(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基板形状データは、前記基板支持体への前記基板の搭載前に実行される1つ以上のプロセスステップに関連した基板形状挙動に基づいて決定される、請求項1に記載の基板支持体。
前記制御デバイスは、反った基板が前記基板支持体上で垂直下方向に搭載された場合、前記基板支持ロケーションから大きく離間した基板部分の下の真空力の方が、前記基板支持ロケーションにより近い基板部分の下の真空力よりも大きくなるように、前記基板形状データに応じて前記空間圧力プロファイルを適合させる、請求項1に記載の基板支持体。
前記複数の真空セクションの各々は、縁部に囲まれたくぼみ表面によって形成されて前記少なくとも1つの減圧源によって減圧レベルを生成することができる真空空間を形成する、請求項1に記載の基板支持体。
パターニングデバイスからのパターンを基板に転写することを含むデバイス製造方法であって、前記パターン転写の前に基板支持体の基板支持ロケーション上に前記基板を搭載するステップを含み、前記搭載することが、
前記基板支持ロケーション上に基板をクランプする真空クランプデバイスを提供するステップであって、前記真空クランプデバイスが、減圧を生成する少なくとも1つの減圧源と、前記少なくとも1つの減圧源に接続され前記基板を前記基板支持ロケーションの方へ引き付ける少なくとも1つの真空セクションと、を備える、ステップと、
前記基板を前記真空クランプデバイスによって引き付ける前記少なくとも1つの真空セクションに沿った空間圧力プロファイルを制御する制御デバイスを提供するステップであって、前記制御デバイスが、基板形状データ入力を備え、クランプ対象の前記基板の形状データを表す基板形状データを受信し、前記制御デバイスが、前記基板形状データに応じて前記空間圧力プロファイルを適合させる、ステップと、
前記基板を前記基板支持ロケーションの方へ移動させる場合、前記制御デバイスを用いて、前記基板と前記基板支持ロケーションとの間の前記基板形状データに応じて前記空間圧力プロファイルを制御するステップと、
前記基板支持ロケーションにおいて前記基板をクランプするステップと、
を含み、
前記真空クランプデバイスは、複数の真空セクションを備え、
前記複数の真空セクションの各々は、真空力によって前記基板を前記基板支持ロケーションの方へ引き付けるように配置され、
前記真空クランプデバイスは、
中央真空セクションと、
前記中央真空セクションの周りの環状エリアであって、この環状エリアに分散した複数の真空セクションを有する、環状エリアと、
を備え、
前記複数の真空セクションの各々は、少なくとも1つの空気吸引管によって前記少なくとも1つの減圧源に接続され、複数の前記空気吸引管は、前記複数の真空セクションの空気を吸い出すためのものであり、
複数の調整可能制約部は、前記少なくとも1つの空気吸引管に配置され、前記複数の調整可能制約部の各々は、調整可能な断面積を有し、
前記調整可能制約部の断面積を調整することによって、及び、前記少なくとも1つの減圧源により前記空気吸引管に与えられる減圧を制御することによって、前記基板形状データに基づいて、前記空間圧力プロファイルが適合され、
前記基板支持体は、複数の支持ピンを備え、
前記複数の支持ピンは、前記基板支持ロケーションの上に基板を支持することができる支持位置と、前記基板支持ロケーションの下に引っ込んだ格納位置と、の間で移動可能であり、
前記制御デバイスは、前記支持ピンによって基板が支持される場合、前記基板と前記基板支持ロケーションとの間の前記空間圧力プロファイルを制御するために、少なくとも前記支持位置と前記格納位置との間で前記支持ピンの移動を制御する、
方法。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが付与される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナと、を含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
【0004】
[0004] 既知のリソグラフィ装置において、露光対象である各基板は、パターンが付与された放射ビームの露光中に支持される基板支持体上に搭載される。基板支持体上に基板をクランプするため、クランプデバイスが設けられている。既知のリソグラフィ装置では、クランプデバイスとして真空クランプデバイスが用いられる。このような真空クランプデバイスは、基板支持体の支持表面に基板をクランプする真空力を与える。基板が直線形である場合、基板は、著しい内部応力が生じることなく支持体表面上にクランプされる。
【0005】
[0005] しかしながら、基板が直線形でなく、例えば波形、円筒形、ドーム形、鞍形、又はその他の形状等、多数の形状に反っている場合がある。これは、基板の形成に用いられる生成方法によって、又は製造中に基板に対して行われる露光前プロセス若しくは露光後プロセスによって引き起こされ得る。
【0006】
