(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
油脂の全質量基準で、油脂Aを25〜70質量%及び油脂Bを5〜45質量%含み、前記油脂Aの含有量に対する前記油脂Bの含有量の比(油脂B/油脂A)が1未満であり、
前記油脂Aは、構成脂肪酸の総炭素数が40〜46であるトリグリセリドと定義されるC40〜46の含有量が、前記油脂Aの全質量基準で37質量%以上であり、
前記油脂Bは、グリセリンの1位と3位に炭素数16以上の飽和脂肪酸(S)が結合し、2位に炭素数16以上の不飽和脂肪酸(U)が結合したトリグリセリドと定義されるSUSの含有量が、前記油脂Bの全質量基準で48〜62質量%である、可塑性油脂組成物。
前記乳脂肪分解物の含有量が、前記可塑性油脂組成物100gあたり0.05g以上0.4g以下である、請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の可塑性油脂組成物。
前記アミノ化合物と前記還元糖が、脱脂粉乳、全脂粉乳、ホエイ粉、バターミルク粉、チーズ粉、およびこれらの乳糖分解酵素処理物及び/又は蛋白質分解酵素処理物から選択される1種類又は複数により添加される、請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の可塑性油脂組成物。
【背景技術】
【0002】
可塑性油脂組成物の代表はバターである。バターを使用すると、その優れた風味により嗜好性の高いパン・菓子等のベーカリー食品が得られ、ベーカリー食品の商品価値を高めることができる。また、バターは吸卵性が高く、卵リッチなベーカリー食品の製造にも適している。しかしながら、バターは高価であり、また、供給量に制限があるという難点がある。
【0003】
上記のような問題から、乳脂を含まない食用油脂と、バター、発酵バター、バターオイル、発酵バターオイル、分別バターオイル等との混合油脂を使用した、いわゆるコンパウンドタイプの可塑性油脂組成物が開発されてきた。コンパウンドタイプの可塑性油脂組成物は、取扱い易く、乳脂の風味がそれなりに活かされているので、現在では広く使用されている。しかしながら、取扱い易さを考慮して、多くの場合温度によるSFC(固体脂含有量)の変化が少なくなるように設計されているので、口どけやベーカリー食品のジューシー感がバターと比較して乏しい。また、配合される乳脂は結晶化が遅いため、経日的に硬くなる傾向がある。そして、残念ながら、100%バターとは比較にならないほど風味が劣る。
【0004】
コンパウンドタイプの可塑性油脂組成物の油脂の改良についていくつかの試みがなされている。例えば、特許文献1には、加圧晶析による乳脂含有シート状油脂加工食品の製造法が開示されている。特許文献2には、乳脂肪と、沃素価が10以下であり、全構成脂肪酸のうち炭素数18以上の構成脂肪酸が80重量%以上である脂肪を含むエステル交換油脂とを含むロールイン用油脂組成物が開示されている。特許文献3には、油相中に直接β型結晶油脂と乳脂肪を含有するロールイン用油脂組成物が開示されている。
【0005】
しかしながら、従来のコンパウンドタイプの可塑性油脂組成物の油脂の改良は、乳脂を配合することによる、油脂組織の荒れや油脂結晶粗大化の防止、すなわち、良好な結晶性の維持を目的としており、それを使用したパン・菓子等のベーカリー食品は、乳脂特有の口どけやジューシー感に乏しいものであった。
【0006】
一方、コンパウンドタイプの可塑性油脂組成物の風味の改良についてもいくつかの試みがなされている。特許文献4には、バター風味を有する油脂組成物の製造方法として、水相のpHを調整し醗酵バターを添加する方法が開示されている。特許文献5には、スターター醗酵菌留出物や醗酵バター用培養濃縮物などを含有させることによるマーガリンの風味の改善法が開示されている。特許文献6には、乳脂肪分を含有する油中水型乳化油脂が開示されている。
【0007】
しかしながら、特許文献4または特許文献5に開示された方法では風味は酸味の方向に移行し、バター風味としては十分なものではない。また、製菓製パンのような焼成工程を経ると風味強度が低下してしまう。特許文献6に開示された乳脂肪分を含有させる方法は、乳脂肪分を高含有することで風味を得ており、乳脂肪を減らしていくとその分風味が弱くなってしまうという欠点があるため、バターの代替としての効果は十分なものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、良好なバター風味を有し、伸展性が良く、嗜好性が高いベーカリー食品が得られる、可塑性油脂組成物の開発が待望されていた。特に、バターの使用に匹敵する口どけや食感を有し、バターの使用に匹敵する風味を有する、ベーカリー食品が得られる、コンパウンドタイプの可塑性油脂組成物の開発が待望されていた。
