(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-540083(P2016-540083A)
(43)【公表日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】ブロック共重合体
(51)【国際特許分類】
C08F 293/00 20060101AFI20161125BHJP
【FI】
C08F293/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-536924(P2016-536924)
(86)(22)【出願日】2014年12月8日
(85)【翻訳文提出日】2016年6月14日
(86)【国際出願番号】KR2014012031
(87)【国際公開番号】WO2015084128
(87)【国際公開日】20150611
(31)【優先権主張番号】10-2013-0151866
(32)【優先日】2013年12月6日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0151865
(32)【優先日】2013年12月6日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0151867
(32)【優先日】2013年12月6日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0159994
(32)【優先日】2013年12月20日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0131964
(32)【優先日】2014年9月30日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0175411
(32)【優先日】2014年12月8日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ノ・ジン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・クン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジェ・クォン・イ
(72)【発明者】
【氏名】スン・ス・ユン
【テーマコード(参考)】
4J026
【Fターム(参考)】
4J026HA05
4J026HA06
4J026HA08
4J026HA22
4J026HA29
4J026HA32
4J026HA38
4J026HA43
4J026HA48
4J026HB11
4J026HB22
4J026HB29
4J026HB32
4J026HB38
4J026HB42
4J026HE01
4J026HE02
(57)【要約】
本出願は、ブロック共重合体及びその用途を提供することができる。本出願のブロック共重合体は、自己組織化特性に優れていて、多様な用途で効果的に適用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表示される第1ブロックを含むブロック共重合体:
【化1】
化学式1でX
2は、単一結合、酸素原子、硫黄原子、−S(=O)
2−アルキレン基、アルケニレン基またはアルキニレン基であり、R
1〜R
5は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜8のアルキル基または9個以上の鎖形成原子を有する直鎖であり、且つR
1〜R
5のうち少なくとも1つは、9個以上の鎖形成原子を有する直鎖である。
【請求項2】
Xは、単一結合または酸素原子である、請求項1に記載のブロック共重合体。
【請求項3】
直鎖は、9個〜20個の鎖形成原子を含む、請求項1に記載のブロック共重合体。
【請求項4】
鎖形成原子は、炭素、酸素、窒素または硫黄である、請求項1に記載のブロック共重合体。
【請求項5】
鎖形成原子は、炭素または酸素である、請求項1に記載のブロック共重合体。
【請求項6】
直鎖は、少なくとも1つのヘテロ原子を含むことができる炭化水素鎖である、請求項1に記載のブロック共重合体。
【請求項7】
ヘテロ原子は、酸素原子である、請求項6に記載のブロック共重合体。
【請求項8】
直鎖は、アルキル基、アルコキシ基またはアルコキシアルキル基である、請求項1に記載のブロック共重合体。
【請求項9】
下記化学式2で表示される第2ブロックをさらに含む、請求項1に記載のブロック共重合体:
【化2】
化学式2でR
1は、水素またはアルキル基であり、R
2は、アルキル基である。
【請求項10】
化学式2のR1は、炭素数1〜4のアルキル基である、請求項9に記載のブロック共重合体。
