特許第6762004号(P6762004)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6762004
(24)【登録日】2020年9月10日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】半導体集積回路装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20200917BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20200917BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20200917BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20200917BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20200917BHJP
   H01L 23/00 20060101ALI20200917BHJP
【FI】
   H01L27/04 H
   H01L21/88 S
   H01L21/88 J
   H01L23/00 C
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-48113(P2016-48113)
(22)【出願日】2016年3月11日
(65)【公開番号】特開2017-163077(P2017-163077A)
(43)【公開日】2017年9月14日
【審査請求日】2018年12月13日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504174135
【氏名又は名称】国立大学法人九州工業大学
(73)【特許権者】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100149711
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 耕市
(72)【発明者】
【氏名】松本 聡
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 雅考
【審査官】 市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−102133(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/037003(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/126800(WO,A1)
【文献】 特開昭58−039030(JP,A)
【文献】 特開2010−109351(JP,A)
【文献】 特開2009−295954(JP,A)
【文献】 特開昭58−95848(JP,A)
【文献】 特開2011−233913(JP,A)
【文献】 特開2000−269446(JP,A)
【文献】 特開2003−338559(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/822
H01L 21/3205
H01L 21/768
H01L 23/00
H01L 23/522
H01L 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体集積回路を構成する個々の回路素子に電源を供給する半導体集積回路装置において、
半導体基板と、
該半導体基板上に備えた第1の電磁ノイズ遮蔽層と、
該第1の電磁ノイズ遮蔽層上に備えた回路ブロックと、
該回路ブロック上に備えた第2の電磁ノイズ遮蔽層と、から構成し、
前記回路ブロックは、少なくともグランド電極及び電源電位電極を有する回路素子部と、該回路素子部の上下にそれぞれ備えた絶縁層とを備え、前記第1の電磁ノイズ遮蔽層と第2の電磁ノイズ遮蔽層を、前記グランド電に接続して構成し、
上下に絶縁層を備え、且つ1層のみ設けられている前記回路ブロックを、第1の電磁ノイズ遮蔽層と第2の電磁ノイズ遮蔽層によって挟むように構成し
前記第2の電磁ノイズ遮蔽層をグラフェンで構成するとともに、
前記第2の電磁ノイズ遮蔽層と接する前記絶縁層をシリコン窒化膜層で構成した半導体集積回路装置。
【請求項2】
