特開2018-203914(P2018-203914A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-203914(P2018-203914A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】複合材料の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 5/04 20060101AFI20181130BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20181130BHJP
   C08K 7/06 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   C08J5/04CER
   C08J5/04CEZ
   C08L101/00
   C08K7/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-112090(P2017-112090)
(22)【出願日】2017年6月6日
(71)【出願人】
【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
(71)【出願人】
【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100150360
【弁理士】
【氏名又は名称】寺嶋 勇太
(72)【発明者】
【氏名】木原 伸一
(72)【発明者】
【氏名】滝嶌 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】武山 慶久
(72)【発明者】
【氏名】竹下 誠
【テーマコード(参考)】
4F072
4J002
【Fターム(参考)】
4F072AA02
4F072AA08
4F072AB10
4F072AB14
4F072AB15
4F072AD02
4F072AD05
4F072AD07
4F072AH02
4F072AH23
4F072AH49
4F072AJ36
4F072AK06
4F072AL01
4F072AL11
4J002AA011
4J002AC071
4J002AC111
4J002BC031
4J002BD121
4J002BG041
4J002DA016
4J002FA046
4J002FD016
4J002GQ02
(57)【要約】
【課題】ポリマーのマトリックス中に繊維状炭素ナノ構造体を良好に分散させてなる複合材料を製造する方法を提供する。
【解決手段】ポリマーと繊維状炭素ナノ構造体とを含有する複合材料の製造方法であって、ポリマーと、繊維状炭素ナノ構造体と、有機溶媒とを含む組成物を、亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素雰囲気下で混練する工程を含む、複合材料の製造方法。なお、繊維状炭素ナノ構造体は、単層カーボンナノチューブを含むことが好ましい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーと繊維状炭素ナノ構造体とを含有する複合材料の製造方法であって、
ポリマーと、繊維状炭素ナノ構造体と、有機溶媒とを含む組成物を、亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素雰囲気下で混練する工程を含む、複合材料の製造方法。
【請求項2】
前記ポリマーと前記有機溶媒とのハンセン溶解度パラメータの距離Rpが2.0MPa1/2以上16.0MPa1/2以下である、請求項1に記載の複合材料の製造方法。
【請求項3】
前記繊維状炭素ナノ構造体と前記有機溶媒とのハンセン溶解度パラメータの距離Rcが4.0MPa1/2以上15.0MPa1/2以下である、請求項1または2に記載の複合材料の製造方法。
【請求項4】
前記ポリマーが、フッ素ゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレンおよびポリカーボネートからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜3の何れかに記載の複合材料の製造方法。
【請求項5】
前記有機溶媒が、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、イソプロピルアルコールおよびトルエンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜4の何れかに記載の複合材料の製造方法。
【請求項6】
前記繊維状炭素ナノ構造体が単層カーボンナノチューブを含む、請求項1〜5の何れかに記載の複合材料の製造方法。
【請求項7】
