(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-534036(P2017-534036A)
(43)【公表日】2017年11月16日
(54)【発明の名称】最小のデッドレグを有する改善されたバルブブロック
(51)【国際特許分類】
F16K 27/00 20060101AFI20171020BHJP
【FI】
F16K27/00 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-525967(P2017-525967)
(86)(22)【出願日】2015年11月13日
(85)【翻訳文提出日】2017年6月16日
(86)【国際出願番号】US2015060656
(87)【国際公開番号】WO2016077740
(87)【国際公開日】20160519
(31)【優先権主張番号】62/080,281
(32)【優先日】2014年11月15日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517114182
【氏名又は名称】バーサム マテリアルズ ユーエス,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 健治
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ マイケル バーッチャー
(72)【発明者】
【氏名】ギルダルド ビバンコ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ジョン シーヒー
【テーマコード(参考)】
3H051
【Fターム(参考)】
3H051AA08
3H051BB10
3H051CC01
3H051CC11
3H051FF01
(57)【要約】
ある側面において、本発明は、装置のパージプロセスの効率を改善する最小のデッドレグを有するか、またはデッドレグのない改善されたバルブブロック設計である。別の側面において、本発明は、前記改善されたバルブブロック設計を組み入れた装置である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の側面と、第二の側面と、第三の側面とを有するハウジングであって、前記第一の側面は前記第二の側面に対向しており、前記第三の側面は、前記第一の側面及び前記第二の側面の両方に隣接して配置されている、前記ハウジングと、
前記第一の側面に設けられた第一のバルブシートと、
前記第一の側面上、かつ前記第一のバルブシートの中で終端する第一の開口部、及び前記第二の側面で終端する第二の開口部を有する第一の管路であって、前記第一の管路は前記第一の開口部及び第二の開口部の間で完全に直線状であり、前記第一の開口部は選択的に開閉可能である、前記第一の管路と、
前記第三の側面に設けられた第二のバルブシートと、
前記第一の管路からある角度で伸びる第二の管路とを備え、
前記第二の管路は前記第一の管路と流体連通しており、前記第二の管路は、前記第二のバルブシートの中の前記第三の側面で終端する開口部を有し、前記第二の管路の前記開口部は選択的に開閉可能である、バルブブロック。
【請求項2】
前記第二の管路が、90℃の角度で前記第一の管路に流体連通して接続されている、請求項1に記載のバルブブロック。
【請求項3】
前記ハウジングが、直方体の形状である、請求項1に記載のバルブブロック。
【請求項4】
前記第一のバルブシート及び前記第二のバルブシートのうちの少なくとも1つが、円筒状のくぼみの形状である、請求項1に記載のバルブブロック。
【請求項5】
液体補給源と、
パージガス源と、
バルブブロックとを備え、前記バルブブロックが、
液体補給源及びパージガス源の両方に流体連通して接続され、かつ、前記バルブブロックの第一の側面に設けられている、第一のポート開口部と、
前記バルブブロックの第二の側面に設けられた第二のポート開口部であって、前記第二の側面が、前記第一の側面に対向して配置されている、前記第二のポート開口部と、
前記第一のポート開口部及び前記第二のポート開口部の間に流体連通して接続された第一の管路部分であって、前記第二のポート開口部が選択的に開閉可能であり、前記第一のポート開口部及び前記第二のポート開口部が軸方向に揃えられている、前記第一の管路部分と、
平行でない角度で前記第一の管路部分から伸びる第二の管路部分とを有し、
前記第二の管路部分は前記第一の管路部分と流体連通しており、前記第二の管路部分は、前記バルブブロックの第三の側面に設けられた第三のポート開口部にて終端し、前記第三のポート開口部は選択的に開閉可能である、装置。
【請求項6】
前記バルブブロックの前記第三の側面が、前記バルブブロックの前記第一の側面及び前記第二の側面の両方に隣接して配置されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第二の管路部分が、90°の角度で前記第一の管路部分から伸びている、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記バルブブロックの前記第二の側面に設けられた第四のポート開口部と、
前記バルブブロックの第四の側面に設けられた第五のポート開口部であって、前記第四の側面が前記第三の側面に対向して配置されている、前記第五のポート開口部と、
前記第四のポート開口部及び前記第五のポート開口部の間に流体連通して接続された第三の管路部分とを更に備える、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記第三の管路部分が、その中に曲げ部を有する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記曲げ部が90°の角度である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
