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特開2019-194692感エネルギー性組成物、硬化物、及びパターン形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-194692(P2019-194692A)
(43)【公開日】2019年11月7日
(54)【発明の名称】感エネルギー性組成物、硬化物、及びパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/038 20060101AFI20191011BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20191011BHJP
   G03F 7/075 20060101ALI20191011BHJP
   C08G 77/60 20060101ALI20191011BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20191011BHJP
   C07F 7/08 20060101ALN20191011BHJP
   C07F 9/24 20060101ALN20191011BHJP
   C07C 279/04 20060101ALN20191011BHJP
   C07D 311/86 20060101ALN20191011BHJP
   C07D 487/04 20060101ALN20191011BHJP
【FI】
   G03F7/038 601
   G03F7/004 503B
   G03F7/075 511
   C08G77/60
   G03F7/20 501
   C07F7/08 Z
   C07F9/24 F
   C07C279/04
   C07D311/86
   C07D487/04 150
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2019-81072(P2019-81072)
(22)【出願日】2019年4月22日
(31)【優先権主張番号】特願2018-86838(P2018-86838)
(32)【優先日】2018年4月27日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000220239
【氏名又は名称】東京応化工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000125370
【氏名又は名称】学校法人東京理科大学
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】野田 国宏
(72)【発明者】
【氏名】塩田 大
(72)【発明者】
【氏名】有光 晃二
【テーマコード(参考)】
2H197
2H225
4C050
4C062
4H006
4H049
4H050
4J246
【Fターム(参考)】
2H197CA03
2H197CE01
2H197HA04
2H197HA10
2H225AE29P
2H225AG00P
2H225AN59P
2H225CA21
2H225CB02
2H225CC01
2H225CC12
2H225CD05
4C050AA01
4C050BB08
4C050CC10
4C050EE02
4C050FF01
4C050GG01
4C050HH01
4C062HH25
4H006AA03
4H006AB92
4H049VN01
4H049VP10
4H049VQ07
4H049VR22
4H049VU25
4H049VW01
4H050AA03
4H050AB92
4J246AA06
4J246AA19
4J246AB01
4J246BB450
4J246BB452
4J246BB45X
4J246CA240
4J246CA249
4J246CA24X
4J246CA340
4J246CA349
4J246CA34X
4J246CA400
4J246CA409
4J246CA40X
4J246FA041
4J246FA161
4J246FA321
4J246FA431
4J246FC131
4J246FC211
4J246FE02
4J246FE04
4J246FE12
4J246FE23
4J246FE27
4J246GA01
4J246GC21
4J246GC51
4J246GD08
4J246HA15
4J246HA28
4J246HA63
(57)【要約】      (修正有)
【課題】硬化性に優れる感エネルギー性組成物、該組成物の硬化物、及びパターン形成方法の提供。
【解決手段】ポリシラン化合物を形成し得るシラン化合物モノマー、シラン化合物オリゴマー及びポリシラン化合物よりなる群から選択される少なくとも1種のシラン化合物(A)、並びにpKa24以上の塩基を発生する下記式(1)で表される塩基発生剤(B)を含む感エネルギー性組成物。

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリシラン化合物を形成し得るシラン化合物モノマー、シラン化合物オリゴマー及びポリシラン化合物よりなる群から選択される少なくとも1種のシラン化合物(A)、並びに下記式(1)で表される塩基発生剤(B)を含む感エネルギー性組成物。
【化1】
(上記式中、R〜R11はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、又はアルコキシ基を表し、また、R及びRは単結合又は2価の連結基を介して互いに連結していてもよく、Zq+はpKa24以上の塩基から構成されるq価の対カチオンを表し、qは1以上の整数を表す。)
【請求項2】
前記対カチオンがホスファゼン化合物カチオン及びアミジン化合物カチオンよりなる群から選択される少なくとも1つのカチオンを含む、請求項1に記載の感エネルギー性組成物。
【請求項3】
前記ホスファゼン化合物カチオンを構成するホスファゼン化合物が下記式(b1)で表される化合物又は下記式(b1)で表される構造の少なくとも2つが互いに連結してなる化合物であり、前記アミジン化合物カチオンを構成するアミジン化合物が下記式(b2)で表される化合物である、請求項2に記載の感エネルギー性組成物。
【化2】
(上記式(b1)中、Rb1〜Rb7はそれぞれ独立して、水素又はヘテロ原子を含んでいてもよい1価の有機基を表し、Rb1〜Rb7のうちの少なくとも2つが互いに結合して環を形成していてもよい。)
(上記式(b2)中、Rb11〜Rb14はそれぞれ独立して、水素又はヘテロ原子を含んでいてもよい1価の有機基を表し、Rb11〜Rb14のうちの少なくとも1つはヘテロ原子を含んでいてもよい1価の有機基を表し、Rb11〜Rb14のうちの少なくとも2つが互いに結合して環を形成していてもよい。)
【請求項4】
前記シラン化合物モノマーが下記式(a)で表される化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感エネルギー性組成物。

n1SiR4−n1 (a)

(式中、n1は2以上4以下の整数であり、n1個のXは、各々独立に、ハロゲン原子であり、(4−n1)個のRは、各々独立に、水素原子、水酸基、有機基又はシリル基である。)
【請求項5】
更に酸を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感エネルギー性組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の感エネルギー性組成物の硬化物。
【請求項7】
基板上に請求項1〜5のいずれか1項に記載の感エネルギー性組成物を適用して膜を形成すること、及び前記膜を露光することを含むパターン形成方法。
【請求項8】
前記露光後、更に現像してパターンを形成することを含む、請求項7に記載のパターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性に優れる感エネルギー性組成物、該組成物の硬化物、及び該組成物を用いたパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ケイ素とケイ素との結合を有するポリシラン化合物は、セラミックス前駆体、光電子材料(例えば、フォトレジスト、有機感光体などの光電子写真材料、光導波路などの光伝送材料、光メモリなどの光記録材料、エレクトロルミネッセンス素子用材料)、種々の素子における層間絶縁膜、LED素子や有機EL素子のような発光素子の封止材料、半導体基板への不純物拡散用の塗布膜、及び半導体プロセス用のギャップフィル材料などの用途で使用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ポリシラン化合物を含む組成物が開示されている。
ポリシラン化合物を含む組成物の硬化性及びパターニングには未だ改善の余地があり、ポリシラン化合物を含む組成物の硬化に良好な硬化剤の開発が求められている。
一方、光塩基発生剤は、量子収率、光塩基発生剤を含む組成物の保存安定性などに改善の余地があったが、特定の構造を有することにより量子収率などが改善された光塩基発生剤が開発されつつある(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2017/007010A1号
