特表2015-536048(P2015-536048A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-536048(P2015-536048A)
(43)【公表日】2015年12月17日
(54)【発明の名称】改善されたエッジリングリップ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20151120BHJP
   H01L 21/26 20060101ALI20151120BHJP
   H01L 21/265 20060101ALI20151120BHJP
【FI】
   H01L21/68 N
   H01L21/26 Q
   H01L21/265 602B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-534491(P2015-534491)
(86)(22)【出願日】2013年8月15日
(85)【翻訳文提出日】2015年5月19日
(86)【国際出願番号】US2013055167
(87)【国際公開番号】WO2014051874
(87)【国際公開日】20140403
(31)【優先権主張番号】13/630,291
(32)【優先日】2012年9月28日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ラニッシュ, ジョゼフ エム.
(72)【発明者】
【氏名】アダーホールド, ウルフギャング アール.
(72)【発明者】
【氏名】ケルメル, ブレイク
(72)【発明者】
【氏名】ラビッツキー, イリヤ
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA24
5F131CA03
5F131EA04
5F131EA24
5F131EB55
5F131EB56
5F131EB57
5F131EB72
5F131EB78
5F131EB81
5F131EB87
5F131KA23
5F131KA47
5F131KA54
5F131KB30
5F131KB60
(57)【要約】
本発明の実施形態は、一般に、プロセスチャンバ内で基板を支持するための支持リングに関する。1つの実施形態では、支持リングは、内側リングと、平坦部分を通して内側リングの外側周囲につながる外側リングと、基板を支持するための支持棚を形成するために内側リングの内側周囲から半径方向内部に延びるエッジリップと、エッジリップの上面に形成された基板支持体とを含む。基板支持体は、エッジリップの上面から上方にかつ垂直に延びる多数の突起、またはエッジリップのエッジ部分に固定できる多数のU形状クリップを含むことができる。基板支持体は、エッジリップを通る熱損失を防止するために基板をエッジリップから熱的に切り離し、その結果、最小のエッジ温度勾配をもつ基板の端から端までの改善された温度プロファイルがもたらされる。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リング本体と、
前記リング本体の表面から半径方向内部に延びるエッジリップと、
前記エッジリップの周縁のまわりにほぼ均等に隔置された3つ以上の基板支持体であり、前記基板支持体が、前記エッジリップの長手軸に対して上方にかつ垂直に前記エッジリップの上面から延びる突起である、3つ以上の基板支持体と
を含む基板支持リング。
【請求項2】
前記突起が約50ミクロンから約300ミクロンの高さを有する、請求項1に記載の支持リング。
【請求項3】
前記基板支持体が、前記エッジリップのエッジ部分に固定できるU形状クリップである、請求項1に記載の支持リング。
【請求項4】
前記U形状クリップが約0.05mmから約0.3mmの厚さを有する、請求項3に記載の支持リング。
【請求項5】
内側リングと、
平坦部分を通して前記内側リングの外側周囲につながる外側リングであり、前記平坦部分が前記外側リングの内側周囲から前記内側リングの外側周囲まで半径方向内部に延びる、外側リングと、
支持棚を形成するために前記内側リングの内側周囲から半径方向内部に延びるエッジリップと、
前記エッジリップの周縁のまわりにほぼ均等に隔置された3つ以上の基板支持体であり、前記基板支持体が、前記エッジリップの長手軸に対して上方にかつ垂直に前記エッジリップの上面から延びる3つ以上の突起を含む、3つ以上の基板支持体と
を含む基板支持リング。
【請求項6】
前記3つ以上の突起が約50ミクロンから約300ミクロンの高さを有する、請求項5に記載の支持リング。
【請求項7】
前記基板支持体が、前記エッジリップのエッジ部分に固定できる3つ以上のU形状クリップを含む、請求項5に記載の支持リング。
【請求項8】
前記U形状クリップが約0.05mmから約0.15mmの厚さを有する、請求項7に記載の支持リング。
【請求項9】
熱処理チャンバ内で基板を処理する方法であって、
リング本体と、前記リング本体の表面から半径方向内部に延びるエッジリップとを有する基板支持リングを用意することと、