コンテナを更に備え、前記第五のポート開口部が、前記コンテナに流体連通して接続されている、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記バルブブロックの前記第三の側面に設けられた第六のポート開口部と、
前記バルブブロックの第五の側面に設けられた第七のポート開口部であって、前記第五の側面が、前記第一、第二、及び第三の側面の各々に隣接して配置されている、前記第七のポート開口部と、
前記第五のポート開口部及び前記第六のポート開口部の間に流体連通して接続された第四の管路部分とを更に備える、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
前記第四の管路部分が、その中に曲げ部を有する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第四の管路部分の曲げ部が、90°の角度である、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
ベントを更に備え、前記第七のポート開口部が、前記ベントに流体連通して接続されている、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記第一のポート開口部及び前記第二のポート開口部の中心点が、第一の水平面内にあり、
前記第三のポート開口部が第二の水平面内にあり、
前記第二の水平面が、前記第一の水平面の上方に配置されている、請求項5に記載の装置。
【請求項17】
前記第一のポート開口部及び前記第二のポート開口部の中心点が、第一の水平面内にあり、前記第四のポート開口部の中心点が第二の水平面内にあり、前記第一の水平面が、前記第二の水平面の上方に配置されている、請求項8に記載の装置。
【請求項18】
バルブブロックが補充工程を経た後に、バルブブロックにおいてパージ工程を実施する方法であって、前記方法が、
パージガスをバルブブロックの第一の側の表面に設けられた第一のポート開口部を通して前記バルブブロックに輸送して、パージガスが、第二のポート開口部上に一時的に作り出されたシールと接触して第一の管路部分を通して直接的に噴射されるようにする輸送工程を含み、
パージガスが前記シールから跳ね返り、前記第一の管路部分の中を反対方向に移動し、前記第一の管路部分からある角度で伸びた前記バルブブロックの上面で終端する第二の管路部分に入るように、前記第一の管路部分は直線状であり、前記第二のポート開口部は前記バルブブロックの第二の側の表面に設けられており、前記第二の側の表面は、前記バルブブロックの前記第一の側の表面とは反対側に設けられている、前記方法。
【請求項19】
前記輸送工程が、パージガスを少なくとも100リットル毎分の速度で前記バルブブロックに輸送することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記輸送工程が、パージガスを約300リットル毎分の速度で前記バルブブロックに輸送することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記輸送工程の前に、パージガスを少なくとも50℃に加熱することを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記輸送工程の前に、パージガスを少なくとも50℃に加熱することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本件は、完全に記載されたかのように参照により本開示に組み入れられる、2014年11月15日に出願された、米国仮特許出願第62/080,281号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイス製造産業は、集積回路及び他の電子デバイスを作製するための原料又は前駆体としての種々の液体化学品を要求する。電子デバイス作製プロセス中に用いられる種々の液体化学品は、電子製造産業の厳しい要求を満たすために、一緒に混合されず、高純度で個別に維持されることが重要である。
【0003】
電子デバイス作製プロセス中に、これらの種々の液体化学品は、管路及びポート(開口部)の共通のシステムを介して、化学コンテナと1つ又はそれより多くのバルブ含有マニホールドとの間で繰り返し運ばれる。したがって、作製プロセス中の異なる段階において、新たな化学品が装置に導入される前に、装置の中の全ての湿潤表面から特定の化学品を除去する必要がある。これは、一般的には、装置を通して強められたパージガスの使用により達成される。
【0004】
本技術分野に関連する用語として、「衝突されないデッドレグ」は、パージガスが直接的に噴射されることができないパイプ又は管路システムの部分である。既存の装置において、管路及びポートの形状のために、1つ又はそれより多くの衝突されないデッドレグが、パージ工程中に装置中に存在する。装置中の1つ又はそれより多くの衝突されないデッドレグの存在は、パージ工程が、装置の湿潤表面から全ての化学品を十分に除去するために、より長い期間の間起こらなければならない(追加のパージガスが用いられなければならない)ため、システムのパージ効率を低減させる。
【0005】
したがって、これらの装置のパージ効率を増大させる改善された装置及び方法に対する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
本概要は、以下の詳細な説明に更に記載される簡易化された形態での本発明の側面の選択を導入するために与えられる。
【0007】
態様1:第一の側面と、第二の側面と、第三の側面とを有するハウジングであって、第一の側面は第二の側面に対向しており、第三の側面は、第一の側面及び第二の側面の両方に隣接して配置されている、前記ハウジングと、