前記繊維状炭素ナノ構造体のBET比表面積が600m/g以上である、請求項1〜6の何れかに記載の複合材料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合材料の製造方法に関し、特には、ポリマーと繊維状炭素ナノ構造体とを含有する複合材料の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、導電性や熱伝導性などに優れる材料として、樹脂やゴム等のポリマーにカーボン材料を配合してなる複合材料が使用されている。そして、近年では、導電性や熱伝導性の向上効果が高いカーボン材料として、繊維状炭素材料、特にはカーボンナノチューブ等の繊維状炭素ナノ構造体が注目されている。
【0003】
ここで、カーボンナノチューブ等の繊維状炭素ナノ構造体は、一本一本の特性は優れているものの、外径が小さいため、バルク材料として使用する際にファンデルワールス力によってバンドル化し易い(束になり易い)。そのため、ポリマーと繊維状炭素ナノ構造体とを含有する複合材料の製造においては、繊維状炭素ナノ構造体のバンドル構造体を解し(解繊し)、ポリマーのマトリックス中に繊維状炭素ナノ構造体を良好に分散させることが求められている。
【0004】
そこで、例えば特許文献1では、カーボンナノチューブを含有する有機溶媒中に熱可塑性樹脂からなる成形体を浸漬し、亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素の存在下でカーボンナノチューブを分散させつつ成形体表面に収着させることにより、カーボンナノチューブが表層部に均一に分散してなる、熱可塑性樹脂とカーボンナノチューブとの複合体を得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−8945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の技術は、分散させたカーボンナノチューブを成形体表面に吸着させることにより表層部においてカーボンナノチューブが均一に分散した複合体を得るものであり、特許文献1に記載の技術では、内部までカーボンナノチューブを均一に分散させることができなかった。
【0007】
そこで、本発明は、ポリマーのマトリックス中に繊維状炭素ナノ構造体を良好に分散させてなる複合材料を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の複合材料の製造方法は、ポリマーと繊維状炭素ナノ構造体とを含有する複合材料の製造方法であって、ポリマーと、繊維状炭素ナノ構造体と、有機溶媒とを含む組成物を、亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素雰囲気下で混練する工程を含むことを特徴とする。このように、ポリマーと、繊維状炭素ナノ構造体と、有機溶媒とを含む組成物を、亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素雰囲気下で混練すれば、繊維状炭素ナノ構造体のバンドル構造体を解繊しつつ、ポリマーのマトリックス中に繊維状炭素ナノ構造体を良好に分散させることができる。
【0009】
ここで、本発明の複合材料の製造方法では、前記ポリマーと前記有機溶媒とのハンセン溶解度パラメータの距離Rpが2.0MPa1/2以上16.0MPa1/2以下であることが好ましい。Rpが上記範囲内であれば、繊維状炭素ナノ構造体のバンドル構造体を良好に解繊し、ポリマーのマトリックス中で繊維状炭素ナノ構造体を更に良好に分散させることができるからである。
なお、「ポリマーと有機溶媒とのハンセン溶解度パラメータの距離Rp」は、下記式(1)を用いて算出することができる。
Rp={4×(δd1−δd2+(δp1−δp2+(δh1−δh21/2・・・(1)
δd1:ポリマーの分散項
δd2:有機溶媒の分散項
δp1:ポリマーの極性項
δp2:有機溶媒の極性項
δh1:ポリマーの水素結合項
δh2:有機溶媒の水素結合項
【0010】
また、本発明の複合材料の製造方法では、前記繊維状炭素ナノ構造体と前記有機溶媒とのハンセン溶解度パラメータの距離Rcが4.0MPa1/2以上15.0MPa1/2以下であることが好ましい。Rcが上記範囲内であれば、繊維状炭素ナノ構造体のバンドル構造体を良好に解繊し、ポリマーのマトリックス中で繊維状炭素ナノ構造体を更に良好に分散させることができるからである。
なお、「繊維状炭素ナノ構造体と有機溶媒とのハンセン溶解度パラメータの距離Rc」は、下記式(2)を用いて算出することができる。
Rc={4×(δd3−δd2+(δp3−δp2+(δh3−δh21/2・・・(2)
δd2:有機溶媒の分散項
δd3:繊維状炭素ナノ構造体の分散項
δp2:有機溶媒の極性項
δp3:繊維状炭素ナノ構造体の極性項
δh2:有機溶媒の水素結合項
δh3:繊維状炭素ナノ構造体の水素結合項
【0011】
なお、ハンセン溶解度パラメータの定義および計算方法は、下記の文献に記載されている。Charles M. Hansen著、「Hansen Solubility Parameters: A Users Handbook」、CRCプレス、2007年。
【0012】
