【実施例】
【0033】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0034】
<配位子の合成>
(合成例1:6−ブロモピリジン−2−カルボキシアルデヒドの合成)
【化21】
n−BuLiヘキサン溶液(2.65M,103mL,273mmol)を−30℃下、THF(395mL)で希釈し、−80℃に冷却した。温度を−80℃に維持し、撹拌しながら、これに2,6−ジブロモピリジン(60.0g,248mmol)のTHF(210mL)溶液を滴下した。−80℃以下で30分間撹拌を続けた後、過剰量の無水DMF(29.0mL,372mmol)を1分間かけて滴下したところ、発熱反応が生じた。この反応液を−70℃以下に冷却した後、室温に戻し、反応をメタノール(180mL)でクエンチして、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(600mL)を加えた。この溶液をクロロホルム(600mL×5)で抽出し、有機相を集めて溶媒を留去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカ,CHCl
3,Rf=0.70)で精製し、白色粉体である6−ブロモピリジン−2−カルボキシアルデヒドを得た(収率:93%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): 7.71 (m, 2H), 7.93 (dd, 1H, J = 6.8, 1.8 Hz), 10.01 (s,1H).
【0035】
(合成例2:2−(トリブチルスタニル)ピリジンの合成)
【化22】
n−BuLiヘキサン溶液(2.65M,95mL,251mmol)を、2−ブロモピリジン(40.0g,233mmol)のTHF(360mL)溶液に−78℃下で滴下した。−70℃下で30分間撹拌した後、−78℃下でトリブチルスズクロリド(90.8g,279mmol)を加え、反応液を室温に戻した。反応をメタノール(30.5mL)でクエンチし、溶媒を留去した。得られた分散液を酢酸エチル(200mL)で希釈し、セライトで濾過した。濾液の溶媒を留去し、得られた油性成分を蒸留(140℃,180Pa)して精製し、黄色の油性成分である2−(トリブチルスタニル)ピリジンを得た(収率74%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): 0.88 (t, 9H, J = 7.3 Hz), 1.12 (m, 6H), 1.32 (m, 6H), 1.56 (m, 6H), 7.11 (m, 1H), 7.39 (d, 1H, J = 7.3 Hz), 7.48 (m, 1H), 8.73 (d, 1H, J = 4.5 Hz).
【0036】
(合成例3:[2,2’]ビピリジン−6−カルボキシアルデヒドの合成)
【化23】
6−ブロモピリジン−2−カルボキシアルデヒド(20.4g,110mmol)、2−(トリブチルスタニル)ピリジン(40.4g,110mmol)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(6.33g,5.48mmol)のトルエン(200mL)溶液を窒素下で一晩還流した。この反応液を水(100mL)で洗浄し、溶媒を留去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカ,AcOEt,Rf=0.70)で精製し、黄色粉体である[2,2’]ビピリジン−6−カルボキシアルデヒドを得た(収率:43%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): 7.36 (m, 1H), 7.86 (m, 1H), 7.98 (m, 2H), 8.54 (m, 1H),8.65 (m, 1H), 8.71 (m, 1H), 10.17 (d, 1H, J = 1.2).
【0037】
(合成例4:N−([2,2’−ビピリジン]−6−イルメチレン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミンの合成)
【化24】
2,4,6−トリメチルアニリン(1.14g,8.14mmol)及び[2,2’]ビピリジン−6−カルボキシアルデヒド(1.50g、8.14mmol)のメタノール(20.0mL)溶液を還流温度で加熱し、室温まで戻した。減圧下で溶媒を留去後、粗生成物をクーゲルロール蒸留(250℃,170Pa)を利用して精製し、黄色の油性成分であるN−([2,2’−ビピリジン]−6−イルメチレン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミンを得た(収率:82%)。なお、生成物には不純物として少量の2,4,6−トリメチルアニリンが含まれている。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): 2.17 (s, 6H), 2.31 (s, 3H), 6.92 (s, 2H), 7.34 (m, 1H),7.84 (m, 1H), 7.97 (t, 1H, J = 7.9 Hz), 8.32 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 8.44 (s, 1H),8.51 (m, 2H), 8.71 (m, 1H).
13C{
1H} NMR (100.4 MHz, CDCl
3): 18.39, 20.88, 121.00, 121.32, 122.67, 124.03, 126.92, 128.90, 133.47, 137.07, 137.64, 148.11, 149.36, 154.23, 155.81, 156.11, 164.02.
【0038】
(合成例5:N−([2,2’−ビピリジン]−6−イルメチレン)−2,6−ジイソプロピルベンゼンアミンの合成)
【化25】
2,6−ジイソプロピルアニリン(1.44g,8.14mmol)及び[2,2’]ビピリジン−6−カルボキシアルデヒド(1.50g、8.14mmol)のメタノール(20.0mL)溶液を還流温度で加熱し、室温まで戻した。減圧下で溶媒を留去後、粗生成物をクーゲルロール蒸留(240℃,170Pa)を利用して精製し、黄色粉体であるN−([2,2’−ビピリジン]−6−イルメチレン)−2,6−ジイソプロピルベンゼンアミンを得た(収率:55%)。なお、生成物には不純物として少量の2,6−ジイソプロピルアニリンが含まれている。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.19 (d, 12H, J = 6.8 Hz), 3.01 (sept, 2H, J = 6.7 Hz),7.11-7.22 (m, 3H), 7.34 (m, 1H), 7.85 (m, 1H), 7.98 (t, 1H, J = 7.6 Hz), 8.32 (d, 1H, J = 7.7 Hz), 8.41 (s, 1H), 8.52 (m, 2H), 8.71 (m, 1H).
13C{
1H} NMR (100.4MHz, CDCl
3): 23.53, 28.08, 121.11, 121.36, 122.73, 123.14, 124.05, 124.51, 137.06, 137.35, 137.69, 148.63, 149.34, 154.05, 155.78, 156.19, 163.52.
【0039】
(合成例6:6−メチル−2−(トリブチルスタニル)ピリジンの合成)
【化26】
n−BuLiヘキサン溶液(2.65M,28.0mL,74.6mmol)を、2−ブロモ−6−メチルピリジン(11.9g,69.2mmol)のTHF(107mL)溶液に−80℃下で滴下した。−70℃下で30分間撹拌した後、−80℃以下の温度でトリブチルスズクロリド(27.0g,83.0mmol)を加え、反応液を室温に戻した。反応をメタノール(10.0mL)でクエンチし、溶媒を留去した。得られた分散液をクロロホルム(100mL)で希釈し、セライトで濾過した。濾液の溶媒を留去し、得られた油性成分を蒸留(150℃,60Pa)して精製し、無色油性成分である6−メチル−2−(トリブチルスタニル)ピリジンを得た(収率65%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): 0.88 (t, 9H, J = 7.3 Hz), 1.10 (m, 6H), 1.32 (m, 6H), 1.56 (m, 6H), 2.54 (s, 3H), 6.95 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 7.17 (d, 1H, J = 7.2 Hz), 7.36 (t, 1H, J = 7.6 Hz).
【0040】
(合成例7:6’−メチル[2,2’]ビピリジン−6−カルボキシアルデヒドの合成)
【化27】
6−ブロモピリジン−2−カルボキシアルデヒド(1.89g,10.2mmol)、6−メチル−2−(トリブチルスタニル)ピリジン(3.88g,10.2mmol)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.17g,1.02mmol)のトルエン(18.9mL)溶液を窒素下で一晩還流した。この反応液を水(10.0mL)で洗浄し、溶媒を留去した。粗生成物をクーゲルロール蒸留(125℃,190Pa)を利用して精製し、白色粉体である6’−メチル[2,2’]ビピリジン−6−カルボキシアルデヒドを得た(収率:73%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): 2.65 (s, 3H), 7.22 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 7.33 (br, 1H), 7.75 (t, 1H, J = 7.8 Hz), 7.97 (m, 1H), 8.33 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 8.67 (dd, 1H, J = 6.5, 2.3 Hz), 10.17 (s, 1H).