【0010】
本発明の課題は、良好な結晶性と製菓・製パン適性を有し、パン等に塗って食べる場合だけでなく、パン・菓子等のベーカリー食品に使用した場合においても、バター風味の良好な可塑性油脂組成物を得ることである。特に、バターの使用に匹敵する食感と風味が得られる、コンパウンドタイプの可塑性油脂組成物を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは鋭意検討を行った結果、油脂として特定の構成トリグリセリドを有する油脂を組み合せ、また、前記油脂にアミノ化合物と還元糖と乳脂肪分解物をさらに組み合わせることによって、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
上記課題を解決するため、本発明には以下の構成が含まれる。
(1)油脂の全質量基準で、油脂Aを25〜70質量%及び油脂Bを5〜45質量%含み、油脂Aの含有量に対する油脂Bの含有量の比(油脂B/油脂A)が1未満であり、
油脂Aは、構成脂肪酸の総炭素数が40〜46であるトリグリセリドと定義されるC40〜46の含有量が、油脂Aの全質量基準で37質量%以上であり、
油脂Bは、グリセリンの1位と3位に炭素数16以上の飽和脂肪酸(S)が結合し、2位に炭素数16以上の不飽和脂肪酸(U)が結合したトリグリセリドと定義されるSUSの含有量が、油脂Bの全質量基準で40質量%以上である、可塑性油脂組成物。
(2)油脂Aのヨウ素価が28〜48である、(1)に記載の可塑性油脂組成物。
(3)油脂Bがパーム系油脂を油脂Bの全質量基準で50質量%以上含む、(1)又は(2)に記載の可塑性油脂組成物。
(4)さらに、油脂中に、乳由来の油脂Cを油脂の全質量基準で4〜40質量%含む、(1)〜(3)のいずれか1つに記載の可塑性油脂組成物。
(5)さらに、アミノ化合物と、還元糖と、乳脂肪分解物とを含む、(1)から(4)のいずれか1つに記載の可塑性油脂組成物。
(6)アミノ化合物の含有量が、可塑性油脂組成物100gあたり0.35mmol以上0.60mmol以下である、(5)に記載の可塑性油脂組成物。
(7)還元糖の含有量が、可塑性油脂組成物100gあたり3.1mmol以上5.5mmol以下である(5)又は(6)に記載の可塑性油脂組成物。
(8)乳脂肪分解物の含有量が、可塑性油脂組成物100gあたり0.05g以上0.4g以下である、(5)から(7)のいずれか1つに記載の可塑性油脂組成物。
(9)アミノ化合物と還元糖が、脱脂粉乳、全脂粉乳、ホエイ粉、バターミルク粉、チーズ粉、およびこれらの乳糖分解酵素処理物及び/又は蛋白質分解酵素処理物から選択される1種類又は複数により添加される、(5)から(8)のいずれか1つに記載の可塑性油脂組成物。
(10)(1)から(10)のいずれか1つに記載の可塑性油脂組成物を含有する食品。
(11)油脂A及び油脂Bを含む油相、アミノ化合物及び還元糖を含む水相、乳脂肪分解物、を混合する予備乳化工程と、予備乳化工程で得られた混合物を急冷混捏する工程とを備える、(1)から(10)のいずれか1つに記載の可塑性油脂組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、良好な結晶性と製菓・製パン適性を有し、パン等に塗って食べる場合だけでなく、パン・菓子等のベーカリー食品に使用した場合においても、バター風味の良好な可塑性油脂組成物を提供できる。特に、バターの使用に匹敵する食感と風味が得られる、コンパウンドタイプの可塑性油脂組成物を提供できる。また、当該可塑性油脂組成物を使用したバター風味豊かなベーカリー食品を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の可塑性油脂組成物について詳細に説明する。
本発明の可塑性油脂組成物は、油脂中に、油脂Aおよび油脂Bを含有する。上記油脂Aは、C40〜46の含有量が37質量%以上である油脂である。
ここで、「C40〜46」は、構成脂肪酸の総炭素数が40〜46であるトリグリセリドを意味する。油脂Aは、C40〜46を、41〜59質量%含有することが好ましく、45〜55質量%含有することがより好ましい。また、油脂Aは、そのヨウ素価が、28〜48であることが好ましく、32〜44であることがより好ましい。
