(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-536449(P2021-536449A)
(43)【公表日】2021年12月27日
(54)【発明の名称】トプラメゾンの水性組成物
(51)【国際特許分類】
A01N 43/80 20060101AFI20211129BHJP
A01P 13/00 20060101ALI20211129BHJP
【FI】
A01N43/80 101
A01P13/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2021-510711(P2021-510711)
(86)(22)【出願日】2019年8月12日
(85)【翻訳文提出日】2021年4月19日
(86)【国際出願番号】EP2019071527
(87)【国際公開番号】WO2020043470
(87)【国際公開日】20200305
(31)【優先権主張番号】62/723,033
(32)【優先日】2018年8月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】18194761.5
(32)【優先日】2018年9月17日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディッケス,ショーン
(72)【発明者】
【氏名】エスター,ディーン エー
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AB01
4H011BB10
4H011BC03
4H011BC08
4H011BC18
4H011BC22
(57)【要約】
本発明は、トプラメゾンを含む水性除草剤用組成物に関連する。本発明は、アジュバントを含む又は含まない緩衝溶液中のトプラメゾン水溶液に特に関連する。本発明はまた、作物及び非作物における望ましくない植生を防除するための、これらの組成物の使用にも関連する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性組成物の全重量に基づいて、0.1重量%〜1.0重量%のトプラメゾン又はその農学的に許容される塩を含む水性組成物であって、組成物のpHが6.5〜7.5の範囲である、水性組成物。
【請求項2】
トプラメゾン又はその農学的に許容される塩の量が、水性組成物の全重量に基づいて、0.1重量%〜0.5重量%の範囲である、請求項1に記載の水性組成物。
【請求項3】
組成物のpHが6.8〜7.2の範囲である、請求項1に記載の水性組成物。
【請求項4】
組成物のpHが6.9〜7.1の範囲である、請求項1に記載の水性組成物。
【請求項5】
少なくとも1種の緩衝剤を含む、請求項1に記載の水性組成物。
【請求項6】
少なくとも1種の緩衝剤が、リン酸緩衝剤、リン酸-酢酸緩衝剤、クエン酸-リン酸緩衝剤、BES(N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸)-緩衝食塩水、EBSS(アール平衡塩類溶液)緩衝剤、ハンクス平衡緩衝溶液、HEPPSO(N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N'-(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)緩衝剤、HEPESを含むハンクス緩衝剤、イミダゾール-HCl緩衝剤、マレイン酸緩衝剤、MOPS(3-(N-モルホリノ)プロパン-スルホン酸)緩衝剤、リン酸緩衝食塩水、リン酸緩衝剤、リン酸カリウム、TBSトリス緩衝食塩水緩衝剤、及びトリス(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)緩衝剤の群から選択される、請求項5に記載の水性組成物。
【請求項7】
少なくとも1種のアジュバントを更に含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の水性組成物。
【請求項8】
少なくとも1種のアジュバントが非イオン性界面活性剤である、請求項7に記載の水性組成物。
【請求項9】
非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグリコシド、アルコキシル化アルコール、アルコキシル化天然油、グリセロールエステル、アルコキシル化還元糖エステル、アルコキシル化モノヤシ脂肪酸グリセロール、多価アルコールのエステル、アルコキシル化アミン、アルコキシル化エステル、アルコキシル化アルキル又はアリールフェノール、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー、及びその混合物の群から選択される、請求項8に記載の水性組成物。
【請求項10】
アルキルポリグリコシドが、式(I)
R1O(R2O)b(Z)a (I)
(式中、
R1は、直鎖状若しくは分枝鎖状の、非置換若しくは置換のC4〜C30アルキル又は直鎖状若しくは分枝鎖状の、非置換若しくは置換のC4〜C30アルケニルであり、
R2は、直鎖状又は分枝鎖状の、非置換又は置換のC2〜C4アルキレンであり、
bは0〜100の範囲であり、
Zは5〜6個の炭素原子を有する糖残基であり、
aは1〜6の範囲の整数である)
で表される、請求項9に記載の水性組成物。
【請求項11】
R1が直鎖状又は分枝鎖状の、非置換C8〜C16アルキルであり、
bが0であり、
Zがグルコースであり、
aが整数1〜2である、請求項10に記載の水性組成物。
【請求項12】
アルコキシル化アルコールが式:
R3O-(R4O)xR5 (II)
(式中、
R3は、直鎖状若しくは分枝鎖状の、非置換若しくは置換のC1〜C30アルキル又は直鎖状若しくは分枝鎖状の、非置換若しくは置換のC2〜C30アルケニルであり、
x個の(R4O)基のそれぞれのR4は、独立して、直鎖状又は分枝鎖状の、非置換又は置換のC2〜C4アルキレンであり、
R5は、水素又は直鎖状若しくは分枝鎖状の、非置換若しくは置換のC1〜C30アルキル直鎖であり、
xは1〜60の範囲の整数である)
を有する、請求項9に記載の水性組成物。
【請求項13】
R3が直鎖状又は分枝鎖状の、非置換C10〜C14アルキルであり、
R4が非置換の直鎖C2アルキレンであり、
R5が水素であり、
xが7〜10の範囲の整数である、請求項12に記載の水性組成物。
【請求項14】
アルコキシル化天然油がアルコキシル化ヒマシ油である、請求項9に記載の水性組成物。
【請求項15】
少なくとも1種のアジュバントが、C9〜C11アルキルポリグルコシド、エトキシル化トリデシルアルコール、及びエトキシル化ヒマシ油の群から選択される、請求項8に記載の水性組成物。
【請求項16】
少なくとも1種のアジュバントが、水性組成物の全重量に基づいて、0.1重量%〜10.0重量%の量で存在する、請求項8から15のいずれか一項に記載の水性組成物。
【請求項17】
消泡剤、有機増粘剤及び無機増粘剤、殺細菌剤、不凍剤、着色剤、及び接着剤の群から選択される少なくとも1種の助剤を更に含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の水性組成物。
【請求項18】
それぞれの場合で水性組成物の全重量に基づいて、
0.1重量%〜1.0重量%のトプラメゾン、
0.1重量%〜10.0重量%の少なくとも1種のアジュバント、
0.1重量%〜10.0重量%の少なくとも1種の助剤
少なくとも1種の緩衝剤、及び
2.0重量%〜99.0重量%の水を含み、
組成物のpHが6.5〜7.5の範囲である、
請求項1から17のいずれか一項に記載の水性組成物。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか一項に記載の水性組成物を、植物、その環境及び/又は種子に施用するステップを含む、所望されない植生を防除する方法。
【請求項20】
所望されない植生を防除するための、請求項1から19のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項21】
(a)pH範囲6.5〜7.5を有する緩衝溶液に0.1重量%〜1.0重量%のトプラメゾンを添加するステップを含む、請求項1から19のいずれか一項に記載の組成物を製造する方法。
【請求項22】
(b)0.1重量%〜10.0重量%の範囲の少なくとも1種のアジュバントを添加するステップ、及び
(c)0.1重量%〜10.0重量%の範囲の少なくとも1種の助剤を添加するステップ
を更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
請求項1から18のいずれか一項に記載の即時噴霧可能な製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