【請求項11】
化学式2のR2は、炭素数1〜4のアルキル基である、請求項9に記載のブロック共重合体。
【請求項12】
自己組織化された請求項1に記載のブロック共重合体を含む高分子膜。
【請求項13】
自己組織化された請求項1に記載のブロック共重合体を含む高分子膜を基板上に形成することを含む高分子膜の形成方法。
【請求項14】
基板及び前記基板の表面に形成されており、自己組織化された請求項1に記載のブロック共重合体を含む高分子膜を有する積層体において前記ブロック共重合体の第1ブロックまたは前記第1ブロックとは異なるブロックを選択的に除去する段階を含むパターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ブロック共重合体及びその用途
【背景技術】
【0002】
ブロック共重合体は、互いに異なる化学的構造を有する高分子ブロックが共有結合を通じて連結されている分子構造を有する。ブロック共重合体は、相分離によってスピア(sphere)、シリンダー(cylinder)またはラメラ(lamella)などのような周期的に配列された構造を形成することができる。ブロック共重合体の自己組織化現象によって形成された構造のドメインのサイズは、広範に調節することができ、多様な形態の構造の製作が可能で、高密度の磁気格納媒体、ナノ線製作、量子点または金属点などのような多様な次世代ナノ素子や磁気記録媒体またはリソグラフィなどによるパターン形成などに応用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本出願は、ブロック共重合体及びその用途
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書で用語アルキル基は、特に別途規定しない限り、炭素数1〜20、炭素数1〜16、炭素数1〜12、炭素数1〜8または炭素数1〜4のアルキル基を意味することができる。前記アルキル基は、直鎖、分岐鎖または環形のアルキル基であることができ、任意に1つ以上の置換基によって置換されていてもよい。
【0005】
本明細書で用語アルコキシ基は、特に別途規定しない限り、炭素数1〜20、炭素数1〜16、炭素数1〜12、炭素数1〜8または炭素数1〜4のアルコキシ基を意味することができる。前記アルコキシ基は、直鎖、分岐鎖または環形のアルコキシ基であることができ、任意に1つ以上の置換基によって置換されていてもよい。
【0006】
本明細書で用語アルケニル基またはアルキニル基は、特に別途規定しない限り、炭素数2〜20、炭素数2〜16、炭素数2〜12、炭素数2〜8または炭素数2〜4のアルケニル基またはアルキニル基を意味することができる。前記アルケニル基またはアルキニル基は、直鎖、分岐鎖または環形であることができ、任意に1つ以上の置換基によって置換されていてもよい。
【0007】
本明細書で用語アルキレン基は、特に別途規定しない限り、炭素数1〜20、炭素数1〜16、炭素数1〜12、炭素数1〜8または炭素数1〜4のアルキレン基を意味することができる。前記アルキレン基は、直鎖、分岐鎖または環形のアルキレン基であることができ、任意に1つ以上の置換基によって置換されていてもよい。
【0008】
本明細書で用語アルケニレン基またはアルキニレン基は、特に別途規定しない限り、炭素数2〜20、炭素数2〜16、炭素数2〜12、炭素数2〜8または炭素数2〜4のアルケニレン基またはアルキニレン基を意味することができる。前記アルケニレン基またはアルキニレン基は、直鎖、分岐鎖または環形であることができ、任意に1つ以上の置換基によって置換されていてもよい。
【0009】
本明細書で用語アリール基またはアリレン基は、特に別途規定しない限り、1つのベンゼン環構造、2つ以上のベンゼン環が1つまたは2つの炭素原子を共有しながら連結されているか、または任意のリンカーによって連結されている構造を含む化合物またはその誘導体から由来する1価残基または2価残基を意味することができる。
【0010】
前記アリール基またはアリレン基は、 特に別途規定しない限り、炭素数6〜30、炭素数6〜25、炭素数6〜21、炭素数6〜18または炭素数6〜13のアリール基であることができる。
【0011】
本出願で用語芳香族構造は、前記アリール基またはアリレン基を意味することができる。
【0012】
本明細書で用語脂環族環構造は、特に別途規定しない限り、芳香族環構造ではない環形の炭化水素構造を意味する。前記脂環族環構造は、特に別途規定しない限り、例えば、炭素数3〜30、炭素数3〜25、炭素数3〜21、炭素数3〜18または炭素数3〜13の脂環族環構造であることができる。
【0013】
