特表2016-541087IP Force 特許公報全文掲載

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-541087(P2016-541087A)
(43)【公表日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】有機−無機複合多孔性膜、これを含むセパレーター及び電極構造体
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/16 20060101AFI20161205BHJP
   H01M 4/13 20100101ALI20161205BHJP
   H01G 11/52 20130101ALI20161205BHJP
   H01G 11/26 20130101ALI20161205BHJP
   H01G 11/42 20130101ALI20161205BHJP
   H01M 8/02 20160101ALN20161205BHJP
【FI】
   H01M2/16 P
   H01M2/16 M
   H01M2/16 L
   H01M4/13
   H01G11/52
   H01G11/26
   H01G11/42
   H01M8/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2016-521273(P2016-521273)
(86)(22)【出願日】2014年10月31日
(85)【翻訳文提出日】2016年4月7日
(86)【国際出願番号】KR2014010386
(87)【国際公開番号】WO2015065116
(87)【国際公開日】20150507
(31)【優先権主張番号】10-2013-0131527
(32)【優先日】2013年10月31日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0150289
(32)【優先日】2014年10月31日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(72)【発明者】
【氏名】ジン,スン−ミ
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ヒュン−キュン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジョー−スン
【テーマコード(参考)】
5E078
5H021
5H026
5H050
【Fターム(参考)】
5E078AA14
5E078AA15
5E078BA02
5E078BA05
5E078BA06
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5E078BA30
5E078BA31
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5E078BA60
5E078BA62
5E078BA69
5E078BA71
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5E078BB30
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5E078FA13
5E078LA02
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5H021EE03
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5H050CA09
5H050CB07
5H050CB08
5H050CB09
5H050CB11
5H050DA19
5H050FA18
(57)【要約】
本発明は、無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子とバインダー高分子とを含み、前記無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つの粒子は、前記粒子の表面を囲んでいるバインダー高分子によって互いに結着しており、前記無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子の充填率は、60%〜70%であることを特徴とする電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜を提供する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜であって、
無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子とバインダー高分子とを含んでなり、
前記無機物粒子及び前記有機物粒子より選択される少なくとも一つの粒子が、前記粒子の表面を囲んでいるバインダー高分子によって互いに結着されたものであり、
前記無機物粒子及び前記有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子の充填率が60〜70%であることを特徴とする、電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜。
【請求項2】
前記バインダー高分子の含量が、前記無機物粒子及び前記有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子100重量部を基準として1〜30重量部であることを特徴とする、請求項1に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜。
【請求項3】
前記無機物粒子が、誘電率が5以上の無機物粒子、リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子及びこれらの混合物からなる群より選択される一つ以上であることを特徴とする、請求項1に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜。
【請求項4】
前記有機物粒子が、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)からなる群より選択される一種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜。
【請求項5】
前記バインダー高分子が、ポリビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン、ポリビニリデンフルオライド−トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、エチレンビニルアセテート共重合体、ポリエチレンオキサイド、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシルメチルセルロース、アクリロニトリルスチレンブタジエン共重合体、ポリイミド、ポリスチレン及びポリエチレンからなる群より選択される一種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜。
【請求項6】
前記有機−無機複合多孔性膜は、前記バインダー高分子によって前記無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子が充填されて互いに連結されたものであり、
前記粒子間にインタースティシャルボリウムが形成されたものであり、
前記粒子間のインタースティシャルボリウムが空き空間とされた気孔を備えてなることを特徴とする、請求項1に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜。
【請求項7】
前記有機−無機複合多孔性膜の厚さが、0.5〜50μmであることを特徴とする、請求項1に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜。
【請求項8】
電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜の製造方法であって、
無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子の単独又は複数のものがバインダー高分子によって囲まれている単位粒子を形成する段階と、
前記単位粒子に熱を加えて前記単位粒子同士を結着させる段階とを含んでなることを特徴とする、電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜の製造方法。
【請求項9】
前記単位粒子の平均粒径が、0.01〜20μmであることを特徴とする、請求項8に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜の製造方法。
【請求項10】
