【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成24年5月15日 社団法人高分子学会発行の「第61回高分子学会年次大会 高分子学会予稿集61巻1号[2012]」に発表及び同日にhttp://www.spsj.or.jp/nenkai.htmlを通じて発表 平成24年5月29日 第61回高分子学会年次大会にて発表
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記式(1)で表されるジハロゲノトリアジン化合物と、前記式(2)で表されるトリス(アミノアリールアミノ)トリアジン化合物とを、塩基および有機溶媒の存在下、80〜150℃に加熱して反応させる請求項1〜4のいずれか1項記載のトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係るトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーの製造方法は、上述のとおり、式(1)で表されるジハロゲノトリアジン化合物と、式(2)で表されるトリス(アミノアリールアミノ)トリアジン化合物とを反応させて式(21)で表されるハイパーブランチポリマーを得るものである。
【0018】
この方法としては、例えば、スキーム1に示されるように、式(1)のジハロゲノトリアジン化合物と、式(2)のトリス(アミノアリールアミノ)トリアジン化合物とを、適当な有機溶媒中で反応させて式(21)のハイパーブランチポリマーへと導く手法と、スキーム2に示されるように、式(1)のジハロゲノトリアジン化合物と、式(2)のトリス(アミノアリールアミノ)トリアジン化合物との等モル反応中間体とした後、これを重合させて式(21)のハイパーブランチポリマーへと導く手法が挙げられる。特に、工業的観点を考慮すると、短工程で合成できるスキーム1による製法がより好ましい。
【0019】
【化10】
(式中、R
1〜R
5、Ar
1〜Ar
3は上記と同じ意味を表す。)
【0020】
【化11】
(式中、R
1〜R
5、Ar
1〜Ar
3は上記と同じ意味を表す。)
【0021】
スキーム1および2の方法において、各原料の仕込み量としては、目的とするハイパーブランチポリマーが得られる限りにおいて任意であるが、式(1)のジハロゲノトリアジン化合物1当量に対し、式(2)のトリス(アミノアリールアミノ)トリアジン化合物0.01〜10当量とすることが好ましい。
なお、本発明の製造方法では、各原料の量を適宜調節することで、得られるハイパーブランチポリマーの分子量を容易に調節することができる。
【0022】
反応に用いる有機溶媒としては、この種の反応に通常用いられる各種溶媒を用いることができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;ジメチルスルホキシド;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピペリドン、N,N−ジメチルエチレン尿素、N,N,N’,N’−テトラメチルマロン酸アミド、N−メチルカプロラクタム、N−アセチルピロリジン、N,N−ジエチルアセトアミド、N−エチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピオン酸アミド、N,N−ジメチルイソブチルアミド、N−メチルホルムアミド、N,N’−ジメチルプロピレン尿素等のアミド系溶媒、およびそれらの混合溶媒が挙げられる。
中でもN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、およびそれらの混合系が好ましく、特に、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、およびそれらの混合系が好適である。
【0023】
スキーム1および2の反応において、反応温度は、用いる溶媒の融点から溶媒の沸点までの範囲で適宜設定すればよいが、特に、0〜200℃程度が好ましく、スキーム1およびスキーム2の第2段階の反応では、80〜150℃がより好ましく、スキーム2の第1段階の反応では0〜50℃がより好ましい。
【0024】
上記各反応において、各成分の配合順序は任意であるが、いずれの反応においても、式(2)のトリス(アミノアリールアミノ)トリアジン化合物を有機溶媒に溶かし、この中に式(1)のジハロゲノトリアジン化合物を加える方法が好ましい。
後から加える成分は、ニートで加えても、上述したような有機溶媒に溶かした溶液で加えてもよいが、操作の容易さや反応のコントロールのし易さなどを考慮すると、後者の手法が好適である。
なお、添加は、滴下等によって徐々に加えても、全量一括して加えてもよい。
【0025】
また、上記スキーム1および2の反応並びにスキーム2の第2段階の反応では、重合時または重合後に通常用いられる種々の塩基を添加してもよい。
塩基の具体例としては、炭酸カリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ナトリウムエトキシド、酢酸ナトリウム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、酸化リチウム、酢酸カリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化バリウム、リン酸三リチウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、フッ化セシウム、酸化アルミニウム、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチル−N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルモルホリン等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
塩基の添加量は、式(1)のジハロゲノトリアジン化合物1当量に対して1〜100当量が好ましく、1〜10当量がより好ましい。なお、これらの塩基は水溶液にして用いてもよい。
いずれのスキームの方法においても、反応終了後、生成物は再沈法等によって容易に精製できる。
得られるポリマーには、原料成分が残存していないことが好ましいが、本発明の効果を損なわなければ一部の原料が残存していてもよい。
【0026】
なお、原料となる式(2)のトリス(アミノアリールアミノ)トリアジン化合物および式(1)のジハロゲノトリアジン化合物は、塩化シアヌル等のハロゲン化シアヌルとジアリールアミン化合物またはアミン化合物とを公知の手法により反応させて得ることができる。
【0027】
次に置換基について説明する。
上記式(1)において、R
1およびR
2は、互いに独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、またはアラルキル基を表す。
