(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記決定することは、既知の特徴を有する較正マークについての較正測定の結果を用いて較正アライメント信号を生成し、前記較正アライメント信号から前記アライメント信号と前記セグメントの前記位置との間の関係が決定され得る、請求項1の方法。
前記第1のセグメントは解像度フィーチャの中心と空間領域の中心との間の位置オフセットの第1の既知の成分を有するサブセグメント化された格子を備え、前記第2のセグメントは解像度フィーチャの中心と空間領域の中心との間の位置オフセットの第2の既知の成分を有するサブセグメント化された格子を備え、前記位置オフセットの第1の既知の成分は前記位置オフセットの第2の既知の成分と異なる、請求項1から8のいずれかの方法。
前記基板は第1及び第2のターゲット部分を備え、前記アライメントマークが連結フィールド内アライメントマークになるように、前記第1のセグメントは前記第1のターゲット部分に位置し、前記第2のセグメントは前記第2のターゲット部分に位置している、請求項1から9のいずれかの方法。
第1のアライメントマークセグメントのみの照明の際に受信される第1の成分と、第2のアライメントマークセグメントのみの照明の際に受信される第2の成分と、両アライメントマークセグメントの同時照明の際に受信される第3の成分と、を含むアライメント信号を受信するように、及び
前記アライメント信号の前記第1の成分、前記第2の成分、及び前記第3の成分を用いて前記アライメントマークセグメントの位置を決定するように構成され、
前記決定することは、前記アライメント信号の前記第3の成分をデコンボリューションすることを含む、プロセッサ。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本発明の第1の態様によれば、基板上のアライメントマークの位置を決定する方法が提供され、アライメントマークは第1のセグメント及び第2のセグメントを備えており、この方法は、アライメントマークを放射で照明し、アライメントマークによって回折された放射を検出し、その結果もたらされるアライメント信号であって第1のセグメントのみの照明の際に受信される第1の成分(component)と、第2のセグメントのみの照明の際に受信される第2の成分と、両セグメントの同時照明の際に受信される第3の成分と、を含むアライメント信号を生成することと、アライメント信号の第1の成分、第2の成分、及び第3の成分を用いてセグメントの位置を決定することと、を備える。
【0007】
[0007] この方法は、2つのアライメントセグメントの照明の際に受信される第3の成分を含むアライメント信号を有効利用する。この方法は、アライメントマークの寸法が縮小されることを可能にし、したがって、アライメントシステムを用いて行われる測定の正確性及び/又は再現性に影響を及ぼすことなく、基板上に所望のパターンをプリントするためのより大きな空間を与える。代替的には、この方法は、測定の再現性及び/又は正確性に容認できないほど大きな影響を有することなく、アライメントマークの合計寸法が有意に縮小されるように、アライメントセグメント間の距離が除去されること及びアライメントセグメントの長さが縮小されることを可能にし得る。代替的には、この方法は、アライメントマークを用いて行われる測定の再現性及び/又は正確性を向上させつつアライメントセグメントの寸法が維持されることを可能にし得る。
【0008】
[0008] 決定することは、既知の特徴を有する較正マークについての較正測定の結果を用いて較正アライメント信号を生成することを含んでいてもよく、この較正アライメント信号からアライメント信号とセグメントの位置との間の関係が決定され得る。
【0009】
[0009] 較正測定を実施することは、アライメント信号とセグメントの位置との間の関係を決定する単純な手法を提供し、これは解析式が定式化され解かれることを要さない。単一の較正アライメント信号が複数の異なるアライメント信号に近似されてもよく、又は、所望の場合には複数のタイプのアライメントマークについて複数の較正測定が実施されてもよい。較正測定が実施されてもよく、その結果が将来の使用のために記憶されてもよい。
【0010】
[0010] 決定することは、較正アライメント信号をアライメント信号に近似させることを含み得る。
【0011】
[0011] 較正アライメント信号をアライメント信号に近似させることは、セグメントの位置を決定する、演算的に迅速且つ比較的単純な手法である。
【0012】
[0012] 決定することは、アライメント信号の第3の成分をデコンボリューションすることを含み得る。
【0013】
[0013] デコンボリューションは、放射のプロファイルの寸法及び形状の知識と、第1及び第2の成分の知識とに基づいていてもよい。
【0014】
[0014] デコンボリューションは、1つ以上の関数をアライメント信号に近似させることを含み得る。
【0015】
[0015] 較正アライメント信号は、アライメント信号の第3の成分をデコンボリューションするために用いられてもよい。
【0016】
[0016] 較正測定を用いて(例えば1つ以上の関数の形を決定することによって)アライメント信号の第3の成分をデコンボリューションすることは、第3の成分をコンボリューションするために用いられ得る解析式を構築することよりも迅速且つ単純であろう。
【0017】
[0017] 1つ以上の関数は、正弦関数及び/又は余弦関数であってもよい。
【0018】
[0018] 正弦関数及び余弦関数は、アライメント信号のような周期的に変動する信号を表すとともに解析するのに便利な手法である。
【0019】
[0019] 決定することは、アライメント信号を複数の部分に分けること、及び各部分を解析してアライメント信号から局所位相情報を抽出することを伴い得る。
【0020】
[0020] アライメント信号の位相の変動を放射の位置の関数として生成するために、アライメント信号の各部分の解析の結果が組み合わされてもよく、アライメント信号の位相の変動はセグメントの位置を決定するのに用いられる。
【0021】
[0021] 各部分は別個であってアライメント信号の整数個の周期で成っていてもよく、アライメント信号の各部分を解析することは、アライメント信号の各部分に対して高速フーリエ変換を行うことを含み得る。
【0022】
[0022] 高速フーリエ変換は、アライメント信号を解析する、演算的に迅速な方法である。
【0023】
[0023] アライメント信号の各部分を解析することは、1つ以上の関数をアライメント信号の各部分に近似させることを含み得る。
【0024】
[0024] 較正アライメント信号は、1つ以上の関数の形を決定するために用いられてもよい。
【0025】
[0025] 1つ以上の関数は、正弦関数及び/又は余弦関数であってもよい。
【0026】
[0026] アライメント信号の各部分を解析することは、1つ以上の近似された関数を複数の部分に分けること、及びそれらの部分に対してウィンドウ解析を実施することを更に含み得る。
【0027】
[0027] ウィンドウ解析とは、比較的容易にアライメント信号に適用され得る、しっかりと確立した信号解析技術である。異なるアライメント信号には異なるウィンドウ関数が選択されてもよく、セグメントの位置の決定に柔軟性をもたせることができる。
【0028】
[0028] 較正アライメント信号は、1つ以上の関数の形を決定するために用いられてもよい。
【0029】
[0029] 部分は重複していてもよく、各部分を解析することは、それらの部分に対して非矩形ウィンドウ処理解析を実施することを含み得る。
【0030】
[0030] 非矩形ウィンドウ処理解析を用いることは、アライメント信号がどのように分けられるかにより大きな柔軟性をもたせることができる。
【0031】
[0031] 決定することは、アライメント信号に対してヒルベルト変換を実施して複素アライメント信号を生成することを含み得る。
【0032】
[0032] ヒルベルト変換を実施することは、有利なことには、セグメントの位置を演算的に計算するのに、他の方法よりもかかる時間が少なくなり得る。ヒルベルト変換アプローチは、低強度アライメント信号及び/又は基板処理効果などの測定擾乱に対して強いであろう。
【0033】
[0033] 複素アライメント信号の引数を決定することによって、アライメント信号のヒルベルト変換から局所アライメント位相情報が抽出され得る。
【0034】
[0034] アライメント信号は狭帯域アライメント信号の寄与の混合を含んでいてもよく、アライメント信号の寄与に対してヒルベルト変換が実施される前にアライメント信号の寄与を分離するために帯域通過フィルタが用いられてもよい。
【0035】
[0035] セグメントの長さは、そのセグメントを測定するために用いられる放射ビームプロファイルの直径に依存し得る。セグメントの長さは、40マイクロメートル以上の範囲内であってもよい。セグメントの長さは、200マイクロメートル以下であってもよい。例えば、セグメントの長さは、40〜80マイクロメートルの範囲内であってもよい。
【0036】
[0036] 広い基板空間をとることなく正確且つ再現可能なアライメント位置測定を実施する能力は、所望のパターンをプリントするために基板上でより大きな空間が利用可能となるため、リソグラフィ用途においては非常に有利である。
【0037】
[0037] セグメントは、同一のピッチ及び同一の配向を有する周期構造を備え得る。
【0038】
[0038] 第1のセグメントは解像度フィーチャの中心と空間領域の中心との間の位置オフセットの第1の既知の成分を有するサブセグメント化された格子を備えていてもよく、第2のセグメントは解像度フィーチャ(resolution feature)の中心と空間領域の中心との間の位置オフセットの第2の既知の成分を有するサブセグメント化された格子を備えていてもよく、位置オフセットの第1の既知の成分は位置オフセットの第2の成分と異なる。
【0039】
[0039] サブセグメント化されたアライメントマークは、放射に露光されたときに製品フィーチャと同様に振る舞うという利点を提供する。続いて露光される、基板上に存在するサブセグメント化されたアライメントマークと同様の解像度及び/又は密度を有する製品フィーチャを含むダイは、サブセグメント化されたアライメントマークを用いて製品フィーチャを基板上に整列させることによって、意図される位置により良好に整列され得る。サブセグメント化されたアライメントマークを用いて行われる測定の正確性に妥協することなくサブセグメント化されたアライメントマークの寸法を縮小する能力は、有益である。
