特表2016-537490IP Force 特許公報全文掲載

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-537490(P2016-537490A)
(43)【公表日】2016年12月1日
(54)【発明の名称】高吸水性樹脂およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08F 20/00 20060101AFI20161104BHJP
   C08J 3/24 20060101ALI20161104BHJP
   C08J 3/12 20060101ALI20161104BHJP
   B01J 20/26 20060101ALI20161104BHJP
   B01J 20/28 20060101ALI20161104BHJP
   B01J 20/30 20060101ALI20161104BHJP
【FI】
   C08F20/00
   C08J3/24 ZCEY
   C08J3/12 A
   B01J20/26 D
   B01J20/28 Z
   B01J20/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2016-546722(P2016-546722)
(86)(22)【出願日】2014年10月7日
(85)【翻訳文提出日】2016年3月4日
(86)【国際出願番号】KR2014009443
(87)【国際公開番号】WO2015053538
(87)【国際公開日】20150416
(31)【優先権主張番号】10-2013-0119037
(32)【優先日】2013年10月7日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】特許業務法人池内・佐藤アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】イ、ヘミン
(72)【発明者】
【氏名】ユ、チン−スク
(72)【発明者】
【氏名】パク、ソン−ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ミョン−ハン
【テーマコード(参考)】
4F070
4G066
4J100
【Fターム(参考)】
4F070AA32
4F070AA35
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4J100AJ02P
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4J100AL08P
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4J100JA50
4J100JA57
4J100JA59
4J100JA60
4J100JA64
4J100JA67
(57)【要約】
本発明は、吸水倍率低下程度が低い高吸水性樹脂およびその製造方法に関するものである。具体的に、高吸水性樹脂製造時に単量体に対する開始剤の量を最少化して分子量の大きい主鎖を有し高いゲル強度を維持する均一に架橋されたアクリル樹脂を製造することによって、時間経過後にも加圧時水分がにじみ出ないリウェット防止能力に優れて皮膚発疹を防止することができる高吸水性樹脂およびその製造方法が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記計算式1で表される吸水倍率低下程度が0乃至1(g/g)の値を有する高吸水性樹脂。
[計算式1]
吸水倍率低下程度=10分吸水倍率−3時間吸水倍率
(式において、
10分吸水倍率は、下記計算式2の方法による高吸水性樹脂の吸水倍率測定値(g/g)であり、
3時間吸水倍率は、下記計算式3の方法による高吸水性樹脂の吸水倍率測定値(g/g)であり、
[計算式2]
10分吸水倍率(g/g)=[B(g)−(C(g))]/(A(g))
式において、
Aは、高吸水性樹脂の重量(g)であり、
Bは、A(g)の高吸水性樹脂を含む不織布材質の封止式封筒(85×60mm)を人工尿で10分間浸漬した後、これを取り出して空気中で5秒間水が抜けるようにし、長方形ティッシュペーパー24枚上で10秒間水気を除去した後に測定された重量(g)であり、
Cは、高吸水性樹脂を入れない前記不織布材質の封止式封筒を人工尿で10分間浸漬した後、これを取り出して空気中で5秒間水が抜けるようにし、長方形ティッシュペーパー24枚上で10秒間水気を除去した後に測定された重量(g)であり、
[計算式3]
3時間吸水倍率(g/g)=[B(g)−(C(g))]/(A(g))
(式において、
Aは、高吸水性樹脂の重量(g)であり、
Bは、A(g)の高吸水性樹脂を含む不織布材質の封止式封筒(85×60mm)を人工尿で3時間浸漬した後、これを取り出して空気中で5秒間水が抜けるようにし、長方形ティッシュペーパー24枚上で10秒間水気を除去した後に測定された重量(g)であり、
Cは、高吸水性樹脂を入れない前記不織布材質の封止式封筒を人工尿で3時間浸漬した後、これを取り出して空気中で5秒間水が抜けるようにし、長方形ティッシュペーパー24枚上で10秒間水気を除去した後に測定された重量(g)である)
【請求項2】
150万g/mol以上の重量平均分子量を有しゲル強度値(G’)が7000Pa以上であるアクリル樹脂を含む、請求項1に記載の高吸水性樹脂。
【請求項3】
EDANA法WSP241.2によって測定された生理食塩水に対する遠心分離保水能(CRC)が20乃至35g/gであり、水可溶成分の含量が0乃至15重量%である請求項1に記載の高吸水性樹脂。
【請求項4】
水溶性エチレン系不飽和単量体、内部架橋剤および重合開始剤を含むモノマー組成物を形成する段階;
重合反応器で前記モノマー組成物を重合して含水ゲル重合体を製造する段階;
前記含水ゲル重合体を乾燥する段階;
前記乾燥された重合体を粉砕する段階;および
前記粉砕された重合体を表面処理する段階;を含み、
前記水溶性エチレン系不飽和単量体100重量部に対して内部架橋剤0.2乃至2.0重量部および重合開始剤0.001乃至0.3重量部を含み、
前記表面処理する段階は、表面架橋剤を含む表面架橋溶液を用いて、160乃至200℃で20分乃至60分間粉砕された重合体を表面架橋反応させる段階を含む、
高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項5】
前記水溶性エチレン系不飽和単量体は、
アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、2−アクリロイルエタンスルホン酸、2−メタクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、および2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸からなる群より選択された1種以上の陰イオン性単量体またはその塩;(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートおよびポリエチレングリコール(メタ)アクリレートからなる群より選択された1種以上の非イオン系親水性含有単量体;または(N,N)−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよび(N,N)−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドからなる群より選択された1種以上のアミノ基含有不飽和単量体またはその4級化物;を含む請求項4に記載の高吸水性樹脂。
【請求項6】
前記内部架橋剤は、炭素数8〜12のビスアクリルアミド、ビスメタクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、炭素数2〜10のポリオールのポリ(メタ)アクリレート、炭素数2〜10のポリオールのポリ(メタ)アリルエーテル、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリレート、エチレンオキシ(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシ(メタ)アクリレート、グリセリンジアクリレート、グリセリントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアネート、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコールおよびプロピレングリコールからなる群より選択された1種以上である、請求項4に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項7】
