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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-130585(P2021-130585A)
(43)【公開日】2021年9月9日
(54)【発明の名称】窒化ガリウム結晶の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C30B 29/38 20060101AFI20210813BHJP
   C30B 25/20 20060101ALI20210813BHJP
   C23C 16/34 20060101ALI20210813BHJP
   C23C 16/02 20060101ALI20210813BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20210813BHJP
【FI】
   C30B29/38 D
   C30B25/20
   C23C16/34
   C23C16/02
   H01L21/205
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-26844(P2020-26844)
(22)【出願日】2020年2月20日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成31年度、科学技術振興機構、研究成果最適展開支援プログラム「大口径GaN基板の高品質・低コスト化を可能にする結晶径拡大成長技術の開発」に係る委託事業、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】515131378
【氏名又は名称】株式会社サイオクス
(71)【出願人】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504132881
【氏名又は名称】国立大学法人東京農工大学
(74)【代理人】
【識別番号】100145872
【弁理士】
【氏名又は名称】福岡 昌浩
(74)【代理人】
【識別番号】100187632
【弁理士】
【氏名又は名称】橘高 英郎
(72)【発明者】
【氏名】柴田 真佐知
(72)【発明者】
【氏名】吉田 丈洋
(72)【発明者】
【氏名】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】纐纈 明伯
【テーマコード(参考)】
4G077
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4G077AA02
4G077AA03
4G077BE15
4G077DB04
4G077ED04
4G077ED05
4G077ED06
4G077EE01
4G077TA04
4G077TB04
4G077TK01
4G077TK04
4G077TK06
4K030AA03
4K030AA13
4K030AA18
4K030BA08
4K030BA38
4K030BB02
4K030CA04
4K030CA12
4K030DA02
4K030FA10
4K030LA14
5F045AA03
5F045AB14
5F045AC12
5F045AD16
5F045AD17
5F045AD18
5F045AE29
5F045DP04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高品質なGaN結晶を得ることができる製造方法の提供。
【解決手段】(a)窒化ガリウムの単結晶からなる種基板200の−c面により構成された主面201の一部を除去することにより、種基板200上に、主面201から掘り下げられた底部220と、底部220から突出し、主面201が残された複数の凸部210とを形成する工程と、(b)種基板200に対して三ハロゲン化ガリウムガスと窒化水素ガスとを含む原料ガスを供給する工程と、を有する窒化ガリウム結晶の製造方法。(b)では、複数の凸部210上に、窒化ガリウムの単結晶からなる複数の成長結晶230を、主面201の沿面方向に拡径させつつ−c軸方向にエピタキシャル成長させ、複数の成長結晶230を互いに結合させる窒化ガリウム結晶の製造方法。(b)では、底部220から成長する結晶を、複数の成長結晶230に接触しない程度に成長させる窒化ガリウム結晶の製造方法。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)窒化ガリウムの単結晶からなる種基板の−c面により構成された主面の一部を除去することにより、前記種基板上に、前記主面から掘り下げられた底部と、前記底部から突出し、前記主面が残された複数の凸部とを形成する工程と、
(b)前記種基板に対して三ハロゲン化ガリウムガスと窒化水素ガスとを含む原料ガスを供給する工程と、
を有する窒化ガリウム結晶の製造方法。
【請求項2】
前記(b)では、前記複数の凸部上に、窒化ガリウムの単結晶からなる複数の成長結晶を、前記主面の沿面方向に拡径させつつ−c軸方向にエピタキシャル成長させ、前記複数の成長結晶を互いに結合させる請求項1に記載の窒化ガリウム結晶の製造方法。
【請求項3】
前記(b)では、前記複数の凸部から成長した前記複数の成長結晶によって、前記底部に対する前記原料ガスの供給を遮り、前記底部からの結晶成長を抑制する請求項2に記載の窒化ガリウム結晶の製造方法。
【請求項4】
前記(b)では、前記底部から成長する結晶を、前記複数の成長結晶に接触しない程度に成長させる請求項2または請求項3に記載の窒化ガリウム結晶の製造方法。