本出願で用語単一結合は、当該部位に別途の原子が存在しない場合を意味することができる。例えば、A−B−Cで表示された構造でBが単一結合である場合、Bで表示される部位に別途の原子が存在せず、AとCが直接連結され、A−Cで表示される構造を形成することを意味することができる。
【0014】
本出願でアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アルコキシ基、アリール基、アリレン基、直鎖または芳香族構造などに任意に置換されていてもよい置換基としては、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、グリシジル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイル基オキシ、メタクリロイル基オキシ基、チオール基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アルコキシ基またはアリール基などが例示されることができるが、これに制限されるものではない。
【0015】
本出願の例示的なブロック共重合体は、下記化学式1で表示されるブロックを含むことができる。
【0016】
【化1】
【0017】
化学式1で、X
2は、単一結合、酸素原子、硫黄原子、−S(=O)
2−、アルキレン基、アルケニレン基またはアルキニレン基であり、R
1〜R
5は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜8のアルキル基または9個以上の鎖形成原子を有する直鎖であり、且つR
1〜R
5のうち少なくとも1つは、9個以上の鎖形成原子を有する直鎖である。
【0018】
化学式1でX
2は、他の例示で、単一結合または酸素原子であるか、単一結合であることができるが、これに制限されるものではない。
【0019】
化学式1でR
1〜R
5は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜8のアルキル基または9個以上の鎖形成原子を有する直鎖であり、且つR
1〜R
5のうち少なくとも1つは、9個以上の鎖形成原子を有する直鎖である。
【0020】
1つの例示でR
1〜R
5のうちR
1,R
2,R
4及びR
5は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基;または水素または炭素数1〜4のアルキル基;または水素であり、R
3が前記9個以上の鎖形成原子を有する直鎖であることができる。
【0021】
本出願で用語鎖形成原子は、所定鎖の直鎖構造を形成する原子を意味する。前記鎖は、直鎖形または分岐形であることができるが、鎖形成原子の数は、最も長い直鎖を形成している原子の数だけで計算され、前記鎖形成原子に結合されている他の原子(例えば、鎖形成原子が炭素原子である場合、該炭素原子に結合している水素原子など)は計算されない。また、分岐形鎖である場合、前記鎖形成原子の数は、最も長い直鎖を形成している鎖形成原子の数で計算されることができる。例えば、側鎖がn−ペンチル基である場合、鎖形成原子は、いずれも炭素であって、その数は5であり、側鎖が2−メチルペンチル基である場合にも、鎖形成原子は、いずれも炭素であって、その数は5である。前記鎖形成原子としては、炭素、酸素、硫黄または窒素などを例示することができ、好適な鎖形成原子は、炭素、酸素または窒素であってもよく、炭素または酸素であってもよい。前記鎖形成原子の数は、8以上、9以上、10以上、11以上または12以上であることができる。前記鎖形成原子の数は、また、30以下、25以下、20以下または16以下であることができる。
【0022】
化学式1の単位は、ブロック共重合体が優れた自己組織化特性を示すようにすることができる。
【0023】
1つの例示で、前記鎖は、直鎖アルキル基のような直鎖炭化水素鎖であることができる。このような場合、アルキル基は、炭素数9以上、炭素数9〜30、炭素数9〜25、炭素数9〜20または炭素数9〜16のアルキル基であることができる。前記アルキル基の炭素原子のうち1つ以上は、任意に酸素原子に置換されていてもよく、前記アルキル基の少なくとも1つの水素原子は、任意に他の置換期によって置換されていてもよい。
【0024】
前記直鎖炭化水素鎖は、任意に少なくとも1つのヘテロ原子を含むことができる。この際、ヘテロ原子としては、酸素原子または窒素原子を例示することができる。
【0025】
前記鎖は、例えば、アルキル基、アルコキシ基またはアルコキシアルキル基であることができる。このような場合、前記アルキル基、アルコキシ基またはアルコキシアルキル基での炭素及び酸素原子の数は、9個以上、9個〜30個、9個〜25個、9個〜20個または9個〜16個であることができる。
【0026】