また、ハンセン溶解度パラメータの文献値が未知の分散媒については、コンピュータソフトウェア(Hansen Solubility Parameters in Practice(HSPiP))を用いることによって、その化学構造から簡便にハンセン溶解度パラメータを推算することができる。
具体的には、例えば、HSPiPバージョン3を用い、データベースに登録されている有機溶媒についてはその値を用い、登録されていない有機溶媒については推算値を用いればよい。
【0013】
また、本発明の複合材料の製造方法では、前記ポリマーが、フッ素ゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレンおよびポリカーボネートからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。上記ポリマーを使用すれば、繊維状炭素ナノ構造体を更に良好に分散させることができるからである。
【0014】
更に、本発明の複合材料の製造方法では、前記有機溶媒が、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、イソプロピルアルコールおよびトルエンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。上記有機溶媒を使用すれば、繊維状炭素ナノ構造体を更に良好に分散させることができるからである。
【0015】
また、本発明の複合材料の製造方法では、前記繊維状炭素ナノ構造体が単層カーボンナノチューブを含むことが好ましい。単層カーボンナノチューブを含む繊維状炭素ナノ構造体は、導電性や熱伝導性などの特性に優れているからである。
【0016】
そして、本発明の複合材料の製造方法では、前記繊維状炭素ナノ構造体のBET比表面積が600m/g以上であることが好ましい。BET比表面積が600m/g以上の繊維状炭素ナノ構造体は、導電性や熱伝導性などの特性に優れているからである。
【0017】
なお、「BET比表面積」とは、BET法を用いて測定した窒素吸着比表面積を指す。
【発明の効果】
【0018】
本発明の複合材料の製造方法によれば、ポリマーのマトリックス中に繊維状炭素ナノ構造体が良好に分散した複合材料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】複合材料中のカーボンナノチューブの解繊状態を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真であり、(a)は実施例1の複合材料中のカーボンナノチューブの解繊状態を示し、(b)は比較例1の複合材料中のカーボンナノチューブの解繊状態を示す。
図2】複合材料中のカーボンナノチューブの解繊状態を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真であり、(a)は実施例2の複合材料中のカーボンナノチューブの解繊状態を示し、(b)は比較例2の複合材料中のカーボンナノチューブの解繊状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
ここで、本発明の複合材料の製造方法は、繊維状炭素ナノ構造体およびポリマーを含有する複合材料を製造する際に用いられる。そして、本発明の複合材料の製造方法により製造した複合材料は、特に限定されることなく、例えば後述する成形体の製造方法を用いて成形体を製造する際に用いることができる。
【0021】
(複合材料の製造方法)
本発明の複合材料の製造方法は、ポリマーと繊維状炭素ナノ構造体とを含有する複合材料の製造方法である。そして、本発明の複合材料の製造方法は、ポリマーと、繊維状炭素ナノ構造体と、有機溶媒とを含む組成物を、亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素雰囲気下で混練する工程を含む。なお、本発明の複合材料の製造方法は、混練後に、少なくとも二酸化炭素および二酸化炭素に溶解した有機溶媒を除去し、有機溶媒の除去が不十分な場合には任意に有機溶媒を除去する工程を更に含んでいてもよい。
【0022】
そして、本発明の複合材料の製造方法によれば、ポリマーおよび繊維状炭素ナノ構造体に加えて有機溶媒も含んでいる組成物を亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素雰囲気下で混練しているので、繊維状炭素ナノ構造体のバンドル構造体を解繊しつつ、ポリマーのマトリックス中に繊維状炭素ナノ構造体を良好に分散させることができる。
【0023】
<組成物>
本発明の複合材料の製造方法において混練される組成物は、ポリマーと、繊維状炭素ナノ構造体と、有機溶媒とを含み、任意に、複合材料の用途に応じた各種添加剤を更に含有していてもよい。なお、組成物は、特に限定されることなく、例えば上述した成分を既知の方法で混合して調製することができる。また、亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素に溶解する有機溶媒や添加剤を用いると、複合材料に不要な有機溶媒や添加剤は二酸化炭素と共に除去することができる。
【0024】
[ポリマー]