第一の側面に設けられた第一のバルブシートと、
第一の側面上、かつ第一のバルブシートの中で終端する第一の開口部、及び第二の側面で終端する第二の開口部を有する第一の管路であって、第一の管路は直線状であり、第一の開口部は選択的に開閉可能である、第一の管路と、
第三の側面に設けられた第二のバルブシートと、
第一の管路からある角度で伸びる第二の管路とを備え、
第二の管路は第一の管路と流体連通しており、第二の管路は、第二のバルブシートの中の第三の側面で終端する開口部を有し、第二の管路の開口部は選択的に開閉可能である、バルブブロック。
【0008】
態様2:第二の管路が、90°の角度で第一の管路に流体連通して接続されている、態様1に記載のバルブブロック。
【0009】
態様3:ハウジングが、直方体の形状である、態様1又は2に記載のバルブブロック。
【0010】
態様4:第一のバルブシート及び第二のバルブシートのうちの少なくとも1つが、円筒状のくぼみの形状である、態様1〜3のいずれかに記載のバルブブロック。
【0011】
態様5:液体補給源と、
パージガス源と、
バルブブロックとを備え、バルブブロックが、
液体補給源及びパージガス源の両方に流体連通して接続され、かつ、バルブブロックの第一の側面に設けられている、第一のポート開口部と、
バルブブロックの第二の側面に設けられた第二のポート開口部であって、第二の側面が、第一の側面に対向して配置されている、第二のポート開口部と、
第一のポート開口部及び第二のポート開口部の間に流体連通して接続された第一の管路部分であって、第二のポート開口部が選択的に開閉可能であり、第一のポート開口部及び第二のポート開口部が軸方向に揃えられている、第一の管路部分と、
平行でない角度で第一の管路部分から伸びる第二の管路部分とを有し、
第二の管路部分は第一曲げ部の管路部分と流体連通しており、第二の管路部分は、バルブブロックの第三の側面に設けられた第三のポート開口部にて終端し、第三のポート開口部は選択的に開閉可能である、装置。
【0012】
態様6:バルブブロックの第三の側面が、バルブブロックの第一の側面及び第二の側面の両方に隣接して配置されている、態様5に記載の装置。
【0013】
態様7:第二の管路部分が、90°の角度で第一の管路部分から伸びている、態様5又は6に記載の装置。
【0014】
態様8:バルブブロックの第二の側面に設けられた第四のポート開口部と、
バルブブロックの第四の側面に設けられた第五のポート開口部であって、第四の側面が第三の側面に対向して配置されている、第五のポート開口部と、
第四のポート開口部及び第五のポート開口部の間に流体連通して接続された第三の管路部分とを更に備える、態様5〜7のいずれかに記載の装置。
【0015】
態様9:前記第三の管路部分が、その中に曲げ部を有する、態様8に記載の装置。
【0016】
態様10:曲げ部が90°の角度である、態様9に記載の装置。
【0017】
態様11:コンテナを更に備え、第五のポート開口部が、コンテナに流体連通して接続されている、態様8〜10のいずれかに記載の装置。
【0018】
態様12:バルブブロックの第三の側面に設けられた第六のポート開口部と、
バルブブロックの第五の側面に設けられた第七のポート開口部であって、第五の側面が、第一、第二、及び第三の側面の各々に隣接して配置されている、第七のポート開口部と、
第五のポート開口部及び第六のポート開口部の間に流体連通して接続された第四の管路部分とを更に備える、態様8〜11のいずれかに記載の装置。
【0019】
態様13:前記第四の管路部分が、その中に曲げ部を有する、態様12に記載の装置。
【0020】
態様14:第四の管路部分の曲げ部が、90°の角度である、態様13に記載の装置。
【0021】
態様15:ベントを更に備え、第七のポート開口部が、ベントに流体連通して接続されている、態様12〜14のいずれかに記載の装置。
【0022】
態様16:第一のポート開口部及び第二のポート開口部の中心点が、第一の水平面内にあり、第三のポート開口部が第二の水平面内にあり、第二の水平面が、第一の水平面の上方に配置されている、態様5〜15のいずれかに記載の装置。
【0023】
態様17:第一のポート開口部及び第二のポート開口部の中心点が、第一の水平面内にあり、第四のポート開口部の中心点が第二の水平面内にあり、第一の水平面が、第二の水平面の上方に配置されている、態様8〜15のいずれかに記載の装置。
【0024】
態様18:バルブブロックが補充工程を経た後に、バルブブロックにおいてパージ工程を実施する方法であって、方法が、
パージガスをバルブブロックの第一の側の表面に設けられた第一のポート開口部を通してバルブブロックに輸送して、パージガスが、第二のポート開口部上に一時的に作り出されたシールと接触して第一の管路部分を通して直接的に噴射されるようにする輸送工程を含み、
パージガスがシールから跳ね返り、第一の管路部分の中を反対方向に移動し、第一の管路部分からある角度で伸びたバルブブロックの上面で終端する第二の管路部分に入るように、第一の管路部分は直線状であり、第二のポート開口部はバルブブロックの第二の側の表面に設けられており、第二の側の表面は、バルブブロックの第一の側の表面とは反対側に設けられている、方法。
【0025】
態様19:輸送工程が、パージガスを少なくとも100リットル毎分の速度でバルブブロックに輸送することを更に含む、態様18に記載の方法。
【0026】
態様20:輸送工程が、パージガスを約300リットル毎分の速度でバルブブロックに輸送することを更に含む、態様18に記載の方法。
【0027】
態様21:輸送工程の前に、パージガスを少なくとも50℃に加熱することを更に含む、態様19又は20に記載の方法。
【0028】
