特許第5791041号(P5791041)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5791041
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】スラリーポンプ、スラリー輸送装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 15/02 20060101AFI20150917BHJP
   F04B 53/10 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
   F04B15/02 A
   F04B15/02 B
   F04B53/10 C
   F04B53/10 Z
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-66574(P2011-66574)
(22)【出願日】2011年3月24日
(65)【公開番号】特開2012-202273(P2012-202273A)
(43)【公開日】2012年10月22日
【審査請求日】2014年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】592148878
【氏名又は名称】株式会社東洋高圧
(73)【特許権者】
【識別番号】596133119
【氏名又は名称】中電プラント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】松村 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】清水 嘉久
(72)【発明者】
【氏名】中村 昭史
(72)【発明者】
【氏名】美濃輪 智朗
(72)【発明者】
【氏名】野田 洋二
(72)【発明者】
【氏名】川井 良文
【審査官】 加藤 一彦
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭46−037481(JP,B1)
【文献】 実開平04−089871(JP,U)
【文献】 特開昭54−021036(JP,A)
【文献】 特開平09−280164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 15/02
F04B 53/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線方向に往復移動する軸体と、
前記軸体が遠ざかる方向に移動すると減圧状態になり、前記軸体が近づく方向に移動すると加圧状態になる圧送室と、
前記圧送室の上側に設けられ、スラリーが供給される供給口と、
前記圧送室の下側に設けられ、前記スラリーが吐出される吐出口と、
前記供給口を閉じるように弾性付勢され、前記圧送室が減圧状態になると、前記スラリーが前記供給口を通して前記圧送室内に供給されるように、弾性力に抗して開く供給口バルブとしての球型バルブと、
前記吐出口を閉じるように弾性付勢され、前記圧送室が加圧状態になると、前記圧送室内の前記スラリーが前記吐出口を通して吐出されるように、弾性力に抗して開く吐出口バルブと、
前記圧送室の上側に連通し、前記供給口が入り口に形成される供給筒と、
を備え、
前記供給筒は、前記球型バルブの径よりも大きい内径を有し、前記球型バルブが筒内を長手方向に沿って案内されるように、前記供給筒の内側から長手方向に沿って突出する複数の案内片を有する
ことを特徴とするスラリーポンプ。
【請求項2】
前記複数の案内片は、半円柱形状を呈する3個以上の案内片であり、前記供給筒の長手方向と直交する方向に沿って略等間隔で設けられる
ことを特徴とする請求項に記載のスラリーポンプ。
【請求項3】
前記供給口の上流側に留まる空気を抜くための空気抜きバルブを更に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のスラリーポンプ。
【請求項4】
前記吐出口の吐出圧力に応じて前記空気抜きバルブの開閉を制御する制御装置を更に備えたことを特徴とする請求項に記載のスラリーポンプ。
【請求項5】
請求項1乃至の何れかに記載のスラリーポンプと、
前記スラリーに含まれる固形物を粉砕した後に前記供給口に供給する粉砕機と、