前記単位粒子内のバインダー高分子の含量が、前記無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子100重量部を基準として1〜30重量部であることを特徴とする、請求項8に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜の製造方法。
【請求項11】
前記単位粒子に熱を加える段階が、前記バインダー高分子の溶融温度よりも5〜100℃高い温度で熱を加え、前記単位粒子を結着させることを特徴とする、請求項8に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜の製造方法。
【請求項12】
前記無機物粒子が、誘電率が5以上の無機物粒子、リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子及びこれらの混合物からなる群より選択される一つ以上であることを特徴とする、請求項8に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜の製造方法。
【請求項13】
前記有機物粒子が、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)からなる群より選択される一種以上であることを特徴とする、請求項8に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜の製造方法。
【請求項14】
前記バインダー高分子が、ポリビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン、ポリビニリデンフルオライド−トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、エチレンビニルアセテート共重合体、ポリエチレンオキサイド、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシルメチルセルロース、アクリロニトリルスチレンブタジエン共重合体、ポリイミド、ポリスチレン及びポリエチレンからなる群より選択される一種以上であることを特徴とする、請求項8に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜の製造方法。
【請求項15】
前記有機−無機複合多孔性膜が、前記バインダー高分子によって前記無機物粒子及び前記有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子が充填されて互いに連結されたものであり、
前記粒子間にインタースティシャルボリウムが形成されたものであり、
前記粒子間のインタースティシャルボリウムが空き空間とされた気孔を備えてなることを特徴とする、請求項8に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜の製造方法。
【請求項16】
前記有機−無機複合多孔性膜の厚さが、0.5〜50μmであることを特徴とする、請求項8に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜の製造方法。
【請求項17】
電気化学素子であって、
正極、負極、前記正極と前記負極との間に介されたセパレーターを備えてなり、
前記セパレーターが、請求項1〜7の何れか一項に記載の有機−無機複合多孔性膜であることを特徴とする、電気化学素子。
【請求項18】
電気化学素子であって、
正極、負極、前記正極と前記負極との間に介されたセパレーターを備えてなり、
前記セパレーターが、気孔を有する多孔性基材、及び前記多孔性基材の少なくとも一面に形成された、請求項1〜7の何れか一項に記載の有機−無機複合多孔性膜を備えてなることを特徴とする、電気化学素子。
【請求項19】
電極構造体であって、
電極集電体、
前記電極集電体の少なくとも一面に形成された電極活物質層、及び
前記電極活物質層の他面に形成された、請求項1〜7の何れか一項に記載の有機−無機複合多孔性膜を備えてなることを特徴とする、電極構造体。
【請求項20】
電気化学素子であって、
正極、負極及び電解液を備えてなり、
前記正極及び前記負極の少なくとも一つ以上が、請求項19に記載の電極構造体であることを特徴とする、電気化学素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウム二次電池のような電気化学素子に用いられる有機−無機多孔性膜、これを含むセパレーター及び電極構造体に関し、より詳しくは、有機−無機複合多孔性膜において無機物粒子及びバインダーが均一に混合している有機−無機多孔性膜に関する。
【0002】
本出願は、2013年10月31日出願の韓国特許出願第10−2013−0131527号及び2014年10月31日出願の韓国特許出願第10−2014−0150289号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に援用される。
【背景技術】
【0003】
近年、エネルギー貯蔵技術に対する関心が高まりつつある。携帯電話、カムコーダ、及びノートブックコンピュータ、ひいては電気自動車のエネルギーにまで適用分野が広かるにつれ、電気化学素子の研究及び開発に対する努力が次第に具体化している。電気化学素子はこのような面で最も注目される分野であり、その中でも、充放電可能な二次電池の開発に関心が寄せられている。最近は、このような電池を開発することにおいて、容量密度及び比エネルギーを向上させるために、新しい電極と電池の設計に関する研究開発へ進みつつある。
【0004】
現在、適用されている二次電池のうち、1990年代初めに開発されたリチウム二次電池は、水溶性電解液を使用するNi−MH、Ni−Cd、硫酸−鉛電池などの在来式電池に比べ、作動電圧が高く、エネルギー密度が遥かに高いという長所から脚光を浴びている。しかし、このようなリチウムイオン電池は、有機電解液の使用による発火及び爆発などの安全問題が存在し、製造がややこしいという短所がある。最近のリチウムイオン高分子電池は、このようなリチウムイオン電池の弱点を改善して次世代電池の一つとして挙げられているが、未だ電池の容量がリチウムイオン電池に比べ相対的に低く、特に低温における放電容量が不十分であり、これに対する改善が至急に要求されている。
【0005】
このような電気化学素子の安全性問題を解決するために、韓国特許公開第10−2007−0000231号公報には、複数の気孔を有する多孔性基材の少なくとも一面に、無機物粒子とバインダー高分子との混合物をコーティングして有機−無機多孔性コーティング層を形成したセパレーターが提案されている。セパレーターにおいて、多孔性基材にコーティングされた多孔性有機−無機コーティング層内の無機物粒子は、有機−無機多孔性コーティング層の物理的形態を維持できる一種のスペーサー(spacer)の役割を果すことで、電気化学素子の過熱時、多孔性基材が熱収縮することを抑制する。
【0006】
なお、前記有機−無機多孔性コーティング層は、無機物粒子とバインダー高分子とを混合して製造され、この際、無機物粒子及びバインダー高分子が均一に分布した有機−無機多孔性コーティング層は、高性能の分離膜を製造するに際し重要な要素となる。しかし、前記のように有機−無機多孔性コーティング層内に無機物粒子及びバインダー高分子の分布を均一にすることに影響を与える変数が非常に多いため、前記構成成分が均一に分布する有機−無機多孔性コーティング層を製造するに困難がある。したがって、有機−無機多孔性コーティング層の製造に際し、無機物粒子及びバインダー高分子の分布を均一にして製造する方法についての研究が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、問題点に鑑みてなされたものであり、有機−無機複合多孔性膜に含まれた無機物粒子及びバインダー高分子が均一に分布した有機−無機複合多孔性膜及その製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記有機−無機複合多孔性膜を含むセパレーターを提供することを他の目的とする。
さらに、本発明は、前記有機−無機複合多孔性膜を含む電極構造体を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
の課題を達成するため、本発明は、無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子とバインダー高分子とを含み、前記無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つの粒子は、前記粒子の表面を囲んでいるバインダー高分子によって互いに結着しており、前記無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子の充填率は60〜70%であることを特徴とする電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜を提供する。
【0009】
