(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検出器サブシステムは、前記第4および第5複合ビームを混合して第1混合ビームを形成する第4偏光ビームスプリッタと、前記第3および第6複合ビームを混合して第2混合ビームを形成する第5偏光ビームスプリッタと、前記第1混合ビームを検出する第1検出器と、前記第2混合ビームを検出する第2検出器と、をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のリソグラフィ装置。
前記検出器サブシステムは、前記第3複合ビームを検出する第1検出器と、前記第4複合ビームを検出する第2検出器と、前記第5複合ビームを検出する第3検出器と、前記第6複合ビームを検出する第4検出器と、をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のリソグラフィ装置。
前記回折または散乱放射ビームのゼロ次の回折次数を遮るように構成される開口絞りをさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のリソグラフィ装置。
前記検出器サブシステムの検出結果から得られる情報に基づいて、オーバレイ、アライメント、マーク非対称性およびプロセスばらつきの少なくとも一つを決定するように構成されるプロセッサをさらに備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のリソグラフィ装置。
基板表面からの任意の偏光を有する回折または散乱放射ビームを受けるように構成される干渉計サブシステムと、前記干渉計サブシステムから出力されるビームを検出するように構成される検出器サブシステムと、を含む光学システムと、を備え、
前記回折または散乱放射ビームは、少なくとも一つの正の回折次数および少なくとも一つの対応する負の回折次数を含み、
前記干渉計サブシステムは、前記回折または散乱放射ビームを第1、第2、第3および第4チャネルに分割するように構成され、前記第1、第2、第3および第4チャネルのそれぞれは、各チャネルの出力において、対応する正および負の回折次数が少なくとも部分的に空間的に重なるように構成されており、
前記干渉計サブシステムは、前記回折または散乱放射ビームの偏光に顕著な影響を及ぼさない実質的に無偏光のビームスプリッタと、前記ビームスプリッタの部分反射面を通過または反射したビームの像を回転させる第1および第2回転プリズムと、を備え、
前記第1チャネルに沿うビームは、前記部分反射面を通過し、前記第1回転プリズム内で反射され、前記部分反射面を通過してから出力され、
前記第2チャネルに沿うビームは、前記部分反射面を通過し、前記第1回転プリズム内で反射され、前記部分反射面で反射されてから出力され、
前記第3チャネルに沿うビームは、前記部分反射面で反射され、前記第2回転プリズム内で反射され、前記部分反射面を通過してから出力され、
前記第4チャネルに沿うビームは、前記部分反射面で反射され、前記第2回転プリズム内で反射され、前記部分反射面で反射されてから出力され、
前記検出器サブシステムは、前記第1チャネルの出力ビームおよび前記第4チャネルの出力ビームを含む第1複合ビームを検出する第1検出器と、前記第2チャネルの出力ビームおよび前記第3チャネルの出力ビームを含む第2複合ビームを検出する第2検出器と、を備え、
前記第1複合ビームは、対応する正および負の回折次数が互いに反対の偏光方向を有して少なくとも部分的に空間的に重なるよう構成され、前記第2複合ビームは、対応する正および負の回折次数の偏光方向が互いに一致するように空間的に重なるよう構成されることを特徴とするアライメントセンサ。
基板上のマークからの回折または散乱放射ビームを第1偏光ビームおよび第2偏光ビームに分離するように構成される第1偏光ビームスプリッタと、前記第1偏光ビームおよび前記第2偏光ビームを受けるように構成される干渉計サブシステムと、前記干渉計サブシステムから出力されるビームを検出するように構成される検出器サブシステムと、を含む光学システムと、を備え、
前記第1偏光ビームおよび前記第2偏光ビームは、前記マークからの少なくとも一つの正の回折次数および少なくとも一つの対応する負の回折次数を含み、
前記第1偏光ビームは、対応する正および負の回折次数の第1直線偏光成分を含み、前記第2偏光ビームは、対応する正および負の回折次数の前記第1直線偏光成分の偏光方向と直交する第2直線偏光成分を含み、
前記干渉計サブシステムは、偏光ビームスプリッタと、前記偏光ビームスプリッタを通過または反射したビームの像を回転させる第1および第2回転プリズムと、を備え、
前記第1偏光ビームおよび前記第2偏光ビームは、前記偏光ビームスプリッタに対して偏光方向を45度回転させた状態で前記偏光ビームスプリッタに入射し、
前記干渉計サブシステムは、前記第1偏光ビームに基づく第1複合ビームを出力し、前記第2偏光ビームに基づく第2複合ビームを出力するように構成され、前記第1複合ビームは、対応する正および負の回折次数の第1直線偏光成分が少なくとも部分的に空間的に重なるように構成され、前記第2複合ビームは、対応する正および負の回折次数の第2直線偏光成分が少なくとも部分的に空間的に重なるように構成されており、
前記検出器サブシステムは、前記第1複合ビームを第3および第4複合ビームに分離する第2偏光ビームスプリッタと、前記第2複合ビームを第5および第6複合ビームに分離する第3偏光ビームスプリッタと、を備え、
前記第1複合ビームは、前記第2偏光ビームスプリッタに対して偏光方向を45度回転させた状態で入射し、前記第2複合ビームは、前記第3偏光ビームスプリッタに対して偏光方向を45度回転させた状態で入射し、
前記第3複合ビームは、対応する正および負の回折次数の第1直線偏光成分の偏光方向が互いに反対となるように空間的に重なるよう構成され、前記第4複合ビームは、対応する正および負の回折次数の第1直線偏光成分の偏光方向が互いに一致するように空間的に重なるよう構成され、前記第5複合ビームは、対応する正および負の回折次数の第2直線偏光成分の偏光方向が互いに一致するように空間的に重なるよう構成され、前記第6複合ビームは、対応する正および負の回折次数の第2直線偏光成分の偏光方向が互いに反対となるように空間的に重なるよう構成され、
前記検出器サブシステムは、前記第3、第4、第5および第6複合ビームを検出するように構成されることを特徴とするアライメントセンサ。
前記検出器サブシステムは、前記第4および第5複合ビームを混合して第1混合ビームを形成する第4偏光ビームスプリッタと、前記第3および第6複合ビームを混合して第2混合ビームを形成する第5偏光ビームスプリッタと、前記第1混合ビームを検出する第1検出器と、前記第2混合ビームを検出する第2検出器と、をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載のアライメントセンサ。
前記検出器サブシステムは、前記第3複合ビームを検出する第1検出器と、前記第4複合ビームを検出する第2検出器と、前記第5複合ビームを検出する第3検出器と、前記第6複合ビームを検出する第4検出器と、をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載のアライメントセンサ。
前記回折または散乱放射ビームのゼロ次の回折次数を遮るように構成される開口絞りをさらに備えることを特徴とする請求項8から12のいずれか一項に記載のアライメントセンサ。
前記検出器サブシステムの検出結果から得られる情報に基づいて、オーバレイ、アライメント、マーク非対称性およびプロセスばらつきの少なくとも一つを決定するように構成されるプロセッサをさらに備えることを特徴とする請求項8から13のいずれか一項に記載のアライメントセンサ。
【発明を実施するための形態】
【0024】
この明細書は、本発明の特徴を含む一以上の実施の形態を開示する。開示される実施の形態は、本発明を例示のみする。本発明の範囲は、開示される実施の形態に限定されない。本発明は、本書に添付される請求項によって定義される。
【0025】