請求される本発明は、トプラメゾンを含む除草剤用水性組成物に関連する。本発明は、作物及び非作物における望ましくない植生を防除するための、これらの組成物の使用にも関連する。非作物領域には、茂み、芝生、ゴルフ場、又は公園が含まれる。
【背景技術】
【0002】
作物保護において、原則として、活性化合物の作用の特異性及び確実性を高めることが望ましい。特に作物保護製品は、有害な植物を有効に防除すると同時に、当該の有用な植物によって許容されることが望ましい。
【0003】
除草剤は、商業的農業において幅広い用途を見出し、作物収量及び生産物の品質を高めることを可能としてきた。除草剤は、様々な雑草、例えば、草及び広葉雑草、例えば、ヒユ属(amaranthus)、エノコログサ(foxtail)等が作物収量に損失をもたらす場合は常に、これらの雑草を防除するのに慣例的に用いられる。
【0004】
トプラメゾン(4-[3-(4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル)-2-メチル-4-メチルスルホニルベンゾイル]-2-メチル-1H-ピラゾール-3-オン)及びその農学的に許容される塩は、周知の除草剤活性化合物である(C.D.S Tomlin(Ed.)、The Pesticide Manual、第14版、2006、BCPC Alton、Hampshire、UK、1047頁参照)。トプラメゾン及びその調製のための一般的な手順は、PCT出願WO98/31681及びWO99/58509より既知である。
【0005】
トプラメゾンは、阻害剤4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(4-HPPD阻害剤)として既知であり、一年生暖地型草、例えばヒエ属(Echinochloa)、セタリア・ディギタリア(Setaria Digitaria)、及びキビ属(Panicum)の種、並びに双子葉植物の雑草、例えばアカザ属(Chenopodium)、アトリプレックス属(Atriplex)、ヒユ属、ナス属(Solanum)、コゴメギク属(Galinsoga)、コハコベ(Stellaria media)、オドリコソウ属(Lamium)、及びクワガタソウ属(Veronica)の種の極めて有効な防除をもたらす。しかし、除草剤の活性及び活性スペクトルは、限定されることがある。トプラメゾンの市販製剤は、アジュバント、例えばDash(登録商標)と組み合わせて施用して、確実な除草剤作用を得ることが推奨される。トプラメゾンの製剤は、BASF SEによって、商標名Clio(登録商標)及びClio(登録商標)super(トプラメゾン及びジメテナミド-Pの共製剤)で販売されている。
【0006】
トプラメゾンは、しばしば、顆粒水和剤(WG)として、又は濃縮懸濁剤(SC)、すなわち固体懸濁剤として製剤化される。こうした製剤では、活性成分を特定のサイズに粉砕することができ、続いて、固体を水系キャリア溶媒に懸濁させることができる。WG製剤は、典型的には、アジュバント性(adjuvancy)をほぼ有さない不活性化合物で製造され、雑草を防除する、生物学的に利用可能(バイオアベイラブル)な活性成分を製造することが難しいことがある。これらの製剤の、及び施用中の活性成分の粒子サイズは、しばしば、依然として大きすぎて、相当な量の製剤が、雑草を防除するために、1エーカー当たりに施用されねばならない。同様に、濃縮懸濁剤製剤は、アジュバントを有用な比率で組み込むことが難しく、アジュバントが葉面吸収及びバイオトランスロケーション(biotranslocation)に対してあまり勢いを与えず、故に、相当な量の製剤を、雑草の蔓延を防除するために、1エーカー当たりに施用せねばならないという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO98/31681
【特許文献2】WO99/58509
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】C.D.S Tomlin(Ed.)、The Pesticide Manual、第14版、2006、BCPC Alton、Hampshire、UK、1047頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、使用に容易に適用でき、且つ容易に生物学的に利用可能である、トプラメゾンの水溶液製剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
意外なことに、25℃で測定される場合、pH6.5〜7.5を有する水溶液中で、トプラメゾンが容易に溶解することが見出された。
【0011】
したがって、一態様において、本発明は、0.1重量%〜1.0重量%のトプラメゾンを含む水溶液に関連し、溶液は、25℃で測定される場合、pH範囲6.5〜7.5を有する。
【0012】
別の態様において、本発明は、0.1重量%〜1.0重量%のトプラメゾン及び緩衝剤を含む水溶液に関連する。
【0013】
更に別の態様において、本発明は、0.1重量%〜1.0重量%のトプラメゾン及びアジュバントを含み、25℃で測定される場合、pH範囲6.5〜7.5を有する、水性緩衝溶液に関連する。
【0014】
本発明のさらなる一実施形態において、アジュバントは、組成物の全重量に対して0.1%〜10.0%の範囲で存在する非イオン性界面活性剤である。
【0015】
本発明の別の実施形態において、非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシド、アルコキシル化アルコール、アルコキシル化天然油、グリセロールエステル、アルコキシル化還元糖エステル、アルコキシル化モノヤシ脂肪酸グリセロール(alkoxylated glycerol monococoate)、多価アルコールのエステル、アルコキシル化アミン、アルコキシル化エステル、アルコキシル化アルキル又はアリールフェノール(alkoxylated alkyl or arylphenols)、及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマーの群から選択される。
【0016】
本発明の一態様において、0.1重量%〜1.0重量%のトプラメゾン及びアジュバントを含む水性緩衝溶液であって、溶液が25℃で測定される場合、pH範囲6.5〜7.5を有する、水性緩衝溶液は、50℃で貯蔵される場合、少なくとも135日の期間安定である。
【0017】
一態様において、本発明は、アジュバントを含む又は含まない、0.1重量%〜1.0重量%のトプラメゾンを含む水性緩衝化組成物を施用することによって、所望されない植生を防除する方法に関連する。
【0018】
更に別の態様において、本発明は、所望されない植生を防除するための、アジュバントを含む又は含まない、0.1重量%〜1.0重量%のトプラメゾンを含む水性緩衝化組成物の使用に関連する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の組成物及び本発明の製剤を説明する前に、こうした組成物及び製剤は、勿論多様であり得るので、本発明は、記載された組成物及び製剤に限定されるものではないことを理解されたい。請求される本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書における専門用語は、限定的なものではないことも理解されたい。
【0020】
以下で、群が、少なくともある数の実施形態を含むように定められる場合、これは、好ましくはこれらの実施形態のみで構成される群を含むことも意味する。更に、記載及び特許請求の範囲における、各用語「第1」、「第2」、「第3」、又は「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」等は、同様の要素間を識別するために用いられ、必ずしも、順序又は時系列を説明するために用いられるわけではない。こうして用いられる用語は、適切な状況で互換性があり、本明細書に記載の本発明の実施形態は、本明細書に記載され、又は説明されたものと異なる、他の順序で実施可能であることを理解されたい。各用語「第1」、「第2」、「第3」、又は「(A)」、「(B)」、及び「(C)」、又は「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」、「i」、「ii」等が、方法又は使用又はアッセイのステップに関連する場合、ステップ間に時間コヒーレンス又は時間間隔コヒーレンスは存在しない。すなわち、本明細書の上記又は下記で示される適用において、別段の指示がない限り、各ステップを同時に行うことができるか、又はこうしたステップ間に秒、分、時間、日、週、月、若しくは更に年の時間間隔が存在し得る。
【0021】
以下の文において、本発明の様々な態様がより詳細に定められる。こうして定められた各態様は、明らかに矛盾しない限り、任意の1つ以上の態様と組み合わせることができる。特に、好ましいもの又は有利であるものとして示される任意の特徴は、好ましいもの又は有利であるものとして示される、任意の他の1つ以上の特徴と組み合わせることができる。
