特表2020-508856(P2020-508856A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-508856(P2020-508856A)
(43)【公表日】2020年3月26日
(54)【発明の名称】水処理分離膜およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 71/56 20060101AFI20200303BHJP
   B01D 69/12 20060101ALI20200303BHJP
   B01D 69/02 20060101ALI20200303BHJP
   C02F 1/44 20060101ALI20200303BHJP
   C08G 69/26 20060101ALI20200303BHJP
   C08J 9/42 20060101ALI20200303BHJP
【FI】
   B01D71/56
   B01D69/12
   B01D69/02
   C02F1/44 A
   C08G69/26
   C08J9/42CER
   C08J9/42CEZ
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】46
(21)【出願番号】特願2019-544645(P2019-544645)
(86)(22)【出願日】2018年4月18日
(85)【翻訳文提出日】2019年8月19日
(86)【国際出願番号】KR2018004467
(87)【国際公開番号】WO2018194354
(87)【国際公開日】20181025
(31)【優先権主張番号】10-2017-0050529
(32)【優先日】2017年4月19日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ビュン、ウンキョン
(72)【発明者】
【氏名】シン、チョン キュ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ヨンジュ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ヒュンジュン
【テーマコード(参考)】
4D006
4F074
4J001
【Fターム(参考)】
4D006GA03
4D006GA06
4D006GA07
4D006HA01
4D006HA21
4D006HA41
4D006HA61
4D006MA01
4D006MA02
4D006MA03
4D006MA06
4D006MB02
4D006MB06
4D006MC51X
4D006MC56X
4D006MC62
4D006MC88
4D006NA41
4D006NA49
4D006PB02
4D006PB08
4D006PC51
4D006PC80
4F074AA71
4F074AA87
4F074CE16
4F074CE65
4F074DA24
4F074DA43
4J001DA01
4J001DB09
4J001DC26
4J001EB34
4J001EB36
4J001EB37
4J001EB67
4J001EC02
4J001EC44
4J001EC45
4J001EC46
4J001EC77
4J001EE42A
4J001EE44A
4J001FA01
4J001FB03
4J001FC06
4J001GA16
4J001JA20
(57)【要約】
本明細書は、多孔性支持体と、前記多孔性支持体上に備えられたポリアミド活性層と、を含む水処理分離膜であって、前記ポリアミド活性層は、化学式1で表される単位、化学式2で表される単位、化学式3で表される単位、および化学式4で表される単位から選択される1つ以上を含む水処理分離膜、およびその製造方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔性支持体と、
前記多孔性支持体上に備えられたポリアミド活性層と、
を含む
水処理分離膜であって、
前記ポリアミド活性層は、下記の化学式1で表される単位、下記の化学式2で表される単位、下記の化学式3で表される単位、および下記の化学式4で表される単位から選択される1つ以上を含む、
水処理分離膜。
[化学式1]
【化1】
[化学式2]
【化2】
[化学式3]
【化3】
[化学式4]
【化4】
(前記化学式1〜4において、
およびUは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、置換されているかまたは置換されていない2価の脂肪族基;置換されているかまたは置換されていない2価の脂環族基;または置換されているかまたは置換されていない2価の芳香族基であり、
は、置換されているかまたは置換されていない3価の脂肪族基;置換されているかまたは置換されていない3価の脂環族基;または置換されているかまたは置換されていない3価の芳香族基であり、
〜Aは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、下記の化学式5〜7から選択される何れか1つで表され、
10は、下記の化学式5または8で表され、
[化学式5]
【化5】
[化学式6]
【化6】
[化学式7]
【化7】
[化学式8]
【化8】
前記化学式5〜8において、
およびVは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、置換されているかまたは置換されていないフェニレン基であり、
は、置換されているかまたは置換されていない3価のベンゼン環基であって、
但し、A〜Aのうち1つ、AおよびAのうち1つ、AおよびAのうち1つ、およびAおよびA9のうち1つは化学式5で表される。)
【請求項2】
前記ポリアミド活性層中の、前記化学式1で表される単位、前記化学式2で表される単位、前記化学式3で表される単位、および前記化学式4で表される単位から選択される1つ以上の含量が
0.01重量%〜10重量%である、
請求項1に記載の水処理分離膜。
【請求項3】
酸または塩基の解離前および後における1H‐NMR分析結果、
6.8ppm〜7.8ppmの間にベンゼン環のピーク(peak)を含む、
請求項1または2に記載の水処理分離膜。
【請求項4】
多孔性支持体と、
前記多孔性支持体上に備えられたポリアミド活性層と、
を含む
水処理分離膜であって、
酸または塩基の解離前および後における1H‐NMR分析結果、
6.8ppm〜7.8ppmの間にベンゼン環のピーク(peak)を含む、
水処理分離膜。
【請求項5】
酸または塩基の解離前および後におけるIR分析結果、
C=N結合とN‐C‐N結合のピーク(peak)を含む、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の水処理分離膜。
【請求項6】
多孔性支持体と、
前記多孔性支持体上に備えられたポリアミド活性層と、
を含む
水処理分離膜であって、
酸または塩基の解離前および後におけるIR分析結果、
C=N結合とN‐C‐N結合のピーク(peak)を含む、
水処理分離膜。
【請求項7】
酸または塩基の解離後におけるMS分析結果、
m/z値が277、193、178、102、85、または60を含む、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の水処理分離膜。
【請求項8】
多孔性支持体を準備するステップと、
前記多孔性支持体上にポリアミド活性層を形成するステップと、
を含む
水処理分離膜の製造方法であって、
前記ポリアミド活性層を形成するステップは、
アミン系化合物を含む水溶液と、
アシルハライド化合物を含む有機溶液と
を用いた
界面重合を含み、
前記アミン系化合物を含む水溶液と、アシルハライド化合物を含む有機溶液の少なくとも1つは、
下記の化学式9または化学式10で表される1種以上のビグアニジン化合物を含み、
前記ビグアニジン化合物は、ポリアミド活性層中で、アミン系化合物またはアシルハライド化合物と共有結合を形成する、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の水処理分離膜の製造方法。
[化学式9]
【化9】
[化学式10]
【化10】
(前記化学式9および10において、
は、置換されているかまたは置換されていない2価の脂肪族基;置換されているかまたは置換されていない2価の脂環族基;または置換されているかまたは置換されていない2価の芳香族基であり、
〜Tは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素;重水素;ニトリル基;ヒドロキシ基;アシルハライド基;イソシアネート基;置換されているかまたは置換されていないアルコキシ基;置換されているかまたは置換されていないアリールオキシ基;置換されているかまたは置換されていないアルキルチオキシ基;置換されているかまたは置換されていないアリールチオキシ基;置換されているかまたは置換されていないアルキルスルホキシ基;置換されているかまたは置換されていないアリールスルホキシ基;置換されているかまたは置換されていないアミン基;置換されているかまたは置換されていない脂環族基;または置換されているかまたは置換されていない芳香族基である。)
【請求項9】
前記ビグアニジン化合物は、前記アミン系化合物を含む水溶液または前記アシルハライド化合物を含む有機溶液中に0.01重量%〜10重量%の含量で含まれる、
請求項8に記載の水処理分離膜の製造方法。
【請求項10】
前記アミン系化合物は、
m‐フェニレンジアミン、
p‐フェニレンジアミン、
1,3,6‐ベンゼントリアミン、
4‐クロロ‐1,3‐フェニレンジアミン、
3‐クロロ‐1,4‐フェニレンジアミン、および
これらの混合物からなる群から選択される1種以上である、
請求項8または9に記載の水処理分離膜の製造方法。
【請求項11】
前記アシルハライド化合物は、
トリメソイルクロリド、
イソフタロイルクロリド、
テレフタロイルクロリド、および
これらの混合物からなる群から選択される1種以上である、
請求項8から10のいずれか1項に記載の水処理分離膜の製造方法。
【請求項12】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の水処理分離膜を含む
水処理モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年4月19日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10‐2017‐0050529号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書は、水処理分離膜およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、水質環境の深刻な汚染と水不足により、新しい水資源の供給源を開発することが、早急な当面の課題として台頭している。水質環境の汚染に関する研究は、良質の生活および工業用水、各種生活排水、および産業廃水の処理を目標としており、省エネルギーの利点を有する分離膜を用いた水処理工程に対する関心が高まっている。また、加速化している環境規制の強化は、分離膜技術の活性化を早めると予想される。伝統的な水処理工程では、強化されている規制に符合し難いが、分離膜技術の場合、優れた処理効率と安定した処理を保証するため、今後、水処理分野の主導的な技術として位置づけると予想される。