前記回路素子部の上下にそれぞれ備えた絶縁層、及び第1の電磁ノイズ遮蔽層と第2の電磁ノイズ遮蔽層は、いずれも、電源供給のために設けられることがある開口部を除いて、それぞれ上面側及び下面側の全面に設けられる請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項3】
前記回路素子部は、単結晶シリコン半導体、GaN、GaNとInGaNの積層構造、SiC、ダイヤモンド、又はガリウム酸化物からなる半導体基板を加工して形成される請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項4】
前記第1の電磁ノイズ遮蔽層と接する前記絶縁層は、シリコン酸化膜層、シリコン窒化膜層、又はダイヤモンド層である請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項5】
第1の電磁ノイズ遮蔽層は、ニッケル、コバルト、フェライト、銅、アルミ、グラフェン、磁性体薄膜又はカーボンナノチューブを、スパッタ、蒸着、メッキ、又は転写法を用いて堆積した請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項6】
第1の電磁ノイズ遮蔽層は、金属層、磁性体層、あるいは金属層と磁性体層の積層によって構成した請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項7】
前記第1の電磁ノイズ遮蔽層と前記第2の電磁ノイズ遮蔽層によって挟むように構成した前記回路ブロックの前記第2の電磁ノイズ遮蔽層の上に、別の回路ブロックを積層し、かつ、この別の回路ブロックの上に、当該別の回路ブロックの回路素子部のグランド電極に接続された第3の電磁ノイズ遮蔽層を備えて、上下に絶縁層を備えた前記別の回路ブロックを、前記第2の電磁ノイズ遮蔽層と前記第3の電磁ノイズ遮蔽層によって挟むように構成した請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項8】
前記第3の電磁ノイズ遮蔽層の上に、さらに別の1個又は複数個の回路ブロックとその上に当該回路ブロックの回路素子部のグランド電極に接続された電磁ノイズ遮蔽層を積層して構成した請求項7に記載の半導体集積回路装置。
【請求項9】
半導体集積回路を構成する個々の回路素子に電源を供給する半導体集積回路装置の製造方法において、
半導体基板と、該半導体基板上に備えた第1の電磁ノイズ遮蔽層と、該第1の電磁ノイズ遮蔽層上に備えた回路ブロックと、該回路ブロック上に備えた第2の電磁ノイズ遮蔽層と、から構成し、
前記回路ブロックは、少なくともグランド電極及び電源電位電極を有する回路素子部と、該回路素子部の上下にそれぞれ備えた絶縁層とを備え、前記第1の電磁ノイズ遮蔽層と第2の電磁ノイズ遮蔽層を、前記グランド電に接続して構成し、
上下に絶縁層を備え、且つ1層のみ設けられている前記回路ブロックを、第1の電磁ノイズ遮蔽層と第2の電磁ノイズ遮蔽層によって挟むように構成し
前記第2の電磁ノイズ遮蔽層をグラフェンで構成するとともに、
前記第2の電磁ノイズ遮蔽層と接する前記絶縁層をシリコン窒化膜層で構成した半導体集積回路装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1の電磁ノイズ遮蔽層と前記第2の電磁ノイズ遮蔽層によって挟むように構成した前記回路ブロックの前記第2の電磁ノイズ遮蔽層の上に、別の回路ブロックを積層し、かつ、この別の回路ブロックの上に、当該別の回路ブロックの回路素子部のグランド電極に接続された第3の電磁ノイズ遮蔽層を備えて、上下に絶縁層を備えた前記別の回路ブロックを、前記第2の電磁ノイズ遮蔽層と前記第3の電磁ノイズ遮蔽層によって挟むように構成する際、前記第2の電磁ノイズ遮蔽層の上に絶縁膜を堆積して、この絶縁膜と、前記別の回路ブロック下面の絶縁膜を一体に接合することにより、前記回路ブロックと前記別の回路ブロックを接合した請求項9に記載の半導体集積回路装置の製造方法。
【請求項11】
