(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-540106(P2016-540106A)
(43)【公表日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】高吸水性樹脂の製造方法
(51)【国際特許分類】
C08J 3/12 20060101AFI20161125BHJP
C08J 3/24 20060101ALI20161125BHJP
【FI】
C08J3/12 A
C08J3/24CEY
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-557857(P2016-557857)
(86)(22)【出願日】2014年12月3日
(85)【翻訳文提出日】2016年1月19日
(86)【国際出願番号】KR2014011788
(87)【国際公開番号】WO2015084059
(87)【国際公開日】20150611
(31)【優先権主張番号】10-2013-0149440
(32)【優先日】2013年12月3日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0066046
(32)【優先日】2014年5月30日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0172232
(32)【優先日】2014年12月3日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ソン−モ・イ
(72)【発明者】
【氏名】ヨン−サム・キム
(72)【発明者】
【氏名】キョンーシル・オ
(72)【発明者】
【氏名】ヨン−イン・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】イェ−ホン・キム
【テーマコード(参考)】
4F070
【Fターム(参考)】
4F070AA29
4F070AB13
4F070AC04
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4F070DB09
4F070DC16
4F070GA08
4F070GB09
4F070GB10
(57)【要約】
本発明は、a)水溶性エチレン系不飽和単量体および重合開始剤を含む単量体組成物を熱重合または光重合して、含水ゲル状重合体を用意するステップと、b)前記含水ゲル状重合体を乾燥するステップと、c)前記乾燥した含水ゲル状重合体を粉砕するステップと、d)前記粉砕された含水ゲル状重合体に、下記i)乃至ii)の特性を有する粒子と表面架橋剤を添加するステップと、e)表面架橋反応を行うステップとを含む高吸水性樹脂の製造方法に関する。
i)300〜1500m
2/gのBET比表面積(specific surface area)、
ii)50%以上の孔隙率(porosity)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)水溶性エチレン系不飽和単量体および重合開始剤を含む単量体組成物を熱重合または光重合して、含水ゲル状重合体を用意するステップと、
b)前記含水ゲル状重合体を乾燥するステップと、
c)前記乾燥した含水ゲル状重合体を粉砕するステップと、
d)前記粉砕された含水ゲル状重合体に、下記i)乃至ii)の特性を有する粒子と表面架橋剤を添加するステップと、
e)表面架橋反応を行うステップとを含む高吸水性樹脂の製造方法。
i)300〜1500m2/gのBET比表面積(specific surface area)、
ii)50%以上の孔隙率(porosity)
【請求項2】
前記粒子は、2nm〜50μmの粒度を有することを特徴とする請求項1に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項3】
前記粒子は、水に対する接触角が125゜以上の超疎水性を有することを特徴とする請求項1に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項4】
前記粒子は、2nm〜50μmの粒度および水に対する接触角が125゜以上の超疎水性を有することを特徴とする請求項1に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項5】
前記微細粒子は、500〜1500m2/gのBET比表面積(specific surface area)を有することを特徴とする請求項1に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項6】
前記微細粒子は、700〜1500m2/gのBET比表面積(specific surface area)を有することを特徴とする請求項1に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項7】
前記微細粒子は、水に対する接触角が140゜以上の超疎水性を有することを特徴とする請求項3または4に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項8】
前記微細粒子は、水に対する接触角が145゜以上の超疎水性を有することを特徴とする請求項3または4に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項9】
前記微細粒子は、90%以上の孔隙率(porosity)を有することを特徴とする請求項1に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項10】