【特許文献2】WO2014/208632A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、硬化性に優れる感エネルギー性組成物、該組成物の硬化物、及び該組成物を用いたパターン形成方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、ポリシラン系化合物及びpKa24以上の塩基から構成される対カチオンと、特定の構造のアニオンとを含む塩基発生剤を含有する感エネルギー性組成物が硬化性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明の第1の態様は、ポリシラン化合物を形成し得るシラン化合物モノマー、シラン化合物オリゴマー及びポリシラン化合物よりなる群から選択される少なくとも1種のシラン化合物(A)、並びに下記式(1)で表される塩基発生剤(B)を含む感エネルギー性組成物である。
【化1】
(上記式中、R〜R11はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、又はアルコキシ基を表し、また、R及びRは単結合又は2価の連結基を介して互いに連結していてもよく、Zq+はpKa24以上の塩基から構成されるq価の対カチオンを表し、qは1以上の整数を表す。)
【0008】
本発明の第2の態様は、第1の態様に係る感エネルギー性組成物の硬化物である。
【0009】
本発明の第3の態様は、基板上に第1の態様に係る感エネルギー性組成物を適用して膜を形成すること、及び上記膜を露光することを含むパターン形成方法である。
【発明の効果】
【0010】
第1の態様に係る感エネルギー性組成物は硬化性に優れ、特に硬化物の残膜性に優れる。
また、第1の態様に係る感エネルギー性組成物は、パターニング時には、コントラスト(例えば、露光時には露光部と未露光部とのコントラスト)に優れる。
また、本発明によれば、該組成物の硬化物、及び該組成物を用いたパターン形成方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施態様について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施態様に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
また、本明細書において、「〜」は特に断りがなければ以上から以下を表す。
【0012】
≪感エネルギー性組成物≫
第1の態様に係る感エネルギー性組成物は、ポリシラン化合物を形成し得るシラン化合物モノマー、シラン化合物オリゴマー及びポリシラン化合物よりなる群から選択される少なくとも1種のシラン化合物(A)、並びに下記式(1)で表される塩基発生剤(B)を含む。
【化2】
(上記式中、R〜R11はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、又はアルコキシ基を表し、また、R及びRは単結合又は2価の連結基を介して互いに連結していてもよく、Zq+はpKa24以上の塩基から構成されるq価の対カチオンを表し、qは1以上の整数を表す。)
【0013】
上記式(1)で表される塩基発生剤(B)は、光又は熱(好ましくは光)などにより分解(例えば、脱炭酸反応)し塩基を発生し得る。
上記少なくとも1種のシラン化合物(A)は、上記発生した塩基の作用により、重合反応、高分子量化などが進行し得、硬化し得る。
【0014】
上記式(1)で表される塩基発生剤において、アニオン部分が、下記スキームに表されるエノール互変異体も存在し得る。
第1の態様に係る塩基発生剤は、アニオン部分が下記エノール互変異体である化合物も包含するものとする。
【化3】
以下各成分について説明する。
【0015】
<ポリシラン化合物を形成し得るシラン化合物モノマー、シラン化合物オリゴマー及びポリシラン化合物よりなる群から選択される少なくとも1種のシラン化合物(A)>
[ポリシラン化合物を形成し得るシラン化合物モノマー]
上記シラン化合物モノマーは下記式(a)で表される化合物であることが好ましい。

n1SiR4−n1 (a)

(式中、n1は2以上4以下の整数であり、n1個のXは、各々独立に、ハロゲン原子であり、(4−n1)個のRは、各々独立に、水素原子、水酸基、有機基又はシリル基である。)
【0016】
Xで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられ、塩素原子又は臭素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
【0017】
Rで表される有機基としては、アルキル基[メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル及びt−ブチル基などの炭素原子数1以上10以下のアルキル基(好ましくは炭素原子数1以上6以下のアルキル基、特に炭素原子数1以上4以下のアルキル基など)]、シクロアルキル基(シクロヘキシル基などの炭素原子数5以上8以下のシクロアルキル基、特に炭素原子数5又は6のシクロアルキル基)、アルケニル基[エテニル基、プロペニル基、ブテニル基などの炭素原子数2以上10以下のアルケニル基(好ましくは炭素原子数2以上6以下のアルケニル基、特に炭素原子数2以上4以下のアルケニル基など)]、シクロアルケニル基[1−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基などの炭素原子数5以上10以下のシクロアルケニル基(好ましくは炭素原子数5以上8以下のシクロアルケニル基、特に炭素原子数5以上7以下のシクロアルケニル基など)]、アリール基(フェニル、ナフチル基などの炭素原子数6以上10以下のアリール基)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ナフトキシ基などの炭素原子数6以上10以下のアリールオキシ基)アラルキル基[ベンジル、フェネチル基などの炭素原子数6以上10以下のアリール基を有する炭素原子数1以上6以下のアルキル基(炭素原子数6以上10以下のアリール基を有する炭素原子数1以上4以下のアルキル基など)]、アミノ基、N−置換アミノ基(上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基などで置換されたN−モノ又はジ置換アミノ基など)などが挙げられる。上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を構成するアリール基などは、1又は複数の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、上記例示のアルキル基(特に炭素原子数1以上6以下のアルキル基など)などが挙げられる。このような置換基を有する有機基としては、例えば、トリル基(メチルフェニル基)、キシレニル基(ジメチルフェニル基)、エチルフェニル基、メチルナフチル基などの炭素原子数1以上6以下のアルキル基を有する炭素原子数6以上10以下のアリール基(好ましくは炭素原子数1以上4以下のアルキル基を1以上3以下有する炭素原子数6以上10以下のアリール基、特に炭素原子数1以上4以下のアルキル基を1又は2つ有するフェニル基など)などが挙げられる。
【0018】
シリル基は、上記アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基、アラルキル基及びアルコキシ基などで置換された置換シリル基が挙げられる。
【0019】
n1が2の場合(ジハロシラン化合物モノマー)において、Rとしては、アルキル基、アリール基などの炭化水素基が好ましい。少なくとも1つのRが、アリール基であってもよい。
【0020】
代表的なジハロシラン化合物としては、例えば、ジアルキルジハロシラン(ジメチルジクロロシランなどのジC1−10アルキルジハロシラン、好ましくはジC1−6アルキルジハロシラン、さらに好ましくはジC1−4アルキルジハロシランなど)、モノアルキルモノアリールジハロシラン(メチルフェニルジクロロシランなどのモノC1−10アルキルモノC6−12アリールジハロシラン、好ましくはモノC1−6アルキルモノC6−10アリールジハロシラン、さらに好ましくはモノC1−4アルキルモノC6−8アリールジハロシランなど)、ジアリールジハロシラン(ジフェニルジクロロシランなどのジC6−12アリールジハロシラン、好ましくはジC6−10アリールジハロシラン、さらに好ましくはジC6−8アリールジハロシランなど)、モノアルキルモノアリールオキシジハロシラン(メチルフェノキシジクロロシランなどのモノC1−10アルキルモノC6−12アリールオキシジハロシラン、好ましくはモノC1−6アルキルモノC6−10アリールオキシジハロシラン、さらに好ましくはモノC1−4アルキルモノC6−8アリールオキシジハロシランなど)、ジアリールオキシジハロシラン(ジフェノキシジクロロシランなどのジC6−12アリールオキシジハロシラン、好ましくはジC6−10アリールオキシジハロシラン、さらに好ましくはジC6−8アリールオキシジハロシランなど)などが挙げられる。ジハロシラン化合物としてはジアルキルジハロシラン又はモノアルキルモノアリールジハロシランが好ましい。ジハロシラン化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0021】