前記第3の電磁ノイズ遮蔽層の上に、さらに別の1個又は複数個の回路ブロックとその上に当該回路ブロックの回路素子部のグランド電極に接続された電磁ノイズ遮蔽層を積層して構成する際、前記第3の電磁ノイズ遮蔽層の上に絶縁膜を堆積して、この絶縁膜と、前記さらに別の1個又は複数個の回路ブロック下面の絶縁膜を一体に接合することにより、回路ブロック同士を接合した請求項10に記載の半導体集積回路装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路内外の他の半導体素子に及ぼす影響、及び他の半導体素子から侵入するノイズを防ぐことが可能な半導体集積回路装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LSI(大規模集積回路)は、メモリ、演算回路、制御回路、入出力回路、センス回路、増幅回路等の回路ブロックから構成されている。一つのチップの中に多くの回路ブロックを入れたSoC(システムオンチップ)やマイクロプロセッサチップでは、多機能化や高速化を目指して開発されてきた。三次元LSIは回路ブロックを構成する部分を別々に切り離し、重ねて、チップ(回路ブロック)間をチップを貫通させた配線(シリコンデバイスの場合はTSV:Through Silicon Via)で接続する構造をもったLSIである。
【0003】
図10は、従来技術による一般的な3次元LSIを構成することのできる半導体集積回路装置を示す模式図である。図において、単結晶シリコン基板101の第1主面側に接着層102を有し、接着層102上の所望の領域に絶縁膜103を有し、絶縁膜103上に形成された単結晶シリコン半導体層104を有する。シリコン半導体層104を貫通する貫通ビアホール105内には、第2の絶縁膜106を介して周囲から絶縁された電極108を形成する。電極108は、単結晶シリコン半導体基板101に接続されたバンプ107に接続する。
【0004】
一対の電極108は、グランド電位及び電源電位にそれぞれ接続される。一対の電極108はそれぞれ上方に伸びて、上方の回路素子に接続されると共に、下方ではバンプ107から横方向にも延びると同時に多層配線にもなっている。シリコン半導体層104には、例えば、電界効果トランジスタまたはバイポーラトランジスタ等の回路素子が形成されるが、図示省略している。さらに、例えば、電界効果トランジスタを形成して、そのソース、ドレイン電極と一対の電極108を接続することができるが、その他の電極、例えば、ゲート電極とかそれに接続される配線も図示省略している。
【0005】
図10に例示の回路配置では高密度に半導体素子を実装できる。しかし、積層された半導体素子相互の間は、絶縁層や接着層を介しているものの、その距離が短いために、単結晶シリコン半導体層に形成された半導体素子又は半導体素子から構成される回路から発生するノイズの影響を受けやすいという問題があった。一つの半導体素子から発生したノイズは、他の半導体素子に影響を及ぼすだけでなく、他の半導体素子からのノイズも侵入する。1つのLSIに含まれる多数の素子が、平面上縦横に配列し、かつ、上下方向に配列されている場合、1つの単位素子または回路から発生するノイズは、上下左右の素子に影響し、また、多数の半導体素子を集積して構成したLSI外部の素子に対しても影響を及ぼし、かつ、LSI外部の素子から影響を受けることがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】H.Kino, H.Hashiguchi, Y.Sugawara, S. Tanikawa, T. Fukushima, K. Lee, M. Koyanagi, and T. Tanaka, “Minimization of Keep-Out-Zone(KOZ) in 3D IC by Local Bending Stress Suppression with Low Temperature Curing Adhesive”, IEEE Electric Components & Technology Conference 2015(ECTC2015), pp.1110-1115, 2014.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、単結晶シリコン半導体層などに形成された半導体素子又は半導体素子から構成される回路から発生するノイズを遮蔽し、多数の半導体素子を組み合わせて構成した集積回路内外の他の半導体素子に及ぼす影響、及び他の半導体素子から侵入するノイズを防いで、この集積回路自体の誤動作を防ぐと共に、他の集積回路への影響も防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