前記エッジリップの周縁のまわりにほぼ均等に隔置された3つ以上の基板支持体によって前記基板の周辺エッジの近くで前記基板の裏面を支持することであり、前記3つ以上の基板支持体が、前記エッジリップの長手軸に対して上方にかつ垂直に前記エッジリップの上面から延びる突起である、支持することと、
放射エネルギーを前記基板の方に導くことによって前記基板を加熱することであり、前記放射エネルギーは、前記3つ以上の基板支持体が前記プロセスの間前記基板の前記裏面と点接触するように少なくとも前記エッジリップを上方に曲げるのに十分である、加熱することと
を含む、方法。
【請求項10】
前記エッジリップが、前記基板の前記裏面の下で約0.5mmから約5.0mmの距離を延びる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記突起が、正方形形状または半球形状の突起である、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記3つ以上の基板支持体が、前記エッジリップのエッジ部分に固定できるU形状クリップである、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記基板支持体の高さは、前記基板の前記裏面と前記エッジリップの上面との間の間隙が、前記エッジリップを前記基板から熱的に切り離すのに十分な大きさであるが、際立った光通路を防止するのに十分な小ささとなるように構成される、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記放射エネルギーが、前記基板の上部表面の上に配設された放射熱源から導かれる、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記放射エネルギーが、前記基板の裏面の下に配設された放射熱源から導かれる、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、プロセスチャンバ内で基板を支持するための支持リングに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板などの基板の処理では、基板はプロセスチャンバ内の支持体上に載置され、好適な処理条件がプロセスチャンバ内で維持される。例えば、基板は、基板を熱的に処理するために、制御された加熱サイクルで加熱することができる。基板は、例えば、チャンバ内で基板の上および/または下に配設された加熱ランプのアレイで加熱することができる。熱処理は、例えば、基板にイオン注入された層をアニールする、熱酸化または窒化プロセスを行う、または基板に熱化学気相堆積プロセスを行うために使用することができる。
【0003】
基板を横切る温度勾配の変化が基板の不均一処理をもたらす場合があることが観察されている。支持体(または他のチャンバ構成要素)に接する基板の領域および支持体に接しない基板領域からの不均一な対流または伝導熱損失のために、不均一な温度が様々な基板領域で生じる。基板の温度勾配は、チャンバ壁から内側に延び、基板の周辺を囲む基板支持リングを使用して減少させている。特に、熱処理されるべき基板は、基板の周辺において、基板のエッジと接触する環状リップを有する支持リングのエッジによって支持される。支持リングは、基板周辺から支持リングの外側エッジまで基板の温度勾配を効果的に拡大するかまたは押し出す。基板と支持リングとの重なりが、さらに、支持リングの内側または外側のいずれかの支持リングのエッジのまわりで放射熱源(基板の上に配設された)からの高温放射エネルギーが漏洩するのを防止または最小化する。
【0004】
環状エッジを有する支持リングは、急速加熱速度プロセス、例えば、少なくとも約200℃/秒の加熱速度を有するプロセスにおいて基板の端から端まで十分な温度均一性を用意することができないことがある。急速加熱速度プロセスにおいて、支持リングと基板との間の加熱速度の差が、加熱プロセス段階中に受け入れがたいほど高くなる基板の周辺に沿った温度勾配を発生させる。基板は、さらに、主として、変わりやすい表面仕上げおよび基板と支持リングとの間の平面性/平坦度による固体−固体熱接触の方位変化によって引き起こされる方位温度変化を経験することがある。いくつかの状況では、基板と支持リングの環状リップとは基板のエッジの近くで重なるので、基板だけの温度を測定し調節することによってエッジの近くの均一な温度プロファイルを達成することは困難である。基板の熱的および光学的性質と比べた支持リングの熱的性質に応じて、基板の温度プロファイルは、一般に、エッジで高いかまたはエッジで低い。特に、基板が急速熱処理(RTP)システムなどにおいて急速加熱速度で加熱される場合、基板の端から端まで温度均一性を達成することは特に困難である。
【0005】