ここで、ポリマーとしては、特に限定されることなく、例えば、任意のゴム、樹脂またはそれらの混合物を用いることができる。
具体的には、ゴムとしては、特に限定されることなく、例えば、天然ゴム;フッ化ビニリデン系ゴム(FKM)、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム(FEPM)、テトラフルオロエチレン−パープルオロビニルエーテル系ゴム(FFKM)などのフッ素ゴム;ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、水素化スチレン−ブタジエンゴム(H−SBR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)などのジエンゴム;シリコーンゴム;等が挙げられる。
また、樹脂としては、特に限定されることなく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂;ポリメタクリル酸メチル(PMMA)などのアクリル樹脂;ポリスチレン(PS);ポリカーボネート(PC);等が挙げられる。
【0025】
上述した中でも、ポリマーとしては、フッ化ビニリデン系ゴム(FKM)、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム(FEPM)、テトラフルオロエチレン−パープルオロビニルエーテル系ゴム(FFKM)などのフッ素ゴム;ニトリルゴム(NBR);水素化ニトリルゴム(H−NBR);ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂;ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂;ポリスチレン;ポリカーボネート;が好ましく、FKM、FEPM、H−NBR、PTFE、PMMA、PSおよびPCがより好ましい。これらのポリマーを使用すれば、繊維状炭素ナノ構造体を更に良好に分散させることができるからである。
なお、これらのポリマーは、1種単独で、または、2種以上を混合して用いることができる。
【0026】
[繊維状炭素ナノ構造体]
繊維状炭素ナノ構造体としては、特に限定されることなく、例えば、カーボンナノチューブ(以下「CNT」と称することがある。)等の円筒形状の炭素ナノ構造体や、炭素の六員環ネットワークが扁平筒状に形成されてなる炭素ナノ構造体等の非円筒形状の炭素ナノ構造体を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0027】
上述した中でも、繊維状炭素ナノ構造体としては、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体を用いることがより好ましい。CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体を使用すれば、少ない配合量であっても複合材料および成形体の特性(例えば、導電性、熱伝導性、強度など)を向上させることができるからである。
【0028】
ここで、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、CNTのみからなるものであってもよいし、CNTと、CNT以外の繊維状炭素ナノ構造体との混合物であってもよい。
そして、繊維状炭素ナノ構造体中のCNTとしては、特に限定されることなく、単層カーボンナノチューブおよび/または多層カーボンナノチューブを用いることができるが、CNTは、単層から5層までのカーボンナノチューブであることが好ましく、単層カーボンナノチューブであることがより好ましい。カーボンナノチューブの層数が少ないほど、配合量が少量であっても複合材料および成形体の特性(例えば、導電性、熱伝導性、強度など)が向上するからである。
【0029】
また、繊維状炭素ナノ構造体の平均直径は、1nm以上であることが好ましく、60nm以下であることが好ましく、30nm以下であることがより好ましく、10nm以下であることが更に好ましい。繊維状炭素ナノ構造体の平均直径を上記範囲内とすれば、複合材料および成形体の特性(例えば、導電性、熱伝導性、強度など)十分に向上させることができる。
ここで、本発明において、「繊維状炭素ナノ構造体の平均直径」は、透過型電子顕微鏡(TEM)画像上で、例えば、20本の繊維状炭素ナノ構造体について直径(外径)を測定し、個数平均値を算出することで求めることができる。
【0030】
なお、本発明において、混練前の組成物中に含まれている繊維状炭素ナノ構造体は、通常、複数本が絡まり合ってバンドル構造体を形成している。そして、バンドル構造体の直径(バンドル径)は、特に限定されることなく、例えば0.1μm以上である。
【0031】
また、繊維状炭素ナノ構造体としては、平均直径(Av)に対する、直径の標準偏差(σ:標本標準偏差)に3を乗じた値(3σ)の比(3σ/Av)が0.20超0.60未満の繊維状炭素ナノ構造体を用いることが好ましく、3σ/Avが0.25超の繊維状炭素ナノ構造体を用いることがより好ましく、3σ/Avが0.50超の繊維状炭素ナノ構造体を用いることが更に好ましい。3σ/Avが0.20超0.60未満の繊維状炭素ナノ構造体を使用すれば、製造される複合材料および成形体の性能を更に向上させることができる。
