【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、式(I)に対応する化合物を目的とし、
【化1】
式中、
Aは、
【化2】
から選択される二価基を表し:
R
1は、(C
1〜C
4)アルキルを表し;
R
2は、(C
1〜C
3)アルキルを表し;
R
3は、−NR
7R
8基を表し、R
7およびR
8は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、4〜6員環を含み別の1つの窒素原子を含んでもよい飽和複素環を構成し;前記複素環は、非置換である、または以下の基:
・1、2、または3個のハロゲン原子、もしくは
・非置換である、もしくは1、2、もしくは3個のハロゲン原子で置換された(C
1〜C
3)アルコキシ
の少なくとも1つで置換された少なくとも1つの(C
1〜C
3)アルキルによって置換されており;
R
4はハロゲン原子を表す。
【0012】
式(I)の化合物は、1つまたは複数の非対称の炭素原子を含むことができる。したがって、これらはエナンチオマーまたはジアステレオ異性体の形態で存在することができる。これらのエナンチオマー、ジアステレオ異性体、ならびにラセミ混合物を含むこれらの混合物は、本発明に包含される。
【0013】
式(I)の化合物は、塩基の形態、または酸もしくは塩基、特に薬学的に許容される酸もしくは塩基によって塩に転化した形態で存在できる。かかる付加塩は本発明に包含される。
【0014】
有利には、これらの塩は薬学的に許容される酸または塩基によって調製されるが、例えば式(I)の化合物の精製または分離に有用な他の酸または塩基の塩も本発明に包含される。
【0015】
ハロゲン原子は、臭素、塩素、フッ素、ヨウ素の原子を意味する。
【0016】
アルキルは、炭素原子の1〜4個の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第2ブチル基、第3ブチル基を意味する。
【0017】
アルコキシは、炭素原子の1〜3個の直鎖状または分枝鎖状のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロキシ基、イソプロキシ基、ブトキシ基を意味する。
【0018】
複素環は、この環を形成する4〜6個の原子を含み、1または2個が選択されたヘテロ原子である環状アルキル基を意味する。特に、ピロリジン基、イミダゾリン基、ピペリジン基、ピラゾリジン基、ピペラジン基が挙げられる。
【0019】
本発明による式(I)の化合物には、化合物の下位群を挙げられ、式中Aは以下を表す。
【化3】
【0020】
他の式(I)の化合物の下位群は、Aが以下を表すものである。
【化4】
【0021】
他の式(I)の化合物の下位群は、R
1がn−プロピル基を表すものである。
【0022】
他の式(I)の化合物の下位群は、R
3が非置換である、または以下の基:
・1、2、もしくは3個のハロゲン原子、もしくは
・非置換である、もしくは1、2、もしくは3個のハロゲン原子によって置換された(C
1〜C
3)アルコキシ
の少なくとも1つで置換された少なくとも1つの(C
1〜C
3)アルキルによって置換されているピペラジン基を表すものである。
【0023】
他の式(I)の化合物の下位群は、R
4が塩素原子を表すものである。
【0024】
個別または組み合わせた上記の下位群も本発明に包含される。
【0025】
本発明の目的である式(I)の化合物には、特に、塩基、または酸もしくは塩基との付加塩の形態の以下の化合物:
− 5−クロロ−1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル]−1H−インドール−3−カルボン酸[4−(4−ブチリル−5−メチルピラゾール−1−イル)−シクロヘキシル]アミド
− 5−クロロ−1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル]−1H−インドール−3−カルボン酸[4−(4−ブチリル−5−メチルピラゾール−1−イル)−ピペリジン−1−イル]アミド
− 5−クロロ−1−{2−オキソ−2−[4−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−ピペラジン−1−イル]エチル}−1H−インドール−3−カルボン酸[4−(4−ブチリル−5−メチルピラゾール−1−イル)シクロヘキシル]アミド
− 5−クロロ−1−{2−[4−(2−メトキシエチル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1H−インドール−3−カルボン酸[4−(4−ブチリル−5−メチルピラゾール−1−イル)シクロヘキシル]アミド
− 5−クロロ−1−{2−[4−(2−メトキシエチル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1H−インドール−3−カルボン酸[4−(4−ブチリル−5−メチルピラゾール−1−イル)−ピペラジン−1−イル]アミド
− 5−クロロ−1−{2−オキソ−2−[4−(2−トリフルオロメトキシエチル)−ピペラジン−1−イル]エチル}−1H−インドール−3−カルボン酸[4−(4−ブチリル−5−メチルピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル]アミド
が挙げられる。上記化合物は、ソフトAutoNom(Beilstein Informations system)を介してIUPAC命名法で命名したことを指摘しておく。
【0026】
本明細書中以下では、保護基Pgとは、一方では合成中に水酸基またはアミンなどの反応基を保護し、他方では合成終了時に反応基を元のまま再生することを可能にする基を意味する。保護基の例、ならびに保護および脱保護の方法は、「Protective Group in Organic Synthesis」、Greenら、第4版、John Wiley&Sons,Inc.、New York、2007に示されている。
【0027】
本明細書中以下では、脱離基とは、電子対の離脱を伴う不均等結合の開裂によって容易に分子から開裂することができる基を意味する。この基はこのように例えば置換反応のとき容易に他の基と替わることができる。かかる脱離基は例えばハロゲン、またはメタンスルホナート、ベンゼンスルホナート、p−トルエンスルホナート、トリフラート、アセタートなどの活性化水酸基である。脱離基の例、ならびにその調製の参考文献は「Advanced Organic Chemistry」、M.B.SmithおよびJ.March、第6版、Wiley Interscience、2007、496〜501頁に示されている。
【0028】
本発明に従って、式(I)の化合物は、式(IIB):
【化5】
[式中、A、R1、R2およびR4は式(I)の化合物に対して定義したのと同様である]の化合物を式(III):
HR
3 (III)
[式中、R
3は式(I)の化合物に対して定義したのと同様である]のアミンと反応させることを特徴とする方法によって製造することができる。
【0029】
場合により、式(I)の化合物は、無機または有機酸とのその塩に変換させる。
【0030】
反応は、塩基、例えば、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンまたはピリジンの存在下、およびカップリング剤、例えば、ビス(2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル)ホスフィン酸クロリド、イソブチルクロロホルマート、1,1’−カルボニルジイミダゾール、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、またはエチル2−シアノ−2−(ヒドロキシイミノ)アセタートの存在下で実施される。使用される溶媒は、例えば、DCM、1,2−ジクロロエタンまたはN,N−ジメチルホルムアミドである。反応の温度は、−10℃〜溶媒の還流温度である。
【0031】
式(I)の化合物はまた、式:
【化6】
[式中、R3およびR4は式(I)の化合物に対して定義したのと同様である]の酸または、この酸の活性化機能性誘導体を式:
【化7】
[式中、A、R1およびR2は式(I)の化合物に対して定義したのと同様である]の化合物と反応させることによって製造することができる。
【0032】
式(V)の化合物が、式(IV−B)それ自体の酸で処理される場合、その方法は、−10℃〜溶媒の還流温度の間の温度でDCM、1,2−ジクロロエタン、N,N−ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフランなどの溶媒中で1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミドまたは1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩またはベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファートまたはN−ヒドロキシベンゾトリアゾールまたはベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファートまたは2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラートまたは1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩などのペプチド化学で使用されるカップリング剤の存在下、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンまたは4−ジメチルアミノピリジンなどの塩基の存在下で実施される。
