【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成26年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「革新的新構造材料等研究開発のうち熱可塑性CFRPの開発及び構造設計・応用加工技術の開発」に係る委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回折感度算出工程で算出する回折感度は、黒鉛の結晶面[002]、[004]および[006]の回折感度の和であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の繊維配向度の測定方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、対照試料を用意する必要があるため、簡便に配向度を算出することができない。また、特許文献1で算出される結晶配向度は、2次元(面内)方向の結晶配向度であり、試料の厚さ方向の繊維分布について考慮されていないため、厚さ方向で繊維の配向が異なる試料に適用することが困難である。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡便、かつ正確に、厚み方向の繊維の配向を考慮した繊維配向度の測定方法、繊維配向度測定装置、および繊維配向度測定装置の制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の繊維配向度の測定方法は、不連続炭素繊維を含む複合材料からなる試料にX線を照射して、X線回折像を取得する回折像取得工程と、前記X線回折像を方位角(φ)により積分した積分値I(2θ)の変曲点Aから、黒鉛の結晶面に由来するピークの角度(2θ)
Aを算出するピーク角度算出工程と、前記試料の厚さの補正係数δを算出する補正係数算出工程と、前記積分値I(2θ)の変曲点Bから前記黒鉛の結晶面のピークの上限(2θ)
Bを算出する上限算出工程と、前記黒鉛の結晶面に由来するピークの回折感度I
C(φ)を、前記補正係数δにより積分範囲を補正して前記X線回折像を回折角(2θ)により積分して算出する回折感度算出工程と、前記回折感度I
C(φ)からHermansの手法により繊維配向度Sd(β)を算出する配向度算出工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、繊維配向度の測定方法は、上記発明において、本発明の前記補正係数算出工程は、前記補正係数δを下記式(1)により算出することを特徴とする。
【数1】
上記式(1)において、tは前記試料の厚さ(mm)、Lは前記試料の前記X線の入射面から前記X線回折像を写すフィルム面までの距離(mm)を示す。なお、回折像を得るフィルムの大きさがL・tan(2θ)
Aよりも大きいことは当然である。
【0010】
また、繊維配向度の測定方法は、上記発明において、前記回折感度算出工程は、(2θ)
A+δ>(2θ)
Bの場合、角度の積分範囲を(2θ)
A−δから(2θ)
A+δとし、(2θ)
A+δ≦(2θ)
Bの場合、角度の積分範囲を(2θ)
A−δから(2θ)
Bとすることを特徴とする。
【0011】
また、繊維配向度の測定方法は、上記発明において、前記回折感度算出工程で算出する回折感度は、黒鉛の結晶面[002]、[004]および[006]の回折感度の和であることを特徴とする。
【0012】
また、繊維配向度の測定方法は、上記発明において、前記配向度算出工程は、下記式(2)、(3)、(4)により繊維配向度Sd(β)を算出することを特徴とする。
【数2】
【数3】
上記式(4)において、β=φ−φ
0である。なお、φ
0は
図11で定義する。
【数4】
【0013】
また、本発明の繊維配向度測定装置は、不連続炭素繊維を含む複合材料からなる試料にX線を照射して、X線回折像を取得する回折像取得部と、前記X線回折像を方位角(φ)により積分した積分値I(2θ)の変曲点Aから、黒鉛の結晶面に由来するピークの角度(2θ)
Aを算出するピーク角度算出部と、前記試料の厚さの補正係数δを算出する補正係数算出部と、前記積分値I(2θ)の変曲点Bから前記黒鉛の結晶面のピークの上限(2θ)
Bを算出する上限算出部と、前記黒鉛の結晶面に由来するピークの回折感度I
C(φ)を、前記補正係数δにより積分範囲を補正して前記X線回折像を回折角(2θ)により積分して算出する回折感度算出部と、前記回折感度I
C(φ)からHermansの手法により繊維配向度Sd(β)を算出する配向度算出部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の繊維配向度測定装置の制御プログラムは、不連続炭素繊維を含む複合材料からなる試料にX線を照射して、X線回折像を取得する回折像取得手順と、前記X線回折像を方位角(φ)により積分した積分値I(2θ)の変曲点Aから、黒鉛の結晶面に由来するピークの角度(2θ)
