特開2017-222878(P2017-222878A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-222878(P2017-222878A)
(43)【公開日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】液晶表示素子
(51)【国際特許分類】
   C09K 19/20 20060101AFI20171124BHJP
   C09K 19/30 20060101ALI20171124BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20171124BHJP
【FI】
   C09K19/20
   C09K19/30
   G02F1/13 500
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】41
(21)【出願番号】特願2017-166265(P2017-166265)
(22)【出願日】2017年8月30日
(62)【分割の表示】特願2012-52244(P2012-52244)の分割
【原出願日】2012年3月8日
(71)【出願人】
【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
(71)【出願人】
【識別番号】000125370
【氏名又は名称】学校法人東京理科大学
(71)【出願人】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126882
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 光永
(72)【発明者】
【氏名】竹添 秀男
(72)【発明者】
【氏名】謝 暁晨
(72)【発明者】
【氏名】山下 俊
(72)【発明者】
【氏名】岡野 久仁彦
【テーマコード(参考)】
4H027
【Fターム(参考)】
4H027BA01
4H027BD10
4H027BD20
4H027BD21
4H027BE02
4H027CB01
4H027CB02
4H027CD01
4H027CD02
4H027CD05
4H027CE01
4H027CE02
4H027CG01
4H027CG02
4H027CG05
4H027CK05
4H027CL05
4H027CM01
4H027CM05
4H027CN05
4H027CR01
4H027CT01
4H027CT05
4H027CU05
4H027CV02
4H027DB05
(57)【要約】
【課題】液晶表示素子としての諸特性を改善するか又は悪化させること無く、K33の大きい液晶化合物を用いて応答速度を改善した液晶表示素子を提供する。
【解決手段】本発明の液晶表示素子10は、第一の基板15と、第二の基板15’と、前記第一の基板15と前記第二の基板15’の間に挟持された液晶組成物層5を有する液晶表示素子10であって、前記第一の基板15と前記第二の基板15’の少なくとも一方は、前記液晶組成物層5を制御する電極を有し、前記液晶組成物層5を構成する液晶組成物中の少なくとも一種の液晶化合物のベンド弾性定数K33が20pN以上であることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の基板と、第二の基板と、前記第一の基板と前記第二の基板の間に挟持された液晶組成物層を有する液晶表示素子であって、
前記第一の基板と前記第二の基板の少なくとも一方は、前記液晶組成物層を制御する電極を有し、前記液晶組成物層を構成する液晶組成物中の少なくとも一種の液晶化合物のベンド弾性定数K33が20pN以上であり、且つ、該液晶化合物はネマチック液晶中にサイボタクチッククラスターを示し、
前記液晶が下記一般式(1)
【化1】
(式中、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜18の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又はシアノ基を表し、R及びRの少なくとも一方はアルキル基であり、前記少なくとも一方のアルキル基中の1つ以上のCH基は酸素原子が直接隣接しないように−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−SO−、−SO−O−、−O−CO−O−、−CO−N(R)−又は−N(R)−CO−で置換されていており、
前記アルキル基中の1つ以上の水素原子はCN基又は水酸基で置換されていてもよく、前記−CO−N(R)−及び前記−N(R)−CO−におけるRは水素原子又は炭素原子数1〜4の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ以上のCH基は−CH=CH−又は−C≡C−で置換されていてもよく、該アルキル基中の1つ以上の水素原子はハロゲンで置換されていてもよく、
、A、A及びAはそれぞれ独立して下記の構造
【化2】
(該構造中、シクロヘキサン環の1つ以上のCH基は酸素原子で置換されていてもよく、ベンゼン環の1つ以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよく、また、該構造中の1つ以上の水素原子はCl、CF又はOCFで置換されていてもよい。)のいずれかを表し、
、X、及びXはそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−N=N−、−CH=N−N=CH−、−CHCH−、−CFCF−、−(CH−、−COO−、−OCO−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−CO−N(R)−、−N(R)−CO−、−CH=CH−CO−O−又は−O−CO−CH=CH−を表し、−CO−N(R)−又は−N(R)−CO−におけるRは水素原子又は炭素原子数1〜4の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表し、
n及びmはそれぞれ独立して0又は1を表し、n+mは0又は1である。)で表される構造を有し、
前記液晶組成物層が、下記一般式(LC1)〜(LC4)
【化3】
(式中、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ以上のCH基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C≡C−、−CFO−又は−OCF−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン置換されていてもよく、
及びAはそれぞれ独立して下記の構造
【化4】
(該構造中シクロヘキサン環の1つ以上のCH基は酸素原子で置換されていてもよく、該構造中ベンゼン環の1つ以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよく、また、該構造中の1つ以上の水素原子はCl、CF又はOCFで置換されていてもよい。)のいずれかを表し、