前記重合開始剤は、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤、有機ハロゲン化物開始剤、過硫酸塩系開始剤、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾフェノン、ベンジル系化合物およびその誘導体からなる群より選択されるいずれか一つである請求項4に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項8】
前記表面架橋剤は、1,3−プロパンジオール、2,3,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセロール、ポリグリセロール、エチレンカーボネートおよび1,2−プロピレンカーボネートからなる群より選択される1種以上である請求項4に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項9】
前記表面架橋反応は、最大反応温度180乃至200℃、総反応時間0.5乃至1時間、および160℃以上の反応温度25分以上を維持する条件下に行う、請求項4に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項10】
前記重合は、UV重合または熱重合を行う請求項4に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項11】
前記含水ゲル重合体の表面を処理した後に、含水ゲル重合体を粉砕し粒度150乃至850μmの粒子に分級する段階をさらに含む請求項4に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高吸水性樹脂およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高吸水性樹脂(Super Absorbent Polymer、SAP)とは、自分の重量の5百乃至1千倍程度の水分を吸収することができる機能を有する合成高分子物質であって、開発会社ごとにSAM(Super Absorbency Material)、AGM(Absorbent Gel Material)などそれぞれ異なる名前で命名している。前記のような高吸水性樹脂は生理用具として実用化され始めて、現在は子供用紙おむつなどの衛生用品以外に園芸用土壌補修剤、土木、建築用止水材、育苗用シート、食品流通分野での鮮度保持剤、および湿布用などの材料として広く使用されている。
【0003】
このような高吸水性樹脂は、重合、乾燥、粉砕、分級および表面架橋工程を通じて製造することができる。また、前記高吸水性樹脂は吸水倍率低下程度が低いのが有利であるが、吸水倍率低下程度は吸水速度とリウェット(rewet)能力を比較する値であって、10分吸水量は吸水速度を代弁し、3時間吸水量は再湿潤防止能力を意味する。前記吸水倍率低下程度が低いほど吸収した小便のような汚染物がにじみ出ないようにするので、発疹を防止することができる。
【0004】
そのために、米国特許第5,624,967号では吸水倍率低下程度の低い吸水樹脂を製造するために、内部架橋剤としてポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)とエポキシ樹脂を共に使用する方法を開示し、吸水倍率低下程度を1乃至16に定めている。しかし、前記方法の実施例では最低9程度の高吸水性樹脂を実現しているところ、実際的に吸水倍率程度を顕著に低めるには限界がある。また、前記方法で使用するエポキシを含む2種以上の架橋剤は架橋される条件がそれぞれ異なるため、樹脂内に均一な架橋分布を示しにくい。さらに、前記エポキシ樹脂は毒性が強い物質であるため最近は高吸水性樹脂の製造には使用していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,624,967号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、分子量の長い高分子高分子ネットワークの高いゲル強度特性を維持すると同時に、吸水倍率低下程度を顕著に低めて、水分の一定時間が経過しても水分がにじみ出るリウェット防止能力に優れ皮膚発疹を防止することができる、高吸水性樹脂およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、下記計算式1で表される吸水倍率低下程度が0乃至1(g/g)の値を有する高吸水性樹脂を提供する。
【0008】
[計算式1]
吸水倍率低下程度=10分吸水倍率−3時間吸水倍率
(式において、
10分吸水倍率は、下記計算式2の方法による高吸水性樹脂の吸水倍率測定値(g/g)であり、
3時間吸水倍率は、下記計算式3の方法による高吸水性樹脂の吸水倍率測定値(g/g)であり、
[計算式2]
10分吸水倍率(g/g)=[B(g)−(C(g))]/(A(g))
式において、
Aは、高吸水性樹脂の重量(g)であり、
Bは、A(g)の高吸水性樹脂を含む不織布材質の封止式封筒(85×60mm)を人工尿で10分間浸漬した後、これを取り出して空気中で5秒間水が抜けるようにし、長方形ティッシュペーパー24枚上で10秒間水気を除去した後に測定された重量(g)であり、
Cは、高吸水性樹脂を入れない前記不織布材質の封止式封筒を人工尿で10分間浸漬した後、これを取り出して空気中で5秒間水が抜けるようにし、長方形ティッシュペーパー24枚上で10秒間水気を除去した後に測定された重量(g)であり、
[計算式3]
3時間吸水倍率(g/g)=[B(g)−(C(g))]/(A(g))
式において、
Aは、高吸水性樹脂の重量(g)であり、
Bは、A(g)の高吸水性樹脂を含む不織布材質の封止式封筒(85×60mm)を人工尿で3時間浸漬した後、これを取り出して空気中で5秒間水が抜けるようにし、長方形ティッシュペーパー24枚上で10秒間水気を除去した後に測定された重量(g)であり、
Cは、高吸水性樹脂を入れない前記不織布材質の封止式封筒を人工尿で3時間浸漬した後、これを取り出して空気中で5秒間水が抜けるようにし、長方形ティッシュペーパー24枚上で10秒間水気を除去した後に測定された重量(g)である)
前記高吸水性樹脂は、150万g/mol以上の重量平均分子量を有しゲル強度値(G’)が7000Pa以上であるアクリル樹脂を含むのが好ましい。
【0009】
また、前記高吸水性樹脂は、EDANA法WSP241.2によって測定された生理食塩水に対する遠心分離保水能(CRC)が20乃至35g/gであり、水可溶成分の含量が0乃至15重量%であり得る。
【0010】
一方、本発明は、水溶性エチレン系不飽和単量体、内部架橋剤および重合開始剤を含むモノマー組成物を形成する段階;
重合反応器で前記モノマー組成物を重合して含水ゲル重合体を製造する段階;
前記含水ゲル重合体を乾燥する段階;
前記乾燥された重合体を粉砕する段階;および
前記粉砕された重合体を表面処理する段階;を含み、
前記水溶性エチレン系不飽和単量体100重量部に対して内部架橋剤0.2乃至2.0重量部および重合開始剤0.001乃至0.3重量部を含み、
前記表面処理する段階は、表面架橋剤を含む表面架橋溶液を用いて、160乃至200℃で20分乃至60分間粉砕された重合体を表面架橋反応させる段階を含む、前述の高吸水性樹脂の製造方法を提供する。
【0011】
前記水溶性エチレン系不飽和単量体は、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、2−アクリロイルエタンスルホン酸、2−メタクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、および2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸からなる群より選択された1種以上の陰イオン性単量体またはその塩;(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートおよびポリエチレングリコール(メタ)アクリレートからなる群より選択された1種以上の非イオン系親水性含有単量体;または(N,N)−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよび(N,N)−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドからなる群より選択された1種以上のアミノ基含有不飽和単量体またはその4級化物;を含むことができる。
【0012】
また、前記内部架橋剤は、炭素数8〜12のビスアクリルアミド、ビスメタクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、炭素数2〜10のポリオールのポリ(メタ)アクリレート、および炭素数2〜10のポリオールのポリ(メタ)アリルエーテル、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリレート、エチレンオキシ(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシ(メタ)アクリレート、グリセリンジアクリレート、グリセリントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアネート、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコールおよびプロピレングリコールからなる群より選択された1種以上であり得る。
