(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記冷却部材が取り付けられる前記コイルの表面は、前記少なくとも一つのスロットのペアと接触しない表面であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のコイルアセンブリ。
前記冷却部材の外表面は、前記少なくとも一つのスロットのペアにより囲われるティースの端面と同一平面上または一直線上となることを特徴とする請求項5に記載のコイルアセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明のある実施の形態に係るリソグラフィ装置を概略的に示す。この装置は、放射ビームB(例えばUV放射または任意の他の適切な放射)を調整するよう構成される照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するよう構築され、あるパラメータにしたがってパターニングデバイスを正確に位置決めするよう構成される第1位置決めデバイスPMに接続されるサポート構造またはパターニングデバイスサポート(例えばマスクテーブル)MTとを備える。また、この装置は、基板(例えばレジストコートされたウェハ)Wを保持するよう構築され、あるパラメータにしたがって基板を正確に位置決めするよう構成される第2位置決めデバイスPWに接続される基板テーブル(例えばウェハテーブル)WTまたは「基板サポート」を含む。この装置は、さらに、パターニングデバイスMAにより放射ビームBに付与されるパターンを基板Wの(例えば一以上のダイを含む)目標部分Cに投影するよう構成される投影システム(例えば屈折型投影レンズシステム)PSを含む。
【0020】
照明システムは、放射を方向付け、成形し、または制御するための屈折型、反射型、磁気型、電磁気型、静電型あるいは他の種類の光学素子といった各種光学素子またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0021】
サポート構造はパターニングデバイスを支持する。つまりその重さに耐える。サポート構造は、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されるか否かといった他の条件に応じた方法でパターニングデバイスを支持する。サポート構造は、パターニングデバイスの保持に機械式、真空式、静電式または他の固定技術を用いることができる。サポート構造は、フレームまたはテーブルであってよく、例えば必要に応じて固定式または可動式であってよい。サポート構造は、パターニングデバイスが例えば投影システムに対する所望位置にあることを確実にしてよい。本書での「レチクル」または「マスク」の用語のいかなる使用も、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義であるとみなされてよい。
【0022】
本書での「パターニングデバイス」の用語は、基板の目標部分にパターンが生成されるように放射ビームの断面にパターンを付与するために用いることのできる任意のデバイスを称するものとして広く解釈されるべきである。放射ビームに付与されるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャまたはいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板の目標部分における所望のパターンに厳密に一致しないかもしれないことに留意される。たいていの場合、放射ビームに付与されるパターンは、目標部分に生成される集積回路などのデバイスの特定の機能層に対応するであろう。
【0023】
パターニングデバイスは透過型または反射型であってよい。パターニングデバイスの例は、マスク、プログラマブルミラーアレイおよびプログラマブルLCDパネルを含む。マスクはリソグラフィにおいて周知であり、バイナリマスク、レベンソン型位相シフトマスク、減衰型位相シフトマスク、さらには様々なハイブリッド型のマスクタイプなどを含む。プログラマブルミラーアレイの例は、小型ミラーのマトリックス配列を利用する。小型ミラーのそれぞれは、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個別に傾けられることができる。傾けられたミラーは、ミラーマトリックスにより反射される放射ビームにパターンを付与する。
【0024】
本書で用いる「投影システム」の用語は、用いられる露光放射または液浸液の使用もしくは真空環境の使用といった他の要素に適合するように、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁気型および静電型の光学システムを含む任意の種類の投影システムを含むものと広く解釈されるべきである。本書での「投影レンズ」の用語のいかなる使用は、より一般的な「投影システム」と同義であるとみなされてもよい。