態様22:輸送工程の前に、パージガスを少なくとも50℃に加熱することを更に含む、態様18に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明は、同様の参照番号が同様の要素を示す、添付の図面に関連してこれ以降で記載される。
【
図1】
図1は、従来時術による一対のバルブブロックを含むコンテナマニホールド装置をホストする補給マニホールドの概略図である。
【
図2】
図2は、従来技術によるバルブブロックを含むコンテナマニホールド装置をホストする補給装置の概略図である。
【
図3】
図3は、本発明による改善されたバルブブロックを含むコンテナマニホールド装置をホストする補給マニホールドの概略図である。
【
図4】
図4は、従来技術によるバルブブロックを含むバルク化学キャビネットの中に配置されたマニホールドの一部の概略図である。
【
図5】
図5は、本発明による改善されたバルブブロックを含むバルク化学キャビネットの中に配置されたマニホールドの一部の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の詳細な説明は、好ましい例示的な実施態様のみを与え、本発明の範囲、適用可能性又は構成を制限することは意図されない。むしろ、以下の好ましい例示的な実施態様の詳細な説明は、本発明の好ましい例示的な実施態様を実行することを可能にする記載を当業者に与える。種々の変更が添付の特許請求の範囲に記載される本発明の精神及び範囲から逸脱しない要素の機能及び配列においてなされることが可能である。
【0031】
本明細書及び添付の特許請求の範囲の目的に関して、「高速パージ」という用語は、100リットル毎分又はそれより大きい速度で輸送されるパージガスを用いるパージ工程を意味する。
【0032】
本明細書及び添付の特許請求の範囲の目的に関して、「管路」という用語は、装置の2つ又はそれより多くの構成要素間で流体を輸送することができる1つ又はそれより多くの構造を指す。例えば、管路としては、装置の至るところで変化する圧力において液体及び/又はガス輸送するパイプ、ダクト、マニホールド、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0033】
本明細書及び添付の特許請求の範囲の目的に関して、「流体連通」という用語は、液体及び/又はガスを制御された方法で構成要素間を輸送することを可能にする2つ又はそれより多くの構成要素の間の連結性を指す。2つ又はそれより多くの構成要素を互いに流体連通するように連結することは、フランジ管路、ガスケット及び/又はボルトを用いた方法等、当分野で知られている任意の適切な方法を含むことができる。
【0034】
本出願人は、化学コンテナ及びマニホールドの間、又は一対のマニホールド間で接続された全ての湿潤表面を乾燥させることに関するパージ効率を改善するために用いることができる、改善されたバルブブロック設計及びこれに関する装置を開発した。改善されたバルブブロック設計は、装置の中の全ての湿潤表面をパージするのに必要な時間を十分に低減するのに用いることができる幾つかの特徴を含む。バルブブロック設計は、デッドレグをなくし、または最小限のデッドレグを導入し、かつ、任意の最小のデッドレグに十分に衝突を与える。それは、ベント路の長さの著しい低減も可能にするため、液体化学品により湿潤された管路の表面積の全量を著しく低減させる。
【0035】
本発明によるバルブブロックは、単一バルブブロック又はハウジングの中に設けられた一対のバルブを有する(バルブシートは、(例えば直方体の形状であるハウジングの隣接表面上で)互いに対して90°差で配向される)ことにより、これらの改善を達成する。補給マニホールドがバルブブロックを通るホストコンテナに接続された、装置において用いられる際、一対のバルブの存在を、パージ工程中に全てのデッドレグが十分に衝突されることを確実にする90°間隔に設定し、それによってより効率的なパージプロセスを実施する。具体的には、パージガスがシステムに入る途中の管路は、コンテナと流体連通しているポート開口部と直線上に揃えられる。このポート開口部は、パージプロセス中に閉じられているため、このポート開口部に隣接して配置された最小のデッドレグは、前記ポート開口部が閉じられている場合にパージガスにより十分に衝突される。したがって、より少ないパージガスを用いることができ、パージプロセスはより素早く起こることができ、省エネルギーを実現することができる。これは、バルブシートがハウジングの反対側に設けられている、知られている従来技術の装置(
図1及び2を参照)と対比される。この従来技術のデバイスにおける配列は、共通の背中合わせの液体路の両方の半分への衝撃を可能とせず、一方で(パージガス源又は補給装置からの)パージガスは、バルブブロックの中を移動し、これによってより大きなパージ時間並びに増加したエネルギー及びパージガスの消費を要求する。加えて、90°間隔でバルブを設けることは、液体(排出)路を非常に短く維持することを可能にし、これによって湿潤された、ひいては乾燥されるべき管路表面積の量を大きく低減する。このことは、乾燥されるべき比較できるほどにはるかに長い液体(排出)路を有する、知られている従来技術の装置(
図4を参照)と対比される。
【0036】
図1は、ホストコンテナマニホールド12及び補給マニホールド42の間の接続部40を含む従来技術の装置10の概略図である。この装置10において、ホストコンテナマニホールド12及び補給マニホールド42は、バルブブロック12の一対のバルブシート37、38、及びバルブブロック42の一対のバルブシート67、68がその各々のハウジングの反対側に設けられている、従来技術による同一のバルブブロックで構成されている。
【0037】
バルブブロック12(ホストコンテナマニホールド)は、バルブブロック12の側面で終端し、かつ、バルブブロック42(補給マニホールド)に接続部40を介して流体連通して接続された開口部14を含む。開口部14は、T‐接続部16に流体連通して接続された管路部分15に流体連通して接続される。T‐接続部16は、第一の部分18及び第二の部分19を含む管路部分17とも流体連通して接続される。