【0013】
前記重合開始剤は、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤、有機ハロゲン化物開始剤、過硫酸塩系開始剤、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾフェノン、ベンジル系化合物およびその誘導体からなる群より選択されるいずれか一つであり得る。
【0014】
前記表面架橋剤は、1,3−プロパンジオール、2,3,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセロール、ポリグリセロール、エチレンカーボネートおよび1,2−プロピレンカーボネートからなる群より選択される1種以上であり得る。
【0015】
前記表面架橋反応は、最大反応温度180乃至200℃、総反応時間0.5乃至1時間、および160℃以上の反応温度25分以上を維持する条件下に行うのが好ましい。
【0016】
また、前記重合は、UV重合または熱重合を行うことができる。そして、前記含水ゲル重合体の表面を処理した後に、含水ゲル重合体を粉砕し粒度150乃至850μmの粒子に分級する段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、単量体に対する開始剤の含量を低めながら、重合および架橋が均一に起こるようにする最適の含量で使用して高分子ネットワークをなす分子量の大きい高分子を提供することができる。また、本発明は、適切な水可溶成分と高いゲル強度を考慮してベース樹脂をなす内部架橋剤の含量も最適化することによって、高吸水性樹脂に要求される複合的な物性に全て優れる効果を提供する。したがって、本発明は、分子量の長い高分子ネットワークのゲル強度が高く吸水倍率低下程度を0乃至1の間に大きく低めて、一定時間が経過しても水分がにじみ出る量が少なく優れたリウェット防止能力で皮膚発疹を防止することができ、これにより安らかで着用感に優れた衛生用品の製造に適した高吸水性樹脂を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、発明の具体的な実施形態による高吸水性樹脂の製造方法について具体的に説明する。
【0019】
高吸水性樹脂において、高分子ネットワークをなす高分子の分子量が150万以下に小さければ水可溶成分の含量が増加し、これを減らすためには内部架橋剤の含量を増加させなければならない。このような場合、CRCが低くなって吸収特性が落ちる。また、このように製造されたベース樹脂を用いて最適の表面架橋反応を導入しても初期の吸収された量を長時間維持できない。
【0020】
反面、高分子ネットワークをなす高分子の分子量が150万以上であっても、表面架橋反応時に本願の特定条件を適用しなければ、初期吸水特性は優れるが、樹脂のゲル強度が低くなって長時間初期吸水量を維持せずリウェット(rewet)される問題がある。
【0021】
即ち、高吸水性樹脂が初期に吸収した水分を長時間が経過しても再びにじみ出るリウェットが発生せず水分を保有するためには、高分子ネットワークをなす高分子鎖の分子量が大きく均一な架橋密度をなして高いゲル強度を有していなければならない。しかし、既に知られた高分子樹脂はエポキシ樹脂のような架橋剤の使用によって均一な架橋分布を示さなかった。
【0022】
したがって、吸水倍率低下程度が殆どないようにするためには、分子量が150万以上に大きく、160乃至200℃で20分乃至60分間表面架橋反応させる方法を適用する場合にのみ、ゲル強度を高めることができ、水分がにじみ出るリウェット現象が顕著に減少する。
【0023】
したがって、本発明では重合工程で単量体に対する内部架橋剤の含量はもちろん開始剤の含量を最少化して、分子量の大きい主鎖を有し均一に架橋されたネットワーク構造のアクリル樹脂を含む高吸水性樹脂とその製造方法を提供しようとする。
【0024】
まず、発明の一実施形態により、下記計算式1で表される吸水倍率低下程度が0乃至1(g/g)の値を有する、高吸水性樹脂が提供される。
【0025】
[計算式1]
吸水倍率低下程度=10分吸水倍率−3時間吸水倍率
(式において、
10分吸水倍率は、下記計算式2の方法による高吸水性樹脂の吸水倍率測定値(g/g)であり、
3時間吸水倍率は、下記計算式3の方法による高吸水性樹脂の吸水倍率測定値(g/g)であり、
[計算式2]
10分吸水倍率(g/g)=[B(g)−(C(g))]/(A(g))
(式において、
Aは、高吸水性樹脂の重量(g)であり、
Bは、A(g)の高吸水性樹脂を含む不織布材質の封止式封筒(85×60mm)を人工尿で10分間浸漬した後、これを取り出して空気中で5秒間水が抜けるようにし、長方形ティッシュペーパー24枚上で10秒間水気を除去した後に測定された重量(g)であり、
Cは、高吸水性樹脂を入れない前記不織布材質の封止式封筒を人工尿で10分間浸漬した後、これを取り出して空気中で5秒間水が抜けるようにし、長方形ティッシュペーパー24枚上で10秒間水気を除去した後に測定された重量(g)であり、
[計算式3]
3時間吸水倍率(g/g)=[B(g)−(C(g))]/(A(g))
(式において、
Aは、高吸水性樹脂の重量(g)であり、
Bは、A(g)の高吸水性樹脂を含む不織布材質の封止式封筒(85×60mm)を人工尿で3時間浸漬した後、これを取り出して空気中で5秒間水が抜けるようにし、長方形ティッシュペーパー24枚上で10秒間水気を除去した後に測定された重量(g)であり、
Cは、高吸水性樹脂を入れない前記不織布材質の封止式封筒を人工尿で3時間浸漬した後、これを取り出して空気中で5秒間水が抜けるようにし、長方形ティッシュペーパー24枚上で10秒間水気を除去した後に測定された重量(g)である)
この時、吸水倍率低下程度が1を超過すれば、一定時間経過後に水分ににじみ出て皮膚発疹を招くことがある。
【0026】
前記高吸水性樹脂は、ベース樹脂を炭素数2乃至8のジオールまたはグリコール系化合物で表面架橋させた架橋重合体を含むことができる。前記ベース樹脂は酸性基を含み少なくとも一部が中和された水溶性エチレン系不飽和単量体を内部架橋剤として用いて重合させた粉末形態を含む。
【0027】
このような本発明の高吸水性樹脂は高い分子量と特定ゲル強度範囲を満足させることによって、吸水倍率低下程度が1未満、好ましく0乃至1を満足する。
【0028】
具体的に、本発明の高吸水性樹脂の架橋ネットワークをなす高分子鎖の重量平均分子量は、単量体に対する重合開始剤の含量で調節可能であり、本発明によれば150万g/mol以上の重量平均分子量を有する高分子を提供することができる。
【0029】
前記分子量が150万g/mol以下であれば、水可溶成分の含量の高いベース樹脂を得るようになり、これを表面架橋反応を通じて高吸水性樹脂を得るとしても、加圧下吸水能あるいは通液性のような高吸水性樹脂の主要物性が低い値を有する樹脂を得るようになる。分子量が低い場合、水可溶成分の含量を減らすためには一般に内部架橋剤の含量を高め、このようにする場合、内部架橋度が高くなり高いゲル強度を得るようになるが、長時間吸水能を維持するのに困難がある。反対に、重合開始剤の含量を減らして高分子鎖の平均分子量を増加させる技術が必要であり、重合開始剤の含量が過度に少なければ、重合および架橋が均一に起こらずゲル化されにくく、残余単量体(residual monomer)含量が増加して高吸水性樹脂の役割を果たしにくい。
【0030】
したがって、本発明では重合および架橋反応が高分子ネットワーク内で均一に起こることが可能であるように、内部架橋剤の含量を単量体に対する特定範囲で減らして使用する。また、重合開始剤の含量を少なく使用するが、過度に少量でない特定範囲で使用して前述の効果を実現することができる。
【0031】
即ち、本発明の高吸水性樹脂は、単量体に対する重合開始剤の含量を特定範囲で減らして分子量を大きくし、前述した条件の高温表面架橋反応技術を適用して高いゲル強度を有する高吸水性樹脂を得ることができる。
【0032】
したがって、本発明の高吸水性樹脂は、ゲル強度が7,000Pa以上、あるいは7,000Pa乃至15,000Paであり得る。
【0033】
また、本発明の方法で得られた高吸水性樹脂は、EDANA法WSP241.2により測定された生理食塩水に対する遠心分離保水能(CRC)が20乃至35g/gであり、水可溶成分の含量が0乃至15重量%であり得る。
【0034】
