(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
入力放射を放出する前記第1デマルチプレキシングコンポーネントに対して上流の物体が、少なくとも1つのデマルチプレキシングコンポーネントに対して下流の像に投影されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アライメントセンサは、1つまたはいくつかの放射源を用いて、異なる波長の複数の放射ビームを生じさせる。このやり方では、センサは、同じターゲット回折格子にいくつかの波長(例えば色)および/または放射(例えば光)の偏光を用いることにより位置を測定する。全ての状況の測定のためには単一の色または偏光は十分ではなく、従って、システムは、多数の信号から最も信頼できる位置情報を提供している信号を選択する。
【0006】
ますます多くのパターンが基板に付与されることにより、基板がますます複雑になるので、追加の波長および/または偏光を追加することにより、信頼できる位置情報を提供するためのアライメントセンサの能力が増大する。しかしながら、これは、追加の光学コンポーネントが必要となるので、アライメントシステムの複雑性を増大させる。特に、各波長が例によって1つ以上のビームにマルチプレックスされている場合、追加の波長を加えることは、それぞれ個々の波長を結合および分離するために用いられるマルチプレクサおよびデマルチプレクサの複雑性を増大させる可能性がある。加えて、増加した光学コンポーネントは、アライメントセンサの性能を低下させるのを避けるために厳しいトレランス内で光学的に整合されなけらばならない。さらに、追加の光学コンポーネントを加えることは、アライメントセンサに必要とされるスペースを増大させる可能性がある。しかしながら、アライメントセンサは、センサと装置の両方が適切に機能するために、リソグラフィ装置の物理的な制約の範囲内で適合しなければならない。
【0007】
例えば、アライメントセンサにより必要とされるスペースを増やすことなく、アライメントセンサにより用いることのできる異なる波長の数を増やすことが望ましい。例えば、アライメントセンサの複雑性、特に用いられる光学コンポーネントの数、を増大することなく、波長の数を増大させることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ある態様によれば、第1波長帯域を備える入射放射ビームをデマルチプレックスする装置が提供される。この装置は、
直列に配置される複数の段であって、第1段および1つ以上の後段を備える複数の段と、
複数のデマルチプレキシングコンポーネントであって、それぞれが入力放射ビームを2つの放射ビーム部分に分割するよう機能するデマルチプレキシングコンポーネントと、
を備え、
第1段は、入力放射ビームとして入射放射ビームを受け取るよう構成された第1デマルチプレキシングコンポーネントを備え、
複数のデマルチプレキシングコンポーネントは、それぞれの連続する段が前段の2倍の数のデマルチプレキシングコンポーネントを備えるよう構成され、第1段の後の各段の各デマルチプレキシングコンポーネントは、入力として、前段のデマルチプレキシングコンポーネントから出力された放射ビーム部分の1つを受け取る。
【0009】
各デマルチプレキシングコンポーネントはダイクロイックフィルタを備えてもよい。
【0010】
ある実施形態では、第1波長帯域は複数の光チャネルを備え、各光チャネルが特定の中心波長を有し、最終段からの放射ビーム部分のそれぞれの中心波長は、複数のチャネルのうち1つのチャネルの中心波長に対応する。
【0011】
別の実施形態では、第1波長帯域は2
k個のチャネルを備え、当該装置はk段を備え、当該装置は、最終段からの各放射ビーム部分が1つのチャネルを構成する。
【0012】
装置は、複数の光出力部を備えてもよく、各光出力部は、当該装置の最終段からの特定の放射ビーム部分を出力するよう機能する。
【0013】
さらなる態様によれば、ここで説明した装置によるアライメントセンサが提供される。
【0014】
さらなる態様によれば、ここで説明したアライメントセンサを備えるリソグラフィ装置が提供される。
【0015】
さらなる態様によれば、第1波長帯域を備える入射放射ビームをデマルチプレックスする方法が提供される。この方法は、
第1デマルチプレキシングコンポーネントを備える第1段において、入力放射ビームとして入射放射ビームを受け取ることと、
第1デマルチプレキシングコンポーネントを用いて入力放射ビームを2つの放射ビーム部分に分割することと、
1つ以上の連続する段において、入力放射ビームとして前段からの放射ビーム部分を受け取ることであって、1つ以上の連続する段のそれぞれは、それぞれの連続する段が前段の2倍の数のデマルチプレキシングコンポーネントを備えるよう構成されることと、
デマルチプレキシングコンポーネントのそれぞれを用いて、前段のデマルチプレキシングコンポーネントにより出力された各放射ビーム部分を2つの更なる放射ビーム部分に分割することと、
を備える。
【0016】
ある実施形態では、第1波長帯域は複数の光チャネルを備え、この方法は、最終段の各デマルチプレキシングコンポーネントを用いて入力放射ビームを複数の出力放射ビーム部分に分割することをさらに備えてもよい。出力放射ビーム部分のそれぞれの中心波長は、複数の光チャネルのうち1つのチャネルの中心波長に対応する。
【0017】
第1波長帯域は2
k個のチャネルを備えてもよい。当該方法はk段を含んでよく、出力放射ビーム部分のそれぞれが1つのチャネルを構成してよい。
【0018】
ある実施形態では、この方法は、最終段からの特定の放射ビーム部分を特定の光出力部に出力することを備えてもよい。
【0019】
さらなる態様によれば、ここで説明した方法を実行する装置が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施の形態を詳細に説明するために、本発明の実施の形態が実施されうる環境例を示すことが有益である。
【0030】
