特許第6395178号(P6395178)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6395178アスファルテンの処理方法及びアスファルテン凝集緩和用材料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6395178
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】アスファルテンの処理方法及びアスファルテン凝集緩和用材料
(51)【国際特許分類】
   C10G 29/02 20060101AFI20180913BHJP
   C10G 49/00 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   C10G29/02
   C10G49/00
【請求項の数】5
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-75549(P2014-75549)
(22)【出願日】2014年4月1日
(65)【公開番号】特開2014-218643(P2014-218643A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2017年3月27日
(31)【優先権主張番号】特願2013-80965(P2013-80965)
(32)【優先日】2013年4月9日
(33)【優先権主張国】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)平成24年10月11日・12日 公益財団法人 石油学会開催の第42回石油・石油化学討論会にて発表 (2)平成24年10月15日発行の第49回石炭化学会議 発表論文集 発行所 一般社団法人 日本エネルギー学会にて発表
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成24年度経済産業省重質油等高度対応処理技術開発事業、平成25年度経済産業省重質油等高度対応処理技術開発事業、「アスファルテン凝集挙動解析技術の開発(実験的・理論的な検討)」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】590000455
【氏名又は名称】一般財団法人石油エネルギー技術センター
(73)【特許権者】
【識別番号】000183646
【氏名又は名称】出光興産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086759
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 喜平
(74)【代理人】
【識別番号】100112977
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 有子
(74)【代理人】
【識別番号】100141944
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 猛
(72)【発明者】
【氏名】森本 正人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 信也
(72)【発明者】
【氏名】鷹觜 利公
(72)【発明者】
【氏名】田中 隆三
(72)【発明者】
【氏名】山本 秀樹
【審査官】 上坊寺 宏枝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−307104(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0261313(US,A1)
【文献】 特開2003−049174(JP,A)
【文献】 Bitumen Solubility Model Using Hansen Solubility Parameter,Energy and Fuels ,2004年,18,p.1087-1092
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10G 1/00−99/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
数種の溶媒のアスファルテン溶液について、前記アスファルテンと前記溶媒のハンセン溶解度指数の差Δδと、光学的測定(レーリー散乱)により前記数種の溶媒のアスファルテン分散溶液における凝集度Mw/rを測定することで得た、ΔδとMw/rとの関係に基づき、
アスファルテンと溶媒のハンセン溶解度指数の差Δδから推定されるアスファルテンの凝集度Mw/rを指標にして、アスファルテンの凝集を抑制又は緩和するために用いる溶媒を選定し、
