【実施例】
【0133】
以下の例は、特許請求した方法の工程のそれぞれを示している。
本発明の目的および実施された実験の目的は、ヒドロキシル基をほぼ含まない、そして、更には、オルガノシラン不動態化コーティングの単層〜準単層の被覆を有するSiO
2表面を生成させることである。好ましい態様では、SiO
2の表面上の不動態化分子の「立体」障害が、熱処理工程が完了した後に残された表面ヒドロキシル基のほぼ均一な平均間隔に密接に適合する(
図2の図解を参照)。
工程1:基材を、湿式の化学組成物と接触させて、初期濃度の表面ヒドロキシル基に対して増加した濃度の表面ヒドロキシル基を含む処理された基材を得る工程
例1:SC−1湿式化学暴露での表面ヒドロキシル濃度の増加
【0134】
SiO
2およびSi(100)の独立した細片が、以下の逐次の工程によって同時に処理される。
【0135】
両方の基材表面が、過酸化水素(28〜30%)、水酸化アンモニウム(28%)、および蒸留された脱イオン水の、200mL:100mL:1000mLの比の、新たに調製された溶液中で洗浄され、この洗浄には、最初にそれらの化学薬品を一緒に石英ガラスビーカ中で混合すること、この溶液をビーカ中で70℃±5℃に加熱すること、これらの基材表面を、予備加熱された洗浄溶液中に10分間に亘って完全に浸漬させること、これらの基材を洗浄溶液から取り出すこと、およびそれらを、新たに蒸留された脱イオン水で満たされた容器中に浸漬させること、およびそれらの基材を、基材上の洗浄溶液濃度が検出限界未満まで希釈されるまで、すすぐこと、が包含されている。
【0136】
洗浄工程の有効性および完全性は、水またはいずれかの他の好適な流体で構成された液体での接触角測定(ゴニオメータ測定)を用いて測定されることができる。ここに提示されたデータは、2μLの体積を有する蒸留された脱イオン水の液滴についてのものである。
【0137】
開始表面(受け入れたままの状態での)は、複数の回数で測定され、そして以下に示す範囲内に収まることが見出された。
SiO
2: 32〜43°
Si(100): 26〜35°
【0138】
受け入れたままの接触角測定結果における観察されたばらつきは、受け入れたままの状態の両方の基材に共通する、酸化物表面上への大気中の水分の吸着の直接的な結果であることが信じられる。
【0139】
SiO
2およびSi(100)の両方の表面は、ゴニオメータ測定およびTOF−SIMS測定によって測定されて、開始試料のそれよりも、遥かに高い程度までヒドロキシル化されていた。完全にヒドロキシル化された表面の水の接触角が測定され、そして以下に示された範囲内に収まることが見出された。
SiO
2: 5〜10°
Si(100): 5〜10°
【0140】
これらの表面が、湿潤であり、そして親水性であることが示された後に、この第1の工程は完了する。湿式洗浄工程によって説明されたけれども、本発明はそのように限定されるものではない。
【0141】
受け入れたままの、そして洗浄後の状態のSiO
2表面の状態はまた、SiO
2基材のTOF−SIMS測定によっても反映される。それらの測定は、基材上に存在するヒドロキシル、ヒドリドおよび他の種の表面濃度の「半定量的」特徴づけを可能とさせる。受け入れたまま、および洗浄後の状態の代表的なTOF−SIMSスペクトルが、
図3に与えられており、これは、2つの試料についての2つのSiOHピークの間の相対的な強度の差異によって示されるように、洗浄後のヒドロキシル表面濃度の明確な増加を示している。洗浄後のヒドロキシル濃度のこの増加は、表面ヒドロキシル濃度の所望の制御された減少を可能とさせるものである。
例2:Si(100)表面上のSi−OH結合のSi−H結合への変換
【0142】
上記の例によって与えられた完全にヒドロキシル化されたSiO
2およびSi(100)表面が、次いで同時に、2.0〜3.0%の範囲(0.1%〜5.0%の範囲)の濃度を有するHF溶液を用いて、完全に疎水性の表面が得られるまで処理され、そして次いで水ですすがれて、そして超高純度の窒素流を用いて送風乾燥された。Si(100)のH末端表面の形成は、典型的には、室温で、80〜110秒間の範囲を要した(範囲:20秒間〜600秒間)。SiO
2およびSi(100)の表面が、接触角測定を用いて特徴付けられた。一般に、SiO
2表面の接触角が小さければ小さいほど、そしてSi(100)−H表面の接触角が90°に近ければ近いほど、本発明の目的に対してHF−エッチング工程の結果がより良好になることが信じられる。2つの基材表面について、HF−エッチング工程の後で測定された典型的な値は、以下のとおりである。
SiO
2: 4〜8°
Si(100): 80°〜90°
【0143】
表面ヒドロキシル化の高い程度のために、それらの種類のSiO
2基材は、受け入れたままの試料よりも、大気の汚染物質および水分吸着に対して幾分より影響を受け易くなっており、そのため、反応器の系中に供給する前のそれらの貯蔵および取扱いの間に、注意を働かせなければならない。本発明が意図されるように実施されるために、この種の過剰な水分のいずれかを、試料表面から、熱処理工程を実施する前に、完全に取り除くことが必要である。このことは、減圧された圧力条件の下で、約200℃の温度で、1〜10分間の間、加熱することによって成し遂げることができる。雰囲気は、10−5Torr〜740Torrの圧力の真空(または、超高純度の不活性ガス流(N
2、He、Ne、Arなど)の下での減圧)であることができる。
【0144】
同様に、Si(100)−H表面は、酸化する傾向を有する空気の暴露に対して限定された安定性を示して、それによって選択的不動態層の形成に必要とされるSiO
2表面からの化学的な差別化を無効にすることが実証された。本発明が意図とおりに実施されるためには、表面の再酸化を避けるように、試料をHFエッチングの後に、反応器系中に可能な限り迅速に供給することが必要である。あるいは、基材は、化学的に不活性の雰囲気中に貯蔵されることができ、その中では酸化の速度は空気に対して非常に遅く、そして次いで、迅速に反応器系中に供給される。
【0145】
湿式の洗浄によって説明したけれども、完全にヒドロキシル化されたSiO
2表面[α
OH(s)=9.5μモル/m
2]および完全に水素末端のSi(100)表面を生成することができるいずれかのプロセスあるいはプロセスの組み合わせを、本発明を実施するのに同時に用いることができる。プラズマプロセス(上記のような)、湿式プロセス、またはそれらの2つの組み合わせを、上記の性質を有する必要な化学末端を与えるのに用いることができる。
【0146】
洗浄後の状態(SC−1およびHF)におけるSi(100)およびSiO
2表面の状態はまた、TOF−SIMS測定によって特徴付けられる。それらの測定は、基材上に存在するヒドロキシル、ヒドリドおよび他の種の表面濃度の半定量的な特徴づけを可能にさせる。SC−1洗浄およびHFエッチングの後のSi(100)およびSiO
2表面についての代表的なTOF−SIMSスペクトルが
図6に示されている。
図6に示された小さなヒドロキシルのピークは、測定のための移送中に試料に起こった幾らかの酸化に因るものであることが信じられる。
【0147】
図6を参照して、空気の暴露の間に起こったSi(100)試料の酸化にもかかわらず、化学的な表面末端における所望の差異が、SiO
2とSi(100)表面の間で達成されていることが明らかである。すなわち、互いに対して、SiO
2表面は、ヒドロキシル基の非常に高い濃度を有しており、そしてSi(100)表面は、ヒドリド基の非常に高い濃度を有している;Si(100)表面に起こっている空気酸化があったとしても、洗浄工程の後に、2つの表面が、非常に異なる濃度のヒドロキシルおよびヒドリド表面末端を有していることが明らかである。また、単結晶シリコン表面のHFエッチングは、疎水性の水素表面をもたらし、それは長い空気暴露では、影響を受け易いことは、当業者にはよく知られている。
工程2:処理された基材の約200℃〜約600℃の温度への加熱、ここでこの加熱工程は、基材の表面上で、第1の表面上の表面ヒドロキシル基の少なくとも一部を表面シロキサン基へと変換する
例3:湿式洗浄とそれに続く熱処理
【0148】
熱的な予備処理の目的は、表面ヒドロキシル濃度を最大量まで低下させることであり、理想的には、分離されたヒドロキシル基だけを後に残し、それは次いで気相プロセスを用いて有機シラン前駆体の1種を用いて不動態化される。熱処理を用いて表面ヒドロキシル濃度の最大限の減少を実現するために、完全にヒドロキシル化された表面を生成させることが先ず必要である(湿式洗浄、気相暴露、プラズマ処理などを用いて)。すなわち、熱処理の前に、表面ヒドロキシル濃度を、受け入れたままの、または処理されたままの二酸化ケイ素表面で通常観察される濃度を超えて、先ず増加させて、本発明の表面ヒドロキシル末端を実現させることが必要である。
【0149】
表面ヒドロキシル基の熱処理での減少の背後にある機構は、下記の式による水の脱離を伴うシラノール縮合反応である。
【化7】
【0150】
3種の試料が、TOF−SIMSを用いて特徴付けられて、熱処理前と熱処理後の状態での表面ヒドロキシル濃度を定量した。
(1)受け入れたままの熱二酸化ケイ素「受け入れたまま」
(2)(NH
4OH+H
2O
2)を用いて洗浄された二酸化ケイ素「SC−1」
(3)(NH
4OH+H
2O
2)を用いて洗浄され「SC−1」、次いでHFエッチングされた二酸化ケイ素「SC−1+HF」
【0151】
それぞれの種類の試料に用いられる熱処理手順は同じであり、そして以下の一次的な工程を含んでいる。
(1)適切な湿式化学工程による表面ヒドロキシル被覆率(存在するのであれば)の調製。
(2)試料を反応器系中に供給し、そこでそれらは加熱される。
(3)基本の圧力に反応器系が達するまで、試料を周期的にパージする工程。
(4)反応器系を、超高純度のN
2の流れの下で十分な時間に亘ってパージして、反応器系の開放から、そして試料自体から発生する、反応器系中の水分含有量を低下させる工程。
(5)炉の温度制御器中に記憶された予めプログラムされたプロセスを用いて熱処理を実施する工程。
(6)試料を、超高純度のN
2の流れの下で、室温まで冷却する工程。
(7)これらの試料を、反応器系から取り出し、そしてそれらをN
2の下で分析のための発送のために包装する工程。
例4:SC−1洗浄された二酸化ケイ素試料の熱処理(Si(100)上の1000A熱SiO
2)
【0152】
1000Åの熱SiO
2/Si(1000)(”1000ÅSiO
2”)の幾つかの1.5”×1.5”細片が、4”ウエハから切り出され、高純度の窒素の流れで粒子を取り除くように吹き飛ばされ、そして次いでSC−1洗浄浴中に浸漬するのに好適なテフロンボート中に容れられた。このボートおよび試料は、次いで70±5℃の温度に予備加熱されたSC−1洗浄溶液(100mLの超高純度NH
4OH(28%〜30%)、200mLの超高純度H
2O
2(28〜30%)、1000mLの蒸留され、脱イオンされたH
2O)中に浸漬され、ここでそれらは10分間に亘って洗浄された。これらの試料は、次いで洗浄浴から取り出され、そして蒸留され、脱イオン化された水での3回のダンプリンスサイクルを用いて化学薬品がすすぎ落された。これらの試料は、次いで、粒子をフィルタで取り除かれた超高純度のN
2ガス源を用いて、完全に乾燥された。
【0153】
洗浄された1000ÅのSiO
2試料の1つが、次いで、250sccmの超高純度のN
2ガス流の下で、室温で、管式炉反応器系の管中に容れられた。この管は、次いで封止され、そしてゆっくりと10mTorrの圧力に減圧された。20sccmのN
2流が、次いでこの反応管中に導入され、そして減圧のN
2パージが、2分間に亘って行われた(2.3Torrの圧力で)。このN
2流は、次いで停止され、そしてこの管は、<5mTorrの圧力に減圧された。上記のサイクルパージの工程が、反応器系内に、基本の圧力が得られるまで繰り返された。
【0154】
基本の圧力が得られた後に、20sccmの超高純度N
2が反応器系中に導入され、そして熱処理を開始する前に系中のバックグラウンドの水分濃度を低減させるように、減圧のN
2パージ(2.3Torrで)が1時間に亘って行われた。
【0155】
熱処理が、次いでこの炉のために温度制御器に記憶された予めプログラムされた加熱プロセス処方を用いて、超高純度N
2ガスの減圧パージの下で(2.3Torrで)、行われた。2つの独立した熱電対(1つは外管温度を表し−「壁」、そして1つは試料温度を表す−「試料」)の熱の軌跡が、
図4に示されており、これは時間の関数として試料温度を示している。
【0156】
また、
図4は、熱処理工程の間に起こる、試料からの水分の放出の形跡を示している(インサイチュの四重極質量分析計(QMS)によって測定された)。この水分の放出は、上記のシラノール縮合反応に適合する。
【0157】
熱処理プロセスが完了された後に、これらの試料は、20sccmの超高純度N
2の流れの下で室温に冷却された(2.3Torrの圧力で)。これらの試料は、500sccmのN
2の流れの下で取り出され、そして次いでN
2の下でTOF−SIMSのための販売業者への出荷のために容器中に迅速に封入された。
【0158】
ここで
図5を参照して、上記の3種の試料が、それぞれSC−1洗浄された試料について上記されたのと同じ方法で熱処理によって処理された。それらの種類の試料のそれぞれが、熱処理前および熱処理後状態で、TOF−SIMSおよびAFMを用いて、ならびにゴニオメータ測定(水接触角測定)によって、特性決定された。それらの試料についてのTOF−SIMSのデータが
図5に示されている。このTOF−SIMS測定結果は、熱処理前および熱処理後の状態のこれらの試料のそれぞれについて観察される正規化されたSiOH
+イオン強度(45amuの質量で)を示している。以下の重要な観察結果が、この一組のデータから推論される。
【0159】
1.受け入れたままの試料(これは、その通常の状態を超えて、その表面ヒドロキシル濃度は増加されていない)は、熱処理工程の後に表面ヒドロキシル濃度における非常に小さな変化を示した。この試料については熱処理の後で、表面ヒドロキシル濃度に目立った低下はなかった。
【0160】
2.SC−1およびSC−1+HF試料の両方は、その表面ヒドロキシル濃度を増加させる工程を受けていない、受け入れたままの試料に対して増加された表面ヒドロキシル濃度を有している(「予想されていた」ように)。
【0161】
3.SC−1およびSC−1+HF試料の両方は、熱処理の後に、表面ヒドロキシル濃度の、受け入れたままの試料の熱処理後のそれよりも、遥かに低い濃度への、劇的な減少を示している。この重要な相違は、本発明の所望の低い表面ヒドロキシル濃度を得るための全体のプロセスフローの重要性を強調している。熱処理の前に表面ヒドロキシル濃度を最初に増加させることなしには、熱処理によって、表面ヒドロキシル濃度の劇的な低下は実現されない。このことは、当業界で遭遇される大抵の酸化ケイ素表面は、それらが、ここに開示された熱処理プロファイルを用いて加熱されたとしても、本発明で望まれる挙動を示さないことを意味している。
例5:熱処理(Si(100)表面のヒドリド表面末端への最小限の影響での制御された方法でのSiO
2表面ヒドロキシル濃度の低下)
【0162】
例1および2で調製された所望の化学的表面末端を有するSi(100)およびSiO
2は、次いで反応器系中に容れられ、そこでそれらは大気のそして物理的吸着された汚染物質を除去するように幾回かのポンプでのパージサイクルに付される。第1のサイクルは、試料を、基本の圧力から2〜10mTorrの範囲で高い圧力にポンプ送気すること、次いで減圧N
2パージ(10〜20sccmの超高純度N
2)に2〜4Torrの圧力で3分間、次いで基本の圧力の1〜3mTorrの範囲で上の圧力へのポンプ送気すること、次いで2〜4Torrの圧力での3分間の減圧N
2パージ(10〜20sccmの超高純度N
2)、次いで基本の圧力への最後のポンプダウン、を含んでいる。この実験では、加熱されたロードロックが利用できなかったので、サイクルパージは、反応器管自体の中で行った。
【0163】
これらの試料は、次いで熱処理を用いて、SiO
2上のヒドロキシル表面濃度を低下させ、一方でSi(100)ヒドリド表面への最小限の影響を有するように処理された。熱処理プロファイルは
図7に示されており、ここでx軸は分での時間であり、そしてy軸は℃での温度である。
【0164】
図7に示された温度は、2つの独立した熱電対についてのものである(1つは炉自体の中に、そして反応器管と接触して埋め込まれており、そして1つは実際の試料温度に緊密に接近している。これは、反応によってSiO
2表面上のヒドロキシル濃度を低下させるのに用いられた実際のプロファイルである。
【化8】
【0165】
図8には、熱処理温度プロファイルに重ねられたインサイチュの質量スペクトルを用いて収集されたデータが示されており、そして試料からの水の放出が明確に示されている。熱処理は、ある範囲の条件で行われることができるが、しかしながら現在は、熱処理は、減圧操作で、約2.5Torrの圧力で、約20sccmN
2の流量の超高純度N
2の流れの下で実施された。
【0166】
SC−1洗浄後、HFエッチング後、および熱処理後のSiO
2のゴニオメータ測定結果は、以下の水接触角の測定結果を与える:
SiO
2:29.1°(対照として:SiO
2+SC−1+熱処理=30.5°)
Si(100):56.3(空気暴露による酸化を示している;対照として、Si(100)+熱処理のない予行試験試料:57.9;空気中に貯蔵されたSi(100)試料は、空気中での暴露および貯蔵の後に継続した酸化を示し、結局、約41.9°に近い定常状態に到達し、これは当業者が二酸化ケイ素について容認する値に非常に近い)。
【0167】
また、洗浄後/熱処理後の状態におけるSi(100)およびSiO
2表面の状態は、TOF−SIMS測定によって特性決定された。それらの測定結果は、基材上に存在するヒドロキシル、ヒドリドおよび他の種の表面濃度の半定量的な特性決定を可能にする。SC−1洗浄およびHFエッチング後のSi(100)およびSO
2表面の代表的なTOF−SIMSスペクトルが
図9に示されている。装置/実験の制約のために、空気暴露の結果として、Si(100)スペクトル中に酸化のピークが存在することに、ここで再び注意しなければならない。