を備えたことを特徴とするスラリー輸送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スラリーポンプ及びスラリー輸送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スラリーを輸送するためのスラリーポンプが知られている(例えば特許文献1を参照)。スラリーポンプは、例えば水平方向に延在する筒形状のポンプ本体を有し、このポンプ本体内の一端側に圧送室が設けられている。圧送室の下側には圧送室内にスラリーを供給するための供給口が設けられ、圧送室の上側には圧送室内からスラリーを吐出するための吐出口が設けられている。供給口及び吐出口は夫々、例えば上側からばねによってボール弁が弾性付勢されることで閉じられており、ばねが弾性変形した場合に開かれる。また、ポンプ本体内には、圧送室に向かって水平方向に往復移動するように軸体が摺動可能に支持されている。
【0003】
このスラリーポンプでは、軸体が圧送室から遠ざかる方向に移動すると圧送室内が減圧状態になる。これによって、下側のボール弁のみがばねの弾性力に抗して供給口から離れるように移動するため、スラリーが供給口を通して圧送室内に供給される。一方、軸体が圧送室に近づく方向に移動すると圧送室内が加圧状態になる。これによって、上側のボール弁のみがばねの弾性力に抗して吐出口から離れるように移動するため、圧送室内のスラリーが吐出口を通して吐出される。つまり、軸体の移動に応じて供給口及び吐出口が交互に開くことで、圧送室内に供給されたスラリーが加圧された状態で吐出され、スラリーポンプの下流側へ輸送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平1−247770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述したスラリーポンプでは、圧送室内に供給されたスラリーに含まれる固形物が重力等によって供給口側のボール弁の上に堆積する虞がある。これによって、ボール弁の移動が阻害されるとスラリーの輸送が困難になる虞がある。
【0006】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、スラリーをより確実に輸送できるスラリーポンプ及びスラリー輸送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための発明は、軸線方向に往復移動する軸体と、前記軸体が遠ざかる方向に移動すると減圧状態になり、前記軸体が近づく方向に移動すると加圧状態になる圧送室と、前記圧送室の上側に設けられ、スラリーが供給される供給口と、前記圧送室の下側に設けられ、前記スラリーが吐出される吐出口と、前記供給口を閉じるように弾性付勢され、前記圧送室が減圧状態になると、前記スラリーが前記供給口を通して前記圧送室内に供給されるように、弾性力に抗して開く供給口バルブとしての球型バルブと、前記吐出口を閉じるように弾性付勢され、前記圧送室が加圧状態になると、前記圧送室内の前記スラリーが前記吐出口を通して吐出されるように、弾性力に抗して開く吐出口バルブと、前記圧送室の上側に連通し、前記供給口が入り口に形成される供給筒と、を備え、前記供給筒は、前記球型バルブの径よりも大きい内径を有し、前記球型バルブが筒内を長手方向に沿って案内されるように、前記供給筒の内側から長手方向に沿って突出する複数の案内片を有する
【0008】
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、スラリーをより確実に輸送できるスラリーポンプ及びスラリー輸送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態にかかるスラリー輸送装置の模式図である。
図2図1に示す粉砕機の斜視図である。
図3】第1の実施形態にかかるスラリーポンプをスラリーの流れる方向に沿って切断した場合の断面図である。
図4】(a)は図3に示すスラリーポンプの供給筒(吐出筒)及び供給口バルブ(吐出口バルブ)の平面図であり、(b)は(a)に示す供給筒(吐出筒)及び供給口バルブ(吐出口バルブ)のa−a’での断面図である。
図5】第2の実施形態にかかるスラリーポンプをスラリーの流れる方向に沿って切断した場合の断面図である。
図6】他の実施形態にかかる供給筒(吐出筒)及び供給口バルブ(吐出口バルブ)をスラリーの流れる方向に沿って切断した場合の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0012】
<<<第1の実施形態>>>
===スラリー輸送装置について===
図1及び図2を参照して、第1の実施形態にかかるスラリー輸送装置1について説明する。スラリー輸送装置1は、例えばバイオマス資源である鶏糞を燃料ガスにガス化する場合に、鶏糞(固形物)と水とを含むスラリーを輸送する。このスラリー輸送装置1は、原料タンク2と、粉砕機3と、スラリーポンプ4とを備えている。