前記微細粒子は、高吸水性樹脂100重量部に対して、0.001〜1重量部含まれることを特徴とする請求項1に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項11】
前記微細粒子は、シリカ、アルミナ、炭素(Carbon)、およびチタニア(TiO2)からなる群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項12】
前記ステップb)の乾燥ステップの前に、含水ゲル状重合体を粒度1mm〜15mmに粉砕するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項13】
前記ステップb)の乾燥ステップは、150℃〜250℃の温度で行われることを特徴とする請求項1に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項14】
前記ステップc)の粉砕ステップは、含水ゲル状重合体を粒度150〜850μmに粉砕することを特徴とする請求項1に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項15】
前記ステップd)の表面架橋剤は、多価アルコール化合物;エポキシ化合物;ポリアミン化合物;ハロエポキシ化合物;ハロエポキシ化合物の縮合生成物;オキサゾリン化合物;モノ−、ジ−またはポリオキサゾリジノン化合物;環状ウレア化合物;多価金属塩;およびアルキレンカーボネート化合物からなる群より選択されるいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項16】
前記ステップd)の表面架橋剤は、粉砕された重合体100重量部に対して、0.001〜5重量部が添加されることを特徴とする請求項1に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項17】
前記ステップd)において、前記表面架橋剤を添加するステップにおける前記重合体の表面温度は、60〜90℃であることを特徴とする請求項1に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項18】
前記ステップd)において、添加される表面架橋剤の温度は、5〜40℃であることを特徴とする請求項1に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項19】
前記ステップe)において、前記表面架橋反応は、10分〜120分間行われることを特徴とする請求項1に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項20】
前記ステップe)において、スチーム、電気、紫外線、および赤外線からなる熱源の群より選択されるいずれか1つ以上を照射して昇温することを特徴とする請求項1に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項21】
前記ステップe)の表面架橋反応ステップの後に、高吸水性樹脂を150〜850μmの粒度に再び粉砕するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高吸水性樹脂の製造方法に関し、より詳細には、高吸水性樹脂上に超疎水性微細粒子が導入された高吸水性樹脂の製造方法
【背景技術】
【0002】
高吸水性樹脂(Superabsorbent Polymers、SAPs)とは、自重の5百から1千倍程度の水分を吸収できる機能を有する合成高分子物質で、生理用品として実用化され始め、現在は、幼児用紙おむつ、生理用衛生材などの衛生用品のほか、園芸用土壌保水剤、土木・建築用止水材、育苗用シート、食品流通分野での鮮度保持剤、およびシップ用などの材料に広く用いられている。
【0003】
このような高吸水性樹脂の製造工程において、水は重合媒体であり、表面架橋過程で架橋液の分散を容易にするなど、多様に使用される。また、最終製品の残留水分は、樹脂に対する静電気防止剤および可塑剤の役割を果たして、応用工程において非常に小さな高吸水性樹脂微粒子(dust)の形成を抑制し、SAPs粒子の粉砕を防止する。しかし、一般的に、高吸水性樹脂に少量でも水を添加すると、表面に吸収された水によって樹脂表面の粘度(stickiness)が増加し、高吸水性樹脂粒子間の不可逆的凝集(irreversible agglomeration)が発生する。このような粘度の増加と凝集は、製造および応用工程での負荷の増加など、加工性(processability)を減少させ、結果的に、高吸水性樹脂の粒度の増加、物性の減少および生産性の低下を誘発する。これまで、高吸水性樹脂に対する研究は、重合工程およびこれを通した吸水能の向上、そして、高吸水性樹脂の表面特性または加圧吸水能の増加のための表面架橋に対する研究が主となり、透過度の向上または高吸水性樹脂の保管時のケーキング防止(anti−caking)などの一部問題を解決するために、表面特性変化の研究が行われた。
【0004】