該溶媒と、アスファルテンを含有する重質油と、を接触させることを特徴とする、重質油の処理方法。
【請求項2】
前記アスファルテンと、該アスファルテンの凝集を抑制又は緩和するために用いる溶媒のハンセン溶解度指数の差(Δδ)が6.0以下となるように溶媒を選定する、請求項1に記載の重質油の処理方法。
【請求項3】
前記アスファルテンの凝集を抑制又は緩和するために用いる溶媒に対するアスファルテンの濃度を100,000mg/溶媒1リットル以下とし、かつ該アスファルテンと該溶媒のハンセン溶解度指数の差(Δδ)が4.0以下となるように溶媒を選定する、請求項1に記載の重質油の処理方法。
【請求項4】
キノリン、ブロモホルム、ブロモベンゼン、1,1,2,2,−テトラクロロエタン、ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、クロロホルム、ジブロモエタン、ヨードプロパン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、ピリジン、ベンゼン、エチルベンゼン、メチレンクロライド及びテトラヒドロフランから選択される少なくとも1種から、前記アスファルテンの凝集を抑制又は緩和するために用いる溶媒を選択する、請求項1〜3のいずれかに記載の重質油の処理方法。
【請求項5】
アスファルテンを含有する重質油を、溶媒にて処理するにあたり、
数種の溶媒のアスファルテン溶液について、前記アスファルテンと前記溶媒のハンセン溶解度指数の差Δδと、光学的測定(レーリー散乱)により前記数種の溶媒のアスファルテン分散溶液における凝集度Mw/rを測定することで得た、ΔδとMw/rとの関係に基づき、
アスファルテンと溶媒のハンセン溶解度指数の差Δδから推定されるアスファルテンの凝集度Mw/rを指標にして、該アスファルテンの凝集を抑制又は緩和するために用いる溶媒を選定する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスファルテンの処理方法及びアスファルテン凝集緩和用材料に関する。例えば、主として重質油に含まれるアスファルテンの凝集緩和処理剤として好適な溶媒を選定し、該溶媒を用いてアスファルテンの凝集を抑制又は緩和することにより、重質油を効率的に処理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原油の精製では、常圧蒸留残渣油、減圧蒸留残渣油、接触分解残渣油等の重質油が回収される。これらの重質油から、さらにガソリン留分や灯軽油留分等の白油成分を最大限得るために、例えば、触媒の存在下、熱分解や水素化分解等の分解処理が行われている。
ところが、重質油の分解処理過程においては、多量のコークが生成し、かかるコークが触媒表面に付着することにより、分解処理効率を著しく低下させたり、触媒の失活を早めたりするという問題が生じている。このため、コークの生成を効率よく抑制する方法が求められている。
【0003】
コークの抑制方法としては、例えば、テトラリンやテトラヒドロキノン等の水素供与性化合物を用いて重質油中のコーク前駆体を水素化する方法が知られている(特許文献1、特許文献2)。しかし、これらにおいては、ある程度のコーク生成抑制効果は認められるものの十分ではない。
【0004】
また、前駆体であるアスファルテンが凝集してコークを形成するが、アスファルテンの凝集を抑制することで、コークの形成を防止する方法も提案されている。例えば、特許文献3では、重質油を加熱することによりアスファルテンの凝集を緩和することが提案されている。また、特許文献4では、重質油の加熱をアスファルテンの凝集緩和処理剤の存在下にて行うこと及びその際の凝集緩和処理剤の選択方法が開示されている。しかしながら、これらにおいても十分とは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭60−170695号公報
【特許文献2】特開平5−117665号公報
【特許文献3】特開2005−307103号公報
【特許文献4】特開2005−307104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる状況下でなされたものであり、アスファルテン、詳しくは重質油中のアスファルテンの凝集を抑制又は緩和する溶媒を用いて、アスファルテンを処理する方法、及び当該処理における効果的な溶媒の選定方法を提供することを目的とするものである。
また、アスファルテンによるコーク生成を防止するために、該方法により選定した最適な溶媒の存在下、アスファルテンの凝集を抑制又は緩和することにより重質油を処理する方法を提供することを目的とするものである。