n1が3の場合(トリハロシラン化合物モノマー)において、Rとしては、アルキル基、シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、アラルキル基などの炭化水素基が好ましく、特にアルキル基又はアリール基が好ましく、アリール基がより好ましい。
【0022】
代表的なトリハロシラン化合物としては、アルキルトリハロシラン(メチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、t−ブチルトリクロロシラン、ヘキシルトリクロロシランなどのC1−10アルキルトリハロシラン、好ましくはC1−6アルキルトリハロシラン、さらに好ましくはC1−4アルキルトリハロシランなど)、シクロアルキルトリハロシラン(シクロヘキシルトリハロシランなどのモノC6−10シクロアルキルトリハロシランなど)、アリールトリハロシラン(フェニルトリクロロシラン、トリルトリクロロシラン、キシリルトリクロロシランなどのC6−12アリールトリハロシラン、好ましくはC6−10アリールトリハロシラン、さらに好ましくはC6−8アリールトリハロシランなど)、アリールオキシトリハロシラン(フェノキシトリクロロシラン、トリルオキシトリクロロシラン、キシリルオキシトリクロロシランなどのC6−12アリールオキシトリハロシラン、好ましくはC6−10アリールオキシトリハロシラン、さらに好ましくはC6−8アリールオキシトリハロシランなど)などが挙げられる。トリハロシラン化合物には、アルキルトリハロシラン又はアリールトリハロシランが好ましい。
トリハロシラン化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0023】
n1が4の場合(テトラハロシラン化合物モノマー)の具体例としては、例えば、テトラクロロシラン、ジブロモジクロロシラン、テトラブロモシランなどが挙げられる。テトラハロシラン化合物は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
なお、テトラハロシラン化合物は、モノ、ジ又はトリハロシラン化合物と組み合わせて使用することが好ましい。
【0024】
また、ハロシラン化合物としてはモノハロシラン化合物であってもよい。代表的なモノハロシランとしては、例えば、トリアルキルモノハロシラン(トリメチルクロロシランなどのトリC1−10アルキルモノハロシラン、好ましくはトリC1−6アルキルモノハロシラン、さらに好ましくはトリC1−4アルキルモノハロシランなど)、ジアルキルモノアリールモノハロシラン(ジメチルフェニルクロロシランなどのジC1−10アルキルモノC6−12アリールモノハロシラン、好ましくはジC1−6アルキルモノC6−10アリールモノハロシラン、さらに好ましくはジC1−4アルキルモノC6−8アリールモノハロシランなど)、モノアルキルジアリールモノハロシラン(メチルジフェニルクロロシランなどのモノC1−10アルキルジC6−12アリールモノハロシラン、好ましくはモノC1−6アルキルジC6−10アリールモノハロシラン、さらに好ましくはモノC1−4アルキルジC6−8アリールモノハロシランなど)、トリアリールモノハロシラン(トリフェニルクロロシランなどのトリC6−12アリールモノハロシラン、好ましくはトリC6−10アリールモノハロシラン、さらに好ましくはトリC6−8アリールモノハロシランなど)、ジアルキルモノアリールオキシモノハロシラン(ジメチルフェノキシクロロシランなどのジC1−10アルキルモノC6−12アリールオキシモノハロシラン、好ましくはジC1−6アルキルモノC6−10アリールオキシモノハロシラン、さらに好ましくはジC1−4アルキルモノC6−8アリールオキシモノハロシランなど)、モノアルキルジアリールオキシモノハロシラン(メチルジフェノキシクロロシランなどのモノC1−10アルキルジC6−12アリールオキシモノハロシラン、好ましくはモノC1−6アルキルジC6−10アリールオキシモノハロシラン、さらに好ましくはモノC1−4アルキルジC6−8アリールオキシモノハロシランなど)、トリアリールオキシモノハロシラン(トリフェノキシクロロシランなどのトリC6−12アリールオキシモノハロシラン、好ましくはトリC6−10アリールオキシモノハロシラン、さらに好ましくはトリC6−8アリールオキシモノハロシランなど)などが挙げられる。モノハロシラン化合物は、単独で又は二種以上組合せて使用できる。
【0025】
これらのシラン化合物モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0026】
シラン化合物モノマーは、ジハロシラン化合物モノマー及びトリハロシラン化合物モノマーから選択された少なくとも1種を含んでいることが好ましい。
【0027】
なお、シラン化合物モノマーが、トリハロシラン化合物モノマー及び/又はテトラハロシラン化合物モノマーを含む場合、ネットワーク状(網目状又は分岐鎖状)のポリシラン化合物を生成し得る。ネットワーク状のポリシラン化合物を得る場合、代表的なハロシランモノマー(又はその組み合わせ)としては、(a)アルキルトリハロシラン(例えば、アルキルトリハロシラン単独、メチルトリハロシランとC2−10アルキルトリハロシランとの組み合わせ、C2−10アルキルトリハロシランなど)、(b)アリールトリハロシラン(例えば、アリールトリハロシラン単独)、(c)アリールトリハロシランとジハロシラン(例えば、モノアルキルモノアリールジハロシランなど)との組み合わせなどが挙げられる。
【0028】
ハロシラン化合物において、ジハロシラン化合物モノマー及びトリハロシラン化合物モノマーから選択された少なくとも1種の割合(使用割合)は、シラン化合物モノマー全体に対して、50モル%以上(例えば、60モル%以上)、好ましくは70モル%以上(例えば、80モル%以上)、さらに好ましくは90モル%以上(例えば、95モル%以上)であってもよい。
【0029】
なお、ネットワーク状のポリシランを得る場合などにおいて、トリハロシラン化合物モノマーの割合(使用割合)は、シラン化合物モノマー全体の30モル%以上(例えば、40モル%以上)、好ましくは50モル%以上(例えば、60モル%以上)、さらに好ましくは70モル%以上(例えば、75モル%以上)、特に80モル%以上であってもよい。
【0030】
また、ジハロシラン化合物モノマーとトリハロシラン化合物モノマーとを組み合わせる場合、これらの割合は、ジハロシラン化合物モノマー/トリハロシラン化合物モノマー(モル比)=99/1〜1/99、好ましくは90/10〜2/98(例えば、85/15〜2/98)、さらに好ましくは80/20〜3/97(例えば、70/30〜4/96)、特に60/40〜5/95(例えば、50/50〜7/93)であってもよく、通常50/50〜5/95(例えば、45/55〜7/93、好ましくは40/60〜10/90、さらに好ましくは30/70〜88/12)であってもよい。
【0031】
ハロシラン化合物モノマーは、できるだけ高純度であることが好ましい。例えば、液体のハロシラン化合物については、水素化カルシウムなどの乾燥剤を用いて乾燥し、蒸留して使用することが好ましく、固体のハロシラン化合物については、再結晶法などにより、精製して使用することが好ましい。
【0032】
[ポリシラン化合物を形成し得るシラン化合物オリゴマー]
上記シラン化合物モノマーの少なくとも2つが任意の方法で重合したオリゴマーが挙げられ、上記シラン化合物モノマー2個以上20個以下が重合したオリゴマーが好ましく、上記シラン化合物モノマー3個以上10個以下が重合したオリゴマーがより好ましく、上記シラン化合物モノマー4個以上9個以下が重合したオリゴマーが更に好ましく、上記シラン化合物モノマー5個以上8個以下が重合したオリゴマーが特に好ましい。
【0033】
シラン化合物オリゴマーの質量平均分子量(Mw)としては、本発明の目的を阻害しない限り特に制限はないが、ポリスチレン換算で200以上2000以下が好ましく、300以上1000以下がより好ましく、400以上900以下が更に好ましく、500以上800以下が特に好ましい。
異なる質量平均分子量のシラン化合物オリゴマーを2種以上混合してもよい。
【0034】
上記シラン化合物オリゴマーの製造方法としては、例えば、(a)マグネシウムを還元剤として上記シラン化合物モノマーを脱ハロゲン縮重合させる方法(「マグネシウム還元法」、WO98/29476号公報、特開2003−277507号公報に記載の方法など)、(b)金属ナトリウムなどのアルカリ金属を用いてトルエン溶媒中のジアルキルジハロシランあるいはジハロテトラアルキルジシランを100℃以上の温度で強力に撹拌し、還元的にカップリングさせる方法[J.Am.Chem.Soc.,103(1981)7352]、(c)ビフェニルなどでマスクしたジシレンをアニオン重合させる方法(特開平1−23063号公報)、(d)環状シラン類を開環重合させる方法(特開平5−170913号公報)、(e)ヒドロシラン類を遷移金属錯体触媒により脱水素縮重合させる方法(特公平7−17753号公報)、(f)ジハロシラン類を室温以下の温度で電極還元して製造する方法(特開平7−309953号公報)などが挙げられ、マグネシウム還元法であることが好ましい。
