(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の細胞培養容器/観察用試料セルは、細胞又は細胞組織を包埋する培養ゲルと、前記培養ゲルを内包する第1容器とを備え、前記培養ゲルは、第1容器内のスペースを満たし、第1容器は、ハイドロゲルからなる透光性の窓部を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の細胞培養容器/観察用試料セルに含まれる窓部は、アガロースゲル、ポリアクリルアミドゲル、アルギン酸ナトリウム又はコラーゲンゲルを含むことが好ましい。
このことにより、窓部が透光性を有することができる。また、第1容器外部の液体培地に含まれるタンパク質などの栄養が窓部を透過することができ、培養ゲル及び細胞組織に栄養を供給することができる。また、第1容器を回転させた場合でも窓部が変形することを抑制することができる。
本発明の細胞培養容器/観察用試料セルに含まれる第1容器の形状は立方体をはじめとする直方体であることが好ましく、第1容器は各面に窓部を有することが好ましい。
このことにより、上下左右前後の6面から第1容器内部の細胞組織を観察することができ、三次元培養した細胞組織の三次元構造を把握することができる。また、顕微鏡のステージに第1容器を容易に設置することができ、細胞組織を容易に観察することができる。
【0011】
本発明の細胞培養容器/観察用試料セルに含まれる第1容器は、窓部を囲む枠部を有することが好ましい。
このことにより、第1容器の強度を大きくすることができ、細胞培養容器/観察用試料セルの取り扱いが容易になる。また、窓部が傷つくことを抑制することができる。
本発明の細胞培養容器は液体培地を溜める第2容器をさらに備えることが好ましく、第1容器は液体培地中に配置されることが好ましい。
このことにより、第2容器に溜めた液体培地に含まれるタンパク質などの栄養を窓部を介して培養ゲル及び細胞組織に供給することができる。このことにより、第1容器の内部の細胞組織の活性を長期間維持することが可能になる。また、第1容器を第2容器から容易に取り出すことができ、第1容器の外部容器を容易に交換することができる。このことにより、培養時と観察時で外部容器を変えることが可能になり、それぞれに適した外部容器を使用することが可能になる。
【0012】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
【0013】
図1は第1実施形態の細胞培養容器/観察用試料セルの概略斜視図であり、
図2は
図1の破線X−Xにおける細胞培養容器/観察用試料セルの概略断面図である。
図3は、第2実施形態の細胞培養容器の概略断面図である。
図4は、第3実施形態の細胞培養容器/観察用試料セルの概略断面図である。
図5(a)〜(c)は、それぞれ第4〜第6実施形態の細胞培養容器/観察用試料セルの概略斜視図である。なお、本実施形態の細胞培養容器は、第1〜第6実施形態の細胞培養容器を含む。
本実施形態の細胞培養容器10/観察用試料セル10は、細胞7又は細胞組織7を包埋する培養ゲル6と、培養ゲル6を内包する第1容器1とを備え、培養ゲル6は、第1容器1内のスペースを満たし、第1容器1は、ハイドロゲルからなる透光性の窓部4を有することを特徴とする。
また、本実施形態の細胞培養容器10は、細胞組織を三次元培養するための容器である。また、本実施形態の細胞培養容器10は、細胞培養容器としての機能と観察用試料セルとしての機能の両方を有することができる。
なお、細胞7又は細胞組織7を包埋する培養ゲル6とは、細胞7又は細胞組織7を埋め込んだ培養ゲル6をいう。
【0014】
本実施形態の細胞培養容器10は、培養ゲルに包埋した細胞7又は細胞組織7を含むことができる。また、細胞組織7は、生細胞であってもよく、パラホルムアルデヒドなどで固定したものであってもよく、透過処理を施したものであってもよい。
また、本実施形態の細胞培養容器10は、