本発明の望ましい一実施例によれば、前記バインダー高分子の含量は前記無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子100重量部を基準で1〜30重量部であり得る。
【0010】
本発明の望ましい他の実施例によれば、前記無機物粒子は、誘電率定数(比誘電率、誘電率)が5以上の無機物粒子、リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子及びこれらの混合物からなる群より選択される一つ以上であり得る。
【0011】
本発明の望ましい他の実施例によれば、前記有機物粒子は、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)からなる群より選択される一種以上であり得る。
【0012】
本発明の望ましい他の実施例によれば、前記バインダー高分子は、ポリビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン(polyvinylidene fluoride−co−hexafluoropropylene)、ポリビニリデンフルオライド−トリクロロエチレン(polyvinylidene fluoride−cotrichloroethylene)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone)、ポリビニルアセテート(polyvinylacetate)、エチレンビニルアセテート共重合体(polyethylene−co−vinyl acetate)、ポリエチレンオキサイド(polyethylene oxide)、セルロースアセテート(cellulose acetate)、セルロースアセテートブチレート(cellulose acetate butyrate)、セルロースアセテートプロピオネート(celluloseacetate propionate)、シアノエチルプルラン(cyanoethylpullulan)、シアノエチルポリビニルアルコール(cyanoethylpolyvinylalcohol)、シアノエチルセルロース(cyanoethylcellulose)、シアノエチルスクロース(cyanoethylsucrose)、プルラン(pullulan)、カルボキシルメチルセルロース(carboxyl methyl cellulose)、アクリロニトリルスチレンブタジエン共重合体(acrylonitrile−styrene−butadiene copolymer)、ポリイミド(polyimide)、ポリスチレン(polystyrene)及びポリエチレン(polyethylene)からなる群より選択される一種以上であり得る。
【0013】
本発明の望ましい更に他の実施例によれば、前記有機−無機複合多孔性膜は、前記バインダー高分子によって前記無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子が充填されて互いに連結され、これによって前記粒子間にインタースティシャルボリウム(interstitial volume)が形成され、前記粒子間のインタースティシャルボリウムが空き空間となることで形成された気孔を有し得る。
本発明の望ましい更に他の実施例によれば、前記有機−無機複合多孔性膜の厚さは、0.5〜50μmであり得る。
【0014】
本発明の他面によれば、本発明は、無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子の単独または群がバインダー高分子によって囲まれている単位粒子を製造する段階と、前記単位粒子に熱を加えて前記単位粒子同士を結着させる段階と、を含むことを特徴とする電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜の製造方法を提供する。
本発明の望ましい一実施例によれば、前記単位粒子の平均粒径は、0.01〜20μmであり得る。
【0015】
本発明の望ましい一実施例によれば、前記単位粒子内のバインダー高分子の含量は、前記無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子100重量部を基準で1〜30重量部であり得る。
【0016】
本発明の望ましい更に他の実施例によれば、前記単位粒子に熱を加える段階は、前記バインダー高分子の溶融温度よりも5〜100℃高い温度で熱を加え、前記単位粒子を結着させ得る。
【0017】
本発明の更に他の実施例によれば、前記無機物粒子は、誘電率定数が5以上の無機物粒子、リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子及びこれらの混合物からなる群より選択される一つ以上であり得る。
【0018】
本発明の望ましい更に他の実施例によれば、前記有機物粒子は、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)からなる群より選択される一種以上であり得る。
【0019】
本発明の望ましい更に他の実施例によれば、前記バインダー高分子は、ポリビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン、ポリビニリデンフルオライド−トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、エチレンビニルアセテート共重合体、ポリエチレンオキサイド、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシルメチルセルロース、アクリロニトリルスチレンブタジエン共重合体、ポリイミド、ポリスチレン及びポリエチレンからなる群より選択される一種以上であり得る。
【0020】
本発明の望ましい更に他の実施例によれば、前記有機−無機複合多孔性膜は、前記バインダー高分子によって前記無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子が充填されて互いに連結され、これによって前記粒子間にインタースティシャルボリウムが形成され、前記粒子間のインタースティシャルボリウムが空き空間となることで形成された気孔であり得る。
本発明の望ましい更に他の実施例によれば、前記有機−無機複合多孔性膜の厚さは、0.5〜50μmであり得る。
【0021】
本発明の他面によれば、本発明は、正極、負極、前記正極と負極との間に介されたセパレーターを含む電気化学素子であって、前記セパレーターは、前記本発明による有機−無機複合多孔性膜であることを特徴とする電気化学素子を提供する。
【0022】
本発明の更に他の側面によれば、本発明は、正極、負極、前記正極と負極との間に介されたセパレーターを含む電気化学素子であって、前記セパレーターは、気孔を有する多孔性基材、及び前記多孔性基材の少なくとも一面に、前記本発明による有機−無機複合多孔性膜が形成されたことを特徴とする電気化学素子を提供する。
【0023】
本発明の更に他の側面によれば、本発明は、電極集電体、前記電極集電体の少なくとも一面に形成された電極活物質層、及び前記電極活物質層の他面に、前記本発明による有機−無機複合多孔性膜が形成されたことを特徴とする電極構造体を提供する。
【0024】
本発明の更に他の側面によれば、正極、負極及び電解液を含む電気化学素子であって、前記正極及び負極の少なくとも一つ以上は、本発明による電極構造体であることを特徴とする電気化学素子を提供する。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、有機−無機複合多孔性膜に用いられる無機物粒子及びバインダー高分子が均一に分布することで、従来の有機−無機複合多孔性膜よりも無機物粒子の充填率が向上した有機−無機複合多孔性膜を提供する。
【0026】
より詳しくは、本発明の無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子の単独または群が、バインダー高分子によって囲まれている単位粒子に熱を加え、前記粒子が結着する有機−無機複合多孔性膜を提供する。
【0027】
前記単位粒子で有機−無機複合多孔性膜を製造するため、従来、無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つの粒子とバインダー高分子とを共に溶媒に分散させた懸濁液を乾燥して製造する方法に比べ、前記無機物粒子などとバインダー高分子とがより均一に形成された有機−無機多孔性膜を製造することができる。
前記有機−無機複合多孔性膜は、電気化学素子のセパレーターに含めるか、または電極構造体に含めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図1】本発明の一実施例による単位粒子を概略的に示した断面図である。
【図2】本発明の一実施例によるセパレーターを概略的に示した断面図である。
【図3】本発明の一実施例による電極構造体を概略的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0030】