【0004】
液体分離は、膜の気孔によって、精密濾過(Micro Filtration)、限外濾過(Ultra Filtration)、ナノ濾過(Nano Filtration)、逆浸透(Reverse Osmosis)、浸析、能動輸送および電気透析などに分類される。そのうち、逆浸透方法は、水は透過するが、塩に対しては不透過性を示す半透膜を用いて脱塩作業をする工程のことであって、塩が溶けている高圧水が半透膜の一方の面に流入される時に、塩の除去された純水が低い圧力で他方の面から出ることになる。
【0005】
具体的に、かかる水処理分離膜の代表的な例としては、ポリアミド系水処理分離膜が挙げられ、不織布上にポリスルホン層を形成して微細多孔性支持体を形成し、この微細多孔性支持体をm‐フェニレンジアミン(m‐Phenylene Diamine、mPD)水溶液に浸漬させてmPD層を形成し、それを再びトリメソイルクロリド(TriMesoylChloride、TMC)有機溶液に浸漬もしくはコーティングさせ、mPD層をTMCと接触させて界面重合させることで、ポリアミド活性層を形成する方法により製造されている。
【0006】
かかるポリアミド系複合膜の塩除去率や透過流量を高めることに関する研究が持続的に行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本明細書は、改善された濾過性能を有する水処理分離膜およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書の一実施態様は、
多孔性支持体と、
前記多孔性支持体上に備えられたポリアミド活性層と、を含む水処理分離膜であって、
前記ポリアミド活性層は、下記化学式1で表される単位、下記化学式2で表される単位、下記化学式3で表される単位、および下記化学式4で表される単位から選択される1つ以上を含む、水処理分離膜を提供する。
【0009】
[化学式1]
【化1】
[化学式2]
【化2】
[化学式3]
【化3】
[化学式4]
【化4】
【0010】
前記化学式1〜4において、
およびUは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、置換されているかまたは置換されていない2価の脂肪族基;置換されているかまたは置換されていない2価の脂環族基;または置換されているかまたは置換されていない2価の芳香族基であり、
は、置換されているかまたは置換されていない3価の脂肪族基;置換されているかまたは置換されていない3価の脂環族基;または置換されているかまたは置換されていない3価の芳香族基であり、
〜Aは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、下記化学式5〜7から選択される何れか1つで表され、
10は、下記化学式5または8で表され、
[化学式5]
【化5】
[化学式6]
【化6】
[化学式7]
【化7】
[化学式8]
【化8】
【0011】
前記化学式5〜8において、
およびVは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、置換されているかまたは置換されていないフェニレン基であり、
は、置換されているかまたは置換されていない3価のベンゼン環基であって、
但し、A〜Aのうち1つ、AおよびAのうち1つ、AおよびAのうち1つ、およびAおよびAのうち1つは、化学式5で表される。
【0012】
また、本明細書の一実施態様は、多孔性支持体と、前記多孔性支持体上に備えられたポリアミド活性層と、を含む水処理分離膜であって、前記水処理分離膜は、酸または塩基の解離前および後における1H‐NMR分析結果、6.8ppm〜7.8ppmの間にベンゼン環のピーク(peak)を含む、水処理分離膜を提供する。
【0013】
また、本明細書の一実施態様は、多孔性支持体と、前記多孔性支持体上に備えられたポリアミド活性層と、を含む水処理分離膜であって、前記水処理分離膜は、酸または塩基の解離前および後におけるIR分析結果、C=N結合とN‐C‐N結合のピーク(peak)を含む、水処理分離膜を提供する。
【0014】
また、本明細書の一実施態様は、多孔性支持体と、前記多孔性支持体上に備えられたポリアミド活性層と、を含む水処理分離膜であって、前記水処理分離膜は、酸または塩基の解離後におけるMS分析結果、m/z値が277、193、178、102、85、または60を含む、水処理分離膜を提供する。
【0015】
また、本明細書の一実施態様は、多孔性支持体を準備するステップと、
前記多孔性支持体上にポリアミド活性層を形成するステップと、を含む水処理分離膜の製造方法であって、
前記ポリアミド活性層を形成するステップは、アミン系化合物を含む水溶液と、アシルハライド化合物を含む有機溶液とを用いた界面重合を含み、
前記アミン系化合物を含む水溶液と、アシルハライド化合物を含む有機溶液の少なくとも1つは、下記化学式9または化学式10で表される1種以上のビグアニジン化合物を含み、
前記ビグアニジン化合物は、ポリアミド活性層中で、アミン系化合物またはアシルハライド化合物と共有結合を形成するものである、水処理分離膜の製造方法を提供する:
[化学式9]
【化9】
[化学式10]
【化10】
【0016】
前記化学式9および10において、
は、置換されているかまたは置換されていない2価の脂肪族基;置換されているかまたは置換されていない2価の脂環族基;または置換されているかまたは置換されていない2価の芳香族基であり、
〜Tは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素;重水素;ニトリル基;ヒドロキシ基;アシルハライド基;イソシアネート基;置換されているかまたは置換されていないアルコキシ基;置換されているかまたは置換されていないアリールオキシ基;置換されているかまたは置換されていないアルキルチオキシ基;置換されているかまたは置換されていないアリールチオキシ基;置換されているかまたは置換されていないアルキルスルホキシ基;置換されているかまたは置換されていないアリールスルホキシ基;置換されているかまたは置換されていないアミン基;置換されているかまたは置換されていない脂環族基;または置換されているかまたは置換されていない芳香族基である。
【0017】
また、本明細書の一実施態様は、上述の水処理分離膜を含む水処理モジュールを提供する。
【発明の効果】
【0018】
本明細書の一実施態様によると、従来の方法により製造された水処理分離膜に比べて、化学式1で表される単位、化学式2で表される単位、化学式3で表される単位、および化学式4で表される単位から選択される1つ以上を含むポリアミド活性層を有する水処理分離膜は、塩除去率および/または透過流量特性を向上させることができる効果がある。
【0019】
また、本明細書の一実施態様によると、従来の方法により製造された水処理分離膜に比べて、化学式9または化学式10で表される1種以上のビグアニジン化合物を含むアミン系化合物を含む水溶液、および/またはアシルハライド化合物を含む有機溶液の界面重合により形成されたポリアミド活性層を含む水処理分離膜は、塩除去率および/または透過流量特性を向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本明細書の一実施態様に係る水処理分離膜を示した図である。
図2】本明細書の一実施態様に係る水処理分離膜の、酸または塩基の解離前および後の1H‐NMRスペクトルを示した図である。
図3】本明細書の一実施態様に係る水処理分離膜の、酸または塩基の解離後のESI‐MSスペクトルを示した図である。
図4】化合物AおよびPHB重合体に対する13C‐NMR分析結果を示した図である。
【0021】
本明細書において、ある部材が他の部材の「上に」位置しているとする時に、これは、ある部材が他の部材に接している場合のみならず、2つの部材の間にさらに他の部材が存在する場合も含む。
【0022】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時に、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得るということを意味する。
【0023】
本明細書の一実施態様に係る水処理分離膜は、多孔性支持体と、前記多孔性支持体上に備えられたポリアミド活性層と、を含み、前記ポリアミド活性層は、下記化学式1で表される単位、下記化学式2で表される単位、下記化学式3で表される単位、および下記化学式4で表される単位から選択される1つ以上を含んでもよい:
[化学式1]
【化11】
[化学式2]
【化12】
[化学式3]
【化13】
[化学式4]
【化14】
【0024】
前記化学式1〜4において、
およびUは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、置換されているかまたは置換されていない2価の脂肪族基;置換されているかまたは置換されていない2価の脂環族基;または置換されているかまたは置換されていない2価の芳香族基であり、
は、置換されているかまたは置換されていない3価の脂肪族基;置換されているかまたは置換されていない3価の脂環族基;または置換されているかまたは置換されていない3価の芳香族基であり、
〜Aは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、下記化学式5〜7から選択される何れか1つで表され、
10は、下記化学式5または8で表され、
[化学式5]
【化15】
[化学式6]
【化16】
[化学式7]
【化17】
[化学式8]
【化18】
前記化学式5〜8において、
およびVは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、置換されているかまたは置換されていないフェニレン基であり、
は、置換されているかまたは置換されていない3価のベンゼン環基であって、
但し、A〜Aのうち1つ、AおよびAのうち1つ、AおよびAのうち1つ、およびAおよびAのうち1つは化学式5で表される。
【0025】
通常、ビグアニジン化合物を添加剤として添加して製造された水処理分離膜は、主鎖に該官能基が共有結合により導入されたという分析結果が存在せず、添加剤としてビグアニジン基が用いられる場合、ポリアミド活性層の内部に存在するか、それとも洗い流されてしまうのかが確認できないという欠点がある。しかし、本明細書の一実施態様に係る水処理分離膜は、ビグアニジン化合物がポリアミド活性層に共有結合により存在する水処理分離膜であって、本実施例に記載の分析結果から、それを確認することができる。
【0026】