ブロック共重合体に前記第1ブロックとともに含まれることができる他のブロック(以下、第2ブロックと指称することができる)の種類は、特に制限されない。
【0027】
例えば、前記第2ブロックは、ポリビニルピロリドンブロック、ポリ乳酸(polylactic acid)ブロック、ポリビニルピリジンブロック、ポリスチレンまたはポリトリメチルシリルスチレン(polytrimethylsilylstyrene)などのようなポリスチレン(polystyrene)ブロック、ポリエチレンオキサイド(polyethylene oxide)のようなポリアルキレンオキシドブロック、ポリアクリレート(poly acrylate)ブロック、ポリブタジエン(poly butadiene)ブロック、ポリイソプレン(poly isoprene)ブロックまたはポリエチレン(poly ethylene)などのポリオレフィンブロックを例示することができる。
【0028】
好適な例示で、前記第2ブロックは、下記化学式2で表示されるブロックであることができる。
【0029】
本出願のブロック共重合体は、下記化学式2で表示される第2ブロックをさらに含むことができる。
【0030】
【化2】
【0031】
化学式2でR
1は、水素またはアルキル基であり、R
2は、アルキル基である。
【0032】
化学式2でR
1は、他の例示で、水素または炭素数1〜4のアルキル基;水素またはメチル基;またはメチル基であることができる。
【0033】
また、化学式2でR
2は、他の例示で、炭素数1〜20、炭素数1〜16、炭素数1〜12、炭素数1〜8または炭素数1〜4のアルキル基であることができる。
【0034】
本出願の前記ブロック共重合体を製造する方法は、目的するブロックを形成することができる単量体を使用してブロック共重合体の少なくとも1つのブロックを形成する段階を含む限り、特に制限されない。
【0035】
例えば、ブロック共重合体は、前記単量体を使用したLRP(Living Radical Polymerization)方式で製造することができ、例えば、有機希土類金属複合体を重合開始剤として使用するか、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として使用してアルカリ金属またはアルカリ土金属の塩などの無機酸塩の存在の下に合成する陰イオン重合、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として使用して有機アルミニウム化合物の存在の下に合成する陰イオン重合方法、重合剤御剤として原子移動ラジカル重合剤を利用する原子移動ラジカル重合法(ATRP)、重合剤御剤として原子移動ラジカル重合剤を利用し、且つ電子を発生させる有機または無機還元剤の下で重合を行うARGET(Activators Regenerated by Electron Transfer)原子移動ラジカル重合法(ATRP)、ICAR(Initiators for continuous activato rregeneration)原子移動ラジカル重合法(ATRP)、無機還元剤可逆付加−開裂連鎖移動剤を利用する可逆付加−開裂連鎖移動による重合法(RAFT)または有機テルル化合物を開始剤として利用する方法などがあり、このような方法のうち好適な方法を選択して適用することができる。
【0036】
例えば、前記ブロック共重合体は、ラジカル開始剤及びリビングラジカル重合試薬の存在の下に、前記ブロックを形成することができる単量体を含む反応物をリビングラジカル重合法で重合することを含む方式で製造することができる。
【0037】
ブロック共重合体の製造時に前記単量体を使用して形成するブロックとともに前記共重合体 に含まれる他のブロックを形成する方式は、特に制限されず、目的するブロックの種類を考慮して好適な単量体を選択して前記他のブロックを形成することができる。
【0038】
ブロック共重合体の製造過程は、例えば前記過程を経て生成された重合生成物を非溶媒内で沈澱させる過程をさらに含むことができる。
【0039】
ラジカル開始剤の種類は、特に制限されず、重合効率を考慮して適宜選択することができ、例えば、AIBN(azobisisobutyronitrile)または2、2’−アゾビス−2、4−ジメチルバレロニトリル(2、2’−azobis−(2、4−dimethylvaleronitrile))などのアゾ化合物や、BPO(benzoyl peroxide)またはDTBP(di−t−butyl peroxide)などのような過酸化物系を使用することができる。
【0040】
リビングラジカル重合過程は、例えば、メチレンクロライド、1、2−ジクロロエタン、コロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、アセトン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはジメチルアセトアミドなどのような溶媒内で行われることができる。