【請求項5】
前記(b)では、前記複数の成長結晶として、前記主面の法線方向から平面視した際に、前記複数の凸部の直上に位置する第1領域と、前記第1領域以外の領域に位置する第2領域と、をそれぞれ成長させ、前記第2領域の貫通転位密度を、前記第1領域の貫通転位密度より小さくする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の窒化ガリウム結晶の製造方法。
【請求項6】
前記(b)では、前記複数の成長結晶が互いに結合した結合部と前記種基板との間に空隙を形成する請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の窒化ガリウム結晶の製造方法。
【請求項7】
前記(b)では、前記複数の成長結晶のm面同士を結合させる請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の窒化ガリウム結晶の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化ガリウム(GaN)結晶の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
GaN結晶の化学気相成長法のひとつに、THVPE法(トリハライド気相成長法、Tri−halide Vapor Phase Epitaxy)が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2015/037232号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、高品質なGaN結晶を得ることができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、
(a)窒化ガリウムの単結晶からなる種基板の−c面により構成された主面の一部を除去することにより、前記種基板上に、前記主面から掘り下げられた底部と、前記底部から突出し、前記主面が残された複数の凸部とを形成する工程と、
(b)前記種基板に対して三ハロゲン化ガリウムガスと窒化水素ガスとを含む原料ガスを供給する工程と、
を有する窒化ガリウム結晶の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、高品質なGaN結晶を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係るGaN結晶の結晶製造装置100の概略構成図である。
図2図2は、本発明の第1実施形態に係るGaN結晶の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図3図3(a)は、本発明の第1実施形態に係る種基板準備工程S101における種基板200を模式的に示す概略断面図であり、図3(b)はその平面図である。図3(c)は、本発明の第1実施形態に係る凸部形成工程S102における種基板200を模式的に示す概略断面図であり、図3(d)はその平面図である。図3(e)は、本発明の第1実施形態に係る成長工程S103における種基板200および種基板200上に成長したGaN結晶を模式的に示す概略断面図であり、図3(f)はその平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<発明者の得た知見>
まず、発明者が得た知見について説明する。
【0009】
GaN結晶の化学気相成長法のひとつに、THVPE法が知られている。THVPE法には、結晶が拡径しながら−c軸方向にエピタキシャル成長するという特徴がある。
【0010】
THVPE法によって拡径した領域(拡径部)には、種基板が有する貫通転位が伝播し難い。そのため、拡径部は転位密度の小さい高品質な領域となることが、本願発明者の検討によりわかった。本願発明者は、このような高品質な領域をさらに拡大し、より有効に活用できる技術を開発するため、鋭意研究を行った。
【0011】
その結果、本願発明者は、複数のGaN結晶を拡径させつつ−c軸方向にエピタキシャル成長させ、互いに結合させる新しい製造方法を見出した。この製造方法により、高品質な領域が拡大されたGaN結晶を得ることができる。
【0012】
[本発明の実施形態の詳細]
次に、本発明の一実施形態を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0013】
<本発明の第1実施形態>
(1)GaN結晶の結晶製造装置の構成
まず、本実施形態におけるGaN結晶の結晶製造装置100の構成について説明する。
【0014】
図1は、本実施形態のGaN結晶の結晶製造装置100の概略構成図である。図1に示すように、本実施形態のGaN結晶の結晶製造装置100は、例えば、反応容器110と、成長容器120と、加熱部130と、を有している。以下、図1の左右方向を水平方向、図1の上下方向を垂直方向というものとする。
【0015】
反応容器110は、例えば、石英からなる直管であり、水平方向に配置されている。成長容器120は、例えば、石英からなる直管であり、垂直方向に配置されている。反応容器110の一部は、成長容器120の側面から成長容器120内に挿入されている。反応容器110および成長容器120は、それぞれ気密性を有している。反応容器110内および成長容器120内には、それぞれGaN結晶の製造に用いる各種のガスを流すことができる。反応容器110の一端(成長容器120内に挿入されていない側)が上流に位置し、成長容器120の下端が下流に位置している。
