、トルセトラピブ、アナセトラピブ、ダルセトラピブ、エバセトラピブ、JTT−302、DRL−17822、TA−8995)またはABC1レギュレータ。
【0183】
他の適切な組合せパートナーは、肥満の処置のための1種またはそれ以上の活性な物質、例えば以下である:シブトラミン、テソフェンシン、オルリスタット、カンナビノイド−1受容体のアンタゴニスト、MCH−1受容体アンタゴニスト、MC4受容体アゴニスト、NPY5もしくはNPY2アンタゴニスト(例えば、ベルネペリト)、ベータ−3−アゴニスト、レプチンもしくはレプチン模倣物、5HT2c受容体のアゴニスト(例えば、ロルカセリン)、またはブプロピオン/ナルトレキソン、ブプロピオン/ゾニサミド、ブプロピオン/フェンテルミンもしくはプラムリンチド/メトレレプチンの組合せ。
【0184】
他の適切な組合せパートナーは以下である:さらなる胃腸ペプチド、例えばペプチドYY3−36(PYY3−36)またはそのアナログ、膵臓ポリペプチド(PP)またはそのアナログ。
【0185】
グルカゴン受容体のアゴニストまたはアンタゴニスト、GIP受容体のアゴニストまたはアンタゴニスト、グレリンのアンタゴニストまたはインバースアゴニスト、ゼニン(Xenin)およびそのアナログ。
【0186】
さらに、高血圧、慢性心不全またはアテローム動脈硬化症に影響を与えるための薬物との組合せ、例えば、:アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト(例えば、テルミサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、ロサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、オルメサルタン、タソサルタン、アジルサルタン)、ACE阻害剤、ECE阻害剤、利尿剤、ベータ−ブロッカー、カルシウムアンタゴニスト、中枢作用昇圧剤、アルファ−2−アドレナリン受容体のアンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼの阻害剤、血小板凝集阻害剤など、またはそれらの組合せが、適切である。
【0187】
別の態様では、本発明は、GLP−1に対する受容体およびグルカゴンに対する受容体に結合し、それらの活性をモジュレートすることによって影響され得る疾患または状態の処置または予防に適した医薬品を調製するための、組合せパートナーとして上記された活性な物質のうち少なくとも1種と組み合わせた、本発明に従う化合物またはその生理学的に許容される塩の使用に関する。これは、好ましくは、メタボリックシンドロームに関する疾患、特に、上に列挙した疾患または状態のうち1つ、最も具体的には、糖尿病もしくは肥満またはそれらの合併症である。
【0188】
1種またはそれ以上の活性な物質と組み合わせた、本発明に従う化合物またはその生理学的に許容される塩の使用は、同時に、別々にまたは逐次に起こり得る。
【0189】
別の活性な物質と組み合わせた、本発明に従う化合物またはその生理学的に許容される塩の使用は、同時に、または時間差ではあるが特に短期間以内に、起こり得る。これらが同時に投与される場合、2種の活性な物質は患者に一緒に与えられ、これらが時間差で使用される場合、2種の活性な物質は、12時間以下の期間内であるが、特に6時間以下の期間内に、患者に与えられる。
【0190】
結果として、別の態様では、本発明は、場合により1種またはそれ以上の不活性な担体および/または希釈剤と一緒に、本発明に従う化合物またはかかる化合物の生理学的に許容される塩と、組合せパートナーとして上記された活性な物質のうち少なくとも1種とを含む、医薬品に関する。
【0191】
本発明に従う化合物またはその生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物、およびそれと組み合わされるさらなる活性な物質は、1つの製剤中、例えば、錠剤もしくはカプセル剤中に両方一緒に存在し得、または2つの同一もしくは異なる製剤中、例えば、いわゆるキットオブパーツ中に別々に存在し得る。
【0192】
方法
使用される略語は以下の通りである:
ivDde:1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキシリデン)3−メチル−ブチル
Dde:1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキシリデン)−エチル
TFA:トリフルオロ酢酸
BOP ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−tris−(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
HBTU 2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
DIC N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
DMF ジメチルホルムアミド
EDT エタンジチオール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
Boc tert−ブチルオキシカルボニル
Fmoc フルオレニルオキシカルボニル
PEG ポリエチレングリコール
HTRF ホモジニアス時間分解蛍光測定
BSA ウシ血清アルブミン
FBS 胎仔ウシ血清
DMEM ダルベッコ改変イーグル培地
PBS リン酸緩衝食塩水
HEPES 2−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]エタンスルホン酸
IBMX 3−イソブチル−1−メチルキサンチン
【0193】
ペプチド性化合物の一般的合成
材料:
0.3〜0.4mmol/gの範囲のローディングを有する異なるRink−Amide樹脂(4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)−フェノキシアセトアミド−ノルロイシルアミノメチル樹脂、Merck Biosciences;4−[(2,4−ジメトキシフェニル)(Fmoc−アミノ)メチル]フェノキシアセトアミドメチル樹脂、Agilent Technologies)を、ペプチドアミドの合成に使用した。供給業者は、Merck BiosciencesおよびAgilent Technologiesであった。同じ供給業者から、最大1.4mmol/gのローディングの2−クロロ−トリチル−クロリドポリスチレン樹脂を購入し、ペプチド酸の合成に使用した。
【0194】
Fmoc保護された天然アミノ酸を、Protein Technologies Inc.、Senn Chemicals、Merck Biosciences、Novabiochem、Iris BiotechまたはBachemから購入した。以下の標準アミノ酸を、合成を通じて使用した:Fmoc−L−Ala−OH、Fmoc−L−Asn(Trt)−OH、Fmoc−L−Asp(OtBu)−OH、Fmoc−L−Cys(Trt)−OH、Fmoc−L−Gln(Trt)−OH、Fmoc−L−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−L−His(Trt)−OH、Fmoc−L−Ile−OH、Fmoc−L−Leu−OH、Fmoc−L−Lys(Boc)−OH、Fmoc−L−Met−OH、Fmoc−L−Phe−OH、Fmoc−L−Pro−OH、Fmoc−L−Ser(tBu)−OH、Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、Fmoc−L−Trp(Boc)−OH、Fmoc−L−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−L−Val−OH。
【0195】
さらに、以下の特別なアミノ酸を、上記と同じ供給業者から購入した:Fmoc−L−Lys(ivDde)−OH、Fmoc−Aib−OH、Fmoc−D−Ser(tBu)−OH、Fmoc−D−Ala−OH、Boc−L−His(Boc)−OH(トルエン溶媒和物として入手可能)およびBoc−L−His(Trt)−OH。
【0196】
固相ペプチド合成を、標準的なFmoc化学およびHBTU/DIPEA活性化を使用して、Prelude Peptide Synthesizer(Protein Technologies Inc)で実施した。DMFを溶媒として使用した。脱保護:2×2.5分間にわたり20%ピペリジン/DMF。洗浄:7×DMF。カップリング 2:5:10の200mM AA/500mM HBTU/DMF中2MのDIPEAで2×20分間。洗浄:5×DMF。
【0197】
Lys側鎖を改変した場合、Fmoc−L−Lys(ivDde)−OHを、対応する位置において使用した。合成の完了後、ivDde基を、改変された文献手順(S.R.Chhabraら、Tetrahedron Lett.39、(1998)、1603)に従って、DMF中4%のヒドラジン水化物を用いて、除去した。次のアシル化を、所望の酸のN−ヒドロキシスクシンイミドエステルで樹脂を処理することによって、またはHBTU/DIPEAもしくはHOBt/DICなどのカップリング試薬を使用することによって、実施した。
【0198】
合成された全てのペプチドを、82.5%TFA、5%フェノール、5%水、5%チオアニソール、2.5%EDTからなるKing切断カクテルによって樹脂から切断した。次いで、粗製ペプチドを、ジエチルエーテルまたはジイソプロピルエーテル中で沈殿させ、遠心分離し、凍結乾燥した。ペプチドを、分析的HPLCによって分析し、ESI質量分析によってチェックした。粗製ペプチドを、従来の分取HPLC精製手順によって精製した。
【0199】
分析的HPLCを、0.5mL/分の流速で勾配溶出を用いて40℃でWaters XBridge BEH130 3.5μm C18カラム(2.1×150mm)を備えるAgilent 1100 Series HPLCシステムで実施し、215nmおよび280nmでモニタリングした。勾配を、15分間にわたり10%Bから90%B、次いで1分間にわたり90%Bとして、または12.5分間にわたり15%Bから50%B、次いで3分間にわたり50%Bから90%Bとして、設定した。緩衝液A=水中0.1%のギ酸およびB=アセトニトリル中0.1%のギ酸。