シラン化合物オリゴマーは、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0035】
[ポリシラン化合物]
ポリシラン化合物の構造は特に限定されない。ポリシラン化合物は直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、網目状であっても、環状であってもよいが、直鎖状又は分岐鎖状の鎖状構造が好ましい。
ポリシラン化合物は、シラノール基、又はケイ素原子に結合するアルコキシ基を含有していてもよい。
ポリシラン化合物としては、Si原子数6以上40以下のポリシラン化合物が挙げられ、Si原子数10以上30以下のポリシラン化合物であることが好ましい。
ポリシラン化合物としては、下記一般式(A1)で表されるポリシラン構造のうちの少なくとも1種を含むことが好ましく、下記一般式(A1−1)で表されるポリシラン構造を含むことがより好ましい。
【化4】
(上記一般式(A1)中、Ra1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基又は有機基を表し、Ra4は、それぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表す。*は結合手を表す。)
【化5】
(上記一般式(A1−1)中、*、Ra1及びRa2は一般式(A1)と同義である。)
a1〜Ra3で表される有機基の具体例及び好ましい例としてはRで表される有機基の具体例及び好ましい例として前述したものと同様である。
a4に係るアルキル基としては炭素原子数1以上6以下のアルキル基が挙げられ、炭素原子数1以上4以下のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。
a4に係るアリール基としては炭素原子数6以上10以下のアリール基が挙げられ、フェニル基又はナフチル基が好ましい。
ポリシラン化合物は、下記一般式(A−2−1)及び(A−2−2)で表されるポリシラン化合物よりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
(Ra21a22a23Si)a1(Ra24a25Si)a2(Ra26Si)a3(Si)a4 (A−2−1)
(上記一般式中、Ra21、Ra22、Ra23、Ra24、Ra25及びRa26は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基又は有機基である。a1、a2、a3及びa4は、それぞれ独立に、モル分率であり、a1+a2+a3+a4=1、0≦a1≦1、0≦a2≦1、0≦a3≦1及び0≦a4≦1である。)
【化6】
(上記一般式(A−2−2)中、Ra31及びRa32は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基又は有機基を表す。n2は3以上20以下の整数を表す。)、
a21〜Ra26、Ra31及びRa32で表される有機基としては、Rで表される有機基として前述した具体例及び好ましい例と同様のものが挙げられる。
a21〜Ra26、Ra31及びRa32で表される有機基としては、例えば、特開2003−261681号公報段落0031に記載の方法により任意の有機基を導入し得る。
【0036】
上記ポリシラン化合物は、種々のポリシランの製造方法を適用又は応用することにより調製できる。
例えば、(a)マグネシウムを還元剤として上記シラン化合物モノマーを脱ハロゲン縮重合させる方法(「マグネシウム還元法」、WO98/29476号公報、特開2003−277507号公報に記載の方法など)、(b)金属ナトリウムなどのアルカリ金属を用いてトルエン溶媒中のジアルキルジハロシランあるいはジハロテトラアルキルジシランを100℃以上の温度で強力に撹拌し、還元的にカップリングさせる方法[J.Am.Chem.Soc.,103(1981)7352]、(c)ビフェニルなどでマスクしたジシレンをアニオン重合させる方法(特開平1−23063号公報)、(d)環状シラン類を開環重合させる方法(特開平5−170913号公報)、(e)ヒドロシラン類を遷移金属錯体触媒により脱水素縮重合させる方法(特公平7−17753号公報)、(f)ジハロシラン類を室温以下の温度で電極還元してポリシランを製造する方法(特開平7−309953号公報)などが挙げられ、マグネシウム還元法であることが好ましい。
【0037】
上記ポリシラン化合物としては、大阪ガスケミカル製のオグソールSI−10−10(ポリメチルフェニルシラン)、SI−10−20(ポリメチルフェニルシラン)、SI−20−10(ポリフェニルシラン)、SI−20−10改(ポリフェニルシラン)、SI−30−10(環状ポリジフェニルシラン)などの市販品を用いることもできる。また、これらを下記塩基性条件下で反応させて低分子量化したものを用いてもよい。
【0038】
ポリシラン化合物の質量平均分子量(Mw)としては、本発明の目的を阻害しない限り特に制限はないが、ポリスチレン換算で600以上20000以下が好ましく、1000以上10000以下がより好ましく、1200以上5000以下が更に好ましい。異なる質量平均分子量のポリシラン化合物を2種以上混合してもよい。
【0039】
上記シラン化合物モノマー、シラン化合物オリゴマー及びポリシラン化合物は、各々を単独で使用してもよいが、上記シラン化合物モノマー、シラン化合物オリゴマー及びポリシラン化合物よりなる群から選択される少なくとも2つの混合物であってもよい。
【0040】
上記感エネルギー性組成物中の、上記シラン化合物モノマー、シラン化合物オリゴマー及びポリシラン化合物の含有量は特に制限はない。製膜性の点から、上記シラン化合物モノマー、シラン化合物オリゴマー及びポリシラン化合物の含有量(上記シラン化合物モノマー、シラン化合物オリゴマー及びポリシラン化合物のうち複数種を含有する場合には、その合計の含有量)は、組成物全体(溶剤を除く。)の質量に対して、10質量%以上99質量%以下が好ましく、50質量%以上98質量%以下がより好ましく、60質量%以上95質量%以下が特に好ましい。
【0041】
ポリシラン化合物と、ポリシロキサン化合物とは、機能及び性質が異なり、例えば、ポリシロキサン化合物は、疎水性及び電気絶縁性の改善の余地がある。
上記式(a)におけるXがアルコキシ基である化合物は、ポリシロキサン化合物を形成し得ることから、上記シラン化合物モノマーには含まないことが好ましい。
上記式(a)におけるXがアルコキシ基である化合物から形成され得るポリシロキサン化合物も第1の態様に係るポリシラン化合物には含まないことが好ましい。
【0042】
<上記式(1)で表される塩基発生剤(B)>
〜R11に係るハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられ、塩素原子又は臭素原子が好ましい。
〜R11に係るアルキル基としては、置換基を有していてもいなくてもよく、直鎖状、分枝状もしくは環状のいずれであってもよく、炭素原子数1以上12以下(好ましくは炭素原子数1以上10以下、より好ましくは炭素原子数1以上6以下)のアルキル基が挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、ネオヘキシル基、2−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、ネオヘプチル基、シクロヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、ネオオクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロオクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、ネオノニル基、シクロノニル基、n−デシル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、ネオデシル基、シクロデシル基、n−ウンデシル基、シクロウンデシル基、n−ドデシル基、シクロドデシル基、ノニルボニル基(ノルボルナン−χ−イル基)、ボルニル基(ボルナン−χ−イル基)、メンチル基(メンタ−χ−イル基)、アダマンチル基、デカヒドロナフチル基などが挙げられる。
【0043】
上述したアルキル基のなかでも、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基などの炭素原子数1以上4以下の直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキル基が好ましく、そのなかでも、炭素原子数1のアルキル基であるメチル基がさらに好ましい。
【0044】