【0038】
バルブブロック12のある側には、バルブ制御機構(図示せず)の配置を収容する円筒状のくぼみ20を含むバルブシート37がある。円筒状のくぼみ20は、開口部22、23が終端する表面21を含む。開口部22は、管路部分17の第一の部分18と流体連通している。バルブ制御機構は、開口部22と係合可能なダイアフラムを含むため、開口部22の選択的な開閉を可能にする。バルブブロック12の反対側には、第二のバルブ制御機構(図示せず)の配置を収容する円筒状のくぼみ24を含むバルブシート38がある。円筒状のくぼみ20のように、円筒状のくぼみ24は、表面と表面で終端する2つの開口部とを有する(表面及び開口部は
図1には示されていない)。2つの開口部のうちの中心の1つは、管路部分17の第二の部分19と流体連通しており、2つの開口部のうちの中心でない1つは、管路部分25と流体連通している。第二のバルブ制御機構は、円筒状のくぼみ24の表面上の2つの開口部のうちの中心を選択的に開閉するのに用いられる。
【0039】
管路部分25は、曲げ部26を介して管路部分27と流体連通しており、管路部分27は、開口部14の反対側のバルブブロック12の側面上の開口部28と流体連通している。開口部28は、接続部29を介してコンテナ30と流体連通している。円筒状のくぼみ20の表面21に設けられた開口部23は、管路部分31と流体連通しており、管路部分31は、曲げ部32を介して管路部分33と流体連通している。管路部分33は、バルブブロック12の側面に設けられた開口部34と流体連通しており、開口部34は、接続部35を介してベント36と流体連通している。この実施態様において、T‐接続部16及び曲げ部26、32は、90°の角度でそれぞれ接続された管路部分を配向させる。
【0040】
バルブブロック42(補給マニホールド)は、バルブブロック42の側面で終端し、かつ、バルブブロック12(ホストコンテナマニホールド)に接続部40を介して流体連通して接続された開口部44を含む。開口部44は、T‐接続部46に流体連通して接続された管路部分45に接続される。T‐接続部46は、管路部分47とも流体連通して接続される。
【0041】
バルブブロック42のある側には、バルブ制御機構(図示せず)の配置を収容する円筒状のくぼみ50を含むバルブシート67がある。円筒状のくぼみ50は、開口部52、53が終端する表面51を含む。開口部52は、管路部分47の第一の端部と流体連通している。バルブ制御機構が、開口部52と係合可能なダイアフラムを含むため、開口部52の選択的な開閉が可能となる。バルブブロック42の反対側には、第二のバルブ制御機構(図示せず)の配置を収容する円筒状のくぼみ54を含むバルブシート68がある。円筒状のくぼみ50のように、円筒状のくぼみ54は、表面と表面で終端する2つの開口部とを有する(表面及び開口部は、
図1では示されていない)。2つの開口部のうちの中心の1つは、管路部分47の1つの端部と流体連通しており、2つの開口部のうちの中心でない1つは、管路部分55と流体連通している。第二のバルブ制御機構は、円筒状のくぼみ54の表面上の2つの開口部のうちの中心を選択的に開閉するのに用いられる。
【0042】
管路部分55は、曲げ部56を介して管路部分57と流体連通しており、管路部分57は、開口部44の反対側のバルブブロック42の側面上の開口部58と流体連通している。開口部58は、接続部59を介して補充(CG)装置60と流体連通している。円筒状のくぼみ50の表面51に設けられた開口部53は、管路部分61と流体連通しており、管路部分61は、曲げ部62を介して管路部分63と流体連通している。管路部分63は、バルブブロック42の側面に設けられた開口部64と流体連通しており、開口部64は、接続部65を介してパージガス源66と流体連通している。T‐接続部46及び曲げ部56、62は、90°の角度にて各々接続された管路部分を配向させる。
【0043】
装置10の補給工程中、化学品は、補充(CG)装置60から輸送され、バルブブロック42を通過し、コネクタ40の中を移動し、開口部14を介してバルブブロック12に入り、管路部分15、17、25、27の中を移動し、開口部28を介してバルブブロック12から出て、接続部29を介してコンテナ30に輸送される。この工程中、開口部22は閉じられており、かつ、バルブシート38と対応する中心開口部は開かれており、液体化学品は、管路部分17の第一の部分18及び第二の部分19の両方の表面を不可避的に湿潤させる。
【0044】
装置10のパージ工程中、バルブブロック(ホストコンテナマニホールド)12の円筒状のくぼみ20と対応する2つの開口部のうちの中心の1つは閉じられており、開口部22は、パージガスが開口部22、23を通って移動し、管路部分31、33を通過し、開口部34を通ってバルブブロック12から出て、接続部35の中を移動し、ベント36に到達することができるように、開かれている。パージガスは、開口部14を介してバルブブロック12に入り、第二の部分19に対して直角に配向された管路部分15内に移動する。管路部分15及び第二の部分19の間の90°の屈曲のために、
図1の装置10がパージ工程を受ける際に、管路部分17の第二の部分19は、衝突されないデッドレグである。なぜならば、管路部分15の中を移動するパージガスは、(予め湿潤されている)第二の部分19内に直接的に噴射されないが、代わりに、第二の部分19内に弱く部分的にだけ分配されるからである。したがって、第二の部分19の湿潤表面を含む装置10の湿潤表面を完全に乾燥させるために、多量のパージガスが用いられなければならず、長いパージサイクルが起こらなければならない。
【0045】