【0200】
一般的な分取HPLC精製手順:
粗製ペプチドを、Akta Purifier SystemまたはJasco semiprep HPLC Systemのいずれかで精製した。異なるサイズのおよび異なる流速を用いる分取RP−C18−HPLCカラムを、精製される粗製ペプチドの量に依存して使用した。アセトニトリル+0.1%TFA(B)および水+0.1%TFA(A)を、溶出剤として使用した。生成物含有画分を収集し、凍結乾燥して、精製された生成物を得た。
【0201】
エキセンディン−4誘導体の溶解度および安定性試験
ペプチドバッチの溶解度および安定性の試験の前に、その含量を決定した。従って、2つのパラメータ、その純度(HPLC−UV)およびバッチの塩ロードの量(イオンクロマトグラフィー)を調査した。合成されたペプチドは、主にトリフルオロ酢酸アニオンを含むので、アニオンクロマトグラフィーのみを実施した。
【0202】
溶解度試験のために、標的濃度は、1.0mg/mLの純粋な化合物であった。従って、固体サンプル由来の溶液を、以前に決定された含量に基づいて、1.0mg/mLの化合物の濃度を有する異なる緩衝液系中で調製した。HPLC−UVを、4000rpmで20分間の遠心分離によって取得した上清から、2時間の穏やかな撹拌の後に実施した。
【0203】
次いで、溶解度を、純粋な水または変動する量のアセトニトリル中2mg/mLの濃度のペプチドのストック溶液(全ての化合物が溶解された光学コントロール)で取得されたUVピーク面積との比較によって決定した。この分析は、安定性試験のための開始点(t0)としても機能した。
【0204】
安定性試験のために、溶解度のために取得された上清のアリコートを、25℃で7日間貯蔵した。この時間経過の後、サンプルを、4000rpmで20分間遠心分離し、上清をHPLC−UVで分析した。
【0205】
残存ペプチドの量の決定のために、t0およびt7における標的化合物のピーク面積を比較して、方程式
%残存ペプチド=[(ピーク面積ペプチドt7)×100]/ピーク面積ペプチドt0
に従って、「%残存ペプチド」を得た。
【0206】
可溶性分解生成物の量を、t0において観察されたピーク面積の合計によって約分された全ての観察された不純物からのピーク面積の合計の比較から、計算した(即ち、新たに形成されたペプチド関連種の量を決定するため)。この値を、方程式:
%可溶性分解生成物={[(不純物のピーク面積合計t7)−(不純物のピーク面積合計t0)]×100}/ピーク面積ペプチドt0
に従って、t0におけるペプチドの開始量に対する百分率として与えた。
【0207】
100%に対する「%残存ペプチド」および「%可溶性分解生成物」の合計からの潜在的な差異は、方程式
%沈殿物=100−([%残存ペプチド]+[%可溶性分解生成物])
に従って、ストレス条件に際して可溶性のままでなかったペプチドの量を反映する。
【0208】
この沈殿物は、遠心分離によって分析から除去された非可溶性分解生成物、ポリマーおよび/または細繊維を含む。
【0209】
アニオンクロマトグラフィー
機器:Dionex ICS−2000、分取/カラム:Ion Pac AG−18 2×50mm(Dionex)/AS18 2×250mm(Dionex)、溶出剤:水性水酸化ナトリウム、フロー:0.38mL/分、勾配:0〜6分:22mM KOH、6〜12分:22〜28mM KOH、12〜15分:28〜50mM KOH、15〜20分:22mM、サプレッサー:ASRS 300 2mm、検出:伝導率。
【0210】
HPLC−UV
機器:Agilent 1100、カラム:X−Bridge C18 3.5μm 2.1×150mm(Waters)、溶出剤:A:H20+500ppm TFA/B:メタノール、フロー:0.55mL/分、勾配:0〜5分:10〜60%B;5〜15分:60〜99%B;検出:214nm。
【0211】
GLP−1受容体およびグルカゴン受容体の効能についてのin vitro細胞アッセイ
2つの受容体に対する化合物のアゴニズムを、ヒトGLP−1受容体またはグルカゴン受容体を安定に発現するHEK−293細胞株のcAMP応答を測定する機能的アッセイによって決定した。
【0212】
細胞のcAMP含量を、HTRF(均一時間分解蛍光測定(Homogenous Time Resolved Fluorescence))に基づいてCisbio Corp.のキット(カタログ番号62AM4PEC)を使用して決定した。調製のために、細胞を、T175培養フラスコ中に分割し、培地(DMEM/10%FBS)中でコンフルエンシー近くまで一晩増殖させた。次いで、培地を除去し、カルシウムおよびマグネシウムを欠くPBSで細胞を洗浄し、その後、アクターゼ(accutase)(Sigma−Aldrichカタログ番号A6964)を用いたプロテイナーゼ処理を行った。剥離した細胞をアッセイ緩衝液(1×HBSS;20mM HEPES、0.1%BSA、2mM IBMX)中で洗浄および再懸濁し、細胞密度を決定した。次いで、これらの細胞を、400000細胞/mlに希釈し、25μlアリコートを、96ウェルプレートのウェル中に分配した。測定のために、アッセイ緩衝液中の試験化合物25μlをウェルに添加し、その後室温で30分間インキュベートした。溶解緩衝液(キット構成要素)中に希釈したHTRF試薬の添加後、これらのプレートを1時間インキュベートし、その後665nm/620nmにおける蛍光比を測定した。アゴニストのin vitro効力を、最大応答の50%活性化を引き起こした濃度(EC50)を決定することによって定量した。
【0213】
マウスにおけるペプチドGLP1−GCG受容体アゴニストの定量のための生物分析的スクリーニング方法
マウスに、1mg/kgを皮下で投薬した(皮下)。これらのマウスを屠殺し、血液サンプルを、適用の0.25、1、2、4、8、16および24時間後に収集した。血漿サンプルを、液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS)を介して、タンパク質沈殿後に分析した。PKパラメータおよび半減期を、WinonLin Version 5.2.1(ノンコンパートメントモデル)を使用して計算した。
【0214】
マウスにおける胃排出および腸通過
20gと30gとの間の体重の雌性NMRIマウスを使用した。マウスを、少なくとも1週間にわたり収容条件に適応させた。
【0215】
マウスを一晩絶食させたが、水は全ての時間において入手可能なままにした。研究当日に、マウスを計量し、1匹ずつケージに入れ(single−caged)、30分間500mgの飼料にアクセスさせたが、水は除去した。30分間の摂食期間の最後に、残存飼料を取り出し、計量した。60分後、着色されたノンカロリーボーラスを、胃中に経管栄養を介して注入した。試験化合物/参照化合物またはコントロール群においてはそのビヒクルを皮下投与し、着色ボーラスが投与されたときのCmaxを達成した。もう30分した後、動物を屠殺し、胃および小腸を調製した。内容物の入った胃を計量し、空にし、注意深く浄化し、乾燥させ、再計量した。計算された胃内容物は、胃排出の程度を示した。小腸を、力によらずにまっすぐにし、長さを測定した。次いで、腸の始まりから最も遠くまで移動した腸内容物ボーラスの先端までの距離を測定した。腸通過を、後者の距離および小腸の総延長のパーセントにおける関連として与えた。
【0216】
統計分析を、1要因ANOVAと、その後の事後検定としてのそれぞれDunnettまたはNewman−Keulとによって、Everstat 6.0で実施した。差異を、p<0.05レベルで統計的に有意とみなした。事後検定として、Dunnet検定を適用して、ビヒクルコントロールのみに対して比較した。Newman−Keul検定を、全てのペアワイズ比較に適用した(即ち、ビヒクル群および参照群に対して)。
【0217】
マウスにおける飼料摂取の自動評価
20gと30gとの間の体重の雌性NMRIマウスを使用した。マウスを、少なくとも1週間にわたり収容条件に適応させ、少なくとも1日間にわたり評価設備中に1匹ずつケージに入れ、その時に基礎データを同時に記録した。研究当日に、試験生成物を、消灯期(12時間の消灯)の寸前に皮下投与し、飼料消費の評価を、その直後に開始させた。評価は、22時間にわたる継続モニタリング(30分毎)を含んだ。数日間にわたるこの手順の反復が可能であった。22時間への評価の制限は、動物の再計量、飼料および水の再充填、ならびに手順間の薬物投与を可能にするための実務上の理由のためであった。結果は、22時間にわたって蓄積されたデータとして評価できた、または30分間の間隔へと微分できた。
【0218】
統計分析を、反復測定での2要因ANOVAおよびDunnetts事後分析によってEverstat 6.0で実施した。差異を、p<0.05レベルで統計的に有意とみなした。
【0219】
雌性食餌誘発性肥満(DIO)C57BL/6NCrlマウス(高脂肪食で10カ月間)における血中グルコースおよび体重に対する、皮下処置後のエキセンディン−4誘導体の急性および亜慢性効果
雌性C57BL/6NCrlマウスを、水および高脂肪食への自由なアクセスと共に、12時間の明/暗サイクルで、特定病原体除去障壁設備中で、群で収容した。高脂肪食で10カ月間の後、各群が類似の平均体重を有するように、処置群(n=8)にマウスを層別した。
【0220】
標準的な固形飼料への自由なアクセスを有する年齢がマッチした群を、標準的なコントロール群として含めた。
【0221】
実験の前に、マウスに、ビヒクル溶液を皮下で注射し(皮下)、3日間計量して、マウスを手順に順応させた。
【0222】
1)飼育したDIOマウスにおける血中グルコースに対する急性効果:開始時の血液サンプルを、ビヒクル(リン酸塩緩衝溶液)またはそれぞれ3、10および100μg/kgの用量におけるエキセンディン−4誘導体(リン酸塩緩衝液中に溶解)の第1の投与(皮下)の直前に、採取した。投与の容量は5mL/kgであった。これらの動物は、実験の間水およびそれらの対応する食餌にアクセスでき、食物消費を、血液サンプリングの全ての時点において決定した。血中グルコースレベルを、t=0.5時間、t=1時間、t=2時間、t=4時間、t=6時間、t=8時間およびt=24時間において測定した(方法:d−グルコースヘキソキナーゼ、溶血血液、AU640 Beckman Coulter)。血液サンプリングを、麻酔なしで尾部切開によって実施した。