本書における「一つの実施の形態」、「ある実施の形態」、「ある例示的な実施の形態」などといった言及は、その説明される実施の形態がある特定の特徴、構造、又は性質を含んでもよいことを表すが、その特定の特徴、構造、又は性質がどの実施の形態にも必ず含まれうることを表すものではない。また、こうした言い回しは同一の実施の形態に言及するものでは必ずしもない。さらに、ある特定の特徴、構造、又は性質がある実施の形態と結びつけて説明されるとき、そうした特徴、構造、又は性質を他の実施の形態と結びつけてもたらすことはそれが明示的に説明されているか否かにかかわらず当業者の知識の範囲内にあるものと理解される。
【0026】
しかしながら、このような実施の形態を詳細に記載する前に、本発明の実施の形態が実施されうる例示的な環境を示すことが有益である。
【0027】
[反射型および透過型リソグラフィシステム例]
図1Aおよび1Bは、本発明の実施の形態が実装されうるリソグラフィ装置100およびリソグラフィ装置100’をそれぞれ模式的に示す図である。リソグラフィ装置100およびリソグラフィ装置100’はそれぞれ以下を含む。放射ビームB(例えばDUVまたはEUV放射)を調整するよう構成される照明システム(イルミネータ)ILと;パターニングデバイス(例えばマスク、レチクルまたはダイナミックパターニングデバイス)MAを支持するように構成され、パターニングデバイスを正確に位置決めするように構成される第1位置決めシステムPMに接続されるサポート構造(例えばマスクテーブル)MTと;基板(例えば、レジストコートされたウェハ)Wを保持するように構成され、基板Wを正確に位置決めするように構成される第2位置決めシステムPWに接続される基板テーブル(例えば、ウェハテーブル)WTと;を含む。リソグラフィ装置100および100’は、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されるパターンを基板Wの(例えば一以上のダイを備える)目標部分Cに投影する投影システムPSを有する。リソグラフィ装置100において、パターニングデバイスMAおよび投影システムPSは反射型である。リソグラフィ装置100’において、パターニングデバイスMAおよび投影システムPSは透過型である。
【0028】
照明システムILは、放射Bを方向付け、成形し、または制御するための屈折型、反射型、磁気型、電磁気型、静電型、あるいは他の種類の光学素子といった各種光学素子、またはこれらの任意の組合せを含んでもよい。
【0029】
サポート構造MTは、パターニングデバイスMAの向き、リソグラフィ装置100および100’の設計および例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されるか否かといった他の条件に応じた方法でパターニングデバイスMAを保持する。サポート構造MTは、機械式、真空式、静電式または他の固定技術を用いてパターニングデバイスMAを保持してもよい。サポート構造MTは、フレームまたはテーブルであってもよく、例えばこれらは要求に応じて固定式であっても可動式であってもよい。サポート構造MTは、パターニングデバイスが、例えば投影システムPSに対して、所望の位置にあることを確実にしてもよい。
【0030】
「パターニングデバイス」MAの用語は、例えば基板Wの目標部分Cにパターンを生成するために放射ビームBの断面にパターンを付与するのに使用可能な任意のデバイスを指し示すものと広義に解釈されるべきである。放射ビームBに付与されるパターンは、目標部分Cに生成される集積回路等のデバイスにおける特定の機能層に対応することができる。
【0031】
パターニングデバイスMAは、(
図1Bのリソグラフィ装置100’のように)透過型であってもよいし、(
図1Aのリソグラフィ装置100のように)反射型であってもよい。パターニングデバイスMAの例には、マスクや、プログラマブルミラーアレイ、プログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクはリソグラフィにおいて周知であり、バイナリマスク、レベンソン型位相シフトマスク、減衰型位相シフトマスク、さらには多様なハイブリッド型マスクなどのマスク型を含む。プログラマブルミラーアレイは例えば、小型ミラーのマトリックス配列で構成され、各ミラーは、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個別に傾けることが可能である。傾けられたミラーは、ミラーマトリックスにより反射された放射ビームBにパターンを付与する。
【0032】
「投影システム」PSの用語は、用いられる露光放射や、液浸液の使用または真空環境の使用などの他の要素に応じて、屈折型、反射型、磁気型、電磁気型、静電型の光学システムまたはこれらのいかなる組合せを含む、いかなる種類の投影システムを包含することができる。真空環境はEUVまたは電子ビーム放射のために用いることができる。他のガスは非常に多くの放射または電子を吸収しうるからである。したがって、真空環境は真空壁および真空ポンプの助けによりビーム経路の全体に与えることができる。
【0033】
リソグラフィ装置100および/またはリソグラフィ装置100’は、二つの基板テーブル(デュアルステージ)またはそれ以上の基板テーブル(および/または二つ以上のマスクテーブル)WTを有する種類の装置であってもよい。このような「マルチステージ」の機械において、追加の基板テーブルWTが並行して使用されてもよいし、一以上のテーブルが露光のために使用されている間に一以上の他の基板テーブルWTで準備工程が実行されてもよい。
【0034】
図1Aおよび1Bに示されるように、イルミネータILは、放射源SOからの放射ビームを受け取る。放射源SOおよびリソグラフィ装置100,100’は、例えば放射源SOがエキシマレーザである場合に、分離して存在してもよい。このような場合、放射源SOはリソグラフィ装置100または100’の部分を形成するものではないとみなされ、放射ビームBは、例えば適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBD(
図1B)の助けにより、ビーム放射源SOからイルミネータILへと通過する。その他の場合、例えば放射源SOが水銀ランプである場合、放射源SOはリソグラフィ装置100,100’の一体化された部分であってもよい。放射源SOおよびイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに投影システムとみなされてもよい。
【0035】
イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するように構成されるアジャスタAD(
図1B)を含んでもよい。たいていの場合、イルミネータの瞳面における強度分布の外側半径範囲および/または内側半径範囲(それぞれσアウタおよびσインナと通常呼ばれる)の少なくとも一方を調整できる。さらにイルミネータILは、インテグレータINおよびコンデンサCOなどの様々な他の要素(
図1B)を備えてもよい。イルミネータILは、放射ビームBを調整し、ビーム断面において所望の均一性および強度分布を有するように用いられてもよい。
【0036】
図1Aを参照すると、放射ビームBは、サポート構造(例えばマスクテーブル)MTに保持されるパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスMAによりパターンが付与される。リソグラフィ装置100において、放射ビームBはパターニングデバイス(例えばマスク)MAで反射される。パターニングデバイス(例えばマスク)MAで反射された後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、放射ビームBが基板Wの目標部分Bに集光される。第2位置決め装置PWおよび位置センサIF2(例えば、干渉計装置、リニアエンコーダ、静電容量センサなど)の助けを借りて、例えば放射ビームBの経路上に異なる目標部分Cを位置させるように、基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、第1位置決め装置PMおよび別の位置センサIF1を用いて、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えばマスク)MAを正確に位置決めすることができる。パターニングデバイス(例えばマスク)MAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2および基板アライメントマークP1、P2を用いて位置合わせされることができる。