例6:受け入れたままの1000Å SiO
2/Si(100)の熱処理
【0168】
1000Åの熱SiO
2/Si(100)の幾つかの1.5”×1.5”の細片(「1000ÅSiO
2」が4”ウエハから切り出され、高純度の窒素流で粒子を取り除くように吹き飛ばされ、そして次いで250sccmの超高純度N
2ガスの室温の流れの下で管式炉反応器の管中に容れられた。この管は、次いで封止され、そして10mTorrの圧力にゆっくりと減圧された。20sccmのN
2流が、次いでこの反応器管中に導入され、そして減圧されたN
2パージが2分間に亘って行われた(2.3Torrの圧力で)。N
2の流れは次いで停止され、そしてこの管は<5mTorrの圧力まで減圧された。上記のサイクルパージ工程を、この系の基本の圧力が得られるまで、繰り返された。
【0169】
基本の圧力が得られた後に、超高純度N
2の20sccmの流れが反応器系中に導入され、そして熱処理が開始される前に系中のバックグラウンドの水分濃度を低減させるように、減圧のN
2パージ(2.3Torrで)が1時間に亘って行われた。当業者には知られているように、ロードロックシステムの使用は、大きく低減されたサイクル回数を可能とし、一方で、ここに記載されたプロセスが有効であるために必要とされる系の純度を更に与える。
【0170】
熱処理が、次いでこの炉のための温度制御器に記憶された予めブログラムされた加熱プロセス処方を用いて、超高純度N
2ガスの減圧パージ(2.3Torrで)の下で、行われた。2つの独立した熱電対の熱の軌跡(1つは外管温度を表し「壁」、そして1つは試料温度を表す)が、時間の関数として
図10に示されている。
【0171】
熱処理プロセスが完了した後に、「受け入れたままの」1000ÅSiO
2試料は、20sccmの超高純度N
2の流れ(2.3Torrの圧力で)の下で室温まで冷却された。これらの試料は、次いで500sccmのN
2流の下で取り出され、そして容器中に迅速に封入され、そして次いでそれらの性質の分析的な特性決定のための販売業者への出荷のために、N
2の下で貯蔵された。
【0172】
「受け入れたままの」1000ÅSiO
2試料は、水接触角測定、原子間力顕微鏡法(AFM)および飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)を用いて特性決定された。比較のために、熱処理加工を受けなかった「受け入れたままの」1000ÅSiO2試料もまた、同じ方法で特性決定された。これらの分析の結果が、以下の表に示されている。
【表1】
【0173】
熱処理あり、またはなしでの、「受け入れたままの」1000ÅSiO
2/Si(100)試料のTOF−SIMSスペクトルが
図11に示されている。
図11を参照すると、ナトリウム(Na)およびカリウム(K)の形態の幾らかの環境汚染物質もまた、熱処理後の「受け入れたままの」1000ÅSiO
2/Si(100)についてのスペクトル中に観ることができ、そしてTOF−SIMS測定の前の試料の取扱いの結果であるように思われる。
【0174】
図11の2つのTOF−SIMSスペクトルの比較によって、表面ヒドロキシル濃度は、2つの試料について、概ね同一であることが明らかである。すなわち、熱処理は、「受け入れたままの」1000ÅSiO
2/Si(100)試料のヒドロキシル濃度を、有意な量では低減させていない。
【0175】
2つの試料についての表面濃度を代表する、正規化されたSiOH
+陽イオン、信号強度(質量45amu)およびSiH
+陽イオン、信号強度(質量29amu)についての定量化されたデータが、下記の表に示されている。
【表2】
例7:熱処理 例2(SC−1洗浄された二酸化ケイ素試料(Si(100)上の1000Å熱SiO
2)
【0176】
1000Åの熱SiO
2/Si(100)の幾つかの1.5”×1.5”の細片(「1000ÅSiO
2」)が4”ウエハから切りだされ、高純度窒素の流れで粒子を取り除くように吹き飛ばされ、そして次いで、70±5℃の温度に予備加熱されたSC−1洗浄浴(100mLの超高純度NH
4OH(28%〜30%)、200mLの超高純度H
2O
2(28〜30%)、1000mLの蒸留され、脱イオン化されたH
2O)中への浸漬に好適なテフロンボート中に容れられた。このボートおよび試料は、次いでSC−1洗浄溶液中に浸漬され、そこでそれらは10分間に亘って洗浄された。SC−1洗浄された、1000ÅSiO
2/Si(100)試料は、次いで洗浄浴から取り出され、そして蒸留され、脱イオン化された水での3回のダンプリンスサイクルを用いて化学薬品がすすぎ落された。これらの試料は、次いで、粒子をフィルタで取り除かれた超高純度のN
2ガス源を用いて、完全に乾燥された。
【0177】
洗浄された1000ÅのSiO
2試料の幾つかが、次いで、250sccmの超高純度のN
2ガス流の下で、室温で、管式炉反応器系の管中に容れられた。この管は、次いで封止され、そしてゆっくりと50mTorrの圧力に減圧された。20sccmのN
2流が、次いでこの反応管中に導入され、そして減圧のN
2パージが、2分間に亘って行われた(2.3Torrの圧力で)。このN
2流は、次いで停止され、そしてこの管は、<5mTorrの圧力に減圧された。上記のサイクルパージの工程が、系内に、基本の圧力が得られるまで繰り返された。
【0178】
基本の圧力が得られた後に、20sccmの超高純度N
2が反応器系中に導入され、そして熱処理を開始する前に系中のバックグラウンドの水分濃度を低減させるように、減圧のN
2パージ(2.3Torrで)が1時間に亘って行われた。当業者には知られているように、ロードロックシステムの使用は、大きく低減されたサイクル回数を可能とし、一方で、ここに記載されたプロセスが有効であるために必要とされる系の純度を更に与える。
【0179】
熱処理が、次いでこの炉のための温度制御器に記憶された予めブログラムされた加熱プロセス処方を用いて、超高純度N
2ガスの減圧パージ(2.3Torrで)の下で、行われた。2つの独立した熱電対の熱の軌跡(1つは外管温度を表し「壁」、そして1つは試料温度を表す)が、
図12に示されている。
【0180】
また、
図12は、熱処理工程の間に起こる、試料からの水分の放出の形跡を示している(インサイチュの四重極質量分析計(QMS)によって測定された)。この水分の放出は、上記のシラノール縮合反応に適合する。
【0181】
熱処理プロセスが完了された後に、「SC−1洗浄された」1000ÅSiO
2試料は、20sccmの超高純度N
2の流れの下で室温まで冷却された(2.3Torrの圧力で)。これらの試料は、次いで500sccmのN
2流の下で取り出され、迅速に容器中に容れられ、そして次いでそれらの性質の分析的な特性決定のための販売業者への出荷のために、N
2の下で貯蔵された。
【0182】
「SC−1洗浄された」1000ÅSiO
2試料は、水接触角測定、原子間力顕微鏡法(AFM)および飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)を用いて特性決定された。比較のために、熱処理加工を受けなかった1000ÅSiO
2試料もまた、同じ方法で特性決定された。これらの分析の結果が、以下の表に示されている。
【表3】
【0183】
比較のために、熱処理あり、およびなしの、「SC−1洗浄された」1000ÅSiO
2/Si(100)試料のTOF−SIMSスペクトルが
図13に示されている。
図13では、ナトリウム(Na)およびカリウム(K)の形態の幾つかの環境汚染物質が、熱処理後の「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅSiO
2/Si(100)についてのスペクトル中に存在していることを認めることができ、そしてTOF−SIMS測定の前の試料の取扱いの結果であるように思われる。
【0184】
図13の2つのTOF−SIMSスペクトルの比較によって、表面ヒドロキシル濃度が、2つの試料間で非常に異なっていることが明らかである。すなわち、熱処理は、「SC−1洗浄された」1000ÅSiO
2/Si(100)試料のヒドロキシル濃度を、熱処理で処理されていない試料に対して、有意な量で、大きく低減させている。
【0185】
2つの使用についての正規化されたSiOHおよびSiH表面濃度の定量化されたデータが、下記の表に示されている。
【表4】
例8:(「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」Si(100)上の1000Å熱SiO
2)試料の熱処理
【0186】
1000Åの熱SiO
2/Si(100)の幾つかの1.5”×1.5”の細片(「1000ÅSiO
2」が4”ウエハから切り出され、高純度の窒素流で粒子を取り除くように吹き飛ばされ、そしてSC−1洗浄浴中への浸漬に好適なテフロンボート中に容れられた。このボートおよび試料は、次いで70±5℃の温度に予備加熱されたSC−1洗浄溶液(100mLの超高純度NH
4OH(28%〜30%)、200mLの超高純度H
2O
2(28〜30%)、1000mLの蒸留され、脱イオン化されたH
2O)中に浸漬され、そこでそれらは10分間に亘って洗浄された。SC−1洗浄された、1000ÅSiO
2/Si(100)試料は、次いで洗浄浴から取り出され、そして蒸留され、脱イオン化された水での3回のダンプリンスサイクルを用いて化学薬品がすすぎ落された。これらの試料は、次いで、粒子をフィルタで取り除かれた超高純度のN
2ガス源を用いて、完全に乾燥された。
【0187】
乾燥されSC−1洗浄された試料は、次いでHFエッチング浴中への浸漬に好適なテフロンボート中に置かれた。このボートおよび試料は、次いで21±2℃であったHFエッチング浴(51mLの超高純度HF(48〜49%)、1000mLの蒸留され、脱イオン化されたH
2O)中に浸漬され、それらは90秒間エッチングされた。「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅSiO
2/Si(100)試料は、次いでHF溶液から取り出され、そして迅速に蒸留され、脱イオン化された水中に浸漬され、そして次いで粒子をろ過された超高純度N
2ガスを用いて、完全に乾燥された。
【0188】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅSiO
2試料の幾つかが、次いで管式炉反応器系の管の中に、250sccmの超高純度N
2ガスの流れの下で、室温で、可能な限り最小限の遅れで、容れられた。この管は、次いで封止され、そして80mTorrの圧力にゆっくりと減圧された。20sccmのN
2流が、次いでこの反応管中に導入され、そして減圧のN
2パージが2分間に亘って(2.3Torrの圧力で)行われた。N
2流が、次いで停止され、そしてこの管は、<5mTorrの圧力まで減圧された。上記のサイクルパージ工程が、この系の基本の圧力が得られるまで繰り返された。
【0189】
基本の圧力が得られた後に、熱処理を開始する前にバックグラウンド水分濃度を低減させるように、20sccmの超高純度N
2の流れが、反応系中に導入され、そして減圧のN
2パージが1時間に亘って行われた。当業者に知られているように、ロードロックシステムの使用は、大きく低減されたサイクル回数を可能とし、一方で、ここに記載されたプロセスが有効であるために必要とされる系の純度を更に与える。
【0190】
熱処理が、次いでこの炉のために温度制御器に記憶された予めプログラムされた加熱プロセス処方を用いて、超高純度N
2ガスの減圧パージの下で(2.3Torrで)、行われた。2つの独立した熱電対(1つは外管温度を表し−「壁」、そして1つは試料温度を表す)の熱の痕跡が、
図14に示されている。
【0191】
熱処理プロセスが完了した後に、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅSiO
2試料は、20sccmの超高純度N
2の流れの下で室温まで冷却された(2.3Torrの圧力で)。これらの試料は、次いで500sccmのN
2流の下で取り出され、迅速に容器中に容れられ、そして次いでそれらの性質の分析的な特性決定のための販売業者への出荷のために、N
2の下で貯蔵された。
【0192】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅSiO
2試料は、水接触角測定、原子間力顕微鏡法(AFM)および飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)を用いて特性決定された。比較のために、熱処理加工を受けなかった「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅSiO
2試料もまた、同じ方法で特性決定された。これらの分析の結果が、以下の表に示されている。
【表5】
【0193】
比較のために、熱処理あり、およびなしの、「SC−1洗浄された」1000ÅSiO
2/Si(100)試料のTOF−SIMSスペクトルが
図15に示されている。
図15を参照すると、ナトリウム(Na)およびカリウム(K)の形態の幾つかの環境汚染物質が、熱処理後の「SC−1洗浄された、HFエッチングされた」1000ÅSiO
2/Si(100)についてのスペクトル中に存在していることを認めることができ、そしてTOF−SIMS測定の前の試料の取扱いの結果であるように思われる。
【0194】
2つのTOF−SIMSスペクトルの比較によって、表面ヒドロキシル濃度が、2つの試料間で非常に異なっていることが明らかである。すなわち、熱処理は、「SC−1洗浄された」1000ÅSiO
2/Si(100)試料のヒドロキシル濃度を、熱処理で処理されていない試料に対して、有意な量で、大きく低減させている。2つの試料についての正規化されたSiOHおよびSiHの表面濃度についての定量化されたデータが、下記の表および
図16に示されている。
【表6】
【0195】
TOF−SIMS測定結果では、熱処理前および熱処理後の状態の、例6〜8に記載された試料のそれぞれについて観察された正規化されたSiOH
+イオン強度が示されている。以下の重要な観察結果が、この一組のデータから推定される。
【0196】
第1に、受け入れたままの試料(その通常の状態を超えて、その表面ヒドロキシル濃度が増加されていなかった)は、熱処理工程後の表面ヒドロキシル濃度において、非常に小さい変化を示した。この試料については、熱処理後に、表面ヒドロキシル濃度の大きな減少はなかった。
【0197】
次に、SC−1およびSC−1+HF試料の両方が、その表面ヒドロキシル濃度を増加させる工程を受けていなかった受け入れたままの試料に対して、増加した表面ヒドロキシル濃度を有している。
【0198】
最後に、SC−1洗浄された、およびSC−1洗浄+HFエッチングされた試料の両方が、熱処理後の表面ヒドロキシル濃度において、熱処理後の受け入れたままの試料について測定されたそれらの濃度よりもかなり低い濃度までの、劇的な減少を示した。
工程3:基材を、加熱工程以下の温度で、式Iおよび式IIからなる群から選択されたケイ素含有化合物に暴露する工程
例9:上記の工程によって与えられたSiO
2表面上にオルガノシラン系の不動態層を選択的に形成するが、しかしながらSi(100)表面上には形成ない
【0199】
上記の工程によって与えられた表面が、次いでSiO
2表面上に残るヒドロキシル基をオルガノシラン前駆体分子と、気相反応を用いて、反応させるように、一方で、Si(100)表面上のヒドリド基との間の反応を回避しながら、更に処理された。結果として得らえるSiO
2表面は、従って、引き続き行われる膜堆積プロセスの間に反応性の核形成サイトとして作用するように利用可能なヒドロキシル基を可能な限り完全に排除する(非常に大きな程度まで)ことによって不動態化される。
【0200】
それらの例において試験された具体的な分子としては、以下のものが挙げられる。
【化9】
【0201】
上記で開示された種類の分子を用いて不動態層を選択的に形成するのに用いることができる多くの潜在的な気相プロセスが存在する。以下の欄に少しの具体的な例が示される。
例A:モノポーダル前駆体
【0202】
上記で詳述されたように処理されたSiO
2およびSi(100)試料の混合物が、2.5Torrの圧力および420°Cの温度で、20sccmの超高純度N
2の流れの下で、熱処理の終了時に、反応器系中に配置される。超高純度のN
2の流れを、減圧に維持しながら、これらの試料を270℃まで冷却し、そしてその温度で10分間に亘って平衡状態に置いた。SiO
2試料は、次いでそれらをそれに続く反応手順に暴露することによって選択的に不動態化される。
(1)この系へのN
2の流れは停止され、そして反応器管およびガスパネルは、系の基本の圧力が得られるまで、減圧される。
(2)ガスパネルは反応器系から分離され(静的真空条件)、そしてラインは気相の(CH
3)
2NSi(CH
3)
3で、この化合物の室温での約72Torrの蒸気圧まで充填され、一方でこれらの試料を容れた管は、なおポンプ送気される。
(3)この管は、次いで真空ポンプから分離され、そして管を気相の(CH
3)
2NSi(CH
3)
3から分離するバルブが開放されて、(CH
3)
2NSi(CH
3)
3を加熱された管中に導入する。
(4)この管は、20Torrの作動圧力((CH
3)
2NSi(CH
3)
3で構成される)で充填され、この時、液体の(CH
3)
2NSi(CH
3)
3を容れたバブラーへのバルブおよび気相を管から分離するバルブは、両方とも閉鎖される。
(5)加熱された管中の(CH
3)
2NSi(CH
3)
3の化学品充填物が、SiO
2基材表面と、20分間に亘って反応される。この時間の間、ガスパネル中に残っている(CH
3)
2NSi(CH
3)
3は、次の化学薬品の投与に備えて除去される。
(6)反応が20分間に亘って進められた後に、20sccmの超高純度N
2の流れが、ガスパネル中で開始され、そして次いで反応器系へと向けられ、そこで、分離バルブが開放され、そして化学薬品/超高純度N
2の混合物を管から連続したN
2の流れの下で排気する前に、圧力が、200Torrに高められる。
(7)このN
2流は、2.5Torrの圧力で1分間維持され、そして次いで停止される。この管およびガスパネルは、次いで基本の圧力まで減圧される(減圧する時間は、用いられる前駆体に強く依存するが、しかしながら典型的には1〜3分間が必要とされる)。