【0223】
比較可能なデータは、雄性マウスを使用した場合にも得ることができる。
【0224】
2)体重に対する亜慢性効果:全ての動物を、明期(12時間の点灯)の開始時に、上記用量におけるビヒクルまたはエキセンディン−4誘導体のいずれかで、4週間にわたり、午前中に1日1回皮下処置した。体重を毎日記録した。6日目および28日目に、総脂肪塊を、Bruker minispec(Ettlingen、Germany)を使用して核磁気共鳴(NMR)によって測定した。
【0225】
比較可能なデータは、雌性マウスおよび雄性マウスの両方について得ることができる。
【0226】
統計分析を、反復測定2要因ANOVAおよびDunnett事後分析(グルコースプロファイル)ならびに1要因ANOVAとその後のDunnett事後検定(体重、体脂肪)によって、Everstat 6.0で実施した。ビヒクル処置DIOコントロールマウスに対する差異を、p<0.05レベルで統計的に有意とみなした。
【0227】
雌性レプチン受容体欠損糖尿病db/dbマウスにおける血中グルコースおよびHbA1cに対する、皮下処置後のエキセンディン−4誘導体の急性および亜慢性効果
雌性BKS.Cg−m+/+Leprdb/J(db/db)およびBKS.Cg−m+/+Leprdb/+(痩せコントロール)マウスを、9〜10週齢でCharles River Laboratories、Germanyから得た。これらの動物を、水およびげっ歯類標準固形飼料への自由なアクセスと共に、12時間の明/暗サイクルで、特定病原体除去障壁設備中で、群で収容した。1週間の順応後、血液サンプルを、麻酔なしに尾部から引き出し、血中グルコース(方法:d−グルコースヘキソキナーゼ、溶血血液、AU640 Beckman Coulter)およびHbA1cレベル(方法:溶血血液、Cobas6000 c501、Roche Diagnostics、Germany)を決定した。
【0228】
HbA1cは、そのレベルが、赤血球がその寿命の間に曝露されたグルコースの平均レベルを反映する、ヘモグロビンのグリコシル化形態である。マウスでは、HbA1cは、先行する4週間(マウスでの赤血球寿命は約47日間)の間の平均血中グルコースレベルについての適切なバイオマーカーである。
【0229】
db/dbマウスを、各群が類似のベースライン血中グルコースレベルおよびHbA1cレベルを有するように、処置群(n=8)にマウスを層別した。
【0230】
1)飼育したdb/dbマウスにおける血中グルコースに対する急性効果:開始時の血液サンプルを、ビヒクル(リン酸塩緩衝溶液)またはそれぞれ3、10および100μg/kgの用量におけるエキセンディン−4誘導体(リン酸塩緩衝液中に溶解)の第1の投与(皮下)の直前に、採取した。投与の容量は5mL/kgであった。これらの動物は、実験の間水および固形飼料にアクセスでき、食物消費を、血液サンプリングの全ての時点において決定した。血中グルコースレベルを、t=0.5時間、t=1時間、t=2時間、t=4時間、t=6時間、t=8時間およびt=24時間において測定した。血液サンプリングを、麻酔なしで尾部切開によって実施した。
【0231】
比較可能なデータは、雄性マウスを使用した場合にも得ることができる。
【0232】
2)血中グルコースおよびHbA1cに対する亜慢性効果:全ての動物を、上記用量におけるビヒクルまたはエキセンディン−4誘導体のいずれかで、4週間にわたり、1日1回皮下処置した。研究の最後に、血液サンプル(尾部、麻酔なし)を、グルコースおよびHbA1cについて分析した。
【0233】
比較可能なデータは、雌性マウスおよび雄性マウスの両方について得ることができる。
【0234】
統計分析を、反復測定2要因ANOVAおよびDunnett事後分析によって、Everstat 6.0で実施した。ビヒクル処置db/dbコントロールマウスに対する差異を、p<0.05レベルで統計的に有意とみなした。
【実施例】
【0235】
本発明は、以下の実施例によってさらに例示される。
【0236】
〔実施例1〕
配列番号4の合成
固相合成を、Novabiochem Rink−Amide樹脂(4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)−フェノキシアセトアミド−ノルロイシルアミノメチル樹脂)、100〜200メッシュ、0.34mmol/gのローディング上で実施した。このFmoc合成戦略を、HBTU/DIPEA活性化と共に適用した。14位においてFmoc−Lys(ivDde)−OHを、1位においてBoc−His(Boc)−OHを、この固相合成プロトコルにおいて使用した。ivDde基を、改変された文献手順(S.R.Chhabraら、Tetrahedron Lett.39、(1998)、1603)に従って、DMF中4%のヒドラジン水和物を使用して、樹脂上でペプチドから切断した。その後、Palm−Glu(γOSu)−OtBuを、遊離したアミノ基にカップリングした。ペプチドを、Kingカクテル(D.S.King、C.G.Fields、G.B.Fields、Int.J.Peptide Protein Res.36、1990、255〜266)によって樹脂から切断した。粗製生成物を、アセトニトリル/水勾配(共に0.1%TFAを有する緩衝液)を使用して、Watersカラム(Sunfire、Prep C18)上での分取HPLCを介して精製した。
【0237】
最後に、精製されたペプチドの分子量を、LC−MSによって確認した。
【0238】
〔実施例2〕
配列番号5の合成
固相合成を、Novabiochem Rink−Amide樹脂(4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)−フェノキシアセトアミド−ノルロイシルアミノメチル樹脂)、100〜200メッシュ、0.34mmol/gのローディング上で実施した。このFmoc合成戦略を、HBTU/DIPEA活性化と共に適用した。14位においてFmoc−Lys(ivDde)−OHを、1位においてBoc−His(Boc)−OHを、この固相合成プロトコルにおいて使用した。ivDde基を、改変された文献手順(S.R.Chhabraら、Tetrahedron Lett.39、(1998)、1603)に従って、DMF中4%のヒドラジン水和物を使用して、樹脂上でペプチドから切断した。その後、Palm(γOSu)を、遊離したアミノ基にカップリングした。ペプチドを、Kingカクテル(D.S.King、C.G.Fields、G.B.Fields、Int.J.Peptide Protein Res.36、1990、255〜266)によって樹脂から切断した。粗製生成物を、アセトニトリル/水勾配(共に0.1%TFAを有する緩衝液)を使用して、Watersカラム(Sunfire、Prep C18)上での分取HPLCを介して精製した。
【0239】
最後に、精製されたペプチドの分子量を、LC−MSによって確認した。
【0240】
〔実施例3〕
配列番号6の合成
固相合成を、Novabiochem Rink−Amide樹脂(4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)−フェノキシアセトアミド−ノルロイシルアミノメチル樹脂)、100〜200メッシュ、0.34mmol/gのローディング上で実施した。このFmoc合成戦略を、HBTU/DIPEA活性化と共に適用した。14位および40位においてFmoc−Lys(ivDde)−OHを、1位においてBoc−His(Boc)−OHを、この固相合成プロトコルにおいて使用した。ivDde基を、改変された文献手順(S.R.Chhabraら、Tetrahedron Lett.39、(1998)、1603)に従って、DMF中4%のヒドラジン水和物を使用して、樹脂上でペプチドから切断した。その後、Palm−Glu(γOSu)−OtBuを、遊離したアミノ基にカップリングした。ペプチドを、Kingカクテル(D.S.King、C.G.Fields、G.B.Fields、Int.J.Peptide Protein Res.36、1990、255〜266)によって樹脂から切断した。粗製生成物を、アセトニトリル/水勾配(共に0.1%TFAを有する緩衝液)を使用して、Watersカラム(Sunfire、Prep C18)上での分取HPLCを介して精製した。
【0241】
最後に、精製されたペプチドの分子量を、LC−MSによって確認した。
【0242】
〔実施例4〕
配列番号7の合成
固相合成を、Novabiochem Rink−Amide樹脂(4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)−フェノキシアセトアミド−ノルロイシルアミノメチル樹脂)、100〜200メッシュ、0.34mmol/gのローディング上で実施した。このFmoc合成戦略を、HBTU/DIPEA活性化と共に適用した。14位においてFmoc−Lys(ivDde)−OHを、1位においてBoc−His(Boc)−OHを、この固相合成プロトコルにおいて使用した。ivDde基を、改変された文献手順(S.R.Chhabraら、Tetrahedron Lett.39、(1998)、1603)に従って、DMF中4%のヒドラジン水和物を使用して、樹脂上でペプチドから切断した。その後、Fmoc−GABAを、カップリング試薬HBTU/DIPEAとその後のDMF中20%のピペリジンによるFmoc脱保護とを使用して、遊離アミノ基にカップリングした。最後に、パルミチン酸を、HBTU/DIPEAを使用して、GABAのアミノ基にカップリングした。ペプチドを、Kingカクテル(D.S.King、C.G.Fields、G.B.Fields、Int.J.Peptide Protein Res.36、1990、255〜266)によって樹脂から切断した。粗製生成物を、アセトニトリル/水勾配(共に0.1%TFAを有する緩衝液)を使用して、Watersカラム(Sunfire、Prep C18)上での分取HPLCを介して精製した。