【0033】
酸(IV−B)の活性化機能性誘導体として、酸塩化物、無水物、混合無水物、アルキルが直鎖状もしくは分枝鎖状であるC
1〜C
4アルキルエステル、または活性化エステル、例えば、p−ニトロフェニルエステルを使用することができる。
【0034】
したがって、例えば、塩化チオニルまたは塩化オキサリルを式(IV−B)の酸と反応させることによって得られた酸塩化物を、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンまたは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどの第三級アミンの存在下、0℃〜溶媒の還流温度の間の温度で不活性雰囲気下で塩素化溶媒(例えば、DCM、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム)、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン)、アミド(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)、またはピリジンなどの溶媒中で、式(V)の化合物と反応させることが可能である。
【0035】
詳細には、式(I)のある種の化合物は、式(I)の他の化合物から製造することができる。
【0036】
次いで、こうして得られた式(I)の化合物を、標準法、例えば、晶析またはシリカカラムクロマトグラフィーに従って反応媒体から分離し、精製することができる。
【0037】
こうして得られた式(I)の化合物は、標準技法に従って、遊離塩基または塩の形態で単離する。
【0038】
式(IIB)の化合物は、式(IIA):
【化8】
[式中、A、R1、R2およびR4は式(I)の化合物に対して定義したのと同様であり、Zは(C
1〜C
4)アルキルを表す]の化合物を酸性または塩基性媒体中で加水分解する方法に従って製造することができる。
【0039】
場合により、式(IIA)の化合物は、無機または有機塩基とのその塩に変換させる。
【0040】
反応は、−10℃〜110℃の間の温度で、溶媒、詳細には、例えば、ジオキサンまたは水などの極性溶媒中で強酸、例えば、塩酸または硫酸の作用を介して酸性媒体中で実施される。
【0041】
反応は、−10℃〜溶媒の還流温度の間の温度で、溶媒、詳細には、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、水、メタノール、エタノール、またはこうした溶媒の混合物などの極性溶媒中でアルカリ性塩基、例えば、水酸化カリウム、水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウムの作用を介して塩基性媒体中で実施される。
【0042】
式(IIA)の化合物は、式:
【化9】
[式中、R4は式(I)の化合物に対して定義したのと同様であり、Zは(C
1〜C
4)アルキルを表す]の酸またはこの酸の活性化機能性誘導体を式:
【化10】
[式中、A、R1およびR2は式(I)の化合物に対して定義したのと同様である]の化合物と反応させることによって製造することができる。
【0043】
式(V)の化合物が、式(IV−A)それ自体の酸で処理される場合、その方法は、−10℃〜溶媒の還流温度の間の温度でDCM、1,2−ジクロロエタン、N,N−ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフランなどの溶媒中で1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミドまたは1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩またはベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファートまたはベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファートまたは2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラートまたは1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩などのペプチド化学で使用されるカップリング剤の存在下、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンまたは4−ジメチルアミノピリジンなどの塩基の存在下で実施される。
【0044】
酸(IV−A)の活性化機能性誘導体として、酸塩化物、無水物、混合無水物、アルキルがであるC
1〜C
4アルキルエステル、または活性化エステル、例えば、p−ニトロフェニルエステルを使用することができる。
【0045】
したがって、例えば、塩化チオニルまたは塩化オキサリルを式(IV−A)の酸と反応させることによって得られた酸塩化物を、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンまたは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどの第三級アミンの存在下、0℃〜溶媒の還流温度の間の温度で不活性雰囲気下で塩素化溶媒(例えば、DCM、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム)、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン)、アミド(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)、またはピリジンなどの溶媒中で式(V)の化合物と反応させることが可能である。
【0046】
式(III)の化合物は、公知であってもよく、市販品であってもよく、当業者に公知の方法に従って製造してもよい。
【0047】
式(V)の化合物は、式:
【化11】
[式中、AおよびR2は式(I)の化合物に対して定義したのと同様であり、R’
1は水素原子または(C
1〜C
3)アルキルを表し、R’’
1は水素原子または−COOZ基を表し、Zは(C
1〜C
4)アルキルを表し、Pgは保護基、好ましくは、tert−ブトキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニル基を表す]の化合物を脱保護するための反応によって製造される。
【0048】
反応は、周囲温度〜反応媒体の還流温度の間の温度で、場合により、溶媒、例えば、水
またはジオキサンの存在下で、酸、例えば、塩酸またはトリフルオロ酢酸の作用を介して実施される。
【0049】
R’’
1=Hである式(VI)の化合物は、式:
【化12】
[式中、R1およびR2は式(I)の化合物に対して定義したのと同様である]の化合物を、式:
Y−A−NHPg(X)
[式中、Aは式(I)の化合物に対して定義したのと同様であり、Yはハロゲン原子、メタンスルホナート、ベンゼンスルホナート、p−トルエンスルホナート、トリフラートまたはアセタートなどの脱離基を表し、Pgは保護基、好ましくは、tert−ブトキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニル基を表す]の化合物と反応させることによって製造される。
【0050】
反応は、塩基、例えば、炭酸カリウム、炭酸セシウムまたはカリウムtert−ブトキシドの存在下で実施される。反応は、0℃〜150℃の間の温度で、溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジオキサンまたはテトラヒドロフラン中で実施される。
【0051】
R’’
1=COOZである式(VI)の化合物は、以下のスキームIに従って製造することができ、ここで、R2は式(I)の化合物に対して定義したのと同様であり、Zは(C
1〜C
4)アルキルを表し、Pgは保護基、好ましくは、tert−ブトキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニル基を表す。
【0052】
【化13】
【0053】
スキームIの工程a
1では、保護された4−アミノシクロヘキサノンをtert−ブチルカルバザートと縮合させて、化合物(XI)を得る。
【0054】
工程b
1では、化合物(XI)を、メタノール中のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを使用して還元し、次いで、trans配位体(XII)の同位体を、化学量論量の塩酸の存在下でエチルアセタートからの晶析によって分離する。
【0055】
工程c
1では、ヒドラジン官能基をジオキサン中の過剰塩酸の存在下で脱保護して、化合物(XIII)を得る。
【0056】
工程d