【0025】
図示されるように装置は透過型である(例えば、透過型マスクを用いる)。代替的に、装置が反射型であってもよい(例えば、上述したような種類のプログラマブルミラーアレイを用いてもよいし、反射型マスクを用いてもよい)。
【0026】
リソグラフィ装置は、二つ(デュアルステージ)またはそれ以上の基板テーブルまたは「基板サポート」(および/または二以上のマスクテーブルまたは「マスクサポート」)を有する種類の装置であってもよい。このような「マルチステージ」の機械において、追加のテーブルまたはサポートが並行して使用されてもよいし、一以上のテーブルまたはサポートが露光のために使用されている間に、一以上の他のテーブルまたはサポートにおいて準備工程が実行されてもよい。
【0027】
リソグラフィ装置は、基板の少なくとも一部が比較的高い屈折率を有する液体(例えば水)によりカバーされて投影システムと基板の間の隙間が満たされる種類の装置であってもよい。液浸液は、リソグラフィ装置の他の隙間、例えば、パターニングデバイス(例えばマスク)と投影システムの間に用いられてもよい。液浸技術は、投影システムの開口数を増大させるために用いることができる。本書で用いる「液浸」の用語は、基板などの構造が液体中に水没しなければならないことを意味するのではなく、むしろ露光中に投影システムと基板の間に液体が配置されることを意味するのみである。
【0028】
図1を参照すると、イルミネータILは、放射源SOからの放射ビームを受ける。ソースおよびリソグラフィ装置は、例えばソースがエキシマレーザである場合、別体であってよい。このような場合、ソースはリソグラフィ装置の部分を形成するものとみなされず、放射ビームは、ソースSOからイルミネータILに向けて、例えば適切な方向付けミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBDの助けを借りて通過する。別の場合、例えばソースが水銀ランプの場合、ソースはリソグラフィ装置の一体的な部分であってもよい。ソースSOおよびイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDともに放射システムと称されてもよい。
【0029】
イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するためのアジャスタADを含んでよい。たいていの場合、イルミネータの瞳面における強度分布の外側半径範囲および/または内側半径範囲(一般にそれぞれσアウタおよびσインナと称される)を少なくとも調整できる。さらに、イルミネータは、インテグレータINおよびコンデンサCOなどの様々な他の要素を含んでよい。イルミネータは、その断面に所望の均一性および強度分布を有するように放射ビームを調整するために用いられてよい。
【0030】
放射ビームBは、サポート構造(例えばマスクテーブル)MTに保持されるパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによりパターン化される。パターニングデバイス(例えばマスク)MAを通過すると、放射ビームBは、基板Wの目標部分Cにビームを合焦させる投影システムPSを通過する。第2位置決め装置PWおよび位置センサIF(例えば干渉計装置、リニアエンコーダまたは容量性センサ)の助けにより、例えば異なる目標部分Cが放射ビームBの経路上に位置するように基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1位置決め装置PMおよび別の位置センサ(これは
図1に明示していない)は、例えばマスクライブラリからの機械検索後またはスキャン中に、放射ビームBの経路に対するパターニングデバイス(例えばマスク)MAの正確な位置決めのために用いることができる。一般に、マスクテーブルMTの動きは、第1位置決め装置PMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現されてもよい。同様に、基板テーブルWTまたは「基板サポート」の動きは、第2位置決め装置PWの部分を形成するロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを用いて実現されてよい。本発明によれば、第1および/または第2位置決め装置は、それぞれ基板またはパターニングデバイスを変位させるために、本発明のある実施の形態に係る一以上のアクチュエータまたはモータを備えることができる。