それゆえに、支持リングが熱処理中に基板に過度の温度勾配を発生させないように、基板と支持リングとの間の重なり領域でのいかなる方位変化も防止または最小化する改善された支持リングを有することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施形態は、一般に、熱処理の間プロセスチャンバ内で基板を支持するための支持リングに関する。1つの実施形態では、基板支持リングが提供される。基板支持リングは、リング本体と、リング本体の半径方向内部に延びるエッジリップと、エッジリップの周縁のまわりに均等に隔置された3つ以上の基板支持体とを含む。基板支持体は、エッジリップの長手軸に対して上方にかつ垂直にエッジリップの上面から延びる突起とすることができ、またはエッジリップのエッジ部分に固定できるU形状クリップとすることができる。どちらの場合にも、基板支持体の高さは、基板の裏面とエッジリップの上面との間の間隙が、エッジリップを基板から熱的に切り離すのに十分な大きさであるが、際立った光通路を防止するのに十分な小ささとなるように構成される。
【0007】
別の実施形態では、支持リングは、内側リングと、平坦部分を通して内側リングの外側周囲につながる外側リングと、基板を支持するための支持棚を形成するために内側リングの内側周囲から半径方向内部に延びるエッジリップと、エッジリップの周縁のまわりに均等に隔置された3つ以上の基板支持体とを含む。
【0008】
さらなる別の実施形態では、熱処理チャンバ内で基板を処理する方法が提供される。この方法は、リング本体と、リング本体の半径方向内部に延びるエッジリップとを有する基板支持リングを用意することと、エッジリップの周縁のまわりに均等に隔置された3つ以上の基板支持体によって基板の周辺エッジの近くで基板の裏面を支持することと、放射エネルギーを基板の方に導くことによって基板を加熱することであり、放射エネルギーは、3つ以上の基板支持体がプロセスの間基板の裏面と点接触するように少なくともエッジリップを上方に曲げるのに十分である、加熱することとを含む。
【0009】
本発明の上述で列挙した特徴を詳細に理解できるように、上述で簡単に要約した本発明のより詳細な説明を実施形態を参照して行うことができ、実施形態のいくつかを添付図面に示す。しかしながら、添付図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示しており、それゆえに、本発明は他の同等に有効な実施形態を認めることができるので本発明の範囲を限定すると見なすべきでないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】基板支持リングを有する例示的な急速熱処理チャンバを概略的に示す図である。
図2A】本発明の1つの実施形態による、図1の基板支持リングの代わりに使用することができる支持リングの概略的な断面側面図である。
図2B】支持リングのエッジリップの長手方向曲げ歪みにより基板と離散的な点接触を行うようにわずかに上方に曲がっている図2Aの基板支持体の概略的な断面側面図である。
図2C】本発明の1つの実施形態による半球形状バンプを使用する基板支持体の概略的な断面側面図である。
図2D】本発明の1つの実施形態によるピンを使用する基板支持体の概略的な断面側面図である。
図2E】本発明の1つの実施形態による3つのバンプまたは突起をもつエッジリップの概略的な上面部分図である。
図3A】本発明の別の実施形態による、図1の支持リングの代わりに使用することができる支持リングの概略的な断面側面図である。
図3B】支持リングのエッジリップの長手方向曲げ歪みにより基板と離散的な点接触を行うようにわずかに上方に曲がっている図3Aの基板支持体の概略的な断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態は、一般に、熱処理の間プロセスチャンバ内で基板を支持するための支持リングに関する。熱処理されるべき基板は、基板の周辺において、支持リングのエッジリップによって支持される。支持リングは、プロセスチャンバの内側周縁表面に沿って半径方向内部に延び、基板の周辺を囲む。支持リングは、支持リングの表面から半径方向内部に延びるエッジリップを有する。エッジリップの一部は、基板をエッジリップから熱的に分離しながら基板の周辺を裏面から支持するように構成される。周辺全体のまわりで基板を支持する従来の手法とは対照的に、エッジリップは多数の基板支持体を備え、基板支持体は基板と離散的な線接触または点接触を行い、それによって、支持リングのリップ部分と基板との間の熱の伝導性移動に利用可能な接触面積を減少させ、その結果、最小のエッジ温度勾配をもつ基板の端から端までの改善された温度プロファイルがもたらされる。以下でより詳細に論じるように、基板支持体は、エッジリップの上部表面上に形成された3つ以上の突起もしくはバンプ、または基板のエッジ部分に係合するU形状クリップとすることができる。上部加熱構成が適応される様々な実施形態では、基板支持体の高さは、基板の裏面とエッジリップの上面との間の間隙を十分に大きくし、その結果、固体−固体接触が減少して、光漏洩なしに(すなわち、プロセスチャンバ内の光源放射の光がパイロメータに達しないように)基板とエッジリング支持体との間の固体−固体伝導または熱結合を減少または除去するように最適化される。光漏洩を減少させると、高温測定の精度が向上すると同時に、重なり区域でのガス伝導が減少する。
