【文献】
弘原海 清,情報地質学の現状と将来,情報地質,日本情報地質学会,1986年10月31日,第1986巻,第11号,p.1−6,URL: https://www.jstage.jst.go.jp/browse/geoinformatics1975/1986/0/_contents/-char/ja から閲覧可能
【文献】
渡辺 真人 他,房総半島木の根層・天津層の珪藻化石生層序−神川ルートにおける検討結果−,日本地質学会学術大会講演要旨,一般社団法人 日本地質学会,1995年 3月20日,第102年学術大会,p.137,https://www.jstage.jst.go.jp/browse/geosocabst/1995/0/_contents/-char/ja から閲覧可能
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔従来の地層年代推定方法の概要〕
本発明の構成について説明する前に、微化石を用いて地層年代を推定する従来の方法について概略的に説明する。従来の方法では、まず、ドリルパイプなどの掘削装置を用いて対象の地層を掘削することによって、その地層のサンプルが採取される。そして、調査対象の地層の年代を推定する手がかりとなる微化石を詳細に観察するために、地層から採取されたサンプルを基にプレパラートが作成される。プレパラートは、対象とする微化石毎(例えば、所謂示準化石として利用される、円石藻、珪藻、放散虫、有孔虫毎)に下処理を施して作成される。専門家は、プレパラートを顕微鏡にセットして、サンプルの中に存在する微化石のタクソン(分類群)を識別する。そして、専門家は、識別された微化石のタクソンと、例えば非特許文献1に開示されている微化石のタクソン毎の生存期間を参照することで、サンプルを採取した地層の大凡の年代を推定する。このとき、微化石のタクソンの組み合わせや微化石のサイズなどが、年代を推定する際の大きな手掛かりとなる。そして、微化石の種類毎に推定された年代(円石藻の観察結果から推定した年代、珪藻の観察結果から推定した年代など)に基づいて、最終的な地層の年代を議論し決定する。
【0016】
上述したように、示準化石を用いて年代を精度よく推定できる人材は限られている。以下で説明する本発明は、経験の浅い人物であっても、微化石の年代を精度よく推定することを可能とする。また、微化石の年代の推定結果を用いて地層の年代を精度よく推定することが可能となる。これにより、専門家の人材不足などの問題も併せて解決することができる。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、特に説明する場合を除き、各ブロック図において、各ブロックは、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位の構成を表している。
【0018】
[第1実施形態]
〔機能構成〕
図1は、第1実施形態における解析装置100の機能構成を概念的に示すブロック図である。
図1に示されるように、本実施形態の解析装置100は、画像取得部110および解析部120を有する。
【0019】
画像取得部110は、地層から採取されたサンプルの中に存在する微化石の画像データを取得する。この画像データは、地層から採取されたサンプルから作成されたプレパラートを顕微鏡装置などにおいて撮影することによって生成される。このプレパラートは、解析対象とする微化石の種類(例えば円石藻、珪藻、放散虫、有孔虫などの分類)毎にそれぞれ作成される。
【0020】
解析部120は、画像取得部110により取得された画像データを、機械学習結果を用いて処理することにより、当該画像データ内の微化石のタクソンまたは種類を解析する。この機械学習結果は、専門家による過去の分類結果(微化石の画像データとその微化石の分類先との組み合わせ)を教師データとして構築されたモデル(例えばCNN(Convolutional Neural Network)などのニューラルネットワーク)、すなわち、専門家の知見を学習して構築されたモデルである。
【0021】
〔ハードウエア構成〕
解析装置100の各機能構成部は、各機能構成部を実現するハードウエア(例:ハードワイヤードされた電子回路など)で実現されてもよいし、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせ(例:電子回路とそれを制御するプログラムの組み合わせなど)で実現されてもよい。以下、解析装置100の各機能構成部がハードウエアとソフトウエアとの組み合わせで実現される場合について、さらに説明する。
【0022】
図2は、解析装置100のハードウエア構成を概念的に示す図である。
図2に示されるように、解析装置100は、バス101、プロセッサ102、メモリ103、ストレージデバイス104、入出力インタフェース105、及びネットワークインタフェース106を含んで構成される。
【0023】
バス101は、プロセッサ102、メモリ103、ストレージデバイス104、入出力インタフェース105、及びネットワークインタフェース106が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ102、メモリ103、ストレージデバイス104、入出力インタフェース105、及びネットワークインタフェース106などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0024】