〜R11に係るアリール基としては、単環式もしくは縮合多環式のいずれであってもよく、置換基を有していてもいなくてもよく、炭素原子数6以上14以下のアリール基が挙げられ、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基(アントリル基)、フェナントレニル基(フェナントリル基)などが挙げられ、なかでも、例えばフェニル基、ナフチル基などの炭素原子数6以上10以下のアリール基が好ましく、そのなかでも、炭素原子数6のアリール基であるフェニル基がより好ましい。
【0045】
〜R11に係るアリールアルキル基としては、置換基を有していてもいなくてもよく、単環式もしくは縮合多環式のいずれであってもよく、炭素原子数7以上15以下のアリールアルキル基が挙げられ、ベンジル基、フェネチル基、メチルベンジル基、フェニルプロピル基、1-メチルフェニルエチル基、フェニルブチル基、2-メチルフェニルプロピル基、テトラヒドロナフチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、インデニル基、フルオレニル基、アントラセニルメチル基(アントリルメチル基)、フェナントレニルメチル基(フェナントリルメチル基)などが挙げられ、なかでも、炭素原子数7のアリールアルキル基であるベンジル基が好ましい。
【0046】
〜R11に係るアルコキシ基としては、置換基を有していてもいなくてもよく、直鎖状、分枝状もしくは環状のいずれであってもよく、炭素原子数1以上12以下(好ましくは炭素原子数1以上6以下、より好ましくは炭素原子数1以上4以下)のアルコキシ基が挙げられ、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、シクロブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2−メチルブトキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、1−エチルプロポキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、ネオヘキシルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基、1−エチルブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、ネオヘプチルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、ネオオクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、ネオノニルオキシ基、シクロノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基、ネオデシルオキシ基、シクロデシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、シクロウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、ノルボルニルオキシ基(ノルボルナン−χ−イルオキシ基)、ボルニルオキシ基(ボルナン−χ−イルオキシ基)、メンチルオキシ基(メンタ−χ−イルオキシ基)、アダマンチルオキシ基、デカヒドロナフチルオキシ基などが挙げられ、なかでも、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、シクロブトキシ基などの炭素原子数1以上4以下の直鎖状、分枝状もしくは環状のアルコキシ基が好ましく、そのなかでも、炭素原子数1のアルコキシ基であるメトキシ基がより好ましい。
【0047】
及びRは単結合又は2価の連結基を介して互いに連結していてもよい。
上記2価の連結基としては、アルキレン基、酸素原子又はイオウ原子が挙げられ、酸素原子が好ましい。
上記アルキレン基としては、置換基を有していてもいなくてもよく、直鎖状又は分枝状の炭素原子数1以上4以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、イソプロピレン基などが挙げられる。
〜R11としては、水素原子及び炭素原子数1以上12以下のアルキル基がより好ましく、そのなかでも、水素原子がさらに好ましい。
また、R及びRは2価の連結基を介して互いに連結していることも好ましい。
qとしては、1以上3以下の整数であることが好ましく、1又は2の整数であることがより好ましく、1であることがさらに好ましい。
【0048】
上記アニオン部分の好ましい具体例を以下例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【化7】
【0049】
q価の対カチオンZq+はpKa24(共役酸のpKa)以上(好ましくは25以上であり、より好ましくは28以上、さらに好ましくは30以上)の塩基から構成される。
これにより、露光時に強塩基が発生し、良好な硬化性を達成することができ、好ましくはパターニングのコントラスト(露光部と未露光部とのコントラスト)を向上させることができる。
pKaの上限値としては特に制限はないが、例えば、50以下が挙げられ、好ましくは45以下であり、より好ましくは40以下、特に好ましくは35以下である。
【0050】
ここで、「pKa」とは、アセトニトリル(CHCN)溶媒中でのpKaのことを表し、例えば、化学便覧(II)(改訂4版、1993年、日本化学会編、丸善株式会社)に記載のものであり、この値が低いほど酸強度が大きいことを示している。CHCN中でのpKaは、ハメットの置換基定数及び公知文献値のデータベースに基づいた値を、計算により求めることもできる(J.Org.Chem.2016,81,7349−7361)。
【0051】
q価の対カチオンZq+を構成する上記pKa24以上の塩基としては、pKa24以上である限り特に制限はないが、有機塩基又は無機塩基が挙げられ、有機塩基が好ましい。
【0052】
上記pKa24以上の塩基が、塩基性及び、ケイ素原子に対する求核性の観点から、ホスファゼン化合物及びアミジン化合物よりなる群から選択される少なくとも1つの塩基を含むことが好ましく、すなわち、上記q価の対カチオンZq+がホスファゼン化合物カチオン及びアミジン化合物カチオンよりなる群から選択される少なくとも1つのカチオンを含むことが好ましい。
【0053】
(ホスファゼン化合物)
ここで「ホスファゼン化合物」とは「分子中に−P=N−結合を有する有機化合物」をいう。
上記ホスファゼン化合物における−P=N−結合数としてはpKa24以上となる限り特に制限はないが、1以上10以下が挙げられ、1以上6以下が好ましく、1以上5以下がより好ましく、2以上4以下が更に好ましく、2又は3が特に好ましく、2が最も好ましい。
上記ホスファゼン化合物としては、下記式(b1)で表される化合物又は下記式(b1)で表される構造の少なくとも2つが互いに連結してなる化合物が好ましく、下記式(b1)で表される構造の少なくとも2つが互いに連結してなる化合物がより好ましい。
【化8】
(上記式(b1)中、Rb1〜Rb7はそれぞれ独立して、水素又はヘテロ原子を含んでいてもよい1価の有機基を表し、Rb1〜Rb7のうちの少なくとも2つが互いに結合して環を形成していてもよい。)
b1〜Rb7に係るヘテロ原子を含んでいてもよい1価の有機基は、炭素原子数1以上20以下であることが好ましく、炭素原子数1以上10以下であることがより好ましく、炭素原子数1以上6以下であることが更に好ましい。
上記有機基としては、ヘテロ原子を含んでいてもよい、アルキル基、アリールアルキル基などが挙げられる。
ヘテロ原子を含んでいてもよい上記アルキル基としては、直鎖状、分枝状もしくは環状のいずれであってもよく、炭素原子数1以上12以下(好ましくは炭素原子数1以上10以下、より好ましくは炭素原子数1以上6以下)のアルキル基が挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、ネオヘキシル基、2−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、ネオヘプチル基、シクロヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、ネオオクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロオクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、ネオノニル基、シクロノニル基、n−デシル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、ネオデシル基、シクロデシル基、n−ウンデシル基、シクロウンデシル基、n−ドデシル基、シクロドデシル基、ノニルボニル基(ノルボルナン−χ−イル基)、ボルニル基(ボルナン−χ−イル基)、メンチル基(メンタ−χ−イル基)、アダマンチル基、デカヒドロナフチル基などが挙げられる。
【0054】