本発明に係るアクチュエータまたはモータを適用することにより、改善された性能の装置が得られる。具体的には、本発明に係るアクチュエータまたはモータは、基板テーブルWTおよびサポート構造(例えばマスクテーブル)MTの改善された加速(および減速)を可能にし、したがって、より高いスループットのリソグラフィ装置を可能にする。本発明のある実施の形態に係るアクチュエータまたはモータがリソグラフィ装置内の他の部品または要素(例えば、光学素子、マスキングブレードなど)の位置決めに適用されてもよいことにさらに留意されよう。(スキャナと対照的に)ステッパの場合、サポート構造(例えばマスクテーブル)MTがショートストロークアクチュエータのみに接続されてもよいし、もしくは固定されてもよい。パターニングデバイス(例えばマスク)MAおよび基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1,M2および基板アライメントマークP1,P2を用いて位置合わせされてもよい。基板アライメントマークは図示されるように専用の目標部分を占めているが、これらは目標部分の間のスペースに位置してもよい(これはスクライブラインアライメントマークとして知られる)。同様に、一以上のダイがパターニングデバイス(例えばマスク)MA上に設けられる場合、パターニングデバイスアライメントマークがダイの間に位置してもよい。
【0031】
図示される装置は、以下のモードの少なくとも一つで使用されることができる。
1.ステップモードでは、放射ビームBに付与されたパターン全体が1回の照射で一つの目標部分Cに投影される間、サポート構造(例えばマスクテーブル)MTまたは「マスクサポート」および基板テーブルWTまたは「基板サポート」は実質的に静止状態とされる(すなわち単一静的露光)。そして基板テーブルWTまたは「基板サポート」はX方向および/またはY方向に移動され、その結果、異なる目標部分Cを露光できる。ステップモードにおいて、露光フィールドの最大サイズは、単一静的露光にて結像される目標部分Cのサイズを制限する。
2.スキャンモードでは、放射ビームに付与されたパターンが目標部分Cに投影される間、サポート構造(例えばマスクテーブル)MTまたは「マスクサポート」および基板テーブルWTまたは「基板サポート」が同期してスキャンされる(すなわち単一動的露光)。サポート構造(例えばマスクテーブル)MTまたは「マスクサポート」に対する基板テーブルWTまたは「基板サポート」の速度および方向は、投影システムPSの拡大(縮小)率および像反転特性により定められてもよい。スキャンモードにおいて、スキャン動作の長さが目標部分の高さ(スキャン方向)を決定する一方で、露光フィールドの最大サイズは、単一動的露光における目標部分の幅(非スキャン方向)を制限する。
3.別のモードでは、放射ビームに付与されたパターンが目標部分Cに投影される間、サポート構造(例えばマスクテーブル)MTまたは「マスクサポート」がプログラマブルパターニングデバイスを保持して実質的に静止状態とされ、基板テーブルWTまたは「基板サポート」が移動またはスキャンされる。このモードにおいて、一般的にパルス放射源が用いられ、プログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTまたは「基板サポート」が移動するたびに、または、スキャン中の連続する放射パルス間に必要に応じて更新される。この動作モードは、上述したような種類のプログラマブルミラーアレイといったプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに直ちに適用できる。
【0032】
上述したモードの使用の組み合わせおよび/または変形例が用いられてもよいし、完全に異なるモードの使用が用いられてもよい。
【0033】
図2は、従来技術の電磁アクチュエータのコイル配置を概略的に示す断面図である。コイル配置100は、一以上のコイル130を受けるよう構成される多数のスロットが設けられた磁気ヨーク110を備える。図示される配置において、二つのコイル130が設けられ、(コイル辺130.1および130.2を有する)コイル1は、ティース120.1に巻き付けられ、(コイル辺130.3および130.4を有する)コイル2は、ティース120.2に巻き付けられる。典型的に、コイルは、複数巻の線状または帯状の導電体を備え、例えばCuまたはAlでできている。
【0034】
本発明のある実施の形態によれば、「磁気ヨーク」の用語は、鉄、または、CoFeやSiFeなどの希土類合金といった強磁性材料などの高比透磁率(例えば、>100)を有する材料でできた構造を意味する。典型的に、磁気ヨークは、いわゆる鉄心損失を低減するために複数の強磁性板を組み合わせてできた積層コアである。
【0035】