【0012】
底部加熱構成が適応されるいくつかの実施形態では、基板の裏面とエッジリップの上面との間の間隙は、固体−固体接触を減少させて、固体−固体伝導と、そのタイプの接触の予期せぬ方位変化とを除去するためにちょうど十分な大きさとするが、エッジリップが、依然として、基板の遮蔽された外側周囲に熱を伝導しなければならないのでちょうど十分な大きさ以上でないようにすべきである。
【0013】
例示的な急速熱処理チャンバ
図1は、急速熱処理チャンバ10を概略的に示す。基板12、例えば、熱処理されるべきシリコン基板などの半導体基板は、バルブまたはアクセスポート13を通して処理チャンバ10のプロセス区域18に通される。基板12は、基板の周辺において、環状支持リング14によって支持される。エッジリップ15は、環状支持リング14の内側に延び、基板12の周辺エッジと接触する。基板は、基板12の前面に既に形成されている処理済み特徴部16が、基板の上側に透明石英窓20によって画定されたプロセス区域18の方に上方に面するように配向させることができる。すなわち、基板12の前面はランプ26のアレイの方に面している。いくつかの実施形態では、上に形成された処理済み特徴部をもつ基板12の前面は、ランプ26のアレイから離れて面する、すなわち、パイロメータ40の方に面することができる。概略図に反して、特徴部16は、大部分は、基板12の前面を超えて大幅な距離を突き出すのではなく、前面の面の内部および近くにパターニングを構成する。
【0014】
パドルまたはロボットブレード(図示せず)が基板を処理チャンバの中におよび支持リング14の上に持ってくる間に基板が渡されるとき、基板12の裏面側を支持するために、3つのリフトピンなどの複数のリフトピン22を上昇および降下させることができる。放射加熱装置24は窓20より上に位置づけられ、窓20を通して基板12の方に放射エネルギーを導くように構成される。処理チャンバ10において、放射加熱装置は、六方最密アレイで窓20の上に配列されたそれぞれの反射チューブ27に位置づけられた多数の(409が例示的な数である)高強度タングステン−ハロゲンランプ26を含むことができる。ランプ26のアレイは、時には、ランプヘッドと呼ばれる。しかしながら、他の放射加熱装置を代用できると考えられる。一般に、放射加熱装置は、放射源の温度を急速に上昇させるために抵抗加熱を含む。好適なランプの例には、フィラメントを囲むガラスまたはシリカの外囲容器を有する水銀ランプと、ガスがエネルギーを与えられたとき熱源を生成するキセノンなどのガスを囲むガラスまたはシリカの外囲容器を備えたフラッシュランプとが含まれる。本明細書で使用するランプという用語は、熱源を囲む外囲容器を含むランプを対象とすることを意図している。ランプの「熱源」は、基板の温度を上げることができる材料または要素、例えば、エネルギーを与えることができるフィラメントまたはガス、あるいはLEDまたは固体レーザおよびレーザダイオードなどの放射を放出する材料の固体領域を参照する。
【0015】
本明細書で使用するとき、急速熱処理すなわちRTPは、約50℃/秒以上の速度で、例えば、約100℃/秒から150℃/秒、および約200℃/秒から400℃/秒の速度で基板を均一に加熱することができる装置またはプロセスを参照する。RTPチャンバの典型的なランプダウン(冷却)速度は、約80℃/秒から150℃/秒の範囲にある。RTPチャンバで行われるいくつかのプロセスは、基板の端から端まで温度変化が摂氏数度未満であることを必要とする。したがって、RTPチャンバには、最大で約100℃/秒から150℃/秒まで、および約200℃/秒から400℃/秒の速度で加熱し、これらの速度で迅速に加熱できる加熱システムおよび加熱制御システムを有していない他のタイプの熱チャンバから急速熱処理チャンバを区別することができるランプまたは他の好適な加熱システムおよび加熱システム制御が含まれなければならない。そのような加熱制御システムをもつRTPチャンバは、5秒未満で、例えば、1秒未満で、実施形態によってはミリ秒でサンプルをアニールすることができる。
【0016】
基板12の端から端までの温度を、基板12の端から端まで厳密に規定された均一な温度に制御することが重要である。均一性を改善する1つの受動的手段は、基板12の下に配設されたリフレクタ28を含むことができる。リフレクタ28は、基板12よりも大きい区域に平行に、かつその区域にわたって延びる。リフレクタ28は、基板12の見かけの放射率を増強させるために、基板12から放出された熱放射を基板12の方に効率的に反射して戻す。基板12とリフレクタ28との間の間隔は約3mmから9mmの間とすることができ、空洞の厚さに対する幅のアスペクト比は20を超えることが有利である。アルミニウムで製作することができ、高反射性表面被覆または多層誘電体干渉ミラーを有するリフレクタ28の上部と、基板12の裏面とは、基板の実効放射率を増強するための反射空洞を形成し、それによって、温度測定の精度を改善する。いくつかの実施形態では、リフレクタ28は、より不規則な表面を有するか、または黒体壁により緊密に似ているように黒色もしくは他の有色の表面を有することができる。リフレクタ28は、特に冷却中に基板からの過剰な放射を吸熱するために金属で製作されている水冷式基部53である第2の壁53に堆積させることができる。それゆえに、処理チャンバ10のプロセス区域は少なくとも2つの実質的平行な壁を有し、そのうちの第1の壁は、石英などの放射に対して透明な材料で製作された窓20であり、第2の壁53は、第1の壁と実質的に平行であり、明らかに透明でない金属で製作されている。