【0016】
反応容器110内には、例えば、第1ゾーンZ11と、第2ゾーンZ12とが設けられている。第1ゾーンZ11は、反応容器110の上流側に位置し、第2ゾーンZ12は、反応容器110の下流側に位置している。第1ゾーンZ11には、例えば、原料収容容器111が設置されている。原料収容容器111は、例えば、石英からなり、その内部にGaN結晶の原料としてのガリウム112が収容されるように構成されている。原料収容容器111は、例えば、その上面に開口部が設けられている。ガリウム112は、その上面が露出した状態で原料収容容器111内に収容される。
【0017】
反応容器110は、例えば、ガス導入口113と、ガス導入口114と、ガス排出口115とを有している。ガス導入口113は、例えば、反応容器110の一端(上流側)に位置し、第1ゾーンZ11へ塩素(Cl)ガスを導入するために用いられる。ガス導入口114は、例えば、反応容器110の側面であって、第1ゾーンZ11と第2ゾーンZ12との境界近傍に位置し、第2ゾーンZ12にClガスを導入するために用いられる。ガス排出口115は、例えば、反応容器110の下流側に位置し、第2ゾーンZ12で生成されたガスが成長容器120内へ輸送されるように構成されている。
【0018】
成長容器120内には、例えば、ガス排出口115の下部に成長ゾーンZ13が設けられている。成長ゾーンZ13には、ガス排出口115に対向する位置に、後述する種基板200を保持するサセプタ121が設置されている。ガス排出口115から輸送されるガスは、種基板200上に供給される。
【0019】
サセプタ121は、例えば、耐熱性および耐食性のある窒化ホウ素焼結体または窒化ホウ素焼結体で覆われたカーボンからなり、その上面に種基板200を保持することができるように構成されている。サセプタ121の下部には、回転部122が設けられている。回転部122は、サセプタ121を水平姿勢で回転させるように構成されている。サセプタ121内には、カーボン発熱体等の基板加熱部123が設けられている。基板加熱部123は、種基板200を所定の温度に加熱できるように構成されている。
【0020】
成長容器120は、例えば、ガス導入口124と、ガス排気口125とを有している。ガス導入口124は、例えば、成長容器120の上端に位置し、成長容器120内へアンモニア(NH)ガスやキャリアガスを導入するために用いられる。ガス排気口125は、例えば、成長容器120の側面下部に位置する。ガス排気口125には、ポンプ126が設けられている。成長容器120内のガスは、ポンプ126を用いてガス排気口125から排気することができる。
【0021】
成長容器120の内壁には、ガイドリング127が設けられていることが好ましい。ガイドリング127は、例えば、耐熱性および耐食性のある窒化ホウ素焼結体または窒化ホウ素焼結体で覆われたカーボンで構成することができる。ガイドリング127によって成長容器120内のガスの流路が狭くなるため、成長容器120内のガスがガス排気口125へ流れ込む速度を調整することができる。
【0022】
加熱部130は、例えば、抵抗加熱式ヒータやランプヒータ等で構成されており、反応容器110の外周を覆うように設けられている。加熱部130により、反応容器110内を所定の温度に加熱することができる。
【0023】
(2)GaN結晶の製造方法
次に、本実施形態のGaN結晶の製造方法について説明する。
【0024】
図2は、本実施形態のGaN結晶の製造方法の一例を示すフローチャートである。図2に示すように、本実施形態のGaN結晶の製造方法は、例えば、種基板準備工程S101と、凸部形成工程S102と、成長工程S103と、後工程S104と、を有している。
【0025】
図3(a)は、本実施形態の種基板準備工程S101における種基板200を模式的に示す概略断面図であり、図3(b)はその平面図である。図3(c)は、本実施形態の凸部形成工程S102における種基板200を模式的に示す概略断面図であり、図3(d)はその平面図である。図3(e)は、本実施形態の成長工程S103における種基板200および種基板200上に成長したGaN結晶を模式的に示す概略断面図であり、図3(f)はその平面図である。
【0026】
(種基板準備工程S101)
種基板準備工程S101では、図3(a)および図3(b)に示すように、GaNの単結晶からなる種基板200を準備する。種基板200は、例えば、円板状の自立基板であり、50mm以上の直径を有することが好ましい。種基板200の厚さは、後述する凸部形成工程S102にて底部220を形成する際に、種基板200の機械的強度が低下するのを防ぐため、例えば、0.25mm以上であるのが好ましい。種基板200は、例えば、HVPE法(ハイドライド気相成長法、Hydride Vapor Phase Epitaxy)によって製造することができる。
【0027】
種基板200の主面201は、−c面により構成されており、結晶成長の下地面となる。本明細書において、「−c面」とは、GaN結晶の(000−1)面から僅かに傾斜したものを含むものとする。この傾斜の角度はオフ角と呼ばれ、例えば、5°以下であり得る。
【0028】
(凸部形成工程S102)
凸部形成工程S102では、図3(c)および図3(d)に示すように、例えば、種基板200の主面201に対してレーザ光を照射して主面201の一部を除去することにより、種基板200上に、主面201から掘り下げられた底部220と、底部220から突出し、主面201が残された複数の凸部210とを形成する。レーザ光としては、例えば、COレーザやYAGレーザを用いることができる。