【0022】
本明細書を通して、「一実施形態(one embodiment)」又は「一実施形態(an embodiment)」と称することは、実施形態と関連して記載された、特定の特徴、構造又は特性が、請求される本発明の、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書中の様々な場所での、語句「一実施形態において(in one embodiment)」又は「一実施形態において(in an embodiment)」の出現は、必ずしも全て同じ実施形態を示しているわけではないが、その場合もある。更に、1つ以上の実施形態において、特定の特徴、構造、又は特性は、本開示より当業者に明らかなように、任意の好適な方法で組み合わせることができる。更に、本明細書に記載の一部の実施形態は、幾つかの特徴を含み、但し他の実施形態に含まれる他の特徴を含まないものの、様々な実施形態の特徴の組み合わせは、当業者に理解されるように、本発明の範囲内にあり、様々な実施形態を形成することを意味する。例えば、添付の特許請求の範囲において、請求項に記載の実施形態のいずれかを、任意の組み合わせで用いることができる。
【0023】
更に、明細書を通して記載された範囲は、終値も含み、すなわち、範囲1〜10は、1と10との両方が範囲に含まれることを暗示する。疑問を避けるために、出願人は、適用法に従って任意の均等物に権利を与えるものとする。
【0024】
本明細書において、用語「安定な」は、配合が依然として不変である、すなわち、任意の沈殿又は濁り又は相分離がない、トプラメゾンを含む水性組成物を示す。
【0025】
本発明の一態様において、本発明は、0.1%〜1.0%のトプラメゾンを含む水溶液に関連し、溶液は、25℃で測定される場合、pH範囲6.5〜7.5を有する。
【0026】
トプラメゾンは、主に、広葉雑草、及び畑トウモロコシ、スイートコーン、及びポップコーンの一部の草の、種子の出芽後(postemergence)の防除に用いられる、フェニルピラゾリルケトン化学族の選択的除草剤である。それは、以下の構造によって表される。
【0027】
【化1】
トプラメゾンの水への溶解度は、25℃で約0.305g/Lである。更に、様々な有機溶媒中のトプラメゾンの溶解度も制限される。
【0028】
意外なことに、25℃で測定される場合、pH6.5〜7.5を有する水溶液中で、トプラメゾンが容易に溶解することを見出した。
【0029】
別の態様において、本発明は、0.1重量%〜1.0重量%のトプラメゾン及び緩衝剤(buffering agent)を含む水溶液に関連する。一実施形態において、トプラメゾンの量は、それぞれの場合で、組成物の最終重量に基づいて、0.1〜1.0%又は0.1〜0.9%又は0.1〜0.8%又は0.1〜0.7%又は0.1〜0.6%又は0.1〜0.5%又は0.1〜0.4%又は0.1〜0.3%又は0.1〜0.2%の範囲である。
【0030】
本発明の一実施形態において、少なくとも1種の緩衝剤(buffer)は、リン酸緩衝剤、リン酸-酢酸緩衝剤、クエン酸-リン酸緩衝剤、BES(N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸)-緩衝食塩水、EBSS(アール平衡塩類溶液)緩衝剤、ハンクス平衡緩衝溶液、HEPPSO(N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N'-(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)緩衝剤、HEPESを含むハンクス緩衝剤、イミダゾール-HCl緩衝剤、マレイン酸緩衝剤、MOPS(3-(N-モルホリノ)プロパン-スルホン酸)緩衝剤、リン酸緩衝食塩水、リン酸カリウム、TBS(トリス緩衝食塩水)緩衝剤、及びトリス(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)緩衝剤からなる群から選択される。
【0031】
本発明の一実施形態において、少なくとも1種の緩衝剤はリン酸緩衝剤である。
【0032】
リン酸緩衝剤は、場合により、リン酸塩(phosphate)に加えて他の緩衝剤を含んでもよい。
【0033】
例えば、リン酸緩衝剤はクエン酸塩(citrate)を含んでもよい。しかし、一実施形態において、リン酸緩衝剤は他の緩衝剤を含まない。
【0034】
本発明の製剤で用いられるリン酸緩衝剤は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のリン酸緩衝剤、例えば、リン酸ナトリウム緩衝剤であってもよい。
【0035】
したがって、別の実施形態において、本発明は、リン酸緩衝剤が、リン酸ナトリウム二塩基性、水酸化ナトリウム、リン酸二水素カリウムを含み、25℃で測定される場合、pH7±0.01を有する、組成物を提供する。
【0036】
本発明の製剤を調製するのに用いられるリン酸ナトリウムは、例えば、リン酸二水素ナトリウム若しくはリン酸水素二ナトリウム、又はその混合物であってもよい。
【0037】
リン酸ナトリウム(例えば、リン酸二水素ナトリウム若しくはリン酸水素二ナトリウム、又はその混合物)は、無水形態で、又は水和形態で、又は無水形態と水和形態との混合で使用することができる。例えば、リン酸二水素ナトリウムは、その一水和物の形態で用いることができるが、リン酸水素二ナトリウムは、その二水和物の形態で用いることができる。
【0038】
したがって一実施形態において、リン酸緩衝剤は、リン酸二水素ナトリウム(例えば、その一水和物)である。
【0039】
別の実施形態において、リン酸緩衝剤は、リン酸水素二ナトリウム(例えば、その二水和物)である。
【0040】
さらなる一実施形態において、リン酸緩衝剤は、2種以上のリン酸ナトリウム緩衝剤の組み合わせである。例えば、リン酸緩衝剤は、2種のリン酸ナトリウム緩衝剤の組み合わせであってもよい。特定の一実施形態において、製剤は、第1のリン酸ナトリウム緩衝剤及び第2のリン酸ナトリウム緩衝剤を含み、ここで、第1のリン酸ナトリウム緩衝剤は、リン酸二水素ナトリウム(例えば、一水和物形態)であり、第2のリン酸ナトリウム緩衝剤は、リン酸水素二ナトリウム(例えば、二水和物形態)である。
【0041】
リン酸二水素ナトリウム及びリン酸水素二ナトリウムの割合は、製剤の望ましいpH値をもたらすように変えることができると理解されたい。必要に応じて、酸又は塩基を添加して、最終のpHを調節することができる。
【0042】
同様に、リン酸二水素ナトリウム及びリン酸水素二ナトリウムの一方のみを用いて、製剤を調製する場合、酸又は塩基を添加して、製剤のpHを求められる値まで調節することができる。
【0043】
本発明の一実施形態において、水性組成物のpHは、25℃で測定される場合、6.5〜7.5の範囲であり、より好ましくは6.8〜7.2の範囲であり、更により好ましくは6.9〜7.1の範囲である。
【0044】
本発明の別の実施形態において、水性組成物のpHは、25℃で測定される場合、6.5±0.01、6.6±0.01、6.7±0.01、6.8±0.01、6.9±0.01、7.0±0.01、7.1±0.01、7.2±0.01、7.3±0.01、7.4±0.01、又は7.5±0.01である。
【0045】
さらなる実施形態において、本発明は、0.1重量%〜1.0重量%のトプラメゾン及びアジュバントを含む水溶液であって、溶液が、25℃で測定される場合、pH範囲6.5〜7.5を有する、水溶液に関連する。
【0046】
「アジュバント」は、土壌及び植物の処理のために施用される場合、活性成分の有効性を増大させる化合物であると理解される。用語「有効性」によって、アジュバントが、以下の効果の1つ以上をもたらすことを意味する。
・活性成分の活性を増大させる
・活性成分の吸収を高め、標的表面に広げる
・活性成分の耐雨性を高める
・活性成分と、噴霧溶液中の肥料及び/又は微量栄養素及び/又は他の構成成分との混和性を高める
・活性成分の光変換を減らす
・噴霧溶液からドリフトし得る液滴の量を減らす
・噴霧溶液の気泡の量を減らす
【0047】
本発明の一実施形態において、アジュバントは非イオン性界面活性剤である。
【0048】
非イオン性界面活性剤は、好ましくは、アルキルポリグリコシド、アルコキシル化アルコール、アルコキシル化天然油、グリセロールエステル、アルコキシル化還元糖エステル、アルコキシル化モノヤシ脂肪酸グリセロール、多価アルコールのエステル、アルコキシル化アミン、アルコキシル化エステル、アルコキシル化アルキル又はアリールフェノール、及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマーの群から選択される。
【0049】