[0006] 例えばドーム形状の基板のような反った基板を、例えば真空クランプによって基板支持体にクランプする場合、基板は最初に外周部が、その後に基板表面の残り部分が基板支持体に接触する。クランプ力によって基板は強制的にほぼ直線形となるが、実際のクランプは基板の外周部で開始する。このため、基板が支持表面上にクランプされる場合、基板内に応力が誘発されることがある。
【0007】
[0007] こういった応力は、集積回路の品質に負の影響を及ぼし得る。また、基板が所望 のものとは異なる形態にクランプされるので、リソグラフィ装置の投影のオーバーレイ性能が低下し、集積回路の品質に負の影響を及ぼす恐れがある。
【0008】
[0008] US2009/0086187A1に、基板支持ロケーションに基板をクランプするように構成されたクランプデバイスを備える基板支持体が開示されていることは認められよう。このクランプデバイスは、基板に引力を加える第1のデバイス及び基板に反発力を加える第2のデバイスを備えている。同時引力及び反発力のこの組み合わせによって、基板は基板支持ロケーションにクランプされる前に所望の形状に整形されるはずである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
[0009] クランプ力による基板の内部応力が著しく低減した、基板のための基板支持ロケーションを有する基板支持体を提供することが望まれている。更に、平坦な基板及び反った基板を基板支持体に適切にクランプすることによって基板内の応力及び/又はオーバーレイエラーのリスクを著しく低下させ得るクランプ方法を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[0010] 本発明の一態様によれば、基板支持体が提供される。この基板支持体は、
基板を支持するように構成された基板支持ロケーションと、
基板支持ロケーション上に基板をクランプするように構成された真空クランプデバイスと、を備え、
真空クランプデバイスは、
減圧を生成するための少なくとも1つの減圧源と、
少なくとも1つの減圧源に接続され基板を基板支持ロケーションの方へ引き付けるように配置及び構成された少なくとも1つの真空セクションと、
基板を真空クランプデバイスによって引き付ける少なくとも1つの真空セクションに沿った空間圧力プロファイルを制御するように構成された制御デバイスであって、基板形状データ入力を備え、クランプ対象の基板の形状データを表す基板形状データを受信し、基板形状データに応じて空間圧力プロファイルを適合させるように構成された、制御デバイスと、
を備える。
【0011】
[0011] 本発明の一態様によれば、基板支持体の基板支持ロケーション上に基板を搭載するための方法が提供される。この方法は、
基板支持ロケーション上に基板をクランプするように構成された真空クランプデバイスを提供するステップであって、この真空クランプデバイスが、減圧を生成するための少なくとも1つの減圧源と、少なくとも1つの減圧源に接続され基板を基板支持ロケーションの方へ引き付けるように配置及び構成された少なくとも1つの真空セクションと、を備える、ステップと、
真空クランプデバイスを制御するための制御デバイスを提供するステップであって、制御デバイスが、基板を真空クランプデバイスによって引き付ける少なくとも1つの真空セクションに沿った空間圧力プロファイルを制御するように構成され、制御デバイスが、基板形状データ入力を備え、クランプ対象の基板の形状データを表す基板形状データを受信し、制御デバイスが、基板形状データに応じて空間圧力プロファイルを適合させるように構成されている、ステップと、
基板を基板支持ロケーションの方へ移動させる場合、制御デバイスを用いて、基板と基板支持ロケーションとの間の基板形状データに応じて前記空間圧力プロファイルを制御するステップと、
基板支持ロケーションにおいて基板をクランプするステップと、
を含む。
【0012】
[0012] 本発明の一態様によれば、基板支持体を備えるリソグラフィ装置が提供される。
この基板支持体は、
基板を支持するように構成された基板支持ロケーションと、
基板支持ロケーション上に前記基板をクランプするように構成された真空クランプデバイスと、を備え、
真空クランプデバイスは、
減圧を生成するための少なくとも1つの減圧源と、
少なくとも1つの減圧源に接続され、基板を基板支持ロケーションの方へ引き付けるように配置及び構成された少なくとも1つの真空セクションと、
真空クランプデバイスを制御するための制御デバイスであって、基板を真空クランプデバイスによって引き付ける少なくとも1つの真空セクションに沿った空間圧力プロファイ ルを制御するように構成され、基板形状データ入力を備え、クランプ対象の基板の形状デ ータを表す基板形状データを受信し、基板形状データに応じて空間圧力プロファイルを適 合させるように構成された、制御デバイスと、
を備える。
【0013】
[0013] 本発明の一態様によれば、パターニングデバイスからのパターンを基板に転写することを備えるデバイス製造方法が提供される。この方法は、パターン転写の前に基板支持体の基板支持ロケーション上に基板を搭載するステップを備え、この搭載することが、