本発明は、無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子とバインダー高分子とを含み、前記無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つの粒子は、前記粒子の表面を囲んでいるバインダー高分子によって互いに結着しており、前記無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子の充填率は60〜70%であることを特徴とする電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜を提供する。
【0031】
本明細書において、有機−無機複合多孔性膜のうち、粒子の充填率とは、有機−無機複合多孔性膜において、粒子が占める体積分率をいい、有機−無機複合多孔性膜において粒子が満たされている平行六面体の空間である単位セル(unit cell)の体積に対する、実際に満たされている粒子の体積比率で計算される。
【0032】
従来、セパレーターに用いられる有機−無機複合多孔性膜においては、バインダー高分子を溶媒に溶解させたバインダー高分子溶液に無機物粒子を添加及び分散させてスラリーを製造した後、このようなスラリーを多孔性基材にコーティングし乾燥して有機−無機複合多孔性膜を含むセパレーターを製造していた。このような従来の方法によれば、スラリー内の無機物粒子及びバインダー高分子の分布を均一に制御しにくく、さらに、多孔性基材にコーティング及び乾燥を行うときにも無機物粒子及びバインダー高分子の分布を均一にして有機−無機複合多孔性膜を製造するように制御しにくいことから、従来の有機−無機複合多孔性膜は、無機物粒子及びバインダー高分子が均一に分布されていないという問題点が存在していた。
【0033】
そこで、本発明者らは、有機−無機複合多孔性膜において無機物粒子及びバインダー高分子が均一に分布されている形態の有機−無機複合多孔性膜を製造するために、無機物粒子及びバインダー高分子を均一に分布させる方法を工夫した。
一般的に、球形の粒子が面心立方構造(face centered cubic;fcc)で最大に充填されれば、その充填率は74%となる。
【0034】
本発明の一実施例による有機−無機複合多孔性膜は、粒子の表面がバインダー高分子で囲まれている単位粒子を用い、この際、これらを一定サイズのフィルターを用いて均一な大きさを有するよう制御するため、面心立方構造の最大充填率が74%に近接した60%〜70%の充填率を有することができる。
【0035】
これに対し、従来の有機−無機複合多孔性膜においては、無機物粒子、バインダー高分子及び溶媒のスラリーを用いて基材にコーティングした後、乾燥段階を経て製造されるため、パッキング密度(packing density) 自体が均一でなく、その結果、一部ではバインダーが固まって充填率が50% 以下となるか、一部は60%くらいの充填率を有するか、または気孔自体が塞がるなど、全体的に充填率のばらつきが大きいという問題点があった。
【0036】
本発明者らは、無機物粒子及びバインダー高分子が均一に分布して無機物粒子の充填率を向上させるために、本発明の一実施例による製造方法で、まず無機物粒子がバインダー高分子によって結着した単位粒子を製造した後、このような単位粒子を熱で結着させれば、無機物粒子及びバインダー高分子が単位粒子内に固定され、熱によって結着する方法を用いて、従来の方法よりもさらに均一な分布、より具体的には、均一な分布で充填された有機−無機複合多孔性膜を形成することができることに着目して本発明を完成した。
【0037】
即ち、本発明による有機−無機複合多孔性膜は、当初バインダー高分子がコーティングされた無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子を用いてバインダー高分子が均一に配置され、粒子も全体的に均一に60%〜70%、望ましくは65%〜70%の充填率で充填されている。しかし、従来の有機−無機複合多孔性膜は、バインダー高分子が分布を均一に制御することが根本的に不可能であるため、局所的にバインダー高分子の含量に差が生じ、50%程度の低い充填率の部分と60%程度の相対的に高い充填率の部分とが混在するようになる。
【0038】
また、より具体的に、前記バインダー高分子は、前記無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子の全体または一部に存在した状態で、前記粒子が前記バインダー高分子によって結着されている。
【0039】
以下、無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つの粒子が均一に分散していることを特徴とする本発明の一実施例による電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜の製造方法を説明するが、かかる製造方法は、以下の方法に限定されない。
【0040】
本発明の有機−無機複合多孔性膜の製造方法は、無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子の単独または群がバインダー高分子によって囲まれている、単位粒子を製造する段階と、前記単位粒子に熱を加えて前記単位粒子を結着させる段階と、を含む。
【0041】
前記有機物粒子は、軽く、特に強度が高くて耐熱性のような特性を有する粒子をいい、無機物粒子の代替物として用いられる。本発明において使用可能な有機物の具体的な例には、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)からなる群より選択される一種以上が挙げられるが、かかる例に限定されない。即ち、前記有機物粒子は、従来用いられていた、有機−無機複合多孔性膜に使われる無機物粒子を代替できる物質であり、以下、本発明において無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子は、「無機物粒子またはその代替粒子」と称する。
【0042】
本発明による単位粒子は、無機物粒子またはその代替粒子が粒子単独でバインダー粒子によって囲まれるか、または無機物粒子またはその代替粒子が群単位でバインダー粒子によって囲まれ得る。
【0043】
前記単位粒子の一実施形態の断面図を下記の図1に示し、前記単位粒子の形態は、図1の形態に限定されない。図1を参照すれば、含まれる無機物粒子またはその代替粒子1は、バインダー高分子2によって囲まれ、単位粒子3を形成している。前記単位粒子の形態は限定されない。
【0044】
前記単位粒子は、その形態及び大きさが均一なものが、均一な分布の有機−無機複合多孔性膜を提供するのに望ましい。したがって、本発明の一実施例によれば、均一な形態及び大きさの単位粒子を製造するために、不規則な粒子が製造されるシヤーラプチャー(shear rupturing)方式ではなく、均一なポアセパレーション(pore separation)方式の連続工程でエマルジョン形態の単位粒子の形成を誘導することができる。
【0045】
この際、前記単位粒子の平均粒径は、0.01〜20μm、望ましくは0.05〜10μmであり得、前記範囲内の粒子を適用する場合、均一な厚さの分離膜を形成できるという点で望ましい。
【0046】
本発明の有機−無機複合多孔性膜において、有機−無機複合多孔性膜の形成に用いられる無機物粒子は、電気化学的に安定すれば特に制限されない。即ち、本発明に用いることができる無機物粒子は、適用される電気化学素子の作動電圧範囲(例えば、Li/Li+基準で0〜5V)で酸化及び/または還元反応が起こらないものであれば、特に制限されない。特に、無機物粒子として誘電率が高い無機物粒子を用いる場合、液体電解質内の電解質塩、例えば、リチウム塩の解離度増加に寄与して電解液のイオン伝導度を向上させることができる。
【0047】
前述の理由で、前記無機物粒子は、誘電率定数が5以上、望ましくは、10 以上の高誘電率の無機物粒子を含むことが望ましい。誘電率定数が5以上の無機物粒子の非制限的な例には、BaTiO3、Pb(Zr,Ti)O3(PZT)、Pb1-xLaxZr1-yTiyO3(PLZT、ここで、0<x<1、0<y<1である)、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3(PMN−PT)、ハフニア(HfO2)、SrTiO3、SnO2、CeO2、MgO、NiO、CaO、ZnO、ZrO2、Y2O3、Al2O3、TiO2、SiCまたはこれらの混合物などがある。
【0048】