プロセッサ102は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などの演算装置である。メモリ103は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などを用いて実現される主記憶装置である。ストレージデバイス104は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカードなどを用いて実現される補助記憶装置である。
【0025】
ストレージデバイス104は、解析装置100の各機能構成部(画像取得部110、解析部120)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ102は、これら各プログラムモジュールをメモリ103に読み出して実行することで、各プログラムモジュールに対応する機能を実現する。
【0026】
入出力インタフェース105は、解析装置100と、モニタ151や入力装置152などとを接続するためのインタフェースである。モニタ151は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどの表示出力用のデバイスである。入力装置152は、キーボードやマウスといった入力用のデバイスである。
【0027】
ネットワークインタフェース106は、解析装置100をLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などの通信網に接続するためのインタフェースである。
図2に示されるように、解析装置100は、ネットワークインタフェース106を介して通信網に接続することで、外部のサーバ装置(図示せず)などと通信することができる。なお、通信網に接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
【0028】
〔動作例〕
図3を用いて、本実施形態における解析装置100の動作を例示する。
図3は、第1実施形態の解析装置100の動作を例示するフローチャートである。
【0029】
画像取得部110は、地層から採取されたサンプルを基に作成されたプレパラートがセットされた顕微鏡装置などから、サンプル中の微化石の画像データを取得する(S102)。解析部120は、画像取得部110が取得した微化石の画像データを、CNNなどの機械学習結果を用いて解析する(S104)。例えば、解析部120は、画像取得部110が取得した微化石の画像データを機械学習結果に入力し、その画像データ内の微化石のタクソンの解析結果を出力として得ることができる。
【0030】
以上、本実施形態では、地層から採取されたサンプルの中に存在する微化石の画像データを機械学習結果を用いて処理することにより、その画像データ内の微化石のタクソンの解析結果(識別結果)を得ることができる。微化石を用いた地層年代の推定において、微化石のタクソンを識別することは重要な部分であり、経験が必要とされる。本実施形態では、経験を積んだ専門家の知見を学習することにより構築された機械学習結果を用いて微化石の画像データを解析しているため、経験の浅い人物であっても、微化石のタクソンを精度よく解析することが可能となる。また、この解析結果を非特許文献1等に開示されている微化石毎の生存期間と照らし合わせることにより、経験の浅い人物であっても地層の年代を精度よく推定できる。
【0031】
[第2実施形態]
本実施形態は、以下の点を除き、第1実施形態と同様の構成を有する。
【0032】
〔機能構成〕
図4は、第2実施形態における解析装置100の機能構成を概念的に示すブロック図である。
図4に示されるように、本実施形態の解析装置100は、第1実施形態の構成に加えて、前処理部130および年代推定部140を有する。前処理部130は、解析部120による解析を行う前に、画像取得部110により取得された画像データに対して前処理を実行する。年代推定部140は、解析手段による解析結果を用いて、サンプルを採取した地層の年代を推定して出力する。
【0033】
〔ハードウエア構成〕
本実施形態の解析装置100は、第1実施形態と同様のハードウエア構成(例:
図2)を有する。本実施形態のストレージデバイス104は、上述の前処理部130および年代推定部140の機能を実現するプログラムモジュールを更に記憶しており、プロセッサ102がこのプログラムモジュールを実行することによって、上述の本実施形態の機能が実現される。
【0034】
〔動作例〕
図5を用いて、本実施形態における解析装置100の動作例を説明する。
図5は、第2実施形態における解析装置100の処理の流れを示すフローチャートである。
【0035】
本実施形態において、画像取得部110は、地層から採取されたサンプルから作成されたプレパラートを顕微鏡装置などにおいて撮影することによって生成される1枚の画像データ(元画像データ)を取得する(S202)。元画像データは、ある程度上位の階級における種類(高次分類:例えば、円石藻、珪藻、放散虫、有孔虫など)ごとに作成されたプレパラートを、それぞれ顕微鏡装置で撮影することにより生成される。また、画像取得部110は、元画像データを処理することにより、当該元画像データの中から一つの微化石標本の画像データを複数切り出す(S204)。「一つの微化石標本の画像データ」とは、例えば、「円石藻」、「珪藻」、「放散虫」、「有孔虫」など、ある程度上位の階級における種類に分類した微化石を一つ含む画像データを意味する。画像取得部110は、モニタ151に元画像データを表示してユーザからの操作入力を受け付けることにより、上述したような微化石を一つ含んでいる切り出し領域を決定することができる。その他にも、画像取得部110は、例えば、ある程度上位の階級における種類(高次分類:例えば、円石藻、珪藻、放散虫、有孔虫など)ごとに構築されたニューラルネットワークを用いて、元画像データの中から上述したような微化石を一つ含んでいる領域を自動的に切り出すように構成されていてもよい。本実施形態において、画像取得部110により切り出された複数の画像データは、解析部120による解析の前に、前処理部130に転送される。