図1は、リソグラフィ装置LAを概略的に示す。この装置は、放射ビームB(例えばUV放射またはDUV放射)を調整するよう構成される照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するよう構築され、特定のパラメータにしたがってパターニングデバイスを正確に位置決めするよう構成される第1位置決め装置PMに接続されるパターニングデバイスサポートまたはサポート構造(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えばレジストコートされたウェハ)Wを保持するようそれぞれが構築され、特定のパラメータにしたがって基板を正確に位置決めするよう構成される第2位置決め装置PWにそれぞれが接続される二つの基板テーブル(例えばウェハテーブル)WTaおよびWTbと、パターニングデバイスMAにより放射ビームBに付与されるパターンを基板Wの(例えば一以上のダイを含む)ターゲット部分Cに投影するよう構成される投影システム(例えば屈折型投影レンズシステム)PSと、を含む。基準フレームRFは様々な要素を接続し、パターニングデバイスや基板の位置およびそれら上のフィーチャの位置を設定または測定する基準として機能する。
【0031】
照明システムは、放射を方向付け、放射を成形し、または放射を制御するための屈折型、反射型、磁気型、電磁気型、静電型あるいは他の形式の光学素子といった各種光学素子またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0032】
パターニングデバイスサポートは、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置のデザイン、および、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されるか否かといった他の条件に応じた方法でパターニングデバイスを保持する。パターニングデバイスサポートは、パターニングデバイスを保持するために、機械的技術、真空技術、静電技術または他のクランプ技術を用いることができる。パターニングデバイスサポートMTは、例えば、要求に応じて固定または移動可能なフレームまたはテーブルであってよい。パターニングデバイスサポートは、パターニングデバイスが、例えば投影システムに対して、所望の位置にあることを確実にしてもよい。
【0033】
本書での「パターニングデバイス」の用語は、放射ビームの断面にパターンを付して例えば基板の目標部分にパターンを生成するために使用可能な任意のデバイスを参照するものとして広く解釈されるべきである。放射ビームに付されるパターンは、例えばパターン位相シフトフィーチャまたはいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板の目標部分における所望のパターンに完全に対応しなくてもよいことに留意されるべきである。たいていの場合、放射ビームに付されるパターンは、目標部分に生成される集積回路などのデバイスの特定の機能層に対応するであろう。
【0034】
図示されるように、装置は透過型である(例えば、透過型パターニングデバイスを用いる)。代わりに、装置は反射型であってもよい(例えば、上述されるような形式のプログラマブルミラーアレイを用いるか、または、反射型マスクを用いる)。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルが含まれる。本書での「レチクル」または「マスク」の用語のいかある使用も、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義であるとみなされてもよい。「パターニングデバイス」の用語は、このようなプログラマブルパターニングデバイスを制御するために用いるデジタル形式のパターン情報を記憶するデバイスを指すものと解釈することもできる。
【0035】
本書で用いる「投影システム」の用語は、用いられる露光放射または液浸液の使用や真空の使用といった他の要素について適切となるように、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁気型および静電型の光学システムまたはこれらの任意の組み合わせを含む任意の形式の投影システムを包含するものと広く解釈されるべきである。
【0036】
リソグラフィ装置は、基板の少なくとも一部が比較的高屈折率の液体(例えば水)で被覆され、投影システムと基板との間の空間を満たしうるような形式であってもよい。液浸液は、リソグラフィ装置の他の空間、例えばマスクと投影システムの間に適用されてもよい。液浸技術は、投影システムの開口数を増大させる技術として周知である。
【0037】
動作中、イルミネータILは、放射源SOから放射ビームを受ける。放射源およびリソグラフィ装置は、例えば放射源がエキシマレーザである場合、別体であってもよい。このような場合、放射源は、リソグラフィ装置の部分を形成するとみなされず、放射ビームは、放射源SOからイルミネータILに向けて、例えば適切な方向付けミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBDの助けを借りて通過する。別の場合、例えば放射源が水銀ランプの場合、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SOおよびイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに、放射システムと称されてもよい。
【0038】
イルミネータILは、例えば、放射ビームの角度強度分布を調整するためのアジャスタAD、インテグレータINおよびコンデンサCOを含んでもよい。イルミネータは、放射ビームを調整してその断面に所望の均一性および強度分布を有するように用いられてもよい。
【0039】