また、無機物粒子には、リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子、すなわち、リチウム元素を含むが、リチウムを保存せずリチウムイオンを移動させる機能を有する無機物粒子を用い得る。リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子の非制限的な例には、リチウムホスフェート(Li3PO4)、リチウムチタンホスフェート(LixTiy(PO4)3、0<x<2、0<y<3)、リチウムアルミニウムチタンホスフェート(LixAlyTiz(PO4)3、0<x<2、0<y<1、0<z<3)、14Li2O−9Al2O3−38TiO2−39P2O5などのような(LiAlTiP)xOy系列ガラス(0<x<4、0<y<13)、リチウムランタンチタネート(LixLayTiO3、0<x<2、0<y<3)、Li3.25Ge0.25P0.75S4などのようなリチウムゲルマニウムチオホスフェート(LixGeyPzSw、0<x<4、0<y<1、0<z<1、0<w<5)、Li3Nなどのようなリチウムナイトライド(LixNy、0<x<4、0<y<2)、Li3PO4−Li2S−SiS2などのようなSiS2系列ガラス(LixSiySz、0<x<3、0<y<2、0<z<4)、LiI−Li2S−P2S5などのようなP2S5系列ガラス(LixPySz、0<x<3、0<y<3、0<z<7)またはこれらの混合物などがある。
【0049】
また、前記有機物粒子は、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)からなる群より選択される一種以上であり得るが、かかる例に限定されない。
【0050】
本発明の有機−無機複合多孔性膜の無機物粒子またはその代替粒子の大きさに制限はないが、均一な厚さの膜の形成及び適切な孔隙率のために、可能な限り0.001〜10μm範囲であることが望ましい。0.001μm未満の場合、分散性が低下して物性を調節しにくく、10μmを超過する場合、有機−無機複合多孔性膜の厚さが増加して機械的物性が低下することがあり、また、かかる大きい気孔サイズによって、電池の充・放電時、内部短絡が起こる確率が高くなる。
【0051】
本発明の有機−無機複合多孔性膜において、有機−無機複合多孔性膜の形成に用いられるバインダー高分子は、当業界で通常用いられるバインダー高分子であるが、特に制限されない。
【0052】
使用可能なバインダー高分子の非制限的な例には、ポリビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン、ポリビニリデンフルオライド−トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、エチレンビニルアセテート共重合体、ポリエチレンオキサイド、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシルメチルセルロース、アクリロニトリルスチレンブタジエン共重合体、ポリイミド、ポリスチレン及びポリエチレンまたはこれらの混合物がある。他にも上述の特性を有する物質であれば、いずれの材料でも単独または混合して用いることができ、本発明においては、望ましくは、ポリビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン、シアノエチルポリビニルアルコール、アクリロニトリルスチレンブタジエン共重合体及びポリエチレンを含む群より選択される一種以上を用いることができ、前記バインダー高分子は、粒子間の接着力を確保しやすい面で望ましい。
【0053】
前記単位粒子内のバインダー高分子の含量は、無機物粒子またはその代替粒子100重量部を基準で1〜30重量部、望ましくは2〜20重量部を含み得る。バインダー高分子の含量が1重量部未満であれば、無機物粒子の脱離のような問題点が発生することがあり、その含量が30重量部を超過すれば、バインダー高分子が多孔性基材の空隙を塞いで抵抗が上昇し、有機−無機複合多孔性膜の多孔度も低下することがある。
【0054】
このように製造された前記単位粒子は、熱が加えられることによって、単位粒子内にバインダー高分子がメルティング(melting)されながら単位粒子は互いに結着するようになる。望ましくは、前記バインダー高分子の溶融温度よりも5〜100℃高い温度で熱を加えることができ、前記温度の範囲の場合、粒子同士の接着力を確保できる点で望ましい。この際、単位粒子の最外郭に位置するバインダー高分子は、溶融温度付近でスライトメルティング(slight melting)方式によって結着するようになる。
【0055】
前記有機−無機複合多孔性膜において、バインダー高分子は、前記無機物粒子またはその代替粒子の表面の一部または全体にコーティング層として位置し、前記無機物粒子またはその代替粒子は密着した状態で前記コーティング層によって互いに連結及び固定され、これにより前記無機物粒子またはその代替粒子間にインタースティシャルボリウム(interstitial volume)が形成され、前記無機物粒子またはその代替粒子間のインタースティシャルボリウムは空き空間となることで気孔を形成する。即ち、バインダー高分子は、前記無機物粒子またはその代替粒子が互いに結着した状態を維持するようにこれらを互いに付着し、例えば、バインダー高分子が前記無機物粒子またはその代替粒子同士を連結及び固定している。また、前記有機−無機多孔性複合膜の気孔は、無機物粒子間のインタースティシャルボリウムが空き空間になって形成された気孔であり、これは前記無機物粒子またはその代替粒子による充填構造(closed packed or densely packed)で実質的に面接する無機物粒子によって限定される空間である。このような有機−無機多孔性複合膜の気孔を介して、電池を作動させるのに必須なリチウムイオンが移動する経路を提供することができる。
前記有機−無機複合多孔性膜の成分は、前述の無機物粒子及びバインダー高分子の以外に、他の添加剤をさらに含み得る。
【0056】
より具体的に、本発明による有機−無機複合多孔性膜は、無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子の単独または群がバインダー高分子によって囲まれている単位粒子を含む懸濁液を製造する段階、前記懸濁液を塗布する段階、及び前記塗布された懸濁液に熱を加えて前記単位粒子同士及び前記単位粒子を結着させる段階を通じて製造される。
【0057】
本発明の望ましい一実施例によれば、前記単位粒子は、例えば、均一なメンブレインの気孔を用いて均一な単位粒子に製造することができる。例えば、溶媒にバインダー高分子と無機物粒子またはその代替粒子を混合した後、これを均一な気孔を有するメンブレインフィルターに通過させて界面活性剤が含まれている水溶液内に落とす。この際、水溶液の温度は、溶媒の沸点以上を維持させ、メンブレインフィルターによって通過された溶液の液滴が落ちてからすぐ固形化することで単位粒子を形成するようになる。このように単位粒子の含まれた水溶液を用いて本願発明による有機−無機複合多孔性膜を製造できるコーティング懸濁液を製造するようになる。前記懸濁液には、前述の無機物粒子及びバインダー高分子以外の他の添加剤をさらに含むことができる。前記バインダー高分子を溶かす溶媒としては、使用しようとするバインダー高分子と溶解度指数が類似なものが望ましい。使用可能な溶媒の非制限的な例には、アセトン(acetone)、メタノール(methanol)、エタノール(ethanol)、イソプロピルアルコール(isopropylalcohol)、テトラハイドロフラン(tetrahydrofuran)、メチレンクロライド(methylene chloride)、クロロホルム(chloroform)、ジメチルホルムアミド(dimethylformamide)、N−メチル−2−ピロリドン(N−methyl−2−pyrrolidone,NMP)、シクロヘキサン(cyclohexane)、水またはこれらの混合物などが挙げられる。
【0058】
本発明による有機−無機複合多孔性膜は、単独でセパレーターとしての機能を果すことができる。即ち、正極と負極との間に介してセパレーターとして本発明の有機−無機複合多孔性膜を有用に用いることができ、したがって、本発明の更に他の側面によれば、正極、負極及び前記正極と負極との間に本発明による有機−無機複合多孔性膜を含む電気化学素子を提供することができる。
【0059】
また、本発明による有機−無機複合多孔性膜は、気孔を有する多孔性基材の少なくとも一面に形成され、セパレーターとしての機能を果すことができる。即ち、多孔性基材の少なくとも一面に付着した有機−無機複合多孔性膜は、セパレーターとして正極と負極との間に介することができ、したがって、本発明の更に他の側面によれば、正極、負極、及び前記正極と負極との間に、多孔性基材及び前記多孔性基材の少なくとも一面に形成された有機−無機複合多孔性膜を含むセパレーターを備える電気化学素子を提供することができる。
【0060】
本発明の一実施例によるセパレーターの断面を示した図2を参照すれば、本発明によるセパレーターは、多孔性基材10及び前記多孔性基材の少なくとも一面に、無機物粒子またはその代替粒子1が、その粒子全体または一部の表面を囲んでいるバインダー高分子2によって互いに結着して形成された有機−無機複合多孔性膜11を含む。
【0061】
