【実施例】
【0123】
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
【0124】
<I:化合物の調製>
[I-1:グリシン誘導体]
【化15】
グリシン(5.20 g, 69.23 mmol)を、ギ酸(25 mL)中に溶解し、無水酢酸(3.0 eq, 21.3 mL)を加えて、室温にて24時間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物を減圧下濃縮し、メタノール及び酢酸エチルを加えて再結晶化し、対応するホルムアミド(1a)(4.81 g, 46.66 mmol, 67%)を得た。化合物1a(0.95 g, 9.18 mmol)を、DMF(20 mL)中にて、臭化ベンジル(1.5 eq, 1.64 mL)及び炭酸カリウム(3.2 eq, 3.99 g)と、室温で48時間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物に水を加え失活させて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→1:9)により精製し、対応するベンジルエステル(1b)(400 mg, 2.02 mmol, 22%)を得た。化合物1b(514.8 mg, 2.66 mmol)をDCM(10 mL)中に加え、得られた混合物に(PhO)
2POCl(1.5 eq, 582 μL)及びピリジン(5.0 eq, 1.88 mL)を加え、2.5時間撹拌し反応を行った。反応終了後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、塩酸、炭酸水素ナトリウム、水、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)により精製し、イソニトリル(1)(59.1 mg, 0.31 mmol, 12 %)を得た。黄色油状物。
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ7.44-7.31 (5H, m), 5.24 (2H, s), 4.25 (2H, s).
13C NMR (150 MHz, CDCl
3) δ163.9, 161.5, 134.5, 129.0, 128.9, 128.7, 68.4, 43.7.
IR (neat) 3091, 3066, 3035, 2973, 2942, 2163, 1758, 1456, 1195, 752, 698 cm
-1.
MS (ESI) 計算値:193.0977(C
10H
13N
2O
2+ [M+NH
3]
+);測定値:193.0979.
【0125】
[I-2:アラニン誘導体]
【化16】
アラニン(5.11 g, 57.36 mmol)を、ギ酸(25 mL)中に溶解し、無水酢酸(3.0 eq, 17.6 mL)を加えて、室温にて91時間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物を減圧下濃縮し、メタノール及び酢酸エチルを加えて再結晶化し、対応するホルムアミド(2a)(2.26 g, 19.31 mmol, 34%)を得た。化合物2a(1.31 g, 11.17 mmol)を、DMF(20 mL)中にて、臭化ベンジル(1.5 eq, 2.0 mL)及び炭酸カリウム(3.5 eq, 5.41 g)と、室温で72時間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物に水を加え失活させて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)により精製し、対応するベンジルエステル(2b)(1.81 g, 8.76 mmol, 78%)を得た。化合物2b(236.8 mg, 1.14 mmol)をDCM(2 mL)中に加え、得られた混合物にPhOPOCl
2(1.8 eq, 310 μL)及びピリジン(5.0 eq, 0.46 mL)を加え、2.5時間撹拌し反応を行った。反応終了後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、塩酸、炭酸水素ナトリウム、水、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)により精製し、イソニトリル(2)(95.6 mg, 0.55 mmol, 48%)を得た。黄色油状物。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ7.43-7.31 (5H, m), 5.23 (2H, s), 4.42-4.29 (1H, m), 1.64 (3H, d, J = 7.6 Hz).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ167.1, 159.8, 134.7, 128.9, 128.8, 128.4, 68.3, 51.9, 19.5.
IR (neat) 3066, 3035, 2989, 2946, 2144, 1753, 1456, 1197, 752, 698 cm
-1.
MS (ESI) 計算値:207.1134(C
11H
15N
2O
2+ [M+NH
3]
+);測定値:207.1135.
【0126】
[I-3:バリン誘導体]
【化17】
バリン(5.11 g, 43.60 mmol)を、ギ酸(25 mL)中に溶解し、無水酢酸(2.9 eq, 13 mL)を加えて、室温にて24時間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物を減圧下濃縮し、メタノールを加えて再結晶化し、対応するホルムアミド(3a)(4.27 g, 29.21 mmoL, 67%)を得た。化合物3a(1.02 g, 7.03 mmol)を、DMF(20 mL)中にて、臭化ベンジル(1.5 eq, 1.25 mL)及び炭酸カリウム(3.0 eq, 2.92 g)と、室温で20時間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物に水を加え失活させて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)により精製し、対応するベンジルエステル(3b)(1.54 g, 6.56 mmol, 93%)を得た。化合物3b(228.4 mg, 0.97 mmol)をDCM(1 mL)中に加え、得られた混合物にPhOPOCl
2(1.2 eq, 175 μL)及びピリジン(5.0 eq, 0.39 mL)を加え、2時間撹拌し反応を行った。反応終了後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、塩酸、炭酸水素ナトリウム、水、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)により精製し、イソニトリル(3)(104.4 mg, 0.48 mmol, 50%)を得た。黄色油状物。
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ7.40-7.33 (5H, m), 5.24-5.23 (2H, m), 4.20-4.19 (1H, m), 2.37-2.30 (1H, m), 1.08 (3H, d, J = 7.2 Hz), 0.96 (3H, d, J = 7.2 Hz).
13C NMR (150 MHz, CDCl
3) δ166.2, 160.5, 134.6, 128.7, 128.6, 128.4, 67.9, 62.9, 31.2, 19.2, 16.5.
IR (neat) 3091, 3066, 3033, 2969, 2935, 2148, 1753, 1456, 1261, 752, 698 cm
-1.
MS (ESI) 計算値:240.1000(C
13H
15NNaO
2+ [M+Na]
+);測定値:240.0997.