【0040】
[0040] 基板は第1及び第2のターゲット部分を備えていてもよく、アライメントマークが連結フィールド内アライメントマークになるように、第1のセグメントは第1のターゲット部分に位置していてもよく、第2のセグメントは第2のターゲット部分に位置していてもよい。
【0041】
[0041] フィールド内アライメントマーク測定は、より小さなフィールド内アライメントマークを許容することによって、そのような測定の正確性及び再現性に影響を及ぼすことなく、より効率的に行われ得る。小さな連結アライメントマークの使用は、フィールド内アライメントマーク測定がより少ない時間で実施されることを有利に可能にするとともに、リソグラフィ装置を用いてデバイスのスループットを増大させることを可能にし得る。
【0042】
[0042] 放射は複数の偏光及び/又は複数の波長を含み得る。
【0043】
[0043] 異なる波長又は異なる偏光を有する放射ビームを用いてアライメントマークの位置測定を実施することは、アライメントマークの異なる特性が測定及び/又は説明されることを有利に可能にし、例えば、異なる基板層構造は、異なる波長又は異なる偏光を有する放射ビームとは、異なる相互作用をし得る。
【0044】
[0044] 本発明の第2の態様によれば、基板を保持する基板テーブルと、その基板テーブルによって保持された基板のターゲット部分にパターニングされた放射ビームを投影する投影システムと、本発明の第1の態様の方法又はその関連するオプションのいずれかを実施するように構成されたアライメントシステムと、を備えるリソグラフィ装置が提供される。
【0045】
[0045] 本発明の第3の態様によれば、放射源と、ディテクタと、プロセッサと、を備えるアライメントシステムが提供され、プロセッサは、第1のアライメントマークセグメントのみの照明の際に受信される第1の成分と、第2のアライメントマークセグメントのみの照明の際に受信される第2の成分と、両アライメントマークセグメントの同時照明の際に受信される第3の成分とを含むアライメント信号をディテクタから受信するように、及びアライメント信号の第1の成分と、第2の成分と、第3の成分とを用いてアライメントマークセグメントの位置を決定するように構成されている。
【0046】
[0046] 本発明の第4の態様によれば、第1のアライメントマークセグメントのみの照明の際に受信される第1の成分と、第2のアライメントマークセグメントのみの照明の際に受信される第2の成分と、両アライメントマークセグメントの同時照明の際に受信される第3の成分とを含むアライメント信号を受信するように、及びアライメント信号の第1の成分と、第2の成分と、第3の成分とを用いてアライメントマークセグメントの位置を決定するように構成されたプロセッサが提供される。
【0047】
[0047] 本発明の第5の態様によれば、コンピュータ可読コードを記憶するコンピュータ可読媒体が提供され、このコードは、リソグラフィ装置に、本発明の第1の態様の方法又はその関連するオプションのいずれかを実施させる。
【発明を実施するための形態】
【0050】
[0049] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板プロセスツールに適用することができる。更に基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
【0051】
[0050] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nmもしくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)及び極端紫外線(EUV)放射(例えば、5nm〜20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
【0052】
[0051] 本明細書で使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成する等のため、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得るデバイスを指すものとして広義に解釈されるものとする。ここで、放射ビームに付与されるパターンは、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しない場合があることに留意するべきである。一般的に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路等のターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
【0053】
[0052] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、更には様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例は、小型ミラーのマトリクス構成を使用し、ミラーの各々は、入射する放射ビームを異なる方向に反射するように個別に傾けることができる。このようにして、反射ビームがパターニングされる。
【0054】
[0053] 支持構造はパターニングデバイスを保持する。支持構造は、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。サポートは、機械式クランプ、真空、又は他のクランプ技術、例えば真空条件下での静電クランプを使用することができる。支持構造は、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
【0055】
[0054] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、適宜、例えば露光放射の使用、あるいは浸漬液の使用又は真空の使用などの他の要因に対する、屈折光学システム、反射光学システム、及び反射屈折光学システムを含む、様々なタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これは更に一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
【0056】
[0055] また、照明システムは、放射ビームを誘導し、整形し、又は制御する屈折、反射、及び反射屈折光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントを含んでよく、そのようなコンポーネントも以下においては集合的に又は単独で「レンズ」とも呼ばれることがある。
【0057】
[0056] リソグラフィ装置は、投影システムの最終要素と基板との間の空間を充填するように、基板が比較的高い屈折率を有する液体、例えば水などに液浸されるタイプであってもよい。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために当技術分野で周知である。
【0058】
[0057]
図1は、本発明の特定の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示す。この装置は、
[0058] 放射(例えばDUV放射又はEUV放射)のビームPBを調節するための照明システムILと、
[0059] パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するための、アイテムPLに対してパターニングデバイスを正確に位置決めするように第1の位置決めデバイスPMに接続された支持構造(マスクテーブルと称されることもある)MTと、
[0060] 基板(例えばレジスト被覆ウェーハ)W2を保持する、アイテムPLに対して基板を正確に位置決めするために第2の位置決めデバイスPW2に接続された基板テーブル(ウェーハテーブルと称されることもある)WT2と、
[0061] 基板W1を保持する、アイテムASに対して基板を正確に位置決めするために第3の位置決めデバイスPW3に接続された別の基板テーブルWT1と、
[0062] 基板W2のターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)上に、パターニングデバイスMAによって、放射ビームPBに付与されたパターンを結像するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズ)PLと、を備える。
【0059】
[0063] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する)。
【0060】
[0064] イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
【0061】
[0065] イルミネータILは、ビームの角度強度分布を調整する調整手段AMを備えていてもよい。通常、イルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲を調整することができる。また、イルミネータILは、一般に、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の様々なコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータを用いて放射ビームPBを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
【0062】
[0066] 放射ビームPBは、支持構造MT上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射する。パターニングデバイスMAを通過したビームPBは、レンズPLを通過し、レンズPLはビームを基板W2のターゲット部分C上に合焦させる。第2の位置決めデバイスPW2及び位置センサIF(例えば干渉計装置)の助けにより、基板テーブルWT2を、例えば様々なターゲット部分CをビームPBの経路に位置決めするように正確に移動できる。同様に、第1の位置決めデバイスPM及び別の位置センサ(