基板支持ロケーション上に基板をクランプするように構成された真空クランプデバイスを提供するステップであって、この真空クランプデバイスが、減圧を生成するための少なくとも1つの減圧源と、少なくとも1つの減圧源に接続され基板を基板支持ロケーションの方へ引き付けるように配置及び構成された少なくとも1つの真空セクションと、を備える、ステップと、
真空クランプデバイスを制御するための制御デバイスを提供するステップであって、制御デバイスが、基板を真空クランプデバイスによって引き付ける少なくとも1つの真空セクションに沿った空間圧力プロファイルを制御するように構成され、制御デバイスが、クランプ対象の基板の形状データを表す基板形状データを受信するための基板形状データ入力を備え、制御デバイスが、基板形状データに応じて空間圧力プロファイルを適合させるように構成されている、ステップと、
基板を基板支持ロケーションの方へ移動させる場合、制御デバイスを用いて、基板と基板支持ロケーションとの間の基板形状データに応じて空間圧力プロファイルを制御するステップと、
基板支持ロケーションにおいて基板をクランプするステップと、
を含む。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0021]
図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示す。この装置は、放射ビームB(例えば、UV放射又は任意の他の適切な放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に配置するように構成された第1の位置決めデバイスPMに接続された支持構造又はパターニングデバイス支持体(例えば、マスクテーブル)MTと、を含む。この装置は、また、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、特定のパラメータに従って基板を正確に配置するように構成された第2の位置決めデバイスPWに接続された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WT又は「基板支持体」を含む。更に、この装置は、基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上にパターニングデバイスMAによって放射ビームBへ付与されたパターンを投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSを備える。
【0017】
[0022] 照明システムは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、又はそれらの任意の組み合わせ等の様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
【0018】
[0023] 支持構造は、パターニングデバイスを支持、すなわちその重量を支えている。支持構造は、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持構造は、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造は、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
【0019】
[0024] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに付与されるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
【0020】
[0025] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、更には様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
【0021】
[0026] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組み合わせを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これは更に一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
【0022】
[0027] 本明細書で示すように、本装置は、(例えば透過マスクを使用する)透過タイプである。あるいは、装置は、(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)反射タイプでもよい。
【0023】
[0028] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル又は「基板支持体」(及び/又は2つ以上のマスクテーブル又は「マスク支持体」)を有するタイプとすることができる。このような「マルチステージ」機械では、追加のテーブル又は支持体を並行して使用するか、あるいは、1つ以上の他のテーブル又は支持体を露光に使用している間に1つ以上のテーブル又は支持体で予備工程を実行することができる。