一方、発明の他の実施形態によって、水溶性エチレン系不飽和単量体、内部架橋剤および重合開始剤を含むモノマー組成物を形成する段階;重合反応器で前記モノマー組成物を重合して含水ゲル重合体を製造する段階;前記含水ゲル重合体を乾燥する段階;前記乾燥された重合体を粉砕する段階;および前記粉砕された重合体を表面処理する段階;を含み、前記水溶性エチレン系不飽和単量体100重量部に対して内部架橋剤0.2乃至2.0重量部および重合開始剤0.001乃至0.3重量部を含み、前記表面処理する段階は、表面架橋剤を含む表面架橋溶液を用いて、160乃至200℃で20分乃至60分間粉砕された重合体を表面架橋反応させる段階を含む、前述の高吸水性樹脂の製造方法が提供される。
【0035】
具体的に、本発明は、単量体に対する重合開始剤はもちろん内部架橋剤の含量を最適化して高分子ネットワークをなす高分子が大きい分子量を有するようにすると共に、内部架橋および外部架橋密度を高めて高いゲル強度を有し長時間が経過しても吸水倍率低下程度が0に近い値を有する高吸水性樹脂の製造方法とこれから製造された高吸水性樹脂を提供する特徴がある。
【0036】
以下、本発明の高吸水性樹脂の製造方法について詳しく説明する。
【0037】
まず、本発明の一実施形態による高吸水性樹脂の製造方法は、重合、乾燥、粉砕および表面架橋工程を含む。
【0038】
前記重合、乾燥および粉砕工程を通じてベース樹脂が製造され、前記ベース樹脂の表面架橋反応を行う表面架橋工程で最終高吸水性樹脂の物性をさらに最適化することができる。
【0039】
即ち、前記高吸水性樹脂は架橋剤の含量を最少化してモノマー組成物を製造した後、これを重合反応器に供給して重合を行い、粉砕および分級を経てベース樹脂を製造し、これを表面処理液を通過させて表面架橋反応器に移送する。その後、表面架橋反応器では表面架橋反応が行われ、これは分級されて製品化され得る。
【0040】
前記モノマー組成物は、水溶性エチレン系不飽和単量体、内部架橋剤および重合開始剤を含むことができる。また、前記モノマー組成物の重合は、水溶液状態で行われるのが好ましい。
【0041】
前記水溶性エチレン系不飽和単量体は、高吸水性樹脂の製造において通常使用される単量体であればその構成の限定なく使用することができる。大きく、陰イオン性単量体とその塩、非イオン系親水性含有単量体、およびアミノ基含有不飽和単量体およびその4級化物からなる群より選択されるいずれか一つ以上を使用することができる。
【0042】
具体的には、水溶性エチレン系不飽和単量体は、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、2−アクリロイルエタンスルホン酸、2−メタクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、および2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸からなる群より選択された1種以上の陰イオン性単量体またはその塩;(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートおよびポリエチレングリコール(メタ)アクリレートからなる群より選択された1種以上の非イオン系親水性含有単量体;または(N,N)−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよび(N,N)−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドからなる群より選択された1種以上のアミノ基含有不飽和単量体またはその4級化物;を含むのが好ましい。さらに好ましく、水溶性エチレン系不飽和単量体はアクリル酸とその塩を使用することができ、これは物性に優れる点から有利である。
【0043】
前記モノマー組成物中の水溶性エチレン系不飽和単量体の濃度は重合時間および反応条件などを考慮して適切に選択して使用することができるが、好ましくは0.01乃至1.0重量%であり得る。水溶性エチレン系不飽和単量体の濃度が0.01重量%未満である場合、架橋濃度が低くいため高い抽出含量(extractables contents)値を得ることができ、1.0重量%以上である場合、高い架橋濃度によって所望の物性を得られないことがある。
【0044】
また、前記内部架橋剤は、高吸水性樹脂の架橋程度を調節してゲル強度を適切に調節するために使用する。このような内部架橋剤の使用含量は、前記水溶性エチレン系不飽和単量体100重量部に対して0.2乃至2重量部であるのが好ましく、より好ましく0.2乃至1重量部であり得る。前記内部架橋剤の含量が0.2重量部未満であれば、最終製造された高吸水性樹脂の吸水速度とゲル強度が弱くなることがあり、2.0重量部を超過すれば前記高吸水性樹脂の吸水力が低く吸収剤としては好ましくなくなることがある。
【0045】
前記内部架橋剤は、重合時に架橋結合を導入することができるものであれば特に制限されず、多官能性架橋剤を単独使用または2以上併用して使用することができる。
【0046】
例えば、前記内部架橋剤は、エチレン系不飽和単量体の水溶性置換基、エチレン系不飽和単量体の水溶性置換基と反応できる官能基を少なくとも1つ有し少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する架橋剤またはこれらの混合物;およびエチレン系不飽和単量体の水溶性置換基、ビニルモノマーの加水分解によって生成する水溶性置換基と反応できる官能基を少なくとも2つ以上有する架橋剤、およびこれらの混合物からなる群より選択されたいずれか一つ以上を使用することができる。このような内部架橋剤としては、炭素数8〜12のビスアクリルアミド、ビスメタクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、炭素数2〜10のポリオールのポリ(メタ)アクリレート、炭素数2〜10のポリオールのポリ(メタ)アリルエーテル、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリレート、エチレンオキシ(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシ(メタ)アクリレート、グリセリンジアクリレート、グリセリントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアネート、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコールおよびプロピレングリコールからなる群より選択された1種以上を使用することができる。
【0047】
また、前記重合開始剤は、前記単量体100重量部に対して0.001乃至0.3重量部、より好ましく0.001乃至0.01重量部で使用することができる。前記開始剤の含量が0.001重量部未満であれば、開始剤含量が過度に少なくて単量体の重合および架橋が均一に起こらなくゲル化されず未反応単量体の含量が増加する問題がある。また、その含量が0.3重量部を超過すれば、高分子ネットワークをなす高分子の分子量が小さく、高分子鎖数が増加しこれらが十分に架橋されなければ水可溶性成分の含量が増加するようになるので、これを用いて表面架橋反応を経ても高吸水性樹脂の物性が低下する問題を発生することがある。また、過度な重合によって高吸水性樹脂が固くなり水可溶成分の含量が過度に少なくて多量の水分を長時間含有できない問題を招くことがある。
【0048】
前記重合開始剤としては重合方法によって熱重合開始剤または光重合開始剤などを用いることができる。但し、光重合方法によっても、紫外線照射などによって一定量の熱が発生し、また、発熱反応である重合反応の進行によってある程度の熱が発生するので、光重合を用いる場合にも熱重合開始剤が追加的に含まれ得る。
【0049】
このような重合開始剤は、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤、有機ハロゲン化物開始剤、過硫酸塩系開始剤、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾフェノン、ベンジル系化合物およびその誘導体からなる群より選択されるいずれか一つを使用することができる。
【0050】
具体的に、熱重合開始剤に属するアゾ(Azo)系開始剤としては、2,2−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(2,2−azobis(2−amidinopropane)dihydrochloride)、2,2−アゾビス−(N,N−ジメチレン)イソブチルアミジンジヒドロクロライド(2,2−azobis−(N,N−dimethylene)isobutyramidine dihydrochloride)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル(2−(carbamoylazo)isobutylonitril)、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド(2,2−azobis[2−(2−imidazolin−2−yl)propane]dihydrochloride)、4,4−アゾビス−(4−シアノ吉草酸)(4,4−azobis−(4−cyanovaleric acid))などが例として挙げられる。また、過硫酸塩系開始剤としては、過硫酸ナトリウム(Sodium persulfate;Na2S2O8)、過硫酸カリウム(Potassium persulfate;K2S2O8)、過硫酸アンモニウム(Ammonium persulfate;(NH4)2S2O8)など例として挙げられる。また、より多様な熱重合開始剤については、Odian著書の“Principle of Polymerization(Wiley、1981)”、203頁に開示されており、上述の例に限定されない。