半導体集積回路を構成する個々の回路素子に電源を供給する本発明の半導体集積回路装置及びその製造方法は、半導体基板と、該半導体基板上に備えた第1の電磁ノイズ遮蔽層と、該第1の電磁ノイズ遮蔽層上に備えた回路ブロックと、該回路ブロック上に備えた第2の電磁ノイズ遮蔽層と、から構成する。回路ブロックは、少なくともグランド電極及び電源電位電極を有する回路素子部と、該回路素子部の上下にそれぞれ備えた絶縁層とを備える。第1の電磁ノイズ遮蔽層と第2の電磁ノイズ遮蔽層を、グランド電に接続して構成する。上下に絶縁層を備え、且つ1層のみ設けられている回路ブロックを、第1の電磁ノイズ遮蔽層と第2の電磁ノイズ遮蔽層によって挟むように構成する。また、第2の電磁ノイズ遮蔽層をグラフェンで構成するとともに、第2の電磁ノイズ遮蔽層と接する絶縁層をシリコン窒化膜層で構成する。
【0009】
回路素子部の上下にそれぞれ備えた絶縁層、及び第1の電磁ノイズ遮蔽層と第2の電磁ノイズ遮蔽層は、いずれも、電源供給のために設けられることがある開口部を除いて、それぞれ上面側及び下面側の全面に設けられる。
【0010】
回路素子部は、単結晶シリコン半導体、GaN、GaNとInGaNの積層構造、SiC、ダイヤモンド、又はガリウム酸化物からなる半導体基板を加工して形成される。第1の電磁ノイズ遮蔽層と接する絶縁層は、シリコン酸化膜層、シリコン窒化膜層、又はダイヤモンド層である。
【0011】
第1の電磁ノイズ遮蔽層は、ニッケル、コバルト、フェライト、銅、アルミ、グラフェン、磁性体薄膜又はカーボンナノチューブを、スパッタ、蒸着、メッキ、又は転写法を用いて堆積する。また、第1の電磁ノイズ遮蔽層は、金属層、磁性体層、あるいは金属層と磁性体層の積層によって構成する。
【0012】
第1の電磁ノイズ遮蔽層と第2の電磁ノイズ遮蔽層によって挟むように構成した回路ブロックの第2の電磁ノイズ遮蔽層の上に、別の回路ブロックを積層し、かつ、この別の回路ブロックの上に、当該別の回路ブロックの回路素子部のグランド電極に接続された第3の電磁ノイズ遮蔽層を備えて、上下に絶縁層を備えた別の回路ブロックを、第2の電磁ノイズ遮蔽層と第3の電磁ノイズ遮蔽層によって挟むように構成することができる。また、第3の電磁ノイズ遮蔽層の上に、さらに別の1個又は複数個の回路ブロックとその上に当該回路ブロックの回路素子部のグランド電極に接続された電磁ノイズ遮蔽層を積層して構成することができる。これら回路ブロックを積層する際、積層される回路ブロックの電磁ノイズ遮蔽層の上に絶縁膜を堆積して、この絶縁膜と、積層する回路ブロック下面の絶縁膜を一体に接合することにより、回路ブロック同士を接合する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、半導体素子が形成された回路ブロックの上下に電磁ノイズ遮蔽層を積層し、電磁ノイズ遮蔽層をグランド電位に固定することにより、半導体集積回路の半導体素子又は半導体素子から構成される回路から発生したノイズを遮蔽するとともに、他の半導体素子又は半導体素子から構成される回路から発生したノイズが侵入することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の半導体集積回路装置を具体化する回路配置の第1の例を示す図である。
図2】回路配置の製造方法の最初の3ステップ(a)〜(c)を例示する図である。
図3図2に続く後の3ステップ(d)〜(f)を例示する図である。
図4】nMOSFETを例にした回路素子部4の製造方法を説明する図である。
図5】本発明の半導体集積回路装置を具体化する回路配置の第2の例を示す図である。
図6】本発明の半導体集積回路装置を具体化する回路配置の第3の例を示す図である。
図7図6に示した第3の回路ブロックの製造方法を説明する図である。
図8図6に示した回路配置の第3の例の製造方法を説明する図である。
図9】電磁ノイズ遮蔽層の構成を例示する断面図である。
図10】従来技術による一般的な3次元LSIを構成することのできる半導体集積回路装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、上下に絶縁層を備えた回路ブロックを、第1の電磁ノイズ遮蔽層と第2の電磁ノイズ遮蔽層によって挟むように構成し、かつ、第1の電磁ノイズ遮蔽層と第2の電磁ノイズ遮蔽層を、グランド電位に接続することにより、回路ブロックの半導体素子から発生したノイズを遮蔽するとともに半導体素子が形成された半導体層に侵入するノイズを遮蔽する。以下、例示に基づき本発明を説明する。
【0016】