【0041】
(合成例8:N−[1−(6’−メチル[2,2’−ビピリジン]−6−イル)メチレン]−ベンゼンアミンの合成)
【化28】
アニリン(0.10g,1.07mmol)及び6’−メチル[2,2’]ビピリジン−6−カルボキシアルデヒド(0.21g、1.07mmol)のメタノール(3.2mL)溶液を還流温度で加熱し、室温まで戻した。沈殿物を濾過で単離し、メタノール(0.3mL)で3回洗浄、真空乾燥させて、黄色粉体であるN−[1−(6’−メチル[2,2’−ビピリジン]−6−イル)メチレン]−ベンゼンアミンを得た(収率:26%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): 2.67 (s, 3H), 7.21 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 7.24-7.35 (m, 3H), 7.43 (t, 2H, J = 7.6 Hz), 7.75 (t, 1H, J = 7.8 Hz), 7.94 (t, 1H, J = 7.8 Hz), 8.25 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 8.29 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 8.52 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 8.71 (s, 1H).
13C{
1H} NMR (100.4 MHz, CDCl
3): 24.73, 118.44, 121.28, 121.38, 121.50, 122.82, 123.73, 129.36, 137.44, 137.64, 151.24, 154.30, 155.16, 158.16, 161.40, 193.96.
Anal. Calcd. for C
18H
15N
3: C, 79.10; H, 5.53; N, 15.37. Found: C, 79.04; H, 5.62; N, 15.43.
【0042】
(合成例9:N−[1−(6’−メチル[2,2’−ビピリジン]−6−イル)メチレン]−2,4,6−トリメチルベンゼンアミンの合成)
【化29】
アニリンを2,4,6−トリメチルアニリンに変更した以外、合成例8と同様の方法を行って、黄色粉体であるN−[1−(6’−メチル[2,2’−ビピリジン]−6−イル)メチレン]−2,4,6−トリメチルベンゼンアミンを得た(収率:55%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): 2.16 (s, 6H), 2.30 (s, 3H), 2.66 (s, 3H), 6.91 (s, 2H),7.20 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 7.72 (t, 1H, J = 7.8 Hz), 7.95 (t, 1H, J = 7.8 Hz), 8.26 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 8.29 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 8.42 (s, 1H), 8.52 (d, 1H, J =7.8 Hz).
13C{
1H} NMR (100.4 MHz, CDCl
3): 18.40, 20.89, 24.80, 118.33, 120.82, 122.77, 123.63, 126.95, 128.88, 133.45, 137.25, 137.57, 148.13, 154.17, 155.21, 156.44, 158.17, 164.16.
Anal. Calcd. for C
21H
21N
3: C, 79.97; H, 6.71; N, 13.32. Found: C, 80.11; H, 6.85; N, 13.36.
【0043】
(合成例10:N−[1−(6’−メチル[2,2’−ビピリジン]−6−イル)メチレン]−2,6−ジイソプロピルベンゼンアミンの合成)
【化30】
アニリンを2,4,6−トリメチルアニリンに変更した以外、合成例8と同様の方法を行って、黄色粉体であるN−[1−(6’−メチル[2,2’−ビピリジン]−6−イル)メチレン]−2,6−ジイソプロピルベンゼンアミンを得た(収率:96%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.19 (d, 12H, J = 6.8 Hz), 2.67 (s, 3H), 3.01 (sept, 2H, J = 6.8 Hz), 7.11-7.22 (m, 4H), 7.73 (t, 1H, J = 7.8 Hz), 7.97 (t, 1H, J = 7.8Hz), 8.29 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 8.40 (s, 1H), 8.56 (d, 1H, J = 7.6 Hz).
13C{
1H} NMR (100.4 MHz, CDCl
3): 23.59, 24.80, 28.09, 118.37, 120.93, 122.83, 123.15, 123.64, 124.50, 137.23, 137.39, 137.61, 148.67, 154.02, 155.21, 156.55, 158.15, 163.65.
Anal. Calcd. for C
24H
24N
3: C, 80.63; H, 7.61; N, 11.75. Found: C, 80.43; H,7.71; N, 11.70.
【0044】
<式(A)で表される鉄錯体化合物の調製>
(実施例1:N−([2,2’−ビピリジン]−6−イルメチレン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミン鉄(II)ブロミドの調製)
【化31】
乾燥した窒素雰囲気、室温下で激しく撹拌しながら、臭化鉄(II)(1.20g,5.55mmol)を、N−([2,2’−ビピリジン]−6−イルメチレン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミン(1.68g,5.57mmol)のTHF(84.0mL)溶液に加えた。沈殿物を濾過で単離し、THF(8.0mL)で3回洗浄、真空乾燥させて、暗緑色粉体であるN−([2,2’−ビピリジン]−6−イルメチレン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミン鉄(II)ブロミド(以下、「鉄錯体化合物1」と略す場合がある。)を得た(収率:89%)。
Anal. Calcd. for C
20H
19Br
2FeN
3: C, 46.46; H, 3.70; N, 8.13. Found: C, 46.00; H, 3.84; N, 7.96.
【0045】
(実施例2:N−([2,2’−ビピリジン]−6−イルメチレン)−2,6−ジイソプロピルベンゼンアミン鉄(II)ブロミドの調製)
【化32】
N−([2,2’−ビピリジン]−6−イルメチレン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミンをN−([2,2’−ビピリジン]−6−イルメチレン)−2,6−ジイソプロピルベンゼンアミンに変更した以外、実施例1と同様の方法を行って、青緑色粉体であるN−([2,2’−ビピリジン]−6−イルメチレン)−2,6−ジイソプロピルベンゼンアミン鉄(II)ブロミド(以下、「鉄錯体化合物2」と略す場合がある。)を得た(収率:59%)。
Anal. Calcd. for C
23H
25Br
2FeN
3: C, 49.41; H, 4.51; N, 7.52. Found: C, 49.44; H, 4.68; N, 7.31.
【0046】
(実施例3:N−[1−(6’−メチル[2,2’−ビピリジン]−6−イル)メチレン]−ベンゼンアミン鉄(II)ブロミドの調製)
【化33】
N−([2,2’−ビピリジン]−6−イルメチレン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミンをN−[1−(6’−メチル[2,2’−ビピリジン]−6−イル)メチレン]−ベンゼンアミンに変更した以外、実施例1と同様の方法を行って、緑色粉体であるN−[1−(6’−メチル[2,2’−ビピリジン]−6−イル)メチレン]−ベンゼンアミン鉄(II)ブロミド(以下、「鉄錯体化合物3」と略す場合がある。)を得た(収率:93%)。
Anal. Calcd. for C
18H
15Br
2FeN
3: C, 44.21; H, 3.09; N, 8.59. Found: C, 44.45; H, 3.41; N, 8.13.
【0047】
(実施例4:N−[1−(6’−メチル[2,2’−ビピリジン]−6−イル)メチレン]−2,4,6−トリメチルベンゼンアミン鉄(II)ブロミドの調製)
【化34】
N−([2,2’−ビピリジン]−6−イルメチレン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミンをN−[1−(6’−メチル[2,2’−ビピリジン]−6−イル)メチレン]−2,4,6−トリメチルベンゼンアミンに変更した以外、実施例1と同様の方法を行って、青緑色粉体であるN−[1−(6’−メチル[2,2’−ビピリジン]−6−イル)メチレン]−2,4,6−トリメチルベンゼンアミン鉄(II)ブロミド(以下、「鉄錯体化合物4」と略す場合がある。)を得た(収率:86%)。
Anal. Calcd. for C
21H
21Br
2FeN
3: C, 47.49; H, 3.99; N, 7.91. Found: C, 47.23; H, 4.03; N, 7.84.
【0048】
(実施例5:N−[1−(6’−メチル[2,2’−ビピリジン]−6−イル)メチレン]−2,6−ジイソプロピルベンゼンアミン鉄(II)ブロミドの調製)
【化35】
N−([2,2’−ビピリジン]−6−イルメチレン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミンをN−[1−(6’−メチル[2,2’−ビピリジン]−6−イル)メチレン]−2,6−ジイソプロピルベンゼンアミンに変更した以外、実施例1と同様の方法を行って、青緑色粉体であるN−[1−(6’−メチル[2,2’−ビピリジン]−6−イル)メチレン]−2,6−ジイソプロピルメチルベンゼンアミン鉄(II)ブロミド(以下、「鉄錯体化合物5」と略す場合がある。)を得た(収率:59%)。
Anal. Calcd. for C
24H
24Br
2FeN
3: C, 50.29; H, 4.75; N, 7.33. Found: C, 50.41; H, 4.93; N, 7.06.