放射ビームBは、パターニングデバイスサポートMTに保持されるパターニングデバイスMAに入射し、パターニングデバイスによりパターン化される。パターニングデバイス(例えばマスク)MAを通過すると、放射ビームBは、基板Wのターゲット部分Cにビームをフォーカスさせる投影システムPSを通過する。第2位置決め装置PWおよび位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、2Dエンコーダまたは静電容量センサ)の助けを借りて、例えば放射ビームBの経路上に異なるターゲット部分Cが位置するように基板テーブルWTaまたはWTbが正確に移動されることができる。同様に、第1位置決め装置PMおよび別の位置センサ(
図1に明示されていない)は、例えばマスクライブラリからの機械検索後またはスキャン中に、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えばマスク)MAを正確に位置決めするために用いることができる。
【0040】
パターニングデバイス(例えばマスク)MAおよび基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1,M2および基板アライメントマークP1,P2を用いて位置決めされうる。基板アライメントマークは図示されるように専用の目標部分を占めているが、目標部分の間のスペースに位置してもよい(これらはスクライブラインアライメントマークとして知られる)。同様に、パターニングデバイス(例えばマスク)MA上に二以上のダイが設けられる場合には、パターニングデバイスアライメントマークがダイの間に位置してもよい。小さなアライメントマークがダイの内側のデバイスフィーチャ内に含まれていてもよく、この場合には、マーカが可能な限り小さく、かつ、隣接するフィーチャとは異なる結像またはプロセス条件を必要としないことが望ましい。アライメントマーカを検出するアライメントシステムは、別途後述する。
【0041】
図示される装置は、様々なモードで用いることができる。スキャンモードでは、パターニングデバイスサポート(例えばマスクテーブル)MTおよび基板テーブルWTが同期してスキャンされる間、放射ビームに付与されるパターンがターゲット部分C上に投影される(つまり、単一動的露光)。パターニングデバイスサポート(例えばマスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの拡大(縮小)特性および像反転特性により決定されうる。スキャンモードにおいて、露光フィールドの最大サイズは、単一動的露光でのターゲット部分の(非スキャン方向)の幅を制限する一方で、スキャン動作の長さは、ターゲット部分の(スキャン方向)の高さを決定する。当該技術分野において周知であるように、他の形式のリソグラフィ装置および動作モードも可能である。例えば、ステップモードが知られている。いわゆる「マスクレス」リソグラフィにおいて、プログラマブルパターニングデバイスが静止して保持されるが、パターンが変更され、基板テーブルWTが移動またはスキャンされる。
【0042】
上記の使用モードを組み合わせて動作させてもよいし、使用モードに変更を加えて動作させてもよく、さらに全く別の使用モードを用いてもよい。
【0043】
リソグラフィ装置LAは、二つの基板テーブルWTa,WTbおよび二つのステーションを有するいわゆるデュアルステージ形式のものであり、露光ステーションEXPおよび測定ステーションMEAの間で基板テーブルを交換できる。一方の基板テーブル上の一方の基板が露光ステーションにて露光されている間、別の基板が測定ステーションにて他方の基板テーブル上に装填されることができ、様々な準備ステップが実行される。これは、装置のスループットの実質的な増大を可能にする。準備ステップは、レベルセンサLSを用いて基板の表面の等高線をマップすること、および、アライメントセンサASを用いて基板上のアライメントマーカの位置を測定することを含んでもよい。仮に位置センサIFが測定ステーションまたは露光ステーションにある間に基板テーブルの位置を測定できなければ、基準フレームRFに対して双方のステーションにて基板テーブルの位置の追跡を可能にするように第2位置センサが設けられてもよい。他の構成も知られており、図示されるデュアルステージ構成の代わりに使用可能である。例えば、基板テーブルおよび測定テーブルが設けられる他のリソグラフィ装置が知られている。これらは、予備的な測定が実行されるときに一緒にドッキングされる一方、基板テーブルが露光されるときに切り離される。
【0044】
図2に示されるように、リソグラフィ装置LAは、しばしばリソセルまたはクラスタとも称され、基板上での露光前および露光後プロセスを実行する装置をも含むリソグラフィセルLCの一部を形成する。従来、これらは、1つ以上のレジスト層を堆積させる1つ以上のスピンコータSC、露光されたレジストを現像する1つ以上の現像装置DE,1つ以上の冷却プレートCHおよび/または1つ以上のベークプレートBKを含む。基板ハンドラまたはロボットROは、1つ以上の基板を入力/出力ポートI/O1,I/O2から取り出し、異なるプロセス装置間で基板を移動させ、リソグラフィ装置のローディングベイLBに運ぶ。しばしば集合的にトラックと称されるこれらの装置は、トラック制御ユニットTCUの制御下にある。TCU自体は、監視制御システムSCSにより制御され、SCSはリソグラフィ制御ユニットLACUを介してリソグラフィ装置も制御する。したがって、異なる装置がスループットおよびプロセス効率を最大化させるように動作することができる。トラックにより処理された基板は、その後、デバイス製造プロセス内でのエッチングおよび/または他の化学的または物理的処理のために1つ以上の他のプロセスツールに移送される。
【0045】