(8)工程(2)〜(7)が、次いで2回繰り返されて、SiO
2表面上にトリメチルシリル表面不動態を形成し、一方で、Si(100)−H表面上には不動態を形成しない。
(9)3回の化学薬品暴露のサイクルが完了した後で、この管およびガスパネルは、約20sccmのN
2の流れを、この管を通して、2.5Torrの圧力で導入する前に、基本の圧力まで減圧された。この条件が維持され、一方で、これらの試料は室温まで冷却された。
【0203】
これらの試料が室温まで冷却された後に、それらは反応器系から取り出され、そうしてそれらは特性決定されることができる。この例で記載された実験からの代表的データが
図17に示されており、これは以下データのまとまりから構成されている。
(a)2つの実験(「空運転」および「本運転」)のそれぞれについての対照試料、受け入れたまま、SC−1洗浄後、SC−1洗浄+HFエッチング後
(b)「空運転」試料(工程I〜IIIによって、そして次いで工程(1)〜(9)によって概略を述べた例によって、処理されたが、しかしながらこの実験の間に、N
2のみが導入され、(CH
3)
2NSi(CH
3)
3は導入されないで):これは、開始時の表面(すなわち、SiO
2表面上のヒドロキシル表面末端およびSi(100)表面上のヒドリド表面末端)への予備処理工程(工程I〜III)の全ての影響を明らかにする。
【0204】
「本運転」試料(上記の工程によって処理され、そして次いで例Aの工程(1)〜(9)で概略を述べた例によって実施された)
【0205】
図17を参照すると、両方の実験からの対照試料の測定結果は、極めて同様であり、そして開発された洗浄プロセスの再現性の高い程度を反映している。最も重要なデータの一組は、本運転試料のデータである。それらは、トリメチルシリル表面の不動態化が、SiO
2表面上に選択に形成されており、しかしながらSi(100)表面上には形成されていないとの結論に非常に合致する性質を示している。すなわち、SiO
2表面は、処理の後に高い水接触角(100°に近い)を示しており、所望の不動態化層がSiO
2表面上に形成されており、一方でSi(100)表面は有意に低下された水接触角を示すことを示唆している(不動態層がSi(100)表面上には形成されていないことを示唆している)。
【0206】
Si(100)の接触角の減少は、それらの反応器系からの取出しに際してのSi(100)表面の空気酸化に関連付けられる。このことは、Si(100)試料の水接触角を、空運転および本運転の両方から時間の関数として追跡することによって、ならびに洗浄され、そしてエッチングされるが、しかしながら反応器系中には一切配置されない(すなわち、HFエッチング工程の後に空気中にあることを許された)試料に関してデータを生成することによって、実証されている。全ての場合において、接触角は、約41.9°に近づくまで低下を続け、この値は、二酸化ケイ素の水接触角として当業者によって理解されている。更には、HFエッチングを受けていないSi(100)試料は、>96°の水接触角を示し、SiO
2表面と極めて同様である(それらはHFエッチング工程のないヒドロキシル化SiO
2表面であるので、当業者によって予想されるであろうように)。この挙動は、Si(100)表面上にいずれかのトリメチルシリル表面不動態の形成の欠乏と一致している。
例B:バイポーダル前駆体
【0207】
上記で詳述された工程によって処理されたSiO
2およびSi(100)使用の混合物が、反応器系中で、熱処理工程の最後に、20sccm超高純度N
2の流れの下で、2.5Torrの圧力および420℃の温度で、処理された。超高純度N
2の流れを、減圧に維持しながら、これらの試料は405℃に冷却され、そしてその温度に10分間に亘って平衡状態にされる。SiO
2試料は、次いでそれらを以下の反応手順を受けさせることによって選択的に不動態化される。
(1)この系へのN
2の流れは停止され、そして反応器管およびガスパネルは、系の基本の圧力が得られるまで、減圧される。
(2)ガスパネルは反応器系から分離され(静的真空条件)、そしてラインは気相の[ClSi(CH
3)
2]
2(CH
2)
2で、この化合物の室温での0.2Torrの蒸気圧まで充填され、一方でこれらの試料を容れた管は、なおポンプ送気される。
(3)この管は、次いで真空ポンプから分離され、そして管を気相の[ClSi(CH
3)
2]
2(CH
2)
2から分離するバルブが開放されて、[ClSi(CH
3)
2]
2(CH
2)
2を加熱された管中に入れさせる。
(4)この管は、0.200〜0.246Torrの作動圧力([ClSi(CH
3)
2]
2(CH
2)
2)で構成される)で充填され、この時、液体の[ClSi(CH
3)
2]
2(CH
2)
2を容れたバブラーへのバルブおよび気相を管から分離するバルブは、両方とも閉鎖される。
(5)加熱された管中の[ClSi(CH
3)
2]
2(CH
2)
2の化学品充填物が、SiO
2基材表面と、20分間に亘って反応される。この時間の間、ガスパネル中に残っている[ClSi(CH
3)
2]
2(CH
2)
2は、次の化学薬品の投与に備えて真空バイパスマニホールドを用いて排気される。
(6)反応が10分間に亘って進められた後に、20sccmの超高純度N
2の流れが、ガスパネル中で開始され、そして次いで反応器系へと向けられ、そこで、分離バルブが開放され、そして化学薬品/超高純度N
2の混合物を管から連続したN
2の流れの下で排気する前に、圧力が、200Torrに高められる。
(7)このN
2流は、2.5Torrの圧力で1分間維持され、そして次いで停止される。この管およびガスパネルは、次いで基本の圧力まで減圧される(減圧する時間は、用いられる前駆体に強く依存するが、しかしながら典型的には1〜3分間が必要とされる)。
(8)工程(2)〜(7)が、次いで9回繰り返されて、SiO
2表面上にビスジメチルシリルエタン表面不動態を形成し、一方で、Si(100)−H表面上には不動態を形成しない。
(9)所望の回数のサイクルが完了した後で、この管およびガスパネルは基本の圧力まで減圧され、次いで約20sccmのN
2の流れが、ガスパレネルを通してこの管まで、2.5Torrの圧力で向けられ、そしてこれらの試料を含む管が室温まで冷却される間、維持される。
【0208】
これらの試料が室温まで冷却された後に、それらは反応系から取り出され、それによってそれらは特性決定することができる。ここに記載された実験からの代表的なデータが、
図18に示されている。それは、以下のデータのまとまりから構成されている。
(a)2つの実験(「空運転」および「本運転」)のそれぞれについての対照の試料;受け入れたまま、SC−1洗浄後、SC−1洗浄+HFエッチング後
(b)「本運転」試料(工程I〜IIIによって処理され、そして次いで例Bの工程(1)〜(9)で概略を述べられた例によって実施された)
【0209】
この例で示され、そして
図18に示されたデータは、例1についてのデータと極めて同様であり、対照の試料からの測定結果は、例Aについてのデータとほぼ同じであり、Si(100)本運転試料は、例AにおいてSi(100)試料について観察された接触角とほぼ同じ接触角を示し(再度、この場合には空気酸化を示唆する)、そして不動態化前駆体への暴露の後のSiO
2試料についての接触角に大きくそして正の変化がある。
例10:(CH
3)
2NSi(CH
3)
3(ジメチルアミノトリメチルシラン)を用いて270℃での熱処理加工での「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)上への、そしてSi(100)上へではない、トリメチルシリル表面不動態の選択的形成
【0210】
1000Åの熱SiO
2/Si(100)[「1000ÅSiO
2」]およびSi(100)の幾つかの1.5”×1.5”の細片が、4”ウエハから切り出され、粒子を取り除くように高純度の窒素の流れで吹き飛ばされ、そして次いでSC−1洗浄浴中に浸漬するのに好適なテフロンボート中に容れられた。ボートおよび試料は、次いで、70±5℃の温度に予備加熱された、SC−1洗浄溶液(100mLの超高純度NH
4OH(28%〜30%)、200mLの超高純度H
2O
2(28〜30%)、1000mLの蒸留され、脱イオン化されたH
2O)中に浸漬され、それらは10分間に亘って洗浄された。SC−1洗浄された1000ÅのSiO
2/Si(100)試料は、次いで洗浄浴から取り出され、そして3回のダンプリンスサイクルの、蒸留され、脱イオン化された水を用いて化学薬品をすすがれた。これらの試料は、次いで粒子をろ過された、超高純度のN
2ガスの源を用いて完全に乾燥された。
【0211】
乾燥されたSC−1洗浄された試料は、次いでHFエッチング浴中への浸漬に好適なテフロンボート中に配置された。このボートと試料は、次いで、21±2℃であった、HFエッチング浴(51mLの超高純度HF(48〜49%)、1000mLの蒸留され、脱イオン化されたH
2O)中に浸漬され、それらは90秒間に亘ってエッチングされた。「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)試料が次いでHF溶液から取り出され、そして迅速に蒸留され、脱イオン化された水中に浸漬され、そして次いで粒子をろ過だれた超高純度のN
2ガス源を用いて完全に乾燥された。
【0212】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2およびSi(100)試料が、次いで管式炉反応器系の管中に、250sccmの超高純度のN
2ガスの流れの下で、室温で、可能な限り最小の遅れで、容れられた。この管は、次いで封止され、そして80mTorrの圧力にゆっくりと減圧された。20sccmのN
2の流れが、次いで反応器管中に導入され、そして減圧のN
2パージが、2分間行われた(2.3Torrの圧力で)。N
2の流れは、次いで停止され、そして管は≦5mTorrの圧力に減圧された。前記のサイクルパージ工程が、この系の基本の圧力が達成されるまで繰り返された。
【0213】
基本の圧力が得られた後に、20sccmの超高純度のN
2の流れが、反応器系中に導入され、そして減圧のN
2パージ(2.3Torrで)が1時間に亘って行われて熱処理を開始する前に系中のバックグラウンドの水分濃度を低下させた。当業者に知られているように、ロードロックシステムの使用は、サイクル回数を大きく低下させることを可能にし、一方でここに記載されたプロセスが有効であるために必要とされる系の純度を更に与える。
【0214】
熱処理が、次いでこの炉のための温度制御器に記憶された予めプログラムされた加熱プロセスを用いて、超高純度のN
2ガス(2.3Torrで)の減圧パージの下で行われた。2つの独立した熱電対(1つは外管温度を表し−「壁」、そして1つは試料温度を表す)の熱の軌跡が、
図19に示されている。
【0215】
熱処理が完了した後に、20sccm超高純度のN
2の流れが、管を通して2.5Torrの圧力で維持され、一方で試料温度は、270℃に低下された。これらの試料は、270℃で10分間に亘って平衡にされ、N
2流は停止され、そして管は約1mTorrの圧力に完全に排気された。管は、次いでジメチルアミノトリメチルシラン[(CH
3)
2NSi(CH
3)
3]の第1の化学量で、19.9Torrの圧力まで、充填され、そして次いでこの圧力で20分間に亘って分離された。この第1の化学量は、次いでチャンバから、減圧のN
2パージと、20sccmN
2の動的流れを2.5Torrの圧力で1分間に亘って最初に導入すること、次いでこの管を10mTorr以下の圧力に2分間に亘って減圧することを含む排気との組み合わせを用いて、除去された。(CH
3)
2NSi(CH
3)
3の第2の化学量が、第2の量の圧力が20.8Torrであったこと以外は、次いで第1の量と同じ方法で導入された。第2の量は、第3の化学量の導入の前に、第1の化学量と同じ方法で除去された。(CH
3)
2NSi(CH
3)
3の第3の化学量は、次いで第3の量の圧力が20.5Torrであった以外は、第1および第2の量と同じ方法で導入された。第3の化学量は、次いで第1および第2の化学量と同じ方法で除去され、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅSiO
2試料上への、しかしながらSi(100)試料上へではない、トリメチルシリル表面不動態の選択的形成を完結させる。
【0216】
選択的な不動態の形成が完了した後に、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅSiO
2およびSi(100)試料が室温まで、20sccm超高純度N
2の流れの下で、2.3Torrの圧力で冷却された。これらの試料は、次いで500sccmのN
2の流れの下で、取り出され、容器中に迅速に封入され、そして次いでそれらの性質の分析的な特性決定のための販売業者への出荷のために、N
2の下で貯蔵された。
【0217】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅSiO
2およびSi(100)試料は、水接触角測定、原子間力顕微鏡法(AFM)および飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)を用いて特性決定された。比較のために、熱処理加工を受けなかった「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅSiO
2試料もまた、同じ方法で特性決定された。これらの分析の結果が、以下の表に示されている。
【表7】
【0218】
また、これらの試料は、X線光電子分光法(XPS)によって分析され、そして結果が下記の表に示されている。
【表8】
【0219】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅSiO
2およびSi(100)試料についてのTOF−SIMSスペクトルが
図20に示されている。
図20中のSi(100)のTOF−SIMSスペクトル中にトリメチルシリル表面不動態に関連付けられるピークの観察が得られないことが、不動態層の形成が「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅSiO
2/Si(100)基材に限定されていることの証拠である。すなわち、不動態は、所望の表面上に選択的に形成されており、そしてSi(100)表面上には形成されていない。この結果はまた、これらの試料についての水接触角測定結果およびこれらの試料についてのAFM表面粗さの測定結果によって支持される。
【0220】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅSiO
2/Si(100)およびSi(100)についての質量45amu、29amu、43amu、59amuおよび73amuを有する陽イオンの正規化された強度が下記の表に示されている。
【表9】
【0221】
Si(100)試料上のトリメチルシリル表面不動態に関連付けられるイオンの幾つかについてのトレース信号の観察は、下記の表で観察されることができる、対照試料(これについては、ジメチルアミノトリメチルシランは反応器系中に導入されていない)で観察された水準と一貫している。
【表10】
例11(比較):(CH
3)
2NSi(CH
3)
3(ジメチルアミノトリメチルシラン)を用いて270℃での熱処理加工なしでの「SC−1洗浄され、HF−エッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)上への、そしてSi(100)上へではないトリメチルシリル表面不動態の選択的形成
【0222】
1000Åの熱SiO
2/Si(100)[「1000ÅSiO
2」]およびSi(100)の幾つかの1.5”×1.5細片が、4”ウエハから切り出され、粒子を除去するように高純度窒素の流れで吹き飛ばされ、そして次いでSC−1洗浄浴中での浸漬に好適なテフロンボート中に容れられた。ボートおよび試料は、次いで、70±5℃の温度に予備加熱されたSC−1洗浄溶液(100mLの超高純度NH
4OH(28%〜30%)、200mLの超高純度H
2O
2(28〜30%)、1000mLの蒸留され、脱イオン化されたH
2O)中に浸漬され、それらは10分間に亘って洗浄された。SC−1洗浄された、1000ÅのSiO
2/Si(100)およびSi(100)試料は、次いで洗浄浴から取り出され、そして蒸留され、脱イオン化された水の3回のダンプリンスサイクルを用いて化学薬品をすすがれた。これらの試料は、次いで粒子をろ過された超高純度のN
2ガス源を用いて、完全に乾燥された。
【0223】
乾燥されたSC−1洗浄された試料は、次いでHFエッチング浴中での浸漬に好適なテフロンボート中に配置された。ボートおよび試料は、次いで、21±2℃であったHFエッチング浴(51mLの超高純度HF(48〜49%)、1000mLの蒸留され、脱イオン化されたH
2O)中に浸漬され、それらは90秒間に亘ってエッチングされた。「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)およびSi(100)試料は、次いでHF溶液から取り出され、そして蒸留され、脱イオン化された水の中に迅速に浸漬され、そして次いで粒子をろ過された超高純度のN
2ガス源を用いて完全に乾燥された。
【0224】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2およびSi(100)試料が、次いで管式炉反応器系の管中に、250sccmの超高純度のN
2ガスの流れの下で、室温で、可能な限り最小限の遅れで、容れられた。この管は、次いで封止され、そして80mTorrの圧力に減圧された。20sccmのN
2の流れが、次いで反応器管中に導入され、そして減圧のN
2パージが2分間に亘って行われた(2.3Torrの圧力で)。N
2の流れは、次いで停止され、そして管は、<5mTorrの圧力に減圧された。前記のサイクルパージ工程が、この系の基本の圧力が得られるまで繰り返された。
【0225】
基本の圧力が得られた後に、20sccmの超高純度N
2の流れが反応器系中に導入され、そして減圧N
