(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-540847(P2016-540847A)
(43)【公表日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】ポリメチルメタクリレートアクリル系共重合体アロイ高光沢組成物及び成形品
(51)【国際特許分類】
C08L 33/12 20060101AFI20161205BHJP
C08L 83/04 20060101ALI20161205BHJP
C08L 51/06 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
C08L33/12
C08L83/04
C08L51/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-528856(P2016-528856)
(86)(22)【出願日】2015年11月19日
(85)【翻訳文提出日】2016年5月9日
(86)【国際出願番号】KR2015012414
(87)【国際公開番号】WO2016080758
(87)【国際公開日】20160526
(31)【優先権主張番号】10-2014-0163097
(32)【優先日】2014年11月21日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0161560
(32)【優先日】2015年11月18日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】特許業務法人池内・佐藤アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン−ヒ
(72)【発明者】
【氏名】イ、スン−ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミョン−イル
(72)【発明者】
【氏名】キム、チェ−ファン
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ミン−ホ
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002BG061
4J002BN033
4J002BN122
4J002CP034
4J002CP054
4J002CP174
4J002FD016
4J002FD056
4J002FD066
4J002FD096
4J002FD176
4J002FD206
4J002GN00
(57)【要約】
本発明は、ポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物及びその成形品に関し、本発明によれば、ポリメチルメタクリレート樹脂とアクリル系共重合体アロイの衝撃補強剤として特定の含量のアクリル系衝撃補強剤をスクラッチ補強剤と併用することによって、ポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物に要求される機械的強度、加工性、耐スクラッチ性を提供すると同時に、改善された表面光沢及びカラーを提供することができ、射出後工程(塗装工程)を排除することができるので経済的である、ポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物及びこれから収得された成形品を提供する効果がある。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリメチルメタクリレート樹脂100重量部に、アクリル系共重合体12〜50重量部、アクリル系衝撃補強剤6〜25重量部、及びスクラッチ補強剤0.5〜5重量部を含むことを特徴とする、ポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物。
【請求項2】
前記ポリメチルメタクリレート樹脂は、メチルメタクリレートの単独重合体、メチルメタクリレート−アクリレート共重合体、またはこれらの混合であることを特徴とする、請求項1に記載のポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物。
【請求項3】
前記アクリル系共重合体は、アクリル系ゴム40〜50重量%にスチレン系単量体とアクリロニトリル系単量体50〜60重量%がグラフトされた共重合体であって、シェル内のアクリロニトリル単量体が、前記共重合体を構成するアクリルゴム及び単量体の総100重量%に対して20〜35重量%の範囲内で含まれたことを特徴とする、請求項1に記載のポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物。
【請求項4】
前記アクリル系衝撃補強剤は、アクリロニトリル−スチレン共重合体とアクリル系単量体が架橋された樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載のポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物。
【請求項5】
