(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、駆動回路及び発光装置の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、及びいわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下の実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更、及び組み合わせを行うことができる。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係る発光装置1の構成を例示する図である。発光装置1はLD2(発光素子)及び駆動回路101を含む。LD2は駆動回路101から供給される駆動電流(出力電流Iout)により発光する発光素子である。
【0011】
本実施形態に係る駆動回路101は、ハイサイドMOSFET(以下、HFETと略記する)111(第1のスイッチング素子)、ローサイドMOSFET(以下、LFETと略記する)112(第2のスイッチング素子)、制御回路113(制御手段)、コイル114(インダクタ)、及びコンデンサ115を含む。
【0012】
駆動回路101は同期整流方式によりLD2の駆動電流を生成する回路である。駆動回路101は、定電圧源から出力され電源端子121から入力された入力電圧Vinを、HFET111及びLFET112を用いてパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)制御することにより、LD2の駆動電流となる出力電流Ioutを出力する。
【0013】
本実施形態に係るHFET111及びLFET112は、ON状態のときに電流を流通させ、OFF状態のときに電流を遮断する。制御回路113はHFET111及びLFET112のON/OFFの切り換えを制御する回路である。制御回路113はHFET111及びLFET112のゲート電圧を制御するゲートドライバを含んで構成される。ゲートドライバはパルス幅変調信号を出力する機能、パルス幅(デューティー比)を制御する機能等を有し、電圧制御IC(Integrated Circuit)、電流制御IC、マイクロコンピュータ、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等を利用して構成され得る。マイクロコンピュータ及びFPGAはCPU(Central Processing Unit)、CPUを制御するプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域となるRAM(Random Access Memory)等を利用して構成され得る。制御回路113の詳細な機能については後述する。
【0014】
コイル114はHFET111から出力された電流を蓄え、出力電流Ioutを平滑化する機能を有する。コイル114を構成する磁性体コアに用いられる材質としては、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト等のフェライト材料、鉄系材料等が挙げられる。コイル114の形状は基板サイズ等に応じて適宜決定されればよい。
【0015】
コンデンサ115はLD2と並列に接続され、出力電圧Voutを平滑化する機能を有する。コンデンサ115としては、セラミックコンデンサ等の高寿命なコンデンサを用いることが好ましい。例えば電解コンデンサを用いると、寿命の低下、装置の大型化等を招く。セラミックコンデンサは寄生抵抗又は寄生容量が小さいものを選定することが好ましい。
【0016】
HFET111は電源電位とコンデンサ115とを接続する電気経路のON/OFF状態を切り換える。LFET112はコンデンサ115と接地電位とを接続する電気経路のON/OFF状態を切り換える。すなわち、HFET111がON状態(LFET112がOFF状態)のときにはコンデンサ115に電荷が蓄積され、LFET112がON状態(HFET111がOFF状態)のときにはコンデンサ115に蓄積されていた電荷が流出(放出)される。
【0017】