本発明において、アルキル基の炭素数としては特に限定されるものではないが、1〜20が好ましく、ポリマーの耐熱性をより高めることを考慮すると、炭素数1〜10がより好ましく、1〜3がより一層好ましい。また、その構造は、鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。
【0028】
アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、1−メチル−シクロプロピル、2−メチル−シクロプロピル、n−ペンチル、1−メチル−n−ブチル、2−メチル−n−ブチル、3−メチル−n−ブチル、1,1−ジメチル−n−プロピル、1,2−ジメチル−n−プロピル、2,2−ジメチル−n−プロピル、1−エチル−n−プロピル、シクロペンチル、1−メチル−シクロブチル、2−メチル−シクロブチル、3−メチル−シクロブチル、1,2−ジメチル−シクロプロピル、2,3−ジメチル−シクロプロピル、1−エチル−シクロプロピル、2−エチル−シクロプロピル、n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル、2−メチル−n−ペンチル、3−メチル−n−ペンチル、4−メチル−n−ペンチル、1,1−ジメチル−n−ブチル、1,2−ジメチル−n−ブチル、1,3−ジメチル−n−ブチル、2,2−ジメチル−n−ブチル、2,3−ジメチル−n−ブチル、3,3−ジメチル−n−ブチル、1−エチル−n−ブチル、2−エチル−n−ブチル、1,1,2−トリメチル−n−プロピル、1,2,2−トリメチル−n−プロピル、1−エチル−1−メチル−n−プロピル、1−エチル−2−メチル−n−プロピル、シクロヘキシル、1−メチル−シクロペンチル、2−メチル−シクロペンチル、3−メチル−シクロペンチル、1−エチル−シクロブチル、2−エチル−シクロブチル、3−エチル−シクロブチル、1,2−ジメチル−シクロブチル、1,3−ジメチル−シクロブチル、2,2−ジメチル−シクロブチル、2,3−ジメチル−シクロブチル、2,4−ジメチル−シクロブチル、3,3−ジメチル−シクロブチル、1−n−プロピル−シクロプロピル、2−n−プロピル−シクロプロピル、1−イソプロピル−シクロプロピル、2−イソプロピル−シクロプロピル、1,2,2−トリメチル−シクロプロピル、1,2,3−トリメチル−シクロプロピル、2,2,3−トリメチル−シクロプロピル、1−エチル−2−メチル−シクロプロピル、2−エチル−1−メチル−シクロプロピル、2−エチル−2−メチル−シクロプロピル、2−エチル−3−メチル−シクロプロピル基等が挙げられる。
【0029】
上記アルコキシ基の炭素数としては特に限定されるものではないが、1〜20が好ましく、ポリマーの耐熱性をより高めることを考慮すると、炭素数1〜10がより好ましく、1〜3がより一層好ましい。また、そのアルキル部分の構造は、鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。
【0030】
アルコキシ基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、1−メチル−n−ブトキシ、2−メチル−n−ブトキシ、3−メチル−n−ブトキシ、1,1−ジメチル−n−プロポキシ、1,2−ジメチル−n−プロポキシ、2,2−ジメチル−n−プロポキシ、1−エチル−n−プロポキシ、n−ヘキシルオキシ、1−メチル−n−ペンチルオキシ、2−メチル−n−ペンチルオキシ、3−メチル−n−ペンチルオキシ、4−メチル−n−ペンチルオキシ、1,1−ジメチル−n−ブトキシ、1,2−ジメチル−n−ブトキシ、1,3−ジメチル−n−ブトキシ、2,2−ジメチル−n−ブトキシ、2,3−ジメチル−n−ブトキシ、3,3−ジメチル−n−ブトキシ、1−エチル−n−ブトキシ、2−エチル−n−ブトキシ、1,1,2−トリメチル−n−プロポキシ、1,2,2−トリメチル−n−プロポキシ、1−エチル−1−メチル−n−プロポキシ、1−エチル−2−メチル−n−プロポキシ基等が挙げられる。
【0031】
上記アリール基の炭素数としては特に限定されるものではないが、6〜40が好ましく、ポリマーの耐熱性をより高めることを考慮すると、炭素数6〜16がより好ましく、6〜13がより一層好ましい。
アリール基の具体例としては、フェニル、o−クロルフェニル、m−クロルフェニル、p−クロルフェニル、o−フルオロフェニル、p−フルオロフェニル、o−メトキシフェニル、p−メトキシフェニル、p−ニトロフェニル、p−シアノフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、o−ビフェニリル、m−ビフェニリル、p−ビフェニリル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル、9−フェナントリル基等が挙げられる。
【0032】
アラルキル基の炭素数としては特に限定されるものではないが、炭素数7〜20が好ましく、そのアルキル部分は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。
その具体例としては、ベンジル、p−メチルフェニルメチル、m−メチルフェニルメチル、o−エチルフェニルメチル、m−エチルフェニルメチル、p−エチルフェニルメチル、2−プロピルフェニルメチル、4−イソプロピルフェニルメチル、4−イソブチルフェニルメチル、α−ナフチルメチル基等が挙げられる。
【0033】
これらの中でも、R
1およびR
2としては、一方が水素原子、他方がアリール基であることが好ましく、水素原子とフェニル基との組み合わせがより好ましい。
Xはハロゲン原子を表し、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子が挙げられるが、中でも塩素原子が好ましい。
好適な式(1)で表される化合物としては、下記式で示されるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
【化12】
(式中、Arは、アリール基を表す。)
【0035】
【化13】
(式中、Rは、水素原子、塩素原子、フッ素原子、メトキシ基、ニトロ基またはシアノ基を表す。)
【0037】
一方、上記式(2)において、R
3〜R
5は、互いに独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、またはアラルキル基を表し、これら各基の具体例としては、上述と同様のものが挙げられるが、好ましくは、水素原子である。
上記Ar
1〜Ar
3は、2価のアリール基を表し、その具体例としては特に限定されるものではないが、本発明においては、特に、式(3)〜(19)で示される群から選ばれる少なくとも1種が好適である。
Ar
1〜Ar
3は、それぞれが異なる基であっても、2つが同一の基で残りが異なる基であっても、全てが同一の基であってもよいが、合成の簡便さ等を考慮すると、全てが同一であるものが好ましく、中でもAr