本発明の一実施形態において、非イオン性界面活性剤は、式(I)
R
1O(R
2O)
b(Z)
a (I)
(式中、
R
1は、直鎖状若しくは分枝鎖状の、非置換若しくは置換のC4〜C30アルキル又は
直鎖状若しくは分枝鎖状の、非置換若しくは置換のC4〜C30アルケニルであり、
R
2は、直鎖状又は分枝鎖状の、非置換又は置換のC2〜C4アルキレンであり、
bは0〜100であり、
Zは、約5個〜約6個の炭素原子を有する糖残基であり、
aは整数1〜6である)
で表されるアルキルポリグリコシドである。
【0050】
別の実施形態において、式(I)で表されるアルキルポリグリコシドは、以下の置換を有する。
R
1は、直鎖又は分枝鎖、非置換又は置換のC4〜C22アルキル直鎖又はC4〜C22アルキル分枝鎖、非置換又は置換のC4〜C22アルケニル基であり、
R
2は直鎖C2〜C4アルキレンである。
bは0〜約12であり、
Zは、約5個〜約6個の炭素原子を有する糖残基である。Zは、グルコース、マンノース、フルクトース、ガラクトース、タロース、グロース、アルトロース、アロース、アピオース、ガロース(gallose)、イドース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、又はその混合物であってもよい。
「a」は整数1〜約3である。
【0051】
更により好ましくは、式(I)で表されるアルキルポリグリコシドは、以下の置換を有する。
R
1は、直鎖状又は分枝鎖状の、非置換C8〜C16アルキルであり、
bは0であり、
Zはグルコースであり、且つ
aは整数1〜2である。
【0052】
典型的な式(I)の化合物は、式(Ia)
【0053】
【化2】
(式中、nは重合度であり、1〜3、好ましくは1又は2であり、Pは、分枝鎖若しくは直鎖の、4〜18個の炭素原子を有するアルキル基又は4〜18個の炭素原子を有するアルキル基の混合物である)
の化合物である。最も典型的には、アルキルポリグルコシド(APG)は、8〜10個の炭素原子を含むアルキル基を含み、平均重合度1.7を有し;9〜11個の炭素原子を含むアルキル基を含み、平均重合度1.3〜1.6を有し;又はその混合物を含む。APGはまた、アニオンで、又はカチオンで修飾された上記のもの等の実施形態も含む。
【0054】
例示的なアルキルポリグリコシドには、APG(登録商標)325(BASF)(アルキル基が9〜11個の炭素原子を含み、平均重合度1.6を有するアルキルポリグリコシド)、PLANTAREN(登録商標)2000(BASF)(アルキル基が8〜16個の炭素原子を含み、平均重合度1.4を有するアルキルポリグリコシド)、PLANTAREN(登録商標)1300(BASF(アルキル基が12〜16個の炭素原子を含み、平均重合度1.6を有するアルキルポリグリコシド)、AGNIQUE(登録商標)PG8107(BASF)(アルキル基が8〜10個の炭素原子を含み、平均重合度1.7を有するアルキルポリグリコシド)、AGNIQUE(登録商標)PG9116(BASF)(アルキル基が9〜11個の炭素原子を含み、平均重合度1.6を有するアルキルポリグリコシド)、及びAGNIQUE(登録商標)PG8105(BASF)(アルキル基が8〜10個の炭素原子を含み、平均重合度1.5を有するアルキルポリグリコシド)が挙げられる。
【0055】
一実施形態において、アルキルポリグリコシドはC9〜C11アルキルポリグルコシドである。
【0056】
本発明の別の実施形態において、非イオン性界面活性剤は、式(II)
R
3O-(R
4O)
xR
5 (II)
(式中、
R
3は、直鎖状若しくは分枝鎖状の、非置換若しくは置換のC1〜C30アルキル又は直鎖状若しくは分枝鎖状の、非置換若しくは置換のC2〜C30アルケニルであり、
x個の(R
4O)基のそれぞれのR
4は、独立して、直鎖状又は分枝鎖状の、非置換又は置換のC2〜C4アルキレンであり、
R
5は、水素又は直鎖状若しくは分枝鎖状の、非置換若しくは置換のC1〜C30アルキル直鎖であり、
xは整数1〜60である)
で表されるアルコキシル化アルコールである。
【0057】
本発明の一実施形態において、式IIで表されるアルコキシル化アルコールは、以下の置換を有する。
R
3は、直鎖状又は分枝鎖状の、非置換C10〜C14アルキルであり、
R
4は、非置換の直鎖C2アルキレンであり、
R
5は水素であり、
xは7〜10の範囲の整数である。
【0058】
非限定的な例には、エトキシル化長鎖C10-ゲルべ(Guerbet)アルコール、例えば、BASF製の、商標LUTENSOL(登録商標)XL100、LUTENSOL(登録商標)XL80、LUTENSOL(登録商標)XL70、LUTENSOL(登録商標)XL60、及びLUTENSOL(登録商標)XP80で販売されるものが挙げられる。例には、LUTENSOL XL80-平均8個のエチレンオキシド(EO)基を含むエトキシル化C10-ゲルべアルコール、LUTENSOL(登録商標)XL100-平均10個のEO基を含むエトキシル化C10-ゲルべアルコール、及びHLB約13を有するエトキシル化C10-ゲルべアルコール、例えば、BASF Corp.製の、商標LUTENSOL(登録商標)XL70で販売される界面活性剤が挙げられる。
【0059】
好適な非イオン性界面活性剤の他の例には、エトキシル化直鎖アルコール、例えば、C10〜C15n-アルキル基を有するエトキシル化直鎖アルコールが挙げられる。非限定的な例には、LUTENSOL(登録商標)TDA10(BASF製)-平均10個のEO基を有するエトキシル化トリデシルアルコール、Genapol(登録商標)LA070S-平均7個のEO基を有するエトキシル化ラウリルアルコール、Tomadol(登録商標)91-6-平均6個のEO基を有するC9〜C11エトキシル化アルコール、及びLUTENSOL(登録商標)AO-8-平均8個のEO基を有する合成C13〜C15エトキシル化オキソアルコールが挙げられる。
【0060】
本発明の別の実施形態において、アルコキシル化アルコールはエトキシル化トリデシルアルコールである。
【0061】
本発明の一実施形態において、非イオン性界面活性剤はアルコキシル化天然油である。
【0062】
天然油は、ヒマシ油、大豆油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、ナタネ油、パーム油、綿実油、落花生油、パーム核油、ココナッツ油、オリーブ油、コーン油、グレープシード油、アマニ油、サフラワー油、ゴマ油、トウモロコシ油、レスケレラ油、ゴマ油、コットン油、ジャトロファ油、魚油、ニシン油、イワシ油、獣脂、ラード、又はその混合物の群から選択される。
【0063】
「アルコキシル化天然油」は、式-(L-O)n-H又は-A-O-(L-O)n-H(式中、Lは直鎖状又は分枝鎖状のC2〜C3アルキレン基であり、nは整数1以上であり(例えば、nは整数1〜100から選択される)、Aは結合又は二価連結基である)の基で官能化された天然油を意味する。二価連結基は、官能基の残部を天然油に結合させる、任意の好適な化学基であることができる。二価連結基の例には、C1〜C6アルキレン基、例えばメチレンが挙げられる。当業者に既知の幾つかの化学を用いて、天然油をアルコキシル化することができる。ある種の天然油、例えばヒマシ油は、ヒドロキシル化脂肪酸(例えば、リシノール酸)を含有するトリグリセリドを含み、さらなる修飾なしでアルコキシル化され得る。十分な量のヒドロキシル化脂肪酸を含有しないものの、不飽和脂肪酸を含む他の天然油は、アルコキシル化され得るヒドロキシル基を組み込むように修飾され得る。本明細書において用語「アルコキシル化天然油」は、さらなる修飾なしでアルコキシル化され得る天然油、例えばヒマシ油と、後でアルコキシル化され得るヒドロキシル基を組み込むように修飾される必要がある天然油との両方を含むことを意図する。こうした修飾には、ヒドロキシル基を組み込むための炭素-炭素二重結合での修飾、例えば、エポキシ化及び求核的開環、ヒドロキシル化、オゾン分解及び還元、並びにヒドロホルミル化及び還元(ヒドロキシメチル基を導入するため)によるものが挙げられる。こうした修飾は、当分野で一般に既知であり、例えば、米国特許第4,534,907号、米国特許第4,640,801号、米国特許第6,107,433号、米国特許第6,121,398号、米国特許第6,897,283号、米国特許第6,891,053号、米国特許第6,962,636号、米国特許第6,979,477号、並びにPCT公報WO2004/020497、WO2004/096744、WO2004/096882、及びWO2004/096883に記載されている。
【0064】