図2は、ホストコンテナマニホールド72を含む従来技術の装置70の概略図である。この装置70において、ホストコンテナマニホールド72は、
図1に示された従来技術のバルブブロック12、42と同一である。
【0046】
バルブブロック72(ホストコンテナマニホールド)は、バルブブロック72の側面で終端し、かつ、補充(CG)装置98及びパージガス源101の両方に接続部97を介して流体連通して接続された開口部74を含む。開口部74はT‐接続部76に流体連通して接続された管路部分75に接続される。T‐接続部76は、第一の部分78及び第二の部分79を含む管路部分77とも流体連通して接続される。
【0047】
バルブブロック72のある側には、バルブ制御機構(図示せず)の配置を収容する円筒状のくぼみ80を含むバルブシート99がある。円筒状のくぼみ80は、開口部82、83が終端する表面81を含む。開口部82は、管路部分77の第一の部分78と流体連通している。バルブ制御機構は、開口部82の選択的な開閉を可能にする。バルブブロック72の反対側には、第二のバルブ制御機構(図示せず)の配置を収容する円筒状のくぼみ84を含むバルブシート100がある。円筒状のくぼみ80のように、円筒状のくぼみ84は、表面と表面で終端する2つの開口部とを有する(表面及び開口部は、
図2において示されていない)。2つの開口部のうちの中心の1つは、管路部分77の第二の部分79と流体連通しており、2つの開口部のうちの中心でない1つは、管路部分85と流体連通している。第二のバルブ制御機構は、円筒状のくぼみ84の表面上の開口部のうちの中心の1つを選択的に開閉するのに用いられる。
【0048】
管路部分85は、曲げ部86を介して管路部分87と流体連通しており、管路部分87は、開口部74の反対側のバルブブロック72の側面上の開口部88と流体連通している。開口部88は、接続部89を介してコンテナ90と流体連通している。円筒状のくぼみ80の表面81に設けられた開口部83は、曲げ部92を介して管路部分93と流体連通している管路部分91と流体連通している。管路部分93は、バルブブロック72の側面に設けられた開口部94と流体連通しており、開口部94は、接続部95を介してベント96と流体連通している。T‐接続部76及び曲げ部86、92は、90°の角度にて各々接続された管路部分を配向させる。
【0049】
図1に示された従来技術の装置のように、管路部分75及び第二の部分79の間の90°の屈曲のために、
図2の装置70がパージ工程を受けている際、管路部分77の第二の部分79は、衝突されないデッドレグである。なぜならば、管路部分75の中を移動するパージガスは、(予め湿潤されている)第二の部分79内に直接的に噴射されないが、代わりに、第二の部分79に弱く部分的にだけ分配されるからである。したがって、第二の部分79の湿潤表面を含む装置70の湿潤表面の全てを完全に乾燥させるために、多量のパージガスが用いられなければならず、長いパージサイクルが起こらなければならない。
【0050】
図3を参照して、本発明による改善されたバルブブロック112を含むコンテナマニホールド装置110をホストする補給マニホールドが詳細に記載される。
【0051】
本発明によるバルブブロック112は、略立方、球、若しくは卵形形状又は不規則形状を含む他のハウジング形状が、本発明の範囲内で可能であるが、略直方体形状であるハウジング114を含む。この実施態様において、ハウジング114は、円筒状のくぼみ118を含むバルブシート117を含む第一の側面116を含む。円筒状のくぼみ118は、開口部122、124が終端する表面120と、第一の側面116と対向する第二の側面126とを含む。円筒状のくぼみ118は、バルブ制御機構(図示せず)の配置を収容する。バルブ制御機構は、開口部122と完全に係合可能なダイアフラムを介して開口部122の選択的な開閉を可能にする。
【0052】
開口部122は、T‐接続部146に流体連通して接続された管路部分144に流体連通して接続される。T‐接続部146は、第一の部分150及び第二の部分152を含む管路部分148とも流体連通して接続される。バルブブロック112は、円筒状のくぼみ130を含むバルブシート129を含む第三の側面128を更に含む。円筒状のくぼみ130は、開口部134、136が終端する表面132と、第三の側面128と対向する第四の側面138と、第五の側面140と、第五の側面140と対向する第六の側面142とを含む。円筒状のくぼみ130は、第二のバルブ制御機構(図示せず)の配置を収容する。第二のバルブ制御機構は、開口部134と完全に係合可能なダイアフラムを介して開口部134を選択的に開閉するのに用いられる。開口部134は、管路部分148の第一の部分150と流体連通しており、開口部136は、管路部分160と流体連通している。この実施態様において、バルブ制御機構のアタッチメントを収容するバルブシート117、129の円筒状のくぼみ118、130は、
図1及び2の従来技術の実施態様に示されるようなバルブブロックのハウジングの反対側ではなく、ハウジング114の隣接する側面(すなわち、第一の側面116及び第三の側面128)に設けられる。この実施態様において、開口部134、154は軸方向に並べられる。すなわち、開口部134、154の中心点は、(管路部分148の体積の中心を通って描くことができる線を介して)同じ軸線に沿って並べられる。
【0053】