【0024】
[0029] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばパターニングデバイス(例えばマスク)と投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に適用することもできる。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために用いることができる。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造を液体に沈めなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムと基板の間に液体が存在するというほどの意味である。
【0025】
[0030]
図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源及びリソグラフィ装置は、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
【0026】
[0031] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するように設定されたアジャスタADを備えていてもよい。通常、イルミネータILの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ−outer及びσ−innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
【0027】
[0032] 放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターンが付与される。パターニングデバイス(例えばマスク)MAを横断した後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSはビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2の位置決めデバイスPWと位置センサIF(例えば干渉計デバイス、リニアエンコーダ、又は容量センサ)を利用して、基板テーブルWTは、例えば、様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めするように正確に移動できる。同様に、第1の位置決めデバイスPMと別の位置センサ(これは
図1に明示的に示していない)を用いて、例えばマスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中等に、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えばマスク)MAを正確に位置決めできる。一般に、パターニングデバイス支持体(例えばマスクテーブル)MTの移動は、第1の位置決めデバイスPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)を利用することにより実現できる。同様に、基板テーブルWT又は「基板支持体」の移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、パターニングデバイス支持体(例えばマスクテーブル)MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。パターニングデバイス(例えばマスク)MA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2と基板アライメントマークP1、P2とを用いて整合させることができる。図示する基板アライメントマークは専用のターゲット部分を占めているが、基板アライメントマークをターゲット部分間の空間内に配置することもできる(これらはスクライブラインアライメントマークとして既知である)。同様に、2つ以上のダイがパターニングデバイス(例えばマスク)MA上に提供されている場合、これらのダイ間にパターニングデバイスマスクアライメントマークを配置してもよい。
【0028】
[0033]
図2及び
図3はそれぞれ、本発明の一実施形態に従った基板支持体の側面図及び上面図を示す。基板支持体は全体として参照番号1で示されている。基板支持体1は、基板テーブル3を載せたチャック2を備えている。チャック2の位置が干渉計位置測定システムに基づいて決定される実施形態では、チャック2は一般にミラーブロックと称される。チャック2の位置がエンコーダ位置測定システムに基づいて決定される代替的な実施形態では、チャック2は一般にエンコーダブロックと称される。更に別の代替的な実施形態では、チャック2の位置は、干渉計位置測定システム及びエンコーダ位置測定システムの適切な組み合わせに基づいて、又は他のいずれかの適切な位置測定システムによって決定され得る。基板テーブル3は、基板Wを支持するように構成された基板支持ロケーション4を画定する。
【0029】