可塑性油脂組成物に含まれる油脂中の油脂Aの含有量は、25〜70質量%である。可塑性油脂組成物に含まれる油脂中の油脂Aの含有量は、好ましくは28〜67質量%であり、より好ましくは30〜64質量%である。油脂AのC40〜46の含有量および可塑性油脂組成物に含まれる油脂中の含有量が上記範囲内にあると、結晶性が良好で口どけが良い可塑性油脂組成物が得られるので好ましい。
【0015】
本発明の可塑性油脂組成物に含まれる上記油脂Aは、ラウリン系油脂と非ラウリン系油脂とのエステル交換油脂であることが好ましい。
ここで「ラウリン系油脂」とは、油脂を構成する全構成脂肪酸中にラウリン酸を30質量%以上、好ましくは40質量%以上含有する油脂のことである。ラウリン系油脂の具体例としては、パーム核油またはヤシ油、これらの混合油、これらの油脂または混合油の加工油脂(エステル交換油、分別油、水素添加油等)が挙げられる。
また、「非ラウリン系油脂」とは、油脂を構成する全構成脂肪酸中に炭素数16以上の脂肪酸を90質量%以上、好ましくは95質量%以上含有する油脂のことである。非ラウリン系油脂の具体例としては、大豆油、菜種油、パーム油、コーン油、ひまわり油、紅花油、ごま油、綿実油、米油、オリーブ油、落花生油、亜麻仁油、カカオ脂、牛脂、豚脂、魚油等、および、これらの油脂または混合油の加工油脂(エステル交換油、分別油、水素添加油等)が挙げられる。
【0016】
上記非ラウリン系油脂としては、パーム系油脂を使用することが好ましい。パーム系油脂とは、パーム油や、その加工油脂(エステル交換油、分別油、水素添加油等)であり、より具体的には、パーム油、パーム油の1段分別油であるパームオレイン、パームステアリン、パームオレインの2段分別油であるパームオレイン(パームスーパーオレイン)及びパームミッドフラクション、パームステアリンの2段分別油であるパームオレイン(ソフトパーム)およびパームステアリン(ハードステアリン)等が挙げられる。油脂Aはラウリン系油脂と非ラウリン系油脂とを質量比で、好ましくは30:70〜70:30、より好ましくは35:65〜65:35、さらに好ましくは40:60〜60:40で混合した混合油のエステル交換油脂であることが好ましい。なお、油脂Aは、上記構成を有するエステル交換油脂を1種もしくは2種以上使用しても良い。
【0017】
本発明の可塑性油脂組成物に含まれる上記油脂Aを調製するためのエステル交換反応としては、特に制限はない。トリグリセリドの位置選択性の低い非選択的エステル交換(ランダムエステル交換)、位置選択性の高い選択的エステル交換(位置特異的エステル交換)のどちらでもよいが、非選択的エステル交換であることが好ましい。また、油脂Aを調製するためのエステル交換の方法としては、特に制限はない。化学的エステル交換、酵素的エステル交換のどちらの方法でもよいが、化学的エステル交換であることが好ましい。化学的エステル交換は、触媒としてナトリウムメチラート等の化学触媒を用いて行われるものであり、反応は位置選択性の低い非選択的エステル交換となる。化学的エステル交換は、例えば、常法に従って、原料油脂を十分に乾燥させ、触媒を原料油脂に対して0.1〜1質量%添加した後、減圧下、80〜120℃で0.5〜1時間攪拌しながら反応を行うことができる。エステル交換反応終了後は、水洗にて触媒を洗い流した後、通常の食用油脂の精製工程で行われる脱色、脱臭処理を行うことができる。
【0018】
本発明の可塑性油脂組成物に含まれる上記油脂Bは、SUSの含有量が40質量%以上である油脂である。ここで、SUSは、グリセリンの1位と3位に炭素数16以上の飽和脂肪酸(S)が結合し、2位に炭素数16以上の不飽和脂肪酸(U)が結合したトリグリセリドを意味する。Sは、好ましくは炭素数16〜22の飽和脂肪酸であり、より好ましくは炭素数16〜18の飽和脂肪酸である。Uは、好ましくは炭素数16〜22の不飽和脂肪酸であり、より好ましくは炭素数16〜18の不飽和脂肪酸である。油脂Bは、SUSを45〜65質量%含有することが好ましく、48〜62質量%含有することがより好ましい。可塑性油脂組成物に含まれる油脂中の油脂Bの含有量は、5〜45質量%である。可塑性油脂組成物に含まれる油脂中の油脂Bの含有量は、好ましくは8〜40質量%であり、より好ましくは10〜35質量%である。油脂BのSUSの含有量および可塑性油脂組成物に含まれる油脂中の含有量が上記範囲内にあると、結晶性が良好で口どけが良い可塑性油脂組成物が得られるので好ましい。
【0019】
