特許第6183957号(P6183957)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6183957
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】光変調装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/01 20060101AFI20170814BHJP
   B81B 3/00 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   G02F1/01 C
   B81B3/00
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-101097(P2014-101097)
(22)【出願日】2014年5月15日
(65)【公開番号】特開2015-219294(P2015-219294A)
(43)【公開日】2015年12月7日
【審査請求日】2016年6月15日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ▲1▼開催日:2014年1月14日 ▲2▼集会名:東京大学 マテリアル工学専攻学位本審査 開催場所:東京大学工学部4号館203会議室(東京都文京区本郷7−3−1) ▲3▼公開者:福田 浩
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153006
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 勇三
(72)【発明者】
【氏名】福田 浩
(72)【発明者】
【氏名】平勢 理士
(72)【発明者】
【氏名】和田 一実
【審査官】 右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−021270(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/024968(WO,A1)
【文献】 特開平07−092400(JP,A)
【文献】 特開2001−133486(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0303008(US,A1)
【文献】 特開平08−297140(JP,A)
【文献】 特開2003−124063(JP,A)
【文献】 特開2014−174261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/00 − 1/125
G02F 1/21 − 7/00
B81B 1/00 − 7/04
B81C 1/00 − 99/00
G02B 6/12 − 6/14
Scopus
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上に形成された支持部と、
前記支持部の上に形成された固定部と、
前記固定部に連結部で連結されて前記基板の上に離間して配置された可動構造体と、
前記可動構造体の上に形成された可動電極と、
前記基板の上に形成されて前記可動電極を前記基板の側に引き寄せるための固定電極と、
前記固定部から前記連結部の上にかけて形成された光導波路と、
前記連結部の箇所で前記光導波路の上に形成されて印加された応力により光の変調帯域を可変する光変調器と
を備え、
前記光変調器は、前記固定部から前記可動構造体に向かう方向に延在して設けられ、
平面視で、前記連結部の幅は、前記固定部に近づくほど広く形成され、
平面視で、前記固定部の側の前記連結部の幅は、前記可動構造体の幅より小さく形成されている
ことを特徴とする光変調装置。
【請求項2】
請求項1記載の光変調装置において、
前記連結部は、前記可動構造体の側に配置され、平面視で同一の幅とされた矩形部と、
前記固定部の側に配置されて前記固定部に近づくほど幅広となる台形部と
から構成されていることを特徴とする光変調装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、応力の印加により光の変調帯域を拡幅する光変調を行う光変調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信の大容量化に伴い、基幹網に加えて加入者網においても光通信の高速化が求められている。光通信の高速化には、光変調などを行う光変調器の高速化が重要となる。現在、小型化および低消費電力化などの要望から、化合物半導体を用いた光変調器が主に用いられている。しかしながら、加入者網の装置に適用するためには、低コストであることが重要であり、高価な化合物半導体を用いた光変調器ではなく、シリコン系材料を用いた光変調器の開発が進んでいる。
【0003】
シリコン系材料を用いた光変調器には、例えば、キャリア注入による自由電子吸収を用いた光吸収素子がある(特許文献1参照)。また、マッハツェンダー干渉計を用いた素子もある(特許文献2参照)。また、ゲルマニウムの電界吸収効果を用いた光変調器もある(非特許文献1参照)。これらのなかで、キャリア注入およびマッハツェンダー干渉計を用いた技術では、消費電力が大きく、低消費電力に対応させることが困難である。電界吸収効果を利用する技術では、低消費電力化が可能であるが、ゲルマニウムの光吸収端が1650nm以上の長波長域であり、通信波長帯から外れるため、光通信に用いることは困難と考えられていた。