図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などにビームPBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めできる。一般に、オブジェクトテーブルMT及びWTの移動は、位置決めデバイスPM及びPWの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。しかしながら、(スキャナとは対照的に)ステッパの場合、支持構造MTはショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。
【0063】
[0067] リソグラフィ装置は、例えば、パターニングデバイスからターゲット部分Cにパターンを投影するときに、パターニングデバイスMA及び基板W2をスキャン動作によって移動させてもよい。
図1にはデカルト座標が示されている。従来通り、z方向は放射ビームPBの光軸に一致する。リソグラフィ装置がスキャン型リソグラフィ装置である一実施形態においては、y方向はスキャン動作の方向に一致する。
【0064】
[0068] 図示するように、リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブルWT1,WT2を有するタイプのものであってもよい。デュアルステージのリソグラフィ装置においては、別の基板W2の露光が行われている最中に1つの基板W1の特性が測定されることを可能にするために、2つの基板テーブルWT1,WT2が設けられている(「基板の露光」とは、上述したような基板へのパターニングされた放射の投影を意味する)。
【0065】
[0069]
図1に図示されるデュアルステージのリソグラフィ装置では、図の左側にアライメントシステムASが設けられ、図の右側に投影システムPLが設けられている。アライメントシステムASは、第1の基板テーブルWT1上に保持された基板W1に設けられたアライメントマーク(ボックスP1,P2によって概略的に図示されている)の位置を測定する。同時に、投影システムPLによって、第2の基板テーブルWT2上に保持された基板W2にパターンが投影される。第1の基板テーブルWT1によって支持された基板W1の測定が完了し、且つ第2の基板テーブルWT2によって支持された基板W2の露光が完了すると、基板テーブルの位置は交換される。そして、第1の基板テーブルWT1によって支持された基板W1が、投影システムPLによって投影されたパターニングされた放射を用いて露光される。第2の基板テーブルWT2によって支持された、既に露光されたウェーハW2は、後続の処理のために基板テーブルから取り外される。次いで、投影システムPLによって投影されるパターニングされた放射を用いた露光の前にアライメントシステムASによって測定するために、別の基板が第2の基板テーブルWT2に設置される。
【0066】
[0070] 基板W1,W2上のアライメントマークの位置を測定するために用いられるアライメントシステムASに加えて、他の測定システムが提供されてもよい。例えば、基板の表面のトポロジーを測定するシステムが提供されてもよい(これはレベルセンサと称されることもある)。アライメント測定の際の基板テーブルWT1の位置を監視するために、干渉計(図示しない)及び/又は他の位置測定手段が用いられてもよい。プロセッサPRは、アライメントシステムASからデータを受信するとともに、基板テーブルWT1の位置情報も受信する。プロセッサPRは、本明細書に記載された本発明のいずれかの実施形態による方法のうちいずれかを実施するように構成されていてもよい。基板Wは基板テーブルWT1に固定されているので、基板テーブルに関する位置情報は、基板に関する位置情報であると見なされ得る。
【0067】
[0071] アライメントシステムASは、アライメントマークP1,P2を照明するために用いられる放射ビーム4を提供するように構成された放射源2を備えている。放射源2は、以降ではアライメント放射ビーム源2と称される。アライメント放射ビーム4は、アライメント放射ビーム源2から、アライメント放射ビームを基板W1上に誘導する光学部品へと進む。光学部品は、ビームスプリッタ6(例えば偏光ビームスプリッタ)を備えていてもよく、
図1に図示されていない他の追加的なコンポーネントを備えていてもよい。アライメント放射ビーム4は、基板W1上のアライメントマークP1,P2を照明し、反射され、ビームスプリッタ6を通過して自己参照光学系8に至る。アライメントマークP1,P2は、以下で更に説明されるように、セグメントの形で設けられる。
【0068】
[0072] 自己参照光学系8は、偏光ビームスプリッタ10と、第1のコーナキューブリフレクタ12と、第2のコーナキューブリフレクタ14とを備える。アライメント放射4は、自己参照光学系で受け取られるとき、偏光ビームスプリッタ10がアライメント放射ビームの半分を透過しアライメント放射ビームのもう半分を反射するように、偏光を有する。アライメント放射ビーム4のうち偏光ビームスプリッタ10によって透過される部分は、第1のコーナキューブリフレクタ12によって反射され、偏光ビームスプリッタに戻る。第1のコーナキューブリフレクタ12による反射はアライメントビームの偏光を90°回転させる。放射の偏光は、90°回転されているので、偏光ビームスプリッタ10によってディテクタ16の方へと反射される。
【0069】
[0073] アライメント放射ビーム4のうち偏光ビームスプリッタ10によって反射された部分は、第2のコーナキューブリフレクタ14へと進み、第2のコーナキューブリフレクタによって反射される。第2のコーナキューブリフレクタ14による反射はアライメント放射ビームの偏光を90°回転させる。放射の偏光は、90°回転されているので、偏光ビームスプリッタ10を通過してディテクタ16に入射する。プロセッサPRは、ディテクタ16によって生成されたアライメント信号を処理する。プロセッサPRは、本明細書に記載された本発明のいずれかの実施形態による方法のうちいずれかを実施するように構成されていてもよい。
【0070】
[0074] 上述したアライメントシステムAS(スマートアライメントセンサハイブリッド、又はSMASHとも言われる)の更なる詳細は、米国特許第6,961,116号に見られるであろう。本発明は上述した例示的なアライメントシステムAS及びアライメントマークP1,P2との使用に限られないことが理解されるべきである。他のアライメントシステム及び/又はアライメントマークが用いられてもよい。例えば、米国特許第6,297,876号に記載された(さもなければアライメントの高次向上を用いた先進的技術、又はATHENAとも言われる)タイプのアライメントシステムを経てアライメント信号が生成されてもよい。更なる一例は、周知の「スルーザレンズ(TTL)」アライメント技術を利用するアライメントシステムであり、このシステムでは、本発明で用いられ得る周期的なアライメント信号を生成するために、アライメントマークによって回折された放射がディテクタ格子上に形成される。当業者には、基板上のアライメントマークを照明し、もたらされる放射を検出し、そこからアライメント信号を生成するという同一の結果を得るために、他の(光学)配置が用いられてもよいことが明白であろう。
【0071】
[0075] 基板上のより多くの空間が基板に所望のパターンを適用するために利用可能となるように、アライメントマークの寸法を縮小し及び/又はアライメントマーク間の空間的間隔を縮小するのが望ましいであろう。本発明の実施形態は、アライメントの正確性を保持しつつこれが達成されることを可能にする。
【0072】
[0076]
図2a及び
図2bは、2つのアライメントマーク28a,28bを概略的に図示している。各アライメントマーク28a,28bは周期的なパターンで配置されており、その繰り返し単位は「材料」領域30と「空間」領域31とを含む。「材料」領域30と「空間」領域31との繰り返し単位は、構造と称されることもある。構造は、少なくとも第1の方向で周期的に配置される。アライメントマーク28a,28bの各「材料」領域30は、材料30が一様に存在するのではなくより微細な材料領域とより微細な空間領域とを備える微細なピッチの格子パターンで不在であるように形成されてもよい。代替的には、図示されるように、アライメントマーク28a,28bの各「空間」領域31が、材料30が一様に不在なのではなくより微細な材料領域32とより微細な空間領域33とを備える微細なピッチの格子パターンで存在するように形成されてもよい。こうしたより微細な材料領域32及びより微細な空間領域33は、本明細書において「解像度の」フィーチャと称されるものであり、それらを用いるリソグラフィ装置の投影システムの解像度の限界であるか、又はそれに近い。より微細な材料領域32は、「サブ解像度」フィーチャとも称され得る。なぜなら、
図1に示されるアライメントシステムASは、これらのフィーチャを解像するのに必要な解像度を有していないかもしれないからである。より微細な空間領域33が後に続く、微細な材料領域32は、サブ構造とも称され得る。サブ構造もまた周期的であってもよく、構造よりも小さい周期を有していてもよい。
【0073】
[0077] アライメントマーク28a,28bは、その構造及びサブ構造の存在によって、サブセグメント化されたアライメントマークと称されることもある。サブセグメント化されたアライメントマーク28a,28bのサブ構造は、製品フィーチャ、すなわち生産露光の際にリソグラフィ装置を用いて基板にプリントされるべきフィーチャと同様の周期を有している。したがって、サブセグメント化されたアライメントマーク28a,28bは、放射に露光されたときに製品フィーチャと同様に振る舞うという利点を提供する。続いて露光される、基板上に存在するサブセグメント化されたアライメントマーク28a,28bと同様の解像度及び/又は密度を有する製品フィーチャを含むダイは、サブセグメント化されたアライメントマークを用いて製品フィーチャを基板上に整列させることによって、意図される位置により良好に整列され得る。
【0074】