[0034] 基板支持体1は更に、eピンと称されることが多い3つの格納式支持ピン5も備えている。支持ピン5は、基板支持体1から延出している伸長支持位置と基板支持体1内に引っ込んでいる格納位置との間で、基板支持体1に対して移動可能である。支持ピン5を伸長位置と格納位置との間で駆動するため、ピン駆動デバイス6が設けられている。
【0030】
[0035] 支持ピン5は、ほぼ垂直方向に、すなわち支持ピン5によって支持された基板Wの主面に対してほぼ垂直方向に移動可能である。支持ピン5は、基板支持体1とロボット又は他のいずれかのタイプの基板ハンドラとの間で基板Wを移送するために用いることができる。支持ピン5は、ロボットが基板を支持するため基板の下に配置され得るように設けられている。ロボットが基板の側縁部で基板を保持するか、あるいは基板の上面で基板を保持するように構成されている場合、支持ピン5を省略してもよい。
【0031】
[0036] 支持ピン5が伸長位置に移動すると、ロボットは基板Wを支持ピン5上に配置することができる。次いで支持ピン5は格納位置に移動して、基板を基板支持体1の基板支持ロケーション4上に静止させればよい。基板支持体1によって支持された基板Wをパターンが付与された放射ビームに露光した後、これを別のものと交換することができる。基板は、交換のため、格納位置から伸長位置に移動した支持ピン5によって基板テーブル3から持ち上げられる。ピン5が伸長位置にある場合、ロボット又は他のいずれかのタイプの基板ハンドラによって基板を取り去ることができる。
【0032】
[0037] 基板支持体1の上側は、基板支持ロケーション4に基板をクランプするための真空クランプデバイス7を備えている。真空クランプデバイス7は、基板Wを基板支持ロケーション4にクランプすることができる減圧を与えるように構成されている。
【0033】
[0038] 真空クランプデバイス7は、例えば真空クランプデバイス7から空気を汲み出すように構成された空気ポンプ等の減圧源8を備えている。減圧源8は、基板支持体の真空クランプデバイス7に専用のローカルデバイスであり得るが、中央真空ポンプのようなリソグラフィ装置の中央減圧源としてもよい。
【0034】
[0039] 真空クランプデバイス7は更に、基板支持ロケーション4において、中央真空セクション9と、この中央真空セクション9の周りの環状エリアの円周に分散した4つの真空セクション10a〜10dと、を備えている。中央真空セクション9及び真空セクション10a〜10dは、封止縁部(sealing rim)12で画定されたくぼみ表面11によって形成され、基板支持ロケーション4で基板Wをクランプするように設けられている。
【0035】
[0040] 各真空セクション9、10a〜10dは、少なくとも1つの空気吸引管13によって減圧源8に接続されて、真空セクション9、10a〜10dから空気を吸い出せるようになっている。真空セクション9、10a〜10dから空気を吸い出すことにより、くぼみ表面11、封止縁部12、及び基板支持体1上に配置されているか又はこれから配置される基板Wによって画定される各真空セクション9、10a〜10dの真空空間を用いて、基板Wを引き付ける真空力を生成することができる。
【0036】
[0041] 真空セクション9、10a〜10dの空気吸引管13に、調整可能制約部(restriction)14、すなわち調整可能な断面積を有する制約部。調整可能な断面積を有するそのような調整可能制約部14は、例えば空気吸引管13の各々に配置したバルブデバイスによって形成することができる。これらのバルブデバイスは、例えば、そのような調整可能制約部14の断面積を調整するための圧電アクチュエータを備えた圧電バルブとすればよい。
【0037】
[0042]
図2の実施形態において、真空セクション9、10a〜10dの各々は単一の空気吸引管13によって減圧源8に接続され、各真空セクション9、10a〜10dはそれ自身の調整可能制約部14に関連付けられている。代替的な実施形態では、単一の真空セクション9、10a〜10dが減圧源8に対する多数の空気吸引管接続を有すること、及び、真空セクション9、10a〜10dにおいて減圧レベルを制御するために1つ以上の調整可能制約部14を設けること、も可能である。
【0038】
[0043]
図2に示すように、くぼみ表面11上に、多数の突起(burl)15を配置することができる。突起15の上端は、基板支持体1に配置される基板に支持表面を与えることができる。封止縁部12及び突起15の上端を、ほぼ同一の平面に配置して、基板を支持するためのほぼ平坦な表面を提供することができる。代替的な実施形態では、
図2に示すように、封止縁部12を突起15よりも低く配置するか、又はその逆とすることも可能である。
【0039】