天然油の修飾の後、修飾された生成物は、当業者に周知の方法、例えば、塩基触媒開環重合又は酸触媒開環重合によって、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、及びEOとPOとの混合物を含むC2〜C3アルキレンオキシドを使用することにより、アルコキシル化され得る(例えば、米国特許第2,870,220号、米国特許第2,133,480号、米国特許第2,481,278号参照)。或いは、ヒドロキシル含有天然油又はヒドロキシル含有修飾天然油は、脱水剤の存在下で、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール若しくはプロピレングリコール若しくはその混合物)又はヒドロキシ末端オリゴ(アルキレングリコール)及びヒドロキシ末端ポリ(アルキレングリコール)(例えば、ヘキサエチレングリコール、Sigma-Aldrich Co.、St.Louis、Missouriより入手可能なMn=300のポリ(エチレングリコール)(Sigma-Aldrich Cat.No.202371)、若しくはSigma-Aldrich Co.、St.Louis、Missouriより入手可能なMn=400のポリ(エチレングリコール)(Sigma-Aldrich Cat.No.202398)と反応させることによってアルコキシル化することができる。好適な反応条件は、当分野で周知であり、例えば、米国特許第2,056,830号及びEP2080778を参照されたい。
【0065】
ある実施形態において、アルコキシル化天然油はエトキシル化される(すなわち、Lはエチレンである)。ある実施形態において、エトキシル化天然油は、天然油1モル当たり平均約15モル〜約50モルのエチレンオキシドを含む(例えば、nは約15〜約50である)。ある他の実施形態において、エトキシル化天然油は、天然油1モル当たり平均約25モル〜約40モルのエチレンオキシドを含む(例えば、nは約25〜約40である)。ある他の実施形態において、エトキシル化天然油は、天然油1モル当たり平均約30モル〜約40モルのエチレンオキシドを含む(例えば、nは約30〜約40である)。ある他の実施形態において、エトキシル化天然油は、天然油1モル当たり平均約30モル〜約36モルのエチレンオキシドを含む(例えば、nは約30〜約36である)。ある他の実施形態において、エトキシル化天然油は、天然油1モル当たり平均約36モルのエチレンオキシドを含む(例えば、nは約36である)。ある他の実施形態において、エトキシル化天然油は、天然油1モル当たり平均約30モルのエチレンオキシドを含む(例えば、nは約30である)。
【0066】
本発明のさらなる一実施形態において、アルコキシル化天然油はエトキシル化ヒマシ油である。
【0067】
エトキシル化ヒマシ油は、EO数8〜50を有するエトキシル化ヒマシ油の群から選択される1種以上のエトキシル化ヒマシ油であってもよい。好ましくは、エトキシル化ヒマシ油はEO数15〜40を有する。一実施形態において、エトキシル化ヒマシ油はEO数20〜40を有する。例えば、Agnique(登録商標)CSO-25及びAgnique(登録商標)CSO-36(BASFより入手可能)。
【0068】
本発明の一実施形態において、アジュバントの量は、それぞれの場合で、組成物の最終重量に基づいて、0.1〜10%又は0.1〜9%又は0.1〜8%又は0.1〜7%又は0.1〜6%又は0.1〜5%又は0.1〜4%又は0.1〜3%又は0.1〜2%又は0.1〜1%であり、より好ましくは0.1〜2.5%又は0.1〜2.25%又は0.1〜1.75%又は0.1〜1.5%又は0.1〜1.25%の範囲である。
【0069】
本発明の別の実施形態において、0.1重量%〜1.0重量%のトプラメゾン及び0.1重量%〜10.0重量%のアジュバントを含む水性組成物のpHは、25℃で測定される場合、6.5±0.01、6.6±0.01、6.7±0.01、6.8±0.01、6.9±0.01、7.0±0.01、7.1±0.01、7.2±0.01、7.3±0.01、7.4±0.01、7.5±0.01である。
【0070】
本発明の一実施形態において、0.1重量%〜1.0重量%のトプラメゾン及びアジュバントを含む水性緩衝溶液であって、溶液が25℃で測定される場合、pH6.5〜7.5を有する、水性緩衝溶液は、50℃で貯蔵される場合、少なくとも135日の期間安定である。
【0071】
添加剤/助剤(auxiliary agent)
請求される本発明の組成物は、消泡剤、増粘剤、殺細菌剤(bactericides)、不凍剤、着色剤、及び接着剤の群から選択される少なくとも1種の添加剤/助剤化合物を更に含むことができる。
【0072】
組成物は消泡剤を含む。好適な消泡剤の非限定的な例には、シリコーンエマルジョン、例えばWacker Germany製のSilikon SRE又はRhodia、France製のRhodorsil、長鎖アルコール、脂肪酸、脂肪酸の塩、有機フッ素化合物、及びその混合物などが挙げられる。
【0073】
好適な増粘剤は、多糖類、例えば、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、有機質粘土(有機修飾又は非修飾)、ポリカルボキシレート、及びケイ酸塩などである。
【0074】
好適な不凍剤は、エチレングリコール、プロピレングリコール、尿素、及びグリセリンである。
【0075】
好適な殺細菌剤は、ブロノポール誘導体及びイソチアゾリノン誘導体、例えば、アルキルイソチアゾリノン及びベンゾイソチアゾリノンである。
【0076】
好適な着色剤には、水に難溶性である顔料と、水に可溶性である染料との両方が含まれる。非限定的な例は、ローダミンB、C.I.ピグメントレッド112及びC.I.ソルベントレッド1、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:2、35ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー80、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー13、ピグメントレッド48:2、ピグメントレッド48:1、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド53:1、ピグメントオレンジ43、ピグメントオレンジ34、ピグメントオレンジ5、ピグメントグリーン36、ピグメントグリーン7、ピグメントホワイト6、ピグメントブラウン25、ベーシックバイオレット10、ベーシックバイオレット49、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド14、アシッドブルー9、アシッドイエロー23、ベーシックレッド10、ベーシックレッド108、酸化鉄、酸化チタン、ヘキサシアノ鉄酸鉄である。
【0077】
好適な接着剤は、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、生物学的ワックス又は合成ワックス、及びセルロースエーテルである。
【0078】
本発明の一実施形態において、助剤の量は、それぞれの場合で、組成物の最終重量に基づいて、0.1〜10%又は0.1〜9%又は0.1〜8%又は0.1〜7%又は0.1〜6%又は0.1〜5%又は0.1〜4%又は0.1〜3%又は0.1〜2%又は0.1〜1%であり、より好ましくは0.1〜2.5%又は0.1〜2.25%又は0.1〜1.75%又は0.1〜1.5%又は0.1〜1.25%の範囲である。
【0079】
さらなる一実施形態において、本発明による組成物の個々の構成成分を噴霧タンクで混合して、適宜、さらなる添加剤/助剤を添加することができる。
【0080】
請求される本発明による組成物は、投与量設定装置、背負式噴霧器、噴霧タンク、噴霧飛行機、又は灌漑システムから施用することができる。
【0081】