1〜Ar
3の全てが式(3)で示されるフェニレン基であることが好適である。
【0039】
上記R
6〜R
133は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルキル基、または炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルコキシ基を表し、W
1およびW
2は、互いに独立して、単結合、CR
134R
135(R
134およびR
135は、互いに独立して、水素原子または炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルキル基(ただし、これらは一緒になって環を形成していてもよい。)を表す。)、C=O、O、S、SO、SO
2、またはNR
136(R
136は、水素原子または炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルキル基を表す。)を表し、
なお、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子としては上記と同様のものが挙げられる。
【0040】
また、X
1およびX
2は、互いに独立して、単結合、炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルキレン基、または式(20)で示される基を表す。
【0042】
上記R
137〜R
140は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルキル基、または炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルコキシ基を表し、Y
1およびY
2は、互いに独立して、単結合または炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルキレン基を表し、これらハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基としては上記と同様のものが挙げられる。
炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン基等が挙げられる。
【0043】
上記式(3)〜(19)で表されるアリール基の具体例としては、下記式で示されるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0045】
これらの中でも、より高い屈折率のポリマーが得られることから、下記式で示されるアリール基がより好ましい。
【0047】
さらに、高屈折率を発現させるという点から、フルオレン骨格やカルバゾール骨格等の環状骨格を有する剛直な構造が、アリール部分が密に集まり易く、電子密度が向上するため好適であり、また、単純なベンゼン環も小さな構造であるため、アリール部分が密に集まり易く、電子密度が向上するため好適である。
また、W
1等のベンゼン環の連結基としては、高い水素結合能を有する、カルボニルを含む基やアミン等の官能基が、ポリマー中のその他のアミン部位の水素原子と水素結合を形成してよりアリール部分が密に集まり易く、電子密度が向上するため好適である。
以上のような観点から、下記式で示されるアリール基が好ましい。
【0049】
また、レジスト溶剤等の安全性の高い溶剤に対する溶解性をより高めることを考慮すると、アリール基はベンゼン環(フェニレン基)が好ましい。
好適な式(2)で表される化合物としては、下記式で示されるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
【化20】
(式中、R
3〜R
5は、上記と同じ意味を表す。)
【0051】
【化21】
(式中、R
3〜R
5は、上記と同じ意味を表す。)
【0053】
したがって、得られるハイパーブランチポリマーの好適な繰り返し単位構造としては、下記式で示されるものが挙げられ、特に式(23)〜(25)で示されるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0054】
【化23】
(式中、RおよびR
3〜R
5は、上記と同じ意味を表す。)
【0057】
本発明の製法で得られるトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーの重量平均分子量(Mw)は、特に限定されるものではないが、500〜500,000が好ましく、特に、500〜100,000が好ましく、より耐熱性を向上させるとともに、収縮率を低くするという点から、2,000以上が好ましく、より溶解性を高め、得られた溶液の粘度を低下させるという点から、50,000以下が好ましく、30,000以下がより好ましく、10,000以下がより一層好ましい。
なお、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCという)分析による標準ポリスチレン換算で得られる平均分子量である。
また、上記ハイパーブランチポリマーの550nmにおける屈折率は、1.65以上が好ましく、1.70以上がより好ましく、1.75以上がより一層好ましく、1.80以上がさらに好ましい。
【0058】
なお、本発明のハイパーブランチポリマーにおいては、少なくとも1つの末端アミノ基の一部を、アルキル、アラルキル、アリール、アシル、イミド基等でキャップしてもよく、中でも、アシル基、イミド基でキャップすることが好ましい。末端アミノ基(の一部)をキャップすることで、ハイパーブランチポリマーの有機溶媒に対する溶解性をさらに向上させることができる。
アシル基の具体例としては、アセチル、ベンゾイル基等が挙げられる。
イミド基の具体例としては、マレイミド、フタルイミド基等が挙げられる。
アラルキル基の具体例としては、ベンジル、p−メチルフェニルメチル、m−メチルフェニルメチル、o−エチルフェニルメチル、m−エチルフェニルメチル、p−エチルフェニルメチル、2−プロピルフェニルメチル、4−イソプロピルフェニルメチル、4−イソブチルフェニルメチル、α−ナフチルメチル基等が挙げられる。
上記アルキル基としては先に述べた基と同様のものが挙げられる。
【0059】
これらの基は末端アミノ基と結合し、対応するキャップ構造を与える化合物を用いることで容易に導入することができ、例えば、スキーム3に示されるように、式(21)のハイパーブランチポリマーを無水酢酸で処理することで、少なくとも1つの末端アミノ基がアセチル基でキャップされたハイパーブランチポリマー(25)が得られる。
この際、反応条件は特に限定されるものではなく、従来公知の条件を用いればよい。
【0060】
【化26】
(式中、R
1〜R
5、Ar
1〜Ar
3は上記と同じ意味を表す。)
【0061】
以上で説明した本発明のトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーは、膜形成用組成物の材料として好適に用いることができ、特に当該ポリマーを各種の溶剤に溶かしたポリマーワニスとして好適に使用できる。