さらには、アスファルテン凝集緩和用材料を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、アスファルテンの凝集を抑制・緩和する方法について鋭意研究した結果、アスファルテンと溶媒におけるハンセン溶解度指数の差(Δδ)とアスファルテンの凝集度の間には、一定の関係があることを見出した。
また、アスファルテンの分散溶液は、多くの溶媒種においてレーリー散乱に従うことを見出した。その結果、アスファルテン分散溶液における凝集度の目安である(Mw/r)は、光学的測定により容易に測定できることを見出した。
これらの知見を応用することにより、例えば、アスファルテンの凝集を抑制又は緩和するのに好適な溶媒を容易に選定することが可能となることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
本発明の一態様によれば、アスファルテンと該アスファルテンの凝集を抑制又は緩和するために用いる溶媒における、各々のハンセン溶解度指数の差から推定されるアスファルテンの凝集度を指標にして溶媒を選定し、アスファルテンを該溶媒に接触させることを特徴とするアスファルテンの処理方法が提供される。
また、本発明の一態様によれば、アスファルテンを溶媒にて処理するにあたり、アスファルテンと該アスファルテンの凝集を抑制又は緩和するために用いる溶媒における、各々のハンセン溶解度指数の差から推定されるアスファルテンの凝集度を指標にして溶媒を選定する方法が提供される。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、アスファルテンを溶媒にて処理するにあたり、アスファルテンと該アスファルテンの凝集を抑制又は緩和するために用いる溶媒における、各々のハンセン溶解度指数の差を指標として溶媒を選定し、アスファルテンを該溶媒に接触させることを特徴とするアスファルテンの処理方法が提供される。具体的には、アスファルテンを溶媒にて処理するにあたり、アスファルテンと該アスファルテンの凝集を抑制又は緩和するために用いる溶媒における、各々のハンセン溶解度指数の差(Δδ)が好ましくは6.0以下となるように溶媒を選定し、アスファルテンを該溶媒に接触させることを特徴とするアスファルテンの処理方法が提供される。
【0010】
また、アスファルテンを溶媒にて処理するにあたり、アスファルテンの凝集を抑制又は緩和するために用いる溶媒に対するアスファルテンの濃度及び該アスファルテンと該溶媒のハンセン溶解度指数の差(Δδ)を指標として溶媒を選定し、アスファルテンを該溶媒に接触させることを特徴とするアスファルテンの処理方法が提供される。具体的には、アスファルテンを溶媒にて処理するにあたり、アスファルテンの凝集を抑制又は緩和するために用いる溶媒に対するアスファルテンの濃度を好ましくは100,000mg/溶媒1リットル以下とし、かつ該アスファルテンと該溶媒における、各々のハンセン溶解度指数の差(Δδ)が好ましくは4.0以下となるように溶媒を選定し、アスファルテンを該溶媒に接触させることを特徴とするアスファルテンの処理方法が提供される。
【0011】
さらには、重質油の処理を行うにあたり、上述のように、アスファルテンと該アスファルテンの凝集を抑制又は緩和するために用いる溶媒における、各々のハンセン溶解度指数の差を指標として、例えば、具体的には各々のハンセン溶解度指数の差(Δδ)が6.0以下となるように選定された溶媒、又はアスファルテンの濃度及び該アスファルテンと該溶媒のハンセン溶解度指数の差(Δδ)を指標として、例えば、該溶媒に対するアスファルテンの濃度を100,000mg/溶媒1リットル以下とし、かつ該アスファルテンと該溶媒における、各々のハンセン溶解度指数の差(Δδ)が4.0以下となるように選定された溶媒を用いて、該溶媒と重質油を接触させることを特徴とする重質油の処理方法が提供される。
ここで「重質油」とは、特に限定されるものではなく、アスファルテン分を含有する油を総称するものである。
【0012】
さらには、キノリン、ブロモホルム、ブロモベンゼン、1,1,2,2,−テトラクロロエタン、ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、クロロホルム、ジブロモエタン、ヨードプロパン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、ピリジン、ベンゼン、エチルベンゼン、メチレンクロライド及びテトラヒドロフランから選択される少なくとも1種を含有するアスファルテン凝集緩和用材料が提供される。
【0013】
また、本発明の一態様によれば、重質油の処理を行うにあたり、重質油中のアスファルテンと該アスファルテンの凝集を抑制又は緩和するために用いる溶媒における、各々のハンセン溶解度指数の差から推定されるアスファルテンの凝集度を指標にして溶媒を選定し、該溶媒とアスファルテンを接触させることを特徴とする重質油の処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、アスファルテンの凝集を抑制又は緩和するために用いられる溶媒(アスファルテン凝集緩和剤)を用いた場合において、その溶媒中でのアスファルテンの凝集度を推定することができる。