図示されるコイル配置は、磁性ヨークの外表面に取り付けられ、例えば冷却流体が流れることのできる冷却路150が設けられた冷却部材140をさらに備える。
【0036】
従来の配置において、コイル130の冷却が最適からほど遠いことが分かっており、モータの性能不足(コイルを流れる電流が比較的低く維持される場合)またはコイルの比較的高い動作温度のいずれかにつながり、その結果、コイルの絶縁が劣化するリスクが生じる。
【0037】
本発明のある実施の形態によれば、電磁モータのコイルアセンブリを冷却する別の方法が提案される。
図3は、本発明に係る第1の実施の形態のコイル配置を概略的に示す断面図である。図示されるコイル配置200は、コイルを受けるための少なくとも一つのスロットのペアを有する磁気ヨーク210を備える。
【0038】
図示される実施の形態において、磁気ヨーク210は、破線220で示される二つのスロットを有する。コイル230は、上述のスロット220のペアに取り付けられる。
図2の配置を比較すると、コイル230はスロットの全体を占めておらず、冷却部材240を収容するためにスロットの断面より小さい断面のコイルが選択される。本発明のある実施の形態によれば、冷却部材240は上述のコイル230の表面に取り付けられる。図示される実施の形態において、冷却部材240は、スロット220に接触していない、または、スロット220の表面に対向していないコイル230の外表面に取り付けられる。ある実施の形態において、コイル230および冷却部材240の断面の大きさは、スロット220の断面の内側に双方がフィットできるように選択される。ある実施の形態において、冷却部材240は、スロット220に囲われるティース250の端面250.1と同一平面上または一直線上となる面240.1を有する。
【0039】
図示される配置において、スロット220のペアに取り付けられるコイル辺の双方に冷却部材240が設けられる。
【0040】
本発明の意味する範囲内において、コイル230の表面260、つまり、スロット220の側面と対向する表面は、コイルの側面と称され、スロットの底面と対向するコイルの表面262は、コイルの底面と称され、スロットの頂部近傍のコイルの表面264は、コイルの上面と称される。
【0041】
本発明のある実施の形態に用いられる冷却部材、つまり、磁気ヨークに少なくとも部分的に取り付けられるコイルの表面に取り付けられる冷却部材は、より効果的かつ直接的なコイルの冷却を提供する。
図2に示される従来の配置と比較すると、
図3に示されるコイルアセンブリのコイルは、コイル230の表面に取り付けられる冷却部材240により直接的に冷却される。一方、
図2の配置では、コイルで生じる熱は、磁気ヨーク110を介して冷却部材140に伝達される必要がある。その結果、増大された電流密度が加わる場合であっても、コイル230の温度をより低く保つことができる。この点において、コイルが磁気ヨークのスロットに埋め込まれる場合にコイルアセンブリのコイル表面に直接冷却部材240を適用することが直感に反すると考えることができる点に留意すべきである。一般に、トレードオフは、利用可能な断面をコイルの断面と磁気ヨークまたはコアの断面とに分割するためになされる。さらに、冷却部材が利用可能な断面に収容される必要がある場合、コイルに利用可能な断面の減少(所定の基準電流に対し、電流密度を増大させ、抵抗損失を増大させる)もしくは磁気ヨークに利用可能な断面の減少(飽和レベルを増大させ、同じ磁束密度および力を得るために増大された電流を必要とする)のいずれか、または、その双方が生じるであろう。しかしながら、驚くべきことに、これらの欠点は、冷却の有効性の向上により補償されるものより大きいことが分かっている。本発明のある実施の形態により得られる改善された冷却は、モータまたはアクチュエータの全体の体積を実質的に同じに保ちながら、より小さなコイル断面および/またはより大きなティース領域の選択を可能にする。したがって、より多くの磁束が同じモータ体積内で生成される結果、モータまたはアクチュエータの性能が改善されるかもしれない。代わりに、改善された冷却が利用可能であれば、より小さな体積で同じモータまたはアクチュエータの性能が実現できるであろう。本発明のある実施の形態により提案されるより直接的な冷却を用いることで、コイルアセンブリのコイルをより効果的に冷却することが可能となり、コイルアセンブリが用いられるアクチュエータまたはモータの性能を改善することができる。
【0042】
本発明のある実施の形態によれば、図示される冷却部材240の適用について様々なオプションが存在する。
【0043】
図3に示される実施の形態において、冷却部材240はティース250の頂部付近に取り付けられる。ある実施の形態において、コイルアセンブリ200は、一以上の永久磁石を備える磁石アセンブリと組み合わせて用いられてもよい。このような構成において、磁石アセンブリ(