ハイパーブランチポリマーの溶解に用いる溶剤は、重合時に用いた溶媒と同じものでも別のものでもよい。
【0062】
このような溶剤の具体例としては、トルエン、p−キシレン、o−キシレン、m−キシレン、エチルベンゼン、スチレン、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコ−ルモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、1−オクタノール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、トリメチレングリコール、1−メトキシ−2−ブタノール、シクロヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルノーマルブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ノーマルプロピル、酢酸イソブチル、酢酸ノーマルブチル、乳酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、アリルアルコール、ノーマルプロパノール、2−メチル−2−ブタノール、イソブタノール、ノーマルブタノール、2−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−エチルヘキサノール、1−オクタノール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、トリメチレングリコール、1−メトキシ−2−ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、N−シクロヘキシル−2−ピロリジノン等が挙げられるが、ポリマーの溶解性および保存安定性の観点から、より好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、シクロヘキサノン等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。
【0063】
膜形成用組成物中の固形分濃度は、保存安定性に影響を与えない範囲であれば特に限定されず、目的とする膜の厚みに応じて適宜設定すればよい。具体的には、溶解性および保存安定性の観点から、固形分濃度0.1〜50質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜40質量%である。
【0064】
本発明においては、本発明の効果を損なわない限りにおいて、ハイパーブランチポリマーおよび溶剤以外のその他の成分、例えば、レベリング剤、界面活性剤、架橋剤等が含まれていてもよい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類;ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、商品名エフトップEF301、EF303、EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製(旧(株)ジェムコ製)、商品名メガファックF171、F173、R−08、R−30(DIC(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、商品名アサヒガードAG710,サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、BYK−302、BYK−307、BYK−322、BYK−323、BYK−330、BYK−333、BYK−370、BYK−375、BYK−378(ビックケミー・ジャパン(株)製)等が挙げられる。
【0065】
これらの界面活性剤は、単独で使用しても、2種以上組み合わせて使用してもよい。界面活性剤の使用量は、ハイパーブランチポリマー100質量部に対して0.0001〜5質量部が好ましく、0.001〜1質量部がより好ましく、0.01〜0.5質量部がより一層好ましい。
【0066】
架橋剤としては、メチロール基、メトキシメチル基などの架橋形成置換基を有するメラミン系化合物、置換尿素系化合物、エポキシ基またはオキセタン基などの架橋形成置換基を含有する化合物、ブロック化イソシアナートを含有する化合物、酸無水物を有する化合物、(メタ)アクリル基を有する化合物、フェノプラスト化合物等が挙げられるが、耐熱性や保存安定性の観点からエポキシ基、ブロックイソシアネート基、(メタ)アクリル基を含有する化合物が好ましく、特に、ブロックイソシアネート基を有する化合物や、開始剤を用いなくとも光硬化可能な組成物を与える多官能エポキシ化合物および/または多官能(メタ)アクリル化合物が好ましい。
なお、これらの化合物は、ハイパーブランチポリマーの末端処理に用いる場合は少なくとも1個の架橋形成置換基を有していればよく、ハイパーブランチポリマー同士の架橋処理に用いる場合は少なくとも2個の架橋形成置換基を有する必要がある。
【0067】
多官能エポキシ化合物としては、エポキシ基を一分子中2個以上有するものであれば特に限定されるものではない。
その具体例としては、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−4−(エポキシエチル)シクロヘキサン、グリセロールトリグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、2,6−ジグリシジルフェニルグリシジルエーテル、1,1,3−トリス[p−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]プロパン、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0068】