【0004】
これに対し近年、量子効果を用いることで、ゲルマニウムの光吸収端を光通信波長帯まで拡張する技術が提案されている。この技術によれば、加入者網でも使用可能な低コストの光変調器が、低消費電力で実現できる可能性がある。ただし、変調可能な光帯域は波長数nmと広くなく、光通信波長帯のなかでC帯およびL帯をカバーするためには、10種類以上の量子井戸構造を作り分けることになる。
【0005】
これに対し、1つの素子でより広い光変調帯域を得る技術が提案されている(特許文献3参照)。この技術では、変位可能とした片持ち梁に上記構成とした光変調器を形成し、この光変調器に応力を印加することで、より広い光変調領域を得るようにしている。また、上記素子が配置される応力集中部を、平面視でより細い構造として変形しやすくし、より小さな駆動電圧で梁を変形可能として低消費電力化を図る提案もなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3957187号公報
【特許文献2】特許第4429711号公報
【特許文献3】国際公開第2011/24968号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】N. Feng et al. , "30GHz Ge electro-absorption modulator integrated with 3μm silicon-on-insulator waveguide", Optics Express, vol.19, no.8, pp.7062-7067, 2011.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、光変調器を配置する部分を変形させて応力を印加し、光の変調帯域の拡幅を実現する技術では、応力が均一に印加される領域を確保することが重要となる。しかしながら、片持ち梁構造では、応力分布が梁の固定端付近に応力が集中するため、必要な光変調領域の長さにわたって均一な応力を得ることができないという問題があった。
【0009】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、梁構造の上に形成した光変調器に、梁構造を変位させることで応力を印加して光の変調帯域を可変させる光変調装置において、必要な光変調領域の長さにわたって均一な応力が加えられるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る光変調装置は、基板の上に形成された支持部と、支持部の上に形成された固定部と、固定部に連結部で連結されて基板の上に離間して配置された可動構造体と、可動構造体の上に形成された可動電極と、基板の上に形成されて可動電極を基板の側に引き寄せるための固定電極と、固定部から連結部の上にかけて形成された光導波路と、連結部の箇所で光導波路の上に形成されて印加された応力により光の変調帯域を可変する光変調器とを備え、平面視で、連結部の幅は、固定部に近づくほど広く形成され、平面視で、固定部の側の連結部の幅は、可動構造体の幅より小さく形成されている。
【0011】
上記光変調装置において、連結部は、可動構造体の側に配置され、平面視で同一の幅とされた矩形部と、固定部の側に配置されて固定部に近づくほど幅広となる台形部とから構成してもよい。
【0012】
上記光変調装置において、光変調器は、固定部から可動構造体に向かう方向に延在して設けられている。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したことにより、本発明によれば、梁構造の上に形成した光変調器に、梁構造を変位させることで応力を印加して光の変調帯域を可変させる光変調装置において、必要な光変調領域の長さにわたって均一な応力が加えられるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の実施の形態における光変調装置の構成を示す斜視図である。
図2図2は、印加している電圧と発生している応力との関係を説明するための説明図である。
図3図3は、印加している電圧と発生している応力との関係を説明するための説明図である。
図4図4は、本発明の実施の形態における光変調装置の他の構成を示す平面図である。
図5図5は、本発明の実施の形態における光変調装置の他の構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における本発明の実施の形態における光変調装置の構成を示す斜視図である。
【0016】
この光変調装置は、まず、基板101の上に形成された支持部102と、支持部102の上に形成された固定部103と、固定部103に連結部104で連結されて基板101の上に離間して配置された可動構造体105とを備える。固定部103,連結部104,可動構造体105は、いわゆる片持ち梁構造であり、梁の固定端に近い部分が、平面視でくびれた構造となっている。
【0017】
例えば、基板101は、埋め込み酸化層121,表面シリコン層122を備える公知のSOI(Silicon on Insulator)基板である。厚さ0.2μm程度の表面シリコン層122をパターニングすることで、固定部103,連結部104,可動構造体105が一体に形成される。プラズマ等によるドライエッチングによれば、埋め込み酸化層121に対する選択的なエッチングにより、表面シリコン層122をパターニングすることができる。また、フッ酸によるウェットエッチングによれば、すでに形成している固定部103,連結部104,可動構造体105に対する選択的なエッチングにより、埋め込み酸化層121をパターニングすることができる。