【0029】
複数の凸部210の形状は、例えば、円柱または六角柱とすることが好ましい。これにより、後述する成長工程S103にてGaN結晶を等方的に成長させることができる。複数の凸部210は、その上面が主面201となっている。なお、本明細書において、複数の凸部210の形状が円柱以外である場合、その直径とは凸部210の上面(主面201)において最も長い径を表すものとする。
【0030】
複数の凸部210同士の間隔aは、例えば、200μm以上1000μm以下とすることが好ましい。間隔aが200μm未満では、成長させたGaN結晶において高品質な領域が充分広く得られない可能性がある。これに対し、間隔aを200μm以上とすることで、成長させたGaN結晶において高品質な領域を充分広く得ることができる。一方、間隔aが1000μmを超えると、後述する成長工程S103において、複数の成長結晶230を互いに結合させることが困難となる可能性がある。これに対し、間隔aを1000μm以下とすることで、後述する成長工程S103において、複数の成長結晶230を互いに結合させることが容易となる。
【0031】
複数の凸部210の直径bは、例えば、20μm以上100μm以下とすることが好ましい。直径bが20μm未満では、後述する成長工程S103において、複数の成長結晶230を互いに結合させることが困難となる可能性がある。これに対し、直径bを20μm以上とすることで、後述する成長工程S103において、複数の成長結晶230を互いに結合させることが容易となる。一方、直径bが100μmを超えると、成長させたGaN結晶において高品質な領域が充分広く得られない可能性がある。これに対し、直径bを100μm以下とすることで、成長させたGaN結晶において高品質な領域を充分広く得ることができる。
【0032】
複数の凸部210の厚さcは、例えば、20μm以上100μm以下とすることが好ましい。厚さcが20μm未満では、後述する成長工程S103において、底部220から成長した結晶240によって、複数の成長結晶230の成長が阻害されてしまう可能性がある。これに対し、厚さcを20μm以上とすることで、底部220から成長した結晶240によって、複数の成長結晶230の成長が阻害されることを抑制することができる。一方、厚さcが100μmを超えると複数の凸部210の機械的強度が低下する可能性がある。これに対し、厚さcを100μm以下とすることで、複数の凸部210の機械的強度の低下を抑制することができる。
【0033】
凸部形成工程S102では、例えば、レーザ光を照射して主面201の一部を除去する際、底部220の表面を粗面とすることが好ましい。具体的には、底部220の表面の算術平均粗さRaが0.5μm以上10μm以下となるように、底部220を形成することが好ましい。底部220の表面の算術平均粗さRaが0.5μm未満では、後述する成長工程S103において、底部220から成長する結晶240の成長が速くなり、複数の成長結晶230の成長が阻害されてしまう可能性がある。これに対し、底部220の表面の算術平均粗さRaを0.5μm以上とすることで、底部220の表面に−c面以外の面が多数存在することになるため、後述する成長工程S103において、底部220から成長する結晶240の成長を抑制することができる。一方、底部220の表面の算術平均粗さRaが10μmを超えると、複数の凸部210以外の領域において異常な核発生が生じ、結晶品質の悪い結晶(以下、雑晶ともいう)が成長してしまうため、複数の成長結晶230の成長が阻害されてしまう可能性がある。これに対し、底部220の表面の算術平均粗さRaを10μm以下とすることで、雑晶によって複数の成長結晶230の成長が阻害されてしまう可能性を低減することができる。
【0034】
凸部形成工程S102では、例えば、後述する成長工程S103における複数の成長結晶230のm面同士が結合するように、複数の凸部210を形成することが好ましい。具体的には、例えば、図3(d)に示すように、複数の凸部210のm軸を各辺とした正三角形の各頂点の位置に、複数の凸部210を形成することが好ましい。これにより、後述する成長工程S103において、複数の成長結晶230をその表面に隙間なく結合させることができる。
【0035】
凸部形成工程S102では、1枚のGaN自立基板である種基板200から複数の凸部210を形成しているため、図3(d)に示すように、複数の凸部210のm軸が揃っている。つまり、複数の凸部210の結晶方位が揃っている。これにより、後述する成長工程S103において、複数の成長結晶230をその表面に隙間なく結合させることができる。
【0036】
種基板200上に複数の凸部210と底部220とを形成したら、種基板200をサセプタ121上に主面201が露出した状態で配置する。
【0037】
種基板200をサセプタ121上に配置したら、種基板200上にGaN結晶を均一に成長させるために、回転部122を用いて、サセプタ121を予め回転させておいてもよい。
【0038】
(成長工程S103)
成長工程S103では、例えば、種基板200に対して三ハロゲン化ガリウムガスとしての三塩化ガリウム(GaCl)ガスと窒化水素ガスとしてのNHガスとを含む原料ガスを供給する。まず、反応容器110内および成長容器120内にそれぞれキャリアガスを流し、反応容器110内および成長容器120内の雰囲気をそれぞれキャリアガス雰囲気とする。キャリアガスとしては、不活性ガスである窒素(N)ガスまたは希ガスを用いることができる。キャリアガスは、例えば、ガス導入口113およびガス導入口124を通して導入する。