【0049】
<有機ケイ素化合物の製造(ヒドロシリル化反応)>
(実施例6)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物1(3.0mg,0.0058mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(9.2mL,58mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にフェニルシラン(0.72mL,5.8mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(24μL,0.024mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、ジオクチルフェニルシラン(変換率:89%)の生成を確認した。結果を表1に示す。
【0050】
(実施例7)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物1(3.0mg,0.0058mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(9.2mL,58mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にフェニルシラン(0.72mL,5.8mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(24μL,0.024mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。外温100℃に設定して反応開始とし、24時間後、室温まで冷却後、反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、ジオクチルフェニルシラン(変換率:91%)の生成を確認した。結果を表1に示す。
【0051】
(実施例8)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物2に変更した以外、実施例6と同様の方法により反応を行った。結果を表1に示す。
【0052】
(実施例9)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物2に変更した以外、実施例7と同様の方法により反応を行った。結果を表1に示す。
【0053】
(実施例10)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物3(0.021mmol)に変更した以外、実施例7と同様の方法により反応を行った。結果を表1に示す。
【0054】
(実施例11)
フレームドライを行い、窒素を流入したシュレンク管に鉄錯体化合物4(3.0mg,0.0056mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(8.9mL,56.49mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にフェニルシラン(0.70mL,5.65mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(24μL,0.024mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルフェニルシラン(変換率:72%)及びジオクチルフェニルシラン(変換率:26%)の生成を確認した。結果を表1に示す。
【0055】
(実施例12)
フレームドライを行い、窒素を流入したシュレンク管に鉄錯体化合物4(3.0mg,0.0056mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(8.9mL,56mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にフェニルシラン(0.70mL,5.7mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(24μL,0.024mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。外温100℃に設定して反応開始とし、24時間後、室温まで冷却後、反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルフェニルシラン(変換率:58%)及びジオクチルフェニルシラン(変換率:40%)の生成を確認した。結果を表1に示す。
【0056】
(実施例13)
鉄錯体化合物4を鉄錯体化合物5に変更した以外、実施例11と同様の方法により反応を行った。結果を表1に示す。
【0057】
(実施例14)
鉄錯体化合物4を鉄錯体化合物5に変更した以外、実施例12と同様の方法により反応を行った。結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
(実施例15)
フェニルシランをジフェニルシランに変更した以外、実施例6と同様の方法により反応を行った。結果を表2に示す。
【0060】
(実施例16)
フェニルシランをジフェニルシランに変更した以外、実施例7と同様の方法により反応を行った。結果を表2に示す。
【0061】
(実施例17)
フェニルシランをジフェニルシランに変更した以外、実施例8と同様の方法により反応を行った。結果を表2に示す。
【0062】
(実施例18)
フェニルシランをジフェニルシランに変更した以外、実施例9と同様の方法により反応を行った。結果を表2に示す。
【0063】
(実施例19)
フェニルシランをジフェニルシランに変更した以外、実施例11と同様の方法により反応を行った。結果を表2に示す。
【0064】
(実施例20)
フェニルシランをジフェニルシランに変更した以外、実施例12と同様の方法により反応を行った。結果を表2に示す。
【0065】
(実施例21)
フェニルシランをジフェニルシランに変更した以外、実施例13と同様の方法により反応を行った。結果を表2に示す。
【0066】
(実施例22)
フェニルシランをジフェニルシランに変更した以外、実施例14と同様の方法により反応を行った。結果を表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】
(実施例23)
フェニルシランをフェニル(メチル)シランに変更した以外、実施例6と同様の方法により反応を行った。結果を表3に示す。
【0069】
(実施例24)
フェニルシランをフェニル(メチル)シランに変更した以外、実施例7と同様の方法により反応を行った。結果を表3に示す。
【0070】
(実施例25)
フェニルシランをフェニル(メチル)シランに変更した以外、実施例8と同様の方法により反応を行った。結果を表3に示す。
【0071】
(実施例26)
フェニルシランをフェニル(メチル)シランに変更した以外、実施例9と同様の方法により反応を行った。結果を表3に示す。
【0072】
(実施例27)
フェニルシランをフェニル(メチル)シランに変更した以外、実施例11と同様の方法により反応を行った。結果を表3に示す。
【0073】
(実施例28)
フェニルシランをフェニル(メチル)シランに変更した以外、実施例12と同様の方法により反応を行った。結果を表3に示す。
【0074】
(実施例29)
フェニルシランをフェニル(メチル)シランに変更した以外、実施例13と同様の方法により反応を行った。結果を表3に示す。
【0075】
(実施例30)
フェニルシランをフェニル(メチル)シランに変更した以外、実施例14と同様の方法により反応を行った。結果を表3に示す。
【0076】
【表3】
【0077】
(実施例31)
鉄錯体化合物1の使用量を0.019mmolに、フェニルシランをジフェニル(メチル)シランに変更した以外、実施例6と同様の方法により反応を行った。結果を表4に示す。
【0078】
(実施例32)
鉄錯体化合物1の使用量を0.019mmolに、フェニルシランをジフェニル(メチル)シランに変更した以外、実施例7と同様の方法により反応を行った。結果を表4に示す。
【0079】
(実施例33)
鉄錯体化合物2の使用量を0.018mmolに、フェニルシランをジフェニル(メチル)シランに変更した以外、実施例8と同様の方法により反応を行った。結果を表4に示す。
【0080】
(実施例34)
鉄錯体化合物2の使用量を0.018mmolに、フェニルシランをジフェニル(メチル)シランに変更した以外、実施例9と同様の方法により反応を行った。結果を表4に示す。
【0081】
(実施例35)
鉄錯体化合物4の使用量を0.019mmolに、フェニルシランをジフェニル(メチル)シランに変更した以外、実施例11と同様の方法により反応を行った。結果を表4に示す。
【0082】
(実施例36)
鉄錯体化合物4の使用量を0.019mmolに、フェニルシランをジフェニル(メチル)シランに変更した以外、実施例12と同様の方法により反応を行った。結果を表4に示す。
【0083】
(実施例37)
鉄錯体化合物5の使用量を0.017mmolに、フェニルシランをジフェニル(メチル)シランに変更した以外、実施例13と同様の方法により反応を行った。結果を表4に示す。
【0084】
(実施例38)
鉄錯体化合物5の使用量を0.017mmolに、フェニルシランをジフェニル(メチル)シランに変更した以外、実施例14と同様の方法により反応を行った。結果を表4に示す。
【0085】
【表4】
【0086】
(実施例39)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物5(3.0mg,0.0052mmol)を精密に量り取り、ヘキサン(7.5mL)を加え、室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液に1−オクテン(0.83mL,5.2mmol)とフェニルシラン(0.65mL,5.2mmol)を順次加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(24μL,0.024mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルフェニルシラン(変換率:94%)及びジオクチルフェニルシラン(変換率:6%)の生成を確認した。結果を表5に示す。
【0087】
(実施例40)
ヘキサンをトルエンに変更した以外、実施例39と同様の方法により反応を行った。結果を表5に示す。
【0088】
(実施例41)
ヘキサンをジエチルエーテルに変更した以外、実施例39と同様の方法により反応を行った。結果を表5に示す。
【0089】
(実施例42)
ヘキサンをテトラヒドロフラン(THF)に変更した以外、実施例39と同様の方法により反応を行った。結果を表5に示す。
【0090】
【表5】
【0091】
(実施例43)
フレームドライを行い、窒素を流入したシュレンク管に鉄錯体化合物1(10mg,0.019mmol)を精密に量り取り、シクロヘキセン(2.0mL,19mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にフェニルシラン(0.24mL,1.9mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(78μL,0.078mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて触媒前駆体の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、シクロヘキシルフェニルシラン(変換率:50%)の生成を確認した。結果を表6に示す。
【0092】
(実施例44)
フレームドライを行い、窒素を流入したシュレンク管に鉄錯体化合物1(10mg,0.019mmol)を精密に量り取り、シクロヘキセン(2.0mL,19mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にフェニルシラン(0.24mL,1.9mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(78μL,0.078mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて触媒前駆体の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。外温100℃に設定して反応開始とし、24時間後、室温まで冷却後、反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、シクロヘキシルフェニルシラン(変換率:93%)の生成を確認した。結果を表6に示す。
【0093】
(実施例45)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物2に変更した以外、実施例43と同様の方法により反応を行った。結果を表6に示す。
【0094】
(実施例46)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物2に変更した以外、実施例44と同様の方法により反応を行った。結果を表6に示す。
【0095】
(実施例47)
鉄錯体化合物2の使用量を0.0054mmolに変更した以外、実施例43と同様の方法により反応を行った。結果を表6に示す。
【0096】
(実施例48)
鉄錯体化合物2の使用量を0.0054mmolに変更した以外、実施例44と同様の方法により反応を行った。結果を表6に示す。
【0097】
(実施例49)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物4に変更した以外、実施例43と同様の方法により反応を行った。結果を表6に示す。
【0098】
(実施例50)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物4に変更した以外、実施例44と同様の方法により反応を行った。結果を表6に示す。
【0099】
(実施例51)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物5に変更した以外、実施例43と同様の方法により反応を行った。結果を表6に示す。
【0100】
(実施例52)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物5に変更した以外、実施例44と同様の方法により反応を行った。結果を表6に示す。
【0101】
【表6】
【0102】
(実施例53)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物1(3.0mg,0.0058mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(9.2mL,58mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にフェニルシラン(0.72mL,5.8mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(40μL,0.040mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、ジオクチルフェニルシラン(変換率:89%)の生成を確認した。結果を表7に示す。
【0103】