これに関連し、従来は、韓国公開特許第2012−0081113号などにおいて、水不溶性無機微粒子を含む吸水性樹脂の製造方法などを開示しているが、このような従来の技術では、高吸水性樹脂の表面の水分が増加すると、表面の粘度が増加して、前述した凝集、加工性および生産性の減少が発生するなどの問題が発生し、高含水率と高加工性を同時に満足する高吸水性樹脂に対する開発の必要性が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第2012−0081113号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、のような従来技術の問題を解決するためのものであって、高吸水性樹脂の表面を疎水性に改質して水分吸収による粘度および凝集度を減少させることにより、加工性の増加を通した製造工程での負荷の減少および粒度および物性の制御を容易にし、高含水率と高加工性を同時に満足させることで、応用工程での樹脂破損による物性の低下を最小化することができる多孔性超疎水性微細粒子が導入された高吸水性樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
の目的を達成するために、本発明は、
a)水溶性エチレン系不飽和単量体および重合開始剤を含む単量体組成物を熱重合または光重合して、含水ゲル状重合体を用意するステップと、b)前記含水ゲル状重合体を乾燥するステップと、c)前記乾燥した含水ゲル状重合体を粉砕するステップと、d)前記粉砕された含水ゲル状重合体に、下記i)乃至ii)の特性を有する粒子と表面架橋剤を添加するステップと、e)表面架橋反応を行うステップとを含む高吸水性樹脂の製造方法を提供する。
i)300〜1500m
2/gのBET比表面積(specific surface area)、
ii)50%以上の孔隙率(porosity)
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る高吸水性樹脂の製造方法によれば、高吸水性樹脂の表面を疎水性に改質して水分吸収による粘度および凝集度を減少させることにより、加工性の増加を通した製造工程での負荷の減少および粒度および物性の制御を容易にし、高含水率と高加工性を同時に満足させることで、応用工程での樹脂破損による物性の低下を最小化することができるという利点がある。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る高吸水性樹脂の製造方法は、
a)水溶性エチレン系不飽和単量体および重合開始剤を含む単量体組成物を熱重合または光重合して、含水ゲル状重合体を用意するステップと、b)前記含水ゲル状重合体を乾燥するステップと、c)前記乾燥した含水ゲル状重合体を粉砕するステップと、d)前記粉砕された含水ゲル状重合体に、下記i)乃至ii)の特性を有する粒子と表面架橋剤を添加するステップと、e)表面架橋反応を行うステップとを含む。
i)300〜1500m
2/gのBET比表面積(specific surface area)、
ii)50%以上の孔隙率(porosity)
【0011】
まず、本発明に係る高吸水性樹脂の製造方法は、a)水溶性エチレン系不飽和単量体および重合開始剤を含む単量体組成物を熱重合または光重合して、含水ゲル状重合体を用意するステップを経る。
【0012】
本発明の高吸水性樹脂の製造のためには、当該技術分野で通常使用されるステップおよび方法で重合体を用意することができる。具体的には、本発明の高吸水性樹脂の製造において、前記単量体組成物は、重合開始剤を含むが、重合方法によって、光重合方法による場合には、光重合開始剤を含み、熱重合方法による場合には、熱重合開始剤などを含むことができる。ただし、光重合方法によっても、紫外線照射などの照射によって一定量の熱が発生し、また、発熱反応である重合反応の進行に伴ってある程度の熱が発生するため、追加的に熱重合開始剤を含んでもよい。
【0013】
本発明に係る高吸水性樹脂の製造方法に使用される熱重合開始剤は特別な制限はないが、好ましくは、過硫酸塩系開始剤、アゾ系開始剤、過酸化水素、およびアスコルビン酸からなる開始剤の群より選択される1つ以上が用いられる。具体的には、過硫酸塩系開始剤の例としては、過硫酸ナトリウム(Sodium persulfate;Na2S2O8)、過硫酸カリウム(Potassium persulfate;K2S2O8)、過硫酸アンモニウム(Ammonium persulfate;(NH4)2S2O8)などがあり、アゾ(Azo)系開始剤の例としては、2,2−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(2,2−azobis(2−amidinopropane)dihydrochloride)、2,2−アゾビス−(N,N−ジメチレン)イソブチラミジンジヒドロクロライド(2,2−azobis−(N,N−dimethylene)isobutyramidine dihydrochloride)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル(2−(carbamoylazo)isobutylonitril)、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド(2,2−azobis[2−(2−imidazolin−2−yl)propane]dihydrochloride)、4,4−アゾビス−(4−シアノ吉草酸)(4,4−azobis−(4−cyanovaleric acid))などが挙げられる。
【0014】
また、本発明に係る高吸水性樹脂の製造方法に使用される光重合開始剤としては特別な制限はないが、好ましくは、ベンゾインエーテル(benzoin ether)、ジアルキルアセトフェノン(dialkyl acetophenone)、ヒドロキシルアルキルケトン(hydroxyl alkylketone)、フェニルグリオキシレート(phenyl glyoxylate)、ベンジルジメチルケタール(Benzyl Dimethyl Ketal)、アシルホスフィン(acyl phosphine)、およびアルファ−アミノケトン(α−aminoketone)からなる群より選択される1つ以上が用いられる。一方、アシルホスフィンの具体例として、商用のlucirin TPO、すなわち、2,4,6−トリメチル−ベンゾイル−トリメチルホスフィンオキシド(2,4,6−trimethyl−benzoyl−trimethyl phosphine oxide)が挙げられる。