1では、ヒドラジン誘導体(XIII)は、還流下エタノール中のトリエチルアミンの存在下で2−[1−ジメチルアミノメチリデン]−3−オキソ酪酸エチルエステルと縮合してピラゾール誘導体(XIV)を生成する。
【0057】
工程e
1では、式(XIV)の化合物は、テトラヒドロフランとエタノールの混合物中の水酸化ナトリウム水溶液の存在下で加水分解されて対応するカルボン酸(XV)を得る。
【0058】
工程f
1では、式(XV)の化合物は、1,1’−カルボニルジイミダゾールと反応し、次いでこれを単離せずに、生成中間化合物は、Angew.Chem.Int.Ed.Engl(1979)18(1)、72〜74に記載の方法に従ってマロン酸のヘミエステルのマグネシウム塩で処理される。
【0059】
工程g
1では、式(XVI)の生成化合物は、0℃〜溶媒の還流温度の間の温度で溶媒、例えば、テトラヒドロフラン中で例えば、炭酸カリウムなどの塩基および例えば、テトラブチルアンモニウムブロミドなどの相間移動触媒の存在下でハロゲン化(C
1〜C
3)アルキル、メシラートまたはトシラートを反応させることによってアルキル化させる。
【0060】
R
1=(C
1〜C
4)アルキルである式(XI)の化合物は、以下のスキームIIに従って製造することができ、ここで、R2は式(I)の化合物に対して定義したのと同様であり、Pgは保護基、好ましくは、トリチル基を表す。
【0061】
【化14】
【0062】
スキームIIの工程a
2では、R
1=OMeである式(IX)の化合物の窒素原子が、詳細には、トリチル基で保護され、次いで得られた中間化合物は、塩基性媒体中で加水分解される。
【0063】
工程b
2では、式(XX)の生成化合物を、例えば、ビス(2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル)ホスフィン酸クロリドなどのカップリング剤の存在下、および例えば、4−ジメチルアミノピリジンなどの塩基の存在下でN−メトキシメタンアミンと反応させる。反応は、0℃〜周囲温度の間の温度で溶媒、例えば、ジクロロメタン中で実施される。
【0064】
式(XXI)の生成化合物は、工程c
2において、−70℃〜周囲温度の間の温度でジエチルエーテルやテトラヒドロフランなどの溶媒中でハロゲン化(C
1−C
4)アルキルマグネシウムなどの有機金属化合物と反応させる。
【0065】
式(XXII)の生成化合物は、標準方法(Protective Group in Organic Synthesis、Greenら、第4版、John Wiley&Sons,Inc.、New York、2007)に従って工程d
2で、脱保護される。
【0066】
A=
【化15】
である式(X)の化合物は、以下のスキームIIIに従って製造することができ、ここで、Yはメシラートを表し、Pgは保護基、好ましくは、tert−ブトキシカルボニル基を表す。
【0067】
【化16】
【0068】
スキームIIIの工程a
3では、ジメチル3−ヒドロキシグルタラートの第二級アルコールが、tert−ブチルジメチルシリル基で保護される。
【0069】
工程b
3では、生成化合物(XXIII)が、0℃でジエチルエーテル中のリチウムボロヒドリドの存在下で還元されて化合物(XXIV)を生成する。
【0070】
工程c
3では、2個のアルコール官能基が、Swern酸化によってアルデヒドまで酸化され、次いで化合物(XXV)が、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリドの存在下でtert−ブチルカルバザートによる二重環化還元アミノ化によって生成する。
【0071】
工程d
3では、シリル化官能基が、脱保護されて化合物(XXVI)の第二級アルコールを生成する。
【0072】
工程e
3では、アルコールが、ジクロロメタン中のメタンスルホニルクロリド、トリエチルアミンおよび4−ジメチルアミノピリジンの存在下で活性化されてメシラート(X)を得る。
【0073】
R
3=OZである式(IV−A)の化合物は、式:
【化17】
[式中、R4は式(I)の化合物に対して定義したのと同様である]の化合物を式(VII):
【化18】
[式中、Yはハロゲン原子、メタンスルホナート、ベンゼンスルホナート、p−トルエンスルホナートまたはトリフラートなどの脱離基を表し、Zは(C
1〜C
4)アルキルを表す]の化合物と反応させることによって製造される。
【0074】
反応は、−30℃〜溶媒の還流温度の間の温度で溶媒、詳細には、非プロトン性極性溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド中で強力塩基、例えば、水素化ナトリウムの2当量の存在下で実施される。
【0075】
式(IV−B)の化合物は、以下のスキームIVに従って製造され、ここでR4は、式(I)の化合物に対して定義されたのと同様である。
【0076】
【化19】
【0077】
スキームIVの工程a
4では、3−カルボキシインドール誘導体(VIII)のカルボン酸が、ベンゼン中のN,N−ジメチルホルムアミドジ−tert−ブチルアセタールの存在下で保護されて対応するtert−ブチルエステル(XXVIII)を生成する。
【0078】
工程b
4では、生成化合物(XXVIII)が、炭酸セシウムなどの塩基およびジメチルホルムアミドなどの溶媒の存在下で、以下の式(VII)
【化20】
[式中、Yは、ハロゲン原子、メタンスルホナート、ベンゼンスルホナート、p−トルエンスルホナートまたはトリフラートなどの脱離基を表し、Zは、(C
1〜C
4)アルキルまたはベンジル基を表す]の化合物を使用してアルキル化される。
【0079】
工程c
4では、化合物(XXIX)のエステルが、0℃で水酸化リチウムの存在下で加水分解されて化合物(XXX)を得る。
【0080】
工程d
4では、カルボキサミド結合が、N−エチルモルホリンおよび所望のアミンHR
3の存在下、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド/ペンタフルオロフェノール対による活性化条件下で生成して化合物(XXXI)を得る。
【0081】
工程e
4では、tert−ブチルエステルが、ジクロロメタン中でトリフルオロ酢酸を使用して脱保護されることによって、化合物(IV−B)の生成が可能になる。
【0082】
式(VII)の化合物は、公知であり、市販され、または公知の方法に従って製造される。
【0083】
式(VIII)の化合物は、市販されている場合もあり、例えば、R4が式(I)の化合物に対して定義されているスキームVで表されるものなど文献に記載の方法の応用に従って製造される場合もある。
【0084】
【化21】
【0085】
R
1=(C
1〜C
4)アルコキシである式(IX)の化合物は、公知であり、市販され、または公知の方法(Synlett(2004)4、703〜707)に従って製造される。
【0086】
この態様の別のものに従って、本発明の主題はまた、式(IIA)の新規な化合物である。こうした化合物は、式(I)の化合物を合成するための中間体として有用である。
【0087】
本発明の主題はまた、式(IIB)の新規な化合物である。こうした化合物は、式(I)の化合物を合成するための中間体として有用である。
【0088】
この態様の別のものに従って、本発明の主題はまた、P2Y12プリン受容体を検出し標識するための、それ自体としてまたはヒトもしくは動物における薬理学的な道具としての放射性標識形態としての式(I)の化合物の使用である。
【0089】
以下の実施例は、本発明によるある種の化合物の製造を記載する。こうした実施例は、限定的ではなく、本発明を単に例示するものである。
【0090】
製造および実施例では、以下の短縮語が使用される:
Me:メチル
Et:エチル
n−Pr:n−プロピル
Ph:フェニル
エーテル:ジエチルエーテル
イソエーテル:ジイソプロピルエーテル
DMSO:ジメチルスルホキシド
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
THF:テトラヒドロフラン
DCM:ジクロロメタン
EtOAc:エチルアセタート
DMAP:4−ジメチルアミノピリジン
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
HOAT:1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
HOBT:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
TFA:トリフルオロ酢酸
BOP−Cl:ビス(2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル)ホスフィン酸クロリド
EDC:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
NaOH:水酸化ナトリウム
KOH:水酸化カリウム
HCl:塩酸
i−PrOH:イソプロパノール
MeCN:アセトニトリル
NaBH
4:ナトリウムボロヒドリド
NaHCO
3:炭酸水素ナトリウム
NaH:水素化ナトリウム
Na
2SO
4:硫酸ナトリウム
TBAF:テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド
UV:紫外線