(実施例54)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物1(3.0mg,0.0058mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(9.2mL,58mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にフェニルシラン(7.2mL,58mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(120μL,0.12mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルフェニルシラン(変換率:64%)及びジオクチルフェニルシラン(変換率:9%)の生成を確認した。結果を表7に示す。
【0104】
(実施例55)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物1(3.0mg,0.0058mmol)を精密に量り取り、ヘキサン(18mL)を加え、室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液に1−オクテン(18.4mL,120mmol)とフェニルシラン(7.2mL,58mmol)を順次加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(120μL,0.12mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルフェニルシラン(変換率:37%)及びジオクチルフェニルシラン(変換率:3%)の生成を確認した。結果を表7に示す。
【0105】
(実施例56)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物2(3.0mg,0.0054mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(8.5mL,54mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にフェニルシラン(066mL,5.4mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(22μL,0.022mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、ジオクチルフェニルシラン(変換率:86%)の生成を確認した。結果を表7に示す。
【0106】
【表7】
【0107】
(実施例57)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物1(3.0mg,0.0058mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(9.2mL,58mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にジフェニルシラン(1.1mL,5.8mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(24μL,0,024mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルジフェニルシラン(変換率:65%)及びジオクチルジフェニルシラン(変換率:22%)の生成を確認した。結果を表8に示す。
【0108】
(実施例58)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物1(3.0mg,0.0058mmol)を精密に量り取り、ヘキサン(36mL)を加え、室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液に1−オクテン(18mL,120mmol)とフェニルシラン(11mL,58mmol)を順次加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(120μL,0.12mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルジフェニルシラン(変換率:81%)の生成を確認した。結果を表8に示す。
【0109】
(実施例59)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物2(3.0mg,0.0054mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(8.5mL,54mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にジフェニルシラン(1.0mL,5.4mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(22μL,0.022mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルジフェニルシラン(変換率:59%)及びジオクチルジフェニルシラン(変換率:20%)の生成を確認した。結果を表8に示す。
【0110】
(実施例60)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物2(3.0mg,0.0054mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(1.7mL,11mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にジフェニルシラン(1.0mL,5.4mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(22μL,0.022mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルジフェニルシラン(変換率:79%)及びジオクチルジフェニルシラン(変換率:6%)の生成を確認した。結果を表8に示す。
【0111】
(実施例61)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物2(3.0mg,0.0054mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(17mL,110mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にジフェニルシラン(10mL,54mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(120μL,0.12mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルジフェニルシラン(変換率:94%)及びジオクチルジフェニルシラン(変換率:0.7%)の生成を確認した。結果を表8に示す。
【0112】
(実施例62)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物2(3.0mg,0.0054mmol)を精密に量り取り、ヘキサン(34mL)を加え、室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液に1−オクテン(17mL,110mmol)とジフェニルシラン(10mL,54mmol)を順次加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(120μL,0.12mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルジフェニルシラン(変換率:97%)の生成を確認した。結果を表8に示す。
【0113】
【表8】
【0114】
(実施例63)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物1(3.0mg,0.0058mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(9.2mL,58mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にフェニル(メチル)シラン(0.81mL,5.8mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(24μL,0.024mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、ジオクチルフェニル(メチル)シラン(変換率:84%)の生成を確認した。結果を表9に示す。
【0115】
(実施例64)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物1(3.0mg,0.0058mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(9.2mL,58mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にフェニル(メチル)シラン(8.1mL,58mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(120μL,0.12mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルフェニル(メチル)シラン(変換率:87%)の生成を確認した。結果を表9に示す。
【0116】
(実施例65)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物1(3.0mg,0.0058mmol)を精密に量り取り、ヘキサン(18mL)を加え、室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液に1−オクテン(9.2mL,58mmol)とフェニル(メチル)シラン(8.1mL,58mmol)を順次加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(120μL,0.12mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルフェニル(メチル)シラン(変換率:73%)の生成を確認した。結果を表9に示す。
【0117】
(実施例66)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物1(3.0mg,0.0058mmol)を精密に量り取り、ヘキサン(36mL)を加え、室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液に1−オクテン(18mL,120mmol)とフェニル(メチル)シラン(8.1mL,58mmol)を順次加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(120μL,0.12mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルフェニル(メチル)シラン(変換率:87%)の生成を確認した。結果を表9に示す。
【0118】
(実施例67)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物1(3.0mg,0.0058mmol)を精密に量り取り、ヘキサンを加え、室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液に1−オクテン(46mL,290mmol)とフェニル(メチル)シラン(8.1mL,58mmol)を順次加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(120μL,0.12mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルフェニル(メチル)シラン(変換率:17%)の生成を確認した。結果を表9に示す。
【0119】
(実施例68)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物1(3.0mg,0.0058mmol)を精密に量り取り、トルエン(18mL)を加え、室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液に1−オクテン(9.2mL,58mmol)とフェニル(メチル)シラン(8.1mL,58mmol)を順次加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(120μL,0.12mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルフェニル(メチル)シラン(変換率:73%)の生成を確認した。結果を表9に示す。
【0120】
(実施例69)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物2(3.0mg,0.0054mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(8.5mL,54mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にフェニル(メチル)シラン(0.75mL,5.4mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(22μL,0.022mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、ジオクチルフェニル(メチル)シラン(変換率:74%)の生成を確認した。結果を表9に示す。
【0121】
(実施例70)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物2(3.0mg,0.0054mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(17mL,110mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にフェニル(メチル)シラン(7.5mL,54mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(110μL,0.11mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルフェニル(メチル)シラン(変換率:41%)及びジオクチルフェニル(メチル)シラン(変換率:34%)の生成を確認した。結果を表9に示す。
【0122】
【表9】
【0123】
(実施例71)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物1(10mg,0.019mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(3.1mL,19mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にジフェニル(メチル)シラン(0.41mL,1.9mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(7.8μL,0.078mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルジフェニル(メチル)シラン(変換率:72%)の生成を確認した。結果を表10に示す。
【0124】