[0078] サブセグメント化されたアライメントマーク28a,28bは、解像度フィーチャの中心と空間領域31の中心との間の位置オフセットの既知の成分F1,F2を有するように設計される。第1のアライメントマーク28aは、第2のアライメントマーク28bにおいて適用される位置オフセットの既知の成分F2とは異なる位置オフセットの既知の成分F1を有する。位置オフセットの既知の成分F1,F2は、位置オフセットの既知の成分F1,F2をゼロの両側で釣り合わせるように、等しい大きさの正の値及び負の値となる(つまり、F1=−F2となる)ように選択されるのが好適であろう。しかしながら、いずれも同じ方向である及び/又は等しくない大きさを有する位置オフセットの既知の成分F1,F2が用いられてもよい。
【0075】
[0079]
図2bは、第1及び第2のアライメントマーク28a,28bを横断する放射ビームプロファイル35を、2つの対応するグラフA,Bと共に概略的に図示する。グラフA,Bは、放射ビームプロファイル35がアライメントマーク28a,28bをスキャンする際にそれぞれ第1及び第2のアライメントマーク28a,28bの中にある放射ビームプロファイル35のエリアを示す。グラフA,Bの縦軸の1という値は、放射ビームプロファイル35の全エリアが各アライメントマーク28a又は28bのいずれかの中にあることを示す。放射ビームプロファイル35は、円形の形状を有するものとして示されている。しかしながら、放射ビームプロファイル35は任意の形状又は寸法を有し得る。例えば、放射ビームプロファイル35は正方形の形状、又は楕円形の形状を有していてもよい。アライメントマーク28a,28bは、例えば、それぞれx方向に80マイクロメートルの長さを有する。この例においては、アライメントマーク28a,28bは距離Sだけ離隔している。放射ビームプロファイル35が第1のアライメントマーク28aを横断するとき、アライメント信号は、(グラフAによって示されるように)第1のアライメントマーク28aを表す第1の成分を含む。放射ビームプロファイル35が第2のアライメントマーク28bを横断するとき、アライメント信号は、(グラフBによって示されるように)第2のアライメントマーク28bを表す第2の成分を含む。放射ビームプロファイル35が2つのアライメントマーク28a,28bの間の距離Sを移動するとき、アライメント信号は、第1のアライメントマーク28a及び第2のアライメントマーク28bの両方に由来する第3の成分を含む。既知のアライメント方法では、第3の成分は破棄されて、第1のアライメントマーク28aの位置は第1の成分Aのみを用いて決定され、第2のアライメントマーク28bの位置は第2の成分Bのみを用いて決定される。
【0076】
[0080] アライメントマーク28a,28bを用いて行われる位置測定の再現性及び/又は正確性は、アライメントマークのピッチ及びアライメントマークの長さに依存する。アライメントシステムASを用いて行われる測定の再現性及び/又は正確性に影響を及ぼすことなくアライメントマーク28a,28bの合計寸法が縮小されることを可能にするアライメント方法を提供するのが望ましい。代替的には、アライメントマーク28a,28bの寸法を維持し、アライメントシステムを用いて行われる測定の再現性及び/又は正確性を向上させるのが望ましいであろう。アライメントマーク28a,28bの位置を決定するときにアライメント信号の第3の成分を用いることは、アライメントマーク28a,28bの間の距離Sが縮小又は除去されることを可能に、及び/又はアライメントシステムASを用いて行われる測定の再現性及び/又は正確性に影響を及ぼすことなくアライメントマーク28a,28bの長さが縮小されることを可能にし得る。アライメントマーク28a,28bの位置を決定するときにアライメント信号の第3の成分を用いることは、アライメントマーク28a,28bの間の距離Sが除去されること、ならびにアライメントシステムASを用いて行われる測定の再現性及び/又は正確性に容認できないほど大きな影響を有することなくアライメントマーク28a,28bの合計寸法が有意に縮小されるようにアライメントマーク28a,28bの長さが縮小されることを可能にし得る。アライメントマーク28a,28bの位置を決定するときにアライメント信号の第3の成分を用いることは、アライメントシステムASを用いて行われる測定の再現性及び/又は正確性を向上させつつ、アライメントマーク28a,28bの寸法が維持されることを可能にし得る。
【0077】
[0081]
図2cは、第1及び第2のセグメント29a,29bを備えるアライメントマーク29を横断する放射ビームプロファイル35を、対応するグラフ
G,Dと共に概略的に図示する。第1及び第2のセグメント29a,29bは、それぞれ第1及び第2のアライメントマーク28a,28bと対応している。つまり、
図2bに図示されるアライメントマーク28a,28bの合計寸法は、
図2cに図示されるアライメントマーク29のそれにまで縮小されている。セグメントの長さは、そのセグメントを測定するために用いられる放射ビームプロファイルの直径に依存し得る。セグメント29a,29bは、それぞれ40マイクロメートル以上の長さを有していてもよい。セグメント29a,29bは、それぞれ200マイクロメートル以下の長さを有していてもよい。セグメント29a,29bは、例えば、それぞれおよそ40〜80マイクロメートルの長さを有していてもよい。セグメント29a,29bは、例えば、それぞれ60マイクロメートルの長さを有していてもよく、アライメントマークの合計長さは120マイクロメートルとなる。グラフ
G,Dは、放射ビームプロファイル35がセグメント29a,29bをスキャンする間それぞれ第1及び第2のセグメント29a,29bの中にある放射ビームプロファイル35のエリアを示す。
【0078】
[0082] セグメント29a,29bの間には、それらの位置がアライメントシステムASを用いて測定されるとき、位置オフセットの既知の成分F1,F2の差異に起因して、明らかな空間的間隔が存在する。
図2cの例においては、セグメント29a,29bは、アライメントマーク29の連続したピッチ構造を維持しつつセグメント29a,29bを接近させておくという意図をもって、基板上にプリントされている。つまり、第1のセグメント29aが空間領域で終了する場合、第2のセグメント29bは、アライメントマーク29のピッチ構造が一方のセグメントから他方へと連続するように、材料領域で始まるであろう。しかしながら、セグメント29a,29bの間には、未知の、実際の空間的間隔が存在する。この未知の間隔は、各セグメント29a,28bの形成の違いに起因する。例えば、セグメント29a,29bが基板W1に形成されるとき、これらを形成するために用いられる放射は、レチクルの異なるパターニングされた領域及びリソグラフィ装置の投影システムの異なる部分を通過したものかもしれない。その結果、放射は、未知の間隔の形成に寄与し得る異なる効果を経験した。別の一例としては、基板W1の第1のターゲット部分Cの露光の際に一方のセグメント29aが形成され、第1のターゲット部分Cに隣接する基板の第2のターゲット部分Cの露光の際に他方のセグメント29bが形成されたかもしれない。基板W1の第1のターゲット部分Cの露光と基板W1の第2のターゲット部分Cの露光との間のわずかな違いは未知の間隔に寄与し得る。セグメント29a,29bの間の未知の間隔は、セグメント29a,29bのピッチよりも小さくてもよい。例えば、セグメント29a,29bのピッチはマイクロメートル規模であってもよく、その一方で未知の間隔はナノメートル規模(例えば100nm未満)であってもよい。
【0079】
[0083] 放射ビームプロファイル35がアライメントマーク29を横断し始めるとき、その全エリアは第1のセグメント29aの中にあり、グラフG,Dからわかるように、アライメント信号全体は第1のセグメント29aのみの照明の際に受信される。第1のセグメント29aのみの照明の際に受信されるアライメント信号の成分は、アライメント信号の第1の成分Gと称されることもある。
【0080】
[0084] 放射ビームプロファイル35は、アライメントマーク29を更に横断するとき、もはや第1のセグメント29aを照明せず、その全エリアは第2のセグメント29bの中にある。グラフG,Dによって示されるように、アライメント信号全体は、第2のセグメント29bのみの照明の際に受信される。第2のセグメント29bのみの照明の際に受信されるアライメント信号の成分は、アライメント信号の第2の成分Dと称されることもある。
【0081】
[0085] 放射ビームプロファイル35が第1のセグメント29aから第2のセグメント29bへと移動するとき、アライメント信号は、第1のセグメント29a及び第2のセグメント29bの両方に由来するアライメント信号成分G,Dのコンボリューションされた成分Vを含む。グラフG,Dによって示されるように、放射ビームプロファイル35が第1のセグメント29aを出て第2のセグメント29b内へと移動するとき、アライメント信号への第1のセグメント29aの寄与Gは減少し、アライメント信号への第2のセグメント29bの寄与Dは増大する。コンボリューションされた成分Vは、第1のセグメント29a及び第2のセグメント29bの両方の同時照明の際に受信される。コンボリューションされた成分Vは、アライメント信号の第3の成分Vと称されることもある。
【0082】
[0086] 既知のアライメント方法においては、アライメント信号の第3の成分は、検出されるが、後続のアライメント信号解析及びアライメントマーク位置決定において破棄される。本発明の実施形態においては、第3の成分Vと2つのセグメント29a,29bの相対位置との関係が決定され、その後セグメント29a,29bの位置を決定するために利用され得る。決定されたセグメント29a,29bの位置は、アライメントマーク29の平均位置を決定するために平均化され得る。第3の成分Vと2つのセグメント29a,29bの相対位置との関係は、較正マークを用いて較正測定を実施することによって決定され得る。
【0083】
[0087] 較正マークは2つの較正セグメントを備える。較正セグメントはそれぞれ、各較正セグメントで同一の周期性を有する周期格子を備える。例えば、較正セグメントは
図2c又は
図2dに図示されるセグメントの形を有する。較正セグメントの特徴(例えば相対位置、セグメント長さ、格子配向及び周期性など)は既知である。