1Nまたは2N塩酸エーテル:塩酸をジエチルエーテルに溶解した1Nまたは2N溶液エーテル中1N(または2N)HCl:塩酸をジエチルエーテルに溶解した1N(または2N)溶液
ジオキサン中4NのHCl:塩酸をジオキサンに溶解した4N溶液
Mp:融点
AT:周囲温度
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
ブライン:塩化ナトリウムを水に溶解した飽和溶液
【0091】
プロトン核磁気共鳴(
1H NMR)スペクトルは、DMSO−d6でBruker(250、400および500MHz)分光光度計に記録される。化学シフトδは、100万当たりの部数(ppm)で表される。スペクトルを解釈するために、以下の短縮語が使用される:s:一重項、d:二重項、t:三重項、q:四重項:m:非分解ピーク、mt:多重項、bs:ブロード一重項、dd:スプリット二重項、br:ブロードピーク。
【0092】
本発明による化合物は、HPLC−UV−MS(液体クロマトグラフィー/UV検出/質量検出)カップリングによって分析される。
【0093】
使用される装置は、ダイオードアレイ検出器を備えたクロマトグラフィー系および四重極質量分光計から構成される。分子ピーク(MH
+)および分で表した保持時間(tR)が測定される。
【0094】
方法A:Phenomenex Luna C18(2)カラム10×2mm、3μm
溶媒A:水+0.05%TFA
溶媒B:MeCN
1.1ml/分、30℃;Agilentシリーズ 1100 MSD
【表1】
【0095】
方法B:Waters XBridge C18 4.6×50mm、2.5μm
溶媒A:水+0.1%ギ酸
溶媒B:MeCN+0.08%ギ酸
1.3ml/分;20℃;Waters Ultima Triple Quad
【表2】
【0096】
方法C:Merck Chromolith C18 2×50mm;2.5μm
溶媒A:水+0.05%TFA
溶媒B:MeCN+0.05%TFA
2.4ml/分;20℃;Tecan LCT
【表3】
【0097】
方法D:Agilent1100シリーズ.Symmetry C18 3.5μm(2.1×50mm、Waters)
溶媒A:水+0.005%TFA
溶媒B:MeCN+0.005%TFA
0.4ml/分、25℃;MSD SL(Agilent)ESI
+
【表4】
【0098】
質量スペクトルの記載は、ポジティブエレクトロスプレーモード(ESI)で実施されて分析される化合物のプロトン化(MH
+)、またはNa
+、K
+などの他のカチオンとの付加物の形成に由来するイオンを観測する。
【0099】
製造
1.式(IX)の化合物の製造
【化22】
1−(5−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ブタン−1−オン
(IX):R1=n−Pr;R2=Me
【0100】
工程1:3−メチル−1−トリチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(XX)
メチル5−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート6.60gをDMF50mlに溶解した溶液に炭酸カリウム8.46gおよびトリチルクロリド15.8gを添加した。ATで5日後、EtOAcを添加し、混合物を水で洗浄し、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、蒸発乾固させた。油性残渣をエタノールと水の混合物(50/50;v/v)100mlに懸濁させた。水酸化カリウム9.95gを添加し、混合物を6時間還流下で加熱した。反応媒体を熱い条件下でろ過し、ろ液を濃縮し、1NのHCl溶液で酸性にした。形成された沈殿をろ別し、イソエーテルとEtOAcの(50/50;v/v)混合物で洗浄し、真空下で乾燥した。白色粉末の形態の所定の化合物9.7gを得た。
1H NMR:DMSO−d
6(250MHz):δ(ppm):2.33(3H,s);7.03〜7.09(6H,m);7.34〜7.43(9H,m);7.61(1H,s)。
【0101】
工程2:N−メトキシ−N,3−ジメチル−1−トリチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(XXI)
前工程で得た化合物9.70gをDCM100mlに溶解した溶液にDMAP10.3gおよびBOP−Cl10.3gを添加した。次いでN−メトキシメタンアミン塩酸塩3.85gを分割して添加し、ATで1時間撹拌した。蒸発を実施し、次いで残留物をエチルアセタートと混合し、得られた生成物を水で洗浄し、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、蒸発乾固させた。イソエーテルを用いて粉砕し、ろ過し、真空下でオーブン乾燥した。白色粉末の形態の所定の化合物10.4gを得た。
1H NMR:DMSO−d
6(250MHz):δ(ppm):2.34(3H,s)
;3.13(3H,s);3.39(3H,s);7.05〜7.15(6H,m);7.33〜7.44(9H,m);7.71(1H,s)。
【0102】
工程3:1−(3−メチル−1−トリチル−1H−ピラゾール−4−イル)ブタン−1−オン(XXII)
n−プロピルマグネシウムクロリドをエーテルに溶解した2M溶液32.7mlを、前工程で得た化合物10.4gをTHF130mlに溶解した溶液に−30℃で滴加した。温度をATまで戻し、4時間撹拌した。反応媒体を−30℃に置き、次いで水50mlを添加した(当初は滴下で)。温度をATまで戻し、1NのHCl溶液250mlを添加し、次いで混合物をEtOAcで抽出した。水で洗浄し、ブラインで洗浄し、得られた生成物をNa
2SO
4上で乾燥し、蒸発乾固させた。イソエーテルを用いて粉砕し、ろ過し、真空下でオーブン乾燥した。白色粉末の形態の所定の化合物8.4gを得た。
1H NMR:DMSO−d
6(400MHz):δ(ppm):0.84(3H,t);1.52(2H,六重線);2.34(3H,s);2.62(2H,t);7.04〜7.12(6H,m);7.33〜7.45(9H,m);7.93(1H,s)。
【0103】
工程4:1−(5−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ブタン−1−オン
ジオキサン中の4NのHCl50mlに前工程で得た化合物8.4gを懸濁させた懸濁液を6時間撹拌した。蒸発乾固させ、イソエーテルを用いて粉砕し、ろ過し、真空下でオーブン乾燥した。無色ガムの形態の所定の化合物3.1gを得た。
1H NMR:DMSO−d
6(250MHz):δ(ppm):0.90(3H,t);1.58(2H,六重線);2.39(3H,s);2.71(2H,t);8.15(1H,s)。
【0104】
2.式(V)の化合物の製造
【化23】
【0105】
製造2.1
1−[1−(4−アミノ−trans−シクロヘキシル)−5−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−ブタン−1−オン
【化24】
【0106】
工程1:N’−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノシクロヘキシリデン)ヒドラジンカルボン酸tert−ブチルエステル(XI)
【化25】
ベンジル(4−オキソシクロヘキシル)カルバマート11.3g(44.3mmol)およびtert−ブチルカルバザート6.6g(48.7mmol)をATでメタノール140ml中で4時間撹拌した。反応媒体を蒸発乾固させた。固体残留物をイソエーテルを用いて粉砕し、沈殿をろ別し、次いで真空下でオーブン乾燥してピンク粉末の形態の所定の生成物16.4gを得た。
収率は定量的であった。
1H NMR:DMSO−d
6(400MHz):δ(ppm):9.54(1H,br);7.43〜7.24(6H,m);5.01(2H,s);3.60(2H,m);2.74(1H,m);2.35〜2.11(2H,m);2.01〜1.76(2H,m);1.47〜1.25(11H,m)。
【0107】
工程2:N’−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−trans−シクロヘキシル)ヒドラジンカルボン酸tert−ブチルエステル塩酸塩(XII)
【化26】
前工程で製造されたN’−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノシクロヘキシリデン)ヒドラジンカルボン酸tert−ブチルエステル16.3g(45.1mmol)を酢酸/H
2O(1/1;v/v)溶液270ml中に懸濁させた。シアノ水素化ホウ素ナトリウム2.78g(44.2mmol)を分割して添加し、反応混合物をATで終夜撹拌した。35%NaOH140mlをゆっくりと添加した(最終pH=6〜7)。形成された沈殿をろ別し、水(3×)で洗浄し、次いで60℃の真空下でオーブン乾燥した(NMR分析後、所定の化合物の66%をtrans配位で、化合物の34%をシス配位で含む混合物)。
【0108】
得られた白色粉末(16.3g)をエチルアセタート370mlに溶解した。2NのHClをジエチルエーテルに溶解した溶液24.7ml(49.3mmol)を滴加した。終夜撹拌後、沈殿をろ別し、アセトンで洗浄し、60℃の真空下でオーブン乾燥して白色粉末11.4gを得た(