【0243】
最後に、精製されたペプチドの分子量を、LC−MSによって確認した。
【0244】
〔実施例5〕
配列番号8の合成
固相合成を、Agilent Technologies Rink−Amide樹脂(4−[(2,4−ジメトキシフェニル)(Fmoc−アミノ)メチル]フェノキシアセトアミドメチル樹脂)、75〜150μm、0.38mmol/gのローディング上で実施した。このFmoc合成戦略を、HBTU/DIPEA活性化と共に適用した。14位においてFmoc−Lys(ivDde)−OHを、1位においてBoc−His(Boc)−OHを、この固相合成プロトコルにおいて使用した。ivDde基を、改変された文献手順(S.R.Chhabraら、Tetrahedron Lett.39、(1998)、1603)に従って、DMF中4%のヒドラジン水和物を使用して、樹脂上でペプチドから切断した。その後、Fmoc−Glu−OtBuを、活性化のためのHBTU/DIPEAとその後のDMF中20%のピペリジンによるFmoc基の除去とを使用して、遊離アミノ基にカップリングした。ステアリン酸を、HBTU/DIPEAによる活性化後に、生じたアミノ基にカップリングした。ペプチドを、Kingカクテル(D.S.King、C.G.Fields、G.B.Fields、Int.J.Peptide Protein Res.36、1990、255〜266)によって樹脂から切断した。粗製生成物を、アセトニトリル/水勾配(共に0.1%TFAを有する緩衝液)を使用して、Watersカラム(Sunfire、Prep C18)上での分取HPLCを介して精製した。
【0245】
最後に、精製されたペプチドの分子量を、LC−MSによって確認した。
【0246】
〔実施例6〕
配列番号9の合成
固相合成を、Agilent Technologies Rink−Amide樹脂(4−[(2,4−ジメトキシフェニル)(Fmoc−アミノ)メチル]フェノキシアセトアミドメチル樹脂)、75〜150μm、0.38mmol/gのローディング上で実施した。このFmoc合成戦略を、HBTU/DIPEA活性化と共に適用した。14位においてFmoc−Lys(ivDde)−OHを、1位においてBoc−His(Boc)−OHを、この固相合成プロトコルにおいて使用した。ivDde基を、改変された文献手順(S.R.Chhabraら、Tetrahedron Lett.39、(1998)、1603)に従って、DMF中4%のヒドラジン水和物を使用して、樹脂上でペプチドから切断した。その後、Fmoc−Glu−OtBuを、活性化のためのHBTU/DIPEAとその後のDMF中20%のピペリジンによるFmoc基の除去とを使用して、遊離アミノ基にカップリングした。4−ドデシルオキシ安息香酸を、HBTU/DIPEAによる活性化後に、生じたアミノ基にカップリングした。ペプチドを、Kingカクテル(D.S.King、C.G.Fields、G.B.Fields、Int.J.Peptide Protein Res.36、1990、255〜266)によって樹脂から切断した。粗製生成物を、アセトニトリル/水勾配(共に0.1%TFAを有する緩衝液)を使用して、Watersカラム(Sunfire、Prep C18)上での分取HPLCを介して精製した。
【0247】
最後に、精製されたペプチドの分子量を、LC−MSによって確認した。
【0248】
〔実施例7〕
配列番号10の合成
固相合成を、Agilent Technologies Cl−Trt−Cl樹脂(ジビニルベンゼンで架橋された2,α−ジクロロベンズヒドリル−ポリスチレン)、75〜150μm、1.4mmol/gのローディング上で実施した。Fmoc−Ser−OAllylを、文献(S.Ficht、R.J.Payne、R.T.Guy、C.−H.Wong、Chem.Eur.J.14、2008、3620〜3629)に従って合成し、ジクロロメタン中のDIPEAを使用して、側鎖ヒドロキシル官能基を介してCl−Trt−Cl樹脂にカップリングした。このFmoc合成戦略を、HBTU/DIPEA活性化と共に適用した。14位においてFmoc−Lys(ivDde)−OHを、1位においてBoc−His(Boc)−OHを、この固相合成プロトコルにおいて使用した。ivDde基を、改変された文献手順(S.R.Chhabraら、Tetrahedron Lett.39、(1998)、1603)に従って、DMF中4%のヒドラジン水和物を使用して、樹脂上でペプチドから切断した。その後、Fmoc−Glu−OtBuを、活性化のためのHBTU/DIPEAとその後のDMF中20%のピペリジンによるFmoc基の除去とを使用して、遊離アミノ基にカップリングした。パルミチン酸を、HBTU/DIPEAによる活性化後に、生じたアミノ基にカップリングした。アリル−エステル基を、文献(S.Ficht、R.J.Payne、R.T.Guy、C.−H.Wong、Chem.Eur.J.14、2008、3620〜3629)に記載された手順と、その後のDMF中のHOBt/DICによるC末端の活性化およびn−プロピルアミンの添加とを使用することによって、除去した。ペプチドを、Kingカクテル(D.S.King、C.G.Fields、G.B.Fields、Int.J.Peptide Protein Res.36、1990、255〜266)によって樹脂から切断した。粗製生成物を、アセトニトリル/水勾配(共に0.1%TFAを有する緩衝液)を使用して、Watersカラム(Sunfire、Prep C18)上での分取HPLCを介して精製した。
【0249】
最後に、精製されたペプチドの分子量を、LC−MSによって確認した。
【0250】
同様の方法で、表2に列挙された他のペプチドを合成した。
【0251】
【表15】
【0252】
【表16】
【0253】
【表17】
【0254】
【表18】
【0255】
【表19】
【0256】
同様の方法で、表3の以下のペプチドが合成され得る:
【0257】
【表20】
【0258】
〔実施例8〕
化学的安定性および溶解度
ペプチド性化合物の溶解度および化学的安定性を、方法に記載されるように評価した。結果を表4に示す。
【0259】
【表21】
【0260】
〔実施例9〕
GLP−1およびグルカゴン受容体に関するin vitroデータ
GLP−1およびグルカゴン受容体におけるペプチド性化合物の効力を、方法に記載されるように、ヒトグルカゴン受容体(hGlucagon R)を発現する細胞またはヒトGLP−1受容体(hGLP−1 R)を発現する細胞を、漸増する濃度の列挙した化合物に曝露させ、形成されたcAMPを測定することによって決定した。
【0261】
結果を表5に示す:
【0262】
【表22】
【0263】
【表23】
【0264】
【表24】
【0265】
【表25】
【0266】
〔実施例10〕
薬物動態試験
薬物動態プロファイルを、方法に記載されるように決定した。計算されたT1/2およびcmax値を表6に示す。
【0267】
【表26】
【0268】
〔実施例11〕
雌性NMRIマウスにおける胃排出および腸通過に対する配列番号97の効果
平均体重25〜30gの雌性NMRIマウスは、着色ボーラスの投与の30分前に、0.02mg/kgの配列番号97、参照化合物としてのリラグルチド(配列番号195)、またはリン酸緩衝食塩水(ビヒクルコントロール)を皮下で受けた。30分後、胃の内容物および腸通過の評価を行った(図1a、b)。
【0269】
別の研究では、平均体重25〜30gの雌性NMRIマウスに、着色ボーラスの投与の30分前に、0.02mg/kgおよび0.002mg/kgの配列番号97またはリン酸緩衝食塩水(ビヒクルコントロール)を皮下投与した。30分後、胃の内容物および腸通過の評価を行った(図1c、d)。
【0270】
参照化合物リラグルチドを用いた研究では、配列番号97は、腸通過を67%(それぞれ44%および34%に対して)低減させ、胃内容物を90%(それぞれ19%および21%に対して)増加させた(ビヒクルコントロールおよびコンパレーターに対してp<0.0001、1−W−ANOVA、その後のNewman−Keul事後検定)(図1a、b)。
【0271】
配列番号97を、PBSコントロールに対して0.02mg/kgおよび0.002mg/kg、皮下で試験した場合、腸通過は、それぞれ43%および63%低減され、胃内容物は、それぞれ37%および47%増加した(ビヒクルコントロールに対してp<0.0001、1−W−ANOVA、その後のDunnett事後検定)(図1c、d)。
【0272】
〔実施例12〕
雌性NMRIマウスにおける22時間の食物摂取に対する配列番号97の効果
平均体重25〜30gの飼育した雌性NMRIマウスに、摂食モニタリングの開始直前に、0.01mg/kgまたは0.1mg/kgの配列番号97またはリン酸緩衝食塩水(ビヒクルコントロール)を皮下投与した(時間=0時間)。消灯期(暗期)は、4時間後に開始した。
【0273】
試験した用量で、配列番号97は、飼料摂取の用量依存的低減を実証し、研究の最後において、それぞれ23%(p<0.0001)および66%(p<0.0001、2−W−ANOVA−RM、事後Dunnett検定)に達した(図2)。
【0274】
〔実施例13〕
雌性食餌誘発性肥満(DIO)C57BL/6NCrlマウス(高脂肪食で10カ月間)における血中グルコースおよび体重に対する、皮下処置後の配列番号97の急性および亜慢性効果
1)グルコースプロファイル
血中グルコースベースラインレベルを決定するための血液サンプリングの後に、飼育した食餌誘発性肥満雌性C57BL/6NCrlマウスに、3、10もしくは100μg/kgの配列番号97またはリン酸塩緩衝溶液(標準食または高脂肪食に対するビヒクルコントロール)を皮下投与した。予め規定された時点で、追加の血液サンプルを採取し、24時間にわたって、血中グルコースを測定し、血中グルコースプロファイルを生成した。
【0275】
試験した用量で、配列番号97は、DIOコントロールマウと比較して、低用量群および中間用量群で少なくとも8時間、ならびに高用量群で>24時間持続する、血中グルコースにおける顕著な用量依存的減少を実証した(p<0.0001、2−W−ANOVA−RM、事後Dunnett検定;図3、平均±SEM)。
【0276】
2)体重