なお、繊維状炭素ナノ構造体の平均直径(Av)および標準偏差(σ)は、繊維状炭素ナノ構造体の製造方法や製造条件を変更することにより調整してもよいし、異なる製法で得られた繊維状炭素ナノ構造体を複数種類組み合わせることにより調整してもよい。
【0032】
そして、繊維状炭素ナノ構造体としては、前述のようにして測定した直径を横軸に、その頻度を縦軸に取ってプロットし、ガウシアンで近似した際に、正規分布を取るものが通常使用される。
【0033】
また、繊維状炭素ナノ構造体は、平均長さが、10μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましく、80μm以上であることがさらに好ましく、600μm以下であることが好ましく、550μm以下であることがより好ましく、500μm以下であることがさらに好ましい。繊維状炭素ナノ構造体の平均長さを上記範囲内とすれば、複合材料および成形体の特性(例えば、導電性、熱伝導性、強度など)十分に向上させることができる。
なお、本発明において、「繊維状炭素ナノ構造体」の平均長さは、走査型電子顕微鏡(SEM)画像上で、例えば、20本の繊維状炭素ナノ構造体について長さを測定し、個数平均値を算出することで求めることができる。
【0034】
更に、繊維状炭素ナノ構造体は、通常、アスペクト比が10超である。なお、繊維状炭素ナノ構造体のアスペクト比は、走査型電子顕微鏡または透過型電子顕微鏡を用いて、無作為に選択した繊維状炭素ナノ構造体20本の直径および長さを測定し、直径と長さとの比(長さ/直径)の平均値を算出することにより求めることができる。
【0035】
また、繊維状炭素ナノ構造体は、BET比表面積が、600m/g以上であることが好ましく、800m/g以上であることがより好ましく、2000m/g以下であることが好ましく、1800m/g以下であることがより好ましく、1600m/g以下であることが更に好ましい。繊維状炭素ナノ構造体のBET比表面積が600m/g以上であれば、少ない配合量で複合材料および成形体の特性(例えば、導電性、熱伝導性、強度など)を十分に高めることができる。また、繊維状炭素ナノ構造体のBET比表面積が2000m/g以下であれば、繊維状炭素ナノ構造体を含む組成物を混練した際にバンドル構造体を良好に解繊することができる。
【0036】
また、繊維状炭素ナノ構造体は、吸着等温線から得られるt−プロットが上に凸な形状を示すことが好ましい。なお、「t−プロット」は、窒素ガス吸着法により測定された繊維状炭素ナノ構造体の吸着等温線において、相対圧を窒素ガス吸着層の平均厚みt(nm)に変換することにより得ることができる。すなわち、窒素ガス吸着層の平均厚みtを相対圧P/P0に対してプロットした、既知の標準等温線から、相対圧に対応する窒素ガス吸着層の平均厚みtを求めて上記変換を行うことにより、繊維状炭素ナノ構造体のt−プロットが得られる(de Boerらによるt−プロット法)。
【0037】
ここで、表面に細孔を有する物質では、窒素ガス吸着層の成長は、次の(1)〜(3)の過程に分類される。そして、下記の(1)〜(3)の過程によって、t−プロットの傾きに変化が生じる。
(1)全表面への窒素分子の単分子吸着層形成過程
(2)多分子吸着層形成とそれに伴う細孔内での毛管凝縮充填過程
(3)細孔が窒素によって満たされた見かけ上の非多孔性表面への多分子吸着層形成過程
【0038】
そして、上に凸な形状を示すt−プロットは、窒素ガス吸着層の平均厚みtが小さい領域では、原点を通る直線上にプロットが位置するのに対し、tが大きくなると、プロットが当該直線から下にずれた位置となる。かかるt−プロットの形状を有する繊維状炭素ナノ構造体は、繊維状炭素ナノ構造体の全比表面積に対する内部比表面積の割合が大きく、繊維状炭素ナノ構造体を構成する炭素ナノ構造体に多数の開口が形成されていることを示している。
【0039】
なお、繊維状炭素ナノ構造体のt−プロットの屈曲点は、0.2≦t(nm)≦1.5を満たす範囲にあることが好ましく、0.45≦t(nm)≦1.5の範囲にあることがより好ましく、0.55≦t(nm)≦1.0の範囲にあることが更に好ましい。繊維状炭素ナノ構造体のt−プロットの屈曲点がかかる範囲内にあれば、少ない配合量で複合材料および成形体の特性(例えば、導電性、熱伝導性、強度など)を高めることができる。
なお、「屈曲点の位置」は、前述した(1)の過程の近似直線Aと、前述した(3)の過程の近似直線Bとの交点である。
【0040】
更に、繊維状炭素ナノ構造体は、t−プロットから得られる全比表面積S1に対する内部比表面積S2の比(S2/S1)が0.05以上0.30以下であるのが好ましい。繊維状炭素ナノ構造体のS2/S1の値がかかる範囲内であれば、少ない配合量で複合材料および成形体の特性(例えば、導電性、熱伝導性、強度など)を高めることができる。