1H NMR:trans配位の誘導体が100%であった)。
収率=63%であった。
1H NMR:DMSO−d
6(400MHz):δ(ppm):10.90(1H,br);10.18(1H,br);7.43〜7.19(6H,m);5.01(2H,s);3.23(1H,m);3.06(1H,m);1.96(2H,m);1.88(2H,m);1.49〜1.31(11H,m);1.18(2H,m)。
【0109】
工程3:(4−ヒドラジノ−trans−シクロヘキシル)カルバミン酸ベンジルエステル塩酸塩(XIII)
【化27】
前工程で製造されたN’−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−trans−シクロヘキシル)ヒドラジンカルボン酸tert−ブチルエステル塩酸塩11.3g(28.3mmol)をジオキサン250mlに溶解した。4NのHClをジオキサン(373mmol)に溶解した溶液93.3mlを滴加し、撹拌をATで60時間継続した。形成された沈殿をろ別し、60℃の真空下でオーブン乾燥して白色結晶7.61gを得た。
収率=90%であった。
1H NMR:DMSO−d
6+TFA(250MHz):δ(ppm):7.34(5H,m);5.00(2H,s);3.24(1H,m);2.84(1H,m);2.10〜1.79(4H,m);1.22(4H,m)。
【0110】
工程4:1−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−trans−シクロヘキシル)−5−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル(XIV)
【化28】
トリエチルアミン8.83ml(63.3mmol)を、エタノール45ml中の前工程で製造された(4−ヒドラジノ−trans−シクロヘキシル)カルバミン酸ベンジルエステル塩酸塩6.78g(22.2mmol)に添加した。2−[1−ジメチルアミノメチリデン]−3−オキソ酪酸エチルエステル4.6gを添加し、反応媒体を4時間還流した。反応媒体を蒸発乾固させた。残留物をH
2O/EtOAc混合物と混合した。有機相を集め、水性相をエチルアセタート(3×)で抽出した。合わせた有機相を水(3×)で洗浄し、ブライン(1×)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、次いで蒸発乾固させた。残留物をイソエーテルを用いて粉砕し、ろ過し、次いで60℃でオーブン乾燥してベージュ粉末の形態の所定の生成物6.0gを得た。
収率=74%であった。
1H NMR:DMSO−d
6(400MHz):δ(ppm):7.77(1H,s);7.39〜7.27(6H,m);5.01(2H,s);4.24〜4.10(3H,m);3.35(1H,br);2.52(3H,s);1.97〜1.80(6H,m);1.40(2H,m);1.26(3H,t,J=6.3Hz)。
【0111】
工程5:1−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノシクロヘキシル)−5−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(XV)
【化29】
水酸化カリウム3.27g(58.4mmol)を水に溶解した溶液を、THF/エタノール(1/1;v/v)混合物20ml中の前工程で製造された1−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−trans−シクロヘキシル)−5−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル4.5g(11.7mmol)に添加した。反応媒体を50℃で終夜加熱した。冷却後、水を添加し、不けん化化合物をイソエーテルで抽出した。塩酸水溶液を使用して水性相をpH5に酸性化した。形成された白色沈殿有機相をろ別し、イソエーテルで洗浄し、次いで60℃真空下でオーブン乾燥してベージュ粉末の形態の所定の生成物を得た。
収率=90%であった。
1H NMR:DMSO−d
6(400MHz):δ(ppm):12.11(1H,br);7.73(1H,s);7.39〜7.27(6H,m);5.01(2H,s);4.14(1H,m);3.33(1H,br);2.50(3H,s);1.98〜1.81(6H,m);1.40(2H,m)。
【0112】
工程6:3−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノシクロヘキシル)−5−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−3−オキソプロピオン酸エチルエステル(XVI)
【化30】
1,1’−カルボニルジイミダゾール1.97g(15.9mmol)を、THF110ml中の1−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノシクロヘキシル)−5−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸3.8g(10.6mmol)に添加した。反応媒体をATで2時間撹拌した。マグネシウムビス(3−エトキシ−3−オキソプロパノアート)(Angew.Chem.Int.Ed.Engl.、1979、18、72〜74に記載の方法に従って合成)4.6gを添加し、反応媒体を50℃で3時間加熱した。反応混合物を真空下で蒸発させ、EtOAcに溶解させた。有機相を順次、Na
2CO
3飽和溶液、水、およびブラインで洗浄し、次いでNa
2SO
4上で乾燥した。溶媒を真空下で蒸発させた。固体残留物をイソエーテルで粉砕し、ろ過し、次いで60℃真空下でオーブン乾燥してピンク粉末2.7gを得た。
収率=59%であった。
1H NMR:DMSO−d
6(400MHz):δ(ppm):8.02(1H,s);7.39〜7.27(6H,m);5.01(2H,s);4.18(1H,m);4.09(2H,q,J=7Hz);3.87(2H,s);3.35(1H,m);2.53(3H,s);1.97〜1.79(6H,m);1.41(2H,m);1.18(3H,t,J=7Hz)。
【0113】
工程7:2−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノシクロヘキシル)−5−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニル]酪酸エチルエステル(VI)
【化31】
THF40ml中の前工程で製造された3−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノシクロヘキシル)−5−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−3−オキソプロピオン酸エチルエステル2.4g(5.2mmol)を密封管に入れた。テトラブチルアンモニウムブロミド3.36g(10.4mmol)、K
2CO
32.85g(20.7mmol)およびヨードエタン3.75ml(38.7mmol)を添加し、反応媒体を50℃で終夜加熱した。反応混合物を蒸発乾固させ、次いでEtOAcと混合した。有機相を水(1×)により、NaHCO
3飽和溶液(2×)により、およびブライン(1x)により洗浄し、次いでNa
2SO
4上で乾燥し、真空下で蒸発させた。固体残留物をイソエーテルで粉砕し、ろ過し、次いで60℃真空下でオーブン乾燥して所定の生成物とテトラブチルアンモニウム誘導体に相当する不純物1molとを含むベージュ粉末3.1gを得た。反応粗製物を次の工程で使用した(所定の生成物のおよその収率=82%であった)。
1H NMR:DMSO−d
6(400MHz):δ(ppm):8.09(1H,s);7.39〜7.27(6H,m);5.01(2H,s);4.24〜4.02(4H,m);3.35(1H,m);2.53(3H,s);1.97〜1.72(8H,m);1.40(2H,m);1.12(3H,t,J=7Hz);0.87(3H,t,J=7Hz)。
【0114】
工程7:1−[1−(4−アミノシクロヘキシル)−5−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]ブタン−1−オン
【化32】
前工程で得られた反応粗製物(2−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノシクロヘキシル)−5−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニル]酪酸エチルエステル約0.37g、すなわち0.81mmolを含む)0.6gを6NのHCl中還流下で4時間加熱した。冷却後、水酸化ナトリウム35%水溶液(最終pHは、塩基性でなければならない)10mlを添加した。水性相をDCM(3×)で抽出した。合わせた有機相を順次、水(1×)により、NaHCO
3飽和溶液(1×)により、およびブラインにより洗浄し、次いでNa
2SO
4上で乾燥し、蒸発乾固させた。固体残留物をイソエーテルで粉砕し、ろ過し、次いで60℃真空下でオーブン乾燥して所定の生成物とテトラブチルアンモニウム誘導体(NMRによる同定は困難である)に相当する不純物1molとを含むベージュ粉末0.6gを得た。反応粗製物をそのまま次の工程で使用した。