図3に示した第2実施形態の細胞培養容器10のように第2容器2を有してもよい。
本実施形態の細胞培養容器10は、観察用試料セル10であってもよい。この場合、細胞培養容器10(観察用試料セル)を顕微鏡にセットして、顕微鏡により培養ゲル6で培養した細胞組織7を観察することができる。細胞組織7を観察する顕微鏡は、光学顕微鏡であってもよく、レーザー顕微鏡であってもよい。
本実施形態の細胞培養容器10は、細胞7又は細胞組織7を包埋する培養ゲル6が充填される内部空間13を有する第1容器1を備え、第1容器1は、ハイドロゲルからなる透光性の窓部4を有するものであってもよい。この場合、細胞培養容器10に培養ゲル6及び細胞7又は細胞組織7を充填した後に、細胞7などを培養し、観察することができる。また、この細胞培養容器10は、第1容器1の内部空間13に培養ゲル6などを注入するための開口12を有することができる。この開口12には、第1容器1の内部空間13に培養ゲル6などを注入した後、ハイドロゲルからなる透光性の窓部4を形成することができる。細胞培養容器10は、例えば、
図10、11に示したような構成を有することができる。
以下、本実施形態の細胞培養容器10/観察用試料セル10について説明する。
【0015】
1.培養ゲル
培養ゲル6は、培養ゲル6に包埋された細胞7又は細胞組織7を培養するためのゲルである。培養ゲル6に包埋する細胞は、一定のパターンで集合した構造を有する細胞組織であってもよく、このような組織構造を有さない細胞であってもよい。また、組織構造を有さない細胞7を培養することにより、細胞組織7が成長してもよい。
細胞7又は細胞組織7を培養ゲル6に包埋することにより、培養ゲル6を介して細胞7又は細胞組織7に栄養を供給することができる。また、培養ゲル6が細胞組織7の足場になることができ、細胞組織7が三次元的に成長することができる。
培養ゲル6は、例えば、コラーゲン、ラミニン、エンタクチン、プロテオグリカンなどを含むことができる。また、培養ゲル6は、TGF−β、線維芽細胞増殖因子、組織プラスミノーゲン活性化因子などを含むことができる。さらに、培養ゲル6には、例えば、マトリゲル(登録商標)を用いることができる。
培養ゲル6は、第1容器1に内包され、外部の液体培地に直接接触しないため、培養ゲル6が液体培地を吸収し膨潤することにより細胞組織7の相対位置がずれることを抑制することができる。
【0016】
2.第1容器
第1容器1は、培養ゲル6を内包するように設けられる。また、細胞組織7を包埋した培養ゲル6が第1容器1内のスペースを満たす。このことにより、第1容器1中に培養ゲル6及び細胞組織7を閉じ込めることができ、第1容器1内で培養ゲル6が流動すること及び細胞組織7の相対位置がずれることを抑制することができる。また、細胞組織7の相対位置がずれることを抑制して第1容器1を水平方向、鉛直方向又は斜め方向に回転させることができる。さらに、第1容器1を設けることにより、細胞組織7を包埋した培養ゲル6の取り扱いが容易になる。このことにより、第1容器1を入れる外部容器を容易に交換することができる。例えば、多数のウェルを有するプラスチック材質のウェルプレート中に第1容器1を入れて細胞組織7を培養し、組織細胞7の蛍光画像などを取得する場合に、第1容器1をウェルプレートから取り出し、光透過性の高いガラス底面の外部容器に入れることができる。このことにより、明瞭な蛍光画像などを取得することができる。なお、プラスチック材質のウェルプレートは、光透過性の点から蛍光画像取得には適していない。また、撮影後は、第1容器1をウェルプレートに戻すことができる。
【0017】
第1容器1は、第1容器1を回転させても形状が変わらない強度を有することができる。また、第1容器1は閉鎖構造を有することができ、その内部のスペースを培養ゲル6及び細胞組織7が満たすことができる。