従って、推定されたアスファルテンの凝集度の値をもとに、最も効果的にアスファルテンの凝集を抑制又は緩和させうるアスファルテン凝集緩和剤を選定することが可能となる。
【0015】
また、アスファルテンとアスファルテン凝集緩和剤におけるハンセン溶解度指数の差(Δδ)、又はアスファルテン凝集緩和剤に対するアスファルテンの濃度及び該ハンセン溶解度指数の差(Δδ)を指標にして、アスファルテンの凝集度を制御することができ、望ましいアスファルテン凝集緩和剤を選定することが可能となる。
【0016】
さらには、アスファルテンの凝集を抑制又は緩和するために用いられる溶媒として良好な化合物を示すことができる。
以上により、重質油の処理を行うにあたり、上記方法で選定した溶媒をアスファルテンに接触させることにより、重質油におけるアスファルテンの凝集度を制御できる。例えば、重質油の分解処理過程において、コークの生成を効率よく抑制することが可能となり、重質油からの白油成分の回収量を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】ハンセン溶解度指数の模式図である。
図2】実験例1にて測定した「Δδ」と「Mw/r」をプロットしたグラフである。
図3】アスファルテンのトルエン溶液における、吸光度と波長の−4乗の関係を示す図である。
図4】実験例2にて測定した「Δδ」と「Mw/r」をプロットしたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明では、アスファルテンと溶媒(例えば、アスファルテン凝集緩和剤)のハンセン溶解度指数差(Δδ)と、アスファルテンの凝集度(Mw/r(rは分散溶液中のアスファルテン凝集物の見かけの半径、Mwは分散溶液中のアスファルテン凝集物の見かけの分子量))の関係を指標として、所望の溶媒を選定する。
ここで「指標として溶媒を選定する」とは、両者のハンセン溶解度指数の差(Δδ)がわかれば、その溶液におけるアスファルテンの凝集度(Mw/rの値)が推定できることから、「ある溶液において、アスファルテンが望ましく分散された状態にするには、Mw/rがどの程度の値になっているのがよいかという観点から、まず望むMw/r値を決め、次に、そのMw/r値に対応するΔδを持つ溶媒を選定する」ということを意味している。
【0019】
さらには、前記ハンセン溶解度指数差(Δδ)とアスファルテンの凝集度には、一定の相関関係あることから、両者のハンセン溶解度指数の差(Δδ)を指標にして、適切な溶媒を選定してもよい。即ち、ハンセン溶解度指数の差(Δδ)が小さい溶媒ほど、アスファルテンの凝集度が小さくなるため、アスファルテンの凝集を抑制又は緩和する溶媒として良好である。従って、両者のハンセン溶解度指数の差(Δδ)が小さくなるように適切な溶媒を選定すればよい。
また、アスファルテンの凝集度は、アスファルテンの凝集を抑制又は緩和するために用いる溶媒に対するアスファルテンの濃度及び該アスファルテンと該溶媒のハンセン溶解度指数の差(Δδ)に影響されることから、当該濃度及びハンセン溶解度指数の差(Δδ)を指標として溶媒を選定すればよい。
以下、溶媒の選定方法を具体的に説明する。
【0020】
(A)アスファルテンと溶媒のハンセン溶解度指数差(Δδ)の算出
アスファルテンと溶媒のハンセン溶解度指数差(Δδ[MPa0.5])は、下記式(1)により求めることができる。
【数1】
(式中、δは分散項、δは分極項、δは水素結合項であり、下付き文字ASはアスファルテン、Solは溶媒を表す。)
【0021】
ハンセン溶解度指数(HSP)とは、ある物質(本発明においてはアスファルテン)がある溶媒にどのくらい溶けるのかを示す溶解性の指標であり、溶解性を[分散項(δ)、分極項(δ)、水素結合項(δ)]のベクトルで表すものである。ハンセン溶解度指数の模式図を図1に示す。
分散項はファンデルワールスの力、分極項はダイポール・モーメントの力、水素結合項は水、アルコール等が持つ力である。
【0022】
式(1)から、アスファルテンのHSP及び溶媒のHSPがあれば、溶解度指数差(Δδ)を計算できる。
アスファルテンのHSPは、アスファルテンの原料(即ち、そのアスファルテンが得られた原油の種類)に関わらずほぼ一定と見なすことができる。例えば、Redeliusら(Redelius, P., Energy Fuels, 18, 1087 (2004).)の報告値である以下の値を使用することができる。
δdAS=19.6MPa0.5
δpAS=3.4MPa0.5