前記多孔性基材は、多孔性高分子フィルム基材または多孔性高分子不織布基材を用いることができる。多孔性高分子フィルム基材には、よく知られているように、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィンからなる多孔性高分子フィルムからなるセパレーターを用いることができ、このようなポリオレフィン多孔性高分子フィルム基材は、例えば、80〜130℃の温度でシャットダウン機能が発現する。勿論、ポリオレフィンの他にポリエステルなどの高分子を用いて多孔性高分子フィルムを製造することもできる。
また、多孔性高分子不織布には、ポリエチレンテレフタルレート(PET)のようなポリエステルなどを用いることができる。
【0062】
使用可能な気孔を有する多孔性基材の例には、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエチレンナフタレンのうち少なくともいずれか一種で形成された多孔性基材等があり、通常電気化学素子のセパレーターとして使用可能なものであれば、すべて用いることができる。多孔性基材には、膜(membrane)や不織布形態をいずれも用いることができる。多孔性基材の厚さは、特に制限されないが、5〜50μmが望ましく、多孔性基材に存在する気孔の大きさ及び気孔度も特に制限されないが、それぞれ0.01〜50μm、及び10〜95%であることが望ましい。
【0063】
前記電気化学素子は、電気化学反応をするすべての素子を含み、具体的な例には、全種類の一次・二次電池、燃料電池、太陽電池またはスーパーキャパシター素子のようなキャパシタ(capacitor)などがある。特に、前記 二次電池のうち、リチウム金属二次電池、リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池またはリチウムイオンポリマー二次電池などを含むリチウム二次電池が望ましい。
【0064】
電気化学素子は、当技術分野に知られた通常の方法によって製造することができ、一実施例を挙げれば、正極と負極との間に前述のセパレーターを介して組み立てた後、電解液を注入することで製造することができる。
【0065】
本発明のセパレーターとともに適用される電極としては、電極活物質を電極電流集電体に結着した形態で製造することができる。前記電極活物質のうち正極活物質は、前述の種類のリチウムマンガン酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウム鉄酸化物などを単独でまたはこれらを組み合わせたリチウム複合酸化物を用いることができる。負極活物質の非制限的な例には、従来の電気化学素子の負極に用いられる通常の負極活物質を用いることができる。特に、リチウム金属またはリチウム合金、炭素、石油コーク(petroleum coke)、活性化炭素(activated carbon)、グラファイト(graphite)またはその他の炭素類などのようなリチウム吸着物質などが望ましい。正極電流集電体の非制限的な例には、アルミニウム、ニッケルまたはこれらの組合せによって製造されるホイルなどがあり、負極電流集電体の非制限的な例には、銅、金、ニッケルまたは銅合金またはこれらの組合せによって製造されるホイルなどがある。
【0066】
本発明に使用可能な電解液は、A+B-のような構造の塩であって、A+は、Li+、Na+、K+のようなアルカリ金属の陽イオンまたはこれらの組合せからなるイオンを含み、B-は、PF6-、BF4-、Cl-、Br-、I-、ClO4-、AsF6-、CH3CO2-、CF3SO3-、N(CF3SO2)2-、C(CF2SO2)3-のような陰イオンまたはこれらの組合せからなるイオンを含む塩が、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラハイドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ガンマブチロラクトンまたはこれらの混合物からなる有機溶媒に溶解または解離されたものがあるが、これらに限定されることではない。
【0067】
電解液の注入は最終製品の製造工程及び要求物性に応じて、電池の製造工程中の適切な段階で行われ得る。即ち、電池の組立ての前または電池の組立ての最終段階などで適用され得る。
【0068】
また、本発明の更に他の側面によれば、本発明は、電極集電体、前記電極集電体の少なくとも一面に形成された電極活物質層、及び前記電極活物質層の他面に、前記有機−無機複合多孔性膜が形成されたことを特徴とする電極構造体を提供する。
【0069】
本発明の一実施例による電極構造体の断面を示した図3を参考すれば、本発明による電極構造体は、電極集電体20、前記電極集電体の一面に形成されて電極活物質5を含む電極活物質層22、及び前記電極活物質層の他面に形成され、無機物粒子またはその代替粒子1が、その粒子全体または一部の表面を囲んでいるバインダー高分子2によって互いに結着して形成された有機−無機複合多孔性膜21を含む。
【0070】
前記電極構造体に含まれる有機−無機複合多孔性膜は、前記の有機−無機複合多孔性膜と同一であり、以下、より具体的に電極集電体及び電極活物質層を含む電極上に形成された有機−無機複合多孔性膜を有する電極構造体の一実施例の製造方法を説明する。
【0071】
前記本発明による電極構造体の製造方法は、無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子の単独または群がバインダー高分子によって囲まれている、単位粒子を含む懸濁液を製造する段階と、電極集電体の少なくとも一面に形成された電極活物質層の他面に、前記懸濁液を塗布する段階と、前記電極活物質層に塗布された懸濁液に熱を加えて前記単位粒子同士及び前記単位粒子と電極活物質層とを結着させる段階と、を含む。
【0072】
前記電極構造体の製造においては、前記懸濁液を電極上、即ち、電極集電体の少なくとも一面に電極活物質層が形成された電極上において、電極集電体が形成されていない電極活物質層の他面に前記懸濁液を塗布するようになる。
【0073】
前記懸濁液を電極活物質層に塗布した後に熱を加えれば、単位粒子内でバインダー高分子がメルティング(melting)されながら前記単位粒子同士及び前記単位粒子と電極活物質層とを結着する段階を経るようになる。この際、単位粒子の最外郭に位置するバインダー高分子は、溶融温度付近でスライトメルティング(slight melting)方式によって結着するようになる。
前記電極活物質層の厚さは、0.5〜200μmであり得る。前記範囲の場合、用途に相応して電極活物質の機能を果すことができる。
【0074】
また、前記電極活物質層に形成された有機−無機複合多孔性膜の厚さは、0.5〜50μmであり得る。前記有機−無機複合多孔性膜の厚さが前記範囲の場合、均一に有機−無機複合多孔性膜が塗布され、電極活物質層上にコーティングされて絶縁層の役割を果すことができる。
【0075】
前記電極構造体に構成される有機−無機複合多孔性膜のバインダー高分子の含量は、無機物粒子またはその代替粒子100重量部を基準で1〜30重量部であることが望ましく、2〜20重量部であることがさらに望ましい。バインダー高分子の含量が1重量部未満であれば、バインダー高分子の含量が少ないため、形成される有機−無機複合多孔性膜の耐剥離性が弱化することがあり、バインダー高分子の含量が30重量部を超過すれば、バインダー高分子の含量が多くなり、形成される絶縁層の気孔の大きさ及び気孔度が減少することがある。
本発明による有機−無機複合多孔性膜は、電極上で絶縁層の役割を果すようになり、絶縁層を含む電極構造体を提供することができる。
【0076】
このように製造された電極構造体は電気化学素子に用いることができ、より具体的に、本発明は、正極、負極及び電解液を含む電気化学素子であって、前記正極、負極または両極は、本発明による製造方法によって製造された電極を用いる電気化学素子を提供する。前記電気化学素子は、電極表面に絶縁層の役割を果す有機−無機複合多孔性膜が形成され、既存のセパレーターを代替することができる。
【0077】
前記電極集電体は、通常用いられる電極集電体をすべて用いることができ、 前記電極が正極に用いられる場合は、正極集電体としてアルミニウム、ニッケルまたはこれらの組合せによって製造されるホイルなどを用いることができるが、かかる種類に限定されない。前記電極が負極に用いられる場合は、銅、金、ニッケル、或いは銅合金またはこれらの組合せによって製造されるホイルなどを用いることができるが、かかる種類に限定されない。
【0078】
前記電極活物質層を製造するための電極活物質層用スラリーは、電極活物質、バインダー及び溶媒などを含むことができ、必要に応じて導電材及びその他添加剤などを更に含むことができる。前記電極活物質は、通常用いられる電極活物質をすべて使用可能であり、前記電極が正極に用いられる場合は、リチウムマンガン酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウム鉄酸化物、またはこれらを組み合わせたリチウム複合酸化物などを用いることができるが、これらに限定されない。また、前記電極が負極に用いられる場合は、リチウム金属またはリチウム合金、炭素、石油コーク、活性化炭素、グラファイト、またはその他の炭素類などのようなリチウム吸着物質や、非炭素材である金属、金属合金などを用いることができるが、これらに限定されない。