リソグラフィ装置制御ユニットLACUは、上記の様々なアクチュエータ及びセンサの移動及び測定をすべて制御する。また、制御ユニットLACUは、装置の動作に関連する所望の計算を実現するための信号処理及びデータ処理能力を含む。イントロダクションおよび請求項の用語では、これらの処理および制御機能の組み合わせは単に「コントローラ」と称される。実際には、制御ユニットLACUは、それぞれが装置内のサブシステム又はコンポーネントのリアルタイムデータ取得、処理、及び制御を処理する多くのサブユニットからなるシステムとして実現される。例えば、1つの処理サブシステムを基板位置決め装置PWのサーボ制御専用にすることができる。別々のユニットで粗動アクチュエータと微動アクチュエータ又は種々の軸を処理することもできる。他のユニットを位置センサIFの読み出し専用にすることも可能である。これらのサブシステム処理ユニット、オペレータ、リソグラフィ製造プロセスに関係するその他の装置と通信する中央演算処理装置により、装置の全体的な制御を制御することができる。
【0046】
図3は、アライメントセンサASの概略ブロック図である。照明サブシステム302において、センサ304は、緑(Gが付された)、赤(R)、近赤外(N)および遠赤外(F)と名付けられた4つの波長の放射を提供する4つの個別の光源を備える。以下の考察では便宜上、これら4つの異なる波長の放射は4色の放射で称されるが、それらが電磁スペクトルの可視部分または非可視部分かどうかは現在の目的において重要ではない。全ての光源は、直線偏光しており、GおよびN放射は互いに同じ方向に向いており、RおよびF放射がGおよびN放射に対して垂直に偏光している。
【0047】
4色は、偏光保持ファイバ306によってマルチプレクサ308に送られ、そこで4色全てを備える1つの結合ビーム310に結合される。
【0048】
結合ビーム310は、照明プロファイリング光学系314に送られる。その後、結合ビームは、適切なデリバリ光学系320を介して光学素子330(例えばビームスプリッタ)に進む。ビームはその後、光学素子330内部の例えば部分的な又は完全な反射面(例えば直径0.5mmのスポットミラー)で方向を変えられる。対物レンズ332は、ビームを狭ビームにフォーカスし、狭ビームは例えば基板W上のアライメントマーク340により形成される周期的構造(例えば回折格子)により反射および/または回折する。放射は、例えば開口数NA=0.6の対物レンズ332により集光される。このNA値により、各色に関して、16μmピッチの回折格子から少なくとも10次の回折を集光することが可能となる。
【0049】
情報搬送ビーム334を形成する反射/回折放射は、その後、自己参照干渉計336に送られる。干渉計336は、情報搬送ビームを直交偏光した2つの部分に分割し、これらの部分を光軸周りに互いに対して180°回転し、それらを出射放射ビーム342に結合する。出射放射ビームは干渉計から出射し、その後、ビームスプリッタ344は光信号をAおよびBで示される2つの経路に分割する。一方の経路は2つの回転フィールドの和を含み、他方は差を含む。最初の偏光方向によって、和は経路Aまたは経路Bとなる。従ってこの例では、GおよびNの和信号は一方の経路となり、RおよびFの和信号は他方の経路となる。各色に関し、対応する差信号は他方の経路となる。
【0050】
この配置では、各色の照明に対して1つの偏光が使用されている。読み取り間に偏光を変えることにより(又は読み取り内での時分割多重により)、色ごとに2つの偏光を用いた測定を行うこともできる。しかしながら、色および偏光のいくらかのダイバーシティから利益を享受しながら高いスループットを維持するために、異なるのではなくて1つの偏光を有する一組の異なる色は、ダイバーシティと測定スループット間で良好な妥協を示す。スループットに対する影響を与えることなくダイバーシティを高めるために、ここで示される4色スキームに類似した実施を考えることができるが、例えば8色や16色などのより多くの色を混合した偏光とともに用いることもできる。
【0051】
各経路AおよびBに関する放射は、それぞれのコレクタレンズアセンブリ346Aおよび346Bにより集光される。放射はその後、基板上のスポットの外部からの放射の大部分を除去するアパーチャ348Aおよび348Bを通過する。マルチモードファイバ350Aおよび350Bは、各経路の集光された放射を各デマルチプレクサ360Aおよび360Bに送る。ある実施形態では、基板上のスポットの外部からの放射を除去するためにマルチモードファイバを用いることができ、それにより、アパーチャ348Aおよび348Bの必要性がなくなる。デマルチプレクサは、各経路を元の4色に分離し、それによって全部で8つの光信号が検出器370Aおよび370Bに伝達される。一つの実際の実施形態では、ファイバがデマルチプレクサから検出回路基板上の8つの検出素子に進む。装置がマーク340をスキャンしたとき、検出器は、空間分解能を提供しないが、各色に関して時間的に変化する強度信号IAおよびIBを供給する。信号は実際には位置依存性の信号であるが、装置とマーク間の物理的なスキャン動作と同期した時間的に変化する信号(波形)として受信される。
【0052】
処理ユニットPUは、8つの検出器から強度波形を受信し、それらを処理して位置測定POSを提供する。異なる波長および入射偏光に基づく8つの信号から選択するので、装置は、いろいろな状況の有効な測定結果を得ることができる。この点に関して、異なる材質および構造の多数の層の下にマーク340が埋設されていてもよいことを覚えておくべきである。一部の波長は、他の波長よりも異なる材質および構造を貫通する。処理ユニットPUは、従来、波形を処理し、最も強い位置信号を提供しているものに基づいて位置測定を提供する。残りの波形は無視されてもよい。簡単な実施では、ターゲット構造の予備知識および実験的研究に基づいて、各測定タスクに対する「レシピ」が、どの信号を用いるかを指定してもよい。
【0053】
本実施例には、非対称性測定アレンジメント380が含まれる。アライメントのエラーの一つの原因は、マークを形成するフィーチャの非対称性、例えばフィーチャの側壁角や底面角の変動などであり、これは、例えば1つ以上の後続のプロダクトレイヤーに適用される処理に起因する可能性がある。非対称性を測定することにより、アライメントセンサにより提供される位置情報におけるマークの非対称性の影響を修正することが可能である。非対称性測定アレンジメント380は、干渉計336より前に位置するビームスプリッタ384を介して情報搬送ビーム334の一部382を受信する。非対称性測定情報を伝達する信号386は、アレンジメント380から処理ユニットPUに渡される。処理ユニットは、必ずしもアライメントセンサに不可欠ではなく、代わりに適切な方法でアライメントセンサに接続されてもよい。