【0041】
非溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノールまたはイソプロパノールなどのようなアルコール、エチレングリコールなどのグリコール、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタンまたはペトロリウムエーテルなどのようなエーテル系を使用することができるが、これに制限されるものではない。
【0042】
ブロック共重合体は、共有結合で連結された2つまたはそれ以上の高分子鎖を含むので、相分離が起きる。本出願のブロック共重合体は、優れた相分離特性を示し、必要に応じて微細相分離(microphase seperation)によるナノスケールの構造を形成することができる。ナノ構造の形態及びサイズは、ブロック共重合体のサイズ(分子量など)や、ブロック間の相対的な比率により調節することができる。相分離によって形成される構造としては、球形、シリンダー、ジャイロイド(gyroid)またはラメラ及び反転構造などを例示することができ、このような構造を形成するブロック共重合体の能力を自己組織性と称することができる。
【0043】
ブロック共重合体の数平均分子量(Mn(Number Average Molecular Weight))は、例えば、3,000〜300,000の範囲内にあり得る。本明細書で用語数平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatograph)を使用して測定した標準ポリスチレンに対する換算数値であり、本明細書で用語分子量は、特に別途規定しない限り、数平均分子量を意味する。分子量(Mn)は、他の例示では、例えば、3000以上、5000以上、7000以上、9000以上、11000以上、13000以上または15000以上であることができる。分子量(Mn)は、さらに他の例示で、250000以下、200000以下、180000以下、160000以下、140000以下、120000以下、100000以下、90000以下、80000以下、70000以下、60000以下、50000以下、40000以下、30000以下または25000以下程度であることができる。ブロック共重合体は、1.01〜1.60の範囲内の分散度(polydispersity、Mw/Mn)を有することができる。分散度は、他の例示で、約1.1以上、約1.2以上、約1.3以上または約1.4以上であることができる。
【0044】
このような範囲でブロック共重合体は、好適な自己組織化特性を示すことができる。ブロック共重合体の数平均分子量などは、目的する自己組織化構造などを勘案して調節することができる。
【0045】
ブロック共重合体が前記第1及び第2ブロックを少なくとも含む場合に、前記ブロック共重合体内で前記化学式1の第1ブロックの比率は、10モル%〜90モル%の範囲内にあり得る。
【0046】
本出願は、また、前記ブロック共重合体を含む高分子膜に関する。前記高分子膜は、多様な用途に使用することができ、例えば、多様な電子または電子素子、前記パターンの形成工程または磁気格納記録媒体、フラッシュメモリーなどの記録媒体またはバイオセンサーなどに使用することができる。
【0047】
1つの例示で、前記高分子膜において前記ブロック共重合体は、自己組織化を通じてスピア(sphere)、シリンダー(cylinder)、ジャイロイド(gyroid)またはラメラ(lamellar)などを含む周期的構造を具現することができる。
【0048】
例えば、ブロック共重合体において第1または第2ブロックまたはそれと共有結合された他のブロックのセグメント内で他のセグメントがラメラ形態またはシリンダー形態などのような規則的な構造を形成していてもよい。
【0049】
本出願は、また、前記ブロック共重合体を使用して高分子膜を形成する方法に関する。前記方法は、前記ブロック共重合体を含む高分子膜を自己組織化された状態で基板上に形成することを含むことができる。例えば、前記方法は、前記ブロック共重合体またはそれを適正な溶媒に希釈したコーティング液の層を塗布などによって基板上に形成し、必要に応じて、前記層を夙成するか、熱処理する過程を含むことができる。
【0050】
前記熟成または熱処理は、例えば、ブロック共重合体の相転移温度またガラス転移温度を基準に行われることができ、例えば、前記ガラス転移温度または相転移温度以上の温度で行われることができる。このような熱処理が行われる時間は、特に制限されず、例えば、約1分〜72時間の範囲内で行われることができるが、これは、必要に応じて変更することができる。また、高分子薄膜の熱処理温度は、例えば、100℃〜250℃程度であることができるが、これは、使用されるブロック共重合体を考慮して変更することができる。