【0051】
また、前記光重合開始剤に属するアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾフェノン、ベンジル系化合物およびその誘導体として、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ)−2−プロピルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのアセトフェノン誘導体;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイルエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類;o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニル硫化物、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウム塩化物などのベンゾフェノン誘導体;チオキサントン(thioxanthone)系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシドなどのアシルホスフィンオキシド誘導体;2−ヒドロキシメチルプロピオンニトリル、2,2’−{アゾビス(2−メチル−N−[1,1’−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]などのアゾ系化合物などからなる群より選択される一つ以上の光重合開始剤を使用することができる。
【0052】
一方、本発明の一実施形態による高吸水性樹脂は、前記特定含量の重合開始剤と内部架橋剤を用いたモノマー組成物の重合過程を除いて、重合条件、乾燥および粉砕過程はこの分野によく知られた方法によって行ってベース樹脂を製造することができる。
【0053】
前記モノマー組成物の重合はその条件が特に限定されず、通常の高吸水性樹脂の製造に使用される方法を用いることができる。例えば、前記モノマー組成物の重合は30〜100℃の温度で2〜50分間重合するレドクス重合方法または40〜90℃の温度で2〜30分間重合する熱重合またはUV重合を通じて行われ得る。前記UV重合(光重合)は温度による影響が多くないので温度幅が広く25〜99℃の温度で10秒乃至5分間光を照射することによって行われ得る。また、UV照射時の紫外線の光量は0.1乃至30mW/cm2であり得る。UV照射時に使用する光源および波長範囲も当業界によく知られた公知のものを使用することができる
また、前記モノマー組成物の熱重合またはUV重合を行う方法において、使用される重合装置は特に限定されない。例えば、通常熱重合を行う場合、ニーダー(kneader)のような攪拌軸を有する反応器で行うことができ、UV重合(光重合)を行う場合、連続移動が可能なコンベヤーベルトを備えた反応器で行うことができるが、前述の重合方法は一例であり、本発明は前述の重合方法に限定されない。また前記コンベヤーベルトは若干の親水性の付与されたゴム、織物、鉄網、鋼板、プラスチック樹脂などから製作されたベルトを循環させて用いることもできる。
【0054】
一例として、前述のように攪拌軸を備えたニーダー(kneader)のような反応器に、熱風を供給するか反応器を加熱して熱重合を行って得られた含水ゲル状重合体は反応器に備えられた攪拌軸の形態によって、反応器排出口に排出される含水ゲル状重合体は数センチメートル乃至数ミリメートル形態であり得る。具体的に、得られる含水ゲル状重合体の大きさは注入されるモノマー組成物の濃度および注入速度などによって多様に現れることが可能であり、通常粒度が2乃至50mmである含水ゲル状重合体が得られる。
【0055】
また、前述のように移動可能なコンベヤーベルトを備えた反応器で光重合を行う場合、通常得られる含水ゲル状重合体の形態はベルトの幅を有するシート状の含水ゲル状重合体であり得る。この時、重合体シートの厚さは注入されるモノマー組成物の濃度および注入速度により変わるか、通常0.5乃至5cmの厚さを有するシート状の重合体が得られるように単量体組成物を供給するのが好ましい。シート状の重合体の厚さが過度に薄い程度に単量体組成物を供給する場合、生産効率が低いため好ましくなく、シート状の重合体厚さが5cmを超過する場合には過度に厚い厚さによって、重合反応が全厚さにわたって均等に起こらないことがある。
【0056】
好ましく、本発明は別途の供給移送ラインを有する単量体供給部と重合熱開始剤供給部、前記単量体と重合開始剤の供給部と連結設置され、単量体と重合開始剤が混合されたモノマー組成物を重合するための重合反応器を含む装置構成を通じて高吸水性樹脂を製造することができる。この時、前記重合開始剤供給部には単量体と架橋剤が混合された後、必要によって通常の熱開始剤が投与され得る。
【0057】
また、前記重合反応器は内部または外部に熱重合反応のための温度調節手段が備えられ得、内部温度が60乃至100℃、好ましく90℃を維持するのが好ましい。
【0058】
前記重合体の乾燥温度および時間は製造された含水ゲル重合体の含水率によって適切に選択されて行われ得、好ましくは160乃至180℃の温度条件で20分乃至40分間行われるのが好ましい。乾燥時、温度が160℃未満である場合には乾燥効果が微小で乾燥時間が過度に長くなり、含水量を30重量%以下だけ低めるのが難しい。また、乾燥温度が180℃を超過する場合、含水ゲル重合体の表面のみが局部的に過度に乾燥され、以後に行われる粉砕段階で多量の微粉が発生することがある。
【0059】
前記乾燥工程時の装置の構成は特に限定されず、例えば赤外線照射、熱風、極超短波照射、または紫外線照射を通じて乾燥を行うことができる。また、乾燥温度および時間は熱重合または熱重合を通じて重合された重合体の含水量によって適切に選択されて行われ得、好ましくは80乃至200℃の温度条件で20乃至120分間行われるのが好ましい。乾燥時、温度が80℃未満である場合には乾燥効果が微小で乾燥時間が過度に長くなる問題点があり、200℃を超過する温度で乾燥する場合、高吸水性樹脂が熱分解される問題がある。
【0060】
一方、本発明は既存対比相対的に少ない含量の内部架橋剤と重合開始剤を用いて重合を行い粉砕された重合体を含むベース樹脂を製造した後、後述する後述する特定表面処理工程によって高吸水性樹脂の物性をさらに最適化することができる。即ち、前記粉砕された重合体を含むベース樹脂を表面処理する段階を含み、一連の過程を通じて最終高吸水性樹脂を製造することができる。
【0061】
この時、前記表面処理する段階は、表面架橋温度条件を高温の特定範囲で最適化して適用することによって、物性に優れながら特に初期吸水性に優れ、長時間経過後にも加圧状態で水分がほとんどにじみ出なく吸水能に優れる特性を有する高吸水性樹脂を製造することができる。また、前記表面処理方法は、高吸水性樹脂の遠心分離保水能(CRC)、加圧吸水能(AUP)、通液性(SFC)、ゲル強度などの物性が全て同時に最適化される複合的な物性を満足するようにするシナジー効果を提供することができる。
【0062】
より具体的に説明すれば、本発明は、表面架橋剤を含む水溶液を用いて、160乃至200℃で20分乃至60分間高温で粉砕された含水ゲル重合体に対する表面架橋反応を行うことができる。前記表面処理溶液は含水ゲル重合体に噴射して供給され得るが、その方法が特に限定されるのではない。
【0063】
本発明の一実施形態によれば、前記表面架橋剤はジオール系またはカーボネート化合物を含むことができる。例えば、前記表面架橋剤は、ハンセン溶解度パラメータによって定義されるδpがδp<11(J/cm3)1/2を満足する物質およびδHがδH<4.5(J/cm3)1/2を満足する物質からなる群より選択される1種以上の物質を使用することができる。
【0064】
前記δp<11(J/cm3)1/2を満足する物質としては、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−ペンタンジオール、または2−メチル−2,4−ペンタンジオールなどが例として挙げられる。前記δH<4.5(J/cm3)1/2を満足する物質は、1,2−プロピレンカーボネートが挙げられる。しかし、本発明がこれに限定されるのではなく、前記パラメータの範囲を満足する物質であれば下記表1に記載されていない物質でも可能である。