図1に示す例においては、HFET111は電源端子121と第1の中間端子124との間に接続されている。電源端子121には、LD2を駆動させるために必要な電圧より高い直流の入力電圧Vinが入力される。LFET112は第1の中間端子124と接地端子122との間に接続されている。コイル114は第1の中間端子124と出力端子126(第2の中間端子125)との間に接続されている。第1の中間端子124はHFET111とコイル114との間の接続点である。コンデンサ115は第2の中間端子125と接地端子122との間に接続されている。第2の中間端子125はコイル114と出力端子126との間の接続点である。LD2のアノードは出力端子126に接続し、カソードは接地端子122に接続している。
【0018】
なお、ここでは2つのスイッチング素子(HFET111及びLFET112)が用いられる構成が例示されているが、スイッチング素子の数は2つに限られるものではない。例えば、HFET111又はLFET112を、それぞれ2つ以上のMOSFETを並列に接続した回路により構成してもよい。
【0019】
本実施形態に係る制御回路113はパルス制御部117(パルス制御手段)及び停止制御部118(停止制御手段)を含む。
【0020】
パルス制御部117はHFET111のON/OFFを切り換えるH側変調信号PHと、LFET112のON/OFFを切り換えるL側変調信号PLとを出力する。パルス制御部117に制御タイミング信号STが入力されると、制御タイミング信号STの電圧値に応じてH側変調信号PHのパルス幅(デューティ比)が決定される。同期整流方式による通常の制御時においては、L側変調信号PLはH側変調信号PHの反転信号となるため、H側変調信号PHのパルス幅が決まればL側変調信号PLのパルス幅も決まる。パルス制御部117は制御タイミング信号STの電圧値に応じてH側変調信号PH及びL側変調信号PLのパルス幅を変化させる。制御タイミング信号STは外部の回路により生成されてもよいし、制御回路113の内部で生成されてもよい。
【0021】
HFET111がOFFからONに切り換わり、LFET112がONからOFFに切り換わると、コイル114に電流が流れる。HFET111がONからOFFに切り換わり、LFET112がOFFからONに切り換わると、コイル114に蓄えられた電流がGNDからLFET112を通り転流される。この動作を繰り返し行うことで、任意の電流出力を行う。コイル114により平滑化された出力電流Ioutが出力されると、LD2は出力電流Ioutの出力タイミングに応じたタイミング、且つ出力電流Ioutの電流量に応じた光強度で発光する。このとき、LD2と並列に接続されたコンデンサ115の両端の電圧差を示すコンデンサ電圧Vcが上昇する。コンデンサ電圧Vcは出力電圧Voutと同値である。HFET111がONからOFF又はOFFからONに切り換わる瞬間には、HFET111及びLFET112が共にOFFになるデッドタイムが存在する。駆動周波数が数百kHzである場合、デッドタイムは1周期の0.5%〜3%程度であることが好ましい。デットタイムは電源効率に影響を与えるものであり、実験的に適宜設定されるべきものである。
【0022】
図2は第1の実施形態に係る駆動回路101において出力電流Ioutが出力されていないときの、制御タイミング信号ST、出力電流Iout、H側変調信号PH、及びL側変調信号PLのタイミングチャートを例示する図である。なお、以下ではデッドタイムを考慮せずに説明する。
図2中上部のタイミングチャートに示すように、制御タイミング信号STの立ち上がりに同期して出力電流Ioutが出力され、制御タイミング信号STの立ち下がりに同期して出力電流Ioutの出力が停止する。
図2中下部のタイミングチャートで示すように、出力電流Ioutが出力されていないときには、H側変調信号PHはLとなり、L側変調信号PLはHとなる。
【0023】
図3は第1の実施形態に係る駆動回路101において出力電流Ioutが出力されているときの、制御タイミング信号ST、出力電流Iout、H側変調信号PH、及びL側変調信号PLのタイミングチャートを例示する図である。
図3中下部のタイミングチャートに示すように、出力電流Ioutが出力されているときには、H側変調信号PHは所定のパルス幅で発振し、L側変調信号PLはH側変調信号PHを反転させた位相で発振する。
【0024】
ここで、コンデンサ115の特徴及びコンデンサ115に起因する問題について説明する。
図4は第1の実施形態に係るLD2の電流電圧特性を例示する図である。LD2に順方向に流れる順方向電流Ifは、LD2に順方向に係る順方向電圧Vfが電位障壁に対応する閾値電圧Vf0より低いときには微量しか流れない。電位障壁はLD2が駆動し始めるために必要な電位である。順方向電圧Vfが閾値電圧Vf0以上になると、順方向電流Ifは上昇し始め、順方向電圧Vfも順方向電流Ifに応じて上昇し始める。
【0025】