図1は、本発明の半導体集積回路装置を具体化する回路配置の第1の例を示す図である。この第1の例は、半導体基板1上に、第1の電磁ノイズ遮蔽層2を介して回路ブロックを形成する。回路ブロックは、上下に絶縁層3、7を備える。回路ブロックの上側絶縁層7の上に、第2の電磁ノイズ遮蔽層8を備えて、第1の電磁ノイズ遮蔽層2と第2の電磁ノイズ遮蔽層8によって回路ブロックを上下から挟むよう構成する。以下、詳述する。
【0017】
半導体基板(例えば、単結晶シリコン基板)1上に、第1の電磁ノイズ遮蔽層2を備える。この第1の電磁ノイズ遮蔽層2上に、第1の絶縁層(例えば、シリコン酸化膜層)3を備える。第1の絶縁層3上には、半導体素子などを形成した回路素子部4と、絶縁膜(例えばシリコン酸化膜)からなる第1と第2のフィールド領域5と6を有する。回路素子部4は、単結晶半導体層(例えば単結晶シリコン半導体層)を加工して、そこに作成する。回路素子部4と第1と第2のフィールド領域5と6の上に、第2の絶縁層(例えばシリコン酸化膜)7を備える。第2の絶縁層7上に第2の電磁ノイズ遮蔽層8を備える。回路ブロックの下側に設けられる第1の電磁ノイズ遮蔽層2と第1の絶縁層3、及び上側に設けられる第2の電磁ノイズ遮蔽層8と第2の絶縁層7は、電極などのために設けられる開口部を除いて、それぞれ上面側及び下面側の全面に設ける。
【0018】
回路素子部4には、半導体素子などの回路素子(図4参照)が形成され、該回路素子は、回路素子部4に形成された1箇所または複数個のグランド電極16又は電源電位電極17に接続される。グランド電極16は、電極14を介して、金属11と金属13に接続される。金属11は、第1の電磁ノイズ遮蔽層2に接続され、また、金属13は、第2の電磁ノイズ遮蔽層8に接続される。電源電位電極17は、電極15を介して、ビアホール12に埋め込まれた金属56に接続される。金属56は、第2の電磁ノイズ遮蔽層8に設けた開口を通して露出させる。金属56の周囲の開口には絶縁体57として例えばシリコン酸化膜を充填する。この金属56を介して、電源電位を供給する。グランド電極16又は電源電位電極17以外に、例えば、回路素子として、電界効果トランジスタを形成した場合、例えば、ゲート電極とかそれに接続される配線が必要になるが、図示省略している。
【0019】
第1の電磁ノイズ遮蔽層2及び第2の電磁ノイズ遮蔽層8は、グランド電位に接続されている(図示省略)。第1の電磁ノイズ遮蔽層2は第1の絶縁層3と第1フィールド領域5を貫通したビアホール10に埋め込まれた金属11に接続され、かつ、この金属11及び電極14を介して、グランド電極16に接続される。第2の電磁ノイズ遮蔽層8は、第2の絶縁層7を貫通した金属13に接続され、かつ、この金属13及び電極14を介して、グランド電極16に接続される。なお、絶縁層や絶縁膜としてシリコン酸化膜のかわりにシリコン窒化膜やダイヤモンドを用いても同様な効果が得られる。
【0020】
次に、図1に例示した回路配置の第1の例の製造方法を、図2及び図3を参照して説明する。図2は、回路配置の製造方法の最初の3ステップ(a)〜(c)を例示する図であり、かつ、図3は後の3ステップ(d)〜(f)を例示する図である。
【0021】
最初に、図2のステップ(a)において、シリコン半導体基板200の第一主面側にシャロウトレンチを作製した後、シャロウトレンチ内に絶縁膜(例えばシリコン酸化膜)5,6を埋め込み、平坦化する。次に、回路素子部4を形成する。nMOSFETを例にした回路素子部4の製造方法については、図4を参照して後述する。その後、絶縁膜(例えば、シリコン酸化膜)201を堆積、平坦化した後、仮支持基板202を堆積する。
【0022】
次に、ステップ(b)において、シリコン半導体基板200の第二主面側から、研削・研磨CMP(Chemical Mechanical Polishing - 化学機械研磨)により、回路素子部4を残すようにシリコン半導体層を薄層化する。
【0023】
次に、ステップ(c)において、シリコン半導体基板1上に電磁ノイズ遮蔽層2として、例えばニッケルをスパッタで堆積する。電磁ノイズ遮蔽層としては、ニッケルに代えて、コバルト、フェライト、銅、アルミ、グラフェン、カーボンナノチューブを用いても同様な効果が得られる。また、電磁ノイズ遮蔽層の形成方法としてスパッタのかわりに、蒸着、メッキ、転写法を用いてもよい。その後電磁ノイズ遮蔽層2上に例えば絶縁膜3としてシリコン酸化膜を堆積して平坦化した後、両基板を接着する。
【0024】