【0017】
均一性を改善する1つの方法は、処理チャンバ10の外に位置づけられた回転可能フランジ32に磁気結合された回転可能シリンダ30上の支持リング14を支持することを含む。モータ(図示せず)がフランジ32を回転させ、したがって、一般に対称なチャンバの中心線でもあるフランジ32の中心34のまわりに基板を回転させる。代替として、回転可能シリンダ30の底部は、回転可能フランジ32に配設された磁石によって所定位置に保持され、回転可能フランジ32内のコイルからの回転可能フランジ32中の磁場を回転させることによって回転される磁気浮上シリンダとすることができる。
【0018】
均一性を改善する別の方法は、ランプ26を、中心軸34のまわりに概してリング様に配列されたゾーンに分割する。制御回路は、異なるゾーンのランプ26に送出される電圧を変化させ、それによって、放射エネルギーの径方向分布を調整する。区域に分けられた加熱の動的制御は、回転する基板12の半径を横切って温度を測定するためにリフレクタ28の開孔を通して基板12の裏面に面するように位置づけられた1つまたは複数の光学ライトパイプ42を通して結合される1つまたは複数のパイロメータ40によって変化をもたらされる。ライトパイプ42は、サファイア、金属、およびシリカファイバを含む様々な構造から形成することができる。コンピューター化されたコントローラ44は、パイロメータ40の出力を受け取り、それに応じて、ランプ26の異なるリングに供給される電圧を制御し、それによって、処理の間放射加熱強度およびパターンを動的に制御する。パイロメータは、一般に、約700から1000nmの間の範囲で、例えば40nmの狭い波長帯域幅の光強度を測定する。コントローラ44または他の計器装備は、その温度に保持された黒体から放射する光強度のスペクトル分布のよく知られているプランク分布を介して光強度を温度に変換する。しかしながら、高温測定は、走査されている基板12の部分の放射率によって影響を受ける。放射率εは、黒体での1から完全なリフレクタでの0までの間で変わる可能性があり、したがって、基板裏面の反射率R=1−εの逆指標である。基板の裏面は一般に均一であり、その結果、均一放射率が予想されるが、裏側組成物は事前処理に応じて変わることがある。高温測定は、エミソメーターであって、基板を光学的に検査して、エミソメーターが面している基板の部分の放射率または反射率を関連波長範囲で測定するエミソメーターを含むこと、および測定放射率を含むためのコントローラ44内の制御アルゴリズムによって改善することができる。
【0019】
例示的な支持リング
図2Aは、本発明の1つの実施形態による、図1の支持リング14の代わりに使用することができる支持リング200の概略的な断面側面図である。図2Aに図示した支持リング200は、処理チャンバ、例えば、図1に示した急速熱処理チャンバ10内に配設することができ、処理チャンバ10の内側周縁表面60に沿って半径方向内部に延びる。様々な実施形態において以下に論じるように、支持リングは、基板の周辺を実質的に囲む連続リング本体(またはいくつかの実施形態では離散的リング様本体)とすることができる。支持リングは、基板の裏面と離散的に点接触するためのいくつかの支持特徴部を有するエッジリップを囲む。いくつかの実施形態では、エッジリップは、加熱プロセス中のエッジリップの曲がりを制御するために支持リングの周縁に沿って変化する半径方向幅を有することができる。エッジリップの半径方向幅は、光漏洩問題を最小にするために加熱ランプの構成に応じて変化することができる。基板212は、基板212が丸いエッジを有することがあるので単に例示的な目的のために正方形のエッジで示されていることに留意すべきである。
【0020】