図3は、較正測定を実施し、アライメント信号の第3の成分を用いて2つのアライメントマークセグメントの位置を決定するためにその較正測定の結果を使用する方法のフローチャートである。ステップS1において、両較正セグメントの同時照明の際に受信される較正成分CVを含む較正アライメント信号を生成するために、較正マークは放射ビームプロファイルで照明される。ステップS2において、較正アライメント信号は解析され、較正アライメント信号と較正セグメントの位置との関係が決定される。較正測定は、複数の異なる較正アライメント信号を得るために、異なる特徴(例えば較正セグメント間の異なる間隔)を有する異なる較正マークを用いて繰り返されてもよい。較正アライメント信号は、将来の使用のために、機械可読媒体に記憶されてもよい。
【0084】
[0088] ステップS3において、較正アライメント信号は、未知の位置を有する2つのセグメント29a,29bの測定から生じるアライメント信号に近似される。ステップS4において、近似の結果(例えばフィッティング係数)を用いて2つのセグメント29a,29bの位置が決定される。
【0085】
[0089] 較正測定を介したセグメント29a,29bの位置の決定の正確性は、較正マークが解析に用いられているアライメントマーク29にいかに類似しているかに依存する。例えば、較正セグメントの周期性とアライメントマークセグメント29a,29bの周期性との差が大きければ大きいほど、セグメント29a,29bの位置の決定は正確でなくなり得る。較正セグメントの位置と較正アライメント信号との間には関係がある。同様に、セグメント29a,29bの位置とアライメント信号との間には関係がある。概して、較正マークとアライメントマーク29とが類似していなければいないほど、これらの関係も類似していなくなり、セグメント29a,29bの位置の決定は正確でなくなる。
【0086】
[0090]
図2bに示される2つのアライメントマーク28a,28bの合計寸法は、アライメントシステムASを用いて行われる測定の再現性及び/又は正確性に容認できないほど大きな影響を有することなく、
図2cに示されるものよりも縮小され得る。これは、アライメントマーク28a,28bを、単一のアライメントマークの2つのセグメントとして扱われ得るように互いに隣接して配置すること、それらの長さを、アライメント信号の第1、第2及び第3の成分がアライメントシステムASによって生成され得る距離まで縮小すること、ならびにそのアライメント信号の第1、第2及び第3の成分を用いて2つのセグメントの位置を決定することによって、達成され得る。アライメント信号の第1、第2及び第3の成分が生成され得るアライメントマーク28a,28bの長さは、アライメントシステムASの特徴、例えば放射ビームプロファイル35の寸法及び形状に依存する。
【0087】
[0091]
図2dは、第1のセグメント34a及び第2のセグメント34bを備えるアライメントマーク34を横断する放射ビームプロファイル35を、対応するグラフE,Fと共に概略的に図示する。セグメントの長さは、そのセグメントを測定するために用いられる放射ビームプロファイルの直径に依存し得る。セグメント29a,29bは、それぞれ40マイクロメートル以上の長さを有していてもよい。セグメント29a,29bは、それぞれ200マイクロメートル以下の長さを有していてもよい。第1のセグメント34a及び第2のセグメント34bは、例えば、それぞれおよそ40マイクロメートルの長さを有していてもよく、アライメントマークの合計長さはおよそ80マイクロメートルとなる。グラフE,Fは、放射ビームプロファイル35がセグメント34a,34bをスキャンする際にそれぞれ第1及び第2のセグメント34a,34bの中にある放射ビームプロファイル35のエリアを示す。
【0088】
[0092] 放射ビームプロファイル35がアライメントマーク34を横断し始めるとき、その全エリアは第1のセグメント34aの中にあり、グラフE,Fからわかるように、アライメント信号全体は第1のセグメント34aのみの照明の際に受信される。
【0089】
[0093] 放射ビームプロファイル35は、アライメントマーク34を更に横断するとき、もはや第1のセグメント34aを照明せず、その全エリアは第2のセグメント34bの中にあって、グラフE,Fによって示されるように、アライメント信号全体は、第2のセグメント34bのみの照明の際に受信される。
【0090】
[0094] 放射ビームプロファイル35が第1のセグメント34aから第2のセグメント34bへと移動するとき、アライメント信号は、第1のセグメント34a及び第2のセグメント34bの両方に由来するアライメント信号成分E,Fの第3の成分Vを含む。第3の成分Vは、第1のセグメント34a及び第2のセグメント34bの両方の同時照明の際に受信される。第3の成分Vは、コンボリューションされた成分Vと称されることもある。
図2dの例においては、放射ビームプロファイル35は円形であり、各セグメント34a,34bの長さは放射ビームプロファイル35の円周と同様である。放射ビームプロファイル35の寸法及び形状は、生じるアライメント信号の大部分について両セグメント34a,34bを同時に照明するようなものであり、そのアライメント信号の大部分は第3の成分によって形成される。しかしながら、グラフE,Fからわかるように、第1のセグメント34aのみの照明の際に受信されるアライメント信号の第1の成分があり、第2のセグメント34bのみの照明の際に受信されるアライメント信号の第2の成分がある。
図2dの例において、グラフE,Fは、アライメント信号の大部分が第3の成分Vからなることを示している。放射ビームプロファイル35が第1のセグメント34aを出て第2のセグメント34b内へと移動するとき、アライメント信号への第1のセグメント34aの寄与Eは減少し、アライメント信号への第2のセグメント34bの寄与Fは増大する。
図2cに関連して上述したように、アライメント信号と2つのセグメント34a,34bの位置との関係は、較正マークを用いて較正測定を実施すること及びその結果もたらされる較正アライメント信号を解析することによって決定され得る。較正アライメント信号は、2つのセグメント34a,34bの測定から生じるアライメント信号に近似され得る。近似の結果は、2つのセグメント34a,34bの位置を決定するために用いられ得る。決定された2つのセグメント34a,34bの位置は、アライメントマーク34の位置を決定するために平均化され得る。
【0091】
[0095] セグメントの位置の決定に第3の成分Vを用いる別の方法は、第3の成分Vをデコンボリューションすることを含む。コンボリューションされた成分Vをデコンボリューションして、そのデコンボリューションの結果を後続のアライメント信号解析において用いることは、セグメント34a,34bの位置を決定するために用いられ得るアライメント情報をもたらす。概して、セグメント34a,34bの位置の決定において第3の成分Vを用いることは、アライメントマーク28a,28bのより効率的な使用を可能にし、したがって、アライメントマーク28a,28bを用いて行われる測定の正確性及び/又は再現性のロスをもたらすことなくアライメントマーク28a,28bの寸法を縮小することも可能にする。測定の再現性は、測定が、異なるとき、場所で及び/又は異なる人々によって複製される能力として定義され得る。ある測定が高度の再現性を有する場合、それは高い精度を有するといえる。
【0092】
[0096]
図4は、アライメント信号の第3の成分Vのデコンボリューションを伴う、アライメントマークセグメント34a,34bの位置を決定する方法のフローチャートである。ステップS10において、アライメント信号が、例えば
図1に図示されるようなアライメントシステムASによって、生成される。アライメント信号は、アライメントマーク34の第1のセグメント34aのみの照明の際に受信される第1の成分と、アライメントマーク34の第2のセグメント34bのみの照明の際に受信される第2の成分と、両セグメント34a,34bの同時照明の際に受信されるコンボリューションされた成分Vと、を含む。ステップS11において、コンボリューションされた成分Vはデコンボリューションされる。複数のデコンボリューション技術を以下に記載する。ステップS12において、デコンボリューションの結果に少なくとも部分的に基づいて、アライメントマークセグメント34a,34bの位置が決定される。
【0093】
[0097] アライメント信号のコンボリューションされた成分Vをデコンボリューションする1つの方法は、正弦関数及び/又は余弦関数をアライメント信号のコンボリューションされた成分Vに近似させることを含む。
図5aは、第1のセグメント40a及び第2のセグメント40bを備えるアライメントマーク40をスキャンする放射ビームプロファイル35を概略的に図示する。
図5aの例において、放射ビームプロファイル35は、アライメントマーク40を横切って正のx方向に動いている。
図5aの例において、第1のセグメント40a及び第2のセグメント40bは、x方向で同一の長さを有する。第1のセグメント40aは、第1のピッチPを有する格子を備える。第2のセグメント40bは、同じピッチPを有する格子を備える。セグメント40a,40bはサブセグメント化され、解像度フィーチャの中心と空間領域の中心との間の異なる位置オフセットの既知の成分F1,F2を有する。明瞭にするため、アライメントマーク40のサブセグメント化は
図5aからは省略されている。各セグメント40a,40bの長さの半分が、符号Hによって表されている。放射ビームプロファイル35の半径が、符号Rによって表されている。第1のセグメント40aの予定位置が、符号E1によって表されている。第2のセグメント40bの予定位置が、符号E2によって表されている。
【0094】
[0098]
図5bは、アライメントマーク40を横断する放射ビームプロファイル35から生じるアライメント信号を示す。アライメント信号は、アライメントシステムASによって検出された放射の強度I対x方向の放射ビームプロファイル35の位置として描画されている。このアライメント信号は、第1のセグメント40aのみの照明の際に受信される第1の成分Jと、第2のセグメント40bのみの照明の際に受信される第2の成分Kと、両セグメント40a,40bの同時照明の際に受信されるコンボリューションされた成分Vと、を含む。
【0095】
[0099]