【0051】
前記形成された層は、他の例示では、常温の非極性溶媒及び/または極性溶媒内で、約1分〜72時間溶媒熟成されてもよい。
【0052】
本出願は、また、パターン形成方法に関する。前記方法は、例えば、基板及び前記基板の表面に形成されており、自己組織化された前記ブロック共重合体を含む高分子膜を有する積層体において前記ブロック共重合体の第1または第2ブロックを選択的に除去する過程を含むことができる。前記方法は、前記基板にパターンを形成する方法であることができる。例えば、前記方法は、前記ブロック共重合体を含む高分子膜を基板に形成し、前記膜内に存在するブロック共重合体のいずれか1つまたはそれ以上のブロックを選択的に除去した後、基板をエッチングすることを含むことができる。このような方式で、例えば、ナノスケールの微細パターンの形成が可能である。また、高分子膜内のブロック共重合体の形態によって前記方式を通じてナノロッドまたはナノホールなどのような多様な形態のパターンを形成することができる。必要に応じて、パターン形成のために前記ブロック共重合体と他の共重合体あるいは単独重合体などを混合することができる。このような方式に適用される前記基板の種類は、特に制限されず、必要に応じて選択することができ、例えば、酸化ケイ素などを適用することができる。
【0053】
例えば、前記方式は、高い縦横比を示す酸化ケイ素のナノスケールのパターンを形成することができる。例えば、酸化ケイ素上に前記高分子膜を形成し、前記高分子膜内のブロック共重合体が所定の構造を形成している状態でブロック共重合体のいずれか1つのブロックを選択的に除去した後、酸化ケイ素を多様な方式、例えば、反応性イオンエッチングなどでエッチングしてナノロッドまたはナノホールのパターンなどを含む多様な形態を具現することができる。また、このような方法を用いて縦横比が大きいナノパターンの具現が可能であることができる。
【0054】
例えば、前記パターンは、数十ナノメートルのスケールで具現することができ、このようなパターンは、例えば、次世代情報電子用磁気記録媒体などを含む多様な用途に活用することができる。
【0055】
例えば、前記方式によれば、約3nm〜40nmの幅を有するナノ構造物、例えば、ナノ線が約6nm〜80nmの間隔をもって配置されているパターンを形成することができる。他の例示では、約3nm〜40nmの幅、例えば直径を有するナノホールが約6nm〜80nmの間隔を形成しつつ配置されている構造の具現も可能である。
【0056】
また、前記構造においてナノ線やナノホールが大きい縦横比(aspect ratio)を有するようにすることができる。
【0057】
前記方法においてブロック共重合体のいずれか1つのブロックを選択的に除去する方式は、特に制限されず、例えば、高分子膜に適正な電磁気波、例えば、紫外線などを照射して相対的にソフトなブロックを除去する方式を使用することができる。この場合、紫外線の照射条件は、ブロック共重合体のブロックの種類によって決定され、例えば、約254nm波長の紫外線を1分〜60分間照射して行うことができる。
【0058】
紫外線の照射に引き続いて、高分子膜を酸などで処理し、紫外線によって分解されたセグメントをさらに除去する段階を行ってもよい。
【0059】
選択的にブロックが除去された高分子膜をマスクとして基板をエッチングする段階は、特に制限されず、例えば、CF4/Arイオンなどを使用した反応性イオンエッチング段階を通じて行うことができ、この過程に引き続いて酸素プラズマ処理などによって高分子膜を基板から除去する段階をさらに行うことができる。
【発明の効果】
【0060】
本出願では、ブロック共重合体及びその用途を提供することができる。本出願のブロック共重合体は、自己組織化特性に優れていて、多様な用途で効果的に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は、高分子膜の実施例1に対するAFM写真である。
【図2】図2は、高分子膜の実施例2に対するAFM写真である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
以下、本出願による実施例及び比較例により本出願を詳しく説明するが、本出願の範囲が下記提示された実施例によって制限されるものではない。
【0063】
1.NMR測定方式
製造例の各化合物のNMR分析は、常温で三重共鳴5mmプローブ(probe)を有するVarianUnityInova(500MHz)分光計を含むNMR分光計を使用して行った。NMR測定時には、NMR測定用溶媒(CDCl