図5は制御タイミング信号STと出力電流Ioutとの理想的な関係を例示する図である。理想的な状態においては、制御タイミング信号STの立ち上がりと出力電流Ioutの立ち上がりとの間に遅延が発生していない。
【0026】
図6は比較例に係る制御タイミング信号ST、出力電流Iout、及びコンデンサ電流Icとの関係を例示する図である。比較例においては、制御タイミング信号STの立ち上がりと出力電流Ioutの立ち上がりとの間に遅延ΔT1,ΔT2が発生している。この遅延ΔT1,ΔT2は、コンデンサ115への電荷の蓄積に要する時間に対応している。コンデンサ115に十分な電荷が蓄積されていない場合、制御タイミング信号STが立ち上がってからコンデンサ115に電荷が蓄積し終わるまでの間、すなわちコンデンサ115に流れ込むコンデンサ電流Icがある値まで上昇した後0になるまでに要する時間が遅延ΔT1,ΔT2となる。このような制御遅延が発生すると、LD2の発光制御の精度が低下する。また、コンデンサ115に電荷が十分に蓄積されていない状態で駆動回路101に入力電圧Vinが入力されると、コンデンサ電流Icが突入電流として作用するため、HFET111等の素子に損傷を与える可能性がある。
【0027】
上記のようなコンデンサ115に起因する制御遅延及び突入電流を防止するために、本実施形態に係る制御回路113は、コンデンサ電圧Vcが閾値電圧Vf0より低くならないように、HFET111及びLFET112を制御する。本実施形態に係る制御回路113は停止制御部118を含んでいる。停止制御部118は、コンデンサ電圧Vcが閾値電圧Vf0以下となった場合に、LFET112を強制的にOFF状態にする。
図1に示す例においては、停止制御部118は、パルス制御部117が出力するL側変調信号PLの電位を強制的に、OFF状態に対応する電位(本例においてはL)に切り換える。LFET112をOFFにすることにより、コンデンサ115に蓄積されている電荷がコイル114を介してGNDへ流出されることを防止し、コンデンサ電圧Vcの低下を防止することができる。
【0028】
図7は第1の実施形態に係る駆動回路101の出力電流Ioutの出力停止時における動作を例示する図である。
図7に示すように、制御タイミング信号STがHからLになると、パルス制御部117はH側変調信号PHをLに固定し、L側変調信号をHに固定する。これにより、HFET111はOFF状態を維持し、LFET112はON状態を維持する。このとき、コンデンサ115への電荷の蓄積は停止され、コンデンサ115に蓄積されていた電荷はコイル114を介してGNDへ流出されるため、コンデンサ電圧Vc及び出力電流Ioutは低下していく。そして、コンデンサ電圧Vcが閾値電圧Vf0まで低下したとき、停止制御部118はL側変調信号PLを強制的にLに切り換える。これにより、コンデンサ115の電荷の流出が抑制され、コンデンサ電圧Vcの低下が抑制される。
【0029】
図8は第1の実施形態に係る駆動回路101の出力電流Ioutの出力開始時における動作を例示する図である。
図8に示すように、制御タイミング信号STがLからHになると、パルス制御部117はH側変調信号PHを所定のパルス幅で発振させ、L側変調信号PLを、H側変調信号PHを反転させた位相で発振させる。これにより、HFET111のON/OFF状態がパルス幅に応じた間隔で交互に切り換わり、LFET112のON/OFF状態がHFET111と相反するように切り換わる。このとき、出力電流Iout及びコンデンサ電圧Vcはパルス幅(デューティ比)に応じた値に上昇する。
【0030】
上記停止制御部118の機能により、コンデンサ電圧Vcが閾値電圧Vf0まで低下したときにLFET112が強制的にOFFになり、コンデンサ電圧Vcの低下が抑止される。これにより、コンデンサ電圧Vcの低下に起因する制御遅延及び突入電流を防止することが可能になる。
【0031】
また、パルス制御部117は、コンデンサ電圧Vcが閾値電圧Vf0より低くなることをより確実に防止するために、定期的にコンデンサ115に電圧がかかるようにHFET111及びLFET112を制御してもよい。例えば、パルス制御部117は通常の駆動周波数よりも低い周波数で間欠的にHFET111をONにし、LFET112をOFFにしてLD2が駆動しない程度にコンデンサ115を充電してもよい。
【0032】