【0018】
ここで、実施の形態における光変調装置は、まず、平面視で、連結部104の幅が、固定部103に近づくほど広く形成されているところに第1の特徴がある。また、実施の形態における光変調装置は、平面視で、固定部103の側の連結部104の幅が、可動構造体105の幅より小さく形成されているところに第2の特徴がある。なお、固定部103との接続部における連結部104の幅は、可動構造体105の幅より大きくてもよい。「幅」は、片持ち梁構造の梁(連結部104,可動構造体105)が延在している方向(連結方向)に対し、平面視で垂直な方向の長さである。
【0019】
また、実施の形態における光変調装置は、可動構造体105の上に形成された可動電極106と、基板101の上に形成されて可動電極106を基板101の側に引き寄せるための固定電極107とを備える。また、固定部103から連結部104の上にかけて形成された光導波路108と、連結部104の箇所で光導波路108の上に形成されて印加された応力により光の変調帯域を可変する光変調器109とを備える。光変調器109は、光導波路108を導波する光信号の変調を行う。また、可動電極106に接続する配線110が、連結部104を経由して固定部103の上に引き出されている。
【0020】
可動電極106,固定電極107は、例えば、金、銀、アルミニウムなどの金属から構成すればよい。また、基板101をそのまま固定電極107としても良い。また、可動電極106,固定電極107は、シリコンなどの半導体から構成することもできる。
【0021】
光導波路108は、連結部104の上で進行方向が曲げられ、光導波路108の両端は、固定部103の上に配置されている。光導波路108は、例えばリブ型導波路である。コアがシリコンから構成され、上部クラッドが空気であればよい。また、リブ幅が400nm,コア厚さが200nm、リブ厚さが100nmとされていればよい。なお、リブ導波路の上部クラッドは、空気に限らず、酸化シリコンなどのコア材よりも屈折率が小さい材料で形成されていても良い。
【0022】
光導波路108の一端より入射した光信号は、まず、連結部104の上の一方の光変調器109が形成されている箇所を通過する。次いで、連結部104の上の曲げられている部分の光導波路108で進行方向を変更する。次いで、連結部104の上の他方の光変調器109が形成されている箇所を通過し、光導波路108の他端より出射する。ここで、図1に示す構成では、光変調器109は、固定部103から可動構造体105に向かう方向に延在して設けられている。
【0023】
光変調器109は、ゲルマニウムからなる層厚10nm程度の井戸層と、シリコンとゲルマニウムとの混晶からなる層厚10nm程度の障壁層とから構成された量子井戸構造を備える。この構成とした光変調器109は、応力が加わると、井戸層を構成するゲルマニウムのバンドギャップを波長に換算して100nm可変することができる。従って、光変調器109は、応力が加わることで、吸収する光波長を変更することができ、光の変調帯域を可変することができる。
【0024】
上述した光変調装置では、可動電極106と固定電極107との間に電位差が生じるように電圧(駆動電圧)を印加することで、可動電極106と固定電極107との間に静電引力を発生させ、可動構造体105を固定電極107(基板101)の側に近づけるように変位させることができる。また、印加する電圧を変化させることで、可動構造体105の変位量を変化させることができる。このとき、可動構造体105および連結部104が変形して応力を発生する。ここで発生する応力は、固定部103により近い箇所に配置され、可動構造体105からみるとくびれている連結部104に集中するようになる。
【0025】
加えて、実施の形態によれば、平面視で、連結部104の幅が、固定部103に近づくほど広く形成されているので、連結部104の連結方向において、上記応力はより均一な状態となる。
【0026】
このようにして応力が集中する連結部104の上に光変調器112が形成されているので、上述したように可動構造体105に対して静電引力を発生させることで、光変調器112に応力(引っ張り歪み)を加えることができ、結果として、光変調器112における透過光波長の限界(吸収端)を変更することができる。図示していないが、光変調器109には、高速な電気の変調信号を導く電極が備わっている。応力により、光変調器109の吸収端と、光変調器109に入力される光の波長を近づけることができる。吸収端近傍の波長で光変調器109を動作させると、低い変調電圧で、大きな変調効率(消光比)を得ることができるため、結果として効率的な光の変調帯域を拡幅することができる。
【0027】
ここで、より低い駆動電圧で可動構造体を変位させ、連結部を変形させるためには、連結部を平面視で可動構造体より細い構造(くびれ構造)とし、連結部に応力が集中する構成とすることが望ましい。しかしながら、このようなくびれ構造では、図2に示すように、連結部203の固定部側の付け根付近231に応力が集中する。
【0028】
図2の(b)は、基板201の上に、片持ち張り構造とした可動構造体202および連結部203が形成されている構造において、電圧を印加して静電引力により可動構造体202を基板201の側に引き寄せている状態を示している。また、図2の(a)は、印加している電圧と発生している応力との関係を示す特性図である。