2パージ(2.3Torrで)が1時間に亘って行われて、熱処理を開始する前に、系中のバックグラウンド水分濃度を低減させた。当業者に知られているように、ロードロックシステムの使用は、サイクル回数を大きく低下させることを可能にし、一方で、ここに記載されたプロセスが有効であるために必要とされる系の純度を更に与える。
【0226】
これらの試料は、270℃で10分間に亘って平衡にされ、N
2流が停止され、そしてこの管は、1mTorr以下の圧力に完全に排気された。この管は、次いでジメチルアミノトリメチルシラン[(CH
3)
2NSi(CH
3)
3]の第1の化学量が、20.8Torrの圧力に充填され、そして次いでこの圧力で20分間に亘って分離された。この第1の化学量は、次いでチャンバから、減圧のN
2パージと、20sccmN
2の動的流れを2.5Torrの圧力で1分間に亘って最初に導入すること、次いでこの管を10mTorr以下の圧力に2分間に亘って減圧することを含む排気との組み合わせを用いて、除去された。(CH
3)
2NSi(CH
3)
3の第2の化学量が、次いで第2の量の圧力が21.0Torrであった以外は、第1の量と同じ方法で導入された。第2の量は、次いで第3の化学量の導入の前に、第1の化学量と同じ方法で除去された。(CH
3)
2NSi(CH
3)
3の第3の化学量が、次いで第3の量の圧力が21.4Torrであった以外は第1および第2の量と同じ方法で導入された。第3の化学量は、次いで第1および第2の量と同じ方法で除去され、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2試料上への、しかしながらSi(100)試料上へではない、トリメチルシリル表面不動態の選択的形成を完結させた。
【0227】
選択的な不動態の形成が完了した後に、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2およびSi(100)試料は室温まで、20sccmの超高純度N
2の流れの下で、2.3Torrの圧力で冷却された。これらの試料は、次いで500sccmのN
2の流れの下で取り出され、迅速に容器中に封入され、そして次いでそれらの性質の分析的な特性決定のための販売業者への出荷のために、N
2の下で貯蔵された。
【0228】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2およびSi(100)試料は、水接触角測定、原子間力顕微鏡法(AFM)および飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)を用いて特性決定された。比較のために、熱処理加工を受けなかった「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2試料もまた、同じ方法で特性決定された。これらの分析の結果が、以下の表に示されている。
【表11】
【0229】
これらの試料はまた、X線光量子分光法(XPS)によって分析され、そして結果が下記の表に示されている。
【表12】
【0230】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2およびSi(100)試料についてのTOF−SIMSスペクトルが
図21に示されている。
図21を参照すると、Si(100)のTOF−SIMSスペクトル中にトリメチルシリル表面不動態に関連付けられるピークの観察がされないことが、不動態層の形成が「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)基材に限定されていたことの証拠である。すなわち、不動態は、所望の表面上に選択的に形成され、そしてSi(100)表面上へは形成されなかった。例1の試料との比較で、熱処理を受けなかった試料の表面上の残留するヒドロキシル濃度は、本発明の教示による熱処理を受けた試料のそれよりも著しく高いことを明らかにしている。
【0231】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)についての質量45amu、質量29amu、43amu、59amuおよび73amuの陽イオンについての正規化された強度が下記の表に示されている。
【表13】
例12:[Cl(CH
3)
2Si]
2(CH
2)
2(1,2−ビスクロロジメチルシリルエタン)を用いて370℃で熱処理加工ありで「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)上への、そしてSi(100)上へではないビスジメチルシリルエタン表面不動態の選択的形成
【0232】
1000Åの熱SiO
2/Si(100)の幾つかの1.5”×1.5”の細片が4”ウエハから切り出され、粒子を取り除くように高純度窒素の流れで吹き飛ばされ、そして次いでSC−1洗浄浴中への浸漬に好適なテフロンボート中に容れられた。ボートおよび試料は、次いで70±5℃の温度に予備加熱されたSC−1洗浄溶液(100mLの超高純度NH
4OH(28%〜30%)、200mLの超高純度H
2O
2(28〜30%)、1000mLの蒸留され、脱イオン化されたH
2O)中に浸漬され、それらは10分間に亘って洗浄された。SC−1洗浄された、1000ÅのSiO
2/Si(100)およびSi(100)試料は、次いで洗浄浴から取り出され、そして蒸留され、脱イオン化された水の3回のダンプリンスサイクルを用いて化学薬品がすすがれた。これらの試料は、次いで粒子をろ過された、高純度のN
2ガス源を用いて完全に乾燥された。
【0233】
乾燥されたSC−1洗浄された試料は、次いでHFエッチング浴中での浸漬に好適なテフロンボート中に配置された。ボートおよび試料は、次いで21±2℃であったHFエッチング浴(51mLの超高純度HF(48〜49%)、1000mLの蒸留され、脱イオン化されたH
2O)中に浸漬され、それらは90秒間に亘ってエッチングされた。「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)およびSi(100)試料は、次いでHF溶液から取り出され、そして蒸留され、脱イオン化された水中に迅速に浸漬され、そして次いで粒子をろ過された超高純度のN
2ガス源を用いて完全に乾燥された。
【0234】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2およびSi(100)試料が、次いで管式炉反応器系の管中に、250sccmの超高純度N
2ガスの流れの下で、室温で、可能な限り最小限の遅れで、容れられた。この管は、次いで封止され、そして80mTorrの圧力にゆっくりと減圧された。20sccmのN
2の流れが、次いで反応器管中に導入され、そして減圧のN
2パージが2分間に亘って行われた(2.3Torrの圧力で)。N
2の流れは、次いで停止され、そして管は<5mTorrの圧力まで減圧された。前記のサイクルパージ工程は、この系の基本の圧力が得られるまで繰り返された。
【0235】
基本の圧力が得られた後に、20sccmの超高純度N
2の流れが反応器系中に導入され、そして減圧のN
2パージ(2.3Torrで)が1時間に亘って行われて、熱処理を開始する前に系中のバックグラウンド水分濃度を低下させた。当業者には知られているように、ロードロックシステムの使用は、大きく低減されたサイクル回数を可能とし、一方で、ここに記載されたプロセスが有効であるために必要とされる系の純度を更に与える。
【0236】
熱処理が、次いでこの炉のための温度制御器に記憶された予めプログラムされた加熱プロセス処方を用いて、超高純度N
2ガスの減圧パージの下で行われた(2.3Torrで)。2つの独立した熱電対(1つは外管温度を表し−「壁」そして1つは試料温度を表す)の熱の軌跡が
図22に示されている。
【0237】
熱処理が完了した後に、20sccmの超高純度N
2の流れが管を通して、2.5Torrの圧力で維持され、一方で試料の温度は370℃に低下された。これらの試料が、370℃で10分間に亘って平衡にされ、N
2流が停止され、そして管が1mTorr以下の圧力に完全に排気された。管は、次いで1,2−ビスクロロジメチルシリルエタン[(Cl(CH
3)
2Si]
2(CH
2)
2]の第1の化学量で、0.24Torrの圧力に充填され、そして次いでこの圧力で10分間に亘って分離された。第1の化学量は、次いでチャンバから、減圧のN
2パージと、20sccmN
2の動的流れを2.5Torrの圧力で1分間に亘って最初に導入すること、次いでこの管を10mTorr以下の圧力に2分間に亘って減圧することを含む排気との組み合わせを用いて、除去された。(Cl(CH
3)
2Si]
2(CH
2)
2の第2の化学量が、次いで第2の量の圧力が0.25Torrであった以外は、第1の量と同じ方法で導入された。第2の量は、次いで第3の化学量の導入の前に、第1の化学量と同じ方法で除去された。(Cl(CH
3)
2Si]
2(CH
2)
2の第3から第12の化学量が、次いでそれらの量の圧力が、0.24Torr〜0.26Torrの間で若干変化された以外は第1および第2の量と同じ方法で導入された。第3〜第12の量は、次いで第1および第2の化学量と同じ方法で除去されて、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2試料上への、しかしながらSi(100)試料上へではない、ビスジメチルシリルエタン表面不動態の選択的形成が完了した。
【0238】
選択的不動態の形成が完了した後に、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2およびSi(100)試料は、室温まで20sccmの超高純度N
2の流れの下で、2.3Torrの圧力で冷却された。これらの試料は、次いで500sccmのN
2流の下で取り出され、容器中に迅速に封入され、そして次いでそれらの性質の分析的な特性決定のための販売業者への出荷のために、N
2の下で貯蔵された。
【0239】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2およびSi(100)試料が、水接触角測定、原子間力顕微鏡(AFM)および飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)を用いて特性決定された。これらの分析の結果が、以下の表に示されている。
【表14】
【0240】
それらの試料はまた、X線光量子分光法(XPS)によって分析され、そしてその結果が下記の表に示されている。
【表15】
【0241】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2およびSi(100)試料のTOF−SIMSスペクトルが
図23に示されている。
図23を参照すると、Si(100)のTOF−SIMSスペクトル中にビスジメチルシリルエタン表面不動態に関連付けられるピークの観察がないことは、不動態層の形成が、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)基材に限定されていた証拠である。すなわち、不動態は、所望の表面上に選択的に形成され、Si(100)表面上へは形成されなかった。
【0242】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)およびSi(100)についての質量45amu、29amu、43amu、59amuおよび73amuを有する陽イオンについての正規化されたイオン強度が下記の表に示されている。
【表16】
例13(比較):[Cl(CH
3)
2Si]
2(CH
2)
2(1,2−ビスクロロジメチルシリルエタン)を用いた370℃での熱処理加工なしでの「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)上への、そしてSi)100)上へではないビスジメチルシリルエタン表面不動態の選択的形成
【0243】
1000Åの熱SiO
2/Si(100)[「1000ÅSiO
2」]およびSi(100)の幾つかの1.5”×1.5”の細片が、4”ウエハから切り出され、粒子を除去するように高純度窒素の流れで吹き飛ばされ、そして次いでSC−1洗浄浴中での浸漬に好適なテフロンボート中に容れられた。このボートおよび試料は、次いで70±5℃の温度に予備加熱された、SC−1洗浄溶液(100mLの超高純度NH
4OH(28%〜30%)、200mLの超高純度H
2O
2(28〜30%)、1000mLの蒸留され、脱イオン化されたH
2O)中に浸漬され、それらは10分間に亘って洗浄された。SC−1洗浄された1000ÅのSiO
2/Si(100)およびSi(100)試料が、次いで洗浄浴から取り出され、そして蒸留され、脱イオン化された水の3回のダンプリンスサイクルを用いて化学薬品がすすぎ落された。これらの試料は、次いで粒子をろ過された、超高純度N
2ガス源を用いて完全に乾燥された。
【0244】
乾燥されたSC−1洗浄された試料は、次いでHFエッチング浴中での浸漬に好適なテフロンボート中に配置された。ボートおよび試料は、次いで21±2℃であった、HFエッチング浴(51mLの超高純度HF(48〜49%)、1000mLの蒸留され、脱イオン化されたH
2O)中に浸漬され、それらは90秒間に亘ってエッチングされた。「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)およびSi(100)試料は、次いでHF溶液から取り出され、そして蒸留され、脱イオン化された水中に迅速に浸漬され、そして次いで粒子をろ過された超高純度のN
2ガス源を用いて完全に乾燥された。
【0245】
幾つかの「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2およびSi(100)試料は、次いで管式炉反応器系の管の中に、250sccmの超高純度N
2ガスの流れの下で、室温で、可能な限り最小限の遅れで、容れられた。この管は、次いで封止され、そして80mTorrの圧力にゆっくりと減圧された。20sccmのN
2流が、次いでこの反応管中に導入され、そして減圧のN
2パージが2分間に亘って(2.3Torrの圧力で)行われた。N
2流が、次いで停止され、そしてこの管は、<5mTorrの圧力まで減圧された。上記のサイクルパージ工程が、この系の基本の圧力が得られるまで繰り返された。
【0246】
基本の圧力が得られた後に、20sccmの超高純度N
2の流れが反応器系中に導入され、そして減圧のN
2パージ(2.3Torrで)が1時間に亘って行われて、熱処理を開始する前に系中のバックグラウンド水分濃度を低下させた。当業者には知られているように、ロードロックシステムの使用は、大きく低減されたサイクル回数を可能とし、一方で、ここに記載されたプロセスが有効であるために必要とされる系の純度を更に与える。
【0247】
これらの試料は、370℃で10分間に亘って平衡にされ、N
2流が停止され、そして管が1mTorr以下の圧力に完全に排気された。管は、次いで1,2−ビスクロロジメチルシリルエタン[(Cl(CH
3)
2Si]
2(CH
2)
2]の第1の化学量で、0.24Torrの圧力に充填され、そして次いでこの圧力で10分間に亘って分離された。第1の化学量は、次いでチャンバから、減圧のN
2パージと、20sccmN
2の動的流れを2.5Torrの圧力で1分間に亘って最初に導入すること、次いでこの管を10mTorr以下の圧力に2分間に亘って減圧することを含む排気との組み合わせを用いて、除去された。(Cl(CH
3)
2Si]
2(CH
2)
2の第2の化学量が、次いで第2の量の圧力が0.25Torrであった以外は、第1の量と同じ方法で導入された。第2の量は、次いで第3の化学量の導入の前に、第1の化学量と同じ方法で除去された。(Cl(CH
3)
2Si]
2(CH
2)
2の第3から第12の化学量が、次いでそれらの量の圧力が、0.23Torr〜0.25Torrの間で若干変化された以外は第1および第2の量と同じ方法で導入された。第3〜第12の量は、次いで第1および第2の化学量と同じ方法で除去されて、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2試料上への、しかしながらSi(100)試料上へではない、ビスジメチルシリルエタン表面不動態の選択的形成が完了した。
【0248】
選択的不動態の形成が完了した後に、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2およびSi(100)試料は、室温まで20sccmの超高純度N
2の流れの下で、2.3Torrの圧力で冷却された。これらの試料は、次いで500sccmのN
2流の下で取り出され、容器中に迅速に封入され、そして次いでそれらの性質の分析的な特性決定のための販売業者への出荷のために、N
2の下で貯蔵された。
【0249】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2およびSi(100)試料は、水接触角測定、原子間力顕微鏡法(AFM)および飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)を用いて特性決定された。これらの分析の結果が、以下の表に示されている。
【表17】
【0250】
これらの試料は、またX線光量子分光法(XPS)によって分析され、そして結果が下記の表に示されている。
【表18】
【0251】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2およびSi(100)試料についてのTOF−SIMSスペクトルが
図24に示されている。
図24を参照すると、Si(100)のTOF−SIMSスペクトル中にビスジメチルシリルエタン表面不動態に関連付けられるピークの観察が得られないことが、不動態層の形成が「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅSiO
2/Si(100)基材に限定されていたことの証拠である。すなわち、不動態は、所望の表面上に選択的に形成されており、そしてSi(100)表面上には形成されていない。
【0252】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅSiO
2/Si(100)およびSi(100)についての質量45amu、29amu、43amu、59amuおよび73amuを有する陽イオンの正規化された強度が下記の表に示されている。
【表19】
例14(比較):[Cl(CH
3)
2Si]
2(CH
2)
2(1,2−ビスクロロジメチルシリルエタン)を用いて370℃での熱処理加工ありでの「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2/Si(100)上への、そしてSi(100)上へではないビスジメチルシリルエタン表面不動態の選択的形成
【0253】
1000Åの熱SiO
2/Si(100)[「1000ÅSiO
2」]およびSi(100)の幾つかの1.5”×1.5”の細片が、4”ウエハから切り出され、粒子を取り除くように高純度窒素の流れで吹き飛ばされた。
【0254】
それらの「受け入れたままの」1000ÅSiO
2および「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」Si(100)サンプルの幾つかが、次いで管式炉反応器の管中に、250sccmの超高純度N
2ガスの流れの下で、室温で可能な限り最小限の遅れで、容れられた。この管は、次いで封止され、そして80mTorrの圧力にゆっくりと排気された。20sccmのN
2の流れは、次いで反応器管中に導入され、そして減圧N
2パージが2分間に亘って行われた(2.3Torrの圧力で)。N
2の流れは、次いで停止され、そして管は<5mTorrの圧力に減圧された。前記のサイクルパージ工程は、この系の基本の圧力が得られるまで繰り返された。
【0255】
基本の圧力が得られた後に、20sccmの超高純度N
2の流れが反応器系中に導入され、そして減圧のN
2パージ(2.3Torrで)が1時間に亘って行われ、熱処理を開始する前に、系中のバックグラウンドの水分濃度が低下された。当業者には知られているように、ロードロックシステムの使用は、サイクル回数を大きく低下させることを可能にし、一方でここに記載されたプロセスが有効であるために必要とされる系の純度を更に与える。
【0256】
熱処理が、次いで超高純度N
2ガス(2.3Torrで)の減圧パージの下で、この炉のための温度制御器に記憶された予めプログラムされた加熱プロセス処方を用いて行われた。2つの独立した熱電対の熱の軌跡(1つは外管温度を表し「壁」、そして1つは試料温度を表す)が、時間の関数として
図25に示されている。
【0257】
熱処理が完了した後に、20sccmの超高純度N
2の流れが管を通して、2.5Torrの圧力で維持され、一方で試料の温度は370℃に低下された。これらの試料が、370℃で10分間に亘って平衡にされ、N
2流が停止され、そして管が1mTorr以下の圧力に完全に排気された。管は、次いで1,2−ビスクロロジメチルシリルエタン[(Cl(CH
3)
2Si]
2(CH
2)
2]の第1の化学量で、0.24Torrの圧力に充填され、そして次いでこの圧力で10分間に亘って分離された。第1の化学量は、次いでチャンバから、減圧のN
2パージと、20sccmN
2の動的流れを2.5Torrの圧力で1分間に亘って最初に導入すること、次いでこの管を10mTorr以下の圧力に2分間に亘って減圧することを含む排気との組み合わせを用いて、除去された。(Cl(CH
3)
2Si]
2(CH
2)
2の第2の化学量が、次いで第2の量の圧力が0.25Torrであった以外は、第1の量と同じ方法で導入された。第2の量は、次いで第3の化学量の導入の前に、第1の化学量と同じ方法で除去された。(Cl(CH
3)
2Si]
2(CH
2)
2の第3から第12の化学量が、次いでそれらの量の圧力が、0.24Torr〜0.26Torrの間で若干変化された以外は第1および第2の量と同じ方法で導入された。第3〜第12の量は、次いで第1および第2の化学量と同じ方法で除去されて、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2試料上への、しかしながらSi(100)試料上へではない、ビスジメチルシリルエタン表面不動態の選択的形成が完了した。
【0258】
選択的不動態の形成が完了した後に、「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2およびSi(100)試料は、室温まで20sccmの超高純度N
2の流れの下で、2.3Torrの圧力で冷却された。これらの試料は、次いで500sccmのN
2流の下で取り出され、容器中に迅速に封入され、そして次いでそれらの性質の分析的な特性決定のための販売業者への出荷のために、N
2の下で貯蔵された。
【0259】
「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2およびSi(100)試料が、水接触角測定、原子間力顕微鏡(AFM)および飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)を用いて特性決定された。比較のために、熱処理加工を受けなかった「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料もまた、同様の方法で特性決定された。これらの分析の結果が、以下の表に示されている。
【表20】
【0260】
これらの試料はまた、X線光量子分光法(XPS)によって分析され、そして結果が下記の表に示されている。
【表21】
【0261】
「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2およびSi(100)試料についてのTOF−SIMSスペクトルが
図26に示されている。
図26を参照すると、Si(100)のTOF−SIMSスペクトル中にビスジメチルシリルエタン表面不動態に関連付けられるピークの観察が得られないことが、不動態層の形成が「受け入れたままの」1000ÅSiO
2/Si(100)基材に限定されていたことの証拠である。すなわち、不動態は、所望の表面上に選択的に形成されており、そしてSi(100)表面上には形成されていない。
【0262】
「受け入れたままの」1000ÅSiO
2/Si(100)およびSi(100)についての質量45amu、29amu、43amu、59amuおよび73amuを有する陽イオンの正規化された強度が下記の表に示されている。
【表22】
例15(比較):[Cl(CH
3)
2Si]
2(CH
2)
2(1,2−ビスクロロジメチルシリルエタン)を用いた370℃での熱処理加工なしでの「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2/Si(100)上への、そしてSi(100)上へではないビスジメチルシリルエタン表面不動態の選択的形成
【0263】
1000ÅのSiO
2/Si(100)[「1000ÅSiO
2」]およびSi(100)の幾つかの1.5”×1.5”の細片が、4”ウエハから切り出され、粒子を取り除くように高純度窒素の流れで吹き飛ばされた。
【0264】
幾つかのそれらの「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2および「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」Si(100)試料が、次いで管式炉反応器系の管の中に、250sccmの超高純度N
2ガスの流れの下で、室温で、可能な限り最小限の遅れで、容れられた。この管は、次いで封止され、そして40mTorrの圧力にゆっくりと減圧された。20sccmのN
2流が、次いでこの反応管中に導入され、そして減圧のN
2パージが2分間に亘って(2.3Torrの圧力で)行われた。N
2流が、次いで停止され、そしてこの管は、<5mTorrの圧力まで減圧された。上記のサイクルパージ工程が、この系の基本の圧力が得られるまで繰り返された。
【0265】
基本の圧力が得られた後に、20sccmの超高純度N
2の流れが反応器系中に導入され、そして減圧のN
2パージ(2.3Torrで)が1時間に亘って行われて、熱処理を開始する前に系中のバックグラウンド水分濃度を低下させた。当業者には知られているように、ロードロックシステムの使用は、大きく低減されたサイクル回数を可能とし、一方で、ここに記載されたプロセスが有効であるために必要とされる系の純度を更に与える。
【0266】
これらの試料は、370℃で10分間に亘って平衡にされ、N
2流が停止され、そして管が1mTorr以下の圧力に完全に排気された。管は、次いで1,2−ビスクロロジメチルシリルエタン[(Cl(CH
3)
2Si]
2(CH
2)
2]の第1の化学量で、0.23Torrの圧力に充填され、そして次いでこの圧力で10分間に亘って分離された。第1の化学量は、次いでチャンバから、減圧のN
2パージと、20sccmN
2の動的流れを2.5Torrの圧力で1分間に亘って最初に導入すること、次いでこの管を10mTorr以下の圧力に2分間に亘って減圧することを含む排気との組み合わせを用いて、除去された。(Cl(CH
3)
2Si]
2(CH
2)
2の第2の化学量が、次いで第2の量の圧力が0.23Torrであった以外は、第1の量と同じ方法で導入された。第2の量は、次いで第3の化学量の導入の前に、第1の化学量と同じ方法で除去された。(Cl(CH
3)
2Si]
2(CH
2)
2の第3から第12の化学量が、次いでそれらの量の圧力が、0.23Torr〜0.25Torrの間で若干変化された以外は第1および第2の量と同じ方法で導入された。第3〜第12の量は、次いで第1および第2の化学量と同じ方法で除去されて、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2試料上への、しかしながらSi(100)試料上へではない、ビスジメチルシリルエタン表面不動態の選択的形成が完了した。
【0267】
選択的不動態の形成が完了した後に、「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2およびSi(100)試料は、室温まで20sccmの超高純度N
2の流れの下で、2.3Torrの圧力で冷却された。これらの試料は、次いで500sccmのN
2流の下で取り出され、容器中に迅速に封入され、そして次いでそれらの性質の分析的な特性決定のための販売業者への出荷のために、N
2の下で貯蔵された。
【0268】
「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2およびSi(100)試料は、水接触角測定、原子間力顕微鏡法(AFM)および飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)を用いて特性決定された。比較のために、熱処理加工を受けなかった「受け入れたままの」1000ÅSiO
2試料が、同様の方法で特性決定された。これらの分析の結果が、以下の表に示されている。
【表23】
【0269】
これらの試料はまた、X線光量子分光法(XPS)によって分析され、そして結果が下記の表に示されている。
【表24】
【0270】
「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2/Si(100)についてのTPF−SIMSスペクトルが
図27に示されている。
図27を参照すると、Si(100)のTOF−SIMSスペクトル中にビスジメチルシリルエタンの表面不動態に関連付けられるピークの観察がされないことが、不動態層の形成が「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2/Si(100)基材に限定されることの証拠である。すなわち、不動態は、所望の表面上に選択的に形成され、そしてSi(100)表面上には形成されなかった。
【0271】
「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2/Si(100)およびSi(100)についての質量45amu、29amu、43amu、59amuおよび73amuを有する陽イオンの正規化された強度が下記の表に示されている。
【表25】
例16(比較):(CH
3)
2NSi(CH
3)
3(ジメチルアミノトリメチルシラン)を用いた270℃での515℃の熱処理ありでの「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅSiO
2/Si(100)上へのトリエチルシリル表面不動態の選択的形成
【0272】
1000Åの熱SiO
2/Si(100)[「1000ÅSiO
2」]およびSi(100)の幾つかの1.5”×1.5”の細片が、4”ウエハから切り出され、粒子を取り除くように高純度窒素の流れで吹き飛ばされ、そして次いでSC−1洗浄浴中での浸漬に好適なテフロンボート中に容れられた。このボートおよび試料は、次いで70±5℃の温度に予熱されたSC−1洗浄溶液(100mLの超高純度NH
4OH(28%〜30%)、200mLの超高純度H
2O
2(28〜30%)、1000mLの蒸留され、脱イオン化されたH
2O)中に浸漬され、そこでそれらは10分間に亘って洗浄された。SC−1洗浄された1000ÅのSiO
2/Si(100)試料は、次いで洗浄浴から取り出され、そして蒸留され、脱イオン化された水の3回のダンプリンスサイクルを用いて化学薬品をすすぎ落された。これらの試料は、次いで粒子をろ過された超高純度のN
2ガス源を用いて完全に乾燥された。
【0273】
乾燥されたSC−1洗浄された試料は、次いでHFエッチング浴中での浸漬に好適なテフロンボート中に配置された。このボートおよび試料は、次いで21±2℃であったHFエッチング浴(51mLの超高純度HF(48〜49%)、1000mLの蒸留され、脱イオン化されたH
2O)中に浸漬され、それらは90秒間に亘ってエッチングされた。「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSIO
2/Si(100)およびSi(100)試料は、次いでHF溶液から取り出され、そして蒸留され、脱イオン化された水中に迅速に浸漬され、そして粒子をろ過された超高純度のN
2ガス源を用いて完全に乾燥された。
【0274】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSIO
2およびSi(100)試料は、管式炉反応器系の管中に、250sccmの超高純度N
2ガスの流れの下で、室温で、可能な限り最小限の遅れで容れられた。この管は、次いで封止され、そして80mTorrの圧力までゆっくりと減圧された。20sccmのN
2の流れが、次いで反応器管中に導入され、そして減圧のN
2パージが2分間に亘って(2.3Torrの圧力で)行われた。N
2の流れが、次いで停止され、そして管は<5mTorrの圧力まで排気された。上記のサイクルパージの工程が、この系の基本の圧力が得られるまで繰り返された。
【0275】
基本の圧力が得られた後に、20sccmの超高純度のN
2の流れが、反応器系中に導入され、そして減圧のN
2パージが(2.3Torrで)1時間に亘って行われて、熱処理が開始される前に、系中のバックグラウンドの水分濃度が低減された。当業者には知られているように、ロードロックシステムの使用は、サイクル回数の大きな減少を可能とし、一方で、ここに記載されたプロセスが有効であるために必要とされる系の純度を更に与える。
【0276】
515℃の熱処理が、これらの試料を515℃まで炉の最大の昇温速度(約20℃/分)で昇温することによって、次いで超高純度のN
2ガス(2.3Torrで)の減圧パージの下で行われた。
【0277】
熱処理が完了した後に、20sccmの超高純度のN
2の流れが、管を通して2.5Torrの圧力で維持され、一方で試料の温度は270℃に低下された。これらの試料は、270℃で10分間に亘って平衡にされ、N
2流が停止され、そして管が1mTorr以下の圧力に完全に排気された。管は、次いでジメチルアミノトリメチルシラン[(CH
3)
2NSi(CH
3)
3]の第1の化学量で、20.0Torrの圧力に充填され、そして次いでこの圧力で20分間に亘って分離された。第1の化学量は、次いでチャンバから、減圧のN
2パージと、20sccmN
2の動的流れを2.5Torrの圧力で1分間に亘って最初に導入すること、次いでこの管を10mTorr以下の圧力に2分間に亘って減圧することを含む排気との組み合わせを用いて、除去された。(CH
3)
2NSi(CH
3)の第2の化学量が、次いで第2の量の圧力が20.8Torrであった以外は、第1の量と同じ方法で導入された。第2の量は、次いで第3の化学量の導入の前に、第1の化学量と同じ方法で除去された。(CH
3)
2NSi(CH
3)
3の第3の化学量が、次いで第3の量の圧力が、20.0Torrであった以外は第1および第2の量と同じ方法で導入された。第3の化学量は、次いで第1および第2の化学量と同じ方法で除去されて、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2試料上への、しかしながらSi(100)試料上へではない、トリメチルシリル表面不動態の選択的形成が完了した。
【0278】
選択的不動態の形成が完了した後に、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2およびSi(100)試料は、室温まで20sccmの超高純度N
2の流れの下で、2.3Torrの圧力で冷却された。これらの試料は、次いで500sccmのN
2流の下で取り出され、容器中に迅速に封入され、そして次いでそれらの性質の分析的な特性決定のための販売業者への出荷のために、N
2の下で貯蔵された。
【0279】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2およびSi(100)試料は、水接触角測定、原子間力顕微鏡法(AFM)および飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)を用いて特性決定された。比較のために、「受け入れたままの」1000ÅSiO
2試料もまた、同様の方法で特性決定された。これらの分析の結果が、以下の表に示されている。
【表26】
【0280】