本発明の組成物は、単子葉植物雑草及び双子葉植物雑草を含む、多数の有害な植物を防除するのに好適である。本発明の組成物は、特に、一年生雑草、例えば、イネ科雑草(草)、例えば、ヒエ属の種、例えば、イヌビエ(Echinochloa crusgalli var.crusgalli)、ジギタリア属(Digitaria)の種、例えば、メヒシバ(Digitaria sanguinalis)、セタリア属(Setaria)の種、例えば、グリーンエノコログサ(Setaria vindis)及びアキノエノコログサ(Setaria faberii)、モロコシ属(Sorghum)の種、例えばジョンソングラス(Sorghum halepense Pers.)、カラスムギ属(Avena)の種、例えば野生カラスムギ(Avena fatua)、クリノイガ属(Cenchrus)の種、例えばシンクリノイガ(Cenchrus echinatus)、スズメノチャヒキ属(Bromus)の種、ネズミムギ(Lolium)の種、クサヨシ属(Phalaris)の種、ナルコビエ属(Eriochloa)の種、キビ属の種、ビロードキビ属(Brachiaria)の種、一年生イチゴツナギ(スズメノカタビラ(Poa annua))、ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)、ヤギムギ(Aegilops cylindrica)、シバムギ(Agropyron repens)、セイヨウヌカボ(Apera spicaventi)、オヒシバ(Eleusine indica)、ギョウギシバ(Cynodon dactylon)等を防除するためのものである。本発明の組成物はまた、多数の双子葉植物の雑草、特に、広葉雑草、例えば、特定の広葉雑草、例えば、タデ属(Polygonum)の種、例えばソバカズラ(Polygonum convolvolus)、ヒユ属の種、例えばアカザ(アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus))、アカザ属の種、例えば一般的なシロザ(Chenopodium album L.)、キンゴジカ属(Sida)の種、例えばアメリカキンゴジカ(Sida spinosa L.)、ブタクサ属(Ambrosia)の種、例えば一般的なブタクサ(Ambrosia artemisllfolia)、アメリカトゲミギク属(Acanthospermum)の種、アンセミス属(Anthemis)の種、アトリプレックス属の種、アザミ属(Cirsium)の種、セイヨウヒルガオ属(Convolvulus)の種、イズハハコ属(Conyza)の種、例えばヒメムカシヨモギ(Conyza canadensis)、カッシア(Cassia)の種、ツユクサ属(Commelina)の種、チョウセンアサガオ属(Datura)の種、トウダイグサ属(Euphorbia)の種、フクロウソウ属(Geranium)の種、コゴメギク属の種、アサガオ(サツマイモ属(Ipomoea)の種)、オドリコソウ属の種、ゼニアオイ属(Malva)の種、マトリカリア属(Matricaria)の種、キハナハタザオ属(Sysimbrium)の種、ナス属の種、オナモミ属(Xanthium)の種、クワガタソウ属の種、スミレ属(Viola)の種、一般的なハコベ(コハコベ)、ベルベットリーフ(イチビ(Abutilon theophrasti))、ヘンプ・セスバニア(Hemp sesbania)(アメリカツノクサネム(Sesbania exaltata Cory))、アノダ・クリスタータ(Anoda cristata)、コセンダングサ(Bidens pllosa)、ブラシカ・カベル(Brassica kaber)、ナズナ(Capsella bursa-pastoris)、セントラーナ・シアナス(Centaurea cyanus)、タヌキジソ(Galeopsis tetrahit)、ヤエムグラ(Galium aparine)、ヒマワリ(Helianthus annuus)、デルモジウム・トルツオスム(Desmodium tortuosum)、コチア・スコパリア(Kochia scoparia)、メルクリアリス・アンヌア(Mercurialis annua)、ノハラムラサキ(Myosotis arvensis)、ヒナゲシ(Papaver rhoeas)、セイヨウノダイコン(Raphanus raphanistrum)、ハリヒジキ(Salsola kali)、ノハラガラシ(Sinapis arvensis)、タイワンハチジョウナ(Sonchus arvensis)、グンバイナズナ(Thlaspi arvense)、シオザキソウ(Tagetes minuta)、リカルディア・ブラジリエンシス(Richardia braslliensis)等を防除するのに好適である。
【0082】
本発明の組成物は、植物、その環境及び/又は種子における所望されない植生を除去する/防除するのに好適である。植物は作物及び非作物を含む。
【0083】
本発明の組成物は、小粒の穀物、例えば、小麦、デュラム、ライ小麦、ライ麦、及び大麦において、所望されない植生を除去する/防除するのに好適である。
【0084】
本発明の組成物は、茂み、芝生、ゴルフ場、又は公園を含む非作物領域における所望されない植生を除去する/防除するのに好適である。
【0085】
別段の指示がない限り、本発明の組成物は、いずれの、多様な前述の作物植物における施用にも好適である。
【0086】
本発明による組成物は、育種、突然変異生成、又は遺伝子工学によって改変された作物植物において、例えば、育種又は遺伝子工学の従来の方法の結果として、特定の類の除草剤、例えば、オーキシン除草剤、例えばジカンバ又は2,4-D;漂白剤除草剤、例えば4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)阻害剤又はフィトエンデサチュラーゼ(PDS)阻害剤;アセト乳酸シンターゼ(ALS)阻害剤、例えば、スルホニル尿素又はイミダゾリノン;エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸シンターゼ(EPSP)阻害剤、例えばグリホサート;グルタミンシンテターゼ(GS)阻害剤、例えばグルホシネート;プロトポルフィリノーゲン-IXオキシダーゼ阻害剤;脂質生合成阻害剤、例えばアセチルCoAカルボキシラーゼ(ACCase)阻害剤;又はオキシニル(すなわち、ブロモキシニル若しくはアイオキシニル)除草剤の施用に耐性がある作物植物においても使用することができ;更に、植物は、複数の遺伝子改変によって、複数の類の除草剤に対する耐性、例えばグリホサートとグルホシネートとの両方に対する耐性、又はグリホサートと、別の類からの除草剤、例えばALS阻害剤、HPPD阻害剤、オーキシン除草剤、若しくはACCase阻害剤の両方に対する耐性を有するものとなった。これらの除草剤耐性技術は、例えば、Pest Management Science61、2005、246;Pest Management Science61、2005、258;Pest Management Science61、2005、277;Pest Management Science61、2005、269;Pest Management Science61、2005、286;Pest Management Science64、2008、326;Pest Management Science64、2008、332;Weed Science57、2009、108;Australian Journal of Agricultural Research58、2007、708;Science316、2007、1185、及びそこに引用された参照に記載されている。幾つかの栽培植物は、突然変異生成及び従来の育種の方法によって除草剤に耐性があるものにされた。例えば、イミダゾリノン、例えば、イマザモックスに耐性があるClearfield(登録商標)夏ナタネ(Canola、BASF SE、Germany)又はスルホニル尿素、例えば、トリベヌロンに耐性があるExpressSun(登録商標)ヒマワリ(DuPont、USA)。遺伝子工学法を用いて、栽培植物、例えば大豆、綿、トウモロコシ、ビート、及びセイヨウアブラナを、除草剤、例えばグリホサート、イミダゾリノン、及びグルホシネートに耐性があるものにしてきた。その一部は、商品名又は商標Roundup Ready(登録商標)(グリホサート耐性、Monsanto、USA)、Cultivance(登録商標)(イミダゾリノン耐性、BASF SE、Germany)、及びLiberty Link(登録商標)(グルホシネート耐性、Bayer CropScience、Germany)で開発され、市販されている。
【0087】
本発明による組成物は、遺伝子改変作物植物において使用することもできる。用語「遺伝子改変植物」は、その遺伝子素材が、組換えDNA技術を使用することによって、その植物種のゲノムに由来しない挿入DNA配列を含むように、又はその種のゲノムに由来のDNAの欠失を示すように改変された植物として理解されるものであり、但し、その改変(複数可)は、交雑育種、突然変異生成、又は天然の組換えのみでは容易に得ることができない。しばしば、特定の遺伝子改変植物は、ゲノムが、組換えDNA技術を使用することによって直接処理されたものであった祖先植物からの自然の育種又は繁殖過程を通した遺伝的性質によってその遺伝子改変(複数可)を得たものである。典型的には、1種以上の遺伝子が、遺伝子改変植物の遺伝子素材に統合されて、植物のある種の性質を改善してきた。こうした遺伝子改変には、それに限定されないが、例えば、グリコシル化又はポリマー添加、例えばプレニル化、アセチル化、ファルネシル化、若しくはPEG部分結合を可能にし、減らし、又は促進するアミノ酸変異(複数可)を含むことによる、タンパク質(複数可)、オリゴペプチド又はポリペプチドの標的翻訳後修飾も含まれる。
【0088】