第1容器1の形状は、例えば、多面体であってもよい。このことにより、第1容器1が基準となる面を有することができ、細胞組織7の観察面を特定することが可能になる。このことにより、細胞組織7の三次元構造を特定する座標系を定めることができる。例えば3次元直交座標を定める場合、例えば、多面体における1つの平面を基準面とし、その平面に沿ってX−Y座標を取り、当該平面に垂直にZ座標をとることができる。また、多角形が互いに直交する3つの平面を持つ場合、その3つの平面を基準面として3次元直交座標系を定め定めてもよい。
第1容器1の形状は、
図1〜4に示した第1容器1のように立方体であってもよく、
図5(a)に示したように直方体であってもよく、
図5(b)に示したように六角柱であってもよい。また、第1容器1の形状は、
図5(c)に示したように円柱であってもよい。
また、第1容器1の形状は、4面体(三角錐)、5面体(三角柱、4角錐など)であってもよく、直方体以外の6面体(平行6面体、双三角錐など)、7面体(5角柱、6角錐など)、8面体(双四角錐など)であってもよい。また、10面体(双五角錐など)12面体(正12面体、菱形12面体、立方12面体など)であってもよい。第1容器1における面の数はさらに多くてもよいが、各窓部4の面積を広く確保する観点から面の数はあまり多過ぎない方がよく、4面体、5面体、6面体、7面体、8面体が好ましい。特に6面体の場合は3方向に面積の大きな窓が面するので、3次元観察に適している。
第1容器1は、例えば、各辺の長さが1mm以上5cm以下となる大きさにすることができる。また、第1容器1の容量は、例えば、1μL以上10mL以下とすることができる。
【0018】
第1容器1は、透光性の窓部4を有する。このため、第1容器1内部の細胞組織7を窓部4から顕微鏡などにより観察することができる。また、第1容器1の形状が
図1〜4、
図5(a)、(b)のように多面体である場合、窓部4は第1容器1の各面に設けることができる。このことにより、第1容器1内部の細胞組織7を第1容器1の各面からそれぞれ観察することができる。例えば、
図1〜4のように、窓部4は、第1容器1の各面に設けることができる。なお、窓部4から細胞組織7を観察する際、第1容器1を光透過性の高いガラス容器にいれて細胞組織7を観察することができる。このことにより、液体培地などが顕微鏡に付着することを防止することができる。
例えば、窓部4の形状は、膜状であってもよい。また、窓部4の形状は、平板状であってもよい。窓部4の厚みは厚くしてもよいが、このように膜状あるいは平板状にして、その厚みを小さく設定することにより、窓部4の透光性やタンパク質透過性を向上させることができる。
また、第1容器1は、細胞組織7の相対位置がずれることを抑制して回転させることができるため、第1容器1の窓部4を設けた各面が観察用試料セル10の観察面となるように第1容器1を回転させることができる。特に、第1容器1の上面と下面とが入れ替わるように第1容器1を回転させることや、第1容器1を横倒しにするように回転させることが可能になる。従って、第1容器1の各面から内部の細胞組織7を観察することが可能になり、細胞組織7の三次元的な立体形状を容易に明らかにすることができる。なお、細胞組織7の観察に用いる顕微鏡は、光学顕微鏡であってもよく、レーザー顕微鏡であってもよい。
第1容器1の形状が
図5(c)のように円柱である場合、窓部4は円柱の側面に設けることができる。このことにより、レーザー顕微鏡を用いて細胞組織7の三次元画像を取得することができる。また、窓部4は、円柱の上面および下面にも設けることができる。このことにより、上面及び下面からも細胞組織7を観察することができ、三次元画像の解像度を向上させることができる。
【0019】
第1容器1の窓部4はハイドロゲルからなる。このことにより、第1容器1の外部の液体培地などから培養に必要なタンパク質(分子量:数万〜数十万)などを窓部4を介して培養ゲル6及び細胞組織7に供給することができる。また、細胞培養容器10は、液体培地9を溜める第2容器2を備えることができ、第1容器1を液体培地9中に配置することができる。例えば、