【0127】
[I-4:ロイシン誘導体]
【化18】
ロイシン(2.18 g, 16.63 mmol)を、ギ酸(10 mL)中に溶解し、無水酢酸(3.0 eq, 5.11 mL)を加えて、室温にて91時間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物を減圧下濃縮し、メタノール及び酢酸エチルを加えて再結晶化し、対応するホルムアミド(4a)(1.43 g, 8.96 mmol, 54%)を得た。化合物4a(1.43 g, 8.99 mmol)を、DMF(20 mL)中にて、臭化ベンジル(1.5 eq, 1.70 mL)及び炭酸カリウム(3.2 eq, 3.96 g)と、室温で22時間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物に水を加え失活させて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:2)により精製し、対応するベンジルエステル(4b)(1.40 g, 5.62 mmol, 63%)を得た。化合物4b(825.3 mg, 3.31 mmol)をDCM(4 mL)中に加え、得られた混合物にPhOPOCl
2(1.8 eq, 890 μL)及びピリジン(5.0 eq, 1.34 mL)を加え、2時間撹拌し反応を行った。反応終了後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、塩酸、炭酸水素ナトリウム、水、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)により精製し、イソニトリル(4)(426.0 mg, 1.84 mmol, 56%)を得た。黄色油状物。
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ7.41-7.33 (5H, m), 5.26-5.19 (2H, m), 4.32-4.28 (1H, m), 1.93-1.82 (2H, m), 1.73-1.66 (1H, m), 0.97 (3H, d, J = 7.2 Hz), 0.95 (3H, d, J = 7.2 Hz).
13C NMR (150 MHz, CDCl
3) δ166.9, 160.2, 134.6, 128.7, 128.6, 128.3, 68.0, 55.2, 41.6, 24.7, 22.5, 20.8.
IR (neat) 3091, 3066, 3035, 2960, 2873, 2146, 1754, 1454, 1270, 750, 698 cm
-1.
MS (ESI) 計算値:254.1157(C
14H
17NNaO
2+ [M+Na]
+);測定値: 254.1156.
【0128】
[I-5:イソロイシン誘導体]
【化19】
イソロイシン(4.99 g, 38.06 mmol)を、ギ酸(25 mL)中に溶解し、無水酢酸(3.0 eq, 10.8 mL)を加えて、室温にて20時間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物を減圧下濃縮し、メタノールを加えて再結晶化し、対応するホルムアミド(5a)(4.67 g, 29.26 mmol, 77%)を得た。化合物5a(1.81 g, 11.40 mmol)を、DMF(25 mL)中にて、臭化ベンジル(1.5 eq, 2.03 mL)及び炭酸カリウム(3.1 eq, 4.85 g)と、室温で24時間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物に水を加え失活させて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)により精製し、対応するベンジルエステル(4b)(3.10 g, quant)を得た。化合物5b(520.1 mg, 2.09 mmol)をDCM(2 mL)中に加え、得られた混合物にPhOPOCl
2(1.5 eq, 470 μL)及びピリジン(5.0 eq, 0.84 mL)を加え、1.5時間撹拌し反応を行った。反応終了後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、塩酸、炭酸水素ナトリウム、水、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)により精製し、イソニトリル(5)(230.0 mg, 0.99 mmol, 48%)を得た。黄色油状物。
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ7.41-7.33 (5H, m), 5.26-5.19 (2H, m), 4.36-4.19 (1H, m), 2.12-2.02 (1H, m), 1.53-1.26 (2H, m), 1.07-0.84 (6H, m).
13C NMR (150 MHz, CDCl
3) δ166.4, 166.0, 160.5, 160.4, 134.5, 134.5, 128.5, 128.5, 128.2, 67.7, 67.7, 62.0, 60.7, 37.5, 37.2, 26.2, 23.9, 05.7, 13.8, 11.2, 10.9.
IR (neat) 3091, 3066, 3035, 2967, 2935, 2148, 1754, 1384, 1255, 1193, 752, 698 cm
-1.
MS (ESI) 計算値:254.1157(C
14H
17NNaO
2+ [M+Na]
+);測定値: 254.1158.
【0129】
[I-6:フェニルアラニン誘導体]
【化20】
フェニルアラニン(3.45 g, 20.89 mmol)を、ギ酸(25 mL)中に溶解し、無水酢酸(3.0 eq, 6.0 mL)を加えて、室温にて19時間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物を減圧下濃縮し、メタノールを加えて再結晶化し、対応するホルムアミド(6a)(3.50 g, 18.13 mmol, 87%)を得た。化合物6a(1.12 g, 5.81 mmol)を、DMF(20 mL)中にて、臭化ベンジル(1.4 eq, 1.04 mL)及び炭酸カリウム(3.1 eq, 2.52 g)と、室温で21時間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物に水を加え失活させて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)により精製し、対応するベンジルエステル(6b)(1.36 g, 4.81 mmol, 83%)を得た。化合物6b(700.1 mg, 2.47 mmol)をDCM(2 mL)中に加え、得られた混合物にPhOPOCl
2(1.8 eq, 665 μL)及びピリジン(5.0 eq, 1.00 mL)を加え、1.5時間撹拌し反応を行った。反応終了後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、塩酸、炭酸水素ナトリウム、水、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:2)により精製し、イソニトリル(6)(370.8 mg, 1.40 mmol, 57%)を得た。黄色油状物。
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ7.40-7.14 (10H, m), 5.20 (2H, s), 4.50-4.46 (1H, m), 3.29-3.10 (2H, m).
13C NMR (150 MHz, CDCl
3) δ165.9, 161.1, 134.4, 134.2, 129.3, 128.8, 128.7, 128.7, 128.5, 127.8, 68.2, 58.1, 38.9.
IR (neat) 3098, 3064, 3035, 2958, 2937, 2150, 1754, 1498, 1456, 1270, 750, 700 cm
-1.
MS (ESI) 計算値:288.1000(C
17H
15NNaO
2+ [M+Na]
+);測定値:288.0999.