上述したアルキル基のなかでも、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基などの炭素原子数1以上4以下の直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキル基が好ましい。
【0055】
ヘテロ原子を含んでいてもよい上記アリールアルキル基としては、炭素原子数7以上15以下のアリールアルキル基が挙げられ、ベンジル基、フェネチル基、メチルベンジル基、フェニルプロピル基、1-メチルフェニルエチル基、フェニルブチル基、2-メチルフェニルプロピル基、テトラヒドロナフチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、インデニル基、フルオレニル基、アントラセニルメチル基(アントリルメチル基)、フェナントレニルメチル基(フェナントリルメチル基)などが挙げられ、なかでも、炭素原子数7のアリールアルキル基であるベンジル基が好ましい。
【0056】
b1〜Rb7に係る1価の有機基が有し得るヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、リン原子又はイオウ原子が挙げられ、炭素原子と結合していることが好ましく、カルボキシル基又はスルホン基などの酸官能基を構成しないことが好ましい。
b7は水素原子ではないことが好ましい。
b1〜Rb7のうちの少なくとも2つが形成し得る環としては五員環、六員環又は七員環が挙げられ、好ましくは六員環である。
【0057】
上記式(b1)で表される構造の少なくとも2つが互いに連結してなる化合物としては、上記式(b1)で表される構造の2以上6以下が互いに連結してなる化合物が好ましく、上記式(b1)で表される構造の2以上4以下が互いに連結してなる化合物がより好ましく、上記式(b1)で表される構造の2又は3が互いに連結してなる化合物が更に好ましい。
上記式(b1)で表される構造の少なくとも2つが互いに連結する態様としては、ある1つの上記式(b1)で表される構造と、他の上記式(b1)で表される構造とが、上記式(b1)中における1つの窒素原子を共有するように連結する態様であることが好ましい。
上記ホスファゼン化合物の分子量(Mw)は、例えば120〜900であり、硬化性または残膜特性の観点で、250〜600が好ましく、300〜500がより好ましい。
【0058】
上記ホスファゼン化合物の好ましい具体例を以下例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【0059】
(アミジン化合物)
上記アミジン化合物としては下記式(b2)で表される化合物が好ましい。
【化13】
(上記式(b2)中、Rb11〜Rb14はそれぞれ独立して、水素又はヘテロ原子を含んでいてもよい1価の有機基を表し、Rb11〜Rb14のうちの少なくとも1つはヘテロ原子を含んでいてもよい1価の有機基を表し、Rb11〜Rb14のうちの少なくとも2つが互いに結合して環を形成していてもよい。)
b11〜Rb14に係るヘテロ原子を含んでいてもよい1価の有機基の具体例及び好ましい例としては、Rb1〜Rb7に係るヘテロ原子を含んでいてもよい1価の有機基として前述したものと同様のものが挙げられる。
b11〜Rb14に係る1価の有機基が有し得るヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、リン原子又はイオウ原子が挙げられ、炭素原子と結合していることが好ましく、カルボキシル基又はスルホン基などの酸官能基を構成しないことが好ましい。
b14は水素原子ではないことが好ましい。
b11〜Rb14のうちの少なくとも2つが形成し得る環としては五員環、六員環又は七員環が挙げられ、好ましくは六員環又は七員環である。
少なくとも1つの環構造を含むアミジン(すなわち、環式アミジン)が好ましい。2つの環構造を含む環式アミジン(すなわち、二環式アミジン)がより好ましい。
上記アミジン化合物は下記式(b2−1)で表される化合物がより好ましい。
【0060】
【化14】
(上記式中、rは1以上3以下の整数を表す。)
【0061】
上記アミジン化合物の具体例としては、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1−エチル−2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,2−ジエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1−n−プロピル−2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1−イソプロピル−2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1−エチル−2−n−プロピル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1−エチル−2−イソプロピル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、DBU(すなわち、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン)、DBN(すなわち、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン)及びこれらに類するもの、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。好ましいアミジンとしては、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、DBU(すなわち、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン)、DBN(すなわち、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン)及びこれらの組み合わせが挙げられ、DBU、DBN及びこれらの組み合わせがより好ましく、DBUが最も好ましい。
塩基発生剤(B)は、上記式(1)のとおり、カチオン部とアニオン部とから構成されるが、カチオン部とアニオン部との構成モル比は、例えば、カチオン部:アニオン部=1:1〜1:2の範囲であり、好ましくは、1:1〜1:1.5である。
【0062】
上記感エネルギー性組成物中の上記塩基発生剤(B)は、1種単独又は2種以上を含んでいてもよい。
上記感エネルギー性組成物中の上記塩基発生剤(B)の含有量は、組成物全体(溶剤を除く。)の質量に対して、0.01質量%以上40質量%以下が好ましく、0.1質量%以上20質量%以下がより好ましく、1質量%以上10質量%以下が更に好ましい。
また、上記感エネルギー性組成物中の上記塩基発生剤(B)の含有量は、上記シラン化合物モノマー、シラン化合物オリゴマー及びポリシラン化合物の含有量を100質量部とした場合、例えば0.1質量部以上30質量部以下であり、0.5質量部以上20質量部以下が好ましく、1質量部以上15質量部以下がより好ましい。
【0063】
上記塩基発生剤(B)は、下記式(K)で表される酸と、pKa24以上の上記塩基とを任意の条件にて混合して反応(例えば、中和反応)することにより製造することができる。
【0064】
<酸>
第1の態様に係る感エネルギー性組成物は、安定性を向上させるため、更に酸を含んでいてもよい。
上記酸は、均一性(適合性、相性)の観点から、上記式(1)で表される塩基発生剤におけるアニオン部分の共役酸であることが好ましく、具体的には下記式(K)で表される酸であることが好ましい。
【化15】
(上記式中、R〜R11は、上記式(1)におけるR〜R11と同義である。)
【0065】
上記共役酸以外の酸としては、任意の有機酸又は無機酸が挙げられ、有機酸が好ましい。
上記共役酸以外の有機酸としては、例えば、炭素原子数1以上30以下の1価又は2価以上の有機酸が挙げられ、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、トリフルオロ酢酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、シュウ酸、マロン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、プロピルマロン酸、ブチルマロン酸、ジメチルマロン酸、ジエチルマロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、クエン酸などが挙げられる。また、安定性を保つため、2種類以上の酸を混合して使用してもよい。
【0066】
第1の態様に係る感エネルギー性組成物は上記酸を含有してもしていなくてもよいが、含有する場合、上記酸の使用量は、感エネルギー性組成物の固形分(溶剤を除いた質量)を基準として、通常、0.001質量%以上10質量%以下、好ましくは0.01質量%以上5質量%以下である。
【0067】
塩基発生剤(B)と上記酸の組成物中の使用割合は、モル比で、例えば、塩基発生剤(B):酸=1:0.003〜1:3.5であり、好ましくは1:0.01〜1:3である。カチオン部がホスファゼンの場合、組成物安定性の観点で、塩基発生剤(B):酸=1:0.003〜1:1であることがより好ましい。