図2Aに示す1つの実施形態では、支持リング200は、一般に、外側リング202と内側リング204とを含む。外側リング202は、外側リング202の内側周囲203から内側リング204の外側周囲205まで半径方向内部に延びる平坦部分206を通って内側リング204につながる。外側リング202は、図1に示した回転可能シリンダ30などのシリンダ230によって支持される。上部加熱タイプ構成では、回転可能シリンダ230は、支持リング200に外側リング202からちょうど内側に接触することができる。すなわち、外側リング202の底面は、光漏洩を防止し、かつ必要とされる機械的安定性を与えるために、平坦部分206の上面206aと向き合っている。支持リング200は、基板212の周辺エッジの近くで基板212の裏面212bを支持するための支持棚を形成するために、内側リング204の内側周囲207から半径方向内部に延びるエッジリップ208をさらに含む。エッジリップ208は、基板212の直径に応じたサイズにされる。例えば、エッジリップ208は、基板212の下で十分な距離を延び、公称12インチ(300mm)基板では約0.5mmと約5.0mmとの間の範囲、約1.5mmと約2.8mmとの間など、例えば0.8mmの半径方向重なり区域「D」を造り出すことができる。本開示で使用する「重なり」の項は、図2AにDとして示したように測定されていることに留意されたい。エッジリップ208は、一貫した半径方向幅をもつ連続リング形状とすることができる。代替として、エッジリップ208は、加熱プロセス中のエッジリップの曲がりを最小化または除去しながら、エッジリップを製作するのに使用される材料の量を減少させるために、支持リングの周縁に沿って変化する半径方向幅を有することができる。エッジリップ208の半径方向幅は、光漏洩問題を最小にするために(すなわち、プロセスチャンバ内の光源放射の光がパイロメータに達しないようにするために)加熱ランプの構成に応じて変化することができる。
【0021】
エッジリップ208の上面208aは平坦部分206の上面206aより相対的に下にあり、内側リング204の内側周囲207内に基板212を保持できる凹部214を形成することができる。具体的には、基板は、エッジリップ208の上面208aに形成された基板支持体210を介してエッジリップ208によって支持される。基板支持体210は、重なり区域「D」内で、基板212とエッジリップ208との間に配置することができる。基板支持体220は、エッジリップ208の長手軸に対して上方にかつ垂直に上面208aから延びる。1つの態様では、内側リング204の上部表面は、基板212の上部表面212aとほぼ同じ高さにある。
【0022】
図2Aに示した実施形態では、基板支持体210は、エッジリップ208の周縁のまわりに図2E(3つのバンプまたは突起250をもつエッジリップ208の上面部分図を示す)に示すようにほぼ均等に隔置された、または不規則に分散された3つ以上のバンプまたは突起を含むことができる。支持リング200の急速加熱の際に、平坦部分206および/またはエッジリップ208は、図2Bに示すようにわずかに上方に曲がる。そのとき、基板支持体210(すなわち、バンプまたは突起)は、エッジリップ208の長手方向曲げ歪みにより、エッジリップ208の周縁のまわりで面接触であったものから基板212の裏面212bとの実質的な線接触に変わる。それゆえに、基板が基板の周辺全体のまわりをエッジリップによって支持される従来の手法とは逆に、本発明のバンプまたは突起は離散的な線接触を基板212に与え、それにより、支持リング200のエッジリップ208と基板212との間の熱の伝導性移動で利用可能な接触区域が実質的に減少する。バンプまたは突起は、基板212をエッジリップ208から熱的に切り離し、エッジリップ208を通る熱損失を防止する。基板212と支持リング200との間の面接触区域を減少させると、基板212とエッジリップ208との重なりによって引き起こされる熱質量不連続をより良好に管理することも可能になる。それゆえに、基板のエッジのまわりの熱損失によって発生される熱勾配の歪みが減少し、基板212とエッジリップ208との間の重なり領域の方位温度変化が最小にされ、その結果、最小のエッジ温度勾配を有する基板の端から端までの改善された温度プロファイルがもたらされる。エッジリップ208と基板212との間の接触区域の減少は、さらに、処理チャンバ内のありうる粒子汚染を減少させる。
【0023】
図1に示した上部放射加熱配列では、放射熱源からの放射は、基板が基板支持体210によりエッジリップ208から熱的に切り離されているので重なり領域の熱質量不連続についてあまり心配することなく、単に基板を加熱するように調整することができる。それゆえに、本発明の基板支持体は、より速い到達可能熱傾斜速度またスパイクパワー情況の減少につながることができる。底部放射加熱配列(すなわち、基板は、裏面212bが放射熱源に向き合い、一方、集積回路などの特徴部が面する上部表面212aが放射熱源から離れている状態で保持される)では、エッジリップ208が基板212のエッジを遮蔽しているので、エッジリップ208は、遮蔽されている基板の部分に熱を伝導するために過熱される必要がある場合がある。しかしながら、支持リング200を過熱すると、エッジリップ208を上方に過度に歪ませるか、または支持リングにとって望ましくない熱応力または損傷さえ引き起こす。その場合、曲がりにくいリブ(図示せず)が、高さ方向のエッジリップ208の変位を減少させるために、約1mmから約10mmなどの大きさの程度だけエッジリップ208の上面208aに載置されうる。それゆえに、エッジリップと基板との間の重なり領域の方位温度変化が減少する。
【0024】