また、市販品として、少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂である、YH−434、YH434L(東都化成(株)製)、シクロヘキセンオキサイド構造を有するエポキシ樹脂である、エポリードGT−401、同GT−403、同GT−301、同GT−302、セロキサイド2021、同3000(ダイセル化学工業(株)製)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である、エピコート(現、jER)1001、同1002、同1003、同1004、同1007、同1009、同1010、同828(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂である、エピコート(現、jER)807(ジャパンエポキシレジン(株)製)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂である、エピコート(現、jER)152、同154(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPPN201、同202(以上、日本化薬(株)製)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂である、EOCN−102、同103S、同104S、同1020、同1025、同1027(以上、日本化薬(株)製)、エピコート(現、jER)180S75(ジャパンエポキシレジン(株)製)、脂環式エポキシ樹脂である、デナコールEX−252(ナガセケムテックス(株)製)、CY175、CY177、CY179(以上、CIBA−GEIGY A.G製)、アラルダイトCY−182、同CY−192、同CY−184(以上、CIBA−GEIGY A.G製)、エピクロン200、同400(以上、DIC(株)製)、エピコート(現、jER)871、同872(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、ED−5661、ED−5662(以上、セラニーズコーティング(株)製)、脂肪族ポリグリシジルエーテルである、デナコールEX−611、同EX−612、同EX−614、同EX−622、同EX−411、同EX−512、同EX−522、同EX−421、同EX−313、同EX−314、同EX−321(ナガセケムテックス(株)製)等を用いることもできる。
【0069】
多官能(メタ)アクリル化合物としては、(メタ)アクリル基を一分子中2個以上有するものであれば特に限定されるものではない。
その具体例としては、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、エトキシ化グリセリントリメタクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、エトキシ化ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ポリグリセリンモノエチレンオキサイドポリアクリレート、ポリグリセリンポリエチレングリコールポリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート等が挙げられる。
【0070】
また、多官能(メタ)アクリル化合物は、市販品として入手が可能であり、その具体例としては、NKエステルA−200、同A−400、同A−600、同A−1000、同A−9300(イソシアヌル酸トリス(2−アクリロイルオキシエチル))、同A−9300−1CL、同A−TMPT、同UA−53H、同1G、同2G、同3G、同4G、同9G、同14G、同23G、同ABE−300、同A−BPE−4、同A−BPE−6、同A−BPE−10、同A−BPE−20、同A−BPE−30、同BPE−80N、同BPE−100N、同BPE−200、同BPE−500、同BPE−900、同BPE−1300N、同A−GLY−3E、同A−GLY−9E、同A−GLY−20E、同A−TMPT−3EO、同A−TMPT−9EO、同ATM−4E、同ATM−35E(以上、新中村化学工業(株)製)、KAYARAD(登録商標)DPEA−12、同PEG400DA、同THE−330、同RP−1040(以上、日本化薬(株)製)、M−210、M−350(以上、東亞合成(株)製)、KAYARAD(登録商標)DPHA、同NPGDA、同PET30(以上、日本化薬(株)製)、NKエステル A−DPH、同A−TMPT、同A−DCP、同A−HD−N、同TMPT、同DCP、同NPG、同HD−N(以上、新中村化学工業(株)製)、NKオリゴ U−15HA(新中村化学工業(株)製)、NKポリマー バナレジンGH−1203(新中村化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0071】
酸無水物化合物としては、2分子のカルボン酸を脱水縮合させたカルボン酸無水物であれば、特に限定されるものではなく、その具体例としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、オクチル無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸等の分子内に1個の酸無水物基を有するもの;1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物等の分子内に2個の酸無水物基を有するもの等が挙げられる。
【0072】
ブロック化イソシアネートを含有する化合物としては、イソシアネート基(−NCO)が適当な保護基によりブロックされたブロック化イソシアネート基を一分子中2個以上有し、熱硬化の際の高温に曝されると、保護基(ブロック部分)が熱解離して外れ、生じたイソシアネート基が樹脂との間で架橋反応を起こすものであれば特に限定されるものではなく、例えば、下記式で示される基を一分子中2個以上(なお、これらの基は同一のものでも、また各々異なっているものでもよい)有する化合物が挙げられる。
【0073】
【化27】
(式中、R
bはブロック部の有機基を表す。)
【0074】
このような化合物は、例えば、一分子中2個以上のイソシアネート基を有する化合物に対して適当なブロック剤を反応させて得ることができる。
一分子中2個以上のイソシアネート基を有する化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートのポリイソシアネートや、これらの二量体、三量体、および、これらとジオール類、トリオール類、ジアミン類、またはトリアミン類との反応物などが挙げられる。
ブロック剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−エトキシヘキサノール、2−N,N−ジメチルアミノエタノール、2−エトキシエタノール、シクロヘキサノール等のアルコール類;フェノール、o−ニトロフェノール、p−クロロフェノール、o−、m−またはp−クレゾール等のフェノール類;ε−カプロラクタム等のラクタム類、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、メチルイソブチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、アセトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム等のオキシム類;ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチルピラゾール等のピラゾール類;ドデカンチオール、ベンゼンチオール等のチオール類などが挙げられる。
【0075】