本明細書の一実施態様によると、前記ポリアミド活性層は、3個以上の窒素が含まれたビグアニジン化合物を含み、前記ビグアニジン化合物の両末端は、ポリアミド活性層中でアミン系化合物またはアシルハライド化合物と共有結合を成して主鎖に結合される。これにより、ビグアニジン化合物をポリアミド活性層の添加剤として含む分離膜や、ビグアニジン化合物を含まない分離膜に比べて高い塩除去率を示すことができる。
【0027】
具体的に、ビグアニジン化合物が添加剤として含まれる場合、ポリアミド活性層中にビグアニジン化合物が埋め込まれている状態(embedding)で特定の官能基が完全な活性を示すが、この場合、ポリアミド活性層中において、ビグアニジン化合物が他のモノマーや重合体によって構造的に覆われていることがある。しかし、本明細書の一実施態様によると、ビグアニジン化合物がアミン系化合物またはアシルハライド化合物との共有結合によりポリアミド活性層中に安定して存在する場合、駆動時間および条件にかかわらず高い塩除去率およびホウ素除去率が維持されることができる。また、共有結合を成すことにより水処理分離膜の自由体積(free volume)が増加するため、流量上昇の効果も奏される。自由体積の増加による流量上昇の効果は、添加剤としてビグアニジンを導入する場合には奏することができない効果であって、添加剤としてビグアニジンを導入する場合には、流量が却って低下することを実験により確認することができる。
【0028】
本明細書のさらに1つの実施態様によると、多孔性支持体と、前記多孔性支持体上に備えられたポリアミド活性層と、を含む水処理分離膜は、酸または塩基の解離前および後における1H‐NMR分析結果、6.8ppm〜7.8ppmの間にベンゼン環のピーク(peak)を含むことができる。
【0029】
具体的に、6.8ppm〜7.8ppmの間にベンゼン環の4個のピーク(peak)を含むことができる。
【0030】
従来のポリアミド活性層を含む水処理分離膜は、1H‐NMR分析結果、上記のようなピークが得られないが、上述の化学式1で表される単位、化学式2で表される単位、化学式3で表される単位、および化学式4で表される単位から選択される1つ以上を含むポリアミド活性層を含む水処理分離膜は、1H‐NMR分析結果、6.8ppm〜7.8ppmの間にベンゼン環のピーク(peak)を含み、酸または塩基の解離後にも、解離前と同様に、1H‐NMR分析結果6.8ppm〜7.8ppmの間にベンゼン環のピーク(peak)を含むことができる。
【0031】
本明細書において、1H‐NMR分析は、三重共鳴5mmプローブ(probe)を有するVarian Unity Inova(500MHz)分光計を備えたNMR分光計を用いて、常温で行った。NMR測定用溶媒(DO)に、分析対象物質を約10mg/ml程度の濃度で希釈させて使用した。
【0032】
本明細書において、13C‐NMR分析は、三重共鳴5mmプローブ(probe)を有するVarian Unity Inova(500MHz)分光計を備えたNMR分光計を用いて、常温で行った。NMR測定用溶媒(DO)に、分析対象物質を約10mg/ml程度の濃度で希釈させて使用した。すなわち、13C‐NMR分析は、1H‐NMR分析装置と同一の機器で測定し、測定時のパルスシーケンスのみを異ならせて設定して測定した。
【0033】
本明細書のさらに1つの実施態様によると、多孔性支持体と、前記多孔性支持体上に備えられたポリアミド活性層と、を含む水処理分離膜は、酸または塩基の解離前および後におけるIR分析結果、C=N結合とN‐C‐N結合のピーク(peak)を含むことができる。
【0034】
本明細書において、IR分析は、FT‐IR spectroscopyを用いて、ATR modeによりスペクトルを測定した。分離膜の表面を測定する方法と、酸または塩基の解離後に乾燥された膜をKBrと混合して測定する方法の2つを行った。
【0035】
ビグアニジン化合物を添加物に導入した水処理分離膜は、分離膜の表面を測定すると、水処理分離膜中に埋め込まれている(embedding)ビグアニジン基によってC=NとN‐C‐Nのピークが現れ得るが、酸または塩基の解離時には、ビグアニジン化合物が解離されてピーク(peak)がなくなることになる。しかし、本明細書の一実施態様に係る水処理分離膜は、ポリアミド活性層中にビグアニジン化合物が共有結合しているため、酸または塩基の解離後にも、ポリアミド活性層中に共有結合したビグアニジンのみが残ることとなり、C=NとN‐C‐Nのピークが現れる。
【0036】
本明細書の一実施態様に係る水処理分離膜は、多孔性支持体と、前記多孔性支持体上に備えられたポリアミド活性層と、を含み、前記ポリアミド活性層は、前記化学式1で表される単位、前記化学式2で表される単位、前記化学式3で表される単位、および前記化学式4で表される単位から選択される1つ以上を含み、酸または塩基の解離前および後における1H‐NMR分析結果、6.8ppm〜7.8ppmの間にベンゼン環のピーク(peak)を含むことができる。
【0037】
本明細書の一実施態様に係る水処理分離膜は、多孔性支持体と、前記多孔性支持体上に備えられたポリアミド活性層と、を含み、前記ポリアミド活性層は、前記化学式1で表される単位、前記化学式2で表される単位、前記化学式3で表される単位、および前記化学式4で表される単位から選択される1つ以上を含み、酸または塩基の解離前および後におけるIR分析結果、C=N結合とN‐C‐N結合のピーク(peak)を含むことができる。
【0038】
本明細書の一実施態様に係る水処理分離膜は、多孔性支持体と、前記多孔性支持体上に備えられたポリアミド活性層と、を含み、前記ポリアミド活性層は、酸または塩基の解離前および後における1H‐NMR分析結果、6.8ppm〜7.8ppmの間にベンゼン環のピーク(peak)を含み、酸または塩基の解離前および後におけるIR分析結果、C=N結合とN‐C‐N結合のピーク(peak)を含むことができる。
【0039】
本明細書の一実施態様に係る水処理分離膜は、多孔性支持体と、前記多孔性支持体上に備えられたポリアミド活性層と、を含み、前記ポリアミド活性層は、前記化学式1で表される単位、前記化学式2で表される単位、前記化学式3で表される単位、および前記化学式4で表される単位から選択される1つ以上を含み、酸または塩基の解離前および後における1H‐NMR分析結果、6.8ppm〜7.8ppmの間にベンゼン環のピーク(peak)を含み、酸または塩基の解離前および後におけるIR分析結果、C=N結合とN‐C‐N結合のピーク(peak)を含むことができる。
【0040】
本明細書のさらに1つの実施態様によると、多孔性支持体と、前記多孔性支持体上に備えられたポリアミド活性層と、を含む水処理分離膜は、酸または塩基の解離後におけるMS分析結果、m/z値が277、193、178、102、85、および/または60を含むことができる。
【0041】
例えば、前記m/z値は、本明細書の一実施態様に係るポリアミド活性層に含まれるアミン化合物としてのmPDの両末端に、2個のビグアニジン基が共有結合により結合された時に、前記水処理分離膜の酸または塩基の解離後におけるMS分析結果、開裂(Cleavage)される分子量(m/z)を計算した値である。
【0042】
本明細書において、MS分析は、ESIポジテイブイオン化法により、C18カラムを用いてLC/MS分析を40℃で行った。
【0043】
本明細書の一実施態様に係る水処理分離膜は、多孔性支持体と、前記多孔性支持体上に備えられたポリアミド活性層と、を含み、前記ポリアミド活性層は、前記化学式1で表される単位、前記化学式2で表される単位、前記化学式3で表される単位、および前記化学式4で表される単位から選択される1つ以上を含み、酸または塩基の解離後におけるMS分析結果、m/z値が277、193、178、102、85、および/または60を含むことができる。
【0044】
本明細書の一実施態様に係る水処理分離膜は、多孔性支持体と、前記多孔性支持体上に備えられたポリアミド活性層と、を含み、前記ポリアミド活性層は、酸または塩基の解離前および後における1H‐NMR分析結果、6.8ppm〜7.8ppmの間にベンゼン環のピーク(peak)を含み、酸または塩基の解離後におけるMS分析結果、m/z値が277、193、178、102、85、および/または60を含むことができる。
【0045】
本明細書の一実施態様に係る水処理分離膜は、多孔性支持体と、前記多孔性支持体上に備えられたポリアミド活性層と、を含み、前記ポリアミド活性層は、前記化学式1で表される単位、前記化学式2で表される単位、前記化学式3で表される単位、および前記化学式4で表される単位から選択される1つ以上を含み、酸または塩基の解離前および後における1H‐NMR分析結果、6.8ppm〜7.8ppmの間にベンゼン環のピーク(peak)を含み、酸または塩基の解離後におけるMS分析結果、m/z値が277、193、178、102、85、および/または60を含むことができる。
【0046】
本明細書の一実施態様に係る水処理分離膜は、多孔性支持体と、前記多孔性支持体上に備えられたポリアミド活性層と、を含み、酸または塩基の解離後におけるMS分析結果、m/z値が277、193、178、102、85、および/または60を含み、酸または塩基の解離前および後におけるIR分析結果、C=N結合とN‐C‐N結合のピーク(peak)を含むことができる。
【0047】
本明細書の一実施態様に係る水処理分離膜は、多孔性支持体と、前記多孔性支持体上に備えられたポリアミド活性層と、を含み、前記ポリアミド活性層は、前記化学式1で表される単位、前記化学式2で表される単位、前記化学式3で表される単位、および前記化学式4で表される単位から選択される1つ以上を含み、酸または塩基の解離後におけるMS分析結果、m/z値が277、193、178、102、85、および/または60を含み、酸または塩基の解離前および後におけるIR分析結果、C=N結合とN‐C‐N結合のピーク(peak)を含むことができる。
【0048】
本明細書の一実施態様に係る水処理分離膜は、多孔性支持体と、前記多孔性支持体上に備えられたポリアミド活性層と、を含み、前記ポリアミド活性層は、酸または塩基の解離前および後における1H‐NMR分析結果、6.8ppm〜7.8ppmの間にベンゼン環のピーク(peak)を含み、酸または塩基の解離後におけるMS分析結果、m/z値が277、193、178、102、85、および/または60を含み、酸または塩基の解離前および後におけるIR分析結果、C=N結合とN‐C‐N結合のピーク(peak)を含むことができる。
【0049】
本明細書の一実施態様に係る水処理分離膜は、多孔性支持体と、前記多孔性支持体上に備えられたポリアミド活性層と、を含み、前記ポリアミド活性層は、前記化学式1で表される単位、前記化学式2で表される単位、前記化学式3で表される単位、および前記化学式4で表される単位から選択される1つ以上を含み、酸または塩基の解離前および後における1H‐NMR分析結果、6.8ppm〜7.8ppmの間にベンゼン環のピーク(peak)を含み、酸または塩基の解離後におけるMS分析結果、m/z値が277、193、178、102、85、および/または60を含み、酸または塩基の解離前および後におけるIR分析結果、C=N結合とN‐C‐N結合のピーク(peak)を含むことができる。
【0050】