(実施例72)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物1(3.0mg,0.0058mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(0.92mL,5.8mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にジフェニル(メチル)シラン(1.2mL,5.8mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(24μL,0.024mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルジフェニル(メチル)シラン(変換率:6%)の生成を確認した。結果を表10に示す。
【0125】
(実施例73)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物1(3.0mg,0.0058mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(1.8mL,12mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にジフェニル(メチル)シラン(1.2mL,5.8mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(24μL,0.024mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルジフェニル(メチル)シラン(変換率:2%)の生成を確認した。結果を表10に示す。
【0126】
(実施例74)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物1(3.0mg,0.0058mmol)を精密に量り取り、ヘキサン(3.6mL)を加え、室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液に1−オクテン(1.8mL,12mmol)とジフェニル(メチル)シラン(1.2mL,5.8mmol)を順次加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(24μL,0.024mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルジフェニル(メチル)シラン(変換率:3%)の生成を確認した。結果を表10に示す。
【0127】
(実施例75)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物1(3.0mg,0.0058mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(0.92mL,5.8mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にジフェニル(メチル)シラン(2.4mL,12mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(24μL,0.024mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルジフェニル(メチル)シラン(変換率:67%)の生成を確認した。結果を表10に示す。
【0128】
(実施例76)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物1(3.0mg,0.0058mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(0.31mL,1.9mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にジフェニル(メチル)シラン(0.81mL,3.9mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(24μL,0.024mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルジフェニル(メチル)シラン(変換率:87%)の生成を確認した。結果を表10に示す。
【0129】
(実施例77)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物2(10mg,0.018mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(2.8mL,18mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にジフェニル(メチル)シラン(0.38mL,1.8mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(72μL,0.072mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルジフェニル(メチル)シラン(変換率:43%)の生成を確認した。結果を表10に示す。
【0130】
【表10】
【0131】
(実施例78)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物2(10mg,0.018mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(5.7mL,36mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にジフェニルシラン(3.4mL,18mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(72μL,0.072mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、18分(0.3時間)後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルジフェニルシラン(変換率:79%)及び時刻チルジフェニルシラン(変換率:6%)の生成を確認した。結果を表11に示す。
【0132】
(実施例79)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物2(3.0mg,0.0054mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(17mL,110mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にジフェニルシラン(10mL,54mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(110μL,0.11mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、66分(1.1時間)後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルジフェニルシラン(変換率:94%)及び時刻チルジフェニルシラン(変換率:0.7%)の生成を確認した。結果を表11に示す。
【0133】
(実施例80)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物2(3.0mg,0.0054mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(21mL,130mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にジフェニルシラン(13mL,67mmol)を加えた後に1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(110μL,0.11mmol)を滴下した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、141分(2.3時間)後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルジフェニルシラン(変換率:96%)及びジオクチルジフェニルシラン(変換率:1.2%)の生成を確認した。結果を表11に示す。
【0134】
【表11】
【0135】
<配位子合成>
(合成例11:6−ブロモ−2,2’−ビピリジンの合成)
【化36】
2,6−ジブロモピリジン(74.0g,312mmol)、2−(トリブチルスタニル)ピリジン(115g,312mmol)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(18.5g,16.0mmol)のトルエン溶液(120mL)を窒素下で一晩還流した。室温に戻し、溶媒を留去して、クロロホルム(630mL)を加えた。6N塩酸水溶液(630mL)を加え、水層をクロロホルム(630mL×2)で洗浄した。水層に10N水酸化ナトリウム水溶液(420mL)を加え、クロロホルム(630mL)で抽出した。有機相を集めて溶媒を留去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカ,AcOEt:Hexane=1:9)で精製し、白色粉末である6−ブロモ−2,2’−ビピリジンを得た(収率:62%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): 7.32 (dd, 1H, J = 4.8, 7.6 Hz), 7.48 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 7.66 (t, 1H, J = 7.8 Hz), 7.81 (td, 1H, J = 1.5, 7.9 Hz), 8.37 (d, 1H, J = 7.7 Hz), 8.49 (d, 1H, J = 8.2 Hz), 8.66 (bd, 1H, J = 4.4 Hz).
13C{
1H} NMR (100 MHz, CDCl
3): 119.84, 121.62, 124.40, 128.12, 137.15, 139.36, 141.72, 149.34, 154.61, 157.46.
【0136】
(合成例12:1−[2,2’−ビピリジン]−6−イル−エタノンの合成)
【化37】
6−ブロモ−2,2’−ビピリジン(15.0g,63.8mmol)をジエチルエーテル(45mL)、ヘキサン(23mL)、THF(23mL)に溶解し、−80℃に冷却した。温度を−80℃以下に維持し、n−BuLiヘキサン溶液(2.65M,26.5mL,70.2mmol)を30分かけて滴下した。−80℃で30分間撹拌を続けた後、過剰量のジメチルアセトアミド(12.0mL,128mmol)を1分間かけて滴下したところ発熱した。この反応溶液を一旦−80℃以下に冷却した後、室温に戻し一晩撹拌した。反応を水(45mL)でクエンチした。この溶液をAcOEt(90mL×5)で抽出し、有機相を集めて溶媒を留去した。粗生成物をクーゲルロール蒸留(140℃,170Pa)にて精製し、茶色粉末である1−[2,2’−ビピリジン]−6−イル−エタノンを得た(収率:89%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): 2.84 (s, 3H), 7.36 (bt, 1H, J = 5.9 Hz), 7.87 (bt, 1H, J = 8.1 Hz), 7.96 (t, 1H, J = 7.8 Hz), 8.05 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 8.53 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.62 (d, 1H, J = 7.9 Hz), 8.70 (bd, 1H, J = 4.0 Hz).
13C{
1H} NMR (100 MHz, CDCl
3): 25.86, 121.26, 121.59, 124.26, 124.42, 137.13, 137.95, 149.38, 153.10, 155.53, 155.56, 200.41.
【0137】
(合成例13:N−(1−[2,2’−ビピリジン]−6−イルエチリデン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミンの合成)
【化38】
2,4,6−トリメチルアニリン(1.45mL,10.1mmol)及び1−[2,2’−ビピリジン]−6−イル−エタノン(2.00g,10.1mmol)のメタノール(20.0mL)溶液に蟻酸(5滴)を滴下し、2日間還流した。ガスクロマトグラフ質量分析を用いて反応の追跡を行い、1−[2,2’−ビピリジン]−6−イル−エタノンが全て消失するのを確認した。室温まで戻した後、減圧下で溶媒を留去した。粗生成物をクーゲルロール蒸留(240℃,140Pa)により精製し、黄色の油性成分であるN−(1−[2,2’−ビピリジン]−6−イルエチリデン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミンを得た(収率:71%)。なお、生成物は新規化合物であるが、少量の同定不可能な不純物が含まれている。しかし、実施例81に影響がないため、上記の精製方法以上は行っていない。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): 2.04 (s, 6H), 2.31 (s, 6H), 6.92 (s, 2H), 7.33 (m, 1H),7.84 (m, 1H), 7.94 (t, 1H, J = 7.8 Hz), 8.42 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 8.55 (t, 2H, J = 8.2 Hz), 8.71 (m, 1H).
13C{
1H} NMR (100 MHz, CDCl
3): 16.58, 17.98, 20.84, 121.16, 121.26, 122.02, 123.88, 125.38, 128.66, 132.25, 136.96, 137.45, 146.42, 149.27, 154.94, 155.87, 156.15, 167.61.
【0138】
(合成例14:N−(1−[2,2’−ビピリジン]−6−イルエチリデン)−2,6−ジイソプロピルベンゼンアミンの合成)
【化39】
2,6−ジイソプロピルアニリン(2.11mL,10.1mmol)及び1−[2,2’−ビピリジン]−6−イル−エタノン(2.00g,10.1mmol)のメタノール(20.0mL)溶液に蟻酸(5滴)を滴下し、還流した。ガスクロマトグラフ質量分析を用いて反応の追跡を行い、1−[2,2’−ビピリジン]−6−イル−エタノンが全て消失するのを確認した。室温まで戻した後、沈殿物を濾過で単離し、メタノール(10mL)で2回洗浄、真空乾燥させて、黄色粉末であるN−(1−[2,2’−ビピリジン]−6−イルエチリデン)−2,6−ジイソプロピルベンゼンアミンを得た(収率:88%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.16 (d, 12H, J = 6.8 Hz), 2.33 (s, 3H), 2.79 (sept, 2H, J = 6.6 Hz), 7.11 (m, 1H), 7.18 (m, 2H), 7.34 (m, 1H), 7.85 (m, 1H), 7.95 (t, 1H, J = 7.9 Hz), 8.40 (bd, 1H, J = 7.3 Hz), 8.55 (bt, 2H, J = 7.9 Hz), 8.71 (bd,1H, J = 4.4 Hz).