【0029】
印加電圧と応力との関係は、力学電磁場連成解析により求めた。用いた有限要素法のメッシュサイズは2μm以下であり、可動構造体202および連結部203は、シリコンから構成されているものとし、ヤング率を185GPaとした。また、連結部203の固定端と基板201の下面を固定し、可動構造体202の上の可動電極(不図示)に電圧を印加して計算した。
【0030】
また、可動構造体202は、連結方向の長さ50μm,幅20μm,板厚0.2μmとした。また、連結部203は、連結方向の長さ10μm,幅5μm,板厚0.2μmとした。また、上述した可動電極と基板201との間に電位差を設ける。可動電極の寸法は、長さ50μm、幅20μm、厚さ0.1μmであり、基板201と可動電極の距離は3μmとした。
【0031】
図2の(a)において、白丸は、連結部203の付け根付近231の応力変化を示し、黒四角は、連結部203の中央部232の応力変化を示している。付け根付近231の応力は、中央部232の応力の4倍以上になる。このため、連結部203の付け根付近231から中央部232にかけて光変調器を配置すると、光変調器の全体にわたり、均一に応力を加えることが困難となっている。
【0032】
これに対し、実施の形態によれば、図3に示すように、応力の差が小さくなる。図3の(a)は、実施の形態における光変調装置において、可動構造体105上の可動電極(不図示)に印加している電圧と、連結部104に発生している応力との関係を示す特性図である。
【0033】
印加電圧と応力との関係は、前述同様に、力学電磁場連成解析により求めた。可動構造体105は、連結方向の長さ50μm,幅20μm,板厚0.2μmとした。また、連結部104は、まず、連結方向の長さを10μmとした。また、連結部104は、図3には示していない固定部103の側の幅20μmとし、可動構造体105の側の幅を5μmとした。平面視で見ると、上底5μm,下底20μm,高さ10μmの台形となっている。また、板厚は、0.2μmとした。また、上述した可動電極と基板101との間に電位差を設ける。可動電極の寸法は、長さ50μm、幅20μm、厚さ0.1μmであり、基板101と可動電極の距離は3μmとした。
【0034】
図3の(a)において、白丸は、連結部104の付け根付近141の応力変化を示し、黒四角は、連結部104の中央部142の応力変化を示している。実施の形態によれば、付け根付近141の応力が、中央部142の応力の2倍程度に軽減され、応力が、連結部104の全体にわたり分布していることがわかる。
【0035】
以上に説明したように、実施の形態1によれば、必要な光変調器109の長さにわたってより均一に近い応力分布を与えることができるようになる。このことにより、光変調器109の全体にわたり、応力による吸収端波長の変化の分布をおさえることができるため、光変調器109の駆動電圧を低く保ちながら、光変調器109にとって有効に動作する波長の制御域を広くできる。
【0036】
また、連結部104を平面視で台形状とすることで、光変調器109をより大きな応力の場所に配置できるという長所もある。図2の(b)を用いて説明したような矩形の連結部での場合は、台形状に比較して固定部側(固定端)の幅が狭くなる。光導波路は、光閉じ込めを実現するための最小曲げ半径があり、曲げ部の配置を考慮すると、固定端近傍に光変調器を配置することは事実上不可能である。
【0037】
一方で、連結部104を台形状とすることで、連結部104の固定端の幅を広くとることができる。このため、図4に示すように、固定部103から連結部104の上にかけて形成された光導波路408の素子配置領域を、連結方向(図中x方向)に垂直な方向(図中y方向)に平行な状態として設けることが可能となる。このような素子配置領域に光変調器409を設ける。光変調器409は、連結部103および可動構造体105が延在する方向に垂直な方向に延在して配置されることになる。
【0038】
前述したように、連結部104においては、固定端に近いほど大きな応力が得られ、また、y方向には応力の均一性が高い。従って、上述したように光変調器409を設けることで、応力による吸収端波長の変化の分布をおさえることができ、光変調器409の駆動電圧を低く保ちながら、光変調器409にとって有効に動作する波長の制御域を広くできる。
【0039】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、上述した実施の形態では、連結部104の幅が、連結方向に線形に幅が変化する平面視台形としているが、これに限るものではない。連結部104の平面視の幅が、固定部103に近づくほど広くなっていればよく、平面視で釣鐘形状となっていてもよい。
【0040】
また、図5に示すように、同一の幅の矩形部143と、固定部103に近づくほど幅広となる台形部144とにより連結部104aを構成してもよい。矩形部143の幅は、台形部144の最も幅の小さい部分と等しく、幅が小さい領域がより長くなる。このため、連結部104a全体の剛性は、連結部104よりも小さくなり、より低い電圧で可動構造体105を変位させることができるようになる。
【符号の説明】
【0041】
101…基板、102…支持部、103…固定部、104…連結部、105…可動構造体、106…可動電極、107…固定電極、108…光導波路、109…光変調器、110…配線、121…埋め込み酸化層、122…表面シリコン層。
図1
図2
図3
図4
図5