雌性肥満C57BL/6NCrlマウスを、明期(12時間の点灯)の開始時に、3、10もしくは100μg/kgの配列番号97またはビヒクルで、4週間にわたり、午前中に1日1回皮下処置した。体重を毎日記録し、体脂肪含量を、処置の開始前および4週間の処置後に決定した。
【0277】
配列番号97による処置は体重を低減させたが、高脂肪食コントロール群では、体重における増加が観察できた。これらの変化は、体脂肪含量における絶対的変化によって示されるように、体脂肪における減少(またはHFDコントロール群では増加)から生じた。これらの変化は、中間用量群および高用量群において統計的有意に達した(:p<0.05、1−W−ANOVA、事後Dunnett検定、表7)。
【0278】
【表27】
【0279】
〔実施例14〕
雌性レプチン受容体欠損糖尿病db/dbマウスにおける血中グルコースおよびHbA1cに対する、皮下処置後の配列番号97の急性および亜慢性効果
1.グルコースプロファイル
血中グルコースベースラインレベルを決定するための血液サンプリングの後に、飼育した糖尿病雌性db/dbマウスに、3、10もしくは100μg/kgの配列番号97またはリン酸塩緩衝溶液(ビヒクル処置db/dbコントロール)を皮下投与した。予め規定された時点で、追加の血液サンプルを採取し、24時間にわたって、血中グルコースを測定し、血中グルコースプロファイルを生成した。
【0280】
試験した用量で、配列番号97は、db/dbコントロールマウスと比較して、低用量群および中間用量群で最大8時間、ならびに高用量群で>24時間持続する、血中グルコースにおける顕著な減少を実証した(痩せコントロールマウスについてp<0.0001;低用量および中間用量について処置の1〜8時間後にp<0.01、高用量について4〜24時間はp≦0.0002;2−W−ANOVA−RM、事後Dunnett検定;図4、平均±SEM)。
【0281】
2.血中グルコースおよびHbA1c
雌性糖尿病マウスを、3、10もしくは100μg/kgの配列番号97またはビヒクルで、4週間にわたって1日1回皮下処置した。血中グルコースおよびHbA1cを、処置の開始前および4週間の処置後の研究の最後に決定した。
【0282】
処置を開始する前には、血中グルコースレベルにおける有意な差異は、db/db群間で検出できず、痩せコントロール動物のみが有意により低いグルコースレベルを有した。4週間の処置の間、グルコースレベルは、ビヒクル処置db/dbコントロール群において増加し、これは、糖尿病状態の増悪を示す。全ての配列番号97処置動物は、研究の最後に、dbコントロールマウスよりも有意に低い血中グルコースレベルを示した(痩せコントロールマウスについてp<0.0001;配列番号97群においてp<0.01;2−W−ANOVA−RM、事後Dunnett検定;図5、平均±SEM)。
【0283】
血中グルコースと対応して、研究の開始時に、HbA1cレベルにおける有意な差異は、db/db群間で検出できず、痩せコントロール動物のみが有意により低いレベルを有した。4週間の処置の間、HbA1cは、増加する血中グルコースレベルと対応して、ビヒクル処置db/dbコントロール群において増加した。高用量の配列番号97で処置した動物は、研究の最後に、dbコントロールマウスよりも有意に低いHbA1cレベルを示した(p<0.0001、2−W−ANOVA−RM、事後Dunnett検定;図6、平均±SEM)。
【0284】
〔実施例15〕
比較試験
14位において官能化アミノ酸を含む本発明のエキセンディン−4誘導体の選択を、この14位に「非官能化」アミノ酸を有する対応する化合物に対して試験してきた。参照ペア化合物ならびにGLP−1およびグルカゴン受容体における対応するEC50値(pMで示される)を表8に示す。示されるように、本発明のエキセンディン−4誘導体は、14位において「非官能化」アミノ酸を有する化合物と比較して、優れた活性を示す。
【0285】
【表28】
【0286】
〔実施例16〕
雄性食餌誘発性肥満(DIO)C57BL/6NCrlマウスにおける体重に対する、皮下処置後の配列番号24の急性および慢性効果
体重
雄性肥満C57BL/6NCrlマウスを、0.5、1.5、5もしくは15μg/kgの配列番号24またはビヒクルで、3週間にわたり、1日2回皮下処置した。体重を毎日記録し、体脂肪含量を、処置の開始前および3週間の処置後に決定した。
【0287】
配列番号24による処置は、1.5、5および15μg/kgの投薬量で、体重を有意に低減させた(:p<0.05、1−W−ANOVA、事後Dunnett検定、表9、図7および8)。これらの変化は、体脂肪含量における絶対的変化によって示されるように、体脂肪における減少から生じた(表9、図9)。
【0288】
【表29】
【0289】
〔実施例17〕
雌性レプチン受容体欠損糖尿病db/dbマウスにおける血中グルコースおよびHbA1cに対する、皮下処置後の配列番号24の急性および慢性効果
1.グルコースプロファイル
血中グルコースベースラインレベルを決定するための血液サンプリングの後に、飼育した糖尿病雌性db/dbマウスに、50μg/kgの配列番号24またはリン酸塩緩衝溶液(ビヒクル処置db/dbコントロール)を1日2回皮下投与した。予め規定された時点で、追加の血液サンプルを採取し、24時間にわたって、血中グルコースを測定し、血中グルコースプロファイルを生成した。
【0290】
試験した用量で、配列番号24は、db/dbコントロールマウスと比較して、>24時間持続する血中グルコースにおける有意な減少を実証した(p<0.001;2−W−ANOVA−RM、事後Dunnett検定;図10、平均±SEM)。
【0291】
2.血中グルコースおよびHbA1c
雌性糖尿病マウスを、50μg/kgの配列番号24またはビヒクルで、4週間にわたって1日2回皮下処置した。血中グルコースおよびHbA1cを、処置の開始前および4週間の処置後の研究の最後に決定した。
【0292】
処置を開始する前には、血中グルコースレベルにおける有意な差異は、db/db群間で検出できず、痩せコントロール動物のみが有意により低いグルコースレベルを有した。4週間の処置の間、グルコースレベルは、ビヒクル処置db/dbコントロール群において増加し、これは、糖尿病状態の増悪を示す。全ての配列番号24処置動物は、研究の最後に、dbコントロールマウスよりも有意に低い血中グルコースレベルを示した(配列番号24群においてp<0.01;2−W−ANOVA−RM、事後Dunnett検定;図11、平均±SEM)。
【0293】
血中グルコースと対応して、研究の開始時に、HbA1cレベルにおける有意な差異は、db/db群間で検出できず、痩せコントロール動物のみが有意により低いレベルを有した。4週間の処置の間、HbA1cは、増加する血中グルコースレベルと対応して、ビヒクル処置db/dbコントロール群において増加した。配列番号24で処置した動物は、研究の最後に、dbコントロールマウスよりも有意に低いHbA1cレベルを示した(
p<0.001、2−W−ANOVA−RM、事後Dunnett検定;図12、平均±SEM)。
【0294】
【表30】
【0295】
【表31】
【0296】
【表32】
【0297】
【表33】
【0298】
【表34】
【0299】
【表35】
【0300】
【表36】
【0301】
【表37】
【0302】
【表38】
図1-1】
図1-2】
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【配列表】
2015532297000001.app
【手続補正書】
【提出日】2014年8月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
−Z−R (I)
を有するペプチド性化合物またはその塩もしくは溶媒和物であって、
式中、
Zは、式(II)
His−X2−X3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−X14−X15−X16−X17−X18−Ala−X20−X21−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−X28−X29−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−X35−Pro−Pro−Pro−X39−X40
(II)
を有するペプチド部分であり、
X2は、Ser、D−SerおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X3は、Gln、Hisおよびα−アミノ官能化Glnから選択されるアミノ酸残基を表し、ここで、Glnは、α−NH基のHが(C〜C)−アルキルによって置換されているという点で官能化されていてもよく、
X14は、Lys、Orn、DabおよびDapから選択されるアミノ酸残基を表し、ここで、−NH側鎖基は、−C(O)−Rによって官能化されており、
X15は、GluおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16は、Ser、LysおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17は、Arg、Glu、Gln、LeuおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18は、ArgおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X20は、Gln、Arg、LysおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、Asp、LeuおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28は、Asn、Arg、Lys、Aib、Ser、Glu、AspおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29は、Gly、Ala、D−AlaおよびThrから選択されるアミノ酸残基を表し、
X35は、AlaまたはGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X39は、Serであるかまたは存在せず、