これらの試料はまた、X線光量子分公報(XPS)によって分析され、そして結果が、下記の表に示されている。
【表27】
【0281】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2、「受け入れたままの」1000ÅSiO
2およびSi(100)試料についてのTOF−SIMSスペクトルが
図28〜30に示されている。
図28〜30を参照すると、Si(100)のTOF−SIMSスペクトル中にトリメチルシリル表面不動態に関連付けられるピークの観察がないことは、不動態層の形成が、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)基材に限定されていたことの証拠である。すなわち、不動態は、所望の表面上に選択的に形成され、そしてSi(10)表面上へは形成されなかった。
【0282】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)およびSi(100)についての質量45amu、29amu、43amu、59amuおよび73amuを有する陽イオンの正規化された強度が下記の表に示されている。
【表28】
例17:[Cl(CH
3)
2Si]
2(CH
2)
2(1,2−ビスクロロジメチルシリルエタン)および(CH
3)
2NSi(CH
3)
3(ジメチルアミノトリメチルシラン)を用いた370℃での熱処理加工ありでの「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅSiO
2/Si(100)および「受け入れたままの」1000ÅSiO
2/Si(100)上へのビスジメチルシリルエタン/トリメチルシリル表面不動態の選択的な形成
【0283】
1000Åの熱SiO
2/Si(100)[「1000ÅSiO
2」]およびSi(100)の幾つかの1.5”×1.5”細片が、4”ウエハから切り出され、粒子を取り除くように高純度窒素の流れで吹き飛ばされ、そして次いでそれらの幾つかは、SC−1洗浄浴中での浸漬に好適なテフロンボート中に容れられた。このボートおよび試料は、次いで70±5℃の温度に予備加熱されたSC−1洗浄溶液(100mLの超高純度NH
4OH(28%〜30%)、200mLの超高純度H
2O
2(28〜30%)、1000mLの蒸留され、脱イオン化されたH
2O)中に浸漬され、そこでそれらは10分間に亘って洗浄された。SC−1洗浄された1000ÅのSiO
2/Si(100)試料は、次いで洗浄浴から取り出され、そして蒸留され、脱イオン化された水の3回のダンプリンスサイクルを用いてすすぎ落とされた。これらの試料は、次いで粒子をろ過された超高純度のN
2ガス源を用いて完全に乾燥された。
【0284】
乾燥されたSC−1洗浄された試料は、次いでHFエッチング浴中への浸漬に好適なテフロンボート中に配置された。このボートおよび試料は、次いで21±2℃であったHFエッチング浴(51mLの超高純度HF(48〜49%)、1000mLの蒸留され、脱イオン化されたH
2O)中に浸漬され、そこでそれらは90秒間に亘ってエッチングされた。「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅSiO
2/Si(100)試料は、HF溶液から取り出され、そして蒸留され、脱イオン化された水中に迅速に浸漬され、そして次いで粒子をろ過された超高純度のN
2ガス源を用いて完全に乾燥された。
【0285】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2/Si(100)試料の幾つかが、次いで管式炉反応器系の管中に、250sccmの超高純度N
2ガスの流れの下で、室温で、可能な限り最小限の遅れで容れられた。この管は、次いで封止され、そして8060mTorrの圧力にゆっくりと減圧された。20sccmのN
2の流れが、次いで反応器管中に導入され、そして減圧のN
2パージが2分間に亘って(2.3Torrで)行われた。N
2の流れは次いで停止され、そして管は、<5mToorの圧力まで排気された。上記のサイクルパージの工程は、系の基本の圧力が得られるまで繰り返された。
【0286】
基本の圧力が得られた後に、超高純度N
2の20sccmの流れが反応器系中に導入され、そして熱処理が開始される前に系中のバックグラウンドの水分濃度を低減させるように、減圧のN
2パージ(2.3Torrで)が1時間に亘って行われた。当業者には知られているように、ロードロックシステムの使用は、大きく低減されたサイクル回数を可能とし、一方で、ここに記載されたプロセスが有効であるために必要とされる系の純度を更に与える。
【0287】
熱処理が、次いでこの炉のための温度制御器に記憶された予めブログラムされた加熱プロセス処方を用いて、超高純度N
2ガスの減圧パージ(2.3Torrで)の下で、行われた。2つの独立した熱電対の熱の軌跡(1つは外管温度を表し「壁」、そして1つは試料温度を表す)が、
図31に示されている。
【0288】
熱処理が完了した後に、20sccmの超高純度N
2の流れは管を通して2.5Torrの圧力で維持され、一方で試料の温度は370℃に低下された。これらの試料は、370℃で10分間に亘って平衡にされ、N
2の流れは停止され、そして管は1mTorr以下の圧力に完全に排気された。この管は次いで、1,2−ビスクロロジメチルシリルエタン[(Cl(CH
3)
2Si]
2(CH
2)
2]の第1の化学量で0.25Torrの圧力まで充填され、そして次いでこの圧力で10分間に亘って分離された。この第1の化学量は、次いでチャンバから、減圧のN
2パージと、20sccmN
2の動的流れを2.5Torrの圧力で1分間に亘って最初に導入すること、次いでこの管を10mTorr以下の圧力に2分間に亘って減圧することを含む排気との組み合わせを用いて、除去された。(Cl(CH
3)
2Si]
2(CH
2)
2の第2の化学量が、第2の量の圧力が0.25Torrであったこと以外は、次いで第1の量と同じ方法で導入された。第2の量は、第3の化学量の導入の前に、第1の化学量と同じ方法で除去された。((Cl(CH
3)
2Si]
2(CH
2)
2の第3〜12の化学量が、次いでそれらの量の圧力が0.25Torr〜0.26Torrの間でわずかに変化した以外は、第1および第2の量と同じ方法で導入された。第3〜12の化学量は、次いで第1および第2の化学量と同じ方法で除去された。反応器管は、次いでジメチルアミノトリメチルシランの化学量の導入の開始前に15分間に亘って基本の圧力まで減圧された。この管は、次いでジメチルアミノトリメチルシラン[(CH
3)
2NSi(CH
3)
3]の第1の化学量で20.4Torrの圧力まで充填され、そしてこの圧力に10分間に亘って分離された。第1の化学量は、次いでチャンバから、減圧のN
2パージと、20sccmN
2の動的流れを2.5Torrの圧力で1分間に亘って最初に導入すること、次いでこの管を10mTorr以下の圧力に2分間に亘って減圧することを含む排気との組み合わせを用いて、除去された。(CH
3)
2NSi(CH
3)
3の第2の化学量が、第2の量の圧力が20.3Torrであったこと以外は、次いで第1の量と同じ方法で導入された。第2の量は、第3の化学量の導入の前に、第1の化学量と同じ方法で除去された。(CH
3)
2NSi(CH
3)
3の第3の化学量は、次いで第3の量の圧力が19.8Torrであった以外は、第1および第2の量と同じ方法で導入された。第3の化学量は、次いで第1および第2の化学量と同じ方法で除去され、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅSiO
2試料および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料上への、トリメチルシリル表面不動態の選択的形成を完結される。
【0289】
選択的な不動態の形成が完了した後に、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料は、室温まで、20sccmの超高純度N
2の流れの下で、2.3Torrの圧力で冷却された。これらの試料は、次いで500sccmのN
2の流れの下で取り出され、容器中に迅速に封入され、そして次いでそれらの性質の分析的な特性決定のための販売業者への出荷のために、N
2の下で貯蔵された。
【0290】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料は、水接触角測定、原子間力顕微鏡法(AFM)および飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)を用いて特性決定された。これらの分析の結果が、下記の表および
図32に示されている。
【表29】
【0291】
また、これらの試料は、X線光量子分公報(XPS)によって分析され、そしてその結果が下記の表に示されている。
【表30】
【0292】
図32を参照すると、「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料に対して、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)試料上で、不動態化種の遥かにより高い表面被覆があることがスペクトルから明らかである。それぞれの試料からの陽イオンの分布は、ビスジメチルシリルエタンおよびトリメチルシリル前駆体化合物で処理された試料(例10および15)についてのTOF−SIMSスペクトルとの比較から推論することができるように、ビスジメチルシリルエタンおよびトリメチルシリルの両方の不動態化種の存在と整合する。
【0293】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2/Si(100)試料についての質量45amu、29amu、43amu、59amuおよび73amuを有する陽イオンの正規化された強度が下記の表に示されている。
【表31】
例18:[Cl(CH
3)
2Si]
2(CH
2)
2(1,2−ビスクロロジメチルシリルエタン)および(CH
3)
2NSi(CH
3)
3(ジメチルアミノトリメチルシラン)を用いた、370℃での熱処理加工なしでの「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」の1000ÅのSiO
2/Si(100)上への、そしてSi(100)上へではない、ビスジメチルシリルエタン/トリメチルシリル表面不動態の選択的な形成
【0294】
1000Åの熱SiO
2/Si(100)[「1000ÅSiO
2」]およびSi(100)の幾つかの1.5”×1.5”の細片が4”ウエハから切り出され、粒子を除去するように高純度の窒素の流れで吹き飛ばされ、そして次いでそれらの幾つかが、次いでSC−1洗浄浴中での浸漬に好適なテフロンボート中に容れられた。このボートおよび試料は、次いで70±5℃の温度に予備加熱されたSC−1溶液(100mLの超高純度NH
4OH(28%〜30%)、200mLの超高純度H
2O
2(28〜30%)、1000mLの蒸留され、脱イオン化されたH
2O)中に浸漬された。SC−1洗浄された1000ÅのSiO
2/Si(100)およびSi(100)試料は、次いで洗浄浴から取り出され、そして蒸留され、脱イオン化された水の3回のダンプリンスサイクルを用いて化学薬品をすすぎ落とされた。これらの試料は、次いで粒子をろ過された超高純度のN
2ガス源を用いて完全に乾燥された。
【0295】
乾燥されたSC−1洗浄された試料は、次いでHFエッチング浴中での浸漬に好適なテフロンボート中に配置された。このボートおよび試料は、次いで21±2℃であったHFエッチング浴(51mLの超高純度HF(48〜49%)、1000mLの蒸留され、脱イオン化されたH
2O)中に浸漬され、そこでそれらは90秒間に亘ってエッチングされた。「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)およびSi(100)試料は、次いでHF溶液から取り出され、そして蒸留され、脱イオン化された水中に迅速に浸漬され、そして次いで粒子をろ過された超高純度N
2ガス源を用いて完全に乾燥された。
【0296】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2/Si(100)試料の幾つかが、次いで、250sccmの超高純度のN
2ガス流の下で、室温で、可能な限り最小限の遅れで、管式炉反応器系の管中に容れられた。この管は、次いで封止され、そしてゆっくりと8060mTorrの圧力に減圧された。20sccmのN
2流が、次いでこの反応管中に導入され、そして減圧のN
2パージが、2分間に亘って行われた(2.3Torrの圧力で)。このN
2流は、次いで停止され、そしてこの管は、<5mTorrの圧力に減圧された。上記のサイクルパージの工程が、この系の基本の圧力が得られるまで繰り返された。
【0297】
基本の圧力が得られた後に、20sccmの超高純度N
2の流れが反応器系中に導入され、そして減圧のN
2パージ(2.3Torrで)が1時間に亘って行われ、熱処理を開始する前に、系中のバックグラウンドの水分濃度が低下された。当業者には知られているように、ロードロックシステムの使用は、サイクル回数を大きく低下させることを可能にし、一方でここに記載されたプロセスが有効であるために必要とされる系の純度を更に与える。
【0298】
20sccm超高純度のN
2の流れが、管を通して2.5Torrの圧力で維持され、一方で試料温度は、370℃に上昇された。これらの試料は、370℃に10分間に亘って平衡にされ、N
2流は停止され、そして管は約1mTorrの圧力に完全に排気された。管は、次いで1,2−ビスクロロジメチルシリルエタン[(Cl(CH
3)
2Si]
2(CH
2)
2]の第1の化学量で0.25Torrの圧力まで充填され、そして次いでこの圧力で10分間に亘って分離された。この第1の化学量は、次いでチャンバから、減圧のN
2パージと、20sccmN
2の動的流れを2.5Torrの圧力で1分間に亘って最初に導入すること、次いでこの管を10mTorr以下の圧力に2分間に亘って減圧することを含む排気との組み合わせを用いて、除去された。(Cl(CH
3)
2Si]
2(CH
2)
2の第2の化学量が、第2の量の圧力が0.26Torrであったこと以外は、次いで第1の量と同じ方法で導入された。第2の量は、第3の化学量の導入の前に、第1の化学量と同じ方法で除去された。((Cl(CH
3)
2Si]
2(CH
2)
2の第3〜12の化学量は、次いでそれらの量の圧力が0.25Torr〜0.26Torrの間で若干変化された以外は、第1および第2の量と同じ方法で導入された。第3〜12の化学量は、次いで第1および第2の化学量と同じ方法で除去された。反応器管は、ジメチルアミノトリメチルシランの化学量導入の開始の前に、15分間に亘って基本の圧力に排気された。この管は、次いでジメチルアミノトリメチルシラン[(CH
3)
2NSi(CH
3)
3]の第1の化学量で20.4Torrの圧力に充填され、この圧力で10分間に亘って分離された。この第1の化学量は、次いでチャンバから、減圧のN
2パージと、20sccmN
2の動的流れを2.5Torrの圧力で1分間に亘って最初に導入すること、次いでこの管を10mTorr以下の圧力に2分間に亘って減圧することを含む排気との組み合わせを用いて、除去された。(CH
3)
2NSi(CH
3)
3の第2の化学量が、第2の量の圧力が20.3Torrであったこと以外は、次いで第1の量と同じ方法で導入された。第2の量は、第3の化学量の導入の前に、第1の化学量と同じ方法で除去された。(CH
3)
2NSi(CH
3)
3の第3の化学量が、次いで第3の量の圧力が19.8Torrであった以外は、第1および第2の量と同じ方法で導入された。第3の化学量は、次いで第1および第2の化学量と同じ方法で除去され、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2試料および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料上への、トリメチルシリルシリル表面不動態の選択的形成を完結させる。
【0299】
選択的な不動態の形成が完了した後に、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料は、20sccmの超高純度N
2の流れの下で2.3Torrの圧力で室温まで冷却された。これらの試料は、次いで500sccmのN
2流の下で取り出され、迅速に容器中に容れられ、そして次いでそれらの性質の分析的な特性決定のための販売業者への出荷のために、N
2の下で貯蔵された。
【0300】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料は、水接触角測定、原子間力顕微鏡法(AFM)および飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)を用いて特性決定された。これらの分析の結果が、下記の表および
図33に示されている。
【表32】
【0301】
これらの試料はまた、X線光量子分光法(XPS)によって分析され、そして結果が下記の表に示されている。
【表33】
【0302】
図33を参照すると、「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料に対して、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)試料上で、不動態化種の遥かにより高い表面被覆があることがスペクトルから明らかである。それぞれの試料からの陽イオンの分布は、ビスジメチルシリルエタンおよびトリメチルシリル前駆体化合物で処理された試料(例10〜15)についてのTOF−SIMSスペクトルとの比較から推論することができるように、ビスジメチルシリルエタンおよびトリメチルシリルの両方の不動態化種の存在と整合する。
【0303】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料についての質量45amu、29amu、43amu、59amuおよび73amuを有する陽イオンの正規化された強度が下記の表に示されている。
【表34】