【0039】
NHガスを、ガス導入口124を通して成長容器120内へ導入する。NHガスは、キャリアガスと同時に導入してもよい。
【0040】
成長容器120内の圧力を、ポンプ126を用いて、所定の処理圧力となるように調整する。
【0041】
反応容器110内を、加熱部130を用いて、所定の温度となるように加熱する。
【0042】
種基板200を、基板加熱部123を用いて加熱する。種基板200が所定の成長温度に達したら、ガス導入口113およびガス導入口114のそれぞれから、反応容器110内へClガスを導入する。
【0043】
第1ゾーンZ11では、ガス導入口113から導入するClガスと、原料収容容器111内のガリウム112とを反応させて塩化ガリウム(GaCl)ガスを生成する。GaClガスを生成する反応は、以下の反応式(1)で表される。
【0044】
Ga(l)+1/2Cl(g)→GaCl(g) ・・・(1)
【0045】
反応式(1)において、(l)および(g)はそれぞれ物質が液体および気体であることを示す。この点は、以下においても同様とする。
【0046】
第1ゾーンZ11では、GaClガスの他にも、二塩化ガリウム(GaCl)ガスやGaClガス等のガリウム塩化物ガスが生成する可能性がある。第1ゾーンZ11の温度を、所定の温度にすることで、第1ゾーンZ11で生成するガスの大部分をGaClガスとすることができる。
【0047】
第2ゾーンZ12では、ガス導入口114から導入するClガスと、第1ゾーンZ11で生成したGaClガスとを反応させてGaClガスを生成する。GaClガスを生成する反応は、以下の反応式(2)で表される。
【0048】
GaCl(g)+Cl(g)→GaCl(g) ・・・(2)
【0049】
第2ゾーンZ12では、GaClガスの他にも、他のガリウム塩化物ガスが生成する可能性がある。第2ゾーンZ12の温度を、所定の温度にすることで、第2ゾーンZ12で生成するガスの大部分をGaClガスとすることができる。
【0050】
第2ゾーンZ12で生成したGaClガスは、ガス排出口115を通して成長容器120内に輸送する。以上により、種基板200に対して三ハロゲン化ガリウムガスとしてのGaClガスと窒化水素ガスとしてのNHガスとを含む原料ガスを供給する。なお、成長工程S103における、その他の処理条件としては、以下が例示される。
反応容器110内の温度:400℃以上800℃以下
反応容器110内の圧力:0.8atm以上1.2atm以下
反応容器110内のClガスの分圧:1×10−3atm以上1×10−2atm以下
【0051】
成長工程S103では、成長ゾーンZ13においてGaClガスとNHガスとを反応させることにより、複数の凸部210上(主面201上)に、GaNの単結晶からなる複数の成長結晶230を、主面201の沿面方向に拡径させつつ−c軸方向にエピタキシャル成長させる。拡径した領域(拡径部)には、種基板200が有する貫通転位が伝播し難いため、転位密度の小さい高品質なGaN結晶を得ることができる。また、成長工程S103では、図3(e)および図3(f)に示すように、複数の成長結晶230を互いに結合させる。これにより、転位密度の小さい高品質な領域を拡大することができる。
【0052】
成長工程S103では、図3(f)に示すように、複数の成長結晶230を、例えば、平面視でそれぞれ六角形状にエピタキシャル成長させる。複数の成長結晶230のm面は、該六角形の各辺に対応している。成長工程S103では、複数の成長結晶230のm面同士を結合させることが好ましい。これにより、複数の成長結晶230をその表面に隙間なく結合させることができる。
【0053】
成長工程S103では、例えば、複数の凸部210から成長した複数の成長結晶230によって、底部220に対する原料ガスの供給を遮り、底部220からの結晶成長を抑制することが好ましい。底部220から成長する結晶240が複数の成長結晶230に接触すると、複数の成長結晶230に応力が加わることで、複数の成長結晶230に欠陥が発生する可能性がある。これに対し、本実施形態では、複数の成長結晶230が底部220の上方で互いに結合するため、結合した複数の成長結晶230によって、底部220に対する原料ガスの供給を遮ることができる。その結果、底部220から成長する結晶240の成長を抑制し、複数の成長結晶230の欠陥の発生を抑制することが可能となる。
【0054】
成長工程S103では、複数の成長結晶230が互いに結合するまでの間、底部220から成長する結晶240を、複数の成長結晶230に接触しない程度(つまり、複数の凸部210の高さを超えない程度)に成長させることが好ましい。結晶240を、複数の成長結晶230に接触しない程度に成長させることで、原料ガスが底部220において消費されるため、複数の成長結晶230の裏面に対する原料ガスの供給を抑制することができる。そのため、複数の成長結晶230の裏面における雑晶の成長を抑制することができる。複数の成長結晶230の裏面に雑晶が成長すると、複数の成長結晶230に応力が加わり、欠陥が発生する可能性がある。複数の成長結晶230の裏面における雑晶の成長を抑制することで、欠陥の発生を抑制し、高品質なGaN結晶を得ることが可能となる。
【0055】