【0054】
アライメントセンサは、上述したものに対して追加の光学コンポーネントおよび要素を備えてもよい。例えば、アライメントセンサは、例えば偏光子、四分の一波長板または二分の一波長板などの1つまたはいくつかのビーム整形コンポーネントを備えてもよい。
【0055】
図4を参照して、さらなる典型的なアライメントセンサ400をこれから説明する。
図3との比較を容易にするために、アライメントセンサの一部は
図3で用いたものと似た符号を付すが、符号の先頭を「3」に代えて「4」とする。当然ながら、以下に記載される各種素子は典型的なものであり、代替的なアレンジメントが想定されてもよいことを理解されたい。
【0056】
アライメントセンサには、放射源404を備える照明サブシステム402が接続される。放射源404は、特定の出力波長帯域を有する。出力波長帯域の正確な特性は、放射源の種類および特徴によって決まる。本実施例では、放射源404は、複数の光チャネルに細かく分割できるほど広い出力波長帯域を有するスーパーコンティニウム源である。各光チャネルは固有の中心波長を有する。各光チャネルは、機能的に、
図3を参照して上述したアライメントセンサにおいて説明した放射の「色」に似ている。空間的にコヒーレントであり、且つ適切な数の分離した光チャネルに細かく分割できるほど十分い広い出力スペクトルを有しているのであれば、放射源の種類は原則として重要ではないことを留意すべきである。
【0057】
放射源は、照明プロファイリング光学系414を通って伝播するビームを出射する。照明プロファイリング光学系414は、1つまたはいくつかの光学プロファイリング素子を備えてよい。本実施例では、プロファイリング光学系は、光学フィルタ414a、偏光子414bおよび色フィルタ414cを備える。光学フィルタ414aは、例えば500−900nmの波長の放射を通すバンドパスフィルタである。光学フィルタは、取り除かなければアライメントセンサの動作に影響を及ぼす可能性のある放射源スペクトルの不要部分を取り除くことを可能とする。偏光子414bは、システムにおける放射の偏光の制御を可能とする。色フィルタ414cは、照明サブシステムの出力スペクトルを正確に制御することを可能とする。ここで述べる光学プロファイリング素子は、光学プロファイリング素子の典型的な組み合わせに過ぎない。ここで述べる光学プロファイリング素子の一部または全部が省略されてもよいし、他の光学プロファイリング素子と組み合わせて用いられてもよい。照明プロファイリング光学系414で用いられる光学プロファイリング素子の種類および光学特性は、照明サブシステムにより出射される放射ビーム410の所望の光学特性だけでなく、放射源404の光学特性によっても決まる。
【0058】
放射ビーム410は、出力部418を介して入力ファイバ416に送られる。出力部は、入力ファイバが隣接する簡素なコネクタプレートを備えてよい。入力ファイバは、アライメントセンサの入力部419に接続される。一実施例では、入力部は、入力ファイバと隣接するコネクタプレートを備える。
【0059】
放射ビームは、複数のビームスプリッタ492,494,495を通過する。各ビームスプリッタは、放射ビームの一部分を分離するよう機能する。一実施例では、ビームスプリッタはそれぞれ、放射ビームの5%を分離する。別の実施例では、一部分は、1%、2%、3%または10%であってよい。原理上は、放射ビームの所望の一部分をビームスプリッタで分離することができる。ビームスプリッタ492,494で分離される放射ビームの一部分の機能については以下で述べる。ビームスプリッタ495で分離された放射ビームの一部分は、強度正規化検出素子488に伝播する。当然ながら、ビームスプリッタ492,494,495のアレンジメントは典型的なものであり、他のアレンジメントが可能であることを理解されたい。
【0060】
アライメントセンサは、任意に、放射ビームが伝播する1つまたはいくつかの更なる光学コンポーネント422を備える。一実施例では、更なる光学コンポーネントは、四分の一波長板または二分の一波長板を備える。
【0061】
放射ビームはその後、例えば光学コンポーネント420を介して、光学コンポーネント430(例えばビームスプリッタ)に伝播する。
図3を参照して説明した光学コンポーネントと同様に、放射ビームはその後、光学コンポーネント430の内部の部分的または完全な反射面430aで方向を変えられる。
【0062】
ビームは対物レンズ462を通過し、アライメントマーク440で反射/回折する。アライメントマークで反射/回折した放射により形成される情報搬送ビーム434は、対物レンズ432および光学コンポーネント430を通って戻る。
【0063】
情報搬送ビーム434はその後、ビームスプリッタ484,485を通過する。各ビームスプリッタは、情報搬送ビーム434の一部分を分離する。本実施例では、各ビームスプリッタは、情報搬送ビームの強度の10%を分離するが、原理上は所望のパーセンテージ(例えば1%、2%、5%、7%または20%)を分離することができる。情報搬送ビームから分離した放射ビームはその後、ビームスプリッタのアレンジメント444および光学コンポーネントのアレンジメント446を通って伝播する。
【0064】
情報搬送ビーム434は、自己参照干渉計436を通って伝播する。干渉計は、情報搬送ビームを2つの出射ビーム:回転フィールドの和を含む第1出射ビーム442aおよび回転フィールド間の差を含む第2出射ビームに分割する。この実施例では、1つの干渉計が示されているが、いくつかの干渉計を用いて情報搬送ビームを分離できることを留意されたい。別の実施例では、2つの干渉計が用いられ、各干渉計は、アライメントマークで反射/回折した放射の特定の偏光状態を有する。第1出射ビームおよび第2出射ビームは、ビームスプリッタのアレンジメント444および光学コンポーネントのアレンジメント446を通って伝播する。