前記電気化学素子は、電気化学反応をするすべての素子を含み、具体的な例には、全種類の一次・二次電池、燃料電池、太陽電池またはキャパシタなどがある。
【0079】
前記のように製造された電極を用いて電気化学素子を製造する方法の一実施例を挙げれば、通常のポリオレフィン系微細気孔セパレーターを用いず、前記のように製造された有機−無機複合多孔性膜が形成された電極のみを用いて巻取り(winding)または積層(stacking)などの工程によって組み立てた後、電解液を注入することで製造することができる。
【0080】
本発明において、電解液の注入は、最終製品の製造工程及び要求物性に応じて、電気化学素子の製造工程中の適切な段階で行われ得る。即ち、電池の組立ての前または電池の組立ての最終段階などで適用され得る。また、本発明による電極はセパレーターと電極との一体型であるため、従来用いられていたセパレーターが必須に要求されないが、最終電気化学素子の用途及び特性によって、本発明の有機−無機複合多孔性膜が形成された電極が、ポリオレフイン系微細気孔セパレーターとともに組み立てることもできる。
【0081】
前記のような方法によって製造される電気化学素子は、リチウム二次電池が望ましく、前記リチウム二次電池は、リチウム金属二次電池、リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池またはリチウムイオンポリマー二次電池などを含む。
【0082】
実施例
有機−無機複合多孔性膜を備えるセパレーターの製造
ポリスチレン高分子10重量%をメチレンクロライドに添加し、50℃で約12時間以上溶解してバインダー高分子溶液を製造した。製造したバインダー高分子溶液に無機物粒子としてアルミナ粉末を、バインダー高分子と無機物粒子との重量比が10:1となるよう添加して混合した。前記混合額を気孔サイズが1μm以下のフィルターに通過させて界面活性剤のTween20が含まれた水溶液内に落とす。この際、前記水溶液の温度は25℃に維持し、前記水溶液内に落とした溶液が落ちてからすぐ固形化し、無機物粒子の表面がバインダー高分子で囲まれた単位粒子となる。その後、前記水溶液内に増粘剤としてCMCを投入してスラりーを製造し、このように製造されたスラリーを、厚さ12μmのポリエチレン多孔性フィルム(気孔度45%)の両面にディップコーティング方式でコーティングし、80℃の熱を加えて最外郭バインダーはスライトメルティング方式によって結着するようになる。前記製造された有機−無機複合多孔性膜において、無機物粒子の充填率はSEMで観察した写真から計算した結果、70%であった。
【0083】
リチウム二次電池の製造
負極の製造
負極活物質として炭素粉末、結合剤としてポリビニリデンフルオライド(PVdF)、導電材としてカーボンブラック(carbon black)をそれぞれ96重量%、3重量%、1重量%にし、溶剤のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に添加して負極混合物スラリーを製造した。前記負極混合物スラリーを、厚さ10μmの負極集電体である銅(Cu)薄膜に塗布及び乾燥して負極を製造した後、ロールプレス(roll press)を施した。
【0084】
正極の製造
正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物92重量%、導電材としてカーボンブラック4重量%、結合剤としてPVdF 4重量%を、溶剤のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に添加して正極混合物スラリーを製造した。前記正極混合物スラリーを厚さ20μmの正極集電体のアルミニウム(Al)薄膜に塗布及び乾燥して正極を製造した後、ロールプレスを施した。
【0085】
電池の製造
以上製造された電極及び実施例によるセパレーターの製造方法で製造されたセパレーターを積層(stacking)方式を用いて組立て、組み立てられた電池に1Mのリチウムヘキサフロロホスフェート(LiPF6)が溶解されたエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート(EC/EMC=1:2、体積比)系電解液を注入してリチウム二次電池を製造した。
【0086】
実施例2−有機−無機複合多孔性膜を備える電極構造体
有機−無機複合多孔性膜用スラリーの製造
ポリスチレン高分子10重量%をメチレンクロライドに添加して50℃で約 12時間以上溶解させてバインダー高分子溶液を製造した。製造したバインダー高分子溶液に、無機物粒子としてアルミニナ粉末を、バインダー高分子と無機物粒子との重量比が10:1となるように添加して混合した。前記混合液を気孔の大きさが1μm以下のフィルターに通過させて界面活性剤のTween20が含まれた水溶液内に落とす。この際、前記水溶液の温度は25℃に維持し、前記水溶液内に落とした溶液が落ちてからすぐ固形化し、無機物粒子の表面がバインダー高分子で囲まれた単位粒子となる。その後、前記水溶液内に増粘剤としてCMCを投入してスラリーを製造した。
【0087】
負極活物質層用スラリーの製造
負極活物質として炭素粉末を96%、結合剤としてCMC−SBRを3重量%、導電材としてカーボンブラック1重量%を、溶剤の蒸溜水(H2O)に添加して負極活物質用スラリーを製造した。
【0088】
正極活物質層用スラリーの製造
正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)92重量%、導電材としてカーボンブラック4重量%、結合剤としてCMC−SBR 4重量%を、溶剤のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に添加して正極活物質用スラリーを製造した。
【0089】
絶縁層が含まれた電極の製造
厚さ15μmの銅集電体を用意し、前記銅集電体の上に前記負極活物質層用スラリーを塗布して乾燥及び圧着し、続いて、有機−無機複合多孔性膜用スラリーを塗布して80℃の熱を加えて最外郭バインダーをスライトメルティング方式によって結着させ、絶縁層が含まれた電極構造体を製造した。前記製造された有機−無機複合多孔性膜において、無機物粒子の充填率はSEMで観察した写真から計算した結果、70%であった。
また、同様に、15μmのアルミニウム集電体及び前記正極活物質用スラリーを用いて、正極構造体を製造した。
【0090】
前述のように製造されたコーティングされた負極及びコーティングされた正極を積層方式によって組立て、通常のポリオレフィン系セパレーターを別途に用いなかった。組み立てられた電池に、電解液(エチレンカーボネート(EC) /プロピレンカーボネート(PC)/ジエチルカーボネート(DEC)=30/20/50重量%、リチウムヘキサフルオロホスフェート(LiPF6)1モル)を注入して電池を製造した。
【0091】
比較例1
ポリビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF−HFP)高分子を5重量%アセトンに添加し、50℃で約12時間以上を溶解させてバインダー高分子溶液を製造した。製造されたバインダー高分子溶液に、Al2O3粉末をバインダー高分子/Al2O3=10/90の重量比となるように添加して12時間以上ボールミル(ball mill)法を用いて Al2O3粉末を破砕及び分散させてスラリーを製造した。このように製造されたスラリーを、厚さ12μmのポリエチレン多孔性フィルム(気孔度45%)の両面にディップコーティングの方式でコーティングして乾燥させて有機−無機コーティング層を形成し、有機−無機コーティング層が形成されたセパレーターを製造した。
【0092】
比較例2
無機物粒子のAl2O3粉末100重量部に対し、カルボキシメチルセルロースナトリウム(Sodium carboxyl methyl cellulose)2重量部、スチレンブタジエンゴム(Styrene−butadien rubber,SBR)4重量部を溶剤の蒸溜水(H2O)に添加して混合し、約12時間以上溶解させて高分子溶液を製造した。前記高分子溶液を12時間以上ボールミル法を用いてAl2O3粉末を破砕及び分散させて絶縁層用スラリーを製造した。また、厚さ15μmの銅集電体を載置し、前記銅集電体の上に負極活物質層用スラリーを塗布して乾燥及び圧着し、その後絶縁層用スラリーを塗布して乾燥及び圧着して絶縁層が含まれた電極構造体を製造した。
【0093】
<実験例>
有機−無機複合多孔性膜内の無機物粒子と高分子バインダーの分布度評価
断面分析によって、バインダーに結着された無機物粒子が全体的に均一の気孔サイズで構成され、充填率が70%(孔隙率は30%)に計算された。
【符号の説明】
【0094】
1 無機物粒子またはその代替粒子
2 バインダー高分子
3 単位粒子