【0065】
ハンセン溶解度パラメータ(Hansen solubility parameter)は、一つの物質が他の物質に溶解されて溶液を形成する場合を予測する方法の一種であって、チャールズハンセン(Charles Hansen)によって提案された。これは、例えば「INDUSTRIAL SOLVENTS HANDBOOK」(pp.35−68、Marcel Dekker、Inc.、1996年発行)や、「DIRECTORY OF SOLVENTS」(pp.22−29、Blackie Academic & Professional、1996年発行)などに記載されているパラメータである。
【0066】
通常、溶解度パラメータを計算するためには凝集エネルギー(cohesive energy)を求めなければならず、ハンセン溶解度パラメータでは溶解度定数に影響を与える凝集エネルギーを下記3つに分類して求める。
【0067】
δD:非極性分散エネルギーによって発生する溶解度定数(単位:(J/cm3)1/2)
δP:双極子極性エネルギーによって発生する溶解度定数(単位:(J/cm3)1/2)
δH:水素結合エネルギーによって発生する溶解度定数(単位:(J/cm3)1/2)
δtot:((δD)2+(δP)2+(δH)2)1/2
前記のようなパラメータを求めて2種類物質のハンセン溶解度パラメータの差で二つの物質の溶解度の類似性を計算することができる。例えば、AとBの二つの物質に対してそれぞれのハンセン溶解度パラメータ値がそれぞれAの場合(δDA、δPA、δHA)、Bの場合(δDB、δPB、δHB)と仮定する時、二つの物質のハンセン溶解度パラメータ値の差(Ra)は以下の式で計算できる。
【0068】
Ra=(4*(δDA−δDB)2+(δPA−δPB)2+(δHA−δHB)2)1/2
Ra値が大きいほど溶解度側面から二つの物質の類似性が落ちると見なすことができる。
【0069】
架橋剤として用いることができるいくつかの物質に対してDr.Hansenグループで開発したHSPiP(Hansen Solubility Parameters in Practice、3rd edition version 3.1 published by Hansen−Solubility.com)プログラムによって計算されたハンセン溶解度パラメータ値は次の通りである。
【0070】
【表1】
【0071】
前記表面架橋剤は、表面架橋溶液の総重量を基準に0.1乃至20重量%で使用することができる。
【0072】
本発明の一実施形態によれば、前記表面架橋剤に加えて多孔性のシリカ(silica)やクレー(clay)などを追加的に添加して表面架橋反応を行うことができる。
【0073】
前記表面架橋剤を重合体に添加する方法についてはその構成の限定はない。表面架橋剤と重合体粉末を反応槽に入れて混合するか、重合体粉末に表面架橋剤を噴射する方法、連続的に運転されるミキサーに重合体と表面架橋剤を連続的に供給して混合する方法などを使用することができる。
【0074】
前記表面架橋剤の添加時、表面架橋溶液は追加的に水とメタノールなどの1種以上のアルコールを共に混合されて用いることができる。前記アルコールとしてはメタノール、ノーマル−プロパノール、ブタノールなどがある。
【0075】
水およびメタノールを添加する場合、表面架橋剤が重合体に均等に分散される利点がある。この時、追加される水およびメタノールの含量は表面架橋剤の均一な分散を誘導し重合体粉末の凝集現象を防止すると同時に架橋剤の表面浸透深さを最適化するための目的で重合体100重量部に対する添加比率を調節して適用することができる。
【0076】
前記表面架橋剤が添加された重合体粒子に対して約160℃以上で20分以上加熱させることによって表面架橋結合反応が行われ得る。特に、本発明の表面架橋工程条件は最大反応温度180乃至200℃、総反応時間0.5乃至1時間、および160℃以上の反応温度25分以上を維持する条件下に行うことが好ましい。
【0077】
表面架橋反応のための昇温手段は特に限定されない。熱媒体を供給するか、熱源を直接供給して加熱することができる。この時、使用可能な熱媒体の種類としては、スチーム、熱風、熱い油のような昇温した流体などを用いることができるが、本発明がこれに限定されるのではなく、また、供給される熱媒体の温度は熱媒体の手段、昇温速度および昇温目標温度を考慮して適切に選択することができる。一方、直接供給される熱源としては電気による加熱、ガスによる加熱方法が挙げられるが、上述の例に本発明が限定されるのではない。
【0078】
一方、本発明によれば、前記ベース樹脂を製造する過程の含水ゲル重合体を乾燥後に粉砕する段階で、乾燥された含水ゲル重合体を粒度が150乃至850μmになるように粉砕する段階を行うことができる。
【0079】
そして、前記粉砕後に分級過程を行うことができ、前記分級する段階は、粉砕された含水ゲル重合体を粒度150μm未満の粒子および粒度150μm以上850μm以下の粒子の2分に分級する段階を含むことができる。また、本発明は必要によって分級する段階で粒度別に2分以上に分級を実施することもできる。
【0080】
付け加えて、前記乾燥された重合体に対して追加粉砕を実施することができ、このような場合、粉砕は樹脂の粉砕のために使用される方法であれば構成の限定なく選択することができる。好ましくは、ピンミル(pin mill)、ハンマーミル(hammer mill)、スクリューミル、ロールミルなどからなる群より選択されるいずれか一つの粉砕装置を選択して粉砕することができる。この時、粉砕段階後の最終高吸水性樹脂粒子の粒径は150乃至850μmであるのが好ましい。
【0081】
本発明で表面処理のためのベース樹脂の含水ゲル状重合体の含水率は30乃至60重量%であり、前記乾燥過程を通じて得られた含水ゲル重合体の乾燥後含水率は1乃至10重量%であり得る。前記含水ゲル重合体の含水率は全体含水ゲル重合体の重量に対して、水分が占める含量であって、含水ゲル重合体の重量から乾燥状態の重合体の重量を引いた値を意味する。
【0082】
また、本発明では前記含水ゲル重合体の表面を処理した後に、含水ゲル重合体を粉砕し粒度150乃至850μmの粒子に分級する段階をさらに含むことができる。
【0083】
前述の方法によって、製造された高吸水性樹脂は高分子ネットワークをなす高分子鎖の分子量が大きく均一な架橋密度を有し、高いゲル強度を示して、前述のように既存対比吸水倍率低下程度が非常に低い特徴がある。また、本発明は分子量の大きい主鎖で内部および外部架橋度が高くて吸収された水分をリウェットしない特性を有する高吸水性樹脂を提供する。
【0084】
したがって、本発明の高吸水性樹脂は、物性に優れながら特に初期吸水性に優れ、長時間経過後にも加圧状態で水分がほとんどにじみ出なく吸水能に優れた特性を示すことができる。これにより、本発明の特定パラメータ物性を満足する高吸水性樹脂は多様な衛生用品だけでなく、園芸用土壌補修剤、土木、建築用止水材、育苗用シート、食品流通分野での鮮度保持剤、および湿布用などの材料に広く使用可能である。
【0085】
以下、発明の具体的な実施例を通じて、発明の作用および効果をより詳しく説明する。但し、このような実施例は発明の例示として提示されたものに過ぎず、これによって発明の権利範囲が決められるのではない。
【実施例】
【0086】
実施例1
アクリル酸500g、内部架橋剤のN,N’−メチレンビスアクリルアミド4gを添加して混合した後、重合開始剤のジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド0.01gを添加して溶解させた。その後、24.5重量%濃度の水酸化ナトリウム溶液896.4gを添加して窒素を連続的に投入しながら水溶性不飽和単量体水溶液を製造した。その次に、前記溶液の温度を60℃に冷却させ、水溶液に紫外線を90秒間照射して含水ゲル状重合体を得た。得られた含水ゲル状重合体を粉砕した後、180℃の温度の熱風乾燥機で30分間乾燥し、乾燥された含水ゲル重合体を紛砕機を用いて粉砕した。その後、ASTM規格の標準網ふるいで分級して150μm乃至850μmの粒子の大きさを有するベース樹脂粉末を得た。
【0087】
分級したベース樹脂粉末に、1,3−プロパンジオール5重量%およびプロピレングリコール5重量%を含む表面処理溶液を噴射し、ベース樹脂と表面架橋液を混合した。前記表面架橋反応で架橋液と混合された重合体を一つの表面架橋反応器に供給し、185℃の温度で40分間含水ゲル重合体の表面架橋反応を行った。
【0088】
表面架橋反応後、ASTM規格の標準網ふるいで分級して150μm乃至850μmの粒子の大きさを有する高吸水性樹脂を得た。
【0089】
実施例2
重合開始剤のジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド0.02g、内部架橋剤としてN,N’−メチレンビスアクリルアミド1.1gを使用したことを除いては、実施例1と同様な方法で高吸水性樹脂を製造した。