ここで、突入電流に対する更なる対策について説明する。上記構成によれば、駆動回路101の駆動中における突入電流に対しては十分に対応することができるが、駆動回路101のコンデンサ電圧Vcが閾値電圧Vf0よりも低い時における突入電流に対しては十分に対応できない場合がある。これは、コンデンサ電圧Vcが閾値電圧Vf0よりも低い時においては、コンデンサ電圧Vcが閾値電圧Vf0より低い状態(多くの場合、接地電圧)になっていることが多いため、単にLFET112をOFFにするだけでは突入電流の発生を抑制できない場合があるからである。そこで、本実施形態に係る制御回路113のパルス制御部117は、駆動回路101のコンデンサ電圧Vcが閾値電圧Vf0よりも低い時における突入電流を防止するための制御を行う。
【0033】
図9は第1の実施形態に係る駆動回路101のコンデンサ電圧Vcが閾値電圧Vf0よりも低い時における動作を例示する図である。本例のコンデンサ電圧Vcは例えば、起動時においては接地電圧(0V)となっている。起動後に初めて制御タイミング信号STがHとなったとき、パルス制御部117はL側変調信号PLをLに維持した状態で、H側変調信号PHを比較的狭いパルス幅(低いデューティ比)で発振させる。このようなコンデンサ電圧Vcが閾値電圧Vf0よりも低い時におけるH側変調信号PHの緩やかな発振(スロースタート)により、コンデンサ電圧Vcを安全に閾値電圧Vf0まで上昇させることができる。コンデンサ電圧Vcが閾値電圧Vf0に達した後には、
図7及び
図8に示すような通常の制御が行われる。これにより、駆動中における突入電流だけでなく、コンデンサ電圧Vcが閾値電圧Vf0よりも低い時における突入電流も防止することができる。
【0034】
なお、上記においては、駆動回路101が出力する出力電流Ioutを発光装置1のLD2の駆動電流として利用する例を示したが、駆動回路101の利用方法はこれに限定されるものではない。駆動回路101の出力電流Ioutが供給される負荷は、LD2等の発光素子に限られるものではなく、様々な電子デバイス、電気機器等であり得る。
【0035】
以上のように、本実施形態によれば、同期整流方式の駆動回路101において、出力電圧Voutを平滑化するコンデンサ115の電圧低下に起因する制御遅延及び突入電流を防止することが可能となる。
【0036】
以下に、他の実施形態について図面を参照して説明するが、第1の実施形態と同一又は同様の作用効果を奏する箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0037】
(第2の実施形態)
図10は第2の実施形態に係る発光装置1の構成を例示する図である。本実施形態に係るLD2は駆動回路201の出力電流Ioutにより駆動する。
【0038】
本実施形態に係る駆動回路201は、
図1に示す第1の実施形態に係る駆動回路101の構成に加え、電圧検出回路211を含む。電圧検出回路211は、コンデンサ115の両端の電位差を示すコンデンサ電圧Vcを検出する回路である。電圧検出回路211の具体的構成は特に限定されるべきものではないが、例えばコンパレータを含むアナログ回路、A/Dコンバータにより変換されたデジタルデータを解析するデジタル回路等が利用され得る。電圧検出回路211の接続位置は、
図10に示す例においてはコンデンサ115の前段となっているが、コンデンサ115の後段であってもよい。
【0039】
電圧検出回路211により検出されたコンデンサ電圧Vcを示すデータは制御回路113に入力され、停止制御部118によるLFET112に利用される。また、電圧検出回路211により検出されたコンデンサ電圧Vcを示すデータは、パルス制御部117によるH側変調信号PH及びL側変調信号PLの制御におけるフィードバック信号として利用されてもよい。
【0040】
上記構成により、直接的に検出されたコンデンサ電圧Vcに基づいて正確にLFET112を制御することが可能となる。これにより、コンデンサ電圧Vcが閾値電圧Vf0より低くなることを確実に防止し、制御遅延及び突入電流を確実に防止することが可能となる。
【0041】
(第3の実施形態)
図11は第3の実施形態に係る発光装置1の構成を例示する図である。本実施形態に係るLD2は駆動回路301の出力電流Ioutにより駆動する。
【0042】
本実施形態に係る駆動回路301は、
図1に示す第1の実施形態に係る駆動回路101の構成に加え、パルス幅検出回路311を含む。パルス幅検出回路311は、制御回路113のパルス制御部117から出力されたH側変調信号PHのパルス幅(デューティ比)を検出する回路である。パルス幅検出回路311の具体的構成は特に限定されるべきものではないが、例えばパルス電圧を平滑する積分器とコンパレータを含むアナログ回路等が利用され得る。