【0036】
前処理部130は、解析部120による解析を行う前に、画像取得部110により取得された画像データに対して前処理を実行する(S206)。前処理部130は、ニューラルネットワークなどの機械学習結果を構築する際に用いられた教師データとデータの次元を合わせるために、前処理部130は、解像度(1インチ当たりのピクセル数)を教師データに合わせて調整する。また、前処理部130は、例えば、画像取得部110により取得された画像データの明るさ、エッジ、およびコントラストの少なくともいずれか1つを調整する処理を実行する。
【0037】
このとき、前処理部130は、画像データと共に解析対象とする微化石の種類を識別する情報を取得し、当該情報によって識別される微化石の種類(解析対象)別に決められた前処理を実行することができる。微化石の種類を識別する情報は、例えば、元画像データの生成時あるいは複数の画像データの切出し時に付与されており、前処理部130は、画像データと共にその画像データ内の微化石の種類を識別する情報を取得することができる。その他にも、前処理部130は、例えば、微化石の種類を識別する情報に関するユーザ入力を受け付ける画面をモニタ151に表示し、当該画面を介して、微化石の種類を識別する情報を取得してもよい。前処理部130は、微化石の種類を識別する情報に基づいて
図6に示されるようなテーブル参照し、その画像データに対して識別することができる。
【0038】
図6は、解析対象とする微化石の種類に対応する前処理を定義する情報を例示する図である。
図6では、解析対象とする微化石の種類を識別する情報、および、実行すべき前処理と調整用のパラメータを示す情報とを紐付けて記憶するテーブルが例示されている。例えば、解析対象とする微化石の種類を識別する情報として「円石藻」が得られた場合、前処理部130は、「明るさ」、「エッジ」、および「コントラスト」を、調整用のパラメータを用いて調整する前処理を実行する。
図6の例では、円石藻および珪藻に関する情報のみが記憶されているが、その他の微化石(例えば、放散虫や有孔虫)の前処理が更に記憶されていてもよい。
【0039】
前処理部130は、S204の処理で切り出された複数の画像データそれぞれについて前処理を実行し、処理後の複数の画像データを解析部120に転送する。
【0040】
解析部120は、前処理部130により処理された複数の画像データを解析し、先の処理における分類(例えば、円石藻、珪藻、放散虫、有孔虫など)毎に解析結果を生成する(S208)。ここで、S204の処理で円石藻、珪藻、放散虫、有孔虫といった種類別に切り出された画像データをその種類の中で更に細分化するため、円石藻、珪藻、放散虫、有孔虫といった微化石の種類毎に、さらに下位の階級における種類(例えば、円石藻であれば、「Pseudoemiliania属」や「Reticulofenestra属」といったタクソン)別の機械学習結果が用意される。そして、解析部120は、タクソン別の複数の機械学習結果を用いて、タクソン別の解析結果を生成する。解析部120は、例えば、以下のように解析結果を生成する。
【0041】
まず、解析部120は、微化石の種類毎に用意された機械学習結果を用いて画像データ内の微化石の分類を細分化する。解析部120は、微化石の種類を示す情報をユーザからの入力により取得して、どの機械学習結果を使用すればよいかを決定してもよいし、画像データに付与された、画像データ内の微化石の種類を識別する情報に基づいて、どの機械学習結果を使用すればよいかを決定してもよい。
【0042】
なお、微化石は、「円石藻」や「珪藻」といった分類レベルで見れば同一であっても、より下位の分類レベルで見れば見た目の特徴(形状)が大きく異なることもある。解析部120は、S204の処理で分類された画像データを、見た目の特徴に基づく分類フィルター(例えば、パターンマッチング、形状に関する学習によって構築されたニューラルネットワークなど)によりグループ分けした後で、グループ毎に紐付けられた機械学習結果を用いて分類を解析するように構成されていてもよい。
【0043】
そして、解析部120は、あるタクソンの機械学習結果を用いて分類された画像データを、そのタクソンの下位の階級に属するタクソンの機械学習結果に入力して分類する処理を繰り返し、地層年代を推定できるレベルまで細分化した解析結果を生成する。解析部120は、解析結果として、例えば、画像データ内の微化石のタクソンと当該タクソンである確からしさの程度(確信度)を示す情報を生成する。解析部120は、例えば上述したような「Pseudoemiliania属」や「Reticulofenestra属」といったタクソン別の機械学習結果を用いて、画像データの種類(「Pseudoemiliania属」や「Reticulofenestra属」であるか否か)の識別結果、また、その確信度を含む解析結果を生成することができる。また、解析部120は、年代を推定する精度を向上させるために、各画像データ内の微化石のサイズ(例えば、径など)を更に測定してもよい。解析部120は、例えば、画像データの解像度(1インチ当たりのピクセル数)と微化石の画素領域(ピクセル数)とに基づいて、その画像データ内の微化石のサイズを測定し、解析結果に含めることができる。解析部120により生成された解析結果は、年代推定部140に転送される。