【0065】
ビームスプリッタのアレンジメント
444は、入力ビームのそれぞれが水平成分と垂直成分に分離されるよう構成される。水平および垂直成分のそれぞれは、その後、光学コンポーネントのアレンジメント446の別々の光学コンポーネントに導かれる。本実施例では、各コンポーネントは1つの集束レンズであるが、これは典型例に過ぎない。
【0066】
光学コンポーネントのアレンジメントにより出射された放射ビームは、デリバリ素子450中に結合される。本実施例では、デリバリ素子450は、マルチコア光ファイバである。各放射ビームは、デリバリ素子の異なる物理チャネル中に、すなわち、マルチコアファイバの異なるコア中に結合される。さらに、ビームスプリッタ492および494により放射ビーム410から分離された一部分のそれぞれが、デリバリ素子450中に結合される。
【0067】
デリバリ素子は、デマルチプレクサ460の入力部に結合される。以下で詳細に説明するように、デマルチプレクサは、デリバリ素子450のそれぞれのコア内の放射ビームの全てをデマルチプレックスする。対照的に、
図3のアライメントセンサASでは、各放射ビームは別々のデマルチプレクサによりデマルチプレックスされる。デマルチプレックスされた放射ビームは、その後、多数の出力ファイバ中に結合され、それらは順々に1つ以上の処理ユニットの各入力に結合される。具体的には、第1出射ビーム442aおよび第2出射ビーム442bの水平および垂直成分は、位置検出ユニット490の入力部に結合される。ビームスプリッタ484,485により情報搬送ビームから分離された一部分の水平および垂直成分は、非対称性測定アレンジメントの入力部に結合される。さらに、ビームスプリッタ492および494により放射ビーム410から分離された一部分のそれぞれは、非対称性測定アレンジメント480に結合される。更なる基礎的な情報に関しては、全体として参照により本明細書に援用される「偏光依存干渉計(Polarization Independent Interferometer)」というタイトルの国際特許出願公開第WO2015/051970号を参照されたい。
【0068】
図5は、マルチコア光ファイバ500の形態の典型的なデリバリ素子の断面図を示す。このファイバは、複数の個別のファイバコア502を備える。各ファイバコアは、アライメントセンサからの複数の光出力部の一つからの放射ビーム504を運ぶ。本実施例では、マルチコアファイバは、10個のコアを備えるが、この数は多くすることもできるし少なくすることもできる。放射ビーム504のそれぞれは、複数の光チャネルを備える。各光チャネルは、異なる中心波長を有する。
【0069】
上述した両方の典型的なアライメントセンサは、少なくとも1つのマルチプレクサおよび1つ以上のデマルチプレクサを備える。上述したように、マルチプレクシングにより、複数の波長を用いることが可能となる。
【0070】
図3で説明したアライメントセンサは、1つの強度チャネル(「ビーム」と称される)を備え、4つのマルチプレックスされた光チャネル(
図3では「色」と称され、G,R,N,Fと符号が付されている)を備える。
図3を参照して説明したように、1つの強度チャネルは、自己参照干渉計を通過した後に2つの成分に分割される。各成分は、別々にデマルチプレックスされ、したがって、2つの成分の光チャネルのそれぞれを分離するために2つのデマルチプレクサの使用を含む。
【0071】
図4で説明した典型的なアライメントセンサは、10個の強度チャネルを備え、そのそれぞれは、10個のマルチプレックスされた光チャネルを備える。既知のアレンジメントを用いて、強度チャネルの全てをデマルチプレックスするために、10個のデマルチプレクサを用いて強度チャネルの全てをデマルチプレックスする。そのときに、各デマルチプレクサ、および光学コンポーネントは、完全に同じように動作するよう調和されなければならない。前述したように、このような要求を満たすことは、多数の光学コンポーネントを必要とするために、時間がかかるとともに費用がかかる。
【0072】
ここで、複数の光チャネルから成る強度チャネルをデマルチプレックスする典型的な方法を
図6を参照して説明する。この方法は、以下で詳細に説明されるように、複数の強度チャネルで同時に実行され得る。すなわち、
図4を参照して説明したデマルチプレクサ460により実行され得る。
【0073】
本方法600の第1ステップでは、入力放射ビームが受信される。入力放射ビームは、入力放射ビームを出射する放射源によって決まる第1波長帯域を備える(602)。
【0074】
受信された後、入力放射は、デマルチプレクサの第1段において2つの放射ビーム部分に分割される(604)。
【0075】
放射ビーム部分はその後、デマルチプレクサの後段に送られる(606)。後段が最終段でない場合、後段に送られた各放射ビーム部分は、2つの更なる放射ビーム部分に分割される。更なる放射ビーム部分のそれぞれは、その後、さらに後段に送られる。
【0076】
ステップ604および606は、放射ビーム部分が最終段に到達するまで繰り返される。最終段では、放射ビーム部分は、デマルチプレクサの1つ以上の出力部に送られる(608)。
【0077】
図7および
図8を参照して、典型的なデマルチプレクサ700を説明する。
図5で述べたマルチコア光ファイバなどの光ファイバ702は、デマルチプレクサの入力部に結合される。光ファイバ702の各コアは、従って、それ自身の出力位置を有する。
図7の実施形態では、デマルチプレクサの入力部は、正レンズ704である。
【0078】
以下では、光ファイバ702は複数の放射ビームを導光するが、1つの放射ビームのみについて言及されることを留意されたい。当然のことながら、デマルチプレクサは、全ての放射ビームに対して機能的に同じであり、1つの放射ビームを詳細に説明すれば十分である。
【0079】