δhAS=4.4MPa0.5
【0023】
溶媒のHSPについて、文献(Hansen, C. M., Hansen solubility parameters : a user’s handbook. 2nd ed.; CRC: Boca Raton ; London, 2007)に、1200種類を超える物質のHSPが報告されている。従って、記載されている溶媒については文献値を使用できる。
記載の無い溶媒については、HSP値を分子構造から推算するプログラムを利用することができる。このようなプログラムとして、例えば、HSPiP(http://www.hansen−solubility.com/)がある。
【0024】
混合溶媒の場合は、体積比により重み付けして合算することにより各項を計算できる。例として、溶媒1(Sol1)と溶媒2(Sol2)を体積比x対(1−x)で混合して得られる混合溶媒(Mix)の各項(δdMix、δpMix、δhMix)は、下記式(2)〜(4)により計算できる。尚、3種以上の混合溶媒についても同様に求められる。
δdMix=xδdSol1+(1−x)δdSol2 (2)
δpMix=xδpSol1+(1−x)δpSol2 (3)
δhMix=xδhSol1+(1−x)δhSol2 (4)
【0025】
(B)アスファルテンの凝集度(Mw/r)の算出
「Mw/r」は、分散溶液中のアスファルテン凝集物の見かけの半径(r)、見かけの分子量(Mw)により決まる値であり、「凝集度」を表している。即ち、「Mw/r値」が小さいほど凝集度は小さく良好である。rが同じ凝集体では、Mwが小さいほどその凝集体は疎であることを示している。
本発明者らは、アスファルテン凝集緩和剤等の溶媒にアスファルテンを分散させた分散溶液は、レーリー散乱に従うことを見出した。
レーリー散乱では、吸光度は波長の−4乗に比例することが知られているので、以下の式が成り立つ。
【数2】
(式中、Aは吸光度であり、αは光路長や溶質溶媒の屈折率などを含む係数であり、Cはアスファルテンの濃度(mg/L)であり、λは波長(nm)であり、rは分散溶液中のアスファルテン凝集物の見かけの半径(nm)であり、Mwは分散溶液中のアスファルテン凝集物の見かけの分子量(g/mol)である。)
【0026】
この式において、α、Cを予め決めた上で、ある波長λでの吸光度を測定すれば、Mw/rを求めることができる。測定例の詳細については、後述する実施例で説明する。
【0027】
数種の濃度及び溶媒のアスファルテン溶液について、ΔδとMw/rを測定する。測定結果について、Δδを横軸に、Mw/rを縦軸としてプロットする。
図2に後述する実験例1で測定したΔδとMw/rをプロットしたグラフを示す。本図から、Δδがわかれば、Mw/rを有る程度推定することが可能であることが分かる。
尚、図2において、「QL」とは、「キノリン100容量%からなる溶媒」、「TL−QL50」とは、「トルエン50容量%、キノリン50容量%からなる溶媒」、「BF」とは、「ブロモホルム100容量%からなる溶媒」、「TL−BF50」とは、「トルエン50容量%、ブロモホルム50容量%からなる溶媒」、「BB」とは、「ブロモベンゼン100容量%からなる溶媒」、「TL−BB20」とは、「トルエン80容量%、ブロモベンゼン20容量%からなる溶媒」、「TL」とは、「トルエン100容量%からなる溶媒」、「TL−PT5」とは、「トルエン95容量%、ペンタン5容量%からなる溶媒」、「THF」とは、「テトラヒドロフラン100容量%からなる溶媒」を示す。図中の他の溶媒については、容量%を示す数字のみが異なる他は同様である。
【0028】
得られたΔδとMw/rの関係を用いることにより、未測定の溶媒とアスファルテンのΔδを算出することで、該溶媒におけるアスファルテンの凝集度(Mw/r)が推定できる。また、アスファルテンと該アスファルテンの凝集を抑制又は緩和するために用いる溶媒における、各々のハンセン溶解度指数の差を指標として、アスファルテンの凝集度を制御することができる。
【0029】
(C)溶媒選定のための具体的方法
(1)推定されたアスファルテンの凝集度の値を指標にして選定する方法
上述したように、アスファルテンの凝集度(Mw/r)を算出できるので、これにより、例えば、あるアスファルテンに対し、所望の凝集度が得られる最も適切な溶媒を選定すればよい。
【0030】
(2)アスファルテンと溶媒におけるハンセン溶解度指数の差(Δδ)を指標にして選定する方法
図2に示されるように、アスファルテンの凝集度(Mw/r)とアスファルテンと溶媒におけるハンセン溶解度指数の差(Δδ)には、一定の相関関係あることがわかる。従って、両者のハンセン溶解度指数の差(Δδ)を指標にして、適切な溶媒を選定すればよい。
【0031】