例19:(CH
3)
2NSi(CH
2CH
2CH
3)
3(ジメチルアミノトリ−n−プロピルシラン)を用いて270℃での熱処理加工ありでの「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)、「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2/Si(100)上へのそしてSi(100)上へではないトリ−n−プロピルシリル表面不動態の選択的な形成
【0304】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2試料が、不動態層の形成の前に、例12中での試料について記載されたのと同じ方法に付された。トリ−n−プロピルシリル不動態層が、次いで「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2試料上へ、そして「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSi(100)試料上へではなく選択的に形成された。
【0305】
熱処理が完了した後に、20sccm超高純度のN
2の流れが、管を通して2.5Torrの圧力で維持され、一方で試料温度は、270℃に低下された。これらの試料は、270℃10分間に亘って平衡にされ、N
2流は停止され、そして管は約1mTorrの圧力に完全に排気された。管は、次いでジメチルアミノ(トリ−n−プロピル)シラン(CH
3CH
2CH
2)
3SiN(CH
3)
2の第1の化学量で、0.089Torrの圧力まで、充填され、そして次いでこの圧力で10分間に亘って分離された。この第1の化学量は、次いでチャンバから、減圧のN
2パージと、20sccmN
2の動的流れを2.5Torrの圧力で1分間に亘って最初に導入すること、次いでこの管を10mTorr以下の圧力に2分間に亘って減圧することを含む排気との組み合わせを用いて、除去された。(CH
3CH
2CH
2)
3SiN(CH
3)
2の第2の化学量が、第2の量の圧力が0.073Torrであったこと以外は、次いで第1の量と同じ方法で導入された。第2の量は、第3の化学量の導入の前に、第1の化学量と同じ方法で除去された。(CH
3CH
2CH
2)
3SiN(CH
3)
2の第3〜11の化学量が、次いで第3の量の圧力が0.070Torr〜0.090Torrの間で若干変化された以外は、第1および第2の量と同じ方法で導入された。第3〜11の量は、次いで第1および第2の化学量と同じ方法で除去され、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2試料および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料上への、トリ−n−プロピルシリル表面不動態の選択的形成を完結させる。
【0306】
選択的な不動態の形成が完了した後に、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2および「受け入れられた」1000ÅのSiO
2試料が室温まで、20sccm超高純度N
2の流れの下で、2.3Torrの圧力で冷却された。これらの試料は、次いで500sccmのN
2の流れの下で、取り出され、容器中に迅速に封入され、そして次いでそれらの性質の分析的な特性決定のための販売業者への出荷のために、N
2の下で貯蔵された。
【0307】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料は、水接触角測定、原子間力顕微鏡法(AFM)および飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)を用いて特性決定された。これらの分析の結果が、以下の表および
図34に示されている。
【表35】
【0308】
これらの試料はまた、X線光量子分光法(XPS)によって分析され、そして結果が下記の表に示されている。
【表36】
【0309】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料についてのTOF−SIMSスペクトルが
図34に示されている。このスペクトルから、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)試料上への、「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料に対する。遥かにより高いに表面被覆があることが明らかである。
【0310】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料についての質量45amu、質量29amu、43amu、59amuおよび73amuの陽イオンについての正規化された強度が下記の表に示されている。
【表37】
例20:(CH
3)
2NSi(CH
2CH
2CH
3)
3(ジメチルアミノトリ−n−プロピルシラン)を用いて270℃での熱処理加工なしでの「SC−1洗浄された、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)、「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2/Si(100)上への、そしてSi(100)上へではないトリ−n−プロピルシリル表面不動態の選択的な形成
【0311】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2試料が、不動態層の形成の前に、例13中での試料について記載されたのと同じ方法に付された。トリ−n−プロピルシリル不動態層が、次いで以下の方法を用いて、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2試料上へ、そして「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」Si(100)試料上へではなく選択的に形成された。
【0312】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2/Si(100)試料の幾つかが、次いで、250sccmの超高純度のN
2ガス流の下で、室温で、可能な限り最小限の遅れで、管式炉反応器系の管中に容れられた。この管は、次いで封止され、そしてゆっくりと60mTorrの圧力に減圧された。20sccmのN
2流が、次いでこの反応管中に導入され、そして減圧のN
2パージが、2分間に亘って行われた(2.3Torrの圧力で)。このN
2流は、次いで停止され、そしてこの管は、<5mTorrの圧力に減圧された。上記のサイクルパージの工程が、この系の基本の圧力が得られるまで繰り返された。
【0313】
基本の圧力が得られた後に、20sccmの超高純度N
2の流れが反応器系中に導入され、そして減圧のN
2パージ(2.3Torrで)が1時間に亘って行われ、熱処理を開始する前に、系中のバックグラウンドの水分濃度が低下された。当業者には知られているように、ロードロックシステムの使用は、サイクル回数を大きく低下させることを可能にし、一方でここに記載されたプロセスが有効であるために必要とされる系の純度を更に与える。
【0314】
20sccm超高純度のN
2の流れが、管を通して2.5Torrの圧力で維持され、一方で試料温度は、270℃に上昇された。これらの試料は、270℃に10分間に亘って平衡にされ、N
2流は停止され、そして管は約1mTorrの圧力に完全に排気された。管は、次いでジメチルアミノ(トリ−n−プロピル)シラン(CH
3CH
2CH
2)
3SiN(CH
3)
2の第1の化学量で0.085Torrの圧力まで充填され、そして次いでこの圧力で10分間に亘って分離された。この第1の化学量は、次いでチャンバから、減圧のN
2パージと、20sccmN
2の動的流れを2.5Torrの圧力で1分間に亘って最初に導入すること、次いでこの管を10mTorr以下の圧力に2分間に亘って減圧することを含む排気との組み合わせを用いて、除去された。(CH
3CH
2CH
2)
3SiN(CH
3)
2の第2の化学量が、第2の量の圧力が0.079Torrであったこと以外は、次いで第1の量と同じ方法で導入された。第2の量は、第3の化学量の導入の前に、第1の化学量と同じ方法で除去された。(CH
3CH
2CH
2)
3SiN(CH
3)
2の第3〜11の化学量は、次いでそれらの量の圧力が0.081Torr〜0.084Torrの間で若干変化された以外は、第1および第2の量と同じ方法で導入された。第3〜11の化学量は、次いで第1および第2の化学量と同じ方法で除去され、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2試料および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料上へのトリ−n−プロピルシリル表面不動態の選択的な形成が完了した。
【0315】
選択的な不動態の形成が完了した後に、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料は、20sccmの超高純度N
2の流れの下で2.3Torrの圧力で室温まで冷却された。これらの試料は、次いで500sccmのN
2流の下で取り出され、迅速に容器中に容れられ、そして次いでそれらの性質の分析的な特性決定のための販売業者への出荷のために、N
2の下で貯蔵された。
【0316】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料は、水接触角測定、原子間力顕微鏡法(AFM)および飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)を用いて特性決定された。これらの分析の結果が、下記の表および
図33に示されている。
【表38】
【0317】
これらの試料はまた、X線光量子分光法(XPS)によって分析され、そして結果が下記の表に示されている。
【表39】
【0318】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料についてのTOF−SIMSスペクトルが
図35に示されている。「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料に対して、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)試料上で、不動態化種の遥かにより高い表面被覆があることが
図35のスペクトルから明らかである。
【0319】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料についての質量45amu、29amu、43amu、59amuおよび73amuを有する陽イオンの正規化された強度が下記の表に示されている。
【表40】
例21(比較):(トリ−n−プロピルクロロシラン)を用いた445℃での「SC−1洗浄された」1000ÅのSiO
2/Si(100)および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2/Si(100)上へのトリ−n−プロピルシリル表面不動態の形成
【0320】
「SC−1洗浄された」1000ÅのSiO
2試料が、不動態層の形成の前に、前述の「SC−1」洗浄工程に付された。トリ−n−プロピルシリル不動態層は、次いで「SC−1洗浄された」1000ÅのSiO
2試料および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2/Si(100)上に選択的に形成された。「受け入れたままの」試料は、洗浄されなかった。
【0321】
「SC−1洗浄された」1000ÅのSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2/Si(100)試料の幾つかが、次いで、250sccmの超高純度のN
2ガス流の下で、室温で、可能な限り最小限の遅れで、管式炉反応器系の管中に容れられた。この管は、次いで封止され、そしてゆっくりと30mTorrの圧力に減圧された。20sccmのN
2流が、次いでこの反応管中に導入され、そして減圧のN
2パージが、2分間に亘って行われた(2.3Torrの圧力で)。このN
2流は、次いで停止され、そしてこの管は、<5mTorrの圧力に減圧された。上記のサイクルパージの工程が、反応器系内に、基本の圧力が得られるまで繰り返された。
【0322】
基本の圧力が得られた後に、20sccmの超高純度N
2が反応器系中に導入され、そして熱処理を開始する前に系中のバックグラウンドの水分濃度を低減させるように、減圧のN
2パージ(2.3Torrで)が1時間に亘って行われた。当業者には知られているように、ロードロックシステムの使用は、大きく低減されたサイクル回数を可能とし、一方で、ここに記載されたプロセスが有効であるために必要とされる系の純度を更に与える。
【0323】
この管を通した2.5Torrの圧力での20sccmの超高純度N
2の流れの下で、一方試料の温度は445℃に上昇された。これらの試料は、445℃で10分間に亘って平衡にされ、N
2流が停止され、そしてこの管は、1mTorr以下の圧力に完全に排気された。この管は、次いでトリ−n−プロピルクロロシラン(CH
3CH
2CH
2)
3SiClの第1の化学量が、0.296Torrの圧力に充填され、そして次いでこの圧力で6分間に亘って分離された。この第1の化学量は、次いでチャンバから、減圧のN
2パージと、20sccmN
2の動的流れを2.5Torrの圧力で1分間に亘って最初に導入すること、次いでこの管を10mTorr以下の圧力に1分間に亘って減圧することを含む排気との組み合わせを用いて、除去された。(CH
3CH
2CH
2)
3SiClの第2の化学量が、次いで第2の量の圧力が0.320Torrであった以外は、第1の量と同じ方法で導入された。第2の量は、次いで第3の化学量の導入の前に、第1の化学量と同じ方法で除去された。(CH
3CH
2CH
2)
3SiClの第3〜10の化学量が、次いでそれらの量の圧力が0.300Torr〜0.350Torrの間で若干変化された以外は第1および第2の量と同じ方法で導入された。第3〜11の化学量は、次いで第1および第2の量と同じ方法で除去され、「SC−1洗浄された」1000ÅのSiO
2試料および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料上へのトリ−n−プロピルシリル表面不動態の選択的形成を完結させた。
【0324】
選択的な不動態の形成が完了した後に、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料は室温まで、20sccmの超高純度N
2の流れの下で、2.3Torrの圧力で冷却された。これらの試料は、次いで500sccmのN
2の流れの下で取り出され、迅速に容器中に封入され、そして次いでN
2の下で貯蔵された。
【0325】
「SC−1洗浄された」1000ÅのSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料は、水接触角測定を用いて特性決定された。それらの分析の結果が下記の表に示されている。
【表41】
例22(比較):BrSi(CH
3)
3(トリメチルブロモシラン)を用いた220℃での「SC−1洗浄された」1000ÅのSO
2/Si(100)および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2/Si(100)上へのトリメチルシリル表面不動態の形成
【0326】
「SC−1洗浄された」1000ÅのSiO
2試料が、不動態層の形成の前に、前述の「SC−1」洗浄プロセスに付された。トリメチルシリル不動態層が、次いで「SC−1洗浄された」1000ÅのSiO
2試料および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料上に、下記のプロセスを用いて選択的に形成された。「受け入れたままの」試料は洗浄されなかった。
【0327】
「SC−1洗浄された」1000ÅのSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅSiO
2/Si(100)試料の幾つかが、次いで管式炉反応器の管中に、250sccmの超高純度N
2ガスの流れの下で、室温で可能な限り最小限の遅れで、容れられた。この管は、次いで封止され、そして40mTorrの圧力にゆっくりと排気された。20sccmのN
2の流れは、次いで反応器管中に導入され、そして減圧のN
2パージが2分間に亘って行われた(2.3Torrの圧力で)。N
2の流れは、次いで停止され、そして管は<5mTorrの圧力に減圧された。前記のサイクルパージ工程は、この系の基本の圧力が得られるまで繰り返された。
【0328】
基本の圧力が得られた後に、20sccmの超高純度N
2の流れが反応器系中に導入され、そして減圧のN
2パージ(2.3Torrで)が1時間に亘って行われ、熱処理を開始する前に、系中のバックグラウンドの水分濃度が低下された。当業者には知られているように、ロードロックシステムの使用は、サイクル回数を大きく低下させることを可能にし、一方でここに記載されたプロセスが有効であるために必要とされる系の純度を更に与える。
【0329】
2.5Torrの圧力での管を通した20sccmの超高純度のN
2の流れの下で、一方で試料温度は、220℃に上昇された。これらの試料は、220℃に10分間に亘って平衡にされ、N
2流は停止され、そして管は約1mTorrの圧力に完全に排気された。管は、次いでトリメチルブロモシラン(CH
3)
3SiBrの第1の化学量で20.5Torrの圧力まで充填され、そして次いでこの圧力で10分間に亘って分離された。この第1の化学量は、次いでチャンバから、減圧のN
2パージと、20sccmN
2の動的流れを2.5Torrの圧力で1分間に亘って最初に導入すること、次いでこの管を10mTorr以下の圧力に1分間に亘って減圧することを含む排気との組み合わせを用いて、除去された。(CH
3)