前記アクリル系衝撃補強剤は、スチレン系シード5〜10重量%、前記シードを取り囲むアクリル系コア50〜60重量%、及び前記コアを取り囲むスチレン系シェル30〜40重量%を含む共重合体であることを特徴とする、請求項1に記載のポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物。
【請求項6】
前記スチレン系シードとスチレン系シェルは、それぞれ独立して、スチレン系ホモ重合体及びスチレン−アクリロニトリル系共重合体から選択されたことを特徴とする、請求項5に記載のポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物。
【請求項7】
前記スチレン系シード及びアクリル系コアは、それぞれ独立して、架橋性単量体を、アクリル系衝撃補強剤を構成する全成分の総100重量%に対して0.1〜5重量%の範囲内で含むことを特徴とする、請求項5に記載のポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物。
【請求項8】
前記架橋性単量体は、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、アリールメタクリレート及び1,3−ブチレングリコールジアクリレートから選択された1種以上であることを特徴とする、請求項7に記載のポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物。
【請求項9】
前記スクラッチ補強剤は、シロキサン系重合体または有機変性シロキサン系重合体であることを特徴とする、請求項1に記載のポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物。
【請求項10】
前記シロキサン系重合体は、炭素数1〜10のアルキルが結合されたポリジアルキルシロキサン重合体であることを特徴とする、請求項9に記載のポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物。
【請求項11】
前記有機変性シロキサン系重合体は、下記化学式1のポリジメチルシロキサンの末端位置に、下記化学式2及び化学式3から選択された1つ以上の作用基が結合された重合体であることを特徴とする、請求項9に記載のポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物:
【化4】
(前記化学式1において、Xは、下記化学式2又は3で表され、nは、1以上の整数である。)
【化5】
【化6】
(前記化学式3において、o、pは、それぞれ1以上の整数である。)
【請求項12】
前記アロイ組成物は、衝撃補強剤、滑剤、熱安定剤、紫外線安定剤、滴下防止剤、顔料、染料、及び無機充填剤から選択された1種以上の添加剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載のポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物。
【請求項13】
請求項1に記載のポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物を含む、成形品。
【請求項14】
前記成形品は、無塗装の自動車外装材であることを特徴とする、請求項13に記載の成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物及び成形品に係り、より具体的には、ポリメチルメタクリレート樹脂とアクリル系共重合体アロイの衝撃補強剤として特定の含量のアクリル系衝撃補強剤をスクラッチ補強剤と併用することによって、ポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物に要求される機械的強度、加工性、耐スクラッチ性を提供すると同時に、改善された表面光沢及び透明度(カラー)を提供することができるポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物及びこれから収得された成形品
【背景技術】
【0002】
ポリメチルメタクリレート(PMMA)は、MMAモノマー(MMA monomer)を主原料とする合成樹脂であって、あらゆるプラスチックの中で最も優れた透明性を有し、表面硬度が高いので耐スクラッチ性にも優れている。また、耐候性に優れるだけでなく、耐薬品、表面光沢、接着性に優れている。前記のような特性から、自動車及び電機電子部品の素材として広く使用されているが、耐衝撃性が劣るため、製品の厚さを増加させて使用したり、制限的な用途にのみ使用されている。このようなPMMA樹脂の耐衝撃性を向上させるために、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂を用いて改質する方法があるが、ブタジエンの二重結合のため、耐候性が脆弱であるという欠点がある。したがって、ABS樹脂の代わりに、アクリロニトリル−スチレン−ブチルアクリレート(ASA)及びシリコン系衝撃補強剤でPMMA樹脂を改質させて耐衝撃性を向上させた。