成長工程S103では、図3(e)および図3(f)に示すように、複数の成長結晶230として、主面201の法線方向から平面視した際に、複数の凸部210の直上に位置する第1領域231と、第1領域231以外の領域に位置する第2領域232と、をそれぞれ成長させる。第2領域232は、拡径部と言い換えることもできる。成長工程S103では、第2領域232の貫通転位密度を、第1領域231の貫通転位密度より小さくすることが好ましい。具体的には、例えば、種基板200が有する貫通転位が、第1領域231に伝播し、第2領域232に伝播しないように、第1領域231と第2領域232とをそれぞれ成長させることが好ましい。これにより、第2領域232を転位密度の小さい高品質な領域とすることができる。また、第2領域232の貫通転位密度を、第1領域231の貫通転位密度より1桁以上小さくすることがより好ましく、第2領域232の貫通転位密度を1×10cm−2以下とすることがさらに好ましい。なお、第2領域232の貫通転位密度の下限値は、特に限定されないが、例えば、1×10cm−2以上である。
【0056】
また、成長工程S103では、種基板200が有する貫通転位が、第2領域232に伝播するように、第1領域231と第2領域232とをそれぞれ成長させてもよい。具体的には、例えば、複数の成長結晶230を0.5mm以上の厚さに成長させることで、種基板200が有する貫通転位が、結晶成長に伴い、第2領域232に広がるように伝播するため、第1領域231に伝播する貫通転位を減らすことができる。その結果、第1領域231および第2領域232の貫通転位密度を平均化し、第1領域231および第2領域232の両方を高品質な領域とすることが可能となる。なお、複数の成長結晶230の厚さの上限は、特に限定されない。
【0057】
成長工程S103では、図3(e)に示すように、複数の成長結晶230が互いに結合した結合部233と種基板200との間に空隙234を形成することが好ましい。これにより、複数の成長結晶230の歪みを緩和することができる。また、後述する後工程S104において、種基板200から複数の成長結晶230を剥離しやすくなる。
【0058】
成長工程S103では、複数の成長結晶230のそれぞれを、a軸方向とm軸方向とに等方的にエピタキシャル成長させることが好ましい。具体的には、例えば、III族原料ガスであるGaClガスの供給モル数に対する、V族原料ガスであるNHガスの供給モル数の比であるV/III比を、50以上200以下の範囲内の値に調整することが好ましい。通常、THVPE法において、GaN結晶はm軸方向に成長しやすい傾向があるが、V/III比を上述の範囲内の値に調整することにより、複数の成長結晶230のそれぞれをa軸方向とm軸方向とに等方的にエピタキシャル成長させることができる。その結果、複数の成長結晶230を平面視でそれぞれ正六角形状に成長させ、その表面に隙間なく結合させることが可能となる。
【0059】
成長工程S103における、GaN結晶の成長温度は、例えば、1200℃以上1400℃以下とすることが好ましい。成長温度が1200℃未満では、GaN結晶の−c軸方向へのエピタキシャル成長が不安定になる可能性がある。これに対し、成長温度を1200℃以上にすることで、複数の成長結晶230を−c軸方向へ安定的にエピタキシャル成長させることができる。一方、成長温度が1400℃を超えると、複数の成長結晶230が主面201の沿面方向に拡径しながらエピタキシャル成長し難くなる可能性がある。これに対し、成長温度を1400℃以下にすることで、複数の成長結晶230を主面201の沿面方向に拡径しながらエピタキシャル成長させることができる。
【0060】
成長工程S103では、複数の成長結晶230が互いに結合する前後で、成長条件を変更してもよい。具体的には、例えば、複数の成長結晶230が互いに結合する前においては、拡径しやすい条件(つまり、a軸方向およびm軸方向に成長しやすい条件)に制御し、複数の成長結晶230が互いに結合した後においては、拡径し難い条件(つまり、−c軸方向に成長しやすい条件)に制御してもよい。これにより、複数の成長結晶230を効率的に成長させることができる。
【0061】
(後工程S104)
後工程S104では、複数の成長結晶230を充分な厚さに成長させた後、反応容器110内へのClガスの導入を停止することにより、GaN結晶の成長を終了させる。同時に、反応容器110と種基板200との加熱をそれぞれ停止し、反応容器110内と成長容器120内との温度を、種基板200および複数の成長結晶230を含むGaN結晶が搬出可能な温度までそれぞれ降下させる。この際、複数の成長結晶230の分解を防ぐために、成長容器120内にはキャリアガスやNHガスを流しておくことが好ましい。
【0062】
反応容器110内と成長容器120内との温度を、種基板200および複数の成長結晶230を含むGaN結晶が搬出可能な温度までそれぞれ降下させた後、成長容器120内から該GaN結晶を搬出する。
【0063】
後工程S104では、種基板200から複数の成長結晶230を剥離してもよい。上述のように、本実施形態では、結合部233と種基板200との間に空隙234を形成しているため、種基板200から複数の成長結晶230を剥離しやすい。種基板200から剥離した複数の成長結晶230は、互いに結合しており、転位密度の小さい高品質なGaN結晶である。
【0064】
また、本実施形態によって得られるGaN結晶を、例えば、水平方向にスライスすることで、GaNの単結晶からなるGaN自立基板を得てもよい。GaN結晶のスライスは、例えば、ワイヤーソや内周刃スライサ等を用いて行うことができる。通常は、スライスにより得られるブランクウエハのアズスライス表面を機械研磨により平坦化し、さらにエッチング処理することで機械研磨によって表面に蓄積されたダメージ層を除去する。このようにして得られたGaN自立基板は、例えば、レーザダイオード、LED、高速トランジスタ等の半導体デバイスを作製する際に好適に用いることができる。