〜Zはそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CHCH−、−(CH−、−COO−、−OCH−、−CHO−、−OCF−又は−CFO−を表し、ZはCH基又は酸素原子を表し、存在するZ及びZの内少なくとも1つは単結合でなく、
は0又は1を表し、m及びmはそれぞれ独立して0〜3を表し、m+mは1、2又は3である。)で表される化合物群から選ばれる1種以上の化合物を含有する
ことを特徴とする液晶表示素子。
【請求項2】
複数の画素を有し、前記画素のそれぞれは、独立的に制御可能であって、前記画素は一対の画素電極と共通電極を有し、前記第一の基板は共通電極を有し、第二の基板は画素電極を有し、前記液晶組成物層中の液晶分子の長軸が前記基板面に実質的に垂直に配向しているか又は実質的に水平に配向している請求項1に記載の液晶表示素子。
【請求項3】
複数の画素を有し、前記画素のそれぞれは、独立的に制御可能であって、前記画素は一対の画素電極と共通電極を有し、両電極が前記第一の基板と前記第二の両基板の少なくとも一方の基板に設けられ、前記液晶組成物層中の液晶分子の長軸が前記基板面に実質的に水平に配向している請求項1に記載の液晶表示素子。
【請求項4】
前記液晶組成物層を構成する液晶組成物がネマチック液晶相を示す請求項1から3のいずれか一項に記載の液晶表示素子。
【請求項5】
前記液晶組成物を構成する液晶組成物の誘電率異方性が正である請求項4に記載の液晶表示素子。
【請求項6】
前記液晶組成物を構成する液晶組成物の誘電率異方性が負である請求項4に記載の液晶表示素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学的液晶表示材料として有用な液晶表示素子に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブマトリクス型液晶表示装置は、表示品位が優れていることから、携帯端末、液晶テレビ、プロジェクタ、コンピューター等に用いられ、市場に浸透している。該表示装置に用いられるアクティブマトリクス表示方式には、画素毎にTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)、MIM(Metal Insulator Metal;メタル・インシュレータ・メタル)等が使われており、この方式においては、電圧保持率が高いことが重要視されている。また、更に広い視角特性を得るためにVA(Vertical Alignment)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、OCB(Optically Compensated Bend)モード等と組み合わせたTFT表示や、より明るい表示を得るためにECB(Electrically Controlled Birefringence)モードの反射型が提案されている。この様な表示素子に対応するために、現在も新しい液晶化合物あるいは液晶組成物の提案がなされている。
【0003】
33(ベンド弾性定数)の増大により、TN(Twisted Nematic;ツイストネマチック)、STN(Super Twisted Nematic;スーパーツイストネマチック)、VA等の種々のモードで、液晶分子の電界に対する応答速度を向上させることができることが知られている。
例えば、特許文献1には、K(ベンド弾性定数)が36.7pNと、比較的大きい組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2007−529767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示されている組成物は、該組成物を構成する個々の化合物のKがそれほど大きなものでは無い。そのため、K33を増大させるために、該組成物を添加剤として利用しようとすると、液晶温度範囲、誘電率異方性、屈折率異方性、粘度等の液晶表示素子としての諸特性に悪影響を与えるおそれがある。
【0006】
本発明の課題は、液晶表示素子としての諸特性を改善するか又は悪化させること無く、K33の大きい液晶化合物を用いて応答速度を改善した液晶表示素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために、所定のベンド弾性定数の液晶化合物を液晶組成物層に用いることにより、液晶表示素子の応答速度を改善できることを見出し本発明の完成に至った。
【0008】
すなわち、本発明は、第一の基板と、第二の基板と、前記第一の基板と前記第二の基板の間に挟持された液晶組成物層を有する液晶表示素子であって、前記第一の基板と前記第二の基板の少なくとも一方は、前記液晶組成物層を制御する電極を有し、前記液晶組成物層を構成する液晶組成物中の少なくとも一種の液晶化合物のベンド弾性定数K33が20pN以上であり、且つ、該液晶化合物はネマチック液晶中にサイボタクチッククラスターを示し、前記液晶化合物が後述の一般式(1)で表される構造を有し、前記液晶組成物層が、後述の一般式(LC1)〜(LC4)で表される化合物群から選ばれる1種以上の化合物を含有することを特徴とする液晶表示素子である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、液晶表示素子としての諸特性を改善するか又は悪化させること無く、液晶表示素子の応答速度を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第一実施形態に係る液晶表示素子を示す図である。
図2】第二実施形態に係る液晶表示素子を示す図である。
図3】本実施形態に係る液晶表示素子のK33(ベンド弾性定数)及びK11(スプレー弾性定数)の測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[液晶表示素子]
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態について図1を用いて説明する。
図1に示すように、本実施形態の液晶表示素子10は、第一の基板15と、第二の基板15’と、第一の基板15と第二の基板15’の間に挟持された液晶組成物層5を有する。第一の基板15と第二の基板15’は、それぞれ液晶組成物層5を制御する透明電極3,3’を有し、液晶組成物層5を構成する液晶組成物中の少なくとも一種の液晶化合物のベント弾性定数K33が20pN以上である。
【0012】
第一の基板15と第二の基板15’は、ガラス基板2を備えている。また、第一の基板15と第二の基板15’における対向面には、配向膜4,4がそれぞれ設けられている。
【0013】
本実施形態の液晶表示素子が、TNモード、STNモード等の水平配向型の場合には、配向膜4,4は、電界無印加時に液晶組成物層5の液晶分子6を、ガラス基板2に実質的に水平に配向(水平配向)させる。ここで、実質的に水平には、水平及び略水平が含まれる。
【0014】
本実施形態の液晶表示素子が、VAモード等の垂直配向型の場合には、配向膜4,4は、電界無印加時に液晶組成物層5の液晶分子6を、ガラス基板2に実質的に垂直に配向(垂直配向)させる。ここで、実質的に垂直には、垂直及び略垂直が含まれる。
【0015】