【0015】
さらに、本発明に係る高吸水性樹脂の製造方法において、前記水溶性エチレン系不飽和単量体としては、高吸水性樹脂の製造に通常使用される単量体であれば特別な制限はないが、好ましくは、陰イオン性単量体とその塩、非イオン系親水性含有単量体、およびアミノ基含有不飽和単量体およびその4級化物からなる群より選択されるいずれか1つ以上が用いられる。具体的には、アクリル酸、メタアクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、2−アクリロイルエタンスルホン酸、2−メタアクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、または2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の陰イオン性単量体とその塩;(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、またはポリエチレングリコール(メタ)アクリレートの非イオン系親水性含有単量体;および(N,N)−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、または(N,N)−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのアミノ基含有不飽和単量体およびその4級化物からなる群より選択されたいずれか1つ以上が好ましく用いられ、より好ましくは、アクリル酸またはその塩が用いられるが、アクリル酸またはその塩を単量体とする場合、特に吸水性が向上した高吸水性樹脂を得ることができるという利点がある。
【0016】
そして、本発明に係る高吸水性樹脂の製造方法において、資源の再活用による効果のために、前記単量体組成物には、製造された高吸水性樹脂粉末中の微粉、すなわち粒度が150μm未満の重合体または樹脂粉末を一定量含ませてもよく、具体的には、単量体組成物の重合反応開始前、または重合反応開始後の初期、中期、末期ステップにおいて、前記粒度が150μm未満の重合体または樹脂粉末を追加することができる。この時、追加可能な量は限定はないが、単量体樹脂組成物に含まれた単量体100重量部に対して1〜10重量部を追加することが、最終製造される高吸水性樹脂の物性の低下防止のために望ましい。
【0017】
一方、本発明に係る高吸水性樹脂の製造方法において、単量体組成物中の水溶性エチレン系不飽和単量体の濃度は、重合時間および反応条件などを考慮して適宜選択して使用できるが、好ましくは40〜55重量%としてもよい。水溶性エチレン系不飽和単量体の濃度が40重量%未満の場合、経済性の面で不利であり、55重量%を超える場合、重合された含水ゲル状重合体の粉砕時の粉砕効率が低くなり得る。
【0018】
このような単量体組成物を熱重合または光重合して、含水ゲル状重合体を用意する方法も、通常使用される重合方法であれば、その構成の限定がない。具体的には、重合方法は、重合エネルギー源によって、大きく熱重合および光重合に分けられ、通常熱重合を行う場合、ニーダ(kneader)のような撹拌軸を有する反応器で行われるとよく、光重合を行う場合、移動可能なコンベヤベルトを備えた反応器で行われるとよいが、前述した重合方法は一例であり、本発明は、前述した重合方法に限定されない。
【0019】
例えば、前述のように、撹拌軸を備えたニーダ(kneader)のような反応器に、熱風を供給したり、反応器を加熱して熱重合して得られた含水ゲル状重合体は、反応器に備えられた撹拌軸の形態によって、反応器の排出口に排出される含水ゲル状重合体は、数センチメートルから数ミリメートルの形態であってもよい。具体的には、得られる含水ゲル状重合体の大きさは、注入されるモノマー組成物の濃度および注入速度などによって多様になるが、通常、粒度が2〜50mmの含水ゲル状重合体が得られる。
【0020】
また、前述のように、移動可能なコンベヤベルトを備えた反応器で光重合を行う場合、通常得られる含水ゲル状重合体の形態は、ベルトの幅を有するシート状の含水ゲル状重合体であってもよい。この時、重合体シートの厚さは、注入されるモノマー組成物の濃度および注入速度に応じて異なるが、通常0.5〜5cmの厚さを有するシート状の重合体が得られるように単量体組成物を供給することが好ましい。シート状の重合体の厚さが薄すぎる程度として単量体組成物を供給する場合、生産効率が低くて望ましくなく、シート状の重合体の厚さが5cmを超える場合には、過度な厚さによって、重合反応が全厚さにわたって均一に行われないことがある。
【0021】
以後、本発明に係る高吸水性樹脂の製造方法は、b)前記含水ゲル状重合体を乾燥するステップを経る。
【0022】
前記a)ステップで得られた含水ゲル状重合体の通常の含水率は、30〜60重量%である。一方、本明細書全体において、「含水率」は、全体含水ゲル状重合体の重量に対して占める水分の含有量で、含水ゲル状重合体の重量から乾燥状態の重合体の重量を引いた値を意味する。具体的には、赤外線加熱により重合体の温度を上げて乾燥する過程で、重合体中の水分蒸発による重量減少分を測定して計算された値として定義するが、この時、乾燥条件は、常温から180℃まで温度を上昇させた後、180℃で維持する方式で、総乾燥時間は、温度上昇ステップの5分を含めた20分に設定して、含水率を測定する。