【0090】
比較例1
重合開始剤のジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド1.65g、内部架橋剤としてN,N’−メチレンビスアクリルアミド11.5gを使用したことを除いては、実施例1と同様な方法で高吸水性樹脂を製造した。
【0091】
比較例2
重合開始剤のジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド2g、内部架橋剤としてN,N’−メチレンビスアクリルアミド1.1gを使用したことを除いては、実施例1と同様な方法でベース樹脂を製造した。
【0092】
分級したベース樹脂に0.3重量%のエチレングリコールジグリシジルエーテルを含む表面処理溶液を噴射しベース樹脂と表面架橋液を混合した。前記表面架橋反応で表面架橋液と混合された重合体を一つの表面架橋反応器に供給し、140℃の温度で40分間含水ゲル重合体の表面架橋反応を行った。表面架橋反応後、ASTM規格の標準網ふるいで分級して150μm乃至850μmの粒子大きさを有する高吸水性樹脂を得た。
【0093】
比較例3
重合開始剤のジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド0.1g、内部架橋剤としてN,N’−メチレンビスアクリルアミド0.7gを使用したことを除いては、実施例1と同様な方法でベース樹脂を製造した。その後、表面架橋反応は比較例2と同様な方法で処理して高吸水性樹脂を得た。
【0094】
比較例4
重合開始剤のジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド2g、内部架橋剤としてN,N’−メチレンビスアクリルアミド7.5gを使用したことを除いては、実施例1と同様な方法でベース樹脂を製造した。その後、表面架橋反応は比較例2と同様な方法で処理して高吸水性樹脂を得た。
【0095】
比較例5
実施例2と同様な方法でベース樹脂を製造した。その後、表面架橋反応は比較例2と同様な方法で処理して高吸水性樹脂を得た。
【0096】
試験例:高吸水性樹脂の物性評価
(1)重量平均分子量
まず、高吸水性樹脂の重量平均分子量を測定するために、架橋点を人為的に切って、線状チェーン(linear chain)にサンプリングした。高吸水性樹脂の試料前処理方法は、文献を参考にした(J.applied polymer science 1995、55、605−609、Journal of Polymer Science:Part B:Polymer Physice、1997、35、2029−2047).高吸水性樹脂0.4gを1N NaOH(100ml)に入れ、0.4gのMEHQを追加的に入れた後、75℃のオーブンに7日間入れておいて、加水分解(hydrolysis)反応が行われるようにした。加水分解反応後、試料をほぼ0.8mg/mLになるようにGPC溶媒(0.1M NaNO3+pH7.0 phosphate buffer)に希釈した。分析に用いるGPCカラムはウォーターズウルトラヒドロゲルリニアX2(Waters ultrahydogel linearX2)を使用し、カラム内温度は40℃、流速は1.0mL/minに調節した。検出器はRIディテクタ(detector)を使用した。機器が安定化されると、標準物質(poly(acrylic acid)7種)と測定試料を注入して重量平均分子量を測定した。
【0097】
(2)吸水倍率低下程度
本発明において、吸水倍率低下程度は以下に示す方法によって測定されたものをいう。
【0098】
不織布材質の封止式封筒(85×60mm)に親水性高吸水性樹脂“A”g(約0.2g)を入れて25℃の人工尿(尿素1.9wt%、塩化ナトリウム0.8wt%、硫酸マグネシウム0.1wt%、塩化カルシウム0.1wt%が溶解されている水溶液)に浸漬する。所定の時間が経過した後に不織布材質の封止式封筒を取り出して空気中に5秒間水が抜けるようにした後、長方形ティッシュペーパー24枚上で10秒間水気を除去し重量(“B”g)を測定する。同様な方法で、親水性樹脂を入れずに、前記方法を実施した後、測定した封止式封筒重量を“C”gという時、吸水倍率低下程度は下記の計算式1乃至3によって求める。
【0099】
[計算式1]
吸水倍率低下程度=10分吸水倍率−3時間吸水倍率
(式において、
10分吸水倍率は、下記計算式2の方法による高吸水性樹脂の吸水倍率測定値(g/g)であり、
3時間吸水倍率は、下記計算式3の方法による高吸水性樹脂の吸水倍率測定値(g/g)であり、
[計算式2]
10分吸水倍率(g/g)=[B(g)−(C(g))]/(A(g))
式において、
Aは、高吸水性樹脂の重量(g)であり、
Bは、A(g)の高吸水性樹脂を含む不織布材質の封止式封筒(85×60mm)を人工尿で10分間浸漬した後、これを取り出して空気中で5秒間水が抜けるようにし、長方形ティッシュペーパー24枚上で10秒間水気を除去した後に測定された重量(g)であり、
Cは、高吸水性樹脂を入れない前記不織布材質の封止式封筒を人工尿で10分間浸漬した後、これを取り出して空気中で5秒間水が抜けるようにし、長方形ティッシュペーパー24枚上で10秒間水気を除去した後に測定された重量(g)であり、
[計算式3]
3時間吸水倍率(g/g)=[B(g)−(C(g))]/(A(g))
式において、
Aは、高吸水性樹脂の重量(g)であり、
Bは、A(g)の高吸水性樹脂を含む不織布材質の封止式封筒(85×60mm)を人工尿で3時間浸漬した後、これを取り出して空気中で5秒間水が抜けるようにし、長方形ティッシュペーパー24枚上で10秒間水気を除去した後に測定された重量(g)であり、
Cは、高吸水性樹脂を入れない前記不織布材質の封止式封筒を人工尿で3時間浸漬した後、これを取り出して空気中で5秒間水が抜けるようにし、長方形ティッシュペーパー24枚上で10秒間水気を除去した後に測定された重量(g)である)
(3)無荷重下吸水倍率(CRC、Centrifuge Retention Capacity)
EDANA法WSP241.2によって前記実施例および比較例の高吸水性樹脂に対して無荷重下吸水倍率による遠心分離保水能(CRC)を測定した。
【0100】
即ち、実施例および比較例で得られた樹脂W(g)(約0.2g)を不織布製の封筒に均一に入れて密封(seal)した後、常温で0.9質量%の生理食塩水に含浸させた。30分後に封筒を遠心分離機を用いて250Gで3分間水気を抜いた後に封筒の質量W2(g)を測定した。また、樹脂を使用せずに同一な操作をした後にその時の質量W1(g)を測定した。得られた各質量を用いて次のような式によってCRC(g/g)を算出した。
【0101】
[計算式4]
CRC(g/g)={(W2(g)−W1(g)−W(g)])/W(g)}
式において、
W(g)は、高吸水性樹脂の重量(g)であり、
W1(g)は、高吸水性樹脂を入れない不織布封筒を常温で0.9重量%の生理食塩水に30分間含浸した後、遠心分離機を用いて250Gで3分間脱水した後に測定した装置重量であり、
W2(g)は、常温で0.9重量%の生理食塩水に高吸水性樹脂を入れた不織布封筒を30分間含浸した後に遠心分離機を用いて250Gで3分間脱水した後、高吸水性樹脂を含んで測定した装置重量である。
【0102】
(4)水可溶性分(Extractable content:EC)
水可溶成分測定は、EDANA法WSP270.2に開示されている順序と同様な方法で測定した。
【0103】
(5)G’測定(ゲル強度(Gel Strength))
高吸水性樹脂はレオメータ(Rheometer)を用いて次のような順にゲル強度(G)を測定した。
【0104】
高吸水性樹脂を過量の0.9wt%NaCl溶液(高分子に対して100倍以上)に1時間含浸させた。吸収されなかった溶媒はアスピレータ(aspirator)を用いて4分間除去し、表に付いた溶媒はろ過紙に均等に分布させて1回ふき取った。膨潤された高吸水性樹脂2.5gをレオメータの二つのプレート(直径25mm平行平板(parallel plate)、下部プレートに2mm程度のサンプルが抜け出ないようにする壁がある)の間にローディング(loading)し、二つのプレートのギャップ(1mm)を合わせた。この時、膨潤された高分子を過度に少なくローディングすれば、プレートの間のギャップに完全にパッキングされずゲル強度が低く測定されることがある。また、一般にやわらかいサンプルは1mmギャップを合わせやすいが、固いサンプルは1mmギャップを合わせる間に垂直方向に力が多く入るため、プレート面に膨潤されたサンプルが全て接触するように3Nの力で押して適当なギャップを合わせた。膨潤された高分子に力が加えられたため、5分間レスト時間(rest time)を与えて安定化させた。レオメータを用いて10rad/sフリークエンシー(frequency)で変形率(strain)を増加させながら貯蔵モジュラス(storage modulus)(G’)と損失モジュラス(loss modulus)(G’’)が一定の線形粘弾性状態(linear viscoelastic regime)区間の変形率(strain)を探した。一般に、膨潤された高吸水性樹脂の場合、変形率0.1%は線形状態(linear regime)区間内にあった。一定のフリークエンシー(frequency)10rad/sで線形状態(linear regime)区間の変形率値で60秒間膨潤された高分子の粘弾性(G’、G’’)を測定した。この時得られたG´値平均してゲル強度(G’)を求めた。