【0065】
(3)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
【0066】
(a)本実施形態のGaN結晶の製造方法は、種基板200の主面201の一部を除去することにより、種基板200上に、主面201から掘り下げられた底部220と、底部220から突出し、主面201が残された複数の凸部210とを形成する凸部形成工程S102を有する。したがって、複数の凸部210上に複数の成長結晶230を、主面201の沿面方向に拡径させつつ−c軸方向にエピタキシャル成長させることができる。複数の成長結晶230において、拡径した領域(第2領域232)には、種基板200が有する貫通転位が伝播し難いため、転位密度の小さい高品質なGaN結晶を得ることができる。
【0067】
(b)本実施形態の成長工程S103では、複数の成長結晶230を互いに結合させる。これにより、転位密度の小さい高品質な領域(第2領域232)を拡大することができる。その結果、転位密度の小さい高品質な領域を、より大面積で有するGaN結晶を得ることができる。
【0068】
(c)本実施形態の成長工程S103では、複数の凸部210から成長した複数の成長結晶230によって、底部220に対する原料ガスの供給を遮り、底部220からの結晶成長を抑制する。これにより、底部220から成長する結晶240の成長を抑制し、複数の成長結晶230の欠陥の発生を抑制することが可能となる。また、凸部形成工程S102において、主面201の一部を除去する際、底部220の表面を粗面とすることによっても同様の効果を得ることができる。
【0069】
(d)本実施形態の成長工程S103では、複数の成長結晶230が互いに結合するまでの間、底部220から成長する結晶240を、複数の成長結晶230に接触しない程度に成長させることが好ましい。結晶240を、複数の成長結晶230に接触しない程度に成長させることで、原料ガスが底部220において消費されるため、複数の成長結晶230の裏面に対する原料ガスの供給を抑制することができる。そのため、複数の成長結晶230の裏面における雑晶の成長を抑制することができる。複数の成長結晶230の裏面における雑晶の成長を抑制することで、欠陥の発生を抑制し、高品質なGaN結晶を得ることが可能となる。
【0070】
(e)本実施形態の成長工程S103では、第2領域232の貫通転位密度を、第1領域231の貫通転位密度より小さくする。これにより、第2領域232を転位密度の小さい高品質な領域とすることができる。
【0071】
(f)本実施形態の成長工程S103では、複数の成長結晶230が互いに結合した結合部233と種基板200との間に空隙234を形成する。これにより、複数の成長結晶230の歪みを緩和することができる。また、後工程S104において、種基板200から複数の成長結晶230を剥離しやすくなる。
【0072】
(g)本実施形態の成長工程S103では、複数の成長結晶230のm面同士を結合させる。また、本実施形態の凸部形成工程S102では、複数の凸部210のm軸を各辺とした正三角形の各頂点の位置に、複数の凸部210をそれぞれ形成する。これらにより、複数の成長結晶230をその表面に隙間なく結合させることができる。
【0073】
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0074】
上述の実施形態ではGaN結晶の原料ガスとして、三ハロゲン化ガリウムガスとしてのGaClガスと、窒化水素ガスとしてのNHガスとを用いているが、GaClガスの代わりに三臭化ガリウム(GaBr)ガスや三ヨウ化ガリウム(GaI)ガスなどの三ハロゲン化ガリウムガスを用いることもできるし、NHガスの代わりにヒドラジン(N)ガスなどの窒化水素ガスを用いることもできる。
【0075】
また、上述の実施形態では、レーザ光を照射して主面201の一部を除去することにより、種基板200上に複数の凸部210と底部220とを形成する場合について説明したが、複数の凸部210と底部220とを形成する手法は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、主面201の一部に対してマスク処理を行った後、エッチングによって主面201の一部を除去することにより、種基板200上に、主面201から掘り下げられた底部220と、底部220から突出し、主面201が残された複数の凸部210とを形成してもよい。この場合、エッチャントとしては、例えば、水酸化カリウム融液を用いることができる。主面201は、−c面により構成されているため、+c面に比べて容易にエッチングが可能である。また、エッチングによって底部220を形成した後に、例えば、塩酸と過酸化水素水との混合液を用いて底部220の表面を処理することで、底部220の表面を粗面とすることができる。
【0076】
また、上述の実施形態では、種基板200に対して、垂直方向からGaClガスを供給する態様について説明したが、原料ガスの供給態様は種々変更可能である。例えば、種基板200に対して、水平方向からGaClガスを供給してもよい。この場合、種基板200の高さを調整することで、複数の凸部210に対して選択的にGaClガスを供給してもよい。複数の凸部210に対して選択的にGaClガスを供給し、底部220に対してGaClガスが供給され難くすることで、底部220から成長する結晶240の成長を抑制することができる。
【0077】