X40は、存在しないかまたはLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、−C(O)−Rによって官能化され得、
は、非環状の直鎖もしくは分枝鎖の(C〜C30)飽和もしくは不飽和炭化水素基、および/または環状の飽和、不飽和もしくは芳香族の基から選択される親油性部分であり、ここで、該親油性部分は、全ての立体異性形態の(β−Ala)1〜4、(γ−Glu)1〜4、(ε−Ahx)1〜4もしくは(GABA)1〜4から選択されるリンカーによって−NH側鎖基に結合されていてもよく;
は、該ペプチド性化合物のN末端基を表し、NHおよびモノ官能化NHまたはビス官能化NHから選択され、
は、該ペプチド性化合物のC末端基を表し、
(i)OHまたは官能化OH、および
(ii)NHまたはモノ官能化NHもしくはビス官能化NH
から選択され、
該化合物は、二重GLP−1およびグルカゴン受容体アゴニストである、
前記ペプチド性化合物またはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項2】
X14は、Lys、Orn、DabおよびDapから選択されるアミノ酸残基を表し、ここで、−NH側鎖基は、−C(O)−Rによって官能化されており、
X40は、Lys、Orn、DabおよびDapから選択されるアミノ酸残基を表し、ここで、−NH側鎖基は、−C(O)−Rによって官能化されていてもよく、
−C(O)−Rは、
(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−、4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、4−((Z)−オクタデカ−9−エノイルアミノ)−ブチリル−、6−[(4,4−ジフェニル−シクロヘキシルオキシ)−ヒドロキシ−ホスホリルオキシ]−ヘキサノイル−、ヘキサデカノイル−、(S)−4−カルボキシ−4−(15−カルボキシ−ペンタデカノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−{3−[3−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−プロピオニルアミノ]−プロピオニルアミノ}−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−[6−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−ヘキサノイルアミノ]−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−((2S,3R,4S,5R)−5−カルボキシ−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタノイルアミノ)−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−テトラデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−(11−ベンジルオキシカルボニル−ウンデカノイルアミノ)−4−カルボキシ−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−[11−((2S,3R,4R,5R)−2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシ−ヘキシルカルバモイル)−ウンデカノイルアミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((Z)−オクタデカ−9−エノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−(4−ドデシルオキシ−ベンゾイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−ヘンイコサノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−ドコサノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((Z)−ノナデカ−10−エノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−(4−デシルオキシ−ベンゾイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−(12−フェニル−ドデカノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−イコサノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、3−(3−オクタデカノイルアミノ−プロピオニルアミノ)−プロピオニル−、3−(3−ヘキサデカノイルアミノ−プロピオニルアミノ)−プロピオニル−、3−ヘキサデカノイルアミノ−プロピオニル−、(S)−4−カルボキシ−4−[(R)−4−((3R,5S,7R,8R,9R,10S,12S,13R,14R,17R)−3,7,12−トリヒドロキシ−8,10,13−トリメチル−ヘキサデカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル)−ペンタノイルアミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−[(R)−4−((3R,5R,8R,9S,10S,13R,14S,17R)−3−ヒドロキシ−10,13−ジメチル−ヘキサデカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル)−ペンタノイルアミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((9S,10R)−9,10,16−トリヒドロキシ−ヘキサデカノイルアミノ)−ブチリル−、テトラデカノイル−、11−カルボキシ−ウンデカノイル−、11−ベンジルオキシカルボニル−ウンデカノイル、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−テトラデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、6−[ヒドロキシ−(ナフタレン−2−イルオキシ)−ホスホリルオキシ]−ヘキサノイル−、6−[ヒドロキシ−(5−フェニル−ペンチルオキシ)−ホスホリルオキシ]−ヘキサノイル−、4−(ナフタレン−2−スルホニルアミノ)−4−オキソ−ブチリル−、4−(ビフェニル−4−スルホニルアミノ)−4−オキソ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−2−{(S)−4−カルボキシ−2−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−2−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−2−{(S)−4−カルボキシ−2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリル、2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル−、2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[(S)−4−カルボキシ−4−(19−カルボキシ−ノナデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリルアミノ)−ブチリル、2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(16−1H−テトラゾール−5−イル−ヘキサデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル、2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(16−カルボキシ−ヘキサデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{(S)−4−カルボキシ−4−[10−(4−カルボキシ−フェノキシ)−デカノイルアミノ]−ブチリルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(7−カルボキシ−ヘプタノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(11−カルボキシ−ウンデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(13−カルボキシ−トリデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(15−カルボキシ−ペンタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル、および(S)−4−カルボキシ−4−{(S)−4−カルボキシ−4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(19−カルボキシ−ノナデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチリル
から選択される、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
はNHであり、
はNHであり、または
およびRはNHである、
請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
X14は、基−C(O)Rで官能化されているLysであり、ここで、Rは、請求項1または2に記載されるとおりである、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