図3に示した第2実施形態の細胞培養容器10のように第2容器2を備えることができる。このことにより、第2容器2に溜めた液体培地9に含まれるタンパク質などの栄養を窓部4を介して培養ゲル6及び細胞組織7に供給することができる。このことにより、第1容器1の内部の細胞組織7の活性を長期間維持することが可能になる。また、培養ゲル6が液体培地9と直接接触しないため、培養ゲル6が液体培地9を吸収し膨潤することを抑制することができ、細胞組織7の相対位置がずれることを抑制することができる。例えば、第2容器2は、複数のウェルを有するウェルプレートとすることができる。このことにより、複数の第1容器1をそれぞれ異なるウェル中に入れて培養することができ、多数の細胞組織7を培養することが可能になる。
【0020】
第2容器2に溜めた液体培地9は定期的に入れ替えてもよい。また、細胞培養容器10が新たな液体培地を溜めた第3容器を備え、第2容器2内で第1容器1内の細胞組織を一定期間培養した後、第1容器1を第2容器2から取り出し、第1容器1を第3容器に溜めた液体培地中に入れてもよい。また、第2容器2は複数のウェルを備えてもよい。1つのウェル内で第1容器1内の細胞組織7を一定期間培養した後、第1容器1をウェルから取り出し、第1容器1を異なるウェルに入れてもよい。このことにより、第1容器1の周りの液体培地の栄養分が低下することを抑制することができ、細胞組織7の活性を長期間維持することができる。
【0021】
窓部4を構成するハイドロゲルは、タンパク質を通し、かつ、自立できるだけの硬さがあれば特に限定されない。ハイドロゲルとは、水中の分散質が繋がってネットワークを形成し系全体として固体状になったものである。
例えば、窓部4の強度並びにタンパク質透過性は、窓部4に用いられているハイドロゲルのネットワークを形成する分散質の濃度を調整することによって調整することができる。
ネットワークを形成する分散質の濃度が高いほど窓部4の強度が高くなる。窓部4の強度としては50g/cm
2以上のゲル強度を有することが好ましく、このことにより、第1容器1の内部の培養ゲル6の重さにより窓部4が変形することを抑制することができる。
一方、分散質の濃度が高すぎると、タンパク質透過性が低下するので、タンパク質透過性を確保する上で、窓部4の強度が10000g/cm
2以下となるように分散質の濃度に抑えることが好ましい。
従って、窓部4の強度としては50g/cm
2以上10000g/cm
2以下が好ましい。なお、このようなゲル強度を得るための分散質の適切な濃度は、分散質の種類により異なる。
例えば、窓部4は、アガロースゲル、ポリアクリルアミドゲル、アルギン酸ナトリウム又はコラーゲンゲルを含むことができる。このことのより、窓部4が透光性を有することができる。また、第2容器2に溜めた液体培地9に含まれるタンパク質などの栄養が窓部4を透過することができ、培養ゲル6及び細胞組織7に栄養を供給することができる。また、窓部4がアガロースゲル、ポリアクリルアミドゲル、アルギン酸ナトリウム又はコラーゲンゲルを含むことにより、第1容器1を回転させた場合でも窓部4が変形することを抑制することができる。窓部4は、好ましくは、アガロースゲル又はポリアクリルアミドゲルである。このことにより、窓部4の硬さを容易に調整することができる。また、細胞培養容器10の製造コストを低減することができる。
窓部4がアガロースゲルの場合、アガロースの濃度は、例えば、0.5〜4.0%とすることができる。また、窓部4がポリアクリルアミドゲルの場合、ポリアクリルアミドの濃度は、例えば、3〜20%とすることができる。窓部4がアルギン酸ナトリウムを含む場合、窓部4は、アルギン酸ナトリウム水溶液にカルシウムイオンを加えてゲル化することにより形成することができる。窓部4がコラーゲンゲルの場合、高濃度のコラーゲンゲルで窓部4を形成することができる。このことにより窓部4が十分な強度を有することができる。
【0022】
第1容器1は、窓部4を囲む枠部5を有することができる。このことにより、第1容器1の強度を大きくすることができ、細胞培養容器10/観察用試料セル10の取り扱いが容易になる。また、窓部4が傷つくことを抑制することができる。例えば、