ここで、繊維状炭素ナノ構造体の全比表面積S1および内部比表面積S2は、そのt−プロットから求めることができる。具体的には、まず、(1)の過程の近似直線の傾きから全比表面積S1を、(3)の過程の近似直線の傾きから外部比表面積S3を、それぞれ求めることができる。そして、全比表面積S1から外部比表面積S3を差し引くことにより、内部比表面積S2を算出することができる。
【0041】
因みに、繊維状炭素ナノ構造体の吸着等温線の測定、t−プロットの作成、および、t−プロットの解析に基づく全比表面積S1と内部比表面積S2との算出は、例えば、市販の測定装置である「BELSORP(登録商標)−mini」(日本ベル(株)製)を用いて行うことができる。
【0042】
更に、繊維状炭素ナノ構造体として好適なCNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、ラマン分光法を用いて評価した際に、Radial Breathing Mode(RBM)のピークを有することが好ましい。なお、三層以上の多層カーボンナノチューブのみからなる繊維状炭素ナノ構造体のラマンスペクトルには、RBMが存在しない。
【0043】
また、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、ラマンスペクトルにおけるDバンドピーク強度に対するGバンドピーク強度の比(G/D比)が0.5以上5.0以下であることが好ましい。G/D比が0.5以上5.0以下であれば、製造される複合材料および成形体の性能を更に向上させることができる。
【0044】
なお、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、特に限定されることなく、アーク放電法、レーザーアブレーション法、化学的気相成長法(CVD法)などの既知のCNTの合成方法を用いて製造することができる。具体的には、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、例えば、カーボンナノチューブ製造用の触媒層を表面に有する基材上に原料化合物およびキャリアガスを供給し、化学的気相成長法(CVD法)によりCNTを合成する際に、系内に微量の酸化剤(触媒賦活物質)を存在させることで、触媒層の触媒活性を飛躍的に向上させるという方法(スーパーグロース法;国際公開第2006/011655号参照)に準じて、効率的に製造することができる。なお、以下では、スーパーグロース法により得られるカーボンナノチューブを「SGCNT」と称することがある。
そして、スーパーグロース法により製造された繊維状炭素ナノ構造体は、SGCNTのみから構成されていてもよいし、SGCNTに加え、例えば、非円筒形状の炭素ナノ構造体等の他の炭素ナノ構造体を含んでいてもよい。
【0045】
そして、組成物中に含まれている繊維状炭素ナノ構造体の量は、特に限定されることなく、例えば、ポリマー100質量部当たり、0.01質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましく、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましい。繊維状炭素ナノ構造体の量が上記下限値以上であれば、複合材料および成形体の特性(例えば、導電性、熱伝導性、強度など)十分に向上させることができる。また、繊維状炭素ナノ構造体の量が上記上限値以下であれば、繊維状炭素ナノ構造体を含む組成物を混練した際にバンドル構造体を良好に解繊することができる。
【0046】
[有機溶媒]
有機溶媒としては、特に限定されることなく、任意の有機溶媒を用いることができる。なお、組成物が有機溶媒を含まない場合には、亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素がポリマーに溶解した効果により、混練時に繊維状炭素ナノ構造体のバンドル構造体がゆっくりと解繊され、有機溶媒を含む場合に比べて解繊され難くなるため、得られる複合材料において、ポリマーのマトリックス中で繊維状炭素ナノ構造体の良好な分散が得られない。
【0047】
中でも、有機溶媒としては、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトンなどの極性有機溶媒、および、シクロヘキサン、トルエンなどの非極性有機溶媒を用いることが好ましい。これらの有機溶媒を使用すれば、繊維状炭素ナノ構造体を更に良好に分散させることができるからである。
なお、これらの有機溶媒は、1種単独で、または、2種以上を混合して用いることができる。
【0048】
そして、組成物中に含まれている有機溶媒の量は、特に限定されることなく、例えば、ポリマー100質量部当たり、1.0質量部以上であることが好ましく、2.5質量部以上であることがより好ましく、2000質量部以下であることが好ましく、900質量部以下であることがより好ましい。有機溶媒の量が上記範囲内であれば、繊維状炭素ナノ構造体を含む組成物を混練した際にバンドル構造体を良好に解繊することができる。
【0049】