第一の基板15及び第二の基板15’におけるガラス基板2には、液晶組成物層5側に、基板面に垂直な電界を印加するための電圧印加手段として、透明電極3,3’が設けられている。透明電極3,3’は、ITO(インジウム スズ オキサイド)等の透明電極材料からなる。
【0016】
本実施形態の液晶表示素子は、パッシブマトリクス表示形式でもアクティブマトリクス表示方式でもよい。
【0017】
本実施形態の液晶表示素子が、パッシブマトリクス表示形式の場合、STNモードが挙げられる。本実施形態の液晶表示素子が、STNモードの場合には、第一の基板15上の透明電極3と第二の基板15’上の透明電極3’は、互いに直交するように縞状にパターニングされている。
【0018】
本実施形態の液晶表示素子が、アクティブマトリクス表示方式の場合、TNモード、VAモードが挙げられる。前記液晶表示素子は、複数の画素を有し、前記画素のそれぞれは、独立に制御可能である。
本実施形態の液晶表示素子が、TNモードの場合には、第一の基板15が有する透明電極3は、共通電極であり、第二の基板15’が有する透明電極3’は画素電極である。 第一の基板15としては、カラーフィルター基板が好適に用いられ、第二の基板15’としては、TFTアレイ基板が好適に用いられる。
基板上へ電極を形成する際には、蒸着、スパッタリング、ファトリソグラフィ等、通常の方法を採用することができる。
【0019】
配向膜4,4は、透明電極3,3’を覆うように設けられている。配向膜4,4の材料及び形成方法は、特に限定されるものではないが、例えば、透明電極3,3’に、水平配向規制能力、又は垂直配向規制能力を有する公知の配向膜材料を塗布することで形成することができる。
更に、配向膜4,4’をラビング処理することにより、液晶分子6の配向方向が制御される。
【0020】
また、第一の基板15及び第二の基板15’における液晶組成物層5との対向面とは反対の面には、偏光板1,1’(偏光子1,検光子1’)がそれぞれ設けられている。偏光子1及び検光子1’の吸収軸は交差することが好ましい。
本実施形態の液晶表示素子が、TN、IPS、VAモードの場合には、角度90°を形成すること(クロスニコルであること)がより好ましい。
本実施形態の液晶表示素子が、STNモードの場合には、角度45°を形成することがより好ましい。
【0021】
VAモードの液晶パネルでは、視野角特性を改善するために、液晶分子の「配向分割技術」(マルチドメイン)を組み合わせたものが好ましく用いられる。配向分割を行うためには、液晶の初期配向である垂直配向から電界を印加した際に、分子が傾く方向を事前に決定しておく必要があり、この傾き方向の決定には、「リブ」や「スリット」といった構造物を設ける技術、液晶の傾く配列を液晶組成物のバルクまたは界面近傍、あるいは配向膜中に存在するモノマー成分の高分子化により安定化する技術、光配向膜を用いて液晶分子の初期の配向に傾きを与える技術等が、好ましく用いられる。
【0022】
<第二実施形態>
本発明の第二実施形態について図2を用いて説明する。
図2に示すように、本実施形態の液晶表示素子20は、第一の基板25と、第二の基板25’と、第一の基板25と第二の基板25’の間に挟持された液晶組成物層5を有する。第二の基板25’は、液晶組成物層5を制御する透明電極23を有し、液晶組成物層5を構成する液晶組成物中の少なくとも一種の液晶化合物のベント弾性定数が20pN以上である。本実施形態において第一実施形態と同じ構成には、同じ符号を付し、説明を省略する。
【0023】
第一の基板25と第二の基板25’は、ガラス基板2を備えている。また、第一の基板25と第二の基板25’における対向面には、配向膜4,4がそれぞれ設けられている。
【0024】
本実施形態の液晶表示素子が、IPSモード等の水平配向型の場合には、配向膜4,4は、電界無印加時に液晶組成物層5の液晶分子6を、ガラス基板2に実質的に平行に配向(水平配向)させる。
【0025】
本実施形態の液晶表示素子は、独立的に制御可能な複数の画素を有することが好ましく、アクティブマトリクス表示方式がより好ましい。該アクティブマトリクス表示方式として、IPSモードが挙げられる。
本実施形態の液晶表示素子が、IPSモードの場合には、第二の基板25’は、共通電極と画素電極とからなる透明電極23(櫛歯電極23)を有する。第二の基板25’としては、TFTアレイ基板が好適に用いられる。
【0026】
配向膜4,4は、第一の基板25及び透明電極23を覆うように設けられている。配向膜4,4の材料及び形成方法は、第一の実施形態と同様である。
更に、配向膜4,4をラビング処理することにより、液晶分子6の配向方向が制御される。
【0027】
次いで、第一の実施形態及び第二の実施形態において共通に用いられる液晶組成物層5について説明する。
液晶組成物層5は、例えば、それぞれの液晶配向層が対向するように配置された2枚の基板(第一の基板15及び第二の基板15’、又は、第一の基板25及び第二の基板25’)の間に一定の間隙(セルギャップ)を保った状態で周辺部を、シール剤を用いて貼り合わせ、基板表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶組成物を注入充填した後、注入孔を封止することにより、形成される。液晶組成物層5の形成において、用いた液晶組成物が等方相を形成する温度まで加熱した後、室温まで徐冷することにより、注入時の流動配向を除去することが好ましい。
【0028】
第一の基板15と第二の基板15’、又は、第一の基板25と第二の基板25’の間に挟持された液晶組成物層5の厚さは、1μm〜10μmが好ましく、1μm〜8μmがより好ましく、2μm〜5μmが特に好ましい。
【0029】
(ゲスト化合物)
第一の実施形態及び第二の実施形態(以下、本実施形態という)において、液晶組成物層5を構成する液晶組成物中の少なくとも一種の液晶化合物(以下、ゲスト化合物という。)のベンド弾性定数K33が20pN以上である。前記液晶組成物は、ホスト組成物とゲスト化合物からなる。
【0030】
ゲスト化合物は、ネマチック液晶相を示すホスト組成物に添加して用いるのが目的であるので、ゲスト化合物そのものが液晶相を示す化合物であることが好ましく、ネマチック液晶相を示すことがより好ましい。
また、ゲスト化合物として、液晶相を示さないが潜在的に液晶性を示すもの(例えば融点を低下することにより隠れている液晶相が発現する)も好ましく用いる事ができ、隠れている液晶相がネマチック相である場合がより好ましい。
さらに、潜在的な液晶性が確認できない場合でも、ホスト組成物に添加した時に相溶性がよく、ホスト液晶の液晶性を著しく低下しない場合には、ゲスト化合物に液晶性があるとみなすことができるので、その場合も好ましく用いられる。
【0031】
ベンド弾性定数K33の値は、等方性液体相−ネマチック液晶相の転移温度(TNI)から20℃低い温度(T’と定義する)で測定した値とする。ゲスト化合物が20℃以上のネマチック相の温度範囲を示す場合には実測が可能であり、また、ゲスト化合物が20℃以下のネマチック相を示す場合には測定可能な範囲のK33の値より外挿によりT’を求めてよい。また、ゲスト化合物がネマチック相を示さない場合、あるいは実測できるほど安定なネマチック相を示さない場合には、他のネマチック相を示す化合物と混合し、外挿によりT’を求めることができる。
【0032】