また、上述の実施形態では、GaN自立基板である種基板200を用いる場合について説明したが、種基板200は、例えば、サファイア基板上にGaNの単結晶をヘテロエピタキシャル成長させたテンプレート基板であってもよい。この場合、例えば、サファイア基板を窒化処理してから、MOCVD法(有機金属気相成長法、Metal Organic Chemical Vapor Deposition)によりGaN結晶を成長させることで、その主面201を−c面とすることができる。このようなテンプレート基板を用いることで、第1実施形態に比べて、より安価に実施をすることができる。また、この場合、凸部形成工程S102において主面201の一部を除去する際、サファイア基板の表面まで掘り下げて底部220を形成してもよい。これにより、底部220から成長する結晶240の成長を抑制することができる。しかしながら、複数の成長結晶230の裏面における雑晶の成長を抑制する観点からは、第1実施形態のように、底部220から成長する結晶240を、複数の成長結晶230に接触しない程度に成長させることが好ましい。
【0078】
また、上述の実施形態では、複数の成長結晶230のm面同士を結合させる場合について説明したが、複数の成長結晶230のa面同士を結合させてもよい。つまり、凸部形成工程S102では、複数の凸部210のa軸を各辺とした正三角形の各頂点の位置に、複数の凸部210を形成してもよい。
【0079】
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様を付記する。
【0080】
(付記1)
本発明の一態様によれば、
(a)窒化ガリウムの単結晶からなる種基板の−c面により構成された主面の一部を除去することにより、前記種基板上に、前記主面から掘り下げられた底部と、前記底部から突出し、前記主面が残された複数の凸部とを形成する工程と、
(b)前記種基板に対して三ハロゲン化ガリウムガスと窒化水素ガスとを含む原料ガスを供給する工程と、
を有する窒化ガリウム結晶の製造方法が提供される。
【0081】
(付記2)
付記1に記載の窒化ガリウム結晶の製造方法であって、
前記(b)では、前記複数の凸部上(前記主面上)に、窒化ガリウムの単結晶からなる複数の成長結晶を、前記主面の沿面方向に拡径させつつ−c軸方向にエピタキシャル成長させ、前記複数の成長結晶を互いに結合させる。
【0082】
(付記3)
付記2に記載の窒化ガリウム結晶の製造方法であって、
前記(b)では、前記複数の凸部から成長した前記複数の成長結晶によって、前記底部に対する前記原料ガスの供給を遮り、前記底部からの結晶成長を抑制する。
【0083】
(付記4)
付記2または付記3に記載の窒化ガリウム結晶の製造方法であって、
前記(b)では、前記底部から成長する結晶を、前記複数の成長結晶に接触しない程度(前記複数の凸部の高さを超えない程度)に成長させる。
【0084】
(付記5)
付記2から付記4のいずれか1つに記載の窒化ガリウム結晶の製造方法であって、
前記(b)では、前記複数の成長結晶として、前記主面の法線方向から平面視した際に、前記複数の凸部の直上に位置する第1領域と、前記第1領域以外の領域に位置する第2領域と、をそれぞれ成長させ、前記第2領域の貫通転位密度を、前記第1領域の貫通転位密度より小さくする。
より好ましくは、前記第2領域の貫通転位密度を、前記第1領域の貫通転位密度より1桁以上小さくする。
さらに好ましくは、前記第2領域の貫通転位密度を1×10cm−2以下とする。
【0085】
(付記6)
付記2から付記5のいずれか1つに記載の窒化ガリウム結晶の製造方法であって、
前記(b)では、前記複数の成長結晶が互いに結合した結合部と前記種基板との間に空隙を形成する。
【0086】
(付記7)
付記2から付記6のいずれか1つに記載の窒化ガリウム結晶の製造方法であって、
前記(b)では、前記複数の成長結晶のm面同士を結合させる。
好ましくは、前記(a)では、前記複数の凸部のm軸を各辺とした正三角形の各頂点の位置に、前記複数の凸部をそれぞれ形成する。
【0087】
(付記8)
付記2から付記7のいずれか1つに記載の窒化ガリウム結晶の製造方法であって、
前記(b)では、前記複数の成長結晶のそれぞれを、a軸方向とm軸方向とに等方的にエピタキシャル成長させる。
好ましくは、III族原料ガスである前記三ハロゲン化ガリウムガスの供給モル数に対する、V族原料ガスである前記窒化水素ガスの供給モル数の比であるV/III比を、50以上200以下の範囲内の値に調整する。
【0088】
(付記9)
付記1から付記8のいずれか1つに記載の窒化ガリウム結晶の製造方法であって、
前記(a)では、前記底部の表面を粗面とする。
好ましくは、前記(a)では、前記底部の表面の算術平均粗さRaが0.5μm以上10μm以下となるように、前記底部を形成する。
【符号の説明】
【0089】
100 結晶製造装置
110 反応容器
111 原料収容容器
112 ガリウム
113 ガス導入口
114 ガス導入口
115 ガス排出口
120 成長容器
121 サセプタ
122 回転部
123 基板加熱部
124 ガス導入口
125 ガス排気口
126 ポンプ
127 ガイドリング
130 加熱部
200 種基板
201 主面
210 凸部
220 底部
230 成長結晶
231 第1領域
232 第2領域
233 結合部
234 空隙
240 結晶
S101 種基板準備工程
S102 凸部形成工程
S103 成長工程
S104 後工程
Z11 第1ゾーン
Z12 第2ゾーン
Z13 第3ゾーン
図1
図2
図3