図5cは、アライメントマーク40を横断する際の放射ビームプロファイル35の位置の関数としてのアライメント位置ずれ(APD)のグラフを示す。セグメント40a,40bのアライメント位置ずれとは、セグメント40a,40bの測定位置とセグメント40a,40bの予定位置E1,E2との間の差である。セグメント40a,40bの予定位置E1,E2は既知である。セグメント40a,40bの測定位置は、アライメントシステムASと、アライメント信号の第3の成分Vを用いることを伴うアライメント方法とを用いて決定されるべきものである。
【0096】
[0100] 解像度フィーチャの中心と空間領域の中心との間の位置オフセットの異なる既知の成分F1,F2は、第1のセグメント40aのアライメント位置ずれD1及び第2のセグメント40bのアライメント位置ずれD2の違いをもたらしている。各セグメント40a,40bの形成の違いに起因する未知の間隔も、第1のセグメント40a及び第2のセグメント40bのアライメント位置ずれの違いに寄与し得る。
図5aでは、明瞭にするため、第1のセグメント40aと第2のセグメント40bとの間の間隔が誇張されている。
図5cからわかるように、アライメントマーク40のアライメント位置ずれは、第1のセグメント40aのみの照明の際の第1のセグメント40aのアライメント位置ずれD1に等しい。アライメントマーク40のアライメント位置ずれは、第2のセグメント40bのみの照明の際の第2のセグメント40bのアライメント位置ずれD2に等しい。アライメントマーク40のアライメント位置ずれの値は、両セグメント40a,40bの同時照明の際に(すなわちコンボリューションされた成分V内で)D1からD2に移行する。
【0097】
[0101] 1つ以上の関数がアライメント信号に近似されてもよい。放射ビームプロファイル35によってスキャンされる、例えばセグメント40a、又は別の一例としてはアライメントマーク28aのような単一の周期構造の場合、結果として生じるアライメント信号は変調する。変調アライメント信号には正弦関数及び/又は余弦関数が近似され得る。例えば、正弦関数は次の形をとり得る。
【数1】
【0098】
[0102] ただし、Dmaxはアライメント信号の振幅、Spは測定スキャンの際の放射ビームプロファイル35の位置、Dは周期構造のアライメント位置ずれ、Pはアライメント信号の検出されたピッチである。近似された正弦関数及び/又は近似された余弦関数からは、周期構造の位置を決定するために、位相情報が抽出され得る。
【0099】
[0103] 放射ビームプロファイル35によってスキャンされる、例えばアライメントマーク40のセグメント40a,40bのような2つの周期構造の場合、結果として生じるアライメント信号は、放射ビームプロファイル35がアライメントマーク40の両方のセグメント40a,40bを同時に照明しているとき、アライメントマーク40の測定位置の漸次的な変位を示し得る。アライメントマーク40の測定位置の漸次的な変位は、放射ビームプロファイル35が第1のセグメント40aから第2のセグメント40bへと移動する間にセグメント40a,40bを形成する周期構造の位置を積分する(integrating)放射ビームプロファイル35に起因する。アライメントマーク40の測定位置の漸次的な変位は、セグメント40a,40bの位置に対する放射ビームプロファイル35の位置の関数である。
【0100】
[0104] 以下の関数(「正弦近似関数」)は、同一の格子ピッチを有する2つのセグメント40a,40bから生じるアライメント信号に近似され得る正弦関数の形の一例である。
【数2】
【0101】
[0105] ただし、fは出力がアライメント位置ずれであるアライメント位置ずれ関数、D1は第1のセグメント40aのアライメント位置ずれ、D2は第2のセグメント40bのアライメント位置ずれである。一旦アライメント信号に近似されると、正弦近似関数から位相情報が抽出され得る。抽出された位相情報は、セグメント40a,40bの位置を決定するために用いられ得る。正弦近似関数は、放射ビームプロファイル35とセグメント40a,40bとの異なる組み合わせについては、他の形をとってもよい。放射ビームプロファイル35とセグメント40a,40bとの所与の組み合わせについての正弦近似関数の形は、上述のように較正測定を実施することによって決定され得る。
【0102】
[0106] アライメント位置ずれ関数fは、放射ビームプロファイル35の寸法及び形状の知識と、アライメント信号の第1及び第2の成分の知識とに基づいて定式化される。この知識は、上述のように較正測定を実施することによって得られ得る。
【0103】
[0107] 正弦近似関数の適用をよりよく理解するために、アライメント信号は、異なる区間に分けられてもよい。例えば、アライメント信号の第1の区間は、第1のセグメント40aのみの照明の際に生成されたアライメント信号として定義され得る。Sp<E1+H−Rの条件が満足されるとき、
[0108] アライメント位置ずれ関数は、f{Sp,D1,D2}=D1の形をとる。
【0104】
[0109] つまり、第1のセグメント40aのみの照明の際には、アライメント位置ずれは、第1のセグメントのアライメント位置ずれD1に等しい。
【0105】
[0110] アライメント信号の第2の区間は、両セグメント40a,40bの同時照明の際に生成されたアライメント信号として定義され得る。E1+H−R<Sp<E2−H+Rの条件が満足されるとき、
[0111] 一例として、正弦関数がコンボリューションされた成分Vに近似される場合には、アライメント位置ずれ関数は以下の方程式を用いて近似化され得る。
【数3】
【0106】
[0112] つまり、両セグメント40a,40bの同時照明の際には、アライメント位置ずれは、両セグメント40a,40bのアライメント位置ずれD1,D2を含むコンボリューションされたアライメント位置ずれに等しい。コンボリューションされた成分Vには、例えば余弦関数のような他の関数が近似されてもよい。アライメント位置ずれ関数は、他の形をとってもよい。
【0107】
[0113] アライメント信号の第3の区間は、第2のセグメント40bのみの照明の際に生成されたアライメント信号として定義され得る。Sp>E2−H+Rの条件が満足されるとき、
[0114] アライメント位置ずれ関数は、f{Sp,D1,D2}=D2の形をとる。
【0108】
[0115] つまり、第2のセグメント40bのみの照明の際には、アライメント位置ずれは、第2のセグメントのアライメント位置ずれD2に等しい。
【0109】
[0116] f{Sp,D1,D2}という項には、2つの未知数、すなわちD1及びD2がある。D1及びD2の値は、f{Sp,D1,D2}の異なる形をアライメント信号の対応する区間の正弦近似関数に代入することによって決定され得る。セグメント40a,40bの測定位置は、D1及びD2の値にそれぞれ予定位置E1及びE2を加算することによって決定され得る。上記は、D1及びD2の決定された値からセグメント40a,40bの2つのアライメント位置をもたらす正弦近似関数の具体的な一例である。アライメント信号は異なる手法で分けられてもよく、アライメント信号に近似される関数及びアライメント位置ずれ関数は他の形をとってもよい。決定されたセグメント40a,40bの位置は、アライメントマーク40の位置を決定するために平均化され得る。
【0110】
[0117] アライメント位置ずれ関数fは、放射ビームプロファイル35を表す関数、検出された放射をアライメント信号に変換するアライメントシステムASによって実施される変換を表す関数(「センサ伝達関数」)、及び2つのセグメント40a,40bの位置を表す関数のコンボリューションとして表現されてもよい。次に、コンボリューションされた成分Vの概念について述べる。一般論としては、コンボリューションとは、第1の関数X及び第2の関数Yに作用して、第1の関数X及び第2の関数Yの修正されたバージョンであると見なされ得る第3の関数Zを生成する数学的演算であるといえる。
図5aから
図5cの例においては、第1の関数Xは放射ビームプロファイル35を表し得る。第2の関数Yは第1のセグメント40a及び第2のセグメント40bを表し得る。第3の関数Zは、アライメント信号を生成するためにアライメントシステムASにおいて放射ビームプロファイル35でアライメントマーク40をスキャンすることによって第1の関数Xが第2の関数Yでコンボリューションされるときに生じ得る。第3の関数Zは、両セグメント40a,40bの同時照明の際に(すなわちセンサ伝達関数が検出された放射をアライメント信号に変換した後で)受信されたアライメント信号のコンボリューションされた成分Vを表し得る。第1の関数Xを決定すること及び第3の関数Zを測定することによって、第3の関数Zがデコンボリューションされて、第2の関数Yを決定し得る。つまり、アライメント信号のコンボリューションされた成分V(すなわち既知のアライメント方法では破棄されるアライメント信号の成分)は、放射ビームプロファイル35の知識及びセンサ伝達関数を用いてデコンボリューションされて、第1及び第2のセグメント40a,40bについての位置情報を決定し得る。
【0111】
[0118] 既知の第1の関数X(放射ビームプロファイル35)と、既知の第2の関数Y(既知の特徴を有する較正マーク)と、センサ伝達関数とのコンボリューションのための第3の関数Zの形を決定するために、較正測定が実施されてもよい。較正マークは、既知の特徴(例えば相対位置、セグメント長さ及び配向)の中でも特に同一のピッチPを有する2つのセグメントを備える。較正測定は、較正マーク(第2の関数Y)を放射ビームプロファイル35(第1の関数X)で照明することと、センサ伝達関数を適用してコンボリューションされた成分V(第3の関数Z)を含むアライメント信号を生成することと、を伴う。結果として生じる較正アライメント信号は、アライメント位置ずれ関数fを示す。未知の位置を有するセグメント40a,40bを備えるアライメントマーク40についてアライメントシステムASを用いて測定が行われるとき、較正アライメント信号から得られる情報は、1つ以上の関数をアライメントマーク40から生じるアライメント信号に近似させるのに寄与し得る。
【0112】
