【実施例】
【0015】
以下本発明の実施例について図面とともに説明する。
図1は、本発明の一実施例による緊急告知防災ドッキングステーションと子機とからなる緊急告知防災システムの全体構成図、
図2は同緊急告知防災システムを機能実現手段で表したブロック図である。
【0016】
図1に示すように、本実施例による緊急告知防災ドッキングステーション10は、緊急告知防災ラジオ20を載置して用いる。
緊急告知防災ドッキングステーション10は、緊急告知防災ラジオ20が警報信号を受信したことを判断すると、子機30に対して動作信号を送信する。
子機30は、動作信号を受信すると、子機30が設置された、照明41、受像機42、及び音源43を動作させる。子機30は、照明41、受像機42、及び音源43の他に、自動扉、非常口誘導灯(非常灯/音源)を動作させることができる。
【0017】
図2に示すように、緊急告知防災ラジオ20は、放送局からの電波を受信する放送受信手段21aと、気象、地象、津波、高潮、波浪、及び洪水のいずれかの警報によって送信される警報信号を受信する警報受信手段21bと、警報受信手段21bで警報信号を受信すると、電源スイッチ22がオフの状態からでも直ちに起動して、照明手段23を少なくとも所定時間点滅するとともに、あらかじめ設定された音量で音声出力手段24から音声を出力する警報制御手段25とを備えている。
警報信号は、例えばDTMF(Dual Tone Multi−Frequency)信号である。
警報制御手段25は、電源スイッチ22がオフの状態からでも直ちに起動させる強制起動部25aと、照明手段23を少なくとも所定時間点滅させる照明点滅指示部25bと、あらかじめ設定された音量で音声出力手段24から音声を出力させる警報音指示部25cとを備えている。
【0018】
また、緊急告知防災ラジオ20は、照明手段23を点灯する点灯スイッチ23aを備え、点灯スイッチ23aをONすることで照明手段23を点灯することができる。
また、緊急告知防災ラジオ20は、電源26として二次電池によって動作し、電源26を充電する充電端子26aを備えている。
なお、緊急告知防災ラジオ20は、放送受信手段21aで受信する放送局を選局するための周波数変更手段27、及びスピーカである音声出力手段24の音量を変更する音量変更手段28を備えている。
【0019】
緊急告知防災ドッキングステーション10は、照明手段23の照射を光信号として検知する光検出手段11と、光検出手段11で検知する光信号から警報信号の受信による点滅か否かを判断する制御手段12と、制御手段12で警報信号の受信による点滅と判断すると子機30に対して動作信号を送信する送信手段13とを有している。
制御手段12は、警報点滅判断部12aと、出力指示部12bとを有している。
警報点滅判断部12aは、光検出手段11が一つの光信号を検知すると警報判断を開始し、警報判断の開始から、あらかじめ設定した検知時間の間に、あらかじめ設定した回数の光信号を検知すると警報信号の受信による点滅と判断する。
出力指示部12bは、警報点滅判断部12aで警報信号の受信による点滅と判断すると、送信手段13に送信指示を出力する。
このように、緊急告知防災ドッキングステーション10は、緊急告知防災ラジオ20が備えている照明手段23の点滅から警報を検知することで子機30に対して動作信号を送信するため、緊急告知防災ラジオ20の視聴範囲外でも警報を知ることができる。
【0020】
また、緊急告知防災ドッキングステーション10は、音声出力手段24から出力される音声の音量を検出する音量検出手段14を更に有していることが好ましい。
音量検出手段14を更に有している場合には、警報点滅判断部12aは、検知時間の間に、あらかじめ設定した音量レベルを越える音量を音量検出手段14によって検出すると、警報信号の受信による点滅と判断し、検知時間の間に、あらかじめ設定した音量レベルを越える音量を音量検出手段14によって検出しないと、警報信号の受信による点滅ではないと判断する。
このように、緊急告知防災ドッキングステーション10は、緊急告知防災ラジオ20が備えている照明手段23の点滅だけでなく、音声出力手段24から出力される音声の音量レベルも合わせて判断することで緊急告知防災ドッキングステーション10の誤動作を防止できる。
【0021】
また、緊急告知防災ドッキングステーション10は、光検出手段11が照明手段23の点灯を検知すると発光する光検出確認表示手段15を有している。光検出確認表示手段15は、緊急告知防災ラジオ20を載置した状態で点灯スイッチ23aをONすると発光する。
このように、緊急告知防災ドッキングステーション10は、光検出確認表示手段15を有することで、緊急告知防災ラジオ20の載置状態と光検出手段11の動作確認を行うことができる。
【0022】