液晶組成物の物性を所望の値に調整するためには、ゲスト化合物のベント弾性定数K33は、大きければ大きいほど好ましいが、具体的には20pN以上であり、100pN以上であることが好ましく、500pN以上であることがより好ましい。
該ゲスト化合物は、下記一般式(1)で表される構造を有することが好ましい。
【0033】
【化1】
【0034】
(式中、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜18の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又はシアノ基を表し、R及びRの少なくとも一方はアルキル基であり、前記アルキル基中の1つ以上のCH基は酸素原子と硫黄原子が直接隣接しないように−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−SO−、−SO−O−、−O−CO−O−、−CO−N(R)−又は−N(R)−CO−で置換されていてもよく、前記アルキル基中の1つ以上の水素原子はCN基又は水酸基で置換されていてもよく、前記−CO−N(R)−及び前記−N(R)−CO−におけるRは水素原子又は炭素原子数1〜4の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ以上のCH基は−CH=CH−又は−C≡C−で置換されていてもよく、該アルキル基中の1つ以上の水素原子はハロゲンで置換されていてもよく、
、A、A及びAはそれぞれ独立して下記の構造
【0035】
【化2】
【0036】
(該構造中、シクロヘキサン環の1つ以上のCH基は酸素原子で置換されていてもよく、ベンゼン環の1つ以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよく、また、該構造中の1つ以上の水素原子はCl、CF又はOCFで置換されていてもよい。)のいずれかを表し、
、X、及びXはそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−N=N−、−CH=N−N=CH−、−CHCH−、−CFCF−、−(CH−、−COO−、−OCO−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−CO−N(R)−、−N(R)−CO−、−CH=CH−CO−O−又は−O−CO−CH=CH−を表し、−CO−N(R)−又は−N(R)−CO−におけるRは水素原子又は炭素原子数1〜4の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表し、
n及びmはそれぞれ独立して0又は1を表す。)
【0037】
前記一般式(1)において、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜18の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又はシアノ基を表し、R及びRの少なくとも一方はアルキル基である。
【0038】
直鎖状のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
分岐鎖状のアルキル基としては、具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ヘプチル基、イソトリデシル基、イソヘキサデシル基等が挙げられる。
【0039】
及びRにおけるアルキル基の炭素数は、それぞれ独立して、1〜18でありことが好ましく、2〜15であることがより好ましい。
及びRにおけるアルキル基は、強い分子間相互作用を有するものが、分子が並列にならぶ傾向を強くし、その結果としてベンド変形を起きにくくさせ、ベンド弾性定数K33を大きくするために好ましい。強い分子間相互作用を生じるためにはアルキル基が極性基を有することが好ましい。アルキル基中の極性基の存在は、分子中のコア部分とのミクロな相分離効果も生むことが期待されるので、その結果、分子が並列にならぶ傾向を助長するという面でも好ましい。
【0040】
及びRは、それぞれ独立して、アルキル基中の1つ以上のCH基は酸素原子と硫黄原子が直接隣接しないように−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−SO−、−SO−O−、−O−CO−O−、−CO−N(R)−又は−N(R)−CO−で置換されていることが好ましく、2つ以上のCH基が−O−で置換されていることがより好ましく、3つ以上のCH基が−O−で置換されていることが特に好ましい。
ここで、前記−CO−N(R)−及び前記−N(R)−CO−におけるRは水素原子又は炭素原子数1〜4の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表す。具体的には、−CO−N(CH)−、−CO−N(CHCH)−、−CO−N(CHCHCH)−、−CO−N(CHCHCHCH)−、−CO−N(CH(CH))−、−CO−N(CH(CH)−、−CO−N(C(CH)−、−CO−N(CHCH(CH)CH)−、−N(CH)−CO−、−N(CHCH)−CO−、−N(CHCHCH)−CO−、−N(CHCHCHCH)−CO−、−N(CH(CH))−CO−、−N(CH(CH)−CO−、−N(C(CH)−CO−、−N(CHCH(CH)CH)−CO−を表す。これらの基におけるアルキル基中の1つ以上のCH基は−CH=CH−又は−C≡C−で置換されていてもよく、該アルキル基中の1つ以上の水素原子はハロゲンで置換されていてもよい。
また、R及びRは、それぞれ独立して、アルキル基中の1つ以上の水素原子がCN基又は水酸基で置換されていることが好ましく、水酸基で置換されていることがより好ましい。
【0041】
前記一般式(1)において、n及びmはそれぞれ独立して0又は1を表す。
前記一般式(1)において、A、A、A及びAは、それぞれ独立して下記の構造を表す。
尚、以下の構造において左端は、前記一般式(1)におけるA、A、A及びAの左端に対応し、右端は、前記一般式(1)におけるA、A、A及びAの右端に対応する。
【0042】
【化3】
【0043】
シクロヘキシレン基において、シクロヘキサン環の1つ以上のCH基は酸素原子で置換されていてもよい。即ち、A、A、A及びAは、それぞれ独立して下記の構造を表していてもよい。
【0044】
【化4】
【0045】
フェニレン基、2−フルオロフェニレン基、及び2,3−ジフルオロフェニレン基において、ベンゼン環の1つ以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよい。即ち、A、A、A及びAは、それぞれ独立して下記の構造を表していてもよい。
【0046】
【化5】
【0047】
また、これらA、A、A及びAとして採用しうる基において、1つ以上の水素原子はCl、CF又はOCFで置換されていてもよい。
【0048】
以上、上述した基の中で、フェニレン基またはフッ素置換したフェニレン基がより好ましく挙げられる。特に誘電率異方性を負にするため、融点を低下するため、あるいは、ホスト組成物との混和性をよくするため、フッ素置換は好ましく用いられる。
【0049】