【0023】
本明細書全体において、「乾燥温度」は、乾燥のために供給される熱媒体の温度、または乾燥工程で熱媒体および重合体を含む乾燥反応器の温度として定義され、このような乾燥ステップは、好ましくは、前記乾燥ステップの乾燥温度は、150℃〜250℃であってもよく、より好ましくは160℃〜200℃の温度で行われるとよい。
【0024】
乾燥温度が150℃未満の場合、乾燥時間が過度に長くなり、最終形成される高吸水性樹脂の物性が低下する恐れがあり、乾燥温度が250℃を超える場合、過度に重合体の表面のみが乾燥して、以後に行われる粉砕工程で微粉が発生することもあり、最終形成される高吸水性樹脂の物性が低下する恐れがある。一方、乾燥時間の場合には、その構成の限定はないが、工程効率などを考慮して、20分〜90分間行われるとよい。
【0025】
そして、このような乾燥ステップの乾燥方法も、含水ゲル状重合体の乾燥工程で通常使用されるものであれば、その構成の限定なく選択されて使用できる。具体的には、熱風供給、赤外線照射、極超短波照射、または紫外線照射などの方法で乾燥ステップを行うことができる。このような乾燥ステップ進行後の重合体の含水率は、0.1〜10重量%であってよい。
【0026】
一方、本発明に係る高吸水性樹脂の製造方法は、乾燥ステップの効率を高めるために、必要に応じて、乾燥ステップの前に簡単に粉砕するステップをさらに経てもよい。前記乾燥ステップの前に簡単に粉砕するステップは、含水ゲル状重合体の粒度が1mm〜15mmとなるように粉砕するとよい。この時、重合体の粒度が1mm未満となるように粉砕することは、含水ゲル状重合体の高い含水率によって技術的に困難であり、また、粉砕された粒子間で互いに凝集される現象が現れることもあり、粒度が15mmを超えるように粉砕する場合、粉砕による以後の乾燥ステップ効率増大の効果がわずかになる。
【0027】
前記乾燥ステップの前に簡単に粉砕するステップにおいて、使用される粉砕機は構成の限定はないが、具体的には、垂直型切断機(Vertical pulverizer)、ターボカッター(Turbo cutter)、ターボグラインダー(Turbo grinder)、回転カッターミル(Rotary cutter mill)、カッターミル(Cutter mill)、ディスクミル(Disc mill)、シュレッドクラッシャ(Shred crusher)、破砕機(Crusher)、チョッパ(chopper)、およびディスクカッター(Disc cutter)からなる粉砕機器の群より選択されるいずれか1つを含むことができるが、前記例に限定されない。
【0028】
このように、乾燥ステップの前に乾燥効率を高めるために粉砕するステップを経る場合、含水率が高い重合体によって、粉砕機の表面にくっ付く現象が現れることもある。したがって、このような含水ゲル状重合体の乾燥前の粉砕ステップの効率を高めるために、粉砕時、くっ付くのを防止可能な添加剤などを追加的に用いてもよい。具体的に使用可能な添加剤の種類はその構成の限定はないが、スチーム、水、界面活性剤、クレー(Clay)やシリカ(Silica)などの無機粉末などのような微粉凝集防止剤;過硫酸塩系開始剤、アゾ系開始剤、過酸化水素、およびアスコルビン酸のような熱重合開始剤、エポキシ系架橋剤、ジオール(diol)類架橋剤、2官能基または3官能基以上の多官能基のアクリレートを含む架橋剤、水酸化基を含む1官能基の化合物のような架橋剤であってもよいが、前記例に限定されない。
【0029】
以後、本発明に係る高吸水性樹脂の製造方法は、前記乾燥ステップを経た後、c)前記乾燥した重合体を粉砕するステップを経る。前記粉砕ステップの後に得られる重合体の粒度は、150〜850μmである。本発明に係る高吸水性樹脂の製造方法において、このような粒度に粉砕するために使用される粉砕機は、具体的には、ピンミル(pin mill)、ハンマーミル(hammer mill)、スクリューミル(screw mill)、ロールミル(roll mill)、ディスクミル(disc mill)、またはジョグミル(jog mill)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
以後、本発明に係る高吸水性樹脂の製造方法は、d)前記粉砕された含水ゲル状重合体に、下記i)乃至ii)の特性を有する粒子と表面架橋剤を添加するステップを経る。
i)300〜1500m
2/gのBET比表面積(specific surface area)、
ii)50%以上の孔隙率(porosity)
【0031】
一般的に、高吸水性樹脂の表面は親水性を呈し、水分吸収後の乾燥時、粒子の間に存在する水による毛細管力、水素結合、高分子の相互部分拡散(inter−particaular diffusion)または粒子間のファンデルワールス力などによって不可逆的凝集が発生する。したがって、高吸水性樹脂の重合および表面架橋工程においても必須に水を使用することになるが、これによる凝集が発生するため、内部の負荷を増加させ、結果的に装備故障の原因となり得る。また、前記のように凝集された状態の高吸水性樹脂は、粒度が応用に不都合に大きいため、これを適正な粒度に減らす解砕工程を導入しなければならないという欠点がある。さらに、前記解砕工程で強い力が加えられるため、高吸水性樹脂の破砕による物性の低下が発生し得る問題が存在していた。
【0032】