【0130】
[I-7:チロシン誘導体]
【化21】
チロシン(3.56 g, 19.63 mmol)を、ギ酸(20 mL)中に溶解し、無水酢酸(3.0 eq, 5.6 mL)を加えて、室温にて24時間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物を減圧下濃縮し、メタノール及び酢酸エチルを加えて再結晶化し、対応するホルムアミド(7a)(985.3 mg, 4.71 mmol, 24 %)を得た。化合物7a(968.1 mg, 4.62 mmol)を、DMF(20 mL)中にて、臭化ベンジル(1.5 eq, 0.82 mL)及び炭酸カリウム(3.0 eq, 1.91 g)と、70℃で47時間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物に水を加え失活させて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→2:3)により精製し、対応するベンジルエステル(7b)(290.2 mg, 0.97 mmol, 21%)を得た。化合物7b(287.9 mg, 0.96 mmol)を、無水酢酸(2 mL)中に溶解し、ピリジン(1.5 eq, 116.2 μL)を加えて、室温にて18時間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物を飽和食塩水及び酢酸エチルで抽出した。有機層を、塩酸、炭酸水素ナトリウム、水、及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)により精製し、対応するアセチル化物(7c)(321.1 mg, 0.94 mmol, quant)を得た。化合物7c(138.4 mg, 0.41 mmol)を、DCM(5 mL)中に加え、得られた混合物にPhOPOCl
2(1.2 eq, 73 μL)及びピリジン(5.0 eq, 0.16 mL)を加え、4時間撹拌し反応を行った。反応終了後、反応混合物に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、塩酸、炭酸水素ナトリウム、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により精製し、イソニトリル(7)(16.2 mg, 0.05 mmol, 12 %)を得た。黄色油状物。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.44-7.28 (5H, m), 7.22-6.98 (4H, m), 5.20 (2H, s), 4.50-4.43 (1H, m), 3.27-3.09 (2H, m), 2.29 (3H, s).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ169.4, 165.9, 1661.3, 150.4, 134.4, 131.8, 130.5, 128.9, 128.8, 128.7, 122.1, 68.5, 58.0, 38.3, 21.3.
IR (neat) 3091, 3066, 3035, 2939, 2148, 1756, 1454, 1220, 752, 700 cm
-1
MS (ESI) 計算値:346.1055(C
19H
17NNaO
4+ [M+Na]
+);測定値:346.1055.
【0131】
[I-8:トリプトファン誘導体]
【化22】
トリプトファン(4.01 g, 19.6 mmol)を、ベンジルアルコール(4 mL)中に溶解し、CSA(1.1 eq, 5.00 g)を加えて、60℃にて3日間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→3:1→1:1→1:2→1:4)により精製し、対応するベンジルエステル(8a)(600.2 mg, 2.04 mmol, 10 %)を得た。化合物8a(546.5 mg, 1.86 mmol)を、ギ酸エチル(30 mL)中に溶解し、p-TsOH(0.1 eq, 35.3 mg)を加えて、60℃にて2日間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→1:2)により精製し、対応するホルムアミド(8b)(491.7 mg, 1.53 mmol, 82 %)を得た。化合物8b(462.9 mg, 1.43 mmol)をDCM (5 mL)中に加え、得られた混合物にPhOPOCl
2(1.5 eq, 322 μL)及びピリジン(5.0 eq, 0.10 mL)を加え、室温にて2時間撹拌し反応を行った。反応終了後、反応混合物に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、塩酸、炭酸水素ナトリウム、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1→3:1)により精製し、イソニトリル(8)(113.2 mg, 0.37 mmol, 26 %)を得た。赤色油状物。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ8.07 (1H, s), 7.58-7.53 (1H, m), 7.46-7.30 (5H, m), 7.24-7.10 (4H, m), 5.18-5.10 (2H, m), 4.60-4.54 (1H, m), 3.51-3.32 (2H, m).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ166.5, 160.4, 136.2, 134.7, 128.8, 128.8, 128.5, 126.9, 123.8, 122.6, 120.0, 118.3, 111.6, 108.6, 68.3, 57.6, 29.7.
IR (neat) 3417, 3062, 3035, 2954, 2929, 2150, 1749, 1457, 1213, 744, 698 cm
-1.
MS (ESI) 計算値: 327.1110(C
19H
16N
2NaO
2+ [M+Na]
+);測定値:327.1107.
【0132】
[I-9:グルタミン酸誘導体]
【化23】
グルタミン酸(376.5 mg, 2.56 mmol)を、ベンジルアルコール(2 mL)中に溶解し、CSA(2.0 eq, 1.18 g)を加えて、60℃にて4日間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→3:1→1:1→1:2→1:4)により精製し、対応するベンジルエステル(9a)(286.1 mg, 0.87 mmol, 33 %)を得た。化合物9a(713.3 mg, 2.18 mmol)を、ギ酸エチル(30 mL)中に溶解し、p-TsOH(0.1 eq, 41.4 mg)を加えて、60℃にて2日間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)により精製し、対応するホルムアミド(9b)(557.4 mg, 1.56 mmol, 72 %)を得た。化合物9b(259.1 mg, 0.79 mmol)をDCM(5 mL)中に加え、得られた混合物にPhOPOCl
2(1.5 eq, 178 μL)及びピリジン(5.0 eq, 0.55 mL)を加え、室温にて2.5時間撹拌し反応を行った。反応終了後、反応混合物に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、塩酸、炭酸水素ナトリウム、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)により精製し、イソニトリル(9)(91 mg, 0.28 mmol, 35%)を得た。黄色油状物。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ7.42-7.29 (10H, m), 5.22 (2H, s) 5.12 (2H, s), 4.50-4.44 (1H, m), 2.66-2.49 (2H, m), 2.37-2.26 (1H, m), 2.24-2.13 (1H, m).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ171.5, 166.0, 135.5, 134.5, 128.9, 128.8, 128.7, 128.7, 128.5, 128.4, 68.5, 66.9, 55.6, 29.5, 27.8.
IR (neat) 3091, 3068, 3033, 2952, 2927, 2148, 1737, 1454, 1184, 1166, 750, 698 cm
-1.
MS (ESI) 計算値: 360.1212(C
20H
19NNaO
4+ [M+Na]
+);測定値:360.1211.