前記一般式(1)において、X、X、及びXはそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−N=N−、−CH=N−N=CH−、−CHCH−、−CFCF−、−(CH−、−COO−、−OCO−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−CO−N(R)−、−N(R)−CO−、−CH=CH−CO−O−又は−O−CO−CH=CH−を表す。
ここで、前記−CO−N(R)−及び前記−N(R)−CO−におけるRは上記と同様である。
ベンド変形をおこしにくくしてベンド弾性定数K33を大きくするために、これらの中でも、X、X、及びXとしては、コアの剛直性を保つ構造のものが好ましい。コアの剛直性を保つものとしては、X、X、及びXとして、長さが短いためA、A、A及びAの立体障害により剛直になるもの、同一炭素上にフッ素原子を2つ含むためにX、X、及びXの部分の立体障害で剛直になるもの、X、X、及びXが2重結合、あるいは3重結合を有するため運動性に障害が発生して剛直になるもの、がより好ましい。具体的には、単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−N=N−、−OCF−、又は−CFO−、が特に好ましい。
【0050】
中でも、前記一般式(1)で表されるゲスト化合物として下記の化合物が例示できる。
【0051】
【化6】
【0052】
【化7】
【0053】
【化8】
【0054】
【化9】
【0055】
【化10】
【0056】
【化11】
【0057】
【化12】
【0058】
【化13】
【0059】
【化14】
【0060】
【化15】
【0061】
上記化合物中、aは1〜14の整数を表し、bは1〜4の整数、好ましくは2〜4の整数を表し、cは0又は1を表し、R’は炭素数1〜14のアルキル基又はアルコキシ基を表す。上記化合物を構成するフェニル環はフッ素置換されていてもよい。
【0062】
ゲスト化合物は、液晶組成物の諸物性の調整に悪影響を与えない範囲で自由に含有率を決めて使用してもよいが、液晶組成物層5を構成する液晶組成物は、一般式(1)で表されるゲスト化合物を、0.1質量%〜90質量%含有することが好ましく、0.1質量%〜50質量%含有することがより好ましく、0.5質量%〜20質量%含有することが特に好ましい。
上述したように、一般式(1)で表されるゲスト化合物のベンド弾性定数K33は、20pN以上である。本実施形態においては、K33が非常に大きい成分をゲスト化合物(添加剤)として用いることで、成分添加前の液晶組成物(ホスト組成物)の諸特性を変えることなく、K33を大きくすることができる。
【0063】
(ホスト組成物)
本実施形態において、液晶組成物層5を構成する液晶組成物がネマチック液晶相を示すことが好ましい。
該液晶組成物を構成するホスト組成物としては、例えば、ジシアノベンゼン系液晶化合物、ピリダジン系液晶化合物、シッフベース系液晶化合物、アゾキシ系液晶化合物、ナフタレン系液晶化合物、ビフェニル系液晶化合物、フェニルシクロヘキサン系液晶化合物、シアノベンゼン系液晶化合物、ジフルオロベンゼン系液晶化合物、トリフルオロベンゼン系液晶化合物、トリフルオロメチルベンゼン系液晶化合物、トリフルオロメトキシベンゼン系液晶化合物、ピリミジン系液晶化合物等が用いられる。
【0064】
本実施形態の液晶表示素子が、VAモード等、垂直配向型の場合には、液晶組成物層5を構成する液晶組成物(ホスト組成物)としては、負の誘電異方性を有する「n型」が好ましい。
係るホスト組成物としては、例えばジシアノベンゼン系液晶化合物、ピリダジン系液晶化合物、シッフベース系液晶化合物、アゾキシ系液晶化合物、ナフタレン系液晶化合物、ビフェニル系液晶化合物、フェニルシクロヘキサン系液晶化合物等が用いられる。
n型の液晶組成物として具体的には、以下の一般式(LC1)から一般式(LC4)で表される化合物群から選ばれる1種以上の化合物を含有することが好ましい。
【0065】
【化16】
【0066】
(式中、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ以上のCH基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C≡C−、−CFO−又は−OCF−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン置換されていてもよく、A及びAはそれぞれ独立して下記の構造
【0067】
【化17】
【0068】
(該構造中シクロヘキサン環の1つ以上のCH基は酸素原子で置換されていてもよく、該構造中ベンゼン環の1つ以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよく、また、該構造中の1つ以上の水素原子はCl、CF又はOCFで置換されていてもよい。)のいずれかを表し、Z〜Zはそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CHCH−、−(CH−、−COO−、−OCH−、−CHO−、−OCF−又は−CFO−を表し、ZはCH基又は酸素原子を表し、存在するZ及びZの内少なくとも1つは単結合でなく、lは0又は1を表し、m及びmはそれぞれ独立して0〜3を表し、m+mは1、2又は3である。)
【0069】
及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアルコキシ基、炭素数2〜7のアルケニル基が好ましく、
及びAはそれぞれ独立して下記の構造が好ましく、
【0070】
【化18】
【0071】
〜Zはそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−COO−、−OCH−、−CHO−、−OCF−又は−CFO−が好ましい。
上記液晶組成物は、更に一般式(LC5)
【0072】
【化19】
【0073】
(式中、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C≡C−、−CFO−又は−OCF−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン置換されていてもよく、B〜Bはそれぞれ独立して下記
【0074】
【化20】
【0075】
(式中、シクロヘキサン環中の1つ以上のCHCH基は−CH=CH−、−CFO−、−OCF−で置換されていてもよく、ベンゼン環中の1つ以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよい。)のいずれかを表し、Z及びZはそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CHCH−、−(CH−、−COO−、−OCH−、−CHO−、−OCF−又は−CFO−を表し、該Z及びZの内、少なくとも1つは単結合でなく、mは0〜3を表す。)で表される化合物を1種以上含有する液晶組成物が好ましい。
及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアルコキシ基、炭素数2〜7のアルケニル基が好ましく、
〜Bはそれぞれ独立して下記の構造が好ましく、
【0076】
【化21】
【0077】
及びZはそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−COO−、−OCH−、−CHO−、−OCF−又は−CFO−が好ましい。
一般式(LC1)は、下記一般式(LC1−1)から一般式(LC1−7)
【0078】
【化22】
【0079】
(式中、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアルコキシ基、炭素数2〜7のアルケニル基及び炭素数2〜7のアルケニルオキシ基 を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物であることがより好ましい。
一般式(LC2)は、下記一般式(LC2)−1から一般式(LC2)−13、及び下記一般式(LC2−14)から一般式(LC2−15)
【0080】
【化23】
【0081】
【化24】
【0082】
(式中、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアルコキシ基、炭素数2〜7のアルケニル基又は炭素数2〜7のアルケニルオキシ基 を表し、Zは−CHCH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−又は−CFO−を表し、Aは下記の構造
【0083】
【化25】
【0084】
のいずれかを表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物であることがより好ましい。
一般式(LC3)は下記一般式(LC3)−1から一般式(LC3)−6であり、一般式(LC4)は下記一般式(LC4)−1から一般式(LC4)−4
【0085】
【化26】
【0086】
(式中、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアルコキシ基、炭素数2〜7のアルケニル基又は炭素数2〜7のアルケニルオキシ基 を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物であることがより好ましい。
【0087】
本実施形態の液晶表示素子が、TNモード、STNモード、IPSモード等の水平配向型の場合には、液晶組成物層5を構成するホスト組成物としては、正の誘電率異方性を有する「p型」が好ましい。
係るホスト組成物としては、例えばシアノベンゼン系液晶化合物、ジフルオロベンゼン系液晶化合物、トリフルオロベンゼン系液晶化合物、トリフルオロメチルベンゼン系液晶化合物、トリフルオロメトキシベンゼン系液晶化合物、ピリミジン系液晶化合物、ナフタレン系液晶化合物、ビフェニル系液晶化合物、フェニルシクロヘキサン系液晶化合物等が用いられる。
このような化合物として具体的には、Δεの比較的大きい一般式(IIIa)、又は一般式(IIIb)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0088】
【化27】
【0089】
(式中、R5は一般式(I)におけるRと同じ意味を表し、C1及びC2はそれぞれ独立して、(d)トランス−1,4−シクロへキシレン基、(e)1,4−フェニレン基、又は(f)1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及びデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基からなる群より選ばれる基を表す。
前記(d)において、この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置き換えられてもよい。
前記(e)において、この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は窒素原子に置き換えられてもよい。
前記(d)、(e)、及び(f)における基は、それぞれシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。
及びKはそれぞれ独立して、単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−を表す。
、X、X、X、及びXはそれぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子を表し、
は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエチル基、又はRと同じ意味を表す。pは、0、1又は2を表す。)
【0090】
前記一般式(IIIa)及び前記一般式(IIIb)において、Rは、炭素数1〜15の直鎖状アルキル基又は炭素数2〜15のアルケニル基を表すことが好ましく、炭素数1〜10の直鎖状アルキル基又は炭素数2〜10アルケニル基を表すことがより好ましく、炭素数1〜8の直鎖状アルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基を表すことが特に好ましく、アルケニル基としては下記構造を表すことが最も好ましい。
【0091】
【化28】
【0092】
(式中、Cとは右端で連結するものとする。)
及びKは、−COO−、−OCO−、−CHCH−、−CH=CH−、−C≡C−、−(CH)−、又は単結合を表すことが好ましく、−CHCH−、−C≡C−、又は単結合を表すことがより好ましく、−CHCH−又は単結合を表すことが特に好ましい。K又はKが複数存在する場合、少なくとも一つは単結合であることが好ましい。
pは、0又は1を表すことが好ましい。
【0093】
前記一般式(IIIa)及び前記一般式(IIIb)において、C及びCはそれぞれ独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基を表すことが好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基を表すことがより好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基を表すことが特に好ましい。
は、フッ素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基又はトリフルオロメトキシ基を表すことが好ましく、フッ素原子を表すことがより好ましい。
前記一般式(IIIa)及び一般式(IIIb)の中でも、一般式(IIIa)が好ましく、具体的には以下の一般式(IIIa−1)で表される構造がより好ましい。
【0094】
【化29】
【0095】
(式中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシル基、又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、L及びLはそれぞれ独立して、−CHCH−、−CH=CH−、−C≡C−、−(CH−、又は単結合を表し、Iは1,4-フェニレン基又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表し、Xは水素原子又はフッ素原子を表し、nは0又は1を表し、Yはシアノ基、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基又はトリフルオロメトキシ基を表す。)