[0044] 真空クランプデバイス7を制御するために制御デバイス16が設けられている。制御デバイス16は、基板支持体1に搭載される基板Wの基板形状データを含む記憶デバイス17に接続された制御デバイス入力16aを備えている。記憶デバイス17は、基板Wの形状データを測定することができるセンサ18に接続され得る。そのようなセンサは例えば、基板の上面及び/又は下面の高さレベル表面を決定するように構成された高さレベルスキャンセンサとすればよい。あるいは、格子状のセンサを用いて基板Wの形状データを測定することも可能である。そのような格子の例には、基板中心の周りでセンサがリング形に配置され、これらのリングが半径方向外側に(均等に)分散したものがある。そのような格子状のセンサの一例は、1つの中央センサと、8つのセンサから成るリング3つと、を含み、これらのリングが基板エリアにおいて均等に分散している。あるいは、格子状のセンサは、半径に応じて多くのセンサを有する場合もある(例えば、基板の中央付近のセンサの数に比べ、基板の円周付近にはより多くのセンサがある)。あるいは、基板支持体1及びセンサ(格子)を相互に相対的に移動させて(水平及び/又は回転方向に)、基板形状データをより連続的に測定することも可能である。
【0040】
[0045] 記憶デバイス17に、他のソースから得られた基板形状データを提供してもよい。典型的に、特定のプロセス内の基板バッチからの各基板は、特定の各プロセスステップ後に、ほぼ一致する形状を有する。また、特定のプロセスステップ後のこれらの典型的な形状の基板形状データを記憶デバイス17に記憶し、制御デバイス16によって用いることができる。
【0041】
[0046] 記憶デバイス17は、ハードディスク又はコンピュータメモリ等、基板形状データを保持することができる任意のデバイスとすればよい。制御デバイス16及び記憶デバイス17は別個のデバイスとして設けることができるが、単一のデバイスに一体化してもよい。
【0042】
[0047] 記憶デバイスに記憶した記憶基板形状データの代わりに、基板Wの基板形状データを制御デバイス16に直接供給できることは認められよう。
【0043】
[0048] 制御デバイス16は、減圧源8に接続された制御出力16bを備え、減圧源によって空気吸引管13へ与えられる減圧を制御する。制御デバイス16は、調整可能制約部14の各々に対する制御出力16cも備え、各調整可能制約部14の断面積を制御する。
【0044】
[0049] 調整可能制約部14の断面積を調整することによって、また減圧源8により空気吸引管13へ与えられる減圧を制御することによって、真空クランプデバイス7が提供する空間圧力プロファイルを、記憶デバイス17から得られる基板形状データに基づいて、クランプ対象の基板Wの形状に適合させることができる。換言すると、真空クランプデバイス7が生成する空間圧力プロファイルを、記憶デバイス17によって与えられる基板形状データに基づいて、クランプ対象の基板Wの形状に適合させることができる。空間圧力プロファイルは、基板支持ロケーションの真空セクション上における真空力の空間分布を表す。
【0045】
[0050] 空間圧力プロファイルの適合は、基板支持ロケーション4において基板を応力なしで及び/又は所望の形状にクランプするために望ましい。例えば、基板Wを基板支持ロケーション4に配置する間にほぼ平坦な状態で、基板Wを基板支持ロケーション4でクランプすることが望ましい場合がある。基板形状データに基づいて空間圧力プロファイルを制御することにより、基板Wを基板支持ロケーション4に配置する間、そのようなほぼ平坦な基板を生成及び/又は維持することができる。
【0046】
[0051]
図4は、ほぼ平坦な、すなわち反っていない基板Wの基板支持ロケーション4への搭載を示す。空間圧力プロファイルSPPは、基板Wを基板支持ロケーション4の方へ均一に引き付けるように、基板Wの表面全体でほぼ一様である。一様な圧力プロファイルが必ずしも平坦な基板Wに最適な空間圧力プロファイルSPPである必要はないことは認められよう。例えば、支持ピン5で基板Wを支持すると、支持ピン5の間で基板Wが垂れ下がることがあり得る。この垂れ下がりを補償するために一様でない圧力プロファイルを用いてもよい。
【0047】
[0052]
図5は、反った基板Wの基板支持ロケーション4への搭載を示す。空間圧力プロファイルSPPは基板表面全体で一様でなく、基板Wが基板支持ロケーションから大きく離間している中央部では圧力を低くして、基板支持ロケーションにより近い基板Wの外側部分よりもこの中央部の方が大きい真空力(矢印で示す)で基板支持ロケーション4に引き付けられるようにする。中央部のこの大きい真空力のため、破線で示すように(基板W’)、基板Wは直線形となって、ほぼ平坦な状態で基板支持ロケーション4に置かれる。
【0048】
[0053] 一般に、反った基板を直線形にするためには、基板形状データに応じて空間圧力プロファイルを適合させることで、反った基板が水平基板支持ロケーション4上で垂直下方向に搭載された場合に、基板支持ロケーションから大きく離間した基板部分の下の真空力を基板支持ロケーションにより近い基板部分の下の真空力よりも大きくすると望ましいことは認められよう。
【0049】
[0054] 上述のように、基板支持ロケーションでの基板Wの搭載を改善するため、基板形状データを用いて、真空クランプデバイス7によって生成される空間圧力プロファイルSPPを適合させる。制御デバイス16は、空気吸引管13及び調整可能制約部14から吸い出される空気流を調整して基板支持ロケーション4の表面上での真空力の分布を制御するため、減圧源8を制御する。