3)に各化合物を約10mg/ml程度の濃度で溶解させて適用し、化学的移動は、ppmで表現した。
〈適用略語〉
br=広い信号、s=単一線、d=二重線、dd=二重二重線、t=三重線、dt=二重三重線、q=四重線、p=五重線、m=多重線。
【0064】
2.GPC(Gel Permeation Chromatograph)
数平均分子量(Mn)及び分子量分布は、GPC(Gel permeation chromatography)を使用して測定し、測定条件は、下記の通りである。
〈GPC測定条件〉
機器:Agilent technologies社の1200 series
カラム:Polymer laboratories社のPLgel mixed B 2個使用
溶媒:THF
カラム温度:35℃
サンプル濃度:1mg/mL、200L注入
標準試料:ポリスチレン(Mp:3900000、723000、316500、52200、31400、7200、3940、485)
【0065】
5mLバイアル(vial)に実施例または比較例で製造されたブロック共重合体を入れ、1mg/mLとなるようにTHFで希釈する。その後、Calibration用標準試料と分析しようとする試料をsyringe filter(pore size:0.45μm)を通じて濾過させた後、測定した。分析プログラムは、Agilenttechnologies社のChemStationを使用し、GPCによって試料のelution timeをcalibration curveと比較して重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を求めた後、その比率(Mw/Mn)から分子量分布(PDI)を計算した。
【0066】
製造例1:para−ドデシルスチレン(A)の合成
p−ドデシルスチレン(A)は、次の方式で合成した。100mLフラスコに4−ブロモスチレン(4−bromostyrene)(5.0g,27.3mmol)及び削り屑状マグネシウム(Mg turnings)(0.664g,27.31mmol)を入れ、30mLの水分が除去されたテトラヒドロフラン(THF)にとかした後、少量のヨード(iodine)を触媒として添加して、常温で約6時間窒素条件の下で撹拌反応させて、グリニャール試薬(grignard reagent)を合成した。他の100mLフラスコに1−ブロモドデケイン(1−bromododecane)を入れ、前記合成したグリニャール試薬を0℃でゆっくり添加した後、Dilithium tetrachlorocuprate(II)solution(8.2mL,0.82mmol)を入れた後、常温に昇温して3時間撹拌反応させた。反応が終了すれば、テトラヒドロフランを除去し、ヘキサンを移動相として利用して、カラムクロマトグラフィーを通じて透明な液状の目的化合物(2.54g,9.32mmol)を得た。
〈NMR分析結果〉
1H−NMR(CDCl
3):d7.33(dd,2H);d7.14(dd,2H);δ6.70(dd,1H);d5.71(d,1H);d5.18(d,1H);d2.59(t,2H);d1.60(p,2H);d1.31−1.26(m,18H);d0.89(t,3H).
【0067】
製造例2:para−ドデシルオキシメチルスチレン(B)
para−ドデシルオキシメチルスチレン(B)は、次の方式で合成した。500mLフラスコで4−クロロメチルスチレン(4−(chloromethyl)styrene)(22.1g,144.8mmol)及び1−ドデカノール(1−dodecanol)(30.0g,160.1mmol)を300mLテトラヒドロフラン(THF)にとかした後、0℃に温度を低めた。水素化ナトリウム(NaH)(7,7g,320.8mmol)を少量ずつ分けて加えた後、1時間撹拌反応を行った後、70℃に加熱させて24時間反応を行った。反応終了時、室温に冷却した後、氷水上で少量の水を加えて、反応後に残っている水素化ナトリウムと反応させた後、フィルターを通じて固形分を除去した。反応溶媒であるテトラヒドロフランを除去した後、ジクロロメタン(DCM)/二次純水で分別抽出して有機層を集めた後、得られた化合物は、ヘキサン(hexane)/ジクロロメタンを移動相として使用してカラムクロマトグラフィーを通じて透明な液状の目的物化合物(23.9g,79.0mmol)を得た。
〈NMR分析結果〉
1H−NMR(CDCl
3):d7.39(dd,2H);d7.30(dd,2H);δ6.71(dd,1H);d5.74(d,1H);d5.23(d,1H);d4.49(s,2H);d3.46(t,2H);d1.61(p,2H);d1.37−1.26(m,16H);d0.89(t,3H).