Aを算出するピーク角度算出手順と、前記試料の厚さの補正係数δを算出する補正係数算出手順と、前記積分値I(2θ)の変曲点Bから前記黒鉛の結晶面のピークの上限(2θ)
Bを算出する上限算手順と、前記黒鉛の結晶面に由来するピークの回折感度I
C(φ)を、前記補正係数δにより積分範囲を補正して前記X線回折像を回折角(2θ)により積分して算出する回折感度算出手順と、前記回折感度I
C(φ)からHermansの手法により繊維配向度Sd(β)を算出する配向度算出手順と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の繊維配向度の測定方法、繊維配向度測定装置、および繊維配向度測定装置の制御プログラムは、標準試料を作製する必要がなく、また、試料の厚さ方向の繊維の配向についても考慮するため、簡便、かつより正確にCFRP中の炭素繊維の配向度を算出することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の繊維配向度の測定方法、繊維配向度測定装置、および繊維配向度測定装置の制御プログラムについて説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態にかかる繊維配向度測定装置100のブロック図である。繊維配向度測定装置100は、回折像取得部10と、各部を制御する制御部20と、測定した繊維配向度を表示する表示部30と、を備える。
【0019】
回折像取得部10は、不連続炭素繊維を含む複合材料からなる試料にX線を照射して、X線回折像(デバイ環)を取得する。本発明の繊維配向度測定装置100では、複合材料中の不連続炭素繊維の繊維配向度の測定を目的とし、主として不連続炭素繊維とマトリックス樹脂を含むCFRPを試料とするため、特性X線、例えば、Cu−Kα線等を使用してX線回折像を取得する。なお、本発明の繊維配向度測定装置100は、CFRP中の不連続炭素繊維の配向度の測定に好適であるが、マトリックス樹脂を含まない不連続炭素繊維からなるマット中の繊維配向度の測定にも使用可能である。また、不連続炭素繊維は、PAN系、ピッチ系等いずれの炭素繊維であってもよい。さらに、マトリックス樹脂は、CFRPに使用される樹脂であれば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、または熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを併用する樹脂のいずれを使用した場合でも、本発明の試料とすることができる。
【0020】
X線回折像は、
図2に示すように、試料にX線を照射し、試料の結晶面で反射したX線をフィルム(カメラ)やFlat Panel Detector(FPD)等のX線検出器で受けることにより取得することができる。X線回折像は、試料(幅5〜10mm、長さ15〜25mm、厚さ0.1〜10mm)に特性X線(Cu−Kα線)を10分間照射することにより得ることができる。
図3は、本発明の実施の形態にかかるX線回折像の一例を示す図である。
図3は、マトリックス樹脂としてナイロン6(ポリアミド6)を使用したCFRPのX線回折像でポリアミド結晶に由来する2重環(デバイ環)が観察される(X線回折像の下部に写る影は、X線を照射する装置の影である)。
【0021】
制御部20は、ピーク角度算出部21と、補正係数算出部22と、上限算出部23と、回折感度算出部24と、配向度算出部25と、を有する。制御部20は、各種処理プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、各種処理プログラム等が予め記憶されたROMと、各処理の演算配向度等を記憶するRAMとを用いて実現される。制御部20は、ワークステーションやパソコン等の汎用コンピュータを使用することができる。
【0022】
ピーク角度算出部21は、回折像取得部10が取得したX線回折像から所定の方位角(φ)の回折パターンを取り出し、回折パターンの積分値の変曲点から黒鉛の結晶面に由来するピークの角度(2θ)
Aを算出する。
【0023】
X線回折像は、
図2に示すように、試料の結晶面、例えば、ポリアミド結晶や、黒鉛の結晶面[002]、[004]、[006]等で反射されたX線の回折角(2θ)および回折感度I(2θ、φ)と、方位角(φ)との関係を示すものである。ピーク角度算出部21は、方位角(φ)方向の回折パターン、すなわち方位角(φ)方向におけるX線回折像の中心から円周方向の回折パターンから、黒鉛の結晶面に由来するピークの角度(2θ)