このような問題を解決するために、高吸水性樹脂の表面に存在し、樹脂粒子間の直接的な凝集を妨げる役割を果たす多様な微細粒子を導入しようとする試みがあったが、微細粒子が過剰に導入される場合、凝集は防止されるものの、高吸水性樹脂の吸水特性が減少するという欠点があった。
【0033】
このような問題を解決するために、本発明の高吸水性樹脂に導入される微細粒子は、2nm〜50μmの粒度を有する。また、前記微細粒子は、300〜1500m
2/g、好ましくは500〜1500m
2/g、より好ましくは700〜1500m
2/gのBET比表面積(specific surface area)を有してもよい。さらに、前記微細粒子は、水に対する接触角が125゜以上の超疎水性を、好ましくは140゜以上の超疎水性を、より好ましくは145゜以上の超疎水性を有してもよい。また、前記微細粒子は、50%以上の孔隙率(porosity)を、好ましくは90%以上の孔隙率(porosity)を有してもよい。本発明の高吸水性樹脂の製造方法は、前記のような特徴を有する微細粒子を使用するため、樹脂表面にある水の影響を減少させるだけでなく、多孔性超疎水性微細粒子を使用するため、凝集を著しく減少させることができ、相対的に少量の微細粒子を使用しても透過度が向上しやすく、高含水量およびその維持が容易になる。
【0034】
本発明に係る高吸水性樹脂の製造方法において、添加される微細粒子は、前記i)乃至ii)のような特性を有する物質であればその成分の限定がなく、具体的には、シリカ、アルミナ、チタニア(TiO
2)、炭素(Carbon)などの無機酸化物、無機化合物、有機高分子、イオン交換樹脂、金属、金属塩などが用いられるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
また、微細粒子は、高吸水性樹脂100重量部に対して0.001〜1重量部添加されることが好ましい。微細粒子の含有量が前記範囲より少なければ、高吸水性樹脂の疎水性が十分でなく、前記範囲より多ければ、樹脂の加工性が低下する。
【0036】
さらに、微細粒子を添加する工程として、モノマー溶液内の分散後使用、重合後の含水ゲル上に添加後、1次乾燥した樹脂粒子に乾式混合、表面架橋時に表面架橋液の溶けている水または有機溶媒内の分散後混合、表面架橋時に表面架橋液の溶けている水または有機溶媒と分離されて乾式混合、または表面架橋された最終製品に乾式混合などの方法が用いられるが、これに特に限定されるものではない。
【0037】
また、本発明に係る高吸水性樹脂の製造方法において、添加される表面架橋剤は、重合体の有する官能基と反応可能な化合物であればその構成の限定がない。前記表面架橋剤としては、好ましくは、生成される高吸水性樹脂の特性を向上させるために、多価アルコール化合物;エポキシ化合物;ポリアミン化合物;ハロエポキシ化合物;ハロエポキシ化合物の縮合生成物;オキサゾリン化合物類;モノ−、ジ−またはポリオキサゾリジノン化合物;環状ウレア化合物;多価金属塩;およびアルキレンカーボネート化合物からなる群より選択される1種以上が用いられる。
【0038】
具体的には、多価アルコール化合物の例としては、モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−またはポリエチレングリコール、モノプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,3,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセロール、ポリグリセロール、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、および1,2−シクロヘキサンジメタノールからなる群より選択される1種以上が挙げられる。
【0039】
また、エポキシ化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテルおよびグリシドールなどが用いられ、ポリアミン化合物類としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン、およびポリアミドポリアミンからなる群より選択される1種以上が挙げられる。
【0040】
そして、ハロエポキシ化合物としては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、およびα−メチルエピクロロヒドリンが用いられる。一方、モノ−、ジ−またはポリオキサゾリジノン化合物としては、例えば、2−オキサゾリジノンなどが挙げられる。そして、アルキレンカーボネート化合物としては、エチレンカーボネートなどが挙げられる。これらをそれぞれ単独で使用したり、互いに組み合わせて使用してもよい。一方、表面架橋工程の効率を高めるために、これら表面架橋剤のうちの1種以上の多価アルコール化合物を含んで用いることが好ましく、より好ましくは、炭素数2〜10の多価アルコール化合物類が用いられる。
【0041】
そして、前記のように表面架橋剤を混合して、重合体粒子を表面処理するために添加される表面架橋剤の含有量は、具体的に追加される表面架橋剤の種類や反応条件に応じて適宜選択できるが、通常、重合体100重量部に対して、0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜3重量部、より好ましくは0.05〜2重量部が用いられる。
【0042】
表面架橋剤の含有量が少なすぎると、表面架橋反応がほとんど起こらず、重合体100重量部に対して5重量部を超える場合、過度な表面架橋反応によってむしろ高吸水性樹脂の物性が低下することがある。
【0043】