13C{
1H} NMR (100 MHz, CDCl
3): 17.67, 23.07, 23.36, 28.42, 121.22, 121.32, 122.07, 123.67, 123.94, 135.97, 137.02, 137.54, 146.69, 149.33, 155.04, 155.80, 156.21, 167.19. Anal. Calcd. for C
24H
27N
3: C, 80.63; H, 7.61; N, 11.75. Found: C, 81.02; H, 7.70; N, 11.71.
【0139】
(合成例15:2,2−ジメチル−1−[2,2’−ビピリジン]−6−イル−1−プロパノンの合成)
【化40】
水素化ホウ素ナトリウム(7.80g,195mmol)のTHF(550mL)溶液を0℃以下に冷却し、1−[2,2’−ビピリジン]−6−イル−エタノン(4.29g,21.7mmol)のTHF(43.0mL)溶液を滴下した。この反応溶液を室温に戻し3時間撹拌を行い、再度0℃以下まで冷却した。温度を0℃以下に維持し、ヨードメタン(13.5mL,217mmol)を滴下した。この反応溶液を室温に戻し一晩撹拌した。反応溶液に水(70.0mL)とAcOEt(70.0mL)を加え、有機相を集めて溶媒を留去した。NMR測定の結果、トリアルキル化体とジアルキル化体の混合物として観測されたため、再度上記と同じ操作を行い、全てトリアルキル化体に変換した。粗生成物をクーゲルロール蒸留(150℃,180Pa)により精製し、黄色の油性成分である2,2−ジメチル−1−[2,2’−ビピリジン]−6−イル−1−プロパノンを得た(収率:79%)。生成物には少量の同定不可能な不純物が含まれていたが、次のイミノ化反応に影響しないため、そのまま次の反応に使用した。不純物混合のため、
13C NMRスペクトルの同定は行なっていない。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.55 (s, 9H), 7.34 (dd, 1H, J = 4.9, 7.3 Hz), 7.86 (m, 1H), 7.93 (m, 2H), 8.41 (d, 1H, J = 8.2 Hz), 8.56 (dd, 1H, J = 2.8, 6.4 Hz), 8.69 (d, 1H, J = 5.1 Hz).
【0140】
(合成例16:N−(2,2−ジメチル−[2,2’−ビピリジン]−6−イルプロピリデン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミンの合成)
【化41】
2,4,6−トリメチルアニリン(0.89mL,6.24mmol)及び2,2−ジメチル−1−[2,2’−ビピリジン]−6−イル−1−プロパノン(1.00g,4.16mmol)のトルエン(20.0mL)溶液にp−トルエンスルホン酸一水和物(41.0mg,0.21mmol)を加え、Dean−Stark装置を用いて脱水した。室温まで戻した後、減圧下で溶媒を留去した。粗生成物をクーゲルロール蒸留(240℃,170Pa)により精製し、黄色粉末であるN−(2,2−ジメチル−[2,2’−ビピリジン]−6−イルプロピリデン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミンを得た(収率:43%)。生成物には少量の同定不可能な不純物が含まれていたが、実施例83に影響がないため、次の反応にそのまま使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.42 (s, 9H), 2.06 (s, 6H), 2.08 (s, 3H), 6.56 (s, 2H),6.76 (d, 1H, J = 7.4 Hz), 7.30 (m, 1H), 7.52 (t, 1H, J = 8.1 Hz), 7.82 (m, 1H),8.21 (d, 1H, J = 7.9 Hz), 8.40 (d, 1H, J = 7.9 Hz), 8.64 (bdt, 1H, J = 4.3 Hz).
13C{
1H} NMR (100 MHz, CDCl
3): 18.39, 20.72, 29.13, 40.52, 119.69, 121.17, 121.55, 123.89, 125.48, 128.26, 131.60, 136.30, 137.10, 149.18, 155.93, 156.09.
【0141】
(合成例17:2,2,2−トリフルオロ−1−[2,2’−ビピリジン]−6−イル−エタノンの合成)
【化42】
6−ブロモ−2,2’−ビピリジン(7.52g,32.0mmol)をジエチルエーテル(23mL)、ヘキサン(12mL)、THF(12mL)に溶解し、−80℃に冷却した。温度を−80℃以下に維持し、n−BuLiヘキサン溶液(2.65M,14.0mL,35.2mmol)を30分かけて滴下した。−80℃で30分間撹拌を続けた後、過剰量の2,2,2−トリフルオロ−N,N−ジメチルアセトアミド(7.2mL,64.0mmol)を1分間かけて滴下したところ、発熱反応が生じた。この反応溶液を一旦−80℃以下に冷却した後、室温に戻し一晩撹拌した。反応を水(75mL)でクエンチした。この溶液をAcOEt(150mL×5)で抽出し、有機相を集めて溶媒を留去した。粗生成物をクーゲルロール蒸留(120℃,140Pa)により精製し、茶白色粉末である2,2,2−トリフルオロ−1−[2,2’−ビピリジン]−6−イル−エタノンを得た(収率:54%)。生成物には少量の同定不可能な不純物が含まれていたが、次のイミノ化反応に影響しないため、そのまま使用した。また、不純物の混合および生成物のクロロホルムへの難溶性のため、
13C NMRスペクトルが複雑になり帰属は行っていない。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): 7.38 (m, 1H), 7.87 (qd, 1H, J = 1.6, 7.8 Hz), 8.05 (t, 1H, J = 7.8 Hz), 8.17 (dd, 1H, J = 0.9, 7.8 Hz), 8.54 (bd, 1H, J = 7.8 Hz), 8.71(bt, 1H, J = 5.8 Hz), 8.77 (dd, 1H, J = 0.7, 8.2 Hz).
【0142】
(合成例18:N−(2,2,2−トリフルオロ−[2,2’−ビピリジン]−6−イルエチリデン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミンの合成)
【化43】
2,4,6−トリメチルアニリン(0.43mL,3.03mmol)及び2,2,2−トリフルオロ−1−[2,2’−ビピリジン]−6−イル−エタノン(0.64g,2.53mmol)のトルエン(6.40mL)溶液にp−トルエンスルホン酸一水和物(14.6mg,0.08mmol)を加え、Dean−Stark装置を用いて脱水した。室温まで戻した後、減圧下で溶媒を留去した。粗生成物をクーゲルロール蒸留(200℃,200Pa)により精製し、黄色粉末であるN−(2,2,2−トリフルオロ−[2,2’−ビピリジン]−6−イルエチリデン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミンを得た(収率:79%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.98 (s, 6H), 2.21 (s, 3H), 6.76 (s, 2H), 7.12 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 7.31 (m, 1H), 7.74 (m, 2H), 8.07 (d, 1H, J = 8.1 Hz), 8.40 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.63 (br, 1H).
13C{
1H} NMR (100 MHz, CDCl
3): 17.91, 20.82, 121.77, 122.20, 123.10, 124.32, 128.84, 133.61, 137.07, 137.49, 143.48, 147.92, 149.14, 155.18, 156.17. Anal. Calcd.for C
21H
18F
3N
3: C, 68.28; H, 4.91; N, 11.38. Found: C, 68.16; H, 5.00; N, 11.42.
【0143】
(合成例19:N−(2,2,2−トリフルオロ−[2,2’−ビピリジン]−6−イルエチリデン)−2,6−ジイソプロピルベンゼンアミンの合成)
【化44】
2,6−ジイソプロピルアニリン(0.85mL,4.03mmol)及び2,2,2−トリフルオロ−1−[2,2’−ビピリジン]−6−イル−エタノン(1.02g,4.03mmol)のトルエン(10.2mL)溶液にp−トルエンスルホン酸一水和物(23.3mg,0.12mmol)を加え、Dean−Stark装置を用いて脱水した。室温まで戻した後、減圧下で溶媒を留去した。粗生成物をクーゲルロール蒸留(210℃,140Pa)により精製し、黄色粉末であるN−(2,2,2−トリフルオロ−[2,2’−ビピリジン]−6−イルエチリデン)−2,6−ジイソプロピルベンゼンアミンを得た(収率:55%)。なお、生成物は新規化合物であるが、少量の同定不可能な不純物が含まれている。しかし、実施例85に影響しないため、上記の精製方法以上は行っていない。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): 0.86 (m, 5H, J = 5.1 Hz), 1.18 (m, 7H, J = 6.8 Hz), 2.78 (sept, 2H, J = 6.4 Hz), 7.10 (m, 3H), 7.17 (d, 1H, J = 6.7 Hz), 7.29 (t, 1H, J= 6.2 Hz), 7.72 (t, 2H, J = 6.7 Hz), 7.87 (d, 1H, J = 7.1 Hz), 8.40 (d, 1H, J =7.6 Hz), 8.62 (br, 1H).