Aを算出する。なお、以下は、最も回折感度の高い結晶面[002]由来のピークの角度(2θ)
Aの算出について説明する。
【0024】
図4は、
図3のX線回折像の方位角(φ)における回折パターンの一例を示す図である。
図4の回折パターンにおいて、回折角(2θ)が20°と24.5°付近のピークがポリアミド結晶に由来するものであり、24.5°付近のポリアミドのピークのショルダーのピークが黒鉛の結晶面[002]由来のピークである。
【0025】
ピーク角度算出部21は、
図3のX線回折像を、下記式(5)のように方位角(φ)方向に積分し、変曲点から黒鉛の結晶面[002]のピークの角度(2θ)
Aを算出する。
【数5】
上記式(5)において、積分範囲を−π/2(−90°)から+π/2(+90°)としているのは、X線回折画像に写りこむ影の影響を排除するためである。なお、使用する装置により、X線回折画像に影が写らない場合は、−π(−180°)から+π(+180°)まで積分してもよい。
【0026】
図5は、
図3のX線回折像を方位角(φ)で積分した積分値I(2θ)と回折角(2θ)との関係を示す図である。
図6は、
図5中に点線で示す部分(黒鉛の結晶面[002]の回折角近傍)の拡大図である。
図5に示す積分値I(2θ)の黒鉛の結晶面[002]の回折角2θ近傍に出現する変曲点Aが、黒鉛の結晶面[002]のピークの角度(2θ)
Aとなる。
【0027】
[002]面由来のピーク角度(2θ)
Aは、
図7に示す一般的な黒鉛の結晶面[002]の回折角2θ(25.9〜26.6°)を参照し、結晶面[002]の回折角2θ(25.9〜26、6°)より上方から微分係数を算出して求めることができる。黒鉛の結晶面の回折角2θは、黒鉛結晶を生成する際の条件により変動するが、試料に使用する不連続炭素繊維の結晶面[002]の回折角2θは、
図7に示す結晶面[002]の回折角2θ(25.9〜26.6°)の近傍であると考えられるため、結晶面[002]の回折角2θ(25.9〜26.」6°)の近傍の微分係数を算出して変曲点Aを求めることができる。
【0028】
補正係数算出部22は、試料の厚さt(mm)の補正係数δを算出する。補正係数δは、下記式(1)より算出することができる。
【数6】
上記式(1)において、tは試料の厚さ(mm)、Lは試料のX線の入射面からX線回折像を写すフィルム面までの距離(mm)を示す。
【0029】
図4の回折パターンの横軸の回折角(2θ)には、試料の厚さt方向の情報まで含まれているため、ピーク角度(2θ)
Aを補正係数δにより補正する。これにより、試料の二次元(面内)方向だけでなく、板厚方向の繊維の配向を加味した繊維配向度を測定することができる。
【0030】
上限算出部23は、X線回折像を方位角(φ)により積分した積分値I(2θ)の変曲点Bの角度(2θ)
Bから、黒鉛の結晶面由来のピークの上限(2θ)
Bを算出する。ピークの上限(2θ)
Bは、後述する回折感度算出部24が回折感度I(2θ、φ)を回折角(2θ)で積分して黒鉛の結晶面のピークの回折感度I
C(φ)を算出する際の積分範囲の上限となる。
【0031】
図8は、
図5中に点線で示す部分(黒鉛の結晶面[002]のピークの角度(2θ)
A近傍)の拡大図である。変曲点Bは、黒鉛の結晶面[002]のピークの角度(2θ)
Aから上方に向かって微分係数を算出して求める。黒鉛の結晶面[002]のピークの角度(2θ)
Aより上方である次の変曲点B(変曲点Aの次の変曲点。変曲点Bの微分係数は通常0となる)の角度(2θ)
Bが、回折感度I
C(φ)を算出する際の積分範囲の上限となる。
【0032】
回折感度算出部24は、黒鉛の結晶面に由来するピークの回折感度I
C(φ)を、補正係数算出部22が算出した補正係数δにより積分範囲を補正して、X線回折像を回折角(2θ)で積分することにより算出する。
図9は、
図4中に点線で示す部分の拡大図である。
図9では、黒鉛の結晶面[002]のピークに由来する回折感度I
002(φ)の算出を説明する。
図9中、網掛けで示す部分が回折感度I
002(φ)であり、X線回折像(回折パターン)を積分して、回折感度I
002(φ)を算出する。
【0033】
積分範囲の下限は、黒鉛の結晶面[002]のピークの角度(2θ)
Aから補正係数δを減じた値(2θ)
A−δとし、上限を上限算出部23で算出した(2θ)
Bとして、下記式(6)により黒鉛の結晶面[002]のピーク感度I
002(φ)を算出できる。
【数7】
【0034】
なお、補正係数δによっては、黒鉛の結晶面[002]のピークの角度(2θ)
Aに補正係数δを加算した値(2θ)
A+δが、(2θ)
Bより大きな数値となる場合がある。かかる場合は、下限を(2θ)
A−δ、上限を(2θ)
A+δとし、下記式(7)により黒鉛の結晶面[002]のピーク感度I
002(φ)を算出すればよい。
【数8】