図3に不図示)の永久磁石は、コイルアセンブリのコイル230と対向する。冷却部材240を図示される位置に配置することで、冷却部材240は、コイル230と永久磁石の間に配置される。このような構成において、冷却部材240は、比較的熱いコイル230から永久磁石を遮蔽する。そうすることで、コイル230から磁石アセンブリの永久磁石への熱伝達を回避または軽減できる。その結果、冷却部材240は、コイル230の効果的な冷却を提供するだけでなく、永久磁石をより低減された温度に維持することも可能にする。当業者に知られるように、永久磁石をより低減された温度に維持することで、高められた磁束を生じさせ、かつ、永久磁石の(永久的な)消磁を防ぎうる。しかしながら、冷却部材240が図示される位置に用いられる場合、つまり、冷却部材240が永久磁石に対向しうる場合、冷却部材240が過度な追加の減衰または大きすぎる追加の損失、特に冷却部材240内に誘起される渦電流損失を生じさせないよう配慮がなされるべきである。このような減衰または損失は、冷却部材の材料を適切に選択すること、例えば、低い電気伝導率を有する材料を選択すること、または、冷却部材240にスリットを導入することにより回避または軽減されてもよく、これにより生成される渦電流および渦電流損失が低減されてもよい。
【0044】
図4は、本発明に係る第2の実施の形態のコイル配置を概略的に示す断面図である。図示されるコイル配置300は、コイル330を受けるための少なくとも一つのスロット320のペアを有する磁気ヨーク310を備える。
【0045】
図示される実施の形態において、磁気ヨーク310は、破線320で示される二つのスロットを有する。コイル330は、上述のスロット320のペアに取り付けられる。
図2の配置と比較すると、コイル330はスロットの全体を占めておらず、冷却部材340を収容するためにスロットの断面より小さい断面のコイルが選択される。図示される実施の形態において、冷却部材340は、スロット320の底部に対向するコイル面330.1に取り付けられる。コイル330または磁気ヨーク310のいずれかに利用可能な断面の低減されたスペースに関して、
図3との関係で議論したものと同様の考察が適用される。同様にして、
図4に示される冷却部材340の配置は、スロット320に埋め込まれるコイル330のより効果的な冷却を可能にする。
図3の実施の形態と比較すると、
図4の配置は、磁気ヨーク310の効果的な冷却をも提供することに注目すべきである。このようにして、磁気ヨーク310の外表面310.1はより低い温度に保たれてもよく、コイルアセンブリ近傍の部品、例えば上述の基板テーブル、マスクテーブルまたはサポート構造の加熱を回避または軽減させてもよい。
図3の実施の形態と比べると、
図4の実施の形態では、増大される減衰または増大される(渦電流)損失が極めて小さいことに注目できる。
【0046】
本発明のある実施の形態において、
図3に示す冷却部材240と
図4に示す冷却部材340の双方が設けられるコイルアセンブリが提供される。
【0047】
図3および
図4に示す冷却部材の位置は、いわゆるバンドコイルを用いる場合、つまり、コイルが電流を流すための帯形状の導電体を備える場合に特に好ましい。
図5は、高さhを有する帯形状の導電体の複数の巻線510からなるようなコイル500の断面を概略的に示す。隣接する巻線または巻きの間には、電気絶縁体(不図示)が設けられる。その結果、このようなバンドコイルは、(ほとんどの場合に電気絶縁体が乏しい熱伝導率を有するために)相対的にX方向に低い熱伝導率を有し、Z方向に高い熱伝導率を有する。このため、Z方向に直交するコイル面に一以上の冷却部材540を取り付けることが好ましい。
【0048】
ある実施の形態において、本発明に係るコイルアセンブリは、スロットごとに多数のコイル辺を備える。つまり、スロットが異なるコイルのコイル辺を収容する。
図6は、このような構成を概略的に示す。
図6は、本発明に係る第3の実施の形態のコイル配置の断面を概略的に示す。図示されるコイル配置600は、破線620で示されるスロットのペアを有する磁気ヨーク610を備える。上述のスロット620のペアにおいて、コイル632および634が取り付けられ、左側のスロットをコイル632のコイル辺632.1およびコイル634のコイル辺634.1が占め、右側のスロットをコイル632のコイル辺632.2およびコイル634のコイル辺634.2が占める。コイル辺はスロットを完全に満たしておらず、むしろ、スロットのペアを占めるコイルを複数のコイルに細かく分割することにより、コイル632および634の間、具体的には、コイル辺632.1および634.1の間とコイル辺632.2および634.2の間に冷却部材640が取り付けられ、同様の改善された冷却効果を実現できる。