管路部分148の第二の部分152は、バルブブロック112の第四の側面138に設けられた開口部154と流体連通しており、開口部154は、接続部156を介して補給マニホールド158及びパージガス源159の両方と流体連通している。管路部分160は、曲げ部162を介して管路部分164と流体連通しており、管路部分164は、ハウジング114の第二の側面126に設けられた開口部166と流体連通している。開口部166は、接続部168を介してコンテナ170と流体連通している。円筒状のくぼみ118の表面120に設けられた開口部124は、曲げ部174を介して管路部分176と流体連通している管路部分172と流体連通している。管路部分176は、ハウジング114の第五の側面140に設けられた開口部178と流体連通しており、開口部178は、接続部180を介してベント182と流体連通している。この実施態様において、T‐接続部146及び曲げ部162、174は、90°の角度にて各々接続された管路部分を配向させる。代わりの実施態様において、T‐接続部146及び/又は曲げ部162、174は、90°の角度にて各々接続された管路部分を配向させる必要はないが、代わりに、45〜135°のいずれかの角度で各々接続された管路部分を配向させることができることを理解されたい。
【0054】
図3の装置110において、コンテナ170が補充マニホールド158からバルブブロック112を通って補給される際、開口部134は開かれており、開口部122は閉じられている。この工程において、液体化学品は、開口部154を介してバルブブロック112に入り、管路部分148の中を移動し、開口部134から出て、開口部136に入り、管路部分160、164の中を移動し、開口部166を介してバルブブロック112から出て、接続部168を通ってコンテナ170に輸送される。装置110において、液体が、開口部134から開口部136へ、次いで下向きにコンテナ170に重力により自然に流れるように、開口部136が開口部134の下方に物理的に配置されていることは、従来技術を上回る改善である。このことは、
図1及び2に示された従来技術のデバイス中の各各々のバルブシートの中の一対の開口部(これらの開口部は同一水平面内に配置され、バルブブロックから出る液体の自然な動きを促進しない)の配向と対比される。
【0055】
更に、
図1及び2に示される従来技術の装置10、70とは異なり、本発明による
図3の装置110がパージ工程を受けている際、パージガス源159からのパージガスは、接続部156を通って管路部分148に輸送され、(予め湿潤されている)管路部分148の両方の部分150、152は、十分に衝突される。すなわち、衝突されないデッドレグはない。パージ工程中に、開口部134は閉じられており、開口部122は、パージガスが管路部分144に入り、開口部122、124を通って移動し、管路部分172、176の中を移動し、開口部178を通ってバルブブロック112を出て、接続部180の中を移動し、ベント182に到達することができるように開いている。パージガスは、開口部154を介してバルブブロック112に入り、最初に管路部分148の第二の部分152に入る。この実施態様において、管路部分148の第二の部分152は、第一の部分150と直線状に(軸方向に)並べられる。
図3の装置110がパージ工程を受けている際に、管路部分148の第一の部分150は、開口部154を介してバルブブロック112に入っているパージガスにより十分に衝突される。パージガスは、開口部154をシールするバルブ制御機構のダイアフラムと接触して直接的に噴射され、パージガスは、次いでそれが管路部分144に入る前に、管路部分148の第一の部分150を通って反対方向に跳ね返るはずである。第一の部分150が本装置110内で十分に衝突されるため、第一の部分150の湿潤表面を含む全ての湿潤表面を完全に乾燥させるために、パージガスのはるかに少ない量を用いることができ、はるかに短いパージサイクルが起こることができる。
【0056】
図4は、従来技術のマニホールド装置210の一部の概略図である。装置210は、バルク化学コンテナと結びつくバルク化学キャビネット内に設けられたマニホールドの中に配置された2つのバルブブロック212、252の間の接続部250を含む。当業者に理解されるように、バルク化学キャビネットは、ツールが、ホストコンテナ内で利用可能であった化学品を使い果たした後に、ホストコンテナを補充するホストコンテナマニホールドに化学品を提供するために用いられる。
【0057】
バルブブロック212は、バルブ制御機構(図示せず)の配置を収容する円筒状のくぼみ214を有するバルブシート213を含む。円筒状のくぼみ214は、開口部218、220が終端する表面216を含む。バルブ制御機構は、開口部218と完全に係合可能なダイアフラムを介して開口部218を選択的に開閉するのに用いられる。開口部218は管路部分234に流体連通して接続され、管路部分234は曲げ部236を介して管路部分238に流体連通して接続される。管路部分238は、管路部分238が、接続部250を介してバルブブロック252の管路部分276と流体連通して接続されるように、バルブブロック212の側面に設けられた貫通孔240を通って延在する。開口部220は管路部分222に流体連通して接続され、管路部分222は曲げ部224を介して管路部分226に流体連通して接続される。管路部分226は開口部228と流体連通して接続され、開口部228は接続部230を介して減圧ベント232と流体連通して接続される。
【0058】
バルブブロック252は、第二のバルブ制御機構(図示せず)の配置を収容する円筒状のくぼみ254を有するバルブシート253を含む。円筒状のくぼみ254は、(開口部258、
図4に示されていない他の開口部を含む)2つの開口部が終端する表面256を含む。第二のバルブ制御機構は、開口部258を選択的に開閉するのに用いられる。開口部258は管路部分272に流体連通して接続され、管路部分272はT‐接続部274に流体連通して接続される。T‐接続部274は、管路部分276及び管路部分280とも流体連通して接続される。管路部分276は、上記のようにバルブブロック252の側面に設けられた貫通孔278を通って延在し、接続部250を介してバルブブロック212の管路部分238と流体連通して接続される。
【0059】