【0044】
なお、上位から下位に向けて段階的に解析結果を出力する構成により、最終的な解析結果が出るまでの過程を示す情報が得られる。ユーザは、当該情報に基づいて、画像データが機械学習結果によってどのように判断されたかを確認し、機械学習結果のチューニング(再学習)や、人手または再学習結果による画像データの再分類といった、解析精度を向上させるための対策を的確に行うことができる。
【0045】
年代推定部140は、解析部120により生成された解析結果を用いて、サンプルを採取した地層の年代を推定する(S210)。年代推定部140は、まず、微化石の種類別に得られた解析結果を用いて、微化石の種類別に地層の年代を推定する。年代推定部140は、例えば、以下のようにして、微化石の種類別に地層の年代を推定することができる。
【0046】
図7は、年代推定部140が微化石の種類別に地層の年代を推定する流れを例示的に説明するための図である。
図7(a)には、年代推定部140が解析部120から取得した解析結果の一例が示されている。ここでは、藻類A〜Dの4種類に分類される微化石に関する7枚の画像データが解析部120で解析され、各画像データ内の微化石のサイズ(径)を示す情報と当該微化石が藻類A〜Dである確率を示す情報とがその解析結果として取得された場合が例示されている。年代推定部140は、この解析結果と、年代別の微化石の標準分布に基づいて、微化石の種類に推定される年代を決定することができる。具体的には、年代推定部140は、これらの解析結果に基づいて、
図7(b)に示されるように、サンプル中の微化石の分布を算出する。年代推定部140は、例えば、各画像データの解析結果の確率の平均値といった統計値からサンプル中の微化石の分布を算出してもよいし、画像データ毎に確率が最大となるものをその画像データ内の微化石として識別しその結果からサンプル中の微化石の分布を算出してもよい。そして、年代推定部140は、算出したサンプル中の微化石の分布と、
図7(c)に示されるような年代別の化石の標準分布とを比較する。なお、微化石の群集の比率は地域ごとの環境の違いによって左右され得るため、
図7(c)に示されるような標準分布は地域情報と紐付けて複数用意されていてもよい。年代推定部140は、サンプルを採取した場所を示す情報を受け取ることで、その場所に応じた標準分布を読み出すことができる。そして、年代推定部140は、分布の類似度などに基づいて、サンプルを採取した地層の年代を推定する。
図7の例において、(1)藻類B〜Dの分布が年代3に最も近い、(2)藻類Aが少量(5%)分布している、および、(3)藻類Dの分布が50%であるという点に鑑みて、年代推定部140は、例えば、サンプルを採取した地層の年代について「年代2の初期〜年代3の末期」や「年代3±X年」などと推定することができる。なお、ここで説明した流れはあくまで一例であり、本発明を特に限定するものではない。
【0047】
例えば、年代推定部140は、機械学習結果を用いて前記解析結果を処理することにより、サンプルが採取された地層の年代を推定して出力するように構成されていてもよい。この場合、機械学習結果は、例えば、微化石のタクソンの分布とその分布に対応する年代の推定結果(大凡の年代とその幅)とを紐付けた教師データを用いて構築することができる。
【0048】
そして、年代推定部140は、微化石の種類毎に推定された年代に基づいて、最終的な年代を推定する(S212)。年代推定部140は、例えば、微化石の種類毎に推定された年代が重なる部分を、サンプルが採取された地層の年代の最終的な推定結果として決定することができる。
【0049】
<年代推定部140の処理の他の例>
図8乃至
図10を用いて、年代推定部140の処理の他の例を説明する。なお、以下で説明する処理はあくまで例示であり、本発明はこれらの例に制限されない。
【0050】
まず、年代推定部140は、解析部120による各画像データの最終的な解析結果を取得する。解析結果には、各画像データ内の微化石のタクソンと当該タクソンである確信度を示す情報(例えば「円石藻のXX属である確信度NN%」など)が含まれる。そして、年代推定部140は、解析部120から取得した各画像データの最終的な解析結果を、確信度に基づく複数の段階(例えば、「確信度:高」、「確信度:中」、「確信度:低」など)に分類する(例:
図8)。
図8は、各画像データの最終的な解析結果を確信度に基づいて分類した結果の一例を示す図である。例えば、「藻類A」の列は、100個の画像データを藻類Aの機械学習結果に入力した結果を示している。具体的には、高い確信度で藻類Aに分類された画像データが40個、中程度の確信度で藻類Aに分類された画像データが60個、低い確信度で藻類Aと分類された画像データが0個、という解析結果が得られたことを示している。年代推定部140は、全てのタクソンで共通、或いは、タクソン毎に設定された、確信度に関する閾値を用いて、それぞれの画像データの解析結果を確信度に基づく複数の段階に分類することができる。
【0051】
次に、年代推定部140は、「確信度:高」に分類される解析結果が有意数(例えば、画像データの数の1/10など)以上得られたタクソンが存在するか否かを判定する。あるタクソンについて「確信度:高」に分類される解析結果が有意数得られた場合、年代推定部140は、少なくともそのタクソンの生存期間に対応する年代を、サンプルを採取した地層の年代の候補として絞り込む。例えば、藻類A〜藻類Dそれぞれの生存期間が