【0049】
三以上のコイル辺が一つのスロットを占める場合に同じ原理を適用できることに留意されよう。このようにして、
図6に示される冷却部材は、例えば、いわゆる多層巻線に適用されてもよく、例えば、多相誘導モータや多相永久磁石モータに適用されてもよい。
【0050】
一般に、本発明に係るコイルアセンブリは、上述の位置決め装置PMまたはPWのショートストロークモジュールに用いられるアクチュエータといった電磁アクチュエータ、および、位置決め装置PMまたはPWのロングストロークモジュールに用いることのできるリニアモータまたは平面モータといった電磁モータに用いることができる。
【0051】
一般に、電磁アクチュエータまたはモータは、第1部材としてのコイルアセンブリを備え、第2部材と協働することにより第1部材と第2部材の間に力を発生させる。
【0052】
いわゆるリラクタンス型のモータまたはアクチュエータにおいて、第2部材は、例えば比透磁率μ
r>100を有する強磁性材料からできた磁気ヨークなどの磁性部材を備える。このようなリラクタンス型のアクチュエータまたはモータにおいて、コイルアセンブリのコイルに電流が与えられるときに第1部材と第2部材の間に引力が生じる。
【0053】
いわゆる永久磁石モータまたはアクチュエータにおいて、第2部材は、磁気ヨークなどの磁性材料に選択的に取り付けられてもよい一以上の永久磁石を備える。
【0054】
以下の
図7−8は、本発明に係るコイルアセンブリを備えることが有益でありうる電磁モータ/アクチュエータのいくつかの例を概略的に示す。
【0055】
図7は、リラクタンス型の電磁アクチュエータ700を概略的に示す断面図である。アクチュエータ700は、コイル730および冷却部材740により満たされるスロットのペアを備える磁気ヨーク710を含む第1部材を備える。スロットは、ティース750により分かれている。アクチュエータ700は、第2部材760をさらに備え、第2部材760は、強磁性ヨークといった磁気ヨークを備え、第1部材と協働するよう構成される。第1部材のコイルアセンブリのコイル730に電流が供給されると、第1部材と第2部材の間に引力が生じる。
【0056】
このようなアクチュエータは、例えば、基板テーブルまたはパターニングデバイスサポートなどの対象物テーブルの正確なショートストロークの位置決めに適用されてもよい。このような配置において、多自由度、例えば6DOF(degrees of freedom;自由度)で対象物テーブルを位置決めするために複数のこのようなアクチュエータが適用されてもよい。このような構成において、アクチュエータの第2部材(例えば
図7の第2部材760)が位置決めされるべき対象物を支持するサポートに取り付けられてもよい。このような構成において、多数のアクチュエータを用いることにより、第2部材が二以上のアクチュエータに対して共通であってもよい。異なる言い方をすれば、多自由度で対象物を位置決めすることを目的として、本発明のある実施の形態に係る複数のコイルアセンブリにより磁気ヨークなどの第2部材が囲われてもよく、これにより、第2部材に異なる自由度の力が生じることを可能にしてもよい。
【0057】
図8は、リニアモータとも称される電磁モータ800を概略的に示す。このモータは、本発明に係るコイルアセンブリを備える第1部材800.1と、磁気ヨーク885に取り付けられる極性が交互の永久磁石880のアレイを備える第2部材800.2とを備える。図示される実施の形態において、コイルアセンブリは、三つのコイル830により占められる四つのスロット820が設けられる磁気ヨーク810を備える。外側スロットは、三つのコイルのうち外側のコイルのコイル辺により占められる一方、二つの最内側スロットは、二つのコイル辺が設けられることに留意される。本発明のある実施の形態によれば、コイルアセンブリは、コイルの表面に取り付けられる冷却部材840をさらに備える。図示される構成において、冷却部材840は、スロット820の底部に対向するコイルの表面に取り付けられる。スロットはさらにティース850により分かれている。コイル830の冷却をさらに改善させるため、追加の冷却部材(不図示)を永久磁石アレイ880に対向するコイル890の表面に適用することもできる。選択的に、コイルアセンブリの磁気ヨーク810は、冷却部材900を備えてもよい。図示される実施の形態において、冷却部材900は、冷却ガスなどの冷却流体または水などの冷却液を受けるよう構成されることができる複数の矩形状の冷却路を備える。図示される実施の形態において、熱絶縁層910がスロットの側面920に対向するコイルの表面上に設けられる。このような選択的な熱絶縁層は、コイルからティース850への熱の伝達を妨げて、その熱を強制的に冷却部材840に伝達させるのに有益であってもよい。そうすることにより、ティース850の過度な加熱を防ぐこと、または、軽減させることができる。