[0119] 異なる既知の特徴を有する異なる較正マークを用いて複数の較正が実施されてもよい。異なる較正マークを用いて複数の較正を実施することは、アライメント信号のコンボリューションされた成分Vのデコンボリューションに寄与し得る異なるアライメントマーク特徴に関して第3の関数Zについての情報を提供する。例えば、第1の較正マークがセグメント間に100nmの空間的間隔を有し第2の較正マークがセグメント間に10nmの空間的間隔を有する2つの較正マークについて、2つの較正が実施され得る。較正アライメント信号から得られる100nmの空間的間隔の場合の第3の関数Zについての情報は、アライメントシステムASによって生成されたアライメント信号のコンボリューションされた成分Vのデコンボリューションに寄与し得る。デコンボリューションの結果が、2つのセグメント40a,40bの間の空間的間隔が100nmよりも10nmに近いことを示すのであれば、10nmの空間的間隔の場合の第3の関数Zについて較正アライメント信号から得られた情報を用いて、再度デコンボリューションが実施されてもよい。なお、セグメント40a,40bのピッチPよりもずっと小さい空間的間隔に関しては、アライメント信号のコンボリューションされた成分Vは、空間的間隔の関数として大きく変化することは見込まれない。したがって、第3の関数Zについての情報を決定するためには、単一の較正マークを用いて1回のみ較正測定が行われ得る。
【0113】
[0120] 例えば、前述したように、アライメント位置ずれ関数f{Sp,D1,D2}は、放射ビームプロファイル35の寸法及び形状の知識と、センサ伝達関数の知識と、アライメント信号の第1及び第2の成分の知識とに基づいて定式化される。この知識を得るために、較正測定が実施され得る。較正測定から生じる較正アライメント信号は、コンボリューションされた成分Vの形を決定するために解析され得る。上記の例においては、コンボリューションされた成分Vをデコンボリューションするために、正弦関数がアライメント信号に近似された。アライメント信号には、例えば余弦関数のような異なる関数が近似されてもよい。
【0114】
[0121] 次に、セグメント40a,40bの位置を決定するためにアライメント信号の第3の成分を用いる他の方法について述べる。
図6は、アライメント信号を複数の部分に分けて各部分を別々に解析することを伴う、アライメントマークセグメント40a,40bの位置を決定する方法のフローチャートである。ステップS21において、アライメント信号が生成される。このアライメント信号は、第1のセグメントのみの照明の際に受信される第1の成分と、第2のセグメントのみの照明の際に受信される第2の成分と、両セグメントの同時照明の際に受信される第3の成分と、を含む。ステップS22において、アライメント信号は複数の別個の部分に分けられる。各部分は周期的アライメント信号の整数個の周期から成る。ステップS23において、アライメント信号の各部分は、アライメント信号から局所位相情報を抽出するために、独立して解析される。ステップS24において、アライメント信号の各部分の解析の結果が組み合わされ、アライメント信号の位相の変動が放射ビームプロファイル35の位置の関数として決定される。ステップS25において、放射ビームプロファイル35の位置の関数としてのアライメント信号の位相の変動を用いて、セグメント40a,40bの位置を決定する。
【0115】
[0122]
図7aは、第1のセグメントのみの照明の際に受信される第1の成分Jと、第2のセグメントのみの照明の際に受信される第2の成分Kと、両セグメントの同時照明の際に受信される第3の成分Vと、を含むアライメント信号を示す。このアライメント信号は、別個の部分B1〜B15に分けられている。
図7aの例においては、各部分B1〜B15はアライメント信号の3つの周期を含む。部分B1〜B15は、アライメント信号のより多数又はより少数の周期を含んでいてもよい。アライメント信号は、異なる数の部分B1〜B15に分けられてもよい。
図7bは、セグメント40a,40bを横断する際の放射ビームプロファイル35の位置の関数としてのアライメント位置ずれ(APD)のグラフを示す。アライメントマーク40のアライメント位置ずれは、第1のセグメント40aのみの照明の際の第1のセグメント40aのアライメント位置ずれD1に等しい。アライメントマーク40のアライメント位置ずれは、第2のセグメント40bのみの照明の際の第2のセグメント40bのアライメント位置ずれD2に等しい。アライメントマーク40のアライメント位置ずれの値は、両セグメント40a,40bの同時照明の際に(すなわちコンボリューションされた成分V内で)D1からD2に移行する。
【0116】
[0123] アライメント信号の各部分B1〜B15は、関連する局所位相情報を決定するために解析されている。各部分B1〜B15から抽出された局所位相情報と関連する局所アライメントマーク40位置情報は、
図7bのグラフ上では、円によって表される。アライメント信号の各部分を解析することは、アライメント信号の各部分について高速フーリエ変換を行うことを含み得る。高速フーリエ変換は、それが行われるアライメント信号部分が単一の周波数成分を含む場合にのみ、有用なアライメント信号位相情報を提供するであろう。アライメント信号の各部分を解析することは、アライメント信号の各部分に正弦関数及び/又は余弦関数を近似させることを含み得る。他の関数がアライメント信号の異なる部分に近似されてもよいことがわかるであろう。アライメント信号の部分に近似され得る関数の形は、上述のように較正測定を実施することによって決定され得る。各部分B1〜B15を用いて決定された局所位相情報を組み合わせることは、アライメント信号の位相の変動が放射ビームプロファイル35の位置の関数として決定されることを可能にする。セグメント40a,40bの位置は、放射ビームプロファイル35の位置の関数としてのアライメント信号の位相の変動を用いて決定され得る。
【0117】
[0124] アライメント信号を別個の部分B1〜B15に分けて各部分を別々に解析する方法は、アライメント信号の矩形ウィンドウ処理解析(rectangular windowing analysis)を実施することと類似であると考えられてもよい。セグメント40a,40bの位置の決定に第3の成分Vを用いる別の方法は、アライメント信号を複数の不明瞭な(すなわち重複する)部分に分けることを含む。アライメント信号の重複する部分は、アライメント信号から局所位相情報を抽出するために、非矩形ウィンドウ処理解析を用いて解析され得る。重複する各部分から決定される局所位相情報は、放射ビームプロファイル35の位置の関数としてのアライメント信号の位相の変動を決定するために組み合され得る。セグメント40a,40bの位置は、放射ビームプロファイル35の位置の関数としてのアライメント信号の位相の変動を用いて決定され得る。
【0118】
[0125] セグメント40a,40bの位置の決定に第3の成分Vを用いる別の方法は、1つ以上の関数、例えば正弦関数及び/又は余弦関数をアライメント信号に近似させることと、1つ以上の近似された関数を複数の部分に分けることと、アライメント信号から局所位相情報を抽出するためにそれらの部分にウィンドウ解析を提供することと、を含む。用いられるウィンドウは、部分が別個であれば矩形、又は部分が重複していれば非矩形であってもよい。各ウィンドウからの局所位相情報は、放射ビームプロファイル35の関数としてのアライメント信号の位相の変動を決定するために組み合わされ得る。セグメント40a,40bの位置は、放射ビームプロファイル35の位置の関数としてのアライメント信号の位相の変動を用いて決定され得る。
【0119】
[0126] セグメント40a,40bの位置の決定に第3の成分Vを用いる別の方法は、アライメント信号に対してヒルベルト変換を実施することを含む。
図8は、アライメント信号に対してヒルベルト変換を実施することを伴う、アライメントマークセグメント40a,40bの位置を決定する方法のフローチャートである。ステップS31において、アライメント信号が生成される。このアライメント信号は、第1のセグメントのみの照明の間に受信される第1の成分と、第2のセグメントのみの照明の間にのみ受信される第2の成分と、両セグメントの同時照明の間に受信される第3の成分と、を備える。ステップS32において、アライメント信号に対してヒルベルト変換が実施される。ステップS33において、アライメント信号のヒルベルト変換の結果に少なくとも部分的に基づいて、セグメント40a,40bの位置が決定される。
【0120】
[0127] ヒルベルト変換は信号解析において既知のツールであり、その振幅変調及び周波数(すなわち位相)変調という点で狭帯域信号を表す。アライメント信号に対してヒルベルト変換を実施すると、放射ビームプロファイル35の位置の関数としてのアライメント信号の位相応答が生成される。アライメント信号に対してヒルベルト変換を実施することによって、1組の位置依存アライメント信号位相が得られるであろう。ヒルベルト変換は、90度回転された虚数信号をアライメント信号の各周波数成分の測定されたアライメント信号に加えることで、アライメント信号を複素化する。複素数は、アライメント信号のような周期的に変動する信号の便利な表示を提供するので、信号解析においてよく用いられる。周期的に変動する信号を表す複素数の絶対値は、周期的に変動する信号の振幅と対応するであろう。複素数は複素平面内で表され得る。複素数の引数は、複素平面内の複素数の点と複素平面の原点とを結ぶ線と複素平面の正の実軸との間の角度をもたらす。周期的に変動する信号を表す複素数の引数は、周期的に変動する信号の位相と対応するであろう。各複素アライメント信号成分の振幅を決定することによって、複素アライメント信号から局所アライメント信号振幅が抽出され得る。各複素アライメント信号成分の引数を決定することによって、複素アライメント信号から局所アライメント信号振幅が抽出され得る。セグメントの位置の決定に第3の成分Vを用いるヒルベルト変換方法は、狭帯域アライメント信号にのみ用いられることがわかるであろう。アライメント信号が複数の狭帯域アライメント信号の寄与の混合を含む場合には、その複数の狭帯域アライメント信号の寄与は、例えば、アライメント信号の寄与に対してヒルベルト変換が実施される前に帯域通過フィルタを用いることによって、分離されてもよい。
【0121】
[0128] ヒルベルト変換の実施形態は、処理の擾乱及び低アライメント信号強度条件に特に強い。例えば、この実施形態は、微細なフィーチャを含むアライメントマーク、例えばショートストロークモジュールによる微動位置決めにおいて用いられるアライメントマークから生成されるアライメント信号を解析するときに、強さの向上を示している。また、ヒルベルト変換の実施形態は、アライメント信号に用いられるより伝統的な近似、例えば正弦関数近似よりも強いであろう。更に、ヒルベルト変換の実施形態の計算時間は、正弦関数及び/又は余弦関数をアライメント信号に近似させることに純粋に基づく方法と比べ、短縮される。