【0013】
原料タンク2は、例えば樹脂からなる容器であり、スラリーを一時的に貯蔵して粉砕機3に供給する。粉砕機3は、スラリーに含まれる固形物を粉砕した後にスラリーポンプ4に供給する。この粉砕機3は、粉砕部3Aと粉砕物タンク3Bとを備えている。粉砕部3Aは、鶏の食べた穀物等に由来する繊維分が切断されるまで固形物を粉砕する。例えば粉砕部3Aは、図2に示すように、ホッパ31と、粉砕軸32a、32b、32cと、粉砕歯33a、33b、33cとを備えている。
【0014】
ホッパ31は、例えば樹脂や金属からなり、上部及び底部が開口する枠形状を呈している。ホッパ31の上部の開口は原料タンク2に連通され、ホッパ31の底部の開口は粉砕物タンク3Bに連通されている。また、ホッパ31の内部には、例えば金属からなり、棒形状を呈する3本の粉砕軸32a乃至32cが夫々水平に配置されている。粉砕軸32a乃至32cの長手方向の両端は夫々、ホッパ31の内周面に回転可能に取り付けられている。粉砕軸32a乃至32cは夫々不図示のモータの駆動力等によって回転する。また、粉砕軸32a乃至32cの外周面には夫々、複数の粉砕歯33a乃至33cが粉砕軸32a乃至32cの長手方向に沿って取り付けられている。
【0015】
粉砕歯33a乃至33cは夫々、例えば金属からなり、粉砕軸32a乃至32cを中心とする円盤形状を呈している。また粉砕歯33aと、粉砕歯33bと、粉砕歯33cとは、盤面同士が互い違いに間隔をもって隣り合うように配置されている。粉砕軸32a乃至32cが回転することで粉砕歯33a乃至33cが回転する。回転している粉砕歯33a乃至33cに対して、ホッパ31の上部の開口からスラリーが供給されることで、スラリー中の固形物が粉砕歯33a乃至33cに噛み込まれながら粉砕されて繊維分が切断される。固形物が粉砕されたスラリーは、ホッパ31の底部の開口から粉砕物タンク3Bに供給される。
【0016】
粉砕物タンク3Bは、例えば樹脂からなる容器であり、粉砕部3Aにおいて固形物が粉砕されたスラリーを一時的に貯蔵してスラリーポンプ4に供給する。尚、以下、固形物が粉砕される前のスラリーを原料スラリーと称し、固形物が粉砕された後のスラリーを単にスラリーと称する。
【0017】
スラリーポンプ4は、粉砕物タンク3Bから供給されたスラリーを加圧状態としてスラリーポンプ4の後段(例えば、加圧熱水によって鶏糞を分解して燃料ガスを生成する不図示のガス化手段)に輸送する。
【0018】
===スラリーポンプについて===
以下、図3及び図4(a)、(b)を参照して、第1の実施形態にかかるスラリーポンプ4について具体的に説明する。スラリーポンプ4は、プランジャ等の軸体11と、圧送室12と、供給口13と、吐出口14と、供給口バルブ15と、吐出口バルブ16と、供給筒17と、空気抜きバルブ19と、制御装置20とを備え、更に吐出筒18と、供給管21と、吐出管22と、連通管23と、ポンプ本体24とを備えている。
【0019】
ポンプ本体24は、例えば金属や樹脂等からなり、水平方向に延在する筒形状の一端に圧送室12が形成されている。軸体11は、例えば金属や樹脂等からなり、ポンプ本体24の筒形状部分の内径より僅かに小さい径を有する円柱形状を呈している。また、軸体11は、圧送室12に対して遠ざかる方向及び近づく方向に往復移動するようにポンプ本体24内に摺動可能に支持されている。尚、例えば軸体11は、圧送室12と反対側の端部が不図示の駆動クランクに連結され、駆動クランクの回転駆動に応じてポンプ本体24内を往復移動するようになっている。
【0020】
圧送室12は、軸体11が遠ざかる方向に移動すると内部が減圧状態になり、軸体11が近づく方向に移動すると内部が加圧状態になる。圧送室12の上側には内部にスラリーを供給するための供給口13が入口に形成された供給筒17及び供給口バルブ15が設けられている。また、圧送室12の下側には内部のスラリーを吐出するための吐出口14が入口に形成された吐出筒18及び吐出口バルブ16が設けられている。圧送室12は供給口13及び供給口バルブ15を介して、粉砕物タンク3Bとスラリーポンプ4とを接続する供給管21に連通される。また、圧送室12は吐出口14及び吐出口バルブ16を介して、スラリーポンプ4の後段にスラリーを輸送するための吐出管22に連通される。
【0021】