【0050】
[0055] 代替的な実施形態では、制御デバイス16は、減圧源8の定圧を用いて真空セクション9、10a〜10dを制御するようにのみ構成することも可能である。
【0051】
[0056] 更に、制御デバイス16の制御出力は、伸長支持位置と格納位置との間で支持ピン5の移動を駆動するために用いられるピン駆動デバイス6にも接続することができる。支持ピン5上に支持された基板Wを降下させる場合、基板支持ロケーション4に基板Wを配置するため、基板Wと基板支持ロケーション4との間の空間内の空気をこの空間から押し出さなければならない。この空気は、真空セクション9、10a〜10dから吸い出される空気によって部分的に取り去られるが、基板Wと基板支持ロケーション4との間で側方に空間が残る。このため、支持ピン5の移動は、基板Wと基板支持ロケーション4との間の空間に存在する圧力に影響を及ぼす。従って、制御デバイス16によって、例えば移動速度等の支持ピン5の移動を制御することは、真空クランプデバイス7の空間圧力プロファイルSPPに直接的な影響を与える。
【0052】
[0057] 支持ピン5の移動を制御することに加えて又はその代わりに、制御デバイス16は、空気吸引管13及び調整可能制約部14から吸い出される空気流を、ウェーハ搭載中の支持ピン5の実際の位置に対して時間依存的に調整するため、減圧源8を制御することも可能である。調整可能な空気流は初めに、基板支持ロケーション4に反った基板Wを搭載する最初の部分では、最大流量(例えば8NL/分)に設定することができる。その後、実際の支持ピン位置に応じて、空気流を徐々に又は即座に低減流量に設定すればよい。空気流は例えば、基板Wが基板支持ロケーション4に近付いた場合、1NL/分の低減流量に設定され得る。ウェーハ搭載のシーケンス全体を通して一定の最大流量を用いると、ウェーハに望ましくない局部応力が生じる可能性があるが、ウェーハ搭載のシーケンス全体を通して一定の低減流量を用いると比較的長い時間を要するので、本実施形態の流量設定は有益である。
【0053】
[0058] この代わりに又はこれに加えて、制御デバイス16は、反ったウェーハWの搭載中に起こり得るタイムアウトに従って動作することができる。反ったウェーハWが反りのためにクランプできない場合、空気吸引管13及び調整可能制約部14から吸い出される空気流を徐々に又は段階的に増大させることができる。正常動作条件のもとで、制御デバイス16は、下流の圧力センサが所定の圧力レベルに到達するのを所定の時間間隔だけ待つことができる。所定の時間間隔内にこの所定の圧力レベルに到達できない場合、制御デバイス16は、空気吸引管13及び調整可能制約源14から吸い出される空気流を増大させるように減圧源8を設定することができる。低減空気流は、例えば0.5NL/分、1NL/分、1.5NL/分、2NL/分、又は4NL/分の値に設定すればよい。この値は、特定のプロセス内の基板バッチからの基板を示す反りのレベルに基づいて選択することができる。
【0054】
[0059] 基板Wと基板支持ロケーション4との間の空間に存在する圧力の影響を低減することに加えて又はその代わりに、突起15をより高く製造して、反ったウェーハWと支持ロケーション4との間のエリア内の空気の相対的な圧縮を低減させ、これに対応してウェーハ搭載中の圧力増大を小さくすることができる。あるいは、突起15は元の高さに維持するが、突起15間のエリアにおいて基板テーブル3に溝を追加して、基板Wと基板テーブル3との間の空気体積を増大させてもよい。これは、突起の所望の特性を損なわないが、これに対応してウェーハ搭載中の圧力増大を小さくすることができるので、有益である。
【0055】
[0060] 代替的な実施形態において、基板テーブル3には、減圧源8に接続されて調整可能制約部14が設けられた空気吸引管13が設けられている。ウェーハの搭載中、調整可能制約部14を完全に開放することで、反ったウェーハWの下に大きい体積を確保し、結果として空気圧縮を軽減すると共に気流速度を低くする(すなわち減圧)。反ったウェーハWが支持ロケーション4に近付くと、調整可能制約部14が閉じられて、反ったウェーハWと支持表面4との間の閉鎖体積を縮小し、基板Wを基板支持ロケーション4にクランプすることができる減圧を与える。
【0056】
[0061]
図2及び
図3の実施形態では、真空クランプデバイス7の空間圧力プロファイルを制御するか又はその制御を改善する更に別の可能性が示されている。
図3に示すように、4つの圧力センサ19を中央真空セクション9に設けると共に、2つの圧力センサ19を真空セクション10a〜10dの各々に設ける。圧力センサ19によって、真空セクション9、10a〜10dにおける実際の圧力を測定することができる。
図2に示すように、圧力センサ19の1つでは、測定した圧力を、圧力制御入力16dを介して制御デバイス16に供給することができ、この圧力データを用いて、基板支持ロケーション4への基板の搭載中に実際の空間圧力プロファイルSPPを明らかにすることができる。
【0057】