【0115】
製造2.2
1−[1−(1−アミノ−ピペリジン−4−イル)−5−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]ブタン−1−オン
【化33】
【0116】
工程1:3−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)ペンタン二酸ジメチルエステル(XXIII)
【化34】
DCM225ml中にジメチル3−ヒドロキシグルタラート30g(0.17mol)を含む溶液を、DCM225ml中にtert−ブチルクロロジメチルシラン28.2g(0.19mol)とイミダゾール30.2g(0.44mol)とを含む溶液に添加した。終夜撹拌した後、水を添加し、相を分離し、水性相をDCM(2×)で抽出した。合わせた有機相をMgSO
4上で乾燥し、次いで蒸発乾固させた。残留物をエチルアセタート/ヘプタングラジエントで溶出させてシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。所定の化合物40.3gを粉末の形態で得た。
収率=82%であった。
LC−MStR(方法A):1.10分;MS(ES)m/z:291.3(MH+)
1H NMR:DMSO−d
6(500MHz):δ(ppm):0.00(6H,s);0.70(9H,s);3.62(4H,2xd);4.50(1H,五重線)。
【0117】
工程2:3−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)ペンタン−1,5−ジオール(XXIV)
【化35】
リチウムボロヒドリド6.0g(275mmol)をジエチルエーテル750ml中に3−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)ペンタン二酸ジメチルエステル13.5g(47mmol)を含む溶液に0℃で分割して添加した。終夜撹拌後、塩化アンモニウムの飽和水溶液を添加した。水性相をDCM(2×)で抽出し、次いで有機相を合わせ、蒸発乾固させて粗生成物11.9gを得た。
収率は、概略定量的であった。
LC−MS tR(方法A):0.81分;MS(ES)m/z:235.3(MH+)
1H NMR:DMSO−d
6(500MHz):δ(ppm):0.00(6H,s);0.82(9H,s);1.52(4H,m);3.41(4H,m);3.86(1H,五重線);4.28(2H,t)。
【0118】
工程3:[4−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)ピペリジン−1−イル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(XXV)
【化36】
DSM160ml中にジメチルスルホキシド(203mmol)14.4mlを含む溶液を、DCM700ml中に塩化オキサリル13.3ml(155mmol)を含む溶液に−78℃で滴加した。30分間撹拌後、DCM160ml中に3−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)ペンタン−1,5−ジオール11.9g(51mmol)を含む溶液を−78℃で添加した。さらに30分間撹拌後、トリエチルアミン70.7ml(51mmol)を添加した。反応媒体を−78℃で1時間撹拌し、次いでさらに撹拌しながら30分間温度を0℃まで上げた。トルエン92mlを添加し、次いで混合物をろ過した。ろ液を濃縮し、次いでペンタン中に再懸濁し、Celite(登録商標)でろ過して溶媒の蒸発後粗生成物13.5gを得た。
【0119】
前に得られた反応粗製物12gをDCM350ml中のtert−ブチルカルバザート7.6g(58mmol)と混合した。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド26.5g(125mmol)を0℃で添加し、次いで反応媒体を終夜撹拌した。NaHCO
3飽
和水溶液を添加し、相を分離した。水性相をDCM(2×)で抽出し、次いで合わせた有機相を蒸発乾固させた。残留物をエチルアセタート/ヘプタングラジエントで溶出させてシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して所定の生成物8.6gを得た。
収率=51%であった。
LC−MS tR(方法A):1.03分;MS(ES)m/z:331.3(MH+)
【0120】
工程4:(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(XXVI)
【化37】
0℃のTBAF(THF中1M)28.6ml(28.6mmol)をTHF400ml中に[4−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)ピペリジン−1−イル]カルバミン酸tert−ブチルエステル8.6g(26mmol)を含む溶液に添加した。12時間撹拌後、TBAF28.6mlを添加し、反応媒体をさらに12時間撹拌した。乾固するまで濃縮した後、残留物をDCM中に再溶解し、水(3×)で抽出した。合わせた水性相をDCM/i−PrOH混合物(3:1)で再抽出し、合わせた有機相を蒸発乾固させた。残留物をエチルアセタート/ヘプタングラジエントで溶出させてシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して所定の生成物4.4gを得た。
収率=78%であった。
LC−MS tR(方法A):0.25分;MS(ES)m/z:217.3(MH+)
1H NMR:DMSO−d
6(500MHz):δ(ppm):1.37(9H,s);1.43(2H,m);1.69(2H,m);2.53(2H,m);2.82(2H,m);3.47(1H,m);4.62(1H,d);7.97(1H,d)。
【0121】
工程5:メタンスルホン酸1−tert−ブトキシカルボニルアミノピペリジン−4−イルエステル
【化38】
DMAP0.24g(2.0mmol)、トリエチルアミン2.8ml(20mmol)およびメタンスルホニルクロリド1.5ml(20mmol)を、DCM100ml中に(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)カルバミン酸tert−ブチルエステル4.3g(20mmol)を含む溶液に添加した。終夜撹拌後、反応媒体をDCMで希釈し、0.1MHCl水溶液で洗浄した。水性相をDCMで抽出し、有機相を合わせて無色油6.0gを得た。
収率は定量的であった。
LC−MS tR(方法A):0.61分;MS(ES)m/z:239.2(M−tBu+H+)
1H NMR:DMSO−d
6(500MHz):δ(ppm):1.40(9H,s);1.83(2H,m);1.95(2H,m);2.78(2H,m);2.92(2H,m);3.24(3H,s);4.76(1H,m);8.39(1H,d)。
【0122】
工程6:[4−(4−ブチリル−5−メチルピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化39】
カリウムtert−ブトキシド1.20g(11mmol)を、DMF15ml中に1−(5−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ブタン−1−オン1.55g(10mmol)を含む溶液に添加し、反応混合物を30分間50℃で撹拌した。DMF5ml中にメタンスルホン酸1−tert−ブトキシカルボニルアミノピペリジン−4−イルエステル3.00g(10mmol)を含む溶液を添加した。変換を増進するために、カリウムtert−ブトキシド0.9gを12時間ごとに0.3gの割合で添加した。媒体を濃縮し、DCMで希釈し、水(3×)で抽出した。こうして得られた粗製物を分取HPLC(0.1%のTFAの存在下で水/MeCNグラジエントを使用する溶出によるC18逆相カラム)によって精製して凍結乾燥後、所定の生成物とその位置同位体とを含む混合物960mgを得た。キラル固定相上のHPLCによる追加の精製によって所定の生成物360mgを単離することが可能になった。
収率=10%であった。
LC−MS tR(方法A):0.82分;MS(ES)m/z:351.2(MH+)
1H NMR:DMSO−d
6(500MHz):δ(ppm):0.87(3H,t);1.39(9H,s);1.57(2H,m);1.82(2H,br d);2.13(2H,m);2.54(3H,s);2.73(2H,t);2.83(2H,br
t);3.08(2H,br d);4.26(1H,m);8.14(1H,s);8.61(1H,br s)。
【0123】
工程7:1−[1−(1−アミノピペリジン−4−イル)−5−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]ブタン−1−オン塩酸塩
【化40】