【0043】
パルス幅検出回路311により検出されたパルス幅を示すデータは制御回路113に入力される。制御回路113(停止制御部118)は検出されたパルス幅に基づいてコンデンサ電圧Vcを算出し、算出されたコンデンサ電圧Vcが閾値電圧Vf0より低くならないようにLFET112を制御する。制御回路113は、例えばH側変調信号PHの位相がHである時間(電圧)の積分値に基づいてコンデンサ115に供給された電流(コンデンサ電流Ic)の総量を算出し、算出されたコンデンサ電流Icの総量に基づいてコンデンサ電圧Vcを算出する。このようなコンデンサ電圧Vcの算出は、検出されるパルス幅がL側変調信号PLに関する値であっても可能である。制御回路113は、例えばパルス幅(積分値)とコンデンサ電圧Vcとの対応関係を示すテーブルデータを記憶しており、当該テーブルデータに基づいてコンデンサ電圧Vcを導出してもよい。また、パルス幅検出回路311により検出されたパルス幅を示すデータは、パルス制御部117によるH側変調信号PH及びL側変調信号PLの制御におけるフィードバック信号として利用されてもよい。
【0044】
上記構成により、パルス制御部117により出力された変調信号のパルス幅に基づいてLFET112を制御し、制御遅延及び突入電流を防止することが可能となる。
【0045】
(第4の実施形態)
図12は第4の実施形態に係る発光装置1の構成を例示する図である。本実施形態に係るLD2は駆動回路401の出力電流Ioutにより駆動する。
【0046】
本実施形態に係る駆動回路401は、
図1に示す第1の実施形態に係る駆動回路101の構成に加え、出力電流検出回路411を含む。出力電流検出回路411は出力電流Ioutを検出する回路である。出力電流検出回路411の具体的構成は特に限定されるべきものではないが、例えばホール素子を用いた電流センサ、シャント抵抗器等が利用され得る。
図12の例に係る出力電流検出回路411はコンデンサ115の後段に接続されている。これにより、コイル114及びコンデンサ115により平滑化された電流を検出することができる。
【0047】
出力電流検出回路411により検出された出力電流Ioutを示すデータは制御回路113に入力される。制御回路113(停止制御部118)は検出された出力電流Ioutに基づいてコンデンサ電圧Vcを算出し、算出されたコンデンサ電圧Vcが閾値電圧Vf0より低くならないようにLFET112を制御する。制御回路113は、例えば出力電流Ioutの積分値に基づいてコンデンサ電圧Vcを算出する。制御回路113は、例えば出力電流Iout(積分値)とコンデンサ電圧Vcとの対応関係を示すテーブルデータを記憶しており、当該テーブルデータに基づいてコンデンサ電圧Vcを導出してもよい。また、出力電流検出回路411により検出された出力電流Ioutを示すデータは、パルス制御部117によるH側変調信号PH及びL側変調信号PLの制御におけるフィードバック信号として利用されてもよい。
【0048】
上記構成により、出力電流Ioutに基づいてLFET112を制御し、制御遅延及び突入電流を防止することが可能となる。
【0049】
(第5の実施形態)
図13は第5の実施形態に係る発光装置1の構成を例示する図である。本実施形態に係るLD2は駆動回路501の出力電流Ioutにより駆動する。
【0050】
本実施形態に係る駆動回路501は、
図1に示す第1の実施形態に係る駆動回路101の構成に加え、コイル電流検出回路511を含む。コイル電流検出回路511はコイル114に流れるコイル電流Icoを検出する回路である。コイル電流検出回路511の具体的構成は特に限定されるべきものではないが、例えばコイル114に巻かれた副巻線の出力電流値からコイル電流Icoを得る回路等が利用され得る。
【0051】
コイル電流検出回路511により検出されたコイル電流Icoを示すデータは制御回路113に入力される。制御回路113(停止制御部118)は検出されたコイル電流Icoに基づいてコンデンサ電圧Vcを算出し、算出されたコンデンサ電圧Vcが閾値電圧Vf0より低くならないようにLFET112を制御する。制御回路113は、例えばコイル電流Icoの積分値に基づいてコンデンサ電圧Vcを算出する。制御回路113は、例えばコイル電流Ico(積分値)とコンデンサ電圧Vcとの対応関係を示すテーブルデータを記憶しており、当該テーブルデータに基づいてコンデンサ電圧Vcを導出してもよい。また、コイル電流検出回路511により検出されたコイル電流Icoを示すデータは、パルス制御部117によるH側変調信号PH及びL側変調信号PLの制御におけるフィードバック信号として利用されてもよい。