本発明の可塑性油脂組成物に含まれる上記油脂Bは、SUSを40質量%以上、好ましくは60質量%以上と豊富に含む油脂(以下、「SUS油脂」とも表す)を使用することが好ましい。SUS油脂としては、具体的には、ココアバター、パーム油、シア脂、サル脂、アランブラッキア脂、モーラー脂、イリッペ脂、およびマンゴー核油、ならびに、それらの分別油が挙げられる。さらに、すでに知られているように、パルミチン酸、ステアリン酸、あるいは、それらの低級アルコールエステルと、ハイオレイックヒマワリ油等の高オレイン酸油脂との間で、1,3位選択性リパーゼ製剤を用いて、エステル交換反応をさせた後、必要に応じて分別することにより得られる油脂を使用してもよい。なお、油脂Bは、上記SUS油脂を1種もしくは2種以上使用しても良い。
【0020】
上記SUS油脂としては、特に、パーム油およびその分別油脂を使用することが好ましい。パーム油の分別油脂としては、ヨウ素価が40〜50(好ましくは42〜48)であるパーム油中融点部(以下、「PMF」とも表す)が好ましい。油脂Bは、上記パーム油およびその分別油脂を1種もしくは2種以上使用しても良い。
【0021】
本発明の可塑性油脂組成物に含まれる油脂は、油脂中の、油脂Aの含有量に対する油脂Bの含有量の比(以下、「油脂B/油脂A」とも表す)が1未満である。油脂B/油脂Aは、好ましくは0.1〜0.9である。本発明の可塑性油脂組成物に含まれる油脂の、油脂B/油脂Aが、上記範囲内にあると、結晶性が良好で口どけが良い可塑性油脂組成物が得られるので好ましい。
【0022】
本発明の可塑性油脂組成物に含まれる油脂は、上記油脂構成を満たすことにより、結晶性が良好で口どけが良い可塑性油脂組成物が得られるが、さらに、後述するアミノ化合物と還元糖と乳脂肪分解物との組み合せにより、想定をはるかに超える、バター風味の向上が得られる。
【0023】
本発明の可塑性油脂組成物は、さらに、油脂中に、乳由来の油脂である油脂Cを含んだコンパウンドタイプとしてもよい。上記油脂Cは、乳由来の油脂であり、いわゆる乳脂とその加工品を含むものである。より具体的には、バター、バターオイルもしくはそれらの分別油、分別油の発酵物、発酵バター、発酵バターオイルもしくはそれらの分別油、等が挙げられ、それらの1種もしくは2種以上を任意に用いることができる。油脂Cは、特に、バターオイルを含むことが好ましい。バターオイルは、油脂C中に50〜100質量%含まれることが好ましく、70〜100質量%含まれることがより好ましい。可塑性油脂組成物に含まれる油脂中の油脂Cの含有量は、4〜40質量%であることが好ましい。可塑性油脂組成物に含まれる油脂中の油脂Cの含有量は、より好ましくは8〜35質量%であり、さらに好ましくは12〜30質量%である。可塑性油脂組成物に含まれる油脂中の油脂Cの含有量が上記範囲内にあると、バター風味豊かで結晶性が良い、バターと比べて経済性に優れた、可塑性油脂組成物が得られるので好ましい。
【0024】
本発明の可塑性油脂組成物に含まれる油脂は、上記油脂A〜Cとは別に、油脂Dおよび/または油脂Eを含有してもよい。油脂Dは、上述したラウリン系油脂である。油脂Eは、上述した非ラウリン系油脂のうち、10℃で液状の油脂である。可塑性油脂組成物に含まれる油脂中の油脂Dの含有量は、好ましくは3〜18質量%であり、より好ましくは7〜14質量%である。可塑性油脂組成物に含まれる油脂中の油脂Eの含有量は、好ましくは1〜11質量%であり、より好ましくは3〜9質量%である。また、本発明の可塑性油脂組成物に含まれる油脂は、本発明の特長を損ねない範囲において、上記油脂A〜Eとは別に、その他の食用油脂を含有してもよい。
【0025】
本発明の可塑性油脂組成物に含まれる油脂は、油脂中の、上記油脂Aと上記油脂Bの合計含有量(以下、「油脂A+油脂B」とも表す)が50〜85質量%であることが好ましく、55〜75質量%であることがより好ましい。
【0026】
本発明の可塑性油脂組成物に含まれる油脂は、その固体脂含有量(以下、「SFC」とも表す)が、10℃で30〜50%、20℃で10〜20%、30℃で0〜5%であることが好ましい。本発明の可塑性油脂組成物に含まれる油脂のSFCは、好ましくは10℃で33〜45%、20℃で12〜18%、30℃で1〜4%であり、より好ましくは10℃で35〜40%、20℃で13〜17%、30℃で2〜4%である。本発明の可塑性油脂組成物に含まれる油脂のSFCが上記範囲内であると、口どけのよい可塑性油脂組成物が得られる。なお、SFC(%)は、基準油脂分析試験法(社団法人日本油化学会)の「2.2.92003 固体脂含量(NMR法)」に準じて測定できる。
【0027】