ブロック化イソシアネートを含有する化合物は、市販品としても入手が可能であり、その具体例としては、B−830、B−815N、B−842N、B−870N、B−874N、B−882N、B−7005、B−7030、B−7075、B−5010(以上、三井化学ポリウレタン(株)製)、デュラネート(登録商標)17B−60PX、同TPA−B80E、同MF−B60X、同MF−K60X、同E402−B80T(以上、旭化成ケミカルズ(株)製)、カレンズMOI−BM(登録商標)(以上、昭和電工(株)製)等が挙げられる。
【0076】
アミノプラスト化合物としては、メトキシメチレン基を一分子中2個以上有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン CYMEL(登録商標)303、テトラブトキシメチルグリコールウリル 同1170、テトラメトキシメチルベンゾグアナミン 同1123(以上、日本サイテックインダストリーズ(株)製)等のサイメルシリーズ、メチル化メラミン樹脂であるニカラック(登録商標)MW−30HM、同MW−390、同MW−100LM、同MX−750LM、メチル化尿素樹脂である同MX−270、同MX−280同MX−290(以上、(株)三和ケミカル製)等のニカラックシリーズ等のメラミン系化合物が挙げられる。
オキセタン化合物としては、オキセタニル基を一分子中2個以上有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、オキセタン基を含有するOXT−221、OX−SQ−H、OX−SC(以上、東亜合成(株)製)等が挙げられる。
【0077】
上記膜形成用組成物は、基材に塗布し、その後、必要に応じて加熱して溶剤を蒸発させた後、加熱または光照射して所望の硬化膜を形成することができる。
組成物の塗布方法は任意であり、例えば、スピンコート法、ディップ法、フローコート法、インクジェット法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート法、スリットコート法、ロールコート法、転写印刷法、刷毛塗り、ブレードコート法、エアーナイフコート法等の方法を採用できる。
【0078】
また、基材としては、シリコン、インジウム錫酸化物(ITO)が成膜されたガラス、インジウム亜鉛酸化物(IZO)が成膜されたガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、プラスチック、ガラス、石英、セラミックス等からなる基材等が挙げられ、可撓性を有するフレキシブル基材を用いることもできる。
焼成温度は、溶媒を蒸発させる目的では特に限定されず、例えば40〜400℃で行うことができる。
焼成方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ホットプレートやオーブンを用いて、大気、窒素等の不活性ガス、真空中等の適切な雰囲気下で蒸発させればよい。
焼成温度および焼成時間は、目的とする電子デバイスのプロセス工程に適合した条件を選択すればよく、得られる膜の物性値が電子デバイスの要求特性に適合するような焼成条件を選択すればよい。
光照射する場合の条件も特に限定されるものではなく、用いるトリアジン環含有重合体および架橋剤に応じて、適宜な照射エネルギーおよび時間を採用すればよい。
【0079】
このようにして得られた本発明のハイパーブランチポリマーを含む膜は、高耐熱性、高透明性、高屈折率、高溶解性、および低体積収縮を達成できるため、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、タッチパネル、光半導体(LED)素子、固体撮像素子、有機薄膜太陽電池、色素増感太陽電池、有機薄膜トランジスタ(TFT)などの電子デバイスを作製する際の一部材として好適に利用でき、特に高屈折率が求められている固体撮像素子の部材である、フォトダイオード上の埋め込み膜および平坦化膜、カラーフィルター前後の平坦化膜、マイクロレンズ、マイクロレンズ上の平坦化膜およびコンフォーマル膜として好適に利用できる。
【実施例】
【0080】
[
1H−NMR]
装置:Bruker AC400P NMR(水素核で400MHz)
測定溶媒:CDCl
3−d
1またはDMSO−d
6
基準物質:テトラメチルシラン(TMS)(δ0.0ppm)
[
13C−NMR]
装置:Bruker AC400P NMR(炭素核で100MHz)
測定溶媒:CDCl
3−d
1またはDMSO−d
6
基準物質:テトラメチルシラン(TMS)(δ0.0ppm)
[GPC]
装置:東ソー(株)製 HLC−8220 GPC
カラム:東ソー α−M 二連結
カラム温度:40℃
溶媒:NMP(0.01M LiBrを含む)
検出器:UV(254nm)
検量線:標準ポリスチレン
[エリプソメーター]
装置:ジェー・エー・ウーラム・ジャパン製 多入射角分光エリプソメーターVASE
[示差熱天秤(TG−DTA)]
装置:(株)セイコーインスツルメンツ SCC5200 TG/DTA 320
昇温速度:10℃/分
測定温度:25〜800℃
[DSC]
装置:(株)島津製作所製 DSC−60
昇温速度:20℃/min
【0081】
[1]トリアジン系トリアミンの合成
[合成例1]2,4,6−トリス(p−アミノアニリノ)1,3,5−トリアジンの合成
(1)2,4,6−トリス(p−ニトロアニリノ)1,3,5−トリアジンの合成
【化28】
【0082】
撹拌子、ジムロートおよび塩化カルシウム管を備え付けた500mLの三つ口フラスコに塩化シアヌル(18.4g,100mmol)と4−ニトロアニリン(41.4g,300mmol)と1,4−ジオキサン(300mL)を入れ、撹拌して溶解させた後、12時間加熱還流した。
反応溶液を大量の水に投入し、析出物を吸引ろ過により回収した。回収した析出物を150℃で減圧乾燥し、粗生成物を得た。
粗生成物をテトラヒドロフラン(以下、THF)に入れ加熱還流し、ろ別後150℃で減圧乾燥し、精製物を得た。
【0083】
形状:黄色粉末結晶
収量:45.0 g
収率:92 %
分解点:476〜477℃
1H-NMR(400 MHz, DMSO-d
6, δ (ppm))
8.12(d, 6H, o-Ar-H), 8.23(d, 6H, m-Ar-H), 10.32(d, 3H, N-H)
13C-NMR(101 MHz, DMSO-d
6, δ (ppm))
119.93, 125.15, 141.84, 146.58, 164.30
元素分析
Calcd. for C
21H
15N
9O
6
Calcd. C: 51.54, H: 3.09, N: 25.76 (%)
Found C: 51.71, H: 3.29, N: 25.50 (%)
【0084】
(2)2,4,6−トリス(p−アミノアニリノ)1,3,5−トリアジンの合成
【化29】
【0085】
ジムロート、撹拌子、三方コックおよび水素風船をとりつけた500mLの三つ口フラスコに、DMF(300mL)と上記で得られた2,4,6−トリス(p−ニトロアニリノ)−1,3,5−トリアジン(24.5g,50.0mmol)およびパラジウムカーボン(5%)(3.0g)を入れ、撹拌して溶解させた後、水素を系内に充填させ、80℃で加熱し、72時間撹拌した。