この時、表面架橋剤を重合体に添加する方法はその構成の限定はない。表面架橋剤と重合体粉末を反応槽に入れて混合したり、重合体粉末に表面架橋剤を噴射する方法、連続的に運転されるミキサのような反応槽に重合体と架橋剤を連続的に供給して混合する方法などが用いられる。
【0044】
本発明に係る高吸水性樹脂の製造方法は、e)表面架橋反応を行うステップを経る。
【0045】
そして、本発明の他の実施形態により、表面架橋剤を添加した後、表面架橋反応のための反応温度への昇温を1分〜60分内に進行させるために、好ましくは、表面架橋剤の添加時、重合体自体の温度は、20℃〜80℃であってもよい。前記のように重合体自体の温度を示すために、比較的高温で進行する乾燥ステップの後に行われる工程を連続的に進行させ、工程7時間を短縮したり、または工程時間を短縮しにくい場合には、別途に重合体を加熱してもよい。
【0046】
また、本発明に係る高吸水性樹脂の製造方法は、表面架橋剤を添加した後、表面架橋反応のための反応温度への昇温を1分〜60分内に進行させるために、重合体に添加される表面架橋剤自体を加熱してもよい。
【0047】
一方、本発明に係る高吸水性樹脂の製造方法は、表面架橋反応のための反応温度への昇温を1分〜60分内に進行させた後、表面架橋反応を行う場合、表面架橋工程の効率を改善することができ、最終的に得られる高吸水性樹脂の残存単量体の含有量を最小化し、優れた物性を有する高吸水性樹脂を得ることができる。この時、添加される表面架橋剤の温度は、5℃〜60℃、より好ましくは10℃〜40℃に調節するとよい。前記表面架橋剤の温度が5℃未満の場合、表面架橋剤の昇温による表面架橋反応への昇温速度短縮の効果がわずかであり、表面架橋剤の温度が60℃を超える場合、表面架橋剤が重合体に均一に分散しないことがある。本明細書全体において、表面架橋反応温度は、架橋反応のために添加される表面架橋剤と重合体の全体温度として定義される。
【0048】
そして、表面架橋反応のための昇温手段としては、その構成の限定がない。具体的には、熱媒体を供給したり、電気などの手段で直接加熱することができるが、本発明が前記例に限定されるものではない。具体的に使用可能な熱源としては、スチーム、電気、紫外線、赤外線などがあり、加熱された熱流体などを使用してもよい。
【0049】
一方、本発明に係る高吸水性樹脂の製造方法において、架橋反応のための昇温が行われた後、架橋反応は、1分〜60分、好ましくは5分〜40分、最も好ましくは10分〜20分間行われるとよい。架橋反応時間が1分未満と短すぎる場合、十分な程度の架橋反応が行われないことがあり、架橋反応時間が60分を超える場合、過度な表面架橋反応で高吸水性樹脂の物性がむしろ悪くなり、反応器において長期滞留による重合体の破砕が起こることがある。
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明するが、下記に開示される本発明の実施形態はあくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの実施形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲に示され、なおかつ特許請求の範囲の記録と均等な意味および範囲内でのすべての変更を含んでいる。また、以下の実施例、比較例において、含有量を示す「%」および「部」は、特に言及しない限り、質量基準である。
【実施例】
【0050】
実施例
製造例:含水ゲル状重合体の製造
アクリル酸100g、架橋剤としてポリエチレングリコールジアクリレート0.3g、開始剤としてジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド0.033g、苛性ソーダ(NaOH)38.9g、および水103.9gの比率で混合して、単量体濃度が50重量%の単量体混合物を用意した。
【0051】
以後、前記単量体混合物を連続移動するコンベヤベルト上に投入し、紫外線を照射(照射量:2mW/cm
2)して2分間UV重合を進行させて、含水ゲル重合体を得た。
【0052】
実施例:高吸水性樹脂の製造
[実施例1]
前記製造例によって用意された含水ゲル状重合体を5*5mmの大きさに切断して、170℃の温度の熱風乾燥機で2時間乾燥し、ピンミル粉砕機で粉砕した後、篩(sieve)を用いて、粒径サイズが150〜850μmの高吸水性樹脂を得た。前記高吸水性樹脂250gに、多孔性超疎水性微細粒子silica Aerogel(AeroZelTM、JIOS社)0.15gを1000RPMで60秒間混合した後、表面架橋剤としてエチレンカーボネート0.75gと水6.75gで構成された液状混合物を投与した後、60秒間混合した。以後、前記混合物を190℃で60分間反応して未粉砕高吸水性樹脂を得て、再び、前記未粉砕高吸水性樹脂の粉砕前の粒度を測定し、ピンミル粉砕機で粉砕した後、篩を用いて、粒径サイズが150〜850μmの高吸水性樹脂を得た。前記使用したAerogelの粒度は30nmであり、500m
2/gのBET比表面積を有し、水に対する接触角は150゜であり、孔隙率は95%であった。
【0053】
前記Aerogelの粒度の測定は、ISO13320に従って、HELOS(Helium−Neon Laser Optical System)を用いて、無変数超高速光回折法(Laser Diffraction)によって粒度を分析した。BET比表面積および孔隙率は、BET analyzerを用いた。水に対する接触角の測定は、contact angle analyzer(KRUSS DSA100)を用い、具体的には、平らなガラス板に両面テープを貼り付けた後、その上に微細粒子を単一層(Monolayer)に塗布した後、超純水5μlを単一層上に載せると滴状に位置し、この時、水滴とガラス板とのなす角度を4回繰り返し測定した後、平均値を計算した。