X14は、基−C(O)Rで官能化されているLysであり、ここで、Rは、−NH側鎖基に直接結合された、または全ての立体異性形態のβ−Ala、γ−Glu、β−Ala−β−Alaおよびγ−Glu−γ−Gluの群から選択されるリンカーによって−NH側鎖基に結合された親油性部分、非環状の直鎖または分枝鎖の(C12〜C22)飽和炭化水素基を含む、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
X2は、D−SerおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X3はGlnを表し、
X14は、LysおよびOrnから選択されるアミノ酸残基を表し、ここで、−NH側鎖基は、−C(O)−Rによって官能化されており、
X15は、GluおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16は、SerおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17は、Arg、GlnおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18は、ArgおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X20は、Gln、Arg、LysおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、Asp、LeuおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28は、Asn、Arg、Lys、Aib、SerおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29は、Gly、AlaまたはThrから選択されるアミノ酸残基を表し、
X35はAlaを表し、
X39は、Serであるかまたは存在せず、
X40は、存在しないかまたはLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、−C(O)−Rによって官能化され得、
−C(O)−Rは、請求項1に規定されるとおりである、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
X20は、Gln、LysおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表す、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
X2は、D−SerおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X3はGlnを表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、3−(3−オクタデカノイルアミノ−プロピオニル−アミノ)−プロピオニル−、4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−、4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、4−((Z)−オクタデカ−9−エノイルアミノ)−ブチリル−、ヘキサデカノイル−、(S)−4−カルボキシ−4−((Z)−オクタデカ−9−エノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−(4−ドデシルオキシ−ベンゾイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−ヘンイコサノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−ドコサノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((Z)−ノナデカ−10−エノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−(4−デシルオキシ−ベンゾイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−(12−フェニル−ドデカノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−{3−[(R)−2,5,7,8−テトラメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチル−トリデシル)−クロマン−6−イルオキシカルボニル]−プロピオニルアミノ}−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエノイルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−および(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−から選択される基のうち1つによって官能化されており、
X15はGluを表し、
X16はSerを表し、
X17は、Arg、GlnおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18はAlaを表し、
X20はGlnを表し、
X21はAspを表し、
X28はAlaを表し、
X29はGlyを表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
X2はAibを表し、
X3はGlnを表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−および(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化されており;
X15は、AspおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16は、SerおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17は、GlnおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18はAlaを表し、
X20は、GlnおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、AspおよびLeuから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28はAlaを表し、
X29は、GlyおよびD−Alaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
X2はD−Serを表し、
X3はGlnを表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−またはヘキサデカノイル−によって官能化されており;
X15は、GluおよびAspから選択されるアミノ酸残基を表し、
X16は、SerおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17は、Arg、Gln、LysおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18は、Arg、LysおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X20は、Gln、LysおよびAibから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、AspおよびLeuから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28は、AlaおよびAsnから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29はGlyを表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
X2は、AibおよびD−Serから選択されるアミノ酸残基を表し;
X3は、GlnおよびHisから選択されるアミノ酸残基を表し;
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、3−(3−オクタデカノイルアミノ−プロピオニルアミノ)−プロピオニル−、3−(3−ヘキサデカノイルアミノ−プロピオニルアミノ)−プロピオニル−、(S)−4−カルボキシ−4−ヘンイコサノイルアミノ−ブチリル−、4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−および4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−から選択される基のうち1つによって官能化されており、
X15は、AspおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し;
X16は、SerおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し;
X17は、Arg、Gln、Lys、AibおよびLeuから選択されるアミノ酸残基を表し;
X18は、ArgおよびAlaから選択されるアミノ酸残基を表し;
X20は、Gln、AibおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し;
X21は、Asp、GluおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し;
X28は、Asn、Ser、Aib、AlaおよびArgから選択されるアミノ酸残基を表し;
X29は、Gly、Thr、AlaおよびD−Alaから選択されるアミノ酸残基を表し;
X35はAlaを表し;
X39はSerを表し、
X40は存在しない、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