図9に示されるように定義されていることを前提として、
図8のような解析結果が得られた場合、年代推定部140は、「信頼度:高」に分類される解析結果が有意数得られた藻類Aの生存期間(年代1〜年代3)を、サンプルを採取した地層の年代の候補として絞り込む。ここで、あるタクソンについて、大部分(例えば、8割以上など)の解析結果が「確信度:低」に分類されている場合、年代推定部140は、そのタクソンの生存期間に対応する年代を、サンプルを採取した地層の年代の候補から除外するように構成されていてもよい。例えば、藻類A〜藻類Dそれぞれの生存期間が
図9に示されるように定義されていることを前提として、
図8のような解析結果が得られた場合、年代推定部140は、藻類Dの生存期間(年代3〜年代5)を、サンプルを採取した地層の年代の候補から除外することができる。
【0052】
上述の絞り込みの結果、複数の候補が残ることもある。この場合、年代推定部140は、例えば「確信度:高」および「確信度:中」に分類された解析結果の数(割合)に基づいて、複数の候補それぞれの確からしさを示すスコアを算出し、そのスコアに基づいて年代の推定結果を出力することができる。例えば、年代推定部140は、「確信度:高」に分類された解析結果が有意数以上得られたタクソンを特定し、そのタクソンの生存期間に対応する年代に対して第1のスコア(最大スコア)を割り当てる。また、年代推定部140は、「確信度:高」に分類された解析結果が有意数未満であるが、「確信度:中」の解析結果が有意数以上であるタクソンを特定し、そのタクソンの生存期間に対応する年代に対して上記第1のスコアよりも小さい第2のスコアを割り当てる。また、年代推定部140は、上記以外のタクソンの生存期間に対応する年代に対しては、第2のスコアよりも小さい第3のスコアを割り当てる。そして、年代推定部140は、タクソン別の解析結果に応じて各年代に割り当てたスコアの統計値(合算値、平均値など)を算出し、その統計値に基づいて絞り込まれた複数の候補をそれぞれランク付けする。そして、年代推定部140は、例えばディスプレイやプリンタを用いて、絞り込まれた複数の候補をランクの高低が分かる形式で出力する。ユーザは、出力された結果を基に、尤もらしい年代を選択することができる。
【0053】
一連の流れは、例えば
図10に示すようになる。
図10に示されるように、年代推定部140は、藻類Aおよび藻類Dの解析結果の統計に基づいて、年代1または年代2に候補が絞り込まれる。そして、年代推定部140は、藻類Aの生存期間のみに対応する年代1に「第1のスコア(例えば、「100」)」を割り当てる。また、年代推定部140は、藻類A、藻類B、および藻類Cの生存期間に該当する年代2に「第1のスコア+第2のスコア+第2のスコア(例えば、「100+30+30」)」を割り当てる。そして、年代推定部140は、このスコアに従って、サンプルを採取した地層の推定年代として、年代2が可能性として一番高く、年代1がその次に可能性が高いことを示す情報を出力する。
【0054】
以上、本実施形態によれば、地層から採取されたサンプルを基に生成された画像データを解析部120で解析した結果を用いて、地層の年代を推定した結果が出力される。このように、本実施形態の解析装置100によれば、地層の年代推定まで自動的に行うことができ、地層年代の調査にかかる負荷を低減させることができる。
【0055】
〔変形例〕
図11は、第2実施形態の変形例の機能構成を概念的に例示するブロック図である。本変形例において、上述の年代推定部140は、解析装置100とは別の装置200に備えられていてもよい。この年代推定部140を備える装置200は「地質年代推定装置」と呼ぶこともできる。地層年代推定装置200は、年代推定部140に加え、地層から採取されたサンプル中の微化石のタクソンの解析結果を取得する解析結果取得部210を備える。
【0056】
本変形例において、解析結果取得部210は、例えば
図7(a)に示されるような情報を、解析装置100から取得することができる。そして、年代推定部140は、この解析結果と、年代別の微化石の標準分布に基づいて、微化石の種類に推定される年代を決定することができる。具体的には、年代推定部140は、これらの解析結果に基づいてサンプル中の微化石の分布を算出し(例:
図7(b))、算出したサンプル中の微化石の分布と年代別の微化石の標準分布とを比較することによって、当該サンプルが採取された地層の年代を推定して出力することができる。また、年代推定部140は、機械学習結果を用いて前記解析結果を処理することにより、サンプルが採取された地層の年代を推定して出力するように構成されていてもよい。
【0057】
〔ハードウエア構成〕
図12は、地層年代推定装置200のハードウエア構成を概念的に示す図である。
図12に示されるように、地層年代推定装置200は、バス201、プロセッサ202、メモリ203、ストレージデバイス204、入出力インタフェース205、及びネットワークインタフェース206を含んで構成される。
【0058】
バス201は、プロセッサ202、メモリ203、ストレージデバイス204、入出力インタフェース205、及びネットワークインタフェース206が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ202、メモリ203、ストレージデバイス204、入出力インタフェース205、及びネットワークインタフェース206などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0059】