【0133】
[I-10:アスパラギン酸誘導体]
【化24】
アスパラギン酸(303.1 mg, 2.28 mmol)を、ベンジルアルコール(1 mL)中に溶解し、CSA(2.0 eq, 1.05 g)を加えて、60℃にて24時間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1→1:1→1:2→1:4)により精製し、対応するベンジルエステル(10a)(391.0 mg, 1.25 mmol, 55 %)を得た。化合物10a(391.0 mg, 1.25 mmol)を、ギ酸エチル(20 mL)中に溶解し、p-TsOH(0.1 eq, 23.7 mg)を加えて、60℃にて41時間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)により精製し、対応するホルムアミド(10b)(277.4 mg, 0.71 mmol, 57 %)を得た。化合物10b(277.4 mg, 0.81 mmol)をDCM(5 mL)中に加え、得られた混合物にPhOPOCl
2 (1.5 eq, 182 μL)及びピリジン(5.0 eq, 0.56 mL)を加え、室温にて2時間撹拌し反応を行った。反応終了後、反応混合物に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、塩酸、炭酸水素ナトリウム、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→4:1)により精製し、イソニトリル(10)(11.8 mg, 0.036 mmol, 5 %)を得た。黄色油状物。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ7.43-7.31 (10H, m), 5.22 (2H, s), 5.16 (2H, s), 4.75-4.67 (1H, m), 3.14-2.95 (2H, m).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ168.1, 165.3, 161.7, 135.0, 134.4, 128.9, 128.8, 128.8, 128.7, 128.6, 128.5, 68.8, 67.6, 52.4, 37.5.
IR (neat) 3114, 3091, 3066, 2952, 2896, 2150, 1739, 1456, 1270, 1168, 748, 698 cm
-1.
MS (ESI) 計算値: 346.1055(C
19H
17NNaO
4+ [M+Na]
+);測定値:346.1056.
【0134】
[I-11:グルタミン誘導体]
【化25】
グルタミン(2.08 g, 4.21 mmol)を、ギ酸(20 mL)中に溶解し、無水酢酸(3.0 eq, 4.06 mL)を加えて、室温にて23時間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物を減圧下濃縮し、メタノール及び酢酸エチルを加えて再結晶化し、対応するホルムアミド(11a)(1.61 g, 9.26 mmol, 65 %)を得た。化合物11a(1.60 g, 9.17 mmol)を、DMF(20 mL)中にて、臭化ベンジル(1.5 eq, 1.63 mL)及び炭酸カリウム(3.0 eq, 3.79 g)と、60℃で3時間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物に水を加え失活させて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧下濃縮し、酢酸エチルを加えて再結晶化し、対応するベンジルエステル(11b)(453.3 mg, 1.71 mmol, 19 %)を得た。化合物11b(232.2 mg, 0.89 mmol)を、DCM(10 mL)中に加え、PhOPOCl
2(1.5 eq, 197 μL)及びピリジン(5.0 eq, 609 μL)を加え、室温にて2.5時間撹拌し反応を行った。反応終了後、反応混合物に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、塩酸、炭酸水素ナトリウム、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により精製し、イソニトリル(11)(53.8 mg, 0.22 mmol, 25 %)を得た。黄色油状物。
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ7.43-7.32 (5H, m), 5.25 (2H, s), 4.49-4.42 (1H, m), 2.65-2.74 (2H, m), 2.38-2.17 (2H, m).
13C NMR (150 MHz, CDCl
3) δ165.0, 162.9, 134.2, 129.2, 128.9, 128.7, 69.0, 55.0, 28.5, 13.7.
IR (neat) 3089, 3064, 3035, 2956, 2250, 2152, 1754, 1456, 1214, 750, 698 cm
-1.
MS (ESI) 計算値: 251.0797(C
13H
12N
2NaO
2+ [M+Na]
+);測定値:251.0797.
【0135】
[I-12:メチオニン誘導体]
【化26】
メチオニン(5.23 g, 35.06 mmol)を、ギ酸(25 mL)中に溶解し、無水酢酸(3.0 eq, 10.8 mL)を加えて、室温にて48時間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物を減圧下濃縮し、メタノール及び酢酸エチルを加えて再結晶化し、対応するホルムアミド(12a)(4.39 g, 24.76 mmol, 71%)を得た。化合物12a(2.34 g, 13.20 mmol)を、DMF(20 mL)中にて、臭化ベンジル(1.5 eq, 2.35 mL)及び炭酸カリウム(3.0 eq, 5.49 g)と、室温で24時間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物に水を加え失活させて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→2:1)により精製し、対応するベンジルエステル(12b)(1.48 g, 5.54 mmol, 42%)を得た。化合物12b(735.3 mg, 2.75 mmol)をDCM(2 mL)中に加え、得られた混合物にPhOPOCl
2(1.8 eq, 740 μL)及びピリジン(5.0 eq, 1.11 mL)を加え、2.5時間撹拌し反応を行った。反応終了後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、塩酸、炭酸水素ナトリウム、水、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)により精製し、イソニトリル12(173.7 mg, 0.6973 mmol, 25%)を得た。黄緑色油状物。
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ7.37-7.30 (5H, m), 5.23-5.17 (2H, m), 4.54-4.50 (1H, m), 2.65-2.57 (2H, m), 2.19-2.10 (2H, m), 2.03 (3H, s).
13C NMR (150 MHz, CDCl
3) δ166.1, 160.8, 134.4, 128.6, 1283.5, 128.3, 68.1, 55.0, 31.7, 29.4, 15.2.
IR (neat) 3089, 3066, 3033, 2969, 2917, 2148, 1756, 1456, 1440, 1272, 1211, 752, 698 cm
-1.
MS (ESI) 計算値:272.0712(C
13H
15NNaO
2S
+ [M+Na]
+);測定値: 272.0721.
【0136】
[I-13:Nε-アセチル-リジン誘導体]
【化27】
Nε-アセチル-リジン(703.4 mg, 3.74 mmol)を、ベンジルアルコール(2 mL)中に溶解し、CSA(3.0 eq, 2.59 g)を加えて、60℃にて4日間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→3:1→1:1→1:2→1:4)により精製し、対応するベンジルエステル(13a)(249.7 mg, 0.90 mmol, 24 %)を得た。化合物13a(250.3 mg, 0.90 mmol)を、ギ酸エチル(5 mL)中に溶解し、無水酢酸(6.0 eq, 0.51 mL)を加えて、室温にて7日間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→1:4)により精製し、対応するホルムアミド(13b)(160.8 mg, 0.53 mmol, 58 %)を得た。化合物13b(84.3 mg, 0.28 mmol)をDCM(5 mL)中に加え、得られた混合物にPhOPOCl
2(1.5 eq, 62 μL)及びピリジン(5.0 eq, 108 μL)を加え、室温にて3時間撹拌し反応を行った。反応終了後、反応混合物に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、塩酸、炭酸水素ナトリウム、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:7→1:8)により精製し、イソニトリル13(23.5 mg, 0.082 mmol, 30 %)を得た。無色油状物。
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ7.41-7.31 (5H, m), 5.22 (2H, s), 4.32-4.28 (1H, m), 3.26-3.15 (2H, m), 2.01-1.87 (5H, m), 1.57-1.41 (4H, m).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ170.2, 166.5, 160.5, 134.7, 128.9, 128.8, 128.5, 68.3, 56.6, 39.2, 32.3, 28.7, 23.4, 22.6.