14位における官能化Lysは、そのε−アミノ基において−C(O)−Rで官能化されており、−C(O)−Rは、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイル−アミノ−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル、ヘキサデカノイルまたはオクタデカノイルである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
X2は、AibおよびD−Serから選択されるアミノ酸残基を表し;
X3はGlnを表し;
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイル−アミノ−ブチリル、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル、ヘキサデカノイルまたはオクタデカノイルから選択される基のうち1つによって官能化されており;
X15はGluを表し;
X16はSerを表し;
X17は、Arg、GlnおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し;
X18はAlaを表し;
X20はGlnを表し;
X21はAspを表し;
X28はAlaを表し;
X29はGlyを表し;
X35はAlaを表し;
X39はSerを表し、
X40は存在しない、
請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
X2はAibを表し、
X3はGlnを表し、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、特に(S)−4−カルボキシ−4−ヘニコサノイルアミノ−ブチリル−および(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化されており;
X15はAspを表し、
X16は、LysおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X17は、ArgおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X18は、AlaおよびArgから選択されるアミノ酸残基を表し、
X20は、GlnおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X21は、AspおよびLeuから選択されるアミノ酸残基を表し、
X28はAlaを表し、
X29は、GlyおよびD−Alaから選択されるアミノ酸残基を表し、
X35はAlaを表し、
X39はSerであり、
X40は存在しない、
請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
配列番号4〜181の化合物またはその塩もしくは溶媒和物から選択される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
配列番号4〜181、196〜223、226〜229の化合物またはその塩もしくは溶媒和物から選択される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
酸性pH値、例えば25℃でpH4.5および/または生理学的pH値、例えば25℃でpH7.4における高い溶解度を有し、前記pH値(単数および/または複数)における溶解度は、特に少なくとも0.5mg/mlまたは少なくとも1.0mg/mlである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
医薬、特にヒト医薬における使用のための、請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
少なくとも1種の医薬的に許容される担体と一緒になって、医薬組成物中に活性薬剤として存在する、請求項18に記載の使用のための化合物。
【請求項20】
インスリンおよびインスリン誘導体、GLP−1、GLP−1アナログおよびGLP−1受容体アゴニスト、ポリマー結合型GLP−1およびGLP−1アナログ、二重GLP1/GIPアゴニスト、PYY3−36もしくはそのアナログ、膵臓ポリペプチドもしくはそのアナログ、グルカゴン受容体アゴニスト、GIP受容体アゴニストもしくはアンタゴニスト、グレリンアンタゴニストもしくはインバースアゴニスト、ゼニン(Xenin)およびそのアナログ、DDP−IV阻害剤、SGLT2阻害剤、二重SGLT2/SGLT1阻害剤、ビグアナイド チアゾリジンジオン、二重PPARアゴニスト、スルホニルウレア、メグリチニド、アルファ−グルコシダーゼ阻害剤、アミリンおよびアミリンアナログ、GPR119アゴニスト、GPR40アゴニスト、GPR120アゴニスト、GPR142アゴニスト、全身性もしくは低吸収性TGR5アゴニスト、サイクロセット(Cycloset)、11−ベータ−HSDの阻害剤、グルコキナーゼのアクチベータ、DGATの阻害剤、タンパク質チロシンホスファターゼ1の阻害剤、グルコース−6−ホスファターゼの阻害剤、フルクトース−1,6−ビスホスファターゼの阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼの阻害剤、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼの阻害剤、グリコーゲンシンターゼキナーゼの阻害剤、ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼの阻害剤、アルファ2−アンタゴニスト、CCR−2アンタゴニスト、グルコーストランスポーター−4のモジュレータ、ソマトスタチン受容体3アゴニスト、HMG−CoA−レダクターゼ阻害剤、フィブラート、ニコチン酸およびその誘導体、ニコチン酸受容体1アゴニスト、PPAR−アルファ、ガンマもしくはアルファ/ガンマ)アゴニストもしくはモジュレータ、PPAR−デルタアゴニスト、ACAT阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、胆汁酸結合物質、IBAT阻害剤、MTP阻害剤、PCSK9のモジュレータ、肝臓選択的甲状腺ホルモン受容体βアゴニストによるLDL受容体上方調節剤、HDL上昇化合物、脂質代謝モジュレータ、PLA2阻害剤、ApoA−Iエンハンサー、甲状腺ホルモン受容体アゴニスト、コレステロール合成阻害剤、オメガ−3脂肪酸およびその誘導体、シブトラミン、テソフェンシン、オルリスタット、CB−1受容体アンタゴニスト、MCH−1アンタゴニスト、MC4受容体アゴニストおよび部分アゴニスト、NPY5もしくはNPY2アンタゴニスト、NPY4アゴニスト、ベータ−3−アゴニスト、レプチンもしくはレプチン模倣物、5HT2c受容体のアゴニスト、またはブプロピオン/ナルトレキソン(CONTRAVE)、ブプロピオン/ゾニサミド(EMPATIC)、ブプロピオン/フェンテルミンもしくはプラムリンチド/メトレレプチンの組合せ、QNEXA(フェンテルミン+トピラマート)、リパーゼ阻害剤、血管新生阻害剤、H3アンタゴニスト、AgRP阻害剤、三重モノアミン取り込み阻害剤(ノルエピネフリンおよびアセチルコリン)、MetAP2阻害剤のような肥満の処置のための活性物質、カルシウムチャネルブロッカージルチアゼムの経鼻製剤、線維芽細胞増殖因子受容体4の産生に対するアンチセンス、プロヒビチン標的化ペプチド−1、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、ACE阻害剤、ECE阻害剤、利尿剤、ベータ−ブロッカー、カルシウムアンタゴニスト、中枢作用昇圧剤、アルファ−2−アドレナリン受容体のアンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼの阻害剤、血小板凝集阻害剤のような高血圧、慢性心不全もしくはアテローム動脈硬化症に影響を与えるための薬物のシリーズから選択される少なくとも1種のさらなる治療的に活性な薬剤と一緒になった、請求項18または19に記載の使用のための化合物。
【請求項21】
特にGLP−1化合物および/またはインスリン性化合物および/または胃腸ペプチドである少なくとも1種のさらなる治療的に活性な薬剤と一緒になった、請求項18または19に記載の使用のための化合物。
【請求項22】
特にインスリンまたはインスリン誘導体である少なくとも1種のさらなる治療的に活性な薬剤と一緒になった、請求項18または19に記載の使用のための化合物。
【請求項23】
医薬組成物が、非経口投与のためのものであり、好ましくは単一用量の注射可能な形態、特にペンの形態である、請求項18または19に記載の使用のための化合物。
【請求項24】
高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満、メタボリックシンドロームおよび神経変性障害の処置もしくは予防のため、特に2型糖尿病における疾患進行を遅延もしくは予防するため、メタボリックシンドロームを処置するため、肥満を処置するためもしくは体重過多を予防するため、食物摂取を減少させるため、エネルギー消費を増加させるため、体重を低減させるため、耐糖能障害(IGT)から2型糖尿病への進行を遅延させるため;2型糖尿病からインスリン依存型糖尿病への進行を遅延させるため;食欲を調節するため;満腹を誘導するため;体重減少の成功後の体重再増加を予防するため;体重過多もしくは肥満に関連する疾患もしくは状態を処置するため;過食症を処置するため;
気晴らし食いを処置するため;アテローム動脈硬化症、高血圧症、IGT、脂質異常症、冠動脈性心疾患、脂肪肝を処置するため、ベータ−ブロッカー中毒の処置のため、X線、CTスキャニングおよびNMRスキャニングなどの技術を使用した胃腸管の調査と関連して有用な、胃腸管の運動性を阻害するための使用のための、
請求項18〜23のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
【請求項25】
高血糖症、2型糖尿病、肥満およびメタボリックシンドロームの処置もしくは予防のため、または体重を低減させるための、請求項18〜24のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
【請求項26】
肥満および糖尿病の同時処置のための、請求項18〜24のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
【国際調査報告】