しかし、改質させたPMMA樹脂の場合、既存のPMMA樹脂に比べて耐スクラッチ性が低下し、光沢度及び透明性が減少するという問題がある(関連先行文献情報:韓国特許公開第2002−0022351号)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国特許公開第2002−0022351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術の問題点を解決するために、本発明は、ポリメチルメタクリレート樹脂とアクリル系共重合体アロイの衝撃補強剤として特定の含量のアクリル系衝撃補強剤をスクラッチ補強剤と併用することによって、ポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物に要求される機械的強度、加工性、耐スクラッチ性を提供すると同時に、改善された表面光沢及びカラーを提供することができるポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物、及びこれから収得された成形品を提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
の目的を達成するために、本発明は、
ポリメチルメタクリレート樹脂100重量部に、アクリル系共重合体12〜50重量部、アクリル系衝撃補強剤6〜25重量部、及びスクラッチ補強剤0.5〜5重量部を含むことを特徴とするポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物を提供する。
【0006】
また、本発明は、上述したポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物を含む成形品を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ポリメチルメタクリレート樹脂とアクリル系共重合体アロイの衝撃補強剤として特定の含量のアクリル系衝撃補強剤をスクラッチ補強剤と併用することによって、ポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物に要求される機械的強度、加工性、耐スクラッチ性を提供すると同時に、改善された表面光沢及びカラーを提供することができ、射出後工程(塗装工程)を排除することができるので経済的である、ポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物、及びこれから収得された成形品を提供する効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物は、ポリメチルメタクリレート樹脂100重量部に、アクリル系共重合体12〜50重量部、アクリル系衝撃補強剤6〜25重量部、及びスクラッチ補強剤0.5〜5重量部を含むことを特徴とする。
【0010】
前記ポリメチルメタクリレート樹脂は、通常、本発明の属する技術分野においてポリメチルメタクリレート樹脂またはPMMA樹脂と称される重合体であれば特に制限されず、一例として、メチルメタクリレートの単独重合体、メチルメタクリレートとアクリレートの共重合体、またはこれらの混合であってもよい。
【0011】
前記アクリル系共重合体は、一例として、アクリル系ゴムコア−グラフトシェル共重合体、またはアルキルアクリレート−ビニル芳香族化合物−ビニルシアン化合物グラフト共重合体であってもよく、具体例としては、アクリル系ゴム40〜50重量%に、スチレン系単量体とアクリロニトリル系単量体との合計50〜60重量%がグラフトされた共重合体であってもよい。また、シェル内のアクリロニトリル系単量体の含量は、共重合体を構成するゴム及び単量体の総和100重量%に対して20〜35重量%の範囲内であってもよい。
【0012】
前記アルキルアクリレートにおけるアルキルは、一例として、炭素数が1〜20、または1〜10であるアルキルであってもよい。
【0013】
前記アクリル系ゴムは、一例として、アルキルアクリレートゴムであってもよく、前記スチレン系単量体は、スチレンを含むビニル芳香族化合物であってもよく、前記アクリロニトリル系単量体は、アクリロニトリルを含むビニルシアン化合物であってもよい。
【0014】
前記アクリル系共重合体は、一例として、ポリメチルメタクリレート樹脂100重量部を基準として、12〜50重量部、18〜35重量部、または18〜32重量部の範囲内で含まれ、この範囲内で、耐衝撃性と色相、耐スクラッチ性、及び表面光沢の改善効果を提供することができる。
【0015】
アクリル系衝撃補強剤は、一例として、アクリロニトリル−スチレン系共重合体とアクリル系単量体が架橋された樹脂であってもよい。
【0016】
前記アクリロニトリル−スチレン系共重合体は、アクリロニトリル−スチレン共重合体を含むビニルシアン化合物−ビニル芳香族化合物共重合体であってもよい。
【0017】
前記アクリル系衝撃補強剤は、前記アクリル系共重合体よりもシェルのグラフト率が高いため、着色性に最も大きな影響を及ぼすブチルアクリレートゴムのようなアクリル系ゴムを最大限良好に取り囲むことができ、着色性及び光沢度を向上させることができる。
【0018】
具体例として、スチレン系シード5〜10重量%、前記シードを取り囲むアクリル系コア50〜60重量%、及び前記コアを取り囲むスチレン系シェル30〜40重量%の構造で形成されたものを使用することが、光沢度及び色相(透明性)を向上させる効果があるので好ましい。
【0019】
前記スチレン系シードとスチレン系シェルは、それぞれ独立して、スチレン系ホモ重合体及びスチレン−アクリロニトリル系共重合体から選択されたものであってもよい。
【0020】