本発明の可塑性油脂組成物は、トランス脂肪酸を実質的に含有しないことが好ましい。本発明の可塑性油脂組成物において、トランス脂肪酸含量は、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、更に好ましくは3質量%以下である。
【0028】
本発明において、油脂を構成する各脂肪酸含量は、ガスクロマトグラフィー法により測定することができる(例えば、AOCS Celf−96に準じて測定できる)。また、油脂を構成する各トリグリセリド含量は、ガスクロマトグラフィー法により測定することができる(例えば、AOCS Ce5−86に準じて測定できる)。
【0029】
本発明の可塑性油脂組成物は、アミノ化合物と還元糖と乳脂肪分解物を含有する。
【0030】
本発明の可塑性油脂組成物に含まれるアミノ化合物は、カゼインやホエイといった乳由来の蛋白質、カゼインやホエイといった乳由来の蛋白質を酵素、酸、アルカリ加熱等で加水分解したもの、アミノ酸から選択される1種類又は複数を用いることができる。
カゼインやホエイといった乳由来の蛋白質の加水分解に酵素を用いる場合、使用する酵素は食品に利用可能なものであればどのようなものでもよい。
【0031】
本発明の可塑性油脂組成物に含まれる還元糖は、食品として摂取可能な還元糖であればどのようなものでも用いることができるが、乳の主要な糖である乳糖や、乳糖の構成糖であるグルコースやガラクトースを用いることが好ましい。
【0032】
上述のアミノ化合物と還元糖は、上記した成分を高い純度で含有する素材を用いることもできるし、アミノ化合物と還元糖の両方を含む脱脂粉乳、全脂粉乳、ホエイ粉、バターミルク粉、チーズ粉、およびこれらの乳糖分解酵素処理物及び/又は蛋白質分解酵素処理物から選択される1種類又は複数を用いることもできる。
【0033】
アミノ化合物の添加量は、可塑性油脂組成物100gあたりに含まれるアミノ基がリジン残基を基準分子量とし、0.35mmol以上0.60mmol以下となるように、上記した材料を用いて添加することができる。
【0034】
還元糖の添加量は、可塑性油脂組成物100gあたりに含まれる還元糖が乳糖を基準分子量とし、3.1mmol以上5.5mmol以下となるように、上記した材料を用いて添加することができる。
【0035】
本発明の可塑性油脂組成物に含まれる乳脂肪分解物は、食品に利用可能な脂肪分解酵素で乳由来の脂肪を処理したものであればどのようなものでも使用することができるが、脂肪分解酵素として、豚膵臓あるいは幼少家畜の口頭分泌腺から得られる脂肪分解酵素、Penicillium属、Chromobacterium属、Aspergillus属、Mucor属、Candida属等、Pseudomonas属、Rhizopus属、Rhizomucor属またはThermomyces属の微生物が生産する脂肪分解酵素を用いることが好ましい。
脂肪分解酵素は、添加量が乳原料の0.005〜5重量%程度となるように水に溶解して添加するか、あるいは、直接乳原料中に添加することが好ましい。酵素反応の条件は、特に限定されず、添加したそれぞれの酵素の反応に適した温度とpH、例えば25〜60℃、pH4.0〜8.0で、1〜240時間行なうことができる。
可塑性油脂組成物に含まれる乳脂肪分解物の含有量は、0.05質量%以上0.4質量%以下である。
【0036】
本発明の可塑性油脂組成物は、乳由来のアミノ化合物と乳脂肪分解物を含むため、パン等に塗って食べる場合、バターの使用に匹敵する風味が得られる。さらに、本発明の可塑性油脂組成物は、還元糖を含むためパン・菓子等のベーカリー食品に使用した場合、乳由来のアミノ化合物と還元糖との間にアミノカルボニル反応が生じ、この反応により生成する香気成分と、乳脂肪分解物の加熱に由来する香気成分とにより、焼成しても風味強度が低下することなくバター風味が豊かなベーカリー食品を提供することができる。
【0037】
本発明の可塑性油脂組成物には、油脂、アミノ化合物、還元糖、及び乳脂肪分解物以外の成分として、乳化剤を配合してもよい。本発明の可塑性油脂組成物に使用できる乳化剤としては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等の合成乳化剤や、レシチン(大豆レシチン、卵黄レシチン等)、リゾレシチン(大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン等)、酵素処理卵黄、サポニン、植物ステロール類、乳脂肪球皮膜等の合成乳化剤でない乳化剤が挙げられ、これらの2種以上を併用して用いることもできる。乳化剤を使用する場合、可塑性油脂組成物におけるその含量は、好ましくは0.1〜2質量%であり、より好ましくは0.5〜1.5質量%である。なお、本発明の可塑性油脂組成物は、乳化剤を実質的に含まなくても良好な乳化状態を維持できる。実質的に含まないとは、乳化剤の含有量が0.1質量%未満の状態を意味し、0質量%であることが好ましい。