また、アスファルテンと溶媒におけるハンセン溶解度指数の差(Δδ)が小さい溶媒ほど、アスファルテンの凝集度が小さくなるため、凝集を抑制又は緩和する溶媒として良好であることがわかる。従って、両者のハンセン溶解度指数の差(Δδ)が小さくなるような溶媒を選定すればよい。具体的には、後述する実験例2に示されるように、アスファルテンと溶媒におけるハンセン溶解度指数の差(Δδ)が好ましくは6.0以下、より好ましくは5.5以下、さらに好ましくは5.0以下、特に好ましくは4.5以下となるように溶媒を選定すればよい。
【0032】
また、アスファルテンの凝集度は、アスファルテンの凝集を抑制又は緩和するために用いる溶媒に対するアスファルテンの濃度及び該アスファルテンと該溶媒のハンセン溶解度指数の差(Δδ)に影響される。従って、当該濃度及びハンセン溶解度指数の差(Δδ)を指標として溶媒を選定すればよい。具体的には、アスファルテンの凝集を抑制又は緩和するために用いる溶媒に対するアスファルテンの濃度を100,000mg/溶媒1リットル以下とすることが好ましく、かつ該アスファルテンと該溶媒における各々のハンセン溶解度指数の差(Δδ)が好ましくは4.0以下、より好ましくは3.6以下、さらに好ましくは3.2以下、さらに好ましくは3.0以下、特に好ましくは2.5以下となるように溶媒を選定すればよい。
【0033】
さらには、後述する実験例3に示されるように、キノリン、ブロロホルム、ブロモベンゼン、1,1,2,2,−テトラクロロエタン、ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、クロロホルム、ジブロモエタン、ヨードプロパン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、ピリジン、ベンゼン、エチルベンゼン、メチレンクロライド、テトラヒドロフランは、アスファルテンの凝集を抑制又は緩和するための溶媒として良好な性質を示す。従って、これらから選ばれた少なくとも1種を含有するように溶媒を選定すればよい。
【0034】
溶媒については、単独種の溶媒であっても、任意の2種以上を任意の割合で混合した混合溶媒であってもよい。また、溶媒は上述した具体例に限られず、本発明に規定する要件を満たすものであれば、特に問わない。
【実施例】
【0035】
実験例1
本実験例では、アスファルテンと溶媒とのハンセン溶解度指数差(Δδ)から、その溶液中におけるアスファルテンの凝集度(Mw/r)を推定することができ、その結果、あるアスファルテンにおいて、アスファルテンと溶媒とのハンセン溶解度指数差(Δδ)を指標とすれば、凝集を抑制・緩和するのに最適な溶媒を選定することができることを説明する。
(1)アスファルテン溶液試料の調製
アスファルテン試料として、SAGD法で採掘されたカナダのアサバスカビチュメンの脱瀝残渣に含まれるトルエン可溶−ヘプタン不溶成分(C:81.6wt%、H:7.4wt%、N:1.3wt%、S:8.5wt%,O及び他の元素:1.2wt%)を用いた。
上記アスファルテンを、100mg/溶媒1リットル、200mg/溶媒1リットル、500mg/溶媒1リットルの濃度となるように、以下の10種のトルエン系溶媒に加えて撹拌し、10分間の超音波処理後に一晩放置して均一溶液を調製した。5分間の超音波処理直後に可視光透過挙動を測定した。
【0036】
[使用溶媒]
・キノリン100容量%からなる溶媒
・トルエン50容量%、キノリン50容量%からなる溶媒
・ブロモホルム100容量%からなる溶媒
・トルエン50容量%、ブロモホルム50容量%からなる溶媒
・トルエン90容量%、ブロモホルム10容量%からなる溶媒
・ブロモベンゼン100容量%からなる溶媒
・トルエン60容量%、ブロモベンゼン40容量%からなる溶媒
・トルエン80容量%、ブロモベンゼン20容量%からなる溶媒
・トルエン100容量%からなる溶媒
・トルエン95容量%、ペンタン5容量%からなる溶媒
・トルエン90容量%、ペンタン10容量%からなる溶媒
・トルエン90容量%、ペンタン15容量%からなる溶媒
・トルエン80容量%、ペンタン20容量%からなる溶媒
・テトラヒドロフラン100容量%からなる溶媒
・トルエン50容量%、ペンタン50容量%からなる溶媒
【0037】
(2)アスファルテンの凝集度(Mw/r)の算出
各溶液の可視光透過挙動を吸光度で評価するために、常温、大気圧下で瞬間測光システム(大塚電子、MCPD3000)を用いて各波長の透過率を測定した。測定条件は、以下のとおりとした。
・光学セルの光路長b:10(mm)
・光源:ハロゲンランプ
・波長λ:600〜800(nm)
・散乱角:180度
・露光時間:107ミリ秒
・積算回数:64回
【0038】
各波長における透過率(I/I:Iは入射光強度、Iは透過光強度を表す)より、次式により吸光度Aを求めた。
A=−log10(I/I