本明細書において、前記酸または塩基の解離時に、前記酸は、塩酸、硝酸、硫酸などであってもよく、前記塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0051】
本明細書において、「置換」という用語は、化合物の炭素原子に結合された水素原子が、他の置換基に変わることを意味し、置換される位置は、水素原子が置換される位置、すなわち、置換基が置換可能な位置であれば限定されず、2以上が置換される場合、2以上の置換基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0052】
本明細書において、「置換されているかまたは置換されていない」という用語は、重水素;ハロゲン基;ニトリル基;ヒドロキシ基;アルキル基;シクロアルキル基;アルケニル基;アルコキシ基;アミン基;アリールアミン基;アリール基;およびN、O、S、Se、およびSi原子のうち1つ以上を含むヘテロ環基からなる群から選択される1つまたは2つ以上の置換基で置換されているか、前記例示された置換基のうち2つ以上の置換基が連結された置換基で置換されているか、または如何なる置換基も有しないことを意味する。
【0053】
本明細書において、ハロゲン基の例としては、フルオロ、塩素、臭素、またはヨウ素が挙げられる。
【0054】
本明細書において、脂肪族基とは、アルキル基;アルケニル基;またはアルキニル基であり、脂環族基とは、シクロアルキル基;またはN、O、およびSのうち1つ以上を含む脂肪族ヘテロ環基であり、芳香族基とは、アリール基;またはヘテロアリール基である。
【0055】
本明細書において、アルキル基は、直鎖状または分岐状であってもよく、炭素数は特に限定されないが、1〜30のものが好ましい。具体的に、炭素数1〜20のものが好ましい。より具体的には、炭素数1〜10のものが好ましい。具体例としては、メチル;エチル;プロピル;n‐プロピル;イソプロピル;ブチル;n‐ブチル;イソブチル;tert‐ブチル;sec‐ブチル;1‐メチルブチル;1‐エチルブチル;ペンチル;n‐ペンチル;イソペンチル;ネオペンチル;tert‐ペンチル;ヘキシル;n‐ヘキシル;1‐メチルペンチル;2‐メチルペンチル;4‐メチル‐2‐ペンチル;3,3‐ジメチルブチル;2‐エチルブチル;ヘプチル;n‐ヘプチル;1‐メチルヘキシル;シクロペンチルメチル;シクロヘキシルメチル;オクチル;n‐オクチル;tert‐オクチル;1‐メチルヘプチル;2‐エチルヘキシル;2‐プロピルペンチル;n‐ノニル;2,2‐ジメチルヘプチル;1‐エチルプロピル;1,1‐ジメチルプロピル;イソヘキシル;2‐メチルペンチル;4‐メチルヘキシル;または5‐メチルヘキシルなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0056】
本明細書において、シクロアルキル基は、特に限定されないが、炭素数3〜30のものが好ましく、炭素数3〜20のものがより好ましい。具体的には、シクロプロピル;シクロブチル;シクロペンチル;3‐メチルシクロペンチル;2,3‐ジメチルシクロペンチル;シクロヘキシル;3‐メチルシクロヘキシル;4‐メチルシクロヘキシル;2,3‐ジメチルシクロヘキシル;3,4,5‐トリメチルシクロヘキシル;4‐tert‐ブチルシクロヘキシル;シクロヘプチル;またはシクロオクチルなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0057】
本明細書において、アルコキシ基は、直鎖状、分岐状、または環状であってもよい。アルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、炭素数1〜30のものが好ましい。具体的に、炭素数1〜20のものが好ましい。より具体的に、炭素数1〜10のものが好ましい。具体的に、メトキシ;エトキシ;n‐プロポキシ;イソプロポキシ;i‐プロピルオキシ;n‐ブトキシ;イソブトキシ;tert‐ブトキシ;sec‐ブトキシ;n‐ペンチルオキシ;ネオペンチルオキシ;イソペンチルオキシ;n‐ヘキシルオキシ;3,3‐ジメチルブチルオキシ;2‐エチルブチルオキシ;n‐オクチルオキシ;n‐ノニルオキシ;n‐デシルオキシ;ベンジルオキシ;またはp‐メチルベンジルオキシなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0058】
本明細書において、アミン基は、‐NH;アルキルアミン基;N‐アルキルアリールアミン基;アリールアミン基;N‐アリールヘテロアリールアミン基;N‐アルキルヘテロアリールアミン基;およびヘテロアリールアミン基からなる群から選択されてもよく、炭素数は特に限定されないが、1〜30のものが好ましい。アミン基の具体例としては、メチルアミン基;ジメチルアミン基;エチルアミン基;ジエチルアミン基;フェニルアミン基;ナフチルアミン基;ビフェニルアミン基;アントラセニルアミン基;9‐メチルアントラセニルアミン基;ジフェニルアミン基;N‐フェニルナフチルアミン基;ジトリルアミン基;N‐フェニルトリルアミン基;トリフェニルアミン基;N‐フェニルビフェニルアミン基;N‐フェニルナフチルアミン基;N‐ビフェニルナフチルアミン基;N‐ナフチルフルオレニルアミン基;N‐フェニルフェナントレニルアミン基;N‐ビフェニルフェナントレニルアミン基;N‐フェニルフルオレニルアミン基;N‐フェニルテルフェニルアミン基;N‐フェナントレニルフルオレニルアミン基;またはN‐ビフェニルフルオレニルアミン基などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0059】
本明細書において、アルキルアミン基、N‐アリールアルキルアミン基、アルキルチオキシ基、アルキルスルホキシ基、N‐アルキルヘテロアリールアミン基中のアルキル基は、上述のアルキル基の例示のとおりである。具体的に、アルキルチオキシ基としては、メチルチオキシ基;エチルチオキシ基;tert‐ブチルチオキシ基;ヘキシルチオキシ基;オクチルチオキシ基などが挙げられ、アルキルスルホキシ基としては、メシル;エチルスルホキシ基;プロピルスルホキシ基;ブチルスルホキシ基などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0060】
本明細書において、アルケニル基は、直鎖状または分岐状であってもよく、炭素数は特に限定されないが、2〜30のものが好ましく、より具体的には、炭素数2〜20のものが好ましい。具体例としては、ビニル;1‐プロペニル;イソプロペニル;1‐ブテニル;2‐ブテニル;3‐ブテニル;1‐ペンテニル;2‐ペンテニル;3‐ペンテニル;3‐メチル‐1‐ブテニル;1,3‐ブタジエニル;アリル;1‐フェニルビニル‐1‐イル;2‐フェニルビニル‐1‐イル;2,2‐ジフェニルビニル‐1‐イル;2‐フェニル‐2‐(ナフチル‐1‐イル)ビニル‐1‐イル;2,2‐ビス(ジフェニル‐1‐イル)ビニル‐1‐イル;スチルベニル基;またはスチレニル基などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0061】
本明細書において、アリール基は、特に限定されないが、炭素数6〜30のものが好ましく、炭素数6〜20のものがより好ましい。前記アリール基は、単環式または多環式であってもよい。前記アリール基が単環式アリール基である場合、炭素数は特に限定されないが、炭素数6〜30のものが好ましい。具体的に、単環式アリール基としては、フェニル基;ビフェニル基;テルフェニル基などが挙げられるが、これに限定されるものではない。前記アリール基が多環式アリール基である場合、炭素数は特に限定されないが、炭素数10〜30のものが好ましい。具体的に、多環式アリール基としては、ナフチル基;アントラセニル基;フェナントリル基;トリフェニル基;ピレニル基;フェナレニル基;ペリレニル基;クリセニル基;フルオレニル基などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0062】
本明細書において、アリールオキシ基、アリールチオキシ基、N‐アリールアルキルアミン基、およびN‐アリールヘテロアリールアミン基中のアリール基は、上述のアリール基の例示のとおりである。具体的に、アリールオキシ基としては、フェノキシ基;p‐トリルオキシ基;m‐トリルオキシ基;3,5‐ジメチルフェノキシ基;2,4,6‐トリメチルフェノキシ基;p‐tert‐ブチルフェノキシ基;3‐ビフェニルオキシ基;4‐ビフェニルオキシ基;1‐ナフチルオキシ基;2‐ナフチルオキシ基;4‐メチル‐1‐ナフチルオキシ基;5‐メチル‐2‐ナフチルオキシ基;1‐アントリルオキシ基;2‐アントリルオキシ基;9‐アントリルオキシ基;1‐フェナントリルオキシ基;3‐フェナントリルオキシ基;または9‐フェナントリルオキシ基などが挙げられ、アリールチオキシ基としては、フェニルチオキシ基;2‐メチルフェニルチオキシ基;または4‐tert‐ブチルフェニルチオキシ基などが挙げられ、アリールスルホキシ基としては、ベンゼンスルホキシ基;またはp‐トルエンスルホキシ基などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0063】
本明細書において、ヘテロアリール基は、炭素ではない原子、異種原子を1つ以上含むものであって、具体的に、前記異種原子は、O、N、およびSなどからなる群から選択される原子を1つ以上含んでもよい。炭素数は特に限定されないが、炭素数2〜30のものが好ましく、炭素数2〜20のものがより好ましい。前記ヘテロアリール基は、単環式または多環式であってもよい。ヘテロアリール基の例としては、チオフェン基;フラニル基;ピロール基;イミダゾリル基;チアゾリル基;オキサゾリル基;オキサジアゾリル基;ピリジル基;ビピリジル基;ピリミジル基;トリアジニル基;トリアゾリル基;アクリジル基;ピリダジニル基;ピラジニル基;キノリニル基;キナゾリニル基;キノキサリニル基;フタラジニル基;ピリドピリミジル基;ピリドピラジニル基;ピラジノピラジニル基;イソキノリニル基;インドリル基;カルバゾリル基;ベンズオキサゾリル基;ベンズイミダゾリル基;ベンゾチアゾリル基;ベンゾカルバゾリル基;ベンゾチオフェン基;ジベンゾチオフェン基;ベンゾフラニル基;フェナントロリニル基(phenanthroline);イソオキサゾリル基;チアジアゾリル基;フェノチアジニル基;およびジベンゾフラニル基などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0064】
本明細書において、アルキレン基は、アルキル基に結合位置が2つあるもの、すなわち、2価基を意味する。これらは、それぞれ2価基であることを除き、上述のアルキル基の説明が適用可能である。
【0065】
本明細書において、アリーレン基は、アリール基に結合位置が2つあるもの、すなわち、2価基を意味する。これらは、それぞれ2価基であることを除き、上述のアリール基の説明が適用可能である。
【0066】