前記スチレン系シード及び/又はアクリル系コアは、それぞれ独立して、架橋性単量体を、アクリル系衝撃補強剤を構成する全成分の総100重量%に対して、0.1〜5重量%、或いは0.5〜3重量%の範囲内で含むことによって、スチレン系シードとアクリル系コアとの間の架橋構造、或いはアクリル系コアとスチレン系シェルとの間の架橋構造を達成することができる。
【0021】
本発明において、スチレン系シード及びスチレン系シェルなどは、それぞれビニル芳香族化合物を含んで重合された重合体シードまたは重合体シェルを意味し得る。
【0022】
本発明において、アクリル系コアは、アルキルアクリレートを含んで重合された重合体であってもよい。
【0023】
前記架橋性単量体は、一例として、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、アリールメタクリレート及び1,3−ブチレングリコールジアクリレートから選択された1種以上であってもよい。
【0024】
前記アクリル系衝撃補強剤は、一例として、ポリメチルメタクリレート樹脂100重量部を基準として、6〜25重量部、6〜15重量部、または6〜11重量部の範囲内で含まれ、この範囲内で、色相と表面光沢に影響を及ぼさない上に、耐衝撃性の改善効果を提供することができる。
【0025】
前記スクラッチ補強剤は、一例として、シロキサン系重合体または有機変性シロキサン系重合体であってもよい。
【0026】
具体例として、前記シロキサン系重合体は有機シロキサン系重合体であってもよく、前記有機シロキサン系重合体は、炭素数1〜10のアルキルが結合されたポリジアルキルシロキサン重合体であってもよい。
【0027】
具体例として、前記有機変性シロキサン系重合体は、シロキサン系重合体の主鎖にアルキル基、アリール基、アリル基、アルケニル基、アミノ基、ハロゲン化アルキル基、エポキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、またはメチルハイドロジェン基などが置換された重合体が使用されてもよい。
【0028】
より具体的な例として、前記有機変性シロキサン系重合体は、下記化学式1のポリジメチルシロキサンの末端位置(X位置)に、下記化学式2の作用基または下記化学式3の作用基が置換された重合体を使用することができ、化学式3の作用基が置換された重合体を好ましく使用することができる。さらに、前記スクラッチ補強剤は、オイル状又はゴム(gum)状のものをいずれも使用することができる。
【0030】
(前記化学式1において、Xは、下記化学式2又は3で表され、nは、1以上の整数である。)
【0033】
(前記化学式3において、o、pは、それぞれ1以上の整数である。)
前記nは、一例として、1〜1,000、または10〜500であってもよい。
【0034】
前記o、pは、一例として、それぞれ1〜100、または1〜50であってもよい。
【0035】
前記スクラッチ補強剤は、一例として、ポリメチルメタクリレート樹脂100重量部を基準として、0.5〜5重量部、或いは0.6〜4.5重量部の範囲内で含まれ、この範囲内で、色相と表面光沢に影響を及ぼさない上に、耐スクラッチ性の改善効果を提供することができる。
【0036】
前記アロイ組成物は、必要に応じて、衝撃補強剤、滑剤、熱安定剤、紫外線安定剤、滴下防止剤、顔料、染料、及び無機充填剤から選択された1種以上の添加剤を含むことができる。
【0037】
前記アロイ組成物は、エリクセン試験(Ericshen test)法で測定した後、耐スクラッチ性(△L)が、一例として、0.5超過〜1.5未満、0.5超過〜1.1以下、0.6〜1.5未満、或いは0.6〜1.1の範囲内であってもよい。
【0038】
前記アロイ組成物は、ASTM D2457方法により測定した光沢度(45°)が、一例として、87.0超過、89.0以上、87.0超過〜92.0以下、或いは89.0〜92.0の範囲内であってもよい。
【0039】
前記アロイ組成物は、COLOR−EYE 7000 Series(CE 7000A)で測定した後、L*で示したカラー(Color)値が、一例として、2.9超過、5.5未満、3.5以上〜5.5未満、2.9超過〜4.0以下、或いは3.5〜4.0の範囲内であってもよい。
【0040】
前記アロイ組成物は、ASTM D256方法により測定したIzod衝撃強度が、3.5kg・cm/cm超過、6.5kg.cm/cm未満、3.5kg・cm/cm超過〜5.5kg・cm/cm、3.8kg・cm/cm〜6.5kg・cm/cm未満、或いは3.8kg・cm/cm〜5.5kg・cm/cmの範囲内であってもよい。
【0041】
前記アロイ組成物は、ASTM D1228方法により220℃、及び10.0kgの荷重下で測定した溶融指数(g/10min)が、一例として、3.8g/10min超過、7.6g/10min未満、3.8g/10min超過〜5.0g/10min、4.0g/10min〜7.6g/10min、或いは4.0g/10min〜5.0g/10minの範囲内であってもよい。
【0042】
本発明によれば、前記ポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物を含む成形品を提供することができる。
【0043】
前記成形品は、一例として射出成形品であってもよい。
【0044】