次に、図3に示すステップ(d)において、仮支持基板202を剥離した後、シリコン酸化膜201に、電極16,17用のコンタクトホールを形成し、電極16,17(例えばタングステン)を埋め込む。その後、電極11用の貫通ビアホールVIAを形成した後、電極11として、例えば銅Cuをメッキで埋め込む。
【0025】
次に、ステップ(e)において、電極11及び電極16,17にそれぞれ接続する電極14と15を、例えばアルミAlで形成した後、絶縁膜205(例えば酸化膜)を堆積した後、平坦化し、電極14と15を露出させる。
【0026】
次に、ステップ(f)において、絶縁膜(例えばシリコン酸化膜)7を堆積し、電極13用のコンタクトホールを形成した後、電極13を埋め込み、この上に、電磁ノイズ遮蔽層8として、例えばニッケルをスパッタで堆積する。次に、絶縁膜7及び電磁ノイズ遮蔽層8を貫通する電極56用のコンタクトホールを形成した後、電極56を埋め込み、電極56の周囲の電磁ノイズ遮蔽層を除去した後、周囲に絶縁物を充填する。電磁ノイズ遮蔽層としては、ニッケルに代えてコバルト、フェライト、銅、アルミ、グラフェン、カーボンナノチューブを用いても同様な効果が得られる。また、電磁ノイズ遮蔽層の形成方法としてスパッタのかわりに、蒸着、メッキ、転写法を用いてもよい。
【0027】
これによって、図1を参照して説明した半導体集積回路装置の回路配置の第1の例が完成する。
【0028】
図4は、nMOSFETを例にした回路素子部4の製造方法を説明する図である。ステップ(a)において、シリコン半導体基板200の第1主面側にpウエルX1をイオン注入し、その後に高温アニール形成した後、ゲート酸化膜X2を熱酸化により形成する。ゲート酸化膜X2の上に、多結晶シリコンを堆積、加工することによりゲート電極X3を形成する。その後イオン注入によりLDD(Lightly Doped Drain、低濃度不純物ドレイン)領域X4を形成する。
【0029】
次に、ステップ(b)において、絶縁膜X5として、例えばシリコン酸化膜を減圧CVD(Chemical Vapor Deposition)法で堆積し、RIE(Reactive Ion Etching)によりゲート電極X3の側壁部に形成する。その後イオン注入と高温アニールによりソース領域X6とドレイン領域X7を形成する。このソース領域X6とドレイン領域X7に、上述した電極16,17(図3(d))が接続されることになる。
【0030】
図5は、本発明の半導体集積回路装置を具体化する回路配置の第2の例を示す図である。この第2の例は、半導体基板1上に、第1の電磁ノイズ遮蔽層2を介して上下に絶縁層を備えた第1の回路ブロックを形成し、かつ、その上に、第2の電磁ノイズ遮蔽層8を介して、上下に絶縁層を備え第2の回路ブロックを備え、さらにその上に、第3の電磁ノイズ遮蔽層28を備えて構成される。即ち、第1及び第2の回路ブロックは、それぞれ、第1の電磁ノイズ遮蔽層2と、第2の電磁ノイズ遮蔽層8と、第3の電磁ノイズ遮蔽層28によってそれぞれ上下から挟むよう構成される。第1及び第2の回路ブロックは、図1を参照して上述した回路ブロックと類似の構成を有するものとして例示したが、回路素子部4に形成したグランド電極16又は電源電位電極17から、対応する電磁ノイズ遮蔽層への接続配置態様のみを異にしている。以下、詳述する。
【0031】
半導体基板(例えば単結晶シリコン半導体基板)1上に第1の電磁ノイズ遮蔽層2を備え、この上に、上下に絶縁層3、7を備えた第1の回路ブロックを形成する。このために、この第1の電磁ノイズ遮蔽層2上に第1の絶縁層(例えばシリコン酸化膜)3を備える。この第1の絶縁層3上に単結晶半導体層(例えば単結晶シリコン半導体層)を加工して形成した第1の回路素子部4と絶縁膜(例えばシリコン酸化膜)からなる第1と第2のフィールド領域5と6を備える。第1の回路素子部4と第1と第2のフィールド領域5と6上には、第2の絶縁層(例えば、シリコン酸化膜)7を備える。回路素子部4は複数個のグランド電極16及び電源電位電極17を有する。第1の電磁ノイズ遮蔽層2は、第1の絶縁層3と第4のフィールド領域6を貫通したビアホール19に埋め込まれた金属18に接続され、かつ、金属18に接続された電極14を介して、回路素子部4のグランド電極16に接続される。シリコン酸化膜7上に第2の電磁ノイズ遮蔽層8を堆積する。
【0032】