【0058】
熱絶縁層910を用いる代わりに、冷却部材840と同様の冷却部材がスロットの側面920に対向するコイル面に用いられてもよい。
【0059】
熱絶縁層910を用いること、磁気ヨーク810に追加の冷却部材900を用いること、または、スロットの側面に対向するコイル面に冷却部材を用いることは、本発明に係る上述した全ての実施の形態のコイルアセンブリに適用されてもよい。
【0060】
図8に概略的に示されるような電磁モータは、ロングストロークモジュールの一部としてリソグラフィ装置に適用され、相対的に長い距離(例えば>500mm)においてパターニングデバイスまたは基板などの対象物を位置決めおよび変位させてもよい。例えば三相交流電源を用いて、コイル830に適切に電圧を加えることにより、第2部材800.2に対する第1部材800.1のX方向の変位を実現できる。
【0061】
本発明に係るコイルアセンブリに用いられる冷却部材、つまり、上述の冷却部材240,340,540,640,740または840は、様々な態様で実装されることができる。
【0062】
ある例として、冷却部材は、ステンレスまたはセラミック筐体などの筐体内に設けられる一以上の冷却路を備えることができる。上述のように、冷却部材が永久磁石と対向し、永久磁石に対して変位するよう構成される場合、過度な減衰または損失を避けるよう配慮がなされるべきである。一以上の冷却路は、例えば、ガスまたは液体といった冷却流体を受けるよう構成されてもよい。
【0063】
変形例として、冷却部材は、コイルで生成される熱を除去するためのヒートパイプなどもまた備えることができる。
【0064】
本書ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用を例として説明しているが、本書に説明したリソグラフィ装置は他の用途にも適用することが可能であるものと理解されたい。他の用途としては、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用案内パターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどがある。当業者であればこれらの他の適用に際して、本書における「ウェハ」あるいは「ダイ」という用語がそれぞれ「基板」あるいは「目標部分」という、より一般的な用語と同義であるとみなされると理解することができるであろう。本書に言及された基板は露光前または露光後において、例えばトラック(典型的にはレジスト層を基板に塗布し、露光後のレジストを現像する装置)、メトロロジツール、および/またはインスペクションツールにより処理されてもよい。適用可能であれば、本書の開示はこれらのまたは他の基板処理装置にも適用され得る。また、基板は例えば多層ICを製造するために複数回処理されてもよく、その場合には本書における基板という用語は既に処理されている多数の処理層を含む基板をも意味しうる。
【0065】
上記では、光学リソグラフィとの関連で本発明の実施の形態の使用に特に言及しているが、本発明は、インプリントリソグラフィなどの他の用途においても使用可能であり、文脈上許されれば、光学リソグラフィに限定されないことが理解されよう。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイスMAの微細構成によって、基板上に生成されるパターンが画定される。パターニングデバイスMAの微細構成を基板に設けられたレジストの層に押しつけ、その後、電磁放射、熱、圧力またはその組合せにより、レジストを硬化する。レジストを硬化した後、パターニングデバイスMAがレジストから除去され、パターンが残される。
【0066】
本明細書で用いられる「放射」および「ビーム」の用語は、いかなる種類の電磁的な放射を包含し、紫外(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nmもしくは126nm、または、その近傍の波長を有する)および極端紫外(EUV)放射(例えば、5−20nmの範囲の波長を有する)を含むとともに、イオンビームや電子ビームといった粒子ビームをも含む。
【0067】
「レンズ」という用語は、文脈上許されれば、屈折性、反射性、磁気的、電磁気的および静電的な光学要素を含む、様々なタイプの光学要素のいずれか、またはその組合せを指してもよい。
【0068】
上述の説明は例示であり、限定を意図しない。したがって、以下に述べる請求項の範囲から逸脱することなく既述の本発明に変更を加えることができるということは、当業者には明らかなことである。