トリフルオロ酢酸3.3mlを、DCM12ml中に[4−(4−ブチリル−5−メチルピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルバミン酸tert−ブチルエステル536mg(1.53mmol)を含む溶液に添加した。3時間撹拌後、反応媒体を濃縮し、次いでトルエンで2回共蒸留した。生成残留物をMeCN/水混合物(1:1)に溶解し、次いで2NのHCl2.0ml(4mmol)を添加した後凍結乾燥した。この手順を1度反復して塩酸塩の形態の所定の生成物350mgを得た。
収率=80%であった。
LC−MS tR(方法A):0.47分;MS(ES)m/z:251.3(MH+)
1H NMR:DMSO−d
6(500MHz):δ(ppm):0.87(3H,t)、1.55(2H,m)、1.94(2H,br d)、2.15(2H,m);2.55(3H,s);2.72(2H,t);2.90(2H,br s);3.33(2H,br d);4.43(1H,m);8.10(1H,s)。
【0124】
3.式(IV)の化合物の製造
【化41】
【0125】
製造3.1
5−クロロ−1−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−1H−インドール−3−カルボン酸
(IV−A):R3=OMe;R4=Cl
【化42】
DMF中に(市販の)5−クロロ−1H−インドール−3−カルボン酸10g(51mmol)を含む溶液110mlをDMF400ml中のNaH(油中60%)4.50g(112mmol)の混合物に−10℃で滴加し、その混合物を1時間撹拌放置した。反応混合物を−20℃まで冷却し、次いでメチルブロモアセタート4.86ml(51mmol)を滴加した。温度を5時間かけてATまで戻し、次いで反応媒体を15時間ATで撹拌した。反応媒体をEtOAc/1NのHCl混合物1lに添加し、有機相を集め、水性相をEtOAcで抽出した。有機相を合わせ、水で洗浄し、ブラインで洗浄し、次いでNa
2SO
4上で乾燥し、蒸発乾固させて白色粉末の形態の所定の化合物8.9gを得た。
収率=65%であった。
1H NMR:DMSO−d
6(250MHz):δ(ppm):3.70(3H,s);7.26(1H,d);7.57(1H,d);7.98(1H,s);8.12(1H,s);12.3(1H,br)。
【0126】
製造3.2
5−クロロ−1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル]−1H−インドール−3−カルボン酸
【化43】
【0127】
工程1:5−クロロ−1H−インドール−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(XXVIII)
【化44】
N,N−ジメチルホルムアミドジ−tert−ブチルアセタール25ml(104mmol)をベンゼン200ml中に5−クロロ−1H−インドール−3−カルボン酸5.0g(26mmol)を含む溶液に添加した。反応媒体を12時間撹拌し、次いでアセタールの別の部分(25ml)を添加した。さらに12時間撹拌した後、媒体を濃縮し、DCMで希釈し、次いで飽和NaHCO
3溶液(3×)で洗浄した。溶媒の蒸発後、所定の生成物5.7gを得た。
収率=87%であった。
LC−MS tR(方法A):1.05分;MS(ES)m/z:196.1(M−tBu+H+)
【0128】
工程2:1−ベンジルオキシカルボニルメチル−5−クロロ−1H−インドール−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(XXIX)
【化45】
炭酸セシウム11.1g(34mmol)を、DMF150ml中に5−クロロ−1H−インドール−3−カルボン酸tert−ブチルエステル5.7g(22mmol)とベンジルブロモアセタート3.5ml(22mmol)とを含む溶液に添加した。12時間撹拌した後、反応媒体をDCMで希釈し、次いでLiCl水溶液(4%w/w)で3×洗浄した。有機相をMgSO
4上で乾燥し、蒸発後得られた残留物をエチルアセタート/メタノールグラジエントで溶出させてシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して所定の化合物5.8gを得た。
収率=66%であった。
LC−MS tR(方法A):1.22分;MS(ES)m/z:344.2(M−tBu+H+)
【0129】
工程3:1−カルボキシメチル−5−クロロ−1H−インドール−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(XXX)
【化46】
0℃の2MLiOH溶液12.2ml(24mmol)を、THF/水(4:1)混合物140ml中に5−クロロ−1H−インドール−3−カルボン酸tert−ブチルエステル9.8g(24mmol)を含む溶液に添加した。3時間撹拌した後、反応媒体のpHを1NのHClの添加によって6に調整した。溶媒の蒸発中に固体が形成され、これをろ過によって集めて白色粉末4.3gを得た。ろ液を抽出することによって所定の生成物をさらに4g得ることが可能になった。
収率は、定量的であった。
LC−MS tR(方法A):0.96分;MS(ES)m/z:254.2(M−tBu+H+)
【0130】
工程4:5−クロロ−1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル]−1H−インドール−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化47】
EDC2.93g(20mmol)およびペンタフルオロフェノール2.81g(15mmol)を、DMF70ml中に1−カルボキシメチル−5−クロロ−1H−インドール−3−カルボン酸tert−ブチルエステル3.15g(10mmol)を含む溶液に添加した。20分間撹拌した後、N−エチルモルヒネ3.8ml(30mmol)および1−メチルピペラジン1.1ml(10mmol)を添加し、反応媒体を12時間ATで撹拌した。溶媒を蒸発させた後、残留物をDCMと混合し、次いでLiCl水溶液(4%w/w)で2×洗浄した。有機相をMgSO
4上で乾燥し、蒸発乾固させ、次いで得られた粗生成物をエチルアセタート/メタノールグラジエントで溶出させてシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して所定の生成物2.26gを得た。
収率=58%であった。
LC−MS tR(方法A):0.73分;MS(ES)m/z:336.2(M−tBu+H+)
1H NMR:DMSO−d
6(500MHz):δ(ppm):1.58(9H,s);2.24(3H,s);2.31(2H,m);2.44(2H,m);3.47(2H,m);3.58(2H,m);5.34(2H,s);7.28(1H,dd);7.54(1H,d);7.99(1H,d);8.05(1H,s)。
【0131】
工程5:5−クロロ−1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル]−1H−インドール−3−カルボン酸
【化48】
トリフルオロ酢酸4.3mlをDCM30ml中に5−クロロ−1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル]−1H−インドール−3−カルボン酸tert−ブチルエステル2.26g(5.8mmol)を含む溶液に添加した。3時間撹拌した後、反応媒体を濃縮し、次いでトルエン(2×)と共蒸留した。生成残留物をMeCN/水混合物に溶解し、2NのHCl7.3mlを添加した後に凍結乾燥した。この手順を1回反復して所定の生成物の塩酸塩2.33gを得た。
収率は定量的であった。
LC−MS tR(方法A):0.51分;MS(ES)m/z:336.2(MH+)
1H NMR:DMSO−d
6(500MHz):δ(ppm):2.79(3H,s);2.96(1H,m);3.13(2H,m);3.43(1H,d);3.52(1H,d);3.62(1H,t);4.15(1H,d);4.37(1H,d);5.34(1H,d);5.50(1H,d);7.31(1H,dd);7.61(1H,d);8.04(1H,d);8.06(1H,s);11.25(1H,br s)。
【0132】
製造3.3
5−クロロ−1−{2−[4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1H−インドール−3−カルボン酸
【化49】
【0133】
工程1:5−クロロ−1−{2−[4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1H−インドール−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化50】
EDC3.99g(28mmol)およびペンタフルオロフェノール3.83g(21mmol)を、DMF95ml中に1−カルボキシメチル−5−クロロ−1H−インドール−3−カルボン酸tert−ブチルエステル4.3g(14mmol)を含む溶液に添加した。20分間撹拌した後、N−エチルモルホリン5.5ml(42mmol)および1−(2−メトキシエチル)ピペラジン2.1ml(14mmol)を添加し、反応媒体をATで12時間撹拌した。溶媒を蒸発させた後、残留物をDCMと混合し、次いでLiCl水溶液(4%w/w)で2×洗浄した。有機相をMgSO