プロセッサ202は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などの演算装置である。メモリ203は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などを用いて実現される主記憶装置である。ストレージデバイス104は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカードなどを用いて実現される補助記憶装置である。
【0060】
ストレージデバイス204は、地層年代推定装置200の各機能構成部(解析結果取得部210、年代推定部140)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ202は、これら各プログラムモジュールをメモリ103に読み出して実行することで、各プログラムモジュールに対応する機能を実現する。
【0061】
入出力インタフェース205は、地層年代推定装置200と、モニタ251や入力装置252などとを接続するためのインタフェースである。入力装置252は、キーボードやマウスといった入力用のデバイスである。モニタ251は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどの表示出力用のデバイスである。
【0062】
ネットワークインタフェース206は、地層年代推定装置200をLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などの通信網に接続するためのインタフェースである。
図12に示されるように、地層年代推定装置200は、ネットワークインタフェース206を介して通信網に接続することで、解析装置100や外部のサーバ装置(図示せず)などと通信することができる。なお、通信網に接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
【0063】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0064】
例えば、
図13に示されるように、機械学習結果の精度を維持あるいは向上させるためのチューニング作業を行うための処理部が更に設けられていてもよい。
図13は、本発明の他の形態を例示するブロック図である。
図13では、解析装置100に手動解析部310および管理部320が接続されている。
【0065】
管理部320は、後述の手動解析部310での処理に必要な各種データを記憶する処理部である。管理部320は、各種計算に用いるパラメータ(画像調整用パラメータ、解析用パラメータ、年代推定に関するパラメータなど)や、機械学習結果モデルの履歴などを管理している。また、管理部320は、手動解析部310で解析装置100がある結果を出力するまでの経緯を追跡できるように、解析装置100での動作のログ(例えば、入力された微化石の画像データのセット、微化石の分類に用いられた機械学習結果のバージョンなど)を逐次記憶している。
【0066】
手動解析部310は、管理部320に記憶されている情報を用いて、解析装置100が正しく動いているか否かを人手で確認するための処理部である。手動解析部310は、例えば、解析装置100の動作ログを確認して、ある機械学習結果モデルを用いた結果、誤って分類された微化石の再分類処理を行うことができる。例えば、手動解析部310は、図示しない管理者用のモニタ上に、入力された画像データとその画像データ内の微化石の分類結果(タクソン)とを表示させ、誤った分類結果を修正するための入力を受け付けることができる。また、手動解析部310は、誤った分類結果を出してしまった機械学習結果モデルに対して再学習処理を実行させ、再学習処理後の機械学習結果モデルを用いて再分類処理を実行させることもできる。また、年代推定に関するパラメータは、将来の研究において変動することもあり得る。例えば、将来の地層研究の結果、あるタクソンの生存期間が、現在定義されている期間よりも短くまたは長くなることもあり得る。そこで、手動解析部310は、年代推定に関するパラメータの調整機能を更に備えていてもよい。
【0067】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0068】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1.
地層から採取されたサンプル中の微化石の画像データを取得する画像取得手段と、
機械学習結果を用いて前記画像データを解析することにより、当該画像データ内の微化石のタクソンまたは種類を解析する解析手段と、
を備える解析装置。
2.
前記解析手段は、前記画像データ内の微化石のタクソンまたは種類と当該タクソンまたは種類である確信度を示す情報を解析結果として生成する、
1.に記載の解析装置。
3.
前記画像取得手段は、1枚の元画像データを処理することによって、当該1枚の元画像データの中から複数の前記画像データを切り出す、
1.または2.に記載の解析装置。
4.
前記解析手段は、微化石のタクソンまたは種類別に用意された複数の機械学習結果を用いて、微化石のタクソンまたは種類別の解析結果を生成する、
1.乃至3.のいずれか1つに記載の解析装置。
5.
前記解析手段による解析を行う前に前記画像データに対して前処理を実行する前処理部を更に備える、
1.乃至4.のいずれか1つに記載の解析装置。
6.