供給口バルブ15は、軸体11の往復移動に応じて供給口13を開閉する。例えば、供給口バルブ15は、ボール弁15a(球型バルブ)と、弁座15bと、弾性バネ15c(弾性部材)とを備えている。弁座15bは例えば金属や樹脂からなる円環形状を呈し、中心にボール弁15aの径よりも小さい径を有する円形状の開口を有している。この弁座15bは、中心の開口と供給口13が連通するように供給筒17の入口側(上側)の端部に対して固定されている。
【0022】
ボール弁15aは、例えば金属や樹脂からなる球形状を呈し、供給筒17の内部に上下方向に移動可能に配置されている。弾性バネ15cは、例えばらせん状に巻回された弾性力を有するバネであり、供給筒17内に配置されている。そして弾性バネ15cは、圧送室12の内側から外側に向かって弁座15bの開口(供給口13)にボール弁15aを弾性付勢している。つまり、弾性バネ15cの弾性力に抗する力が加えられていない場合、ボール弁15aによって供給口13は閉じられている。一方、圧送室12内が減圧状態になり、ボール弁15aに弾性バネ15cの弾性力に抗する力が加えられた場合、供給口13は開かれるようになっている。
【0023】
供給筒17は、例えば金属や樹脂からなり、ボール弁15aの径よりも大きい内径を有する筒形状を呈し、圧送室12の上側に連通している。図4(a)に示すように供給筒17は、複数の案内片17aと、係止片17bとを備えている。案内片17aは夫々、供給筒17の内周面から長手方向に沿って突出する半円柱形状を呈し、供給筒17の内周面に沿って略等間隔に例えば6個設けられている。この案内片17aは、ボール弁15aと供給筒17の内周面の間に空間17cを形成すると共に、ボール弁15aが供給筒17の内部を長手方向に沿って移動するように案内する。
【0024】
係止片17bは、弾性バネ15cの下端が接触するように供給筒17の出口側(下側)の端部から供給筒17の内側に向かって水平方向に延在している。つまり、係止片17bとボール弁15aの間に弾性バネ15cが配置されることで、ボール弁15aが供給口13に弾性付勢されている。
【0025】
尚、説明の便宜上、図3に示す供給筒17では案内片17aを省略し、図4(b)に示す供給口バルブ15では弾性バネ15cを省略している。
【0026】
吐出口バルブ16は、軸体11の往復移動に応じて、供給口バルブ15による供給口13の開閉と相補的に、吐出口14を開閉する。例えば、吐出口バルブ16は、ボール弁16a(球型バルブ)と、弁座16bと、弾性バネ16cとを備えている。弁座16bは例えば金属や樹脂からなる円環形状を呈し、中心にボール弁16aの径よりも小さい径を有する円形状の開口を有している。また、弁座16bは、中心の開口と吐出口14が連通するように吐出筒18の入口側(上側)の端部に対して固定されている。
【0027】
ボール弁16aは、例えば金属や樹脂からなる球形状を呈し、吐出筒18の内部に上下方向に移動可能に配置されている。弾性バネ16cは、例えばらせん状に巻回された弾性力を有するバネであり、吐出筒18内に配置されている。そして弾性バネ16cは、圧送室12の外側から内側に向かって弁座16bの開口(吐出口14)にボール弁16aを弾性付勢している。つまり、弾性バネ16cの弾性力に抗する力が加えられていない場合、ボール弁16aによって吐出口14は閉じられている。一方、圧送室12内が加圧状態になり、ボール弁16aに弾性バネ16cの弾性力に抗する力が加えられた場合、吐出口14は開かれるようになっている。
【0028】
吐出筒18は、例えば金属や樹脂からなり、ボール弁16aの径よりも大きい内径を有する筒形状を呈し、圧送室12の下側に連通している。図4(a)に示すように吐出筒18は、複数の案内片18aと、係止片18bとを備えている。案内片18aは夫々、吐出筒18の内周面から長手方向に沿って突出する半円柱形状を呈し、吐出筒18の内周面に沿って略等間隔に例えば6個設けられている。この案内片18aは、ボール弁16aと吐出筒18の内周面の間に空間18cを形成すると共に、ボール弁16aが吐出筒18の内部を長手方向に沿って移動するように案内する。
【0029】
係止片18bは、弾性バネ16cの下端が接触するように吐出筒18の出口側(下側)の端部から吐出筒18の内側に向かって水平方向に延在している。つまり、係止片18bとボール弁16aの間に弾性バネ16cが配置されることで、ボール弁16aが吐出口14に弾性付勢されている。
【0030】
尚、説明の便宜上、図3に示す吐出筒18では案内片18aを省略し、図4(b)に示す吐出口バルブ16では、弾性バネ16cを省略している。
【0031】