−ハンセン溶解度パラメータの距離Rp−
ここで、上記有機溶媒と、上述したポリマーとは、ハンセン溶解度パラメータの距離Rp(単位:MPa1/2)が、2.0以上であることが好ましく、2.8以上であることがより好ましく、16.0以下であることが好ましく、9.0以下であることがより好ましい。Rpが上記範囲内であれば、組成物の混練時に繊維状炭素ナノ構造体のバンドル構造体を良好に解繊し、ポリマーのマトリックス中で繊維状炭素ナノ構造体を更に良好に分散させることができる。
【0050】
−ハンセン溶解度パラメータの距離Rc−
また、上記有機溶媒と、上述した繊維状炭素ナノ構造体とは、ハンセン溶解度パラメータの距離Rc(単位:MPa1/2)が、4.0以上であることが好ましく、5.5以上であることがより好ましく、15.0以下であることが好ましく、6.5以下であることがより好ましい。Rcが上記範囲内であれば、組成物の混練時に繊維状炭素ナノ構造体のバンドル構造体を良好に解繊し、ポリマーのマトリックス中で繊維状炭素ナノ構造体を更に良好に分散させることができる。
【0051】
[添加剤]
添加剤としては、特に限定されることなく、分散剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、架橋剤、顔料、着色剤、発泡剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、軟化剤、粘着付与剤、可塑剤、離型剤、防臭剤、香料などを挙げることができる。
なお、これらの添加剤は、混練前の組成物に配合することなく、組成物を混練して複合材料を調製した後、溶融混練等を用いて当該複合材料に直接配合してもよい。
【0052】
<混練>
本発明の複合材料の製造方法において、上述した組成物の混練は、亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素雰囲気下で行う。
なお、混練時には、高い浸透性を示す亜臨界二酸化炭素または超臨界二酸化炭素の存在下で上述した組成物にせん断力が付与されるため、例えばボールミルなどを用いてバンドル構造体を破壊する場合などと比較して、繊維状炭素ナノ構造体の損傷を抑制しつつバンドル構造体を良好に解繊できると推察される。
【0053】
[亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素雰囲気]
ここで、「亜臨界状態の二酸化炭素」とは、圧力が二酸化炭素の臨界圧力(7.38MPa(絶対圧))以上であり、且つ、温度が二酸化炭素の臨界温度(31.1℃)未満である液体状態の二酸化炭素、または、圧力が二酸化炭素の臨界圧力未満であり、且つ、温度が二酸化炭素の臨界温度以上である液体状態の二酸化炭素、或いは、温度および圧力が共に二酸化炭素の臨界点未満ではあるが上記液体状態の二酸化炭素に近い状態の二酸化炭素をいう。
また、「超臨界状態の二酸化炭素」とは、圧力が二酸化炭素の臨界圧力以上であり、且つ、温度が二酸化炭素の臨界温度以上である状態の二酸化炭素をいう。
【0054】
そして、組成物の混練を行う亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素雰囲気の圧力(絶対圧)は、特に限定されることなく、例えば5MPa以上20MPa以下とすることができる。
また、組成物の混練を行う亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素雰囲気の温度は、特に限定されることなく、例えば25℃以上200℃以下とすることができる。
【0055】
[混練操作]
上述した組成物を亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素の存在下で混練する方法には、特に制限はない。例えば、同方向回転二軸混練機構などの混練機構および背圧調整弁を備える混練機内に、ポリマーと、繊維状炭素ナノ構造体と、有機溶媒と、任意の添加剤とを投入し、或いは、それらを予備混合してなる混合物を投入し、混練温度まで昇温した後、亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素を系内に供給して混練することができる。
なお、混練速度(混練スクリューの回転速度)は、特に限定されることなく、例えば、30rpm以上200rpm以下とすることができる。また、混練時間は、特に限定されることなく、例えば、30分以上5時間以下とすることができる。
【0056】
<二酸化炭素等の除去>
混練が終了した後は、背圧調整弁を用いて系内を減圧してから複合材料を回収することができる。なお、減圧時には、系内から二酸化炭素が除去され、任意に組成物に含まれていた有機溶媒の一部または全部も除去され得る。
なお、回収した複合材料は、任意に乾燥して複合材料中に残存している有機溶媒を更に除去してもよい。
【0057】
(成形体の製造方法)