4上で乾燥し、蒸発乾固させ、次いで粗生成物をエチルアセタート/メタノールグラジエントで溶出させてシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して所定の生成物5.4gを得た。
収率=87%であった。
LC−MS tR(方法A):0.75分;MS(ES)m/z:436.4(MH+)
【0134】
工程2:5−クロロ−1−{2−[4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1H−インドール−3−カルボン酸
【化51】
トリフルオロ酢酸3.4mlをDCM25ml中に5−クロロ−1−{2−[4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1H−インドール−3−カルボン酸tert−ブチルエステル2g(4.6mmol)を含む溶液に添加した。3時間撹拌後に、反応媒体を濃縮し、次いでトルエン(2×)と共蒸留した。生成残留物をMeCN/水混合物に溶解し、1NのHCl6.5mlを添加した後に凍結乾燥した。この手順を1回反復して所定の生成物の塩酸塩1.92gを得た。
収率は定量的であった。
LC−MS tR(方法A):0.55分;MS(ES)m/z:380.3(MH+)
【0135】
製造3.4
5−クロロ−1−{2−[4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1H−インドール−3−カルボン酸
【化52】
【0136】
工程1:1−ベンジル−4−(2−トリフルオロメトキシエチル)ピペラジン
【化53】
エタノール100mlに2−(トリフルオロメトキシ)エチルアミン塩酸塩0.77g(4.7mmol)およびNaHCO
31.8g(21mmol)を懸濁させた懸濁液を6時間80℃で撹拌した。反応媒体をろ過し、濃縮した。残留物をDCMと混合し、水(1×)で洗浄し、次いで水性相をDCMで再抽出した。合わせた有機相を蒸発させ、次いで粗生成物をエチルアセタート/ヘプタングラジエントで溶出させてシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して無色油の形態の所定の生成物419mgを得た。
収率=31%であった。
LC−MS tR(方法A):0.46分;MS(ES)m/z:289.3(MH+)
1H NMR:DMSO−d
6(500MHz):δ(ppm):2.33〜2.52(8H,m);2.65(2H,t);3.52(2H,s);4.21(2H,t);7.31〜7.41(5H,m)。
【0137】
工程2:1−(2−トリフルオロメトキシエチル)ピペラジン
【化54】
THF50mlに1−ベンジル−4−(2−トリフルオロメトキシエチル)ピペラジンを溶解した溶液2.20g(7.6mmol)をBuchiオートクレーブ内に移し、次いで炭素に担持された20%のPd(OH)
2200mg(0.29mmol)の存在下で3バールで9時間水素化した。変換は完全でないので、懸濁液をろ過し、新鮮な触媒を添加し、反応媒体をさらに3時間水素化した。Celite(登録商標)上でろ過した後、エタノールで洗浄し、蒸発乾固させ、脱ベンジル化生成物973mgを無色油の形態で得た。
収率=65%であった。
LC−MS tR(方法A):0.09分;MS(ES)m/z:199.2(MH+)
1H NMR:CDCl3(400MHz):δ(ppm):2.53〜2.65(4H,m);2.75(2H,t);3.02(4H,m);3.59(1H,m);4.15(2H,t)。
【0138】
工程3:5−クロロ−1−{2−オキソ−2−[4−(2−トリフルオロメトキシエチル)ピペラジン−1−イル]エチル}−1H−インドール−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化55】
EDC557mg(3.8mmol)およびペンタフルオロフェノール534mg(2.9mmol)をDMF30ml中に1−カルボキシメチル−5−クロロ−1H−インドール−3−カルボン酸tert−ブチルエステル600mg(1.9mmol)を含む溶液に添加した。20分間撹拌した後、N−エチルモルホリン0.7ml(5.7mmol)および1−(2−トリフルオロメトキシエチル)ピペラジン416mg(2.0mmol)を添加し、反応媒体をATで12時間撹拌した。溶媒を蒸発させた後、残留物をDCMと混合し、次いでLiCl水溶液(4%w/w)で2×洗浄した。有機相をMgSO
4上で乾燥し、蒸発乾固させ、次いで得られた粗生成物をエチルアセタート/ヘプタングラジエントで溶出させてシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して所定の生成物634mgを得た。
収率=68であった。
LC−MS tR(方法A):0.75分;MS(ES)m/z:436.4(MH+)
【0139】
工程4:5−クロロ−1−{2−オキソ−2−[4−(2−トリフルオロメトキシエチル)ピペラジン−1−イル]エチル}−1H−インドール−3−カルボン酸
【化56】
トリフルオロ酢酸0.9mlを、DCM10ml中に5−クロロ−1−{2−[4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1H−インドール−3−カルボン酸tert−ブチルエステル634mg(1.4mmol)を含む溶液に添加した。3時間撹拌した後、反応媒体を濃縮し、次いでトルエン(2x)と共蒸留した。生成残留物をMeCN/水混合物に溶解し、2NのHCl1.3mlを添加した後に凍結乾燥した。この手順を1回反復して所定の生成物の塩酸塩567mgを得た。
収率=94%であった。
LC−MS tR(方法A):0.55分;MS(ES)m/z:380.3(MH+)
【0140】
4.化合物{3−[4−(4−ブチリル−5−メチルピラゾール−1−イル)−trans−シクロヘキシルカルバモイル]−5−クロロインドール−1−イル}酢酸の製造
【化57】
【0141】
工程1:{3−[4−(4−ブチリル−5−メチルピラゾール−1−イル)−trans−シクロヘキシルカルバモイル]−5−クロロインドール−1−イル}酢酸メチルエステル
【化58】
EDC439mg(2.2mmol)を、DCM12ml中に5−クロロ−1−メトキシカルボニルメチル−1H−インドール−3−カルボン酸(製造2.1)600mg(2.0mmol)とDMAP528mg(4.3mmol)とを含む溶液に添加した。数分間撹拌した後、媒体は均一になり、1−[1−(4−アミノ−trans−シクロヘキシル)−5−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]ブタン−1−オン(製造1.1)610mg(2.45mmol)を添加した。ATで48時間撹拌した後、反応媒体を水(1×)により、1NのHCl(1×)により、NaHCO
3(1×)により、次いでブラインにより洗浄した。有機相をNa
2SO
4上で乾燥し、次いで蒸発乾固させて茶色油1.1gを得た。油性残留物をDCM/メタノールグラジエントで溶出させてシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。得られた黄色油(550mg)をアセトンと混合し、次いでイソエーテル上に滴加した。形成された白色沈殿をろ別し、イソエーテルで洗浄し、真空下で乾燥して白色粉末300mgを得た。
収率=30%であった。
1H NMR:DMSO−d
6(400MHz):δ(ppm):8.15(1H,d,J=2.2Hz);8.08(1H,s);8.03(1H,s);7.93(1H,d,J=7.7Hz);7.52(1H,d,J=8.9Hz);7.21(1H,dd,J=8.9,2.2Hz);5.25(2H,s);4.22(1H,m);3.85(1H,m);3.70(3H,s);2.73(2H,t,J=7.2Hz);2.56(3H,s);2.05〜1.85(6H,m);1.59(2H,六重線,J=7.2Hz);1.55(2H,m);0.91(3H,t,J=7.2Hz)。
【0142】
工程2:{3−[4−(4−ブチリル−5−メチルピラゾール−1−イル)−trans−シクロヘキシルカルバモイル]−5−クロロインドール−1−イル}酢酸
【化59】
NaOH26mg(0.66mmol)を、メタノール3ml中に{3−[4−(4−ブチリル−5−メチルピラゾール−1−イル)−trans−シクロヘキシルカルバモイル]−5−クロロインドール−1−イル}酢酸メチルエステル(前の工程で製造された)300mg(0.60mmol)を含む溶液に添加した。反応媒体を2時間撹拌し、次いで蒸発乾固させた。残留物を水と混合し、次いで1NのHCl0.7mlを添加した。形成された沈殿をろ別し、水で洗浄し、次いで60℃真空下でオーブン乾燥して白色粉末260mgを得た。
収率=89%であった。
1H NMR:DMSO−d
6(400MHz):δ(ppm):8.15(1H,d,J=2.2Hz);8.09(1H,s);8.03(1H,s);7.90(1H,d,J=7.8Hz);7.49(1H,d,J=8.8Hz);7.19(1H,dd,J=8.8,2.2Hz);5.03(2H,s);4.22(1H,m);3.85(1H,m);2.72(2H,t,J=7.2Hz);2.56(3H,s);2.05〜1.85(6H,m);1.59(2H,六重線,J=7.2Hz);1.55(2H,m);0.91(3H,t,J=7.2Hz)。