[0062] このような実施形態では、制御デバイス16は、空間圧力プロファイルSPPを各基板の特定の形状に適合させるために、基板形状データをフィードフォワードするためのフィードフォワードデバイスと、各真空セクション9、10a〜10dにおける実際の圧力についてのフィードバックを与える圧力センサ19を用いたフィードバックデバイスと、を備えている。基板支持体1への基板Wの搭載中に基板Wの形状データを測定することができる代替的な実施形態では、フィードバックデバイスはこの基板形状データを用いて真空クランプデバイス7を制御することができる。
【0058】
[0063]
図6は、制御デバイス16が受信する基板形状データに応じて空間圧力プロファイルSPPを制御及び適合するように構成された真空クランプデバイス7を備えた基板支持体1の代替的な実施形態を示す。この実施形態では、基板支持ロケーション4の外縁に単一の環状封止縁部12があり、この環状封止縁部12内に、8つの空気吸引管入口13aを備えた内側リングと、8つの空気吸引管入口13bを備えた外側リングと、が設けられている。空気吸引管入口13a、13bの各々に、それ自身の調整可能制約部14を関連付けて、空気吸引管入口13a、13bの各々を介した空気流を個別に制御可能とすることができる。調整可能制約部14が設けられた単一の空気吸引管入口13に、2つ以上の空気吸引管入口13a、13bを結合してもよい。
【0059】
[0064] 空気流を個別に又は1つのグループとして制御できる1つ以上の空気吸引管入口13a、13bが、真空クランプデバイス7の真空セクションを形成する。例えば、8つの空気吸引管入口13aを備えた内側リングを用いて中央真空セクションを形成することができ、2つの空気吸引管入口13bから成る4グループの各々は、内側リングの周りの環状エリアにおいて真空セクションを形成することができる。すなわち、これは
図3の構成に対応している。
【0060】
[0065] 他の構成を生成することも可能である。例えば、基板支持ロケーション4の同一半径に配置された内側リングの1つの空気吸引入口13a及び外側リングの1つの空気吸引入口13bをグループ化して真空セクションを形成してもよい。また、空気吸引入口13a、13bを、各々が基板支持ロケーション4の円周の4分の1ずつをカバーする4つのグループに分割してもよい。
【0061】
[0066] 中央の円形真空セクション9と、この中央真空セクション9の周りの環状エリアに配置された4つの隣接した真空セクション10a〜10dと、を有する
図2及び
図3の実施形態に示すような真空セクションの分割が、様々な基板形状の圧力プロファイルを生成するのに適していることは認められよう。様々な基板形状には、例えば平坦な基板や、傘の形状、椀の形状、一軸湾曲形状、二軸湾曲形状、又はより高次の形状等を有する反った基板が含まれる。
【0062】
[0067] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。更に基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
【0063】
[0068] 光リソグラフィの分野での本発明の実施形態の使用に特に言及してきたが、本発明は文脈によってはその他の分野、例えばインプリントリソグラフィでも使用することができ、光リソグラフィに限定されないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは基板に供給されたレジスト層内に刻印され、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組み合わせを印加することでレジストは硬化する。パターニングデバイスはレジストから取り除かれ、レジストが硬化すると、内部にパターンが残される。
【0064】
[0069] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)及び極端紫外線光(EUV)放射(例えば、5nm〜20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
【0065】
[0070] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折、反射、磁気、電磁気及び静電気光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組み合わせを指すことができる。
【0066】
[0071] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はこのようなコンピュータプログラムを内部に記憶したデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。例えば、制御デバイスは、1つ以上のプロセッサと、上述の様々なタスク又は手順を実行するための機械実行可能命令によって符号化された1つ以上の記憶デバイスと、を含むことができる。
【0067】
[0072] 上記の説明は例示的であり、限定的ではない。従って、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。