管路部分280は開口部282と流体連通して接続され、開口部282は接続部284を介してコンテナ286と流体連通している。円筒状のくぼみ254の表面256上の中心でない開口部(図示せず)は管路部分260に流体連通して接続され、管路部分260は曲げ部262を介して管路部分264に流体連通して接続される。管路部分264は開口部266と流体連通して接続され、開口部266は接続部268を介してアウトレットマニホールド270と流体連通して接続される。この実施態様において、T‐接続部274及び曲げ部224、236、262は、90°の角度にて各々接続された管路部分を配向させる。
【0060】
図4に示されるように、従来技術の装置210の動作中に化学品により湿潤されるベント路の部分の長さA及びBの合計は、非常に長い。明確性の目的のために、長さAは(開口部258の面積の中心と管路部分276の断面積の中心との間で測定される)バルブブロック252の管路部分272の長さと対応し、長さBは(開口部218の面積の中心と開口部258の面積の中心との間で測定される)バルブブロック212の管路部分238とバルブブロック252の管路部分276との組み合わせた長さと対応する。
【0061】
図5は、バルク化学キャビネットの中に配置されたマニホールド装置310であって、装置310が本発明による改善されたバルブブロック112(
図3を参照)を含む、装置の一部の概略図である。この装置310内で用いる際、バルブブロック112の第四の側面138で終端する開口部154は、接続部312を介してコンテナマニホールド314と流体連通して接続されており、バルブブロック112の第二の側面126で終端する開口部166は、接続部316を介してアウトレットマニホールド318と流体連通して接続され、バルブブロック112の第五の側面140で終端する開口部178は、接続部320を介してベント322と流体連通して接続される。
【0062】
図5に示されるように、本発明によるマニホールド装置310の動作中に化学品により湿潤されるベント路の部分の長さA’及びB’の合計は、
図4に示される従来技術の装置210のベント路の部分の長さA及びBの合計よりはるかに短い。明確性の目的のために、長さA’は(開口部134の面積の中心と管路部分144の断面積の中心との間で測定される)バルブブロック112の管路部分148の長さと対応し、長さB’は(開口部122の面積の中心と開口部134の面積の中心との間で測定される)バルブブロック112の管路部分144の長さと対応する。本発明によるバルブブロック112の形状は、全体のベント路長さ(すなわち、長さA’及びB’の合計)の十分な低減を許容する。この実施態様において、長さA’及びB’の合計の値は、長さA及びBの合計の値の約10パーセントである。本発明の改善されたバルブブロック112により可能になったベント路の長さの低減は、(詳しくは上記で議論される、全てのデッドレグが十分に衝突されるという事実と相まって)パージ工程中に乾燥されなくてはならない湿潤表面の全表面積を大いに低減し、これによってパージプロセスの効率を大いに向上させる。
【0063】
本発明の第一の更なる側面は、本開示で上記に記載された装置、又は本件で開示されていない他の装置内の全ての湿潤表面のパージ時間を最小化する、高速パージガスを用いる方法である。高速パージ(パージガスが、少なくとも100リットル毎分の速度で装置に輸送される)を用いることにより、出願人は、パージプロセスを実施するのに必要な時間の長さを大いに低減することができることを決定した。好ましくは、高速パージ工程は、100〜1000リットル毎分、より好ましくは200〜750リットル毎分、更により好ましくは250〜500リットル毎分、及び最も好ましくは300リットル毎分の流速で起こる。
【0064】
例#1
従来技術によるバルブブロック12を組み入れる従来技術の装置において、パージ工程は、1分当たり約10リットルの標準速度にて導入されるパージガスを用いて実施された。出願人らは、約3〜7日の継続時間が、これらのパラメータにしたがって装置の全ての湿潤表面を完全に乾燥させるために典型的に要求されることを決定した。それにひきかえ、本発明による装置70(すなわち、バルブブロック72を組み入れている)が、パージガスが約300リットル毎分で導入されるパージ工程を受ける際、装置70の中の全ての湿潤表面を乾燥させるのに要求される継続時間は、2〜4時間に短縮される。
【0065】
本発明の第二の更なる側面は、窒素ガス(N2)が加熱され、次いで本開示で上記に記載された装置、又は本件に開示されていない他の装置内でパージガスとして用いられることによる方法である。幾つかの実施態様において、窒素ガスは、パージ工程の前に少なくとも50℃に加熱される。少なくとも50℃に加熱された窒素ガスは、低速単独、または上記に記載された高速パージとの組み合わせで用いることができる。出願人らは、装置から除去することがより容易であるような点に前記メディアの蒸気圧を上昇させるために、パージされているメディアの温度に近い温度にパージガスを加熱することが望ましいことを見出した。
【0066】
例#2
従来技術によるバルブブロック12を組み入れた従来技術の装置において、パージ工程は、約10リットル毎分の標準速度で導入される環境温度(約20℃)のパージガスを用いて実施された。出願人らは、約3〜7日の継続時間が、これらのパラメータにしたがって装置の全ての湿潤表面を完全に乾燥させるために、典型的に要求されることを決定した。それにひきかえ、本発明による装置70(すなわち、バルブブロック72を組み入れている)が、パージガスが50℃に加熱され、約200リットル毎分で導入されるパージ工程を受ける際、装置70の中の全ての湿潤表面を乾燥させるのに要求される継続時間は、2〜4時間に短縮される。
【0067】
本発明の原理が好ましい実施態様と関連して上記で記載されてきた一方、この記載は本発明の範囲の制限としてではなく単に例示であることが明確に理解されるであろう。
【国際調査報告】