前記前処理部は、前記画像データの明るさ、および、エッジの少なくともいずれか1つを調整する処理を前記前処理として実行する、
5.に記載の解析装置。
7.
前記前処理部は、前記画像データと共に解析対象を識別する情報を取得し、当該情報によって識別される解析対象別に決められた前処理を実行する、
5.または6.に記載の解析装置。
8.
前記解析手段による解析結果を用いて、前記サンプルが採取された地層の年代を推定して出力する年代推定手段を更に備える、
1.乃至7.のいずれか1つに記載の解析装置。
9.
前記年代推定手段は、前記年代別の微化石の標準分布を用いて、前記サンプルが採取された地層の年代を推定して出力する、
8.に記載の解析装置。
10.
前記年代推定手段は、
前記解析手段による微化石のタクソンまたは種類別の解析結果を用いて、前記サンプル中の微化石の分布を算出し、
前記サンプル中の微化石の分布と前記年代別の微化石の標準分布とに基づいて、前記サンプルが採取された地層の年代を推定して出力する、
9.に記載の解析装置。
11.
前記年代推定手段は、機械学習結果を用いて前記解析結果を処理することにより、前記サンプルが採取された地層の年代を推定して出力する、
8.に記載の解析装置。
12.
地層から採取されたサンプル中の微化石のタクソンまたは種類の解析結果を取得する解析結果取得手段と、
前記解析結果を用いて、前記サンプルが採取された地層の年代を推定して出力する年代推定手段と、
を備える地層年代推定装置。
13.
前記年代推定手段は、前記年代別の微化石の標準分布を用いて、前記サンプルが採取された地層の年代を推定して出力する、
12.に記載の地層年代推定装置。
14.
前記解析結果取得手段は、前記サンプル中の微化石のタクソンまたは種類別の解析結果を取得し、
前記年代推定手段は、
前記微化石のタクソン別の解析結果を用いて、前記サンプル中の微化石の分布を算出し、
前記サンプル中の微化石の分布と前記年代別の微化石の標準分布とに基づいて、前記サンプルが採取された地層の年代を推定して出力する、
13.に記載の地層年代推定装置。
15.
前記年代推定手段は、機械学習結果を用いて前記解析結果を処理することにより、前記サンプルが採取された地層の年代を推定して出力する、
12.に記載の地層年代推定装置。
16.
コンピュータによって実行される解析方法であって、
前記コンピュータが、
地層から採取されたサンプルの画像データを取得し、
機械学習結果を用いて前記画像データを解析することにより、当該画像データ内の微化石のタクソンまたは種類を解析する、
ことを含む解析方法。
17.
前記コンピュータが、前記画像データ内の微化石のタクソンまたは種類と当該タクソンまたは種類である確信度を示す情報を解析結果として生成する、
ことを含む16.に記載の解析方法。
18.
前記コンピュータが、1枚の元画像データを処理することによって、当該1枚の元画像データの中から複数の前記画像データを切り出す、
ことを含む16.または17.に記載の解析方法。
19.
前記コンピュータが、微化石のタクソンまたは種類別に用意された複数の機械学習結果を用いて、微化石のタクソンまたは種類別の解析結果を生成する、
ことを含む16.乃至18.のいずれか1つに記載の解析方法。
20.
前記コンピュータが、前記解析を行う前に前記画像データに対して前処理を実行する、
ことを含む16.乃至19.のいずれか1つに記載の解析方法。
21.
前記コンピュータが、前記画像データの明るさ、および、エッジの少なくともいずれか1つを調整する処理を前記前処理として実行する、
ことを含む20.に記載の解析方法。
22.
前記コンピュータが、前記画像データと共に解析対象を識別する情報を取得し、当該情報によって識別される解析対象別に決められた前処理を実行する、
ことを含む20.または21.に記載の解析方法。
23.
前記コンピュータが、前記解析結果を用いて、前記サンプルが採取された地層の年代を推定して出力する、
ことを含む16.乃至22.のいずれか1つに記載の解析方法。
24.
前記コンピュータが、前記年代別の微化石の標準分布を用いて、前記サンプルが採取された地層の年代を推定して出力する、
ことを含む23.に記載の解析方法。
25.
前記コンピュータが、
前記微化石のタクソンまたは種類別の解析結果を用いて、前記サンプル中の微化石の分布を算出し、
前記サンプル中の微化石の分布と前記年代別の微化石の標準分布とに基づいて、前記サンプルが採取された地層の年代を推定して出力する、
ことを含む24.に記載の解析方法。
26.
前記コンピュータが、機械学習結果を用いて前記解析結果を処理することにより、前記サンプルが採取された地層の年代を推定して出力する、
ことを含む23.に記載の解析方法。
27.