13C{
1H} NMR (100 MHz, CDCl
3): 22.36, 28.45, 28.46, 121.92, 122.31, 123.43, 123.78, 124.33, 124.77, 134.57, 137.00, 137.46, 143.73, 147.06, 149.09, 155.08, 156.06.
【0144】
<鉄錯体化合物の調製>
(実施例81:N−(1−[2,2’−ビピリジン]−6−イルエチリデン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミン鉄(II)ブロミドの合成)
【化45】
窒素雰囲気、室温下で激しく撹拌しながら、臭化鉄(II)(1.98g,6.26mmol)を、N−(1−[2,2’−ビピリジン]−6−イルエチリデン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミン(1.38g,6.26mmol)のTHF(100mL)溶液に加えた。沈殿物を濾過で単離し、THF(10mL)で3回洗浄後、真空乾燥した。茶紫色粉末であるN−(1−[2,2’−ビピリジン]−6−イルエチリデン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミン鉄(II)ブロミド(以下、「鉄錯体化合物6」と略す場合がある。)を得た(収率:99%)。なお、生成物には0.5当量の水が含まれている。
Anal. Calcd. for C
42H
44Br
4Fe
2N
6O (2M + H
2O): C, 46.70; H, 4.11; N, 7.78. Found: C, 47.12; H, 4.22; N, 7.37.
【0145】
(実施例82:N−(1−[2,2’−ビピリジン]−6−イルエチリデン)−2,6−ジイソプロピルベンゼンアミン鉄(II)ブロミドの合成)
【化46】
N−(1−[2,2’−ビピリジン]−6−イルエチリデン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミンをN−(1−[2,2’−ビピリジン]−6−イルエチリデン)−2,6−ジイソプロピルベンゼンアミンに変更した以外、実施例81と同様の方法を行って、赤紫色粉末であるN−(1−[2,2’−ビピリジン]−6−イルエチリデン)−2,6−ジイソプロピルベンゼンアミン鉄(II)ブロミド(以下、「鉄錯体化合物7」と略す場合がある。)を得た(収率:83%)。
Anal. Calcd. for C
24H
27Br
2FeN
3: C, 50.29; H, 4.75; N, 7.33. Found: C, 49.99; H, 4.82; N, 7.20.
【0146】
(実施例83:N−(2,2−ジメチル−[2,2’−ビピリジン]−6−イルプロピリデン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミン鉄(II)ブロミドの合成)
【化47】
N−(1−[2,2’−ビピリジン]−6−イルエチリデン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミンをN−(2,2−ジメチル−[2,2’−ビピリジン]−6−イルプロピリデン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミンに変更した以外、実施例81と同様の方法を行って、青紫色粉末であるN−(2,2−ジメチル−[2,2’−ビピリジン]−6−イルプロピリデン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミン鉄(II)ブロミド(以下、「鉄錯体化合物8」と略す場合がある。)を得た(収率:56%)。
Anal. Calcd. for C
240H
270Br
22Fe
11N
30(10M + FeBr
2): C, 48.47; H, 4.58; N, 7.07. Found: C, 48.46; H, 4.73; N, 7.10.
【0147】
(実施例84:N−(2,2,2−トリフルオロ−[2,2’−ビピリジン]−6−イルエチリデン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミン鉄(II)ブロミドの合成)
【化48】
N−(1−[2,2’−ビピリジン]−6−イルエチリデン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミンをN−(2,2,2−トリフルオロ−[2,2’−ビピリジン]−6−イルエチリデン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミンに変更した以外、実施例81と同様の方法を行って、茶色粉末であるN−(2,2,2−トリフルオロ−[2,2’−ビピリジン]−6−イルエチリデン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミン鉄(II)ブロミド(以下、「鉄錯体化合物9」と略す場合がある。)を得た(収率:88%)。なお、生成物には0.5当量のヘキサンが含まれている。
Anal. Calcd. for C
48H
50Br
4F
6Fe
2N
6(2M + hexane): C, 45.89; H, 4.01; N, 6.69. Found: C, 45.81; H, 4.00; N, 6.51.
【0148】
(実施例85:N−(2,2,2−トリフルオロ−[2,2’−ビピリジン]−6−イルエチリデン)−2,6−ジイソプロピルベンゼンアミン鉄(II)ブロミドの合成)
【化49】
N−(1−[2,2’−ビピリジン]−6−イルエチリデン)−2,4,6−トリメチルベンゼンアミンをN−(2,2,2−トリフルオロ−[2,2’−ビピリジン]−6−イルエチリデン)−2,6−ジイソプロピルベンゼンアミンに変更した以外、実施例81と同様の方法を行って、緑色粉末であるN−(2,2,2−トリフルオロ−[2,2’−ビピリジン]−6−イルエチリデン)−2,6−ジイソプロピルベンゼンアミン鉄(II)ブロミド(以下、「鉄錯体化合物10」と略す場合がある。)を得た(収率:56%)。
Anal. Calcd. for C
24H
24Br
2F
3FeN
3: C, 45.97; H, 3.96; N, 6.70. Found: C, 45.91; H, 3.97; N, 6.72.