さらに、以下で説明される典型的なデマルチプレクサのコンポーネントのアレンジメントは、例示的な目的だけのために2次元であることを留意されたい。実際には、例えば、デマルチプレクサによって占有されるスペースの量を減らすために、コンポーネントは3次元に配置されてよい。加えて、以下の例では例示的な目的だけのために、個々のデマルチプレクシングコンポーネントへの入射ビームの入射角(AOI)は、45度である。実際には、ビームフロントの歪みを避けるためにできるだけ0度に近いAOIを維持することが望ましい。一実施形態では、AOIは7度であり、これはビームフロントの歪みの許容量を提供することが分かっている。
【0080】
デマルチプレクサは、これから詳細に説明されるように、1つ以上のデマルチプレクシングコンポーネントごとに、直列に配置される複数の段を備える。各段は、その直接前段の2倍の数のデマルチプレクシングコンポーネントを備える。所与のデマルチプレクサの段数は、デマルチプレックスされるべき光チャネルの数によって決まる。デマルチプレクサ600によってデマルチプレックスできる光チャネルの最大数は、段数の関して、N
DEMUX=2
kの式により与えられる。ここで、kはデマルチプレクサの段数である。本実施例では、デマルチプレックスできる光チャネルの最大数は、N
DEMUX=2
4=16である。
【0081】
デマルチプレクサの第1段は、第1デマルチプレクシングコンポーネント706を備える。第1デマルチプレクシングコンポーネントは、入力放射ビームを第1放射ビーム部分716aと第2放射ビーム部分716bに分割するよう機能する。本実施例では、第1デマルチプレクシングコンポーネントは、第1放射ビーム部分のスペクトル816aが入力放射ビームのスペクトルの前半部分を含み、第2放射ビーム部分のスペクトル816bが入力放射ビームのスペクトルの後半部分を含むように、入力放射ビームを分割するよう機能する。もちろん、入力放射ビームのスペクトルは、例えば入力放射ビームのスペクトルが放射ビーム部分間で不均等に分割されるといったように、任意の適切な方法で分割できることを理解されたい。例えば、第1放射ビーム部分のスペクトルが入力放射ビームのスペクトルの1/4または1/3であり、第2放射ビーム部分のスペクトルが入力放射ビームのスペクトルの3/4または2/3である実施形態が想定されてもよい。これらの割合はただの例示であり、原理上は入力放射ビームのスペクトルを任意の適切な方法または所望の方法で分割することができる。
【0082】
デマルチプレクサ700の第2段は、2つのデマルチプレキシングコンポーネント708a,708bを備える。これらのデマルチプレキシングコンポーネント708a,708bの両方は、第1デマルチプレクシングコンポーネント706と機能的に同じである。デマルチプレキシングコンポーネント708aは、入力として第1放射ビーム部分716aを受け取り、第1デマルチプレクシングコンポーネント706と同様の方法で、入力を2つの同一の放射ビーム部分718a,718bに分割する。放射ビーム部分718aは、入力スペクトルの前半部分、すなわち、第1放射ビーム部分716aのスペクトル816aから成るスペクトル818aを有する。同様に、放射ビーム部分718bは、第2放射ビーム部分716bのスペクトルの後半部分816bから成るスペクトル816bを有する。
【0083】
同様に、デマルチプレキシングコンポーネント708bは、入力として第
2放射ビーム部分716
bを受け取り、入力を2つの同一の放射ビーム部分718c,718dに分割する。
【0084】
デマルチプレクサ700の第3段は、第1および第2段と実質的に同じように機能する。本実施形態では、第3段は、4つのデマルチプレキシングコンポーネント710a,710b,710c,710dを備え、それぞれが第1および第2段のデマルチプレキシングコンポーネントと機能的に同一である。一例として、ここではデマルチプレキシングコンポーネント710aの動作を説明する。デマルチプレキシングコンポーネント710aは、入力として第1放射ビーム部分718aを受け取り、それを2つの放射ビーム部分720a,720bに分割する。放射ビーム部分720aは、入力スペクトルの前半部分、すなわち、放射ビーム部分718aのスペクトル818aから成るスペクトル820aを有する。同様に、放射ビーム部分720bは、放射ビーム部分718bのスペクトルの後半部分818bから成るスペクトル820bを有する。
【0085】
残りのデマルチプレキシングコンポーネントは、類似した方法で機能する。デマルチプレキシングコンポーネント710bは、放射ビーム部分718bを放射ビーム部分720cおよび720dに分割する。デマルチプレキシングコンポーネント710cは、放射ビーム部分718cを放射ビーム部分720eおよび720fに分割する。デマルチプレキシングコンポーネント710dは、放射ビーム部分718dを放射ビーム部分720gおよび720hに分割する。
【0086】
デマルチプレクサ700の第4段は、第1、第2および第3段のそれぞれと実質的に同じように機能する。本実施形態では、デマルチプレクサの第4段は、8つのデマルチプレキシングコンポーネント712a,712b,712c,712d,712e,712f,712g,712hを備え、それぞれが第1、第2および第3段のデマルチプレキシングコンポーネントと機能的に同一である。一例として、デマルチプレキシングコンポーネント712aは、入力として第1放射ビーム部分720aを受け取り、それを2つの放射ビーム部分722a,722bに分割する。放射ビーム部分722aは、入力スペクトルの前半部分、すなわち、放射ビーム部分720aのスペクトル820aから成るスペクトル822aを有する。同様に、放射ビーム部分722bは、放射ビーム部分720bのスペクトルの後半部分820bから成るスペクトル822bを有する。
【0087】