次に、上下に絶縁層を備えた第2の回路ブロックを形成するために、第2の電磁ノイズ遮蔽層8上に第3の絶縁層(例えばシリコン酸化膜)23を備える。シリコン酸化膜23上に、単結晶半導体層(例えば、単結晶シリコン半導体層)を加工して形成した第2の回路素子部24と、絶縁層(例えばシリコン酸化膜)からなる第5と第6のフィールド領域25と26を備える。第2の回路素子部24と第5と第6のフィールド領域25と26上に、第4の絶縁層(例えばシリコン酸化膜)27を備える。シリコン酸化膜27上に第3の電磁ノイズ遮蔽層28を備える。
【0033】
金属21は、第1の回路ブロックのシリコン酸化膜7の一部と、第2の電磁ノイズ遮蔽層8と、第2の回路ブロックの第3の絶縁層23と、第5のフィールド領域25と、第4の絶縁層27の一部を貫通したビアホール20に埋め込まれる。この金属21は、第2の電磁ノイズ遮蔽層8とは絶縁体37として例えばシリコン酸化膜によって絶縁されている。また、この金属21に接続された金属56は、第3の電磁ノイズ遮蔽層28とは絶縁体57として例えばシリコン酸化膜によって絶縁されて、その上方に露出している。これによって、金属21は、一方で、電極32を介して、第2の回路素子部24の電源電位電極35に接続され、かつ他方で、第1の回路ブロックの電極15を介して、第1の回路素子部4の電源電位電極17に接続される。言い換えると、第2の回路ブロックの電源電位電極35は、第1の回路ブロックの電源電位電極17と共通に接続され、かつ、電極56を介して上位の回路ブロック又は電源に接続されることになる。
【0034】
金属36は、第3の絶縁層23と、第6のフィールド領域26と、第4の絶縁層27の一部を貫通したビアホールに埋め込まれる。これによって、この金属36は、一方で、電極33を介して、第2の回路素子部24のグランド電極34に接続され、かつ、他方で、第2の電磁ノイズ遮蔽層8に接続される。
【0035】
金属31は、第4の絶縁層27の一部を貫通したビアホールに埋め込まれる。これによって、この金属31は、電極33を介して、第2の回路素子部24のグランド電極34に接続され、かつ、他方で、第3の電磁ノイズ遮蔽層28に接続される。言い換えると、第2の回路素子部24のグランド電極34は、金属36を介して第2の電磁ノイズ遮蔽層8に接続されると共に、金属31を介して第3の電磁ノイズ遮蔽層28にも接続される。
【0036】
なお、絶縁層や絶縁膜としてシリコン酸化膜のかわりにシリコン窒化膜やダイヤモンドを用いても同様な効果が得られる。また単結晶シリコン半導体層のかわりにGaN、GaNとInGaNの積層構造、SiC、ダイヤモンド、ガリウム酸化物を用いても同様な効果が得られる。
【0037】
図6は、本発明の半導体集積回路装置を具体化する回路配置の第3の例を示す図である。この第3の例は、図5を参照して上述した第2の例(積層半導体回路)の上に、さらに、第3の回路ブロックを積層したものに相当する。
【0038】
図6において、最上面に第3の電磁ノイズ遮蔽層28を有する積層半導体回路41は、図5を参照して上述した回路構成を有する。第3の電磁ノイズ遮蔽層28の上に、第5の絶縁層(例えばシリコン酸化膜)43を堆積する。このシリコン酸化膜43上に単結晶半導体層(例えば単結晶シリコン半導体層)を加工して形成した第3の回路素子部44と、第7と第8のフィールド領域としてシリコン酸化膜45、46を有する。第3の回路素子部44とシリコン酸化膜45、46上に、第8の絶縁層(例えばシリコン酸化膜)47を有する。このシリコン酸化膜47上に第4の電磁ノイズ遮蔽層48を備える。
【0039】
金属51は、シリコン酸化膜43と、第7のフィールド領域のシリコン酸化膜45を貫通したビアホール50に埋め込まれる。金属56は、シリコン酸化膜47と、第4の電磁ノイズ遮蔽層48を貫通したビアホールに埋め込まれる。これによって、金属51は、一方で、電極54を介して第3の回路素子部44の電源電位電極59に接続すると共に、他方で、第2の回路ブロックの電極56(図5参照)に接続される。このために、図5の金属56の高さを、電磁ノイズ遮蔽層表面と平坦になるように同じ高さにした上で、図5の金属56と、図6の金属51を接続する。また、図6において、金属51と金属56はそれぞれ、第3と第4の電磁ノイズ遮蔽層28、48とは絶縁体57によって絶縁されている。
【0040】
金属53は、第8の絶縁層47の一部を貫通したビアホール52に埋め込まれる。これによって、この金属53は、一方で、電極55を介して第3の回路素子部44に備えたグランド電極58に接続すると共に、他方で、第4の電磁ノイズ遮蔽層48に接続される。
【0041】