本明細書において、脂肪族ヘテロ環基は、炭素ではない原子、異種原子を1つ以上含むものであって、具体的に、前記異種原子は、O、N、およびSなどからなる群から選択される原子を1つ以上含む環状アルキル基であってもよい。炭素数は特に限定されないが、炭素数2〜30のものが好ましく、炭素数2〜20のものがより好ましく、炭素数2〜10のものがさらに好ましい。前記脂肪族ヘテロ環基は、単環式または多環式であってもよい。具体的に、エポキシド基;またはアジリジン基などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0067】
本明細書の一実施態様によると、UおよびUは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、置換されているかまたは置換されていないアルキレン基;置換されているかまたは置換されていない2価のアルケニル基;置換されているかまたは置換されていない2価のシクロアルキル基;置換されているかまたは置換されていない2価の脂肪族ヘテロ環基;または置換されているかまたは置換されていないアリーレン基である。
【0068】
本明細書の一実施態様によると、UおよびUは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、置換されているかまたは置換されていない炭素数1〜10のアルキレン基;または置換されているかまたは置換されていない炭素数6〜20のアリーレン基である。前記アルキレン基は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノナニレン基、またはデカニレン基などであってもよく、アリーレン基は、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、フェナントレニレン基、ペリレニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、またはフルオレニレン基などであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0069】
本明細書の一実施態様によると、UおよびUは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、ハロゲン基、またはアミン基で置換されているかまたは置換されていないアルキレン基;またはヒドロキシ基、ハロゲン基、またはアミン基で置換されているかまたは置換されていないアリーレン基である。
【0070】
本明細書の一実施態様によると、UおよびUは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、置換されているかまたは置換されていないアリーレン基である。
【0071】
本明細書の一実施態様によると、UおよびUは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、ハロゲン基、またはアミン基で置換されているかまたは置換されていないアリーレン基である。
【0072】
本明細書の一実施態様によると、UおよびUは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、置換されているかまたは置換されていないフェニレン基である。
【0073】
本明細書の一実施態様によると、UおよびUは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、ハロゲン基、またはアミン基で置換されているかまたは置換されていないフェニレン基である。
【0074】
本明細書の一実施態様によると、UおよびUは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、フルオロ基、またはアミン基で置換されているかまたは置換されていないフェニレン基である。
【0075】
本明細書の一実施態様によると、Uは、置換されているかまたは置換されていない3価のアルキル基;置換されているかまたは置換されていない3価のシクロアルキル基;置換されているかまたは置換されていない3価の脂肪族ヘテロ環基;または置換されているかまたは置換されていない3価のアリール基である。
【0076】
本明細書の一実施態様によると、Uは、置換されているかまたは置換されていない3価のアリール基である。
【0077】
本明細書の一実施態様によると、Uは、置換されているかまたは置換されていない3価のフェニル基である。
【0078】
本明細書の一実施態様によると、Uは、3価のベンゼン環基である。
【0079】
本明細書の一実施態様によると、VおよびVは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、置換されているかまたは置換されていないフェニレン基である。
【0080】
本明細書の一実施態様によると、VおよびVは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、ハロゲン基またはアミン基で置換されているかまたは置換されていないフェニレン基である。
【0081】
本明細書の一実施態様によると、VおよびVは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、フルオロ基またはアミン基で置換されているかまたは置換されていないフェニレン基である。
【0082】
本明細書の一実施態様によると、Vは、置換されているかまたは置換されていない3価のベンゼン環基である。
【0083】
本明細書の一実施態様によると、Vは、3価のベンゼン環基である。
【0084】
本明細書の一実施態様によると、前記化学式2は、下記化学式2‐1〜2‐6の何れか1つで表されてもよい。
[化学式2‐1]
【化19】
[化学式2‐2]
【化20】
[化学式2‐3]
【化21】
[化学式2‐4]
【化22】
[化学式2‐5]
【化23】
[化学式2‐6]
【化24】
【0085】
前記化学式2‐1〜2‐6において、AおよびAの定義は、化学式2における定義のとおりである。
【0086】
本明細書の一実施態様によると、前記化学式3は、下記化学式3‐1または3‐2で表されてもよい。
[化学式3‐1]
【化25】
[化学式3‐2]
【化26】
【0087】
前記化学式3‐1および3‐2において、AおよびAの定義は、化学式3における定義のとおりである。
【0088】
本明細書の一実施態様によると、前記化学式4は、下記化学式4‐1で表されてもよい。
[化学式4‐1]
【化27】
【0089】
前記化学式4‐1において、A〜A10の定義は、化学式4における定義のとおりである。
【0090】
本明細書の一実施態様によると、前記ポリアミド活性層中の、前記化学式1で表される単位、前記化学式2で表される単位、前記化学式3で表される単位、および前記化学式4で表される単位から選択される1つ以上の含量は、0.01重量%〜10重量%であってもよい。
【0091】
本明細書の一実施態様によると、前記化学式1で表される単位、前記化学式2で表される単位、前記化学式3で表される単位、および前記化学式4で表される単位から選択される1つ以上は、共重合体を形成してもよい。
【0092】
本明細書の一実施態様によると、前記化学式1で表される単位、前記化学式2で表される単位、前記化学式3で表される単位、および前記化学式4で表される単位から選択される1つ以上を含む共重合体は、重量平均分子量が100g/mol〜1,200g/molであり、好ましくは200g/mol〜1,000g/mol、より好ましくは400g/mol〜950g/molである。
【0093】
本明細書の一実施態様によると、前記共重合体の重量平均分子量が100g/mol以上である場合には、共重合体が膜に残留せずに少しずつ洗い流されることにより、分離膜の使用時間が経過するにつれて塩除去率が減少する現象を防止することができ、1,200g/mol以下である場合には、分子量が高くなるにつれて水溶性が低くなる現象により、水溶液中で分散されない現象を防止することができる効果があり、活性層中に残留することによって、適当な塩除去率を確保することができる効果がある。
【0094】
図1は、本明細書の一実施態様に係る水処理分離膜を示した図である。具体的に、図1は、不織布100、多孔性支持体200、およびポリアミド活性層300が順に備えられた水処理分離膜を示した図であって、ポリアミド活性層300に塩水400が流入され、精製水500が不織布100を介して排出され、濃縮水600は、ポリアミド活性層300を通過せずに外部へ排出される。ここで、ポリアミド活性層300中に、上述の実施態様に係る前記化学式1で表される単位、前記化学式2で表される単位、前記化学式3で表される単位、および前記化学式4で表される単位から選択される1つ以上が含まれる。但し、本明細書の一実施態様に係る水処理分離膜は、図1の構造に限定されず、追加の構成がさらに含まれていてもよい。
【0095】
本明細書の一実施態様によると、前記水処理分離膜の塩除去率は、97%以上、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上、より好ましくは99.80%以上、より好ましくは99.83%以上であってもよい。
【0096】
本明細書の一実施態様によると、前記水処理分離膜の透過流量(flux)は、5gfd以上20gfd以下、好ましくは10gfd以上20gfd以下、より好ましくは15gfd以上20gfd以下であってもよい。
【0097】
また、本明細書の一実施態様によると、前記水処理分離膜の厚さは、100μm以上250μm以下であってもよい。前記水処理分離膜の厚さが100μm以上である場合には、分離膜の透過流量および塩除去率が減少される現象を防止することができる効果があり、250μm以下である場合には、分離膜の塩除去率が減少される現象を防止することができる効果がある。
【0098】
本明細書の一実施態様によると、前記多孔性支持体の厚さは、60μm〜100μmであってもよいが、これに限定されるものではなく、必要に応じて調節可能である。また、前記多孔性支持体の気孔サイズは、1nm〜500nmであることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0099】
また、本明細書の一実施態様は、多孔性支持体を準備するステップと、前記多孔性支持体上にポリアミド活性層を形成するステップと、を含む水処理分離膜の製造方法であって、前記ポリアミド活性層を形成するステップは、アミン系化合物を含む水溶液と、アシルハライド化合物を含む有機溶液とを用いた界面重合を含み、前記アミン系化合物を含む水溶液と、アシルハライド化合物を含む有機溶液の少なくとも1つは、下記化学式9または化学式10で表される1種以上のビグアニジン化合物を含む、水処理分離膜の製造方法を提供する。
[化学式9]
【化28】
[化学式10]
【化29】
【0100】
前記化学式9および10中、
は、置換されているかまたは置換されていない2価の脂肪族基;置換されているかまたは置換されていない2価の脂環族基;または置換されているかまたは置換されていない2価の芳香族基であり、