【0038】
本発明の可塑性油脂組成物には、油脂、アミノ化合物、還元糖、乳脂肪分解物、および乳化剤以外のその他の成分として、通常可塑性油脂組成物に配合される成分を配合することができる。その他の成分としては、水、増粘安定剤、食塩、塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、還元糖以外の糖類、糖アルコール類、ステビア、アスパルテーム等の甘味料、β−カロテン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物(カテキン等)、ルチン等の酸化防止剤、小麦蛋白、大豆蛋白等の植物蛋白、卵、卵加工品、香料、調味料、pH調整剤、食品保存料、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材や食品添加物が挙げられる。
【0039】
本発明の可塑性油脂組成物は、油脂を主体とする油相と、水を主体とする水相とを有することが好ましい。本発明の可塑性油脂組成物に含まれる(可塑性油脂組成物に占める)油脂の含有量は、好ましくは45〜95質量%であり、より好ましくは55〜90質量%である。本発明の可塑性油脂組成物に含まれる(可塑性油脂組成物に占める)水の含有量は、好ましくは3〜53質量%であり、より好ましくは8〜43質量%である。本発明の可塑性油脂組成物は、マーガリンなどの油中水型の乳化物であることが好ましい。
【0040】
本発明の可塑性油脂組成物の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知のマーガリン、ショートニングの製造条件および製造方法により製造できる。具体的には、配合する油脂および油溶成分を混合溶解したものを油相とし、油相に所望の水相を混合乳化して混合物とし、適宜加熱した後、混合物に乳脂肪分解物、あるいはバター香料を添加後、冷却し、結晶化させることで製造することができる。冷却、結晶化は、冷却可塑化させることが好ましい。冷却条件は、好ましくは−0.5℃/分以上、更に好ましくは−5℃/分以上である。この際、徐冷却より急冷却の方が好ましい。また、油相の調製後または混合乳化後は、殺菌処理することが望ましい。殺菌方法としては、タンクでのバッチ式や、プレート型熱交換機、掻き取り式熱交換機を用いた連続式が挙げられる。冷却する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられる。また、冷却する機器としては、開放型のダイアクーラーとコンプレクターとの組み合わせも挙げられる。
【0041】
本発明の可塑性油脂組成物は、伸展性がよく、そのままパン等に塗って使用できる。また、本発明の可塑性油脂組成物は、起泡性がよく、それ自体を起泡化させてバタークリーム用として使用できる。また、本発明の可塑性油脂組成物は、吸卵性がよく、特に、パン・菓子等のベーカリー食品の練り込み用、折り込み用として使用することができる。本発明のコンパウンドタイプの可塑性油脂組成物を、パン・菓子等のベーカリー食品に使用すると、バターの使用に匹敵する食感と風味を有するベーカリー食品が得られる。
【0042】
本発明のバタークリームないしベーカリー食品は、本発明の可塑性油脂組成物を用いること以外は、公知の製造条件及び製造方法により製造できる。本発明のバタークリームは、フィリングクリーム、サンドクリーム、トッピングクリーム等として使用できる。本発明のベーカリー食品の具体例としては、ビスケット、クッキー、クラッカー、乾パン、プレッツェル、カットパン、ウェハース、サブレ、ラングドシャ、マカロン等の焼き菓子、バターケーキ類(パウンドケーキ、フルーツケーキ、マドレーヌ、バウムクーヘン、カステラ等)、スポンジケーキ類(ショートケーキ、ロールケーキ、トルテ、デコレーションケーキ、シフォンケーキ等)、シュー菓子、発酵菓子、パイ、ワッフル等の洋生菓子、菓子パン、フランスパン、シュトーレン、パネトーネ、ブリオッシュ、ドーナツ、デニッシュ、クロワッサン等のパンが挙げられる。
【実施例】
【0043】
次に、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明する。しかし、本発明は、これらの実施例になんら制限されるものではない。
【0044】
<分析方法>