【0037】
図1Bを参照すると、放射ビームBは、サポート構造(例えばマスクテーブルMT)に保持されるパターニングデバイス(例えばマスクMA)に入射し、パターニングデバイスによりパターンが付与される。マスクMAを通過すると、放射ビームBは投影システムPSを通過して基板Wの目標部分Cに集光される。投影システムは、照明システムの瞳IPUと共役の瞳PPUを有する。放射の一部は、照明システムの瞳IPUでの強度分布から生じ、照明システムの瞳IPUにて強度分布像を生成するマスクパターンでの回折による影響なしにマスクパターンを通過する。
【0038】
第2位置決め装置PWおよび位置センサIF(例えば、干渉計装置、リニアエンコーダまたは静電容量センサ)の助けを借りて、例えば放射ビームBの経路上に異なる目標部分Cを位置させるように基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、第1位置決め装置PMおよび別の位置センサ(
図1Bに図示せず)を用いて、(例えばマスクライブラリの機械検索後やスキャン中において)放射ビームの経路に対してマスクMAを正確に位置決めすることができる。
【0039】
一般に、マスクテーブルMTの移動は、第1位置決め装置PMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現されてもよい。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2位置決め装置PWの一部を形成するロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを用いて実現されてもよい。(スキャナと対照的に)ステッパを用いる場合、マスクテーブルMTは、ショートストロークアクチュエータのみに接続または固定されることができる。マスクMAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2および基板アライメントマークP1、P2を用いて位置合わせされてもよい。基板アライメントマークは、図示されるように専用の目標部分を占めているが、目標部分の間のスペースに位置していてもよい(これは、スクライブラインアライメントマークとして知られている)。同様に、マスクMAに一以上のダイが設けられる場合には、マスクアライメントマークはダイの間に位置してもよい。
【0040】
マスクテーブルMTおよびパターニングデバイスMAは、真空チャンバ内にあってもよい。真空チャンバ内では、マスクなどのパターニングデバイスを真空チャンバの内外で移動するための真空内ロボットIVRを用いることができる。または、マスクテーブルMTおよびパターニングデバイスMAが真空チャンバの外側にある場合、真空内ロボットIVRと同様、様々な輸送作業に真空外ロボットを用いることができる。真空内および真空外ロボットの双方は、任意の積荷(例えばマスク)の円滑な搬送のため、搬送ステーションの固定されたキネマティックマウントに対して較正される必要がある。
【0041】
リソグラフィ装置100および100’は、以下のモードの少なくとも一つで使用されることができる。
【0042】
1.ステップモードでは、放射ビームBに付与されたパターン全体が1回の照射で一つの目標部分Cに投影される間、マスクテーブルMT及び基板テーブルWTは実質的に静止状態とされる(すなわち単一静的露光)。そして、基板テーブルWTはX方向および/またはY方向に移動され、異なる目標部分Cが露光される。
【0043】
2.スキャンモードでは、放射ビームBに付与されたパターンが目標部分Cに投影される間、マスクテーブルMT及び基板テーブルWTは同期してスキャンされる(すなわち単一動的露光)。マスクテーブルMTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)率および像反転特性により定められる。
【0044】
3.別のモードでは、放射ビームBに付与されたパターンが目標部分Cに投影される間、サポート構造(例えばマスクテーブル)MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して実質的に静止状態とされ、基板テーブルWTは移動またはスキャンされる。パルス放射源SOを用いることができ、プログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTが移動するたびに、または連続する放射パルスの間に必要に応じてスキャン中に更新される。この動作モードは、本書に記載されるプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに直ちに適用できる。
【0045】
上記のモードを組み合わせて動作させてもよいし、モードに変更を加えて動作させてもよく、さらに全く別のモードを用いてもよい。
【0046】
本書ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用を例として説明しているが、本書に説明したリソグラフィ装置は他の用途にも適用することが可能であるものと理解されたい。他の用途としては、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用案内パターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどがある。当業者であればこれらの他の適用に際して、本書における「ウェハ」あるいは「ダイ」という用語がそれぞれ「基板」あるいは「目標部分」という、より一般的な用語と同義であるとみなされると理解することができるであろう。本書に言及された基板は露光前または露光後において、例えばトラック(典型的にはレジスト層を基板に塗布し、露光後のレジストを現像する装置)、メトロロジツール、および/またはインスペクションツールにより処理されてもよい。適用可能であれば、本書の開示はこれらのまたは他の基板処理装置にも適用され得る。また、基板は例えば多層ICを製造するために複数回処理されてもよく、その場合には本書における基板という用語は既に処理されている多数の処理層を含む基板をも意味しうる。
【0047】
別の実施の形態において、リソグラフィ装置100は、EUVリソグラフィのためのEUV放射ビームを生成するように構成される極端紫外(EUV)源を含む。一般にEUV源は、(後述の)放射システム中に構成され、対応する照明システムがEUV源のEUV放射ビームを調整するように構成される。
【0048】
本書に記載される実施の形態において「レンズ」および「レンズ素子」という用語は、文脈上許されれば、屈折型、反射型、磁気型、電磁気型および静電型の光学要素を含む、様々なタイプの光学要素のいずれか又はその組合せを指すことができる。
【0049】
さらに、本書で用いられる「放射」および「ビーム」の用語は、いかなる種類の電磁的な放射を包含し、可視放射(例えば400−780nmの範囲の波長λを有する)、紫外(UV)放射(例えば365、248、193、157または126nmの波長λを有する)、極端紫外(EUVまたは軟X線)放射(例えば5−20nmの範囲の波長λを有し、例えば13.5nm)または5nm未満で機能する硬X線を含むとともに、イオンビームや電子ビームといった粒子ビームをも含む。一般に、約780−3000nm(またはそれ以上)の間の波長を有する放射はIR放射とみなされる。UVは約100−400nmの波長を持つ放射を指す。リソグラフィにおいて「UV」の用語は水銀放電ランプにより生成できる波長(G線436nm;H線405nm;および/またはI線365nm)にも適用される。真空UVまたはVUV(つまり空気で吸収されるUV)は、一般に約100−200nmの波長を有する放射を指す。深紫外(DUV)は一般に126nmから428nmの範囲の波長を有する放射を指し、ある実施の形態において、リソグラフィ装置内に用いられるエキシマレーザはDUV放射を生成できる。例えば5−20nm範囲の波長を有する放射は、少なくとも一部が5−20nmの範囲に含まれる特定の波長帯に関連することが理解されよう。