IR (neat) 3303, 3087, 3068, 3035, 2937, 2865, 2148, 1753, 1654, 1456, 1197, 750, 698 cm
-1.
MS (ESI) 計算値:311.1372(C
16H
20N
2NaO
3+ [M+Na]
+);測定値:311.1372.
【0137】
[I-14:フェニルアラニンメチルエステル誘導体]
【化28】
フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(3.03 g, 14.07 mmol)を、ギ酸エチル(10 mL)中に溶解し、p-トルエンスルホン酸(269.1 mg, 1.41 mmol, 0.1 eq)及びトリエチルアミン(1.96 mL, 14.07 mmol, 1.0 eq)を加え、65℃、46 時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物に酢酸エチル(50 mL)を加え、1 M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 1 : 1)により精製し、対応するホルムアミド(14a)(2.42 mg, 11.67 mmol, 83%)を得た。化合物14a(599.4 mg, 2.89 mmol)に、ピリジン(1.16 mL, 14.45 mmol, 5.0 eq)及びジクロロリン酸フェニル(651 μL, 4.34 mmol, 1.5 eq)を加え、室温、1 時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に飽和食塩水(50 mL)を加え、酢酸エチル(150 mL)で抽出した。有機層を、1 M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)により精製し、イソニトリル14(154.6 mg, 0.82 mmol, 28%)を得た。黄色油状物。
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ7.35-7.24 (5H, m), 4.46 (1H, dd, J = 8.3 Hz,4.8 Hz), 3.77 (3H, d, J = 2.1 Hz), 3.24 (1H, dd, J = 13.8 Hz, 4.8 Hz), 3.12 (1H, dd, J = 13.8 Hz, 8.3 Hz).
13C NMR (600 MHz, CDCl
3) δ166.4, 160.8, 134.3, 129.1, 128.7, 127.7, 57.9, 53.3, 38.7.
IR (neat) 3032, 2148, 1755, 1603, 1497, 1456, 1439, 1273, 1217, 1178, 748, 702 cm
-1.
MS (ESI) 計算値:212.0688 (C
11H
11NNaO
2, [M+Na]
+);測定値: 212.0681.
【0138】
[I-15:フェニルアラニンイソプロピルエステル誘導体]
【化29】
フェニルアラニン(880.0 mg, 5.33 mmol)に、CSA(2.51 g, 10.66 mmol, 2.0 eq)及びイソプロパノール(2.05 mL, 26.65 mmol, 5.0 eq)を加え、60℃、47時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に飽和食塩水(50 mL)を加え、酢酸エチル(150 mL)で抽出した。有機層を、炭酸水素ナトリウム、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)により精製し、対応するイソプロピルエステル(15a)(517.6 mg, 2.50 mmol, 47%)を得た。化合物15a(645.5 mg, 3.11 mmol)をギ酸エチル(10 mL)中に溶解し、p-トルエンスルホン酸(61.7 mg, 0.32 mmol, 0.1 eq)を加え、65℃、62 時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物に酢酸エチル(50 mL)を加え、1 M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)により精製し、対応するホルムアミド15b(619.9 mg, 2.63 mmol, 85%)を得た。化合物15b(209.5 mg, 0.89 mmol)に、ピリジン(358 μL, 4.45 mmol, 5.0 eq)及びジクロロリン酸フェニル(200 μL, 1.34 mmol, 1.5 eq)を加え、室温、50分間撹拌した。反応終了後、反応混合物に飽和食塩水(50 mL)を加え、酢酸エチル(150 mL)で抽出した。有機層を、1 M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:1)により精製し、イソニトリル15(73.7 mg, 0.34 mmol, 38%)を得た。黄色油状物。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ7.36-7.27 (5H, m), 5.11-5.02 (1H, m), 4.40 (1H, dd, J = 8.7 Hz, 5.5 Hz), 3.25 (1H, dd, J = 13.7 Hz, 5.5 Hz), 3.14 (1H, dd, J = 13.7 Hz, 8.7 Hz), 1.25 (6H, dd, J = 5.5 Hz, 2.7 Hz).
13C NMR (400 MHz, CDCl
3) δ165.6, 160.6, 134.4, 129.3, 128.7, 127.8, 70.9, 58.2, 38.9, 21.5.
IR (neat) 3034, 2148, 1749, 1604, 1495, 1468, 1456, 1389, 1377, 1279, 1217, 1182, 918, 906, 748, 700 cm
-1.
MS (ESI) 計算値:204.1001(C
13H
15NNaO
2, [M+Na]
+);測定値:240.1004.
