(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記生成部は、前記範囲が前記指標のいずれか一方に予め定められた境界よりも近い場合には、前記指標のいずれか前記一方に偏った分布を割り当てる請求項1から3のいずれか1項に記載の計測装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0011】
本実施形態における計測装置(感覚標本計測装置)は、評価用の複数の指標18(例、数字、文字や図形)が所定の範囲(例、最小値から最大値の範囲)で設けられたスケール10を用いて被験者が評価した感覚を計測することを含む。本実施形態の計測装置や計測方法(感覚標本計測法)では、1回の被験において、被験者に、被験した感覚の評価を複数の指標18を含むスケール上で該指標を選択させてスケール上の幅で指定された複数の指標(指標の範囲)に相当する標本データをもとに擬似的な標本を得る。また、計測装置は、スケール上の幅を複数回指定させた場合(複数回の被験)、それぞれの指定(選択)において得られた擬似的な標本の集合(複数の疑似的な標本、疑似的な標本のセット)を用いて、対応する擬似的な標本(後述の総合的な疑似標本を含む)を得る。例えば、ユーザ(評価者)は、計測装置などからそのようにして得られた、擬似的な標本から被験者の感覚を客観的に評価する。
【0012】
本実施形態における計測装置は、指定された幅から擬似的な標本を得ることで、複数の点を指定するときの統計的なデータを一回の試行(被験)で擬似的に得ることができる。よって、従来のVAS試験等に比べて少ない試行回数で、感覚を客観的に評価することができ、被験者への負担を減らすことができる。さらに、被験者に感覚を点ではなく幅で指定させることにより、被験者の評価の迷い等の心理的負担を軽減し、回答の曖昧さを低減することによってより客観的な評価をすることができる。
【0013】
図1Aは、本実施形態の感覚標本計測方法で用いるスケール10を示す。スケール10は紙や板などに描かれていてもよいし、タブレット等の表示装置に表示されていてもよい。
【0014】
スケール10は、第一の値と当該第一の値よりも大きい第二の値との間を線で結んだものである。VAS試験に用いられるものと同じものであってよい。
図1Aに示す例で、スケール10は、線部12と、当該線部12の両端に設けられた端部14、16を有する。線部12には実線の水平線が引かれているが、これに限られず、破線等であってもよいし、目盛が刻まれていてもよい。また、
図1Aの例では、線部12は直線状に並んだ点の集まりとみなすことができ、その意味において、スケール10は、当該点である複数の指標18が端部14から端部16の範囲に設けられているともいえる。上記の通り、指標18は、点に代えて他の図形、文字、数字等であってよい。指標18として数字を用いる場合は、例えば、0から100までの数値を10おきに並べて配してもよい。
【0015】
図1Aの例では一方の端部14には線部12に直交する短い線と「最小値」という表記が描かれており、他方の端部16には線部12に直交する短い線と「最大値」という表記が描かれている。なお端部14、16における短い線および表記はあってもなくてもよい。また、表記は端部14の側が小さい、少ないまたは低いことを示し、端部16の側が大きい、多いまたは高いことを示すものであることが好ましく、例えば他の例として百分率における「0」と「100」などが挙げられる。
【0016】
スケール10を準備し、被験者が被験した感覚に対応して、スケール10内の幅を指定させる。幅の指定は、スケール10が紙や板に描かれている場合には、ペンなどによる直接の描画、幅の開始から終了までの指差し、電子ペンによる読み取りなどの方法でなされてよい。また、スケール10が表示装置に表示されている場合には、マウスやキーボードなどの入力装置により、または、表示装置自体がタッチパネルである場合には表示装置へのタッチにより幅の指定を受け付けてよい。ここで、「感覚」には、いわゆる五感として知られている視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の他、温覚、冷覚、痛覚等の触覚以外の体性感覚(皮膚感覚、深部感覚など)や、内臓感覚、平衡感覚等、外部刺激を受け取った受容器を介して人が経験する心的現象の全てが含まれる。
【0017】
被験者に被験した感覚に対応した幅を指定してもらう場合、最小値は前記感覚を全く感じない状態における評価とし、最大値は前記感覚を最大に感じ得る状態の評価とすることが好ましい。例えば、被験者に対し、端部14を「負担や痛みを感じない」状態であることを説明し、端部16を「被験者が想像できる最も大きい負担や痛みを感じた」状態であると説明した上で、「今回の被験での感覚はどのあたりですか?」というように被験者に尋ねる方法が好ましい。幅の広さは被験者に任意に指定してもらってよい。被験内容は、痛み、加重負担、味覚などいかなる感覚でもよく、VAS試験を用いて計測されるものに対して適用することができる。
【0018】