【0050】
[偏光依存干渉計]
図2は、アライメントおよび/またはオーバレイの決定に用いる偏光依存干渉計のシステムを模式的に示す図である。一つの実施の形態において、このデータは任意の種類のアライメントセンサ、例えば米国特許第6,961,116号(その全体が参照により本書に援用される)に記載されるようなSMASH(スマート−アライメント−センサ−ハイブリッド)センサを用いて得ることができる。116特許は、単一検出器と異なる4波長を用いる自己参照干渉計を採用し、アライメント信号をソフトウェアで抽出する。その他、米国特許6,297,876号(その全体が参照により本書に援用される)に記載されるように、7つ(またはそれ以上)の各回折次数をそれぞれ専用の検出器に向けてもよい。たいていの場合、X位置およびY位置を得るためにマークは別々に測定される。しかしながら、米国特許出願2009/195768号(その全体が参照により本書に援用される)に記載される技術を用いて混合されたXおよびY測定を実行することができる。
【0051】
図2において、光は、アライメントマークといった基板上のマークから回折光250として回折される。回折光250は多重の回折次数を含むことができ、例えば高次/非ゼロ次の回折次数(例えば+1次および−1次の回折次数)をゼロ次を遮断した状態で含むことができる。ゼロ次は、検出信号にて利用可能な変調深さの劣化を避けるために遮られてよい。回折光250は、自己参照干渉計204に入射する前に、光学的にまず半波長板202を通過する。自己参照干渉計204は、例えば回折光250の二つの像を出力する。これは相対的に180度回転した入力であり、これらが重なる結果、干渉されることができる。
【0052】
一例において、回折光250は、等しい強度で検出される二つの像を生成するために45度の偏光であるべきである。この目的において、半波長板202および半波長板206は任意である。半波長板202および206を用いる場合の位置に対して自己参照干渉計204および偏光ビームスプリッタ208が45度の角度で配置される場合、半波長板は不要となる。
【0053】
図3Aおよび3Bに示されるように、自己参照干渉計204は、入力204.1にて回折光250を受ける。
図3Cは、入力204.1にて自己参照干渉計204に入射する回折光250を描く。自己参照干渉計204内において、回折光250は二つのチャネルABおよびBAに分割される。チャネルBAは
図3Aに示され、チャネルABは
図3Bに示される。チャネルABおよびBAを通過する出力ビーム252.1および252.2の電界は、式(1)および(2)で示されるジョーンズ行列の項で特徴付けられてよい。
【数1】
【数2】
【0054】
ここで、反時計回りの回転行列は式(3)で示される。
【数3】
【0055】
回折光250は、チャネルABおよびBAを通じて自己参照干渉計204を通過すると、
図3Dに示されるように出口204.2にて自己参照干渉計204を出る。
図2は、
図3の出力ビーム252.1および252.2を出力ビーム252として描いている。自己参照干渉計204は回折光250を空間的に分離された出力ビーム252.1および252.2に分割する。これらのビームは、互いに理想的に直交した偏光角である。
図3Cでは、図面を単純化するため、アライメントマークに起因する一つの回折次数のみが示されている。一つの回折次数のみでは、干渉を、したがって(検出器での)アライメント信号の変調を生じさせるために不十分である。典型的に
図3Cにおいて、正の高次の各回折次数に付随する負の高次の回折次数が180度回転させた位置に存在する。この付随する負の高次の回折次数は、
図3Dにおいて追加のビームのペアを生じさせるであろう。これは、付随する正の高次の回折次数に起因するビームと少なくとも部分的に重なる。この少なくとも部分的に重なるビームは干渉を生じさせ、したがってアライメントマーク位置に依存する(またアライメントマーク形状に依存する)アライメント信号の変調を生じさせるであろう。
【0056】
自己参照干渉計204が45度の角度で回転していなければ、出力光252は半波長板206を通過して偏光ビームスプリッタ208に到達する。偏光ビームスプリッタ208は、出力光252を検出ビーム254および256(それぞれが光学素子212および210を通過する)に分割する。ある例において、これらの光学素子はレンズであってよい。説明を単純化する目的で、本書では光学素子をレンズとして説明するが、当業者であれば別の種類の光学素子が用いられてもよいことが理解されるであろう。レンズは、例えば光ファイバを介して、光を検出器214および216に向けて集光させる。検出器214および216は、異なる回折次数が干渉する瞳面、像面または瞳面と像面の間の位置に配置されてもよい。検出された干渉した回折次数は位置情報を提供する。
【0057】
一例において、この構成は、十分に高い信号対雑音比(SNR)を確保するため回折光250が特定の偏光を有するという要件により制約される。例えば、基板上のサブセグメント化されたマークは偏光子として機能するかもしれず、基板への元の入射光の偏光とは異なる偏光の回折光250を生じさせる。この偏光の変化は、ターゲット/波長に依存するコントラストの損失を生じさせる。その結果、回折光250の回折次数が特定の偏光を有していなければ、検出信号における変調深さの低下といったコントラストの損失が結果として生じるであろう。
【0058】
[偏光非依存干渉計の実施例]
図4は、第1実施形態に係る偏光非依存干渉計システム400を模式的に示す。いいかえれば、システム400はアライメントおよび/またはオーバレイを正確に決定するために特定の偏光を必要としない。
図4は、光源と検出器の間の回折マークを介した光路を模式的に描いている。透過型の回折格子408として示されているが、システム400が反射型の回折格子を用いてもよいことは当業者であれば理解されるであろう。説明を単純化するため、これは本書においてマーク408として参照されるであろう。
【0059】
放射ビーム450は、マーク408が存在する基板の表面に向けて出力される。放射ビーム450は、
図1Aまたは1Bに示される放射源SOなどの光源からファイバ光ケーブルを介して供給されてもよい。一つの実施形態において、放射ビーム450は、放射ビームに特定の偏光を与える偏光子402および1/4波長板404を通過する。例えば、偏光子402の通過後、放射ビーム450は電界470に示されるような直線偏光を有してもよい。一例において、1/4波長板404の通過後、放射ビーム450は電界480にで示されるような円偏光であってもよい。偏光子402および1/4波長板404の一方または双方の使用は、アライメントマークが任意の回転にて同様に測定されるのを可能にする均一な偏光を与える。実施の形態において、偏光子402および1/4波長板404はオプションである。説明する例において、放射ビーム450はコントラスト損失のない任意の状態の偏光を有する。偏光は、いくつかの限定されない例を挙げると、直線偏光(0度、45度または90度)、円偏光、楕円偏光、無偏光、部分偏光であってもよい。
【0060】
一例において、放射ビーム450は光学系406を通過する。光学系406は単一レンズまたは投影システムPSであることができるがこれに限られない。光学系406は放射ビーム450をマーク408を含む基板の一以上の部分に集光させるよう動作する。放射ビーム450は、当業者であれば理解されるように、軸上(例えばアライメントマーク表面の法線と完全に平行)または軸外照明であってもよい。
【0061】
一例において、放射ビーム450はマーク408から回折光452として回折する。
図2に関して上述したように、回折光452は任意の偏光または状態の高次/非ゼロ次の回折次数(例えば+1次および−1次の回折次数)といった多重の回折次数を含みうる。これは例えば楕円偏光、直線偏光、円偏光、部分偏光または無偏光の光を含みうる。ゼロ次は、任意の検出信号の変調深さとの干渉を防ぐために絞り412などにより遮断される。絞り412は高次/非ゼロ次の回折次数(例えば+1次および−1次の回折次数)で構成される回折光452のみを許容する。回折光452はその後、光学系410に入射しうる。