反応溶液を吸引ろ過し、パラジウムカーボンを取り除いた後、ろ液を大量の水に投入して、析出物を吸引ろ過により回収した。回収した析出物を150℃で減圧乾燥し、粗生成物を得た。
粗生成物をTHFに溶解させ、セライトで濾過し、ろ液をエバポレータで濃縮して100℃で減圧乾燥した。その粗生成物に活性炭とジオキサン(200mL)を加え、1時間加熱還流した後、ろ液を再度エバポレータで濃縮した。この操作を3回繰り返して脱色を行った。粗生成物を150℃で減圧乾燥し、さらに1,4−ジオキサン/水混合溶媒で再結晶して、精製物を得た。
【0086】
形状:淡黄色粉末結晶
収量:8.0 g
収率:40 %
融点:291〜293℃
1H-NMR(400 MHz, DMSO-d
6, δ (ppm))
4,74(s, 6H, NH
2), 6.48(d, 6H, o-Ar-H), 7.33(d, 6H, m-Ar-H), 8.48(s, 3H, N-H)
13C-NMR(101 MHz, DMSO-d
6, δ (ppm))
114.23, 122.72, 129.8, 144.23, 164.50
元素分析
Calcd. for C
21H
21N
9
Calcd. C:63.14, H:5.30, N: 31.56(%)
Found C:63.15, H:5.42, N:31.48(%)
【0087】
[合成例2]2,4,6−トリス(m−アミノアニリノ)−1,3,5−トリアジンの合成
(1)2,4,6−トリス(m−ニトロアニリノ)−1,3,5−トリアジンの合成
【化30】
【0088】
4−ニトロアニリンを3−ニトロアニリンに変更した以外は、合成例1(1)と同様にして目的化合物の精製物を得た。
【0089】
形状:淡黄色粉末結晶
収量:44.0 g
収率:90 %
融点:323〜324℃
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6, δ (ppm))
7.57-7.62(t, 3H, o-Ar-H), 7.86-7.89(m, 3H, m-Ar-H), 8.22(s, 3H, o-Ar-H), 8.64(s,3H, p-Ar-H), 9.96(s, 3H, N-H)
13C-NMR(101 MHz, DMSO-d
6, δ (ppm))
115.0, 117.2, 126.8, 130.3, 141.2, 148.4, 164.5
【0090】
(2)2,4,6−トリス(m−アミノアニリノ)−1,3,5−トリアジンの合成
【化31】
【0091】
2,4,6−トリス(p−ニトロアニリノ)−1,3,5−トリアジンを、上記で得られた2,4,6−トリス(m−ニトロアニリノ)−1,3,5−トリアジンに変更した以外は、合成例1(2)と同様にして、目的物の精製物を得た。
【0092】
形状:白色粉末
収量:12.0 g
収率:60 %
融点:138〜140℃
1H-NMR(400 MHz, DMSO-d
6, δ (ppm))
4.93(s, 6H, Ar-NH
2), 6.22-6.25(m, 3H, Ar-H), 6.91-6.93(t, 6H, Ar-H), 7.09(s, 3H, o-Ar-H), 8.78(s, 3H, N-H)
13C-NMR(101 MHz, DMSO-d
6, δ (ppm))
107.1, 109.0, 109.4, 129.1, 140.1, 149.0, 164.5
元素分析
Calcd. for C
21H
21N
9
Calcd. C:63.14, H:5.30, N: 31.56(%)
Found C:62.93, H:5.48, N:31.44(%)
【0093】
[2]トリアジンジクロリドの合成
[合成例3]6−アニリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジクロリドの合成
【化32】
【0094】
撹拌子、側管付滴下ロート、温度計および塩化カルシウム管を備え付けた300mLの三つ口フラスコに、塩化シアヌル(18.4g,100mmol)とTHF(100mL)を投入して撹拌し、完全に溶解させた。そこへTHF(100mL)に溶解させたアニリン(9.31g,100mmol)をゆっくり滴下した後、室温で2時間撹拌した。その後、蒸留水に溶かした炭酸ナトリウム(5.30g,50.0mmol)をゆっくり滴下し、さらに2時間撹拌した。反応溶液が中性であることを確認し、反応を終了した。
反応溶液を飽和食塩水により分液して有機層を回収し、無水硫酸マグネシウムを加えて一晩撹拌し、脱水した。自然ろ過によりろ液を回収し、エバポレータでTHFを留去し、粗生成物を得た。
粗生成物をトルエン/ヘキサン混合溶媒で再結晶し、得られた結晶を80℃で12時間減圧乾燥して、精製物を得た。
【0095】
形状:白色針状結晶
収量:22.0 g
収率:91%
融点:137〜138 ℃
1H-NMR(400 MHz, CDCl
3, TMS, δ (ppm))
7.22 (t, 1H, p-Ar-H), 7.40 (t, 2H, m-Ar-H), 7.53 (d, 2H, o-Ar-H), 7.86 (s, 1H, NH)
13C-NMR(101 MHz, CDCl
3, δ (ppm))
121.0, 125.8, 129.2, 135.6, 164.0, 170.1, 171.3
FT-IR(KBr (cm
-1))
3353 (N-H),1609 (C=C),1552 (C=N),1219 (C-N)
元素分析
Calcd. for C
9H
6Cl
2N
4
Calcd. C:44.84, H:2.51, N:23.24(%)
Found C:45.09, H:2.55, N:23.05(%)
【0096】
[3]トリアジン系ハイパーブランチポリマーの合成
[実施例1]pHBPGの合成
【化33】
【0097】
撹拌子、冷却器および窒素導入管を取り付けた100mLの三つ口フラスコを、窒素気流で置換した後、合成例1で得られた2,4,6−トリス(p−アミノアニリノ)−1,3,5−トリアジン(0.40g,1.0mmol)をフラスコ内に入れ、NMP(10mL)に完全に溶解させた。さらに、合成例3で得られた6−アニリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジクロリド(0.24g,1.0mmol)を加え、室温で4時間撹拌した後、110℃に昇温して12時間撹拌した。
反応終了後、反応溶液を希アンモニア水に投入し、析出物を吸引ろ過で回収した。得られた析出物を水で洗浄し、ろ過後に、デシケータで減圧乾燥を行った。乾燥後、NMP(10mL)に溶解させてメタノールで再沈殿させ、再度デシケータで減圧乾燥を行い、白色粉末状のpHBPG(0.36g,64%)を得た。pHBPGのGPCによる数平均分子量(Mn)は8,700、重量平均分子量(Mw)は50,000、多分散度Mw/Mnは5.7であった。
得られたpHBPGの