また、緊急告知防災ドッキングステーション10は、充電端子26aに接続される給電端子16を有し、点灯スイッチ23aをONすると光検出確認表示手段15が発光する状態では、給電端子16が充電端子26aに接続されている。このように、緊急告知防災ラジオ20の正しい載置状態を、光検出確認表示手段15の発光によって確認することができ、緊急告知防災ラジオ20が正しい載置状態にあれば、給電端子16と充電端子26aとが接続されているため、点灯スイッチ23aによって緊急告知防災ラジオ20の載置状態を確認できるとともに充電接続も間接的に確認できる。
【0023】
また、緊急告知防災ドッキングステーション10は、音量検出手段14で検出される音量に応じて発光する音量レベル表示手段17を有している。
音量レベル表示手段17は、音量検出手段14が音声出力手段24から出力される音声以外の音も検出することで、音声出力手段24から出力される音声、又は音声出力手段24から出力される音声以外の音によって発光するため、音量検出手段14の動作確認を行うことができる。
【0024】
また、緊急告知防災ドッキングステーション10は、子機30に対して送信する動作信号の電圧情報を選択できるステーション側電圧値設定手段18を有している。
【0025】
子機30は、送信手段13からの動作信号を受信する受信手段31と、受信する動作信号のPWM信号を電圧信号に変換する平滑回路32と、動作する基準電圧をあらかじめ選択できる子機側電圧値設定手段33と、平滑回路32で変換した電圧信号が基準電圧に一致すると機器40に動作を行わせる起動手段34とを有している。
このように、緊急告知防災ドッキングステーション10にステーション側電圧値設定手段18を、子機30に子機側電圧値設定手段33をそれぞれ有し、それぞれの設定電圧値が一致する場合に機器40に動作を行わせることで、電圧情報を、緊急告知防災ドッキングステーション10と子機30との間でのID信号として用いることができる。従って、簡便にID機能を持たせることができ、誤動作を防止できるとともに、複数の子機30の一部を動作させ、一部を非動作とすることができる。
【0026】
図3は、本実施例による緊急告知防災システムのフローチャートである。
S1からS3までは、本実施例による緊急告知防災システムの準備段階を示している。
S1において、緊急告知防災ラジオ20を緊急告知防災ドッキングステーション10に載置した後に、緊急告知防災ラジオ20の点灯スイッチ23aをONすることで設置状態を確認する(S2)。
S2において点灯スイッチ23aをONすることで光検出確認表示手段15が発光すれば(S3でYes)、緊急告知防災ラジオ20が緊急告知防災ドッキングステーション10に正しく載置されたことを確認でき、給電端子16と充電端子26aとが接続されており(S4)、警報待機状態となる(S5)。
S3において光検出確認表示手段15が発光しなければ、設置状態に不備があるため、改めて緊急告知防災ラジオ20を緊急告知防災ドッキングステーション10に載置する(S1)。
【0027】
S6からS14までは緊急告知防災ドッキングステーション10での処理を示している。
光検出手段11が一つの光信号を検知すると(S6)、警報点滅判断部12aは、警報判断を開始する(S7)。
警報点滅判断部12aは、警報判断の開始からの光信号をカウントする(S8)。
S8における光信号のカウントは、あらかじめ設定した検知時間が経過するまで継続し、検知時間が経過することで終了する(S9)。
S9における検知時間経過後に、あらかじめ設定した回数の光信号を検知していなければ、警報信号の受信による点滅ではないと判断し(S10でNo)、警報待機状態に戻る。
S10において、あらかじめ設定した回数の光信号を検知していれば、検知時間の間に、あらかじめ設定した音量レベルを越える音量を音量検出手段14によって検出したか否かが判断される(S11)。
【0028】
S11において、検知時間の間に、あらかじめ設定した音量レベルを越える音量を音量検出手段14によって検出していないと、警報信号の受信による点滅ではないと判断し、警報待機状態に戻る。
S11において、検知時間の間に、あらかじめ設定した音量レベルを越える音量を音量検出手段14によって検出していると、警報信号の受信による点滅と判断する(S12)。
S12によって警報点滅判断部12aが警報信号の受信による点滅と判断すると、出力指示部12bから送信手段13に出力指示が出され(S13)、送信手段13から動作信号を送信する(S14)。
【0029】
送信手段13から動作信号が送信されると、子機30では受信手段31が動作信号を受信する(S15)。
S15で受信する動作信号のPWM信号は、平滑回路32において電圧信号に変換される(S16)。
平滑回路32において変換される電圧信号が、子機側電圧値設定手段33であらかじめ選択した基準電圧と一致する場合(S17でYES)には機器40に対して動作指示を行い(S18)、子機側電圧値設定手段33であらかじめ選択した基準電圧と一致しない場合(S17でNO)には機器40に対して動作指示を行わない(S19)。
以上のように、本実施例によれば、すでに自治体から配布・市販され現在利用中の緊急告知防災ラジオ20を利用し、緊急告知防災ラジオ20の視聴範囲外でも警報を知ることができる。