塩基発生剤(B)と上記酸の使用に関して、第1の態様に係る感エネルギー性組成物のpHが、例えば4以上9以下の範囲、好ましくは、5以上7以下の範囲になるように調整すればよい。
【0068】
<溶剤>
第1の態様に係る組成物は、溶剤を含有することが好ましい。溶剤としては、後述する式(S1)で表されるシクロアルキルアセテートなどの環状骨格含有アセテート化合物、
メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノールなどのアルコール類;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;
γ−ブチロラクトンなどのラクトン環含有有機溶媒;
エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、又はジプロピレングリコールモノアセテートなどのエステル結合を有する化合物、上記多価アルコール類又は上記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルなどのモノアルキルエーテル又はモノフェニルエーテルなどのエーテル結合を有する化合物などの多価アルコール類の誘導体;
ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;
アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、アミルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレンなどの芳香族系有機溶剤;
N,N,N’,N’−テトラメチルウレア、N,N,2−トリメチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンなどの窒素含有有機溶媒;
が挙げられる。
【0069】
中でも、後述する式(S1)で表されるシクロアルキルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、N,N,N’,N’−テトラメチルウレア(TMU)、及びブタノールが好ましく、シクロプロピルアセテート、シクロブチルアセテート、シクロペンチルアセテート、シクロヘキシルアセテート、シクロヘプチルアセテート又はシクロオクチルアセテートがより好ましく、シクロヘキシルアセテートが更に好ましい。
これらの溶剤は、2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0070】
【化16】
(式(S1)中、Rs1は、それぞれ独立に、アルキル基であり、pは1以上6以下の整数であり、qは0以上(p+1)以下の整数である。)
s1で表されるアルキル基としては炭素原子数1以上3以下のアルキル基が挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基が挙げられる。
【0071】
式(S1)で表されるシクロアルキルアセテートの具体例としては、シクロプロピルアセテート、シクロブチルアセテート、シクロペンチルアセテート、シクロヘキシルアセテート、シクロヘプチルアセテート、及びシクロオクチルアセテートが挙げられる。
これらの中では、入手容易性などの観点から、シクロオクチルアセテートが好ましい。
上記環状骨格含アセテート化合物としては、単独で用いても2種以上を混合して使用してもよい。
【0072】
第1の態様に係る感エネルギー性組成物における溶剤の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。製膜性の点から、溶剤は、第1の態様に係る感エネルギー性組成物の固形分濃度が、好ましくは0.1質量%以上50質量%以下、より好ましくは1質量%以上40質量%以下となるように用いられる。
上記溶剤は、単独で用いても2種以上を混合して使用してもよい。
【0073】
(その他の成分)
また、第1の態様に係る感エネルギー性組成物は、安定剤として環状エーテルを置換基として有する1価又は2価以上のアルコール、又はエーテル化合物を含んでいてもよい。用いることができる安定剤として、具体的には、特開2009−126940号公報(0180)〜(0184)段落に記載されている安定剤が挙げられる。
【0074】
第1の態様に係る感エネルギー性組成物は、水を含んでいてもよい。水を添加することで、リソグラフィー性能が向上する。第1の態様に係る感エネルギー性組成物の溶剤成分における水の含有率は、例えば、0質量%以上50質量%未満であり、好ましくは0.5質量%以上5質量%以下である。
【0075】
第1の態様に係る感エネルギー性組成物は、必要に応じて界面活性剤を含んでいてもよい。用いることができる界面活性剤として、具体的には、特開2009−126940号公報(0185)段落に記載されている界面活性剤が挙げられる。
【0076】
<用途>
第1の態様に係る感エネルギー性組成物は、各種基板(金属酸化物含有膜、各種金属含有膜を含む。)を保護する保護膜又は層間膜を形成する用途として使用し得る。
上記各種基板としては、半導体基板、液晶ディスプレイ、有機発光ディスプレイ(OLED)、電気泳動ディスプレイ(電子ペーパー)、タッチパネル、カラーフィルター、バックライトなどのディスプレイ材料の基板(金属酸化物含有膜、各種金属含有膜を含む。)、太陽電池の基板(金属酸化物含有膜、各種金属含有膜を含む。)、光センサなどの光電変換素子の基板(金属酸化物含有膜、各種金属含有膜を含む。)、光電素子の基板(金属酸化物含有膜、各種金属含有膜を含む。)が挙げられる。
【0077】
≪硬化物≫
第2の態様に係る硬化物は、第1の態様に係る感エネルギー性組成物の硬化物である。
硬化物が膜である場合、厚さは、10nm以上10000nm以下であることが好ましく、50nm以上5000nm以下であることがより好ましく、100nm以上3000nm以下であることが更に好ましい。
また、第1の態様に係る感エネルギー性組成物は硬化性に優れることから、硬化物が膜である場合、後述する現像(例えば、溶剤を用いた現像)後の残膜率が50%以上が好ましく、55%以上がより好ましく、60%以上が更に好ましく、65%以上が特に好ましく、70%以上が最も好ましい。
なお、上記の残膜率の好ましい範囲は、実施例において後述する「硬化性(残膜率)評価」での評価方法に従って求められる残膜率についての好ましい範囲である。
該硬化物は、例えば、OLED表示素子用封止材、OLED照明、ハードコート、絶縁膜、反射防止膜、層間絶縁膜、カーボンハードマスク、ディスプレイパネル材料(平坦化膜、カラーフィルタの画素、有機EL用隔壁、スペーサ)などの種々の用途に好適である。
また、硬化物は、タッチパネルなどの表示素子において、金属配線などを被覆する透明被膜として好ましく使用される。
【0078】
≪パターン形成方法≫
第3の態様に係る膜形成方法は、基板上に第1の態様に係る感エネルギー性組成物を適用して膜を形成すること、及び上記膜を露光することを含む。
第1の態様に係る感エネルギー性組成物を用いて膜を形成する方法としては本発明の効果を損なわない限り特に制限はないが、任意の基板上に、ロールコータ、リバースコータ、バーコータ、インクジェットなどの接触転写型塗布装置やスピンナー(回転式塗布装置)、カーテンフローコータなどの非接触型塗布装置を用いて塗布する方法が挙げられる。
基板としては特に制限はないが、例えば、ガラス基板、石英基板、透明又は半透明の樹脂基板(例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルフォン、ポリイミド、ポリアミドイミドなどの耐熱性の材料など)、金属、シリコン基板などが挙げられる。
半導体基板、液晶ディスプレイ、有機発光ディスプレイ(OLED)、電気泳動ディスプレイ(電子ペーパー)、タッチパネル、カラーフィルター、バックライトなどのディスプレイ材料の基板(金属酸化物含有膜、各種金属含有膜を含む。)、太陽電池の基板(金属酸化物含有膜、各種金属含有膜を含む。)、光センサなどの光電変換素子の基板(金属酸化物含有膜、各種金属含有膜を含む。)、光電素子の基板(金属酸化物含有膜、各種金属含有膜を含む。)などの各種基板であってもよい。
基板の厚さは、特に限定されるものではなく、パターン形成体の使用態様に応じて適宜選択することができる。
【0079】
上記塗布後の塗膜は乾燥(プリベーク)することが好ましい。乾燥方法は、特に限定されず、例えば、(1)ホットプレートにて80℃以上180℃以下、好ましくは90℃以上160℃以下の温度にて60秒間以上120秒間以下乾燥させる方法、(2)室温にて数時間〜数日間放置する方法、(3)温風ヒータや赤外線ヒータ中に数十分間〜数時間入れて溶剤を除去する方法などが挙げられる。
【0080】
上記乾燥後の塗膜は、放射線を照射して露光することができる。
上記放射線の光源としては、紫外線、エキシマレーザー光などの活性エネルギー線、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、カーボンアーク灯などの紫外線を発する光源などが挙げられる。