〜Tは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素;重水素;ニトリル基;ヒドロキシ基;アシルハライド基;イソシアネート基;置換されているかまたは置換されていないアルコキシ基;置換されているかまたは置換されていないアリールオキシ基;置換されているかまたは置換されていないアルキルチオキシ基;置換されているかまたは置換されていないアリールチオキシ基;置換されているかまたは置換されていないアルキルスルホキシ基;置換されているかまたは置換されていないアリールスルホキシ基;置換されているかまたは置換されていないアミン基;置換されているかまたは置換されていない脂環族基;または置換されているかまたは置換されていない芳香族基である。
【0101】
本明細書の一実施態様によると、Uは、置換されているかまたは置換されていないアルキレン基;置換されているかまたは置換されていない2価のアルケニル基;置換されているかまたは置換されていない2価のシクロアルキル基;または置換されているかまたは置換されていないアリーレン基である。
【0102】
本明細書の一実施態様によると、Uは、置換されているかまたは置換されていない炭素数1〜10のアルキレン基;または置換されているかまたは置換されていない炭素数6〜20のアリーレン基である。前記アルキレン基は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノナニレン基、またはデカニレン基などであってもよく、アリーレン基は、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、フェナントレニレン基、ペリレニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、またはフルオレニレン基などであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0103】
本明細書の一実施態様によると、Uは、ヒドロキシ基、アシルハライド基、ハロゲン基、またはアミン基で置換されているかまたは置換されていないアルキル基;またはヒドロキシ基、アシルハライド基、ハロゲン基、またはアミン基で置換されているかまたは置換されていないアリーレン基である。
【0104】
本明細書の一実施態様によると、Uは、置換されているかまたは置換されていないアリーレン基である。
【0105】
本明細書の一実施態様によると、Uは、ヒドロキシ基、アシルハライド基、ハロゲン基、またはアミン基で置換されているかまたは置換されていないアリーレン基である。
【0106】
本明細書の一実施態様によると、Uは、置換されているかまたは置換されていないフェニレン基である。
【0107】
本明細書の一実施態様によると、Uは、ヒドロキシ基、アシルハライド基、ハロゲン基、またはアミン基で置換されているかまたは置換されていないフェニレン基である。
【0108】
本明細書の一実施態様によると、Uは、ヒドロキシ基、アシルハライド基、フルオロ基、またはアミン基で置換されているかまたは置換されていないフェニレン基である。
【0109】
本明細書の一実施態様によると、T〜Tは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素;重水素;ニトリル基;ヒドロキシ基;アシルハライド基;イソシアネート基;置換されているかまたは置換されていないアルコキシ基;置換されているかまたは置換されていないアリールオキシ基;置換されているかまたは置換されていないアルキルチオキシ基;置換されているかまたは置換されていないアリールチオキシ基;置換されているかまたは置換されていないアルキルスルホキシ基;置換されているかまたは置換されていないアリールスルホキシ基;置換されているかまたは置換されていないアミン基;置換されているかまたは置換されていないシクロアルキル基;置換されているかまたは置換されていない脂肪族ヘテロ環基;置換されているかまたは置換されていないアリール基;または置換されているかまたは置換されていないヘテロアリール基である。
【0110】
本明細書の一実施態様によると、T〜Tは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素;重水素;ニトリル基;ヒドロキシ基;アシルハライド基;イソシアネート基;アルコキシ基;アリールオキシ基;アルキルチオキシ基;アリールチオキシ基;アルキルスルホキシ基;アリールスルホキシ基;アミン基;アリールアミン基;ヘテロアリールアミン基;N、O、およびSのうち1つ以上を含む脂肪族ヘテロ環基;アリール基;またはヘテロアリール基である。
【0111】
本明細書の一実施態様によると、T〜Tは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、ニトリル基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アシルハライド基、イソシアネート基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオキシ基、アリールチオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、およびアミン基からなる群から選択される1つ以上で置換されているかまたは置換されていないアリール基である。
【0112】
本明細書の一実施態様によると、T〜Tは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、ニトリル基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アシルハライド基、イソシアネート基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオキシ基、アリールチオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、およびアミン基からなる群から選択される1つ以上で置換されているかまたは置換されていない炭素数6〜20のアリール基であり、前記アリール基は、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、またはフルオレニル基であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0113】
本明細書の一実施態様によると、T〜Tは、互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、ニトリル基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アシルハライド基、イソシアネート基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオキシ基、アリールチオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、およびアミン基からなる群から選択される1つ以上で置換されているかまたは置換されていないフェニル基である。
【0114】
本明細書の一実施態様によると、T〜Tはアミノ基(‐NH)である。
【0115】
本明細書の一実施態様によると、前記化学式9は、下記化学式9‐1で表されてもよく、前記化学式10は、下記化学式10‐1で表されてもよい。
[化学式9‐1]
【化30】
[化学式10‐1]
【化31】
【0116】
本明細書の一実施態様によると、前記ポリアミド活性層は、多孔性支持体上にアミン系化合物を含む水溶液層を形成するステップと、前記アミン系化合物を含む水溶液層上に、アシルハライド化合物を含む有機溶液を接触させてポリアミド活性層を形成するステップと、により形成することができる。この際、前記アミン系化合物を含む水溶液と、アシルハライド化合物を含む有機溶液の少なくとも1つは、前記化学式9または10で表される1種以上のビグアニジン化合物を含む。
【0117】
本明細書の一実施態様によると、前記化学式9または10で表される1種以上のビグアニジン化合物は、前記アミン系化合物を含む水溶液または前記アシルハライド化合物を含む有機溶液中に、0.01重量%〜10重量%の含量で含まれてもよく、好ましくは、2重量%〜10重量%の含量で含まれてもよい。上記の範囲を満たす場合、水処理分離膜中に存在するビグアニジン化合物が、アミン系化合物またはアシルハライド化合物との共有結合により、洗い流されることなく残留することで、塩除去率およびホウ素除去率が維持される。また、共有結合を成すことにより、水処理分離膜の自由体積(free volume)が増加するため、流量上昇の効果も奏される。
【0118】
本明細書の一実施態様によると、前記化学式9または10で表されるビグアニジン化合物の含量が、前記水溶液または前記有機溶液中に0.01重量%未満である場合には、ポリアミド活性層中の適切な共重合体含有量が確保できず、水処理分離膜の塩除去率の減少現象を防止することができず、10重量%を超える場合には、塩除去率が高くても、透過流量が低くなるため、分離膜の機能が確保されない。特に、10重量%以下である場合には、水溶液または有機溶液に対して不透明な状態を形成することになるため、沈殿が発生し、製膜設備を汚染させる問題を防止することができる効果がある。
【0119】
本明細書の一実施態様によると、前記アミン系化合物を含む水溶液層を形成するステップは特に限定されず、多孔性支持体上に水溶液層を形成できる方法であれば制限されずに使用可能である。具体的に、前記多孔性支持体上にアミン系化合物を含む水溶液層を形成する方法としては、噴霧、塗布、浸漬、滴下などが挙げられる。
【0120】
本明細書の一実施態様によると、前記アミン系化合物を含む水溶液層と、前記アシルハライド化合物を含む有機溶液とを接触させる時に、表面にコーティングされたアミン系化合物とアシルハライド化合物とが反応しながら、界面重合によりポリアミドが生成され、微細多孔性支持体に吸着されて薄膜が形成される。また、本明細書の一実施態様によると、前記接触の際には、浸漬、スプレー、またはコーティングなどの方法により活性層を形成することができる。
【0121】
本明細書の一実施態様によると、前記水溶液層は、必要に応じて、過剰のアミン系化合物を含む水溶液を除去するステップをさらに経てもよい。前記多孔性支持体上に形成された水溶液層は、支持体上に存在する水溶液が多すぎる場合には不均一に分布し得るが、水溶液が不均一に分布する場合、後続の界面重合によって不均一な活性層が形成され得る。したがって、前記支持体上に水溶液層を形成した後、過剰の水溶液を除去することが好ましい。前記過剰の水溶液の除去は、特に制限されないが、例えば、スポンジ、エアナイフ、窒素ガス吹き込み、自然乾燥、または圧縮ロールなどを用いて行うことができる。
【0122】
本明細書の一実施態様によると、前記多孔性支持体としては、不織布上に高分子材料のコーティング層が形成されたものが使用できる。前記高分子材料としては、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエチレンオキシド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリメチルクロリド、およびポリビニリデンフルオリドなどが使用できるが、必ずしもこれらに制限されるものではない。具体的に、前記高分子材料として、ポリスルホンが使用可能である。