1H−NMRスペクトルを
図1に示す。
【0098】
[実施例2]mHBPGの合成
【化34】
【0099】
2,4,6−トリス(p−アミノアニリノ)−1,3,5−トリアジンを、合成例2で得られた2,4,6−トリス(m−アミノアニリノ)−1,3,5−トリアジンに変更した以外は、実施例1と同様にして白色粉末状のmHBPG(0.34g,59%)を得た。
mHBPGのGPCによる数平均分子量(Mn)は6,500、重量平均分子量(Mw)は12,000、多分散度Mw/Mnは1.9であった。
得られたmHBPGの
1H−NMRスペクトルを
図2に示す。
【0100】
[4]末端修飾トリアジン環含有ハイパーブランチポリマーの合成
[実施例3]pHBPG−A(アセチル化pHBPG)の合成
【化35】
【0101】
実施例1の反応終了後、反応溶液を室温まで放冷し、無水酢酸(0.31g,3.0mmol)を加え、100℃で3時間撹拌した。
反応溶液を希アンモニア水に投入し、析出物を吸引ろ過で回収した。得られた析出物を水で洗浄し、ろ過後に、デシケータで減圧乾燥を行った。乾燥後、NMP(10mL)に溶解してメタノールで再沈殿させ、再度デシケータで減圧乾燥し、白色粉末状のpHBPG−A(0.36g,59%)を得た。pHBPG−AのGPCによる数平均分子量(Mn)は10,000、重量平均分子量(Mw)は45,000、多分散度Mw/Mnは4.4であった。
得られたpHBPG−Aの
1H−NMRスペクトルを
図3に示す。
【0102】
[実施例4]mHBPG−A(アセチル化mHBPG)の合成
【化36】
【0103】
実施例2の反応終了後に実施例3と同様の操作を行い、白色粉末状のmHBPG−A(0.25g,41%)を得た。mHBPG−AのGPCによる数平均分子量(Mn)は9,200、重量平均分子量(Mw)は17,000、多分散度Mw/Mnは1.8であった。
得られたmHBPG−Aの
1H−NMRスペクトルを
図4に示す。
【0104】
[実施例5]pHBPG−B(ベンゾイル化pHBPG)の合成
【化37】
【0105】
実施例1の反応終了後に反応溶液を氷浴で0℃まで冷却し、塩化ベンゾイル(0.42g,3.0mmol)を加え、室温で3時間撹拌するとともに、再沈殿をアセトンから行った以外は、実施例3と同様にして白色粉末状のpHBPG−B(0.32g,48%)
を得た。pHBPG−BのGPCによる数平均分子量(Mn)は8,300、重量平均分子量(Mw)は45,000、多分散度Mw/Mnは5.4であった。
得られたpHBPG−Bの
1H−NMRスペクトルを
図5に示す。
【0106】
[実施例6]mHBPG−B(ベンゾイル化mHBPG)の合成
【化38】
【0107】
実施例2の反応終了後に実施例5と同様の操作を行い、白色粉末状のmHBPG−B(0.24g,36%)を得た。
mHBPG−BのGPCによる数平均分子量(Mn)は8,000、重量平均分子量(Mw)は14,000、多分散度Mw/Mnは1.8であった。
得られたmHBPG−Bの
1H−NMRスペクトルを
図6に示す。
【0108】
[実施例7]pHBPG−P(フタルイミド化pHBPG)の合成
【化39】
【0109】
実施例1の反応終了後に反応溶液を室温まで放冷し、無水フタル酸(0.44g,3.0mmol)を加え、室温で2時間撹拌した後、ピリジン(0.08g,1.0mmol)および無水酢酸(0.31g,3.0mmol)を加え、室温、40℃、60℃、80℃の各温度で各2時間、さらに100℃で12時間撹拌した。
反応溶液を水に投入し、析出物を吸引ろ過で回収し、デシケータで減圧乾燥した。乾燥後、NMP(10mL)に溶解してアセトンで再沈殿を行い、再度デシケータで減圧乾燥し、淡黄色粉末状のpHBPG−P(0.40g,57%)を得た。pHBPG−PのGPCによる数平均分子量(Mn)は11,200、重量平均分子量(Mw)は33,000、多分散度Mw/Mnは3.0であった。
得られたpHBPG−Pの
1H−NMRスペクトルを
図7に示す。
【0110】
[実施例8]mHBPG−P(フタルイミド化mHBPG)の合成
【化40】
【0111】
実施例2の反応終了後に実施例7と同様の操作を行い、淡黄色粉末状のmHBPG−P(0.32g,46%)を得た。mHBPG−PのGPCによる数平均分子量(Mn)は8,200、重量平均分子量(Mw)は13,000、多分散度Mw/Mnは1.6であった。
得られたmHBPG−Pの
1H−NMRスペクトルを
図8に示す。
【0112】
[5]溶解性試験
上記各実施例で得られた各ハイパーブランチポリマー10mgを、各種有機溶媒5mLに室温で溶かし、その溶解性を確認し、以下の基準により評価した。結果を表1に示す。
+:溶解
±:一部溶解または膨潤
−:不溶
【0113】
【表1】
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
DMSO:ジメチルスルホキシド
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
γ−BL:γ−ブチロラクトン
CH:シクロヘキサノン
THF:テトラヒドロフラン
【0114】
表1に示されるように、パラ型のハイパーブランチポリマーよりもメタ型の方が有機溶媒に対する溶解性に優れていることがわかる。また、パラ型、メタ型のいずれにおいても、末端修飾することで有機溶媒に対する溶解性が向上し、特にメタ型では、シクロヘキサノンやTHFにも溶解するほど溶解性が向上していることがわかる。
【0115】
[6]各種物性測定
上記各実施例で得られた各ハイパーブランチポリマーについて、ガラス転移温度(T
g)、空気中および窒素中における耐熱性[5%重量減少温度(T
5)および10%重量減少温度、(T
10)]、カットオフ波長(λ
cutoff)および589nmにおける屈折率(n
D)を測定した。その結果を表2にまとめて示す。
なお、カットオフ波長および屈折率については、以下の手順により薄膜化したポリマーを用いて測定した。
〔薄膜の作製〕
上記各実施例で得られたハイパーブランチポリマーを、NMPに溶解しポリマーワニスを調製した。得られたポリマーワニスを石英板またはガラス板上にスピンコーターを用いて200rpmで60秒スピンコートし、100℃で30分焼成して溶媒を除去し、400〜1000nmの薄膜を作製した。
【0116】
【表2】
a)Determined by DSC in nitrogen at a heating rate of 20 ℃/min. b)5wt% and 10wt% decomposition temperatures determined by TG at a heating rate 10 ℃/min. c) Cutoff wavelength. d)Refractive index at 589 nm.
【0117】
表2に示されるように、各実施例で得られたハイパーブランチポリマーは、耐熱性に優れているとともに、透明性が良好で、しかも屈折率が高いことがわかる。