照射する放射線量は特に制限はないが、例えば30mJ/cm以上2000mJ/cm以下が挙げられる。露光する工程は、後述の焼成する工程の代わり又は焼成する工程とともに行ってもよい。また、露光する工程では、例えば、形成された塗布膜を選択的に露光してもよく、選択的露光工程を含む場合は、現像する工程を含んでいてもよい。また、例えば、形成された塗布膜に対し、インプリントリソグラフィーを行ってもよい。インプリントリソグラフィーを行う場合は、例えば;
第1の態様に係る感エネルギー性組成物を基板上に塗布して、塗布膜を形成する工程と、
所定のパターンの凹凸構造が形成されたモールドを塗布膜に対し押圧する工程と、
露光する工程とを含む方法が挙げられる。
露光する工程は、モールドが塗布膜に押圧された状態で、第1の態様に係る感エネルギー性組成物からなる塗布膜に対して行われる。露光による硬化後、上記モールドを剥離することで、モールドの形状に応じてパターンを形成することができる。
【0081】
露光後は加熱(PEB)を施すことなく、良好な形状のパターンを形成することができるが、露光後の膜に対してPEBを施してもよい。PEBは、例えば、80℃以上180℃以下にて30秒以上120秒以下の間行われる。
上述のように、選択的露光工程を含む場合は、露光後、更に現像してパターンを形成することが好ましい。
上記現像はアルカリ現像液又は有機溶剤を含む現像液を用いて行うことができるが、上記現像は有機溶剤を含む現像液を用いて行われることがより好ましい。
上記現像液に含まれる有機溶剤としては、第1の態様に係る組成物において<溶剤>の具体例及び好ましい例と同様のものが挙げられる。
【0082】
上記乾燥後、露光後又は現像後の塗膜は、膜物性を高める点で焼成(ポストベーク)することが好ましい。
焼成温度は下層基板や使用用途にもよるが、鉛筆硬度が向上する点、永久膜特性が良好になる点又は低誘電率化の点で、例えば、200℃以上1000℃以下の範囲であり、好ましくは230℃以上700℃以下であり、より好ましくは、250℃以上600℃以下で適宜調整すればよい。焼成雰囲気は特に限定されず、窒素雰囲気又はアルゴン雰囲気などの不活性ガス雰囲下、真空下、又は減圧下であってもよい。大気下であってもよいし、酸素濃度を適宜コントロールしてもよい。焼成時間は、適宜変更すればよく、10分以上120分以下である。
【0083】
第3の態様に係る方法によって形成された膜の厚さは、10nm以上10000nm以下であることが好ましく、50nm以上5000nm以下であることがより好ましく、100nm以上3000nm以下であることが更に好ましい。
【実施例】
【0084】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0085】
〔合成例1〕ポリシラン化合物1の合成
ジフェニルジクロロシランを原料として用いてJACS、110、124(1998)及びMacromolecules、23、3423(1990)に記載の方法に準じてポリジフェニルシラン(Mw2600)を製造し、ポリシラン化合物1として、下記各実施例及び比較例1において使用した。
〔合成例2〕ポリシラン化合物2の合成
三方コックを装着した内容積1000mlの丸型フラスコに、粒状(粒径20〜1000μm)のマグネシウム43.45gと、触媒としてトリス(アセチルアセトナト)鉄(III)5.26gと無水塩化リチウム1.26gとを仕込み、50℃で1mmHg(=133kPa)に加熱減圧して、反応器(フラスコ)内部を乾燥した後、乾燥アルゴンガスを反応器内に導入し、予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで乾燥したテトラヒドロフラン(THF)132.13mlを加え、25℃で約60分間撹拌した。この反応混合物に、予め蒸留により精製したメチルビニルジクロロシラン42.0g(0.3mol)をシリンジで加え、25℃で約12時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に1N(=1モル/L)の塩酸1000mlを投入し、さらにトルエン500mlで抽出した。トルエン相を純水200mlで10回洗浄し、トルエン相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンを留去することにより、直鎖状のメチルビニルシラン重合体(質量平均分子量1900)を得た。ポリシラン化合物2として、実施例6〜7において使用した。
【0086】
また、下記式で表される化合物(b1)〜(b5)及び(cb)を製造し、各実施例及び比較例において、塩基発生剤として、下記各実施例及び比較例1において使用した。
なお、各化合物のカチオン部のpKaは以下のとおりである。
・(b1):pKa=33
・(b2):pKa=43
・(b3):pKa=43
・(b4):pKa=24.3
・(b5):pKa=32.9
・(cb):pKa=23.4
【化17】
【化18】
【0087】
〔実施例1〜5及び比較例1〕感エネルギー性組成物の調製
酢酸シクロヘキシルに固形分濃度30%となるように上記ポリシラン化合物1を27.6質量%及び表1に記載の塩基発生剤を2.4質量%溶解し、孔径0.1μmのフッ素樹脂製のフィルターで濾過することによって、各実施例及び比較例1の感エネルギー性組成物を調製した。
〔実施例6〕感エネルギー性組成物の調製
酢酸シクロヘキシルに固形分濃度30%となるように上記ポリシラン化合物2を27.6質量%及び塩基発生剤として化合物(b1)を2.4質量%溶解し、孔径0.1μmのフッ素樹脂製のフィルターで濾過することによって、実施例6の感エネルギー性組成物を調製した。
〔実施例7〕感エネルギー性組成物の調製
酢酸シクロヘキシルに固形分濃度30%となるように上記ポリシラン化合物2を27.6質量%及び塩基発生剤として化合物(b5)を2.4質量%溶解し、孔径0.1μmのフッ素樹脂製のフィルターで濾過することによって、実施例7の感エネルギー性組成物を調製した。
【0088】
[硬化性(残膜率)評価]
ウエハ上に、各実施例及び比較例1の感エネルギー性組成物をスピンコーターを用いて塗布し膜厚3μmの塗布膜を形成した。上記塗布膜を140℃で30秒間ベークして硬化被膜を得た。
得られた硬化被膜を溶剤(酢酸シクロヘキシル)を用いた浸漬法により60秒の現像処理を行い、表面形状測定装置(商品名:Dektak 3ST、アルバック社製)を用いて、溶剤浸漬後の硬化被膜の厚さを測定した。現像前後の膜厚の比である残膜率を測定した。結果を表1に示す。
【0089】
【表1】
【0090】
表1に示した結果から明らかなように、塩基発生剤における対カチオンを構成する塩基のpKaが24に満たない比較例1は現像後の残膜率が0%であり、硬化性に劣ることが分かる。
一方、塩基発生剤における対カチオンを構成する塩基のpKaが24以上である実施例1〜4はいずれも現像後の残膜率が55%以上であり、硬化性に優れることが分かる。
【0091】
[パターニング評価1]
実施例1、実施例4及び実施例5の感エネルギー性組成物についてパターニング評価を行った。
ウエハ上に、実施例1及び実施例5の感エネルギー性組成物をそれぞれスピンコーターを用いて塗布し膜厚3μmの塗布膜を形成した。上記塗布膜に紫外線露光機により250mJ/cmにてライン幅4μmのラインアンドスペース1:1のマスクを用いて位置選択的にブロードバンド露光を行った。露光後の塗布膜を160℃で30秒間ベークして硬化被膜を得た。
得られた硬化被膜を溶剤(酢酸シクロヘキシル)を用いた浸漬法により60秒の現像処理を行った。
その結果、いずれの実施例の感エネルギー性組成物からも露光部と未露光部とのコントラストよく、ライン幅4μmのラインアンドスペース1:1のパターンを得た。
【0092】
マスクのライン幅を4μmから100μmに変更すること以外は、実施例1の感エネルギー性組成物のパターニングと同様にして実施例4の感エネルギー性組成物のパターニングを行った。
その結果、露光部と未露光部とのコントラストよく、ライン幅100μmのラインアンドスペース1:1のパターンを得た。
上記パターニング評価1で得られた各パターンについて、230℃でポストベークを行った結果、永久膜特性の良好なパターンを得ることができた。
【0093】
[パターニング評価2]
実施例6及び実施例7の感エネルギー性組成物についてパターニング評価を行った。
ウエハ上に、実施例6及び実施例7の感エネルギー性組成物をそれぞれスピンコーターを用いて塗布し膜厚3μmの塗布膜を形成した。上記塗布膜に紫外線露光機により250mJ/cmにてライン幅4μmのラインアンドスペース1:1のマスクを用いて位置選択的にブロードバンド露光を行った。露光後の塗布膜を160℃で30秒間ベークして硬化被膜を得た。
得られた硬化被膜を溶剤(アセトン)を用いた浸漬法により60秒の現像処理を行った。
その結果、いずれの実施例の感エネルギー性組成物からも露光部と未露光部とのコントラストよく、ライン幅4μmのラインアンドスペース1:1のパターンを得た。
上記パターニング評価2で得られた各パターンについて、230℃でポストベークを行った結果、永久膜特性の良好なパターンを得ることができた。