【0035】
なお、
図2に示すような回折像取得部10によれば、黒鉛の結晶面[002]、[004]および[006]面での回折を含むX線回折像を得ることができるため、黒鉛の結晶面[004]および[006]に由来するピークの回折感度I
004(φ)および回折感度I
006(φ)を、上記の結晶面[002]のピークの回折感度I
002(φ)と同様にして算出し、黒鉛の結晶面の回折感度の合計を回折感度I
C(φ)として、下記式(8)から算出する。
【数9】
あるいは、黒鉛の結晶面[002]での回折感度I
002(φ)が最も大きいため、回折感度I
002(φ)を回折感度I
C(φ)とみなして使用してもよい。
【0036】
配向度算出部25は、回折感度I
C(φ)からHermansの手法により繊維配向度Sd(β)を算出する。
図10は、方位角(φ)と黒鉛の結晶面のピークに由来する回折感度I
C(φ)との関係を示す図である。方位角(φ)がφ=1〜360での回折感度I
C(φ)を示している(φ=140〜212°は装置の影の影響で回折感度I
C(φ)が算出されていない)。
【0037】
繊維配向度Sd(β)は、試料内で不連続炭素繊維が、どの方向にどの程度配向しているかを示す指標であり、本発明では、Hermansの手法により下記式(2)、(3)、および(4)を用いて算出する。
図11は、
図10からの繊維配向度Sd(β)の算出を説明する図である。
【数10】
【0038】
【数11】
上記式(3)において、β=φ−φ
0である。
【0040】
下記式(9)に示すように、式(4)で求められるSd(β)のうち、最大値Sd
0が試料の繊維配向度Sd
0である。
【数13】
【0041】
また、下記式(10)に示すように、Sd(β)が最大値Sd
0であるβがβ
0である。
【数14】
【0042】
なお、黒鉛の[002]等の結晶面は、炭素繊維の主軸の向きと90°ずれているため、不連続炭素繊維の主配向角α
0は、下記式(11)のようになる。
【数15】
【0043】
図12は、方位角(φ)と繊維配向度Sd(β)の関係を示す図である。繊維配向度Sd(β)を回折感度I
002(φ)と共に示しているが、繊維配向度Sd(β)と回折感度I
002(φ)のφ=90〜270°までのデータは、簡便のため、0〜90°および270〜360°のデータを回転対称に示したものである。
図12の繊維配向度Sd(β)によれば、最大値Sd
0をとるのは、β
0=358°であり、主配向角α
0は88°であることがわかる。
【0044】
試料中の不連続炭素繊維の繊維配向度S(β)は、
図13に示すフローチャートの工程で測定される。
【0045】
まず、X線画像取得部10により試料のX線回折像を取得(ステップS1)し、ピーク角度算出部21は、X線回折像を方位角(φ)により積分した積分値I(2θ)の変曲点Aから、黒鉛の結晶面に由来するピークの角度(2θ)
Aを算出する(ステップS2)。角度(2θ)
Aを算出する黒鉛の結晶面は、[002]、[004]および[006]としてもよいし、[002] のみとしてもよい。
【0046】
その後、補正係数算出部22により、試料の厚さの補正係数δを算出する(ステップS3)。補正係数δは、上記した式(2)から算出すればよい。
【0047】
続いて、上限算出部23により、X線回折像を方位角(φ)により積分した積分値I(2θ)の変曲点Bから前記黒鉛の結晶面のピークの上限(2θ)
Bを算出する(ステップS4)。変曲点Bは、黒鉛の結晶面に由来するピークの角度(2θ)
Aより上方である次の変曲点である。
【0048】
ピークの上限(2θ)
Bを算出後(ステップS4)、回折感度算出部24は、ステップS3で算出した補正係数δにより積分範囲を補正し(ステップS5)、X線回折像をステップS5で算出した積分範囲で積分して黒鉛の結晶面に由来するピークの回折感度I
C(φ)を算出する(ステップS6)。積分範囲は、(2θ)
B≧(2θ)
A+δの場合(2θ)
A−δ〜(2θ)
Bであり、(2θ)
B<(2θ)
A+δの場合(2θ)
A−δ〜(2θ)
Bである。
【0049】
回折感度I
C(φ)を算出後(ステップS6)、配向度算出部25は、回折感度I
C(φ)からHermansの手法により繊維配向度Sd(β)を算出する(ステップS7)。配向度算出部25は、繊維配向度Sd(β)の最大値Sd
0および主配向角α
0を、制御部20に出力する。
【0050】
制御部20は、繊維配向度Sd(β)の最大値Sd
0および主配向角α
0を、表示部30に表示するよう制御する(ステップS8)。
【0051】
本発明では、繊維配向度Sd(β)の算出に、試料の面内方向だけでなく、厚さt方向の繊維の配向を加味するように式(8)を用いている。これにより、厚さt方向で繊維の配向が異なる試料の繊維配向度Sd(β)をより正確に測定することができる。