前記成形品は、一例として、サイドミラーまたはピラーガーニッシュ(pillar garnish)などの自動車外装材であってもよく、特に、耐スクラッチ性だけでなく表面光沢に優れるので、無塗装製品に適用することができ、ブラック顔料を投入して押出する場合に、向上したブラック感、スリップ感などを共に提供することができる。
【0045】
以下、本発明の理解を助けるために好適な実施例を提示するが、下記の実施例は、本発明を例示するものに過ぎず、本発明をこれに限定するものではない。
【0046】
[実施例]
下記の実施例及び比較例で使用された各成分の仕様は、次の通りである:
*PMMA:ポリメチルメタクリレート(LG化学製造)
*ASA:ポリ(アクリロニトリル−スチレン−ブチルアクリレートであって、アクリルゴム40〜50重量%にスチレン/アクリロニトリル50〜60重量%がグラフトされ、シェル内のアクリロニトリルの含量は27.27重量%である共重合体。
【0047】
*シリコン系衝撃補強剤:シリコン/アクリルコアとメチルメタクリレート共重合体シェルを有する三菱レイヨン(MITSUBISHI RAYON)社製。
【0048】
*アクリル系衝撃補強剤:スチレン系シード(スチレン単独重合体)5〜10重量%、前記シードを取り囲むアクリル系コア50〜60重量%、及び前記コアを取り囲むスチレン系シェル30〜40重量%を含み、前記スチレン系シード及びアクリル系コアが、それぞれジビニルベンゼンを、アクリル系衝撃補強剤を構成する全成分の総100重量%に対して1重量%含む共重合体(GANZ CHEMICAL社製)
*スクラッチ補強剤:ポリジメチルシロキサン(EVONIK INDUSTRIES社製)
[実施例1〜5、対照例1〜2、比較例1〜5]
下記の表1に示した成分及び含量で投入し、ブラック顔料を共に投入した後、二軸押出機(twin−screw extruder)を使用して250〜280℃の温度区間で溶融押出した。前記押出後にペレット化した後、80℃で4時間以上乾燥した後に射出成形し、常温で48時間以上放置して射出試片を準備した。
【0050】
*PMMA 100重量部を基準とした含量(重量部)
前記射出試片に対して、次の評価方法によって物性を測定し、その結果を表2に示す。
【0051】
<物性評価>*耐スクラッチ性(△L):エリクセン試験(Ericshen test)法で測定した後、△Lで示した。
【0052】
*光沢度(45°):ASTM D2457方法により測定した。
【0053】
*カラー(Color):COLOR−EYE 7000 Series(CE 7000A)で測定した後、L*で示した。
【0054】
*Izod衝撃強度(kg・cm/cm):ASTM D256方法により測定した。
【0055】
*溶融指数(Melt Index)(g/10min):ASTM D1228方法により220℃、及び10.0kgの荷重下で測定した。
【0057】
前記表2に示されたように、ポリメチルメタクリレート樹脂とアクリル系共重合体のアロイに、アクリル系衝撃補強剤とスクラッチ補強剤をそれぞれ適正量の範囲内で含む実施例1〜5の場合、耐スクラッチ性、光沢度、カラー(ブラック感、透明度)、衝撃強度、溶融指数が改善されたことを確認した。
【0058】
特に、前記アクリル系共重合体の含量が増加すると、衝撃強度及び溶融指数が増加し、スクラッチ補強剤の含量が増量するほど耐スクラッチ性が増加することをそれぞれ確認した。
【0059】
一方、neat PMMA樹脂を使用した対照例1では、衝撃強度と溶融指数が不良であり、neat ASA樹脂を使用した対照例2では、耐スクラッチ性、光沢度、カラーが不良であった。
【0060】
また、アクリル系共重合体とアクリル系衝撃補強剤を適正量の下限値未満で含み、スクラッチ補強剤を含まない比較例1では、実施例1〜5と比較して、耐スクラッチ性、衝撃強度及び溶融指数がやや不良であった。
【0061】
アクリル系共重合体とアクリル系衝撃補強剤を適正量の上限値を超える量で含み、スクラッチ補強剤を含まない比較例2では、実施例1〜5と比較して、耐スクラッチ性、光沢度、カラーが著しく不良であるという結果を確認した。
【0062】
特に、実施例1において、アクリル系衝撃補強剤の代わりにシリコン系衝撃補強剤を使用した比較例3では、実施例1と比較して、耐スクラッチ性、光沢度、カラーが非常に不良であるという結果が確認できた。
【0063】
また、スクラッチ補強剤が過量投入された比較例4の場合、実施例1〜5と比較して、耐スクラッチ性は改善されたが、光沢度、カラー、アイゾット衝撃強度及び溶融指数が低下するという欠点を確認した。
【0064】
また、アクリル系衝撃補強剤とスクラッチ補強剤を適正量の上限値を超える量で含む比較例5では、実施例1〜5と比較して、耐スクラッチ性、光沢度、カラーが著しく不良であるという結果を確認した。
【0065】
結果的に、本発明によれば、ポリメチルメタクリレート樹脂とアクリル系共重合体アロイの衝撃補強剤として特定の含量のアクリル系衝撃補強剤を使用し、特定のスクラッチ補強剤を共に使用することによって製造されたポリメチルメタクリレート−アクリル系共重合体アロイ高光沢組成物の場合、高光沢、耐スクラッチ性、カラー(透明、ブラック感)などが改善された成形品が作製されることを確認した。結果的に、射出後に追加塗装によるコストの発生を低減して経済性もまた提供することができる。
【国際調査報告】