【0122】
[0129] アライメント信号の第3の成分Vを用いてアライメントマークセグメントの位置及び/又はアライメントマークの位置を決定する複数の方法を上述した。当業者には、アライメント信号の第3の成分Vを用いてアライメントマークセグメントの位置及び/又はアライメントマークの位置を決定するときに、本明細書において述べられたもの以外の信号解析技術が利用されてもよいことがわかるであろう。
【0123】
[0130] アライメントマーク28a,28bの位置を決定するときに第3の成分を用いることは、アライメントマークの合計寸法が縮小されることを可能にし得る。すなわち、アライメントシステムASを用いて行われる測定の再現性及び/又は正確性に影響を及ぼすことなく、アライメントマーク28a,28bの間の距離Sが縮小又は除去され及び/又はアライメントマーク28a,28bの長さが縮小され得る。基板上のアライメントマークの寸法の(上述したデコンボリューション方法を介した)縮小が特に有用であり得るときの一例は、アライメントシステムASによってフィールド内アライメント測定が実施されるときである。フィールド内アライメントは、基板Wのターゲット部分Cの位置に対する歪曲の影響を決定するためにアライメントシステムASによってフィールド内アライメントマークの位置を測定することを伴う。ターゲット部分Cは、例えば、基板Wの加熱及び/又は基板テーブルWT1への基板Wの静電クランプ等に起因して歪み得る。ターゲット部分Cは、より一般的には露光エリア又はダイと称されることもある。
【0124】
[0131]
図9aは、基板W上のフィールド内アライメントマークIMの典型的なレイアウトの概略的な図示である。フィールド内アライメントマークIMは、基板Wのターゲット部分Cに位置している。幾つかのフィールド内アライメントマークIMは、基板Wのスクライブレーンに存在し得る。
図9aの例においては、フィールド内アライメントマークIMは、ターゲット部分Cの周辺に沿った位置、ならびにターゲット部分Cの中心に存在している。フィールド内アライメントマークIMは、ターゲット部分Cの他の場所に位置していてもよい。
図9aの右側には、拡大されたフィールド内アライメントマークIMを横断する放射ビームプロファイル35が示されている。
図9aの例においては、フィールド内アライメントマークIMは、x位置測定とy位置測定とが同時に実施され得るように、放射ビームプロファイル35の移動の方向に対して45°の角度で配置された周期格子を備えている。本発明の実施形態はいずれも45°配列の周期格子に当てはまり、単一方向で周期的な単なる格子には当てはまらない。フィールド内アライメントマークIMは、
図9aに概略的に図示されるもの以外の形をとってもよい。フィールド内アライメントマークIMを横切る放射ビームプロファイル35の1回のスキャンの結果、1つのフィールド内アライメントマークIMの1つの位置測定(x座標及びy座標)がもたらされる。
【0125】
[0132]
図9bは、本発明の一実施形態によるフィールド内アライメントマークIMのステッチ状のレイアウトの概略的な図示である。
図9bに図示されるレイアウトは、ターゲット部分Cのフィールド内アライメントマークIMのうち幾つかが放射ビームプロファイル35のスキャン方向で隣接している(すなわちフィールド内アライメントマークIMが「縫い」合わされている)ことから、ステッチ状のレイアウトと称される。
図9aと
図9bとを比較するとわかるように、ターゲット部分Cの周辺に沿ったフィールド内アライメントマークIMの数は、フィールド内アライメントマークIMのステッチ状のレイアウトでは2倍になっている。
図9bの右側には、2つの拡大されたフィールド内アライメントマークIMを横断する放射ビームプロファイル35が示されている。この
図9bの右側に示される2つのフィールド内アライメントマークIMは、放射ビームプロファイル35のスキャン方向で互いに隣接している。放射ビームプロファイル35のスキャン方向で互いに隣接している複数のフィールド内アライメントマークの組み合わせは、連結フィールド内アライメントマークCIMと称されることもある。2つのセグメントを備える任意のアライメントマーク、例えば
図2c、
図2d、及び
図5aに示されるアライメントマークは、連結アライメントマークと称され得る。連結フィールド内アライメントマークCIMを横切る放射ビームプロファイル35のスキャンを1回実施すると、フィールド内アライメントマークIMの同時照明の際に受信される第3の成分Vを含むアライメント信号がもたらされる。生じたアライメント信号は、上述した第3の成分Vを用いる方法とあわせて、2つのフィールド内アライメントマークIMの2つの位置測定(x座標及びy座標)を決定するために用いられ得る。
【0126】
[0133] 連結フィールド内アライメントマークは、基板Wの異なるターゲット部分Cの2つのフィールド内アライメントマークを含み得る。連結フィールド内アライメントマークCIMを形成する2つのフィールド内アライメントマークIMは、連結フィールド内アライメントマークCIMの第1及び第2のセグメントであると考えられてもよい。概して、コンボリューションされた成分を有するアライメント信号を生成するために放射ビームプロファイル35によって同時に照明される任意の2つのアライメントマーク及び/又はアライメントマークの部分は、アライメントマークの第1及び第2のセグメントであると考えられ得る。隣り合ったターゲット部分Cのフィールド内アライメントマークIMを備える連結フィールド内アライメントマークCIMによってフィールド内アライメントを実施すること、及び、生じたアライメント信号をアライメント信号の第3の成分Vを用いる上述の方法のうちいずれかによって処理してフィールド内アライメントマークの位置を決定することは、フィールド内アライメントの際に行われる測定の正確性及び/又は再現性の向上をもたらすであろう。(
図9bに図示される例のような)フィールド内アライメントマークIMのステッチ状のレイアウトは、放射ビームプロファイル35によるスキャン毎に、より多数のフィールド内アライメントマークが測定されることを可能にし、ひいては、フィールド内アライメントを実施するのに必要な時間の量を削減し得る。
【0127】
[0134] 本文書において、「アライメントマークセグメント」という用語は、アライメントシステムを用いて基板位置を決定するために使用され得るパターン領域を意味するものと解釈され得る。第1及び第2のアライメントマークセグメントは、コンボリューションされた成分を含むアライメント信号を生成するために、アライメントシステムを用いて放射で同時に照明され得る。
【0128】
[0135] 本文ではリソグラフィ装置の文脈で本発明の実施形態を特に参照しているかもしれないが、本発明の実施形態は他の装置において用いられてもよい。本発明の実施形態は、マスク検査装置、メトロロジー装置、あるいはウェーハ(もしくは他の基板)又はマスク(もしくは他のパターニングデバイス)などの物体を測定又は加工する任意の装置の一部を形成してもよい。これらの装置は概してリソグラフィツールと称され得る。そのようなリソグラフィツールは、真空状態又は大気(非真空)状態を利用し得る。
【0129】
[0136] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書に記載のリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。可能性のある他の用途には、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。
【0130】
[0137] 光リソグラフィの分野での本発明の実施形態の使用に特に言及してきたが、本発明は文脈によってはその他の分野、例えばインプリントリソグラフィでも使用することができ、光リソグラフィに限定されないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは基板に供給されたレジスト層内に刻印され、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組み合わせを適用することでレジストは硬化する。パターニングデバイスはレジストから取り除かれ、レジストが硬化すると、内部にパターンが残される。
【0131】
[0138] 本発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらのいずれかの組み合わせにおいて実施可能である。また、本発明の実施形態は、1つ以上のプロセッサによって読み取り及び実行され得る機械読み取り可能媒体上に記憶された命令としても実施することができる。機械読み取り可能媒体は、機械(例えばコンピューティングデバイス)によって読み取り可能な形態の情報を記憶又は送信するためのいずれかの機構を含み得る。例えば、機械読み取り可能媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音、又は他の形態の伝搬信号(例えば搬送波、赤外線信号、デジタル信号等)、及び他のものを含むことができる。更に、一定の動作を実行するものとして本明細書ではファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令を記載することができる。しかしながらそのような記載は単に便宜上のものであり、そういった動作は実際には、コンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、又はファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令等を実行する他のデバイスから得られることは認められよう。
【0132】
[0139] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることは理解されよう。上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。