【0054】
[実施例2]
Silica Aerogelの量を0.25g使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で行って高吸水性樹脂を得た。
【0055】
[実施例3]
液状混合物中の水の量を11.75g使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で行って高吸水性樹脂を得た。
【0056】
[実施例4]
Silica Aerogelの量を0.25g、液状混合物中の水の量を11.75g使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で行って高吸水性樹脂を得た。
【0057】
[比較例1]
微細粒子としてREOLOSIL DM−30Sを使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で行って高吸水性樹脂を得た。前記使用したREOLOSIL DM−30Sの粒度は7nmであり、230m
2/gのBET比表面積を有し、水に対する接触角は135゜であり、孔隙率は20%以下であり、測定方法は実施例1と同様である。
【0058】
[比較例2]
微細粒子としてREOLOSIL DM−30Sを0.25g使用したことを除いては、比較例1と同様の方法で行って高吸水性樹脂を得た。
【0059】
[比較例3]
微細粒子としてREOLOSIL DM−30Sを、液状混合物中の水の量を11.75g使用したことを除いては、比較例1と同様の方法で行って高吸水性樹脂を得た。
【0060】
[比較例4]
微細粒子としてREOLOSIL DM−30Sを0.25g、液状混合物中の水の量を11.75g使用したことを除いては、比較例1と同様の方法で行って高吸水性樹脂を得た。
【0061】
[比較例5]
微細粒子を使用しないことを除いては、実施例1と同様の方法で行って高吸水性樹脂を得た。
【0062】
[比較例6]
液状混合物中の水の量を11.75g使用したことを除いては、比較例5と同様の方法で行って高吸水性樹脂を得た。
【0063】
前記実施例1〜4および比較例1〜6の構成を、下記表1に示した。
【0064】
【表1】
【0065】
実験例:物性評価
前記比較例1〜比較例6および実施例1〜実施例4による高吸水性樹脂の物性を評価するために、下記のような試験を行った。
【0066】
実験例1:保水能(CRC、Centrifugal Retention Capacity)
前記比較例1〜比較例6および実施例1〜実施例4で用意された高吸水性樹脂それぞれに対する保水能を測定した。保水能の測定は、EDANA法WSP241.3を基準とした。用意された高吸水性樹脂中、粒度150〜850μmまたは既分級試料0.2gをティーバッグに入れて、0.9%塩水溶液に30分間沈殿させた。以後、250G(gravity)の遠心力で3分間脱水した後、塩水溶液が吸収された量を測定した。
【0067】
実験例2:加圧吸水能(AUP、Absorption Under Pressure)
前記比較例1〜比較例6および実施例1〜実施例4で用意された高吸水性樹脂それぞれに対する加圧吸水能を測定した。加圧吸水能の測定は、EDANA法WSP242.3を基準とした。用意された高吸水性樹脂中、粒度150〜850μmまたは既分級試料0.9gをEDATAで規定するシリンダに入れて、ピストンと錘で0.7psiの圧力を加えた後に、0.9%塩水溶液を60分間吸収した量を測定した。
【0068】
実験例3:未粉砕高吸水性樹脂の粒度
前記比較例1〜比較例6および実施例1〜実施例4の未粉砕高吸水性樹脂に対する粒度を測定した。高吸水性樹脂の粒度の測定は、EDANA法WSP220.3を基準とした。高吸水性樹脂100gを850μm、600μm、300μm、150μm、PanのMeshに区分して、1.44mmの振幅、振動数50Hzで10分間振動した後、各篩の上部に滞留量の比率で含有量を測定した。
【0069】
前記のように、実験例1〜3の保水能、加圧吸水能および未粉砕高吸水性樹脂の粒度を測定した結果を、表2に示した。
【0070】
【表2】
【0071】
前記表2の結果に基づいて、表面に超疎水性微細粒子が導入された高吸水性樹脂は、表面の疎水性が増加するに伴って凝集が減少し、結果的に加工性が増加することが分かる。
【0072】
一般的に、高吸水性樹脂の表面架橋工程では、表面架橋剤を水に溶解した後、高吸水性樹脂と混合することにより、樹脂表面に均一な分布および浸透を誘導するが、この時使用された水は、高吸水性樹脂表面の粘性を増加させて凝集が起こる原因となり、また、凝集された高吸水性樹脂の粉砕には強い力が要求され、これによる高吸水性樹脂の損傷などの欠点が発生するが、実施例1の超疎水性粒子が導入されて疎水性に改質された高吸水性樹脂は、比較例5により製造された高吸水性樹脂より粒度の小さい側に分布するもので、粉砕工程がないにもかかわらず、850μm以下の粒度が75%程度維持されることにより、加工性が増加することを確認することができる。
【0073】
また、実施例1と比較例1は、導入された超疎水性微細粒子の疎水性の差に基づいた加工性の変化を示す。超疎水性微細粒子の量を同一に使用する場合、凝集減少による粒度の減少は、疎水性が高い微細粒子を導入した実施例1〜実施例4から得られた高吸水性樹脂の粒度が、比較例1〜比較例4から得られた高吸水性樹脂の粒度に比べて、より小さい側に分布し、保水能および加圧吸水能の差が少ないことが分かる。
【国際調査報告】