波長に対し十分に小さい球形粒子(半径r)におけるレーリー散乱は、下記式のように表される。下記式よりMw/rを求めた。
【数3】
(式中、bは光路長(10mm)、Cは濃度、λは波長、Mwは凝集体の分子量、mは凝集体の相対屈折率(凝集体の屈折率/溶媒の屈折率)である。)
【0039】
上記式より、縦軸に吸光度、横軸に波長の−4乗をプロットしたグラフを描くと、レーリー散乱に従う場合、直線関係が見られる。その直線の傾きkは下記式(k)で表される。
【数4】
【0040】
測定例として、図3にトルエン中で測定した吸光度と波長の−4乗の関係を図示したグラフを示す。
尚、凝集体の相対屈折率は1.7と仮定できるので、溶媒の屈折率の値を用いて、凝集体の相対屈折率mを算出する。例えば、溶媒としてトルエンを用いる場合、トルエンの屈折率は1.5であるので、凝集体の相対屈折率mは、下記のとおり計算できる。
m=1.7/1.5=1.13
【0041】
実施例で測定した波長の−4乗に対する吸光度の傾きk、各溶媒の屈折率、凝集体の相対屈折率m、及び計算によって求めたアスファルテンの凝集度(Mw/r)を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
表記載の使用溶媒は以下の溶媒を表す。
・「QL」:キノリン100容量%からなる溶媒
・「TL−QL50」:トルエン50容量%、キノリン50容量%からなる溶媒
・「BF」:ブロモホルム100容量%からなる溶媒
・「TL−BF50」:トルエン50容量%、ブロモホルム50容量%からなる溶媒
・「TL−BF10」:トルエン90容量%、ブロモホルム10容量%からなる溶媒
・「BB」:ブロモベンゼン100容量%からなる溶媒
・「TL−BB40」:トルエン60容量%、ブロモベンゼン40容量%からなる溶媒
・「TL−BB20」:トルエン80容量%、ブロモベンゼン20容量%からなる溶媒
・「TL」:トルエン100容量%からなる溶媒
・「TL−PT5」:トルエン95容量%、ペンタン5容量%からなる溶媒
・「TL−PT10」:トルエン90容量%、ペンタン10容量%からなる溶媒
・「TL−PT15」:トルエン90容量%、ペンタン15容量%からなる溶媒
・「TL−PT20」:トルエン80容量%、ペンタン20容量%からなる溶媒
・「THF」:テトラヒドロフラン100容量%からなる溶媒
・「TL−PT50」:トルエン50容量%、ペンタン50容量%からなる溶媒
【0044】
(3)アスファルテンと溶媒とのハンセン溶解度指数差(Δδ)の算出
アスファルテンのHSPは、Redeliusらの報告値(δdAS=19.6MPa0.5、δpAS=3.4MPa0.5、δhAS=4.4MPa0.5)を使用した(Redelius,P.,Energy Fuels,18,1087(2004).参照。)。
トルエン、キノリン、ブロモホルム、ペンタン、ブロモベンゼン及びテトラヒドロフランのHSP値は、Hansenの報告値を使用した(Hansen,C.M.,Hansen solubility parameters:a user’s handbook.2nd ed.;CRC:Boca Raton;London,(2007)参照)。
混合溶媒については、各溶媒のHSP値から上述した式(2)〜(4)を用いて計算した。
【0045】
各溶媒とアスファルテンのHSP差(Δδ)は、上述した式(1)によって求めた。
使用溶媒のHSP、アスファルテンと溶媒とのハンセン溶解度指数差(Δδ)及びアスファルテンの凝集度(Mw/r)を表2に示す。また、ΔδとMw/rをプロットしたグラフを図2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
図2から、(Δδ)と(Mw/r)には相関関係があることがわかる。
図2の関係を使用することにより、アスファルテンと溶媒とのハンセン溶解度指数差(Δδ)から、その溶液中におけるアスファルテンの凝集度(Mw/r)を推定することができる。
その結果、あるアスファルテンにおいて、アスファルテンと溶媒とのハンセン溶解度指数差(Δδ)を指標にすれば、その凝集を抑制・緩和するのに最適な溶媒を選定することができる。
【0048】
実験例2
本実験例では、アスファルテンの凝集度(Mw/r)が、アスファルテンと溶媒とのハンセン溶解度指数差(Δδ)、又は当該Δδ及びアスファルテンの濃度により影響されることを説明する。また、その結果、Δδ、又はΔδ及びアスファルテンの濃度を指標とすれば、凝集を抑制・緩和するのに最適な溶媒を選定することができることを説明する。
(1)アスファルテン溶液試料の調製
アスファルテン試料として、SAGD法で採掘されたカナダのアサバスカビチュメンの脱瀝残渣に含まれるトルエン可溶−ヘプタン不溶成分(C:81.6wt%、H:7.4wt%、N:1.3wt%、S:8.5wt%,O及び他の元素:1.2wt%)を用いた。