コンピュータによって実行される地層年代推定方法であって、
前記コンピュータが、
地層から採取されたサンプル中の微化石のタクソンまたは種類の解析結果を取得し、
前記解析結果を用いて、前記サンプルの地層の年代を推定して出力する、
ことを含む地層年代推定方法。
28.
前記コンピュータが、前記年代別の微化石の標準分布を用いて、前記サンプルが採取された地層の年代を推定して出力する、
ことを含む27.に記載の地層年代推定方法。
29.
前記コンピュータが、
前記サンプル中の微化石のタクソンまたは種類別の解析結果を取得し、
前記微化石のタクソン別の解析結果を用いて、前記サンプル中の微化石の分布を算出し、
前記サンプル中の微化石の分布と前記年代別の微化石の標準分布とに基づいて、前記サンプルが採取された地層の年代を推定して出力する、
ことを含む28.に記載の地層年代推定方法。
30.
前記コンピュータが、機械学習結果を用いて前記解析結果を処理することにより、前記サンプルが採取された地層の年代を推定して出力する、
ことを含む27.に記載の地層年代推定方法。
31.
コンピュータを、
地層から採取されたサンプルの画像データを取得する画像取得手段、および、
機械学習結果を用いて前記画像データを解析することにより、当該画像データ内の微化石のタクソンまたは種類を解析する解析手段、
として機能させるためのプログラム。
32.
前記コンピュータを、前記画像データ内の微化石のタクソンまたは種類と当該タクソンまたは種類である確信度を示す情報を解析結果として生成する手段、
として機能させるための31.に記載のプログラム。
33.
前記コンピュータを、1枚の元画像データを処理することによって、当該1枚の元画像データの中から複数の前記画像データを切り出す手段、
として機能させるための31.または32.に記載のプログラム。
34.
前記コンピュータを、微化石のタクソンまたは種類別に用意された複数の機械学習結果を用いて、微化石のタクソンまたは種類別の解析結果を生成する手段、
として機能させるための31.乃至33.のいずれか1つに記載のプログラム。
35.
前記コンピュータを、
前記解析手段による解析を行う前に前記画像データに対して前処理を実行する前処理部、
として更に機能させるための31.乃至34.のいずれか1つに記載のプログラム。
36.
前記コンピュータを、前記画像データの明るさ、および、エッジの少なくともいずれか1つを調整する処理を前記前処理として実行する手段、
として機能させるための35.に記載のプログラム。
37.
前記コンピュータを、前記画像データと共に解析対象を識別する情報を取得し、当該情報によって識別される解析対象別に決められた前処理を実行する手段、
として機能させるための35.または36.に記載のプログラム。
38.
前記コンピュータを、
前記解析手段による解析結果を用いて、前記サンプルが採取された地層の年代を推定して出力する年代推定手段、
として更に機能させるための31.乃至37.のいずれか1つに記載のプログラム。
39.
前記コンピュータを、前記年代別の微化石の標準分布を用いて、前記サンプルが採取された地層の年代を推定して出力する手段、
として機能させるための38.に記載のプログラム。
40.
前記コンピュータを、
前記解析手段による微化石のタクソンまたは種類別の解析結果を用いて、前記サンプル中の微化石の分布を算出し、
前記サンプル中の微化石の分布と前記年代別の微化石の標準分布とに基づいて、前記サンプルが採取された地層の年代を推定して出力する手段、
として機能させるための39.に記載のプログラム。
41.
前記コンピュータを、機械学習結果を用いて前記解析結果を処理することにより、前記サンプルが採取された地層の年代を推定して出力する手段、
として機能させるための38.に記載のプログラム。
42.
コンピュータを、
地層から採取されたサンプル中の微化石のタクソンまたは種類の解析結果を取得する解析結果取得手段、および、
前記解析結果を用いて、前記サンプルの地層の年代を推定して出力する年代推定手段、
として機能させるためのプログラム。
43.
前記コンピュータを、前記年代別の微化石の標準分布を用いて、前記サンプルが採取された地層の年代を推定して出力する手段、
として機能させるための42.に記載のプログラム。
44.
前記コンピュータを、
前記サンプル中の微化石のタクソンまたは種類別の解析結果を取得し、
前記微化石のタクソン別の解析結果を用いて、前記サンプル中の微化石の分布を算出し、
前記サンプル中の微化石の分布と前記年代別の微化石の標準分布とに基づいて、前記サンプルが採取された地層の年代を推定して出力する手段、
として機能させるための43.に記載のプログラム。
45.
前記コンピュータを、機械学習結果を用いて前記解析結果を処理することにより、前記サンプルが採取された地層の年代を推定して出力する手段、
として機能させるための42.に記載のプログラム。
【0069】
この出願は、2017年5月10日に出願された日本出願特願2017−094086号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。