空気抜きバルブ19は、例えばスラリーポンプ4に対して水平方向に延在する供給管21から分岐して圧送室12の上側に連通する連通管23を開閉する電磁弁である。供給口13の上流側には、例えばスラリーと共に供給管21に入り込んだ空気や、スラリーが供給される前に圧送室12内に存在していた空気が集まって溜まる場合がある。空気抜きバルブ19は、供給口13の上流側に空気が溜まった場合に、制御装置20の制御によって開かれる。空気抜きバルブ19が開かれることで、供給口13の上流側に溜まった空気は、連通管23を介してスラリーポンプ4の外部へ排出される。
【0032】
制御装置20は、吐出口14から吐出されたスラリーの吐出管22内の圧力(吐出圧力)を検出する圧力計20aを備え、検出された吐出圧力に応じて空気抜きバルブ19の開閉を制御する。例えば、供給口13の上流側に空気が溜まることで、圧送室12へのスラリーの供給が阻害されると、吐出口14から排出されるスラリー量が減少して吐出圧力も減少する。このため、制御装置20は例えば圧力計20aによって検出された吐出圧力が所定値を下回った場合に、供給口13の上流側に空気が溜まっていることとして空気抜きバルブ19を一定時間開く。
【0033】
つまり、空気抜きバルブ19が開かれて空気がスラリーポンプ4の外部に排出された後に、空気抜きバルブ19が閉じられ、再び軸体11の往復移動に応じて圧送室12内が加圧及び減圧される。これによって、圧送室12内にスラリーが効率よく供給されると共に圧送室12内からスラリーが効率よく吐出され、スラリーポンプ4はスラリーをより確実に輸送することができる。尚、圧力計20aとしては、例えば圧力変化により電気抵抗が変化するピエゾ抵抗型半導体素子(シリコンダイアフラム)等を用いることができる。
【0034】
以上より、第1の実施形態にかかるスラリーポンプ4は、圧送室12に対して上側からスラリーが供給され、下側からスラリーが吐出される。圧送室12に供給されるスラリーには、例えば鶏の餌等に起因して粒状の炭酸カルシウム等の固形物が含まれる。この固形物は重力等によって圧送室12内の下側に集まる。しかし、圧送室12に供給されたスラリーは、圧送室12の下側に設けられた突出口14から吐出されるため、吐出口バルブ16等の上に固形物が堆積することを防止できる。これによって、吐出口バルブ16のボール弁16aの移動が阻害されること等を防止することができる。このため、圧送室12内を効率よく加圧状態及び減圧状態にでき、スラリーポンプ4によってスラリーをより確実に輸送することができる。
【0035】
また、スラリーポンプ4に備えられる供給筒17は夫々、半円柱形状を呈する複数の案内片17aを備えている。このため、ボール弁15aと供給筒17の内周面との間に空間17cを形成することができると共に、ボール弁15aと案内片17aとの接触面積を縮小できる。空間17cが形成されている分、供給筒17内をスラリーが移動する際に、ボール弁15aと供給筒17の内周面との間に固形物が噛み込みにくくなる。このため、ボール弁15aの移動が妨げられる等の供給口バルブ15の動作不良を効率的に防止することができる。これは、吐出口バルブ16及び吐出筒18についても同様である。よって、スラリーポンプ4はスラリーをより確実に輸送することができる。
【0036】
さらに、ボール弁15aと案内片17aとの接触面積を縮小できる分、ボール弁15aが供給筒17内を移動する際に生じる摩擦力を低減することができる。このため、ボール弁15aが供給筒17の内部を長手方向に沿って容易に移動することができる。これは、吐出口バルブ16及び吐出筒18についても同様である。よって、スラリーポンプ4はスラリーをより確実に輸送することができる。
【0037】
また、第1の実施形態にかかるスラリー輸送装置1では、固形物中の繊維分を粉砕装置3によって粉砕した後のスラリーをスラリーポンプ4に供給する。これによって、スラリーポンプ4では、供給筒17の内周面とボール弁15aの間及び弁座15bとボール弁15aとの間に繊維が噛み込む等して、供給口バルブ15に動作不良が生じることを防止できる。吐出口バルブ16に対しても同様に動作不良を防止できる。よって、輸送装置1では、スラリーをより確実に輸送することができる。
【0038】
<<<第2の実施形態>>>
第2の実施形態にかかるスラリー輸送装置は、前述したスラリー輸送装置1のスラリーポンプ4にかえてスラリーポンプ5を備えている。以下、図5を参照して第2の実施形態にかかるスラリーポンプ5について説明する。尚、図5において、図1乃至図4に示す構成と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0039】