本発明による組成物はまた、例えば、組換えDNA技術を使用することによって改変された作物植物において、1種以上の殺虫性タンパク質、とりわけ、バチルス(Bacillus)属細菌から、特にバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)から既知のもの、例えばデルタエンドトキシン、例えば、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIF、CryIF(a2)、CryIIA(b)、CryIIIA、CryIIIB(b1)、又はCry9c;栄養生長期分泌殺虫性タンパク質(VIP)、例えば、VIP1、VIP2、VIP3、又はVIP3A;線虫共生細菌、例えば、フォトラブダス属の種(Photorhabdus spp.)又はゼノラブダス属の種(Xenorhabdus spp.)の殺虫性タンパク質;動物によって生成される毒素、例えばサソリの毒素、クモ形類動物の毒素、スズメバチの毒素、又は他の昆虫特異的な神経毒;真菌類によって生成される毒素、例えばストレプトマイセス(Streptomycetes)毒素、植物レクチン、例えばエンドウレクチン又は大麦レクチン;アグルチニン;プロテイナーゼ阻害剤、例えばトリプシン阻害剤、セリンプロテアーゼ阻害剤、パタチン阻害剤、シスタチン阻害剤又はパパイン阻害剤;リボソーム不活性化タンパク質(RIP)、例えば、リシン、トウモロコシRIP、アブリン、ルフィン、サポリン又はブリオジン;ステロイド代謝酵素、例えば3-ヒドロキシ-ステロイドオキシダーゼ、エクジステロイド-IDP-グリコシル-トランスフェラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、エクジソン阻害剤又はHMG-CoA-レダクターゼ;イオンチャネル遮断薬、例えばナトリウムチャネル又はカルシウムチャネルの遮断薬;幼若ホルモンエステラーゼ;利尿ホルモン受容体(ヘリコキニン受容体);スチルベンシンターゼ、ビベンジルシンターゼ、キチナーゼ又はグルカナーゼの合成を可能にするために使用することもできる。本発明において、これらの殺虫性タンパク質又は毒素は、プレ毒素(pre-toxin)、ハイブリッドタンパク質、末端が切除されたタンパク質又は別の修飾をされたタンパク質を含むものとしても明らかに理解される。ハイブリッドタンパク質は、タンパク質ドメインの新しい組み合わせによって特徴づけられる(例えば、WO02/015701参照)。こうした毒素又はこうした毒素を合成することができる遺伝子改変植物のさらなる例は、例えば、EP-A374753、WO93/007278、WO95/34656、EP-A427529、EP-A451878、WO03/18810、及びWO03/52073において開示されている。こうした遺伝子改変植物を製造する方法は、概して、当業者に既知であり、例えば、上記の文献において記載されている。遺伝子改変植物に含有される、これらの殺虫性タンパク質は、これらのタンパク質を生成する植物に、節足動物の全ての分類学的群の有害生物に対する耐性、特に、甲虫類(Coleoptera)、双翅目昆虫(Diptera)及び鱗翅目(Lepidoptera)に対する耐性、並びに線虫類(Nematoda)に対する耐性を付与する。1種以上の殺虫性タンパク質を合成することできる遺伝子改変植物は、例えば、上記の文献に記載されており、その一部は市販されている:例えばYieldGard(登録商標)(Cry1Ab毒素を生成するトウモロコシ品種)、YieldGard(登録商標)Plus(Cry1Ab毒素及びCry3Bb1毒素を生成するトウモロコシ品種)、Starlink(登録商標)(Cry9c毒素を生成するトウモロコシ品種)、Herculex(登録商標)RW(Cry34Ab1、Cry35Ab1、及び酵素ホスフィノトリシン-N-アセチルトランスフェラーゼ(PAT)を生成するトウモロコシ品種);NuCOTN(登録商標)33B(Cry1Ac毒素を生成する綿品種)、Bollgard(登録商標)I(Cry1Ac毒素を生成する綿品種)、Bollgard(登録商標)II(Cry1Ac毒素及びCry2Ab2毒素を生成する綿品種);VIPCOT(登録商標)(VIP毒素を生成する綿品種);NewLeaf(登録商標)(Cry3A毒素を生成するジャガイモ品種);BtXtra(登録商標)、NatureGard(登録商標)、KnockOut(登録商標)、BiteGard(登録商標)、Protecta(登録商標)、Syngenta Seeds SAS、France製のBt11(例えば、Agrisure(登録商標)CB)及びBt176(Cry1Ab毒素及びPAT酵素を生成するトウモロコシ品種)、Syngenta Seeds SAS、France製のMIR604(Cry3A毒素の改変型を生成するトウモロコシ品種、WO03/018810参照)、Monsanto Europe S.A.、Belgium製のMON863(Cry3Bb1毒素を生成するトウモロコシ品種)、Monsanto Europe S.A.、Belgium製のIPC531(Cry1Ac毒素の改変型を生成する綿品種)、及びPioneer Overseas Corporation、Belgium製の1507(Cry1F毒素及びPAT酵素を生成するトウモロコシ品種)。
【0089】
本発明による組成物はまた、例えば、組換えDNA技術を用いて改変された作物植物において、細菌類病原体、ウイルス類病原体又は菌類病原体に対する植物の抵抗性又は耐性を増強するための1種以上のタンパク質の合成を可能にするために使用することもできる。こうしたタンパク質の例は、いわゆる「病原性関連タンパク質」(PRタンパク質、例えば、EP-A392225参照)、植物病抵抗性遺伝子(例えば、メキシコ産野生ジャガイモ(ソラヌム・ブルボカスタヌム(Solanum bulbocastanum))に由来するファイトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)に対して作用する抵抗性遺伝子を発現するジャガイモ品種)、又はT4-リゾチーム(例えば、細菌、例えば、火傷病菌(Erwinia amylovora)に対する抵抗性が増強された、これらのタンパク質を合成することができるジャガイモ品種)である。こうした遺伝子改変植物を製造する方法は、概して、当業者に既知であり、例えば、上記の文献に記載されている。
【0090】
本発明による組成物はまた、例えば、組換えDNA技術を用いて改変された作物植物において、生産性(例えば、バイオマス生成、穀物の収量、デンプン含有量、油含有量、又はタンパク質含有量)を増大させるための1種以上のタンパク質、渇水、塩分、若しくは生長を制限する他の環境因子に対する耐性、又はそれら植物の害虫及び菌類病原体、細菌類病原体、若しくはウイルス類病原体に対する耐性を増強するための1種以上のタンパク質の合成を可能にするために使用することもできる。
【0091】
本発明による組成物はまた、例えば、組換えDNA技術を用いて改変された作物植物において、ヒト又は動物の栄養を改善するのに好適な成分又は新規成分、例えば、健康を促進する長鎖オメガ-3脂肪酸又は不飽和オメガ-9脂肪酸を生成する油料作物(例えば、Nexera(登録商標)セイヨウアブラナ、Dow AgroSciences、Canada)の増量生産を可能にするために使用することもできる。
【0092】
本発明の組成物は、除草剤を施用する技術を熟知した当業者によって、従来の方法で施用され得る。好適な技術には、噴霧、散布、散粉、拡散、又は散水が含まれる。施用の種類は、周知の方法で、本来の目的に応じて決まり、いずれの場合も、本発明による活性成分の最大限の分布を確実にするべきである。
【0093】
組成物は、望ましくない植物の、出芽前又は出芽後、すなわち、出芽の前、出芽の間及び/又は出芽の後で施用することができる。組成物は、作物において使用される場合、作物植物の播種後、及び出芽前又は出芽後に施用することができる。しかし、本発明の組成物は、作物植物の播種前に施用することもできる。
【0094】
本発明による組成物は、極めて良好な出芽後除草剤活性を示し、すなわち、出芽した望ましくない植物に対して良好な除草剤活性を示す。したがって、本発明の一実施形態において、組成物は、望ましくない植物の、出芽後、すなわち、出芽の間及び/又は出芽の後に施用される。望ましくない植物が、葉の発育から始まり開花するまでの場合、本発明による混合物を出芽後に施用することが特に有利である。作物が既に出芽した場合でさえも、本発明の組成物は、良好な作物の耐性を示すので、作物植物の播種後、特に作物植物の出芽の間又は出芽の後に施用することができる。
【0095】
組成物は、主に、噴霧によって、特に葉面噴霧によって植物に施用される。施用は、通常の噴霧技術によって、例えば、キャリアとして水を用い、噴霧液比率10〜2000l/ha又は50〜1000l/ha(例えば、100〜500l/ha)を用いて実施することができる。
【0096】
植物の出芽後処理の場合、本発明による除草剤用混合物又は除草剤用組成物は、好ましくは葉面施用によって施用される。施用は、例えば、キャリアとして水を用いた通常の噴霧技術によって、噴霧混合物量およそ50〜1000l/haを用いて実行することができる。