残りのデマルチプレキシングコンポーネントは、類似した方法で機能する。デマルチプレキシングコンポーネント712bは、放射ビーム部分720bを放射ビーム部分722cおよび722dに分割する。デマルチプレキシングコンポーネント712cは、放射ビーム部分720cを放射ビーム部分722eおよび722fに分割する。デマルチプレキシングコンポーネント712dは、放射ビーム部分720dを放射ビーム部分722gおよび722hに分割する。デマルチプレキシングコンポーネント712eは、放射ビーム部分720eを放射ビーム部分722iおよび722jに分割する。デマルチプレキシングコンポーネント712fは、放射ビーム部分720fを放射ビーム部分722kおよび722lに分割する。デマルチプレキシングコンポーネント712gは、放射ビーム部分720gを放射ビーム部分722mおよび722nに分割する。デマルチプレキシングコンポーネント712hは、放射ビーム部分720hを放射ビーム部分722oおよび722pに分割する。
【0088】
図7の実施形態において、デマルチプレクサ700の第4段の複数の放射ビーム部分722a−pのそれぞれは、その後、それぞれレンズ723a−pを介して、複数のデマルチプレクサ出力部724a−pの一致する一つに伝播する。レンズ723a−pのうちいずれかに加えてレンズ704およびレンズ704とレンズ723a−pとの間の光路に沿ったデマルチプレキシングコンポーネントはともに、投影システムを形成する。例えば、レンズ704,723nおよびデマルチプレキシングコンポーネント706,708b、710d、712gはともに、光ファイバ702のコアの出力位置により形成される物体からの像を投影するよう構成される投影システムを形成する。このような投影システムは、従って、コアにおけるビームの分離を維持することができる。本実施例では、デマルチプレクサ出力部のそれぞれは、コネクタプレートを備える。これにより、放射ビーム部分のそれぞれを、例えば光ファイバなどの各接続素子に直接結合することができる。接続素子は、例えば
図4で説明した位置検出アレンジメント490または非対称性測定アレンジメント480などに放射を導くために用いることができる。当然のことながら、デマルチプレクサ出力部724a−pは、他の種類の接続素子への接続に適した異なるコネクタを同様に良好に備えることができることを留意すべきである。例えば、デマルチプレクサ出力部は、ファイバ702のダイバージェンスを補償するためのリレー光学系を備えてもよい。
【0089】
当然ながら、デマルチプレクサは多数の特定の方法で実現されうることを理解されたい。例えば、1つの典型的な実施形態では、デマルチプレクサは、ビームが大気ガス(例えば空気)を通って伝播する「伝統的な」光学コンポーネントを用いて実現されてよい。別の実施形態では、デマルチプレクサは、集積光学素子を用いて基板上に形成されてもよい。その他の実現も想定されてよい。
【0090】
本明細書ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用を例として説明しているが、リソグラフィ装置は他の用途にも適用することが可能であるものと理解されたい。他の用途としては、集積光学システム、磁区メモリ用案内パターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどがある。当業者であればこれらの他の適用に際して、本明細書における「ウェーハ」あるいは「ダイ」という用語がそれぞれ「基板」あるいは「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義であるとみなされると理解することができるであろう。基板は露光前または露光後においてトラック(典型的にはレジスト層を基板に塗布し、露光後のレジストを現像する装置)、メトロロジツール、及び/またはインスペクションツールにより処理されてもよい。適用可能であれば、本明細書の開示はこれらのまたは他の基板処理装置にも適用され得る。また、基板は例えば多層ICを製造するために複数回処理されてもよく、その場合には本明細書における基板という用語は既に処理されている多数の処理層を含む基板をも意味する。
【0091】
以上では光学リソグラフィとの関連で本発明の実施形態の使用に特に言及しているが、本発明は、インプリントリソグラフィなどの他の用途においても使用可能であり、状況が許せば、光学リソグラフィに限定されないことが理解される。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイスのトポグラフィによって、基板上に生成されるパターンが画定される。パターニングデバイスのトポグラフィを基板に供給されたレジストの層に押しつけ、その後に電磁放射、熱、圧力またはその組合せにより、レジストを硬化する。パターニングデバイスをレジストから離し、レジストを硬化した後にパターンを残す。
【0092】
本書で用いられる「放射」および「ビーム」の用語は、いかなる種類の電磁的な放射を包含し、紫外(UV)放射(例えば、365、355、248、193、157または126nmの波長またはその近傍の波長を有する)および極端紫外(EUV)放射(例えば、5−20nmの範囲の波長を有する)を含むとともに、イオンビームや電子ビームといった粒子ビームをも含む。
【0093】
「レンズ」の用語は、文脈が許される場合において、屈折型、反射型、磁気型、電磁気型および静電型の光学素子を含む任意の種類の光学素子の任意の一つまたは組み合わせと称されてもよい。
【0094】
これまで本発明の特定の実施形態を記載したが、記載した以外の別の態様で本発明を実施してもよいことを理解されたい。例えば、本発明の実施形態は、上記のような方法を記載する機械読み取り式命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又は、このようなコンピュータプログラムを内蔵するデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気、又は光ディスク)の形態をとってもよい。
【0095】
上記の説明は、制限ではなく例示を意図したものである。したがって、当業者には明らかなように、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本記載の発明に変更を加えてもよい。