【0052】
上記構成により、コイル電流Icoに基づいてLFET112を制御し、制御遅延及び突入電流を防止することが可能となる。
【0053】
(第6の実施形態)
図14は第6の実施形態に係る発光装置1の構成を例示する図である。本実施形態に係るLD2は駆動回路601の出力電流Ioutにより駆動する。
【0054】
本実施形態に係る駆動回路601は、
図1に示す第1の実施形態に係る駆動回路101の構成に加え、FET電流検出回路611を含む。FET電流検出回路611はLFET112から接地端子122に流れる流出電流Irを検出する回路である。FET電流検出回路611の具体的構成は特に限定されるべきものではないが、ホール素子を用いた電流センサ、シャント抵抗器等が利用され得る。
図14の例に係るFET電流検出回路611はLFET112と接地端子122との間に直列接続されている。
【0055】
FET電流検出回路611により検出された流出電流Irを示すデータは制御回路113に入力される。制御回路113(停止制御部118)は検出された流出電流Irに基づいてコンデンサ電圧Vcを算出し、算出されたコンデンサ電圧Vcが閾値電圧Vf0より低くならないようにLFET112を制御する。制御回路113は、例えば流出電流Irの積分値に基づいてコンデンサ電圧Vcを算出する。制御回路113は、例えば流出電流Ir(積分値)とコンデンサ電圧Vcとの対応関係を示すテーブルデータを記憶しており、当該テーブルデータに基づいてコンデンサ電圧Vcを導出してもよい。また、FET電流検出回路611により検出された流出電流Irを示すデータは、パルス制御部117によるH側変調信号PH及びL側変調信号PLの制御におけるフィードバック信号として利用されてもよい。
【0056】
上記構成により、LFET112からGNDへ流出する流出電流Irに基づいてLFET112を制御し、制御遅延及び突入電流を防止することが可能となる。
【0057】
(第7の実施形態)
図15は第7の実施形態に係る発光装置1の構成を例示する図である。本実施形態に係るLD2は駆動回路701の出力電流Ioutにより駆動する。
【0058】
本実施形態に係る駆動回路701は、
図1に示す第1の実施形態に係る駆動回路101の構成に加え、外部定電圧源711(外部電源)及びダイオード712(整流器)を含む。外部定電圧源711は、入力電圧Vinを出力する定電圧源とは独立して設けられた電圧源であり、外部入力電圧Vin´を出力する。ダイオード712は外部入力電圧Vin´により生じる電流(コンデンサ電流Ic)の流れを一方向に制限する(逆流を防止する)。外部定電圧源711及ダイオード712は外部入力電圧Vin´が直接コンデンサ115に供給されるように接続される。外部入力電圧Vin´はダイオード712の駆動電圧を加味して設定されるべきである。
【0059】
上記構成のようにコンデンサ115に常に電圧を供給することにより、コンデンサ電圧Vcが閾値電圧Vf0より低くなることをより確実に防止することが可能となる。
【0060】
(第8の実施形態)
図16は第8の実施形態に係る発光装置1の構成を例示する図である。本実施形態に係るLD2は駆動回路801の出力電流Ioutにより駆動する。
【0061】
本実施形態に係る駆動回路801はパルス制御回路811(パルス制御手段)及び停止制御回路812(停止制御手段)を含む。パルス制御回路811は、
図1に示す第1の実施形態に係る制御回路113内のパルス制御部117と同様の機能を有する独立した回路である。停止制御回路812は、
図1に示す第1の実施形態に係る制御回路113内の停止制御部118と同様の機能を有する独立した回路である。
【0062】
上記構成のように、HFET111及びLFET112のON/OFF状態を交互に切り換えるための機能部(パルス制御部117に対応する機能部)と、LFET112を強制的にOFF状態にするための機能部(停止制御部118に対応する機能部)とをそれぞれ独立した回路として構成してもよい。
【0063】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図するものではない。この新規な実施形態はその他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更、及び組み合わせを行うことができる。この実施形態及びその変形は発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。