【0096】
さらに具体的には、以下の一般式(IIIa−2a)〜一般式(IIIa−4s)で表される構造が好ましい。
【0097】
【化30】
【0098】
【化31】
【0099】
【化32】
【0100】
【化33】
【0101】
【化34】
【0102】
【化35】
【0103】
【化36】
【0104】
(式中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、X及びXはそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、Yはシアノ基、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基又はトリフルオロメトキシ基を表し、Xは水素原子又はフッ素原子を表す。)で表される化合物が好ましく、以下の一般式
【0105】
【化37】
【0106】
(式中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、X及びXはそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、Yはシアノ基、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基又はトリフルオロメトキシ基を表す。)で表される化合物も好ましい。
一般式(IIIb)は、具体的な構造として以下の一般式
【0107】
【化38】
【0108】
【化39】
【0109】
【化40】
【0110】
(式中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、Yはシアノ基、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基又はトリフルオロメトキシ基を表す。)で表される化合物が好ましい。
【0111】
また、本実施形態の液晶表示素子は、液晶組成物層5を構成する液晶組成物として、中性の誘電率異方性を有する「非極性型」を用いてもよい。
このような化合物として具体的には、Δεの絶対値の小さい一般式(II)
【0112】
【化41】
【0113】
(式中、R及びRはそれぞれ独立的に一般式(I)におけるRと同じ意味を表し、B、B及びBはそれぞれ独立に、
(a)トランス−1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置き換えられてもよい)、(b)1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は窒素原子に置き換えられてもよい)、又は
(c)1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基からなる群より選ばれる基を表す。
前記(a)、(b)、及び(c)における基は、それぞれシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。
oは0、1又は2を表し、
、L及びLはそれぞれ独立的に単結合、−CHCH−、−(CH(CH−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−OCF−、−CFO−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、又は−C≡C−を表す。
及びBが複数存在する場合は、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。)で表される化合物が好ましい。
【0114】
一般式(II)において、R及びRは、未置換の直鎖状炭素数1〜15のアルキル基又は炭素数2〜15のアルケニル基を表すことが好ましく、未置換の直鎖状炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数2〜10のアルケニル基を表すことがより好ましく、未置換の直鎖状炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基を表すことが特に好ましく、アルケニル基としては下記構造を表すことが最も好ましい。
【0115】
【化42】
【0116】
(式中、RにおいてBとは左端で連結するものとし、RにおいてB又はBとは左端で連結するものとする。)
【0117】
また、R及びRは同一でも異なっていてもよいが、同一分子中のR及びRは異なっていることがより好ましい。
及びLは、−COO−、−OCO−、−CHCH−、−CH=CH−、−C≡C−、−(CH−、又は単結合を表すことが好ましく、−CHCH−、−CH=CH−、−C≡C−、又は単結合を表すことがより好ましく、−CHCH−、又は単結合を表すことが特に好ましい。L又はLが複数存在する場合、少なくとも一つは単結合を表すことが好ましい。
oは、0又は1を表すことが好ましい。
、B、及びBはそれぞれ独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基を表すことが好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4-フェニレン基を表すことより好ましく、B、B及びBの内、少なくとも一つはトランス−1,4−シクロへキシレン基を表すことが好ましい。
一般式(II)は具体的な構造として、以下の一般式(IIa)から一般式(IIg)で表される化合物が好ましい。
【0118】
【化43】
【0119】
(式中、R及びRはそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基又はアルコキシル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数3〜8のアルケニルオキシ基を表し、B、B、B、及びBはそれぞれ独立して、1,4−フェニレン基又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表し、該1,4−フェニレン基はそれぞれ独立してフッ素原子で置換されていてもよく、L及びLはそれぞれ独立して−CHCH−、−CH=CH−、−C≡C−、又は単結合を表す。)
【0120】
一般式(IIa)及び一般式(IId)は、さらに具体的な構造として以下の一般式(IIa−1)〜一般式(IId−3)で表される化合物が好ましい。
【0121】
【化44】
【0122】
(式中、R及びRはそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基若しくはアルコキシル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、又は炭素原子数3〜8のアルケニルオキシ基を表す。)
【0123】
一般式(IIb)は、さらに具体的な構造として、以下の一般式(IIb−1)〜一般式(IIb−6)で表される化合物が好ましい。
【0124】
【化45】
【0125】