【0139】
[I-16:スレオニン誘導体]
【化30】
スレオニン(6.24 g, 52.34 mmol)を、ギ酸(25 mL)中に溶解し、無水酢酸(3.0 eq, 14.8 mL)を加えて、室温にて2日間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物を減圧下濃縮し、メタノール及び酢酸エチルを加えて再結晶化し、対応するホルムアミド(16a)(2.62 mg, 17.80 mmol, 34 %)を得た。化合物16a(2.63 g, 17.85 mmol)を、DMF(25 mL)中にて、臭化ベンジル(1.5 eq, 3.18 mL)及び炭酸カリウム(3.0 eq, 7.37 g)と、70℃で5日間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物に水を加え失活させて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:4)により精製し、対応するベンジルエステル(16b)(761.8 mg, 3.21 mmol, 18%)を得た。化合物16b(749.1 mg, 3.16 mmol)を無水酢酸(6 mL)中に溶解し、ピリジン(1.5 eq, 0.38 mL)を加えて、室温にて6時間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物を飽和食塩水及び酢酸エチルで抽出した。有機層を塩酸、炭酸水素ナトリウム、水、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)により精製し、対応するアセチル化物(16c)(785.0 mg, 2.81 mmol, 89%)を得た。化合物16c(131.8 mg, 0.47 mmol)をDCM(6 mL)中に加え、得られた混合物にPhOPOCl
2(1.2 eq, 85 μL)及びピリジン(5.0 eq, 0.33 mL)を加え、6時間撹拌し反応を行った。反応終了後、反応混合物に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を塩酸、炭酸水素ナトリウム、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)により精製し、イソニトリル16(56.3 mg, 0.28 mmol, 59 %)を得た。黄色油状物。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ7.62-7.31 (5H, m), 7.16-7.07 (1H, m), 5.27 (2H, s), 2.05 (3H, d, J = 7.2 Hz)
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ170.3, 160.1, 141.9, 135.0, 128.8, 128.7, 128.4, 120.7, 67.9, 15.1.
IR (neat) 3324, 2068, 2027, 2981, 2966, 2940, 2123, 1724, 1452, 1270, 1211, 754, 703 cm
-1.
MS (ESI) 計算値:219.1134(C
12H
15N
2O
2+ [M+NH
3]
+ );測定値:219.1106.
【0140】
[I-17:β-アラニン誘導体]
【化31】
β-アラニン(2.94 g, 33.05 mmol)を、ギ酸(25 mL)中に溶解し、無水酢酸(3.0 eq, 9.3 mL)を加えて、室温にて3日間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物を減圧下濃縮し、対応するホルムアミド(17a)を得た。化合物17aを、DMF(20 mL)中にて、臭化ベンジル(1.5 eq, 5.88 mL)及び炭酸カリウム(3.0 eq, 27.3 g)と、60℃にて6時間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物に水を加え失活させて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1→1:1→1:2→1:4)により精製し、対応するベンジルエステル(17b)(673.3 mg, 3.25 mmol, 10%)を得た。化合物17b(672.7 mg, 3.25 mmol)をDCM(10 mL)中に加え、得られた混合物にp-TsCl(1.5 eq, 817.4 mg)及びピリジン(2.0 eq, 523 μL)を加え、4.5時間撹拌し反応を行った。反応終了後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、塩酸、炭酸水素ナトリウム、水、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:1)により精製し、イソニトリル17(300.6 mg, 1.59 mmol, 49%)を得た。無色油状物。
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ7.44-7.30 (5H, m), 5.17 (2H, s), 3.70 (2H, t, J = 6.0 Hz), 2.78 (2H, t, J = 6.0 Hz).
13C NMR (150 MHz, CDCl
3) δ169.3, 157.7, 135.3, 128.8, 128.7, 128.5, 67.2, 37.3 (t), 37.2 (t), 37.2 (t), 34.3.
IR (neat) 3089, 3066, 3035, 2956, 2892, 2154, 1741, 1390, 1216, 752, 698 cm
-1.
MS (ESI) 計算値:207.1134(C
11H
15N
2O
2+ [M+NH
3]
+);測定値:207.1136.
【0141】
[I-18:2-アミノ酪酸誘導体]
【化32】
2-アミノ酪酸(3.06 g, 29.68 mmol)を、ギ酸(30 mL)中に溶解し、無水酢酸(3.0 eq, 8.4 mL)を加えて、室温にて7日間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物を減圧下濃縮し、対応するホルムアミド(18a)を得た。残留物を、DMF(30 mL)中にて、臭化ベンジル(1.5 eq, 5.28 mL)及び炭酸カリウム(4.0 eq, 16.3 g)を加え、60℃にて5時間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物に水を加え失活させて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1→1:1→1:2)により精製し、対応するベンジルエステル(18b)(4.656 g, 21.01 mmol, 81%)を得た。化合物18b(527.8 mg, 2.39 mmol)を、DCM(5 mL)中に加え、得られた混合物にPhOPOCl
2(1.5 eq, 554 μL)及びピリジン(5.0 eq, 961 μL)を加え、30分間撹拌し反応を行った。反応終了後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、塩酸、炭酸水素ナトリウム、水、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により精製し、イソニトリル18(322.0 mg, 1.59 mmol, 66%)を得た。無色油状物。
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ7.41-7.32 (5H, m), 5.25-5.20 (2H, m), 4.28-4.24 (1H, m), 2.04-1.90 (2H, m), 1.06 (3H, t, J = 7.8 Hz).
13C NMR (150 MHz, CDCl
3) δ166.6, 160.2, 134.8, 128.9, 128.8, 128.5, 68.2, 58.2, 26.5, 9.7.
IR (neat) 3091, 3066, 3035, 2977, 2940, 2150, 1756, 1456, 1384, 1191, 752, 698 cm
-1.
MS (ESI) 計算値:226.0844(C
12H
13NNaO
2+ [M+Na]
+);測定値:226.0847.
【0142】
[I-19:2-アミノイソ酪酸誘導体]
【化33】
2-アミノイソ酪酸(3.48 g, 33.75 mmol)を、ギ酸(30 mL)中に溶解し、無水酢酸(3.0 eq, 9.6 mL)を加えて、室温にて4日間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物を減圧下濃縮し、対応するホルムアミド(19a)を得た。化合物19aを、アセトニトリル(60 mL)中にて、臭化ベンジル(1.5 eq, 6.0 mL)及び炭酸カリウム(4.0 eq, 18.6 g)と、60℃にて7時間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物に水を加え失活させて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧下濃縮を行った。残留物を、ヘキサン及び酢酸エチルを加えて再結晶化し、対応するベンジルエステル(19b)(5.51 g, 24.93 mmol, 74%)を得た。化合物19b(637.5 mg, 2.83 mmol)を、DCM(5 mL)中に加え、得られた混合物にPhOPOCl
2(1.5 eq, 669 μL)及びピリジン(5.0 eq, 1.16 mL)を加え、1時間撹拌し反応を行った。反応終了後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、塩酸、炭酸水素ナトリウム、水、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により精製し、イソニトリル19(273.5 mg, 1.35 mmol, 48%)を得た。無色油状物。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ7.41-7.30 (5H, m), 5.23 (2H, s), 1.67 (6H, s).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ169.4, 158.1, 135.0, 128.8, 128.7, 128.2, 68.3, 59.8, 27.6.