【0062】
ある実施の形態において、光学系406および光学系410は同一のレンズおよび/またはシステムであり、他の実施の形態において、光学系406および410はシステム全体またはシステムの組み合わせに含まれる別々の素子であってもよい。
【0063】
一例において、回折光452は例えば無偏光ビームスプリッタに構成される自己参照干渉計414に入射する。ある実施の形態において、自己参照干渉計414は50/50のビームスプリッタであってもよい。
図5Aおよび5Bに示されるように、自己参照干渉計414は入力414.1にて回折光452を受ける。
図5Cはまた、入力414.1にて自己参照干渉計414に入射する回折光452の一つのビームを描いている(なお、対応する図面の単純化および理解を助けるために、回折光の他のビームはここでは除外している)。回折光452は、例えば180度回転対称の構成における高次/非ゼロ次の回折次数(例えば+1次および−1次の回折次数)であってよい。自己参照干渉計414内において、回折光452は4つのチャネルAB、BA、AAおよびBBに分割されてよい。自己参照干渉計414での内部反射は、
図5Dおよび5Eで示される出力414.2および414.3の一つを出射する前に回折光452を異なる組み合わせで分割させてよい。なお、自己参照干渉計414のアセンブリは、一つのビームスプリッタ(例えば中性濃度(neutral density)または無偏光型)および二つの回転プリズムで構成される。また、
図2,3,4,5および6において、これら二つの回転プリズムを描くために二次元簡略化が用いられる。
【0064】
図5Aに示されるように、一つの実施形態において一以上の高次/非ゼロ次の回折次数(例えば+1次および−1次)を有する回折光452は、入力414.1を通じて入射すると、チャネルBAに沿った部分反射面の第1部分を通過し、自己参照干渉計414の内部にて一回以上反射し、チャネルBAに沿った部分反射面の第2部分に到達しうる。部分反射面の第2部分で反射する回折光452の一部は、チャネルBAに残り、
図5Dに示される出力412.2での出力光線456.2として出射する。部分反射面の第2部分を透過する回折光452の一部は、チャネルAAに留まり、
図5Eに示される出力414.3での出力光線454.1として出射する。
【0065】
部分反射面の第1部分で反射する回折光452の一部は、チャネルABに沿って伝搬し、自己参照干渉計414内の一以上の他の反射面に向かう。回折光452の一部が部分反射面の第2部分に到達するとき、一部はチャネルABに沿って透過し、出力414.2での出力光線456.1として出射する。部分反射面の第2部分で反射する回折光452の一部は、チャネルBBに入射し、出力414.3での出力光線456.1として出射する。全体として、
図5Dおよび5Eに示されるように、出力光線456.1および456.2の双方は出力414.2を通じて出力ビーム456として一緒に出射し、出力光線454.1および454.2の双方は出力414.3を通じて出力ビーム454として一緒に出射する。
【0066】
図5Cにおいて、これら図面の単純化のため、アライメントマークに起因する一つの回折次数のみが示される。一つの回折次数のみでは、干渉を、したがって(検出器での)アライメント信号の変調を生じさせるために不十分である。典型的に
図5Cにおいて、正の高次の各回折次数に付随する負の高次の回折次数が180度回転させた位置に存在する。この付随する負の高次の回折次数は、
図5Dにおいて追加のビームのペアを生じさせるであろう。これは、付随する正の高次の回折次数に起因するビームと少なくとも部分的に重なる。この少なくとも部分的に重なるビームは干渉を生じさせ、その結果アライメントマーク位置に依存する(またアライメントマーク形状に依存する)アライメント信号の変調を生じさせるであろう。
【0067】
ある実施の形態において、異なるチャネルAB、BA、AAおよびBBの光路長はおおよそ等しく、これらの間で経路長の差はない。経路長の差はアライメント信号のコントラストを低減させうるからである。
【0068】
部分反射面は、異なるチャネル間の光路差を生じさせうる加熱のおそれを避けるため、とりわけ無損失ミラーで構成されてもよい。
【0069】
出力ビーム456を生成するチャネルABおよびBAと、出力ビーム454を生成するチャネルAAおよびBBは、無損失および反射やコーティングなどでの理想的な位相の振る舞いを仮定すると、式(4)から(7)で示されるジョーンズ行列の項で特徴付けられるかもしれない。
【数4】
【数5】
【数6】
【数7】
【0070】
ここで、理想的な異なる角度値(パイの2倍を法とする)は例えば以下のように与えられる。
【数8】
【0071】
いったんビームが無偏光ビームスプリッタから出射されると、出力ビーム454はレンズ418により集光されてよい。ある実施の形態において、レンズ418は出力ビーム454をファイバ光ケーブル、例えば異なる回折次数からの光を集めるマルチモードファイバに集光させる。ファイバ光ケーブルは集められた光を検出器420に伝送してよい。検出器420は出力ビーム454に含まれるアライメント信号を検出する。当業者であれば理解されるように、他の種類の光学伝送および/または検出が利用可能であることが理解されよう。代わりに、出力ビーム454は検出器420に直接集光されてもよい。
【0072】
一つの例において、検出器420は多重検出器(それぞれが光の特定の波長または波長域に専用の別個の検出器など)を意味してもよい。このような実施の形態において、出力ビーム454中に存在する異なる波長が別個の専用の検出器に到達する直前に分割されてもよい。このようにして、おおよそ500nmから900nmの範囲といった異なる波長域が検出される。これは、例えば検出器420とともに動作する16波長分解検出器により実現されてよい。ある実施の形態において、検出器420はCCDやCMOSアレイなどの一以上の光検出器またはチャネル毎に別個のpin検出器を含んでもよい。一以上のマルチモードファイバは検出器420を好適な実装位置に移転させるために用いられてよい。当業者に理解されるであろうように、他の種類および数の検出器および/またはファイバが利用可能である。
【0073】
同様にして、検出器422が検出器420と同様に構成されてよい場合、出力ビーム456は、ファイバ光ケーブルまたは検出器422へ直接のいずれかにレンズ416により集光されてよい。
【0074】
出力ビーム454および456は、マーク408の位置に関する情報を有するアライメント信号を含む。ある実施の形態において、出力ビーム454および456の強度は、出力ビーム454および456が重なり合うまたは干渉する瞳面、像面または瞳面と像面の間の面における複数の異なる位置にて検出および決定される。このようにして、
図4のアライメントセンサは、
図2に示されるような従来のシステムと比較すると、マーク408に由来する偏光に関わりのないアライメント信号を生成する。さらに、様々な実施の形態に係る偏光非依存干渉計を用いることはマーカの回転およびサブセグメント化の柔軟性を増大させうる。一つの例において、この追加された柔軟性は、回折光に生じる偏光が最終結果を得るためにもはや重要ではないため生じる。また、例えば複製、コントラスト、回折効率、アライメントマークの非対称性感度などを最適化するより多様な照明偏光の使用も可能になる。
【0075】
図6は、第2実施形態に係る偏光非依存干渉計システム600を模式的に示す図である。一例において、システム600は、
図2の干渉計と同様の偏光の制限に影響されない。システム600は、アライメントおよび/またはオーバレイの決定とともに、アライメントマークの非対称性および/またはプロセスばらつきの情報を決定するために用いることができる。
【0076】
図6は、マークで回折された後に一以上のセンサに向かう光路を模式的に示す。マークへの入射後、放射ビームBは回折光650として回折または散乱される。上述したように、また当業者に理解されるように、放射ビームBはコントラスト損失のない任意の状態の偏光を有してもよい。