以下に示す、可塑性油脂組成物に含まれる油脂の固体脂含有量(SFC)、また油脂を構成する各油脂の各脂肪酸含量、各トリグリセリド含量は以下の方法により分析した。
固体脂含有量は、基準油脂分析試験法(社団法人日本油化学会)「2.2.92003 固体脂含量(NMR法)」により分析した。
各脂肪酸含量は、ガスクロマトグラフィー法(AOCS Celf−96に準拠)により測定した。
各トリグリセリド含量は、ガスクロマトグラフィー法(AOCS Ce5−86に準拠)により分析した。
【0045】
<油脂配合のスクリーニング>
(油脂の調製)
〔油脂A1〕:パーム油(日清オイリオグループ株式会社製造品)60質量部とパーム核油(日清オイリオグループ株式会社製造品)40質量部とを混合した混合油を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、対油0.1質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、ナトリウムメチラートを水洗除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭して、油脂A1(C40〜46の含有量47.7質量%、ヨウ素価39.0)を得た。
〔油脂B1〕:パーム油中融点部(日清オイリオグループ株式会社製造品、SUS含有量63.0質量%、ヨウ素価45)を油脂B1とした。
〔油脂B2〕:パーム油(日清オイリオグループ株式会社製造品、SUS含有量43.0質量%、ヨウ素価53)を油脂B2とした。
〔油脂b1〕:パームオレイン(日清オイリオグループ株式会社製造品、ヨウ素価56)を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、対油0.1質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、ナトリウムメチラートを水洗除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭して、油脂b1(SUS含有量12.2質量%、ヨウ素価56)を得た。
〔油脂C1〕:バターオイル(日清オイリオグループ株式会社社内調製品、融点32℃)を油脂C1とした。
〔油脂D1〕:ヤシ硬化油(日清オイリオグループ株式会社製造品、ヨウ素価1未満)を油脂D1とした。
〔油脂E1〕:大豆油(日清オイリオグループ株式会社製造品)を油脂E1とした。
〔油脂E2〕:菜種油(日清オイリオグループ株式会社製造品)を油脂E2とした。
〔バター 〕:バター(雪印メグミルク株式会社製、商品名「バター食塩不使用プリント」)を評価対照のバターとした。
【0046】
(可塑性油脂組成物の油脂配合)
表1、表2の配合に従って、油脂1〜10を調製し、SFCを測定した。
表3の配合に従って、油脂1〜10をそれぞれ使用した可塑性油脂組成物(マーガリン)を、常法に従って、コンビネーターにより急冷混捏し、実施例1〜6および比較例1〜4の可塑性油脂組成物を製造した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
(可塑性油脂組成物の評価)
得られた実施例1〜6および比較例1〜4の可塑性油脂組成物を10℃に調温した後、ガラス板上に塗布して、以下の基準に従って伸展性を評価した。
また、10℃に調温した各可塑性油脂組成物の口どけを、以下の基準に従って評価した。
また、各可塑性油脂組成物を10℃12時間、25℃12時間を1サイクルとして30サイクルの保存テストを行い、以下の基準に従って組織の状態を評価した。
伸展性、口どけ、組織の状態の各評価は5名のパネラーの総合評価とし、結果を表5、表6に示した。
【0051】
(可塑性油脂組成物の伸展性の評価基準)
◎ 非常にスムーズに伸びる
○ スムーズに伸びる
△ やや切れ目はできるが伸びる
▲ 切れ切れの状態で伸びる
× 硬くて伸びない
【0052】
(可塑性油脂組成物の口どけの評価基準)
◎ バター以上によい
○ バターと同程度によい
△ ふつう
▲ やや悪い
× 非常に悪い
【0053】
(可塑性油脂組成物の組織の状態の評価基準)
◎ キメが細かく良好
○ 良好
△ キメがやや粗くなっている
▲ キメが粗くなっている
× 粗大結晶が見られる
【0054】
(パウンドケーキ生地の調製)
得られた実施例1〜6および比較例1〜4の可塑性油脂組成物およびバターについて、表4に示す配合割合のパウンドケーキ生地を用いて、以下の手順にしたがって調製した。
【0055】
【表4】
【0056】
(パウンドケーキの製造手順)