上記アスファルテンの濃度が、20mg/溶媒1リットル、500mg/溶媒1リットル、10,000mg/溶媒1リットル、100,000mg/溶媒1リットルとなるように、以下の溶媒に加えて撹拌し、10分間の超音波処理後に一晩放置して均一溶液を調製した。5分間の超音波処理直後に可視光透過挙動を測定した。
【0049】
[使用溶媒]
・トルエン50容量%、キノリン50容量%からなる溶媒
・ブロモベンゼン100容量%からなる溶媒
・トルエン60容量%、ブロモベンゼン40容量%からなる溶媒
・トルエン80容量%、ブロモベンゼン20容量%からなる溶媒
・トルエン100容量%からなる溶媒
・トルエン95容量%、ペンタン5容量%からなる溶媒
・トルエン90容量%、ペンタン10容量%からなる溶媒
・トルエン90容量%、ペンタン15容量%からなる溶媒
・トルエン80容量%、ペンタン20容量%からなる溶媒
・テトラヒドロフラン100容量%からなる溶媒
【0050】
(2)アスファルテンの凝集度(Mw/r)の算出
実験例1と同様とした。但し、濃度が10,000mg/溶媒1リットルの場合は光路長0.65mm、濃度が100,000mg/溶媒1リットルの場合は光路長0.14mmのセルを用いた。
アスファルテン濃度が、20mg/溶媒1リットル、10,000mg/溶媒1リットル、及び100,000mg/溶媒1リットルの場合について、測定した波長の−4乗に対する吸光度の傾きk、用いた各溶媒の屈折率、凝集体の相対屈折率m、及び計算によって求めたアスファルテンの凝集度(Mw/r)を表3〜5に示す。
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】
(3)アスファルテンと溶媒とのハンセン溶解度指数差(Δδ)の算出
実験例1と同様とした。各濃度の場合について、使用溶媒のHSP、アスファルテンと溶媒とのハンセン溶解度指数差(Δδ)及び先に求めたアスファルテンの凝集度(Mw/r)を表6〜表8に示す。
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】
【0057】
【表8】
【0058】
(4)実験例2の結果のまとめ
各濃度におけるΔδとMw/rをプロットしたグラフを図4に示す。
図4から、アスファルテン濃度を変化させても、(Δδ)と(Mw/r)には相関関係があることがわかる。
また、アスファルテンと該アスファルテンの凝集を抑制又は緩和するために用いる溶媒における、各々のハンセン溶解度指数の差(Δδ)が6.0以下となるように溶媒を選定することが好ましいことがわかる。
さらに、該溶媒の濃度を100,000mg/溶媒1リットル以下とし、かつ該アスファルテンと該溶媒における、各々のハンセン溶解度指数の差(Δδ)が4.0以下となるように溶媒を選定することが好ましいことがわかる。
【0059】
実験例3
本実験例では、アスファルテンと溶媒とのハンセン溶解度指数差(Δδ)が6程度を示す溶媒種としては、いかなる化合物が該当するかについて説明する。
(1)アスファルテン溶液試料の調製
アスファルテン試料として、SAGD法で採掘されたカナダのアサバスカビチュメンの脱瀝残渣に含まれるトルエン可溶−ヘプタン不溶成分(C:81.6wt%、H:7.4wt%、N:1.3wt%、S:8.5wt%,O及び他の元素:1.2wt%)を用いた。
上記アスファルテンを、500mg/溶媒1リットルの濃度となるように、表9に示す単一溶媒に加えて撹拌し、10分間の超音波処理後に一晩放置して均一溶液を調製した。
【0060】
(2)アスファルテンと溶媒とのハンセン溶解度指数差(Δδ)の算出
実験例1と同様とした。アスファルテンと各溶媒とのハンセン溶解度指数差(Δδ)を表9に示す。
【0061】
【表9】
【0062】
(3)実験例3の結果のまとめ
表9から、アスファルテンと溶媒における、各々のハンセン溶解度指数の差(Δδ)が概ね6.0以下となるような溶媒の具体例がわかる。これらの化合物自体は公知のものであるが、これらが、アスファルテンの凝集を緩和、抑制する作用を持ち、アスファルテンの凝集を緩和又は抑制する材料として用いられうることは、これまで知られておらず、本発明により初めて明らかにされたものである。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の溶剤の選定方法は、重質油の処理プロセスにおいて、アスファルテンの凝集を抑制及び緩和させる新規溶媒の開発に利用できる。
また、重質油処理に用いられる触媒の劣化防止技術の開発に利用できる。
さらに、石油精製プロセスにおいて、処理中の油に含まれるアスファルテンを分析し、その凝集を抑制又は緩和するために用いる最適な溶媒を選択することにより、有効な運転条件を迅速に見つけ出し、フィードバックする手法として利用することができる。
図1
図2
図3
図4