図2に関して上述したように、回折光650は、任意の偏光または状態の高次/非ゼロ次の回折次数(例えば+1次および−1次の回折次数)といった多重の回折次数を含んでもよい。これは、例えば楕円偏光、直線偏光、円偏光、部分偏光または無偏光の光を含んでもよい。ゼロ次は、任意の検出信号の変調深さとの干渉を防ぐために絞り(
図6に図示せず)などにより遮断される。絞りは高次/非ゼロ次の回折次数(例えば+1次および−1次の回折次数)で構成される回折光650のみを許容する。
【0077】
一例において、回折光650は第1偏光ビームスプリッタ602に入射してもよい。ある実施の形態において、第1偏光ビームスプリッタ602は回折光を第1および第2偏光ビーム650.1および650.2に分割してもよい。当業者であれば理解されるように、第1および第2偏光ビーム650.1および650.2のそれぞれは、多重ビーム、例えば少なくとも回折光650の高次/非ゼロ次の回折次数(例えば+1次および−1次の回折次数)に対応するビームを含んでもよい。高次/非ゼロ次の回折次数(例えば+1次および−1次の回折次数)は、例えば180度回転対称の構成であってもよい。選択的に、第1および第2偏光ビーム650.1および650.2の一方または双方は、半波長板604(これは、オプションの半波長板608と協調してビームをさらに偏光させることができる)を例えば45度および135度で通過してもよい。当業者に理解されるであろうように、他の偏光も可能である。
【0078】
一例において、第1および第2偏光ビーム650.1および650.2は、自己参照干渉計606の第1および第2入力にそれぞれ入射する。自己参照干渉計606は、当業者に理解されるように、二つよりも多いまたは少ない入力または出力を有してもよいし、用いてもよい。さらに自己参照干渉計606は、代わりに二つの自己参照干渉計に置き換えられてもよい。ここで各自己参照干渉計は、詳細は後述するが、
図7の自己参照干渉計706.1および706.2により示されるように、第1および第2偏光ビーム650.1および650.2の一方を受けてもよい。第1および第2偏光ビーム650.1および650.2は、自己参照干渉計606の第1および第2出射出口(図示せず)のそれぞれから出射ビーム652.1および654.1として出射する。
図6に示されるように、出射ビーム652.1および654.1のそれぞれは、正の回折次数のそれぞれが対応する負の回折次数と少なくとも部分的に重なるようにして自己参照干渉計606により変更されるため、回折光650の高次/非ゼロ次の回折次数(例えば+1次および−1次の回折次数)を含む。本開示の実施の形態によれば必要とされないが、上述のようにオプションで、出射ビーム652.1および654.1が別の半波長板608を通過してもよい。
【0079】
自己参照干渉計606の出力から出射すると、出射ビーム652.1は、(出射ビーム652.1の一部を分割して出射ビーム652.2を生成する)第2偏光ビームスプリッタ610に入射してもよい。一例において、分割出射ビーム652.2は出射ビーム652.1とは異なる光路を通って、例えば二つの反射面622および624により向きが変えられる。同様に、自己参照干渉計606の出力から出射すると、出射ビーム654.1は、(出射ビーム654.1の一部を分割して出射ビーム654.2を生成する)第3偏光ビームスプリッタ612に入射してもよい。一例において、分割出射ビーム654.2は出射ビーム654.1とは異なる光路を通って、例えば二つの反射面618および620により向きが変えられる。当業者に理解されるであろうように、分割出射ビーム652.2および654.2の向きを変えるために、システムの要求に応じて二つよりも多いまたは少ない反射面が用いられてよい。追加または代替的に、出射ビーム652.1および654.1は、自己参照干渉計606からの元の出射経路とは異なる光路に沿って向きが変えられてもよい。
【0080】
一例において、分割出射ビーム654.2および出射ビーム652.1の双方は、異なる光路に沿ってビームの一方または双方の向きが変えられた後、二つのビームを第1混合出射ビーム656に混合させうる第4偏光ビームスプリッタ614に入射する。
【0081】
ある実施の形態において、混合出射ビーム654.1および652.1の個々のビームの光路長差(例えば454.1と454.2または456.1と456.2)の大きさを最小化するため、自己参照干渉計606の機械的および光学的コーティングの公差が用いる波長と比べて小さい状態に保たれてもよい。光路長差が小さい状態に保たれていなければ、結果として生じるアライメント信号のコントラスト損失が生じうる。理解されるであろうように、第1混合出射ビーム656は依然として、基板上のマークから回折または散乱された高次/非ゼロ次の回折次数(例えば+1次および−1次の回折次数)またはより多いもしくはより少ない回折次数を含みうる。第1混合出射ビーム656は、レンズ626により、例えば異なる回折次数からの光を集め、集めた光を検出器630に伝送するファイバ光ケーブルに集光されてよい。代わりに、第1混合出射ビーム656は検出器630に直接集光されてよい。検出器630は、
図4に関して上述したように、一以上の専用の検出器を用いて一以上の波長を検出してもよい。
【0082】
一例において、分割出射ビーム652.2および出射ビーム654.1の双方は、ビームの一方または双方の向きが変えられた後、二つのビームを第2混合出射ビーム658に混合させる第5偏光ビームスプリッタ616に入射する。第2混合出射ビーム658は、基板上のマークから回折または散乱された高次/非ゼロ次の回折次数(例えば+1次および−1次の回折次数)またはより多いもしくはより少ない回折次数を含んでもよい。第2混合出射ビーム658は、レンズ628によりファイバ光ケーブルに集光され、検出器632に伝送されてもよい。
図4に関して上述したように、第2混合出射ビーム658の伝送および検出は異なる種類も可能である。ある実施の形態において、検出器630および632は、異なる混合出射ビームのそれぞれに専用の別々の検出器のアレイであってもよい。代わりに、検出器630および632は中央に配置される混合アレイであってもよく、混合アレイ上の異なる位置で異なる混合出射ビームを受けてもよい。いずれかの代替案において、検出器630および632が分かれており、第1および第2混合出射ビーム656および658のそれぞれに含まれる異なる波長を別々に検出してもよい。
【0083】
第1および第2混合出射ビーム656および658は、基板上のマークの位置に関する情報を有するアライメント信号を含んでもよい。ある実施の形態において、第1および第2混合出射ビーム656および658の強度は、第1および第2混合出射ビーム656および658の像が重なって干渉する瞳面の複数の異なる位置において検出および決定される。このようにして、
図2に示される従来のシステムでの状況であったような一つだけのモードの代わりに、システム600のアライメントセンサが全ての回折光を捉えてもよい。
【0084】
図7は、第3実施形態に係る偏光非依存干渉計システム700を模式的に示す図である。システム700は、
図2の干渉計と同様の偏光の制限が課されなくてもよい。システム700は、アライメントマークの非対称性および/またはプロセスばらつきの情報の決定とともに、アライメントおよび/またはオーバレイの決定に用いられてもよい。
図7のいくつかの特徴は、
図6と共通して用いられる。説明の簡単化のため、
図6に関して上述したものと異なる要素についてのみ詳述する。
【0085】
一例において、第1および第2偏光ビーム650.1および650.2は、第1自己参照干渉計706.1および第2自己参照干渉計706.2の対応する入力に入射する。自己参照干渉計706.1および706.2のそれぞれは、当業者に理解されるように、一つだけよりも多くの入力および/または出力を有してもよいし、用いてもよい。第2偏光ビーム650.2用の第2自己参照干渉計706.2に対して第1偏光ビーム650.1用の別の第1自己参照干渉計706.1を用いることにより、クロストークが防がれてもよい。クロストークは二つの入出力を含みおよび用いる自己参照干渉計の信号間にて生じうるが、それは典型的に十分に小さくそのため大した問題ではない。もしクロストークがより大きな要素であれば、結果として得られるアライメント信号のコントラスト損失につながるであろう。クロストークのリスクにもかかわらず、自己参照干渉計706.1および706.2は、