(式中、R6及びR8はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基若しくはアルコキシル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、又は炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基を表す。)
一般式(IIe)は、さらに具体的な構造として、以下の一般式(IIe−1)〜一般式(IIe−3)で表される化合物が好ましい。
【0126】
【化46】
【0127】
(式中、R及びRはそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基若しくはアルコキシル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、又は炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基を表す。)
【0128】
本発明に用いられる液晶組成物が、一般式(II)から選ばれる化合物を含有する場合、係る化合物を1種〜6種含有することが好ましく、1種〜4種含有することがより好ましい。
本発明に用いられる液晶組成物における一般式(II)で表される化合物の含有率は、10〜80質量%の範囲であることが好ましく、10〜60質量%の範囲であることがより好ましい。
、R、R及びRがアルケニル基を表す場合、以下に示す構造が好ましい。
【0129】
【化47】
【0130】
(式中、環構造とは右端で連結するものとする。)
中でも、ビニル基及び3−ブテニル基がより好ましく、ビニル基が特に好ましい。
【実施例】
【0131】
以下、例を挙げて本願発明を更に詳述するが、本願発明はこれらによって限定されるものではない。
【0132】
(液晶化合物の製造)
特開2009−249406号公報記載の製造方法に従い、下記化合物1の製造を行った。
【0133】
【化48】
【0134】
(弾性定数の測定)
化合物1の弾性定数(K33,K11)を、静電容量法を用いて測定した。水平配向処理を施したセルの中にネマチック相状態の化合物1を注入し、静電容量の印加電圧依存性を測定した。フレデリクス転移電圧と誘電率の異方性よりK11を算出し、カーブフィッティングによりK33/K11の値を求め、これらの値からK33を算出した。結果を図3に示す。その結果、化合物1は、T’において、890pNと、非常に大きなK33の値を示すことが確認された。尚、化合物1のネマチック液晶中にサイボタクチッククラスターが生成していることをX線回折測定の小角領域に回折ピークが発現することで確認した。
【0135】
(実施例1)液晶表示素子の作製
(液晶組成物の作製)
下記式で表されるシアノビフェニル系ネマチック液晶(7CB)に化合物1を2.6質量%、7.6質量%添加してそれぞれネマチック液晶組成物を作製した。
【0136】
【化49】
【0137】
(弾性定数の測定)
作製した各液晶組成物のK33を36℃で測定したところ、化合物1を2.6質量%添加した組成物のK33は14pN、7.6質量%添加した組成物のK33は27pNと大きく、少量の化合物1の添加で大きなK33の値を有する液晶組成物が得られた。
【0138】
(表示素子の作製と応答時間の評価)
水平配向及びラビングにより液晶分子が一軸配向するように処理をしたセル(セル厚5.6ミクロン)を用い、液晶の配向軸がクロスニコルの偏光板から45度傾く向きにセットし、36℃で応答時間を評価した。まず、5Vの電圧を印加し暗状態を得た。その後、電圧をオフして液晶分子が初期の一軸配向状態に戻るのに要する応答時間(t0%−90%)を透過光量の変化を測定することで評価した。化合物1を2.6質量%添加した組成物の応答時間は180ms、化合物1を7.6質量%添加した組成物の応答時間は80msであり、K33の大きな化合物1を添加し、組成物のK33を大きくすることが応答時間の短縮に有効であることが確認された。
【0139】
(比較例1)
前述のネマチック液晶化合物7CBのK33を36℃で測定したところ5pNと小さい値であった。液晶組成物として7CBを用い、化合物1を添加しない以外は実施例1と同様にして液晶表示素子を作製し、実施例と同様の方法で応答時間を測定したところ、300msと応答は遅かった。
【0140】
ベンド弾性定数K33が5pNである比較例1の液晶化合物7CBに、化合物1(20pN以上のベント弾性定数K33の化合物)を2.6重量% 添加した実施例1において、出来上がった組成物のベント弾性定数K33は、14pNと20pN未満であるが、もとの液晶7CBよりも応答が速くなっていることが確認された。
【0141】
(実施例2)液晶表示素子の作製
(液晶組成物の作製)
下記組成を有するネマチック液晶組成物(A−1)を作製した。
【0142】
【化50】
【0143】
次に、ネマチック液晶組成物(A−1)を98質量%と化合物1を2質量%よりネマチック液晶組成物(A−2)を作製した。
【0144】
(弾性定数の測定)
作製したネマチック液晶組成物(A−2)の25℃でのK33を東洋テクニカ製EC−1により測定したところ、20pNと大きく、少量の化合物1の添加で大きなK33の値が得られた。
【0145】
(表示素子の作製と応答時間の評価)
本液晶組成物を使用した液晶表示素子の応答速度(τd、4.5V→1Vで測定)を、テストセル(日産化学工業製・SE−5300、セル厚は3.5μm)を用いて測定温度は25℃で測定したところ、5.5msと短かった。K33の大きな化合物1を添加し、組成物のK33を大きくすることが応答時間の短縮に有効であることがわかる。
【0146】
(比較例2)
液晶組成物(A−1)を用い、化合物1を添加しない以外は実施例2と同様にしてK33を測定したところ13pNであり、応答時間は7.8msであった。
【0147】
(実施例3)液晶表示素子の作製
(液晶組成物の作製)
下記組成を有するネマチック液晶組成物(B−1)を作製した。
【0148】
【化51】
【0149】
液晶組成物(A−2)のかわりに液晶組成物(B−2)を用いること以外は実施例2と同様にしてK33を測定したところ21pNであり、応答時間は5.8msと短かった。
【0150】
(比較例3)
液晶組成物(A−1)のかわりに液晶組成物(B−1)を用いること以外は比較例2と同様にしてK33を測定したところ14pNであり、応答時間は8.5msであった。
【0151】
実施例2、比較例2、実施例3、比較例3に用いた液晶組成物(A−2)、液晶組成物(A−1)、液晶組成物(B−2)、液晶組成物(B−1)の主な液晶物性をまとめると下記表1のとおりであり、ベンド弾性定数K33の大きな化合物1を添加することにより、液晶組成物の諸物性に悪影響を与えることなく、液晶組成物のK33を増大し応答時間を短縮できたことがわかる。
【0152】
【表1】
【0153】
以上の結果から、本実施形態によれば、20pN以上のベンド弾性定数K33の液晶化合物を液晶組成物層に用いることにより、液晶表示素子としての諸特性を改善するか又は悪化させること無く、応答速度を改善した液晶表示素子を提供できることが明らかである。
【符号の説明】
【0154】
1,1’… 偏光板、2…ガラス基板、3,3’,23…透明電極、4…配向膜、5…液晶組成物層、6…液晶分子、10,20…液晶表示素子、15,25…第一の基板、15’,25’…第二の基板
図1
図2
図3