【0123】
本明細書の一実施態様によると、多孔性支持体を準備し、多孔性支持体上にポリアミド活性層を形成するステップ、すなわち、アミン系化合物を含む水溶液を支持体上に塗布する前に、TEACSA(triethylammonium camphorsulfonate)のような添加剤をさらに塗布するステップを含んでもよい。
【0124】
本明細書の一実施態様によると、前記アミン系化合物を含む水溶液において、前記アミン系化合物は、水処理分離膜の製造に用いられるアミン系化合物であればその種類が制限されないが、具体例として、m‐フェニレンジアミン、p‐フェニレンジアミン、1,3,6‐ベンゼントリアミン、4‐クロロ‐1,3‐フェニレンジアミン、3‐クロロ‐1,4‐フェニレンジアミン、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上であることが好ましい。
【0125】
本明細書の一実施態様によると、前記アシルハライド化合物は、特に限定されるものではないが、例えば、2〜3個のカルボン酸ハライドを有する芳香族化合物であって、トリメソイルクロリド、イソフタロイルクロリド、テレフタロイルクロリド、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の混合物であってもよい。
【0126】
本明細書の一実施態様によると、前記アミン系化合物の含量は、前記アミン系化合物を含む水溶液に対して0.1重量%以上15重量%以下であってもよく、好ましくは、0.1重量%以上10重量%以下であってもよい。前記アミン系化合物の含量が0.1重量%未満である場合には、アシルハライド化合物を含む有機溶液との反応が円滑になされず、15重量%を超える場合には、アミン系化合物が水溶液に安定して溶解されにくい。
【0127】
また、本明細書の一実施態様によると、前記アシルハライド化合物の含量は、アシルハライド化合物を含む有機溶液に対して0.1重量%以上0.5重量%以下であってもよい。すなわち、本明細書の一実施態様によると、前記アシルハライド化合物の含量がアシルハライド化合物を含む有機溶液に対して0.1重量%以上である場合には、最終的に製造された分離膜の塩除去率および透過流量が減少される現象を防止することができる効果があり、0.5重量%以下である場合には、最終的に製造された分離膜の塩除去率が減少されることを防止することができる効果がある。
【0128】
本明細書の一実施態様によると、前記水溶液は、界面活性剤をさらに含んでもよい。
【0129】
本明細書の一実施態様によると、前記界面活性剤は、ノニオン性、カチオン性、アニオン性、および両性界面活性剤から選択されてもよい。本明細書の一実施態様によると、前記界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS);アルキルエーテルサルフェート類;アルキルサルフェート類;オレフィンスルホネート類;アルキルエーテルカルボキシレート類;スルホサクシネート類;芳香族スルホネート類;オクチルフェノールエトキシレート類;エトキシ化ノニルフェノール類;アルキルポリ(エチレンオキシド);ポリ(エチレンオキシド)およびポリ(プロピレンオキシド)の共重合体;オクチルグルコシドおよびデシルマルトシドなどのアルキルポリグルコシド類;セチルアルコール、オレイルアルコール、コカミドMEA、コカミドDEA、アルキルヒドロキシエチルジメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、およびヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリドなどの脂肪酸アルコール類;およびアルキルベタイン類から選択されるものであってもよい。具体的に、前記界面活性剤は、SLS、オクチルフェノールエトキシレート類、またはエトキシ化ノニルフェノール類であってもよい。
【0130】
本明細書の一実施態様によると、前記界面活性剤の含量は、前記水溶液に対して0.005重量%以上0.5重量%以下であってもよい。
【0131】
また、本明細書の一実施態様によると、前記有機溶液は、有機溶媒をさらに含んでもよい。前記有機溶媒としては、脂肪族炭化水素溶媒、例えば、フレオン類と炭素数5〜12のヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、アルカンのような水と混ざりにくい疎水性液体、例えば、炭素数5〜12のアルカンとその混合物であるIsoPar(Exxon)、ISOL‐C(SK Chem)、ISOL‐G(Exxon)などが使用できるが、これに制限されるものではない。
【0132】
本明細書の一実施態様によると、前記有機溶媒は、有機溶液100重量部を基準として80重量部以上99.499重量部以下で含まれてもよい。前記有機溶媒の含量が、有機溶液100重量部を基準として80重量部以上である場合には、最終的に製造された分離膜の塩除去率および透過流量が減少される現象を防止することができる効果があり、99.499重量部以下である場合には、最終的に製造された分離膜の塩除去率が減少される現象を防止することができる効果がある。
【0133】
本明細書の一実施態様によると、前記水処理分離膜は、精密濾過(Micro Filtration)膜、限外濾過(Ultra Filtration)膜、ナノ濾過(Nano Filtration)膜、または逆浸透(Reverse Osmosis)膜などに用いられることができ、具体的に、逆浸透膜に用いられることができる。
【0134】
本明細書のさらに1つの実施態様は、上述の水処理分離膜を含む水処理モジュールを提供する。
【0135】
前記水処理モジュールの具体的な種類は特に制限されず、例えば、板状(Plate&Frame)モジュール、管状(Tubular)モジュール、中空糸状(Hollow&Fiber)モジュール、または渦巻状(Spiral wound)モジュールなどが含まれる。また、前記水処理モジュールは、上述の本明細書の一実施態様に係る水処理分離膜を含む限り、それ以外の他の構成および製造方法などは特に限定されず、当該分野において公知の一般的な手段を制限されずに採用してもよい。
【0136】
一方、本明細書の一実施態様に係る水処理モジュールは、塩除去率および透過流量に優れるとともに、化学的安定性に優れるため、家庭用/産業用浄水装置、下水処理装置、海水淡水処理装置などのような水処理装置に有用に使用できる。
【0137】
以下、本明細書を具体的に説明するために、実施例を挙げて詳細に説明する。しかし、本明細書に係る実施例は、種々の他の形態に変形可能であり、本明細書の範囲が、以下に詳述する実施例によって限定されると解釈されない。本明細書の実施例は、当業界における平均的な知識を有する者に本明細書をより完全に説明するために提供されるものである。
【発明を実施するための形態】
【0138】
<実施例>水処理分離膜の製造
【0139】
<実施例1>
【0140】
DMF(N,N‐ジメチルホルムアミド)に18重量%のポリスルホン固形分を入れ、80℃〜85℃で12時間以上溶かして、均一な液状を得た。この溶液を、ポリエステル製の厚さ95μm〜100μmの不織布上に、150μmの厚さでキャストした。その後、キャストされた不織布を水に入れて多孔性ポリスルホン支持体を製造した。この際、支持体の幅が400nmとなるように製造した。
【0141】
前記多孔性ポリスルホン支持体上に、全溶液に対して10重量%のTEACSA(triethylammonium camphorsulfonate)および水を含む溶液をスロットコーティング法により塗布した。
【0142】
その後、全水溶液に対して5重量%のメタフェニレンジアミン(mPD)、0.1重量%の下記化合物Aを含む水溶液を、スロットコーティング法により、16m/minの速度で前記多孔性ポリスルホン支持体上に塗布することで、水溶液層を形成した。次いで、塗布時に発生した余分の水溶液をエアナイフを用いて除去した。
【0143】
前記水溶液層上に、全有機溶液に対して0.3重量%のTMCおよび有機溶媒(IsoPar G)を含む有機溶液を、スロットコーティング法により、16m/minの速度で塗布した。そして、95℃で液状成分が全て蒸発するまで乾燥した後、超純水蒸留水(DIW)で洗浄することで、水処理分離膜を製造した。この際、分離膜の幅が380nmとなるように製造した。
【0144】
<実施例2>
【0145】
前記実施例1において、全水溶液に対して、5重量%のメタフェニレンジアミン(mPD)、0.1重量%の下記化合物Aを含む水溶液の代わりに、5重量%のメタフェニレンジアミン(mPD)、0.2重量%の下記化合物Aを含む水溶液を使用したことを除き、前記実施例1と同様の方法により水処理分離膜を製造した。
【0146】
<実施例3>
【0147】
前記実施例1において、全水溶液に対して、5重量%のメタフェニレンジアミン(mPD)、0.1重量%の下記化合物Aを含む水溶液の代わりに、5重量%のメタフェニレンジアミン(mPD)、0.3重量%の下記化合物Aを含む水溶液を使用したことを除き、前記実施例1と同様の方法により水処理分離膜を製造した。
【0148】
<実施例4>
【0149】
前記実施例1において、全水溶液に対して、5重量%のメタフェニレンジアミン(mPD)、0.1重量%の下記化合物Aを含む水溶液の代わりに、5重量%のメタフェニレンジアミン(mPD)、0.4重量%の下記化合物Aを含む水溶液を使用したことを除き、前記実施例1と同様の方法により水処理分離膜を製造した。
【0150】
<実施例5>
【0151】
前記実施例1において、全水溶液に対して、5重量%のメタフェニレンジアミン(mPD)、0.1重量%の下記化合物Aを含む水溶液の代わりに、5重量%のメタフェニレンジアミン(mPD)、0.5重量%の下記化合物Aを含む水溶液を使用したことを除き、前記実施例1と同様の方法により水処理分離膜を製造した。
【0152】
<実施例6>
【0153】
DMF(N,N‐ジメチルホルムアミド)に18重量%のポリスルホン固形分を入れ、80℃〜85℃で12時間以上溶かして、均一な液状を得た。この溶液を、ポリエステル製の厚さ95μm〜100μmの不織布上に、150μmの厚さでキャストした。その後、キャストされた不織布を水に入れて多孔性ポリスルホン支持体を製造した。この際、支持体の幅が400nmとなるように製造した。
【0154】
前記多孔性ポリスルホン支持体上に、全溶液に対して10重量%のTEACSA(triethylammonium camphorsulfonate)および水を含む溶液をスロットコーティング法により塗布した。
【0155】
その後、全水溶液に対して、5重量%のメタフェニレンジアミン(mPD)、0.1重量%の下記化合物Bを含む水溶液を、スロットコーティング法により、16m/minの速度で前記多孔性ポリスルホン支持体上に塗布することで、水溶液層を形成した。次いで、塗布時に発生した余分の水溶液をエアナイフを用いて除去した。