図1Bは、スケール10を表示する携帯型端末120を示す。携帯型端末120は表示部132にスケール10を表示する。さらに、携帯型端末120はスタイラスペン122により被験者124からの入力を受け付ける。携帯型端末120の例は、タブレット、スマートフォン等である。
【0019】
次に、本実施形態における計測装置100の構成について説明する。
図4Aは、上記した携帯型端末120、および、携帯型端末120からのデータに基づいて感覚標本を計測する計測装置100のブロック図である。携帯型端末120は、被験者124からの入力を受け付ける入力部130と、スケール10を表示する表示部132と、計測装置100にデータを送信する送信部134と、計測装置100からのデータを受信する受信部138と、それら各部を制御する制御部136とを有する。
【0020】
計測装置100は、受付部(受信部)104、出力部106、記録部108、生成部110および演算部112を備える。受付部(受信部)104は、1回の被験によって被験者124が携帯型端末120を用いて選択した感覚に対応する指標の範囲を標本データとして送信部134から受信する。記録部108は、標本データを記録する。生成部110は、標本データを予め設定された分布に対応付けて、擬似的な標本を生成する。演算部112は、被験ごとに得られた複数の擬似的な標本を演算する。出力部106は、生成部110または演算部112が生成した擬似的な標本のデータ等を携帯型端末120に送信する。
【0021】
計測装置100は、タブレットやパーソナルコンピュータであってよい。その場合に、計測装置100はアプリケーションソフトウェアを読み込むことにより、上記の受付部(受信部)104等の各部の各機能を実行してもよい。
【0022】
図2は、携帯型端末120の入力部130に対して被験者124からスケール10に幅(指標の範囲)20が指定された状態を示す。幅20における値の小さい側を開始値s、大きい側を終了値eとすると、それらの中央値mは下記式(数1)で表される。
【数1】
中央値mから終了値eまでの長さLは下記式(数2)で表される。なお、長さLは、その定義から、開始値sから中央値mまでの長さに等しい。
【数2】
【0023】
計測装置100の生成部110は、上記のように指定された幅20から、1回の被験によってスケール10上の位置が複数回指定されたとした場合に対応する擬似的な標本30を得る。なお、疑似的な標本30は、1つ又は複数の標本を含む。以下、擬似的な標本30を疑似標本ともいう。生成部110が疑似的な標本を算出する場合に、指定される幅20に対応する分布を、ユーザが記録部108に予め設定しておく。分布の一例は、
図2の正規分布22である。この場合に、例えば、生成部110は開始値sから終了値eまでの長さ2Lを正規分布22の3σに対応させて、該正規分布に対応付けた疑似的な標本30を得る(例、正規分布の中央部分に相当する疑似標本の数が多く、正規分布の端部に相当する疑似標本の数が少ない)。これは、一回の幅(指標の範囲、標本データ)20の指定を、正規分布22をなす擬似標本30の集団を得たことに対応させたことになる。これにより、生成部110は1回の被験に対応した1回の幅20の指定により、擬似的に複数の被験に対応する複数の擬似標本30からなる分布を得ることができる。
【0024】
なお、幅20に対応する分布は正規分布22に限られず、任意の他の分布であってもよい。分布の他の例は、
図2の最下段に示す一様分布24である。さらに、指定された幅20の位置によって、分布の形を変えてもよい。例えば、生成部110は幅20が端部14に、予め定められた境界よりも近い場合には、端部14の側に偏った分布を割り当ててもよい。端部16についても同様に、生成部110は幅20が端部16の側に近いときにはそちらに偏った分布を割り当ててもよい。この場合には幅20が予め定められた閾値よりも端部14、16のいずれからも離れている場合には左右対称な分布を割り当てることが好ましい。
【0025】
被験者に幅20を指定してもらうということは、VAS試験における回答の曖昧さと感覚の曖昧さのうち、回答の曖昧さを当該幅20を指定させることで感覚の曖昧さに内包させているともいえる。よって、本実施形態の技術によれば、回答の曖昧さを低減することができ、1回の幅20の指定(被験)によって得られる複数の指標にVAS試験で切り捨てていた情報(指定されなかった指標)が標本として含まれることになるといえる。
【0026】
なお、幅20に対応する分布はユーザである計測者が記録部108に予め設定しておくが、設定の方法はこれに限られない。他の例として、被験者が幅20の指定時に設定してもよい。さらに、幅20の指定のたびに、計測者または被験者が分布を設定してもよい。
【0027】
図1Cは、複数の同一のスケール11を示す。
図3は同一のスケールを用いて複数回、幅を指定させた場合を説明する概念図である。
【0028】
制御部136は、
図1Cに示すスケール11を、携帯型端末120の表示部132に表示させる。携帯型端末120は、スケール11の上から順番に被験回数ごとに幅の指定を受け付ける。
【0029】