IR (neat) 3091, 3066, 3035, 2944, 2140, 1751, 1459, 1392, 1274, 1153, 750, 698 cm
-1.
MS (ESI) 計算値:226.0844(C
12H
13NNaO
2+ [M+Na]
+);測定値:226.0841.
【0143】
[I-20:3-アミノ酪酸誘導体]
【化34】
3-アミノ酪酸(1.15 g, 11.20 mmol)を、ギ酸(10 mL)中に溶解し、無水酢酸(3.0 eq, 3.2 mL)を加えて、室温にて7日間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物を減圧下濃縮し、対応するホルムアミド(20a)を得た。化合物20aをアセトニトリル(20 mL)中にて、臭化ベンジル(1.5 eq, 1.99 mL)及び炭酸カリウム(4.0 eq, 6.17 g)と、60℃にて2日間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物に水を加え失活させて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→1:2)により精製し、対応するベンジルエステル(20b)(1.10 g, 4.97 mmol, 44%)を得た。化合物20b(547.7 mg, 2.48 mmol)をDCM(5 mL)中に加え、得られた混合物にPhOPOCl
2(1.5 eq, 575 μL)及びピリジン(5.0 eq, 997 μL)を加え、1時間半撹拌し反応を行った。反応終了後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、塩酸、炭酸水素ナトリウム、水、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により精製し、イソニトリル20(218.5 mg, 1.08 mmol, 43%)を得た。無色油状物。
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ7.40-7.32 (5H, m), 5.17 (2H, s), 4.16-4.08 (1H, m), 2.84-2.76 (1H, m), 2.63-2.56 (1H, m), 1.46-1.42 (3H, m).
13C NMR (150 MHz, CDCl
3) δ169.1, 156.2, 135.2, 128.7, 128.5, 128.4, 67.1, 46.5 (t), 46.5 (t), 46.4 (t), 41.6, 21.5.
IR (neat) 3091, 3066, 3035, 2942, 2886, 2142, 1737, 1456, 1388, 1184, 750, 700 cm
-1.
MS (ESI) 計算値:226.0844(C
12H
13NNaO
2+ [M+Na]
+);測定値:226.0845.
【0144】
[I-21:4-アミノ酪酸誘導体]
【化35】
4-アミノ酪酸(3.22 g, 31.23 mmol)を、ギ酸(30 mL)中に溶解し、無水酢酸(3.0 eq, 8.9 mL)を加えて、室温にて7日間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物を減圧下濃縮し、対応するホルムアミド(21a)を得た。化合物21aを、DMF(30 mL)中にて、臭化ベンジル(1.5 eq, 5.55 mL)及び炭酸カリウム(4.0 eq, 17.2 g)と、60℃にて4日間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物に水を加え失活させて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→1:2→1:4)により精製し、対応するベンジルエステル(21b)(363.2 mg, 1.64 mmol, 5%)を得た。化合物21b(363.2 mg, 1.64 mmol)をDCM(5 mL)中に加え、得られた混合物にp-TsCl(1.5 eq, 413.3 mg)及びピリジン(2.0 eq, 265 μL)を加え、1.5時間撹拌し反応を行った。反応終了後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、塩酸、炭酸水素ナトリウム、水、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)により精製し、イソニトリル21(160.8 mg, 0.79 mmol, 48%)を得た。無色油状物。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ7.45-7.30 (5H, m), 5.13 (2H, s), 3.56-3.42 (2H, m), 2.56 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.08-1.95 (2H, m).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ172.1, 157.0 (t), 156.9 (t), 156.9 (t), 135.7, 128.7, 128.5, 128.4, 66.7, 41.0 (t), 40.9 (t), 40.8 (t), 30.6, 24.4.
IR (neat) 3091, 3064, 3033, 2948, 2888, 2150, 1733, 1456, 1231, 1166, 750, 698 cm
-1.
MS (ESI) 計算値:226.0844(C
12H
13NNaO
2+ [M+Na]
+);測定値:226.0847.
【0145】
[I-22:セリン誘導体]
【化36】
O-ベンジルセリン(350.8 mg, 1.80 mmol)を、ベンジルアルコール(2 mL)中に溶解し、CSA(1.2 eq, 498.8 mg)を加えて、60℃にて2日間撹拌し反応させた。反応終了後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1→2:1→1:1→1:4)により精製し、対応するベンジルエステル(22a)(383.0 mg, 1.34 mmol, 75 %)を得た。化合物22a(979.4 mg, 3.43 mmol)をギ酸(5 mL)中に溶解し、無水酢酸(3.0 eq, 0.97 mL)を加えて室温にて25時間撹拌し反応させた。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)により精製し、対応するホルムアミド(22b)(1.05 g, 3.35 mmol, 97 %)を得た。化合物22b(524.3 mg, 1.67 mmol)をDCM (5 mL)中に加え、得られた混合物にPhOPOCl
2 (1.5 eq, 388 μL)及びピリジン(5.0 eq, 674 μL)を加え、室温にて2時間撹拌し反応を行った。反応終了後、反応混合物に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、塩酸、炭酸水素ナトリウム、及び飽和食塩水で順次洗浄し、さらに硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)により精製し、イソニトリル22(18.3 mg, 0.062 mmol, 4 %)を得た。赤色油状物。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.42-7.21 (10H, m), 5.29-5.20 (2H, m), 4.63-4.54 (2H, m), 4.51-4.40 (1H, m), 3.91-3.81 (2H, m).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 164.7, 161.5, 136.9, 134.6, 128.9, 128.8, 128.5, 128.2, 127.8, 73.7, 69.5, 68.5, 56.9.