【0105】
【表2】
【0106】
前記表2の結果から、本発明の実施例は比較例に比べて、吸水倍率低下程度が非常に低くて優れた物性を有する高吸水性樹脂を提供することが分かる。また、分子量が150万以上でありゲル強度値が7000以上である条件を全て満たさない場合、吸水倍率低下程度が高くて好ましくないのを確認することができる。
【手続補正書】
【提出日】2016年8月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
前記乾燥工程時の装置の構成は特に限定されず、例えば赤外線照射、熱風、極超短波照射、または紫外線照射を通じて乾燥を行うことができる。また、乾燥温度および時間は熱重合またはUV重合を通じて重合された重合体の含水量によって適切に選択されて行われ得、好ましくは80乃至200℃の温度条件で20乃至120分間行われるのが好ましい。乾燥時、温度が80℃未満である場合には乾燥効果が微小で乾燥時間が過度に長くなる問題点があり、200℃を超過する温度で乾燥する場合、高吸水性樹脂が熱分解される問題がある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記計算式1で表される吸水倍率低下程度が0乃至1(g/g)の値を有する高吸水性樹脂。
[計算式1]
吸水倍率低下程度=10分吸水倍率−3時間吸水倍率
(式において、
10分吸水倍率は、下記計算式2の方法による高吸水性樹脂の吸水倍率測定値(g/g)であり、
3時間吸水倍率は、下記計算式3の方法による高吸水性樹脂の吸水倍率測定値(g/g)であり、
[計算式2]
10分吸水倍率(g/g)=[B(g)−(C(g))]/(A(g))
式において、
Aは、高吸水性樹脂の重量(g)であり、
Bは、A(g)の高吸水性樹脂を含む不織布材質の封止式封筒(85×60mm)を人工尿で10分間浸漬した後、これを取り出して空気中で5秒間水が抜けるようにし、長方形ティッシュペーパー24枚上で10秒間水気を除去した後に測定された重量(g)であり、
Cは、高吸水性樹脂を入れない前記不織布材質の封止式封筒を人工尿で10分間浸漬した後、これを取り出して空気中で5秒間水が抜けるようにし、長方形ティッシュペーパー24枚上で10秒間水気を除去した後に測定された重量(g)であり、
[計算式3]
3時間吸水倍率(g/g)=[B(g)−(C(g))]/(A(g))
(式において、
Aは、高吸水性樹脂の重量(g)であり、
Bは、A(g)の高吸水性樹脂を含む不織布材質の封止式封筒(85×60mm)を人工尿で3時間浸漬した後、これを取り出して空気中で5秒間水が抜けるようにし、長方形ティッシュペーパー24枚上で10秒間水気を除去した後に測定された重量(g)であり、
Cは、高吸水性樹脂を入れない前記不織布材質の封止式封筒を人工尿で3時間浸漬した後、これを取り出して空気中で5秒間水が抜けるようにし、長方形ティッシュペーパー24枚上で10秒間水気を除去した後に測定された重量(g)である)
【請求項2】
150万g/mol以上の重量平均分子量を有しゲル強度値(G’)が7000Pa以上であるアクリル樹脂を含む、請求項1に記載の高吸水性樹脂。
【請求項3】
EDANA法WSP241.2によって測定された生理食塩水に対する遠心分離保水能(CRC)が20乃至35g/gであり、水可溶成分の含量が0乃至15重量%である請求項1に記載の高吸水性樹脂。
【請求項4】
水溶性エチレン系不飽和単量体、内部架橋剤および重合開始剤を含むモノマー組成物を形成する段階;
重合反応器で前記モノマー組成物を重合して含水ゲル重合体を製造する段階;
前記含水ゲル重合体を乾燥する段階;
前記乾燥された重合体を粉砕する段階;および
前記粉砕された重合体を表面処理する段階;を含み、
前記水溶性エチレン系不飽和単量体100重量部に対して内部架橋剤0.2乃至2.0重量部および重合開始剤0.001乃至0.3重量部を含み、
前記表面処理する段階は、表面架橋剤を含む表面架橋溶液を用いて、160乃至200℃で20分乃至60分間粉砕された重合体を表面架橋反応させる段階を含む、
高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項5】
前記水溶性エチレン系不飽和単量体は、
アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、2−アクリロイルエタンスルホン酸、2−メタクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、および2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸からなる群より選択された1種以上の陰イオン性単量体またはその塩;(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートおよびポリエチレングリコール(メタ)アクリレートからなる群より選択された1種以上の非イオン系親水性含有単量体;または(N,N)−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよび(N,N)−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドからなる群より選択された1種以上のアミノ基含有不飽和単量体またはその4級化物;を含む請求項4に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項6】
前記内部架橋剤は、炭素数8〜12のビスアクリルアミド、ビスメタクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、炭素数2〜10のポリオールのポリ(メタ)アクリレート、炭素数2〜10のポリオールのポリ(メタ)アリルエーテル、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリレート、エチレンオキシ(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシ(メタ)アクリレート、グリセリンジアクリレート、グリセリントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアネート、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコールおよびプロピレングリコールからなる群より選択された1種以上である、請求項4に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項7】
前記重合開始剤は、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤、有機ハロゲン化物開始剤、過硫酸塩系開始剤、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾフェノン、ベンジル系化合物およびその誘導体からなる群より選択されるいずれか一つである請求項4に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項8】
前記表面架橋剤は、1,3−プロパンジオール、2,3,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセロール、ポリグリセロール、エチレンカーボネートおよび1,2−プロピレンカーボネートからなる群より選択される1種以上である請求項4に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項9】
前記表面架橋反応は、最大反応温度180乃至200℃、総反応時間0.5乃至1時間、および160℃以上の反応温度25分以上を維持する条件下に行う、請求項4に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項10】
前記重合は、UV重合または熱重合を行う請求項4に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項11】
前記含水ゲル重合体の表面を処理した後に、含水ゲル重合体を粉砕し粒度150乃至850μmの粒子に分級する段階をさらに含む請求項4に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【国際調査報告】

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