図6に関して上述したような単一の自己参照干渉計に代替的に置換されてもよい。
【0086】
図6に示すシステム600のアライメントセンサとは対照的に、
図7のシステム700のアライメントセンサは、第4および第5偏光ビームスプリッタ614および616を含まない。その代わりに、分割出射ビーム652.2は、分割出射ビーム652.2を集光して検出器718に向けて伝送させうるレンズ708に向けられる。同様に、分割出射ビーム654.2は、分割出射ビーム654.2を集光して検出器724に向けて伝送させうるレンズ716に向けられてもよい。なお、出射ビーム652.1および654.1は、分割出射ビーム652.2および654.2と混合される代わりに個別に検出されてもよい。例えば、レンズ710は出射ビーム652.1を集光して検出器720に向けて伝送させてもよく、レンズ712は出射ビーム654.1を集光して検出器722に向けて伝送させてもよい。上述のように、出射ビーム652.1,654.1および分割出射ビーム652.2,654.2は、当業者に理解されるであろうように、それぞれの検出器に伝送されるまでの間に
図7に図示するものとは異なる光路を通過してもよい。
【0087】
図7のこの構成の結果として、システム700のアライメントセンサは、第2および第3偏光ビームスプリッタ610および612の4つの出力を4つのそれぞれの検出器718、720、722および724に直接的または非直接的に結像させうる。上述のように、検出器718、720、722および724のそれぞれは、
図4および6に関して上述したような一以上の専用の検出器/検出器アレイを用いて一以上の波長を検出してもよい。
【0088】
レーザノイズの正規化、低減および抑制が検出器718、720、722および724にて検出される信号に適用されてもよい。正規化は、米国特許第8,446,564号(その全体が参照により本書に援用される)に記載されるように、レーザノイズ低減のための既知の技術である。ある実施の形態において、フーリエ変換といった周波数変換が正規化およびノイズ低減に適用されてもよい。レーザノイズの正規化は、検出器のペア718および720と722および724からの出力に実行されてもよい。例えば:
【数9】
【0089】
これらの式において、I
align,oneは測定アライメント信号I
718およびI
720に対するノイズ正規化アライメント信号を示す一方、I
align,twoは測定アライメント信号I
722およびI
724に対するノイズ正規化アライメント信号を示す。
【0090】
[動作方法の例]
図8は、ある実施の形態に係る方法800のフローチャートである。例えば、方法800は任意の偏光または状態を有する回折または散乱放射を検出するために用いられてよい。図示する動作の全てが必須ではなく、あるいは、図示する順序で実行されなくてもよいことが理解されよう。方法800は、便宜のために上述する一以上のシステムに関して記載されるが、これらのシステムを用いる動作に限定されるとみなされるべきではない。
【0091】
方法は、放射ビームBといった放射ビームが基板Wのターゲット(例えばマーク408)に照明されるときにステップ802にて開始する。ある実施の形態において、放射ビームBは任意の角度および/または状態の偏光を有してもよい。
【0092】
ステップ804にて、放射ビームBからの光が散乱または回折され、上述した偏光非依存干渉計システムの任意の一つなどのアライメントセンサシステムにより受光されてもよい。当業者に理解されるように、多重の回折次数、例えば高次/非ゼロ次の回折次数(例えば+1次および−1次の回折次数)がゼロ次を遮断した状態でシステムにより受光されてもよい。
【0093】
ステップ806にて、回折光が複数のビームに分割されてもよい。一つの実施形態において、回折光は、
図4に図示される自己参照干渉計414に用いられる無偏光ビームスプリッタなどの無偏光ビームスプリッタにより分割されてもよい。別の実施の形態において、回折光は、偏光ビームスプリッタにより分割され、
図6の自己参照干渉計606または
図7の自己参照干渉計706.1および706.2のような一以上の自己参照干渉計に向けられてもよい。一以上の自己参照干渉計を含む実施の形態において、例えば上述の
図6および
図7に示されるように、複数のビームのそれ自身がさらに分割され、および/または、再結合されてもよい。さらに、任意の実施の形態において、複数のビームのうちの各ビームが検出のために波長により追加的に分割されてもよい。
【0094】
ステップ808にて、ステップ806にて分割がなされた結果として生じる複数のビームを一以上の検出器が検出してもよい。検出器420は、一つの特定の波長、波長域または異なる光強度のスペクトル重み付けに特化した別々の検出器といった多重検出器であってもよい。検出した複数のビームを表す信号に対して信号処理が実行されてもよい。この信号処理は、照明強度ノイズといった測定ノイズを抑えるために実行されてもよい。信号処理は、当業者により理解されるであろうように、ステップ808の一部または追加のステップとして実行されてもよい。
【0095】
ステップ810にて、偏光非依存干渉計システムは、ステップ808にて一以上の検出器により検出されたアライメント信号に含まれる情報を用いて、基板のフィーチャのオーバレイおよび/またはアライメントを決定してもよい。偏光非依存干渉計システムは、追加的または代替的にアライメントマークの非対称性および/またはプロセスに関する情報を決定してもよい。ある実施の形態において、ビーム強度は、像が重なり合うまたは干渉する瞳面、像面または瞳面と像面の間の面の複数の異なる位置で検出されてもよい。このようにして、偏光非依存干渉計システムは、一つだけのモードの代わりに回折光の全てを捉えてもよい。ステップ810にて生成される情報は、基板にパターン化される異なるフィーチャのミスアライメントを生じさせるであろう任意のハードウェアおよび/またはソフトウェアを配置および補正するために有用かもしれない。方法800はその後終わる。
【0096】
図9は、本発明の別の実施の形態に係る方法900のフローチャートである。一例において、方法900は、任意の偏光または状態を有する回折または散乱放射を検出するために用いることができる。示される全ての動作が必須ではなく、また、示される順序で実行されなくてもよいことが理解されよう。方法900は、便宜のために上述の一以上のシステムに関して記載されるが、これらのシステムを用いる動作に限定されるとみなされるべきではない。
【0097】
ある実施の形態において、方法900は、
図6の偏光非依存干渉計システム600の動作の方法例であってもよい。方法800と同様、ステップ902にて最初に基板上のマークが放射ビームBで照明される。
【0098】
ステップ904にて、偏光非依存干渉計システムは、基板上のマークから回折または散乱される光を受けてもよい。
【0099】
ステップ906にて、回折光は、例えば
図6の第1偏光ビームスプリッタ602により複数のビームに分割され、
図6の自己参照干渉計606または
図7の自己参照干渉計706.1および706.2といった一以上の自己参照干渉計に向けられてもよい。第1回折ビームおよび第2回折ビームがステップ906での分割から生じてもよい。二つの入力および二つの出力を含む単一の自己参照干渉計の別個チャネル、または、分割回折ビームと同じ数(例えば二つ)の自己参照干渉計の一つのチャネルが各ビームを処理してもよい。
【0100】
ステップ908にて、自己参照干渉計を通過した後、第1回折ビームは、第2偏光ビームスプリッタにより第1および第2分割ビーム(
図6のビーム652.1および652.2といったサブビームとして本書での説明のために記述される)に再度分割されてもよい。ステップ910にて、第2回折ビームは、第3偏光ビームスプリッタにより第3および第4サブビーム(
図6のビーム654.1および654.2など)に分割されてもよい。ステップ908および910は、当業者に理解されるであろうように、同時に生じてもよいし、異なる時間に生じてもよい。
【0101】