【0156】
前記水溶液層上に、全有機溶液に対して0.3重量%のTMCおよび有機溶媒(IsoPar G)を含む有機溶液を、スロットコーティング法により、16m/minの速度で塗布した。そして、95℃で液状成分が全て蒸発するまで乾燥した後、超純水蒸留水(DIW)で洗浄することで、水処理分離膜を製造した。この際、分離膜の幅が380nmとなるように製造した。
【0157】
<実施例7>
【0158】
前記実施例6において、全水溶液に対して、5重量%のメタフェニレンジアミン(mPD)、0.1重量%の下記化合物Bを含む水溶液の代わりに、5重量%のメタフェニレンジアミン(mPD)、0.3重量%の下記化合物Bを含む水溶液を使用したことを除き、前記実施例6と同様の方法により水処理分離膜を製造した。
【0159】
<比較例1>
【0160】
前記実施例1において、全水溶液に対して、5重量%のメタフェニレンジアミン(mPD)、0.1重量%の下記化合物Aを含む水溶液の代わりに、ビグアニジン化合物を含んでいない5重量%のメタフェニレンジアミン(mPD)を含む水溶液を使用したことを除き、前記実施例1と同様の方法により水処理分離膜を製造した。
【0161】
[化合物A]
【化32】
[化合物B]
【化33】
【0162】
<比較例2>
【0163】
DMF(N,N‐ジメチルホルムアミド)に18重量%のポリスルホン固形分を入れ、80℃〜85℃で12時間以上溶かして、均一な液状を得た。この溶液を、ポリエステル製の厚さ95μm〜100μmの不織布上に、150μmの厚さでキャストした。その後、キャストされた不織布を水に入れて多孔性ポリスルホン支持体を製造した。この際、支持体の幅が400nmとなるように製造した。
【0164】
前記多孔性ポリスルホン支持体上に、全溶液に対して10重量%のTEACSA(triethylammonium camphorsulfonate)および水を含む溶液をスロットコーティング法により塗布した。
【0165】
その後、全水溶液に対して、5重量%のメタフェニレンジアミン(mPD)および0.1重量%の下記化合物Cを含む水溶液を、スロットコーティング法により、16m/minの速度で前記多孔性ポリスルホン支持体上に塗布することで、水溶液層を形成した。次いで、塗布時に発生した余分の水溶液をエアナイフを用いて除去した。
【0166】
前記水溶液層上に、全有機溶液に対して0.3重量%のTMCおよび有機溶媒(IsoPar G)を含む有機溶液を、スロットコーティング法により、16m/minの速度で塗布した。そして、95℃で液状成分が全て蒸発するまで乾燥した後、超純水蒸留水(DIW)で洗浄することで、水処理分離膜を製造した。この際、分離膜の幅が380nmとなるように製造した。
【0167】
<比較例3>
【0168】
前記比較例2において、全水溶液に対して、5重量%のメタフェニレンジアミン(mPD)および0.1重量%の下記化合物Cを含む水溶液の代わりに、5重量%のメタフェニレンジアミン(mPD)および0.2重量%の下記化合物Cを含む水溶液を使用したことを除き、前記比較例2と同様の方法により水処理分離膜を製造した。
【0169】
<比較例4>
【0170】
前記比較例2において、全水溶液に対して、5重量%のメタフェニレンジアミン(mPD)および0.1重量%の下記化合物Cを含む水溶液の代わりに、5重量%のメタフェニレンジアミン(mPD)および0.3重量%の下記化合物Cを含む水溶液を使用したことを除き、前記比較例2と同様の方法により水処理分離膜を製造した。
【0171】
<比較例5>
【0172】
前記比較例2において、全水溶液に対して、5重量%のメタフェニレンジアミン(mPD)および0.1重量%の下記化合物Cを含む水溶液の代わりに、5重量%のメタフェニレンジアミン(mPD)および0.4重量%の下記化合物Cを含む水溶液を使用したことを除き、前記比較例2と同様の方法により水処理分離膜を製造した。
【0173】
<比較例6>
【0174】
前記比較例2において、全水溶液に対して、5重量%のメタフェニレンジアミン(mPD)および0.1重量%の下記化合物Cを含む水溶液の代わりに、5重量%のメタフェニレンジアミン(mPD)および0.5重量%の下記化合物Cを含む水溶液を使用したことを除き、前記比較例2と同様の方法により水処理分離膜を製造した。
[化合物C]
【化34】
【0175】
<実験例1>
【0176】
1)NMR分析
【0177】
前記実施例3で製造された水処理分離膜のNMRを分析した結果を、下記に記載した。
【0178】
1H‐NMR分析は、三重共鳴5mmプローブ(probe)を有するVarian Unity Inova(500MHz)分光計を備えたNMR分光計を用いて、常温で行った。NMR測定用溶媒(DO)に、分析対象物質を約10mg/ml程度の濃度で希釈させて使用した。
【0179】
13C‐NMR分析は、三重共鳴5mmプローブ(probe)を有するVarian Unity Inova(500MHz)分光計を備えたNMR分光計を用いて、常温で行った。NMR測定用溶媒(DO)に、分析対象物質を約10mg/ml程度の濃度で希釈させて使用した。
【0180】
13C‐NMR分析は、1H‐NMR分析装置と同一の機器で測定し、測定時のパルスシーケンスのみを異ならせて設定して測定した。
【0181】
酸または塩基の解離前に分離膜の表面を測定する方法と、酸(HCl)または塩基(NaOH)の解離後に分離膜の表面を測定する方法の2つの測定を行い、その結果を下記表1に示し、1H‐NMR分析結果を図1に示した。
【0182】
酸または塩基にそれぞれ解離する場合、または同時に解離する場合にも類似の結果が測定された。酸または塩基の処理は、共有結合を成した分離膜に強い損傷(damage)を与えることを意味する。
【0183】
【表1】
【0184】
2)IR分析
【0185】
前記実施例3で製造された水処理分離膜のIRを分析した結果を、下記に記載した。
【0186】
FT‐IR spectroscopyを用いて、ATR modeによりスペクトルを測定した。酸または塩基の解離前に分離膜の表面を測定する方法と、酸(HCl)または塩基(NaOH)の解離後に乾燥された膜をKBrと混合して測定する方法の2つの測定を行い、その結果を下記表2に示した。
【0187】
【表2】
【0188】
3)MS分析
【0189】
前記実施例3で製造された水処理分離膜の酸または塩基の解離後にMSを分析した結果を、下記に記載した。
【0190】
m/z分析は、ESIポジテイブイオン化法により、C18カラムを用いて、LC/MS分析を40℃で行い、その結果を下記および図3に示した。
【0191】
ESI‐MS分析:酸(HCl)または塩基(NaOH)の解離結果、m/z=227、193、178、102、85、60[M+H]
【0192】
前記実験例1によると、本明細書の一実施態様に係る水処理分離膜は、1H‐NMR分析した時に、4個のベンゼン環のピーク(peak)が6.8ppm〜7.8ppmの間に存在することが分かる。
【0193】
前記実験例1によると、本明細書の一実施態様に係る水処理分離膜は、ビグアニジン化合物がポリアミド活性層に共有結合により存在しており、酸または塩基の解離後にも、ポリアミド活性層中に共有結合しているビグアニジンのみが残ることとなり、C=NとN‐C‐Nのピーク(peak)が現れることが分かる。
【0194】
しかし、ビグアニジン化合物を添加剤として添加して製造した水処理分離膜は、主鎖に該官能基が共有結合により導入されているとの分析結果が存在せず、添加剤としてビグアニジン基が用いられる場合、ポリアミド活性層の内部に存在するか、それとも洗い流されてしまうのかが確認できないという欠点がある。また、分離膜の表面(solid)を測定すると、水処理分離膜中に埋め込まれている(embedding)ビグアニジン基によってC=NとN‐C‐Nのピークが現れ得るが、酸または塩基の解離時には、ビグアニジン化合物が解離されてピーク(peak)がなくなることになる。
【0195】
上記のような実験例1の結果から、本発明の実施例により製造された水処理分離膜は、ビグアニジン化合物が、アミン系化合物またはアシルハライド化合物と共有結合を成していることを確認することができる。
【0196】
<実験例2>
【0197】
前記実施例1〜7および比較例1〜6で製造された水処理分離膜に対して、32,000ppmのNaCl水溶液を800psi、4.5L/minの流量で、1時間程度装備運転を実施し、安定化したことを確認した後、25℃で10分間透過される水の量を測定して透過流量(flux:gfd(gallon/ft/day))を計算した。また、伝導度メータ(Conductivity Meter)を用いて透過前と後の塩濃度を分析し、塩除去率(Rejection)を計算した結果を下記表3に記載した。
【0198】
【表3】
【0199】
前記表3において、透過流量変化率および塩除去率変化量は、比較例1を基準とした、実施例1〜7および比較例2〜6の透過流量変化率および塩除去率変化量を記載した値である。
【0200】
前記表3の結果によると、本明細書の一実施態様に係る水処理分離膜は、ポリアミド層にビグアニジン化合物が含まれていない比較例1〜6に比べて、塩除去率が向上することを確認することができた。
【0201】
これは、ビグアニジン化合物が、アミン系化合物またはアシルハライド化合物との共有結合によりポリアミド活性層中に安定して存在する場合、駆動時間および条件にかかわらず高い塩除去率およびホウ素除去率が維持されるためである。
【0202】
また、塩除去率の変化量を比較すると、ポリアミド活性層にビグアニジン化合物を含む実施例1〜5は、グアニジン化合物を含む比較例2〜6に比べて透過流量変化率は類似のレベルであり、塩除去率を向上させる効果に優れることが分かる。
【0203】
<実験例3>
【0204】
前記化合物AおよびPHB(Poly(hexamethylene biguanide)重合体(分子量600〜900g/mol)に対して、実験例1に記載の方法と同様の方法により13C‐NMR分析した結果を図4に示した。前記PHBの場合、mPDまたはTMCと共有結合を成し得る官能基が末端に存在しないため、ポリアミド活性層への結合が不可能であって、TMCのC=Oのみが検出されるが、化合物Aの場合、末端にアミン基が存在して共有結合を成すことができるため、TMCのC=Oだけでなくビグアニドもともに検出されることを確認することができる。
【化35】
【0205】
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明がこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲および発明の詳細な説明の範囲内で様々な変形実施が可能であって、これも本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0206】
100 不織布
200 多孔性支持層
300 ポリアミド活性層
400 塩水
500 精製水
600 濃縮水
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】