【0068】
製造例3:para−ドデシルオキシメチルスチレン(B)
para−ドデシルオキシメチルスチレン(B)は、次の方式で合成した。500mLフラスコで4−クロロメチルスチレン(4−(chloromethyl)styrene)(22.1g,144.8mmol)及び1−ドデカノール(1−dodecanol)(30.0g,160.1mmol)を300mLテトラヒドロフラン(THF)にとかした後、0℃に温度を低めた。水素化ナトリウム(NaH)(7,7g,320.8mmol)を少量ずつ分けて加えた後、1時間撹拌反応を行った後、70℃に加熱させて24時間反応を行った。反応終了時、室温に冷却した後、氷水上で少量の水を加えて、反応後に残っている水素化ナトリウムと反応させた後、フィルターを通じて固形分を除去した。反応溶媒であるテトラヒドロフランを除去した後、ジクロロメタン(DCM)/二次純水で分別抽出して有機層を集めた後、得られた化合物は、ヘキサン(hexane)/ジクロロメタンを移動相として使用してカラムクロマトグラフィーを通じて透明な液状の目的物化合物(23.9g,79.0mmol)を得た。
〈NMR分析結果〉
1H−NMR(CDCl
3):d7.39(dd,2H);d7.30(dd,2H);δ6.71(dd,1H);d5.74(d,1H);d5.23(d,1H);d4.49(s,2H);d3.46(t,2H);d1.61(p,2H);d1.37−1.26(m,16H);d0.89(t,3H).
【0069】
実施例1
熱開始剤としてAIBN(Azobisisobutyronitrile)及びRAFT剤((Reversible Addition Fragmentation chainTransfer agent)をメチルメタアクリレート(MMA)と反応させて巨大開始剤(数平均分子量Mn:7000、分子量分布PDI:1.16)を合成した。合成された巨大開始剤と製造例1で製造された化合物(A)及びAIBN(Azobisisobutyronitrile)を1:70:0.5の重量の比率(巨大開始剤:化合物(A):AIBN)でトルエンにとかし(溶媒:20重量%)、これを窒素雰囲気で80℃で16時間反応させてブロック共重合体を製造した。製造されたブロック共重合体の数平均分子量は、約19200であり、分子量分布は、1.17であった。
【0070】
実施例2
実施例1と同一の方式で巨大開始剤(数平均分子量Mn:8400、分子量分布PDI:1.15)を合成し、製造例1の化合物(A)の代わりに、製造例2の化合物(B)を使用したことを除いて、実施例2と同様に、ブロック共重合体を製造した。製造されたブロック共重合体の数平均分子量は、約21900であり、分子量分布は、1.19であった。
【0071】
試験例1.自己組織パターンの確認
実施例1または2で合成したブロック共重合体をトルエンに約1.0重量%の濃度で希釈させたコーティング液をスピンコーターを利用してシリコンウェーハの基板の上に3000rpmの速度で60秒間コーティングして高分子薄膜を形成した。このような薄膜を160℃で1時間熱処理を通じて薄膜の表面にナノ構造を発現させた。発現されたナノ構造をAFM(Atomic Force Microscope)を通じて測定した。図1は、実施例1に対する結果であり、図2は、実施例2に対する結果である。
【国際調査報告】