1.可塑性油脂組成物と上白糖を混合し、ミキサーにより比重を0.82にする。
2.1に、全卵を加えて混合する。
3.2に、薄力粉とベーキングパウダーを加え、均一に混合し、生地を調製する。
4.3の生地500gを1050ccの型に注入し、180℃で50分間焼成する。
【0057】
以下の評価基準に従って、起泡性、吸卵性および油脂の滲み出しの評価を行った。結果を後述の表5、表6に示した。
【0058】
(起泡性の評価基準)
比重0.82となるまでの時間
評点
3 ・・・ 4分未満で良好
2 ・・・ 4分以上7分未満
1 ・・・ 7分以上で悪い
【0059】
(吸卵性の評価基準)
吸卵後の生地の状態
評点
3 ・・・ 分離なく良好
2 ・・・ 分離気味
1 ・・・ 完全に分離
【0060】
(油の滲み出しの評価基準)
パウンドケーキを直径40mmで型抜きし、ロール紙上(温度20℃、湿度50%条件)で24時間静置したあとの油滲みの状態
評点
3 ・・・ バターを100%使用したパウンドケーキと同程度
2 ・・・ バターを100%使用したパウンドケーキより少ない
1 ・・・ バターを100%使用したパウンドケーキよりかなり少ない
【0061】
<評価結果>
上述の実施例1〜6(油脂1〜5、7)、比較例1〜4(油脂6,8〜10)の評価結果をまとめて表5,表6に示す。
【0062】
【表5】
【0063】
【表6】
【0064】
表7の配合表に従い可塑性油脂組成物を調製した。油脂は表5の油脂1、表6の油脂7と油脂10を用いた。アミノ化合物と還元糖の材料は、脱脂粉乳とホエイ粉(ホエイタンパク質含量12質量%、乳糖含量78質量%)を用いた。乳脂肪分解物は、バターオイルを微生物由来の脂肪分解酵素で分解したものを用いた。
油脂に乳化剤を添加した油相と、水に脱脂粉乳とホエイ粉を溶解させた水相を調製し、油相に水相を徐々に添加し混合物とした後、80℃で10分間加熱した。これに乳脂肪分解物、あるいはバター香料を添加後、上述の(可塑性油脂組成物の油脂配合)の欄の記載と同様にコンビネーターにて急冷可塑化し、実施例7〜11、及び比較例5〜10の可塑性油脂組成物を製造した。
【0065】
【表7】
【0066】
得られた実施例7〜11、比較例5〜10の可塑性油脂組成物を用いて、可塑性油脂組成物をパンに塗って摂取(直食時)した時、および可塑性油脂組成物を用いて調製したパウンドケーキを摂取した時(焼成時)の「バター風味の強さ」、「バター様の甘味の強さ」、および「総合的なバターらしさ」について評価した。
【0067】
直食時の評価は、6枚切りの食パンを、1000W設定のオーブントースターを用いて、目視で焦げ目が揃うように加熱し、加熱した食パンを縦方向半分にカットした。カットしたパンに可塑性油脂組成物10gを全面に塗り、パンに充分染み込ませたのちに摂取させた。
焼成時の評価は、上述の(パウンドケーキの製造手順)の欄の記載と同様の方法で調製したパウンドケーキを用いた。得られたパウンドケーキを縦半分にカットし、これを摂取させた。
評価は12名のパネルを対象とし、バターを用いた場合の評価を5として、5段階の絶対評価方式で評価を行った。対象に用いたバターは上述の(油脂の調製)の欄に記載したものと同じものを用いた。官能評価結果の平均点を表8に示す。
【0068】
【表8】
【0069】
直食時において、アミノ基量と還元糖量が少ない比較例5は全ての項目で低い評点であった。アミノ基量と還元糖量は実施例7と同じであるが、乳脂肪分解物のかわりにバター風味合成香料を添加した比較例3は、バター様の香りの強さの評点はやや高かったが、バター様の甘みの強さ、総合的なバターらしさの評価は低かった。
アミノ基と還元糖を多く含む実施例7は風味のバランスが崩れ総合的なバターらしさの項目で低い評点となった。
油脂10を用いた場合は、アミノ基量、還元糖量、乳脂肪分解物量によらず評点は低かった。これは、油脂10は口どけが悪く、これにより風味を感じにくくなっていることに起因すると考えられた。
【0070】
これらに対して、油脂7を用い、かつアミノ基を可塑性油脂組成物100gあたり0.35mmol以上0.6mmol以下、還元糖を可塑性油脂組成物100gあたり3.1mmol以上5.5mmol以下、乳脂肪分解物を可塑性油脂組成物100gあたり0.05g以上0.4g以下の範囲で含む実施例7から実施例10は全ての項目で高い評点であった。
また、乳脂(バターオイル)を含まない油脂1を用い、アミノ基、還元糖、および乳脂肪分解物を上記の範囲とした実施例11も全ての項目で高い評点となることが確認された。
直食時で確認された傾向は焼成時でも同様であった。