本発明の方法において、トプラメゾンとして計算された、本発明の組成物の施用比率は、概して5〜50g/ha、好ましくは8〜25g/haである。
【0097】
一実施形態において、農業に有用な領域1ヘクタール当たり、即時使用可能な噴霧液体20〜2000リットル、好ましくは50〜400リットルが施用される。
【0098】
作物植物を処理するのに使用するために、例えば、葉面施用による、本発明のトプラメゾン組成物の施用の比率は、0.0001g毎ヘクタール〜4000g毎ヘクタール、例えば、1〜2kg毎ヘクタール、又は1g毎ヘクタール〜750g毎ヘクタール、望ましくは1g毎ヘクタール〜100g毎ヘクタール、より望ましくは10g毎ヘクタール〜50g毎ヘクタール、例えば、10〜20g毎ヘクタール、20〜30g毎ヘクタール、30〜40g毎ヘクタール、又は40〜50g毎ヘクタールの範囲であることができる。
【0099】
実施形態
1. 水性組成物の全重量に基づいて、0.1重量%〜1.0重量%のトプラメゾン又はその農学的に許容される塩を含む水性組成物であって、組成物のpHが6.5〜7.5の範囲である、水性組成物。
2. トプラメゾン又はその農学的に許容される塩の量が、水性組成物の全重量に基づいて、0.1重量%〜0.5重量%の範囲である、実施形態1に記載の水性組成物。
3. 組成物のpHが6.8〜7.2の範囲である、実施形態1に記載の水性組成物。
4. 組成物のpHが6.9〜7.1の範囲である、実施形態1に記載の水性組成物。
5. 少なくとも1種の緩衝剤を含む、実施形態1に記載の水性組成物。
6. 少なくとも1種の緩衝剤が、リン酸緩衝剤、リン酸-酢酸緩衝剤、クエン酸-リン酸緩衝剤、BES(N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸)-緩衝食塩水、EBSS(アール平衡塩類溶液)緩衝剤、ハンクス平衡緩衝溶液、HEPPSO(N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N'-(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)緩衝剤、HEPESを含むハンクス緩衝剤、イミダゾール-HCl緩衝剤、マレイン酸緩衝剤、MOPS(3-(N-モルホリノ)プロパン-スルホン酸)緩衝剤、リン酸緩衝食塩水、リン酸緩衝剤、リン酸カリウム、TBSトリス緩衝食塩水緩衝剤、及びトリス(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)緩衝剤の群から選択される、実施形態5に記載の水性組成物。
7. 少なくとも1種のアジュバントを更に含む、実施形態1から6のいずれか1つに記載の水性組成物。
8. 少なくとも1種のアジュバントが非イオン性界面活性剤である、実施形態7に記載の水性組成物。
9. 非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグリコシド、アルコキシル化アルコール、アルコキシル化天然油、グリセロールエステル、アルコキシル化還元糖エステル、アルコキシル化モノヤシ脂肪酸グリセロール、多価アルコールのエステル、アルコキシル化アミン、アルコキシル化エステル、アルコキシル化アルキル又はアリールフェノール、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー、及びその混合物の群から選択される、実施形態8に記載の水性組成物。
10. アルキルポリグリコシドが、式(I)
R
1O(R
2O)
b(Z)
a (I)
(式中、
R
1は、直鎖状若しくは分枝鎖状の、非置換若しくは置換のC4〜C30アルキル又は直鎖状若しくは分枝鎖状の、非置換若しくは置換のC4〜C30アルケニルであり、
R
2は、直鎖状又は分枝鎖状の、非置換又は置換のC2〜C4アルキレンであり、
bは0〜100の範囲であり、
Zは5〜6個の炭素原子を有する糖残基であり、
aは1〜6の範囲の整数である)
で表される、実施形態9に記載の水性組成物。
11. R
1が、直鎖状又は分枝鎖状の、非置換C8〜C16アルキルであり、
bが0であり、
Zがグルコースであり、
aが整数1〜2である、実施形態10に記載の水性組成物。
12. アルコキシル化アルコールが式:
R
3O-(R
4O)
xR
5 (II)
(式中、
R
3は、直鎖状若しくは分枝鎖状の、非置換若しくは置換のC1〜C30アルキル又は直鎖状若しくは分枝鎖状の、非置換若しくは置換のC2〜C30アルケニルであり、
x個の(R
4O)基のそれぞれのR
4は、独立して、直鎖状又は分枝鎖状の、非置換又は置換のC2〜C4アルキレンであり、
R
5は、水素又は直鎖状若しくは分枝鎖状の、非置換若しくは置換のC1〜C30アルキル直鎖であり、
xは1〜60の範囲の整数である)
を有する、実施形態9に記載の水性組成物。
13. R
3が直鎖状又は分枝鎖状の、非置換C10〜C14アルキルであり、
R
4が非置換の直鎖C2アルキレンであり、
R
5が水素であり、
xが7〜10の範囲の整数である、実施形態12に記載の水性組成物。
14. アルコキシル化天然油がアルコキシル化ヒマシ油である、実施形態9に記載の水性組成物。
15. 少なくとも1種のアジュバントが、C9〜C11アルキルポリグルコシド、エトキシル化トリデシルアルコール、及びエトキシル化ヒマシ油の群から選択される、実施形態8に記載の水性組成物。
16. 少なくとも1種のアジュバントが、水性組成物の全重量に基づいて、0.1重量%〜10.0重量%の量で存在する、実施形態8から15のいずれか1つに記載の水性組成物。
17. 消泡剤、有機増粘剤及び無機増粘剤、殺細菌剤、不凍剤、着色剤、及び接着剤の群から選択される少なくとも1種の助剤を更に含む、実施形態1から16のいずれか1つに記載の水性組成物。
18. それぞれの場合で水性組成物の全重量に基づいて、
0.1重量%〜1.0重量%のトプラメゾン、
0.1重量%〜10.0重量%の少なくとも1種のアジュバント、
0.1重量%〜10.0重量%の少なくとも1種の助剤
少なくとも1種の緩衝剤、及び
2.0重量%〜99.0重量%の水を含み、
組成物のpHが6.5〜7.5の範囲である、
実施形態1から17のいずれか1つに記載の水性組成物。
19. 実施形態1から18のいずれか1つに記載の水性組成物を、植物、その環境及び/又は種子に施用するステップを含む、所望されない植生を防除する方法。
20. 所望されない植生を防除するための、実施形態1から19のいずれか1つに記載の組成物の使用。
21. (a)pH範囲6.5〜7.5を有する緩衝溶液に0.1重量%〜1.0重量%のトプラメゾンを添加するステップを含む、実施形態1から19のいずれか1つに記載の組成物を製造する方法。
22. (b)0.1重量%〜10.0重量%の範囲の少なくとも1種のアジュバントを添加するステップ、及び
(c)0.1重量%〜10.0重量%の範囲の少なくとも1種の助剤を添加するステップ
を更に含む、実施形態21に記載の方法。
23. 実施形態1から18のいずれか1つに記載の即時噴霧可能な製剤。
【実施例】
【0100】
下記の実施例は、開示された発明の主題による方法及び結果を説明するために以下に示される。これらの実施例は、本明細書で開示された発明の主題の全ての態様を含むものと意図されるのではなく、むしろ代表的な方法、組成物、及び結果を説明するものである。これらの実施例は、当業者に明らかな、本発明の均等物及び変更を除外するものではない。
【0101】
材料:Agnique(登録商標)CSO36はエトキシル化ヒマシ油であり、溶媒のための水溶性乳化剤であり、商品名Agnique(登録商標)CSO36でBASFから入手可能なワックスである。Lutensol(登録商標)TDA9は、商品名Lutensol(登録商標)TDA9でBASFより入手可能な、トリデシルアルコールのエチレンオキシド付加物9モルで構成される非イオン性界面活性剤である。Agnique(登録商標)PG9116は、商品名Agnique(登録商標)PG9116でBASFより入手可能な、重合度1.6のC9〜C11アルキルポリグルコシドである。25℃でのリン酸緩衝剤pH7.0±0.1は、既知の方法によって調製された。ここで用いられるように、95%よりも高い純度を有するトプラメゾンを、BASF Corpより得た。
【0102】
[実施例1]
製剤を製造する方法
1. トプラメゾンをpH7.0±0.1の緩衝溶液に添加し、得られた溶液を少なくとも30分間撹拌した。
2. アジュバントを上記溶液に添加し、溶液を1時間撹拌して最終組成物を得た。
【0103】
【表1】
【0104】
[実施例2]
安定性試験を製剤A〜製剤Gのそれぞれで実施した。安定性試験の結果を、以下の表に説明する。
【0105】
【表2】
したがって、表2によれば、製剤が安定であることが明らかになった。
【国際調査報告】