図3に示すように、1回目の幅指定40で幅44が指定されたことにより、幅44に対応する分布42をなす擬似標本が得られ、2回目の幅指定50で幅54が指定されたことにより、幅54に対応する分布52をなす擬似標本が得られる。以下同様に、n回目の幅指定60で幅64が指定されたことにより、幅64に対応する分布62をなす擬似標本が得られる。
【0030】
ここで、演算部112は、1回目からn回目までの複数の擬似標本を同一のスケール上にプロットすることにより、幅74を有する総合的な擬似標本70の統計分布72を得る。この場合に、演算部112は、例えば、1回目からn回目までの擬似標本を同一のスケール上にプロットして足し合わせる演算を行ってもよいし、被験の回数に応じた重み付けをして足し合わせる演算を行ってもよい。これにより、VAS試験と比較して1回あたりに得られる情報量(例、標本)が多いために、少ない被験回数で被験者への負担を軽減しつつ、多くの被験回数に相当する標本の分布(擬似標本の統計分布)を得ることができる。そして、計測装置100によって算出されたこの疑似標本の統計分布は、計測装置100の出力部106から携帯型端末120などの端末へ出力され、ユーザ(被験者)ごとの負荷等の感覚の評価(例、負荷の個体差の評価など)に利用される。
【0031】
また、本実施形態は、時間的な前後での擬似的な標本間の統計処理により、感覚の変化を評価することもできる。例えば、薬を投与する前の痛みの評価と、薬を投与した後の痛みの評価を統計処理により比較して、その薬に痛みを軽減する効果があるかどうか、という評価に用いることができる。
【0032】
図5は、計測装置100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0033】
受付部(受信部)104は、幅20に対応付ける分布(例、正規分布)の設定をユーザから受け付ける(S10)。受付部(受信部)104はさらに、受け付けた分布を記録部108に記録する。この場合に、受付部(受信部)104が分布の設定を直接受け付けてもよいし、ユーザが携帯型端末120の入力部130へ入力した設定を、送信部134が受付部(受信部)104に送信してもよい。これに代えて、記録部108に、幅20に対応付ける分布を予め記録させておき、ステップS10の動作を省略してもよい。
【0034】
携帯型端末120の表示部132は
図1Aまたは
図1Cに示すスケール10、11を表示する(S12)。スケール10を表示部132上で描画するためのデータは予め計測装置100の記録部108に記録されており、出力部106から送信されて受信部138および制御部136を介して表示部132に送られる。
【0035】
次に、受付部(受信部)104は、被験者からスケール10内の幅(指標の範囲)20の指定を受け付ける(受信する)(S14)。なお、受付部104(受信部)は、受付部104(受信部)が幅の指定を直接受け付けてもよいし、ユーザが携帯型端末120の入力部130へ入力した幅の指定を、送信部134が受付部104(受信部)に送信してもよい。また、携帯型端末120の表示部132自体がタッチパネルである場合には表示部132へのタッチ操作により幅の指定を受け付けてよい。例えば、表示部132が入力部130を兼ねてもよい。入力部130で受け付けた指定が1点であったり複数の幅20の指定であったりした場合には、表示部132に警告を表示してもよい。受付部104(受信部)は受け付けた幅の指定を記録部108に記録する。
【0036】
生成部110は、記録部108から上記入力された幅を標本データとして読み出し、スケール上の位置が複数回指定されたとしたときの擬似的な標本を生成する(S16)。そして、生成部110は、上記ステップS14及びS16の動作をn回繰り返す(S18:No)。演算部112は、受付部104が幅の指定をn回受け付けた場合に(S18:Yes)、1回目からn回目までの擬似標本を足し合わせる等の演算(例、加算、除算、乗算)を行うことにより、総合的な擬似標本の統計分布を得る(S20)。これに加えて演算部112は、指定回数に対応付けて擬似標本を個別に出力してもよい。演算部112は、擬似標本の統計分布を出力部106等を介して携帯型端末120の表示部132に表示してもよいし、表示部132とは別に、例えば、メールとして別端末へ送信したり、外部メモリへ出力したりしてもよい。また、生成部110も、一回ごとの擬似的な標本を出力部106等を介して携帯型端末120の表示部132に表示してもよいし、表示部132とは別に、例えば、メールとして別端末へ送信したり、外部メモリへ出力したりしてもよい。
【実施例】
【0037】
(実施例1)
本実施形態における幅の指定と、比較例としてのVAS試験との比較を行った。ここで、指定される幅に対応付ける擬似的な標本として正規分布を選択した。
【0038】
この場合に、1回目からn回目までの擬似標本を同一のスケール上にプロットして得た、統計分布72において、中央値mによる標準偏差σ
mは下記式(数3)で表される。
【数3】
ここで
【数4】
である。
【0039】
また、長さLによる標準偏差σ
Lは下記式(数5)で表される。
【数5】
ここで
【数6】
である。
【0040】
中央値mによる標準偏差σ
mと長さLによる標準偏差σ
Lとから、擬似標本全体の標準偏差σは下記式(数7)で表される。
【数7】