図1〜3に示した第1容器1のように、第1容器1を枠部5と窓部4から構成することができる。枠部5の材料は、生体適合性を有する樹脂とすることができる。また、枠部5の材料は、例えば、ポリカーボネートとすることができる。
図1、2に示したような細胞培養容器10/観察用試料セル10は、次のように作製することができる。まず、6面にそれぞれ開口を有する立方体の枠部5を準備し、窓部4用のゾルを枠部5の開口に流し込みゲル化させハイドロゲルからなる膜状又はシート状の窓部5を形成する。このようにして、枠部5の5面にそれぞれ窓部5を形成した後、ゲル化前の培養ゲルおよび細胞組織を枠部5の立方体中に注入して培養ゲルをゲル化させる。その後、窓部4用のゾルを残り1つの枠部5の開口に流し込みゲル化させ膜状又はシート状の窓部4を形成する。このようにして細胞組織7と培養ゲル6を内包した第1容器1を形成することができる。
【0023】
第1容器1は、枠部5を有さず窓部4を形成するハイドロゲルから構成されてもよい。このことにより、窓部4から細胞組織を観察する際に死角が生じることを抑制することができる。特に、第1容器1のサイズが十分に小さい場合(例えば、5mm以下)に第1容器1を枠部5を有さない構成にすることができる。例えば、
図4に示した第1容器1のように、第1容器1は枠部5を有さなくてもよい。
図4に示したような細胞培養容器10/観察用試料セル10は、次のように作製することができる。まず、窓部4用のゾルを型に流し込みゲル化させて、1つの面に開口を有する中空の立方体ゲルを形成する。その後、ゲル化前の培養ゲルおよび細胞組織を立方体ゲル中に注入して培養ゲルをゲル化させる。その後、立方体ゲルの開口に窓部4用のゾルを流し込みゲル化させ窓部5を形成する。このようにして細胞組織7と培養ゲル6を内包した第1容器1を形成することができる。
【0024】
細胞培養実験及び細胞観察実験
図1、2に示したような気管支組織を内包した第1容器を作成し、
図3に示したように、第1容器を液体培地中に配置して気管支組織を培養した。まず、一辺1cmのポリカーボネート製の立方体の枠部を準備し、1.5%アガロースゲルで窓部を形成した。その後、立方体内部に培養ゲルであるマトリゲル(登録商標)と気管支組織を注入しゲル化した後、残りの開口に1.5%アガロースゲルで窓部を形成することにより、第1容器を作製した。この第1容器を液体培地中に配置して、気管支組織を10日間三次元培養した。その後、培養した気管支組織を光学顕微鏡を用いて観察した。
なお、細胞培養実験では、第1容器中の培養ゲルの膨潤や細胞活性の劣化は観察されなかった。
【0025】
図6は、培養後の第1容器の写真である。
図7は、第1容器の下面の窓部から気管支組織を撮影した写真(
図1、2の(A)方向からの写真)であり、
図8は、第1容器の前面の窓部から気管支組織を撮影した写真(
図1、2の(B)方向からの写真)であり、
図9は、第1容器の右面の窓部から気管支組織を撮影した写真(
図1の(C)方向からの写真)である。
【0026】
図7の下面の窓部からの写真では、気管支組織の中心部が暗くなった。これは、気管支組織が上下方向に成長したため、試料に照射した光が気管支組織を透過できなかったためである。
図7の写真では、気管支組織の中心部から側面に向かって成長した気管支組織の二次元形状を把握することができた。また、図示していないが、上面の窓部からの写真からも気管支組織の中心部から側面に向かって成長した気管支組織の二次元形状を把握することができた。
図8の前面の窓部からの写真及び
図9の右面の窓部からの写真では、上下方向に成長した気管支組織の二次元形状を把握することができた。また、図示していないが、後面の窓部からの写真及び左面の窓部からの写真からも気管支組織の二次元形状を把握することができた。
これらのすべての窓部からの気管支組織の二次元画像を照合することにより、三次元培養した気管支組織の三次元構造を把握することができる。