バンプまたは突起は、レーザ加工技法または任意の好適な技法を使用してエッジリップ208の上面208aに形成することができる。バンプまたは突起は、長方形、菱形、正方形、半球、六角形、三角形の突出部、または異なるように整形された突出部の混合などの任意の好適な形状とすることができる。ある例では、基板支持体210は正方形形状バンプまたは突起である。別の例では、基板支持体210は半球形状バンプまたは突起である。図2Cは、半球形状バンプ216が基板支持体として使用されている一例を示す。半球形状バンプまたは突起は、面接触または線接触を点接触に変えることによってエッジリップと基板との間の面接触区域をさらに低減させることができるので、半球形状バンプまたは突起は実効熱質量減少に関してより有利でありうる。そのような例では、半球形状バンプ216を収容するためにエッジリップ208の上面208aに凹部218を形成することができる。バンプまたは突起は完全な半球、正方形などである必要がないと考えられる。基板212が、基板支持体210と基板212の裏面212bとの間の最小接触区域で安全に支持される限り、基板支持体210の形状および/または寸法は変わることができる。正方形突出部が使用される場合、基板支持体210の寸法は、幅が約0.2mmと約2mmとの間などの約0.1mmと約10mmとの間の広い許容限度にわたって変わることができ、例えば約1mmである。
【0025】
上記のように、処理チャンバのプロセス区域の基板温度は、普通、図1のパイロメータ40などの放射高温測定によって測定される。放射高温測定は非常に正確でありうるが、放射パイロメータ帯域幅内にあり、かつ加熱源から生じる放射は、この放射がパイロメータによって検出される場合、基板からのパイロメータ信号の解釈に干渉することがある。それゆえに、本実施形態の基板支持体210、例えば、バンプまたは突起の高さは、基板212の裏面212bとエッジリップ208の上面208aとの間の間隙「H」が基板212をエッジリップ208から熱的に切り離すのに十分な大きさであるが、下にあるパイロメータへの宙に浮いた基板212のまわりの光源放射(図示せず)からの際立った光漏洩を防止するのに十分な小ささとなるように形成される必要がある。上部加熱構成が使用される様々な実施形態では、基板支持体210(または間隙「H」)は、最大高さが約50ミクロンから約300ミクロンまで、例えば約100ミクロンとすることができる。基板支持体210の存在が光源放射から来るほとんどの光を阻止するだけでなく、パイロメータに達する光の量は、光がパイロメータに到達するには半径方向内側にはるかに進まなければならないように基板212とエッジリップ208との間の半径方向の重なり区域「D」の距離を増加させることによってさらに制限することができる。それゆえに、光漏洩問題は最小にされる。
【0026】
支持リング200の寸法は、好適な熱質量(T)を備えるように選択される。例えば、寸法は、約2J/Kから約750J/K熱質量(T)を与える、300mmの直径を有する基板を処理するための約20gなどの約4gから約40gの質量と同等な質量と、約0.95の基板吸収率とを備えるように選択することができる。例えば、熱質量は、約300mmの直径を有する基板を処理するための約2×10−3から約3×10−2の照射リング表面積、および約1.0の吸収率の場合、約3J/Kから約45J/Kの熱質量と同等となりうる。別の例として、熱質量は、約300mmの直径を有する基板を処理するための約3×10−3から約3×10−2の照射リング表面積、および約0.1の吸収率の場合、約30J/Kから約450J/Kの熱質量と同等となりうる。1つの態様では、支持リング200の熱質量は、約23J/Kなどの約4J/Kから約44J/Kである。寸法は、例えば、平坦部分206およびエッジリップ208のうちの1つまたは複数の厚さを増加または減少させることによって選択することができる。例えば、約300mmの直径を有する基板を処理するには、平坦部分206の好適な厚さ(W)は、約3.3×10−4mと約5.1×10−4mとの間などの約2.3×10−4mから約8.2×10−4mの厚さと同等の厚さとすることができ、エッジリップ208の好適な厚さ(W)は、約1.3×10−4mと約2.5×10−4mとの間などの約1.8×10−4mから約4.5×10−4mの厚さと同等の厚さとすることができる。平坦部分206またはエッジリップ208の直径、ならびに外側リング202および内側リング204の寸法は、さらに、所望の熱質量を備えるように調節することができる。さらに、支持リング200の熱質量の良好な分布を与え、基板212の温度勾配を減少させるのに、約1.14から約1.3のエッジリップ厚さ(W)に対する平坦部分厚さ(W)の比を維持することが望ましい場合があることが発見された。
【0027】