5 電極活物質
10 多孔性基材
20 電極集電体
11、21 有機−無機複合多孔性膜
22 電極活物質層
【図1】
【図2】
【図3】
【手続補正書】
【提出日】2016年4月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜であって、
無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子とバインダー高分子とを含んでなり、
前記無機物粒子及び前記有機物粒子より選択される少なくとも一つの粒子が、前記粒子の表面を囲んでいるバインダー高分子によって互いに結着されたものであり、
前記無機物粒子及び前記有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子の充填率が60〜70%であることを特徴とする、電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜。
【請求項2】
前記バインダー高分子の含量が、前記無機物粒子及び前記有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子100重量部を基準として1〜30重量部であることを特徴とする、請求項1に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜。
【請求項3】
前記無機物粒子が、誘電率が5以上の無機物粒子、リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子及びこれらの混合物からなる群より選択される一つ以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜。
【請求項4】
前記有機物粒子が、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)からなる群より選択される一種以上であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜。
【請求項5】
前記バインダー高分子が、ポリビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン、ポリビニリデンフルオライド−トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、エチレンビニルアセテート共重合体、ポリエチレンオキサイド、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシルメチルセルロース、アクリロニトリルスチレンブタジエン共重合体、ポリイミド、ポリスチレン及びポリエチレンからなる群より選択される一種以上であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜。
【請求項6】
前記有機−無機複合多孔性膜は、前記バインダー高分子によって前記無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子が充填されて互いに連結されたものであり、
前記粒子間にインタースティシャルボリウムが形成されたものであり、
前記粒子間のインタースティシャルボリウムが空き空間とされた気孔を備えてなることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜。
【請求項7】
前記有機−無機複合多孔性膜の厚さが、0.5〜50μmであることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜。
【請求項8】
電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜の製造方法であって、
無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子の単独又は複数のものがバインダー高分子によって囲まれている単位粒子を形成する段階と、
前記単位粒子に熱を加えて前記単位粒子同士を結着させる段階とを含んでなることを特徴とする、電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜の製造方法。
【請求項9】
前記単位粒子の平均粒径が、0.01〜20μmであることを特徴とする、請求項8に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜の製造方法。
【請求項10】
前記単位粒子内のバインダー高分子の含量が、前記無機物粒子及び有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子100重量部を基準として1〜30重量部であることを特徴とする、請求項8又は9に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜の製造方法。
【請求項11】
前記単位粒子に熱を加える段階が、前記バインダー高分子の溶融温度よりも5〜100℃高い温度で熱を加え、前記単位粒子を結着させることを特徴とする、請求項8〜10の何れか一項に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜の製造方法。
【請求項12】
前記無機物粒子が、誘電率が5以上の無機物粒子、リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子及びこれらの混合物からなる群より選択される一つ以上であることを特徴とする、請求項8〜11の何れか一項に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜の製造方法。
【請求項13】
前記有機物粒子が、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)からなる群より選択される一種以上であることを特徴とする、請求項8〜12の何れか一項に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜の製造方法。
【請求項14】
前記バインダー高分子が、ポリビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン、ポリビニリデンフルオライド−トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、エチレンビニルアセテート共重合体、ポリエチレンオキサイド、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシルメチルセルロース、アクリロニトリルスチレンブタジエン共重合体、ポリイミド、ポリスチレン及びポリエチレンからなる群より選択される一種以上であることを特徴とする、請求項8〜13の何れか一項に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜の製造方法。
【請求項15】
前記有機−無機複合多孔性膜が、前記バインダー高分子によって前記無機物粒子及び前記有機物粒子より選択される少なくとも一つ以上の粒子が充填されて互いに連結されたものであり、
前記粒子間にインタースティシャルボリウムが形成されたものであり、
前記粒子間のインタースティシャルボリウムが空き空間とされた気孔を備えてなることを特徴とする、請求項8〜14の何れか一項に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜の製造方法。
【請求項16】
前記有機−無機複合多孔性膜の厚さが、0.5〜50μmであることを特徴とする、請求項8〜15の何れか一項に記載の電気化学素子用有機−無機複合多孔性膜の製造方法。
【請求項17】
電気化学素子であって、
正極、負極、前記正極と前記負極との間に介されたセパレーターを備えてなり、
前記セパレーターが、請求項1〜7の何れか一項に記載の有機−無機複合多孔性膜であることを特徴とする、電気化学素子。
【請求項18】
電気化学素子であって、
正極、負極、前記正極と前記負極との間に介されたセパレーターを備えてなり、
前記セパレーターが、気孔を有する多孔性基材、及び前記多孔性基材の少なくとも一面に形成された、請求項1〜7の何れか一項に記載の有機−無機複合多孔性膜を備えてなることを特徴とする、電気化学素子。
【請求項19】
電極構造体であって、
電極集電体、
前記電極集電体の少なくとも一面に形成された電極活物質層、及び
前記電極活物質層の他面に形成された、請求項1〜7の何れか一項に記載の有機−無機複合多孔性膜を備えてなることを特徴とする、電極構造体。
【請求項20】
電気化学素子であって、
正極、負極及び電解液を備えてなり、
前記正極及び前記負極の少なくとも一つ以上が、請求項19に記載の電極構造体であることを特徴とする、電気化学素子。
【国際調査報告】

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