本発明の複合材料の製造方法により製造した複合材料を用いた成形体の製造方法は、特に限定されることなく、ベルト、ホース、ガスケット、パッキン、オイルシールなどの種々の成形体を製造する際に用いることができる。そして、この成形体の製造方法は、本発明の複合材料の製造方法を用いて製造した複合材料を成形する工程を含むことを特徴とする。
【0058】
ここで、複合材料の成形は、特に限定されることなく、例えば、射出成形、押出成形、プレス成形、ロール成形などの任意の成形方法を用いて行うことができる。
【0059】
そして、この成形体の製造方法では、上述した複合材料を使用しているので、ポリマーのマトリックス中に繊維状炭素ナノ構造体が良好に分散してなる、導電性、熱伝導性、強度などの各種特性に優れる成形体を得ることができる。
【実施例】
【0060】
以下、本発明について実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0061】
(実施例1)
中立のニーディングブロックが配置されたバッチ式の同方向回転二軸混練機に、ポリマーとしてのテトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム(FEPM)100質量部と、有機溶媒としてのテトラヒドロフラン(THF)40質量部と、繊維状炭素ナノ構造体としてのSGCNT(ゼオンナノテクノロジー社製、製品名「ZEONANO SG101」、単層CNT、平均直径:3.5nm、平均長さ:400μm、BET比表面積:1050m/g)3.0質量部とを仕込み、60℃まで昇温した後、圧力15MPaの二酸化炭素を供給し、超臨界状態の二酸化炭素雰囲気下で2時間混練(回転速度:60rpm)した。そして、混練終了後、背圧調整弁を用いて系内を減圧し、複合材料を得た。
なお、FEPMとTHFとのハンセン溶解度パラメータの距離Rpは7.5MPa1/2であり、SGCNTとTHFとのハンセン溶解度パラメータの距離Rcは6.3MPa1/2であった。
また、得られた複合材料をテトラヒドロフランに1日以上浸漬してポリマーを溶解させた後、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のフィルター(孔径:0.5μm)でろ過してSGCNTを取り出した。そして、取り出したSGCNTを走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて未蒸着で観察および撮影した。得られたSEM写真を図1(a)に示す。
【0062】
(比較例1)
有機溶媒としてのテトラヒドロフラン(THF)を使用しなかった以外は実施例1と同様にして複合材料を調製した。そして、実施例1と同様にして複合材料中のSGCNTの観察および撮影を行った。得られたSEM写真を図1(b)に示す。
【0063】
図1(a)および(b)より、実施例1では、有機溶媒を使用しなかった比較例1と比較して、SGCNTが良好に解繊されており、FEPMのマトリックス中にSGCNTが良好に分散した複合材料が得られていることが分かる。
【0064】
(実施例2)
中立のニーディングブロックが配置されたバッチ式の同方向回転二軸混練機に、ポリマーとしてのポリスチレン(PS)100質量部と、有機溶媒としてのトルエン2.9質量部と、繊維状炭素ナノ構造体としてのSGCNT(ゼオンナノテクノロジー社製、製品名「ZEONANO SG101」、単層CNT、平均直径:3.5nm、平均長さ:400μm、BET比表面積:1050m/g)1.0質量部とを仕込み、180℃まで昇温した後、圧力12MPaの二酸化炭素を供給し、超臨界状態の二酸化炭素雰囲気下で2時間混練(回転速度:60rpm)した。そして、混練終了後、背圧調整弁を用いて系内を減圧し、複合材料を得た。
なお、PSとトルエンとのハンセン溶解度パラメータの距離Rpは8.3MPa1/2であり、SGCNTとトルエンとのハンセン溶解度パラメータの距離Rcは5.9MPa1/2であった。
また、得られた複合材料をトルエンに1日以上浸漬してポリマーを溶解させた後、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のフィルター(孔径:0.5μm)でろ過してSGCNTを取り出した。そして、取り出したSGCNTを走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて未蒸着で観察および撮影した。得られたSEM写真を図2(a)に示す。
【0065】
(比較例2)
有機溶媒としてのトルエンを使用しなかった以外は実施例2と同様にして複合材料を調製した。そして、実施例2と同様にして複合材料中のSGCNTの観察および撮影を行った。得られたSEM写真を図2(b)に示す。
【0066】
図2(a)および(b)より、実施例2では、有機溶媒を使用しなかった比較例2と比較して、SGCNTがより良好に解繊されており、PSのマトリックス中にSGCNTが良好に分散した複合材料が得られていることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明の複合材料の製造方法によれば、ポリマーのマトリックス中に繊維状炭素ナノ構造体が良好に分散した複合材料を得ることができる。
図1
図2