ステップ912にて、第1および第4サブビームは、第1複合または混合ビームを形成するために第4偏光ビームスプリッタにより混合されてもよい。これは、基板上のマークから当初回折された光の少なくとも高次/非ゼロ次の回折次数(例えば+1次および−1次の回折次数)を依然として含んでよい。ステップ914にて、第2および第3サブビームは、第2複合または混合ビームを形成するために第5偏光ビームスプリッタにより混合されてもよい。これもまた、回折光の高次/非ゼロ次の回折次数(例えば+1次および−1次の回折次数)を少なくとも含んでもよい。ステップ912および914は、当業者に理解されるであろうように、同時に生じてもよいし、異なる時間に生じてもよい。
【0102】
ステップ916にて、第1複合ビームおよび第2複合ビームは、一以上の検出器により上述のように像が重なって干渉する複数の異なる位置にて検出されてもよい。各複合ビームは、入射する放射ビームBを回折または散乱したマークに関するアライメント情報を含んでよい。このようにして、干渉計の出力は、検出器サブシステムの一以上の検出器により検出される前に強度空間にて混合されてよい。検出された複合ビームを表す信号に対して信号処理が実行されてもよい。この信号処理は、照明強度ノイズといった測定ノイズを抑えるために実行されてもよい。信号処理は、当業者に理解されるであろうように、ステップ916の一部として実行されてもよいし、追加のステップとして実行されてもよい。
【0103】
ステップ918にて、検出ビームの強度は回折を生じさせたマークのオーバレイおよび/またはアライメントを決定するために用いられてもよい。偏光非依存干渉計システムは、その結果、一つだけのモードの代わりに回折光の全てを捉えてもよい。方法900は、その後終わる。
【0104】
図10は、本発明の別の代替的な実施の形態に係る方法1000のフローチャートである。方法1000は、任意の偏光または状態を有する回折または散乱放射の検出に用いることができる。示される全ての動作が必須ではなく、示される順序で実行されてなくてもよいことが理解されよう。方法1000は、簡便のために上述の一以上のシステムに関して記載されるが、これらのシステムを用いる動作に限定されるとみなされるべきではない。
【0105】
ある実施の形態において、方法1000は、
図7の偏光非依存干渉計システム700の動作の方法例であってよい。方法800および/または900と同様、ステップ1002にて最初に基板上のマークが放射ビームBで照明される。
【0106】
ステップ1004にて、偏光非依存干渉計システムは、基板上のマークから回折または散乱される光を受けてもよい。
【0107】
ステップ1006にて、回折光は、例えば
図6の第1偏光ビームスプリッタ602により複数のビームに分割され、
図6の自己参照干渉計606または
図7の自己参照干渉計706.1および706.2といった一以上の自己参照干渉計に向けられてもよい。第1回折ビームおよび第2回折ビームはステップ1006での分割から生じてもよい。二つの入力および二つの出力を含む単一の自己参照干渉計の別個チャネル、または、分割回折ビームと同じ数(例えば二つ)の自己参照干渉計の一つのチャネルが各ビームを処理してもよい。
【0108】
ステップ1008にて、自己参照干渉計を通過した後、第1回折ビームは、第2偏光ビームスプリッタにより第1および第2分割ビーム(
図6のビーム652.1および652.2といったサブビームとして本書での説明のために記述される)に再度分割されてもよい。
【0109】
ステップ1010にて、第2回折ビームは、第3偏光ビームスプリッタにより第3および第4サブビーム(
図6のビーム654.1および654.2など)に分割されてもよい。
【0110】
ステップ1008および1010は、当業者に理解されるであろうように、同時に生じてもよいし、異なる時間に生じてもよい。
【0111】
方法900のようにサブビームを光学的に混合する代わりに、方法1000は異なるサブビームを別個に検出し、画像の処理中または処理後のいずれかにそれぞれから得られる情報を混合してもよい。信号処理は、検出されたサブビームを示す信号に対して実行されてもよい。この信号は、照明強度ノイズといった測定ノイズを抑えるために実行されてよい。信号処理は、当業者に理解されるように、ステップ1012または1020の一部として実行されてもよいし、追加のステップとして実行されてもよい。第1実施形態において、方法1000は、ステップ1012にて複数のサブビームを一以上の検出器および/または検出器システムを用いて複数の異なる位置(上述のようにマークから回折された像が重なって干渉する場所)にて検出してもよい。
【0112】
検出後、ステップ1014にて、処理前または処理後の代わりに処理中に第1および第4サブビームからの情報が混合されてもよい。
【0113】
同様に、ステップ1016にて、処理中に第2および第3サブビームからの情報が混合されてもよい。
【0114】
ステップ1014および1016は、当業者に理解されるであろうように、同時に生じてもよいし、異なる時間に生じてもよい。このようにして、干渉計の出力が例えば強度空間または位置空間にて検出後に混合される。
【0115】
代替的に、方法1000は代わりに、ステップ1020にて複数のサブビームを一以上の検出器および/または検出器システムを用いて複数の異なる位置(上述のようにマークから回折された像が重なって干渉する場所)にて検出し、検出したビームに含まれる情報の処理とともに進行してよい。
【0116】
この代替的な実施の形態にて処理の完了後、ステップ1022にて、方法1000はその後、検出した第1および第4サブビームから得られた情報を混合する。
【0117】
同様に、方法1000はその後、ステップ1024にて、検出した第2および第3サブビームから得られた情報を混合する。
【0118】
ステップ1022および1024は、当業者に理解されるであろうように、同時に生じてもよいし、異なる時間に生じてもよい。このようにして、干渉計の出力が検出および処理の後に位置空間にて混合されてもよい。
【0119】
いずれかの実施の形態における処理後、方法1000はステップ1018に進み、回折を生じさせたマークのオーバレイおよび/またはアライメントを決定するために検出および処理されたサブビームの強度が用いられてもよい。このようにして、偏光非依存干渉計システムは、一つだけのモードの代わりに、回折光の全てを捉えてもよい。方法1000はその後終わる。
【0120】
上記は例示を意図したものであり、限定を意図していない。したがって、当業者であれば、説明された本発明に対して以下に記載される請求項の権利範囲から逸脱することなく改変がなされてもよいことが理解されるであろう。
【0121】
「発明の概要」および「要約」の欄ではなく、「発明を実施するための形態」の欄が請求項の解釈に用いられることが意図されると理解されるべきである。「発明の概要」および「要約」の欄は、本発明者によって予期される一以上の、しかしながら全てではない本発明の例示的な実施の形態を説明しうるものであり、したがって、本発明および添付の請求項を限定することを決して意図しない。
【0122】
本発明は、特定の機能および関係性の実装を説明する機能構成ブロックの助けを用いて上述された。これら機能構成ブロックの境界は、説明を分かりやすくするために本書において恣意的に定義されている。特定の機能および関係性が適切に実行される限りにおいて、代わりの境界を定義することができる。
【0123】
特定の実施の形態に係る上述の記載は、公知技術の範囲内での知識を適用することにより、過度の実験をすることなく、本発明の一般概念から逸脱することなく、特定の実施の形態を様々な用途に合わせて他者が簡単に改良および/または変化させることのできる本発明の概略的な特質を十分に明らかにするであろう。したがって、本書に示される教示および助言に基づくこのような改良および変更は、本開示の実施の形態の意義およびこれらと同等のものの範囲内にあることが意図される。本書における表現および学術用語は、説明を目的とし、限定を目的とするものではなく、本明細書の表現または学術用語は、教示および助言の観点から当業者によって解釈されるべきであることが理解されよう。
【0124】
本発明の幅ないし範囲は、いかなる上述の例示的な実施の形態によっても限定されるべきでなく、以下の請求項およびそれと同等のものに従ってのみ定義されるべきである。