スラリーポンプ5は、前述したスラリーポンプ4の空気抜き弁19と、制御装置20と、連通管23とを備えず、供給管21のかわりに供給管21Aを備えている。供給管21Aは、圧送室12の上側に延在し、例えば圧送室12よりも上側に配置された粉砕物タンク3Bに接続されている。このスラリーポンプ5では、供給口13の上側に移動した空気がそのまま供給管21Aを介して粉砕物タンク3Bへと移動する。また、供給口13の上側の粉砕物タンク3Bから供給管21Aにスラリーが供給されるため、供給管21Aにスラリーと共に空気が入り込むことを抑制できる。よって、供給口13の上側に空気が溜まることによって圧送室12へのスラリーの供給が阻害されることを防止できるため、スラリーポンプ5はスラリーをより確実に輸送することができる。
【0040】
<<<その他の実施形態>>>
前述した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更、改良されると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0041】
前述した第1の実施形態にかかるスラリー輸送装置1及び第2の実施形態にかかるスラリー輸送装置では、粉砕機3を備え、原料スラリーに含まれる固形物を粉砕した後のスラリーをスラリーポンプ4に供給することとした。しかし、特にこれに限定されるものではなく、原料タンク2から直接スラリーポンプ4に原料スラリーが供給されてもよい。
【0042】
この場合、供給口バルブ15及び吐出口バルブ16に固形物中の繊維分が噛み込まれることによる動作不良を防止することが好ましい。このため、例えば図6に示すように弁座15b、16bは夫々、切断歯15d、16dを備えていてもよい。切断歯15d、16dは夫々、弁座15b、16bの開口側の端部に開口を囲むように一体に形成され、ボール弁15a、16aの側に刃先が向かうように突出した筒形状を呈している。供給口13及び吐出口14に夫々ボール弁15a、16aが弾性付勢される際に、切断歯15d、16dの刃先とボール弁15a、16aとが夫々接触することで供給口13及び吐出口14が閉じられると共に、繊維分が切断される。これによって、ボール弁15a、16aと弁座15b、16bとの間等に繊維が噛み込むことを抑制でき、スラリーをより確実に輸送することができる。スラリーポンプ5についても同様である。
【0043】
また、前述した第1及び第2の実施形態にかかるスラリーポンプ4、5の供給筒17及び吐出筒18は夫々、半円柱形状の案内片17a、18aを備えることとしたが、特にこれに限定されるものではない。案内片17aは、ボール弁15aと供給筒17の内周面との間に空間17cを形成しつつ、ボール弁15aが供給筒17の内部を長手方向に沿って移動するように案内するものであればよい。例えば案内片17aは、供給筒17の内周面から長手方向に沿って突出する三角柱形状を呈していてもよい。
【0044】
また、前述した供給筒17及び吐出筒18は夫々、6個の案内片17a、18aが設けられていることとしたが、特にこれに限定されるものではなく、3個以上の案内片17a、18aが設けられていればよい。例えば案内片17aを6個とすることで、供給筒17及び供給口バルブ15の耐久性を高めることができると共に、供給筒17の長手方向に沿ってボール弁15aをより確実に案内することができる。一方、例えば案内片17aを3個とすることで、空間17cの面積を大きくすることができ、より確実に供給口バルブ15の動作不良を防止することができる。つまり、案内片17aの個数は、供給筒17及び供給口バルブ15の材質や、スラリーに含まれる固形物の大きさに応じて調整されればよい。吐出筒18の案内片18aについても同様である。
【0045】
また、前述した第1の実施形態にかかるスラリー輸送装置1及び第2の実施形態にかかるスラリー輸送装置は、固形物として鶏糞を含むスラリーを輸送することとしたが、特にこれに限定されるものではない。例えば、セメントミルク、泥水等のスラリーであっても鶏糞を含むスラリーと同様により確実に輸送することができる。
【符号の説明】
【0046】
1…スラリー輸送装置,2…原料タンク,3…粉砕機,3A…粉砕部,3B…粉砕物タンク,4、5…スラリーポンプ,11…軸体,12…圧送室,13…供給口,14…吐出口,15…供給口バルブ,15a、16a…ボール弁,15b、16b…弁座,15c、16c…弾性バネ,15d、16d…切断歯,16…吐出口バルブ,17…供給筒,17a、18a…案内片,17b、18b…係止片,17c、18c…空間,18…吐出筒,19…空気抜きバルブ,20…制御装置,20a…圧力計,21、21A…供給管,22…吐出管,23…連通管,24…ポンプ本体,31…ホッパ,32a、32b、32c…粉砕軸,33a、33b、33c…粉砕歯
図1
図2
図3
図4
図5
図6