【0041】
実施例1の実験において、被験者124は3名とし、6通りの荷重126(0、1、1.5、2.5、3、5(単位はkg))のいずれかを
図6のように持ち上げてもらい、本実施形態によるスケール10の幅20の指定を10回、VAS試験を20回行った。荷重126の順序、幅の指定かVASかの順序は共にランダムとし、荷重の大きさは被験者124には知らせなかった。また、スケール10の端部14が「負担を感じない」場合に対応し、他の端部16を「被験者が想像することのできる最大の負担」に対応させるよう、被験者124に説明した。いずれも線部分を100mmとした。
【0042】
図7は、実施例1の実験結果を示す。横軸は荷重を示し、縦軸は被験者により指定されたスケール上の位置である。VAS試験においては被験者により指定された位置そのものであり、本実施形態においては幅20の開始値sと終了値eとを示した。
【0043】
図7の実験結果から分かるように、荷重が増えるにしたがって、開始値s、終了値e共にスケール10における負担の大きい方に対応した位置が指定されている。さらに、各荷重において、VAS試験の結果が開始値sと終了値eの幅の中に入っている。これらのことから、本実施形態の方法がVAS試験と標本化の傾向が一致していることが分かる。よって、本実施形態の方法よる擬似的な標本が妥当であることが示された。
【0044】
(実施例2)
本実施形態による計測回数とVAS試験による計測回数との関係を検討した。被験者124は1名とし、1通り(5kg)の荷重126を
図6のように持ち上げてもらい、本実施形態によるスケール10の幅20の指定を5回、VAS試験を30回行った。最初と、持ち上げ動作10回ごとに10kgの荷重126を持ち上げた。VAS試験による計測を午前、本実施形態による計測を午後に行った。荷重126の大きさは被験者124には知らせなかった。また、スケール10の端部14が「実験前の状態」に対応し、他の端部16を「10kgの荷重を持ち上げた時の負担」に対応させるよう、被験者124に説明した。いずれも線部分を100mmとした。
【0045】
図8は、実施例2の実験結果を示す。横軸は本実施形態による指定の回数を示し、左側縦軸は本実施形態の標準偏差と30回のVAS試験の標準偏差との差を示し、右側縦軸はt検定の検定統計量を示す。
【0046】
本実施形態とVAS試験とが等価であると仮定する条件を、t検定において検定統計量が基準値を下回ること、および、本実施形態の標準偏差と30回のVAS試験の標準偏差との差が5%以内であることとした。なお、本実施例において基準値は、有意水準0.05における基準値である1.96を採用している。
図8に示されるように、上記条件は本実施形態が3回および5回の場合に満足されている。よって、当該実施例においては、30回のVAS試験相当の統計値を、本実施形態を最低3回行うことにより得ることができているといえる。
【0047】
なお、本実施形態を実行する回数が多いとVAS試験と一致しなくなることもあるが、これは得られる擬似的な標本の分布の種類によるものと推測される。例えば、擬似的な標本として正規分布を選択した場合、実行回数が多くなると分散が大きくなり、標準偏差が大きくなる。この場合、実行回数が少ないVAS試験と一致しなくなる可能性が高くなる。評価をする感覚によって、実行回数や得られる擬似的な標本の分布の種類を適宜変更することが好ましい。
【0048】
上記実施形態はいずれもスケール10が一次元の線部12を有するが、互いに直交する二つの線部を有するスケールを用いて一つの被験に対して二つの感覚を二次元的な面積として被験者に指定させてもよい。これにより二つの感覚の相関を容易に標本化することができる。
【0049】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図4Bは、本実施形態にかかる他の携帯型端末150の機能ブロック図である。携帯型端末150は、
図4Aで携帯型端末120と計測装置100とに分かれていた構成を一体的に有する。例えば、携帯型端末150は、被験者が評価する感覚に対応する指標の範囲を含むスケールを表示する表示部132と、被験者によって入力された指標の範囲を標本データとして受信する入力部130と、標本データを予め設定された分布に対応付けて、擬似的な標本を生成する制御部140と、予め設定された分布、スケール10のデータ及び標本データ等を記録する記録部146を備える。制御部140は、計測装置100の生成部110及び演算部112と同等の機能を有する生成部142および演算部144を備える。また、携帯型端末150は、擬似的な標本のデータ等を外部の装置へ送信する送信部134と、外部の装置から種々のデータを受信する受信部138をさらに備える。なお、本変形例において、携帯型端末150は、
図5で示したフローチャートと同様の処理を実施することによって、上記した総合的な擬似標本の統計分布を得ることができる。
【0050】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0051】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。