3SiBrの第2の化学量が、第2の量の圧力が20.5Torrであったこと以外は、次いで第1の量と同じ方法で導入された。第2の量は、第3の化学量の導入の前に、第1の化学量と同じ方法で除去された。(CH
3)
3SiBrの第3の化学量は、次いで第3の量の圧力が19.5Torrであった以外は、第1および第2の量と同じ方法で導入された。第3の化学量は、次いで第1および第2の化学量と同じ方法で除去され、「SC−1洗浄された」1000ÅのSiO
2試料および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料上へのトリメチルシリル表面不動態の選択的な形成が完了した。
【0330】
選択的な不動態の形成が完了した後に、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料は、室温に、20sccmの超高純度のN
2の流れの下で2.3Torrの圧力で冷却された。これらの試料は、次いで500sccmのN
2の流れの下で取り出され、迅速に容器中に封入され、そして次いでN
2の下で貯蔵された。
【0331】
「SC−1洗浄された」1000ÅのSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料は、水接触角測定を用いて特性決定された。それらの分析の結果が下記の表に示されている。
【表42】
例23(比較):ClSi(CH
3)
3(トリメチルクロロシラン)を用いた405℃での「SC−1洗浄された」1000ÅのSiO
2/Si(100)および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2/Si(100)上へのトリメチルシリル表面不動態の形成
【0332】
「SC−1洗浄された」1000ÅSiO
2試料が、不動態層の形成の前に、前述の「SC−1」洗浄プロセスに付された。トリメチルシリル不動態層が、次いで「SC−1洗浄された」1000ÅSiO
2試料および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料上に、以下のプロセスを用いて、選択的に形成された。「受け入れたままの」試料は、洗浄されなかった。
【0333】
「SC−1洗浄された」1000ÅSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅSiO
2/Si(100)試料の幾つかが、管式炉反応器系の管の中に、250sccmの超高純度N
2ガスの流れの下で、室温で、可能な限り最小限の遅れで、容れられた。この管は、次いで封止され、そして40mTorrの圧力にゆっくりと減圧された。20sccmのN
2流が、次いでこの反応管中に導入され、そして減圧のN
2パージが2分間に亘って(2.3Torrの圧力で)行われた。N
2流が、次いで停止され、そしてこの管は、<5mTorrの圧力まで減圧された。上記のサイクルパージ工程が、この系の基本の圧力が得られるまで繰り返された。
【0334】
基本の圧力が得られた後に、熱処理を開始する前にバックグラウンド水分濃度を低減させるように、20sccmの超高純度N
2の流れが、反応系中に導入され、そして減圧のN
2パージが1時間に亘って行われた。当業者に知られているように、ロードロックシステムの使用は、大きく低減されたサイクル回数を可能とし、一方で、ここに記載されたプロセスが有効であるために必要とされる系の純度を更に与える。
【0335】
20sccm超高純度のN
2の管を通した2.5Torrの圧力での流れの下で、一方で試料温度は、405℃に上昇された。これらの試料は、405℃で10分間に亘って平衡にされ、N
2流は停止され、そして管は1mTorr以下の圧力に完全に排気された。管は、次いでトリメチルクロロシラン(CH
3)
3SiClの第1の化学量で、3.35Torrの圧力まで、充填され、そして次いでこの圧力で5分間に亘って分離された。この第1の化学量は、次いでチャンバから、減圧のN
2パージと、20sccmN
2の動的流れを2.5Torrの圧力で1分間に亘って最初に導入すること、次いでこの管を10mTorr以下の圧力に1分間に亘って減圧することを含む排気との組み合わせを用いて、除去された。(CH
3)
3SiClの第2の化学量が、第2の量の圧力が24.7Torrであったこと以外は、次いで第1の量と同じ方法で導入された。第2の量は、第3の化学量の導入の前に、第1の化学量と同じ方法で除去された。(CH
3)
3SiBrの第3の化学量は、次いで第3の量の圧力が1.9Torrであり、そして暴露時間が10分間であった以外は、第1および第2の量と同じ方法で導入された。第3の化学量は、次いで第1および第2の化学量と同じ方法で除去され、「SC−1洗浄された」1000ÅSiO
2試料および「受け入れたままの」1000ÅSiO
2試料上への、トリメチルシリル表面不動態の選択的形成を完結させる。
【0336】
選択的な不動態の形成が完了した後に、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅSiO
2試料は、室温まで、20sccmの超高純度N
2の流れの下で、2.3Torrの圧力で冷却された。これらの試料は次いで、500sccmのN
2の流れの下で取り出され、容器中に迅速に封入され、そして次いでN
2の下で貯蔵された。
【0337】
「SC−1洗浄された」1000ÅSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅSiO
2試料は、水接触角測定を用いて特性決定された。それらの分析の結果が下記の表に示されている。
【表43】
例24:ISi(CH
3)
3(ヨードトリメチルシラン)を用いた370℃での熱処理加工ありでの「SC−1洗浄された」1000ÅのSiO
2/Si(100)および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2/Si(100)上へのトリメチルシリル表面不動態の形成
【0338】
1000Åの熱SiO
2/Si(100)[「1000ÅSiO
2」]の幾つかの1.5”×1.5細片が、4”ウエハから切り出され、粒子を除去するように高純度窒素の流れで吹き飛ばされ、そして次いでSC−1洗浄浴中での浸漬に好適なテフロンボート中に容れられた。ボートおよび試料は、次いで、70±5℃の温度に予備加熱されたSC−1洗浄溶液(100mLの超高純度NH
4OH(28%〜30%)、200mLの超高純度H
2O
2(28〜30%)、1000mLの蒸留され、脱イオン化されたH
2O)中に浸漬され、それらは10分間に亘って洗浄された。SC−1洗浄された、1000ÅのSiO
2/Si(100)およびSi(100)試料は、次いで洗浄浴から取り出され、そして蒸留され、脱イオン化された水の3回のダンプリンスサイクルを用いて化学薬品をすすがれた。これらの試料は、次いで粒子をろ過された超高純度のN
2ガス源を用いて、完全に乾燥された。
【0339】
「SC−1洗浄された」1000ÅのSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2/Si(100)試料の幾つかが、次いで管式炉反応器系の管中に、250sccmの超高純度のN
2ガスの流れの下で、室温で、可能な限り最小限の遅れで、容れられた。この管は、次いで封止され、そして80mTorrの圧力に減圧された。20sccmのN
2の流れが、次いで反応器管中に導入され、そして減圧のN
2パージが2分間に亘って行われた(2.3Torrの圧力で)。N
2の流れは、次いで停止され、そして管は、<5mTorrの圧力に減圧された。前記のサイクルパージ工程が、この系の基本の圧力が得られるまで繰り返された。
【0340】
基本の圧力が得られた後に、20sccmの超高純度N
2の流れが反応器系中に導入され、そして減圧N
2パージ(2.3Torrで)が1時間に亘って行われて、熱処理を開始する前に、系中のバックグラウンド水分濃度を低減させた。当業者に知られているように、ロードロックシステムの使用は、サイクル回数を大きく低下させることを可能にし、一方で、ここに記載されたプロセスが有効であるために必要とされる系の純度を更に与える。
【0341】
熱処理が、次いでこの炉のための温度制御器に記憶された予めプログラムされた加熱プロセス処方を用いて、超高純度N
2ガスの減圧パージの下で行われた(2.3Torrで)。2つの独立した熱電対(1つは外管温度を表し−「壁」そして1つは試料温度を表す)の熱の軌跡が
図36に示されている。
【0342】
熱処理が完了した後に、20sccmの超高純度N
2の流れが管を通して、2.5Torrの圧力で維持され、一方で試料の温度は370℃に低下された。これらの試料が、370℃で10分間に亘って平衡にされ、N
2流が停止され、そして管が約1mTorrの圧力に完全に排気された。管は、次いでヨードトリメチルシラン[ISi(CH
3)
3]の第1の化学量で、20.1Torrの圧力に充填され、そして次いでこの圧力で20分間に亘って分離された。第1の化学量は、次いでチャンバから、減圧のN
2パージと、20sccmN
2の動的流れを2.5Torrの圧力で1分間に亘って最初に導入すること、次いでこの管を10mTorr以下の圧力に1分間に亘って減圧することを含む排気との組み合わせを用いて、除去された。[ISi(CH
3)
3]の第2の化学量が、次いで第2の量の圧力が19.8Torrであった以外は、第1の量と同じ方法で導入された。第2の量は、次いで第3の化学量の導入の前に、第1の化学量と同じ方法で除去された。[ISi(CH
3)
3]の第3の化学量が、次いで第3の量の圧力が、20.2Torrであった以外は第1および第2の量と同じ方法で導入された。第3の化学量は、次いで第1および第2の化学量と同じ方法で除去されて、「SC−1洗浄された」1000ÅのSiO
2試料および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料上への、トリメチルシリル表面不動態の選択的形成が完了した。
【0343】
選択的不動態の形成が完了した後に、「SC−1洗浄された」1000ÅのSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料は、室温まで20sccmの超高純度N
2の流れの下で、2.3Torrの圧力で冷却された。これらの試料は、次いで500sccmのN
2流の下で取り出され、容器中に迅速に封入され、そして次いでそれらの性質の分析的な特性決定のための販売業者への出荷のために、N
2の下で貯蔵された。
【0344】
「SC−1洗浄された」1000ÅのSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料が、水接触角測定、原子間力顕微鏡(AFM)および飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)を用いて特性決定された。これらの分析の結果が、以下の表に示されている。
【表44】
【0345】
また、これらの試料は、X線光量子分光法(XPS)を用いて分析され、そしてその結果が下記の表に示されている。
【表45】
【0346】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2およびSi(100)試料のTOF−SIMSスペクトルが
図37に示されている。
図37を参照すると、Si(100)のTOF−SIMSスペクトル中にトリメチルシリル表面不動態に関連付けられるピークの観察がないことは、不動態層の形成が、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)基材に限定されていた証拠である。すなわち、不動態は、所望の表面上に選択的に形成され、Si(100)表面上へは形成されなかった。この結論はまた、これらの試料についての水接触角の測定結果およびこれらの試料についてのAFM表面粗さの測定結果によって支持されている。
【0347】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2/Si(100)およびSi(100)についての質量45amu、29amu、43amu、59amuおよび73amuを有する陽イオンについての正規化されたイオン強度が下記の表に示されている。
【表46】
例25:ISi(CH
3)
3(ヨードトリメチルシラン)を用いた370℃での熱処理加工なしでの「SC−1洗浄された」1000ÅのAiO
2/Si(100)および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2/Si(100)上へのトリメチルシリル表面不動態の形成
【0348】
1000Åの熱SiO
2/Si(100)「「1000ÅSiO
2」」のいくつかの1.5”×1.5”の細片が4”ウエハから切り出され、粒子を取り除くように高純度窒素の流れで吹き飛ばされ、そして次いでSC−1洗浄浴中への浸漬に好適なテフロンボート中に容れられた。ボートおよび試料は、次いで70±5℃の温度に予備加熱されたSC−1洗浄溶液(100mLの超高純度NH
4OH(28%〜30%)、200mLの超高純度H
2O
2(28〜30%)、1000mLの蒸留され、脱イオン化されたH
2O)中に浸漬され、それらは10分間に亘って洗浄された。SC−1洗浄された、1000ÅのSiO
2/Si(100)およびSi(100)試料は、次いで洗浄浴から取り出され、そして蒸留され、脱イオン化された水の3回のダンプリンスサイクルを用いて化学薬品がすすがれた。これらの試料は、次いで粒子をろ過された、高純度のN
2ガス源を用いて完全に乾燥された。
【0349】
「SC−1洗浄された」1000ÅのSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料は、次いで管式炉反応器系の管中に、250sccmの超高純度N
2ガスの流れの下で、室温で、可能な限り最小限の遅れで、容れられた。この管は、次いで封止され、そして80mTorrの圧力にゆっくりと減圧された。20sccmのN
2の流れが、次いで反応器管中に導入され、そして減圧のN
2パージが2分間に亘って行われた(2.3Torrの圧力で)。N
2の流れは、次いで停止され、そして管は<5mTorrの圧力まで減圧された。前記のサイクルパージ工程は、この系の基本の圧力が得られるまで繰り返された。
【0350】
基本の圧力が得られた後に、20sccmの超高純度N
2の流れが反応器系中に導入され、そして減圧のN
2パージ(2.3Torrで)が1時間に亘って行われて、熱処理を開始する前に系中のバックグラウンド水分濃度を低下させた。当業者には知られているように、ロードロックシステムの使用は、大きく低減されたサイクル回数を可能とし、一方で、ここに記載されたプロセスが有効であるために必要とされる系の純度を更に与える。
【0351】
20sccmの超高純度N
2の2.5Torrの圧力での管を通した流れの下で、一方で試料の温度は370℃に上昇された。これらの試料が、370℃で10分間に亘って平衡にされ、N
2流が停止され、そして管が1mTorr以下の圧力に完全に排気された。管は、次いでジメチルアミノトリメチルシラン[(CH
3)
2NSi(CH
3)
3]の第1の化学量で、20.8Torrの圧力に充填され、そして次いでこの圧力で20分間に亘って分離された。第1の化学量は、次いでチャンバから、減圧のN
2パージと、20sccmN
2の動的流れを2.5Torrの圧力で1分間に亘って最初に導入すること、次いでこの管を10mTorr以下の圧力に2分間に亘って減圧することを含む排気との組み合わせを用いて、除去された。(CH
3)
2NSi(CH
3)
3の第2の化学量が、次いで第2の量の圧力が21.0Torrであった以外は、第1の量と同じ方法で導入された。第2の量は、次いで第3の化学量の導入の前に、第1の化学量と同じ方法で除去された。(CH
3)
2NSi(CH
3)
3の第3の化学量が、次いで第3の量の圧力が、21.4Torrであった以外は第1および第2の量と同じ方法で導入された。第3の化学量は、次いで第1および第2の化学量と同じ方法で除去されて、「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2試料上への、しかしながらSi(100)試料上へではない、トリメチルシリル表面不動態の選択的形成が完了した。
【0352】
選択的な不動態の形成が完了した後に、「SC−1洗浄された」1000ÅのSiO
2およびSi(100)および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料は、室温まで20sccmの超高純度N
2の流れの下で、2.3Torrの圧力で冷却された。これらの試料は、次いで500sccmのN
2流の下で取り出され、容器中に迅速に封入され、そして次いでそれらの性質の分析的な特性決定のための販売業者への出荷のために、N
2の下で貯蔵された。
【0353】
「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2およびSi(100)試料が、水接触角測定、原子間力顕微鏡(AFM)および飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)を用いて特性決定された。比較のために、熱処理加工を受けなかった「SC−1洗浄され、HFエッチングされた」1000ÅのSiO
2試料もまた、同様の方法で特性決定された。これらの分析の結果が、以下の表に示されている。
【表47】
【0354】
それらの試料はまた、X線光量子分光法(XPS)によって分析され、そしてその結果が下記の表に示されている。
【表48】
【0355】
「SC−1洗浄された」1000ÅのSiO
2および「受け入れたままの」1000ÅのSiO
2試料のTOF−SIMSスペクトルが
図38に示されている。
【0356】
「SC−1洗浄された」1000ÅのSiO
2/Si(100)およびSi(100)についての質量45amu、29amu、43amu、59amuおよび73amuを有する陽イオンについての正規化されたイオン強度が下記の表に示されている。
【表49】
【0357】
本発明の原理が、好ましい態様に関して上述されているが、この記載は、例としてのみなされているのであって、本発明の範囲を限定するものではないことが明確に理解されなければならない。