次に、図6に示した回路配置の第3の例の製造方法を説明する。図7は、図6に示した第3の回路ブロックの製造方法を説明する図である。図7のステップ(a)において、シリコン半導体基板200の第一主面側にシャロウトレンチを作製した後、シャロウトレンチ内に絶縁膜(例えばシリコン酸化膜)45,46を埋め込み、平坦化する。次に、回路素子部44を形成する。その後、図3を参照して上述した製造方法と同様な方法で、絶縁膜47の下部分を堆積した後、この絶縁膜にコンタクトホールを形成して、電極58,59を埋め込む。その後、電極58,59にそれぞれ接続する電極54と55を形成した後、絶縁膜47の上部分を堆積する。次に、電極53を形成した後、この上に、電磁ノイズ遮蔽層48を堆積する。次に、絶縁膜47及び電磁ノイズ遮蔽層48を貫通して、電極56を形成し、電極56の周囲の電磁ノイズ遮蔽層48を除去した後、周囲に絶縁物57を充填する。この上に、仮支持基板202を接着する。
【0042】
次に、図7のステップ(b)において、シリコン半導体基板200の第二主面側から、研削・研磨CMP(Chemical Mechanical Polishing - 化学機械研磨)により、回路素子部44を残すようにシリコン半導体層を薄層化する。その後、酸化膜38を堆積後、スルーホールを形成して、電極54に接続する金属51を埋め込む。この際、後に、図5に示した回路配置の第2の例の上に接着するために、金属51の高さを、絶縁膜38と平坦になるように同じ高さにする。これによって、仮支持基板202が接着された状態の第3の回路ブロックが完成する。
【0043】
図8は、図6に示した回路配置の第3の例の製造方法を説明する図である。図8の上側には、図7のステップ(b)で作成した第3の回路ブロックを示し、かつ、図8の下側には、絶縁膜39を堆積した状態で、図5に示した回路配置の第2の例を示している。即ち、第2の回路ブロックの上面に、絶縁膜39を堆積する。この際、金属56の高さを、絶縁膜39と平坦になるように同じ高さにする。この状態で、図8の上側に示した第3の回路ブロックを、下側に示した回路配置の第2の例の上に、接着する。この際、第2の回路ブロックの上面の酸化膜39と金属51として例えば銅、これと同材料の第3の回路ブロック下面の酸化膜38と金属56として例えば銅を接着すれば、第2と第3の回路ブロックが接着できるので、低温での接着が可能となる。この後、仮支持基板202をはがすことにより、図6を参照して上述した回路配置の第3の例が完成する。以上、第3の回路ブロックを積層する場合を例として説明したが、上述した積層方法は、さらに、この第3の回路ブロックの上に1組または複数組積層する場合とか、或いは、図5に示した第2の回路ブロックを積層する場合にも適用できる。低温接着技術により、電磁ノイズ遮蔽層に用いる材料の選択肢が広くなるという効果も生じる。また、積層される集積回路ブロックの共通化が可能であるので、所望数積層するのみで、任意段数の積層半導体回路を容易に製造することができる。また、絶縁層や絶縁膜としてシリコン酸化膜のかわりにシリコン窒化膜やダイヤモンドを用いても同様な効果が得られる。また単結晶シリコン半導体層のかわりにGaN、GaNとInGaNの積層構造、SiC、ダイヤモンド、ガリウム酸化物を用いても同様な効果が得られる。
【0044】
図9は、電磁ノイズ遮蔽層の構成を例示する断面図である。(a)は、金属層、磁性体層、あるいは金属と磁性体層の積層61を例示している。(b)は、金属層71と、磁性体層72と、金属層73を積層して構成した電磁ノイズ遮蔽層を例示している。(c)は、磁性体層81と、金属層82と、磁性体層83と、金属層84と、磁性体層85を積層して構成した電磁ノイズ遮蔽層を例示している。
【0045】
電磁ノイズ遮蔽層には、電磁ノイズ遮蔽性を有するだけでなく、導電性も求められる。電磁ノイズ遮蔽層に好適な材料は、ニッケル、コバルト、フェライト、銅、アルミ、グラフェン、カーボンナノチューブである。また、電磁ノイズ遮蔽層の形成方法としては、スパッタ、蒸着、メッキ、転写法を用いることができる。
【符号の説明】
【0046】
1:半導体基板
2:第1の電磁ノイズ遮蔽層
3:第1の絶縁層
4:回路素子部
5:第1のフィールド領域
6:第2のフィールド領域
7:第2の絶縁層
8:第2の電磁ノイズ遮蔽層
11、13、56:金属
14.15:電極
16:グランド電極
17:電源電位電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10