IR (neat) 3087, 3064, 3033, 2952, 2871, 2152, 1756, 1456, 1280, 1195, 1112, 738, 698 cm
-1.
MS (ESI) 計算値:318.1106(C
18H
17NNaO
3+ [M+Na]
+); 測定値:318.1104.
【0146】
[I-23:フェニルアラニン類縁体]
【化37】
化合物1(112.1 mg, 0.64 mmol)を、アセトニトリル(10 mL)に溶解し、水酸化カリウム(90.7 mg, 1.62 mmol, 2.5 eq)、及びベンジルブロミド(169 μL, 0.64 mmol, 2.2 eq)を加え、室温で72時間反応させた。反応終了後、反応混合物に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により精製し、イソニトリル23(138.9 mg, 0.39 mmol, 61%)を得た。無色油状物。
1H-NMR (600 MHz, CDCl
3) δ7.33-7.17 (13H, m), 7.07 (2H, dd, J = 7.6, 1.4 Hz), 3.37 (2H, d, J = 13.7 Hz), 3.07 (2H, d, J = 13.7 Hz).
13C-NMR (150 MHz, CDCl
3) δ167.8, 161.4, 134.4, 133.4, 130.3, 128.6, 128.5, 128.4, 128.3, 127.9, 70.4, 68.1, 45.0.
IR (neat) 3109, 3088, 3064, 3032, 3008, 2964, 2933, 2141, 1755, 1738, 1497, 1443, 1277, 1271, 1088, 1030, 746, 700 cm
-1.
MS (ESI) 計算値:378.1470 C
24H
21NNaO
2+ [M+Na]
+; 実測値:378.1474.
【0147】
[I-24:チロシン類縁体]
【化38】
化合物1(125.7 mg, 0.72 mmol)を、トルエン/クロロホルム(7 mL/3 mL)に溶解し、炭酸セシウム(513.5 mg, 1.58 mmol, 2.2 eq)、及び4-アセトキシベンジルブロミド(362.7 mg, 1.58 mmol, 2.2 eq)を加え、室温で48時間反応させた。反応終了後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、減圧下濃縮を行った。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)により精製し、イソニトリル24(85.7 mg, 0.18 mmol, 25%)を得た。無色油状物。
1H-NMR (600 MHz, CDCl
3) δ7.35-7.28 (3H, m), 7.25-7.19 (4H, m), 7.15-7.09 (2H, m), 7.02-6.97 (4H, m), 5.03 (2H, s), 3.35 (2H, d, J = 13.7 Hz), 3.07 (2H, d, J = 13.7 Hz), 2.30 (6H, s).
13C-NMR (150 MHz, CDCl
3) δ169.3, 167.6, 161.8, 150.4, 134.3, 131.3, 130.8, 128.7, 128.6, 128.5, 121.7, 70.2, 68.3, 44.2, 21.2.
IR (neat) 3651, 3494, 3064, 3037, 3010, 2964, 2935, 2139, 1749, 1606, 1456, 1443, 1421, 1369, 1272, 1192, 1167, 1109, 912, 850, 754, 698 cm
-1.
MS (ESI) 計算値:494.1580 C
28H
25NNaO
6+ [M+Na]
+;実測値:494.1584.
【0148】
<II:使用例>
[II-1:タテジマフジツボのキプリス幼生に対する活性測定試験]
特許第4933261号公報に記載の方法又はNogataらの文献に記載の方法(Biofouling, 2004年, 第20巻、p87-91)に従い、タテジマフジツボのキプリス幼生に対する実施例化合物の活性を測定した。
【0149】
実施例化合物は、前記で調製した実施例化合物1〜21を使用した。
【0150】
比較例化合物1として、硫酸銅を使用した。
【0151】
タテジマフジツボのキプリス幼生を、25℃のインキュベーター内に静置した25℃の天然海水中で生育させた。下記の試験には、孵化後5日目に得られたフジツボ幼生を、2日間4℃で保存したものを使用した。
【0152】
24ウェルのポリスチレン製マルチウェルプレート(3.2 ml/ウェル、ウェル直径15.5 mm、ウェル高さ17.6 mm、コーニング社製)の各ウェルに、約2 mlの試験化合物のメタノール溶液を分注した後、該マルチウェルプレートを風乾させてメタノールを蒸発させた。試験化合物は、最終濃度が0.01、0.03、0.1、0.3、1、3及び10 μg/mlとなるように分注した。試験化合物の付着率及び/又は死亡率に応じて、最終濃度が0.001、0.003、30及び100μg/mlとなるように、該試験化合物を追加的に分注した。その後、各ウェルに、予め濾過した2 mlの天然海水と共にそれぞれ6個体のフジツボキプリス幼生を移植した。前記マルチウェルプレートを25℃のインキュベーター内に静置し、25℃で5日間フジツボ幼生を生育させた。前記の手順において、試験化合物を含まないメタノール溶液を分注することによって、対照区の試験を実施した。各試験化合物の1濃度試験区及び対照区につき、4連(4ウェル)の試験を実施した。なお、前記試験の天然海水としては、千葉県御宿付近の沿岸部で採取した天然海水(塩分濃度36 g/kg)を蒸留水で希釈し、塩分濃度32 g/kgに調製したものを使用した。
【0153】
試験開始5日後に、各ウェルにおけるフジツボ幼生の付着個体数及び死亡個体数を、実体顕微鏡下で計数した。各試験区及び対照区について、4連(4ウェル)のフジツボ幼生の総個体数に対する前記計数値の合計値から、各ウェルにおけるフジツボ幼生の付着率(%)及び死亡率(%)をそれぞれ算出した。
【0154】
前記試験を3回反復し、その平均値から、各試験区及び対照区におけるフジツボ幼生の付着率(%)及び死亡率(%)をそれぞれ算出した。また、各試験化合物について、投与量−付着率応答曲線を作成し、フジツボ幼生の付着を50%阻害する濃度(以下、EC
50と記載する)を決定した。同様に、各試験化合物について、投与量−死亡率応答曲線を作成し、フジツボ幼生を50%死亡させる濃度(以下、LC
50と記載する)を決定した。結果を表1及び2に示す。
【0155】
【表1】
【0156】
【表2】