基板支持体210は、基板の温度測定で使用される周波数範囲で放射に対して透明な材料で製作することができる。1つの例では、基板支持体210は炭化ケイ素で製作される。炭化ケイ素合金、セラミックス、または高温材料(アモルファスシリカ、Al、ZrO、Siなど)、または同様の材料などの他の材料も考えられる。支持リング200は、基板と支持リングとの間の吸収率/反射率不整合を最小にするように基板と同様の材料で製作することができる。1つの例では、支持リング200は炭化ケイ素で製作される。いくつかの実施形態では、支持リング200は、オプションとして、熱処理チャンバ内の基板の温度測定で使用される周波数範囲の放射に対して支持リング200を不透明にするために多結晶シリコン(ポリシリコン)の層で被覆することができる。そのような場合、ポリシリコン層の厚さは、支持リング200の厚さに応じて、または例えば支持リング200に使用されるSiCの不透明性に応じて、約20μmと約50μmとの間の範囲にわたって変わることができる。
【0028】
図3Aは、本発明の別の実施形態による、図1の基板支持リング14の代わりに使用することができる支持リング300の概略的な断面側面図である。支持リング300は、一般に、外側リング302と内側リング304とを含む。一般に、支持リング300は、基板支持体210がエッジリップ308のエッジ部分320に固定できる複数の基板支持体310と取り替えられていることを除いて図2Aの支持リング200と同一である。基板支持体310は、例えば、図2Eの図に示すような方法で、エッジリップ308の周縁のまわりに不規則に分散されるかまたは実質的に均等に隔置される3つ以上のU形状クリップを含むことができる。基板支持体310は、エッジリップ308の周縁のまわりでエッジリップ308の上面308aおよび裏面308bの少なくとも一部に固定されるように構成される。
【0029】
基板支持体210と同様に、平坦部分306および/またはエッジリップ308は、支持リング300の急速加熱の際にわずかに上方に曲がる。エッジリップ308の長手方向曲げ歪みのために、U形状クリップは、図3Bに示すように、基板支持体210と基板312との間の面接触であったものから基板312の裏面312bとの実質的な線接触またはさらに点接触に変わる。言い換えれば、基板支持体310は、基板312をエッジリップ308から熱的に切り離し、それによって、エッジリップ308による熱損失を減少させながら、最小化接触区域で基板312の裏面312bを支持することによって、図2Aの基板支持体210の役割と同様の役割を果たす。U形状クリップは、横方向張力でエッジリップ308のエッジ部分320にクリップ留めすることができる。支持リングを回転してもU形状クリップはエッジリップ308上に保持されることになる。任意の好適な接着剤(図示せず)またはボルトなどの予知できる取付け機構をエッジリップ308に付加して、潜在的な粒子生成問題を防止すること、またはプロセス中にU形状クリップが抜け落ちるのを防止することができる。
【0030】
U形状クリップの寸法は、エッジリップ308の厚さに応じて変わることができる。1つの実施形態では、U形状クリップは、約0.5mmから約5.0mmの長さ「D」、約0.05mmから約5mmの幅、および約0.1mmから約0.6mmに約0.05mmから約0.3mmでありうるエッジリップ厚さを加えた高さ「D」を有することができる。1つの例では、U形状クリップの底部はエッジリップ308を越えて延び、U形状クリップを所定の位置に保持するのに役立つように上方に曲がることができる。そのような場合、U形状クリップの底部部分の長さは、エッジリップ308の長さよりも少し大きくすることができる。U形状クリップは、約0.1mmなどの約0.05mmから約0.15mmの厚さを有することができる。同様に、基板支持体310は、図2Aの基板支持体210と同一な材料で製作することができる。例えば、基板支持体310は、炭化ケイ素、セラミックス、または高温材料(アモルファスシリカ、Al、ZrO、およびSiなど)で製作することができる。
【0031】
本発明の例示的な実施形態を図示および説明したが、当業者は、本発明を組み込み、やはり本発明の範囲内にある他の実施形態を考案することができる。例えば、いくつかの実施形態では、バンプまたは突起は、図2Dに示すように、バンプまたは突起が横方向移動しないようにエッジリップ208を通して形成された孔(図示せず)に入れられるピン222に取り付けられるか、またはピン222の一体部分として形成されうる。ピン222はエッジリップ208に接する側に対向しているバンプまたは突起の側から延びて、上部リフトピン部分224を形成し、その結果、基板212のエッジは、自動調芯のためにバンプまたは突起の上の上部リフトピン部分224によりかかって所定位置に確実に保持される。さらに、基板支持体は、論じたような突起またはU形状クリップ以外の任意の変形、すなわち、支持リングのエッジリップ上に固定して、エッジリップと基板との間の最小接触区域により周辺エッジの近くで基板の裏面を支持することができる接着したファイバ、埋込み物体、突起ピン、傾斜ピンなどのようなものとすることができると考えられる。
【0032】
前述のものは本発明の実施形態に関しているが、本発明の他のおよびさらなる実施形態を本発明の基本範囲から逸脱することなく考案することができ、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
【国際調査報告】