【0149】
<有機ケイ素化合物の製造(ヒドロシリル化反応)>
(実施例86)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物1(3.0mg,0.0058mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(18mL,120mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にフェニルシラン(7.2mL,58mmol)を加えた後、1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(120μL,0.12mmol)を添加した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルフェニルシラン(変換率:21%)及びジオクチルフェニルシラン(0.8%)の生成を確認した。結果を表12に示す。
【0150】
(実施例87)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物2に変更した以外、実施例86と同様の方法により反応を行った。結果を表12に示す。
【0151】
(実施例88)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物6に変更した以外、実施例86と同様の方法により反応を行った。結果を表12に示す。
【0152】
(実施例89)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物7に変更した以外、実施例86と同様の方法により反応を行った。結果を表12に示す。
【0153】
(実施例90)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物8に変更した以外、実施例86と同様の方法により反応を行った。結果を表12に示す。
【0154】
(実施例91)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物9に変更した以外、実施例86と同様の方法により反応を行った。結果を表12に示す。
【0155】
(実施例92)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物10に変更した以外、実施例86と同様の方法により反応を行った。結果を表12に示す。
【0156】
【表12】
【0157】
(実施例93)
フェニルシランをジフェニルシランに変更した以外、実施例86と同様の方法により反応を行った。結果を表13に示す。
【0158】
(実施例94)
フェニルシランをジフェニルシランに変更した以外、実施例88と同様の方法により反応を行った。結果を表13に示す。
【0159】
(実施例95)
フェニルシランをジフェニルシランに変更した以外、実施例89と同様の方法により反応を行った。結果を表13に示す。
【0160】
(実施例96)
フェニルシランをジフェニルシランに変更した以外、実施例90と同様の方法により反応を行った。結果を表13に示す。
【0161】
(実施例97)
フェニルシランをジフェニルシランに変更した以外、実施例91と同様の方法により反応を行った。結果を表13に示す。
【0162】
(実施例98)
フェニルシランをジフェニルシランに変更した以外、実施例92と同様の方法により反応を行った。結果を表13に示す。
【0163】
【表13】
【0164】
(実施例99)
フェニルシランをフェニル(メチル)シランに変更した以外、実施例86と同様の方法により反応を行った。結果を表14に示す。
【0165】
(実施例100)
フェニルシランをフェニル(メチル)シランに変更した以外、実施例87と同様の方法により反応を行った。結果を表14に示す。
【0166】
(実施例101)
フェニルシランをフェニル(メチル)シランに変更した以外、実施例88と同様の方法により反応を行った。結果を表14に示す。
【0167】
(実施例102)
フェニルシランをフェニル(メチル)シランに変更した以外、実施例89と同様の方法により反応を行った。結果を表14に示す。
【0168】
(実施例103)
フェニルシランをフェニル(メチル)シランに変更した以外、実施例90と同様の方法により反応を行った。結果を表14に示す。
【0169】
(実施例104)
フェニルシランをフェニル(メチル)シランに変更した以外、実施例91と同様の方法により反応を行った。結果を表14に示す。
【0170】
(実施例105)
フェニルシランをフェニル(メチル)シランに変更した以外、実施例92と同様の方法により反応を行った。結果を表14に示す。
【0171】
【表14】
【0172】
(実施例106)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物1(3.0mg,0.0058mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(1.8mL,11mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にジフェニル(メチル)シラン(1.2mL,5.8mmol)を加えた後、1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(46μL,0.046mmol)を添加した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルジフェニル(メチル)シラン(変換率:74%)の生成を確認した。結果を表15に示す。
【0173】
(実施例107)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物2に変更した以外、実施例106と同様の方法により反応を行った。結果を表15に示す。
【0174】
(実施例108)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物2(3.0mg,0.0054mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(1.7mL,11mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にジフェニル(メチル)シラン(1.1mL,5.4mmol)を加えた後、1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(110μL,0.11mmol)を添加した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、オクチルジフェニル(メチル)シラン(変換率:6%)の生成を確認した。結果を表15に示す。
【0175】
(実施例109)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物6に、ジフェニル(メチル)シランをフェニルジ(メチル)シランに変更した以外、実施例106と同様の方法により反応を行った。結果を表15に示す。
【0176】
(実施例110)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物6に、ジフェニル(メチル)シランをフェニルジ(メチル)シランに変更した以外、実施例108と同様の方法により反応を行った。結果を表15に示す。
【0177】
(実施例111)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物6に変更した以外、実施例106と同様の方法により反応を行った。結果を表15に示す。
【0178】
(実施例112)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物6に変更した以外、実施例108と同様の方法により反応を行った。結果を表15に示す。
【0179】
(実施例113)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物6に、ジフェニル(メチル)シランをトリフェニルシランに変更した以外、実施例106と同様の方法により反応を行った。結果を表15に示す。
【0180】
(実施例114)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物7に変更した以外、実施例106と同様の方法により反応を行った。結果を表15に示す。
【0181】
(実施例115)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物7に変更した以外、実施例108と同様の方法により反応を行った。結果を表15に示す。
【0182】
(実施例116)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物8に変更した以外、実施例106と同様の方法により反応を行った。結果を表15に示す。
【0183】
(実施例117)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物9に変更した以外、実施例106と同様の方法により反応を行った。結果を表15に示す。
【0184】
(実施例118)
鉄錯体化合物1を鉄錯体化合物10に変更した以外、実施例106と同様の方法により反応を行った。結果を表15に示す。
【0185】
【表15】
【0186】
(実施例119)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物6(10mg,0.019mmol)を精密に量り取り、シクロヘキセン(2.0mL,19mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にフェニルシラン(0.23mL,1.9mmol)を加えた後、1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(75μL,0.075mmol)を添加した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、シクロヘキシルフェニルシラン(変換率:74%)の生成を確認した。結果を表16に示す。
【0187】
(実施例120)
鉄錯体化合物6を鉄錯体化合物7に変更した以外、実施例119と同様の方法により反応を行った。結果を表16に示す。
【0188】
(実施例121)
鉄錯体化合物6を鉄錯体化合物8に変更した以外、実施例119と同様の方法により反応を行った。結果を表16に示す。
【0189】
(実施例122)
鉄錯体化合物6を鉄錯体化合物9に変更した以外、実施例119と同様の方法により反応を行った。結果を表16に示す。
【0190】
(実施例123)
鉄錯体化合物6を鉄錯体化合物10に変更した以外、実施例119と同様の方法により反応を行った。結果を表16に示す。
【0191】
【表16】
【0192】
(実施例124)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物6(3.0mg,0.0056mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(1.8mL,11mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にジエチルシラン(0.77mL,5.7mmol)を加えた後、1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(45μL,0.075mmol)を添加した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液をガスクロマトグラフ質量分析によって分析した。反応生成物をクーゲルロール蒸留により単離したところ、ジエチルオクチルシラン(変換率:68%)及びジエチルジオクチルシラン(26%)の生成を確認した。結果を表17に示す。
【0193】
(実施例125)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物6(3.0mg,0.0056mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(1.8mL,11mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にトリエチルシラン(0.92mL,5.7mmol)を加えた後、1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(45μL,0.075mmol)を添加した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液をガスクロマトグラフ質量分析によって分析した。反応生成物をクーゲルロール蒸留(120℃,160Pa)により単離したところ、トリエチルオクチルシラン(変換率:10%)の生成を確認した。結果を表17に示す。
【0194】
(実施例126)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物6(20mg,0.038mmol)を精密に量り取り、6−クロロ−1−ヘキセン(1.0mL,7.5mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にジフェニルシラン(0.72mL,3.8mmol)を加えた後、1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(150μL,0.15mmol)を添加した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液をガスクロマトグラフ質量分析によって分析した。反応生成物をクーゲルロール蒸留(190℃,150Pa)により単離したところ、1−クロロ−(6−ジフェニルシリル)ヘキサン(変換率:81%)の生成を確認した。結果を表17に示す。
【0195】
(実施例127)
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物6(3.0mg,0.0056mmol)を精密に量り取り、6−クロロ−1−ヘキセン(1.6mL,11mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にジフェニルシラン(1.1mL,5.7mmol)を加えた後、1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(45μL,0.045mmol)を添加した。2分以内に反応溶液は、無色から深緑〜赤紫色への変化を伴って均一溶液となった(目視にて鉄錯体化合物の溶け残りが確認された場合には、水素化トリエチルホウ素ナトリウムを追加して完全に溶解させる。)。この状態を反応開始とし、24時間後に反応溶液をガスクロマトグラフ質量分析によって分析した。反応生成物をクーゲルロール蒸留(190℃,150Pa)により単離したところ、1−クロロ−(6−ジフェニルシリル)ヘキサン(変換率:67%)の生成を確認した。結果を表17に示す。
【0196】
(実施例128)
6−クロロ−1−ヘキセンをN,N−ジメチルアリルアミンに変更した以外、実施例46と同様の方法により反応を行った。結果を表17に示す。
【0197】
(実施例129)
6−クロロ−1−ヘキセンをN,N−ジメチルアリルアミンに変更した以外、実施例127と同様の方法により反応を行った。結果を表17に示す。
【0198】
(実施例130)
6−クロロ−1−ヘキセンをアリルフェニルスルフィドに変更した以外、実施例126と同様の方法により反応を行った。結果を表17に示す。
【0199】
【表17】
【0200】
(実施例131)
上記実施例では、鉄錯体触媒量を0.01モル%以上使用しているが、さらに触媒量を0.001モル%まで減らした場合の検討を行った。実施例86、88、94を参考に以下のヒドロシリル化反応を行った。
フレームドライを行い、窒素ガスを流入したシュレンク管に鉄錯体化合物6(0.0058mmol)を精密に量り取り、1−オクテン(120mmol)を加え室温にて撹拌を開始した。このスラリー溶液にジフェニルシラン(58mmol)を加えた後、1M水素化トリエチルホウ素ナトリウムのトルエン溶液(0.12mmol)を添加した。この溶液を室温で5〜10分間撹拌し、得られた均一溶液の約十分の一液量を、別途調製したジフェニルシランと1−オクテンが1:2モル比で含む溶液に滴下し、鉄錯体がジフェニルシランの0.001モル%となるように調整した。この溶液を24時間室温で撹拌し、反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(199nm)によって分析した。絶対検量線法により反応生成物を定量したところ、ヒドロシリル化生成物としてオクチルジフェニルシランのみが生成しており、触媒活性(TON)は42000であることを確認した。